JP2017144404A - 消泡剤 - Google Patents

消泡剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2017144404A
JP2017144404A JP2016029397A JP2016029397A JP2017144404A JP 2017144404 A JP2017144404 A JP 2017144404A JP 2016029397 A JP2016029397 A JP 2016029397A JP 2016029397 A JP2016029397 A JP 2016029397A JP 2017144404 A JP2017144404 A JP 2017144404A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wet silica
hydrophobic
silica
wet
hydrophilic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016029397A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6298954B2 (ja
Inventor
耕平 澤熊
Kohei Sawakuma
耕平 澤熊
元義 石塚
Motoyoshi Ishizuka
元義 石塚
康子 末廣
Yasuko Suehiro
康子 末廣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
San Nopco Ltd
Original Assignee
San Nopco Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by San Nopco Ltd filed Critical San Nopco Ltd
Priority to JP2016029397A priority Critical patent/JP6298954B2/ja
Publication of JP2017144404A publication Critical patent/JP2017144404A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6298954B2 publication Critical patent/JP6298954B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Degasification And Air Bubble Elimination (AREA)
  • Silicon Compounds (AREA)

Abstract

【課題】消泡性及び塗膜外観(グロス、雨筋跡)に優れた消泡剤を提供することである。【解決手段】ジオールの分岐カルボン酸エステル、ジカルボン酸の分岐アルキルエステル及びジオールの分岐アルキルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種(a)と、疎水性金属酸化物(b)と、基油(c)とを含有してなることを特徴とする消泡剤を用いる。疎水性金属酸化物が疎水性シリカが好ましい。疎水性シリカが0.1〜1μmの個数平均粒子径(Dn)及び50〜80のM値をもつ疎水性微粒湿式シリカが好ましい。疎水性微粒湿式シリカの個数平均粒子径(Dn)と体積平均粒子径(Dv)との比(Dv/Dn)が1〜4であることが好ましい。【選択図】 なし

Description

本発明は消泡剤に関する。
「炭化水素油(A)、水(B)、疎水シリカ粒子(C)、ポリオキシアルキレン化合物(D)及び(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸アルキル共重合体(塩)(E)を含有してなることを特徴とする消泡剤」(特許文献1)や、「ポリアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、ジメチル変性オルガノポリシロキサン、フルオロ変性オルガノポリシロキサンから選ばれる少なくとも一種類のオルガノポリシロキサン化合物と、カオリナイト、ハロサイト、モンモリロナイトから選ばれる少なくとも一種類の粘土鉱物とが含まれていることを特徴とする水系コーティング材用消泡剤」(特許文献2)が知られている。
特開2014−083466公報 特開2003−170005公報
しかし、特許文献1に記載された消泡剤を塗膜につやを求める水系塗料に適用すると、塗装して形成された塗膜のつや低下を引き起こし塗膜外観を大きく損なう場合があるという問題がある。また特許文献2に記載された消泡剤を塗膜につやを求める塗料に用いた場合、塗膜が長期に渡り大気汚染物質(自動車排気や工場排気等)や晴雨に曝されると雨筋跡が顕著になり塗膜外観を大きく損なうという問題がある。
本発明の目的は、消泡性及び塗膜外観(グロス、雨筋跡)に優れた消泡剤を提供することである。
本発明の消泡剤の特徴は、ジオールの分岐カルボン酸エステル、ジカルボン酸の分岐アルキルエステル及びジオールの分岐アルキルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種(a)と、疎水性金属酸化物(b)と、基油(c)とを含有してなる点を要旨とする。
本発明の消泡剤の製造方法の特徴は、上記の消泡剤を製造する方法であって、
親水性湿式シリカを疎水化処理して疎水性湿式シリカを得る疎水化処理工程(1)及び疎水性湿式シリカを粉砕処理して疎水性微粒湿式シリカを得る粉砕処理工程(2)からなる方法(A);
親水性湿式シリカを粉砕処理して親水性微粒湿式シリカを得る粉砕処理工程(3)及び親水性微粒湿式シリカを疎水化処理して疎水性微粒湿式シリカを得る疎水化処理工程(4)からなる方法(B);又は
親水性湿式シリカを粉砕処理しながら疎水化処理して疎水性微粒湿式シリカを得る粉砕疎水化処理工程(5)からなる方法(C)を含む点を要旨とする。
本発明の消泡剤は、優れた消泡性を発揮し、優れた塗膜外観(グロス、雨筋跡)を容易に形成できる。
本発明の消泡剤の製造方法によると、消泡性及び塗膜外観(グロス、雨筋跡)に優れた消泡剤を容易に得ることができる。
ジオールの分岐カルボン酸エステルとしては、炭素数5〜32のジオール分岐カルボン酸エステルが含まれ、エタンジオールイソプロパン酸エステル、プロパンジオールイソブタン酸エステル、ブタンジオールt−ブタン酸エステル、ペンタンジオールイソペンタン酸エステル、ペンタンジオールイソブタン酸エステル、ヘキサンジオールネオペンタン酸エステル、エタンジオールイソヘキサン酸エステル、プロパンジオールイソヘキサン酸エステル、ブタンジオール2−エチルヘキサン酸エステル、ペンタンジオールイソトリデカン酸エステル、ヘキサンジオールイソテトラデカン酸エステル、プロパンジオールイソオクタデカン酸エステル、ブタンジオール2−エチルヘキサン酸エステル、ペンタンジオール2−プロピルヘプタン酸エステル、ヘキサンジオール2−ブチルオクタン酸エステル、プロパンジオール2−ヘキシルデカン酸エステル、ブタンジオール2−オクチルドデカン酸エステル、ペンタンジオール2−デシルテトラデカン酸エステル、ヘキサンジオール2−ドデシルヘキサン酸エステル、エタンジオール3,5,5−トリメチルヘキサン酸エステル、プロパンジオール3,7,1,1−トリメチルドデカン酸エステル、エタンジオールイソトリアコンタン酸エステル及び2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール2−メチルプロパン酸エステル等が挙げられる。これらのエステルは、モノエステル、ジエステル又はこれらの混合物でもよい。
ジカルボン酸の分岐アルキルエステルとしては、炭素数5〜32のジカルボン酸の分岐鎖アルキルエステルが含まれ、エタンジカルボン酸イソプロピル、プロパンジカルボン酸イソブチル、ブタンジカルボン酸t−ブチル、ペンタンジカルボン酸イソペンチル、ヘキサンジカルボン酸ジイソブチル、ヘキサンジカルボン酸ネオペンチル、エタンジカルボン酸イソヘキシル、プロパンジカルボン酸2−エチルヘキシル、ブタンジカルボン酸イソトリデシル、ペンタンジカルボン酸イソテトラデシル、ヘキサンジカルボン酸イソオクタデシル、エタンジカルボン酸イソトリアコンシル、プロパンジカルボン酸2−エチルヘキシル、ブタンジカルボン酸2−プロピルヘプチル、ペンタンジカルボン酸2−ブチルオクチル、ヘキサンジカルボン酸2−ヘキシルデシル、エタンジカルボン酸2−オクチルドデシル、プロパンジカルボン酸2−デシルテトラデシル、ブタンジカルボン酸2−ドデシルヘキシル、ペンタンジカルボン酸2−ドデシルヘキサデシル、ヘキサンジカルボン酸3,5,5−トリメチルヘキシル及びエタンジカルボン酸3,7,11−トリメチルドデシル等が挙げられる。これらのエステルは、モノエステル、ジエステル又はこれらの混合物でもよい。
ジオールの分岐アルキルエーテルとしては、炭素数5〜32のジオールの分岐アルキルエーテルが含まれ、エタンジオールイソブチルエーテル、プロパンジオールt−ブチルエーテル、ブタンジオールイソペンチルエーテル、ペンタンジオールネオペンチルエーテル、ヘキサンジオールイソヘキシルエーテル、エタンジオール2−エチルヘキシルエーテル、プロパンジオールイソトリデシルエーテル、ブタンジオールイソテトラデシルエーテル、ペンタンジオールイソオクタデシルエーテル、ヘキサンジオール2−エチルヘキシルエーテル、エタンジオールイソトリアコンシルエーテル、プロパンジオール2−プロピルヘプチルエーテル、ブタンジオール2−ブチルオクチルエーテル、ペンタンジオール2−ヘキシルデシルエーテル、ヘキサンジオール2−オクチルドデシルエーテル、エタンジオール2−デシルテトラデシルエーテル、プロパンジオール2−ドデシルヘキシルエーテル、ブタンジオール2−ドデシルヘキサデシルエーテル、ペンタンジオール3,5,5−トリメチルヘキシル及びヘキサンジオール3,7.10−トリメチルドデシル等が挙げられる。これらのエーテルは、モノエーテル、ジエーテル又はこれらの混合物でもよい。
ジオールの分岐カルボン酸エステル、ジカルボン酸の分岐アルキルエステル及びジオールの分岐アルキルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種(a)の含有量(重量%)は、ジオールの分岐カルボン酸エステル、ジカルボン酸の分岐アルキルエステル及びジオールの分岐アルキルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種(a)、疎水性金属酸化物(b)及び基油(c)の重量に基づいて、1〜12が好ましく、さらに好ましくは2〜10、特に好ましくは4〜8である。この範囲であると、消泡性及び塗膜外観(グロス、雨筋跡)がさらに良好となる。
疎水性金属酸化物としては、金属酸化物を疎水化剤で疎水化処理した疎水性金属酸化物が含まれ、疎水性シリカ、疎水性アルミナ、疎水性チタニア及び疎水性酸化亜鉛等が挙げられる。
疎水性金属酸化物は市場からも入手でき、商品名として、Nipsil SS−10、SS−40、SS−50及びSS−100(疎水性シリカ、東ソー・シリカ株式会社、「Nipsil」は東ソー・シリカ株式会社 の登録商標である。)、AEROSIL R972、RX200及びRY200(疎水性シリカ、日本アエロジル株式会社、「AEROSIL」はエボニック デグサ ゲーエムベーハーの登録商標である。 )、SIPERNAT D10、D13及びD17(疎水性シリカ、デグサジャパン株式会社、「SIPERNAT」はエボニック デグサ ゲーエムベーハーの登録商標である。 )、TS−530、TS−610、TS−720(疎水性シリカ、キャボット コーポレーション)、AEROSIL R202,R805及びR812(疎水性シリカ、デグサジャパン株式会社)、REOLOSIL MT−10、DM−10及びDM−20S (疎水性シリカ、株式会社トクヤマ、「REOLOSIL」は同社の登録商標である。)、SYLOPHOBIC100、702、505及び603(疎水性シリカ、富士シリシア化学株式会社、「SYLOPHOBIC」は同社の登録商標である。)、MT−100Z(疎水性チタニア、テイカ株式会社)、MTY−700BS(疎水性チタニア、テイカ株式会社)、MZY−303S(疎水性酸化亜鉛、テイカ株式会社)並びにSpectrAl TA−78(疎水性アルミナ、キャボット コーポレーション、「SpectrAl」は同社の登録商標である。)等が挙げられる。
疎水性金属酸化物のうち、疎水性シリカが好ましく、さらに好ましくは個数平均粒子径(Dn)が0.1〜1μmであり、かつM値が50〜80である疎水性微粒湿式シリカである。
疎水性微粒湿式シリカの個数平均粒子径(Dn;μm)は、0.1〜1が好ましいが、塗膜外観(グロス、雨筋跡)の観点から、さらに好ましくは0.2〜0.6、特に好ましくは0.2〜0.4である。
個数平均粒子径は、JIS Z8825−1:2001に準拠したレーザー回折式粒度分析計{たとえば、Leeds&Northrup社製Microtracシリーズ、株式会社堀場製作所製ParticaLAシリーズ}を用い、2−プロパノール{純度99重量%以上}1000重量部に、測定試料濃度0.1重量%となるように測定試料を添加して測定分散液を調製して、測定温度25±5℃で測定した後、2−プロパノールの屈折率として1.3749を、測定試料の屈折率として文献値(「A GUIDE FOR ENTERING MICROTRAC ”RUN INFORMATION”(F3)DATA」、Leeds&Northrup社作成)を用いて、50%積算個数平均粒子径として求められる。
疎水性微粒湿式シリカの個数平均粒子径(Dn)と体積平均粒子径(Dv)との比(Dv/Dn)は、塗膜外観(グロス、雨筋跡)の観点から、1〜4が好ましく、さらに好ましくは1〜3である。
体積平均粒子径は、個数平均粒子径と同様にして測定でき、50%積算体積平均粒子径として求められる。
疎水性微粒湿式シリカのM値(メタノール湿潤性)は50〜80が好ましいが、塗膜外観(グロス、雨筋跡)の観点から、さらに好ましくは55〜76である。
なお、M値(メタノール湿潤性)は、粉体表面の疎水化処理の程度を表す特性値であり、M値が高いほど親水性が低く、疎水化処理の割合が高い(疎水性が高い)ことを示し、水・メタノール混合溶液に粉体(測定される粒子)を均一分散させるために必要な最低量のメタノールの容量割合で表され、次の方法で求めることができる。
<M値算出法>
メタノール濃度を1容量%の間隔で変化させた複数種類の濃度の水/メタノール混合溶液を調製し、ある濃度の水/メタノール混合溶液(5ml)を入れた容積10mlの試験管に測定試料0.2gを入れ、試験管にふたをして、20回上下転倒してから静置した後、測定試料の凝集物がなく、測定試料の全部が湿潤して均一混合した混合溶液のうち、メタノール濃度が最も小さい混合溶液のメタノールの濃度(容量%)をM値(メタノール湿潤性)とする。
疎水性金属酸化物(b)の含有量(重量%)は、ジオールの分岐カルボン酸エステル、ジカルボン酸の分岐アルキルエステル及びジオールの分岐アルキルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種(a)、疎水性金属酸化物(b)及び基油(c)の重量に基づいて、1〜18が好ましく、さらに好ましくは3〜15、特に好ましくは5〜12である。この範囲であると、消泡性及び塗膜外観(グロス、雨筋跡)がさらに良好となる。
基油(c)としては、植物油、鉱物油及び非反応性シリコーン油が含まれる。
植物油としては、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油及び胚芽油等が挙げられる。
鉱物油としては、石油の精製によって得られる炭化水素油及びそれを水素添加して得られる精製鉱油が含まれ、潤滑油、スピンドル油、パラフィンオイル{流動パラフィン(n−パラフィン、イソパラフィン等)、オゾケライト、スクワレン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン等}及びこれらの混合物等が使用できる。
鉱物油の動粘度(40℃;mm/s)は、4〜146が好ましく、さらに好ましくは4〜30、特に好ましくは10〜28、最も好ましくは15〜25である。この範囲であると、塗膜外観(グロス、雨筋跡)がさらに良好となる。
非反応性シリコーン油としては、ポリジメチルシロキサン、アリール変性ポリシロキサン(アリール基の炭素数6〜10)、アルキル変性ポリシロキサン(変性アルキル基の炭素数2〜6)、5〜20量体の環状シリコーン、ポリエーテル変性ポリシロキサンが含まれる。
ポリジメチルシロキサンとしては、動粘度(25℃)が1〜500,000mm/sのもの等が使用できる。
ポリジメチルシロキサンの動粘度(25℃;mm/s)は、10〜50,000が好ましく、さらに好ましくは20〜5,000、特に好ましくは50〜3,000である。この範囲であると、塗膜外観(グロス、雨筋跡)がさらに良好となる。
アリール変性ポリシロキサン及びアルキル変性ポリシロキサンとしては、動粘度(25℃)が1〜10,000mm/sのもの等が使用できる。
5〜20量体の環状シリコーンとしては、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン及びテトラコンタメチルシクロイコサシロキサン等が使用できる。
ポリエーテル変性ポリシロキサンとしては、動粘度(25℃)が1〜10000mm/sであり、HLBが2〜5のもの等が使用できる。
HLBとは、分子中の親水基と疎水基とのバランスを表す概念であり、ポリエーテル変性ポリシロキサンのHLBの値は「界面活性剤の性質と応用」(著者 刈米孝夫、発行所 株式会社幸書房、昭和55年9月1日発行)の第89頁〜第90頁に記載された「乳化試験によるHLBの測定法」を用いて、以下の様に算出できる。
<ポリエーテル変性ポリシロキサンの乳化試験によるHLBの測定法>
HLBが未知のポリエーテル変性ポリシロキサン(X)とHLBが既知の乳化剤(A)とを異なった比率で混合し、HLBが既知の油剤(B)の乳化を行う。乳化層の厚みが最大となったときの混合比率から下記式を用いてポリエーテル変性ポリシロキサン(X)のHLBを算出する。

HLB={(HLB)×(W+W)−(W×HLB)}÷W
はポリエーテル変性ポリシロキサン(X)と乳化剤(A)の合計重量に基づく乳化剤(A)の重量分率、Wはポリエーテル変性ポリシロキサン(X)と乳化剤(A)の合計重量に基づくポリエーテル変性ポリシロキサン(X)の重量分率、HLBは乳化剤(A)のHLB、HLBは油剤(B)のHLB、HLBはポリエーテル変性ポリシロキサン(X)のHLBである。
基油(c)のうち、鉱物油及びシリコーン油が好ましく、さらに好ましくは鉱物油及びジメチルポリシロキサンである。
鉱物油及びジメチルポリシロキサンは市場から容易に入手することができ、たとえば、以下の商品名が例示できる。
<鉱物油>
コスモSC22(21mm2/s)、コスモSP10(10mm2/s)、コスモRCスピンドル油(10mm2/s)、コスモRBスピンドル油(15mm2/s)、コスモニュートラル150(32mm2/s)、コスモピュアスピンG(21mm2/s)及びコスモピュアスピンE(5mm2/s)(コスモ石油ルブリカンツ株式会社、「コスモ」は、コスモ石油株式会社の登録商標である。);日石スーパーオイルC(93mm2/s)、日石スーパーオイルD(141mm2/s)及び日石スーパーオイルB(54mm2/s)(新日本石油株式会社);スタノール43N(27mm2/s)、スタノール52(56mm2/s)、スタノール69(145mm2/s)、スタノール35(9mm2/s)及びスタノールLP35(11mm2/s)(エッソ石油株式会社);並びにフッコールSHスピン(9mm2/s)、フッコールNT100(21mm2/s)、フッコールNT150(28mm2/s)、フッコールNT200(39mm2/s)、フッコールNT60(10mm2/s)及びフッコールSTマシン(9mm2/s)(富士興産株式会社、「フッコール」は新日本石油株式会社の登録商標である。)等(かっこ内の数字は「動粘度(40℃)」を表す。)。
<ジメチルポリシロキサン>
KF96−10cs、KF96−20cs、KF96−30cs、KF96−50cs、KF96−100cs、KF96−200cs、KF96−300cs、KF96−350cs、KF96−500cs、KF96−1、000cs、KF96−3,000cs、KF96−5,000cs、KF96H−6,0000cs、KF96H−1万cs、KF96H−12,500cs、KF96H−3万cs、KF96H−5万cs、KF96H−6万cs及びKF96H−10万cs(信越化学工業株式会社);SH200−10cs、SH200−20cs、SH200−50cs、SH200−100cs、SH200−200cs、SH200−350cs、SH200−500cs、SH200−1、000cs、SH200−3,000cs、SH200−5,000cs、SH200H−1万cs、SH200H−1.25万cs、SH200H−3万cs、SH200H−6万cs及びSH200H−10万cs(東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社製);びにTSF451−10、TSF451−20、TSF451−30、TSF451−50、TSF451−100、TSF451−200、TSF451−300、TSF451−350、TSF451−500、TSF451−1000、TSF451−1500、TSF451−2000、TSF451−3000、TSF451−5000、TSF451−6000、TSF451H−1M、TSF451H−12500、TSF451H−2M、TTSF451H−3M、TSF451H−5M、TSF451H−6M及びTSF451H−10M(以上、GE東芝シリコーン株式会社製)等(ハイフンの後の数字は「動粘度(25℃)」を表す。但し、Mは×10を表す。)。
基油(c)の含有量(重量%)は、ジオールの分岐カルボン酸エステル、ジカルボン酸の分岐アルキルエステル及びジオールの分岐アルキルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種(a)、疎水性金属酸化物(b)及び基油(c)の重量に基づいて、70〜98が好ましく、さらに好ましくは75〜93、特に好ましくは80〜88である。この範囲であると、消泡性及び塗膜外観(グロス、雨筋跡)がさらに良好となる。
本発明の消泡剤には、さらに、ポリオキシアルキレン化合物(d)を含有することが好ましい。ポリオキシアルキレン化合物としては、ポリオキシアルキレン鎖を含む化合物であれば制限なく使用できる。ポリオキシアルキレン鎖を構成するオキシアルキレン基としては、炭素数2〜4のオキシアルキレン基(オキシエチレン、オキシプロピレン及びオキシブチレン)等が含まれる。
ポリオキシアルキレン鎖には、1種類のオキシアルキレン基から構成されていてもよく、2種以上のオキシアルキレン基から構成されていてもよい。2種以上のオキシアルキレン基から構成される場合、結合様式はブロック、ランダム及びこれの混合のいずれでもよい。
ポリオキシアルキレン化合物としては、一般式(1)で表される化合物が好ましい。

−(OA)n−OR (1)
は炭素数2〜30のアシル基、炭素数1〜30のアルキル基若しくはアルケニル基又は水素原子、Rは水素原子又は炭素数2〜30のアシル基、OAは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、nは2〜100の整数を表す。
炭素数2〜30のアシル基としては、飽和アシル基及び不飽和アシル基が含まれる。
飽和アシル基としては、アセチル(エタノイル)、プロパノイル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、ノナノイル、デカノイル、ウンデカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ペンタデカノイル、ヘキサデカノイル、ヘプタデカノイル、オクタデカノイル、ノナデカノイル、イコサノイル、エイコサノイル、ヘンイコサノイル、ヘンエイコサノイル、ドコサノイル、トリカサノイル、テトラコサノイル、ペンタコサノイル、ヘキサコサノイル、ヘプタコサノイル、オクタコサノイル、ノナコサノイル及びトリアコンタノイル等が挙げられる。
不飽和アシル基としては、アクリロイル、メタクリロイル、クロトノイル、イソクロトノイル、ブテノイル、ブタジエノイル、ペンテノイル、ヘキセノイル、ヘプテノイル、オクテノイル、ノネノイル、デセノイル、ウンデセノイル、ドデセノイル、テトラデセノイル、オレロイル、エライジノイル、シクロペンタノイル、シクロヘキサノイル、シクロヘプタノイル、メチルシクロペンタノイル、メチルシクロヘキサノイル、メチルシクロヘプタノイル、シクロペンテノイル、2,4−シクロペンタジエノイル、シクロヘキセノイル、2,4−シクロヘキサジエノイル、シクロヘプテノイル、メチルシクロペンテノイル、メチルシクロヘキセノイル及びメチルシクロヘプテノイル等が挙げられる。
炭素数1〜30のアルキル基としては、直鎖アルキル基及び分岐鎖アルキル基が使用できる。
直鎖アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル、ヘニコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、ヘプタコシル、ヘキサキシル、ヘプタコシル、オクタコシル、ノナコシル及びトリアコンシル等が挙げられる。
分岐鎖アルキル基としては、イソプロピル、イソブチル、t−ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、イソヘキシル、2−エチルヘキシル、イソトリデシル、イソテトラデシル、イソオクタデシル、イソトリアコンシル、2−エチルヘキシル、2−プロピルヘプチル、2−ブチルオクチル、2−ヘキシルデシル、2−オクチルドデシル、2−デシルテトラデシル、2−ドデシルヘキシル、2−ドデシルヘキサデシル、3,5,5−トリメチルヘキシル及び3,7,11−トリメチルドデシル等が挙げられる。
炭素数2〜30のアルケニル基としては、直鎖アルケニル基及び分岐アルケニル基が使用できる。
直鎖アルケニル基としては、ビニル、アリル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル、オクタデセニル、ノナデセニル、イコセニル、ヘニコセニル、ドコセニル、トリコセニル、テトラコセニル、ヘプタコセニル、ヘキサキセニル、ヘプタコセニル、オクタコセニル、ノナコセニル及びトリアコンテニル等が挙げられる。
分岐アルケニル基としては、イソブテニル、イソペンテニル、ネオペンテニル、イソヘキセニル、イソトリデセニル、イソオクタデセニル及びイソトリアコンテニル等が挙げられる。
OAは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基を表し、オキシエチレン、オキシプロピレン及びオキシブチレンが含まれる。これらのうち、オキシエチレン及びオキシプロピレンが好ましい。
OAには2種以上のオキシアルキレン基が含まれてもよい。2種以上のオキシアルキレン基が含まれる場合、ブロック状、ランダム状及びこれらの混合のいずれでもよい。
nは、2〜100の整数を表し、2〜99の整数が好ましく、さらに好ましくは3〜50の整数、特に好ましくは4〜30の整数である。この範囲であると、消泡性がさらに良好となる。
ポリオキシアルキレン化合物は市場からも容易に入手でき、好ましい商品として以下が例示できる。
<ポリオキシエチレングリコール(モノ、ジ)ラウリン酸エステル、ポリオキシエチレングリコール(モノ、ジ)オレイン酸エステル、ポリオキシエチレングリコール(モノ、ジ)ステアリン酸エステル>
イオネット(登録商標)シリーズ(MS−400、MS−1000、MO−200、MO−400、DL−200、DO−600、DS−400及びDS−4000等){三洋化成工業株式会社}
<ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル>
エマルミン(登録商標)シリーズ(LS−90、NL−70、L−380、NL−110、CC−200及びCO−200等){三洋化成工業株式会社}
<ポリオキシプロピレンデシルエーテル、ポリオキシプロピレンイソデシルエーテル>
ブラウノンシリーズ(NDB−800、NDB−1400、IDEP−608及びIDEP−802等){青木油脂工業株式会社}
ポリオキシアルキレン化合物(d)を含有する場合、ポリオキシアルキレン化合物(d)の含有量(重量%)は、ジオールの分岐カルボン酸エステル、ジカルボン酸の分岐アルキルエステル及びジオールの分岐アルキルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種(a)、疎水性物質(b)及び基油(c)の重量に基づいて、0.5〜10が好ましく、さらに好ましくは1〜8、特に好ましくは3〜6である。この範囲であると、消泡性及び塗膜外観(グロス、雨筋跡)がさらに良好となる。
本発明の消泡剤には、さらに、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド及びワックスからなる群より選ばれる少なくとも1種(e)を含有できる。
脂肪酸金属塩としては、炭素数12〜22の脂肪酸と金属(アルカリ土類金属、アルミニウム、マンガン、コバルト、銅、鉄、亜鉛及びニッケル等)との塩を含み、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マンガン、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛及びベヘニン酸マグネシウム等が挙げられる。
脂肪酸金属塩について、金属と脂肪酸との量関係は、金属1モルに対して脂肪酸が1〜3モル(モノ体、ジ体、トリ体)のいすれでもよく、モノ体、ジ体、トリ体の混合物でもよい。消泡性等の観点から、金属がアルミニウム及び鉄の場合、ジ体及びトリ体が好ましく、アルカリ土類金属(カルシウム等)、亜鉛、コバルト、マンガン、ニッケル及び銅の場合、ジ体が好ましい。
脂肪酸アミドとしては、炭素数1〜6のアルキレンジアミン若しくはアルケニレンジアミンと炭素数10〜22の脂肪酸との反応物(脂肪酸ジアミド)及び/又は炭素数1〜22のアルキルアミン、アルケニルアミン若しくはアンモニアと炭素数10〜22の脂肪酸との反応物(脂肪酸モノアミド)が含まれる。
脂肪酸ジアミドとしては、エチレンビスステアリルアミド、エチレンビスパルミチルアミド、エチレンビスミリスチルアミド、エチレンビスラウリルアミド、エチレンビスオレイルアミド、プロピレンビスステアリルアミド、プロピレンビスパルミチルアミド、プロピレンビスミリスチルアミド、プロピレンビスラウリルアミド、プロピレンビスオレイルアミド、ブチレンビスステアリルアミド、ブチレンビスパルミチルアミド、ブチレンビスミリスチルアミド、ブチレンビスラウリルアミド、ブチレンビスオレイルアミド、メチレンビスラウリルアミド、メチレンビスステアリルアミド及びヘキサメチレンビスステアリルアミド等が挙げられる。
脂肪酸モノアミドとしては、N−ステアリルステアリルアミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド及びステアリルアミド等が挙げられる。
ワックスとしては、酸化ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、水酸基含有ワックス、パラフィンワックス及び天然ワックスからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、酸化ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、アルコール変性ワックス、マレイン酸変性ワックス、エチレン−酢酸ビニルコポリマーワックス、エチレン−アクリル酸コポリマーワックス、フィッシャートロプシュワックス、木蝋、蜜蝋、パーム蝋、カルナウバワックス及びモンタンワックス等が挙げられる。
脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド及びワックスのうち、消泡性及び塗装外観の観点から、脂肪酸アミド及びワックスが好ましく、さらに好ましくは脂肪酸アミド、特に好ましくはエチレンビスステアリルアミド、エチレンビスパルミチルアミド及びエチレンビスミリスチルアミドである。
脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド及びワックスからなる群より選ばれる少なくとも1種(e)を含む場合、これらの含有量(重量%)は、ジオールの分岐カルボン酸エステル、ジカルボン酸の分岐アルキルエステル及びジオールの分岐アルキルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種(a)、疎水性金属酸化物(b)及び基油(c)の重量に基づいて、0.5〜4が好ましく、さらに好ましくは1〜3.5、特に好ましくは1.5〜3である。この範囲であると、消泡性及び塗膜外観(グロス、雨筋跡)がさらに良好となる。
本発明の消泡剤にはさらに油溶性ポリマー(f)を含有できる。
油溶性ポリマー(f)としては、基油(c)に均一に溶解する(この性質を油溶性という。)ポリマーを用いることができ、ポリビニルアルコールアルキルエーテル、石油樹脂、水添石油樹脂、液状ゴム(天然液状ゴム及び合成液状ゴム)、熱可塑性エラストマー(ポリジエン、ポリジエンブロックとポリオレフィンブロックとを含むブロックコポリマー及びポリジエンブロックとポリスチレンブロックとを含むブロックコポリマー等)、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(共)重合体、塩素化パラフィンとナフタリンとの縮合物、フマレート/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、塩素化パラフィン及びα−オレフィン/マレエート共重合体等が挙げられる。これらのうち、ポリビニルアルコールアルキルエーテルが好ましい。
油溶性ポリマー(f)は市場から容易に入手でき、好ましい商品名として以下が例示できる。
<ポリビニルアルコールアルキルエーテル>
ルトナールシリーズ(A−25、A−50、I−60、M−40等){BASF社、「ルトナール」はビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアの登録商標である。}
<石油樹脂>
アルコンシリーズ(M−135、P−125等){荒川化学工業株式会社、「アルコン」は同社の登録商標である。}
<水添石油樹脂>
アイマーブシリーズ(S−110、P−140等){出光興産株式会社、「アイマーブ」は同社の登録商標である。}
<液状ゴム(天然液状ゴム及び合成液状ゴム)>
クラプレンシリーズ(LIR30、LIR310、L−SBR){株式会社クラレ、「クラプレン」は同社の登録商標である。}
<熱可塑性エラストマー>
セプトンシリーズ(2005、4033、8104等;水添ポリジエンブロックとポリスチレンブロックとからなるブロックコポリマー){株式会社クラレ、「セプトン」は同社の登録商標である。}
<(メタ)アクリル酸アルキルエステル(共)重合体>
アクルーブ(136、728、812、504等;(メタ)アクリル酸アルキルエステル(共)重合体){三洋化成工業株式会社、「アクルーブ」は同社の登録商標である。}
<エチレン/酢酸ビニル共重合体>
ノバテックシリーズ(LV113、LV342等){三菱化学株式会社、「ノバテック」は日本ポリプロ株式会社の登録商標である。}
<塩素化パラフィン及びα−オレフィン/マレエート共重合体>
トヨパラックス(145、150等){東ソー株式会社、「トヨパラックス」は同社の登録商標である。}
油溶性ポリマー(f)を含有する場合、油溶性ポリマー(f)の含有量(重量%)は、ジオールの分岐カルボン酸エステル、ジカルボン酸の分岐アルキルエステル及びジオールの分岐アルキルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種(a)、疎水性金属酸化物(b)及び基油(c)の重量に基づいて、1〜10が好ましく、さらに好ましくは2〜8、特に好ましくは3〜6である。この範囲であると、消泡性及び塗膜外観(グロス、雨筋跡)がさらに良好となる。
本発明の消泡剤にはさらに水を含有できる。
水を含有する場合、水の含有量(重量%)は、ジオールの分岐カルボン酸エステル、ジカルボン酸の分岐アルキルエステル及びジオールの分岐アルキルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種(a)、疎水性金属酸化物(b)及び基油(c)の重量に基づいて、0.1〜10が好ましく、さらに好ましくは0.5〜5、特に好ましくは1〜3である。この範囲であると、消泡性及び塗膜外観(グロス、雨筋跡)がさらに良好となる。
本発明の消泡剤には、必要によりさらに、他の成分(特開2004−305882号公報等に記載された親水性シリカ、増粘剤、防黴剤、防腐剤、防錆剤、酸化防止剤、皮張り防止剤等)を含有することができる。
他の成分を含有する場合、他の成分の合計含有量(重量%)は、ジオールの分岐カルボン酸エステル、ジカルボン酸の分岐アルキルエステル及びジオールの分岐アルキルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種(a)、疎水性金属酸化物(b)及び基油(c)の重量に基づいて、0.001〜0.2が好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.1、特に好ましくは0.02〜0.05である。この範囲であると、消泡性及び塗膜外観(グロス、雨筋跡)がさらに良好となる。
本発明の消泡剤は、ジオールの分岐カルボン酸エステル、ジカルボン酸の分岐アルキルエステル及びジオールの分岐アルキルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種(a)、疎水性金属酸化物(b)及び基油(c)、並びに必要により、ポリオキシアルキレン化合物(d)、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド及びワックスからなる群より選ばれる少なくとも1種(e)、油溶性ポリマー(f)、水及び/又は他の成分を均一混合することにより製造できる。均一混合は公知の方法が適用できる。
本発明の消泡剤の製造方法として、親水性湿式シリカを疎水化処理して疎水性湿式シリカを得る疎水化処理工程(1)及び疎水性湿式シリカを粉砕処理して疎水性微粒湿式シリカを得る粉砕処理工程(2)からなる方法(A);
親水性湿式シリカを粉砕処理して親水性微粒湿式シリカを得る粉砕処理工程(3)及び親水性微粒湿式シリカを疎水化処理して疎水性微粒湿式シリカを得る疎水化処理工程(4)からなる方法(B);又は
親水性湿式シリカを粉砕処理しながら疎水化処理して疎水性微粒湿式シリカを得る粉砕疎水化処理工程(5)からなる方法(C)を含むことが好ましい。
親水性湿式シリカとしては、沈殿法により製造されたシリカ(以下、沈殿法シリカという)及びゲル法により製造されたシリカ(以下、ゲル法シリカという)が含まれる。これらのうち、消泡性の観点から沈殿法シリカが好ましい。沈殿法シリカを用いると、疎水性微粒湿式シリカの表面に凹凸が多くなり、消泡剤が泡膜により進入しやすくなるためと考えられる。
なお、沈殿法シリカは、中性〜アルカリ性環境下にて珪酸ソーダを酸で中和し、生じた析出物をろ過、乾燥することによって得られるシリカであり、ゲル法シリカは、酸性環境下にて珪酸ソーダを酸で中和し、生じた析出物をろ過、乾燥することによって得られるシリカである。
親水性の沈殿法シリカ及び親水性のゲル法シリカは、市場から容易に入手でき、たとえば、以下に、商品名が例示できる。
<親水性の沈殿法シリカ>
Nipsilシリーズ{東ソー・シリカ株式会社、「Nipsil」は東ソー・シリカ株式会社の登録商標である。}、Sipernatシリーズ{エボニック デグサ ジャパン株式会社、「Sipernat」はエボニック デグサ ゲーエムベーハーの登録商標である。}、Carplexシリーズ{DSL.ジャパン株式会社、「Carplex」はDSL.ジャパン株式会社の登録商標である。}、FINESILシリーズ{株式会社トクヤマ、「FINESIL」は株式会社トクヤマの登録商標である。}、TOKUSIL{株式会社トクヤマ、「TOKUSIL」は株式会社トクヤマの登録商標である。}、Zeosil{ローディア社、「Zeosil」はロディア シミ の登録商標である。}、MIZUKASILシリーズ{水澤化学工業株式会社、「MIZUKASIL」は水沢化学工業株式会社の登録商標である。}等。
<親水性のゲル法シリカ>
Carplexシリーズ、SYLYSIAシリーズ{富士シリシア株式会社、「SYLYSIA」は有限会社ワイ・ケイ・エフ の登録商標である。}、Nipgelシリーズ{東ソー・シリカ株式会社、「Nipgel」は東ソー・シリカ株式会社の登録商標である。}、MIZUKASILシリーズ{水澤化学工業株式会社、「MIZUKASIL」は水沢化学工業株式会社の登録商標である。}等。
疎水性微粒湿式シリカは、親水性湿式シリカが疎水化処理及び粉砕処理されていれば、疎水化処理工程(1)又は(4)及び粉砕処理工程(2)又は(3)の処理順等に制限はない。すなわち、疎水化処理及び粉砕処理のうちいずれかの処理を先に行い、他方の処理をその後に行ってもよいし、疎水化処理及び粉砕処理を並行して行ってもよい。粉砕処理は、湿式粉砕処理が好ましい。また、疎水化処理は、湿式疎水化処理が好ましい。また、粉砕処理しながら行う疎水化処理も湿式粉砕処理しながら湿式疎水化処理が好ましい。
親水性湿式シリカを疎水化処理及び粉砕処理する代わりに、親水性湿式シリカが疎水化処理された疎水性湿式シリカを使用すれば、疎水化処理は不必要であり、粉砕処理のみされていればよい。ただし、疎水性湿式シリカを使用しても、M値を調節するためにさらに疎水化処理してもかまわない。
親水性湿式シリカが疎水化処理された疎水性湿式シリカとしては、市場から入手でき、たとえば、以下の疎水性湿式シリカが例示できる。
Nipsil SSシリーズ、Sipernat D及びCシリーズ、並びにSYLOPHOBICシリーズ{富士シリシア化学株式会社、「SYLOPHOBIC」は富士シリシア化学株式会社の登録商標である。}等。
疎水化処理には、公知の方法が適用でき、たとえば、以下の<疎水化処理方法1>及び<疎水化処理方法2>が適用できる。
<疎水化処理方法1>
有機溶剤及び/又は基油と、親水性湿式シリカ又は親水性微粒湿式シリカと、疎水化処理剤とを攪拌しながら、疎水化処理剤を親水性湿式シリカ又は親水性微粒湿式シリカの表面に吸着又は反応させる方法(湿式疎水化処理)。
<疎水化処理方法2>
親水性湿式シリカ又は親水性微粒湿式シリカと、疎水化処理剤とを攪拌しながら、疎水化処理剤を親水性湿式シリカ又は親水性微粒湿式シリカの表面に吸着又は反応させる方法(乾式疎水化処理)。
有機溶剤としては、炭化水素溶剤(トルエン及びキシレン等)、グリコールエーテル溶剤(ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート及びトリエチレングリコールジメチルエーテル等)及びケトン溶剤(メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等)等が使用できる。基油としては、上記の基油(c)と同じであり、好ましい範囲も同じである。
疎水化処理のうち、塗膜外観(グロス、雨筋跡)の観点から、疎水化処理方法1(湿式疎水化処理)が好ましく、さらに好ましくは基油と、親水性湿式シリカ又は親水性微粒湿式シリカと、疎水化処理剤とを攪拌しながら処理する方法である。
疎水化処理剤としては、ハロシラン、アルコキシシラン、炭素数4〜28の脂肪酸、炭素数4〜36の脂肪族アルコール、炭素数12〜22の脂肪族アミン及びシリコーン化合物が含まれる。
ハロシランとしては、アルキル基又はアリール基の炭素数が1〜12のアルキルハロシラン及びアリールハロシランが含まれ、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、トリメチルブロモシラン、エチルトリクロロシラン、ドデシルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン及びt−ブチルジメチルクロロシラン等が挙げられる。
アルコキシシランとしては、アルキル基又はアリール基の炭素数が1〜12、アルコキシ基の炭素数が1〜2のアルコキシシランが含まれ、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチルフェニルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、i−ブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、i−ブチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン及びγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
炭素数4〜28の脂肪酸としては、ブタン酸、ヘキサン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸及びモンタン酸等が挙げられる。
炭素数4〜36の脂肪族アルコールとしては、n−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、n−オクタノール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール及びベヘニルアルコール等が挙げられる。
炭素数12〜22の脂肪族アミンとしては、ドデシルアミン、ステアリルアミン及びオレイルアミン等が挙げられる。
シリコーン化合物としては、ジメチルポリシロキサン、アリール変性ポリシロキサン(アリール基の炭素数6〜10)、アルキル変性ポリシロキサン(アルキル基の炭素数2〜6)、水酸基変性ポリシロキサン、アミノ基変性ポリシロキサン、3〜4量体の環状シリコーン及びメチルハイドロジェンポリシロキサン等が挙げられる。
ジメチルポリシロキサン、アリール変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサンとしては、基油と同じものが使用できる。すなわち、ジメチルポリシロキサン、アリール変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサンは、基油及び疎水化処理剤として使用できる。
水酸基変性ポリシロキサン、アミノ基変性ポリシロキサン及びメチルハイドロジェンポリシロキサンとしては、動粘度(25℃)が1〜10,000mm/s、官能基当量が300〜8,000g/molのもの等が使用できる。
疎水化処理に用いる疎水化処理剤として、以上の他に、公知のカップリング剤(上記以外のシランカップリング剤、チタネートカップリング剤及びジルコアルミネートカップリング剤等)等も使用できる。
これらの疎水化処理剤のうち、塗膜外観(グロス、雨筋跡)の観点から、ハロシラン、アルコキシシラン及びシリコーン化合物が好ましく、さらに好ましくはシリコーン化合物、特に好ましくはジメチルポリシロキサン及びメチルハイドロジェンポリシロキサンである。これらが好ましいのは、これらの疎水化処理剤を用いると、疎水化処理がより確実かつ均一におこなわれるためと考えられる。
湿式疎水化処理において、親水性湿式シリカ又は親水性微粒湿式シリカと、有機溶剤及び/又は基油と、疎水化処理剤とを混合する方法としては、以下の<混合方法1>〜<混合方法3>等が適用できる。
<混合方法1>
容器に、親水性湿式シリカ又は親水性微粒湿式シリカと、有機溶剤及び/又は基油と、疎水化処理剤とを同時に入れて均一混合する方法。
<混合方法2>
親水性湿式シリカ又は親水性微粒湿式シリカの入った容器に、有機溶剤及び/又は基油と疎水化処理剤とを加えて均一混合する方法。
<混合方法3>
疎水化処理剤と有機溶剤及び/又は基油とが入った容器に、親水性湿式シリカ又は親水性微粒湿式シリカを加えて均一混合する方法。
これらのうち、塗膜外観(グロス、雨筋跡)の観点から、<混合方法1>及び<混合方法3>が好ましく、さらに好ましくは<混合方法3>である。
有機溶剤及び/又は基油と、親水性湿式シリカ又は親水性微粒湿式シリカと疎水化処理剤との混合には公知の混合機(羽型撹拌機、高速回転型ホモミキサー、高圧ホモジナイザー、ディゾルバー、ボールミル、ニーダー、サンドミル、三本ロール、超音波分散機、遊星型混分散機(プラネタリミキサー及び3軸遊星型ミキサー等)等が使用できる。
これらの混合機のうち、分散性及び光沢性の観点から、羽型撹拌機、高速回転型ホモミキサー、高圧ホモジナイザー及びディゾルバーが好ましく、さらに好ましくは高速回転型ホモミキサー、高圧ホモジナイザー及びディゾルバー、特に好ましくは高速回転型ホモミキサーである。
疎水化処理方法2(乾式疎水化処理)において、撹拌機としては、公知の攪拌機が使用でき、垂直単軸型粉体撹拌機{ヘンシェルミキサ(三井鉱山株式会社製、「ヘンシエルミキサ」は三井鉱山株式会社の登録商標。)、万能ミキサー、らいかい機等等}、水平単軸型撹拌機(リボンミキサー等)等が使用できる。
疎水化処理において、加熱することができる。加熱処理する場合、加熱温度(℃)としては、100〜400が好ましく、さらに好ましくは200〜300である。
疎水化処理において、反応触媒(硫酸、硝酸、塩酸、ヒドロキシ酢酸、トリフルオロ酢酸、p−ニトロ安息香酸、水酸化カリウム、水酸化リチウム等)の存在下で行うことができる。
疎水化処理剤の使用量(重量%)としては、親水性湿式シリカ又は親水性微粒湿式シリカの重量に基づいて、2〜40が好ましく、さらに好ましくは10〜30である。この範囲にあると、塗膜外観(グロス、雨筋跡)がさらに良好となる。
疎水化処理方法1(湿式疎水化処理)において、親水性湿式シリカ又は親水性微粒湿式シリカの使用量(重量%)は、親水性湿式シリカ又は親水性微粒湿式シリカと有機溶剤及び基油との合計重量に基づいて、1〜20が好ましく、さらに好ましくは5〜15である。また、有機溶剤及び基油の使用量(重量%)は、親水性湿式シリカ又は親水性微粒湿式シリカと有機溶剤及び基油との合計重量に基づいて、80〜99が好ましく、さらに好ましくは85〜95である。
粉砕処理には、公知の方法が使用でき、たとえば、以下の<粉砕処理方法1>及び<粉砕処理方法2>が適用できる。
<粉砕処理方法1>
親水性湿式シリカ又は疎水性湿式シリカを粉末状態で粉砕処理する方法(乾式粉砕処理)
<粉砕処理方法2>
有機溶剤及び/又は基油中で、親水性湿式シリカ又は疎水性湿式シリカを粉砕処理する方法(湿式粉砕処理)
これらの粉砕処理のうち、塗膜外観(グロス、雨筋跡)の観点から粉砕処理方法2(湿式粉砕処理)が好ましい。
湿式粉砕法で用いる有機溶剤及び基油としては、上記と同様であり、好ましいものも同じである。
粉砕処理方法1(乾式粉砕処理)において、公知の乾式粉砕機が使用でき、乾式媒体型粉砕機{乾式ビーズミル、乾式ボールミル等}、気流式粉砕機{ジェットミル等}等が使用できる。
粉砕処理方法2(湿式粉砕処理)において、公知の湿式粉砕機が使用でき、湿式媒体型粉砕機{ビーズミル、サンドグラインダー、コロイドミル、アトライタ(日本コークス工業株式会社製、「アトライタ」は日本コークス工業株式会社の登録商標である。)、DISPERMAT(VMA−GETAMANN GMBH社製)等}、高圧噴射型粉砕機{ナノマイザー(吉田機械株式会社製、「ナノマイザー」はエス・ジーエンジニアリング株式会社の登録商標である。)、スターバースト(株式会社スギノマシン製、「スターバースト」は株式会社スギノマシンの登録商標である。)、ゴーリンホモジナイザー(APV社製)等}等が使用できる。
湿式粉砕処理において、親水性湿式シリカ又は疎水性湿式シリカの使用量(重量%)は、有機溶剤及び基油と親水性湿式シリカ又は疎水性湿式シリカとの合計重量に基づいて、1〜25が好ましく、さらに好ましくは5〜20である。また、有機溶剤及び基油の使用量(重量%)は、有機溶剤及び基油と親水性湿式シリカ又は疎水性湿式シリカとの合計重量に基づいて、75〜99が好ましく、さらに好ましくは80〜95である。
粉砕処理しながら行う疎水化処理としては、以下の方法が適用できる。
<粉砕疎水化処理方法1>
親水性湿式シリカを粉末状態で粉砕処理しながら、親水性湿式シリカ及び/又は親水性微粒湿式シリカと疎水化処理剤とを攪拌して、疎水化処理剤を親水性微粒湿式シリカの表面に吸着又は反応させる方法(乾式粉砕疎水化処理;乾式粉砕処理と乾式疎水化処理との組合せ)
<粉砕疎水化処理方法2>
有機溶剤及び/又は基油中で、親水性湿式シリカを粉砕しながら、有機溶剤及び/又は基油と親水性湿式シリカ及び/又は親水性微粒湿式シリカと疎水化処理剤とを攪拌して、疎水化処理剤を親水性微粒湿式シリカの表面に吸着又は反応させる方法(湿式粉砕疎水化処理:湿式粉砕処理と湿式疎水化処理との組合せ)
これらの粉砕疎水化処理のうち、塗膜外観(グロス、雨筋跡)の観点から粉砕疎水化処理方法2(湿式粉砕疎水化処理)が好ましい。
混合機、疎水化処理における加熱温度や反応触媒、疎水化処理剤の使用量、親水性湿式シリカ又は親水性微粒湿式シリカの使用量、有機溶剤及び基油の使用量は、上記の疎水化処理方法1、2と同じであり、乾式粉砕機、湿式粉砕機は上記の粉砕処理方法1、2と同じである。
親水性湿式シリカ又は疎水性湿式シリカの個数平均粒子径(D0;μm)は、1〜40が好ましく、さらに好ましくは2〜20である。
疎水性微粒湿式シリカの個数平均粒子径(Dn)及び体積平均粒子径(Dv)の比(Dv/Dn)は、1〜4が好ましく、さらに好ましくは1〜3である。
親水性微粒湿式シリカ又は疎水性微粒湿式シリカの個数平均粒子径(Dn)は、0.1〜1μmが好ましく、さらに好ましくは0.2〜0.6、特に好ましくは0.2〜0.4である。
親水性微粒湿式シリカ又は疎水性微粒湿式シリカの個数平均粒子径(Dn)と親水性湿式シリカ又は疎水性湿式シリカの個数平均粒子径(D0)との粒子径比(Dn/D0)は、0.01〜0.2が好ましい。
方法(A)において、疎水化処理工程(1)は、親水性湿式シリカを有機溶剤及び/又は基油(好ましくは基油のみ)に分散して分散液を得た後、疎水化処理して疎水性湿式シリカを得る工程(1−1)が好ましい。また、粉砕処理工程(2)は、疎水性湿式シリカを有機溶剤及び/又は基油(好ましくは基油)の中で湿式粉砕処理して疎水性微粒湿式シリカを得る工程(2−1)が好ましい。
方法(B)において、粉砕処理工程(3)は、親水性湿式シリカを有機溶剤及び/又は基油(好ましくは基油のみ)に分散して分散液を得た後、親水性湿式シリカを有機溶剤及び/又は基油(好ましくは基油のみ)の中で湿式粉砕処理して親水性微粒湿式シリカを得る工程(3−1)が好ましい。また、疎水化処理工程(4)は、親水性微粒湿式シリカを有機溶剤及び/又は基油(好ましくは基油のみ)の中で疎水化処理して疎水性微粒湿式シリカを得る工程(4−1)が好ましい。
方法(C)において、粉砕疎水化処理工程(5)は、親水性湿式シリカを有機溶剤及び/又は基油(好ましくは基油のみ)に分散して分散液を得た後、親水性湿式シリカを有機溶剤及び/又は基油(好ましくは基油のみ)の中で湿式粉砕処理しながら、親水性湿式シリカ及び/又は親水性微粒湿式シリカを有機溶剤及び/又は基油(好ましくは基油のみ)の中で疎水化処理して疎水性微粒湿式シリカを得る工程(5−1)が好ましい。
各工程の後及び/又は前に、分級工程を設けてもよい。
分級工程としては、公知の湿式分級法及び乾式分級法等が適用できる。
疎水化処理及び粉砕処理、粉砕疎水化処理の少なくともいずれかを有機溶剤及び/又は基油中(湿式疎水化処理、湿式粉砕処理、湿式粉砕疎水化処理)でおこなった場合、疎水性微粒湿式シリカ又は親水性微粒湿式シリカを含む分散液から、疎水性微粒湿式シリカ又は親水性微粒湿式シリカを単離する単離工程を設けてもよい。
単離工程は、公知の方法(遠心分離、ろ過、デカンテーション等)で行うことができる。
さらに、単離工程の後に乾燥工程を設けてもよい。乾燥工程は公知の方法(たとえば、30〜150℃、10〜120分間の加熱)が適用できる。
本発明の消泡剤は、各種発泡液体に適用できるが、水性発泡液に対して効果的である。さらに、化学工業用消泡剤、石油工業用消泡剤、土木建築用消泡剤、インキ用消泡剤、塗料(水性塗料等)用消泡剤及び各種製造工程(水溶性高分子溶解工程、顔料分散工程、抄紙工程、紙塗料塗布工程、発酵工程、培養工程、排水処理工程、モノマーストリッピング工程及びポリマー重合工程等)用消泡剤等として好ましく使用できる。これらのうち、インキ用消泡剤及び塗料(水性塗料等)用消泡剤として好適である。
消泡剤の添加量(重量%)は、発泡状態、温度、粘度等に応じて適宜設定されるが、発泡液体の重量に基づいて、0.001〜10が好ましく、さらに好ましくは0.005〜3である。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
疎水性湿式シリカ又は疎水性微粒湿式シリカの分散液を調製し、これを用いた場合、疎水性湿式シリカ又は疎水性微粒湿式シリカについて、個数平均粒子径(D0)又は個数平均粒子径(Dn)、体積平均粒子径(Dv)及びM値は、分散液20部を遠心分離(遠心加速度1619G、10分間)して上澄みを廃棄した後、ヘキサン80部{関東化学株式会社、試薬1級}を加え、プロペラ型撹拌機で撹拌混合してから、遠心分離して上澄みを廃棄した。その後、ヘキサン80部との攪拌混合及び遠心分離、上澄みの廃棄の操作を4回繰り返した後、100℃に温調した順風乾燥機で6時間乾燥させて、測定用の疎水性湿式シリカ又は疎水性微粒湿式シリカを得てから、それぞれ、測定した。
<実施例1>
(乾式疎水化処理1)
親水性湿式シリカ(hs1){個数平均粒子径1μmのゲル法シリカ、Nipgel AZ−204、東ソー・シリカ株式会社}100gをヒーター付きヘンシェルミキサー(株式会社三井三池製作所製UM−2E型)に入れ、低速撹拌(750rpm)しながら、75℃で加熱溶融した疎水化剤(sm1){ステアリン酸、関東化学株式会社、試薬1級}8gを噴霧した。次いでヘンシェルミキサーをヒーターで70〜75℃に加熱しながら高速回転(2000rpm)による撹拌を15分間行い、均一に混合した。次いで撹拌速度を維持したままヒーターでヘンシェルミキサーを180℃に加熱し、180℃にて3時間、混合加熱処理を行なって、疎水性湿式シリカ(ps1)を得た。疎水性湿式シリカ(ps1)の個数平均粒子径(D0)は10μm、M値は57であった。
(湿式粉砕処理1)
疎水性湿式シリカ(ps1)578gと基油(c1){動粘度(40℃)が32mm/sの食用大豆油、日清オイリオグループ株式会社}10kgとをステンレス製容器に投入した後、ホモジナイザー(ハイフレックスディスパーサーHG−92G、タイテック株式会社)にて4000rpmで攪拌混合し、疎水性湿式シリカ(sp1)を含む分散液(pd1)を得た。分散液(pd1)を重量平均粒径0.7mmのジルコニアビーズ100mlを充填した湿式媒体型粉砕機{DISPERMAT SL−C−12(VMA−GETAMANN GMBH社製、以下同様}にてローター回転数4000rpmにて10分間湿式粉砕処理して、疎水性微粒湿式シリカ(b1)を含む分散液(b1c1)を得た。
疎水性微粒湿式シリカ(b1)について、個数平均粒子径(Dn)は0.2μm、体積平均粒子径(Dv)は0.4μm、M値は55であった。したがって、(Dv/Dn)は2、(Dn/D0)は0.02であった。
分散液(b1c1)930g(b1:50.8g、c1:879.2g)及び2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール2−メチルプロパン酸モノエステル(a1){CS−12、JNC株式会社}70g、ポリオキシエチレングリコールオレイン酸ジエステル(d1){イオネットDO−600、三洋化成工業株式会社}30g及びポリビニルアルコールアルキルエーテル(f1){ルトナールA−25、BASF社}60gを15分間攪拌混合し、本発明の消泡剤(DF1)を得た。
<実施例2>
(湿式疎水処理1)
基油(c2){シリコーンオイル、KF96−50cs、信越化学工業株式会社}10kgの入った加熱、撹拌、冷却の可能な容器内に、撹拌しながら親水性湿式シリカ(hs1)700g及び疎水化剤(sm2){デシルトリエトキシシラン、KBM−3103、信越化学工業株式会社}8gを順に入れ、撹拌下に110℃まで昇温し、この温度にてさらに3時間加熱撹拌を続けて疎水性湿式シリカ(ps2)を含む分散液(pd2)を得た。疎水性湿式シリカ(ps2)の個数平均粒子径(D0)は10μmであり、M値57はであった。
(湿式粉砕処理2)
疎水性湿式シリカ(sp2)を含む分散液(pd2)を重量平均粒径0.7mmのジルコニアビーズ100mlを充填した湿式媒体型粉砕機{DISPERMAT SL−C−12(VMA−GETAMANN GMBH社製、以下同様}にてローター回転数4000rpmにて10分間湿式粉砕処理して、疎水性微粒湿式シリカ(b2)を含む分散液(b2c2)を得た。
疎水性微粒湿式シリカ(b2)について、個数平均粒子径(Dn)は0.4μm、体積平均粒子径(Dv)は1.2μm、M値は55であった。したがって、(Dv/Dn)は3、(Dn/D0)は0.04であった。
分散液(b2c2)940g(b2:62.2g、c2:877.8g)及び2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール2−メチルプロパン酸モノエステル(a1)60g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(d2){エマルミンLS−90、三洋化成工業株式会社}50g及びポリビニルアルコールアルキルエーテル(f1)30gを15分間攪拌混合し、本発明の消泡剤(DF2)を得た。
<実施例3>
(湿式粉砕処理3)
親水性湿式シリカ(hs2){個数平均粒子径(D0)が20μmの沈殿法湿式シリカ、Sipernat 50、エボニック デグサ ジャパン株式会社}800gと基油(c2)10kgとをステンレス製容器に投入した後、ホモジナイザー(ハイフレックスディスパーサーHG−92G、タイテック株式会社)にて4000rpmで攪拌混合し、次いで重量平均粒径0.7mmのジルコニアビーズ100mlを充填した湿式媒体型粉砕機にてローター回転数4000rpmにて30分間湿式粉砕処理して、親水性微粒湿式シリカ(fhs2)を含む分散液(hd2)を得た。
(湿式疎水処理3)
分散液(hd2)10.8kgを加熱、撹拌、冷却の可能な容器内に入れた後、撹拌下に疎水化剤(sm2)80gを入れ、撹拌下に110℃まで昇温し、この温度にてさらに3時間加熱撹拌を続けて疎水性微粒湿式シリカ(b3)を含む分散液(b3c2)を得た。
疎水性微粒湿式シリカ(b3)について、個数平均粒子径(Dn)は0.2μm、体積平均粒子径(Dv)は0.6μm、M値は76であった。したがって、(Dv/Dn)は3、(Dn/D0)は0.01であった。
分散液(b3c2)940g(b3:76g、c2:864g)及びヘキサンジカルボン酸ジイソブチル(a2){ビニサイザー40、花王株式会社、「ビニサイザー」は同社の登録商標である。}60g、ソルビタンポリオキシエチレンオレイン酸モノエステル(d3){イオネットT−80V、三洋化成工業株式会社}40g及びポリオキシエチレングリコールオレイン酸モノエステル(d4){イオネットMO−400、三洋化成工業株式会社}20gを15分間攪拌混合し、本発明の消泡剤(DF3)を得た。
<実施例4>
基油(c2)10kgを基油(c3){動粘度21mm/sの鉱物油、コスモSC22、コスモ石油ルブリカンツ株式会社}10kgに変更したこと、親水性湿式シリカ(hs1)700gを親水性湿式シリカ(hs2)1328gに変更したこと、疎水化剤(sm2)8gを疎水化剤(sm2)171.5gに変更したこと以外、実施例2と同様にして湿式疎水化処理を行い、疎水性湿式シリカ(ps4)を含む分散液(pd4)を得た。疎水性湿式シリカ(ps4)の個数平均粒子径(D0)は10μmであり、M値は56であった。
続いて、分散液(pd2)を分散液(pd4)に変更したこと、湿式粉砕処理時間を10分間から15分間に変更したこと以外、実施例2と同様に湿式粉砕処理を行い、疎水性微粒湿式シリカ(b4)を含む分散液(b4c3)を得た。
疎水性微粒湿式シリカ(b4)について、個数平均粒子径(Dn)は0.2μm、体積平均粒子径(Dv)は0.6μm、M値は55であった。したがって、(Dv/Dn)は3、(Dn/D0)は0.02であった。
分散液(b4c3)920g(b4:120g、c3:800g)及び2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール2−メチルプロパン酸モノエステル(a1)80g、ポリオキシエチレングリコールオレイン酸ジエステル(d1)60g、ポリビニルアルコールアルキルエーテル(f1)30g及び水20gを15分間攪拌混合し、本発明の消泡剤(DF4)を得た。
<実施例5>
基油(c2)10kgを基油(c2)2kgに変更したこと、親水性湿式シリカ(hs1)700gを親水性湿式シリカ(hs3){個数平均粒子径2μmの沈殿法湿式シリカ、Nipsil G300、東ソー・シリカ株式会社}200gに変更したこと、疎水化剤(sm2)8gを疎水化剤(sm3){メチルハイドロジェンポリシロキサン、SH1007、信越化学工業株式会社}22gに変更したこと、加熱温度を110℃から180℃に変更したこと以外、実施例2と同様に湿式疎水化処理を行い、疎水性湿式シリカ(ps5)を含む分散液(pd5)を得た。疎水性湿式シリカ(ps5)の個数平均粒子径(D0)は2μmであり、M値は61であった。
続いて、分散液(pd2)を分散液(pd5)に変更したこと、湿式粉砕処理時間を10分間から40分間に変更したこと以外、実施例2と同様に湿式粉砕処理を行い、疎水性微粒湿式シリカ(b5)を含む分散液(b5c2)を得た。
疎水性微粒湿式シリカ(b5)について、個数平均粒子径(Dn)は0.2μm、体積平均粒子径(Dv)は0.2μm、M値は60であった。したがって、(Dv/Dn)は1、(Dn/D0)は0.1であった。
分散液(b5c2)960g(b5:96g、c2:864g)及びエタンジオールモノ−2−エチルヘキシルエーテル(a3){キョーワノールOX、KHネオケム株式会社、「キョーワノール」は同社の登録商標である。}40g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(d5){エマルミンNL−70、三洋化成工業株式会社}40g、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(f2){アクルーブ812、三洋化成工業株式会社}30g及び水20gを15分間攪拌混合し、本発明の消泡剤(DF5)を得た。
<実施例6>
基油(c2)10kgを基油(c3)960gに変更したこと、親水性湿式シリカ(hs1)700gを親水性湿式シリカ(hs4){個数平均粒子径9μmの沈殿法湿式シリカ、Nipsil NA、東ソー・シリカ株式会社}100gに変更したこと、疎水化剤(sm2)8gを疎水化剤(sm3)25gに変更したこと以外、実施例2と同様に湿式疎水化処理を行い、疎水性湿式シリカ(ps6)を含む分散液(pd6)を得た。疎水性湿式シリカ(ps6)の個数平均粒子径(D0)は9μmであり、M値は77であった。
続いて、分散液(pd2)を分散液(pd6)に変更したこと、湿式粉砕処理時間を10分間から45分間に変更したこと以外、実施例2と同様に湿式粉砕処理を行い、疎水性微粒湿式シリカ(b6)を含む分散液(b6c3)を得た。
疎水性微粒湿式シリカ(b6)について、個数平均粒子径(Dn)は0.4μm、体積平均粒子径(Dv)は0.8μm、M値は76であった。したがって、(Dv/Dn)は2、(Dn/D0)は0.04であった。
分散液(b6c3)960g(b6:110.6g、c3:849.4g)及びヘキサンジカルボン酸ジイソブチル(a2)40g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(d5)30g及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル(f2)30gを15分間攪拌混合し、本発明の消泡剤(DF6)を得た。
<実施例7>
基油(c2)10kgを基油(c3)796gに変更したこと、親水性湿式シリカ(hs1)700gを親水性湿式シリカ(hs3)100gに変更したこと、疎水化剤(sm2)8gを疎水化剤(sm3)15gに変更したこと以外、実施例2と同様に湿式疎水化処理を行い、疎水性湿式シリカ(ps7)を含む分散液(pd7)を得た。疎水性湿式シリカ(ps7)の個数平均粒子径(D0)は2μmであり、M値は58であった。
続いて、分散液(pd2)を分散液(pd7)に変更したこと、湿式粉砕処理時間を10分間から90分間に変更したこと以外、実施例2と同様に湿式粉砕処理を行い、疎水性微粒湿式シリカ(b7)を含む分散液(b7c3)を得た。
疎水性微粒湿式シリカ(b7)について、個数平均粒子径(Dn)は0.4μm、体積平均粒子径(Dv)は0.4μm、M値は56であった。したがって、(Dv/Dn)は1、(Dn/D0)は0.2であった。
分散液(b7c3)920g(b7:116.1g、c3:803.9g)及び2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール2−メチルプロパン酸モノエステル(a1)80g、ポリオキシエチレングリコールオレイン酸ジエステル(d1)30g及び水添石油樹脂(f3){アイマーブS−110、出光興産株式会社、「アイマーブ」は同社の登録商標である}60gを15分間攪拌混合し、本発明の消泡剤(DF7)を得た。
<実施例8>
エチレンビスステアリルアミド(e1){アルフローH−50S、日油株式会社、「アルフロー」は同社の登録商標である。}50g及び基油(c4){動粘度(40℃)が10mm/sである鉱物油、コスモRCスピンドル油、コスモ石油ルブリカンツ株式会社}950gを加熱攪拌しながら150℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けた。次いで、攪拌しながら25℃まで冷却した後、ゴーリンホモジナイザーを用いて3500psi(24.1MPa)にて均質化処理して、分散液(e1c4)を得た。
実施例4と同様にして得た分散液(b4c3)920g(b4:120g、c3:800g)、上記の分散液(e1c4)42g(e1:2g、c4:40g)、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール2−メチルプロパン酸モノエステル(a1)40g及びポリオキシエチレングリコールオレイン酸ジエステル(d1)30gを15分間攪拌混合し、本発明の消泡剤(DF8)を得た。
<実施例9>
エチレンビスステアリルアミド(e1)50gを酸化ポリエチレンワックス(e2){エポレンE−10、イーストマンケミカル社}10gに変更したこと、基油(c4)950gを基油(c5){動粘度(40℃)が22mm/sである鉱物油、コスモピュアスピンG、コスモ石油ルブリカンツ株式会社}90gに変更したこと以外、実施例8と同様にして、分散液(e2c5)を得た。
実施例6と同様にして得た分散液(b6c3)863g(b6:99.4g、c3:763.6g)、上記の分散液(e2c5)60g(e2:3g、c5:57g)、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール2−メチルプロパン酸モノエステル(a1)80g及びポリオキシエチレングリコールオレイン酸ジエステル(d1)30gを15分間攪拌混合し、本発明の消泡剤(DF9)を得た。
<実施例10>
ステアリン酸アルミニウム(e3){SA−1500、堺化学工業株式会社}100g及び基油(c1){動粘度(40℃)が32mm/sの食用大豆油、日清オイリオグループ株式会社}900gを加熱攪拌しながら150℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けた。次いで、攪拌しながら25℃まで冷却した後、ゴーリンホモジナイザーを用いて3500psi(24.1MPa)にて均質化処理して、分散液(e3c1)を得た。
実施例6と同様にして得た分散液(b6c3)946.5g(b6:109g、c3:837.5g)、上記の分散液(e3c1)15g(e3:1.5g、c1:13.5g)、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール2−メチルプロパン酸モノエステル(a1)40g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(d5)30g及びポリビニルアルコールアルキルエーテル(f1)40gを15分間攪拌混合し、本発明の消泡剤(DF10)を得た。
<実施例11>
疎水性微粒湿式シリカ(b11){アエロジルRY−300、エボニック デグサ ゲーエムベーハー}90gと基油(c3)1.1kgを容器に投入した後、ホモジナイザー(ハイフレックスディスパーサーHG−92G、タイテック株式会社)にて3000rpmで攪拌混合し、疎水性微粒湿式シリカ(b11)を含む分散液(b11c3)を得た。疎水性微粒湿式シリカ(b11)の個数平均粒子径(Dn)は0.3μmであり、体積平均粒子径(Dv)は0.6μm、M値は68であった。したがって、(Dv/Dn)は2であった。
分散液(b11c3)940g(b11:71.1g、c3:868.9g)、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール2−メチルプロパン酸モノエステル(a1)60g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(d5)30g及びポリビニルアルコールアルキルエーテル(f1)40gを15分間攪拌混合し、本発明の消泡剤(DF11)を得た。
<比較例1>
特許文献1に記載された実施例1に準拠して比較用の消泡剤(HDF1)を調製した。
<比較例2>
特許文献2に記載された実施例2に準拠して比較用の消泡剤(HDF2)を調製した。
<比較例3>
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール2−メチルプロパン酸モノエステル(a1){CS−12、JNC株式会社}70gを攪拌混合しなかったこと以外、実施例1と同様にして、比較用の消泡剤(HDF3)を得た。
<評価>
実施例1〜11及び比較例1〜3で得た本発明の消泡剤(DF1)〜(DF11)及び比較用消泡剤(HDF1)〜(HDF3)を用いて、以下のようにしてエマルション塗料を調製し、消泡性及び塗膜外観(グロス、雨筋跡)を評価した。
(エマルションベース塗料の調製)
表1に記載した原料組成にて、円盤型羽根を装着した卓上サンドミル(カンペ家庭塗料株式会社、カンペサンドミル)でグラインディングし、ついでアンカー型羽根を装着した撹拌機(東京理化器械株式会社、MAZELLA ZZ−1100)でレットダウンして、エマルションベース塗料を調製した。
Figure 2017144404
注1:サンノプコ株式会社製分散剤、「ノプコール」は同社の登録商標である。
注2:ダイセルファインケム株式会社製増粘剤
注3:サンノプコ株式会社製湿潤剤
注4:サンノプコ株式会社製湿潤剤
注5:竹原化学工業株式会社製炭酸カルシウム、「サンライト」は協栄産業株式会社の登録商標である。
注6:石原産業株式会社製二酸化チタン、「タイペーク」は同社の登録商標である。
注7:BASF社製アクリルエマルション、「ACRONAL」は、ビ−エ−エスエフ ソシエタス・ヨーロピアの登録商標である。
注8:イーストマンケミカル社製造膜調整剤、「テキサノール」は吉村油化学株式会社の登録商標である。
(エマルション塗料の調製)
エマルションベース塗料99.7重量部に、消泡剤(DF1)〜(DF11)及び比較用消泡剤(HDF1)〜(HDF3)のいずれかを0.3重量部加えて、コーレス型羽根を装着したエクセルオートホモジナイザー(日本精器株式会社、モデルED)にて25℃、3000rpm、5分間攪拌混合してエマルション塗料を得た。
また、消泡剤を加えないこと以外、上記と同様にして、ブランク用エマルション塗料を得た。
(消泡性)
各エマルション塗料100重量部に対しそれぞれ水を10重量部添加し混合して、各評価用エマルション塗料を得た。中毛ウールローラー(大塚刷毛製造株式会社)を用いてブリキ板上に30cm角でローラー塗装し、初期消泡性と消泡速度を評価し、その結果を表2に記載した。
初期消泡性は肉眼で確認できる塗布直後の泡の数で評価し、数が少ない方が初期消泡性が優れることを意味する。また、消泡速度は泡が観察出来なくなるまでの時間で評価し、その値が小さい方が消泡速度が速く、消泡性に優れることを意味する。
(塗膜外観1)光沢性
JIS K5960:2003 家庭用屋内壁塗料の附属書2(規定)アプリケーター塗装に準じた隙間150μmのアプリケーターを用いて評価用エマルション塗料(ブランク評価用エマルション塗料を含む)をガラス板に塗布し、1日乾燥後の塗膜について60°グロスをISO2813:1994に準拠した光沢計(株式会社村上色彩技術研究所製DM26D)にてそれぞれ3個所測定して平均値を算出した。ブランク評価用エマルション塗料についても同様に塗布した後、60°グロスを測定し、ブランク評価用エマルション塗料の平均光沢値に対する各評価用エマルション塗料の平均光沢値の割合(百分率:評価用エマルション塗料の光沢値/ブランク用エマルション塗料の光沢値×100)を算出し、光沢性として表2に示した。光沢性が100に近い程、光沢の低下が無く良好であることを意味する。
(塗膜外観2)雨筋跡
JIS K5960:2003 家庭用屋内壁塗料の附属書2(規定)アプリケーター塗装に準じた隙間150μmのアプリケーターを用いて評価用エマルション塗料(ブランク評価用エマルション塗料を含む)をステンレス鋼板(10×30cm)に塗装し、屋内で一日乾燥して試験用塗装片とした。愛知県東海市の地上高3mの屋外暴露台に塗装面を水平面に対して45度になるようにし、かつ塗装面が真北を向くようにして試験用塗装片を設置し、平成27年6月上旬から平成27年9月下旬までの約4ケ月間暴露した。そして、試験用塗装片の表面から直線で1.5mと30cmの距離から、塗装片表面の雨筋跡を目視で確認し、以下の基準で表2に示した。また付着したゴミ、汚れ等を湿した木綿ウエスにてかるくこすり落とした後、白色度(L2)を測定した。ついで、予め測定した暴露前の試験用塗装片の白色度(L1)から白色度(L2)を差し引いた値(ΔL)を表2に示した。ΔLは小さいほど耐汚染性(雨筋跡)が良好でがあることを示す。白色度の測定試験機は日本電色工業株式会社製のSPECTRO COLOR METERMODEL PF−10を用いた。
<基準>
○:塗装片表面から30cmの距離でも雨筋跡が確認できない
△:塗装片表面から30cmの距離では雨筋跡が確認できたが1.5mでは雨筋跡が確認できない
×:塗装片表面から1.5mの距離でも雨筋跡が確認できる
Figure 2017144404
表2の結果から明らかのように、本発明の消泡剤(DF−1)〜(DF−11)は比較用消泡剤(hdf1)〜(hdf2)に比較して消泡性、塗膜外観(光沢性、雨筋跡)に優れていた。

Claims (15)

  1. ジオールの分岐カルボン酸エステル、ジカルボン酸の分岐アルキルエステル及びジオールの分岐アルキルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種(a)と、
    疎水性金属酸化物(b)と、
    基油(c)とを含有してなることを特徴とする消泡剤。
  2. さらに、ポリオキシアルキレン化合物(d)を含んでなる請求項1に記載の消泡剤。
  3. さらに、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド及びワックスからなる群より選ばれる少なくとも1種(e)を含んでなる請求項1又は2に記載の消泡剤。
  4. 疎水性金属酸化物が疎水性シリカである請求項1〜3のいずれかに記載の消泡剤。
  5. 疎水性シリカが0.1〜1μmの個数平均粒子径(Dn)及び50〜80のM値をもつ疎水性微粒湿式シリカである請求項4に記載の消泡剤。
  6. 疎水性微粒湿式シリカの個数平均粒子径(Dn)と体積平均粒子径(Dv)との比(Dv/Dn)が1〜4である請求項5に記載の消泡剤。
  7. 請求項4〜6のいずれかに記載された消泡剤を製造する方法であって、
    親水性湿式シリカを疎水化処理して疎水性湿式シリカを得る疎水化処理工程(1)及び疎水性湿式シリカを粉砕処理して疎水性微粒湿式シリカを得る粉砕処理工程(2)からなる方法(A);
    親水性湿式シリカを粉砕処理して親水性微粒湿式シリカを得る粉砕処理工程(3)及び親水性微粒湿式シリカを疎水化処理して疎水性微粒湿式シリカを得る疎水化処理工程(4)からなる方法(B);又は
    親水性湿式シリカを粉砕処理しながら疎水化処理して疎水性微粒湿式シリカを得る粉砕疎水化処理工程(5)からなる方法(C)を含むことを特徴とする消泡剤の製造方法。
  8. 疎水化処理工程(1)が親水性湿式シリカを油性成分に分散して分散液を得た後、湿式疎水化処理して疎水性湿式シリカを得る工程である請求項7に記載の製造方法。
  9. 粉砕処理工程(2)が疎水性湿式シリカを油性成分中で湿式粉砕処理して疎水性微粒湿式シリカを得る工程である請求項7又は8に記載の製造方法。
  10. 粉砕処理工程(3)が親水性湿式シリカを油性成分に分散して分散液を得た後、親水性湿式シリカを油性成分中で湿式粉砕処理して親水性微粒湿式シリカを得る工程である請求項7に記載の製造方法。
  11. 疎水化処理工程(4)が親水性微粒湿式シリカを油性成分中で湿式疎水化処理して疎水性微粒湿式シリカを得る工程である請求項7又は8に記載の製造方法。
  12. 粉砕疎水化処理工程(5)が親水性湿式シリカを油性成分中で湿式粉砕処理しながら湿式疎水化処理して疎水性微粒湿式シリカを得る工程である請求項7に記載の製造方法。
  13. 親水性湿式シリカ又は疎水性湿式シリカの個数平均粒子径(D0)が1〜40μmである請求項7〜12のいずれかに記載の製造方法。
  14. 疎水性微粒湿式シリカの個数平均粒子径(Dn)及び体積平均粒子径(Dv)の比(Dv/Dn)が1〜4である請求項7〜13のいずれかに記載の製造方法。
  15. 親水性微粒湿式シリカ又は疎水性微粒湿式シリカの個数平均粒子径(Dn)が0.1〜1μmであって、
    親水性微粒湿式シリカ又は疎水性微粒湿式シリカの個数平均粒子径(Dn)と親水性湿式シリカ又は疎水性湿式シリカの個数平均粒子径(D0)との粒子径比(Dn/D0)が 0.01〜0.2である請求項7〜14のいずれかに記載の製造方法。
JP2016029397A 2016-02-18 2016-02-18 消泡剤 Active JP6298954B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016029397A JP6298954B2 (ja) 2016-02-18 2016-02-18 消泡剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016029397A JP6298954B2 (ja) 2016-02-18 2016-02-18 消泡剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017144404A true JP2017144404A (ja) 2017-08-24
JP6298954B2 JP6298954B2 (ja) 2018-03-28

Family

ID=59681863

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016029397A Active JP6298954B2 (ja) 2016-02-18 2016-02-18 消泡剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6298954B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019107222A1 (ja) * 2017-12-01 2019-06-06 サンノプコ株式会社 消泡剤
JP2020025928A (ja) * 2018-08-10 2020-02-20 サンノプコ株式会社 消泡剤
CN114728215A (zh) * 2019-11-06 2022-07-08 陶氏东丽株式会社 水溶性有机硅消泡剂组合物及含有其的水性涂料

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS621414A (ja) * 1985-06-27 1987-01-07 チバ−ガイギ アクチエンゲゼルシヤフト 水性系のための泡防止剤
JPH01274806A (ja) * 1988-03-26 1989-11-02 Bayer Ag 消泡剤
JP2003170005A (ja) * 2001-12-07 2003-06-17 Kyoeisha Chem Co Ltd 水系コーティング材用消泡剤
WO2010087196A1 (ja) * 2009-02-02 2010-08-05 サンノプコ株式会社 消泡剤
CN103265867A (zh) * 2013-05-24 2013-08-28 苏州富通高新材料科技股份有限公司 硅微粉涂料
WO2015115184A1 (ja) * 2014-01-31 2015-08-06 サンノプコ株式会社 疎水性微粒湿式シリカ、その製造方法及び消泡剤
CN104906832A (zh) * 2015-05-22 2015-09-16 陕西省石油化工研究设计院 一种聚醚酯/矿物油复合型消泡剂及其制备方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS621414A (ja) * 1985-06-27 1987-01-07 チバ−ガイギ アクチエンゲゼルシヤフト 水性系のための泡防止剤
JPH01274806A (ja) * 1988-03-26 1989-11-02 Bayer Ag 消泡剤
JP2003170005A (ja) * 2001-12-07 2003-06-17 Kyoeisha Chem Co Ltd 水系コーティング材用消泡剤
WO2010087196A1 (ja) * 2009-02-02 2010-08-05 サンノプコ株式会社 消泡剤
CN103265867A (zh) * 2013-05-24 2013-08-28 苏州富通高新材料科技股份有限公司 硅微粉涂料
WO2015115184A1 (ja) * 2014-01-31 2015-08-06 サンノプコ株式会社 疎水性微粒湿式シリカ、その製造方法及び消泡剤
CN104906832A (zh) * 2015-05-22 2015-09-16 陕西省石油化工研究设计院 一种聚醚酯/矿物油复合型消泡剂及其制备方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019107222A1 (ja) * 2017-12-01 2019-06-06 サンノプコ株式会社 消泡剤
JP2020025928A (ja) * 2018-08-10 2020-02-20 サンノプコ株式会社 消泡剤
JP7103638B2 (ja) 2018-08-10 2022-07-20 サンノプコ株式会社 消泡剤
CN114728215A (zh) * 2019-11-06 2022-07-08 陶氏东丽株式会社 水溶性有机硅消泡剂组合物及含有其的水性涂料
CN114728215B (zh) * 2019-11-06 2023-09-22 陶氏东丽株式会社 水溶性有机硅消泡剂组合物及含有其的水性涂料

Also Published As

Publication number Publication date
JP6298954B2 (ja) 2018-03-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6442660B2 (ja) 疎水性微粒湿式シリカ、その製造方法及び消泡剤
JP5934857B2 (ja) 消泡剤
CN100486668C (zh) 消泡剂
JP6298954B2 (ja) 消泡剤
TWI568449B (zh) Oil in the water emulsion sunscreen cosmetics
ES2389492T3 (es) Composiciones de emulsión de eliminador de espuma para aplicaciones de fabricación de pasta papelera
JP4751391B2 (ja) 電解質によるPickeringエマルションのレオロジー制御
CN100518918C (zh) 表面活性剂
CN1934199A (zh) 粒子稳定的乳液
CN101346439B (zh) 热解法硅烷化二氧化硅
DE10260323A1 (de) Wasserbenetzbare silylierte Metalloxide
JP2006515308A (ja) 表面改質無機ナノ粒子を含むエマルジョン
KR101721264B1 (ko) 산화아연 또는 산화티탄을 함유하는 분산체
CN101370862A (zh) 含有担载无机化合物的聚酰胺多孔粒子的粉末
WO2013073329A1 (ja) 粉末消泡剤及びその製造方法
CN105199512B (zh) 一种水性疏水剂及其制备方法
JP5771789B2 (ja) 両親媒性粒子の油性分散体、この製造方法、分散安定剤、樹脂組成物及び顔料分散組成物
CN107001916B (zh) 磨料组合物
TWI507472B (zh) Preparation method of aqueous dispersion composition of benzofuran-indene resin and aqueous dispersion composition thereof
CN107488375A (zh) 高填充水性木器透明腻子及其制备方法
JP2019188632A (ja) タイヤ内面用離型剤、タイヤ内面用離型剤水分散液、タイヤ内面用離型剤の製造方法、タイヤの製造方法およびタイヤ
JP6089173B2 (ja) 分散安定剤及びこの製造方法
JP2014214286A (ja) 作動液
JP3944689B2 (ja) 消泡剤組成物
JP2023505847A (ja) 疎水性化合物用の非再湿潤性o/w(水中油)乳化システム

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170912

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171114

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171201

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171219

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171226

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6298954

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250