JP2015069134A - 積層位相差フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

積層位相差フィルムおよびその製造方法 Download PDF

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弘康 渡部
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Abstract

【課題】所望の位相差を発現しつつ、反りが抑制された積層位相差フィルムを提供する。
【解決手段】本発明の積層位相差フィルムは、ウレタン樹脂(A)を含む光学補償層と、基材樹脂層とを含む積層位相差フィルムであって、前記光学補償層は、前記ウレタン樹脂(A)に加えて、動的粘弾性で測定したガラス転移温度が70℃未満である樹脂(B)を含むことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、画像表示分野等において好適に用いられる積層位相差フィルムと、その製造方法および当該製造方法に用いる樹脂組成物とに関する。
従来から、画像表示分野等においては、高分子の配向により生じる複屈折を利用した位相差フィルム等の光学フィルムが幅広く使用されている。しかし、延伸によって発現する位相差範囲には限界があるため十分な視野角拡大効果が得られなかった。
そこで様々な光学設計への対応を可能にするために積層位相差フィルムが提案されている。例えば、正の複屈折性を有し、かつ−NH−CO−で表される基を備える構造単位(a)を含む樹脂層(A)と、負の複屈折性を有する構造単位(b)を含む樹脂層(B)とを含む光学異方性積層体が提案されている(特許文献1)。
特開2010−91676号公報
しかし、積層位相差フィルムを作成する際に、延伸を用いて位相差を発現させた場合においては、各層の樹脂物性が異なるために延伸によってフィルムに反りが発生し、ハンドリングが困難になるという問題があった。
一般に、積層フィルムの反りを抑制する方法としては、基材の厚みに対し積層する層の厚みを薄くするなど、各層の厚みを制御することが考えられるが、位相差フィルムの場合、各層の膜厚は発現する位相差に大きく影響する。そのため、積層位相差フィルムにおいては、各層の膜厚は所望の位相差を発現させることを考慮して設計されるのが常であり、仮に、反りを改善するべく一方の層を薄くすると、当該層は十分な位相差を発現し得ないことになる。
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、所望の位相差を発現しつつ、反りが抑制された積層位相差フィルムを提供することにある。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ウレタン樹脂(A)を含む光学補償層と基材樹脂層とを含む積層位相差フィルムにおいて、光学補償層にガラス転移温度が70℃未満である樹脂(B)を含有させれば、延伸で光学補償層に生じる応力が緩和され、フィルムの反りを抑制することが可能になり、しかもウレタン樹脂(A)により所望の位相差を発現させることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の構成からなる。
(1)ウレタン樹脂(A)を含む光学補償層と、基材樹脂層とを含む積層位相差フィルムであって、前記光学補償層は、前記ウレタン樹脂(A)に加えて、動的粘弾性で測定したガラス転移温度が70℃未満である樹脂(B)を含むことを特徴とする積層位相差フィルム。
(2)積層位相差フィルムが延伸をして得られるものである前記(1)に記載の積層位相差フィルム。
(3)下記式から求められるNZ係数が0.1以上0.9以下である前記(1)または(2)に記載の積層位相差フィルム。
NZ係数=(Rth/Re)+0.5
(ここで、Reは波長589nmにおける面内位相差(nm)であり、Rthは波長589nmにおける厚み方向位相差(nm)である。)
(4)前記光学補償層の厚みが1.0μm超である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の積層位相差フィルム。
(5)前記光学補償層が正の複屈折性を示すものである前記(1)〜(4)のいずれかに記載の積層位相差フィルム。
(6)前記基材樹脂層が負の複屈折性を示すものである前記(1)〜(5)のいずれかに記載の積層位相差フィルム。
(7)前記基材樹脂層が主鎖に環構造を有する重合体を含む前記(1)〜(6)のいずれかに記載の積層位相差フィルム。
(8)前記(1)〜(7)のいずれかに記載の積層位相差フィルムを備える偏光板。
(9)前記(1)〜(7)のいずれかに記載の積層位相差フィルムを備える画像表示装置。
(10)基材樹脂層の上に、正の固有複屈折を有するウレタン樹脂(A)と動的粘弾性で測定したガラス転移温度が70℃未満である樹脂(B)とを含む樹脂組成物を塗布する積層工程と、得られた積層体を乾燥して延伸する工程とを含むことを特徴とする積層位相差フィルムの製造方法。
(11)前記樹脂組成物が水系分散体を含む前記(10)に記載の積層位相差フィルムの製造方法。
(12)正の固有複屈折を有するウレタン樹脂(A)と動的粘弾性で測定したガラス転移温度が70℃未満である樹脂(B)とを含む光学補償層形成用樹脂組成物。
なお本明細書において、面内位相差Reは、層またはフィルムの面内方向における遅相軸の屈折率をnx、進相軸の屈折率をny、層またはフィルムの厚さ(nm)をdとして、
Re=(nx−ny)×d
で示されるものであり、厚み方向位相差Rthは、層またはフィルムの面内方向における遅相軸の屈折率をnx、進相軸の屈折率をny、層の厚さ方向の屈折率をnz、層またはフィルムの厚さ(nm)をdとして、
Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
で示されるものである。
本発明によれば、基材樹脂層に積層するウレタン樹脂含有光学補償層にガラス転移温度が70℃未満の樹脂を含有させているので、積層位相差フィルムの反りを抑制することが可能になる。このようにして反りを抑制した本発明の積層位相差フィルムは、十分な位相差を発現するものであり、透明性を有しているので、画像表示分野等において好適に用いることができる。
(積層位相差フィルム)
本発明の積層位相差フィルムは、ウレタン樹脂(A)を含む光学補償層と、基材樹脂層とを含むものである。基材樹脂層と光学補償層との積層形態は、特に制限されず、例えば、基材樹脂層の片面に光学補償層が積層されていてもよいし、基材樹脂層の両面に前記光学補償層が積層されていてもよい。以下、各層について順に説明する。なお以下において並列的に記載する具体例は、特に断りのない限り、当該並列的具体例のうち1種のみを用いてもよく、並列的具体例の2種以上を組み合わせて用いてもよいものとする。
[光学補償層]
本発明における光学補償層は、ウレタン樹脂(A)を含むものである。このウレタン樹脂(A)は、位相差(複屈折)を発現させ、これを含む層を光学補償層として機能させる役割をなすものであり、好ましくは正の複屈折を発現させる樹脂である。
前記ウレタン樹脂(A)においては、所望の複屈折を示す限り、各構成単位は特に限定されないが、通常、ポリオールとポリイソシアネートとから構成されるウレタン樹脂を使用できる。ここでポリオールおよびポリイソシアネートはそれぞれ1種のみであってもよいし2種以上であってもよく、ウレタン樹脂自体も1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記ポリオールとしては、分子中に水酸基(ヒドロキシ基)を2個以上有するものであれば、特に制限されず、例えば、ポリアクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、およびこれらの共重合体が挙げられる。
前記ポリアクリルポリオールとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル単量体と水酸基を有する単量体との共重合体が挙げられる。ここで(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。水酸基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシペンチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;グリセリン、トリメチロールプロパンなどの多価アルコールの(メタ)アクリル酸モノエステル;N−メチロール(メタ)アクリルアミド;等が挙げられる。またポリアクリルポリオールは、前記(メタ)アクリル酸エステル単量体および前記水酸基を有する単量体のほかに、さらに他の単量体が共重合されたものであってもよく、例えば、(メタ)アクリル酸などの不飽和モノカルボン酸;マレイン酸などの不飽和ジカルボン酸ならびにその無水物およびモノまたはジエステル類;(メタ)アクリロニトリルなどの不飽和ニトリル類;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどの不飽和アミド類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;メチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;エチレン、プロピレンなどのα−オレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデンなどのハロゲン化α,β−不飽和脂肪族単量体;スチレン、α−メチルスチレンなどのα,β−不飽和芳香族単量体等を共重合させることができる。
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば、多塩基酸成分とポリオール成分との反応により得られるものが挙げられる。ここで多塩基酸成分としては、例えば、オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸などの芳香族ジカルボン酸;シュウ酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、酒石酸、アルキルコハク酸、マレイン酸、フマール酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸などの脂肪族ジカルボン酸;オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸などの不飽和カルボン酸のダイマー酸;ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;あるいは、これらの酸無水物、アルキルエステル、酸ハライドなどの反応性誘導体;を用いることができる。ポリオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1−メチル−1,3−ブチレングリコール、2−メチル−1,3−ブチレングリコール、1−メチル−1,4−ペンチレングリコール、2−メチル−1,4−ペンチレングリコール、1,2−ジメチル−ネオペンチルグリコール、2,3−ジメチル−ネオペンチルグリコール、1−メチル−1,5−ペンチレングリコール、2−メチル−1,5−ペンチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンチレングリコール、1,2−ジメチルブチレングリコール、1,3−ジメチルブチレングリコール、2,3−ジメチルブチレングリコール、1,4−ジメチルブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF等を用いることができる。
前記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ポリオール成分と、カーボネート化合物(例えば、ジアルキルカーボネート、アルキレンカーボネート、ジアリールカーボネートなど)、ホスゲンとの反応により得られるポリカーボネートジオールが挙げられる。ポリカーボネートジオールの製造原料であるポリオール成分としては、ポリエステルポリオールの製造原料として先に例示したポリオール成分を用いることができる。また、ジアルキルカーボネートとしてはジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどを、アルキレンカーボネートとしてはエチレンカーボネートなどを、ジアリールカーボネートとしてはジフェニルカーボネートなどを、用いることができる。
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、多価アルコールにアルキレンオキシドを開環重合して付加させることにより得られるものが挙げられる。ここで多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。アルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,4−ブタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、4,4’−シクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンなどの脂環族ジイソシアネート;トリレンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、α,α,α,α−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの芳香脂肪族ジイソシアネート;等が挙げられる。
さらにウレタン樹脂(A)は、ポリオールおよびポリイソシアネートとともに、さらに他のポリオールあるいは鎖延長剤を反応させたものであってもよい。他のポリオールとしては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトラオール、1,4−ソルビタン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなど、3個以上の水酸基を有するポリオールが挙げられる。鎖延長剤としては、例えば、ジアルキロールアルカン酸(例えば、ジメチロール酢酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸、ジメチロールペンタン酸など)などのジヒドロキシカルボン酸;ジヒドロキシスクシン酸;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、プロピレングリコールなどのグリコール類;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、アミノエチルエタノールアミンなどの脂肪族ジアミン;イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミンなどの脂環族ジアミン;キシリレンジアミン、トリレンジアミンなどの芳香族ジアミン;等が挙げられる。
ウレタン樹脂(A)を得る際の反応については、公知の方法を適宜採用すればよく、例えば、各成分を一度に反応させるワンショット法、段階的に反応させる多段法を採用することができる。またウレタン樹脂を得る際の各成分の使用量比等についても適宜設定すればよい。
ウレタン樹脂(A)として使用可能の市販品としては、例えば、三井化学ポリウレタン社製のタケラック(登録商標)(WS−4000、WS−5100等)、ADEKA社製のアデカボンタイター(登録商標)(HUX−550、HUX−541、HUX−522等)、第一工業製薬社製のスーパーフレックス(登録商標)(130、170等)等が挙げられる。
また、一般に、位相差を発現させるには固有複屈折を有する樹脂を延伸配向することが有利であり、延伸配向のためには固有複屈折を有するウレタン樹脂(A)はガラス転移温度が高いことが望ましく、そのガラス転移温度は、例えば、70℃以上、好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以上である。
前記ウレタン樹脂(A)のみで形成される層は、波長589nmの光に対する厚み100μmあたりの位相差が100nm以上、3000nm以下であることが好ましく、より好ましくは500nm以上、2500nm以下であり、さらに好ましくは800nm以上、2000nm以下である。
本発明における光学補償層は、前記ウレタン樹脂(A)に加えて、動的粘弾性で測定したガラス転移温度が70℃未満である樹脂(B)(以下、「低Tg樹脂(B)」と称することもある)を含む。これにより、位相差発現性および透明性を保持しながら、得られた積層位相差フィルムの反りを抑制することができる。
前記低Tg樹脂(B)のガラス転移温度は、70℃未満であればよいが、より確実にフィルムの反りを抑制するうえでは、好ましくは60℃未満、より好ましくは50℃未満である。なお低Tg樹脂(B)のガラス転移温度の下限は特に限定されないが、例えば、−50℃以上であっても反り抑制に効果があり、−10℃以上、或いは10℃以上であっても反りを抑制できる。
なお、本発明における低Tg樹脂(B)のガラス転移温度は、動的粘弾性で測定した値であり、その測定は例えば実施例で後述する方法で行うことができる。
前記低Tg樹脂(B)としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ウレタン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、またはこれらの任意の樹脂を構成する単量体を共重合した樹脂等が挙げられる。これらの低Tg樹脂(B)には、該樹脂(B)を分散媒に分散させるための構造単位や官能基を導入してもよいし、後述する架橋剤と反応させるための構造単位や官能基を導入してもよい。低Tg樹脂(B)は1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。これらの中でも特に、ウレタン樹脂が、ウレタン樹脂(A)との相性がよく、光学補償層の透明性が保たれる点で好ましい。
前記光学補償層に占める前記低Tg樹脂(B)の含有割合は、積層位相差フィルムの反りをより確実に抑制するうえで、固形分換算で、ウレタン樹脂(A)と低Tg樹脂(B)の合計100質量部に対して、1質量%以上が好ましく、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上がよい。また十分な位相差を発現させるうえでは、低Tg樹脂(B)の含有割合は、50質量%以下が好ましく、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下がよい。
前記光学補償層のウレタン樹脂は、架橋されたものであることが好ましい。ここでいう「ウレタン樹脂」は、複屈折性を示す前記樹脂(A)を少なくとも含む。また、前記樹脂(B)に架橋剤と反応させるための構造単位や官能基を導入して、前記樹脂(B)も架橋されたものとすることがさらに好ましい。また前記樹脂(B)としてウレタン樹脂を用いると、架橋剤と反応させるための構造単位や官能基を前記樹脂(B)に導入する上で、前記樹脂(A)と同様の構造単位や官能基を導入して架橋剤と反応させればよく、架橋構造の設計が容易になる点で好ましい。光学補償層に含まれるウレタン樹脂を架橋すると、ウレタン樹脂(A)や樹脂(B)の架橋反応により透明な層とすることができるとともに、光学補償層の位相差耐久性が向上する。ウレタン樹脂を架橋するには、光学補償層を形成する樹脂組成物に架橋剤を含有させ、乾燥、延伸時に架橋させればよい。乾燥、延伸時に加熱することにより架橋反応を促進することができる。
架橋剤としては、水溶性タイプのものが好ましく、例えば、エチレンジアミン、トリエチレンアミン、ヘキサメチレンジアミン等のアルキレン基とアミノ基を2個有するアルキレンジアミン類;トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパントリレンジイソシアネートアダクト、トリフェニルメタントリイソシアネート、メチレンビス(4−フェニルメタン)トリイソシアネート、イソホロンジイソシアネートおよびこれらのケトオキシムブロック物またはフェノールブロック物等のイソシアネート類;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジまたはトリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルアミン等のエポキシ類;ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド等のモノアルデヒド類;グリオキザール、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、グルタルジアルデヒド、マレインジアルデヒド、フタルジアルデヒド等のジアルデヒド類;メチロール尿素、メチロールメラミン、アルキル化メチロール尿素、アルキル化メチロール化メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミンとホルムアルデヒドとの縮合物等のアミノ−ホルムアルデヒド樹脂;オキサゾリン類;カルボジイミド類を用いることができる。例えば、ウレタン樹脂(A)がカルボキシル基を有する場合、架橋剤としてはカルボキシル基と反応し得る基を有するポリマー(例えば(メタ)アクリル系ポリマー、スチレン・アクリル系ポリマーなど)を用いることができる。カルボキシル基と反応し得る基には、有機アミノ基、オキサゾリン基、エポキシ基、カルボジイミド基等があり、オキサゾリン基が好ましい。架橋剤は1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。
前記架橋剤として、市販品を用いてもよく、例えば、オキサゾリン類として、日本触媒社製のエポクロス(登録商標)シリーズ(WS−700等)等が使用でき、カルボジイミド類として、日清紡ケミカル社製のカルボジライト(登録商標)等が使用できる。
光学補償層を形成する樹脂組成物中に架橋剤を含有させる場合、その含有量は、固形分換算で、ウレタン樹脂(前記樹脂(A)を少なくとも含み、もし前記低Tg樹脂(B)がウレタン樹脂である場合には、この低Tgウレタン樹脂も含む)100質量部に対して、1質量部以上、50質量部以下であるのが好ましく、より好ましくは5質量部以上、40質量部以下である。架橋剤の含有量が前記範囲であれば、得られる積層位相差フィルムにおいて良好な透明性が保たれる。
前記光学補償層は、本発明の効果を損なわない範囲で、前記ウレタン樹脂層(A)および前記低Tg樹脂(B)以外の樹脂を含有していてもよい。他の樹脂としては、特に制限はなく、例えば、基材樹脂層を構成する樹脂として[基材樹脂層]の項で後述するものを用いることができる。光学補償層がウレタン樹脂(A)および低Tg樹脂(B)以外の他の樹脂を含有する場合、光学補償層(固形分)中の他の樹脂の含有割合は、49質量%以下であるのが好ましく、より好ましくは35質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。
前記光学補償層は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、フィルムの耐ブロッキング特性を改善する目的で、微粒子を含有していてもよい。微粒子としては、例えば、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニアなどの無機酸化物、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、燐酸カルシウムなどの無機系微粒子;シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂などの有機系微粒子;が挙げられ、中でもシリカが好ましく、さらにはコロイダルシリカを用いることがより好ましい。
前記光学補償層の厚みは、十分な位相差を発現する観点から、好ましくは1.0μm超、より好ましくは3.0μm以上、さらに好ましくは5.0μm以上である。また積層フィルムの反りを確実に抑制する観点から、好ましくは80μm以下、より好ましくは40μm以下、さらに好ましくは35μm以下である。
前記光学補償層の波長589nmの光に対する面内位相差Reは、好ましくは10nm以上、300nm以下、より好ましくは50nm以上、250nm以下、さらに好ましくは100nm以上、200nm以下である。また前記光学補償層の波長589nmの光に対する厚み方向位相差Rthは、好ましくは10nm以上、300nm以下、より好ましくは50nm以上、250nm以下、さらに好ましくは100nm以上、200nm以下である。なお光学補償層の面内位相差Reおよび厚み方向位相差Rthは、例えば、当該光学補償層のみからなる単層フィルムを別途作成し該単層フィルムのReまたはRthを測定するか、あるいは基材樹脂層と光学補償層との積層フィルムについてのReまたはRthと、基材樹脂層単層についてのReまたはRthとの差から算出することにより求めることができる。
[基材樹脂層]
本発明における基材樹脂層は、通常、光学フィルムとしての機能も有しており、例えば、位相差を発現するものが用いられる。位相差を発現する場合には、正の複屈折性を示すものであってもよいし、負の複屈折性を示すものであってもよい。例えば後述するNZ係数を所定の範囲に制御して視野角補償性に優れた位相差フィルムを得ようとする場合などには、光学補償層の複屈折性と正負が異なることが好ましく、光学補償層が正の複屈折性を有する場合には、基材樹脂層は負の複屈折性を示すものであることが好ましい。基材樹脂層を負の複屈折性を示すものとするには、基材樹脂層を形成する樹脂として、少なくとも後述する負の固有複屈折性を示すポリマーを用いるとともに、形成した層に延伸を施すようにすればよい。
基材樹脂層を形成する樹脂は、光学補償層との組み合わせにより所望の光学特性が得られるよう、公知の負の固有複屈折を有するポリマーおよび正の固有複屈折を有するポリマーから適宜選択できる。上述したように、基材樹脂層を負の複屈折性を示すものとする場合には、少なくとも負の固有複屈折を有するポリマーを含んでいればよく、正の固有複屈折を有するポリマーと負の固有複屈折を有するポリマーの両方を含んでいるのがより好ましい。両方を含ませるには、例えば、正及び負の固有複屈折を有するポリマーをポリマーアロイにしたり、正及び負の固有複屈折を有するポリマーの各成分を共重合させればよい。
負の固有複屈折を有するポリマーとしては、典型的には、側鎖に環構造を備えた構造単位を有するポリマーが挙げられる。例えば、芳香族基(フェニル基、ベンジル基、トリル基、キシリル基など)または複素芳香族基(例えばカルバゾール基、ピリジン基、イミダゾール基、チオフェン基など)を有するα,β−不飽和単量体単位、N−ビニルラクタム単位等の負の固有複屈折性に寄与する構造単位を有するポリマーが挙げられる。具体的には、芳香族基を有するα,β−不飽和単量体単位としては、例えばスチレン単位が挙げられ、複素芳香族基を有するα,β−不飽和単量体単位としては、例えばN−ビニルカルバゾール単位、ビニルピリジン単位、ビニルイミダゾール単位およびビニルチオフェン単位が挙げられ、N−ビニルラクタム単位としては、例えば、N−ビニル−2−ピロリドン単位、N−ビニル−ε−カプロラクタム単位、N−ビニル−2−ピペリドン単位、N−ビニル−4−メチル−2−ピロリドン単位、N−ビニル−5−メチル−2−ピロリドン単位、N−ビニル−ω−ヘプタラクタム単位が挙げられる。これら構造単位は1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。なお、これら負の固有複屈折性に寄与する構造単位の含有率は、所望の光学特性(例えば層としての負の複屈折性)が得られるよう適宜設定すればよい。
負の固有複屈折を有するポリマーは、上述した負の固有複屈折性に寄与する構造単位のほかに、負の複屈折性を損なわない範囲において、他の構造単位を有していてもよい。他の構造単位としては、例えば、以下の単量体の重合により形成される構成単位が挙げられる。すなわち;アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸アルキルエステル(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル)、メタクリル酸アルキルエステル(例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸シクロヘキシル)、アクリル酸アミノアルキルエステル(例えばアクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチル)、メタクリル酸アミノアルキルエステル、アクリル酸とグリコールとのモノエステル、メタクリル酸とグリコールとのモノエステル(例えばメタクリル酸2−ヒドロキシエチル)、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、酢酸ビニル、ビニルステアレート、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−メチレンビスアクリルアミド、グリコールジアクリレート、グリコールジメタクリレート、グリコールジアリルエーテル、アクリロニトリル。
負の固有複屈折を有するポリマーは、上述した構造単位を導入しうる単量体成分を公知の重合方法および条件で重合することにより得ることができる。
正の固有複屈折を有するポリマーとしては、例えば、シクロオレフィン重合体、セルロース誘導体、または主鎖に環構造を有する(メタ)アクリル系重合体等が挙げられる。
基材樹脂層を形成する樹脂は、フィルムの耐熱性を高めるうえで、主鎖に環構造を有する重合体であることが好ましい。耐熱性が向上すれば、画像表示装置における光源などの発熱部近傍への配置が容易になるなど適用範囲が広がる。主鎖環構造を有する重合体としては、例えば、ポリエステル重合体、ポリカーボネート重合体、ポリアミド重合体、ポリイミド重合体、ポリフェニレンエーテル重合体、シクロオレフィン系重合体、セルロース系重合体、(メタ)アクリル系重合体等が挙げられ、透明性の観点からは、主鎖に環構造を有するシクロオレフィン系重合体、セルロース系重合体、(メタ)アクリル系重合体が好ましく、主鎖に環構造を有する(メタ)アクリル系重合体が特に好ましい。
主鎖に環構造を有する(メタ)アクリル系重合体としては、例えば、特開2006−96960号公報、特開2006−171464号公報、特開2007−63541号公報、WO2007/26659号公報、WO2005/108438号公報、特開2006−131689号公報、特開昭57−153008号公報、特開2007−31537号公報に記載の重合体が例示でき、好ましくは(メタ)アクリル酸単位、(メタ)アクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸エステル単位、ヒドロキシメチル(メタ)アクリル酸などのヒドロキシアルキル(メタ)アクリル酸単位などを有する重合体が挙げられる。なお「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」および/または「メタクリル」を意味するものとする。
(メタ)アクリル系重合体における主鎖環構造は、特に限定されないが、例えば、ラクトン環構造、無水グルタル酸構造、グルタルイミド構造、無水マレイン酸構造、N−置換マレイミド構造などが挙げられる。より好ましくは、ラクトン環構造、無水グルタル酸構造、グルタルイミド構造のいずれかであり、特に好ましくはラクトン環構造(特に6員環構造)である。
ラクトン環構造は、例えば、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル酸系モノマーAと、(メタ)アクリル酸系モノマーBとを重合(好ましくは共重合)して分子鎖にヒドロキシ基とエステル基またはカルボキシル基とを導入した後、これらヒドロキシ基とエステル基またはカルボキシル基との間で脱アルコールまたは脱水環化縮合を生じさせることにより形成できる。
(メタ)アクリル系重合体が主鎖にラクトン環構造を有する場合、当該重合体におけるラクトン環構造の含有率は、特に限定はされないが、例えば5〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜80質量%、さらに好ましくは10〜70質量%、特に好ましくは20〜60質量%である。
基材樹脂層を形成する樹脂の重量平均分子量は、例えば、1,000〜300,000が好ましく、より好ましくは5,000〜250,000、さらに好ましくは10,000〜200,000である。
基材樹脂層のガラス転移温度(Tg)は、耐熱性の観点から、110℃以上であることが好ましく、より好ましくは115℃以上、さらに好ましくは120℃以上である。
基材樹脂層の厚みは、好ましくは20μm以上、200μm以下であり、より好ましくは30μm以上、150μm以下であり、さらに好ましくは40μm以上、100μm以下である。
基材樹脂層の波長589nmの光に対する面内位相差Reは、好ましくは10nm以上、500nm以下、より好ましくは20nm以上、300nm以下、さらに好ましくは40nm以上、200nm以下、特に好ましくは70nm以上、150nm以下である。また前記基材樹脂層の波長589nmの光に対する厚み方向位相差Rthの絶対値は、好ましくは10nm以上、より好ましくは50nm以上、さらに好ましくは100nm以上、特に好ましくは150nm以上である。
[積層位相差フィルムの特性]
本発明の好ましい積層位相差フィルムは、延伸をして得られるものであり、前記基材樹脂層と前記光学補償層には延伸が施されている。かかる積層位相差フィルムでは、各層が位相差を発現することとなる。具体的には、基材樹脂層と光学補償層との積層体に延伸を施せばよい。各層の積層方法や延伸方法については、その一例を後述する(積層位相差フィルムの製造方法)の項で説明する。
本発明の積層位相差フィルムは、波長589nmの光に対する面内位相差Reが、50nm以上であることが好ましく、より好ましくは70nm以上であり、300nm以下であることが好ましく、より好ましくは250nm以下、さらに好ましくは180nm以下である。積層位相差フィルムの面内位相差Reが前記範囲であると、λ/2板やλ/4板など各種位相差フィルムに求められる十分な位相差を発現できる。
本発明の積層位相差フィルムは、波長589nmの光に対する厚み方向位相差Rthが、絶対値で150nm以下であることが好ましく、より好ましくは130nm以下、さらに好ましくは50nm以下、特に好ましくは30nm以下である。積層位相差フィルムの厚み方向位相差Rthが前記範囲であると、優れた視野角補償性を発揮できる。
本発明の積層位相差フィルムは、下記式から求められるNZ係数が0.1以上0.9以下であることが好ましく、より好ましくは0.3以上0.8以下である。
NZ係数=(Rth/Re)+0.5
(ここで、Reは波長589nmにおける面内位相差(nm)であり、Rthは波長589nmにおける厚み方向位相差(nm)である。)
このNZ係数は上記のように面内位相差Reと厚み方向位相差Rthとで決まる値であり、NZ係数が前記範囲であれば、積層位相差フィルムの厚み方向位相差Rthは0に近づき、積層位相差フィルムの面内位相差Reは増大する傾向になる。そうすると、十分な位相差を発現しうるとともに、優れた視野角補償性を発揮することが可能になる。
前記NZ係数を前記範囲に制御するには、基材樹脂層を負の複屈折性を示す層(負複屈折性層)とし、光学補償層を正の複屈折性を示す層(正複屈折性層)とすればよい。そうすると、正複屈折性層と負複屈折性層との打ち消し合いによりRthは0に近づかせることができる。一方、Reについては、延伸条件を調整すること等により、正複屈折性層と負複屈折性層の両層のReをRthに対して大きく発現させればよい。具体的には、最終的に得られる積層位相差フィルムにおいて基材樹脂層は二軸延伸された状態となり光学補償層は一軸延伸された状態となるようにすればよく、例えば、基材樹脂層に一軸延伸を施した後、その上に光学補償層を積層した状態で一軸延伸を施すようにすればよい。光学補償層を積層した状態で一軸延伸する時には、光学補償層(正複屈折性層)が発現するReと基材樹脂層(負複屈折層)が発現するReが打ち消しあうため、位相差発現性の高いウレタン樹脂(A)を用いることが好ましい。こうして光学補償層(正複屈折性層)の複屈折を基材樹脂層(負複屈折層)の複屈折よりも大きく発現させて光学補償層が発現するReを残すことにより、NZ係数を前記範囲に制御することが可能になる。
本発明の積層位相差フィルムの好ましい態様では、正の複屈折性を示す光学補償層と負の複屈折性を示す基材樹脂層とが、各層の面内最大屈折率方向が揃うように配されている。このように正負2つの層の面内最大屈折率方向が揃っていると、積層体の面内位相差はより大きく発現し易くなるので、十分な位相差を確保しつつ薄膜化することが可能になる。
本発明の積層位相差フィルムの厚さ(総膜厚)は、特に制限されないが、通常、10μm以上、200μm以下であることが好ましく、より好ましくは30μm以上、150μm以下、さらに好ましくは40μm以上、120μm以下である。
本発明の積層位相差フィルムにおける前記光学補償層と基材樹脂層との厚みの比率は、基材樹脂層の厚み(μm)/光学補償層の厚み(μm)の値が1以上10以下であることが好ましく、より好ましくは3以上9以下、さらに好ましくは4以上8以下である。
本発明の積層位相差フィルムは、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、前記基材樹脂層および前記光学補償層以外に、各種の機能性コーティング層を含んでいてもよい。機能性コーティング層としては、例えば、帯電防止層、粘接着剤層、接着層、易接着層、防眩(ノングレア)層、光触媒層などの防汚層、反射防止層、ハードコート層、紫外線遮蔽層、熱線遮蔽層、電磁波遮蔽層、ガスバリヤー層などが挙げられる。これら機能性コーティング層は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。これら機能性コーティング層は、好ましくは、前記基材樹脂層と前記光学補償層との積層体の表面に形成される。
(積層位相差フィルムの製造方法・光学補償層形成用樹脂組成物)
本発明の積層位相差フィルムの製造方法は、基材樹脂層の上に、正の固有複屈折を有する前記ウレタン樹脂(A)と前記Tg樹脂(B)とを含む樹脂組成物(すなわち、本発明の光学補償層形成用樹脂組成物)を塗布する積層工程と、得られた積層体を乾燥して延伸する工程とを含む。この製造方法によれば、十分な位相差を発現しながら積層フィルムの反りが効果的に抑制された積層位相差フィルムを容易に作製することができる。以下、各工程について説明する。
[積層工程]
積層工程では、ウレタン樹脂(A)および低Tg樹脂(B)を含む光学補償層形成用樹脂組成物を基材樹脂層の上に塗布する。光学補償層に含まれるウレタン樹脂(A)は一般に溶融粘度が高くかつ高温で分解し易いので、溶融押出法では製膜し難い。よって本発明の製造方法では、このような塗布法を採用する。
基材樹脂層は、特に制限されるものではなく、例えば、基材樹脂層を構成する樹脂を公知のフィルム化方法(例えばTダイ法、インフレーション法等の溶融押出法など)でフィルム状に製膜することにより作製できる。例えばTダイ法を用いる場合、押出機の先端部にTダイを取り付け、このTダイから押し出したフィルムを巻き取ることで、ロール状に巻回させた未延伸フィルムを得ることができる。
基材樹脂層としては、この未延伸フィルムをそのまま用いてもよいし、さらに延伸を施し延伸フィルムとして用いてもよいが、好ましくは基材樹脂層は延伸フィルムである。延伸フィルムを基材樹脂層として用いれば、得られる積層位相差フィルムの厚み方向位相差Rthを小さくしてNZ係数を好適な範囲に制御することが可能になり、視野角補償性に優れた位相差フィルムに設計することができる。
基材樹脂層として延伸フィルムを用いる場合、延伸は一軸延伸が好ましく、特にフィルムの押出方向に沿った縦一軸延伸が好ましい。延伸倍率は、例えば1.1倍以上、5.0倍以下が好ましく、より好ましくは1.5倍以上、3.5倍以下、さらに好ましくは2.0倍以上、3.0倍以下である。延伸温度は基材樹脂の種類に応じて適宜設定できるが、例えば、基材樹脂層のガラス転移温度を(Tg)℃とすると、(Tg−30)℃〜(Tg+100)℃の範囲が好ましく、(Tg−20)℃〜(Tg+80)℃の範囲がより好ましく、(Tg−10)℃〜(Tg+40)℃の範囲がさらに好ましい。延伸温度が(Tg−30)℃未満の場合、十分な位相差を発現させるだけの延伸倍率が得られないことがある。一方、延伸温度が(Tg+100)℃を超えると、基材樹脂層を構成する樹脂の流動(フロー)が起こり、安定した延伸が行えないことがある。
前記基材樹脂層に光学補償層形成用樹脂組成物を塗布するに際しては、光学補償層形成用樹脂は有機溶媒や水に溶解させて用いてもよいし分散体として用いてもよいが、光学補償層形成用樹脂組成物は水系分散体を含む組成物として塗布することが好ましい。水系分散体を含む組成物に樹脂溶液を混合する際には、溶媒として親水性の有機溶媒や水を用いることが組成物の凝集を防ぐ観点から好ましい。ウレタン樹脂(A)と低Tg樹脂(B)を含有する樹脂組成物の何れか一方は水系分散体であることが好ましい。分散体は樹脂組成物の混合が容易であり乾燥後に透明な層を形成しやすい。これにより、ウレタン樹脂(A)を有機溶剤に溶解させるキャスト法に比べ塗工液の粘度を低く保ちやすく、塗工液の取り扱いが容易になるとともに、有機溶剤の使用による爆発の危険性や環境および人体への負荷を回避できる。
光学補償層形成用樹脂組成物を水系分散体とする際の分散媒としては、水もしくは水と親水性の有機溶剤(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトン等のエステル系溶剤;アセトン等のケトン系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤;N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒;など)との混合溶媒を用いることができるが、特に水が好ましい。水と親水性の有機溶剤との混合溶媒を用いる場合には、親水性の有機溶剤の含有割合は、混合溶媒中50質量%以下が好ましく、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。
光学補償層形成用樹脂組成物の水系分散体におけるウレタン樹脂(A)および低Tg樹脂(B)の合計含有率は、特に限定されず、塗工作業性等を考慮して適宜設定すればよいが、2.5〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましく、10〜30質量%がさらに好ましい。また光学補償層形成用樹脂組成物の水系分散体における固形分量は、塗工作業性等を考慮して適宜設定すればよいが、5〜50質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましく、20〜30質量%がさらに好ましい。
なお光学補償層形成用樹脂組成物の水系分散体には、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば、安定性向上の目的で中和剤(例えば、アンモニア、N−メチルモルホリン、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等)を含有させたり、その他必要に応じて、分散安定剤、揺変剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、増粘剤、分散剤、界面活性剤、触媒、帯電防止剤等の各種添加剤を含有させてもよい。
水系分散体である光学補償層形成用樹脂組成物の塗布には、例えば、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、スロットオリフィスコート法、カーテンコート法、ファウンテンコート法など、公知の塗布方法を適用すればよい。光学補償層形成用樹脂組成物の塗布量は、例えば、乾燥膜厚が、好ましくは1.5μm以上、より好ましくは5.0μm以上、さらに好ましくは10μm以上であり、好ましくは200μm以下、より好ましくは150μm以下、さらに好ましくは100μm以下となるようにするのがよい。
[乾燥工程]
次いで積層工程で得られた積層体は、溶媒(水系分散媒)を除去するために乾燥工程に供する。具体的には、積層体を加熱すればよい。積層体の加熱は、例えば、乾燥機、オーブンなど加熱手段を備えた公知の装置を用いて行うことができる。乾燥時間(加熱時間)は30秒〜10分程度である。乾燥温度(加熱温度)は、特に制限されないが、例えば70℃〜200℃が好ましく、より好ましくは80℃〜150℃である。乾燥の初期段階では溶媒の沸点以下の温度とし、その後昇温して最終的に基材樹脂層のガラス転移温度未満とすることが好ましい。
[延伸工程]
次いで乾燥工程で得られた乾燥体(積層体)は、延伸工程に供する。この延伸により、ウレタン樹脂(A)と低Tg樹脂(B)とを含む組成物の塗布層は位相差を発現する光学補償層となる。
延伸は、一軸延伸であってもよいし、二軸延伸でもあってもよい。一軸延伸は、好ましくは横一軸延伸である。横一軸延伸することにより広幅のフィルムを作製できる。二軸延伸は、典型的には、逐次二軸延伸であるが、縦横延伸を同時に行う同時二軸延伸であってもよい。さらに、フィルム(基材樹脂層)の押出方向に対して斜め方向への延伸であってもよい。延伸は、通常、加熱雰囲気下で行われる。
乾燥体に対する加熱雰囲気下の延伸には、公知の延伸機が使用できる。縦延伸機としては特に限定されないが、例えばオーブン延伸機が好ましい。オーブン延伸機は、一般に、オーブンと、当該オーブンの入口側および出口側に各々設けられた搬送ロールとから構成される。オーブンの入口側の搬送ロールと、出口側の搬送ロールとの間に周速差を与えることによって、乾燥体(積層フィルム)がその搬送方向に延伸される。横延伸機としては特に限定されないが、テンター延伸機が好ましい。テンター延伸機は、グリップ式でもピン式でも構わないが、樹脂フィルムの引き裂けが生じ難いことから、グリップ式が好ましい。グリップ式のテンター延伸機は、一般に、横延伸用のクリップ走行装置とオーブンとから構成される。クリップ走行装置では、乾燥体(積層フィルム)の横端部がクリップで挟まれた状態で当該フィルムが搬送される。このとき、クリップ走行装置のガイドレールを開き、左右2列のクリップ間の距離を広げることによって、乾燥体(積層フィルム)が横延伸される。グリップ式のテンター延伸機では、樹脂フィルムの搬送方向に対してクリップの拡縮機能を持たせることで、同時二軸延伸も可能となる。また、乾燥体(積層フィルム)の延伸方向の左右を異なる速度で、当該フィルムの搬送方向に引張延伸する斜め延伸機であってもよい。
延伸工程における延伸倍率は、好ましくは1.1倍以上、より好ましくは1.5倍以上である。延伸倍率が低すぎると、位相差発現性が不充分になる虞がある。一方、延伸倍率が高くなるにつれ、位相差発現性やフィルムの機械的強度は向上するが、ある程度高くなりすぎると、それらの向上効果は小さくなるので、前記延伸倍率は、好ましくは10倍以下、より好ましくは4倍以下である。
延伸工程における延伸温度(加熱温度)は、基材樹脂層のガラス転移温度の近傍が好ましい。具体的には、基材樹脂層のガラス転移温度を(Tg)℃とすると、(Tg−30)℃〜(Tg+100)℃の範囲が好ましく、(Tg−20)℃〜(Tg+80)℃の範囲がより好ましく、(Tg−10)℃〜(Tg+40)℃の範囲がさらに好ましい。延伸温度が(Tg−30)℃未満の場合、十分な位相差を発現させるだけの延伸倍率が得られないことがある。延伸温度が(Tg+100)℃を超えると、基材樹脂層を構成する樹脂の流動(フロー)が起こり、安定した延伸が行えないことがある。
本発明の製造方法においては、上述した積層工程、乾燥工程および延伸工程を、一貫した工程で行ってもよい。また本発明の製造方法において、乾燥工程の加熱と、延伸工程の加熱は、一方が他方を兼ねることが、生産性の点で好ましい。
(用途)
本発明にかかる積層位相差フィルムの用途は特に限定されないが、例えば、楕円偏光板用のλ/4板として好ましく用いることができる。本発明の積層位相差フィルムを用いて作製された楕円偏光板は、液晶表示装置や有機電界発光表示装置等の画像表示装置における反射防止膜として好適に用いられる。
本発明の積層位相差フィルムを用いて偏光板を作製する場合、両面に偏光子保護フィルムを有する偏光板と貼合してもよいし、本発明の積層位相差フィルムを偏光子保護フィルムとして片面に用いてもよい。
以下に、実施例および比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下では特にことわりのない場合、「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」をそれぞれ示す。
以下の実施例における各種物性の測定および評価は、以下の方法で行った。
<膜厚(厚み)>
フィルムまたは層の膜厚は、デジマチックマイクロメーター(ミツトヨ社製)を用いて測定した。
<ヘイズ>
積層位相差フィルムのヘイズは、濁度計(日本電色工業社製「NDH5000」)を用いて測定した。
<フィルムの位相差(Re、Rth、NZ係数)>
まず、屈折率計(アタゴ社製「デジタルアッベ屈折計DR−M2」)を用いて、基材樹脂層の測定波長589nmに対する平均屈折率を、23℃で、JIS K7142に準拠して測定した。
次に、積層位相差フィルムの波長589nmの光に対するフィルムの面内位相差値Re、厚み方向位相差値RthおよびNZ係数を、全自動複屈折計(王子計測機器社製「KOBRA−WR」)を用いて測定した。具体的には、上記で得た基材樹脂層の平均屈折率を入力し、積層フィルムの膜厚d(nm)、三次元屈折率nx、ny、nzの値を測定し、下記式より求めた。ここで、「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸に垂直な方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率であり、dは位相差フィルムの厚み(nm)である。なお厚さ方向位相差値Rthは、遅相軸を傾斜軸として40°傾斜させて測定した。
面内位相差Re=(nx−ny)×d
厚み方向位相差Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
NZ係数=(Rth/Re)+0.5
なお、基材樹脂層としたフィルムの位相差(Re、Rth)も全自動複屈折計(「KOBRA−WR」)を用いて上記と同様に測定した。
<固有複屈折>
樹脂の固有複屈折の正負は、測定対象とする樹脂で形成した一軸延伸フィルムについて、上記位相差測定を行い、遅相軸方向がフィルムの延伸方向と平行の場合(略平行の場合を含む)、樹脂の固有複屈折を正とし、遅相軸方向がフィルムの延伸方向と垂直の場合(略垂直の場合を含む)、樹脂の固有複屈折を負とした。なお、測定対象とする樹脂で形成した一軸延伸フィルムの面内位相差Reが厚さ100μmあたり30nm以下である場合、固有複屈折はゼロとした。
<基材樹脂およびフィルムのガラス転移温度>
基材樹脂およびフィルムのガラス転移温度(Tg)は、JIS K7121の規定に準拠して測定した。具体的には、示差走査熱量計(リガク社製「Thermo plus EVO DSC−8230」)を用い、窒素ガス雰囲気下、約10mgのサンプルを常温から200℃まで昇温(昇温速度20℃/分)して得られたDSC曲線から、始点法により求めた。リファレンスには、α−アルミナを用いた。
<樹脂(B)のガラス転移温度>
樹脂(B)のガラス転移温度(Tg)は、5mm×45mmのサンプルについて、下記の装置を用い、下記測定条件下で、動的粘弾性測定を行った。そして、tanδが最大値となる温度(℃)をガラス転移温度(Tg)とした。
装置;TAインスツルメンツ社製「RSA−III」
測定条件;温度:−40℃〜200℃
昇温速度:5℃/分
周波数:6.28rad/秒
測定モード:引張モード
スパン間距離:25mm
<ラクトン環含有率>
ラクトン環構造の含有率は、ダイナミックTG法により、以下のようにして求めた。まず、ラクトン環構造を有する重合体に対してダイナミックTG測定を実施し、150℃から300℃の間の重量減少率を測定して、得られた値を実測重量減少率(X)とした。150℃は、重合体に残存する水酸基およびエステル基が環化縮合反応を開始する温度であり、300℃は、重合体の熱分解が始まる温度である。他方、前駆体(環化縮合反応前の重合体)に含まれる全ての水酸基が脱アルコール反応を起こしてラクトン環が形成されたと仮定して、その反応による重量減少率(すなわち前駆体の脱アルコール環化縮合反応率が100%であったと仮定した重量減少率)を算出し、理論重量減少率(Y)とした。具体的には、理論重量減少率(Y)は、前駆体における、脱アルコール反応に関与する水酸基を有する構成単位の含有率から求めることができる。なお、前駆体の組成は、測定対象である重合体((メタ)アクリル重合体)の組成から導いた。そして式;[1−(実測重量減少率(X)/理論重量減少率(Y))]×100(%)により、重合体の脱アルコール反応率を算出した。測定対象である重合体において、求めた脱アルコール反応率の分だけラクトン環構造が形成されていると考えられる。そこで、前駆体における、脱アルコール反応に関与する水酸基を有する構成単位の含有率に、求めた脱アルコール反応率を乗じ、ラクトン環構造の重量に換算した値を、ラクトン環構造の含有率とした。
<重量平均分子量>
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、以下の測定条件で求めた。
測定システム:東ソー社製「GPCシステムHLC−8220」
展開溶媒:クロロホルム(和光純薬工業製、特級)
溶媒流量:0.6mL/分
標準試料:TSK標準ポリスチレン(東ソー社製「PS−オリゴマーキット」)
測定側カラム構成:ガードカラム(東ソー社製「TSK guardcolumn SuperHZ−L」)、分離カラム(東ソー社製「TSK Gel Super HZM−M」)、2本直列接続
リファレンス側カラム構成:リファレンスカラム(東ソー社製「TSK gel SuperH−RC」)
<フィルムの反り>
光学補償層形成用樹脂組成物を塗布後、延伸前の積層フィルム、もしくは最終的に得られた積層位相差フィルムを、40mm×40mmに切り出し、これを平坦な台に載置した時に、台上を0mmとしてフィルムの端部の最大高さが10mm未満の場合は「○」、10mm以上の場合は「×」と評価した。
(製造例1:基材樹脂層形成用樹脂(P1)の調製)
撹拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入管を備えた反応釜に、メタクリル酸メチル(MMA)40部、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(MHMA)10部、重合溶媒としてトルエン50部および酸化防止剤(ADEKA社製「アデカスタブ(登録商標)2112」)0.025部を仕込み、この反応釜に窒素を通じつつ、105℃まで昇温した。昇温に伴う還流が始まったところで、重合開始剤としてt−アミルパーオキシイソノナノエート(アルケマ吉富社製「ルペロックス(登録商標)570」)0.05部を添加するとともに、前記t−アミルパーオキシイソノナノエート0.10部を3時間かけて滴下しながら約105〜110℃の還流下で溶液重合を進行させ、滴下終了後、さらに4時間の熟成を行った。
次に、得られた重合溶液に、環化縮合反応の触媒(環化触媒)として、リン酸2−エチルヘキシル(堺化学工業社製「Phoslex A−8」)0.05部を加え、約90〜110℃の還流下において2時間ラクトン環構造を形成するための環化縮合反応を進行させた。
次に、得られた重合溶液を熱交換器に通して240℃まで昇温し、当該温度において環化縮合反応をさらに進行させた。次いで、得られた重合溶液を、バレル温度240℃、回転速度100rpm、減圧度13.3〜400hPa(10〜300mmHg)で、リアベント数1個およびフォアベント数4個(上流側から第1、第2、第3、第4ベントと称する)を有し、第3ベントと第4ベントとの間にサイドフィーダーが設けられ、先端部にリーフディスク型のポリマーフィルタ(濾過精度5μm)がギアポンプを介して配置されたベントタイプスクリュー二軸押出機(L/D=52)に、樹脂量換算で70部/時の処理速度で導入し、脱揮を行った。脱揮に際しては、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂:スチレン単位/アクリロニトリル単位(質量比)=73/27、重量平均分子量22万)のペレットを、サイドフィーダーから46.7部/時の投入速度で投入した。さらに脱揮の際には、別途準備しておいた酸化防止剤/環化触媒失活剤の混合溶液を1.06部/時の投入速度で第1ベントの後ろから投入し、イオン交換水を0.34部/時の投入速度で第2および第3ベントの後ろからそれぞれ投入した。ここで酸化防止剤/環化触媒失活剤の混合溶液には、フェノール系酸化防止剤として50部のペンタエリスリトールテトラキス−[3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](BASFジャパン社製「イルガノックス(登録商標)1010」)と、環化触媒失活剤として35部のオクチル酸亜鉛(日本化学産業社製「ニッカオクチクス亜鉛3.6質量%」)とを、トルエン200部に溶解させた溶液を用いた。
脱揮完了後、押出機内に残された熱溶融状態にある樹脂を当該押出機の先端からポリマーフィルタで濾過しながら排出し、ペレタイザーによりペレット化することにより、透明なペレット状のアクリル系樹脂を得、これを基材樹脂層形成用樹脂(P1)とした。
得られたアクリル系樹脂(基材樹脂層形成用樹脂(P1))は、ラクトン環構造を主鎖に有するアクリル系重合体(ラクトン環構造の含有率:28.3質量%)を60質量%、スチレン−アクリロニトリル共重合体を40質量%含有するものであり、重量平均分子量(Mw)は16.0万、ガラス転移温度(Tg)は120℃であり、その固有複屈折は負であった。
(製造例2:基材樹脂層形成用樹脂(P2)の調製)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管を備えた反応釜に、メタクリル酸メチル(MMA)40部、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(MHMA)10部、重合溶媒としてトルエン50部および酸化防止剤(ADEKA社製「アデカスタブ(登録商標)2112」)0.025部を仕込み、この反応釜に窒素を通じつつ105℃まで昇温した。昇温に伴う還流が始まったところで、重合開始剤としてt−アミルパーオキシイソノナノエート(アルケマ吉富社製「ルペロックス(登録商標)570」)0.05部を添加するとともに、上記重合開始剤(「ルペロックス(登録商標)570」)0.1部を2時間かけて滴下しながら約105〜110℃の還流下を進行させ、滴下終了後、さらに4時間の熟成を行った。
次に、得られた重合溶液に、環化縮合反応の触媒(環化触媒)として、リン酸ステアリル/ジステアリル混合物(堺化学工業社製「Phoslex A−18」)0.05部を加え、90〜105℃の還流下において2時間ラクトン環構造を形成するための環化縮合反応を進行させた。
次に、得られた重合体溶液を熱交換器に通して240℃まで昇温させ、シリンダ温度250℃、減圧度13.3〜400hPa(10〜300mmHg)で、リアベント数1個およびフォアベント数4個(上流側から第1、第2、第3、第4ベントと称する)を有し、第3ベントと第4ベントとの間にサイドフィーダーが設けられており、先端部にリーフディスク型のポリマーフィルター(濾過精度5μm)がギアポンプを介して配置されたベントタイプスクリュー二軸押出機(L/D=52)に、樹脂量換算で89.6部/時の処理速度で導入し、脱揮を行った。脱揮に際しては、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂:スチレン単位/アクリロニトリル単位(質量比)=73/27、重量平均分子量22万)のペレットを、サイドフィーダーから10.4部/時の投入速度で投入した。さらに脱揮の際には、別途準備しておいた酸化防止剤/環化触媒失活剤の混合溶液を1.34部/時の投入速度で第2ベントの後ろから投入し、イオン交換水を1.34部/時の投入速度で第1および第3ベントの後ろからそれぞれ投入した。ここで酸化防止剤/環化触媒失活剤の混合溶液には、フェノール系酸化防止剤として2.5部のペンタエリスリトールテトラキス−[3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](BASFジャパン社製「イルガノックス(登録商標)1010」)と、イオウ系酸化防止剤として2.5部のペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)(ADEKA社製「アデカスタブ(登録商標)AO−412S」)と、環化触媒失活剤として39部のオクチル酸亜鉛(日本化学産業社製「ニッカオクチクス亜鉛3.6質量%」)とを、トルエン90部に溶解させた溶液を用いた。
脱揮完了後、押出機内に残された熱溶融状態にある樹脂を当該押出機の先端からポリマーフィルタで濾過しながら排出し、ペレタイザーによりペレット化することにより、透明なペレット状のアクリル系樹脂を得、これを基材樹脂層形成用樹脂(P2)とした。
得られたアクリル系樹脂(基材樹脂層形成用樹脂(P2))は、ラクトン環構造を主鎖に有するアクリル系重合体(ラクトン環構造の含有率:28.5質量%)を89.6質量%、スチレン−アクリロニトリル共重合体を10.4質量%含有するものであり、重量平均分子量(Mw)は13.2万、ガラス転移温度(Tg)は125℃であり、その固有複屈折はゼロであった。
(製造例3:光学補償層形成用樹脂組成物(D1)の調製)
市販のウレタン樹脂組成物(ADEKA社製「アデカボンタイター(登録商標)HUX550」;固形分28質量%)70部と、ウレタン樹脂分散体(第一工業製薬社製「スーパーフレックス(登録商標)210」;ガラス転移温度40℃、固形分35質量%)20部と、オキサゾリン系架橋剤(日本触媒社製「エポクロス(登録商標)WS−700」;固形分25質量%)10部とを混合して、光学補償層形成用樹脂組成物(ウレタン樹脂組成物)(D1)とした。この光学補償層形成用樹脂組成物(D1)に含まれるウレタン樹脂(「アデカボンタイター(登録商標)HUX550」)の固有複屈折は正であり、ウレタン樹脂(スーパーフレックス(登録商標)210」」)の固有複屈折はゼロであった。
(製造例4:光学補償層形成用樹脂組成物(D2)の調製)
市販のウレタン樹脂組成物(ADEKA社製「アデカボンタイター(登録商標)HUX550」;固形分28質量%)90部と、オキサゾリン系架橋剤(日本触媒社製「エポクロス(登録商標)WS−700」;固形分25質量%)10部とを混合して、光学補償層形成用樹脂組成物(ウレタン樹脂組成物)(D2)とした。この光学補償層形成用樹脂組成物(D2)に含まれるウレタン樹脂(「アデカボンタイター(登録商標)HUX550」)の固有複屈折は正であった。
(製造例5:光学補償層形成用樹脂組成物(D3)の調製)
市販のウレタン樹脂分散体(第一工業製薬社製「スーパーフレックス(登録商標)210」;ガラス転移温度40℃、固形分35質量%)、90部と、オキサゾリン系架橋剤(日本触媒社製「エポクロス(登録商標)WS−700」;固形分25質量%)10部とを混合して、光学補償層形成用樹脂組成物(ウレタン樹脂組成物)(D3)とした。この光学補償層形成用樹脂組成物(D3)に含まれるウレタン樹脂(「スーパーフレックス(登録商標)210」)の固有複屈折はゼロであった。
(実施例1)
製造例1で得られた基材樹脂層形成用樹脂(P1)を、先端部にポリマーフィルタ(濾過精度5μm)およびTダイを備えた単軸押出機を用いて270℃で溶融押出し、厚さ145μmの帯状の未延伸アクリル系樹脂フィルムを得た。次いで、得られた未延伸アクリル系樹脂フィルムを、溶融押出に続いて連続的にオーブン縦延伸機に供給し、当該延伸機にて、アクリル系フィルムの縦方向(溶融押出時の流れ方向)に、延伸温度126℃、延伸倍率2.7倍で自由端一軸延伸を施し(この延伸を「第一延伸」と称する;縦延伸)、延伸アクリル系樹脂フィルムを得た。得られた縦延伸後のフィルムの膜厚は89μmであり、面内位相差Reは431nmであり、厚み方向位相差Rthは−218nmであり、ガラス転移温度(Tg)は120℃であった。このフィルムの面内最大屈折率方向は第一延伸方向と略垂直方向であった。
次に、延伸アクリル系樹脂フィルム(基材樹脂層)の一方の面(表面)に、製造例3で得た光学補償層形成用樹脂組成物(D1)(ウレタン樹脂組成物)を、乾燥後の樹脂塗膜の膜厚が12μmとなるように塗布した後、フィルム全体を100℃で3分間乾燥した。次いで、乾燥後の積層フィルムを、二軸延伸機(東洋精機社製「X6−S」)を用いて、アクリル系フィルムの横方向(溶融押出時の幅方向)に、延伸温度128℃、延伸倍率2.0倍で固定端一軸延伸を施した(この延伸を「第二延伸」と称する;横延伸)。
このようにして、アクリル系樹脂(P1)からなる負の複屈折性を有する層(基材樹脂層)と、ウレタン樹脂組成物(D1)からなる正の複屈折性を有する層(光学補償層)との積層体である総膜厚51μmの積層位相差フィルムを得た。この積層位相差フィルムにおける光学補償層の厚みは6μmであった。
得られた積層位相差フィルムの面内位相差値Re、厚み方向位相差値RthおよびNZ係数と、フィルムの反りの評価結果は表1に示す通りであった。また得られた積層位相差フィルムの面内最大屈折率方向は第二延伸方向と略平行方向であった。
(実施例2)
製造例2で得られた基材樹脂層形成用樹脂(P2)を、先端部にポリマーフィルタ(濾過精度5μm)およびTダイを備えた単軸押出機を用いて270℃で溶融押出し、ガラス転移温度が125℃であり、厚さ145μmの帯状の未延伸アクリル系樹脂フィルムを得た。
次に、得られた未延伸アクリル系樹脂フィルム(基材樹脂層)の一方の主面に、製造例3で得た光学補償層形成用樹脂組成物(D1)(ウレタン樹脂組成物)を乾燥後の樹脂塗膜の膜厚が30μmとなるように塗布した後、この積層フィルム全体を110℃で5分間乾燥し、積層フィルムを得た。
次いで、乾燥後の積層フィルムを長さ80mm×幅50mmに切り出し、オートグラフ(島津製作所社製「AG−1kNX」)を用いて、延伸温度130℃、速度40mm/分で、チャック間距離40mmから延伸倍率2.0倍となるように自由端一軸延伸を施した。
このようにして、アクリル樹脂(P2)からなるゼロ複屈折性を有する層(基材樹脂層)と、ウレタン樹脂組成物(D1)からなる正の複屈折性を有する層(光学補償層)との積層体である総膜厚114μmの積層位相差フィルムを得た。この積層位相差フィルムにおける光学補償層の厚みは20μmであった。
得られた積層位相差フィルムの面内位相差値Re、厚み方向位相差値RthおよびNZ係数と、フィルムの反りの評価結果は表1に示す通りであった。また得られた積層位相差フィルムの面内最大屈折率方向は延伸方向と略平行方向であった。
(比較例1)
実施例1において用いた光学補償層形成用樹脂組成物(D1)に代えて、製造例4で得た光学補償層形成用樹脂組成物(ウレタン樹脂組成物)(D2)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、アクリル樹脂(P1)からなる負の複屈折性を有する層(基材樹脂層)と、ウレタン樹脂組成物(D2)からなる正の複屈折性を有する層(光学補償層)との積層体である総膜厚51μmの比較用の積層位相差フィルムを得た。この積層位相差フィルムにおける光学補償層の厚みは6μmであった。
得られた積層位相差フィルムの面内位相差値Re、厚み方向位相差値RthおよびNZ係数と、フィルムの反りの評価結果は表1に示す通りであった。また得られた積層位相差フィルムの面内最大屈折率方向は第二延伸方向と略平行方向であった。
(比較例2)
実施例1において用いた光学補償層形成用樹脂組成物(D1)を塗布しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、アクリル樹脂(P1)からなる負の複屈折性を有する層(基材樹脂層)のみからなる総膜厚40μmの比較用の位相差フィルムを得た。
得られた位相差フィルムの面内位相差値Re、厚み方向位相差値RthおよびNZ係数と、フィルムの反りの評価結果は表1に示す通りであった。また得られた位相差フィルムの面内最大屈折率方向は第二延伸方向と略平行方向であった。
(比較例3)
実施例2において用いた光学補償層形成用樹脂組成物(D1)に代えて、製造例4で得た光学補償層形成用樹脂組成物(ウレタン樹脂組成物)(D2)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、アクリル樹脂(P2)からなるゼロ複屈折性を有する層(基材樹脂層)と、ウレタン樹脂組成物(D2)からなる正の複屈折性を有する層(光学補償層)との積層体である総膜厚114μmの比較用の積層位相差フィルムを得た。この積層位相差フィルムにおける光学補償層の厚みは20μmであった。
得られた積層位相差フィルムの面内位相差値Re、厚み方向位相差値RthおよびNZ係数と、フィルムの反りの評価結果は表1に示す通りであった。また得られた積層位相差フィルムの面内最大屈折率方向は延伸方向と略平行方向であった。
(比較例4)
実施例2において用いた光学補償層形成用樹脂組成物(D1)に代えて、製造例5で得た光学補償層形成用樹脂組成物(ウレタン樹脂組成物)(D3)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、アクリル樹脂(P2)からなるゼロ複屈折性を有する層(基材樹脂層)と、ウレタン樹脂組成物(D3)からなるゼロ複屈折性を有する層(光学補償層)との積層体である総膜厚114μmの比較用の積層位相差フィルムを得た。この積層位相差フィルムにおける光学補償層の厚みは20μmであった。
得られた積層位相差フィルムの面内位相差値Re、厚み方向位相差値RthおよびNZ係数と、フィルムの反りの評価結果は表1に示す通りであった。
(比較例5)
実施例2において用いた光学補償層形成用樹脂組成物(D1)を塗布しなかったこと以外は、実施例2と同様にして、アクリル樹脂(P2)からなるゼロ複屈折性を有する層(基材樹脂層)のみからなる総膜厚88μmの比較用の位相差フィルムを得た。
得られた位相差フィルムの面内位相差値Re、厚み方向位相差値RthおよびNZ係数と、フィルムの反りの評価結果は表1に示す通りであった。
本発明の積層位相差フィルムは、従来の位相差フィルムと同様に、液晶表示装置(LCD)、有機ELディスプレイをはじめとする画像表示装置に幅広く使用できる。この積層位相差フィルムを使用した楕円偏光板により、画像表示装置における表示特性を改善できる。

Claims (12)

  1. ウレタン樹脂(A)を含む光学補償層と、基材樹脂層とを含む積層位相差フィルムであって、
    前記光学補償層は、前記ウレタン樹脂(A)に加えて、動的粘弾性で測定したガラス転移温度が70℃未満である樹脂(B)を含むことを特徴とする積層位相差フィルム。
  2. 積層位相差フィルムが延伸をして得られるものである請求項1に記載の積層位相差フィルム。
  3. 下記式から求められるNZ係数が0.1以上0.9以下である請求項1または2に記載の積層位相差フィルム。
    NZ係数=(Rth/Re)+0.5
    (ここで、Reは波長589nmにおける面内位相差(nm)であり、Rthは波長589nmにおける厚み方向位相差(nm)である。)
  4. 前記光学補償層の厚みが1.0μm超である請求項1〜3のいずれかに記載の積層位相差フィルム。
  5. 前記光学補償層が正の複屈折性を示すものである請求項1〜4のいずれかに記載の積層位相差フィルム。
  6. 前記基材樹脂層が負の複屈折性を示すものである請求項1〜5のいずれかに記載の積層位相差フィルム。
  7. 前記基材樹脂層が主鎖に環構造を有する重合体を含む請求項1〜6のいずれかに記載の積層位相差フィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の積層位相差フィルムを備える偏光板。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の積層位相差フィルムを備える画像表示装置。
  10. 基材樹脂層の上に、正の固有複屈折を有するウレタン樹脂(A)と動的粘弾性で測定したガラス転移温度が70℃未満である樹脂(B)とを含む樹脂組成物を塗布する積層工程と、
    得られた積層体を乾燥して延伸する工程とを含むことを特徴とする積層位相差フィルムの製造方法。
  11. 前記樹脂組成物が水系分散体を含む請求項10に記載の積層位相差フィルムの製造方法。
  12. 正の固有複屈折を有するウレタン樹脂(A)と動的粘弾性で測定したガラス転移温度が70℃未満である樹脂(B)とを含む光学補償層形成用樹脂組成物。
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