JP7379166B2 - 保持装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本明細書に開示される技術は、対象物を保持する保持装置の製造方法に関する。
例えば半導体素子を製造する際にウェハを保持する保持装置として、静電チャックが用いられる。静電チャックは、例えばセラミックスにより形成された板状部材と、例えば金属により形成されたベース部材と、板状部材とベース部材とを接着する接着部と、板状部材の内部に配置されたチャック電極とを備えており、チャック電極に電圧が印加されることにより発生する静電引力を利用して、板状部材の表面(以下、「吸着面」という。)にウェハを吸着して保持する。
静電チャックの吸着面に保持されたウェハの温度が所望の温度にならないと、ウェハに対する各処理(成膜、エッチング等)の精度が低下するおそれがあるため、静電チャックにはウェハの温度分布を制御する性能が求められる。そのため、例えばベース部材に形成された冷媒流路への冷媒供給による冷却を行うことにより、板状部材の吸着面の温度分布の制御(ひいては、吸着面に保持されたウェハの温度分布の制御)が行われる。
静電チャックを構成する板状部材やベース部材における接着部に対向する表面(以下、「接着面」という。)には、局所的な凹部が存在することがある。このような局所的な凹部は、局所的な凸部や大きな凹部、連続的な凹凸等とは異なり、接着部を構成する材料が追従し難い箇所である。そのため、板状部材やベース部材の接着面に局所的な凹部が存在すると、板状部材とベース部材とを接着する接着部を形成した際に、該局所的な凹部に起因して接着部に空隙(未接着の部分)が発生し、該空隙の存在に起因して板状部材とベース部材との間の伝熱性が不均一となることがある。板状部材とベース部材との間の伝熱性が不均一となると、面方向に沿った各位置における板状部材の冷却度合いが不均一となり、板状部材の吸着面の温度分布の制御性が低下し、ひいては、吸着面に保持されたウェハの温度分布の制御性が低下するおそれがある。
従来、板状部材やベース部材の接着面に局所的な凹部がある場合において、ペースト状接着剤を用いて空隙を充填することにより、接着部に空隙が生じることを抑制する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、板状部材やベース部材の接着面に局所的な凹部がある場合において、板状部材およびベース部材のそれぞれの接着面に配置される2枚のシート状接着剤を用いることにより、接着部に空隙が生じることを抑制する技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2017-112298号公報 特開2017-112299号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、ペースト状接着剤を用いることから、接着部の厚さの制御が困難であり、接着部の厚さの不均一に起因する板状部材とベース部材との間の伝熱性の不均一を抑制することができない。また、上記特許文献2に記載の技術では、シート状接着剤を2枚用いたとしても、各シート状接着剤が接着面の局所的な凹部に追従しきれず、やはり接着部に空隙(未接着の部分)が発生して、板状部材とベース部材との間の伝熱性が不均一となる。このように従来の静電チャックの製造方法では、接着部の厚さが不均一となることを抑制しつつ、接着部に空隙が発生することを回避することができない、という課題がある。
なお、このような課題は、静電チャックを構成する板状部材とベース部材とを接着する接着部に限らず、対象物を保持する保持部材を構成する第1の板状部材と第2の板状部材とを接着する接着部に共通の課題である。
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本明細書に開示される保持装置の製造方法は、第1の表面と、前記第1の表面とは反対側の第2の表面と、を有する第1の板状部材と、第3の表面と、前記第3の表面とは反対側の第4の表面と、を有し、前記第3の表面が前記第1の板状部材の前記第2の表面側に位置するように配置された第2の板状部材と、前記第1の板状部材の前記第2の表面と前記第2の板状部材の前記第3の表面との間に配置されて前記第1の板状部材と前記第2の板状部材とを接着する接着部と、を備え、対象物を保持する保持装置の製造方法である。本保持装置の製造方法は、前記第1の板状部材の前記第2の表面に、第1のシート状接着剤を配置する第1の配置工程と、前記第2の板状部材の前記第3の表面に、第2のシート状接着剤を配置する第2の配置工程と、前記第2の配置工程後に、前記第2のシート状接着剤を硬化させる第1の硬化工程であって、硬化後の前記第2のシート状接着剤のショア硬度は、前記第1のシート状接着剤のショア硬度より高く、かつ、50未満である、第1の硬化工程と、前記第1の硬化工程後に、前記第2のシート状接着剤の表面を切削する切削工程と、前記切削工程後に、前記第1の板状部材の前記第2の表面と前記第2の板状部材の前記第3の表面とを、前記第1のシート状接着剤および前記第2のシート状接着剤を介して貼り合わせた状態で、少なくとも前記第1のシート状接着剤を硬化させることにより、前記接着部を形成する第2の硬化工程と、を備える。
このように、本保持装置の製造方法では、第1の板状部材と第2の板状部材とを接着する接着部を、ペースト状接着剤と比較して厚さを均一にすることが容易であるシート状接着剤(第1のシート状接着剤および第2のシート状接着剤)を用いて形成するため、接着部の厚さが不均一となることを抑制することができる。また、本保持装置の製造方法では、第2の板状部材の第3の表面に第2のシート状接着剤が配置され、第2のシート状接着剤が硬化され、硬化後の第2のシート状接着剤の表面が切削される。そのため、例えば、第2の板状部材の第3の表面に局所的な凹部が存在することに起因して、第2の板状部材の第3の表面に配置された第2のシート状接着剤の表面に、接着部を構成する材料が追従し難い局所的な凹部が形成された場合であっても、第2のシート状接着剤の表面の切削によって局所的な凹部が除去され、そのような局所的な凹部に起因して接着部に空隙が発生することを抑制することができる。なお、本保持装置の製造方法では、硬化後の第2のシート状接着剤のショア硬度は、第1のシート状接着剤のショア硬度よりは高いものの、50未満と、ある程度低いため、例えば研磨加工により上記局所的な凹部を除去しようとすると、第2のシート状接着剤の剥離が発生するおそれがあるが、研磨加工等ではなく切削加工が行われるため、そのような第2のシート状接着剤の剥離の発生を回避しつつ、上記局所的な凹部を除去することができる。以上のように、本保持装置の製造方法によれば、接着部の厚さが不均一となることを抑制しつつ、かつ、シート状接着剤の剥離の発生を抑制しつつ、接着部に空隙が発生することを回避することができる。
(2)上記保持装置の製造方法において、前記第1の硬化工程における硬化後の前記第2のシート状接着剤のショア硬度は、30以上である構成としてもよい。このようにすれば、硬化後の第2のシート状接着剤の硬度が一定以上に確保されるため、第2のシート状接着剤の表面の切削をより容易に実行することができ、第2のシート状接着剤の表面の局所的な凹部をより確実に除去することができ、そのような局所的な凹部に起因して接着部に空隙が発生することを効果的に抑制することができる。
(3)上記保持装置の製造方法において、前記第1のシート状接着剤と前記第2のシート状接着剤とは、シリコーン樹脂を含有する構成としてもよい。このようにすれば、接着部の形成のために比較的柔らかいシリコーン樹脂を含有するシート状接着剤を用いても、第2のシート状接着剤の表面の切削による局所的な凹部の除去を実現することができ、接着部に空隙が発生することを回避することができる。
(4)上記保持装置の製造方法において、前記保持装置は、さらに、前記第1の板状部材の内部に配置されたチャック電極と、前記第2の板状部材の前記第3の表面に露出するように配置され、抵抗発熱体により形成されたヒータ電極と、第5の表面を有し、前記第5の表面が前記第2の板状部材の前記第4の表面側に位置するように配置され、内部に冷媒流路が形成されたベース部材と、前記第2の板状部材の前記第4の表面と前記ベース部材の前記第5の表面との間に配置されて前記第2の板状部材と前記ベース部材とを接合する接合部と、を備え、前記第1の板状部材の前記第1の表面に前記対象物を保持する装置であり、前記保持装置の製造方法は、さらに、前記第1の板状部材と前記チャック電極とを含む第1の構造体を準備する第1の準備工程と、前記第2の板状部材と前記ヒータ電極とを含む第2の構造体を準備する第2の準備工程と、前記接合部により、前記第2の構造体を構成する前記第2の板状部材と前記ベース部材とを接合する接合工程と、前記冷媒流路への冷媒の供給と、前記ヒータ電極への給電と、を行いつつ、前記第2の板状部材の前記第3の表面の温度分布を測定する測定工程と、前記温度分布の測定結果に基づき、前記第2の板状部材の前記第3の表面に露出した前記ヒータ電極の一部分を研削することによって前記ヒータ電極の発熱量を調整する調整工程と、を備え、前記第2の配置工程は、前記調整工程後に実行される構成としてもよい。このようにすれば、保持装置のうち、ヒータ電極よりベース部材側の部分を作製した後、実際の使用時と同様の条件で温度分布の測定を行い、該温度分布の測定結果に基づきヒータ電極の発熱量の調整を行うことができるため、ヒータ電極の発熱量の調整を精度良く行うことができ、その結果、第1の板状部材の第1の表面の温度分布の制御性を向上させることができる。また、このようにすれば、ヒータ電極の研削に伴い、第2の板状部材の第3の表面に局所的な凹部が発生するおそれがあるため、第2の板状部材の第3の表面に第2のシート状接着剤を配置すると、第2のシート状接着剤の表面にも局所的な凹部が形成されるおそれがあるが、該第2のシート状接着剤が硬化され、第2のシート状接着剤の表面が切削されるため、第2のシート状接着剤の表面の局所的な凹部が除去され、その結果、該局所的な凹部の存在に起因して接着部に空隙(未接着の部分)が発生することを回避することができ、該空隙の存在に起因して接着部を挟んだ両側の間の伝熱性(例えば、冷媒流路への冷媒供給により冷却されたベース部材による熱引き性)が不均一となり、第1の板状部材の第1の表面の温度分布の制御性が低下することを抑制することができる。
(5)上記保持装置の製造方法において、前記第2の板状部材は、前記第3の表面に直交する第1の方向視で略円形であり、前記保持装置は、複数の前記ヒータ電極を備え、前記複数のヒータ電極のそれぞれは、前記第2の板状部材を、前記第1の方向視で、前記第2の板状部材の外周線と同心の少なくとも1つの円形の仮想分割線で複数のセグメントに仮想的に分割したときの各前記セグメントに配置されている構成としてもよい。すなわち、各セグメントが、さらに、第2の板状部材の外周線の周方向に沿って複数に分割されてはいない構成としてもよい。このような構成では、各セグメントを、さらに、第2の板状部材の外周線の周方向に沿って複数に分割した構成と比較して、各セグメントに配置されたヒータ電極における発熱量のばらつきを、他のヒータ電極の発熱量を制御することによって補正することが難しく、第1の板状部材の第1の表面の温度分布の制御性が低下しやすい。本保持装置の製造方法によれば、そのような、第1の板状部材の第1の表面の温度分布の制御性が低下しやすいセグメントの形態を採用した場合においても、例えば各ヒータ電極の形状のばらつきに起因する各ヒータ電極の発熱量のばらつきを補正することができ、第1の板状部材の第1の表面の温度分布の制御性の低下を抑制することができる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、保持装置、静電チャック、それらの製造方法等の形態で実現することが可能である。
本実施形態における静電チャック100の外観構成を概略的に示す斜視図 本実施形態における静電チャック100のXZ断面構成を概略的に示す説明図 本実施形態における静電チャック100のXY断面構成を概略的に示す説明図 本実施形態における静電チャック100のXY断面構成を概略的に示す説明図 本実施形態における静電チャック100の製造方法を示すフローチャート 本実施形態における静電チャック100の製造方法の概要を示す説明図 本実施形態における静電チャック100の製造方法の概要を示す説明図 本実施形態における静電チャック100の製造方法の概要を示す説明図
A.実施形態:
A-1.静電チャック100の構成:
図1は、本実施形態における静電チャック100の外観構成を概略的に示す斜視図であり、図2は、本実施形態における静電チャック100のXZ断面構成を概略的に示す説明図であり、図3および図4は、本実施形態における静電チャック100のXY断面構成を概略的に示す説明図である。図3には、図2のIII-IIIの位置における静電チャック100のXY断面構成が示されており、図4には、図2のIV-IVの位置における静電チャック100のXY断面構成が示されている。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向といい、Z軸負方向を下方向というものとするが、静電チャック100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。また、本明細書では、Z軸方向に直交する方向を、面方向という。
静電チャック100は、対象物(例えばウェハW)を静電引力により吸着して保持する装置であり、例えば半導体製造装置の真空チャンバー内でウェハWを固定するために使用される。静電チャック100は、所定の配列方向(本実施形態では上下方向(Z軸方向))に並べて配置されたセラミックス部材10およびベース部材20を備える。セラミックス部材10とベース部材20とは、セラミックス部材10の下面S4(図2参照)とベース部材20の上面S5とが、後述する第2の接着部30を挟んで上記配列方向に対向するように配置される。すなわち、ベース部材20は、ベース部材20の上面S5がセラミックス部材10の下面S4側に位置するように配置される。ベース部材20の上面S5は、特許請求の範囲における第5の表面に相当する。
セラミックス部材10は、上述した配列方向(Z軸方向)に略直交する略円形平面状の上面(以下、「吸着面」という。)S1と、吸着面S1とは反対側の下面S4とを有する略円板状部材である。本実施形態では、セラミックス部材10は、外周の全周にわたって面方向に突出する鍔部109を有している。以下、セラミックス部材10のうちの鍔部109を除く部分を、本体部108という。セラミックス部材10の本体部108の直径は例えば50mm~500mm程度(通常は200mm~350mm程度)であり、セラミックス部材10の厚さは例えば1mm~10mm程度である。Z軸方向は、特許請求の範囲における第1の方向に相当する。
図2に示すように、本実施形態では、セラミックス部材10は、上側セラミックス部分101と、下側セラミックス部分102と、第1の接着部103とから構成されている。上側セラミックス部分101は、セラミックス部材10のうちの吸着面S1側の一部分、より詳細には吸着面S1を含む一部分である。すなわち、上側セラミックス部分101の上面は、セラミックス部材10の上面(吸着面S1)と同一である。鍔部109は、上側セラミックス部分101に形成されている。下側セラミックス部分102は、セラミックス部材10のうちの下面S4側の一部分、より詳細には下面S4を含む一部分である。すなわち、下側セラミックス部分102の下面は、セラミックス部材10の下面S4と同一である。上側セラミックス部分101と下側セラミックス部分102とは、上側セラミックス部分101の下面S2と下側セラミックス部分102の上面S3とが、第1の接着部103を挟んで上記配列方向に対向するように配置される。すなわち、下側セラミックス部分102は、下側セラミックス部分102の上面S3が上側セラミックス部分101の下面S2側に位置するように配置される。上側セラミックス部分101および下側セラミックス部分102は、セラミックス(例えば、アルミナや窒化アルミニウム等)により形成されている。後述するように、上側セラミックス部分101および下側セラミックス部分102は、焼成を行うことにより形成された焼成体である。上側セラミックス部分101は、特許請求の範囲における第1の板状部材に相当し、下側セラミックス部分102は、特許請求の範囲における第2の板状部材に相当し、上側セラミックス部分101の上面(すなわち、吸着面S1)は、特許請求の範囲における第1の表面に相当し、上側セラミックス部分101の下面S2は、特許請求の範囲における第2の表面に相当し、下側セラミックス部分102の上面S3は、特許請求の範囲における第3の表面に相当し、下側セラミックス部分102の下面S4は、特許請求の範囲における第4の表面に相当する。
また、セラミックス部材10の第1の接着部103は、上側セラミックス部分101の下面S2と下側セラミックス部分102の上面S3との間に配置されて上側セラミックス部分101と下側セラミックス部分102とを接着する。第1の接着部103は、例えばシリコーン系樹脂やアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等の接着材により構成されている。第1の接着部103は、シリコーン樹脂を含有することが好ましい。第1の接着部103は、セラミックス粉末等のフィラーを含んでいてもよい。第1の接着部103の厚さは、例えば0.1mm~1mm程度である。第1の接着部103は、特許請求の範囲における接着部に相当する。なお、セラミックス部材10は、樹脂接着材を含む第1の接着部103を含んでいるが、セラミックス部材10の大部分はセラミックスにより形成されているため、本明細書では便宜上、「セラミックス」部材10と呼ぶものとする。
図2に示すように、セラミックス部材10の内部には、導電性材料(例えば、タングステン、モリブデン、白金等)により形成されたチャック電極40が配置されている。Z軸方向視でのチャック電極40の形状は、例えば略円形である。チャック電極40に電源(図示しない)から電圧が印加されると、静電引力が発生し、この静電引力によってウェハWがセラミックス部材10の吸着面S1に吸着固定される。本実施形態では、チャック電極40は、セラミックス部材10を構成する上側セラミックス部分101の内部に配置されている。
また、セラミックス部材10の内部には、セラミックス部材10の吸着面S1の温度分布の制御(すなわち、吸着面S1に保持されたウェハWの温度分布の制御)のための複数のヒータ電極50と、各ヒータ電極50への給電のための構成(ドライバ電極60等)とが配置されている。これらの構成については、後に詳述する。
ベース部材20は、例えばセラミックス部材10の本体部108と同径の、または、セラミックス部材10の本体部108より径が大きい円形平面の板状部材であり、例えば金属(アルミニウムやアルミニウム合金等)により形成されている。ベース部材20の直径は例えば220mm~550mm程度(通常は220mm~350mm)であり、ベース部材20の厚さは例えば20mm~40mm程度である。
ベース部材20は、セラミックス部材10の下面S4とベース部材20の上面S5との間に配置された第2の接着部30によって、セラミックス部材10に接合されている。第2の接着部30は、例えばシリコーン系樹脂やアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等の接着材により構成されている。第2の接着部30は、シリコーン樹脂を含有することが好ましい。第2の接着部30は、セラミックス粉末等のフィラーを含んでいてもよい。第2の接着部30の厚さは、例えば0.1mm~1mm程度である。第2の接着部30は、特許請求の範囲における接合部に相当する。
ベース部材20の内部には冷媒流路21が形成されている。冷媒流路21に冷媒(例えば、フッ素系不活性液体や水等)が流されると、ベース部材20が冷却され、第2の接着部30を介したベース部材20とセラミックス部材10との間の伝熱(熱引き)によりセラミックス部材10が冷却され、セラミックス部材10の吸着面S1に保持されたウェハWが冷却される。これにより、ウェハWの温度分布の制御が実現される。
また、静電チャック100は、第1の接着部103、下側セラミックス部分102および第2の接着部30の積層体の外周を取り囲むように形成された略円環状のOリング90を備える。Oリング90は、例えばゴム等の絶縁体により形成されている。Oリング90は、上側セラミックス部分101に形成された鍔部109の下面とベース部材20の上面S5とに密着しており、第2の接着部30や第1の接着部103がプラズマ等に晒されて劣化することを防止する。
A-2.ヒータ電極50等の構成:
次に、ヒータ電極50およびヒータ電極50への給電のための構成について詳述する。上述したように、静電チャック100は、複数のヒータ電極50(より具体的には、3つのヒータ電極50A,50B,50C)を備える(図3参照)。本実施形態では、複数のヒータ電極50は、セラミックス部材10を構成する下側セラミックス部分102の上面S3に配置されている。すなわち、複数のヒータ電極50は、チャック電極40より吸着面S1から離間した位置に配置されている。なお、実際には、下側セラミックス部分102の上面S3上には、第1の接着部103が位置しており、複数のヒータ電極50は、第1の接着部103に覆われている。
図3に示すように、本実施形態の静電チャック100では、下側セラミックス部分102が、面方向に並ぶ3つのセグメントZ(Za,Zb,Zc)に仮想的に分割されている。より具体的には、下側セラミックス部分102が、Z軸方向視で、下側セラミックス部分102の外周線と同心の2つの円形の仮想分割線VL(VL1,VL2)によって、3つのセグメントZに仮想的に分割されている。Z軸方向視での各セグメントZの形状は、略円形または略円環形である。
複数のヒータ電極50のそれぞれは、下側セラミックス部分102に設定された複数のセグメントZのうちの1つに配置されている。具体的には、3つのヒータ電極50の内、1つのヒータ電極50Aは、3つのセグメントZのうちの最も外周側に位置するセグメントZaに配置されており、他の1つのヒータ電極50Cは、3つのセグメントZのうちの最も中心に近い側に位置するセグメントZcに配置されており、残り1つのヒータ電極50Bは、セグメントZaとセグメントZcとに挟まれたセグメントZbに配置されている。
各ヒータ電極50は、Z軸方向視で線状の抵抗発熱体であるヒータライン部51と、ヒータライン部51の両端部に接続されたヒータパッド部52とを有する。ヒータ電極50を構成するヒータライン部51およびヒータパッド部52は、導電性材料(例えば、タングステン、モリブデン、白金等)により形成されている。本実施形態では、Z軸方向視でのヒータライン部51の形状は、略円形または略螺旋状とされている。
また、静電チャック100は、各ヒータ電極50への給電のための構成を備えている。具体的には、静電チャック100は、複数のドライバ電極60(より具体的には、6つのドライバ電極60)を備える(図4参照)。各ドライバ電極60は、面方向に平行な所定の形状の導体パターンであり、導電性材料(例えば、タングステン、モリブデン、白金等)により形成されている。本実施形態では、複数のドライバ電極60は、セラミックス部材10を構成する下側セラミックス部分102の内部に配置されている。また、複数のドライバ電極60は、Z軸方向において互いに同一の位置に配置されている。なお、ドライバ電極60は、下記の(1)および(2)の少なくとも一方を満たすという点で、ヒータ電極50と相違する。
(1)ドライバ電極60の電流が流れる方向に対して垂直方向の断面積は、ヒータ電極50の同様な断面積の5倍以上である。
(2)ヒータ電極50における、ドライバ電極60につながる一方のビアから他方のビアまでの間の抵抗は、ドライバ電極60における、ヒータ電極50につながるビアから給電端子74につながるビアまでの間の抵抗の5倍以上である。
図4に示すように、本実施形態では、静電チャック100が備える6つのドライバ電極60が、それぞれ一対のドライバ電極60から構成された3つのドライバ電極対600(600A,600B,600C)を構成している。3つのドライバ電極対600は、3つのヒータ電極50(50A,50B,50C)に対応している。図2~図4に示すように、1つのドライバ電極対600(例えば、ドライバ電極対600A)を構成する一対のドライバ電極60の一方は、導電性材料により形成されたヒータ側ビア71を介して、対応するヒータ電極50(例えば、ヒータ電極50A)の一方のヒータパッド部52と電気的に接続されている。また、該ドライバ電極対600(例えば、ドライバ電極対600A)を構成する一対のドライバ電極60の他方は、ヒータ側ビア71を介して、対応するヒータ電極50(例えば、ヒータ電極50A)の他方のヒータパッド部52と電気的に接続されている。
また、図2に示すように、静電チャック100には、ベース部材20の下面S6からセラミックス部材10の内部に至る複数の端子用孔110が形成されている。各端子用孔110は、ベース部材20を上下方向に貫通する貫通孔22と、第2の接着部30を上下方向に貫通する貫通孔32と、セラミックス部材10の下面S4側に形成された凹部13とが、互いに連通することにより構成された一体の孔である。
各端子用孔110には、導電性材料により形成された略柱状の部材である給電端子74が収容されている。また、各端子用孔110を構成するセラミックス部材10の凹部13の底面には、導電性材料により形成された給電電極(電極パッド)73が配置されている。給電端子74の上端部分は、例えばろう付け等により給電電極73に接合されている。
また、図2および図4に示すように、各ドライバ電極対600を構成する一対のドライバ電極60の一方は、該ドライバ電極60からセラミックス部材10の下面S2側に延びる給電側ビア72を介して、1つの給電電極73に電気的に接続されており、該一対のドライバ電極60の他方は、他の給電側ビア72を介して、他の1つの給電電極73に電気的に接続されている。
各給電端子74は、電源(図示せず)に接続されている。電源からの電圧は、給電端子74、給電電極73、給電側ビア72、ドライバ電極60およびヒータ側ビア71を介して、各ヒータ電極50に印加される。各ヒータ電極50に電圧が印加されると、各ヒータ電極50が発熱してセラミックス部材10が加熱され、これにより、セラミックス部材10の吸着面S1の温度分布の制御(すなわち、吸着面S1に保持されたウェハWの温度分布の制御)が実現される。
なお、本実施形態の静電チャック100では、各ヒータ電極50に給電し、かつ、冷媒流路21に冷媒を供給し、ヒータ電極50の温度と冷媒の温度との差が50℃以上であるときに、セラミックス部材10の吸着面S1における温度の最大値と最小値との差は、3.5℃以下となっている。すなわち、セラミックス部材10の吸着面S1の各位置での温度差が、極めて小さくなっている。このような構成は、例えば、以下に説明する本実施形態の静電チャック100の製造方法に従い静電チャック100を製造することにより実現することができる。なお、ヒータ電極および吸着面S1の各位置での温度は、例えばIRカメラ等の温度測定装置を用いて測定することができる。
A-3.静電チャック100の製造方法:
次に、本実施形態における静電チャック100の製造方法について説明する。図5は、本実施形態における静電チャック100の製造方法を示すフローチャートである。また、図6から図8は、本実施形態における静電チャック100の製造方法の概要を示す説明図である。
はじめに、上側セラミックス部分101aと、上側セラミックス部分101aの内部に配置されたチャック電極40と、を含む上側セラミックス構造体11を作製する(S110、図6のA欄参照)。ここで、上側セラミックス部分101aは、製造完了後の静電チャック100における上側セラミックス部分101になる構造体である。上側セラミックス部分101aは、上側セラミックス部分101と完全に同一物であってもよいし、上側セラミックス部分101aに対する種々の加工が行われた結果、上側セラミックス部分101になるとしてもよい。S110の工程は、特許請求の範囲における第1の準備工程に相当し、上側セラミックス構造体11は第1の構造体に相当する。
上側セラミックス構造体11の作製方法は、例えば以下の通りである。まず、セラミックスグリーンシートを複数枚作製し、所定のセラミックスグリーンシートに所定の加工を行う。所定の加工としては、例えば、チャック電極40等の形成のためのメタライズペーストの印刷、各種ビアの形成のための孔空けおよびメタライズペーストの充填等が挙げられる。これらのセラミックスグリーンシートを積層して熱圧着し、切断等の加工を行うことにより、セラミックスグリーンシートの積層体を作製する。作製されたセラミックスグリーンシートの積層体を焼成することにより、上側セラミックス構造体11を得る。なお、必要により、上側セラミックス構造体11の反り修正や表面の研磨加工等を行ってもよい。
また、下側セラミックス部分102aと、下側セラミックス部分102aの上面S3に露出するように配置されたヒータ電極50と、を含む下側セラミックス構造体12を作製する(S120、図6のB欄参照)。ここで、下側セラミックス部分102aは、製造完了後の静電チャック100における下側セラミックス部分102になる構造体である。下側セラミックス部分102aは、下側セラミックス部分102と完全に同一物であってもよいし、下側セラミックス部分102aに対する種々の加工が行われた結果、下側セラミックス部分102になるとしてもよい。本実施形態では、下側セラミックス構造体12は、さらに、ドライバ電極60、給電電極73および各種ビア71,72を含む。S120の工程は、特許請求の範囲における第2の準備工程に相当し、下側セラミックス構造体12は第2の構造体に相当する。
下側セラミックス構造体12の作製方法は、例えば以下の通りである。まず、セラミックスグリーンシートを複数枚作製し、所定のセラミックスグリーンシートに所定の加工を行う。所定の加工としては、例えば、ヒータ電極50やドライバ電極60、給電電極73等の形成のためのメタライズペーストの印刷、各種ビアの形成のための孔空けおよびメタライズペーストの充填等が挙げられる。これらのセラミックスグリーンシートを積層して熱圧着し、切断等の加工を行うことにより、セラミックスグリーンシートの積層体を作製する。作製されたセラミックスグリーンシートの積層体を焼成することにより、下側セラミックス構造体12を得る。なお、必要により、下側セラミックス構造体12の反り修正や表面(ただし、ヒータ電極50が露出した上面S3を除く)の研磨加工等を行ってもよい。
次に、下側セラミックス構造体12に形成された給電電極73に、給電端子74を、例えばろう付けにより接合する(S130、図6のC欄参照)。なお、給電端子74を給電電極73に接合する前に、給電電極73の表面にメッキ処理(例えば、ニッケルメッキ)を行ってもよい。
次に、下側セラミックス構造体12を構成する下側セラミックス部分102aとベース部材20とを、第2の接着部30により接合する(S140、図6のC欄参照)。より詳細には、例えば、下側セラミックス部分102aの下面S4とベース部材20の上面S5とのそれぞれに、シート状接着剤を貼り付け、下側セラミックス部分102aの下面S4とベース部材20の上面S5とを2枚のシート状接着剤を介して貼り合わせた状態で、2枚のシート状接着剤を硬化させる硬化処理を行うことにより、第2の接着部30を形成する。なお、シート状接着剤は、接着成分(例えば、シリコーン系樹脂やアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等)に、必要により粉末成分(例えば、アルミナやシリカ、炭化ケイ素、窒化ケイ素等)を混合して作製したペーストを、例えば離型シート上に膜状に塗布した後、硬化処理によって半硬化させてゲル状としたものである。ペーストは、カップリング剤等の添加剤を含んでいてもよい。シート状接着剤は、粘度が比較的高いため、厚さを均一にすることが容易である。また、シート状接着剤を形成するための上記硬化処理や、第2の接着部30を形成するための上記硬化処理の内容は、使用する接着剤の種類に応じて異なり、熱硬化型の接着剤であれば硬化処理として熱を付与する処理が行われ、水分硬化型の接着剤であれば硬化処理として水分を付与する処理が行われる。また、第2の接着部30を形成するための硬化処理は、真空状態の密閉容器内で実行されると、形成される第2の接着部30内に気泡が生じにくいという点で好ましい。S140の工程は、特許請求の範囲における接合工程に相当する。
次に、ベース部材20の冷媒流路21への冷媒の供給と、下側セラミックス部分102aの上面S3に露出するように配置された各ヒータ電極50への給電とを行いつつ、下側セラミックス部分102aの上面S3の温度分布を測定する(S150)。温度分布の測定は、例えば、下側セラミックス部分102aの上面S3における複数の測定点の温度を測定することにより行われる。S150の工程は、特許請求の範囲における測定工程に相当する。
次に、S150の温度分布の測定結果に基づき、下側セラミックス部分102aの上面S3に露出するように配置されたヒータ電極50の一部分を研削することによって、ヒータ電極50の発熱量を調整する(S160、図7のA欄参照)。ヒータ電極50の一部分を研削すると、ヒータ電極50の該部分の断面積が小さくなることによって電気抵抗が大きくなり、ヒータ電極50の該部分の発熱量が増加する。そのため、例えば、ヒータ電極50のうち、S150の温度分布の測定結果において比較的低温であった部分を研削することにより、該部分の温度を高温側に補正することができる。S160の工程は、特許請求の範囲における調整工程に相当する。
なお、ヒータ電極50の研削は、例えば、研削する部分以外の部分にマスクMAを配置し、ショットブラスト装置BDにより、下側セラミックス部分102aの上面S3に向けてブラスト材BMを投射することにより行われる。ヒータ電極50の各部分に対して行うショットブラストの回数を異ならせることにより、ヒータ電極50の各部分の研削量を異ならせることができる。また、ヒータ電極50の研削は、例えば、マシニング装置による研磨によっても実現することができる。また、ヒータ電極50の研削によるヒータ電極50の発熱量の調整を行った後、再度、S150の工程と同様に下側セラミックス部分102aの上面S3の温度分布を測定し、ヒータ電極50の発熱量の調整結果の確認や、ヒータ電極50の再度の研削の実行要否の判断等を行ってもよい。また、ヒータ電極50の発熱量の調整の有無は、例えば、ヒータ電極50の抵抗値の変化の有無やIRカメラによる画像の変化の有無により確認することができる。
なお、図7のA欄に示すように、ヒータ電極50の研削の際には、下側セラミックス部分102aの上面S3におけるヒータ電極50の周囲の部分も一緒に研削され、その結果、下側セラミックス部分102aの上面S3に局所的な凹部(例えば、径が30mm以下であり、かつ、深さが10μm以上である凹部)が形成されることがある。
次に、上側セラミックス構造体11を構成する上側セラミックス部分101aの下面S2に、シート状接着剤(以下、「上側シート状接着剤81」という。)を配置する(S170、図7のB欄参照)。なお、配置される上側シート状接着剤81のショア硬度は、例えば20未満である。S170の工程は、特許請求の範囲における第1の配置工程に相当し、上側シート状接着剤81は、特許請求の範囲における第1のシート状接着剤に相当する。
また、下側セラミックス構造体12を構成する下側セラミックス部分102aの上面S3に、シート状接着剤(以下、「下側シート状接着剤82」という。)を配置する(S180、図7のC欄参照)。なお、配置される下側シート状接着剤82のショア硬度は、例えば20未満である。S180の工程は、特許請求の範囲における第2の配置工程に相当し、下側シート状接着剤82は、特許請求の範囲における第2のシート状接着剤に相当する。上述したように、下側セラミックス部分102aの上面S3に局所的な凹部が形成されていると、下側セラミックス部分102aの上面S3に下側シート状接着剤82を配置した際に、下側シート状接着剤82の上面S7にも局所的な凹部が形成されることがある。
下側セラミックス部分102aの上面S3に下側シート状接着剤82を配置する工程(S180)の後に、下側シート状接着剤82を硬化させる(S190)。下側シート状接着剤82を硬化させる処理の内容は、使用する接着剤の種類に応じて異なり、熱硬化型の接着剤であれば硬化処理として熱を付与する処理が行われ、水分硬化型の接着剤であれば硬化処理として水分を付与する処理が行われる。S190の硬化処理は、硬化後の下側シート状接着剤82のショア硬度が、上側シート状接着剤81のショア硬度より高く、かつ、50未満になるように実行される。なお、硬化後の下側シート状接着剤82のショア硬度は、30以上であることが好ましい。下側シート状接着剤82の硬化処理は、例えば、大気圧下で実行される。S190の工程は、特許請求の範囲における第1の硬化工程に相当する。
下側シート状接着剤82を硬化させる工程(S190)の後に、下側シート状接着剤82の上面S7を切削する(S200、図8のA欄参照)。下側シート状接着剤82の上面S7の切削は、例えば、バイト等の切削工具TOを下側シート状接着剤82の上面S7に対して面方向に相対的に移動させ、切削工具TOによって下側シート状接着剤82の上面S7を切り削ることにより行われる。上述したように、下側シート状接着剤82は、下側セラミックス部分102aの上面S3に配置された後に硬化処理を受けており、ある程度以上の硬度を有するため、このような切削加工を行うことができる。上述したように、下側シート状接着剤82の上面S7には、下側セラミックス部分102aの上面S3の局所的な凹部に起因する局所的な凹部が形成されることがあるが、下側シート状接着剤82の上面S7を切削することにより、このような局所的な凹部が除去される。なお、下側シート状接着剤82の上面S7を切削すると、該上面S7上に、切削工具TOの移動経路に沿って溝状の跡が残ることがあるが、該溝状の跡は、本明細書において問題としている局所的な凹部よりもはるかに浅く、かつ、上面S7の全体にわたって規則的に形成されるものであり、第1の接着部103に空隙(未接着の部分)を発生させるものではない。S200の工程は、特許請求の範囲における切削加工に相当する。
下側シート状接着剤82の上面S7を切削する工程(S200)の後、上側セラミックス部分101aの下面S2と下側セラミックス部分102aの上面S3とを、2枚のシート状接着剤(上側シート状接着剤81および下側シート状接着剤82)を介して貼り合わせた状態で、硬化処理を行うことにより、第1の接着部103を形成する(S210、図8のB欄参照)。第1の接着部103を形成するための硬化処理では、少なくとも上側シート状接着剤81は硬化するが、下側シート状接着剤82については、該硬化処理前の状態に応じて、さらに硬化することもあるし、ほぼ硬化しないこともある。第1の接着部103を形成するための硬化処理の内容は、使用する接着剤の種類に応じて異なり、熱硬化型の接着剤であれば硬化処理として熱を付与する処理が行われ、水分硬化型の接着剤であれば硬化処理として水分を付与する処理が行われる。また、第1の接着部103を形成するための硬化処理は、真空状態の密閉容器内で実行されると、形成される第1の接着部103内に気泡が生じにくいという点で好ましい。S210の工程は、特許請求の範囲における第2の硬化工程に相当する。
次に、第1の接着部103、下側セラミックス部分102aおよび第2の接着部30の積層体の外周を取り囲むように、Oリング90を取り付ける(S220、図8のB欄参照)。主として以上の工程により、上述した構成の静電チャック100が製造される。
A-4.本実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態の静電チャック100は、上側セラミックス部分101と、下側セラミックス部分102と、第1の接着部103とを備える。上側セラミックス部分101は、吸着面S1と、吸着面S1とは反対側の下面S2とを有する板状の部材である。下側セラミックス部分102は、上面S3と、上面S3とは反対側の下面S4とを有する板状の部材であり、上面S3が上側セラミックス部分101の下面S2側に位置するように配置されている。第1の接着部103は、上側セラミックス部分101の下面S2と下側セラミックス部分102の上面S3との間に配置され、上側セラミックス部分101と下側セラミックス部分102とを接着する。
また、本実施形態の静電チャック100の製造方法は、上側セラミックス部分101aの下面S2に上側シート状接着剤81を配置する工程(S170)と、下側セラミックス部分102aの上面S3に下側シート状接着剤82を配置する工程(S180)と、下側シート状接着剤82を配置する工程(S180)の後に、下側シート状接着剤82を硬化させる工程(S190)とを備える。この下側シート状接着剤82を硬化させる工程(S190)は、硬化後の下側シート状接着剤82のショア硬度が、上側シート状接着剤81のショア硬度より高く、かつ、50未満であるように行われる。また、本実施形態の静電チャック100の製造方法は、下側シート状接着剤82を硬化させる工程(S190)の後に、下側シート状接着剤82の上面S7を切削する工程(S200)と、その後に、上側セラミックス部分101aの下面S2と下側セラミックス部分102aの上面S3とを、上側シート状接着剤81および下側シート状接着剤82を介して貼り合わせた状態で、少なくとも上側シート状接着剤81を硬化させることにより、第1の接着部103を形成する工程(S210)とを備える。
このように、本実施形態の静電チャック100の製造方法では、上側セラミックス部分101aと下側セラミックス部分102aとを接着する第1の接着部103を、ペースト状接着剤と比較して厚さを均一にすることが容易であるシート状接着剤(上側シート状接着剤81および下側シート状接着剤82)を用いて形成するため、第1の接着部103の厚さが不均一となることを抑制することができ、第1の接着部103の厚さの不均一に起因して上側セラミックス部分101aと下側セラミックス部分102aとの間の伝熱性が不均一となり、セラミックス部材10の吸着面S1の温度分布の制御性が低下することを抑制することができる。また、本実施形態の静電チャック100の製造方法では、下側セラミックス部分102aの上面S3に下側シート状接着剤82が配置され(S180)、下側シート状接着剤82が硬化され(S190)、その後に、下側シート状接着剤82の上面S7が切削される(S200)。そのため、下側セラミックス部分102aの上面S3に局所的な凹部が存在することに起因して、下側セラミックス部分102aの上面S3に配置された下側シート状接着剤82の上面S7に局所的な凹部が存在する場合であっても、下側シート状接着剤82の上面S7の切削によって局所的な凹部が除去される。下側シート状接着剤82の上面S7に局所的な凹部が存在する場合に、その後に、下側シート状接着剤82と上側シート状接着剤81とを貼り合わせて第1の接着部103を形成すると、該局所的な凹部の存在に起因して第1の接着部103に空隙(未接着の部分)が発生するおそれがある。本実施形態の静電チャック100の製造方法では、下側シート状接着剤82の上面S7を切削する工程(S200)を備えるため、そのような下側シート状接着剤82の上面S7の局所的な凹部に起因して第1の接着部103に空隙が発生することを抑制することができ、該空隙の存在に起因して上側セラミックス部分101aと下側セラミックス部分102aとの間の伝熱性が不均一となり、セラミックス部材10の吸着面S1の温度分布の制御性が低下することを抑制することができる。なお、本実施形態の静電チャック100の製造方法では、硬化工程(S190)の後の下側シート状接着剤82のショア硬度は、上側シート状接着剤81のショア硬度よりは高いものの、50未満とある程度低いため、例えば研磨加工により上記局所的な凹部を除去しようとすると、下側シート状接着剤82の剥離が発生するおそれがある。しかしながら、本実施形態の静電チャック100の製造方法では、下側シート状接着剤82の上面S7に対して、研磨加工等ではなく切削加工が行われるため、そのような下側シート状接着剤82の剥離の発生を回避しつつ、上記局所的な凹部を除去することができる。以上のように、本実施形態の静電チャック100の製造方法によれば、第1の接着部103の厚さが不均一となることを抑制しつつ、かつ、下側シート状接着剤82の剥離の発生を抑制しつつ、第1の接着部103に空隙が発生することを回避することができ、ひいては、セラミックス部材10の吸着面S1の温度分布の制御性が低下することを抑制することができる。
なお、本実施形態の静電チャック100の製造方法において、硬化工程(S190)の後の下側シート状接着剤82のショア硬度は、30以上であることが好ましい。このようにすれば、硬化後の下側シート状接着剤82の硬度が一定以上確保されるため、下側シート状接着剤82の上面S7の切削(S200)をより容易に実行することができる。
また、本実施形態の静電チャック100の製造方法において、上側シート状接着剤81と下側シート状接着剤82とは、共にシリコーン樹脂を含有することが好ましい。このようにすれば、第1の接着部103の形成のために比較的柔らかいシリコーン樹脂を含有するシート状接着剤を用いても、下側シート状接着剤82の上面S7の切削による局所的な凹部の除去を実現することができ、第1の接着部103に空隙が発生することを回避することができる。
また、本実施形態の静電チャック100は、さらに、チャック電極40と、ヒータ電極50と、ベース部材20と、第2の接着部30とを備える。チャック電極40は、上側セラミックス部分101の内部に配置されている。ヒータ電極50は、下側セラミックス部分102の上面S3に露出するように配置され、抵抗発熱体により形成されている。ベース部材20は、上面S5を有し、上面S5が下側セラミックス部分102の下面S4側に位置するように配置されており、内部に冷媒流路21が形成されている。第2の接着部30は、下側セラミックス部分102の下面S4とベース部材20の上面S5との間に配置されて下側セラミックス部分102とベース部材20とを接合する。また、本実施形態の静電チャック100の製造方法は、さらに、上側セラミックス部分101aとチャック電極40とを含む上側セラミックス構造体11を準備する工程(S110)と、下側セラミックス部分102aとヒータ電極50とを含む下側セラミックス構造体12を準備する工程(S120)と、第2の接着部30により、下側セラミックス構造体12を構成する下側セラミックス部分102aとベース部材20とを接合する工程(S140)と、冷媒流路21への冷媒の供給とヒータ電極50への給電とを行いつつ、下側セラミックス部分102aの上面S3の温度分布を測定する工程(S150)と、温度分布の測定結果に基づき、下側セラミックス部分102aの上面S3に露出したヒータ電極50の一部分を研削することによってヒータ電極50の発熱量を調整する工程(S160)とを備える。そして、上述した下側セラミックス部分102aの上面S3に下側シート状接着剤82を配置する工程(S180)は、ヒータ電極50の発熱量を調整する工程(S160)の後に実行される。
このように、本実施形態の静電チャック100の製造方法では、下側セラミックス部分102aと、下側セラミックス部分102aの上面S3に露出するように配置されたヒータ電極50と、を含む下側セラミックス構造体12に、ベース部材20が接合された状態で、冷媒流路21への冷媒の供給とヒータ電極50への給電とを行いつつ、下側セラミックス部分102aの上面S3の温度分布が測定される。また、本実施形態の静電チャック100の製造方法では、温度分布の測定結果に基づき、下側セラミックス部分102aの上面S3に露出したヒータ電極50の一部分を研削することによってヒータ電極50の発熱量が調整された後、下側セラミックス部分102aの上面S3側に、上側セラミックス部分101aと、上側セラミックス部分101aの内部に配置されたチャック電極40と、を含む上側セラミックス構造体11が接着される。すなわち、本実施形態の静電チャック100の製造方法では、静電チャック100のうち、ヒータ電極50よりベース部材20側の部分を作製した後、実際の使用時と同様の条件で温度分布の測定を行い、該温度分布の測定結果に基づきヒータ電極50の発熱量の調整を行うことができる。従って、本実施形態の静電チャック100の製造方法では、ヒータ電極50の発熱量の調整を精度良く行うことができ、その結果、セラミックス部材10の吸着面S1の温度分布の制御性を向上させることができる。また、本実施形態の静電チャック100の製造方法では、ヒータ電極50の研削に伴い、下側セラミックス部分102aの上面S3に局所的な凹部が発生するおそれがあるため、下側セラミックス部分102aの上面S3に下側シート状接着剤82を配置すると、下側シート状接着剤82の上面S7にも局所的な凹部が発生するおそれがある。しかしながら、本実施形態の静電チャック100の製造方法では、ヒータ電極50の研削の後に、下側セラミックス部分102aの上面S3に下側シート状接着剤82が配置され、下側シート状接着剤82が硬化され、下側シート状接着剤82の上面S7が切削されるため、下側シート状接着剤82の上面S7の局所的な凹部が除去され、その結果、該局所的な凹部の存在に起因して第1の接着部103に空隙(未接着の部分)が発生することを回避することができ、該空隙の存在に起因して第1の接着部103を挟んだ両側の間の伝熱性(例えば、冷媒流路21への冷媒供給により冷却されたベース部材20による熱引き性)が不均一となり、セラミックス部材10の吸着面S1の温度分布の制御性が低下することを抑制することができる。
また、本実施形態の静電チャック100では、下側セラミックス部分102aは、上面S3に直交するZ軸方向視で略円形である。また、本実施形態の静電チャック100は、複数のヒータ電極50を備え、複数のヒータ電極50のそれぞれは、下側セラミックス部分102aを、Z軸方向視で、下側セラミックス部分102aの外周線と同心の少なくとも1つの円形の仮想分割線VLで複数のセグメントZに仮想的に分割したときの各セグメントZに配置されている。すなわち、本実施形態では、各セグメントZが、さらに、下側セラミックス部分102aの外周線の周方向に沿って複数に分割されてはいない。本実施形態のように下側セラミックス部分102aを、Z軸方向視で、下側セラミックス部分102aの外周線と同心の少なくとも1つの円形の仮想分割線VLで複数のセグメントZに仮想的に分割した形態では、各セグメントZを、さらに、下側セラミックス部分102aの外周線の周方向に沿って複数に分割した形態と比較して、各セグメントZに配置されたヒータ電極50における発熱量のばらつきを、他のヒータ電極50の発熱量を制御することによって補正することが難しく、セラミックス部材10の吸着面S1の温度分布の制御性が低下しやすい。本実施形態の静電チャック100の製造方法では、そのような、セラミックス部材10の吸着面S1の温度分布の制御性が低下しやすいセグメントZの形態を採用した場合においても、例えば各ヒータ電極50の形状のばらつきに起因する各ヒータ電極50の発熱量のばらつきを補正することができ、セラミックス部材10の吸着面S1の温度分布の制御性の低下を抑制することができる。
なお、上述したように、第1の接着部103は、上側シート状接着剤81と下側シート状接着剤82とから形成されるが、S190の硬化処理(下側シート状接着剤82を硬化させる処理)が大気圧下で実行され、かつ、S210の硬化処理(主として上側シート状接着剤81を硬化させる処理)が真空状態で実行された場合には、第1の接着部103の内、下側シート状接着剤82から形成された部分のショア硬度は、上側シート状接着剤81から形成された部分のショア硬度より高くなる。
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態における静電チャック100の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態におけるヒータ電極50の個数や、各ヒータ電極50の形状、セラミックス部材10における各ヒータ電極50の配置は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態の静電チャック100は、3つのヒータ電極50を備えるが、静電チャック100が備えるヒータ電極50の個数は、2つ以下であってもよいし、4つ以上であってもよい。同様に、上記実施形態におけるセグメントZの個数や、各セグメントZの形状、セラミックス部材10における各セグメントZの配置は、あくまで一例であり、種々変形可能である。なお、上記実施形態における静電チャック100の製造方法は、セグメントZの個数が比較的少ない(例えば、セグメントZの個数が10個以下程度の)形態に好適である。また、セラミックス部材10にセグメントZが設定されていなくてもよい。
また、上記実施形態におけるドライバ電極60の個数や、各ドライバ電極60の形状、セラミックス部材10における各ドライバ電極60の配置は、あくまで一例であり、種々変形可能である。また、上記実施形態において、静電チャック100がドライバ電極60を備えないとしてもよい。また、上記実施形態において、各ビアは、単数のビアにより構成されてもよいし、複数のビアのグループにより構成されてもよい。また、上記実施形態において、各ビアは、ビア部分のみからなる単層構成であってもよいし、複数層構成(例えば、ビア部分とパッド部分とビア部分とが積層された構成)であってもよい。また、上記実施形態において、静電チャック100がOリング90を備えないとしてもよい。また、上記実施形態において、セラミックス部材10が鍔部109を有さないとしてもよい。
また、上記実施形態では、セラミックス部材10の内部に1つのチャック電極40が設けられた単極方式が採用されているが、セラミックス部材10の内部に一対のチャック電極40が設けられた双極方式が採用されてもよい。また、上記実施形態の静電チャック100における各部材を形成する材料は、あくまで例示であり、各部材が他の材料により形成されてもよい。また、上記実施形態において、上側セラミックス部分101と下側セラミックス部分102とは、互いに同じ種類のセラミックス材料により形成されていてもよいし、互いに異なる種類のセラミックス材料により形成されていてもよい。
また、上記実施形態における静電チャック100の製造方法(図5等参照)は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、セラミックスグリーンの積層体を焼成することにより上側セラミックス部分101aおよび下側セラミックス部分102aが作製されるが、上側セラミックス部分101aおよび下側セラミックス部分102aの少なくとも一方が他の方法(例えば、ホットプレス焼成)により作製されるとしてもよい。また、上記実施形態の静電チャック100の製造方法における各ステップの順番を入れ替えてもよい。例えば、上側セラミックス構造体11を構成する上側セラミックス部分101aの下面S2に上側シート状接着剤81を配置する工程(S170)が、下側シート状接着剤82の上面S7を切削する工程(S200)の後、第1の接着部103を形成する工程(S210)の前に実行されてもよい。
また、上記実施形態において、セラミックス部材10とベース部材20とを接着する第2の接着部30の形成の際にも、第1の接着部103の形成と同様の処理が行われてもよい。例えば、セラミックス部材10を構成する下側セラミックス部分102aの下面S4にシート状接着剤を配置すると共に、ベース部材20の上面S5にシート状接着剤を配置する。そして、ベース部材20の上面S5に配置されたシート状接着剤を硬化させた後、該シート状接着剤の表面を切削する。その後、下側セラミックス部分102aの下面S4とベース部材20の上面S5とを、2枚のシート状接着剤を介して貼り合わせた状態で、硬化処理を行うことにより、第2の接着部30を形成する。このようにすれば、ベース部材20の上面S5に局所的な凹部が存在しており、その影響でベース部材20の上面S5に配置されたシート状接着剤の上面に局所的な凹部が存在する場合であっても、該シート状接着剤の上面の切削によって局所的な凹部が除去されるため、そのようなシート状接着剤の上面の局所的な凹部に起因して第2の接着部30に空隙が発生することを抑制することができ、該空隙の存在に起因してセラミックス部材10とベース部材20との間の伝熱性が不均一となり、セラミックス部材10の吸着面S1の温度分布の制御性が低下することを抑制することができる。なお、ベース部材20の上面S5ではなく、下側セラミックス部分102aの下面S4に局所的な凹部が存在する場合には、反対に、下側セラミックス部分102aの下面S4に配置されたシート状接着剤を硬化させた後、該シート状接着剤の表面を切削すればよい。
また、本発明は、セラミックス部材10とベース部材20とを備え、静電引力を利用してウェハWを保持する静電チャック100に限らず、第1の板状部材と、第2の板状部材と、第1の板状部材と第2の板状部材とを接着する接着部とを備え、対象物を保持する他の保持装置にも同様に適用可能である。
10:セラミックス部材 11:上側セラミックス構造体 12:下側セラミックス構造体 13:凹部 20:ベース部材 21:冷媒流路 22:貫通孔 30:第2の接着部 32:貫通孔 40:チャック電極 50:ヒータ電極 51:ヒータライン部 52:ヒータパッド部 60:ドライバ電極 71:ヒータ側ビア 72:給電側ビア 73:給電電極 74:給電端子 81:上側シート状接着剤 82:下側シート状接着剤 90:Oリング 100:静電チャック 101:上側セラミックス部分 102:下側セラミックス部分 103:第1の接着部 108:本体部 109:鍔部 110:端子用孔 600:ドライバ電極対

Claims (5)

  1. 第1の表面と、前記第1の表面とは反対側の第2の表面と、を有する第1の板状部材と、
    第3の表面と、前記第3の表面とは反対側の第4の表面と、を有し、前記第3の表面が前記第1の板状部材の前記第2の表面側に位置するように配置された第2の板状部材と、
    前記第1の板状部材の前記第2の表面と前記第2の板状部材の前記第3の表面との間に配置されて前記第1の板状部材と前記第2の板状部材とを接着する接着部と、
    を備え、対象物を保持する保持装置の製造方法において、
    前記第1の板状部材の前記第2の表面に、第1のシート状接着剤を配置する第1の配置工程と、
    前記第2の板状部材の前記第3の表面に、第2のシート状接着剤を配置する第2の配置工程と、
    前記第2の配置工程後に、前記第2のシート状接着剤を硬化させる第1の硬化工程であって、硬化後の前記第2のシート状接着剤のショア硬度は、前記第1のシート状接着剤のショア硬度より高く、かつ、50未満である、第1の硬化工程と、
    前記第1の硬化工程後に、前記第2のシート状接着剤の表面を切削する切削工程と、
    前記切削工程後に、前記第1の板状部材の前記第2の表面と前記第2の板状部材の前記第3の表面とを、前記第1のシート状接着剤および前記第2のシート状接着剤を介して貼り合わせた状態で、少なくとも前記第1のシート状接着剤を硬化させることにより、前記接着部を形成する第2の硬化工程と、
    を備える、
    ことを特徴とする保持装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載の保持装置の製造方法において、
    前記第1の硬化工程における硬化後の前記第2のシート状接着剤のショア硬度は、30以上である、
    ことを特徴とする保持装置の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の保持装置の製造方法において、
    前記第1のシート状接着剤と前記第2のシート状接着剤とは、シリコーン樹脂を含有する、
    ことを特徴とする保持装置の製造方法。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の保持装置の製造方法において、
    前記保持装置は、さらに、
    前記第1の板状部材の内部に配置されたチャック電極と、
    前記第2の板状部材の前記第3の表面に露出するように配置され、抵抗発熱体により形成されたヒータ電極と、
    第5の表面を有し、前記第5の表面が前記第2の板状部材の前記第4の表面側に位置するように配置され、内部に冷媒流路が形成されたベース部材と、
    前記第2の板状部材の前記第4の表面と前記ベース部材の前記第5の表面との間に配置されて前記第2の板状部材と前記ベース部材とを接合する接合部と、
    を備え、前記第1の板状部材の前記第1の表面に前記対象物を保持する装置であり、
    前記保持装置の製造方法は、さらに、
    前記第1の板状部材と前記チャック電極とを含む第1の構造体を準備する第1の準備工程と、
    前記第2の板状部材と前記ヒータ電極とを含む第2の構造体を準備する第2の準備工程と、
    前記接合部により、前記第2の構造体を構成する前記第2の板状部材と前記ベース部材とを接合する接合工程と、
    前記冷媒流路への冷媒の供給と、前記ヒータ電極への給電と、を行いつつ、前記第2の板状部材の前記第3の表面の温度分布を測定する測定工程と、
    前記温度分布の測定結果に基づき、前記第2の板状部材の前記第3の表面に露出した前記ヒータ電極の一部分を研削することによって前記ヒータ電極の発熱量を調整する調整工程と、
    を備え、
    前記第2の配置工程は、前記調整工程後に実行される、
    ことを特徴とする保持装置の製造方法。
  5. 請求項4に記載の保持装置の製造方法において、
    前記第2の板状部材は、前記第3の表面に直交する第1の方向視で略円形であり、
    前記保持装置は、複数の前記ヒータ電極を備え、
    前記複数のヒータ電極のそれぞれは、前記第2の板状部材を、前記第1の方向視で、前記第2の板状部材の外周線と同心の少なくとも1つの円形の仮想分割線で複数のセグメントに仮想的に分割したときの各前記セグメントに配置されている、
    ことを特徴とする保持装置の製造方法。
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