JP6231736B2 - 積層位相差フィルムおよびその製造方法 - Google Patents
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そのため、上述した特許文献1においては、樹脂層(A)がウレタン樹脂層である光学異方性積層体を得る際には、ポリウレタンを有機溶媒に溶解させ、得られた溶液を基材フィルムに塗布した後、乾燥して有機溶媒を蒸発させる、いわゆる溶媒キャスト法にて製膜している。
しかしながら、上述したような有機溶剤を用いた溶媒キャスト法では、防爆性を確保し、人体や環境への負荷を低減するために、回収装置を設けるなどの過大な製造設備が必要となる。しかも、有機溶剤を溶媒として用いたポリマー溶液は溶液粘度が高くなる傾向があり、取り扱い難くなる場合がある。
Re=d|nx−ny|
で示されるものである。
本発明の積層位相差フィルムは、基材樹脂層と、この基材樹脂層に積層されたウレタン樹脂層とを含むものである。そして、本発明の第一の積層位相差フィルムでは、ウレタン樹脂層の形成にウレタン樹脂の水系分散体が用いられている点を特徴とし、本発明の第二の積層位相差フィルムでは、ウレタン樹脂層の形成に架橋剤が用いられ、当該ウレタン樹脂層が実質的に架橋されている点を特徴とし、本発明の第三の積層位相差フィルムでは、ウレタン樹脂層の波長550nmの光に対する厚み100μmあたりの位相差が650nm以上である点を特徴とする。以下、特徴部を有するウレタン樹脂層から順に説明する。なお、ウレタン樹脂層は、基材樹脂層の片面のみに積層されていてもよいし、両面に積層されていてもよい。
本発明の積層位相差フィルムにおけるウレタン樹脂層は、ウレタン樹脂を含有してなる。ウレタン樹脂は、正の固有複屈折を示し、複屈折(位相差)の発現性が高い。したがって、後述するように、負の順波長分散性を有する樹脂か、または正の逆波長分散性を有する樹脂で形成された基材樹脂層と積層することにより、積層位相差フィルムを逆波長分散性を有するものにできる。
前記ポリアクリルポリオールとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル単量体と水酸基を有する単量体との共重合体が挙げられる。ここで(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。水酸基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシペンチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;グリセリン、トリメチロールプロパンなどの多価アルコールの(メタ)アクリル酸モノエステル;N−メチロール(メタ)アクリルアミド;等が挙げられる。またポリアクリルポリオールは、前記(メタ)アクリル酸エステル単量体および前記水酸基を有する単量体のほかに、さらに他の単量体が共重合されたものであってもよく、例えば、(メタ)アクリル酸などの不飽和モノカルボン酸;マレイン酸などの不飽和ジカルボン酸ならびにその無水物およびモノまたはジエステル類;(メタ)アクリロニトリルなどの不飽和ニトリル類;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどの不飽和アミド類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;メチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;エチレン、プロピレンなどのα−オレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデンなどのハロゲン化α,β−不飽和脂肪族単量体;スチレン、α−メチルスチレンなどのα,β−不飽和芳香族単量体等を共重合させることができる。
ウレタン樹脂の分子量は、特に制限されないが、例えば数平均分子量で5千〜60万が好ましく、より好ましくは1万〜40万である。
さらにウレタン樹脂の水系分散体は、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば、分散安定剤、揺変剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、増粘剤、分散剤、界面活性剤、触媒、帯電防止剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
ウレタン樹脂の水系分散体の固形分量は、塗工作業性等を考慮して適宜設定すればよいが、5〜50質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましく、20〜30質量%がさらに好ましい。
基材樹脂層を形成する樹脂は、特に限定されるものではなく、所望の固有複屈折および波長分散性を有するものになるように、構成単位を設計した重合体を用いればよい。例えば、積層位相差フィルムに逆波長分散性を発現させたい場合には、後述するように、基材樹脂層は負の順波長分散性を有する樹脂か、または正の逆波長分散性を有する樹脂で形成するなどすればよい。
(メタ)アクリル系重合体は、(メタ)アクリル酸エステル単位および/または(メタ)アクリル酸単位を必須の構成単位として有し、(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリル酸の誘導体に由来する構成単位を有していてもよい。なお「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」および/または「メタクリル」を意味するものとする。
(メタ)アクリル酸エステル(単位)、(メタ)アクリル酸(単位)およびこれらの誘導体(単位)は、それぞれ1種のみ有していてもよいし2種以上有していてもよい。
一般式(1)における有機残基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基などの炭素数1から20の飽和脂肪族炭化水素基(アルキル基等)、エテニル基、プロペニル基などの炭素数2から20の不飽和脂肪族炭化水素基(アルケニル基等)、フェニル基、ナフチル基などの炭素数6から20の芳香族炭化水素基(アリール基等)のほか、これら飽和脂肪族炭化水素基、不飽和脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基における水素原子の一つ以上が、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エーテル基およびエステル基から選ばれる少なくとも1種類の基により置換された基などが挙げられる。
さらに詳しくは、主鎖にラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系重合体は、例えば、特開2006−96960号公報、特開2006−171464号公報、特開2007−63541号公報に記載の方法により製造できる。
ラクトン環構造の含有率(質量%)=Z1×Z2×MR/Mm
(式中、Z1は、ラクトン環化前の重合体における、ラクトン環化に関与する原料単量体(ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル酸系モノマーAおよび(メタ)アクリル酸系モノマーB)由来の構造単位の質量含有割合であり、MRは生成するラクトン環構造単位の式量(具体的には、ラクトン環形成元素と、ラクトン環に結合する主鎖以外の基の合計式量)であり、Mmはラクトン環化に関与する原料単量体(ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル酸系モノマーAおよび(メタ)アクリル酸系モノマーB)の分子量(合計)であり、Z2はラクトン環化率である)
により、算出することができる。
に代入してその値を求め、%で表記すると、ラクトン環化率(脱アルコールまたは脱水反応率)が得られる。
上記一般式(2)におけるX1が窒素原子であるグルタルイミド構造は、例えば、(メタ)アクリル酸エステル重合体をメチルアミンなどのイミド化剤によりイミド化することにより形成できる。
さらに詳しくは、主鎖に無水グルタル酸構造あるいはグルタルイミド構造を有する(メタ)アクリル系樹脂は、例えば、WO2007/26659号公報、WO2005/108438号公報に記載の方法により製造できる。
上記一般式(3)におけるX2が窒素原子であるN−置換マレイミド構造は、例えば、フェニルマレイミドなどのN−置換マレイミドを(メタ)アクリル酸エステル等とともに重合に供することにより形成できる。
さらに詳しくは、主鎖に無水マレイン酸構造あるいはN−置換マレイミド構造を有する(メタ)アクリル系樹脂は、例えば、特開昭57−153008号公報、特開2007−31537号公報に記載の方法により製造できる。
本発明の第一、第二および第三の積層位相差フィルムにおいて、前記基材樹脂層と前記ウレタン樹脂層には延伸が施されていることが好ましい。これにより、各層は複屈折(位相差)を発現するものとなる。具体的には、基材樹脂層とウレタン樹脂層との積層体に延伸を施せばよい。各層の積層方法や延伸方法については、その一例を後述する(積層位相差フィルムの製造方法)の項で説明する。
本発明の積層位相差フィルムの製造方法は、ウレタン樹脂の水系分散体を基材樹脂層の上に塗布する積層工程と、この積層体から水系媒体を除去する乾燥工程と、得られた乾燥体を延伸する延伸工程とを含む。かかる製造方法によれば、防爆性を確保し、人体や環境に対して負荷をかけることなく、上述した本発明の積層位相差フィルムを良好な生産性で簡便に作製することができる。かかる製造方法によれば、本発明の第一、第二および第三の積層位相差フィルムを容易に作製することができる。以下、工程ごとに説明する。
積層工程では、ウレタン樹脂の水系分散体を基材樹脂層の上に塗布する。
ウレタン樹脂は、溶融粘度が高くかつ高温で分解し易いため、溶融押出法では製膜し難い。よって、基材樹脂層の上にウレタン樹脂層を形成するにあたり、上記のように塗布法を採用しうることは実用上、非常に有利である。しかも、ウレタン樹脂の水系分散体を基材樹脂層上に塗布する方法であると、ウレタン樹脂を有機溶剤に溶解させるキャスト法に比べ塗工液の粘度を低く保ちやすく、塗工液の取り扱いが容易であるという利点もある。
ウレタン樹脂の水系分散体を含む組成物の塗布量は、乾燥膜厚が、例えば5μm以上、100μm以下となるようにするのが好ましく、より好ましくは10μm以上、60μm以下である。
乾燥工程では、積層工程で得られた積層体から水系分散媒体(溶媒)を除去する。具体的には、積層体を加熱すればよい。積層体の加熱は、例えば、乾燥機、オーブンなど加熱手段を備えた公知の装置を用いて行うことができる。乾燥時間(加熱時間)は30秒〜10分程度である。乾燥温度(加熱温度)は、特に制限されないが、例えば70℃〜200℃が好ましく、より好ましくは80℃〜150℃である。乾燥の初期段階では溶媒の沸点以下の温度とし、その後昇温して最終的に基材樹脂層のガラス転移温度(Tg)未満とすることが好ましい。
延伸工程では、乾燥工程で得られた乾燥体(積層体)を延伸する。
延伸は、一軸延伸であってもよいし、二軸延伸でもあってもよい。一軸延伸は、好ましくは横一軸延伸である。横一軸延伸することにより広幅のフィルムを作製できる。二軸延伸は、典型的には、逐次二軸延伸であるが、縦横延伸を同時に行う同時二軸延伸であってもよい。さらに、フィルム(基材樹脂層)の押出方向に対して斜め方向への延伸であってもよい。延伸は、通常、加熱雰囲気下で行われる。
本発明の積層位相差フィルムを用いて偏光板を作製する場合、両面に偏光子保護フィルムを有する偏光板と貼合してもよいし、本発明の積層位相差フィルムを偏光子保護フィルムとして片面に用いてもよい。
<重合転化率>
重合系の重合転化率は、重合系に存在する未反応の単量体の量をガスクロマトグラフィー(島津製作所社製「GC17A」)を用いて測定することにより求めた。具体的には、まず、測定対象である重合溶液の一部を抜き取り、抜き取った重合溶液と、内部標準物質として炭酸ジフェニルとを、アセトンに溶解させた。次に、溶解により得られた溶液に残留する各単量体の量を、ガスクロマトグラフィーを用いて定量した。この定量で得られた値から、抜き取った分を含め重合溶液の全体に残留する各単量体の合計量を算出し、これを全残存単量体量とした。そして以下の式を用いて、重合転化率を求めた。
重合転化率(%)=(重合反応終了までに重合系に加えた全単量体量−全残存単量体量)/(重合反応終了までに重合系に加えた全単量体量)
システム:島津製作所社製ガスクロマトグラフィー「GC17A」
カラム:信和加工社製「ULBON HR−1」、長さ50m、内径0.25mm、膜厚0.25μm
カラム昇温条件:60℃で5分保持した後、昇温速度5℃/分で235℃まで35分かけて昇温し、さらに昇温速度25℃/分で315℃まで3.2分かけて昇温し、そのまま10分間保持した。
気化室温度:250℃
検出器(FID)温度:320℃
キャリアーガス:ヘリウム(250kPa)
全流量:19.2mL/分
カラム流量:2.69mL/分
スプリット比:5.0
重合体に導入された連鎖移動剤の量(連鎖移動剤導入量)は、ICP発光分光分析装置(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製「iCAP6500」)を用いて、重合体の硫黄含有率を求め、これを連鎖移動剤導入量(重合系に投入した全単量体の合計質量に対する導入量)とした。具体的には、重合体の硫黄含有率は以下のようにして求めた。まず、測定対象の重合体が含まれる重合溶液1.2部をアセトン20部で希釈し、得られた希釈溶液を400部のメタノールに滴下して沈殿物を得た。次に、この沈殿物を濾過、乾燥することによって得た粉体状の重合体を2−ブタノンに溶解し、得られた溶液に対してICP発光分光分析を実施し、重合体の硫黄含有率を求めた。
ラクトン環構造の含有率は、ダイナミックTG法により、以下のようにして求めた。まず、ラクトン環構造を有する重合体に対してダイナミックTG測定を実施し、150℃から300℃の間の質量減少率を測定して、得られた値を実測質量減少率(X)とした。150℃は、重合体に残存する水酸基およびエステル基が環化縮合反応を開始する温度であり、300℃は、重合体の熱分解が始まる温度である。他方、前駆体(環化縮合反応前の重合体)に含まれる全ての水酸基が脱アルコール反応を起こしてラクトン環が形成されたと仮定して、その反応による質量減少率(すなわち前駆体の脱アルコール環化縮合反応率が100%であったと仮定した質量減少率)を算出し、理論質量減少率(Y)とした。具体的には、理論質量減少率(Y)は、前駆体における、脱アルコール反応に関与する水酸基を有する構成単位の含有率から求めることができる。なお、前駆体の組成は、測定対象である重合体((メタ)アクリル重合体)の組成から導いた。そして式;[1−(実測質量減少率(X)/理論質量減少率(Y))]×100(%)により、重合体の脱アルコール反応率を算出した。測定対象である重合体において、求めた脱アルコール反応率の分だけラクトン環構造が形成されていると考えられる。そこで、前駆体における、脱アルコール反応に関与する水酸基を有する構成単位の含有率に、求めた脱アルコール反応率を乗じ、ラクトン環構造の質量に換算した値を、ラクトン環構造の含有率とした。
樹脂(重合体)の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、以下の測定条件で求めた。
測定システム:東ソー社製「GPCシステムHLC−8220」
展開溶媒:クロロホルム(和光純薬工業製、特級)
溶媒流量:0.6mL/分
標準試料:TSK標準ポリスチレン(東ソー社製「PS−オリゴマーキット」)
測定側カラム構成:ガードカラム(東ソー社製「TSK guardcolumn SuperHZ−L」)、分離カラム(東ソー社製「TSK Gel Super HZM−M」)、2本直列接続
リファレンス側カラム構成:リファレンスカラム(東ソー社製「TSK gel SuperH−RC」)
樹脂およびフィルムのガラス転移温度(Tg)は、JIS K7121の規定に準拠して測定した。具体的には、示差走査熱量計(リガク社製「Thermo plus EVO DSC−8230」)を用い、窒素ガス雰囲気下、約10mgのサンプルを常温から200℃まで昇温(昇温速度20℃/分)して得られたDSC曲線から、始点法により求めた。リファレンスには、α−アルミナを用いた。
平均粒子径の測定には、粒度分布測定装置(Particle Sizing Systems社製「Submicron Particle Sizer NICOMP380」)を用いて等価球形分布を測定し、得られた分布における大粒子側から積算した積算体積分率50%の粒子の粒径を求め、これを平均粒子径とした。
フィルムまたは層の膜厚は、デジマチックマイクロメーター(ミツトヨ社製)を用いて測定した。
位相差フィルムの波長450nmの光に対する面内位相差Re(450)、波長550nmの光に対する面内位相差Re(550)は、全自動複屈折計(王子計測機器社製「KOBRA−WR」)を用いて測定した。面内位相差Reは、Re=|nx−ny|×dで定義される。ここで、「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸に垂直な方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、dは位相差フィルムの厚み(nm)である。
位相差フィルムのRe(450)/Re(550)値は、波長450nmの光に対する面内位相差Re(450)と波長550nmの光に対する面内位相差Re(550)の測定値から、式:Re(450)/Re(550)に基づき算出した。
またフィルム厚み100μmあたりの位相差は、波長550nmの光に対する面内位相差Re(550)をフィルムの厚みで除して、それを100倍した値である。
樹脂の固有複屈折の正負は、測定対象とする樹脂で形成した一軸延伸フィルムについて、上記位相差測定を行い、遅相軸方向がフィルムの延伸方向と平行の場合(略平行の場合を含む)、樹脂の固有複屈折を正とし、遅相軸方向がフィルムの延伸方向と垂直の場合(略垂直の場合を含む)、樹脂の固有複屈折を負とした。
得られた位相差フィルムを60℃、90%RHの雰囲気下および90℃の雰囲気下で500時間の耐久性試験に供して、経時的な位相差Re(550)の変化を評価した。
具体的には、得られた位相差フィルムの中央部分を切り出し、アクリル系光学粘着シート(美館イメージング社製「透明両面接着テープNCR65」)を用いて、マイクロスライドガラス(松浪硝子工業社製;品番:S200200、品種:水縁磨、サイズ:45mm×50mm×1.3mm)にウレタン樹脂層側が表面になるように貼り合わせた後、恒温恒湿(23℃、60%RH)の雰囲気下に24時間放置し、試験片を得た。そして恒温恒湿(23℃、60%RH)の雰囲気下に1時間放置した後の試験片中央部について、550nmの光に対する面内位相差Re(550)を測定し、初期値(Re(0hr))とした。
上記試験片を、所定の雰囲気(60℃、90%RHの雰囲気または90℃の雰囲気)下で500時間保存してから、恒温恒湿(23℃、60%RH)の雰囲気下に1時間置いた後に、550nmの光に対する面内位相差Re(550)を測定し、耐久試験後の位相差(Re(500hr))とした。そして式;変化率(%)=|100×Re(500hr)/Re(0hr)−100|により位相差変化率を算出した。
攪拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入管を備えた反応釜に、メタクリル酸メチル(MMA)47.5部、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(MHMA)2.5部、重合溶媒としてトルエン50部、および酸化防止剤(ADEKA社製「アデカスタブ(登録商標)2112」)0.025部を仕込み、これに窒素を通じつつ、105℃まで昇温した。昇温に伴う還流が始まったところで、重合開始剤としてt−アミルパーオキシイソノナノエート(アルケマ吉富社製「ルペロックス(登録商標)570」)0.10部を添加するとともに、前記t−アミルパーオキシイソノナノエート0.10部を2時間かけて滴下しながら、約105〜110℃の還流下で溶液重合を進行させた。滴下終了後、重合系内に連鎖移動剤としてドデカンチオール0.05部(重合系に投入した全単量体の合計質量の1000ppmに相当)を添加して、さらに4時間重合を進行させ、MMA−MHMA共重合体を生成させた。
なお連鎖移動剤(ドデカンチオール)を添加した時点における重合系の重合転化率を、重合溶液の一部を抜き取って評価したところ、77質量%であった。
なお環化縮合反応が終了した時点(すなわち重合が終了した時点;重合開始から8時間経過)における重合系の重合転化率を、重合溶液の一部を抜き取って評価したところ、95質量%であった。
樹脂(P1)のガラス転移温度(Tg)は119℃、重量平均分子量は13.5万、連鎖移動剤の導入量(重合系に投入した全単量体の合計質量に対する導入量)は200ppm、ラクトン環構造の含有率は7.2質量%であった。
攪拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入管を備えた反応釜に、N−ビニルカルバゾール(NVCz)10.3部、メタクリル酸メチル(MMA)28.2部、メタクリル酸ブチル(BMA)1.5部、重合溶媒としてメチルエチルケトン60部、および酸化防止剤(ADEKA社製「アデカスタブ(登録商標)2112」)0.02部を仕込み、これに窒素を通じつつ、90℃まで昇温した。その後、重合開始剤としてt−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(アルケマ吉富社製「ルペロックス(登録商標)575)0.08部を添加して溶液重合を4時間進行させ、NVCz−MMA−BMA共重合体を生成させた。
樹脂(P2)のガラス転移温度(Tg)は125℃、重量平均分子量は12.4万であった。また樹脂(P2)の固有複屈折は負であり、Re(450)/Re(550)は1.11であった。なお、樹脂(P2)のRe(450)/Re(550)は、後述する比較例3で得られた位相差フィルムを用いて測定した。
[弾性有機微粒子(P3A)の調製]
攪拌機を備えた耐圧反応容器に、脱イオン水70部、ピロリン酸ナトリウム0.5部、オレイン酸カリウム0.2部、硫酸第一鉄0.005部、デキストロース0.2部、p−メンタンハイドロパーオキシド0.1部、1,3−ブタジエン28部からなる混合物を加えて65℃に昇温し、2時間重合を行った。次いで、得られた反応混合物にp−メンタンハイドロパーオキシド0.2部を加え、1,3−ブタジエン72部、オレイン酸カリウム1.33部、脱イオン水75部を2時間かけて連続滴下した。その後、重合開始から21時間反応させて、平均粒子径0.240μmのブタジエン系ゴム重合体ラテックスを得た。
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管、滴下ロートを備えた反応容器に、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(MHMA)15部、メタクリル酸メチル(MMA)27部、アクリル酸メチル(MA)10部、N−ビニルカルバゾール(NVCz)6部、トルエン37部およびメタノール2部を仕込んだ。この反応容器に窒素ガスを導入しながら95℃まで昇温させ、還流が始まったところで、重合開始剤としてt−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(アルケマ吉富社製「ルペロックス(登録商標)575」)0.029部を添加し、同時に、MHMA15部、MMA27部、トルエン17部および上記重合開始剤(t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート;「ルペロックス(登録商標)575」)0.082部の混合物の滴下を開始した。この混合物は8時間かけて滴下し、その間、還流下、約90℃〜100℃で溶液重合を行った。また混合物の滴下開始(重合開始)から5時間経過した時点より23.3部のトルエンを3時間かけて滴下し、重合液を希釈した。
次に、得られた共重合体溶液に、リン酸オクチル/ジオクチル混合物(堺化学工業社製「Phoslex A−8」)0.24部を添加し、80℃〜105℃の還流下で2時間、環化縮合反応を行った。その後、21.4部のメチルイソブチルケトン(MIBK)を添加し、得られた共重合体溶液を希釈した。
次いで、得られた共重合体溶液を熱交換器に通して240℃まで昇温させ、バレル温度240℃、減圧度13.3〜400hPa(10〜300mmHg)、リアベント数1個およびフォアベント数4個(上流側から第1、第2、第3、第4ベントと称する)であり、先端部にリーフディスク型のポリマーフィルタ(濾過精度5μm)がギアポンプを介して配置されたベントタイプスクリュー二軸押出機(L/D=52)に、80部/時(重合体量換算)の処理速度で導入し、脱揮を行った。その際、別途準備しておいた酸化防止剤/環化触媒失活剤の混合溶液を3.05部/時の投入速度で第2ベントの後ろから、イオン交換水を0.4部/時の投入速度で第3ベントの後ろから、それぞれ投入した。酸化防止剤/環化触媒失活剤の混合溶液には、フェノール系酸化防止剤として2.14部のペンタエリスリトールテトラキス−[3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](BASFジャパン社製「イルガノックス(登録商標)1010」)と、イオウ系酸化防止剤として2.14部のペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)(ADEKA社製「アデカスタブ(登録商標)AO−412S」)と、環化触媒失活剤として32.2部のオクチル酸亜鉛(日本化学産業社製「ニッカオクチクス亜鉛18%」)とを、トルエン251部に溶解させた溶液を用いた(イルガノックス1010、およびアデカスタブAO−412Sは樹脂中に各々0.025質量%含まれている)。
樹脂(P3B)のガラス転移温度(Tg)は132℃、重量平均分子量は10.2万であった。
上記で得られた樹脂(P3B)と、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS:スチレン/アクリロニトリルの共重合比(質量比)が73/27、重量平均分子量22万)と、上記で得られた樹脂弾性有機微粒子(P3A)とを、質量比で(P3B)/AS/(P3A)=78.2/7.8/14の割合で二軸押出機を用いて240℃にて混練し、ペレット状の樹脂(P3)を得た。
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管を備えた反応釜に、メタクリル酸メチル(MMA)40部、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(MHMA)10部、トルエン50部、酸化防止剤(ADEKA社製「アデカスタブ(登録商標)2112」)0.025部を仕込み、これに窒素を通じつつ105℃まで昇温し、還流したところで、重合開始剤としてt−アミルパーオキシイソノナノエート(アトフィナ吉富社製「ルペロックス(登録商標)570)0.05部を添加すると同時に、上記重合開始剤(「ルペロックス570」)0.1部を2時間かけて滴下しながら、約105〜110℃の還流下で溶液重合を行い、さらに4時間熟成を行った。
次いで、得られた重合体溶液を熱交換器に通して240℃まで昇温させ、シリンダ温度250℃、減圧度13.3〜400hPa(10〜300mmHg)、リアベント数1個およびフォアベント数4個(上流側から第1、第2、第3、第4ベントと称する)であり、第3ベントと第4ベントとの間にサイドフィーダーが設けられており、先端部にリーフディスク型のポリマーフィルター(濾過精度5μm)がギアポンプを介して配置されたベントタイプスクリュー二軸押出機(L/D=52)に、89.6部/時(重合体量換算)の処理速度で導入し、脱揮を行った。その際、別途準備しておいた酸化防止剤/環化触媒失活剤の混合溶液を1.34部/時の投入速度で第2ベントの後ろから、イオン交換水を1.34部/時の投入速度で第1および第3ベントの後ろから、それぞれ投入した。酸化防止剤/環化触媒失活剤の混合溶液には、フェノール系酸化防止剤として2.5部のペンタエリスリトールテトラキス−[3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](BASFジャパン社製「イルガノックス(登録商標)1010」)と、イオウ系酸化防止剤として2.5部のペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)(ADEKA社製「アデカスタブ(登録商標)AO−412S」)と、環化触媒失活剤として39部のオクチル酸亜鉛(日本化学産業社製「ニッカオクチクス亜鉛3.6質量%」)とを、トルエン90部に溶解させた溶液を用いた。また上記サイドフィーダーからは、スチレン−アクリロニトリル共重合体(スチレン/アクリロニトリルの比率は質量比で73/27、重量平均分子量22万)のペレットを投入速度10.4部/時で投入した。
樹脂(P4)のガラス転移温度は125℃、重量平均分子量は132000であり、この樹脂(P4)中のラクトン環含有率は28.5質量%であった。
ウレタン樹脂の水系分散体(D1)〜(D5)としては下記の市販品を用いた。
・ウレタン樹脂水系分散体(D1):三井化学ポリウレタン社製「タケラック(登録商標)WS−4000」、固形分30質量%(表中、ウレタンD1と表記)
・ウレタン樹脂水系分散体(D2):ADEKA社製「アデカボンタイター(登録商標)HUX−550」、固形分28質量%(表中、ウレタンD2と表記)
・ウレタン樹脂水系分散体(D3):第一工業製薬社製「スーパーフレックス(登録商標)170」、固形分33質量%(表中、ウレタンD3と表記)
・ウレタン樹脂水系分散体(D4):ADEKA社製「アデカボンタイター(登録商標)HUX−541」、固形分30質量%(表中、ウレタンD4と表記)
・ウレタン樹脂水系分散体(D5):ADEKA社製「アデカボンタイター(登録商標)HUX−522」、固形分30質量%(表中、ウレタンD5と表記)
製造例1で得られた樹脂(P1)を、先端部にポリマーフィルタ(濾過精度5μm)およびTダイを備えた単軸押出機を用いて270℃で溶融押出し、ガラス転移温度が119℃であり厚み75μmの帯状未延伸フィルムを得た。次に、得られた未延伸フィルムの一方の主面に、前記ウレタン樹脂水系分散体(D1)を乾燥後の塗膜厚が60μmとなるように塗工試験機を用いて塗布した後、この積層フィルム全体を100℃で5分間乾燥した。その後、オートグラフ(島津製作所製「AG−1kNX」)を用いて、当該積層フィルムを延伸温度128℃、延伸倍率2.0倍で自由端一軸延伸した。
このようにして、樹脂(P1)からなる基材樹脂層の片面に、厚さ41μmのウレタン樹脂層が積層された積層位相差フィルム(F1)を得た。この積層位相差フィルムの総膜厚(μm)、面内位相差(Re(550))、Re(450)/Re(550)を表1に示す。
製造例2で得られた樹脂(P2)をプレス成形機により240℃でプレス成形して、ガラス転移温度が125℃であり厚み75μmの未延伸フィルムを得た。次に、得られた未延伸フィルムの一方の主面に、前記ウレタン樹脂水系分散体(D1)を乾燥後の塗膜厚が70μmとなるように塗工試験機を用いて塗布した後、この積層フィルム全体を100℃で5分間乾燥した。その後、オートグラフ(島津製作所製「AG−1kNX」)を用いて、当該積層フィルムを延伸温度128℃、延伸倍率2.0倍で自由端一軸延伸した。
このようにして、樹脂(P2)からなる基材樹脂層の片面に、厚さ47μmのウレタン樹脂層が積層された積層位相差フィルム(F2)を得た。この積層位相差フィルムの総膜厚(μm)、面内位相差(Re(550))、Re(450)/Re(550)を表1に示す。
樹脂(P2)を成形して得た未延伸フィルムの厚みを90μmに変更したこと以外は実施例2と同様の方法で、樹脂(P2)からなる基材樹脂層の片面に、厚さ47μmのウレタン樹脂層が積層された積層位相差フィルム(F3)を得た。この積層位相差フィルムの総膜厚(μm)、面内位相差(Re(550))、Re(450)/Re(550)を表1に示す。
まず、前記ウレタン樹脂水系分散体(D2)90部と、架橋剤(日本触媒社製「エポクロス(登録商標)WS−700」、固形分25質量%、オキサゾリン含有ポリマー(表中、架橋剤E1と表記))10部とを混合して、ウレタン樹脂組成物(C4)を調製した。なお、このウレタン樹脂組成物中の架橋剤の含有量は、固形分換算でウレタン樹脂100部に対し10部であった。
次に、ウレタン樹脂分散体(D1)を上記で得たウレタン樹脂組成物(C4)に変更し、乾燥後の塗膜厚が34μmとなるようにしたこと以外は実施例2と同様の方法で、樹脂(P2)からなる基材樹脂層の片面に、厚さ23μmのウレタン樹脂層が積層された積層位相差フィルム(F4)を得た。この積層位相差フィルムの総膜厚(μm)、面内位相差(Re(550))、Re(450)/Re(550)を表1に示す。
製造例2で得られた樹脂(P2)をプレス成形機により240℃でプレス成形して、ガラス転移温度が125℃であり厚み75μmの未延伸フィルムを得た。次に、得られた未延伸フィルムの一方の主面に、前記ウレタン樹脂水系分散体(D1)を乾燥後の塗膜厚が35μmとなるように塗工試験機を用いて塗布した後、この積層フィルム全体を100℃で5分間乾燥した。次いで、前記未延伸フィルムのもう一方の面にも、前記ウレタン樹脂水系分散体(D1)を乾燥後の塗膜厚が35μmとなるように塗工試験機を用いて塗布した後、この積層フィルム全体を100℃で5分間乾燥した。その後、オートグラフ(島津製作所製「AG−1kNX」)を用いて、当該積層フィルムを延伸温度128℃、延伸倍率2.0倍で自由端一軸延伸した。
このようにして、樹脂(P2)からなる基材樹脂層の両面に、厚さ各23μmのウレタン樹脂層が積層された積層位相差フィルム(F5)を得た。この積層位相差フィルムの総膜厚(μm)、面内位相差(Re(550))、Re(450)/Re(550)を表1に示す。
製造例3で得られた樹脂(P3)をプレス成形機により240℃でプレス成形して、ガラス転移温度が127℃であり厚み180μmの未延伸フィルムを得た。次に、得られた未延伸フィルムの一方の主面に、前記ウレタン樹脂水系分散体(D1)を乾燥後の塗膜厚が8μmとなるように塗工試験機を用いて塗布した後、この積層フィルム全体を100℃で5分間乾燥した。その後、コーナーストレッチ式二軸延伸試験装置(東洋精機製「X6−S」)を用いて、当該積層フィルムを延伸温度130℃、延伸倍率2.8倍で固定端一軸延伸した。
このようにして、樹脂(P3)からなる基材樹脂層の片面に、厚さ3μmのウレタン樹脂層が積層された積層位相差フィルム(F6)を得た。この積層位相差フィルムの総膜厚(μm)、面内位相差(Re(550))、Re(450)/Re(550)を表1に示す。
まず、アクリル樹脂分散体(BASF社製「JONCRYL631」、固形分50質量%)60部と純水40部とを混合して、アクリル樹脂組成物(CoC1)を得た。
次に、ウレタン樹脂水系分散体(D1)を上記で得たアクリル樹脂組成物(CoC1)に変更したこと以外は実施例1と同様の方法で、樹脂(P1)からなる基材樹脂層の片面に、厚さ41μmのアクリル樹脂層が積層された積層位相差フィルム(CoF1)を得た。この積層位相差フィルムの総膜厚(μm)、Re(550)を表1に示す。
製造例1で得られた樹脂(P1)を、先端部にポリマーフィルタ(濾過精度5μm)およびTダイを備えた単軸押出機を用いて270℃で溶融押出し、ガラス転移温度が119℃であり厚み75μmの帯状未延伸フィルムを得た。その後、オートグラフ(島津製作所製「AG−1kNX」)を用いて、当該フィルムを延伸温度128℃、延伸倍率2.0倍で自由端一軸延伸した。
このようにして、樹脂(P1)からなる基材樹脂層のみからなる(ウレタン樹脂層を有さない)位相差フィルム(CoF2)を得た。この位相差フィルムの総膜厚(μm)、Re(550)を表1に示す。
製造例2で得られた樹脂(P2)をプレス成形機により240℃でプレス成形して、ガラス転移温度が125℃であり厚み75μmの未延伸フィルムを得た。その後、オートグラフ(島津製作所製「AG−1kNX」)を用いて、当該フィルムを延伸温度128℃、延伸倍率2.0倍で自由端一軸延伸した。
このようにして、樹脂(P2)からなる基材樹脂層のみからなる(ウレタン樹脂層を有さない)位相差フィルム(CoF3)を得た。この位相差フィルムの総膜厚(μm)、面内位相差(Re(550))、Re(450)/Re(550)を表1に示す。
製造例4で得られた樹脂(P4)を、ポリマーフィルタ(濾過精度5μm)およびTダイを備えた単軸押出機を用いて270℃で溶融押出し、ガラス転移温度が125℃であり厚み145μmの帯状未延伸フィルムを得た。次に、得られた未延伸フィルムの一方の主面に、前記ウレタン樹脂水系分散体(D3)を、乾燥後に表2に示す塗膜厚となるように塗工試験機を用いて塗布した後、この積層フィルム全体を110℃で5分間乾燥し、積層フィルムを得た。次に、この積層フィルムを長さ80mm×幅50mmに切り出し、オートグラフ(島津製作所社製「AG−1kNX」)を用いて、延伸温度130℃、速度40mm/分で、チャック間距離40mmから2倍となるように自由端一軸延伸して、積層位相差フィルム(F7)を得た。この積層位相差フィルムの総膜厚(μm)、ウレタン樹脂層の厚み、面内位相差(Re(550))、フィルム厚み100μmあたりの位相差、ウレタン樹脂層における厚み100μmあたりの位相差、位相差耐久性試験の結果を表2に示す。
なお、ウレタン樹脂層における厚み100μmあたりの位相差は、以下のようにして求めた。すなわち、基材樹脂層を構成する樹脂(P4)単層フィルムである後述の比較例4のフィルムの位相差が17nmであるので、「積層位相差フィルムの面内位相差(Re(550))−17nm=ウレタン樹脂層の位相差(Re(550))」とし、これをウレタン樹脂層の厚み100μmあたりに換算して求めた(以下、実施例8〜14も同様)。
まず、前記ウレタン樹脂水系分散体(D3)100部と、架橋剤(日本触媒社製「エポクロス(登録商標)WS−700」、固形分25質量%、オキサゾリン含有ポリマー(表中、架橋剤E1と表記))13.2部とを混合して、ウレタン樹脂組成物(C8)を調製した。なお、このウレタン樹脂組成物中の架橋剤の含有量は、固形分換算でウレタン樹脂100部に対し10部であった。
次に、ウレタン樹脂分散体(D3)を上記で得たウレタン樹脂組成物(C8)に変更し、乾燥後の塗膜厚を表2に示す通りにしたこと以外は実施例7と同様の方法で、積層位相差フィルム(F8)を得た。この積層位相差フィルムの総膜厚(μm)、ウレタン樹脂層の厚み、面内位相差(Re(550))、フィルム厚み100μmあたりの位相差、ウレタン樹脂層における厚み100μmあたりの位相差、位相差耐久性試験の結果を表2に示す。
まず、前記ウレタン樹脂水系分散体(D3)100部と、架橋剤(日本触媒社製「エポクロス(登録商標)WS−700」、固形分25質量%、オキサゾリン含有ポリマー(表中、架橋剤E1と表記))39.6部とを混合して、ウレタン樹脂組成物(C9)を調製した。なお、このウレタン樹脂組成物中の架橋剤の含有量は、固形分換算でウレタン樹脂100部に対し30部であった。
次に、ウレタン樹脂分散体(D3)を上記で得たウレタン樹脂組成物(C9)に変更し、乾燥後の塗膜厚を表2に示す通りにしたこと以外は実施例7と同様の方法で、積層位相差フィルム(F9)を得た。この積層位相差フィルムの総膜厚(μm)、ウレタン樹脂層の厚み、面内位相差(Re(550))、フィルム厚み100μmあたりの位相差、ウレタン樹脂層における厚み100μmあたりの位相差、位相差耐久性試験の結果を表2に示す。
ウレタン樹脂水系分散体(D3)を前記ウレタン樹脂水系分散体(D4)に変更し、乾燥後の塗膜厚を表2に示す通りにしたこと以外は実施例7と同様の方法で、積層位相差フィルム(F10)を得た。この積層位相差フィルムの総膜厚(μm)、ウレタン樹脂層の厚み、面内位相差(Re(550))、フィルム厚み100μmあたりの位相差、ウレタン樹脂層における厚み100μmあたりの位相差、位相差耐久性試験の結果を表2に示す。
まず、前記ウレタン樹脂水系分散体(D4)100部と、架橋剤(日本触媒社製「エポクロス(登録商標)WS−700」、固形分25質量%、オキサゾリン含有ポリマー(表中、架橋剤E1と表記))12部とを混合して、ウレタン樹脂組成物(C11)を調製した。なお、このウレタン樹脂組成物中の架橋剤の含有量は、固形分換算でウレタン樹脂100部に対し10部であった。
次に、ウレタン樹脂分散体(D3)を上記で得たウレタン樹脂組成物(C11)に変更し、乾燥後の塗膜厚を表2に示す通りにしたこと以外は実施例7と同様の方法で、積層位相差フィルム(F11)を得た。この積層位相差フィルムの総膜厚(μm)、ウレタン樹脂層の厚み、面内位相差(Re(550))、フィルム厚み100μmあたりの位相差、ウレタン樹脂層における厚み100μmあたりの位相差、位相差耐久性試験の結果を表2に示す。
ウレタン樹脂水系分散体(D3)を前記ウレタン樹脂水系分散体(D5)に変更し、乾燥後の塗膜厚を表2に示す通りにしたこと以外は実施例7と同様の方法で、積層位相差フィルム(F12)を得た。この積層位相差フィルムの総膜厚(μm)、ウレタン樹脂層の厚み、面内位相差(Re(550))、フィルム厚み100μmあたりの位相差、ウレタン樹脂層における厚み100μmあたりの位相差、位相差耐久性試験の結果を表2に示す。
まず、前記ウレタン樹脂水系分散体(D5)100部と、架橋剤(日本触媒社製「エポクロス(登録商標)WS−700」、固形分25質量%、オキサゾリン含有ポリマー(表中、架橋剤E1と表記))36部と、純水6部とを混合して、ウレタン樹脂組成物(C13)を調製した。なお、このウレタン樹脂組成物中の架橋剤の含有量は、固形分換算でウレタン樹脂100部に対し30部であった。
次に、ウレタン樹脂分散体(D3)を上記で得たウレタン樹脂組成物(C13)に変更し、乾燥後の塗膜厚を表2に示す通りにしたこと以外は実施例7と同様の方法で、積層位相差フィルム(F13)を得た。この積層位相差フィルムの総膜厚(μm)、ウレタン樹脂層の厚み、面内位相差(Re(550))、フィルム厚み100μmあたりの位相差、ウレタン樹脂層における厚み100μmあたりの位相差、位相差耐久性試験の結果を表2に示す。
まず、前記ウレタン樹脂水系分散体(D5)100部と、架橋剤(日清紡ケミカル社製「カルボジライト(登録商標)E−02」、固形分40質量%、カルボジイミド含有化合物(表中、架橋剤E2と表記))12部と、純水6部とを混合して、ウレタン樹脂組成物(C14)を調製した。なお、このウレタン樹脂組成物中の架橋剤の含有量は、固形分換算でウレタン樹脂100部に対し10部であった。
次に、ウレタン樹脂分散体(D3)を上記で得たウレタン樹脂組成物(C14)に変更し、乾燥後の塗膜厚を表2に示す通りにしたこと以外は実施例7と同様の方法で、積層位相差フィルム(F14)を得た。この積層位相差フィルムの総膜厚(μm)、ウレタン樹脂層の厚み、面内位相差(Re(550))、フィルム厚み100μmあたりの位相差、ウレタン樹脂層における厚み100μmあたりの位相差、位相差耐久性試験の結果を表2に示す。
ポリマーフィルター(濾過精度5μm)を備えるとともにTダイを先端に備えた単軸押出機を用いて、製造例4で得られた樹脂(P4)を成形温度270℃で溶融押出し、ガラス転移温度が125℃であり厚さ145μmの帯状未延伸フィルムを得た。次に、この帯状未延伸フィルムを長さ80mm×幅50mmに切り出し、オートグラフ(島津製作所社製「AG−1kNX」)を用いて、延伸温度130℃、速度40mm/分で、チャック間距離40mmから2倍となるように自由端一軸延伸して、位相差フィルム(CoF4)を得た。この位相差フィルムの総膜厚(μm)、面内位相差(Re(550))、フィルム厚み100μmあたりの位相差を表2に示す。
Claims (14)
- 基材樹脂層とこの基材樹脂層に積層されたウレタン樹脂層とを含む延伸フィルムから構成され、
前記基材樹脂層は負の固有複屈折性を示す樹脂からなり、前記ウレタン樹脂層は正の固有複屈折性を示すウレタン樹脂からなるものであり、
前記ウレタン樹脂層がウレタン樹脂および架橋剤を含有し、前記ウレタン樹脂層の厚みが10μm以上100μm以下であることを特徴とする積層位相差フィルム。 - 波長450nmにおける面内位相差(nm)をRe450、波長550nmにおける面内位相差(nm)をRe550としたときに、積層位相差フィルムについてのRe450/Re550が、0.80以上0.98以下である請求項1に記載の積層位相差フィルム。
- 前記基材樹脂層は、波長450nmにおける面内位相差(nm)をRe450、波長550nmにおける面内位相差(nm)をRe550としたときに、Re450/Re550が1.06以上である請求項2に記載の積層位相差フィルム。
- 前記基材樹脂層が主鎖に環構造を有する重合体を含む請求項1〜3のいずれかに記載の積層位相差フィルム。
- 前記架橋剤が、オキサゾリン基またはカルボジイミド基を有するポリマーである請求項1〜4のいずれかに記載の積層位相差フィルム。
- 前記架橋剤の含有量は、固形分換算で、ウレタン樹脂100質量部に対して、1質量部以上50質量部以下である請求項1〜5のいずれかに記載の積層位相差フィルム。
- 前記基材樹脂層を形成する樹脂が、側鎖に環構造を備えた構造単位を有する重合体を含む請求項1〜6のいずれかに記載の積層位相差フィルム。
- 架橋剤を含む正の固有複屈折性を示すウレタン樹脂の水系分散体を、乾燥膜厚が10μm以上100μm以下となるように、負の固有複屈折性を示す樹脂からなる基材樹脂層の上に塗布する積層工程と、
この積層体から水系媒体を除去する乾燥工程と、
得られた乾燥体を延伸する延伸工程とを含むことを特徴とする積層位相差フィルムの製造方法。 - 前記乾燥工程の加熱と延伸工程の加熱は一方が他方を兼ねる請求項8に記載の積層位相差フィルムの製造方法。
- 前記架橋剤が、オキサゾリン基またはカルボジイミド基を有するポリマーである請求項8または9に記載の積層位相差フィルムの製造方法。
- 前記架橋剤の含有量は、固形分換算で、ウレタン樹脂100質量部に対して、1質量部以上50質量部以下である請求項8〜10のいずれかに記載の積層位相差フィルムの製造方法。
- 前記延伸工程における延伸倍率は1.1倍以上10倍以下である請求項8〜11のいずれかに記載の積層位相差フィルムの製造方法。
- 前記乾燥工程において、前記積層体を70℃〜200℃で30秒〜10分加熱して、水系媒体を除去する請求項8〜12のいずれかに記載の積層位相差フィルムの製造方法。
- 前記基材樹脂層を形成する樹脂が、側鎖に環構造を備えた構造単位を有する重合体を含む請求項8〜13のいずれかに記載の積層位相差フィルムの製造方法。
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JP7128101B2 (ja) | 2018-11-29 | 2022-08-30 | ダイハツ工業株式会社 | 内燃機関 |
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JP2014048426A (ja) | 2014-03-17 |
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