JP2000068121A - 磁気ネイル - Google Patents

磁気ネイル

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JP2000068121A
JP2000068121A JP10231240A JP23124098A JP2000068121A JP 2000068121 A JP2000068121 A JP 2000068121A JP 10231240 A JP10231240 A JP 10231240A JP 23124098 A JP23124098 A JP 23124098A JP 2000068121 A JP2000068121 A JP 2000068121A
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JP
Japan
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magnetic nail
less
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corrosion resistance
present
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JP10231240A
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Inventor
Toshihiro Uehara
利弘 上原
Natsuki Kawai
夏樹 河合
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Proterial Ltd
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Hitachi Metals Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、耐食性に優れ、かつ高硬度
を有する磁気ネイルを提供する。 【解決手段】 少なくとも磁石を保持する部位と、該部
位を覆うキャップ部と、磁気ネイルを埋め込むための部
位からなり、前記磁気ネイルを埋め込むための金属部位
は、焼入れ焼戻しの後の硬さが45HRC以上からな
り、デルタフェライト量が2%以下であり、Mo、N、
Cuを含有するマルテンサイト系ステンレス鋼からなる
磁気ネイルである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アスファルトまた
はコンクリートの道路、通路等に打ち込み、その上を走
行する自動車、荷物の搬送車両等の運行管理、物流管理
等を行うのに用いられる磁気ネイルに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】最近、交通渋滞の緩和や自動車の排ガス
による大気汚染の軽減等を目的として高度交通管理シス
テムが検討されており、この中には自動運転道路システ
ムと呼ばれるものがある。これは、道路に埋め込まれた
磁気ネイルから発せられる磁気信号を自動車が検出し、
この情報をもとに自動車が安全かつ流れのよい走行をす
るものである。このシステムには、道路に埋め込む磁気
ネイルが必要であって、磁気ネイルは、道路に埋め込ん
で使用されるため、硬いアスファルトやコンクリートに
打ち込む必要がある。また、屋外の道路上で使用される
ため、降雨による雨水に対して耐食性を有する必要があ
る。特に最近、大気環境の悪化により、酸性度の高い雨
水、即ち酸性雨が問題となっていることから、腐食性の
強い酸性雨に対しても耐食性をもつ必要がある。また、
海岸に近い道路では塩分を含んだ水に対する耐食性も考
慮する必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐食
性に優れ、かつ高硬度を有する磁気ネイルを提供するこ
とである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、磁気ネイル
に好適な高い硬さと良好な耐食性を両立する材料につい
て鋭意検討を行なった。その結果、耐孔食性を高めるた
めには、Mo、Nを必須添加とした上でCuを少量添加
した化学組成をもち、耐食性に有害なデルタフェライト
の生成を抑制する目的で少量のNiをNi/Cu>0.
2の範囲で添加し、さらに下記に示す(1)式で示され
るCr当量に相当するA値を低く抑え、かつ耐食性を高
めるに、下記に示す(2)式に示されるB値を高くした
13Cr系のマルテンサイト系ステンレス鋼が磁気ネイル部
材として適することを見出した。 A=-40C+6Si-2Mn-4Ni+Cr+4Mo+2W-2Cu-30N+11V+10Ti+5Nb ……(1) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計
算) B=Cr+3.3Mo+1.65W+Cu+30N ……(2) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計
算)
【0005】すなわち、本発明は、少なくとも磁石を保
持する部位と、該部位を覆うキャップ部と、磁気ネイル
を埋め込むための部位からなり、前記磁気ネイルを埋め
込むための金属部位は、焼入れ焼戻しの後の硬さが45
HRC以上からなり、デルタフェライト量が2%以下で
あり、Mo、N、Cuを含有するマルテンサイト系ステ
ンレス鋼からなる磁気ネイルである。
【0006】また、本発明は、少なくとも磁石を保持す
る部位と、該部位を覆うキャップ部と、磁気ネイルを埋
め込むための部位からなり磁気ネイルであって、前記磁
石を保持する部位、該部位を覆うキャップ部と、磁気ネ
イルを埋め込むための金属部位のいずれかもしくは全部
が、重量%にて、C 0.15%を越え0.40%以
下、Si 2.0%以下、Mn 2.0%以下、Cr
11.0%以上15.0%未満、MoまたはMoとWの
2種が、Mo+1/2Wで1.0〜3.0%、N0.0
2〜0.15%を含有し、Ni 0.1〜1.5%およ
びCu 0.1〜2.0%を含み、かつNiとCuの関
係が(3)式を満足する範囲であって、残部が実質的に
Feからなり、かつ(1)式で示されるA値が10以
下、(2)式で示されるB値が20以上であるマルテン
サイト系ステンレス鋼からなることを特徴とする磁気ネ
イルである。 A=-40C+6Si-2Mn-4Ni+Cr+4Mo+2W-2Cu-30N+11V+10Ti+5Nb …………(1) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計
算) B=Cr+3.3Mo+1.65W+Cu+30N …………(2) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計
算) Ni/Cu>0.2 …………(3)
【0007】好ましくは、焼入れ焼戻し後の硬さが48
HRC以上であること、また30℃の脱気3.5%塩水
中での孔食電位Vc'100が150mV(vsS.C.E)
以上であることが好ましく、本発明の上記の新規な組成
範囲によって、この特性が達成できる。
【0008】
【発明の実施の形態】先ず、本発明の磁気ネイルについ
て説明する。本発明の磁気ネイルは、たとえば図1
(a)に示すように、外部に磁場を発振させるための磁
石(1)を備え、前記磁石は、磁石を保持する部位
(2)中に設置される。また、アスファルトやコンクリ
ート等に打ち込んで使用されるため、磁気ネイルを埋め
込むための金属部位(3)は鋲形状を有することが好ま
しく、鋲部は単純な鋲形状でもよいし、また、たとえば
図1(b)に示すような、引き抜く時の突起(膨らみ)を
設けてもよい。また、磁石を保持する部位(2)を覆う
ために、上部にキャップ部(蓋)(4)を有する。
【0009】以下に本発明の磁気ネイルの各元素の作用
について述べる。Cは、13%Cr系ステンレス鋼の焼
入れ後にマルテンサイト組織を得るために必要である。
また、Cは炭化物生成元素と結び付いて炭化物を形成
し、さらに一部はマルテンサイト基地中に固溶すること
で硬さを高めるのに有効な元素であるが、0.40%を
越えて添加するとCrの炭化物を多く形成し過ぎ、基地
のCr量を減少させて耐食性を劣化させる原因になる。
一方、0.15%以下では十分な硬さが得られなくなる
だけでなく、デルタフェライトを生成して耐孔食性、硬
さ、および熱間加工性を低下させることから、Cの含有
量を0.15%を越え0.40%以下とした。望ましい
Cの範囲は、0.20〜0.35%である。
【0010】Si、Mnは、脱酸のために少量添加する
が、2.0%を越えて添加してもより一層の向上効果が
みられないことから、いずれも2.0%以下とした。ま
た、Siはフェライトを生成しやすい元素であり、一方
Mnはオーステナイトを生成しやすい元素であり、少量
であっても基地の組織に多少影響を及ぼすので、望まし
くは、いずれも1.0%以下がよい。Niは、デルタフ
ェライトの生成を抑制して耐孔食性を高めるとともに、
特に後述するCu添加による熱間加工性の低下を防止す
るのに有効な元素であるのでCuの添加量に応じて添加
する必要がある。
【0011】Cuの他に熱間加工性を低下させるMoや
Nなどの元素を含有する本発明の13Cr系高硬度マル
テンサイト系ステンレス鋼においては、とりわけNi/
Cuの値を0.2を越え、望ましくは0.3以上に規制
するとともに、以下の限定理由によりNiの含有量をさ
らに制限する必要がある。すなわち、Niは0.1%未
満では、十分な効果が得られず、一方1.5%を越えて
添加するとマルテンサイト変態点が低下し、焼入れ後に
完全なマルテンサイト組織が得られにくくなるだけでな
く、焼なまし後の硬さが高くなり、冷間加工性を害する
ので、0.1〜1.5%とした。望ましいNiの範囲
は、0.2%を越え1.0%以下であり、さらに望まし
くは0.3〜0.8%である。
【0012】Crは、不動態皮膜を形成することで耐食
性、特に耐孔食性を高める効果を有する重要な元素であ
る。11.0%より少ないと十分な耐食性が得られず、
一方、15.0%を越えて添加するとデルタフェライト
を生成し、耐孔食性および熱間加工性を劣化させるの
で、11.0%以上15.0%未満とした。望ましいC
rの範囲は、13.0〜14.0%である。Moは、不
動態皮膜を強化することによって耐孔食性を高めるのに
非常に有効な元素であり、本発明鋼に必須添加される。
WもMoと同様、耐孔食性を高めるのに有効であるが、
W単独ではその効果は小さく、Wを添加する場合は、M
oの一部を当量のW(1/2Wが当量のMoに相当)で
置換する形で添加するのが望ましい。Mo単独、または
MoとWの両方がMo+1/2Wで1.0%より少ない
と耐孔食性が劣化し、一方、3.0%を越えて添加する
とデルタフェライトを生成し、逆に耐孔食性を劣化させ
るだけでなく、熱間加工性も劣化させるので、1.0〜
3.0%とした。望ましくは、1.5〜2.5%であ
る。
【0013】Cuは、Cr、Mo、Nを含む鋼に少量添
加することで耐孔食性を大幅に高めるのに非常に有効な
元素であるが、0.1%より少ないと十分な効果が得ら
れず、一方、2.0%を越えて添加すると熱間加工性を
害するだけでなく、焼入れ後に十分な硬さが得られなく
なるので、0.1〜2.0%とした。望ましいCuの範
囲は、0.1%以上1.0%未満であり、さらに望まし
くは0.2〜0.8%である。なお、Cuの添加量が
2.0%以下であっても、熱間加工性の不十分な範囲が
存在するため、Niの限定理由のところで述べたよう
に、NiとCuの関係がNi/Cu>0.2、望ましく
は0.3以上に制限する必要がある。
【0014】Nは、マルテンサイト基地中に固溶して焼
入れ後の硬さを高めるとともに、耐孔食性を高めるのに
非常に有効な元素である。また、デルタフェライトの生
成を抑制する効果も大きく、Niのような高価な合金元
素を節約して、Niの代わりにNを添加することでデル
タフェライトの生成を抑制し、安価に材料を製造するの
にも有効である。0.02%より少ないと十分な効果が
得られず、一方、0.15%を越えて添加すると、鋼塊
の健全性を害して製造性を劣化させることから、0.0
2%〜0.15%とした。望ましいNの範囲は、0.0
5〜0.15%である。
【0015】また、本発明部材には、必要に応じ、V、
Ti、Nbを添加することができる。V、Ti、Nbは
一次炭化物を形成することで結晶粒を微細化して硬さお
よび延性を向上させるのに有効な元素であり、1種また
は2種以上を必要に応じて添加する。これらのうち、1
種または2種以上が合計で、0.25%を越えて添加す
ると粗大な一次炭化物を形成し、冷間加工性を害するこ
とから1種または2種以上を合計で0.25%以下とす
るのがよい。
【0016】また、本発明部材には、必要に応じ、B、
Mg、Ca、Alを添加することができる。B、Mg、
Ca、Alは、酸化物、硫化物を形成することで、結晶
粒界に偏析するS、Oを低減し、熱間加工性を向上させ
るのに有効であり、1種または2種以上を必要に応じて
添加する。B、Mg、Ca、Alのうちの1種または2
種以上が合計で、0.10%を越えて添加してもより一
層の向上効果が得られず、逆に清浄度を低下させて熱間
および冷間加工性を害するので、B、Mg、Ca、Al
のうちの1種または2種以上を合計で、0.10%以下
とするのがよい。
【0017】さらに上記に述べた合金元素は、個々の成
分範囲を満足するだけでなく、良好な耐孔食性を得るた
めには、本発明部材において規定した式を満足する必要
がある。(1)式に示すA値は、本発明部材のCr当量
を示しており、この式のA値の大小がデルタフェライト
の生成し易さを左右する重要な指標である。A値は、フ
ェライトを生成しやすい元素であるCr、Si、Mo、
W、V、Ti、Nbの重量%に各元素の効果に応じて実
験から求めたそれぞれの係数を付した値から、オーステ
ナイトを生成しやすい元素であるC、Mn、Ni、C
u、Nの重量%に各元素の効果に応じてそれぞれ係数を
付した値を引いたものである。実験の結果、本発明部材
では、このA値が10を越えるとデルタフェライトを生
成し、耐孔食性が大きく低下するだけでなく、熱間加工
性、焼入れ後の硬さもやや低下することから、(1)式
に示すA値を10以下とした。
【0018】(2)式に示すB値は、本発明部材の耐孔
食性を左右する重要な指標であり、耐孔食性を直接的に
向上させる元素であるCr、Mo、W、Cu、Nの重量
%に各元素の効果の寄与の程度を実験的に求めた係数を
付した値の和で示している。本発明部材では、このB値
が20より小さいと、良好な耐孔食性が得られないの
で、(2)式に示すB値を20以上とした。上記元素の
他、重量%で5%以下のCoを本発明部材に添加しても
よい。Coは基地中に固溶して焼入れ焼戻し後の強度を
高める効果を有するが、Coは高価な元素であるので多
量の添加は必要でない。また、不純物元素であるP、S
については、通常の溶解工程で混入するレベルなら問題
ないので特に規定はしないが、耐孔食性の点からは低い
方が望ましい。
【0019】次に本発明の磁気ネイルの特性値の限定理
由について述べる。本発明の磁気ネイルは、適切な焼入
れ焼戻しを行なうことによって、SUS304の冷間加
工材やSUS410の焼入れ焼戻し材よりも高い硬さを
得ることができる。特に、本発明の磁気ネイルでは、そ
の性能を十分発揮させるために、45HRC以上が必要
であるが、本発明部材では約1000℃以上からの焼入
後、約300℃以下の低温焼戻しか、または約400〜
500℃の高温焼戻しを行なうことによって、48HR
C以上を得ることができる。但し、耐遅れ破壊性が重視
される場合は、適正な焼戻し温度を選ぶことによって硬
さを低くすることも可能である。
【0020】また、本発明の磁気ネイルはデルタフェラ
イト量を2%以下に抑制する。デルタフェライトの存在
は耐孔食性を害するため、生成させないことが好まし
い。しかし、2%以下であれば、耐孔食性の劣化が少な
く、硬さや熱間加工性の低下もほとんどないことからデ
ルタフェライト量は、2%以下であれば許容できるた
め、2%以下とした。また、デルタフェライトは、光学
顕微鏡によるミクロ組織試験で容易に観察でき、点算法
や画像解析等の手法によって定量的に測定することがで
きる。なお、デルタフェライトの抑制は、上述した各元
素を所望の範囲内で適宜添加することで、2%以下にそ
の生成を抑制できる。
【0021】本発明鋼の磁気ネイルは、適切な焼入れ焼
戻しを行なうことによって、高い硬さを維持しつつ、良
好な耐孔食性を得ることができる。耐孔食性の優劣を表
す1つの指標とし孔食電位が挙げられるが、大気中で使
用され、水道水、雨水、結露等にさらされる可能性のあ
る磁気ネイルに使用しても良好な耐孔食性を示すために
は、30℃の脱気3.5%塩水中での孔食電位Vc'100
が150mV(vs S.C.E)以上が必要であるが、
本発明部材では約1000℃以上からの焼入れ後、約3
00℃以下の低温焼戻しを行なうことによって、Vc'10
0を150mV(vs S.C.E)以上とすることがで
きる。ここで孔食とは、鋼の表面に所々に点状に小さな
孔を形成する腐食形態であり、ステンレス鋼においてよ
く見られる腐食の一種である。この孔食が発生すると見
栄えが悪くなるだけでなく、その孔を起点として破壊に
至る場合がある。なお、孔食電位は、電気化学的な腐食
評価試験法として、JIS G0577に規定される測
定方法に従って測定し、電流密度が100μA/cm
となるときの電位Vc'100として求める方法である。
【0022】なお、本発明の磁気ネイルは、少なくとも
磁石を保持する部位と、該部位を覆うキャップ部と、磁
気ネイルを埋め込む部位で構成されるが、そのうち、磁
気ネイルを埋め込む部位のみに用いれば、高硬度な特性
を有しているため、アスファルト、コンクリート等への
打ち込みが容易となる。また、キャップ部のみに用いれ
ば、優れた耐食性を有しているため、路面に溜まった雨
水、特に酸性雨に対して有効となる。勿論、磁気ネイル
を埋め込む部位と、キャップ部の両方に用いても良いこ
とは言うまでもない。
【0023】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を説明する。
表1に代表的な本発明部材の化学成分を示す。本部材は
1050℃に加熱し30分保持後油冷の焼入れを行なっ
た後、210℃で1時間の焼戻しを行ない、図1(a)
に示す磁気ネイルとした。焼入れ焼戻し後の硬さについ
てはロックウェル硬度計で測定した。また、耐食性につ
いてはJIS G0577に準じて脱気した30℃の
3.5%塩水中で測定し、電流密度が100μA/cm
となるときの電位Vc'100を孔食電位として求め、こ
れを耐食性の指標とした。さらに、デルタフェライトの
生成を光学顕微鏡で観察した。その結果を表2に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】表2からわかるように、本発明の磁気ネイ
ルは焼入れ焼戻し硬さがHRC48以上と高く、また孔
食電位Vc'100も150mV(vs S.C.E)以上の
高い値を示しており、良好な耐食性と高硬度を兼備して
いることがわかる。以上の特性を有する本発明の磁気ネ
イルは高硬度であるため、アスファルトやコンクリート
のような硬い路面に打ち込むことができ、また、良好な
耐食性を有するため、降雨により路面に溜まった雨水、
特に酸性雨、塩分を含む水に対して良好な耐食性を確保
することができる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気ネイ
ルは、耐孔食性に優れ、かつ高硬度を有する。したがっ
て、降雨により路面に溜まった雨水、特に酸性雨、塩分
を含む水等にさらされる磁気ネイルとして用いれば、信
頼性および寿命を大幅に向上でき、工業上顕著な効果を
有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気ネイルの一例を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1 磁気ネイル、2 磁石、3 磁石を保持する部位、
4 磁気ネイルを埋め込むための金属部位、5 キャッ
プ部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも磁石を保持する部位と、該部
    位を覆うキャップ部と、磁気ネイルを埋め込むための部
    位からなり、前記磁気ネイルを埋め込むための金属部位
    は、焼入れ焼戻しの後の硬さが45HRC以上からな
    り、デルタフェライト量が2%以下であり、Mo、N、
    Cuを含有するマルテンサイト系ステンレス鋼からなる
    ことを特徴とする磁気ネイル。
  2. 【請求項2】 少なくとも磁石を保持する部位と、該部
    位を覆うキャップ部と、磁気ネイルを埋め込むための部
    位からなり磁気ネイルであって、前記磁石を保持する部
    位、該部位を覆うキャップ部と、磁気ネイルを埋め込む
    ための金属部位のいずれかもしくは全部が、重量%に
    て、C 0.15%を越え0.40%以下、Si 2.
    0%以下、Mn 2.0%以下、Cr 11.0%以上
    15.0%未満、MoまたはMoとWの2種が、Mo+
    1/2Wで1.0〜3.0%、N0.02〜0.15%
    を含有し、Ni 0.1〜1.5%およびCu 0.1
    〜2.0%を含み、かつNiとCuの関係が(3)式を
    満足する範囲であって、残部が実質的にFeからなり、
    かつ(1)式で示されるA値が10以下、(2)式で示
    されるB値が20以上であるマルテンサイト系ステンレ
    ス鋼からなることを特徴とする磁気ネイル。 A=-40C+6Si-2Mn-4Ni+Cr+4Mo+2W-2Cu-30N+11V+10Ti+5Nb …………(1) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計
    算) B=Cr+3.3Mo+1.65W+Cu+30N …………(2) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計
    算) Ni/Cu>0.2 …………(3)
  3. 【請求項3】 焼入れ焼戻し後の硬さが48HRC以上
    であることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気
    ネイル。
  4. 【請求項4】 30℃の脱気3.5%塩水中での孔食電
    位Vc'100が150mV(vs S.C.E)以上である
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁
    気ネイル。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017150045A (ja) * 2016-02-26 2017-08-31 山陽特殊製鋼株式会社 マルテンサイト系ステンレス鋼
JP2018159114A (ja) * 2017-03-23 2018-10-11 山陽特殊製鋼株式会社 耐食性に優れるマルテンサイト系ステンレス鋼

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JP2017150045A (ja) * 2016-02-26 2017-08-31 山陽特殊製鋼株式会社 マルテンサイト系ステンレス鋼
JP2018159114A (ja) * 2017-03-23 2018-10-11 山陽特殊製鋼株式会社 耐食性に優れるマルテンサイト系ステンレス鋼

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