JP2000328204A - 耐食高周波焼入れ用鋼 - Google Patents

耐食高周波焼入れ用鋼

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JP2000328204A
JP2000328204A JP11140911A JP14091199A JP2000328204A JP 2000328204 A JP2000328204 A JP 2000328204A JP 11140911 A JP11140911 A JP 11140911A JP 14091199 A JP14091199 A JP 14091199A JP 2000328204 A JP2000328204 A JP 2000328204A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のSUS440Cや、13%Cr系マル
テンサイト鋼の高周波焼入により必要な表面硬さや有効
硬化層深さを得ることができにくい点を改善し、耐食性
を満足し、かつ従来鋼より高周波焼入性に優れ、耐摩耗
性に優れたマルテンサイト鋼を提供する。 【解決手段】 重量%で、C:0.35〜0.65%、
Si:2.0%以下、Mn:1.5%、Cr:7.0〜
15.0%、N:0.050〜0.20%以下を含有
し、かつCr/C+N≦24を満足し、さらに必要によ
りMo≦3%、V≦3%、Nb≦1%、Ni≦1%から
選択した1種又は2種以上を含有し、残部Fe及び不可
避不純物からなることを特徴とする高周波焼入れ用鋼。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】耐食性を満足し、かつ高周波
焼入れにより耐摩耗性や転動疲労寿命が要求される分野
に適用する耐食マルテンサイト鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】耐食性が要求される環境において使用さ
れ、あるいは転がり軸受、直動軸受、ボールネジ、シャ
フト、金型などに使用する鋼としては、JIS SUS
440Cや、13%Cr系マルテンサイト形鋼が適用さ
れている。従来、これらの鋼材に通常焼入れ焼戻し(通
称、「ズブ焼入れ」という。)により硬化して使用して
いる。しかし、熱処理コストを低減し、さらに熱処理工
程の簡略化の目的において、高周波焼入れを適用するこ
とが望まれている。
【0003】しかしながら、これらの鋼材は焼きなまし
状態の炭化物がCr系炭化物であって、低合金構造用鋼
一般のセメンタイトと異なり炭化物固溶の点で高周波焼
入性が困難であるので、必要な表面硬さや有効硬化層深
さを得ることが難しい問題があった。これらの問題に対
処するものとして、特開平10−25550号公報に開
示されている鋼がある。この鋼は、Cr/C比を25以
下にすることにより耐食性をSUS440Cと同等と
し、かつ高周波焼入性を向上させた鋼であるが、必ずし
もその高周波焼入性は十分でなく、改善が求められてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、SUS44
0Cや、13%Cr系マルテンサイト鋼では得ることが
できにくい高周波焼入による表面硬さや有効硬化層深さ
を得ることができるものとし、耐食性を満足し、かつ従
来鋼より高周波焼入性に優れ、耐摩耗性や転動疲労寿命
に優れたマルテンサイト鋼を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの本発明の手段は、耐食性のためにNは不純物レベル
の含有である従来型の13%Cr系鋼以上を必須とし、
さらに従来鋼より、高周波焼入性に優れるものとするこ
とであり、請求項1の発明では、重量%で、C:0.3
5〜0.65%、Si:2.0%以下、Mn:1.5
%、Cr:7.0〜15.0%、N:0.050〜0.
20%以下を含有し、かつCr/C+N≦24を満足
し、残部Fe及び不可避不純物からなることを特徴とす
る高周波焼入れ用鋼である。
【0006】請求項2の発明では、重量%で、C:0.
35〜0.65%、Si:2.0%以下、Mn:1.5
%、Cr:7.0〜15.0%、N:0.050〜0.
20%以下を含有し、かつCr/C+N≦24を満足
し、さらにMo≦3%、V≦3%、Nb≦1%、Ni≦
1%から選択した1種又は2種以上を含有し、残部Fe
及び不可避不純物からなることを特徴とする高周波焼入
れ用鋼である。
【0007】以下に本発明鋼の含有成分について説明す
る。以下、%は重量%で示す。Cは、焼入性を確保する
ために少なくとも0.35%必要であるが、0.65%
を超えて存在すると加工性を低下するので、0.35〜
0.65%とする。
【0008】Siは、鋼の脱酸に主として必要な元素と
して添加される元素であり、また焼入性を向上させる元
素であるが、しかし、Siの過度の含有は加工性および
靱性を劣化するので、2.0%以下とする。
【0009】Mnは、Siと同様に鋼の脱酸効果のため
必然的に含有するが、過度の含有は加工性を劣化するの
で、1.5%以下とする。
【0010】Crは、Cと結合し硬質炭化物を形成し、
耐摩耗性を向上させるとともに耐食性を向上させる元素
である。耐食性のためには7.0%以上必要であるが、
Crが多すぎると共晶炭化物が粗大化し、転動疲労寿命
を低下させるので上限を15.0%とする。
【0011】Nは、一般には結晶粒を微細化するために
添加されるが、焼きなまし状態においてCr炭化物に固
溶して炭窒化物の状態になり、従来鋼のCr炭化物より
微細化し固溶し易くなる。したがって、N添加は高周波
焼入性を有利にする効果を有する。そして従来の13%
Cr鋼に勝る耐食性を得るために、0.05%以上添加
するが、多すぎると高周波焼入後の残留オーステナイト
量が過剰になり硬さ低下を招くので0.20%以下とす
る。
【0012】Cr/C+Nの値を24以下とするのは、
炭窒化物中のCr含有量を抑えることでその安定性を減
じて固溶促進により高周波焼入性を向上させるために上
限を24とする。
【0013】そして、焼きなましの炭窒化物中のNは焼
入後はマルテンサイト中に固溶し、このマルテンサイト
中の固溶Nは耐食性を向上させる効果を発揮する。した
がって、Cr/C+N≦24とすることによりCr添加
量を抑えることができるが、その分、耐食性は減少す
る。そこで上記のとおりNを添加して耐食性を補ってい
る。
【0014】Moは、耐食性の向上および炭化物を形成
し耐摩耗性の向上のためにさらに添加するが、3.0%
を超えて添加しても効果が飽和し、熱間加工性を低下す
るので3.0%以下とする。
【0015】V、NbはMoと同様に耐食性の向上およ
び耐摩耗性に寄与する。またN含有による結晶粒を微細
化する助長し転動疲労寿命を高める元素として添加する
が、Vは3%を超えて、Nbは1%を超えて添加すると
加工性を阻害するので、Vは3%以下とし、Nbは1%
以下とする。
【0016】Niは、オーステナイト域拡大元素であ
り、Ac3変態点を低くする効果により炭化物固溶を促
進するので添加するが、1%を超えて添加すると加工性
を阻害するので1%以下とする。
【0017】すなわち、本発明の基本思想は、請求項に
記載の基本組成において、0.050%以上のNを含有
させ、Cr/C+N≦24とすることで、焼きなまし状
態でのCr系炭化物を改質し、炭化物を固溶させ易くし
て高周波焼入性を改善することである。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を以下に示
す。C:0.35〜0.65%、Si:2.0%以下、
Mn:1.5%、Cr:7.0〜15.0%、N:0.
050〜0.20%以下を含有し、かつCr/C+N≦
24を満足し、必要に応じて、さらに、Mo≦3.0
%、V≦3.0%、Nb≦1%、Ni≦1%の4種から
選択した1種又は2種以上を含有し、残部Fe及び不可
避不純物からなる鋼を溶製する。この鋼を所定形状に熱
間鍛造して棒材を得て焼きなまし材とする。これを高周
波焼入れ装置を用いて、表面を1100℃に加熱、水冷
して160℃に60分間焼戻して耐食性及び耐摩耗性に
優れた高周波焼入れ用鋼を得る。
【0019】
【実施例】表1に示す鋼組成の供試鋼を溶製する。供試
鋼のNo.1〜6は本発明の発明鋼で、No7〜13は
比較鋼であり、特にNo.12は13%Cr系鋼でNが
0.05%以下であり、また、Cが0.65%より多
く、C+Nも本発明鋼に比して多い。No.7はCrが
少なく、No.8はNが少なく、No.9および10
は、Cr/C+Nが多く、No.11はNが少ないもの
である。
【0020】上記の溶製により得られた供試鋼を熱間鍛
造で鍛伸してなる焼きなまし材からφ25mmの丸棒を
得た。高周波焼入れ装置によりこの丸棒の表面温度を1
100℃に加熱後に水冷して焼入し、さらに160℃×
60分の焼戻しを行った。この表面焼入焼戻し材につい
て、表面から0.05mm深さ位置の高周波焼入れ表面
硬さ(HV)と、硬さ600HVの高周波焼入れ深さ
と、この表面焼入焼戻し材を6%NaCl+0.5%H
22の溶液に6時間浸漬したときの重量減少量の孔食減
量で評価し、その結果を表1に示す。
【0021】本発明鋼は何れも高周波焼入れ表面硬さが
720HV以上でかつ高周波焼入れ深さも600HV相
当深さで2.2mm以上と優れた高周波焼入性を有し、
かついずれも孔食減量が5.5g/mm2・h以下と耐
食性にも優れている。これに対し比較鋼のNo.7はC
rが少なく、高周波焼入性は満足できるが耐食性が劣っ
ている。比較鋼のNo.8はNが少なく、高周波焼入れ
深さおよび耐食性が劣っている。比較鋼のNo.9およ
びNo.10は共にCr/C+Nが25より大であり、
耐食性は満足できるが高周波焼入れ深さが劣っている。
比較鋼のNo.11はNが少なく、耐食性に劣る。比較
鋼のNo.12は13%Cr系鋼で、Nが少なく、C+
Nは多く、本発明鋼に比し高周波焼入性および耐食性の
両方で劣っている。比較鋼のNo.13はSUS440
Cで本発明鋼に比し高周波焼入性および耐食性の両方で
劣っている。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明の鋼は、N
の添加量を不純物レベルより多くし、かつCr/C+N
を24以下とすることで、焼きなまし状態でのCr系炭
化物を改質し、炭化物を固溶させ易くしてSUS440
Cや13%Cr系マルテンサイト鋼では得られない高周
波焼入性を高めて表面硬さを720HV以上で有効硬化
層深さにも優れたものとし、耐摩耗性や転動疲労寿命に
優れ、さらに耐食性に優れたマルテンサイト鋼である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、C:0.35〜0.65%、S
    i:2.0%以下、Mn:1.5%、Cr:7.0〜1
    5.0%、N:0.050〜0.20%以下を含有し、
    かつCr/C+N≦24を満足し、残部Fe及び不可避
    不純物からなることを特徴とする高周波焼入れ用鋼。
  2. 【請求項2】重量%で、C:0.35〜0.65%、S
    i:2.0%以下、Mn:1.5%、Cr:7.0〜1
    5.0%、N:0.050〜0.20%以下を含有し、
    かつCr/C+N≦24を満足し、さらにMo≦3%、
    V≦3%、Nb≦1%、Ni≦1%から選択した1種又
    は2種以上を含有し、残部Fe及び不可避不純物からな
    ることを特徴とする高周波焼入れ用鋼。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102277537A (zh) * 2010-06-13 2011-12-14 陈登云 C40耐腐抗磨材料的配比
WO2019057234A1 (de) * 2017-09-21 2019-03-28 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Gewindemutter eines kugelgewindetriebes
DE102020131031A1 (de) 2020-11-24 2022-05-25 Otto-Von-Guericke-Universität Magdeburg Martensitische Stahllegierung mit optimierter Härte und Korrosionsbeständigkeit

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DE102020131031A1 (de) 2020-11-24 2022-05-25 Otto-Von-Guericke-Universität Magdeburg Martensitische Stahllegierung mit optimierter Härte und Korrosionsbeständigkeit

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