JP2017147312A - 保持装置および保持装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】保持装置のセラミックス板の第1の表面における温度分布の均一性を向上させる。【解決手段】保持装置は、第1の表面を有する板状のセラミックス板と、冷媒流路が形成されたベース板と、セラミックス板の内部、または、セラミックス板のベース板側に配置されたヒータと、セラミックス板とベース板との間に配置された接着層とを備え、セラミックス板の第1の表面上に対象物を保持する。保持装置は、さらに、セラミックス板とベース板との間における接着層の外周側の位置に配置され、接着層とは熱伝導率の異なる第1の部材と、セラミックス板とベース板との間における接着層の外周側の位置に配置され、接着層および第1の部材とは熱伝導率の異なる第2の部材とを備える。【選択図】図2

Description

本明細書に開示される技術は、対象物を保持する保持装置に関する。
例えば半導体製造装置において、ウェハを保持する保持装置として、静電チャックが用いられる。静電チャックは、セラミックス板とベース板とが接着層により接合された構成を有する。静電チャックは、内部電極を有しており、内部電極に電圧が印加されることにより発生する静電引力を利用して、セラミックス板の表面(以下、「吸着面」という)にウェハを吸着して保持する。
静電チャックに保持されたウェハの温度分布が不均一になると、ウェハに対する各処理(成膜、エッチング、露光等)の精度が低下するため、静電チャックにはウェハの温度分布を均一にする性能が求められる。そのため、静電チャックの使用時には、セラミックス板の内部またはセラミックス板のベース板側に配置されたヒータによる加熱や、ベース板に形成された冷媒流路に冷媒を供給することによる冷却によって、セラミックス板の吸着面の温度制御が行われる(例えば、特許文献1参照)。
特開2015−103550号公報
しかし、製品設計上、ヒータや冷媒流路を、セラミックス板の吸着面に平行な方向(以下、「面方向」という)において均一に配置できない場合がある。また、製造工程上、セラミックス板やベース板には、製品ばらつきが発生し得る。これらのことから、ヒータによる加熱や冷媒による冷却を行っても、セラミックス板の吸着面における温度分布の均一性が十分に高くならず、ひいては、ウェハの温度分布の均一性が十分に高くならないことがある。特に、静電チャックの面方向における外周側では、中心側と比較して、ヒータを例えばスクリーン印刷等で形成する際にヒータの厚さのばらつきが大きくなりやすく、また、ヒータの線長が比較的長くなるためヒータの欠陥が発生する確率が高くなり、また、接着層の欠陥(例えば接着層内部の気泡)も発生しやすいため、ヒータによる加熱作用や冷媒による冷却作用のばらつきが大きくなって、セラミックス板の吸着面における温度分布の均一性が十分に高くなりにくい。
なお、このような課題は、静電引力を利用してウェハを保持する静電チャックに限らず、セラミックス板とベース板とを備え、セラミックス板の表面上に対象物を保持する保持装置に共通の課題である。
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本明細書に開示される保持装置は、第1の表面と、前記第1の表面とは反対側の第2の表面と、を有する板状のセラミックス板と、第3の表面を有する板状であり、前記第3の表面が前記セラミックス板の前記第2の表面に対向するように配置され、冷媒流路が形成されたベース板と、前記セラミックス板の内部、または、前記セラミックス板の前記ベース板側に配置されたヒータと、前記セラミックス板と前記ベース板との間に配置され、前記セラミックス板と前記ヒータとの少なくとも一方と前記ベース板とを接着する接着層と、を備え、前記セラミックス板の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置において、さらに、前記セラミックス板と前記ベース板との間における前記接着層の外周側の位置に配置され、前記接着層とは熱伝導率の異なる第1の部材と、前記セラミックス板と前記ベース板との間における前記接着層の外周側の位置に配置され、前記接着層および前記第1の部材とは熱伝導率の異なる第2の部材と、を備える。本保持装置によれば、セラミックス板とベース板との間に、接着層、第1の部材、第2の部材という、熱伝導率の互いに異なる少なくとも3つの部材が配置される。そのため、本保持装置によれば、セラミックス板とベース板との間における接着層の外周側の適切な位置に第1の部材および第2の部材を配置することにより、セラミックス板の第1の表面における温度分布の均一性を向上させることができる。
(2)上記保持装置において、前記第1の部材の熱伝導率は、前記接着層の熱伝導率より高く、前記第1の部材は、前記接着層の厚さ方向視で、前記ヒータと重なる位置に配置されている構成としてもよい。セラミックス板の第1の表面において、接着層の厚さ方向視でヒータと重なる位置は、他の位置より温度が高くなる傾向にある。本保持装置によれば、接着層の熱伝導率より高い熱伝導率を有する第1の部材が、接着層の厚さ方向視でヒータと重なる位置に配置されるため、当該位置において冷媒によるセラミックス板の冷却効果が高められ、セラミックス板の第1の表面における温度分布の均一性を向上させることができる。
(3)上記保持装置において、前記第2の部材の熱伝導率は、前記接着層の熱伝導率より低く、前記第2の部材は、前記接着層の厚さ方向視で、前記冷媒流路と重なる位置に配置されている構成としてもよい。セラミックス板の第1の表面において、接着層の厚さ方向視で冷媒流路と重なる位置は、他の位置より温度が低くなる傾向にある。本保持装置によれば、接着層の熱伝導率より低い熱伝導率を有する第2の部材が、接着層の厚さ方向視で冷媒流路と重なる位置に配置されるため、当該位置において冷媒によるセラミックス板の冷却効果が抑制され、セラミックス板の第1の表面における温度分布の均一性を向上させることができる。
(4)上記保持装置において、前記接着層は、前記接着層の厚さ方向視で、外周部に複数の凹部が形成された形状であり、前記第1の部材および前記第2の部材は、互いに異なる前記凹部内に配置されている構成としてもよい。本保持装置によれば、接着層による接着面積をある程度確保しつつ、第1の部材および第2の部材を配置することによってセラミックス板の第1の表面における温度分布の均一性を向上させることができる。
(5)上記保持装置において、前記複数の凹部は、少なくとも1つの第1の凹部と、前記接着層の厚さ方向における位置が前記第1の凹部とは異なる少なくとも1つの第2の凹部と、を含む構成としてもよい。本保持装置によれば、凹部の配置の自由度を増やすことができるために、第1の部材および第2の部材を配置することによる冷却効果の調整をきめ細かく行うことができ、セラミックス板の第1の表面における温度分布の均一性を効果的に向上させることができる。
(6)上記保持装置において、さらに、前記接着層と前記第1の部材と前記第2の部材とをまとめて囲む環状の保護部材を備える構成としてもよい。本保持装置によれば、第1の部材および第2の部材を配置することによってセラミックス板の第1の表面における温度分布の均一性を向上させつつ、第1の部材および第2の部材の脱落を防止することができる。
(7)上記保持装置において、前記ヒータによる加熱と前記冷媒流路への冷媒の供給との実行中に、前記セラミックス板の前記第1の表面の各位置における温度差が3℃以内である構成としてもよい。本保持装置によれば、セラミックス板の第1の表面の各位置における温度差を3℃以内とすることにより、セラミックス板の第1の表面における温度分布の均一性を十分に向上させることができる。
(8)本明細書に開示される保持装置の製造方法は、第1の表面と、前記第1の表面とは反対側の第2の表面と、を有する板状のセラミックス板と、第3の表面を有する板状であり、前記第3の表面が前記セラミックス板の前記第2の表面に対向するように配置され、冷媒流路が形成されたベース板と、前記セラミックス板の内部、または、前記セラミックス板の前記ベース板側に配置されたヒータと、前記セラミックス板と前記ベース板との間に配置され、前記セラミックス板と前記ヒータとの少なくとも一方と前記ベース板とを接着する接着層と、を備え、前記セラミックス板の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置の製造方法において、前記セラミックス板と前記ベース板とを準備する工程と、前記セラミックス板と前記ベース板との間に接着剤を配置し、前記接着剤を硬化させることにより前記接着層を形成する工程と、前記接着層の形成後に、前記セラミックス板の前記第1の表面の各位置における温度を特定する工程と、前記セラミックス板と前記ベース板との間における前記接着層の外周側の位置に、前記特定された温度に基づき選択され、前記接着層とは熱伝導率の異なる第1の部材を配置する工程と、前記セラミックス板と前記ベース板との間における前記接着層の外周側の位置に、前記特定された温度に基づき選択され、前記接着層および前記第1の部材とは熱伝導率の異なる第2の部材を配置する工程と、を備えることを特徴とする。本保持装置の製造方法によれば、セラミックス板とベース板とが接着層により接合された接合体という、完成品の保持装置にごく近い状態の接合体を対象として、セラミックス板の第1の表面の各位置における温度特定を行うことができるため、セラミックス板とベース板との間における接着層の外周側の位置に、適切な熱伝導率を有する第1の部材および第2の部材を選択して配置することができる。従って、本保持装置の製造方法によれば、セラミックス板の第1の表面における温度分布の均一性を向上させた保持装置を製造することができる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、保持装置、静電チャック、それらの製造方法等の形態で実現することが可能である。
実施形態における静電チャック100の外観構成を概略的に示す斜視図である。 実施形態における静電チャック100のXZ断面構成を概略的に示す説明図である。 実施形態における静電チャック100のXY断面構成を概略的に示す説明図である。 実施形態における静電チャック100の製造方法を示すフローチャートである。 実施形態における静電チャック100の製造方法を概略的に示す説明図である。
A.実施形態:
A−1.静電チャック100の構成:
図1は、本実施形態における静電チャック100の外観構成を概略的に示す斜視図であり、図2は、本実施形態における静電チャック100のXZ断面構成を概略的に示す説明図であり、図3は、本実施形態における静電チャック100のXY断面構成を概略的に示す説明図である。図2には、図3のII−IIの位置における静電チャック100のXZ断面構成が示されており、図3には、図2のIII−IIIの位置における静電チャック100のXY断面構成が示されている。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向といい、Z軸負方向を下方向というものとするが、静電チャック100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。
静電チャック100は、対象物(例えばウェハW)を静電引力により吸着して保持する装置であり、例えば半導体製造装置の真空チャンバー内でウェハWを固定するために使用される。静電チャック100は、所定の配列方向(本実施形態では上下方向(Z軸方向))に並べて配置されたセラミックス板10およびベース板20を備える。セラミックス板10とベース板20とは、セラミックス板10の下面(以下、「セラミックス側接着面S2」という)とベース板20の上面(以下、「ベース側接着面S3」という)とが上記配列方向に対向するように配置されている。静電チャック100は、さらに、セラミックス板10のセラミックス側接着面S2とベース板20のベース側接着面S3との間に配置された接着層30を備える。セラミックス板10のセラミックス側接着面S2は、特許請求の範囲における第2の表面に相当し、ベース板20のベース側接着面S3は、特許請求の範囲における第3の表面に相当する。
セラミックス板10は、例えば円形平面の板状部材であり、セラミックス(例えば、アルミナや窒化アルミニウム等)により形成されている。セラミックス板10の直径は例えば200mm〜500mm程度(通常は200mm〜350mm程度)であり、セラミックス板10の厚さは例えば1mm〜10mm程度である。
セラミックス板10の内部には、導電性材料(例えば、タングステンやモリブデン等)により形成された一対の内部電極40が設けられている。一対の内部電極40に電源(図示せず)から電圧が印加されると、静電引力が発生し、この静電引力によってウェハWがセラミックス板10の上面(以下、「吸着面S1」という)に吸着固定される。セラミックス板10の吸着面S1は、特許請求の範囲における第1の表面に相当する。
また、セラミックス板10の内部には、導電性材料(例えば、タングステンやモリブデン等)により形成された抵抗発熱体で構成されたヒータ50が設けられている。ヒータ50に電源(図示せず)から電圧が印加されると、ヒータ50が発熱することによってセラミックス板10が温められ、セラミックス板10の吸着面S1に保持されたウェハWが温められる。これにより、ウェハWの温度制御が実現される。なお、図3に示すように、ヒータ50は、セラミックス板10の吸着面S1をできるだけ満遍なく温めるため、Z軸方向視で略同心円状に配置されている。
ベース板20は、例えばセラミックス板10と同径の、または、セラミックス板10より径が大きい円形平面の板状部材であり、金属(例えば、アルミニウムやアルミニウム合金等)により形成されている。ベース板20の直径は例えば220mm〜550mm程度(通常、220mm〜350mm)であり、ベース板20の厚さは例えば20mm〜40mm程度である。
ベース板20の内部には冷媒流路21が形成されている。冷媒流路21に冷媒(例えば、フッ素系不活性液体や水等)が流されると、ベース板20が冷却され、接着層30を介したベース板20からセラミックス板10への伝熱によりセラミックス板10が冷却され、セラミックス板10の吸着面S1に保持されたウェハWが冷却される。これにより、ウェハWの温度制御が実現される。
接着層30は、例えばシリコーン系樹脂やアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等の接着剤を含んでおり、セラミックス板10とベース板20とを接着している。接着層30の厚さは例えば0.1mm〜1mm程度である。
図2に示すように、セラミックス板10とベース板20との間における接着層30の外周側の位置には、高熱伝導率部材61と低熱伝導率部材62とが配置されている。また、図2には示されていないが、セラミックス板10とベース板20との間における接着層30の外周側の位置には、同等熱伝導率部材60も配置されている。図3には、Z軸方向視での高熱伝導率部材61、低熱伝導率部材62、および、同等熱伝導率部材60の配置を破線で示している。図2および図3に示すように、接着層30におけるベース板20に近い側の部分(後述する第1のシート状接着剤As1により形成された部分)は、接着層30の厚さ方向視で、外周部に複数の凹部(切り欠き)Pcが形成された形状となっている。高熱伝導率部材61、低熱伝導率部材62、および、同等熱伝導率部材60は、互いに異なる凹部Pc内に配置されている。なお、各凹部Pcの上下方向に直交する断面の形状は、任意の形状であってよく、例えば略半円形や略半楕円形、略矩形や多角形等であってよい。
高熱伝導率部材61は、比較的高い熱伝導率を有する材料(例えば、アルミニウムやチタン等)を含むように形成されており、その結果、高熱伝導率部材61の熱伝導率は接着層30の熱伝導率より高い。また、高熱伝導率部材61は、接着層30の厚さ方向視で、ヒータ50と重なり、かつ、冷媒流路21と重ならない位置に配置されている。高熱伝導率部材61が配置された箇所では、接着層30が配置された箇所と比較して、ベース板20とセラミックス板10との間の伝熱性が高くなり、ベース板20の内部に形成された冷媒流路21に供給される冷媒によるセラミックス板10の冷却効果が高められる。高熱伝導率部材61は、特許請求の範囲における第1の部材に相当する。
低熱伝導率部材62は、比較的低い熱伝導率を有する材料(例えば、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)のような樹脂材料等)を含むように形成されており、その結果、低熱伝導率部材62の熱伝導率は接着層30の熱伝導率より低い。また、低熱伝導率部材62は、接着層30の厚さ方向視で、冷媒流路21と重なり、かつ、ヒータ50と重ならない位置に配置されている。低熱伝導率部材62が配置された箇所では、接着層30が配置された箇所と比較して、ベース板20とセラミックス板10との間の伝熱性が低くなり、ベース板20の内部に形成された冷媒流路21に供給される冷媒によるセラミックス板10の冷却効果が抑制される。低熱伝導率部材62は、特許請求の範囲における第2の部材に相当する。
同等熱伝導率部材60は、接着層30の熱伝導率と同等の熱伝導率を有する材料(例えば、石英ガラス等)を含むように形成されており、その結果、同等熱伝導率部材60の熱伝導率は接着層30の熱伝導率と同等である。また、同等熱伝導率部材60は、接着層30の厚さ方向視で、冷媒流路21と重ならず、かつ、ヒータ50と重ならない位置に配置されている。同等熱伝導率部材60が配置された箇所では、ベース板20とセラミックス板10との間の伝熱性が、接着層30が配置された箇所と同等となる。
また、静電チャック100は、図2に示すように、接着層30と、上述した高熱伝導率部材61、低熱伝導率部材62、および、同等熱伝導率部材60とをまとめて囲む環状の保護部材64を備える。保護部材64は、例えば、ゴムで形成されたOリングである。保護部材64は、接着層30をプラズマから保護すると共に、高熱伝導率部材61、低熱伝導率部材62、および、同等熱伝導率部材60の脱落を防止する。
A−2.静電チャック100の製造方法:
図4は、本実施形態における静電チャック100の製造方法を示すフローチャートである。また、図5は、本実施形態における静電チャック100の製造方法を概略的に示す説明図である。なお、図5では、説明の便宜上、凹部Pcや高熱伝導率部材61、低熱伝導率部材62等の数や配置等を図2および図3とは異なる形態としている箇所がある。
はじめに、セラミックス板10とベース板20とを準備する(S110)。なお、セラミックス板10およびベース板20は、公知の製造方法によって製造可能であるため、ここでは製造方法の説明を省略する。
次に、接着層30の形成材料としての略円板状の第1のシート状接着剤As1を用意し、第1のシート状接着剤As1の外周部の複数箇所を切り欠くことによって、複数の凹部Pcを形成する(S120、図5参照)。凹部Pcは、第1のシート状接着剤As1を厚さ方向(上下方向)に貫通する孔である。
なお、第1のシート状接着剤As1は、接着成分(例えばシリコーン系樹脂やアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等)と粉末成分(例えばアルミナやシリカ、炭化ケイ素、窒化ケイ素等)とを混合して作製したペーストを、例えば離型シート上に膜状に塗布した後、硬化処理によって半硬化させてゲル状としたものである。ペーストは、カップリング剤等の添加剤を含んでいてもよい。第1のシート状接着剤As1は、粘度が比較的高いため、ある程度の厚さを確保したり、厚さを均一にしたり、凹部Pcを形成したりすることが容易である。なお、硬化処理の内容は、使用する接着剤の種類に応じて異なり、熱硬化型の接着剤であれば硬化処理として熱を付与する処理が行われ、水分硬化型の接着剤であれば硬化処理として加湿などの方法により水分を付与する処理が行われる。
次に、接着層30の形成材料としての略円板状の第2のシート状接着剤As2を用意し、セラミックス板10のセラミックス側接着面S2とベース板20のベース側接着面S3とを、第2のシート状接着剤As2、および、上述した第1のシート状接着剤As1を介して貼り合わせた状態で、第1のシート状接着剤As1および第2のシート状接着剤As2を硬化させる硬化処理を行うことにより、接着層30を形成する(S130)。なお、第2のシート状接着剤As2は、上述した第1のシート状接着剤As1と同様の構成であるが、凹部の形成は行われていない。また、第2のシート状接着剤As2は、第1のシート状接着剤As1よりセラミックス板10側に配置される。また、硬化処理としては、上述したように、使用する接着剤の種類に応じた処理(熱を付与する処理や水分を付与する処理)が行われる。また、S130の工程の内の少なくともセラミックス板10とベース板20とを貼り合わせる作業は、真空状態の密閉容器内にセラミックス板10およびベース板20を収容した状態で実行されると、接着層30内に気泡が生じにくいという点で好ましい。
S130までの処理により、セラミックス板10とベース板20とが接着層30により接合された接合体が形成される。この接合体において、接着層30におけるベース板20に近い側の部分(第1のシート状接着剤As1により形成された部分)は、接着層30の厚さ方向視で、外周部に複数の凹部Pcが形成された形状となっている。上述したように、第2のシート状接着剤As2には凹部が形成されないので、各凹部Pc内の空間は、ベース板20のベース側接着面S3に面するが、セラミックス板10のセラミックス側接着面S2には面しないものとなる。
次に、セラミックス板10とベース板20とが接合された接合体において、セラミックス板10の内部に形成されたヒータ50をオン状態にすると共に冷媒流路21に冷媒を供給した状態で、セラミックス板10の吸着面S1の各位置における温度を測定し、温度測定結果に基づき、吸着面S1における低温領域CAと高温領域HAとを特定する(S140、図5参照)。ここで、吸着面S1における低温領域CAは、接着層30の厚さ方向視で凹部Pcと重なる部分(以下、「凹部重複部」という)を含む領域であって、吸着面S1における他の領域より低温となる傾向にある領域である。また、高温領域HAは、凹部重複部を含む領域であって、吸着面S1における他の領域より高温となる傾向にある領域である。
セラミックス板10とベース板20とが接合された接合体において、凹部Pc内は空間となっているため、吸着面S1における凹部重複部は、吸着面S1における他の部分と比較して、ベース板20からセラミックス板10への伝熱性が低くなり、その分だけ他の部分より温度が高くなるはずである。すなわち、吸着面S1における凹部重複部の温度T1は、他の部分の温度T0よりある温度差(以下、「予測温度差ΔTp」という)だけ高い温度になることが予測される。上記低温領域CAは、実際の温度が上記予測よりも低温となっている凹部重複部を含む領域である。すなわち、低温領域CAは、凹部重複部の温度T1の測定値と他の部分の温度T0の測定値との差(以下、「測定温度差ΔTm」という)が、予測温度差ΔTpより所定値以上小さい凹部重複部を含む領域である。また、上記高温領域HAは、実際の温度が上記予測よりも高温となっている凹部重複部を含む領域である。すなわち、高温領域HAは、測定温度差ΔTmが予測温度差ΔTpより所定値以上大きい凹部重複部を含む領域である。
なお、低温領域CAおよび高温領域HAは、製品設計上、発生し得る。例えば、接着層30の厚さ方向視で、セラミックス板10の内部に形成されたヒータ50と重ならない領域(すなわち、ヒータ50の直上の領域以外の領域)は、低温領域CAとなり得る。また、接着層30の厚さ方向視で、冷媒流路21と重なる領域(すなわち、冷媒流路21の直上の領域)も、低温領域CAとなり得る。また、反対に、例えば、接着層30の厚さ方向視で、セラミックス板10の内部に形成されたヒータ50と重なる領域(すなわち、ヒータ50の直上の領域)は、高温領域HAとなり得る。また、接着層30の厚さ方向視で冷媒流路21と重ならない領域(すなわち、冷媒流路21の直上の領域以外の領域)も、高温領域HAとなり得る。また、低温領域CAおよび高温領域HAは、製造工程上、セラミックス板10やベース板20、接着層30等の製品ばらつき等によっても発生し得る。
次に、セラミックス板10とベース板20とが接合された接合体の外周部に形成された複数の凹部Pcの内、接着層30の厚さ方向視で低温領域CAと重なる凹部Pc内に低熱伝導率部材62を挿入し、高温領域HAと重なる凹部Pc内に高熱伝導率部材61を挿入し、それ以外の凹部Pc内に同等熱伝導率部材60を挿入する(S150、図5参照)。
最後に、接着層30と、高熱伝導率部材61、低熱伝導率部材62、および、同等熱伝導率部材60とをまとめて囲む環状の保護部材64を設置する(S160)。以上の工程により、上述した構成の静電チャック100の製造が完了する。
A−3.実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態の静電チャック100は、セラミックス板10とベース板20との間における接着層30の外周側の位置に、高熱伝導率部材61および低熱伝導率部材62が配置される。高熱伝導率部材61の熱伝導率は接着層30の熱伝導率より高く、低熱伝導率部材62の熱伝導率は接着層30の熱伝導率より低い。すなわち、本実施形態の静電チャック100では、セラミックス板10とベース板20との間に、接着層30、高熱伝導率部材61、低熱伝導率部材62という、熱伝導率の互いに異なる少なくとも3つの部材が配置される。高熱伝導率部材61が配置された箇所では、接着層30が配置された箇所と比較して、ベース板20とセラミックス板10との間の伝熱性が高くなり、ベース板20の内部に形成された冷媒流路21に供給される冷媒によるセラミックス板10の冷却効果が高められる。反対に、低熱伝導率部材62が配置された箇所では、接着層30が配置された箇所と比較して、ベース板20とセラミックス板10との間の伝熱性が低くなり、ベース板20の内部に形成された冷媒流路21に供給される冷媒によるセラミックス板10の冷却効果が抑制される。そのため、セラミックス板10とベース板20との間における接着層30の外周側の適切な位置に高熱伝導率部材61および低熱伝導率部材62を配置することにより、セラミックス板10の吸着面S1における温度分布の均一性を向上させることができる。
なお、セラミックス板10の吸着面S1において、接着層30の厚さ方向視でヒータ50と重なる位置は、他の位置より温度が高くなる傾向にある。本実施形態の静電チャック100では、高熱伝導率部材61が、接着層30の厚さ方向視でヒータ50と重なる位置に配置されるため、当該位置において冷媒によるセラミックス板10の冷却効果が高められ、セラミックス板10の吸着面S1における温度分布の均一性を向上させることができる。
また、セラミックス板10の吸着面S1において、接着層30の厚さ方向視で冷媒流路21と重なる位置は、他の位置より温度が低くなる傾向にある。本実施形態の静電チャック100では、低熱伝導率部材62が、接着層30の厚さ方向視で冷媒流路21と重なる位置に配置されるため、当該位置において冷媒によるセラミックス板10の冷却効果が抑制され、セラミックス板10の吸着面S1における温度分布の均一性を向上させることができる。
また、本実施形態の静電チャック100では、接着層30におけるベース板20に近い側の部分(第1のシート状接着剤As1により形成された部分)は、接着層30の厚さ方向視で、外周部に複数の凹部Pcが形成された形状となっており、高熱伝導率部材61および低熱伝導率部材62は、互いに異なる凹部Pc内に配置されている。そのため、本実施形態の静電チャック100によれば、接着層30による接着面積をある程度確保しつつ、高熱伝導率部材61および低熱伝導率部材62を配置することによってセラミックス板10の吸着面S1における温度分布の均一性を向上させることができる。
また、本実施形態の静電チャック100は、接着層30と高熱伝導率部材61と低熱伝導率部材62とをまとめて囲む環状の保護部材64を備える。そのため、本実施形態の静電チャック100によれば、高熱伝導率部材61および低熱伝導率部材62を配置することによってセラミックス板10の吸着面S1における温度分布の均一性を向上させつつ、高熱伝導率部材61および低熱伝導率部材62の脱落を防止することができる。
なお、高熱伝導率部材61および低熱伝導率部材62の数、形状、配置、熱伝導率等を適切に設定することにより、ヒータ50による加熱と冷媒流路21への冷媒の供給との実行中に、セラミックス板10の吸着面S1の各位置における温度差を3℃以内とすることができる。セラミックス板10の吸着面S1の各位置における温度差を3℃以内とすることにより、セラミックス板10の吸着面S1における温度分布の均一性を十分に向上させることができるため、好ましい。
また、本実施形態の静電チャック100の製造方法では、セラミックス板10とベース板20との間に配置された接着剤As1,As2を硬化させることによって接着層30が形成された後、セラミックス板10の吸着面S1の各位置における温度が特定され、セラミックス板10とベース板20との間における接着層30の外周側の位置に、特定された温度に基づき選択された各部材(高熱伝導率部材61や低熱伝導率部材62)が配置される。すなわち、この製造方法では、セラミックス板10とベース板20とが接着層30により接合された接合体という、完成品の静電チャック100にごく近い状態の接合体を対象として、セラミックス板10の吸着面S1の各位置における温度特定を行うことができるため、セラミックス板10とベース板20との間における接着層30の外周側の位置に、適切な熱伝導率を有する部材を選択して配置することができる。従って、この製造方法によれば、セラミックス板10の吸着面S1における温度分布の均一性を向上させた静電チャック100を製造することができる。
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態における静電チャック100の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態において、接着層30に形成される凹部Pcの数や位置、形状等は任意に設定することができる。また、上記実施形態では、凹部Pcは、接着層30におけるベース板20に近い側の部分(第1のシート状接着剤As1により形成される部分)に形成されているが、接着層30におけるセラミックス板10に近い側の部分(第2のシート状接着剤As2により形成される部分)に形成されるとしてもよい。この構成は、例えば静電チャック100の製造工程(図5)において、第1のシート状接着剤As1ではなく第2のシート状接着剤As2に凹部Pcを形成することにより実現可能である。また、凹部Pcが、接着層30の厚さ方向の全体にわたって形成されるとしてもよい。この構成は、例えば静電チャック100の製造工程において、第1のシート状接着剤As1と第2のシート状接着剤As2との両方において、互いに同一の位置(積層時に上下方向に重なる位置)に凹部Pcを形成することにより実現可能である。また、凹部Pcが、凹部Pcが、接着層30の厚さ方向の両端以外の位置に形成されるとしてもよい。この構成は、例えば静電チャック100の製造工程において、第1のシート状接着剤As1の下側(ベース板20側)に、凹部Pcを有さない第3のシート状接着剤をさらに配置することにより実現可能である。
また、静電チャック100に、少なくとも1つの凹部Pc(以下、「第1の凹部Pc1」という)と、接着層30の厚さ方向における位置が第1の凹部Pc1とは異なる少なくとも1つの凹部(以下、「第2の凹部Pc2」という)とが形成されているとしてもよい。この構成は、例えば静電チャック100の製造工程(図5)において、第1のシート状接着剤As1と第2のシート状接着剤As2との両方において、それぞれ互いに異なる位置(積層時に上下方向に重ならない位置)に凹部Pcを形成することにより実現可能である。この構成によれば、凹部Pcの配置の自由度を増やすことができるために、高熱伝導率部材61、低熱伝導率部材62、同等熱伝導率部材60等の部材を配置することによる冷却効果の調整をきめ細かく行うことができ、セラミックス板10の吸着面S1における温度分布の均一性を効果的に向上させることができる。
また、例えば静電チャック100の製造工程(図5)において、第1のシート状接着剤As1の径を第2のシート状接着剤As2の径より小さくすることにより、セラミックス板10とベース板20とが接着層30により接合された接合体において、接着層30における第1のシート状接着剤As1により形成された部分の全周に空間を確保し、該空間に高熱伝導率部材61、低熱伝導率部材62、同等熱伝導率部材60等の部材を配置するものとしてもよい。
また、上記実施形態では、静電チャック100が、1つの高熱伝導率部材61と1つの低熱伝導率部材62とを備えるとしているが、静電チャック100が備える高熱伝導率部材61および低熱伝導率部材62の数は任意の数であってよい。
また、上記実施形態では、高熱伝導率部材61が、接着層30の厚さ方向視で、ヒータ50と重なり、かつ、冷媒流路21と重ならない位置に配置されているが、高熱伝導率部材61の配置はこれに限られない。例えば、高熱伝導率部材61が、ヒータ50と重なり、かつ、冷媒流路21と重ならない位置以外であっても、セラミックス板10の吸着面S1において比較的高温となる傾向にある領域(高温領域HA)と上下方向に重なる位置に配置されれば、セラミックス板10の吸着面S1における温度分布の均一性を向上させることができる。
また、上記実施形態では、低熱伝導率部材62が、接着層30の厚さ方向視で、ヒータ50と重ならず、かつ、冷媒流路21と重なる位置に配置されているが、低熱伝導率部材62の配置はこれに限られない。例えば、低熱伝導率部材62が、ヒータ50と重ならず、かつ、冷媒流路21と重なる位置以外であっても、セラミックス板10の吸着面S1において比較的低温となる傾向にある領域(低温領域CA)と上下方向に重なる位置に配置されれば、セラミックス板10の吸着面S1における温度分布の均一性を向上させることができる。
また、上記実施形態では、静電チャック100が、セラミックス板10とベース板20との間における接着層30の外周側の位置に、接着層30の熱伝導率より高い熱伝導率を有する高熱伝導率部材61と、接着層30の熱伝導率より低い熱伝導率を有する低熱伝導率部材62とを備えるとしているが、高熱伝導率部材61の代わりに、あるいは、高熱伝導率部材61および低熱伝導率部材62と共に、低熱伝導率部材62の熱伝導率よりさらに低い熱伝導率を有する部材を備えるとしてもよいし、低熱伝導率部材62の代わりに、あるいは、高熱伝導率部材61および低熱伝導率部材62と共に、高熱伝導率部材61の熱伝導率よりさらに高い熱伝導率を有する部材を備えるとしてもよい。また、上記実施形態では、静電チャック100が同等熱伝導率部材60を備えるとしているが、静電チャック100が同等熱伝導率部材60を備えないとしてもよい。
また、上記実施形態における各部材を形成する材料は、あくまで例示であり、各部材が他の材料により形成されてもよい。例えば、高熱伝導率部材61や低熱伝導率部材62、同等熱伝導率部材60の形成材料は、上記実施形態において例示した材料以外の材料であってもよい。なお、これらの部材の形成材料は、耐プラズマ性および耐熱性に選れると共に、コンタミネーションを起こしにくい材料であることが好ましい。また、上記実施形態では、保護部材64は、例えばゴムで形成されたOリングであるとしているが、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂を塗り固めて形成したものであってもよい。
また、上記実施形態では、ヒータ50がセラミックス板10の内部に配置されるとしているが、ヒータ50が、セラミックス板10の内部ではなく、セラミックス板10のベース板20側(セラミックス板10と接着層30との間)に配置されるとしてもよい。この場合には、接着層30は、セラミックス板10とヒータ50との少なくとも一方と、ベース板20とを接着することになる。
また、上記実施形態では、冷媒流路21がベース板20の内部に形成されるとしているが、冷媒流路21が、ベース板20の内部ではなく、ベース板20の表面(例えばベース板20と接着層30との間)に形成されるとしてもよい。また、上記実施形態では、セラミックス板10の内部に一対の内部電極40が設けられた双極方式が採用されているが、セラミックス板10の内部に1つの内部電極40が設けられた単極方式が採用されてもよい。
また、上記実施形態における静電チャック100の製造方法はあくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、セラミックス板10の吸着面S1における低温領域CAと高温領域HAとが特定されるとしているが、それらの内の一方のみ(例えば、低温領域CAのみ)が特定されるとしてもよい。
また、上記実施形態において、セラミックス板10とベース板20とが接着層30によって接合された接合体の外周部に形成された凹部Pc内が、高熱伝導率部材61等の部材によって完全に充填される必要は無く、凹部Pc内の一部に空間が残るとしてもよい。また、複数の凹部Pcの内、低温領域CAに対応する少なくとも1つの凹部Pcについて、凹部Pc内に何も挿入されずに空間のままとされてもよい。
また、上記実施形態では、接着層30は2枚のシート状接着剤Asにより形成されるとしているが、接着層30は、3枚以上のシート状接着剤Asにより形成されるとしてもよいし、ペースト状接着剤Apにより形成されるとしてもよい。なお、ペースト状接着剤Apは、接着成分(例えばシリコーン系樹脂やアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等)と粉末成分(例えばアルミナやシリカ、炭化ケイ素、窒化ケイ素等)とを混合して作製したペースト状の接着剤である。ペースト状接着剤は、カップリング剤等の添加剤を含んでいてもよい。
本発明は、静電引力を利用してウェハWを保持する静電チャック100に限らず、セラミックス板とベース板とを備え、セラミックス板の表面上に対象物を保持する他の保持装置(例えば、真空チャック等)にも適用可能である。
10:セラミックス板 20:ベース板 21:冷媒流路 30:接着層 40:内部電極 50:ヒータ 60:同等熱伝導率部材 61:高熱伝導率部材 62:低熱伝導率部材 64:保護部材 100:静電チャック

Claims (8)

  1. 第1の表面と、前記第1の表面とは反対側の第2の表面と、を有する板状のセラミックス板と、
    第3の表面を有する板状であり、前記第3の表面が前記セラミックス板の前記第2の表面に対向するように配置され、冷媒流路が形成されたベース板と、
    前記セラミックス板の内部、または、前記セラミックス板の前記ベース板側に配置されたヒータと、
    前記セラミックス板と前記ベース板との間に配置され、前記セラミックス板と前記ヒータとの少なくとも一方と前記ベース板とを接着する接着層と、
    を備え、前記セラミックス板の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置において、さらに、
    前記セラミックス板と前記ベース板との間における前記接着層の外周側の位置に配置され、前記接着層とは熱伝導率の異なる第1の部材と、
    前記セラミックス板と前記ベース板との間における前記接着層の外周側の位置に配置され、前記接着層および前記第1の部材とは熱伝導率の異なる第2の部材と、
    を備えることを特徴とする、保持装置。
  2. 請求項1に記載の保持装置において、
    前記第1の部材の熱伝導率は、前記接着層の熱伝導率より高く、
    前記第1の部材は、前記接着層の厚さ方向視で、前記ヒータと重なる位置に配置されていることを特徴とする、保持装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の保持装置において、
    前記第2の部材の熱伝導率は、前記接着層の熱伝導率より低く、
    前記第2の部材は、前記接着層の厚さ方向視で、前記冷媒流路と重なる位置に配置されていることを特徴とする、保持装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の保持装置において、
    前記接着層は、前記接着層の厚さ方向視で、外周部に複数の凹部が形成された形状であり、
    前記第1の部材および前記第2の部材は、互いに異なる前記凹部内に配置されていることを特徴とする、保持装置。
  5. 請求項4に記載の保持装置において、
    前記複数の凹部は、少なくとも1つの第1の凹部と、前記接着層の厚さ方向における位置が前記第1の凹部とは異なる少なくとも1つの第2の凹部と、を含むことを特徴とする、保持装置。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の保持装置において、さらに、
    前記接着層と前記第1の部材と前記第2の部材とをまとめて囲む環状の保護部材を備えることを特徴とする、保持装置。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の保持装置において、
    前記ヒータによる加熱と前記冷媒流路への冷媒の供給との実行中に、前記セラミックス板の前記第1の表面の各位置における温度差が3℃以内であることを特徴とする、保持装置。
  8. 第1の表面と、前記第1の表面とは反対側の第2の表面と、を有する板状のセラミックス板と、第3の表面を有する板状であり、前記第3の表面が前記セラミックス板の前記第2の表面に対向するように配置され、冷媒流路が形成されたベース板と、前記セラミックス板の内部、または、前記セラミックス板の前記ベース板側に配置されたヒータと、前記セラミックス板と前記ベース板との間に配置され、前記セラミックス板と前記ヒータとの少なくとも一方と前記ベース板とを接着する接着層と、を備え、前記セラミックス板の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置の製造方法において、
    前記セラミックス板と前記ベース板とを準備する工程と、
    前記セラミックス板と前記ベース板との間に接着剤を配置し、前記接着剤を硬化させることにより前記接着層を形成する工程と、
    前記接着層の形成後に、前記セラミックス板の前記第1の表面の各位置における温度を特定する工程と、
    前記セラミックス板と前記ベース板との間における前記接着層の外周側の位置に、前記特定された温度に基づき選択され、前記接着層とは熱伝導率の異なる第1の部材を配置する工程と、
    前記セラミックス板と前記ベース板との間における前記接着層の外周側の位置に、前記特定された温度に基づき選択され、前記接着層および前記第1の部材とは熱伝導率の異なる第2の部材を配置する工程と、
    を備えることを特徴とする、保持装置の製造方法。
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