JPH10504354A - 耐孔食性の優れた高硬度マルテンサイト系ステンレス鋼 - Google Patents

耐孔食性の優れた高硬度マルテンサイト系ステンレス鋼

Info

Publication number
JPH10504354A
JPH10504354A JP8521554A JP52155496A JPH10504354A JP H10504354 A JPH10504354 A JP H10504354A JP 8521554 A JP8521554 A JP 8521554A JP 52155496 A JP52155496 A JP 52155496A JP H10504354 A JPH10504354 A JP H10504354A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
stainless steel
hardness
martensitic stainless
corrosion resistance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8521554A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2968844B2 (ja
Inventor
利弘 上原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Metals Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP8521554A priority Critical patent/JP2968844B2/ja
Priority claimed from PCT/JP1996/000017 external-priority patent/WO1996021747A1/en
Publication of JPH10504354A publication Critical patent/JPH10504354A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2968844B2 publication Critical patent/JP2968844B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/18Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium
    • C22C38/20Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with copper
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/18Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium
    • C22C38/22Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with molybdenum or tungsten
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/18Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium
    • C22C38/40Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel
    • C22C38/42Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel with copper
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/18Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium
    • C22C38/40Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel
    • C22C38/44Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel with molybdenum or tungsten

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Heat Treatment Of Steel (AREA)
  • Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)

Abstract

(57)【要約】 熱間加工性が良く、複雑な焼なまし処理を行なわなくても冷間成形が可能であって、かつ焼入れ焼戻し後に耐孔食性が良好で、かつ高い硬さを得ることができる安価なステンレス鋼を提供する。C 0.15%を越え0.40%以下、Si 2.0%以下、Mn 2.0%以下、Cr 11.0%以上15.0%未満、MoまたはMoとWの2種が、Mo+1/2Wで1.0〜3.0%、N 0.02〜0.15%を含有し、Ni0.1〜1.5%およびCu 0.1〜2.0%を含み、かつNi/Cu>0.2を満足する範囲であって、残部が実質的にFeからなり、かつCr当量が10以下、耐孔食性指標の値が20以上である。

Description

【発明の詳細な説明】 耐孔食性の優れた高硬度マルテンサイト系ステンレス鋼 技術の背景 本発明は、大気中で使用され、水道水、雨水、結露等にさらされる可能性のあ るねじ、釘、ボルト、刃物、ばね、あるいはプラスチック成形用金型、プラスチ ック射出成形機部品等の、優れた耐食性、特に耐孔食性と高い硬さが共に要求さ れる用途に使用されるのに適した耐孔食性の優れた高硬度マルテンサイト系ステ ンレス鋼に関するものである。 従来、高い硬さが要求されるねじ、釘、ボルト、刃物、ばね等には、炭素を比 較的多く含む炭素鋼や低合金鋼が一般に広く使用されている。しかし、これらは 耐食性に寄与するCr等の合金量が少ないため、水道水、雨水、結露等の比較的 腐食性の少ない水にさらされた場合においても容易に発錆し、外観上および強度 上劣化するという問題があった。 これに対して、耐食性の要求される用途にはステンレス鋼が使用される。しか し、SUS304,SUS316等に代表されるオーステナイト系ステンレス鋼 は、耐食性が良好であるが、加工硬化性が大きく冷間加工性が悪いこと、および かなりの強加工を行なっても硬さが43HRC程度までしかあがらないことから 、高い硬さが要求される用途には不適当である。また、SUS430等に代表さ れるフェライト系ステンレス鋼は、加工硬化性が小さく、冷間加工による加工が しやすいが、硬さが非常に低く、高い硬さが要求される用途には不適当である。 一方、硬さの高いステンレス鋼としては、マルテンサイト系ステンレス鋼が挙 げられるが、自動車用、産業用に多用されている代表的な材料であるSUS41 0でも耐食性が不十分であること、および硬さもせいぜい42HRC前後である ことから、耐食性、硬さともに十分とは言えない。硬さの非常に高いマルテンサ イト系ステンレス鋼としてSUS440Cがあるが、これはC量が約1%と高い ために58HRC以上の高い硬さが得られるものの、耐食性はステンレス鋼とし ては必ずしも良好とはいえない。また、ステンレス鋼は、発錆に対する抵抗は比 較的大きいが、発錆が少なくても、孔食と呼ばれる局部的な孔状の腐食を起こす ことがあり、高強度材ではこれが破壊の起点となり易い問題があった。 この他、特開昭57−70265号には、高強度のマルテンサイト系ステンレ ス鋼が、また特開平6−264194号には、耐錆性に優れたマルテンサイト系 ステンレス鋼およびドリリングタッピンねじ、がそれぞれ提案されている。 上記、特開昭57−70265号で提案されているマルテンサイト系ステンレ ス鋼は、Cuを1.0〜3.0%、Niを0.2%以下含み、また必要に応じてMoを0.5〜 3.0%添加するものである。しかし、この鋼は、Cuの含有量が多い反面、Niの 添加量が少ないため、熱間加工性の点で必ずしも満足できない問題があった。さ らに、組成の組合せによっては、デルタフェライトが形成され易く、この場合、 耐孔食性が低下する問題もある。 また、特開平6−264194号で提案されるマルテンサイト系ステンレス鋼 は、Cuを含まないが、Moを比較的多く含有するものである。しかし、この鋼 は、焼なまし後の硬さが1回の焼なまし処理では十分低下しない問題がある。そ のため、複数回の焼なまし処理が必要となり、工程が煩雑になるだけでなく、複 数回の焼なまし処理後の硬さも必ずしも満足できる低い硬さが得られず、強度の 冷間成形を行なうことが困難な点があった。 そこで、最近、熱間加工や冷間成形が容易で、かつ焼入れ焼戻し後に、良好な 耐孔食性と高い硬さを兼備するマルテンサイト系ステンレス鋼が望まれていた。 発明の開示 本発明の目的は、熱間加工性が良く、複雑な焼なまし処理を行なわなくても冷 間成形が可能であって、かつ焼入れ焼戻し後に耐孔食性が良好で、かつ高い硬さ を得ることができる安価なマルテンサイト系ステンレス鋼を提供することである 。 発明者は、13%Cr系のマルテンサイト系ステンレス鋼について、高い硬さ と良好な耐孔食性を両立させるべく、鋭意検討を行なった。その結果、耐孔食性 を高めるためには、Mo、Nを必須添加とした上でCuの少量添加が非常に有効 であること、またMoを添加するとデルタフェライトが生成しやすくなり、耐孔 食性および熱間加工性を低下させるため、有害なデルタフェライトの生成を抑制 する目的で少量のNiをNi/Cu>0.2の範囲を保ちながら添加すること、 およびNの多量添加が必要であることを見出した。さらにデルタフェライトの抑 制には、下記に示す(1)式で示されるCr当量に相当するA値を低く抑え、か つ耐孔食性を高めるには、下記に示す(2)式に示されるB値を高くするように 合金元素のバランスを適性化することが本発明の特徴の一つである。 A=-40C+6Si-2Mn-4Ni+Cr+4Mo+2W-2Cu-30N+11V+10Ti+5Nb …………(1) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計算) B=Cr+3.3Mo+1.65W+Cu+30N …………(2) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計算) 上記のうち、Cu添加は耐孔食性を向上させるだけでなく、冷間加工性も向上 させる効果もあるため、できるだけ多く含有させることが望ましいが、Cuの添 加量が多くなると熱間加工性が低下する問題が発生する。 しかも、熱間加工性を低下させる元素であるMo,N等を含有する13Cr系 高硬度マルテンサイト系ステンレス鋼においては、NiとCuをそれぞれ特定範 囲内で共同添加すると共に、NiとCuの量比をNi/Cu>0.2とすること で良好な耐食性と冷間加工性が得られ、同時に熱間加工性も満足できる点が本発 明の特徴の一つである。 また、耐孔食性を損なうことなく、高い硬さを得るには、C量をやや低めの適 正量に抑えた上でNを多量に添加することが本発明の他の特徴である。 すなわち、本発明の第1発明は、重量%にて、C 0.15%を越え0.40 %以下、Si 2.0%以下、Mn 2.0%以下、Cr 11.0%以上15 .0%未満、MoまたはMoとWの2種が、Mo+1/2Wで1.0〜3.0% 、N 0.02〜0.15%を含有し、Ni 0.1〜1.5%およびCu 0 .1〜2.0%を含み、かつNiとCuの関係が(3)式を満足する範囲であっ て、残部が実質的にFeからなり、かつ(1)式で示されるA値が10以下、( 2)式で示されるB値が20以上であることを特徴とする耐孔食性の優れた高硬 度マルテンサイト系ステンレス鋼である。 A=-40C+6Si-2Mn-4Ni+Cr+4Mo+2W-2Cu-30N+11V+10Ti+5Nb …………(1) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計算) B=Cr+3.3Mo+1.65W+Cu+30N …………(2) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計算) Ni/Cu>0.2 …………(3) また第1発明の望ましい組成は、重量%にて、C 0.15%を越え0.40 %以下、Si 2.0%以下、Mn 2.0%以下、Ni 0.2%を越え1. 0%以下、Cr 11.0%以上15.0%未満、MoまたはMoとWの2種が 、Mo+1/2Wで1.0〜3.0%、Cu 0.1%以上1.0%未満、N 0.02〜0.15%、残部が実質的にFeからなり、かつ(1)式で示される A値が10以下、(2)式で示されるB値が20以上であることを特徴とする耐 孔食性の優れた高硬度マルテンサイト系ステンレス鋼である。 A=-40C+6Si-2Mn-4Ni+Cr+4Mo+2W-2Cu-30N+11V+10Ti+5Nb …………(1) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計算) B=Cr+3.3Mo+1.65W+Cu+30N …………(2) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計算) さらに第1発明のより望ましい組成は、重量%にて、C 0.20〜0.35 %、Si 2.0%以下、Mn 2.0%以下、Ni 0.3〜0.75%、C r 11.0%以上15.0%未満、MoまたはMoとWの2種が、Mo+1/ 2Wで1.0〜3.0%、Cu 0.1%以上1.0%未満、N 0.02〜0 .15%、残部が実質的にFeからなり、かつ(1)式で示されるA値が10以 下、(2)式で示されるB値が20以上であることを特徴とする耐孔食性の優れ た高硬度マルテンサイト系ステンレス鋼である。 A=-40C+6Si-2Mn-4Ni+Cr+4Mo+2W-2Cu-30N+11V+10Ti+5Nb …………(1) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計算) B=Cr+3.3Mo+1.65W+Cu+30N …………(2) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計算) 本発明の第2発明は、重量%にて、C 0.15%を越え0.40%以下、S i 2.0%以下、Mn 2.0%以下、Cr 11.0%以上15.0%未満 、MoまたはMoとWの2種が、Mo+1/2Wで1.0〜3.0%、N 0. 02〜0.15%を含有し、Ni 0.1〜1.5%およびCu 0.1〜2% を含み、かつNiとCuの関係が(3)式を満足する範囲であって、さらにV, T i,Nbのうち1種または2種以上を合計で0.25%以下含み、残部が実質的 にFeからなり、かつ(1)式で示されるA値が10以下、(2)式で示される B値が20以上であることを特徴とする耐孔食性の優れた高硬度マルテンサイト 系ステンレス鋼である。 A=-40C+6Si-2Mn-4Ni+Cr+4Mo+2W-2Cu-30N+11V+10Ti+5Nb …………(1) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計算) B=Cr+3.3Mo+1.65W+Cu+30N …………(2) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計算) Ni/Cu>0.2 …………(3) また、第2発明の望ましい組成は、重量%にて、C 0.15%を越え0.4 0%以下、Si 2.0%以下、Mn 2.0%以下、Ni 0.2%を越え1 .0%以下、Cr 11.0%以上15.0%未満、MoまたはMoとWの2種 が、Mo+1/2Wで1.0〜3.0%、Cu 0.1%以上1.0%未満、N 0.02〜0.15%、V、Ti、Nbのうち1種または2種以上を合計で0 .25%以下、残部が実質的にFeからなり、かつ(1)式で示されるA値が1 0以下、(2)式で示されるB値が20以上であることを特徴とする耐孔食性の 優れた高硬度マルテンサイト系ステンレス鋼である。 A=-40C+6Si-2Mn-4Ni+Cr+4Mo+2W-2Cu-30N+11V+10Ti+5Nb …………(1) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計算) B=Cr+3.3Mo+1.65W+Cu+30N …………(2) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計算) 第2発明のより望ましい組成は、重量%にて、C 0.20〜0.35%、S i 2.0%以下、Mn 2.0%以下、Ni 0.3〜0.75%、Cr 1 1.0%以上15.0%未満、MoまたはMoとWの2種が、Mo+1/2Wで 1.0〜3.0%、Cu 0.1%以上1.0%未満、N 0.02〜0.15 %、さらにV,Ti,Nbのうち1種または2種以上を合計で0.25%以下含 み、残部が実質的にFeからなり、かつ(1)式で示されるA値が10以下、( 2)式で示されるB値が20以上であることを特徴とする耐孔食性の優れた高硬 度マルテンサイト系ステンレス鋼である。 A=-40C+6Si-2Mn-4Ni+Cr+4Mo+2W-2Cu-30N+11V+10Ti+5Nb …………(1) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計算) B=Cr+3.3Mo+1.65W+Cu+30N …………(2) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計算) なお、上記の第1、第2発明およびこれらの望ましいステンレス鋼の鋼組成に は、必要に応じてB,Mg,Ca,Alのうち1種または2種以上を合計で0. 10%以下で、さらに焼入れ焼戻し後の強度を高める目的からは5%以下のCoを 含有させることができる。 上記組成の本発明鋼は、焼入れ焼戻し後の硬さが50HRC以上であること、 また30℃の脱気3.5%塩水中での孔食電位Vc100が150mV(vs S .C.E)以上であることが好ましく、本発明の上記の新規な組成範囲によって 、この特性が達成できる。 一方、本発明鋼は比較的単純な1回の焼なましで十分低い硬さに下げることが できる点にも特徴がある。特に冷間引抜、冷間圧延、冷間鍛造、ねじ転造、冷間 曲げ等の冷間成形を行なう場合には、焼なまし後の硬さは、250HV以下であ ることが必要である。従来の類似の鋼は焼なましを複数回繰り返さないと焼なま し硬さを300HV以下、望ましくは250HV以下にすることが困難で煩雑な 熱処理を行なっていた。本発明鋼は700〜890℃で1回の焼なましを行なう ことで焼なまし硬さを300HV以下にすることができ、特にNiの上限が1. 0%以下の場合には、焼なまし状態の硬さを250HV以下にすることができる 。 発明を実施するための最良の形態 以下に本発明鋼の各元素の作用について述べる。 Cは、13%Cr系ステンレス鋼の焼入れ後にマルテンサイト組織を得るため に必要である。また、Cは炭化物生成元素と結び付いて炭化物を形成し、さらに 一部はマルテンサイト基地中に固溶することで硬さを高めるのに有効な元素であ るが、0.40%を越えて添加するとCrの炭化物を多く形成し過ぎ、基地のC r量を減少させて耐食性を劣化させる原因になる。一方、0.15%以下では十 分な硬さが得られなくなるだけでなく、デルタフェライトを生成して耐孔食性、 硬さ、および熱間加工性を低下させることから、Cの含有量を0.15%を越え 0.40%以下とした。望ましいCの範囲は、0.20〜0.35%である。 Si、Mnは、脱酸のために少量添加するが、2.0%を越えて添加してもよ り一層の向上効果がみられないことから、いずれも2.0%以下とした。また、 Siはフェライトを生成しやすい元素であり、一方Mnはオーステナイトを生成 しやすい元素であり、少量であっても基地の組織に多少影響を及ぼすので、望ま しくは、いずれも1.0%以下がよい。 Niは、デルタフェライトの生成を抑制して耐孔食性を高めるとともに、特に 後述するCu添加による熱間加工性の低下を防止するのに有効な元素であるので Cuの添加量に応じて添加する必要がある。 Cuの他に熱間加工性を低下させるMoやNなどの元素を含有する本発明の1 3Cr系高硬度マルテンサイト系ステンレス鋼においては、とりわけNi/Cu の値を0.2を越え、望ましくは0.3以上に規制するとともに、以下の限定理 由によりNiの含有量をさらに制限する必要がある。すなわち、Niは0.1% 未満では、十分な効果が得られず、一方1.5%を越えて添加するとマルテンサ イト変態点が低下し、焼入れ後に完全なマルテンサイト組織が得られにくくなる だけでなく、焼なまし後の硬さが高くなり、冷間加工性を害するので、0.1〜 1.5%とした。望ましいNiの範囲は、0.2%を越え1.0%以下であり、 さらに望ましくは0.3〜0.8%である。 Crは、不動態皮膜を形成することで耐食性、特に耐孔食性を高める効果を有 する重要な元素である。11.0%より少ないと十分な耐食性が得られず、一方 、15.0%を越えて添加するとデルタフェライトを生成し、耐孔食性および熱 間加工性を劣化させるので、11.0%以上15.0%未満とした。望ましいC rの範囲は、13.0〜14.0%である。 Moは、不動態皮膜を強化することによって耐孔食性を高めるのに非常に有効 な元素であり、本発明鋼に必須添加される。WもMoと同様、耐孔食性を高める のに有効であるが、W単独ではその効果は小さく、Wを添加する場合は、Moの 一部を当量のW(1/2Wが当量のMoに相当)で置換する形で添加するのが望 ましい。Mo単独、またはMoとWの両方がMo+1/2Wで1.0%より少な いと耐孔食性が劣化し、一方、3.0%を越えて添加するとデルタフェライトを 生成し、逆に耐孔食性を劣化させるだけでなく、熱間加工性も劣化させるので、 1.0〜3.0%とした。望ましくは、1.5〜2.5%である。 Cuは、Cr、Mo,Nを含む鋼に少量添加することで耐孔食性を大幅に高め るのに非常に有効な元素であるが、0.1%より少ないと十分な効果が得られず 、一方、2.0%を越えて添加すると熱間加工性を害するだけでなく、焼入れ後 に十分な硬さが得られなくなるので、0.1〜2.0%とした。望ましいCuの 範囲は、0.1%以上1.0%未満であり、さらに望ましくは0.2〜0.8% である。 なお、Cuの添加量が2.0%以下であっても、熱間加工性の不十分な範囲が 存在するため、Niの限定理由のところで述べたように、NiとCuの関係がN i/Cu>0.2、望ましくは0.3以上に制限する必要がある。 Nは、マルテンサイト基地中に固溶して焼入れ後の硬さを高めるとともに、耐 孔食性を高めるのに非常に有効な元素である。また、デルタフェライトの生成を 抑制する効果も大きく、Niのような高価な合金元素を節約して、Niの代わり にNを添加することでデルタフェライトの生成を抑制し、安価に材料を製造する のにも有効である。0.02%より少ないと十分な効果が得られず、一方、0. 15%を越えて添加すると、鋼塊の健全性を害して製造性を劣化させることから 、0.02%〜0.15%とした。望ましいNの範囲は、0.05〜0.15% である。 V、Ti、Nbは必ずしも添加する必要はないが、一次炭化物を形成すること で結晶粒を微細化して硬さおよび延性を向上させるのに有効な元素であり、1種 または2種以上を必要に応じて添加する。これらのうち、1種または2種以上が 合計で、0.25%を越えて添加すると粗大な一次炭化物を形成し、冷間加工性 を害することから1種または2種以上を合計で0.25%以下とするのがよい。 B、Mg、Ca、Alは、必ずしも添加する必要はないが、酸化物、硫化物を 形成することで、結晶粒界に偏析するS、Oを低減し、熱間加工性を向上させる のに有効であり、1種または2種以上を必要に応じて添加する。B、Mg、Ca 、Alのうちの1種または2種以上が合計で、0.10%を越えて添加してもよ り一層の向上効果が得られず、逆に清浄度を低下させて熱間および冷間加工性を 害 するので、B、Mg、Ca、Alのうちの1種または2種以上を合計で、0.1 0%以下とするのがよい。 さらに上記に述べた合金元素は、個々の成分範囲を満足するだけでなく、良好 な耐孔食性を得るためには、本発明鋼において規定した式を満足する必要がある 。 (1)式に示すA値は、本発明鋼のCr当量を示しており、この式のA値の大小 がデルタフェライトの生成し易さを左右する重要な指標である。A値は、フェラ イトを生成しやすい元素であるCr、Si、Mo、W、V、Ti、Nbの重量% に各元素の効果に応じて実験から求めたそれぞれの係数を付した値から、オース テナイトを生成しやすい元素であるC、Mn、Ni、Cu、Nの重量%に各元素 の効果に応じてそれぞれ係数を付した値を引いたものである。実験の結果、本発 明鋼では、このA値が10を越えるとデルタフェライトを生成し、耐孔食性が大 きく低下するだけでなく、熱間加工性、焼入れ後の硬さもやや低下することから 、(1)式に示すA値を10以下とした。 (2)式に示すB値は、本発明鋼の耐孔食性を左右する重要な指標であり、耐 孔食性を直接的に向上させる元素であるCr、Mo、W、Cu、Nの重量%に各 元素の効果の寄与の程度を実験的に求めた係数を付した値の和で示している。本 発明鋼では、このB値が20より小さいと、良好な耐孔食性が得られないので、 (2)式に示すB値を20以上とした。 上記元素の他、重量%で5%以下のCoを本発明鋼に添加してもよい。 Coは基地中に固溶して焼入れ焼戻し後の強度を高める効果を有するが、Co は高価な元素であるので多量の添加は必要でない。 また、不純物元素であるP,Sについては、通常の溶解工程で混入するレベル なら問題ないので特に規定はしないが、耐孔食性の点からは低い方が望ましい。 次に本発明鋼の特性値の限定理由について述べる。 本発明鋼は、適切な焼入れ焼戻しを行なうことによって、SUS304の冷間 加工材やSUS410の焼入れ焼戻し材よりも高い硬さを得ることができる。特 に、本発明鋼をねじ、釘、ボルト、刃物、ばね等に使用する場合には、その性能 を十分発揮させるために、50HRC以上が必要であるが、本発明鋼では約10 00℃以上からの焼入後、約300℃以下の低温焼戻しか、または約400〜5 00℃の高温焼戻しを行なうことによって、50HRC以上を得ることができる 。但し、ねじ、釘、ボルト等で耐遅れ破壊性が重視される場合は、適正な焼戻し 温度を選ぶことによって硬さを低くすることも可能である。 本発明鋼は、適切な焼入れ焼戻しを行なうことによって、高い硬さを維持しつ つ、良好な耐孔食性を得ることができる。耐孔食性の優劣を表す1つの指標とし て孔食電位が挙げられるが、大気中で使用され、水道水、雨水、結露等にさらさ れる可能性のある部材、部品、工具等に使用しても良好な耐孔食性を示すために は、30℃の脱気3.5%塩水中での孔食電位Vc100が150mV(vs S .C.E)以上が必要であるが、本発明鋼では約1000℃以上からの焼入れ後 、約300℃以下の低温焼戻しを行なうことによって、Vc100を150mV( vs S.C.E)以上とすることができる。ここで孔食とは、鋼の表面に所々 に点状に小さな孔を形成する腐食形態であり、ステンレス鋼においてよく見られ る腐食の一種である。この孔食が発生すると見栄えが悪くなるだけでなく、その 孔を起点として破壊に至る場合がある。 なお、孔食電位は、電気化学的な腐食評価試験法として、JIS G0577 に規定される測定方法に従って測定し、電流密度が100μA/cm2となると きの電位Vc100として求める方法である。 上記に示す特性値は、本発明鋼の製造方法、特に熱処理条件を適切に選ぶこと で、用途に応じた組合せとすることが可能である。例えば、冷間成形後、熱処理 されるねじ、釘、ボルト、刃物、ばね等においては、250HV以下の低い焼な まし硬さと50HRC以上の高い焼入れ焼戻し硬さを必要とし、さらに耐孔食性 も心配される時は、150mV(vs S.C.E)以上の高い孔食電位も併せ 持たせることが可能である。 また、冷間成形をしないで、機械加工で成形されるねじ、ボルト、刃物等の場 合には、低温焼戻しによって焼入れ焼戻し後の高い硬さと高い孔食電位の組合せ とすることができる。また、金型等の工具として使用する場合には、用途によっ ては高い焼入れ焼戻し硬さのみが必要な場合もあり、また、約300℃以上の高 温にさらされる可能性のある工具に使用される場合には、高い焼入れ焼戻し硬さ のみを例えば400〜500℃の高温焼戻しで得ることもできる。 実施例 以下、実施例に基づいて本発明を説明する。表1および表2に示す化学成分を もつ鋼を真空溶解によって溶解し、10kgの鋼塊を得た。ここで、鋼No.1 〜38は組成、A値およびB値がいずれも本発明の限定範囲内にある本発明鋼で あり、No.40〜52は組成、A値およびB値のいずれか、またはいくつかが 本発明の限定範囲からはずれた比較鋼である。 これらの鋼を熱間加工によって30mm角の棒材にし、860℃に加熱後、炉 冷の焼なましを行なった。さらに1050℃に加熱し30分保持後油冷の焼入れ を行なった後、180℃で1時間の焼戻しを行なった。 硬さは、焼なまし後についてはビッカース硬度計で、また焼入れ焼戻し後につ いてはロックウェル硬度計で測定した。また、耐孔食性についてはJIS G0 577に準じて脱気した30℃の3.5%塩水中で測定し、電流密度が100μ A/cm2となるときの電位Vc100を孔食電位として求めた。また、熱間加工 性は、熱間加工時の表面部や角部に疵が発生したものは×印を、また疵が発生し なかったものは○印を付して評価し、その結果を表3に示す。 表3からわかるように、本発明鋼No.1〜38はいずれも焼入れ焼戻し硬さ がHRC50以上と高く、また孔食電位Vc100も150mV(vs S.C. E)以上の高い値を示しており、良好な耐孔食性と高硬度を兼備していることが わかる。また、これら本発明鋼No.1〜38は、焼なまし硬さが鋼No.18 ,19を除いて、250HV以下であり、冷間加工性も十分可能であることがわ かる。鋼No.18,19は、Niが規定値の上限に近く、焼なまし硬さが若干 高めではあるものの、300HV以下であり、軽度の冷間加工は可能であり、大 きな加工率を伴う冷間加工を必要としない場合には、他の発明鋼と同様に良好な 耐孔食性と高い焼入れ焼戻し硬さを有するので十分使用可能である。 また、本発明鋼No.1〜38はいずれも熱間加工性も良好であり、熱間鍛造 、熱間圧延等の熱間加工工程によって、素材の製造が十分可能である。 これに対して、組成、A値、B値、Ni/Cu比のいずれか一つ以上が本発明 に規定した範囲から外れる比較鋼No.40〜52は、焼入れ焼戻し硬さ、孔食 電位、焼なまし硬さ、熱間加工性の一つ以上の特性が本発明に比べて悪いことが わかる。 特にA値、B値のいずれかまたは両方が外れる比較鋼No.40〜45、47 ,48は孔食電位が低い値となっており、耐孔食性が不十分である。また、Ni /Cu比の低い比較鋼No.43,47,49およびCuが高い比較鋼No.4 9,50は熱間加工性が悪く、素材の製造性が悪い。また、Ni量の高い比較鋼 No.46,51,52は、焼なまし硬さが300HVより高く、冷間加工性が 悪いため、素材、部品、部材等の製造性が低下する。 産業上の利用可能性 以上説明したように、本発明のマルテンサイト系ステンレス鋼は、熱間加工性 が良好で、焼なまし硬さが低く、焼入れ焼戻し後の耐孔食性に優れ、かつ高硬度 を有する。本発明鋼はこれらの4つの特性を組み合わせることも兼ね備えること もできる。したがって、大気中で使用し、水道水、雨水、結露等にさらされる、 ねじ、釘、ボルト、刃物、ばね等の部品、部材、工具等に用いれば、安価で、か つ信頼性および寿命を大幅に向上でき、工業上顕著な効果を有する。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.重量%にて、C 0.15%を越え0.40%以下、Si 2.0%以下 、Mn 2.0%以下、Cr 11.0%以上15.0%未満、MoまたはMo とWの2種が、Mo+1/2Wで1.0〜3.0%、N 0.02〜0.15% を含有し、Ni 0.1〜1.5%およびCu 0.1〜2.0%を含み、かつ NiとCuの関係が(3)式を満足する範囲であって、残部が実質的にFeから なり、かつ(1)式で示されるA値が10以下、(2)式で示されるB値が20 以上であることを特徴とする耐孔食性の優れた高硬度マルテンサイト系ステンレ ス鋼。 A=-40C+6Si-2Mn-4Ni+Cr+4Mo+2W-2Cu-30N+11V+10Ti+5Nb …………(1) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計算) B=Cr+3.3Mo+1.65W+Cu+30N …………(2) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計算) Ni/Cu>0.2 …………(3) 2.重量%にて、C 0.15%を越え0.40%以下、Si 2.0%以下 、Mn 2.0%以下、Ni 0.2%を越え1.0%以下、Cr 11.0% 以上15.0%未満、MoまたはMoとWの2種が、Mo+1/2Wで1.0〜 3.0%、Cu 0.1%以上1.0%未満、N 0.02〜0.15%、残部 が実質的にFeからなり、かつ(1)式で示されるA値が10以下、(2)式で 示されるB値が20以上であることを特徴とする耐孔食性の優れた高硬度マルテ ンサイト系ステンレス鋼。 A=-40C+6Si-2Mn-4Ni+Cr+4Mo+2W-2Cu-30N+11V+10Ti+5Nb …………(1) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計算) B=Cr+3.3Mo+1.65W+Cu+30N …………(2) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計算) 3.重量%にて、C 0.20〜0.35%、Si 2.0%以下、Mn 2 .0%以下、Ni 0.3〜0.75%、Cr 11.0%以上15.0%未満 、MoまたはMoとWの2種が、Mo+1/2Wで1.0〜3.0%、Cu 0 . 1%以上1.0%未満、N 0.02〜0.15%、残部が実質的にFeからな り、かつ(1)式で示されるA値が10以下、(2)式で示されるB値が20以 上であることを特徴とする耐孔食性の優れた高硬度マルテンサイト系ステンレス 鋼。 A=-40C+6Si-2Mn-4Ni+Cr+4Mo+2W-2Cu-30N+11V+10Ti+5Nb …………(1) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計算) B=Cr+3.3Mo+1.65W+Cu+30N …………(2) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計算) 4.重量%にて、C 0.15%を越え0.40%以下、Si 2.0%以下 、Mn 2.0%以下、Cr 11.0%以上15.0%未満、MoまたはMo とWの2種が、Mo+1/2Wで1.0〜3.0%、N 0.02〜0.15% を含有し、Ni 0.1〜1.5%およびCu 0.1〜2%を含み、かつNi とCuの関係が(3)式を満足する範囲であって、さらにV,Ti,Nbのうち 1種または2種以上を合計で0.25%以下含み、残部が実質的にFeからなり 、かつ(1)式で示されるA値が10以下、(2)式で示されるB値が20以上 であることを特徴とする耐孔食性の優れた高硬度マルテンサイト系ステンレス鋼 。 A=-40C+6Si-2Mn-4Ni+Cr+4Mo+2W-2Cu-30N+11V+10Ti+5Nb …………(1) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計算) B=Cr+3.3Mo+1.65W+Cu+30N …………(2) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計算) Ni/Cu>0.2 …………(3) 5.重量%にて、C 0.15%を越え0.40%以下、Si 2.0%以下 、Mn 2.0%以下、Ni 0.2%を越え1.0%以下、Cr 11.0% 以上15.0%未満、MoまたはMoとWの2種が、Mo+1/2Wで1.0〜 3.0%、Cu 0.1%以上1.0%未満、N 0.02〜0.15%、V、 Ti、Nbのうち1種または2種以上を合計で0.25%以下、残部が実質的に Feからなり、かつ(1)式で示されるA値が10以下、(2)式で示されるB 値が20以上であることを特徴とする耐孔食性の優れた高硬度マルテンサイト系 ステンレス鋼。 A=-40C+6Si-2Mn-4Ni+Cr+4Mo+2W-2Cu-30N+11V+10Ti+5Nb …………(1) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計算) B=Cr+3.3Mo+1.65W+Cu+30N …………(2) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計算) 6.重量%にて、C 0.20〜0.35%、Si 2.0%以下、Mn 2 .0%以下、Ni 0.3〜0.75%、Cr 11.0%以上15.0%未満 、MoまたはMoとWの2種が、Mo+1/2Wで1.0〜3.0%、Cu 0 .1%以上1.0%未満、N 0.02〜0.15%、さらにV,Ti,Nbの うち1種または2種以上を合計で0.25%以下含み、残部が実質的にFeから なり、かつ(1)式で示されるA値が10以下、(2)式で示されるB値が20 以上であることを特徴とする耐孔食性の優れた高硬度マルテンサイト系ステンレ ス鋼。 A=-40C+6Si-2Mn-4Ni+Cr+4Mo+2W-2Cu-30N+11V+10Ti+5Nb …………(1) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計算) B=Cr+3.3Mo+1.65W+Cu+30N …………(2) (ただし、選択元素のうち無添加の元素はゼロとして計算) 7.請求項1ないし6のいずれか一項に記載の鋼組成に、B,Mg,Ca,A lのうち1種または2種以上を合計で0.10%以下含有する耐孔食性の優れた 高硬度マルテンサイト系ステンレス鋼。 8.請求項1ないし7のいずれか一項に記載のマルテンサイト系ステンレス鋼 からなり、焼入れ焼戻し後の硬さが50HRC以上であることを特徴とする耐孔 食性の優れた高硬度マルテンサイト系ステンレス鋼。 9.請求項1ないし8のいずれか一項に記載のマルテンサイト系ステンレス鋼 からなり、30℃の脱気3.5%塩水中での孔食電位Vc100が150mV(v s S.C.E)以上であることを特徴とする耐孔食性の優れた高硬度マルテン サイト系ステンレス鋼。 10.請求項1ないし9のいずれか一項に記載のマルテンサイト系ステンレス鋼 からなり、700〜890℃で1回の焼なましを行なった後の硬さが250HV 以下であることを特徴とする耐孔食性の優れた高硬度マルテンサイト系ステンレ ス鋼。
JP8521554A 1995-01-13 1996-01-10 耐孔食性の優れた高硬度マルテンサイト系ステンレス鋼 Expired - Fee Related JP2968844B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8521554A JP2968844B2 (ja) 1995-01-13 1996-01-10 耐孔食性の優れた高硬度マルテンサイト系ステンレス鋼

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7/3909 1995-01-13
JP7-3909 1995-01-13
JP390995 1995-01-13
JP8521554A JP2968844B2 (ja) 1995-01-13 1996-01-10 耐孔食性の優れた高硬度マルテンサイト系ステンレス鋼
PCT/JP1996/000017 WO1996021747A1 (en) 1995-01-13 1996-01-10 High hardness martensitic stainless steel with good pitting corrosion resistance

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10504354A true JPH10504354A (ja) 1998-04-28
JP2968844B2 JP2968844B2 (ja) 1999-11-02

Family

ID=26337576

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8521554A Expired - Fee Related JP2968844B2 (ja) 1995-01-13 1996-01-10 耐孔食性の優れた高硬度マルテンサイト系ステンレス鋼

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2968844B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1036945A (ja) * 1996-07-19 1998-02-10 Nippon Steel Corp ねじ込み性に優れた高耐銹性マルテンサイト系ステンレス製ドリリングタッピンねじ及びその焼入方法
JPH10110248A (ja) * 1996-10-03 1998-04-28 Hitachi Metals Ltd 耐孔食性の優れた高硬度マルテンサイト系ステンレス鋼
JPH1161351A (ja) * 1997-08-25 1999-03-05 Daido Steel Co Ltd 加工性および耐食性に優れた高硬度マルテンサイト系ステンレス鋼
JP2010539325A (ja) * 2007-09-10 2010-12-16 オウベル・アンド・デュヴァル マルテンサイト系ステンレス鋼、この鋼から作られる部品の製造方法及びこの方法で製造される部品
CN103114242A (zh) * 2011-09-28 2013-05-22 日立金属株式会社 韧性优异的模具用钢材的制造方法
CN106756516A (zh) * 2017-02-07 2017-05-31 和县隆盛精密机械有限公司 一种适用于机械臂锁紧螺栓的合金铸件及其铸造工艺
JP2017150045A (ja) * 2016-02-26 2017-08-31 山陽特殊製鋼株式会社 マルテンサイト系ステンレス鋼
JP2018524473A (ja) * 2015-07-16 2018-08-30 サンドビック インテレクチュアル プロパティー アクティエボラーグ 新規のマルテンサイト系ステンレス鋼
JP2018159114A (ja) * 2017-03-23 2018-10-11 山陽特殊製鋼株式会社 耐食性に優れるマルテンサイト系ステンレス鋼
JP2021017626A (ja) * 2019-07-22 2021-02-15 大同特殊鋼株式会社 マルテンサイト系ステンレス鋼及び締結部材
JP2021195615A (ja) * 2020-06-18 2021-12-27 Jfeスチール株式会社 ステンレス鋼板および焼入成形品

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SE526805C8 (sv) * 2004-03-26 2006-09-12 Sandvik Intellectual Property Stållegering

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1036945A (ja) * 1996-07-19 1998-02-10 Nippon Steel Corp ねじ込み性に優れた高耐銹性マルテンサイト系ステンレス製ドリリングタッピンねじ及びその焼入方法
JPH10110248A (ja) * 1996-10-03 1998-04-28 Hitachi Metals Ltd 耐孔食性の優れた高硬度マルテンサイト系ステンレス鋼
JPH1161351A (ja) * 1997-08-25 1999-03-05 Daido Steel Co Ltd 加工性および耐食性に優れた高硬度マルテンサイト系ステンレス鋼
JP2010539325A (ja) * 2007-09-10 2010-12-16 オウベル・アンド・デュヴァル マルテンサイト系ステンレス鋼、この鋼から作られる部品の製造方法及びこの方法で製造される部品
CN103114242A (zh) * 2011-09-28 2013-05-22 日立金属株式会社 韧性优异的模具用钢材的制造方法
CN103114242B (zh) * 2011-09-28 2015-12-16 日立金属株式会社 韧性优异的模具用钢材的制造方法
JP2018527458A (ja) * 2015-07-16 2018-09-20 サンドビック インテレクチュアル プロパティー アクティエボラーグ ドリル構成要素
JP2018524473A (ja) * 2015-07-16 2018-08-30 サンドビック インテレクチュアル プロパティー アクティエボラーグ 新規のマルテンサイト系ステンレス鋼
US10941469B2 (en) 2015-07-16 2021-03-09 Ab Sandvik Materials Technology Martensitic stainless steel
US11047028B2 (en) 2015-07-16 2021-06-29 Sandvik Intellectual Property Ab Drill component
JP2017150045A (ja) * 2016-02-26 2017-08-31 山陽特殊製鋼株式会社 マルテンサイト系ステンレス鋼
CN106756516A (zh) * 2017-02-07 2017-05-31 和县隆盛精密机械有限公司 一种适用于机械臂锁紧螺栓的合金铸件及其铸造工艺
JP2018159114A (ja) * 2017-03-23 2018-10-11 山陽特殊製鋼株式会社 耐食性に優れるマルテンサイト系ステンレス鋼
JP2021017626A (ja) * 2019-07-22 2021-02-15 大同特殊鋼株式会社 マルテンサイト系ステンレス鋼及び締結部材
JP2021195615A (ja) * 2020-06-18 2021-12-27 Jfeスチール株式会社 ステンレス鋼板および焼入成形品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2968844B2 (ja) 1999-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5714114A (en) High hardness martensitic stainless steel with good pitting corrosion resistance
US8017071B2 (en) Corrosion-resistant, cold-formable, machinable, high strength, martensitic stainless steel
JP3398772B2 (ja) 切削加工性を改良したマルテンサイト系ステンレス鋼
JP2002256397A (ja) 耐食性に優れた高硬度マルテンサイト系ステンレス鋼
JP3587330B2 (ja) 耐孔食性の優れた高硬度マルテンサイト系ステンレス鋼
JP2968844B2 (ja) 耐孔食性の優れた高硬度マルテンサイト系ステンレス鋼
JP2001049399A (ja) 耐孔食性の優れた高硬度マルテンサイト系ステンレス鋼
JP3340225B2 (ja) 耐銹性に優れた高強度マルテンサイト系ステンレス鋼およびドリリングタッピンねじ
EP0133959B1 (en) Case hardening steel suitable for high temperature carburizing
JP4207137B2 (ja) 高硬度高耐食ステンレス鋼
JPH1018001A (ja) 耐孔食性の優れた高硬度マルテンサイト系ステンレス鋼
JPH1018002A (ja) 耐孔食性の優れた高硬度マルテンサイト系ステンレス鋼
JPH10245656A (ja) 冷鍛性の優れたマルテンサイト系ステンレス鋼
JP6583885B2 (ja) 耐食性および製造性に優れた高硬度ステンレス鋼
US6096262A (en) Martensitic heat resisting steel
JPH04371547A (ja) 高強度強靭鋼の製造方法
JP2742578B2 (ja) 冷間鍛造用高硬度ステンレス鋼
JP2019127613A (ja) 熱間加工性に優れ、サブゼロ処理を要しない高硬度析出硬化型ステンレス鋼
KR100210522B1 (ko) 우수한 내점식성을 갖는 고경도 말텐사이트계 스테인레스 스틸
JPH04120249A (ja) マルテンサイト系ステンレス鋼とその製造法
JP3587271B2 (ja) 冷間加工性に優れたセミオーステナイト型析出硬化ステンレス鋼
US20210348255A1 (en) Steel for making acid-gas resistant part
JP3214829B2 (ja) 強度、靱性、疲労特性、耐海水性に優れた析出硬化型ステンレス鋼
JP3488395B2 (ja) 加工性に優れた高硬度耐食鋼
JP2000328204A (ja) 耐食高周波焼入れ用鋼

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080820

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090820

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090820

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100820

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100820

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110820

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110820

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120820

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120820

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130820

Year of fee payment: 14

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees