JP7280663B2 - 保持装置 - Google Patents

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Description

本明細書に開示される技術は、対象物を保持する保持装置に関する。
例えば半導体を製造する際にウェハを保持する保持装置として、静電チャックが用いられる。静電チャックは、所定の方向(以下、「第1の方向」という)に略垂直な略平面状の表面(以下、「吸着面」という)を有するセラミックス部材と、セラミックス部材の内部に設けられたチャック電極とを備えており、チャック電極に電圧が印加されることにより発生する静電引力を利用して、セラミックス部材の吸着面にウェハを吸着して保持する。
静電チャックの吸着面に保持されたウェハの温度が所望の温度にならないと、ウェハに対する各処理(成膜、エッチング等)の精度が低下するおそれがあるため、静電チャックにはウェハの温度分布を制御する性能が求められる。そのため、例えば、セラミックス部材の内部に複数のヒータ電極が設けられる。各ヒータ電極に電圧が印加されると、各ヒータ電極が発熱することによってセラミックス部材が加熱され、これにより、セラミックス部材の吸着面の温度分布の制御(ひいては、吸着面に保持されたウェハの温度分布の制御)が実現される。
各ヒータ電極は、ドライバ電極を介して給電端子と電気的に接続されるため、ドライバ電極における電流経路部分(ヒータ電極に供給する電流が流れる経路)では、電流経路部分以外の部分より発熱量が大きくなることがある。このような場合、ドライバ電極における電流経路部分では電流経路部分以外の部分に比べて温度が高くなるため、セラミックス部材の吸着面の温度分布の制御(ひいては、吸着面に保持されたウェハの温度分布の制御)に影響を及ぼすことがある。当該電流経路部分における発熱を抑制するために、電流経路部分を当該電流経路部分以外の部分より厚みを厚くする構成が採用されることがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2015-191837号公報
上記複数のヒータ電極が、ドライバ電極に対して並列に接続された構成が採用されることがある。このような構成において、各ヒータ電極に対応する上述した電流経路部分同士が重なる部分(以下、「重複部分」という)が存在する場合がある。その場合、重複部分では当該電流経路部分のうちの重複部分以外の部分(以下、「非重複部分」ともいう)に比べて流れる電流の量が大きくなるため、重複部分における発熱量は当該非重複部分より大きくなり、重複部分が高温の温度特異点となるおそれがある。しかしながら、ドライバ電極において、電流経路部分の厚みを当該非重複部分の厚みより厚くする上記従来の構成だけでは、上記電流経路部分のうちの重複部分が高温の温度特異点となることを抑制することができない。そのため、従来の静電チャックでは、セラミックス部材の吸着面の温度分布の制御性(ひいては、ウェハの温度分布の制御性)の点で向上の余地がある。
なお、このような課題は、静電引力を利用してウェハを保持する静電チャックに限らず、セラミックス部材を備え、セラミックス部材の表面上に対象物を保持する保持装置一般に共通の課題である。
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本明細書に開示される保持装置は、第1の方向に略垂直な略平面状の第1の表面を有するセラミックス部材と、前記セラミックス部材の内部に配置された線状の第1のヒータ電極および第2のヒータ電極と、第1の給電端子と、前記セラミックス部材の内部に配置され、前記第1のヒータ電極の一方の端部と前記第2のヒータ電極の一方の端部と前記第1の給電端子とに電気的に接続されるドライバ電極と、を備え、前記セラミックス部材の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置において、前記ドライバ電極は、前記第1の給電端子に電気的に接続される第1の給電部分と、前記第1のヒータ電極の前記一方の端部に電気的に接続される第1の接続部分と、前記第1の給電部分と前記第1の接続部分との間に位置し、前記第2のヒータ電極の前記一方の端部に電気的に接続される第2の接続部分と、前記第1の給電部分と前記第1の接続部分との間の第1の電流経路部分と、前記第1の給電部分と前記第2の接続部分との間の第2の電流経路部分と、を含んでおり、前記第2の電流経路部分は、前記第1の方向視で前記第1の電流経路部分と重なる重複部分を有し、前記第2の電流経路部分の前記重複部分における、前記第2の接続部分から前記第1の給電部分に向かう方向に略直交する前記第2の電流経路部分の前記重複部分の断面の面積は、前記第1の電流経路部分の内、前記第1の接続部分と前記第2の接続部分の間の領域における、前記第1の接続部分から前記第1の給電部分に向かう方向に略直交する前記第1の電流経路部分の断面の面積より大きい。本保持装置によれば、第1のヒータ電極および第2のヒータ電極が電気的に並列に接続された構成において、ドライバ電極は第1の給電端子に電気的に接続される第1の給電部分と、第1のヒータ電極の端部に電気的に接続される第1の接続部分と、第2のヒータ電極の端部に電気的に接続される第2の接続部分とを含んでいる。また、ドライバ電極において、第2の接続部分は、第1の給電部分と第1の接続部分との間に位置している。さらに、ドライバ電極は、第1の給電部分と第1の接続部分との間の第1の電流経路部分と、第1の給電部分と第2の接続部分との間の第2の電流経路部分とを含んでいる。そして、第2の電流経路部分は、第1の方向視で第1の電流経路部分と重なる重複部分を有する。このような構成において、第2の電流経路部分の重複部分を流れる電流の量は、第1の電流経路部分において第1の接続部分と第2の接続部分の間の領域を流れる電流の量に比べて大きく、ドライバ電極において第2の電流経路部分の重複部分は高温の温度特異点となりやすい。しかしながら、上述したように、本保持装置では、第2の電流経路部分の重複部分における、第2の接続部分から第1の給電部分に向かう方向に略直交する第2の電流経路部分の重複部分の断面の面積は、第1の電流経路部分の内、第1の接続部分と第2の接続部分の間の領域における、第1の接続部分から第1の給電部分に向かう方向に略直交する第1の電流経路部分の断面の面積より大きい。このため、流れる電流の量が大きい部分である第2の電流経路部分の重複部分における電気抵抗を低減させ、ひいては、高温の温度特異点の発生を抑制することができる。
(2)上記保持装置において、前記第1の方向で、前記第2の電流経路部分の前記重複部分の前記断面の厚みは、前記第1の電流経路部分の前記断面の厚みより厚い構成としてもよい。このような構成を採用することにより、本保持装置では、ドライバ電極の内、流れる電流の量が大きいことにより高温の温度特異点となりやすい、第2の電流経路部分の重複部分における電気抵抗を低減させることができ、ひいては、高温の温度特異点の発生を抑制することができる。
(3)上記保持装置において、前記第1の電流経路部分において、前記第2の電流経路部分の前記重複部分と、前記第2の電流経路部分の前記重複部分以外の部分との間には段差部が設けられている構成としてもよい。このような構成を採用することにより、本保持装置では、第1の電流経路部分内における、第2の電流経路部分の重複部分内での温度ムラ、および、当該非重複部分内での温度ムラを緩和することができる。
(4)上記保持装置において、前記セラミックス部材の内部に配置された線状の第3のヒータ電極、をさらに備え、前記ドライバ電極は、前記第1の接続部分に対して前記第2の接続部分の反対側に位置し、前記第3のヒータ電極の一方の端部に電気的に接続される第3の接続部分と、前記第1の給電部分と前記第3の接続部分との間の第3の電流経路部分と、を含んでおり、前記第3の電流経路部分は、前記第1の方向視で前記第1の電流経路部分と重なる重複部分を有し、前記第3の電流経路部分の前記重複部分の内、前記第1の接続部分と前記第2の接続部分の間の領域における、前記第1の接続部分から前記第1の給電部分に向かう方向に略直交する前記第3の電流経路部分の前記重複部分の断面の面積は、前記第3の電流経路部分の内、前記第1の接続部分と前記第3の接続部分の間の領域における、前記第3の接続部分から前記第1の給電部分に向かう方向に略直交する前記第3の電流経路部分の断面の面積より大きい構成としてもよい。本保持装置によれば、第1のヒータ電極、第2のヒータ電極および第3のヒータ電極が電気的に並列に接続された構成において、ドライバ電極はさらに第3のヒータ電極の一方の端部に電気的に接続される第3の接続部分を含んでいる。また、ドライバ電極において、第3の接続部分は、第1の接続部分に対して第2の接続部分の反対側に位置している。さらに、ドライバ電極は、第1の給電部分と第3の接続部分との間の第3の電流経路部分を含み、この第3の電流経路部分は、第1の方向視で第1の電流経路部分と重なる重複部分を有する。このような構成において、第3の電流経路部分の重複部分の内、第1の接続部分と第2の接続部分の間の領域を流れる電流の量は、第3の電流経路部分において第1の接続部分と第3の接続部分の間の領域を流れる電流の量に比べて大きく、ドライバ電極において第3の電流経路部分の重複部分の内の第1の接続部分と第2の接続部分の間の領域は、第3の電流経路部分における第1の接続部分と第3の接続部分の間の領域に比べて高温の温度特異点となりやすい。本保持装置では、第3の電流経路部分の重複部分の内の第1の接続部分と第2の接続部分の間の領域における、第1の接続部分から第1の給電部分に向かう方向に略直交する第3の電流経路部分の重複部分の断面の面積は、第3の電流経路部分の内の第1の接続部分と第3の接続部分の間の領域における、第3の接続部分から第1の給電部分に向かう方向に略直交する第3の電流経路部分の断面の面積より大きい。このため、流れる電流の量が大きい部分である第3の電流経路部分の重複部分の内の第1の接続部分と第2の接続部分の間の領域における電気抵抗を低減させ、ひいては、高温の温度特異点の発生を抑制することができる。
(5)本明細書に開示される保持装置は、第1の方向に略垂直な略平面状の第1の表面を有するセラミックス部材と、前記セラミックス部材の内部に配置された線状の第1のヒータ電極および第2のヒータ電極と、第1の給電端子および第2の給電端子と、前記セラミックス部材の内部に配置され、前記第1のヒータ電極の一方の端部と前記第2のヒータ電極の一方の端部と前記第1の給電端子とに電気的に接続されるドライバ電極と、を備え、前記セラミックス部材の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置において、前記ドライバ電極は、前記第1の給電端子に電気的に接続される第1の給電部分と、前記第1のヒータ電極の前記一方の端部に電気的に接続される第1の接続部分と、前記第1の給電部分と前記第1の接続部分との間に位置し、前記第2のヒータ電極の前記一方の端部に電気的に接続される第2の接続部分と、前記第1の給電部分と前記第1の接続部分との間の第1の電流経路部分と、前記第1の給電部分と前記第2の接続部分との間の第2の電流経路部分と、を含んでおり、前記第2の電流経路部分は、前記第1の方向視で前記第1の電流経路部分と重なる重複部分を有し、前記第2の電流経路部分の前記重複部分における、前記第2の接続部分から前記第1の給電部分に向かう方向に略直交する前記第2の電流経路部分の前記重複部分の断面の厚みは、前記第1の電流経路部分の内、前記第1の接続部分と前記第2の接続部分の間の領域における、前記第1の接続部分から前記第1の給電部分に向かう方向に略直交する前記第1の電流経路部分の断面の厚みより厚い。本保持装置によれば、第1のヒータ電極および第2のヒータ電極が電気的に並列に接続された構成において、ドライバ電極は第1の給電端子に電気的に接続される第1の給電部分と、第1および第2のヒータ電極の各一方の端部に電気的に接続される第1および第2の接続部分とを含んでいる。また、ドライバ電極において、第2の接続部分は、第1の給電部分と第1の接続部分との間に位置している。さらに、ドライバ電極は、第1の給電部分と第1の接続部分との間の第1の電流経路部分と、第1の給電部分と第2の接続部分との間の第2の電流経路部分とを含んでいる。そして、第2の電流経路部分は、第1の方向視で第1の電流経路部分と重なる重複部分を有する。このような構成において、第2の電流経路部分の重複部分を流れる電流の量は、第1の電流経路部分において第1の接続部分と第2の接続部分の間の領域を流れる電流の量に比べて大きく、ドライバ電極において第2の電流経路部分の重複部分は高温の温度特異点となりやすい。本保持装置では、第2の電流経路部分の重複部分における、第2の接続部分から第1の給電部分に向かう方向に略直交する第2の電流経路部分の重複部分の断面の厚みを、第1の電流経路部分の内、第1の接続部分と第2の接続部分の間の領域における、第1の接続部分から第1の給電部分に向かう方向に略直交する第1の電流経路部分の断面の厚みより厚くすることにより、流れる電流の量が大きい部分である第2の電流経路部分の重複部分における電気抵抗を低減させ、ひいては、高温の温度特異点の発生を抑制することができる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、保持装置、静電チャック、CVDヒータ等のヒータ装置、真空チャック、それらの製造方法等の形態で実現することが可能である。
本実施形態における静電チャック100の外観構成を概略的に示す斜視図である。 本実施形態における静電チャック100のXZ断面構成を概略的に示す説明図である。 本実施形態における静電チャック100のXY断面構成を概略的に示す説明図である。 本実施形態における静電チャック100のXY断面構成を概略的に示す説明図である。 本実施形態の静電チャック100の第1のドライバ電極60xにおける第1のヒータ側ビア721および第1の給電側ビア711の位置関係を示す説明図である。 本実施形態の静電チャック100の第1のドライバ電極60xにおける電流経路部分を示す説明図である。 本実施形態の静電チャック100の第1のドライバ電極60xにおける第1のヒータ側ビア721および第1の給電側ビア711の位置関係および第1のドライバ電極60xのXZ断面構成を示す説明図である。 変形例の静電チャック100の第1のドライバ電極60xにおける第1のヒータ側ビア721および第1の給電側ビア711の位置関係を示す説明図である。 変形例の静電チャック100の第1のドライバ電極60xにおける電流経路部分を示す説明図である。
A.実施形態:
A-1.静電チャック100の構成:
図1は、本実施形態における静電チャック100の外観構成を概略的に示す斜視図であり、図2は、本実施形態における静電チャック100のXZ断面構成を概略的に示す説明図であり、図3および図4は、本実施形態における静電チャック100のXY断面構成を概略的に示す説明図である。図2には、図3および図4のII-IIの位置における静電チャック100のXZ断面構成が示されており、図3には、図2のIII-IIIの位置における静電チャック100のXY断面構成が示されており、図4には、図2のIV-IVの位置における静電チャック100のXY断面構成が示されている。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向といい、Z軸負方向を下方向というものとするが、静電チャック100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。
静電チャック100は、対象物(例えばウェハW)を静電引力により吸着して保持する装置であり、例えば半導体製造装置の真空チャンバー内でウェハWを固定するために使用される。静電チャック100は、所定の配列方向(本実施形態では上下方向(Z軸方向))に並べて配置されたセラミックス部材10およびベース部材20を備える。セラミックス部材10とベース部材20とは、セラミックス部材10の下面S2(図2参照)とベース部材20の上面S3とが上記配列方向に対向するように配置される。
セラミックス部材10は、上述した配列方向(Z軸方向)に略直交する略円形平面状の上面(以下、「吸着面」という)S1を有する板状部材であり、セラミックス(例えば、アルミナや窒化アルミニウム等)により形成されている。セラミックス部材10の直径は例えば50mm~500mm程度(通常は200mm~350mm程度)であり、セラミックス部材10の厚さは例えば1mm~10mm程度である。セラミックス部材10の吸着面S1は、特許請求の範囲における第1の表面に相当し、Z軸方向は、特許請求の範囲における第1の方向に相当する。また、本明細書では、Z軸方向に直交する方向を「面方向」という。
図2に示すように、セラミックス部材10の内部には、導電性材料(例えば、タングステン、モリブデン、白金等)により形成されたチャック電極40が配置されている。Z軸方向視でのチャック電極40の形状は、例えば略円形である。チャック電極40に電源(図示しない)から電圧が印加されると、静電引力が発生し、この静電引力によってウェハWがセラミックス部材10の吸着面S1に吸着固定される。
セラミックス部材10の内部には、セラミックス部材10の吸着面S1の温度分布の制御(すなわち、吸着面S1に保持されたウェハWの温度分布の制御)のためのヒータ電極層50と、ヒータ電極層50への給電のための構成とが配置されている。これらの構成については、後に詳述する。
ベース部材20は、例えばセラミックス部材10と同径の、または、セラミックス部材10より径が大きい円形平面の板状部材であり、例えば金属(アルミニウムやアルミニウム合金等)により形成されている。ベース部材20の直径は例えば220mm~550mm程度(通常は220mm~350mm)であり、ベース部材20の厚さは例えば20mm~40mm程度である。
ベース部材20は、セラミックス部材10の下面S2とベース部材20の上面S3との間に配置された接合部30によって、セラミックス部材10に接合されている。接合部30は、例えばシリコーン系樹脂やアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等の接着材により構成されている。接合部30の厚さは、例えば0.1mm~1mm程度である。なお、接合部30は、セラミックス部材10の下面S2の全面に配置されていてもよく、または、下面S2の一部のみに配置されていてもよい。
ベース部材20の内部には冷媒流路21が形成されている。冷媒流路21に冷媒(例えば、フッ素系不活性液体や水等)が流されると、ベース部材20が冷却され、接合部30を介したベース部材20とセラミックス部材10との間の伝熱(熱引き)によりセラミックス部材10が冷却され、セラミックス部材10の吸着面S1に保持されたウェハWが冷却される。これにより、ウェハWの温度分布の制御が実現される。
A-2.ヒータ電極層50等の構成:
次に、ヒータ電極層50の構成およびヒータ電極層50への給電のための構成について詳述する。上述したように、静電チャック100は、チャック電極40とセラミックス部材10の下面S2との間にヒータ電極層50を備える(図2参照)。ヒータ電極層50は、導電性材料(例えば、タングステン、モリブデン、白金等)により形成されている。
図4に示すように、ヒータ電極層50は、複数のヒータ電極500を含んでいる。なお、図4では、静電チャック100が備える複数のヒータ電極500のうち3つのヒータ電極のみを図示しており、他のヒータ電極500の図示を省略している。以下、この3つのヒータ電極500を、それぞれ、第1のヒータ電極500a、第2のヒータ電極500bおよび第3のヒータ電極500cという。
各ヒータ電極500は、ヒータライン部510とヒータパッド部(第1のヒータパッド部521および第2のヒータパッド部522)とを有する。ヒータライン部510は、Z軸方向視で線状、かつ、略円周状または略螺旋状に延びる形状の抵抗発熱体である。第1のヒータパッド部521および第2のヒータパッド部522は、それぞれ、ヒータライン部510の両端部に接続されている。第1のヒータパッド部521および第2のヒータパッド部522の形状は、例えば、Z軸方向視で略円形である。第1のヒータパッド部521および第2のヒータパッド部522の幅は、Z軸方向視で、ヒータライン部510の幅より大きい。ここで、ヒータライン部510の幅は、ヒータライン部510の軸線に略直交する方向の幅であり、ヒータパッド部521,522の幅は、ヒータライン部510の軸線の延長線に略直交する方向の幅である(後述の図4参照)。
また、図2に示すように、静電チャック100は、ヒータ電極層50を構成する各ヒータ電極500への給電のための構成を備えている。具体的には、静電チャック100は、第1の給電端子741、第1の電極パッド731、第1の給電側ビア711、ドライバ電極60、第1のヒータ側ビア721、第2のヒータ側ビア722、第2の給電側ビア712、第2の電極パッド732および第2の給電端子742を備える。
ドライバ電極60は、図3に示すように、ヒータ電極層50とセラミックス部材10の下面S2との間の、面方向に平行な所定の領域に形成されている。具体的には、本実施形態の静電チャック100は、8つのドライバ電極60を備えており、この8つのドライバ電極60は、それぞれ、Z軸方向視で、セラミックス部材10の中心を基準として8つの略扇形状に区切られた領域内に形成されている。ドライバ電極60は、導電性材料(例えば、タングステン、モリブデン、白金等)により形成されている。
本実施形態では、8つのドライバ電極60のうち、第1のドライバ電極60xおよび第2のドライバ電極60yに対して、第1のヒータ電極500a、第2のヒータ電極500bおよび第3のヒータ電極500cが電気的に並列に接続されている。具体的に、第1のヒータ電極500aについて説明すると、図2および図4に示すように、第1のヒータ電極500aの第1のヒータパッド部521aは、第1のヒータ側ビア721aの一方の端部に接合されている。第1のヒータ側ビア721aの他方の端部は、第1のドライバ電極60xに接合されている。同様に、第1のヒータ電極500aの第2のヒータパッド部522aは、第2のヒータ側ビア722aの一方の端部に接合されている。第2のヒータ側ビア722aの他方の端部は、第2のドライバ電極60yに接合されている。また、ヒータ側ビア721a,722aは、導電性材料により形成されている。ヒータ側ビア721a,722aは、それぞれ、複数(本実施形態では、4つ)のビアで構成されている(後述の図5参照)。第2のヒータ電極500bおよび第3のヒータ電極500cについても、第1のヒータ電極500aと同様であるため、説明を省略する。
また、図2に示すように、静電チャック100には、ベース部材20の下面S4からセラミックス部材10の内部に至る第1の端子用孔110および第2の端子用孔120が形成されている。第1の端子用孔110および第2の端子用孔120は、ベース部材20を上下方向に貫通する貫通孔22と、接合部30を上下方向に貫通する貫通孔32と、セラミックス部材10の下面S2側に形成された凹部12とが、互いに連通することにより構成された一体の孔である。
第1の端子用孔110には、柱状の第1の給電端子741が収容されている。また、第1の端子用孔110を構成するセラミックス部材10の凹部12の底面には、第1の電極パッド731が設けられている。第1の給電端子741は、第1の電極パッド731に接合されている。また、第1の電極パッド731は、第1の給電側ビア711の一方の端部に接合されている。第1の給電側ビア711の他方の端部は、第1のドライバ電極60xに接合されている。同様に、第2の端子用孔120には、柱状の第2の給電端子742が収容されている。また、第2の端子用孔120を構成するセラミックス部材10の凹部12の底面には、第2の電極パッド732が設けられている。第2の給電端子742は、第2の電極パッド732に接合されている。また、第2の電極パッド732は、第2の給電側ビア712の一方の端部に接合されている。第2の給電側ビア712の他方の端部は、第2のドライバ電極60yに接合されている。また、給電端子741,742、電極パッド731,732、給電側ビア711,712は、導電性材料により形成されている。第1の電極パッド731および第2の電極パッド732の形状は、例えば、Z軸方向視で略円形である。また、第1の給電側ビア711および第2の給電側ビア712は、それぞれ、複数(本実施形態では、4つ)のビアで構成されている(後述の図5参照)。
第1の給電端子741は、第1の電極パッド731および第1の給電側ビア711を介して、第1のドライバ電極60xに電気的に接続される。第2の給電端子742は、第2の電極パッド732および第2の給電側ビア712を介して、第2のドライバ電極60yに電気的に接続される。第1のヒータ電極500aは、第1のヒータ側ビア721aおよび第1のヒータパッド部521aを介して、第1のドライバ電極60xに電気的に接続され、かつ、第2のヒータ側ビア722aおよび第2のヒータパッド部522aを介して、第2のドライバ電極60yに電気的に接続される。第2のヒータ電極500bは、第1のヒータ側ビア721bおよび第1のヒータパッド部521bを介して、第1のドライバ電極60xに電気的に接続され、かつ、第2のヒータ側ビア722bおよび第2のヒータパッド部522bを介して、第2のドライバ電極60yに電気的に接続される。第3のヒータ電極500cは、第1のヒータ側ビア721cおよび第1のヒータパッド部521cを介して、第1のドライバ電極60xに電気的に接続され、かつ、第2のヒータ側ビア722cおよび第2のヒータパッド部522cを介して、第2のドライバ電極60yに電気的に接続される。このように、第1のヒータ電極500a、第2のヒータ電極500bおよび第3のヒータ電極500cは、第1の給電端子741および第2の給電端子742に対して、電気的に並列に接続されている。このような構成において、第1の給電端子741および第2の給電端子742が、電源(図示せず)に接続されると、電源からの電圧が、第1のヒータ電極500a、第2のヒータ電極500bおよび第3のヒータ電極500cに印加される。第1のヒータ電極500a、第2のヒータ電極500bおよび第3のヒータ電極500cに電圧が印加されると、第1のヒータ電極500a、第2のヒータ電極500bおよび第3のヒータ電極500cが発熱してセラミックス部材10が加熱され、これにより、セラミックス部材10の吸着面S1の温度分布の制御(すなわち、吸着面S1に保持されたウェハWの温度分布の制御)が実現される。
A-3.第1のドライバ電極60xの詳細構成:
次に、第1のドライバ電極60xの詳細構成について詳述する。上述の通り、第1のドライバ電極60xは、Z軸方向視で扇形である(図3参照)。
図5は、本実施形態の静電チャック100の第1のドライバ電極60xにおける3つの第1のヒータ側ビア721および第1の給電側ビア711の位置関係を示す説明図である。図6は、本実施形態の静電チャック100の第1のドライバ電極60xにおける電流経路部分を示す説明図である。図7は、本実施形態の静電チャック100の第1のドライバ電極60xにおける第1のヒータ側ビア721および第1の給電側ビア711の位置関係および第1のドライバ電極60xのXZ断面構成を示す説明図である。なお、以下では、3つの第1のヒータ側ビア721を、それぞれ、第1のヒータ側ビア721a、第1のヒータ側ビア721bおよび第1のヒータ側ビア721cともいう。
A-3-1.第1の給電部分812および第1の接続部分821a等の詳細説明:
図5に示すように、第1のドライバ電極60xは、第1の給電部分812と、第1の接続部分821aと、第2の接続部分821bと、第3の接続部分821cとを含んでいる。第1の給電部分812は、第1の給電側ビア711を介して第1の給電端子741に電気的に接続されている。また、第1の給電部分812は、第1のドライバ電極60xのうち、Z軸方向視で、複数の第1の給電側ビア711の全てを含む部分であり、本実施形態では、Z軸方向視で第1の電極パッド731の外周円で囲まれる部分である。第1の接続部分821aは、第1のヒータ側ビア721aを介して第1のヒータ電極500aの一方の端部である第1のヒータパッド部521aに電気的に接続されている。また、第1の接続部分821aは、第1のドライバ電極60xのうち、Z軸方向視で、複数の第1のヒータ側ビア721aの全てを含む部分であり、本実施形態では、Z軸方向視で第1のヒータパッド部521aの外周円で囲まれる部分である。第2の接続部分821bは、第1の給電部分812と第1の接続部分821aとの間に位置し、第1のヒータ側ビア721bを介して第2のヒータ電極500bの一方の端部である第1のヒータパッド部521bに電気的に接続されている。また、第2の接続部分821bは、第1のドライバ電極60xのうち、Z軸方向視で、複数の第1のヒータ側ビア721bの全てを含む部分であり、本実施形態では、Z軸方向視で第1のヒータパッド部521bの外周円で囲まれる部分である。第3の接続部分821cは、第1の接続部分821aに対して第2の接続部分821bの反対側に位置し、第1のヒータ側ビア721cを介して第3のヒータ電極500cの一方の端部である第1のヒータパッド部521cに電気的に接続されている。第3の接続部分821cは、第1のドライバ電極60xのうち、Z軸方向視で、複数の第1のヒータ側ビア721cの全てを含む部分であり、本実施形態では、Z軸方向視で第1のヒータパッド部521cの外周円で囲まれる部分である。本実施形態において、第1の給電部分812と、第1の接続部分821aと、第2の接続部分821bと、第3の接続部分821cとは同一直線上に位置している。以下では、第1の給電部分812の最も近くに位置する第2の接続部分821bを「最近接続部分821b」、第1の給電部分812から最も遠くに位置する第3の接続部分821cを「最遠接続部分821c」、最近接続部分821bと最遠接続部分821cの間に位置する第1の接続部分821aを「中間接続部分821a」ともいう。なお、本実施形態では、第1の電極パッド731および第1のヒータパッド部521a,521b,521cは、同一の直径を有する略円形であるため、第1の給電部分812および接続部分821a,821b,821cも、同一の直径を有する略円形となる。
A-3-2.第1の電流経路部分Raおよび重複部分Rab等の詳細説明:
図5および図6に示すように、第1のドライバ電極60xは、第1の電流経路部分Ra、第2の電流経路部分Rbおよび第3の電流経路部分Rcを含んでいる。第1の電流経路部分Raは、第1の給電部分812と中間接続部分821aとの間の電流が流れる部分である。第2の電流経路部分Rbは、第1の給電部分812と最近接続部分821bとの間の電流が流れる部分である。第3の電流経路部分Rcは、第1の給電部分812と最遠接続部分821cとの間の電流が流れる部分である。本実施形態において、第1の電流経路部分Raは、第1の給電部分812、中間接続部分821aおよび両者の間を含む帯状の部分である。上述したように、第1の給電部分812と中間接続部分821aとは同一の直径である。このため、第1の電流経路部分Ra内の短手方向における幅は全長に亘って略同一である。このような第1の電流経路部分Raは次のように規定することができる。まず、中間接続部分821aおよび第1の給電部分812に対して、中間接続部分821aの外周線と第1の給電部分812の外周線との両方に対する2つの接線TLを規定する(図6のA参照)。この場合に、第1の電流経路部分Raは、2つの接線TLと中間接続部分821aの外周線と第1の給電部分812の外周線とにより囲まれた部分であり、中間接続部分821aおよび第1の給電部分812を含む部分によって形成される部分として規定することができる(図6のA参照)。また、第2の電流経路部分Rbおよび第3の電流経路部分Rcについても、第1の電流経路部分Raと同様に帯状の部分であり、第2の電流経路部分Rbおよび第3の電流経路部分Rc内の短手方向における幅は、いずれも全長に亘って略同一である。第2の電流経路部分Rb(図6のB参照)および第3の電流経路部分Rc(図6のD参照)についても、第1の電流経路部分Raと同様に規定することができるため、説明を省略する。
第2の電流経路部分Rbは、Z軸方向視で第1の電流経路部分Raと重なる重複部分Rabを有し、第3の電流経路部分Rcは、Z軸方向視で第1の電流経路部分Raと重なる重複部分Racを有している。本実施形態では、上述の通り、第1の給電部分812および接続部分821a,821b,821cは同一直線上に位置しており、短手方向における幅は同一である。従って、第2の電流経路部分Rbのうちの全ての部分は第1の電流経路部分Raと重なるため、重複部分Rabは第2の電流経路部分Rbと同一の部分となる(図6のC参照)。また、第1の電流経路部分Raのうちの全ての部分は第3の電流経路部分Rcと重なるため、重複部分Racは第1の電流経路部分Raと同一の部分となる(図6のE参照)。
図5および図7に示される接線SL1,SL2,SL3,SL4および領域A1,A2,A3について説明する。上述したように、本実施形態では、第1の給電部分812、接続部分821a,821b,821cが同一直線上に位置している。そのため、接線SL1,SL2,SL3,SL4は、最遠接続部分821cと第1の給電部分812の並び方向(X軸方向)に直交する、互いに平行な直線である。具体的には、接線SL1は、最遠接続部分821cのうち中間接続部分821aから最も遠い点に接する接線である。接線SL2は、中間接続部分821aのうち最近接続部分821bから最も遠い点に接する接線である。接線SL3は、最近接続部分821bのうち第1の給電部分812から最も遠い点に接する接線である。接線SL4は、第1の給電部分812のうち最近接続部分821bに最も近い点に接する接線である。そして、領域A1は、中間接続部分821aと最近接続部分821bの間の領域であり、具体的には、接線SL2および接線SL3で区切られた領域であって中間接続部分821aを含む領域である。領域A2は、最近接続部分821bと第1の給電部分812の間の領域であり、具体的には、接線SL3および接線SL4で区切られた領域であって、最近接続部分821bを含む領域である。領域A3は、最近接続部分821bと第1の給電部分812の間の領域であり、具体的には、接線SL1および接線SL2で区切られた領域であって、最近接続部分821bを含む領域である。
A-3-3.第1の電流経路部分Raの断面Xa等の詳細説明:
図5、図6および図7に示すように、第1の電流経路部分Raの断面Xaは、第1の電流経路部分Raの内、領域A1における、中間接続部分821aから第1の給電部分812に向かう方向に略直交する断面である。重複部分Racの断面Xaは、上述の通り、重複部分Racが第1の電流経路部分Raと同一の部分であるため、第1の電流経路部分Raの断面Xaと同一である。第3の電流経路部分Rcの断面Xcは、第3の電流経路部分Rcの内、領域A3における、最遠接続部分821cから第1の給電部分812に向かう方向に略直交する断面である。重複部分Rabの断面Xbは、重複部分Rabにおける、最近接続部分821bから第1の給電部分812に向かう方向に略直交する断面である。重複部分Rabの断面Xbは、上述の通り、重複部分Rabが第2の電流経路部分Rbと同一の部分であるため、第2の電流経路部分Rbの断面Xbと同一である。本実施形態の第1のドライバ電極60xでは、第2の電流経路部分Rb(重複部分Rab)の断面Xbの面積は、第1の電流経路部分Raの内、領域A1における第1の電流経路部分Ra(重複部分Rac)の断面Xaの面積より大きい。また、本実施形態の第1のドライバ電極60xでは、領域A1における第1の電流経路部分Ra(重複部分Rac)の断面Xaの面積は、第3の電流経路部分Rcの内、領域A3における第3の電流経路部分Rcの断面Xcの面積より大きい。上述の通り、本実施形態では、Z軸方向視で電流経路部分Ra,Rb,Rcの短手方向における幅は全長に亘って略同一である。このため、Z軸方向における、電流経路部分Ra,Rb,Rcにおける厚みは互いに異なる。すなわち、本実施形態では、領域A1の第1の電流経路部分Ra(重複部分Rac)の断面Xaにおける厚みTaは、領域A3の第3の電流経路部分Rcの断面Xcの厚みTcに対して断面Xcの厚みTcを加えた厚みである。また、領域A2の第2の電流経路部分Rb(重複部分Rab)の断面Xbにおける厚みTbは、領域A1の第1の電流経路部分Ra(重複部分Rac)の断面Xaの厚みTaに対して領域A3の第3の電流経路部分Rcの断面Xcの厚みTcを加えた厚みである。領域A1、領域A2、領域A3のそれぞれにおいて、厚みは一律である。なお、第1の電流経路部分Ra(重複部分Rac)の断面Xaは、第1の電流経路部分Raの内、領域A1における第1の電流経路部分Raの長手方向の中心位置での断面である。重複部分Rabの断面Xbは、第2の電流経路部分Rbの内、領域A2における第2の電流経路部分Rbの長手方向の中心位置での断面である。第3の電流経路部分Rcの断面Xcは、第3の電流経路部分Rcの内、領域A3における第3の電流経路部分Rcの長手方向の中心位置での断面である。
図5および図7に示すように、本実施形態の第1のドライバ電極60xでは、第1の電流経路部分Raにおいて、重複部分Rabと重複部分Rab以外の部分との間には段差部900aが設けられており、かつ、第3の電流経路部分Rcにおいて、重複部分Racと重複部分Rac以外の部分との間には段差部900bが設けられている。すなわち、第1のドライバ電極60xの吸着面S1側の面がZ軸方向において面一であるのに対して、第1のドライバ電極60xの吸着面S1と反対側の面は、Z軸方向において、領域A3、領域A1、領域A2の順に、下方へ向かって階段状に下がっている(図7参照)。本実施形態では、段差部900aは第1の電流経路部分Raにおける領域A1と領域A2との境界に設けられ、段差部900bは第3の電流経路部分Rcにおける領域A3と領域A1との境界に設けられている。本実施形態では、段差部900aは、Z軸方向視で、セラミックス部材10の中心点を基点として、第1の給電部分812から遠い点で最近接続部分821bに接する略円弧上に設けられている。また、段差部900bは、Z軸方向視で、セラミックス部材10の中心点を基点として、第1の給電部分812から遠い点で中間接続部分821aに接する略円弧上に設けられている。
A-4.第1のドライバ電極60xでの電流の流れ:
上述したように、本実施形態では、第1のドライバ電極60xおよび第2のドライバ電極60yに対して、第1のヒータ電極500a、第2のヒータ電極500bおよび第3のヒータ電極500cが電気的に並列に接続されている。このような場合では、図7に示すように、第1のドライバ電極60xを流れる電流の量は、第3の電流経路部分Rcの領域A3では、第1のヒータ側ビア721cを介して第1のヒータパッド部521cから流れる電流の量である電流I3となる。第1の電流経路部分Raの領域A1では、第1のヒータ側ビア721aを介して第1のヒータパッド部521aから流れる電流I1に電流I3を加えた電流の量である電流I1+I3となる。第2の電流経路部分Rbの領域A2では、第1のヒータ側ビア721bを介して第1のヒータパッド部521cから流れる電流I2に電流I1+I3を加えた電流の量である電流I1+I2+I3となる。上述の通り、第1の電流経路部分Raの領域A1を流れる電流の量は、第3の電流経路部分Rcの領域A3に比べて大きく、第2の電流経路部分Rbを流れる電流の量は、第1の電流経路部分Raの領域A1に比べて大きい。本実施形態では、流れる電流の量が大きい部分ほど第1のドライバ電極60xの厚みを厚くしている。すなわち、第1の電流経路部分Raの領域A1における断面Xaの厚みTaは、第3の電流経路部分Rcの領域A3における断面Xcの厚みTcに比べて厚く、第2の電流経路部分Rbの断面Xbの厚みTbは、第1の電流経路部分Raの領域A1における断面Xaの厚みTaに比べて大きい。このような構成とすることにより、電流の量が大きい部分での電気抵抗を低減させ、当該部分が高温の温度特異点となることを抑制することができる。また、本実施形態では、第1の電流経路部分Raにおいて、重複部分Rabと重複部分Rab以外の部分との間には段差部900aが設けられており、かつ、第3の電流経路部分Rcにおいて、重複部分Racと重複部分Rac以外の部分との間には段差部900bが設けられている。すなわち、流れる電流の量が電流I3である第3の電流経路部分Rcの領域A3では一律に厚みTcとなり、流れる電流の量が電流I1+I3である第1の電流経路部分Raの領域A1では一律に厚みTaとなり、流れる電流の量が電流I1+I2+I3である第2の電流経路部分Rbでは一律に厚みTbとなる。このような構成とすることにより、流れる電流の量が同じである部分では、第1のドライバ電極60xの厚みが一律に同じ厚みとなるため、第1の電流経路部分Raの領域A1内、第2の電流経路部分Rb内、および、第3の電流経路部分Rcの領域A3内での温度ムラを緩和することができる。
A-5.静電チャック100の製造方法:
次に、本実施形態における静電チャック100の製造方法を説明する。はじめに、導電性材料層が内部に配置された板状のセラミックス成形体を作製する。セラミックス成形体の作製は、例えば、公知のシート積層法やプレス成形法により行うことができる。
シート積層法によるセラミックス成形体の作製方法の一例は、次の通りである。まず、アルミナ原料とブチラール樹脂と可塑剤と溶剤とを混合し、得られた混合物をドクターブレード法によってシート状に成形することにより、複数枚のセラミックスグリーンシートを作製する。また、所定のセラミックスグリーンシートに対して、スルーホールの形成やビア用インクの充填、チャック電極40、ヒータ電極層50およびドライバ電極60の形成のための電極用インクの塗布等の必要な加工を行う。電極用インクが塗布された箇所が、導電性材料層となる。なお、ビア用インクや電極用インクとしては、例えばタングステンやモリブデン等の導電性材料とアルミナ原料とエトセル(登録商標)樹脂と溶剤とを混合してスラリー状としたメタライズインクが用いられる。その後、複数のセラミックスグリーンシートを積層して熱圧着し、所定のサイズに加工することにより、セラミックス成形体を得る。
第1のドライバ電極60xの詳細な製造方法の一例は、次の通りである。第1のドライバ電極60xの形成のための電極用インクの塗布を行う際、まず、第1のドライバ電極60xを形成する領域全体に、電極用インクを厚みTcで塗布する。次に、重複部分Racが厚みTaとなるように、Z軸方向視で段差部900bより第1の給電部分812側の領域全体に、電極用インクを厚みTcで塗布する。次に、重複部分Rabが厚みTbとなるように、Z軸方向視で段差部900aより第1の給電部分812側の領域全体に、電極用インクを厚みTcで塗布する。このように、第1のドライバ電極60xを製造することにより、断面Xaにおける厚みTaは、断面Xcの厚みTcに対して断面Xcの厚みTcを加えた厚みとなり、断面Xbにおける厚みTbは、断面Xaの厚みTaに対して断面Xcの厚みTcを加えた厚みとなる。
得られたセラミックス成形体を窒素中で脱脂した後、加湿した水素窒素雰囲気で、所定の温度(例えば1500~1600℃)で常圧焼成することにより、板状のセラミックス焼成体を作製する。
次に、セラミックス部材10とベース部材20とを、接合部30を介して接合する。具体的には、セラミックス部材10に加えて、ベース部材20および樹脂系の接着剤(図示せず)を準備する。ベース部材20は、例えばアルミニウム合金により形成される。接着剤は、例えばシリコーン系接着剤である。セラミックス部材10とベース部材20との間に接着剤を配置し、真空中で加圧しつつ加熱する。これにより、接着剤が硬化して接合部30が形成され、セラミックス部材10とベース部材20とが接合部30により接着される。その後、必要により後処理(外周の研磨、端子の形成等)を行う。以上の製造方法により、上述した構成の静電チャック100が製造される。
A-6.本実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態の静電チャック100は、Z軸方向に略垂直な略平面状の吸着面S1を有するセラミックス部材10を備え、セラミックス部材10の吸着面S1上に対象物(例えばウェハW)を保持する保持装置である。静電チャック100は、セラミックス部材10の内部に配置された線状の第1のヒータ電極500a、第2のヒータ電極500bおよび第3のヒータ電極500cと、第1の給電端子741および第2の給電端子742とを備えている。また、静電チャック100は、セラミックス部材10の内部に配置され、第1のヒータ電極500aの一方の端部である第1のヒータパッド部521aと第2のヒータ電極500bの一方の端部である第1のヒータパッド部521bと第1の給電端子741とに電気的に接続される第1のドライバ電極60xとを備えている。また、本実施形態の静電チャック100では、第1のドライバ電極60xは、第1の給電端子741に電気的に接続される第1の給電部分812と、第1のヒータ電極500aの一方の端部である第1のヒータパッド部521aに電気的に接続される中間接続部分821aと、第1の給電部分812と中間接続部分821aとの間に位置し、第2のヒータ電極500bの一方の端部である第1のヒータパッド部521bに電気的に接続される最近接続部分821bとを含んでいる。さらに、本実施形態の静電チャック100では、第2の電流経路部分Rbは重複部分Rabを有し、重複部分Rabの断面Xbの面積は、第1の電流経路部分Raの内、領域A1における第1の電流経路部分Raの断面Xaの面積より大きい。本実施形態の静電チャック100は、このような構成を有しているため、以下に説明するように、流れる電流の量が大きい部分である第2の電流経路部分の重複部分における電気抵抗を低減させ、ひいては、高温の温度特異点の発生を抑制することができる。
このような構成において、重複部分Rabを流れる電流の量(電流I1+I2)は、第1の電流経路部分Raにおいて領域A1を流れる電流の量(電流I1)に比べて大きく、第1のドライバ電極60xにおいて重複部分Rabは高温の温度特異点となりやすい。
しかしながら、上述したように、本実施形態の静電チャック100では、重複部分Rabの断面Xbの面積は、第1の電流経路部分Raの内、領域A1における、第1の電流経路部分Raの断面Xaの面積より大きい。これにより、流れる電流の量が大きい部分である重複部分Rabにおける電気抵抗を低減させ、ひいては、高温の温度特異点の発生を抑制することができる。
また、本実施形態の静電チャック100では、Z軸方向で、重複部分Rabの断面Xbの厚みTbは、第1の電流経路部分Raの断面Xaの厚みTaより厚い。本実施形態の静電チャック100は、このような構成を有しているため、第1のドライバ電極60xの内、流れる電流の量が大きいことにより高温の温度特異点となりやすい、重複部分Rabにおける電気抵抗を低減させることができ、ひいては、高温の温度特異点の発生を抑制することができる。
また、本実施形態の静電チャック100では、第1の電流経路部分Raにおいて、重複部分Rabと重複部分Rab以外の部分との間に段差部900aが設けられている。本実施形態の静電チャック100は、このような構成を有しているため、第1の電流経路部分Ra内における、重複部分Rab内での温度ムラ、および、当該重複部分Rab以外の部分内での温度ムラを緩和することができる。
また、本実施形態の静電チャック100は、セラミックス部材10の内部に配置された線状の第3のヒータ電極500cをさらに備えている。また、本実施形態の静電チャック100では、第1のドライバ電極60xは、中間接続部分821aに対して最近接続部分821bの反対側に位置し、第3のヒータ電極500cの一方の端部である第1のヒータパッド部521cに電気的に接続される最遠接続部分821cと、第1の給電部分812と最遠接続部分821cとの間の第3の電流経路部分Rcとを含んでいる。さらに、本実施形態の静電チャック100では、第3の電流経路部分Rcは、Z軸方向視で第1の電流経路部分Raと重なる重複部分Racを有し、第3の電流経路部分Rcの内、領域A1における重複部分Racの断面Xaの面積は、領域A3における第3の電流経路部分Rcの断面Xcの面積より大きい。本実施形態の静電チャック100では、Z軸方向で、重複部分Racの断面Xaの厚みTaは、第3の電流経路部分Rcの断面Xcの厚みTcより厚い。本実施形態の静電チャック100は、このような構成を有しているため、以下に説明するように、流れる電流の量が大きい部分である重複部分Racにおける電気抵抗を低減させ、ひいては、高温の温度特異点の発生を抑制することができる。
このような構成において、第3の電流経路部分Rcの重複部分Racの内、中間接続部分821aと最近接続部分821bの間の領域A1を流れる電流の量(電流I1+I3)は、第3の電流経路部分Rcにおいて中間接続部分821aと最遠接続部分821cの間の領域A3を流れる電流の量(電流I3)に比べて大きく、第1のドライバ電極60xにおいて第3の電流経路部分Rcの重複部分Racの内の中間接続部分821aと最近接続部分821bの間の領域A1は、第3の電流経路部分Rcにおける中間接続部分821aと最遠接続部分821cの間の領域A3に比べて高温の温度特異点となりやすい。
しかしながら、上述したように、本実施形態の静電チャック100では、第3の電流経路部分Rcの重複部分Racの内の中間接続部分821aと最近接続部分821bの間の領域A1における、中間接続部分821aから第1の給電部分812に向かう方向に略直交する第3の電流経路部分Rcの重複部分Racの断面Xcの面積を、第3の電流経路部分Rcの内の中間接続部分821aと最遠接続部分821cの間の領域A3における、最遠接続部分821cから第1の給電部分812に向かう方向に略直交する第3の電流経路部分Rcの断面Xcの面積より大きくすることにより、流れる電流の量が大きい部分である第3の電流経路部分Rcの重複部分Racの内の中間接続部分821aと最近接続部分821bの間の領域A1における電気抵抗を低減させ、ひいては、高温の温度特異点の発生を抑制することができる。
本実施形態の静電チャック100では、Z軸方向で、第3の電流経路部分Rcの重複部分Racの断面Xaの厚みTaを、第3の電流経路部分Rcの断面Xcの厚みTcより厚くすることにより、Xaの面積をXcの面積より大きくする構成としている。そのため、本実施形態の静電チャック100では、第1のドライバ電極60xの内、流れる電流の量が大きいことにより高温の温度特異点となりやすい、第3の電流経路部分Rcの重複部分Racにおける電気抵抗を低減させることができ、ひいては、高温の温度特異点の発生を抑制することができる。
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態における静電チャック100の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態の静電チャック100では、Z軸方向視で、第1の給電部分812、中間接続部分821a、最近接続部分821bおよび最遠接続部分821cが同一直線上に位置しているが、これらの少なくとも一が同一直線上に位置しない構成であってもよい。具体的に、図8および図9を用いて説明する。図8に示すのは、変形例の静電チャック100の第1のドライバ電極60xにおける第1のヒータ側ビア721および第1の給電側ビア711の位置関係を示す説明図である。図9に示すのは、変形例の静電チャック100の第1のドライバ電極60xにおける電流経路部分を示す説明図である。図8では、Z軸方向視において、最近接続部分821Bが、第1の給電部分812および中間接続部分821Aで形成される直線上に位置していない。この場合、第1の電流経路部分RAおよび第2の電流経路部分RBは、それぞれ第1の電流経路部分Raおよび第2の電流経路部分Rbと同様、上述したように規定される。すなわち、第1の電流経路部分RAは、中間接続部分821Aおよび第1の給電部分812に基づいて規定され(図9のA参照)、第2の電流経路部分RBは、最近接続部分821Bおよび第1の給電部分812に基づいて規定される(図9のB参照)。Z軸方向視で、第1の電流経路部分RAのうち第2の電流経路部分RBと重なる部分が第1の電流経路部分RAと第2の電流経路部分RBとの重複部分RABとなる(図9のC参照)。この場合において、この例の第1のドライバ電極60xは、第2の電流経路部分RBの重複部分RABの断面XBの面積は、第1の電流経路部分RAの内、領域A1における第1の電流経路部分RAの断面XAの面積より大きい。重複部分RABの断面XBとは、重複部分RABにおける、最近接続部分821Bから第1の給電部分812に向かう方向に略直交する断面である。第1の電流経路部分RAの断面XAとは、第1の電流経路部分RAの内、中間接続部分821Aと最近接続部分821Bの間の領域A1における、中間接続部分821Aから第1の給電部分812に向かう方向に略直交する断面である。この例において、領域A1は、中間接続部分821Aと最近接続部分821Bの間の領域である。具体的には、領域A1は、中間接続部分821Aの中心点と最近接続部分821Bの中心点とを結ぶ仮想直線に直交する2本の直線であって、中間接続部分821A(第1の給電部分812からの距離がより遠い方の中間接続部分821A)の円周上の点のうち最近接続部分821Bから最も遠い点に接する接線と、最近接続部分821B(第1の給電部分812からの距離がより近い方の最近接続部分821B)の円周上の点のうち中間接続部分821Aに最も近い点に接する接線によって区切られた領域である。また、この例において、段差部900Cは、Z軸方向で、下方へ向かって階段状に設けられている。また、段差部900Cは、Z軸方向視で、セラミックス部材10の中心点を基点として、第1の給電部分812から遠い点で最近接続部分821Bに接する略円弧上に設けられている。
上記実施形態では、段差部900a,900b,900Cは、階段状に設けられているが、第1のドライバ電極60xの厚みの異なる境界において傾斜状に設けられていてもよい。
段差部900a,900b,900Cの少なくとも一は、次に説明する部分に設けられていてもよい。具体的には、段差部900aは、少なくとも、第1のドライバ電極60xの第1の電流経路部分Raにおいて、Z軸方向視で、重複部分Rabと重複部分Rab以外の部分との境界部に設けられていればよい。例えば、段差部900aは、第1の電流経路部分Raにおいて、Z軸方向視で重複部分Rabの外縁に、Z軸方向で下方に向かって設けることができる。段差部900bは、段差部900aと同様であるため、説明を省略する。また、段差部900Cは、少なくとも、第1のドライバ電極60xの第1の電流経路部分RAにおいて、Z軸方向視で、重複部分RABと重複部分RAB以外の部分との境界部に設けられていればよい。例えば、段差部900Cは、第1の電流経路部分RAにおいて、Z軸方向視で重複部分RABの外縁が重なる部分に、Z軸方向で下方に向かって設けることができる。
第1の給電部分812、中間接続部分821a、最近接続部分821bおよび最遠接続部分821cの少なくとも一は、次に説明する部分としてもよい。具体的に、第1の給電部分812について説明する。第1の給電部分812は、Z軸方向視で第1の給電側ビア711の全てを含む最小円で第1の電極パッド731の外周円で囲まれる部分としてもよい。中間接続部分821a、最近接続部分821bおよび最遠接続部分821cについても、第1の給電部分812と同様であるため、説明を省略する。
上記実施形態では、第1の給電部分812、中間接続部分821a、最近接続部分821bおよび最遠接続部分821cが、同一の直径を有する略円形である場合としたが、これらの少なくとも一が他と異なる直径を有する略円形であってもよい。この場合、電流経路部分は次のように規定することができる。具体的に、中間接続部分821aが第1の給電部分812より大きい直径を有する略円形である場合について説明する。まず、中間接続部分821aの中心点および第1の給電部分812の中心点を通る直線に平行で、かつ、中間接続部分821aおよび第1の給電部分812のうち直径の小さい方である第1の給電部分812の外周線に接する2つの接線TLを規定する。そして、この2つの接線TLと中間接続部分821aの外周線と第1の給電部分812の外周線とにより囲まれた部分であり、中間接続部分821aおよび第1の給電部分812を含む部分によって形成される部分を、第1の電流経路部分Raと規定することができる。
また、上記実施形態において、第1のドライバ電極60xおよび第2のドライバ電極60yに対して、第1のヒータ電極500a、第2のヒータ電極500bおよび第3のヒータ電極500cが電気的に並列に接続されているが、ヒータ電極の数は3つに限定されず、2つでもよく、また、4つ以上であってもよい。
また、上記実施形態において、第1の電極パッド731、第1のヒータパッド部521a、第1のヒータパッド部521bおよび第1のヒータパッド部521cに電気的に接続するビアは、それぞれ、4つのビアにより構成されたビアグループとしたが、ビアグループを構成するビアの数は4つに限定されない。また、ビアは複数に限定されず、単数であってもよい。
上記実施形態において、ヒータ電極層50が並列接続された第1のドライバ電極60xと対をなす第2のドライバ電極60yについても、第1のドライバ電極60xと同様の構成が採用されていてもよい。このような構成を採用することにより、第2のドライバ電極60yについても、流れる電流の量が大きい部分における電気抵抗を低減させ、ひいては、高温の温度特異点の発生を抑制することができる。
また、上記実施形態では、セラミックス部材10の内部に1つのチャック電極40が設けられた単極方式が採用されているが、セラミックス部材10の内部に一対のチャック電極40が設けられた双極方式が採用されてもよい。また、上記実施形態の静電チャック100における各部材を形成する材料は、あくまで例示であり、各部材が他の材料により形成されてもよい。
また、本発明は、セラミックス部材10とベース部材20とを備え、静電引力を利用してウェハWを保持する静電チャック100に限らず、セラミックス部材を備え、セラミックス部材の表面上に対象物を保持する他の保持装置(例えば、CVDヒータ等のヒータ装置や真空チャック等)にも適用可能である。
10:セラミックス部材 12:凹部 20:ベース部材 21:冷媒流路 22:貫通孔 30:接合部 32:貫通孔 40:チャック電極 50:ヒータ電極層 60:ドライバ電極 60x:第1のドライバ電極 60y:第2のドライバ電極 100:静電チャック 110:第1の端子用孔 120:第2の端子用孔 500:ヒータ電極 500a:第1のヒータ電極 500b:第2のヒータ電極 500c:第3のヒータ電極 510:ヒータライン部 521:第1のヒータパッド部 521a:第1のヒータパッド部 521b:第1のヒータパッド部 521c:第1のヒータパッド部 522:第2のヒータパッド部 711:第1の給電側ビア 712:第2の給電側ビア 721:第1のヒータ側ビア 721a:第1のヒータ側ビア 721b:第1のヒータ側ビア 721c:第1のヒータ側ビア 722:第2のヒータ側ビア 722a:第2のヒータ側ビア 731:第1の電極パッド 732:第2の電極パッド 741:第1の給電端子 742:第2の給電端子 812:第1の給電部分 821A:中間接続部分 821B:最近接続部分 821a:第1の接続部分(中間接続部分) 821b:第2の接続部分(最近接続部分) 821c:第3の接続部分(最遠接続部分) 900C:段差部 900a:段差部 900b:段差部 Ra:第1の電流経路部分 Rab:重複部分 Rac:重複部分 Rb:第2の電流経路部分 Rc:第3の電流経路部分 RA:第1の電流経路部分 RAB:重複部分 RB:第2の電流経路部分

Claims (5)

  1. 第1の方向に略垂直な略平面状の第1の表面を有するセラミックス部材と、
    前記セラミックス部材の内部に配置された線状の第1のヒータ電極および第2のヒータ電極と、
    第1の給電端子と、
    前記セラミックス部材の内部に配置され、前記第1のヒータ電極の一方の端部と前記第2のヒータ電極の一方の端部と前記第1の給電端子とに電気的に接続されるドライバ電極と、
    を備え、前記セラミックス部材の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置において、
    前記ドライバ電極は、
    前記第1の給電端子に電気的に接続される第1の給電部分と、
    前記第1のヒータ電極の前記一方の端部に電気的に接続される第1の接続部分と、
    前記第1の給電部分と前記第1の接続部分との間に位置し、前記第2のヒータ電極の前記一方の端部に電気的に接続される第2の接続部分と、
    前記第1の給電部分と前記第1の接続部分との間の第1の電流経路部分と、
    前記第1の給電部分と前記第2の接続部分との間の第2の電流経路部分と、を含んでおり、
    前記第2の電流経路部分は、前記第1の方向視で前記第1の電流経路部分と重なる重複部分を有し、
    前記第2の電流経路部分の前記重複部分における、前記第2の接続部分から前記第1の給電部分に向かう方向に略直交する前記第2の電流経路部分の前記重複部分の断面の面積は、前記第1の電流経路部分の内、前記第1の接続部分と前記第2の接続部分の間の領域における、前記第1の接続部分から前記第1の給電部分に向かう方向に略直交する前記第1の電流経路部分の断面の面積より大きい、
    ことを特徴とする保持装置。
  2. 請求項1に記載の保持装置において、
    前記第1の方向で、前記第2の電流経路部分の前記重複部分の前記断面の厚みは、前記第1の電流経路部分の前記断面の厚みより厚い、
    ことを特徴とする保持装置。
  3. 請求項2に記載の保持装置において、
    前記第1の電流経路部分において、前記第2の電流経路部分の前記重複部分と、前記第2の電流経路部分の前記重複部分以外の部分との間には段差部が設けられている、
    ことを特徴とする保持装置。
  4. 請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の保持装置において、
    前記セラミックス部材の内部に配置された線状の第3のヒータ電極、をさらに備え、
    前記ドライバ電極は、
    前記第1の接続部分に対して前記第2の接続部分の反対側に位置し、前記第3のヒータ電極の一方の端部に電気的に接続される第3の接続部分と、
    前記第1の給電部分と前記第3の接続部分との間の第3の電流経路部分と、を含んでおり、
    前記第3の電流経路部分は、前記第1の方向視で前記第1の電流経路部分と重なる重複部分を有し、
    前記第3の電流経路部分の前記重複部分の内、前記第1の接続部分と前記第2の接続部分の間の領域における、前記第1の接続部分から前記第1の給電部分に向かう方向に略直交する前記第3の電流経路部分の前記重複部分の断面の面積は、前記第3の電流経路部分の内、前記第1の接続部分と前記第3の接続部分の間の領域における、前記第3の接続部分から前記第1の給電部分に向かう方向に略直交する前記第3の電流経路部分の断面の面積より大きい、
    ことを特徴とする保持装置。
  5. 第1の方向に略垂直な略平面状の第1の表面を有するセラミックス部材と、
    前記セラミックス部材の内部に配置された線状の第1のヒータ電極および第2のヒータ電極と、
    第1の給電端子および第2の給電端子と、
    前記セラミックス部材の内部に配置され、前記第1のヒータ電極の一方の端部と前記第2のヒータ電極の一方の端部と前記第1の給電端子とに電気的に接続されるドライバ電極と、
    を備え、前記セラミックス部材の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置において、
    前記ドライバ電極は、
    前記第1の給電端子に電気的に接続される第1の給電部分と、
    前記第1のヒータ電極の前記一方の端部に電気的に接続される第1の接続部分と、
    前記第1の給電部分と前記第1の接続部分との間に位置し、前記第2のヒータ電極の前記一方の端部に電気的に接続される第2の接続部分と、
    前記第1の給電部分と前記第1の接続部分との間の第1の電流経路部分と、
    前記第1の給電部分と前記第2の接続部分との間の第2の電流経路部分と、を含んでおり、
    前記第2の電流経路部分は、前記第1の方向視で前記第1の電流経路部分と重なる重複部分を有し、
    前記第2の電流経路部分の前記重複部分における、前記第2の接続部分から前記第1の給電部分に向かう方向に略直交する前記第2の電流経路部分の前記重複部分の断面の厚みは、前記第1の電流経路部分の内、前記第1の接続部分と前記第2の接続部分の間の領域における、前記第1の接続部分から前記第1の給電部分に向かう方向に略直交する前記第1の電流経路部分の断面の厚みより厚い、
    ことを特徴とする保持装置。
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