JP2968844B2 - 耐孔食性の優れた高硬度マルテンサイト系ステンレス鋼 - Google Patents

耐孔食性の優れた高硬度マルテンサイト系ステンレス鋼

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JP2968844B2 JP8521554A JP52155496A JP2968844B2 JP 2968844 B2 JP2968844 B2 JP 2968844B2 JP 8521554 A JP8521554 A JP 8521554A JP 52155496 A JP52155496 A JP 52155496A JP 2968844 B2 JP2968844 B2 JP 2968844B2
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    • C22C38/44Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel with molybdenum or tungsten

Description

【発明の詳細な説明】 技術の背景 本発明は、大気中で使用され、水道水、雨水、結露等
にされされる可能性のあるねじ、釘、ボルト、刃物、ば
ね、あるいはプラスチック成形用金型、プラスチック射
出成形機部品等の、優れた耐食性、特に耐孔食性と高い
硬さが共に要求される用途に使用されるのに適した耐孔
食性の優れた高硬度マルテンサイト系ステンレス鋼に関
するものである。
従来、高い硬さが要求されるねじ、釘、ボルト、刃
物、ばね等には、炭素を比較的多く含む炭素鋼や低合金
鋼が一般に広く使用されている。しかし、これらは耐食
性に寄与するCr等の合金量が少ないため、水道水、雨
水、結露等の比較的腐食性の少ない水にさらされた場合
においても容易に発錆し、外観上および強度上劣化する
という問題があった。
これに対して、耐食性の要求される用途にはステンレ
ス鋼が使用される。しかし、SUS304,SUS316等に代表さ
れるオーステナイト系ステンレス鋼は、耐食性が良好で
あるが、加工硬化性が大きく冷間加工性が悪いこと、お
よびかなりの強加工を行なっても硬さが43HRC程度まで
しかあがらないことから、高い硬さが要求される用途に
は不適当である。また、SUS430等に代表されるフェライ
ト系ステンレス鋼は、加工硬化性が小さく、冷間加工に
よる加工がしやすいが、硬さが非常に低く、高い硬さが
要求される用途には不適当である。
一方、硬さの高いステンレス鋼としては、マルテンサ
イト系ステンレス鋼が挙げられるが、自動車用、産業用
に多用されている代表的な材料であるSUS410でも耐食性
が不十分であること、および硬さもせいぜい42HRC前後
であることから、耐食性、硬さともに十分とは言えな
い。硬さの非常に高いマルテンサイト系ステンレス鋼と
してSUS440Cがあるが、これはC量が約1%と高いため
に58HRC以上の高い硬さが得られるものの、耐食性はス
テンレス鋼としては必ずしも良好とはいえない。また、
ステンレス鋼は、発錆に対する抵抗は比較的大きいが、
発錆が少なくても、孔食と呼ばれる局部的な孔状の腐食
を起こすことがあり、高強度材ではこれが破壊の起点と
なり易い問題があった。
この他、特開昭57−70265号には、高強度のマルテン
サイト系ステンレス鋼が、また特開平6−264194号に
は、耐錆性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼およ
びドリリングタッピンねじ、がそれぞれ提案されてい
る。
上記、特開昭57−70265号で提案されているマルテン
サイト系ステンレス鋼は、Cuを1.0〜3.0%、Niを0.2%
以下含み、また必要に応じてMoを0.5〜3.0%添加するも
のである。しかし、この鋼は、Cuの含有量が多い反面、
Niの添加量が少ないため、熱間加工性の点で必ずしも満
足できない問題があった。さらに、組成の組合せによっ
ては、デルタフェライトが形成され易く、この場合、耐
孔食性が低下する問題もある。
また、特開平6−264194号で提案されるマルテンサイ
ト系ステンレス鋼は、Cuを含まないが、Moを比較的多く
含有するものである。しかし、この鋼は、焼なまし後の
硬さが1回の焼なまし処理では十分低下しない問題があ
る。そのため、複数回の焼なまし処理が必要となり、工
程が煩雑になるだけでなく、複数回の焼なまし処理後の
硬さも必ずしも満足できる低い硬さが得られず、強度の
冷間成形を行なうことが困難な点があった。
そこで、最近、熱間加工や冷間成形が容易で、かつ焼
入れ焼戻し後に、良好な耐孔食性と高い硬さを兼備する
マルテンサイト系ステンレス鋼が望まれていた。
発明の開示 本発明の目的は、熱間加工性が良く、複雑な焼なまし
処理を行なわなくても冷間成形が可能であって、かつ焼
入れ焼戻し後に耐孔食性が良好で、かつ高い硬さを得る
ことができる安価なマルテンサイト系ステンレス鋼を提
供することである。
発明者は、13%Cr系のマルテンサイト系ステンレス鋼
について、高い硬さと良好な耐孔食性を両立させるべ
く、鋭意検討を行なった。その結果、耐孔食性を高める
ためには、Mo、Nを必須添加とした上でCuの少量添加が
非常に有効であること、またMoを添加するとデルタフェ
ライトが生成しやすくなり、耐孔食性および熱間加工性
を低下させるため、有害なデルタフェライトの生成を抑
制する目的で少量のNiをNi/Cu>0.2の範囲を保ちながら
添加すること、およびNの多量添加が必要であることを
見出した。さらにデルタフェライトの抑制には、下記に
示す(1)式で示されるCr当量に相当するA値を低く抑
え、かつ耐孔食性を高めるには、下記に示す(2)式に
示されるB値を高くするように合金元素のバランスを適
性化することが本発明の特徴の一つである。
A=-40C+6Si-2Mn-4Ni+Cr+4Mo+2W-2Cu-30N+11V+10Ti+5Nb ……(1) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計
算) B=Cr+3.3Mo+1.65W+Cu+30N ……(2) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計
算) 上記のうち、Cu添加は耐孔食性を向上させるだけでな
く、冷間加工性も向上させる効果もあるため、できるだ
け多く含有させることが望ましいが、Cuの添加量が多く
なると熱間加工性が低下する問題が発生する。
しかも、熱間加工性を低下させる元素であるMo,N等を
含有する13Cr系高硬度マルテンサイト系ステンレス鋼に
おいては、NiとCuをそれぞれ特定範囲内で共同添加する
と共に、NiとCuの量比をNi/Cu>0.2とすることで良好な
耐食性と冷間加工性が得られ、同時に熱間加工性も満足
できる点が本発明の特徴の一つである。
また、耐孔食性を損なうことなく、高い硬さを得るに
は、C量をやや低めの適正量に抑えた上でNを多量に添
加することが本発明の他の特徴である。
すなわち、本発明の第1発明は、重量%にて、C 0.
15%を越え0.40%以下、Si 2.0%以下、Mn 2.0%以
下、Cr 11.0%以上15.0%未満、MoまたはMoとWの2種
が、Mo+1/2Wで1.0〜3.0%、N 0.02〜0.15%を含有
し、Ni 0.1〜1.5%およびCu 0.1〜2.0%を含み、かつ
NiとCuの関係が(3)式を満足する範囲であって、残部
が実質的にFeからなり、かつ(1)式で示されるA値が
10以下、(2)式で示されるB値が20以上であることを
特徴とする耐孔食性の優れた高硬度マルテンサイト系ス
テンレス鋼である。
A=-40C+6Si-2Mn-4Ni+Cr+4Mo+2W-2Cu-30N+11V+10Ti+5Nb ……(1) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計
算) B=Cr+3.3Mo+1.65W+Cu+30N ……(2) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計
算) Ni/Cu>0.2 ……(3) また第1発明の望ましい組成は、重量%にて、C 0.
15%を越え0.40%以下、Si 2.0%以下、Mn 2.0%以
下、Ni 0.2%を越え1.0%以下、Cr 11.0%以上15.0%
未満、MoまたはMoとWの2種が、Mo+1/2Wで1.0〜3.0
%、Cu 0.1%以上1.0%未満、N 0.02〜0.15%、残部
が実質的にFeからなり、かつ(1)式で示されるA値が
10以下、(2)式で示されるB値が20以上であることを
特徴とする耐孔食性の優れた高硬度マルテンサイト系ス
テンレス鋼である。
A=-40C+6Si-2Mn-4Ni+Cr+4Mo+2W-2Cu-30N+11V+10Ti+5Nb ……(1) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計
算) B=Cr+3.3Mo+1.65W+Cu+30N ……(2) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計
算) さらに第1発明のより望ましい組成は、重量%にて、
C 0.20〜0.35%、Si 2.0%以下、Mn 2.0%以下、Ni
0.3〜0.75%、Cr 11.0%以上15.0%未満、MoまたはM
oとWの2種が、Mo+1/2Wで1.0〜3.0%、Cu 0.1%以上
1.0%未満、N 0.02〜0.15%、残部が実質的にFeから
なり、かつ(1)式で示されるA値が10以下、(2)式
で示されるB値が20以上であることを特徴とする耐孔食
性の優れた高硬度マルテンサイト系ステンレス鋼であ
る。
A=-40C+6Si-2Mn-4Ni+Cr+4Mo+2W-2Cu-30N+11V+10Ti+5Nb ……(1) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計
算) B=Cr+3.3Mo+1.65W+Cu+30N ……(2) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計
算) 本発明の第2発明は、重量%にて、C 0.15%を越え
0.40%以下、Si 2.0%以下、Mn 2.0%以下、Cr 11.0
%以上15.0%未満、MoまたはMoとWの2種が、Mo+1/2W
で1.0〜3.0%、N 0.02〜0.15%を含有し、Ni 0.1〜
1.5%およびCu 0.1〜2%を含み、かつNiとCuの関係が
(3)式を満足する範囲であって、さらにV,Ti,Nbのう
ち1種または2種以上を合計で0.25%以下含み、残部が
実質的にFeからなり、かつ(1)式で示されるA値が10
以下、(2)式で示されるB値が20以上であることを特
徴とする耐孔食性の優れた高硬度マルテンサイト系ステ
ンレス鋼である。
A=-40C+6Si-2Mn-4Ni+Cr+4Mo+2W-2Cu-30N+11V+10Ti+5Nb ……(1) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計
算) B=Cr+3.3Mo+1.65W+Cu+30N ……(2) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計
算) Ni/Cu>0.2 ……(3) また、第2発明の望ましい組成は、重量%にて、C
0.15%を越え0.40%以下、Si 2.0%以下、Mn 2.0%以
下、Ni 0.2%を越え1.0%以下、Cr 11.0%以上15.0%
未満、MoまたはMoとWの2種が、Mo+1/2Wで1.0〜3.0
%、Cu 0.1%以上1.0%未満、N 0.02〜0.15%、V、
Ti、Nbのうち1種または2種以上を合計で0.25%以下、
残部が実質的にFeからなり、かつ(1)式で示されるA
値が10以下、(2)式で示されるB値が20以上であるこ
とを特徴とする耐孔食性の優れた高硬度マルテンサイト
系ステンレス鋼である。
A=-40C+6Si-2Mn-4Ni+Cr+4Mo+2W-2Cu-30N+11V+10Ti+5Nb ……(1) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計
算) B=Cr+3.3Mo+1.65W+Cu+30N ……(2) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計
算) 第2発明のより望ましい組成は、重量%にて、C 0.
20〜0.35%、Si 2.0%以下、Mn 2.0%以下、Ni 0.3
〜0.75%、Cr 11.0%以上15.0%未満、MoまたはMoとW
の2種が、Mo+1/2Wで1.0〜3.0%、Cu 0.1%以上1.0%
未満、N 0.02〜0.15%、さらにV,Ti,Nbのうち1種ま
たは2種以上を合計で0.25%以下含み、残部が実質的に
Feからなり、かつ(1)式で示されるA値が10以下、
(2)式で示されるB値が20以上であることを特徴とす
る耐孔食性の優れた高硬度マルテンサイト系ステンレス
鋼である。
A=-40C+6Si-2Mn-4Ni+Cr+4Mo+2W-2Cu-30N+11V+10Ti+5Nb ……(1) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計
算) B=Cr+3.3Mo+1.65W+Cu+30N ……(2) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計
算) なお、上記の第1、第2発明およびこれらの望ましい
ステンレス鋼の鋼組成には、必要に応じてB,Mg,Ca,Alの
うち1種または2種以上を合計で0.10%以下で、さらに
焼入れ焼戻し後の強度を高める目的からは5%以下のCo
を含有させることができる。
上記組成の本発明鋼は、焼入れ焼戻し後の硬さが50HR
C以上であること、また30℃の脱気3.5%塩水中での孔食
電位Vc100が150mV(vs S.C.E)以上であることが好
ましく、本発明の上記の新規な組成範囲によって、この
特性が達成できる。
一方、本発明鋼は比較的単純な1回の焼なましで十分
低い硬さに下げることができる点にも特徴がある。特に
冷間引抜、冷間圧延、冷間鍛造、ねじ転造、冷間曲げ等
の冷間成形を行なう場合には、焼なまし後の硬さは、25
0HV以下であることが必要である。従来の類似の鋼は焼
なましを複数回繰り返さないと焼なまし硬さを300HV以
下、望ましくは250HV以下にすることが困難で煩雑な熱
処理を行なっていた。本発明鋼は700〜890℃で1回の焼
なましを行なうことで焼なまし硬さを300HV以下にする
ことができ、特にNiの上限が1.0%以下の場合には、焼
なまし状態の硬さを250HV以下にすることができる。
発明を実施するための最良の形態 以下に本発明鋼の各元素の作用について述べる。
Cは、13%Cr系ステンレス鋼の焼入れ後にマルテンサ
イト組織を得るために必要である。また、Cは炭化物生
成元素と結び付いて炭化物を形成し、さらに一部はマル
テンサイト基地中に固溶することで硬さを高めるのに有
効な元素であるが、0.40%を越えて添加するとCrの炭化
物を多く形成し過ぎ、基地のCr量を減少させて耐食性を
劣化させる原因になる。一方、0.15%以下では十分な硬
さが得られなくなるだけでなく、デルタフェライトを生
成して耐孔食性、硬さ、および熱間加工性を低下させる
ことから、Cの含有量を0.15%を越え0.40%以下とし
た。望ましいCの範囲は、0.20〜0.35%である。
Si、Mnは、脱酸のために少量添加するが、2.0%を越
えて添加してもより一層の向上効果がみられないことか
ら、いずれも2.0%以下とした。また、Siはフェライト
を生成しやすい元素であり、一方Mnはオーステナイトを
生成しやすい元素であり、少量であっても基地の組織に
多少影響を及ぼすので、望ましくは、いずれも1.0%以
下がよい。
Niは、デルタフェライトの生成を抑制して耐孔食性を
高めるとともに、特に後述するCu添加による熱間加工性
の低下を防止するのに有効な元素であるのでCuの添加量
に応じて添加する必要がある。
Cuの他に熱間加工性を低下させるMoやNなどの元素を
含有する本発明の13Cr系高硬度マルテンサイト系ステン
レス鋼においては、とりわけNi/Cuの値を0.2を越え、望
ましくは0.3以上に規制するとともに、以下の限定理由
によりNiの含有量をさらに制限する必要がある。すなわ
ち、Niは0.1%未満では、十分な効果が得られず、一方
1.5%を越えて添加するとマルテンサイト変態点が低下
し、焼入れ後に完全なマルテンサイト組織が得られにく
くなるだけでなく、焼なまし後の硬さが高くなり、冷間
加工性を害するので、0.1〜1.5%とした。望ましいNiの
範囲は、0.2%を越え1.0%以下であり、さらに望ましく
は0.3〜0.8%である。
Crは、不動態皮膜を形成することで耐食性、特に耐孔
食性を高める効果を有する重要な元素である。11.0%よ
り少ないと十分な耐食性が得られず、一方、15.0%を越
えて添加するとデルタフェライトを生成し、耐孔食性お
よび熱間加工性を劣化させるので、11.0%以上15.0%未
満とした。望ましいCrの範囲は、13.0〜14.0%である。
Moは、不動態皮膜を強化することによって耐孔食性を
高めるのに非常に有効な元素であり、本発明鋼に必須添
加される。WもMoと同様、耐孔食性を高めるのに有効で
あるが、W単独ではその効果は小さく、Wを添加する場
合は、Moの一部を当量のW(1/2Wが当量のMoに相当)で
置換する形で添加するのが望ましい。Mo単独、またはMo
とWの両方がMo+1/2Wで1.0%より少ないと耐孔食性が
劣化し、一方、3.0%を越えて添加するとデルタフェラ
イトを生成し、逆に耐孔食性を劣化させるだけでなく、
熱間加工性も劣化させるので、1.0〜3.0%とした。望ま
しくは、1.5〜2.5%である。
Cuは、Cr、Mo,Nを含む鋼に少量添加することで耐孔食
性を大幅に高めるのに非常に有効な元素であるが、0.1
%より少ないと十分な効果が得られず、一方、2.0%を
越えて添加すると熱間加工性を害するだけでなく、焼入
れ後に十分な硬さが得られなくなるので、0.1〜2.0%と
した。望ましいCuの範囲は、0.1%以上1.0%未満であ
り、さらに望ましくは0.2〜0.8%である。
なお、Cuの添加量が2.0%以下であっても、熱間加工
性の不十分な範囲が存在するため、Niの限定理由のとこ
ろで述べたように、NiとCuの関係がNi/Cu>0.2、望まし
くは0.3以上に制限する必要がある。
Nは、マルテンサイト基地中に固溶して焼入れ後の硬
さを高めるとともに、耐孔食性を高めるのに非常に有効
な元素である。また、デルタフェライトの生成を抑制す
る効果も大きく、Niのような高価な合金元素を節約し
て、Niの代わりにNを添加することでデルタフェライト
の生成を抑制し、安価に材料を製造するのにも有効であ
る。0.02%より少ないと十分な効果が得られず、一方、
0.15%を越えて添加すると、鋼塊の健全性を害して製造
性を劣化させることから、0.02%〜0.15%とした。望ま
しいNの範囲は、0.05〜0.15%である。
V、Ti、Nbは必ずしも添加する必要はないが、一次炭
化物を形成することで結晶粒を微細化して硬さおよび延
性を向上させるのに有効な元素であり、1種または2種
以上を必要に応じて添加する。これらのうち、1種また
は2種以上が合計で、0.25%を越えて添加すると粗大な
一次炭化物を形成し、冷間加工性を害することから1種
または2種以上を合計で0.25%以下とするのがよい。
B、Mg、Ca、Alは、必ずしも添加する必要はないが、
酸化物、硫化物を形成することで、結晶粒界に偏析する
S、Oを低減し、熱間加工性を向上させるのに有効であ
り、1種または2種以上を必要に応じて添加する。B、
Mg、Ca、Alのうちの1種または2種以上が合計で、0.10
%を越えて添加してもより一層の向上効果が得られず、
逆に清浄度を低下させて熱間および冷間加工性を害する
ので、B、Mg、Ca、Alのうちの1種または2種以上を合
計で、0.10%以下とするのがよい。
さらに上記に述べた合金元素は、個々の成分範囲を満
足するだけでなく、良好な耐孔食性を得るためには、本
発明鋼において規定した式を満足する必要がある。
(1)式に示すA値は、本発明鋼のCr当量を示してお
り、この式のA値の大小がデルタフェライトの生成し易
さを左右する重要な指標である。A値は、フェライトを
生成しやすい元素であるCr、Si、Mo、W、V、Ti、Nbの
重量%に各元素の効果に応じて実験から求めたそれぞれ
の係数を付した値から、オーステナイトを生成しやすい
元素であるC、Mn、Ni、Cu、Nの重量%に各元素の効果
に応じてそれぞれ係数を付した値を引いたものである。
実験の結果、本発明鋼では、このA値が10を越えるとデ
ルタフェライトを生成し、耐孔食性が大きく低下するだ
けでなく、熱間加工性、焼入れ後の硬さもやや低下する
ことから、(1)式に示すA値を10以下とした。
(2)式に示す値は、本発明鋼の耐孔食性を左右する
重要な指標であり、耐孔食性を直接的に向上させる元素
であるCr、Mo、W、Cu、Nの重量%に各元素の効果の寄
与の程度を実験的に求めた係数を付した値の和で示して
いる。本発明鋼では、このB値が20より小さいと、良好
な耐孔食性が得られないので、(2)式に示すB値を20
以上とした。
上記元素の他、重量%で5%以下のCoを本発明鋼に添
加してもよい。
Coは基地中に固溶して焼入れ焼戻し後の強度を高める
効果を有するが、Coは高価な元素であるので多量の添加
は必要でない。
また、不純物元素であるP,Sについては、通常の溶解
工程で混入するレベルなら問題ないので特に規定はしな
いが、耐孔食性の点からは低い方が望ましい。
次に本発明鋼の特性値の限定理由について述べる。
本発明鋼は、適切な焼入れ焼戻しを行なうことによっ
て、SUS304の冷間加工材やSUS410の焼入れ焼戻し材より
も高い硬さを得ることができる。特に、本発明鋼をね
じ、釘、ボルト、刃物、ばね等に使用する場合には、そ
の性能を十分発揮させるために、50HRC以上が必要であ
るが、本発明鋼では約1000℃以上からの焼入後、約300
℃以下の低温焼戻しか、または約400〜500℃の高温焼戻
しを行なうことによって、50HRC以上を得ることができ
る。但し、ねじ、釘、ボルト等で耐遅れ破壊性が重視さ
れる場合は、適正な焼戻し温度を選ぶことによって硬さ
を低くすることも可能である。
本発明鋼は、適切な焼入れ焼戻しを行なうことによっ
て、高い硬さを維持しつつ、良好な耐孔食性を得ること
ができる。耐孔食性の優劣を表す1つの指標として孔食
電位が挙げられるが、大気中で使用され、水道水、雨
水、結露等にさらされる可能性のある部材、部品、工具
等に使用しても良好な耐孔食性を示すためには、30℃の
脱気3.5%塩水中での孔食電位Vc100が150mV(vs S.
C.E)以上が必要であるが、本発明鋼では約1000℃以上
からの焼入れ後、約300℃以下の低温焼戻しを行なうこ
とによって、Vc100を150mV(vs S.C.E)以上とする
ことができる。ここで孔食とは、鋼の表面に所々に点状
に小さな孔を形成する腐食形態であり、ステンレス鋼に
おいてよく見られる腐食の一種である。この孔食が発生
すると見栄えが悪くなるだけでなく、その孔を起点とし
て破壊に至る場合がある。
なお、孔食電位は、電気化学的な腐食評価試験法とし
て、JIS G0577に規定される測定方法に従って測定し、
電流密度が100μA/cm2となるときの電位Vc100として
求める方法である。
上記に示す特性値は、本発明鋼の製造方法、特に熱処
理条件を適切に選ぶことで、用途に応じた組合せとする
ことが可能である。例えば、冷間成形後、熱処理される
ねじ、釘、ボルト、刃物、ばね等においては、250HV以
下の低い焼なまし硬さと50HRC以上の高い焼入れ焼戻し
硬さを必要とし、さらに耐孔食性も心配される時は、15
0mV(vs S.C.E)以上の高い孔食電位も併せ持たせるこ
とが可能である。
また、冷間成形をしないで、機械加工で成形されるね
じ、ボルト、刃物等の場合には、低温焼戻しによって焼
入れ焼戻し後の高い硬さと高い孔食電位の組合せとする
ことができる。また、金型等の工具として使用する場合
には、用途によっては高い焼入れ焼戻しの硬さのみが必
要な場合もあり、また、約300℃以上の高温にさらされ
る可能性のある工具に使用される場合には、高い焼入れ
焼戻し硬さのみを例えば400〜500℃の高温焼戻しで得る
こともできる。
実施例 以下、実施例に基づいて本発明を説明する。表1およ
び表2に示す化学成分をもつ鋼を真空溶解によって溶解
し、10kgの鋼塊を得た。ここで、鋼No.1〜38は組成、A
値およびB値がいずれも本発明の限定範囲内にある本発
明鋼であり、No.40〜52は組成、A値およびB値のいず
れか、またはいくつかが本発明の限定範囲からはずれた
比較鋼である。
これらの鋼を熱間加工によって30mm角の棒材にし、86
0℃に加熱後、炉冷の焼なましを行なった。さらに1050
℃に加熱し30分保持後油冷の焼入れを行なった後、180
℃で1時間の焼戻しを行なった。
硬さは、焼なまし後についてはビッカース硬度計で、
また焼入れ焼戻し後についてはロックウェル硬度計で測
定した。また、耐孔食性についてはJIS G0577に準じて
脱気した30℃の3.5%塩水中で測定し、電流密度が100μ
A/cm2となるときの電位Vc100を孔食電位として求め
た。また、熱間加工性は、熱間加工時の表面部や角部に
疵が発生したものは×印を、また疵が発生しなかったも
のは○印を付して評価し、その結果を表3に示す。
表3からわかるように、本発明鋼No.1〜38はいずれも
焼入れ焼戻し硬さがHRC50以上と高く、また孔食電位
Vc100も150mV(vs S.C.E)以上の高い値を示してお
り、良好な耐孔食性と高硬度を兼備していることがわか
る。また、これら本発明鋼No.1〜38は、焼なまし硬さが
鋼No.18,19を除いて、250HV以下であり、冷間加工性も
十分可能であることがわかる。鋼No.18,19は、Niが規定
値の上限に近く、焼なまし硬さが若干高めではあるもの
の、300HV以下であり、軽度の冷間加工は可能であり、
大きな加工率を伴う冷間加工を必要としない場合には、
他の発明鋼と同様に良好な耐孔食性と高い焼入れ焼戻し
硬さを有するので十分使用可能である。
また、本発明鋼No.1〜38はいずれも熱間加工性も良好
であり、熱間鍛造、熱間圧延等の熱間加工工程によっ
て、素材の製造が十分可能である。
これに対して、組成、A値、B値、Ni/Cu比のいずれ
か一つ以上が本発明に規定した範囲から外れる比較鋼N
o.40〜52は、焼入れ焼戻し硬さ、孔食電位、焼なまし硬
さ、熱間加工性の一つ以上の特性が本発明に比べて悪い
ことがわかる。
特にA値、B値のいずれかまたは両方が外れる比較鋼
No.40〜45、47,48は孔食電位が低い値となっており、耐
孔食性が不十分である。また、Ni/Cu比の低い比較鋼No.
43,47,49およびCuが高い比較鋼No.49,50は熱間加工性が
悪く、素材の製造性が悪い。また、Ni量の高い比較鋼N
o.46,51,52は、焼なまし硬さが300HVより高く、冷間加
工性が悪いため、素材、部品、部材等の製造性が低下す
る。
産業上の利用可能性 以上説明したように、本発明のマルテンサイト系ステ
ンレス鋼は、熱間加工性が良好で、焼なまし硬さが低
く、焼入れ焼戻し後の耐孔食性に優れ、かつ高硬度を有
する。本発明鋼はこれらの4つの特性を組み合わせるこ
とも兼ね備えることもできる。したがって、大気中で使
用し、水道水、雨水、結露等にさらされる、ねじ、釘、
ボルト、刃物、ばね等の部品、部材、工具等に用いれ
ば、安価で、かつ信頼性および寿命を大幅に向上でき、
工業上顕著な効果を有する。

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%にて、C 0.15%を越え0.40%以
    下、Si 2.0%以下、Mn 2.0%以下、Cr 11.0%以上1
    5.0%未満、MoまたはMoとWの2種が、Mo+1/2Wで1.0〜
    3.0%、N 0.02〜0.15%を含有し、Ni 0.1〜1.5%お
    よびCu 0.1〜2.0%を含み、かつNiとCuの関係が(3)
    式を満足する範囲であって、残部が実質的にFeからな
    り、かつ(1)式で示されるA値が10以下、(2)式で
    示されるB値が20以上であることを特徴とする耐孔食性
    の優れた高硬度マルテンサイト系ステンレス鋼。 A=-40C+6Si-2Mn-4Ni+Cr+4Mo+2W-2Cu-30N+11V+10Ti+5Nb ……(1) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計
    算) B=Cr+3.3Mo+1.65W+Cu+30N ……(2) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計
    算) Ni/Cu>0.2 ……(3)
  2. 【請求項2】重量%にて、C 0.15%を越え0.40%以
    下、Si 2.0%以下、Mn 2.0%以下、Ni 0.2%を越え
    1.0%以下、Cr 11.0%以上15.0%未満、MoまたはMoと
    Wの2種が、Mo+1/2Wで1.0〜3.0%、Cu 0.1%以上1.0
    %未満、N 0.02〜0.15%、残部が実質的にFeからな
    り、かつ(1)式で示されるA値が10以下、(2)式で
    示されるB値が20以上であることを特徴とする耐孔食性
    の優れた高硬度マルテンサイト系ステンレス鋼。 A=-40C+6Si-2Mn-4Ni+Cr+4Mo+2W-2Cu-30N+11V+10Ti+5Nb ……(1) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計
    算) B=Cr+3.3Mo+1.65W+Cu+30N ……(2) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計
    算)
  3. 【請求項3】重量%にて、C 0.20〜0.35%、Si 2.0
    %以下、Mn 2.0%以下、Ni 0.3〜0.75%、Cr 11.0%
    以上15.0%未満、MoまたはMoとWの2種が、Mo+1/2Wで
    1.0〜3.0%、Cu 0.1%以上1.0%未満、N 0.02〜0.15
    %、残部が実質的にFeからなり、かつ(1)式で示され
    るA値が10以下、(2)式で示されるB値が20以上であ
    ることを特徴とする耐孔食性の優れた高硬度マルテンサ
    イト系ステンレス鋼。 A=-40C+6Si-2Mn-4Ni+Cr+4Mo+2W-2Cu-30N+11V+10Ti+5Nb ……(1) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計
    算) B=Cr+3.3Mo+1.65W+Cu+30N ……(2) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計
    算)
  4. 【請求項4】重量%にてC 0.15%を越え0.40%以下、
    Si 2.0%以下、Mn 2.0%以下、Cr 11.0%以上15.0%
    未満、MoまたはMoとWの2種が、Mo+1/2Wで1.0〜3.0
    %、N 0.02〜0.15%を含有し、Ni 0.1〜1.5%および
    Cu 0.1〜2%を含み、かつNiとCuの関係が(3)式を
    満足する範囲であって、さらにV,Ti,Nbのうち1種また
    は2種以上を合計で0.25%以下含み、残部が実質的にFe
    からなり、かつ(1)式で示されるA値が10以下、
    (2)式で示されるB値が20以上であることを特徴とす
    る耐孔食性の優れた高硬度マルテンサイト系ステンレス
    鋼。 A=-40C+6Si-2Mn-4Ni+Cr+4Mo+2W-2Cu-30N+11V+10Ti+5Nb ……(1) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計
    算) B=Cr+3.3Mo+1.65W+Cu+30N ……(2) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計
    算) Ni/Cu>0.2 ……(3)
  5. 【請求項5】重量%にて、C 0.15%を越え0.40%以
    下、Si 2.0%以下、Mn 2.0%以下、Ni 0.2%を越え
    1.0%以下、Cr 11.0%以上15.0%未満、MoまたはMoと
    Wの2種が、Mo+1/2Wで1.0〜3.0%、Cu 0.1%以上1.0
    %未満、N 0.02〜0.15%、V、Ti、Nbのうち1種また
    は2種以上を合計で0.25%以下、残部が実質的にFeから
    なり、かつ(1)式で示されるA値が10以下、(2)式
    で示されるB値が20以上であることを特徴とする耐孔食
    性の優れた高硬度マルテンサイト系ステンレス鋼。 A=-40C+6Si-2Mn-4Ni+Cr+4Mo+2W-2Cu-30N+11V+10Ti+5Nb ……(1) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計
    算) B=Cr+3.3Mo+1.65W+Cu+3ON ……(2) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計
    算)
  6. 【請求項6】重量%にて、C 0.20〜0.35%、Si 2.0
    %以下、Mn 2.0%以下、Ni 0.3〜0.75%、Cr 11.0%
    以上15.0%未満、MoまたはMoとWの2種が、Mo+1/2Wで
    1.0〜3.0%、Cu 0.1%以上1.0%未満、N 0.02〜0.15
    %、さらにV,Ti,Nbのうち1種または2種以上を合計で
    0.25%以下含み、残部が実質的にFeからなり、かつ
    (1)式で示されるA値が10以下、(2)式で示される
    B値が20以上であることを特徴とする耐孔食性の優れた
    高硬度マルテンサイト系ステンレス鋼。 A=-40C+6Si-2Mn-4Ni+Cr+4Mo+2W-2Cu-30N+11V+10Ti+5Nb ……(1) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計
    算) B=Cr+3.3Mo+1.65W+Cu+30N ……(2) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計
    算)
  7. 【請求項7】請求項1ないし6のいずれか一項に記載の
    鋼組成に、B,Mg,Ca,Alのうち1種または2種以上を合計
    で0.10%以下含有する耐孔食性の優れた高硬度マルテン
    サイト系ステンレス鋼。
  8. 【請求項8】請求項1ないし7のいずれか一項に記載の
    マルテンサイト系ステンレス鋼からなり、焼入れ焼戻し
    後の硬さが50HRC以上であることを特徴とする耐孔食性
    の優れた高硬度マルテンサイト系ステンレス鋼。
  9. 【請求項9】請求項1ないし8のいずれか一項に記載の
    マルテンサイト系ステンレス鋼からなり、30℃の脱気3.
    5%塩水中での孔食電位Vc100が150mV(vs S.C.E)以
    上であることを特徴とする耐孔食性の優れた高硬度マル
    テンサイト系ステンレス鋼。
  10. 【請求項10】請求項1ないし9のいずれか一項に記載
    のマルテンサイト系ステンレス鋼からなり、700〜890℃
    で1回の焼なましを行なった後の硬さが250HV以下であ
    ることを特徴とする耐孔食性の優れた高硬度マルテンサ
    イト系ステンレス鋼。
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