JP2017145388A - 易接着層形成用組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
近年では、アクリル樹脂が光学関連用途に使用されるケースが増えており、特に、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、有機EL表示装置(OELD)のような画像表示装置に組み込まれる光学フィルムへのアクリル樹脂の応用が進められている。アクリル樹脂の中でも、特に、環構造を有するアクリル樹脂は、透明性や耐熱性などの観点から、光学フィルムに用いられている。
特許文献1には、偏光子と、当該偏光子の少なくとも一方の面に接着剤を介して貼り合せされた偏光子保護フィルムとを備える偏光板が開示されている。また、特許文献1には、この偏光子保護フィルムにおける偏光子と対向する面に、ポリウレタン樹脂及び/又はアミノ基含有ポリマーを含む易接着層が形成されている偏光板が開示されている。
特許文献2には、カルボキシル基を有するウレタン樹脂と架橋剤とを含む易接着組成物で易接着層が形成された、高温高湿環境下における偏光子と偏光子保護フィルムとの密着性に優れた偏光板が開示されている。しかし、特許文献2には、環構造を有するアクリル樹脂で形成されたフィルムと、エポキシ化合物を含む易接着組成物で形成された易接着層の具体的な組み合わせは、開示されていない。
本発明の他の目的は、環構造を有するアクリル樹脂で構成された基材上に、接着性に優れた(さらには、高温高湿下であっても、接着性に優れた)易接着層を形成する易接着層形成用組成物を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、このような易接着層形成用組成物で形成された易接着層が、環構造を有するアクリル樹脂で構成された基材上に形成された易接着性基材(接着性フィルム)を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、このような易接着層形成用組成物で形成された易接着層を介して、環構造を有するアクリル樹脂で構成された基材と偏光子とが積層された積層ユニットを有する偏光板(偏光フィルム)を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、このような偏光板を備えた画像表示装置を提供することにある。
[1]主鎖に環構造を有するアクリル樹脂で構成された基材上に易接着層を形成するための組成物であって、カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂(A)と、エポキシ化合物(B)とを含む易接着層形成用組成物。
[2]環構造が、無水マレイン酸構造、マレイミド構造、無水グルタル酸構造、グルタルイミド構造、ラクタム環構造、及びラクトン環構造から選択された少なくとも1以上の構造を有する前記[1]記載の組成物。
[3]エポキシ化合物(B)が、脂肪族エポキシ化合物を含む前記[1]又は[2]に記載の組成物。
[4]エポキシ化合物(B)が、エポキシ当量200g/当量以下、粘度2000mPa・s以下を充足する前記[1]〜[3]のいずれかに記載の組成物。
[5]エポキシ化合物(B)が、脂肪族ポリオールポリグリシジルエーテルを含み、エポキシ当量170g/当量以下を充足する前記[1]〜[4]のいずれかに記載の組成物。
[6]ポリウレタン樹脂(A)とエポキシ化合物(B)との割合が、前者/後者(重量比)=99/1〜10/90である前記[1]〜[5]のいずれかに記載の組成物。
[7]主鎖に環構造を有するアクリル樹脂で構成された基材と、この基材上に前記[1]〜[6]のいずれかに記載の組成物で形成された易接着層とを含む易接着性基材。
[8]基材と易接着層との厚み比が、前者/後者=1/0.1〜1/0.001である前記[7]記載の接着性基材。
[9]光学用である前記[7]又は[8]記載の接着性基材。
[10]偏光子に接着させるための前記[7]〜[9]のいずれかに記載の接着性基材。
[11]前記[1]〜[6]のいずれかに記載の組成物で形成された易接着層を介して、主鎖に環構造を有するアクリル樹脂で構成された基材と偏光子とが積層された積層ユニットを有する偏光板。
[12]前記[11]記載の偏光板を備えた画像表示装置。
また、本発明によれば、環構造を有するアクリル樹脂で構成された基材上に、接着性に優れた(さらには、高温高湿下であっても、接着性に優れた)易接着層を形成する易接着層形成用組成物を提供することができる。このような易接着層は、他の機能性フィルムとの接着性に優れるため、高温高湿下であっても偏光子との密着性が損なわれない。
また、本発明によれば、このような易接着層形成用組成物で形成された易接着層が、環構造を有するアクリル樹脂で構成された基材上に形成された易接着性基材を提供することができる。
さらに、本発明によれば、このような易接着層形成用組成物で形成された易接着層を介して、環構造を有するアクリル樹脂で構成された基材と偏光子とが積層された積層ユニットを有する偏光板、このような偏光板を備えた画像表示装置を提供することができる。
本発明の易接着層形成用組成物は、主鎖に環構造を有するアクリル樹脂で構成された基材(基材フィルム)上に易接着層(接着層、接着剤層)を形成するための組成物である。 本発明の易接着層形成用組成物は、カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂(A)と、エポキシ化合物(B)とを含む。
ポリウレタン樹脂(A)は、通常、カルボキシル基を有する。
また、ポリウレタン樹脂(A)は、カルボキシル基以外のエポキシ基に対する反応性基(例えば、水酸基、アミノ基など)を1種又は2種以上含んでいてもよい。
ポリウレタン樹脂(A)としては、例えば、ポリアクリル系ポリウレタン樹脂、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂、ポリエステル系ポリウレタン樹脂などである。ポリウレタン樹脂は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ポリイソシアネート化合物(I)としては、例えば、ポリイソシアネート(例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネートなど)、ポリイソシアネートの変性体[又は誘導体、例えば、多量体(二量体、三量体など)、カルボジイミド体、ビウレット体、アロファネート体、ウレットジオン体、ポリアミン変性体など]などが挙げられる。ポリイソシアネート化合物(I)は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ポリオール(II)としては、例えば、ポリアクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリウレタンポリオールなどが挙げられる。ポリオール(II)は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、特に限定されず、例えば、上記した二価アルコールなどを使用することができる。多価アルコールは、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
また、アルキレンオキシドとしては、特に限定されず、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなどのC2−12アルキレンオキシドなどが挙げられる。アルキレンオキシドは、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
鎖延長剤としては、特に限定されず、例えば、グリコール類(例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオールなどのC2−6アルカンジオール)、多価アルコール類(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどのC2−6アルカントリ乃至ヘキサオール)、ジアミン類(例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などの一般的な鎖延長剤を使用してよい。
また、一般的な鎖延長剤の他、後述するカルボキシル基を有する鎖延長剤を使用してもよい。
また、ポリウレタン樹脂(A)において、カルボキシル基は、鎖延長剤由来の単位に含まれていてもよい。
鎖延長剤によってポリウレタン樹脂(A)にカルボキシル基を導入する場合、鎖延長剤としては、例えば、ジヒドロキシカルボン酸[例えば、ジメチロールアルカン酸(例えば、ジメチロール酢酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸、ジメチロールペンタン酸などのジメチロールC2−10アルカンカルボン酸、好ましくはC2−8アルカンカルボン酸など)]などのカルボキシル基を有する鎖延長剤を使用してよい。
また、ポリウレタン樹脂(A)の酸価は、特に限定されないが、例えば10mgKOH/g以上、好ましくは10〜50mgKOH/g、より好ましくは20〜45mgKOH/g程度であってもよい。
エポキシ化合物(B)は、通常、2以上(例えば2〜6、好ましくは2〜4、さらに好ましくは2〜3)のエポキシ基を有する化合物を含む。
エポキシ化合物(B)は、脂肪族エポキシ化合物を含むことが好ましく、脂肪族ポリオールポリグリシジルエーテルを含むことがより好ましく、アルカンジ乃至ヘキサオールポリグリシジルエーテル、ポリアルカンジ乃至テトラオールポリグリシジルエーテルを含むことがさらに好ましい。
ここで、エポキシ化合物(B)の最長原子鎖とは、2個のエポキシ基間を結ぶ鎖状構造を構成する原子(例えば、炭素原子、酸素原子など)の総数のうち最も長い原子鎖を示し、最長原子鎖を構成する原子の総数を最長原子鎖の原子数という。
易接着層形成用組成物は、ポリウレタン樹脂(A)及びエポキシ化合物(B)を含んでいればよく、さらに他の成分(例えば、添加剤など)を1種又は2種以上含んでいてもよい。
添加剤としては、特に限定されず、例えば、ブロッキング防止剤、分散安定剤、揺変剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、増粘剤、分散剤、界面活性剤、触媒、滑剤、帯電防止剤などが挙げられる。添加剤の中でも、ブロッキング防止剤を含むことが好ましい。ブロッキング防止剤としては、例えば、シリカ微粒子などを使用してもよい。
また、易接着層形成用組成物において、ブロッキング防止剤の含有割合は、接着性向上や耐ブロッキング性などの観点から、例えば1〜50重量%、好ましくは2〜40重量%、より好ましくは3〜30重量%程度であってもよい。特に、比較的大粒子径(例えば、250〜500nm)の粒子を含む場合、大粒子径の粒子を0.1〜1重量%程度含んでいてもよい。
アクリル樹脂としては、主鎖に環構造を有するものであれば特に限定されない。
アクリル樹脂は、通常、(メタ)アクリル酸エステル単位を有する。
環構造は、耐熱性や光学特性などの観点から、無水マレイン酸構造、(N−置換)マレイミド構造、無水グルタル酸構造、グルタルイミド構造、ラクタム構造、及びラクトン環構造から選択された少なくとも1以上の構造を有することが好ましい。
アクリル樹脂は、これら環構造を1種又は2種以上有していてよい。
当該炭化水素基としては、例えば、脂肪族基、脂環族基、芳香族基である。尚、炭化水素基は、さらにハロゲン等の置換基を有していてもよい。
当該炭化水素基としては、例えば、脂肪族基{例えば、アルキル基[例えば、C1−6直鎖アルキル基(例えば、メチル基、エチル基等)、C1−6分岐アルキル基(例えば、イソプロピル基等)等のC1−6アルキル基等]等}、脂環族基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のC3−20シクロアルキル基等)、芳香族基{例えば、C6−20芳香族基[例えば、C7−20アラルキル基(例えば、ベンジル基等)、C6−20アリール基(例えば、フェニル基等)]}である。尚、炭化水素基は、さらにハロゲン等の置換基を有していてもよい。
当該炭化水素基としては、例えば、脂肪族基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基などのC1−20アルキル基、エテニル基、プロペニル基などのC2−20不飽和脂肪族炭化水素基等)、芳香族基(例えば、フェニル基、ナフチル基などのC6−20芳香族炭化水素基等)等である。前記炭化水素基は、酸素原子を含んでいてもよく、水素原子の一つ以上が、水酸基、カルボキシル基、エーテル基及びエステル基から選ばれる少なくとも1種類の基により置換されていてもよい。
ピロリジノン環構造は、基本骨格として5員環のアミド環構造(環状アミド構造)を有する。この環状アミド構造は、5員環のラクタム構造(γ―ラクタム構造)でもある。主鎖にピロリジノン環構造を有するとは、5員環であるピロリジノン環構造の基本骨格を構成する5つの原子のうち少なくとも1つの原子、典型的にはアミド結合(―N(R)CO−)を構成しない3つの炭素原子が当該重合体の主鎖に位置し、主鎖を構成することを意味する。
脂肪族基としては、例えば、C1−18アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のC1−18直鎖又は分岐アルキル基等)等が挙げられる。
脂環族基としては、例えば、C3−18シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)等が挙げられる。
芳香族基としては、例えば、C6−20芳香族基[例えば、C6−20アリール基(例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基等)、C7−20アラルキル基(例えば、ベンジル基等)等]が挙げられる。
また、R13としては、特に、水素原子、C1−18直鎖アルキル基(好ましくは、C1−12直鎖アルキル基、より好ましくは、C1−4直鎖アルキル基等)、C6−20アリール基(例えば、フェニル基等)、C3−18シクロアルキル基(好ましくは、C3−12シクロアルキル基、より好ましくは、C3−6シクロアルキル基等)等が好ましい。
また、R14の特に好ましい態様も、R13の特に好ましい態様と同じである。
また、R15の特に好ましい態様も、R13の特に好ましい態様と同じである。
尚、アクリル樹脂におけるグルタルイミド構造及び/又は無水グルタル酸構造の含有率は、アクリル樹脂の耐熱性や透明性を向上させるなどの観点から、例えば3〜85モル%、好ましくは6〜50モル%、より好ましくは10〜40モル%である。
尚、アクリル樹脂における無水マレイン酸構造及び/又はマレイミド構造の含有率は、アクリル樹脂の耐熱性や透明性を向上させるなどの観点から、例えば7〜90モル%、好ましくは10〜75モル%、より好ましくは10〜60モル%である。
尚、アクリル樹脂におけるラクトン構造の含有率は、アクリル樹脂の耐熱性や透明性を向上させるなどの観点から、例えば6〜60モル%、好ましくは9〜37モル%、より好ましくは9〜30モル%である。
尚、アクリル樹脂におけるラクタム環構造の含有率は、アクリル樹脂の耐熱性や透明性を向上させるなどの観点から、例えば6〜60モル%、好ましくは9〜37モル%、より好ましくは9〜30モル%である。
主鎖に環構造を含有するアクリル樹脂の製造方法は、特に限定されず、従来公知のアクリル樹脂の製造方法に従ってよい。
分子内脱アルコール反応を行う方法は、特に限定されないが、例えば、加熱することによって行うことができる。
加熱温度は、脱アルコールにより分子内環化反応が生じる温度であれば特に限定されないが、例えば180〜350℃等であってよい。
加熱時間は、アクリル樹脂の組成などに応じて適宜変更できるが、例えば1〜2時間などであってよい。
また、分子内脱アルコール反応においては、触媒(例えば、酸触媒、塩基性触媒、塩系触媒等)を使用してもよい。
分子内脱アルコール反応を行う方法は、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂を加熱することによって行うことができる。
加熱温度は、脱アルコールにより分子内環化反応が生じる温度であれば特に限定されず、例えば60〜350℃などであってよい。
加熱時間は、アクリル樹脂の組成等に応じて適宜変更できるが、例えば1〜5時間などであってよい。
また、分子内脱アルコール反応においては、触媒(例えば、有機リン化合物、塩基性化合物、有機カルボン酸塩、炭酸塩等)を使用してもよい。
重合開始剤は、例えば有機過酸化物(例えば、クメンハイドロパーオキサイドなど)、アゾ化合物(例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)など)などが挙げられる。重合開始剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。重合開始剤の使用量は、単量体の組合せや反応条件等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。
連鎖移動剤は、例えば、チオール系化合物(例えば、ドデシルメルカプタンなど)、ハロゲン系化合物(例えば、クロロホルムなど)などが挙げられる。連鎖移動剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。連鎖移動剤の使用量は、単量体の組合せや反応条件等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。
主鎖に環構造を有するアクリル樹脂で構成された基材(アクリル樹脂基材)の形状は、特に限定されず、二次元的形状(例えば、フィルムなど)、三次元的形状などであってよい。アクリル樹脂基材の形状は、通常は、フィルム(又はシート)状である。
例えば、アクリル樹脂を、公知の成膜方法[例えば、溶液キャスト法(溶液流延法)、溶融押出法、カレンダー法、圧縮成形法等]によって成膜することにより、フィルムを得ることができる。成膜方法としては、溶液キャスト法、溶融押出法等が好ましい。
特に、基材が、樹脂成分として、アクリル樹脂とその他の樹脂(熱可塑性重合体)とを含む場合、基材を構成する樹脂成分全体(アクリル樹脂とその他の樹脂との総量、又は基材の固形分全体)に対するアクリル樹脂の割合は、例えば、30質量%以上(例えば、50質量%以上)、好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、特に85質量%以上であってもよい。
当該溶媒は、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;シクロヘキサン、デカリンなどの脂肪族炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル;アセトン、メチルエチエルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素;ジメチルホルムアミド;ジメチルスルホキシドである。これらの溶媒は、1種又は2種以上を使用することができる。
表面処理としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理などが挙げられる。
尚、本発明の易接着層形成用組成物によれば、フィルムに表面処理を施さなくても、フィルムと易接着層の接着性が優れる。
例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置等の画像表示装置に用いられる保護フィルム、反射防止フィルム、偏光フィルム等の用途に用いる場合には、好ましくは1〜250μm、より好ましくは10〜100μm、さらに好ましくは20〜80μmである。
これらの範囲とすることにより、十分な強度と透明性を有する優れたフィルムが得られる。
アクリル樹脂基材上に、易接着層形成用組成物で形成された易接着層を形成することにより、易接着性基材(接着性基材、接着性フィルム)を得ることができる。
易接着層は、アクリル樹脂基材の片側に形成されても、両側に形成されてもよいが、通常は片側に形成される。
易接着層は、例えば、易接着層形成用組成物をアクリル樹脂基材の片側に塗布し、乾燥させることによって形成させることができる。
乾燥温度は、特に限定されないが、例えば、50℃以上、好ましくは90〜200℃、さらに好ましくは110〜180℃程度であってよい。これらの範囲とすることにより、例えば、耐色性(特に、高温高湿の環境下での耐色性)に優れるフィルムが得られる。
延伸は、二軸延伸であってもよい。二軸延伸は、同時二軸延伸および逐次二軸延伸のいずれでもよい。
また、接着性基材の接着性向上や、位相差低下の防止、位相差ムラの防止、光軸ムラの防止などの観点から、易接着層又は易接着層の形成と延伸処理(例えば、横延伸)を同時に行ってもよい。
光学部材としては、特に限定されないが、例えば、光学用保護フィルム[例えば、各種の光ディスク(VD、CD、DVD、MD、LD等)基板の保護フィルム、液晶表示装置(LCD)等の画像表示装置が備える偏光板に用いる偏光子保護フィルム等]等が挙げられる。
易接着性基材を、偏光子(偏光膜)に接着させることにより、偏光板(偏光フィルム)を形成することができる。
偏光板は、例えば、偏光子の少なくとも片面に、易接着層を介して易接着性基材を貼り合わせることにより、得ることができる。
また、偏光子の膜厚は、好ましくは5〜30μm、より好ましくは10〜20μm程度であってよい。
接着材としては、特に限定されず、偏光子保護フィルムと偏光子の接着材として使用可能なものを使用することができる。
接着材としては、例えば、酢酸ビニル系接着剤、PVA系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリウレタン系接着剤、イソシアネート系接着剤、エポキシ系接着剤、メラミン系接着剤、クロロプレンゴム系接着剤、ニトリルゴム系接着剤、スチレンゴム系接着剤、シリコーンゴム系接着剤などの合成ゴム系接着剤などが挙げられる。これらの接着剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
これらの接着剤のうち、ポリウレタン系接着剤、イソシアネート系接着剤、アクリル系接着剤が好ましく、ポリウレタン系接着剤がより好ましい。なお、接着剤の形態は、特に限定されず、例えば、溶剤系、水系(水分散型、水溶解型)、無溶剤系などであってよい。
本発明は、上述した本発明の偏光板を備えた画像表示装置も含有する。画像表示装置としては、例えば、液晶表示装置(LCD)等が挙げられる。
液晶表示装置は、通常は、液晶セルと、液晶セルの少なくとも片側に配置された偏光板を備える。
尚、画像表示装置の製造方法は特に限定されず、従来公知の方法に従ってよい。
また、フィルム物性の測定用サンプルは、幅方向の中央部からサンプルを取得した。
重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により以下の条件で求めた。
システム:東ソー社製GPCシステム HLC−8220
展開溶媒:クロロホルム(和光純薬工業製、特級)、流量:0.6ml/分
標準試料:TSK標準ポリスチレン(東ソー社製、PS−オリゴマーキット)
測定側カラム構成:ガードカラム(東ソー社製、TSKguardcolumn SuperHZ−L)、分離カラム(東ソー社製、TSKgel SuperHZM−M)2本直列接続
リファレンス側カラム構成:リファレンスカラム(東ソー社製、TSKgel SuperH−RC)
ガラス転移温度(Tg)はJIS K7121の規定に準拠して求めた。具体的には、示差走査熱量計(リガク社製、DSC−8230)を用い、窒素ガス雰囲気下、約10mgのサンプルを常温から200℃まで昇温速度20℃/分で昇温して得られたDSC曲線から始点法により算出した。リファレンスには、α−アルミナを用いた。
フィルムの厚さは、ミツトヨ社製デジマチックマイクロメーター(最小表示量0.001mm)を用いて幅方向に20mm間隔で測定し、平均値を求めた。
フィルムのヘイズは、濁度計(日本電色工業社製「NDH−5000」)を用いて、JIS K7136の規定に準拠して測定した。
微粒子の平均粒子径および粒度分布は、粒度分布測定装置(CPS Instruments. inc.社製「CPS Disc Centrifuge Model DC12000」)を用いて測定した。具体的には、水に分散した状態にある微粒子に対して、上記測定装置にて、一次粒子径にして100nm以上の範囲における等価球形分布を測定し、得られた分布における、大粒子側から積算した積算体積分率50%の粒子の粒径を求め、これを微粒子の平均一次粒子径(d50)とした。これとは別に、当該分布における、大粒子側から積算した積算体積分率25%の粒子の粒径(d25)および75%の粒子の粒径(d75)を求め、その比(d25/d75)を微粒子の粒度分布とした。
得られた光学フィルムから50×50mmのフィルム片を2枚切り出し、掴みしろとして10×50mmを残し、易接着層面どうしを接着剤(ハンツマン・ジャパン社製、アラルダイトラピッド)により貼り合わせた後、80℃で24時間乾燥した。さらに、10×50mmのサイズで5枚切り出し試験サンプルとした。次に、5枚の試験サンプルを60℃の温水に2時間浸漬した後、掴みしろを把持し1mm/secの速度で90℃方向に剥離し、基材フィルムと易接着層との界面における剥離の有無を確認した。判定は下記の基準で行った。また、易接着層の剥離位置に関しては、赤外分光光度計(Thermo−Nicolet社製、Nexus670)を用いて、ポリウレタン樹脂に特徴的な吸収の有無により確認した。
○:基材フィルムと易接着層との界面で剥離したサンプルなし
△:基材フィルムと易接着層との界面で剥離したサンプルが5枚中1枚〜3枚
×:基材フィルムと易接着層との界面で剥離したサンプルが5枚中4枚以上
耐熱水性の試験サンプルと同様に作製した5枚の試験サンプルを85℃85%RHの恒温恒湿機に入れ、200時間経過後に取出した後、掴みしろを把持し1mm/secの速度で90℃方向に剥離し、基材フィルムと易接着層との界面における剥離の有無を確認した。判定は下記の基準で行った。また、易接着層の剥離位置に関しては、赤外分光光度計(Thermo−Nicolet社製、Nexus670)を用いて、ポリウレタン樹脂に特徴的な吸収の有無により確認した。
○:基材フィルムと易接着層との界面で剥離したサンプルなし
△:基材フィルムと易接着層との界面で剥離したサンプルが5枚中1枚〜3枚
×:基材フィルムと易接着層との界面で剥離したサンプルが5枚中4枚以上
撹拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入管を備えた反応釜に、メタクリル酸メチル(MMA)40重量部、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(MHMA)10重量部、重合溶媒としてトルエン50重量部および酸化防止剤(アデカスタブ2112、ADEKA社製)0.025重量部を仕込み、これに窒素を通じつつ、105℃まで昇温させた。
昇温に伴う還流が始まったところで、重合開始剤としてt−アミルパーオキシイソノナノエート(アルケマ吉富社製、商品名:ルペロックス570)0.05重量部を添加するとともに、上記t−アミルパーオキシイソノナノエート0.10重量部を2時間かけて滴下しながら、約105〜110℃の還流下で溶液重合を進行させ、さらに4時間の熟成を行った。
次に、得られた重合溶液に、環化縮合反応の触媒(環化触媒)として、リン酸ステアリル/リン酸ジステアリル混合物(堺化学工業社製、Phoslex A−18)0.05重量部を加え、約90〜110℃の還流下において5時間、ラクトン環構造を形成するための環化縮合反応を進行させた。次に、得られた重合溶液を熱交換器に通して240℃まで昇温し、当該温度において環化縮合反応をさらに進行させた。
次に、得られた重合溶液を、バレル温度240℃、回転速度100rpm、減圧度13.3〜400hPa(10〜300mmHg)、リアベント数1個およびフォアベント数4個(上流側から第1、第2、第3、第4ベントと称する)、第3ベントと第4ベントとの間にサイドフィーダーが設けられており、先端にリーフディスク型のポリマーフィルター(濾過精度5μm)が配置されたベントタイプスクリュー二軸押出機(L/D=52)に、90重量部/時(樹脂量換算)の処理速度で導入し、脱揮を行った。
その際、別途準備しておいた酸化防止剤/環化触媒失活剤の混合溶液を1.06重量部/時の投入速度で第1ベントの後から、イオン交換水を0.34重量部/時の投入速度で第2および第3ベントの後から、それぞれ投入した。
酸化防止剤/環化触媒失活剤の混合溶液としては、50重量部の酸化防止剤(BASFジャパン社製、イルガノックス1010)と、失活剤である35重量部のオクチル酸亜鉛(日本化学産業社製、ニッカオクチクス亜鉛3.6%)とを、トルエン200重量部に溶解させた溶液を用いた。
これに加えて、脱揮の際に、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂:スチレン単位/アクリロニトリル単位の比率が73重量%/27重量%、重量平均分子量が22万)のペレットをサイドフィーダーから、10重量部/時の投入速度で投入した。
脱揮完了後、押出機内に残された熱溶融状態にある樹脂を当該押出機の先端からポリマーフィルターにより濾過しながら排出し、ペレタイザーによりペレット化して、ラクトン環構造を主鎖に有する(メタ)アクリル重合体を主成分(含有率が90重量%)とし、さらにスチレン−アクリロニトリル共重合体を10重量%の含有率で含むアクリル樹脂の透明なペレット(A−1)を得た。樹脂ペレット(A−1)を構成する樹脂組成物の重量平均分子量は132000、Tgは125℃であった。
攪拌装置、温度センサー、冷却管および窒素ガス導入管を備えた反応釜に、メタクリル酸メチル(MMA)79.4重量部、メタクリル酸(MAA)20.6重量部、重合溶媒としてトルエン90.0重量部とメタノール22.5重量部との混合溶媒、および酸化防止剤(アデカスタブ2112、ADEKA社製)0.05重量部を仕込み、反応釜内に窒素ガスを通じながら73℃まで昇温させた。昇温に伴う還流が始まった時点で、重合開始剤としてジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(和光純薬工業社製、商品名:V−601)0.25重量部を反応釜内に添加するとともに、トルエン7.3重量部とメタノール1.8重量部との混合溶媒に上記ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)0.35重量部を溶解させた溶液を2時間かけて反応釜内に滴下しながら、約71〜76℃の還流下で溶液重合を行ない、上記ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)の滴下終了後に、さらに4時間かけて熟成を行なった。
前記で得られた重合体溶液に含まれる(メタ)アクリル系樹脂におけるメタクリル酸に由来の繰返し単位の含有率は、20.6重量%であった。また、当該(メタ)アクリル系樹脂の重量平均分子量は、11万であった。
次に、メタノール5.0重量部に環化縮合反応の触媒(環化触媒)であるナトリウムメトキシド0.05重量部を溶解させた溶液を20分間かけて、約65〜70℃の温度で反応釜内の重合溶液に滴下し、均一な重合溶液とした。
前記で得られた重合溶液をバレル温度280℃、回転数70rpm、減圧度13.3〜400hPa(10〜300mmHg)、リアベント数が1個、フォアベント数が2個のベントタイプスクリュー二軸押出し機(孔径:15mm、L/D:45)内に樹脂量換算で420g/hの処理速度で導入し、この二軸押出し機内で脱揮を行ない、軸内滞留時間3.2分間程度で押出すことにより、無水グルタル酸構造を主鎖に有する(メタ)アクリル樹脂の透明なペレット(A−2)を得た。樹脂ペレット(A−2)を構成する樹脂組成物の重量平均分子量は97000であり、ガラス転移温度は131℃であった。また、当該(メタ)アクリル系樹脂の無水グルタル酸化率は16.3%であった。
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管、および滴下ロートを備えた反応容器に、メタクリル酸メチル(MMA)90質量部、N−フェニルマレイミド(PMI)10質量部、酸化防止剤(アデカスタブ2112、ADEKA社製)0.05質量部、連鎖移動剤としてドデシルメルカプタン(DM)0.1質量部、およびトルエン80.5質量部を仕込み、これに窒素ガスを導入しつつ、内容物を105℃まで昇温させた。昇温に伴う還流が始まったところで、重合開始剤としてt−アミルパーオキシイソノナノエート(アルケマ吉富社製、商品名:ルペロックス570)0.103質量部を添加するとともに、トルエン21質量部に上記t−アミルパーオキシイソノナノエート0.205質量部を溶解させた溶液を2時間かけて滴下しながら溶液重合を進行させ、滴下終了後、さらに6時間の熟成を行った。
次に、得られた重合溶液を、バレル温度240℃、回転速度100rpm、減圧度10.3〜400hPa(10〜300mmHg)、リアベント数1個およびフォアベント数4個(上流側から第1、第2、第3、第4ベントと称する)のベントタイプスクリュー二軸押出機(φ=29.75mm、L/D=30)に、樹脂量換算で2.0kg/時の処理速度で導入し、脱揮を行った。その際、別途準備しておいた酸化防止剤溶液を、0.03kg/時の投入速度で第1ベントの後ろから、イオン交換水を0.01kg/時の投入速度で第3ベントの後ろから、それぞれ投入した。酸化防止剤溶液には、50質量部の酸化防止剤(住友化学製、スミライザーGS)をトルエン235質量部に溶解させた溶液を用いた。
脱揮完了後、押出機内に残された熱溶融状態にある樹脂組成物を押出機の先端から排出し、ペレタイザーによってペレット化して、マレイミド構造を主鎖に有する(メタ)アクリル樹脂の透明なペレット(A−3)を得た。樹脂ペレット(A−3)を構成する樹脂組成物の重量平均分子量は129000、Tgは129℃であった。
カルボキシル基を有するウレタン樹脂(第一工業製薬社製、スーパーフレックス210、固形分35重量%)11.2重量部、架橋剤としてグリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製、デナコールEX−313、エポキシ当量141、粘度150mPa・s、官能基数2〜3、最長原子鎖の原子数7)0.6重量部、アモルファスシリカ微粒子を含むエマルジョン(日本触媒社製、シーホスターKE−W10、平均粒径(一次粒子径)0.11μm、粒度分布1.1、固形分15.5重量%)1.3重量部、および純水26.9重量部を混合して、エマルジョン状の分散体である易接着層形成用塗工液(P−1)を得た。
ウレタン樹脂(第一工業製薬社製、スーパーフレックス210、固形分35重量%)11.2重量部、架橋剤としてグリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製、デナコールEX−313、エポキシ当量141、粘度150mPa・s、官能基数2〜3、最長原子鎖の原子数7)1.0重量部、アモルファスシリカ微粒子を含むエマルジョン(日本触媒社製、シーホスターKE−W10、平均粒径(一次粒子径)0.11μm、粒度分布1.1、固形分15.5重量%)1.3重量部、および純水26.6重量部を混合して、エマルジョン状の分散体である易接着層形成用塗工液(P−2)を得た。
ウレタン樹脂(第一工業製薬社製、スーパーフレックス210、固形分35重量%)11.2重量部、架橋剤としてグリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製、デナコールEX−313、エポキシ当量141、粘度150mPa・s、官能基数2〜3、最長原子鎖の原子数7)1.0重量部、アモルファスシリカ微粒子を含むエマルジョン(日本触媒社製、シーホスターKE−W30、平均粒径(一次粒子径)0.28μm、粒度分布1.1、固形分20重量%)0.1重量部と(日本触媒社製、シーホスターKE−W10、平均粒径(一次粒子径)0.11μm、粒度分布1.1、固形分15.5重量%)0.8重量部、および純水27.0重量部を混合して、エマルジョン状の分散体である易接着層形成用塗工液(P−3)を得た。
ウレタン樹脂(第一工業製薬社製、スーパーフレックス210、固形分35重量%)11.2重量部、架橋剤としてグリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製、デナコールEX−313、エポキシ当量141、粘度150mPa・s、官能基数2〜3、最長原子鎖の原子数7)1.0重量部、水系コロイダルシリカ(日産化学社製、スノーテックスC、平均粒径(一次粒子径)10〜15nm、固形分20.5重量%)3.8重量部、および純水24.0重量部を混合して、エマルジョン状の分散体である易接着層形成用塗工液(P−4)を得た。
ウレタン樹脂(第一工業製薬社製、スーパーフレックス210、固形分35重量%)11.2重量部、架橋剤としてオキサゾリン基含有ポリマー(日本触媒社製、エポクロスWS−700、固形分25重量%)3.9重量部、アモルファスシリカ微粒子を含むエマルジョン(日本触媒社製、シーホスターKE−W10、平均粒径(一次粒子径)0.11μm、粒度分布1.1、固形分15.5重量%)1.3重量部、および純水23.4重量部を混合して、エマルジョン状の分散体である易接着層形成用塗工液(P−5)を得た。
ウレタン樹脂(第一工業製薬社製、スーパーフレックス210、固形分35重量%)11.2重量部、架橋剤としてカルボジイミド基含有ポリマー(日清紡ケミカル社製、カルボジライトV−02、固形分40重量%)2.5重量部、アモルファスシリカ微粒子を含むエマルジョン(日本触媒社製、シーホスターKE−W10、平均粒径(一次粒子径)0.11μm、粒度分布1.1、固形分15.5重量%)1.3重量部、および純水24.9重量部を混合して、エマルジョン状の分散体である易接着層形成用塗工液(P−6)を得た。
製造例1−1で得られた基材層形成用樹脂組成物(A−1)を、先端部にポリマーフィルター(濾過精度5μm)およびTダイを備えた単軸押出機を用いて282℃で溶融押出し、125℃の冷却ロール上に吐出して、厚さ192μmの未延伸フィルムを製膜した後、そのまま連続的にオーブン縦延伸機へ供給し、オーブンの温度を140℃にして、縦方向に延伸倍率2.0倍の延伸を行い、厚さ136μmの縦延伸フィルムを得た。次に、得られた縦延伸フィルムの一方の面に、製造例2で得られた易接着層形成用塗工液(P−1)を乾燥後の塗布膜の厚さが1.3μmとなるようにバーコーター(#8)で塗布した後、両端部から20mmの位置を2インチのクリップで掴みテンター延伸機へ供給し、オーブンの温度を143℃として、易接着層の形成と延伸倍率3.3倍の横延伸とを行い、片面に易接着層を有する40μmの光学フィルムを得た。
易接着層形成用塗工液として、製造例3で得られた易接着層形成用塗工液(P−2)を用いたこと以外、実施例1と同様にして、片面に易接着層を有する40μmの光学フィルムを得た。
易接着層形成用塗工液として、製造例4で得られた易接着層形成用塗工液(P−3)を用いたこと以外、実施例1と同様にして、片面に易接着層を有する40μmの光学フィルムを得た。
易接着層形成用塗工液として、製造例5で得られた易接着層形成用塗工液(P−4)を用いたこと以外、実施例1と同様にして、片面に易接着層を有する40μmの光学フィルムを得た。
製造例1−2で得られた基材層形成用樹脂組成物(A−2)を、先端部にポリマーフィルター(濾過精度5μm)およびTダイを備えた単軸押出機を用いて290℃で溶融押出し、131℃の冷却ロール上に吐出して、厚さ192μmの未延伸フィルムを製膜した後、そのまま連続的にオーブン縦延伸機へ供給し、オーブンの温度を146℃にして、縦方向に延伸倍率2.0倍の延伸を行い、厚さ136μmの縦延伸フィルムを得た。次に、得られた縦延伸フィルムの一方の面に、製造例2で得られた易接着層形成用塗工液(P−1)を乾燥後の塗布膜の厚さが1.3μmとなるようにバーコーター(#8)で塗布した後、両端部から20mmの位置を2インチのクリップで掴みテンター延伸機へ供給し、オーブンの温度を149℃として、易接着層の形成と延伸倍率3.3倍の横延伸とを行い、片面に易接着層を有する40μmの光学フィルムを得た。
製造例1−3で得られた基材層形成用樹脂組成物(A−3)を、先端部にポリマーフィルター(濾過精度5μm)およびTダイを備えた単軸押出機を用いて290℃で溶融押出し、129℃の冷却ロール上に吐出して、厚さ192μmの未延伸フィルムを製膜した後、そのまま連続的にオーブン縦延伸機へ供給し、オーブンの温度を144℃にして、縦方向に延伸倍率2.0倍の延伸を行い、厚さ136μmの縦延伸フィルムを得た。次に、得られた縦延伸フィルムの一方の面に、製造例2で得られた易接着層形成用塗工液(P−1)を乾燥後の塗布膜の厚さが1.3μmとなるようにバーコーター(#8)で塗布した後、両端部から20mmの位置を2インチのクリップで掴みテンター延伸機へ供給し、オーブンの温度を147℃として、易接着層の形成と延伸倍率3.3倍の横延伸とを行い、片面に易接着層を有する40μmの光学フィルムを得た。
基材層形成用樹脂組成物(A−4)として無水マレイン酸構造を主鎖に有する(メタ)アクリル樹脂(旭化成社製、デルペット980N、Tg120℃)を、先端部にポリマーフィルター(濾過精度5μm)およびTダイを備えた単軸押出機を用いて275℃で溶融押出し、120℃の冷却ロール上に吐出して、厚さ192μmの未延伸フィルムを製膜した後、そのまま連続的にオーブン縦延伸機へ供給し、オーブンの温度を135℃にして、縦方向に延伸倍率2.0倍の延伸を行い、厚さ136μmの縦延伸フィルムを得た。次に、得られた縦延伸フィルムの一方の面に、製造例2で得られた易接着層形成用塗工液(P−1)を乾燥後の塗布膜の厚さが1.3μmとなるようにバーコーター(#8)で塗布した後、両端部から20mmの位置を2インチのクリップで掴みテンター延伸機へ供給し、オーブンの温度を138℃として、易接着層の形成と延伸倍率3.3倍の横延伸とを行い、片面に易接着層を有する40μmの光学フィルムを得た。
基材層形成用樹脂組成物(A−5)としてグルタルイミド構造を主鎖に有する(メタ)アクリル樹脂(ダイセル・エボニック社製、PLEXIMID 8813、重量平均分子量87000、Tg131℃)を、先端部にポリマーフィルター(濾過精度5μm)およびTダイを備えた単軸押出機を用いて290℃で溶融押出し、120℃の冷却ロール上に吐出して、厚さ192μmの未延伸フィルムを製膜した後、そのまま連続的にオーブン縦延伸機へ供給し、オーブンの温度を146℃にして、縦方向に延伸倍率2.0倍の延伸を行い、厚さ136μmの縦延伸フィルムを得た。次に、得られた縦延伸フィルムの一方の面に、製造例2で得られた易接着層形成用塗工液(P−1)を乾燥後の塗布膜の厚さが1.3μmとなるようにバーコーター(#8)で塗布した後、両端部から20mmの位置を2インチのクリップで掴みテンター延伸機へ供給し、オーブンの温度を149℃として、易接着層の形成と延伸倍率3.3倍の横延伸とを行い、片面に易接着層を有する40μmの光学フィルムを得た。
易接着層形成用塗工液として、製造例6得られた易接着層形成用塗工液(P−5)を用いたこと以外、実施例1と同様にして、片面に易接着層を有する40μmの光学フィルムを得た。
易接着層形成用塗工液として、製造例7で得られた易接着層形成用塗工液(P−6)を用いたこと以外、実施例1と同様にして、片面に易接着層を有する40μmの光学フィルムを得た。
一方、易接着層形成用組成物が、エポキシ化合物ではなく、オキサゾリン基含有ポリマーを含む比較例1と、カルボジイミド基含有ポリマーを含む比較例2では、高温高湿下における易接着性基材の接着性が悪くなることが確認された。
以上のことから、本発明の易接着層形成用組成物によれば、アクリル樹脂基材上に、アクリル樹脂基材との接着性に優れた易接着層を形成することができ、この易接着層は高温高湿下であっても接着性に優れるため、高温高湿下において他の機能性フィルム(例えば、偏光子など)とも高い接着性で接着させることができる。
Claims (12)
- 主鎖に環構造を有するアクリル樹脂で構成された基材上に易接着層を形成するための組成物であって、カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂(A)と、エポキシ化合物(B)とを含む易接着層形成用組成物。
- 環構造が、無水マレイン酸構造、マレイミド構造、無水グルタル酸構造、グルタルイミド構造、ラクタム環構造、及びラクトン環構造から選択された少なくとも1以上の構造を有する請求項1記載の組成物。
- エポキシ化合物(B)が、脂肪族エポキシ化合物を含む請求項1又は2に記載の組成物。
- エポキシ化合物(B)が、エポキシ当量200g/当量以下、粘度2000mPa・s以下を充足する請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
- エポキシ化合物(B)が、脂肪族ポリオールポリグリシジルエーテルを含み、エポキシ当量170g/当量以下を充足する請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
- ポリウレタン樹脂(A)とエポキシ化合物(B)との割合が、前者/後者(重量比)=99/1〜10/90である請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
- 主鎖に環構造を有するアクリル樹脂で構成された基材と、この基材上に請求項1〜6のいずれかに記載の組成物で形成された易接着層とを含む易接着性基材。
- 基材と易接着層との厚み比が、前者/後者=1/0.1〜1/0.001である請求項7記載の接着性基材。
- 光学用である請求項7又は8記載の接着性基材。
- 偏光子に接着させるための請求項7〜9のいずれかに記載の接着性基材。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の組成物で形成された易接着層を介して、主鎖に環構造を有するアクリル樹脂で構成された基材と偏光子とが積層された積層ユニットを有する偏光板。
- 請求項11記載の偏光板を備えた画像表示装置。
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