JP2563164B2 - 高強度非調質強靭鋼 - Google Patents

高強度非調質強靭鋼

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は高強度非調質強靭鋼に関する。
(従来の技術及び問題点) 機械構造用鋼のうちでも特に強度を必要とする強靭鋼
は、従来、主として焼入れ焼戻しによる調質を施して使
用されていたが、近年の省エネルギー化の要請に伴い、
焼入れ焼戻しを施さないで使用できる非調質鋼が開発さ
れた。
非調質鋼の場合、焼入れ焼戻しに代え得る手段として
は、例えば、C≧0.35%を含む炭素鋼を対象とし、フェ
ライト+パーライト組織のフェライト基地中にV炭窒化
物を析出させてVの析出硬化を利用したもの、或いは更
にMnを若干高めたもの等がある。
しかし、この種のものを一例とする従来の非調質鋼で
は、特に靭性が低いという欠点があるため、靭性を必要
とする機械構造部品、例えばナックルアーム等々の自動
車用足廻り部品に使用するには十分でない。
本発明は、上記従来技術の欠点を解消し、強度を有す
ると共に優れた靭性を備え、必要に応じて良好な被削性
を備えた非調質鋼を提供することを目的とするものであ
る。
(問題点を解決するための手段) 上記目的を達成するため、本発明者は、従来の非調質
鋼について化学成分、組織、製造プロセスなど各面から
再検討を試みた結果、組織中にパーライトやマルテンサ
イトが存在すると靭性が得られず、特にパーライトが共
存すると靭性劣化が著しくなることが判明したため、こ
れらを含まないベイナイト又はベイナイト+フェライト
組織とし、これと化学成分との関係について更に実験研
究を重ね、本発明をなしたものである。
すなわち、本発明に係る高強度非調質強靭鋼は、C:0.
15〜0.30%、Si:0.5%未満、Mn:0.4〜2.0%及びMo:0.1
〜0.7%を含み、必要に応じて、Cr≦2%及びNi≦2%
のうちの1種又は2種と、Ti:0.01〜0.1%、V:0.05〜0.
5%及びAl:0.01〜0.5%のうちの1種又は2種以上と、
S≦0.15%、Pb≦0.30%、Ca≦0.0100%、Bi≦0.30%及
びTe≦0.30%のうちの1種又は2種以上とを単独又は組
合わせて含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼
であって、鍛造、冷却後の組織がベイナイト又はベイナ
イト+フェライトであることを特徴とするものである。
以下に本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明の非調質鋼における化学成分の限定理由
を説明する。
Cは強度を確保するために少なくとも0.15%を必要と
するが、多量に含有せしめると靭性劣化をもたらすの
で、0.30%を上限とする。
Siは脱酸元素として添加するが、多すぎると靭性が劣
化するため、0.5%未満で添加する。
Mnは強度を確保するために0.4%以上、望ましくは0.9
%以上を添加する。しかし、過度に添加すると被削性を
悪化させるので、上限を2.0%とする。
Moは強度を増し靭性を確保する元素であると共にベイ
ナイトの析出を容易にするので、そのために0.1%以上
を添加する。しかし、多すぎると靭性の劣化をまねくの
で、0.7%を上限とする。
以上の各元素は必須成分として含有せしめるが、以下
に示す元素を必要に応じて添加することができる。
Cr、Niは特に強度を必要とする場合に適宜添加するこ
とができる。添加するときは、それらの1種又は2種を
Cr≦2%、Ni≦2%の範囲で添加するが、各元素とも上
限を超えて多くすると、靭性の劣化をまねくので好まし
くない。
Ti、V、Alは強度が必要な場合並びに鍛造による組織
微細化を可能にして靭性も改善できるので、適宜添加す
ることができる。添加するときは、それらの1種又は2
種以上を、Ti:0.01〜0.1%、V:0.05〜0.5%、Al:0.01〜
0.5%の範囲で添加する。各元素ともその下限は上記効
果を得るために必要な量であり、その上限を超えて多く
添加すると靭性の劣化をまねくので好ましくない。
S、Pb、Ca、Bi、Teは被削性を必要とする場合、それ
らの1種又は2種以上を適宜添加することができる。添
加するときは、S≦0.15%、Pb≦0.30%、Ca≦0.0100
%、Bi≦0.30%、Te:0.30%の範囲で添加するのが好ま
しく、各元素とも上限を超えて多くすると、熱間加工性
や靭性の劣化をまねくことになる。
上記化学成分を有する鋼は、焼入れ焼戻しによる調質
をせずに製造され、熱間鍛造の後、空冷等により冷却
し、その際に冷却速度をコントロールしてベイナイト又
はベイナイト+フェライトの組織を得る。従来の非調質
鋼はフェライト+パーライト組織を有し、パーライトが
存在するために靭性が劣っていたのに対し、本発明では
上記の如く特定の化学成分を有する鋼につきベイナイト
を主体とする組織、すなわち、フェライトを共存させ得
るが、パーライトやマルテンサイトを含まない組織にす
ることにより、特に靭性の向上を図ったものである。ベ
イナイト+マンテンサイトの場合、高強度は得られるも
のの靭性が劣化し、またベイナイト+フェライトにパー
ライトを共存させると、強度は一応のレベルに達するも
のの、やはり靭性が劣る。
次に本発明の一実施例を示す。
(実施例) 第1表に示す化学成分(wt%)を有する鋼を溶製、造
塊後、60D圧延材を製造し、これを1200℃で鍛伸して25D
鍛造材を得、空冷にて冷却速度をコントロールしてベイ
ナイト又はベイナイト+フェライト組織を得た。但し、
同表中の従来材No.1は、従来法によりフェライト+パー
ライト組織とした。
得られた鍛造材について硬さを測定すると共にシャル
ピー衝撃試験(JIS3号試験片、2mmUノッチ)による衝撃
値を求めた。これらの結果を第2表に示す。第2表から
明らかなように、従来材No.1は靭性が劣っているのに対
し、本発明材No.4〜9はいずれも衝撃値5〜6kgf・m/cm
2以上、硬さ(Hv)約240以上を十分満たしており、高強
度で靭性に優れている。なお、比較材No.2、3は、いず
れかの成分が本発明範囲外であるため、特に硬さが得ら
れていない。
次に、非調質鋼における組織と強度及び靭性との関係
を調べるために、本発明範囲内の化学成分を有する第1
表中の供試材No.6について、60D圧延材を1200℃で鍛伸
して25D鍛造材を得、冷却速度をコントロールして第3
表に示すミクロ組織を得た。その結果、第3表に示すと
うり、ベイナイト又はベイナイト+フェライト組織の本
発明材A、Bは靭性、強度とも優れているのに対し、マ
ルテンサイトが共存する比較材C及びパーライトが共存
する比較材Dはいずれも靭性が劣っている。
また、被削性を調べるために、第1表に示す供試材N
o.4、9について、50D圧延材を1200℃に加熱して鍛造
し、30D鍛造材を得、冷却速度をコントロールして硬さ
を調整した後、超硬旋削による切削テストを行った。な
お、得られたミクロ組織はベイナイトに微量フェライト
を含むものであった。また、切削テストは次の条件で行
い、切削速度を変化させて工具寿命(min)により被削
性を評価し、その結果を第4表に示す。
切削テスト…工具:P10 送り:0.2mm/rev 切込み:2mm 工具寿命:VB=0.2mm 切削油:なし 第4表からわかるように、快削元素を適量含む供試材
No.9は、No.4にくらべて顕著に被削性が改善されてい
る。
(発明の目的) 以上詳述したように、本発明によれば、従来の非調質
鋼に比べて高強度であると共に特に靭性が優れ、被削性
も改善することができるので、非調質鋼の適用範囲を著
しく拡大することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−20718(JP,A) 特開 昭60−255957(JP,A) 特開 昭60−17053(JP,A) 特開 昭57−35663(JP,A) 特開 昭62−260042(JP,A)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で(以下、同じ)、C:0.15〜0.30
    %、Si:0.5%未満、Mn:0.4〜2.0%及びMo:0.1〜0.7%を
    含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼であっ
    て、鍛造、冷却後の組織がバイナイト又はベイナイト+
    フェライトであることを特徴とする高強度非調質強靭
    鋼。
  2. 【請求項2】C:0.15〜0.30%、Si:0.5%未満、Mn:0.4〜
    2.0%及びMo:0.1〜0.7%を含み、更にCr≦2%及びNi≦
    2%のうちの1種又は2種を含み、残部がFe及び不可避
    的不純物からなる鋼であって、鍛造、冷却後の組織がベ
    イナイト又はベイナイト+フェライトであることを特徴
    とする高強度非調質強靭鋼。
  3. 【請求項3】C:0.15〜0.30%、Si:0.5%未満、Mn:0.4〜
    2.0%及びMo:0.1〜0.7%を含み、更にTi:0.01〜0.1%、
    V:0.05〜0.5%及びAl:0.01〜0.5%のうちの1種又は2
    種以上を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼
    であって、鍛造、冷却後の組織がベイナイト又はベイナ
    イト+フェライトであることを特徴とする高強度非調質
    強靭鋼。
  4. 【請求項4】C:0.15〜0.30%、Si:0.5%未満、Mn:0.4〜
    2.0%及びMo:0.1〜0.7%を含み、更にS≦0.15%、Pb≦
    0.30%、Ca≦0.0100%、Bi≦0.30%及びTe≦0.30%のう
    ちの1種又は2種以上を含み、残部がFe及び不可避的不
    純物からなる鋼であって、鍛造、冷却後の組織がベイナ
    イト又はベイナイト+フェライトであることを特徴とす
    る高強度非調質強靭鋼。
  5. 【請求項5】C:0.15〜0.30%、Si:0.5%未満、Mn:0.4〜
    2.0%及びMo:0.1〜0.7%を含み、更にCr≦2%及びNi≦
    2%のうちの1種又は2種と、Ti:0.01〜0.1%、V:0.05
    〜0.5%及びAl:0.01〜0.5%のうちの1種又は2種以上
    とを含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼であ
    って、鍛造、冷却後の組織がベイナイト又はベイナイト
    +フェライトであることを特徴とする高強度非調質強靭
    鋼。
  6. 【請求項6】C:0.15〜0.30%、Si:0.5%未満、Mn:0.4〜
    2.0%及びMo:0.1〜0.7%を含み、更にCr≦2%及びNi≦
    2%のうちの1種又は2種と、S≦0.15%、Pb≦0.30
    %、Ca≦0.0100%、Bi≦0.30%及びTe≦0.30%のうちの
    1種又は2種以上とを含み、残部がFe及び不可避的不純
    物からなる鋼であって、鍛造、冷却後の組織がベイナイ
    ト又はベイナイト+フェライトであることを特徴とする
    高強度非調質強靭鋼。
  7. 【請求項7】C:0.15〜0.30%、Si:0.5%未満、Mn:0.4〜
    2.0%及びMo:0.1〜0.7%を含み、更にTi:0.01〜0.1%、
    V:0.05〜0.5%及びAl:0.01〜0.5%のうちの1種又は2
    種以上と、S≦0.15%、Pb≦0.30%、Ca≦0.0100%、Bi
    ≦0.30%及びTe≦0.30%のうちの1種又は2種以上とを
    含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼であっ
    て、鍛造、冷却後の組織がベイナイト又はベイナイト+
    フェライトであることを特徴とする高強度非調質強靭
    鋼。
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