JP2017142404A - トナー用ワックス組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】トナーに低温定着性を付与することができ、着色剤の分散性や耐揮発性に優れ、更に光沢が抑えられた画像を得ることができるトナー用ワックス組成物の提供。【解決手段】炭素数16〜24の直鎖飽和モノカルボン酸と炭素数16〜24の直鎖飽和モノアルコールとの脂肪酸エステルワックス(a)と、式(1)で示されるスルホン酸エステルワックス(b)とを含有し、脂肪酸エステルワックス(a)100質量部に対するスルホン酸エステルワックス(b)の含有量が0.001〜1質量部であるトナー用ワックス組成物。(式中、R1は炭素数1〜5のアルキル基または炭素数6〜15の芳香族基、R2は炭素数16〜24のアルキル基を表す。)【選択図】なし

Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、およびプリンタ等における電子写真法で形成される静電荷の現像に用いられるトナーに対して好適に使用されるトナー用ワックス組成物に関する。より詳細には、トナーに低温定着性を付与することができるとともに、トナーに含有される着色剤の分散性に優れ、更に光沢が抑えられた画像を得ることができるトナー用ワックス組成物に関する。
電子写真方式のプリンタ、ファクシミリ、およびこれらの機能を有する複写機などの電子写真装置に用いるトナーは、主成分となる熱可塑性樹脂(バインダー樹脂)の他に、着色剤(カーボンブラック、磁性粉、顔料など)、荷電制御剤、ワックスを含み、必要に応じて、流動性付加剤、クリーニング助剤、転写助剤を含む。
トナーは、定着工程において定着ロールによる加熱を受けて軟化し、且つ定着ロールによる圧力を受けることにより印刷媒体表面に定着して画像が形成される。トナーに含まれるトナー用ワックスは、定着時にトナーが定着ロールに残存すること(フィルミング)を防止する離型性を発現するとともに、熱可塑性樹脂の軟化を促進して定着性を向上させる機能を有する。
近年、プリンタ、ファクシミリ、および複写機などの電子写真装置に求められる性能は高度化しており、装置の改良に加え、これらの装置に使用されるトナーについても高機能化が要求される。例えば、環境問題に対する意識の高まりから、消費電力を低減するために、低温定着に適応したトナーが求められており、ワックスについても透明融点が60〜75℃のものが一般に使用されている。また、高画質化に対する要求が高まるとともに、印刷表面の光沢を抑えるなどの高度な画像特性を発現するトナーが求められている。さらに、環境問題に対する意識の高まりから、揮発性の要因となる超微粒子(UFP:Ultra Fine Particle )の外部環境への発散を抑制することが求められている。UFPの要因としては、トナー中の低分子成分、加熱ローラ等の弾性層として用いられるシリコーンゴム中の低分子シロキサンなどが挙げられる。
そのような状況の中で、上述のトナーの課題を解決するために、低温で離型性を発現し、かつ定着性を向上できるワックスや耐揮発性を向上できるワックスが求められている。
特許文献1には、低温定着性を発現する方法として、カルナウバワックスやライスワックスの天然ワックス等を離型剤として使用する方法が開示されている。これらのワックスを用いると、低温定着性は発現することができるが、離型性が不十分となり耐オフセット性が十分発現できない場合がある。更にこれらの天然ワックスは、茶褐色の性状をしており、カラー印刷時の色再現性の点で問題となることがある。また、天然ワックスは、遊離脂肪酸、遊離アルコール等の低分子量成分を含むことから、トナーの耐揮発性の点でも問題となることがある。
特許文献2には、特定の複素粘度を有するモノエステルワックスが記載されている。この複素粘度のモノエステルワックスは、定着性は良好であるものの、モノエステルワックスを合成する際に硫酸を触媒として用い、240℃の高温で反応を行っていることから、得られるエステルワックスが顕著な着色を起こし、カラー印刷時の色再現性や着色剤分散性の点などで問題となることがある。
特許文献3には、分子中に5個以上のエステル結合を有し、分子量が2000以上、35℃で測定したスチレン100gに対する溶解量が5g以上のエステルワックスを使用したトナーが、低温定着性や保存安定性、印刷画質の耐久性に優れることが開示されている。しかし、このワックスをモノクロトナーに使用した場合、モノクロ印刷において好まれる、光沢を抑えた画像が得られ難いことがある。また、近年の低温定着を志向した、低温で機能するバインダー樹脂と併用する場合には、バインダー樹脂との相性によっては、画質の悪化を招くことがある。
このように、低温定着性を有するトナー用ワックス組成物において、着色剤の分散性や耐揮発性に優れるとともに、更に光沢を抑えた画像が得られるトナー用ワックス組成物が求められていた。
特開平4−362953号公報 特開2013−015673号公報 特開2001−147550号公報
本発明は、トナーに低温定着性を付与することができるとともに、着色剤の分散性や耐揮発性に優れ、更に光沢が抑えられた画像を得ることができるトナー用ワックス組成物の提供を目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の脂肪酸エステルワックスとスルホン酸エステルワックスとが特定の質量比で構成された組成物をトナー用ワックスとして使用することによって、着色剤の分散性や耐揮発性を向上できるとともに、ワックス組成物の光沢を低く抑制できることから、紙等への印刷媒体にトナーが印字された場合、その画像の光沢を低く抑えることができることを見出した。
すなわち、本発明のトナー用ワックス組成物は、炭素数16〜24の直鎖飽和モノカルボン酸と炭素数16〜24の直鎖飽和モノアルコールとの脂肪酸エステルワックス(a)と、式(1)で示されるスルホン酸エステルワックス(b)とを含有し、脂肪酸エステルワックス(a)100質量部に対するスルホン酸エステルワックス(b)の含有量が0.001〜1質量部であるトナー用ワックス組成物である。
Figure 2017142404
(式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基または炭素数6〜15の芳香族基、Rは炭素数16〜24のアルキル基を表す。)
本発明のトナー用ワックス組成物をトナーと混合することによって、トナーに低温定着性を付与することができるとともに、トナーに含有される着色剤の分散性に優れ、また耐揮発性にも優れ、更に光沢が抑えられた画像を得ることができるトナーを提供することができる。
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明のトナー用ワックス組成物は、脂肪酸エステルワックス(a)と、スルホン酸エステルワックス(b)とを含有する。以下、各成分について説明する。
〔脂肪酸エステルワックス(a)〕
脂肪酸エステルワックス(a)は、炭素数が16〜24である直鎖飽和モノカルボン酸の中から選ばれる少なくとも1種の直鎖飽和モノカルボン酸と、炭素数が16〜24である直鎖飽和モノアルコールの中から選ばれる少なくとも1種の直鎖飽和モノアルコールとから得られる脂肪酸エステルワックスである。
脂肪酸エステルワックス(a)の原料カルボン酸は、炭素数が16〜24、好ましくは16〜22の直鎖飽和モノカルボン酸である。原料カルボン酸の炭素数が小さすぎる場合には、ワックスが低温下で融解して、トナーの高温保存時の安定性が著しく低下するおそれがある。また、炭素数が大きすぎる場合には、定着時にワックスが素早く染み出すことができず、特に高速印刷において離型性が低下するおそれがある。また、印刷画像において、巻き付きや低温オフセットが発生しやすくなる。
原料カルボン酸の具体例としては、例えば、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ヘネイコサン酸、ベヘニン酸、トリコサン酸、テトラコサン酸等が挙げられる。これらの中でもベヘニン酸が特に好ましい。
脂肪酸エステルワックス(a)の原料アルコールは、炭素数が16〜24、好ましくは16〜22の直鎖飽和モノアルコールである。原料アルコールの炭素数が小さすぎる場合には、ワックスが低温下で融解して、トナーの高温保存時の安定性が著しく低下するおそれがある。また、炭素数が大きすぎる場合には、定着時にワックスが素早く染み出すことができず、特に高速印刷において定着性や離型性が低下するおそれがある。また、印刷画像において、巻き付きや低温オフセットが発生しやすくなる。
原料アルコールの具体例としては、例えば、パルミチルアルコール、ヘプタデカノール、ステアリルアルコール、ノナデカノール、アラキアルコール、ヘネイコサノール、ベヘニルアルコール、トリコサノルコール、テトラコサノール等が挙げられる。これらの中でもベヘニルアルコールが特に好ましい。
上記直鎖飽和モノカルボン酸と上記直鎖飽和モノアルコールとから得られる脂肪酸エステルワックス(a)は、総炭素数が34〜46であることが好ましく、特に好ましくは総炭素数が36〜44である。
脂肪酸エステルワックス(a)としては、上記原料カルボン酸と原料アルコールとから得られる脂肪酸エステルワックスの中でも、ベヘニン酸とベヘニルアルコールとからなる脂肪酸エステルワックスが好ましい。
脂肪酸エステルワックス(a)は、酸価が3mgKOH/g以下であることが好ましく、1mgKOH/g以下であることが特に好ましい。酸価が3mgKOH/g以下の場合、本発明のワックス組成物を含有するトナーの帯電性、耐ブロッキング性あるいは保存安定性が更に良好となり好ましい。なお、脂肪酸エステルワックス(a)の酸価の下限値は、通常、0.01mgKOH/gである。
更に、脂肪酸エステルワックス(a)は、水酸基価が5mgKOH/g以下であることが好ましく、4mgKOH/g以下であることが特に好ましい。水酸基価が5mgKOH/g以下の場合、本発明のワックス組成物を含有するトナーの耐揮発性が更に良好となり好ましい。なお、脂肪酸エステルワックス(a)の水酸基価の下限値は、通常、0.1 mgKOH/gである。
なお、酸価はJOCS(日本油化学会)2.3.1-1996に準拠して測定することができ、水酸基価はJOCS(日本油化学会)2.3.6.2-1996に準拠して測定することができる。
脂肪酸エステルワックス(a)は、透明融点が55〜80℃であることが好ましく、60〜76℃であることが特に好ましい。
なお、透明融点はJOCS(日本油化学会)2.2.4.1 に準拠して測定することができる。
〔スルホン酸エステルワックス(b)〕
スルホン酸エステルワックス(b)は、式(1)で示される化合物である。
Figure 2017142404
は炭素数1〜5のアルキル基または炭素数6〜15の芳香族基である。
炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基などが挙げられる。これらの中で、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、炭素数1のメチル基が特に好ましい。
炭素数6〜15の芳香族基としては、ベンゼン系芳香族基、複素芳香族基、非ベンゼン系芳香族基、縮合環芳香族基が挙げられ、これらはアルキル基を有していてもよい。これらの中で、炭素数7〜10の芳香族基のものが好ましく、炭素数7〜8の芳香族基のものが特に好ましい。炭素数6の芳香族基であるフェニル基にアルキル側鎖を有する芳香族基が更に好ましく、例えば、炭素数1のメチル基を側鎖に有するフェニル基であるメチルフェニル基が更に好ましい。メチルフェニル基におけるメチル基の位置はo位、m位またはp位のいずれでも良いが、p-メチルフェニル基が最も好ましい。
は炭素数16〜24のアルキル基であり、炭素数18〜22のアルキル基が好ましく、ステアリル基、エイコシル基やベヘニル基などの直鎖アルキル基が特に好ましい。
スルホン酸エステルワックス(b)の代表例としては、例えば、p−トルエンスルホン酸ヘキサデシル、p−トルエンスルホン酸ステアリル、p−トルエンスルホン酸アラキジル、p−トルエンスルホン酸ベヘニル、p−オクチルベンゼンスルホン酸ヘキサデシル、p−オクチルベンゼンスルホン酸ステアリル、p−オクチルベンゼンスルホン酸アラキジル、p−オクチルベンゼンスルホン酸ベヘニル、メタンスルホン酸ヘキサデシル、メタンスルホン酸ステアリル、メタンスルホン酸アラキジル、メタンスルホン酸ベヘニル等が挙げられる。好ましくは、p−トルエンスルホン酸ステアリル、p−トルエンスルホン酸ベヘニル、メタンスルホン酸ステアリル、メタンスルホン酸ベヘニルが挙げられる。
スルホン酸エステルワックス(b)は、酸価が10mgKOH/g以下であることが好ましく、7mgKOH/g以下であることが特に好ましい。酸価が10mgKOH/g以下の場合、本発明のワックス組成物を含有するトナーの帯電性、耐ブロッキング性あるいは保存安定性が更に良好となり好ましい。なお、スルホン酸エステルワックス(b)の酸価の下限値は、通常、0.01mgKOH/gである。
更に、スルホン酸エステルワックス(b)は、水酸基価が10mgKOH/g以下であることが好ましく、7mgKOH/g以下であることが特に好ましい。水酸基価が10mgKOH/g以下の場合、本発明のワックス組成物を含有するトナーの耐揮発性が更に良好となり好ましい。なお、スルホン酸エステルワックス(b)の水酸基価の下限値は、通常、0.1mgKOH/gである。
なお、酸価はJOCS(日本油化学会)2.3.1-1996に準拠して測定することができ、水酸基価はJOCS(日本油化学会)2.3.6.2-1996に準拠して測定することができる。
スルホン酸エステルワックス(b)は、透明融点が50〜75℃であることが好ましく、55〜70℃であることが特に好ましい。
なお、透明融点はJOCS(日本油化学会)2.2.4.1 に準拠して測定することができる。
〔トナー用ワックス組成物〕
本発明のトナー用ワックス組成物は、脂肪酸エステルワックス(a)100質量部に対するスルホン酸エステルワックス(b)の含有量が0.001〜1質量部であり、好ましくは0.001〜0.5質量部である。スルホン酸エステルワックス(b)の含有量が少なすぎると、着色剤の分散性や画像の光沢性が低下するおそれがある。一方、スルホン酸エステルワックス(b)の含有量が多すぎると、得られるワックス組成物の色相が悪化し、印刷画質に悪影響を及ぼす。また、スルホン酸エステルワックス(b)が脂肪酸エステルワックス(a)に対して低分子量であることから、ワックス組成物の耐揮発性が低下するおそれがある。
また、より好ましい形態として、脂肪酸エステルワックス(a)を構成する炭素数16〜24の直鎖飽和モノアルコールのアルキル基と、スルホン酸エステルワックス(b)を構成する式(1)中のR2が同一であるトナー用ワックス組成物が挙げられる。
なお、脂肪酸エステルワックス(a)およびスルホン酸エステルワックス(b)は、それぞれ1種または2種以上を配合することができる。
このように、上記の脂肪酸エステルワックス(a)とスルホン酸エステルワックス(b)とを一定の比率で混合することによって得られたエステルワックスは、光沢を低く抑えることが可能となる。この機構については、以下のように考えられる。
定着時に熱ロールで加熱されたワックスは、バインダー樹脂中で融解して液体状態になり、トナー表面に素早く染み出して、熱ロールからの良好な離型性を付与する。トナー表面に染み出したワックスが固化する際には、脂肪酸エステルワックス(a)とスルホン酸エステルワックス(b)を組み合わせることで、脂肪酸エステルワックス(a)の結晶性や結晶化挙動に影響を与えることにより、画像の光沢が低減されると推測される。
また、スルホン酸エステルワックス(b)は、極性の高い芳香族基やスルホン酸基を有することから、着色剤との親和性が高く、バインダー樹脂中での着色剤の分散性に寄与することができる。
本発明のトナー用ワックス組成物は、公知の方法により製造することができる。例えば、脂肪酸エステルワックス(a)とスルホン酸モノエステルワックス(b)をそれぞれ合成した後に配合してトナー用ワックスとして製造しても良い。また、規定の比率になるように脂肪酸、スルホン酸化合物、脂肪族アルコールの量を調整して一括合成で製造しても良い。
脂肪酸エステルワックス(a)とスルホン酸エステルワックス(b)をそれぞれ合成した後に配合してトナー用ワックス組成物を製造する方法については、脂肪酸エステルワックス(a)とスルホン酸エステルワックス(b)を融点以上に加熱した上で、均一に混合した後に、冷却、微粒子化等を行うことが、品質のばらつきの観点から好ましい。
このようにして得られた本発明のトナー用ワックス組成物によれば、トナーに低温定着性を付与することができるとともに、着色剤が良好に分散することによる高画質化を達成することができ、更には光沢が抑えられた画像を得ることができる。
本発明のトナー用ワックス組成物は、バインダー樹脂、着色剤、荷電制御剤などとともに配合され、通常の製法によってトナーが製造される。トナー中における本発明のトナー用ワックス組成物の配合量は、バインダー樹脂100質量部に対して、通常、1〜10質量部である。トナー中には、本発明のトナー用ワックス組成物が単独、あるいは2種類以上混合して配合される。
以下に本発明のトナー用ワックス組成物の製造例、およびその評価方法を示すことで、本発明を更に具体的に説明する。
〔I.脂肪酸エステルワックス(A−1)〜(A−3)〕
脂肪酸エステルワックス(A−1)〜(A−3)は、直鎖飽和モノカルボン酸と直鎖飽和モノアルコールとがエステル化された脂肪酸エステルワックスであり、原料として用いた直鎖飽和モノカルボン酸組成、直鎖飽和モノアルコール組成、得られたエステルワックスの酸価、水酸基価、透明融点および色相を表1に示した。
〔I−1.脂肪酸エステルワックス(A−1)の製造〕
温度計、窒素導入管、攪拌羽および冷却管を取り付けた四つ口フラスコに表1中のエステル番号A−1に示すアルコール(ベヘニルアルコール)500gおよびカルボン酸(ベヘニン酸)545g(アルコール1モルに対して1.05モルの脂肪酸)を加え、窒素気流下、240℃で14時間反応させた。得られた脂肪酸エステル化粗生成物は980gであった。この脂肪酸エステル化粗生成物に対して、トルエン204g、エタノール40g(脂肪酸エステル化粗生成物100質量部に対し、炭化水素溶媒は20質量部、分離用アルコール溶媒は4質量部)を入れ、脂肪酸エステル化粗生成物の酸価の1.5倍当量に相当する量の水酸化カリウムを含む水酸化カリウム水溶液を加え、70℃で30分間攪拌した。30分間静置して水層部を分離・除去した。排水のpHが中性になるまで水洗を4回繰り返した。残ったエステル層を180℃、1kPaの減圧条件下で溶媒を留去し、ろ過を行い、脂肪酸エステルワックス(A−1)を950g得た。得られた脂肪酸エステルワックスの酸価、水酸基価、透明融点および色相を表1に示す。
〔I−2.脂肪酸エステルワックス(A−2)、(A−3)の製造〕
カルボン酸およびアルコールを表1に記載の成分に代えた以外は、上記脂肪酸エステルワックス(A−1)の製造例と同様の方法で脂肪酸エステルワックス(A−2)、(A−3)を得た。得られた脂肪酸エステルワックス(A−2)、(A−3)の原料組成、酸価、水酸基価、透明融点および色相を表1に示す。
〔II.スルホン酸エステルワックス(B−1)〜(B−3)〕
スルホン酸エステルワックス(B−1)〜(B−3)は、スルホン酸化合物と直鎖飽和モノアルコールがエステル化されたスルホン酸エステルワックスであり、原料として用いたスルホン酸組成、直鎖飽和モノアルコール組成、得られた式(1)のスルホン酸エステルワックスの酸価、水酸基価、透明融点および色相を表2に示した。
Figure 2017142404
は炭素数1〜5のアルキル基または炭素数6〜15の芳香族基、Rは炭素数16〜24のアルキル基を表す。
〔II−1.スルホン酸エステルワックス(B−1)の製造〕
温度計、窒素導入管、攪拌羽および冷却管を取り付けた四つ口フラスコに表1中のエステル番号B−1に示すR(ベヘニル基)を有するアルコール(ベヘニルアルコール)700gおよびR(p−メチルフェニル基)を有するスルホン酸(p−トルエンスルホン酸)388g(アルコール1モルに対して1.05モルのスルホン酸)を加え、窒素気流下、180℃で5時間反応させた。得られたスルホン酸エステル化粗生成物は1020gであった。このスルホン酸エステル化粗生成物に対して、トルエン130g、エタノール32g(脂肪酸エステル化粗生成物100質量部に対し、炭化水素溶媒は20質量部、分離用アルコール溶媒は4質量部)を入れ、スルホン酸エステル化粗生成物の酸価の1.03倍当量に相当する量の水酸化カリウムを含む水酸化カリウム水溶液を加え、70℃で30分間攪拌した。30分間静置して水層部を分離・除去した。排水のpHが中性になるまで水洗を4回繰り返した。残ったエステル層を180℃、1kPaの減圧条件下で溶媒を留去し、ろ過を行い、スルホン酸エステルワックス(B−1)を980g得た。得られたスルホン酸エステルワックスの酸価、水酸基価、透明融点および色相を表2に示す。
〔II−2.スルホン酸エステルワックス(B−2)、(B−3)の製造〕
アルコールを表2に記載のRを有するアルコールに代え、さらに(B−3)についてはトルエンをn−オクチルベンゼンに代えた以外は、上記スルホン酸エステルワックス(B−1)と同様の方法でスルホン酸エステルワックス(B−2)、(B−3)を得た。得られたスルホン酸エステルワックス(B−2)、(B−3)の原料組成、酸価、水酸基価、透明融点および色相を表2に示す。
〔III .トナー用ワックス組成物〕
表3に示す組成にてトナー用ワックス組成物(C−1)〜(C−12)を調製し、得られたトナー用ワックス組成物の色相、光沢性、耐揮発性および着色剤分散性を表3に示した。
〔III −1.トナー用ワックス組成物(C−1)の調製〕
温度計、窒素導入管、攪拌羽および冷却管を取り付けた4つ口フラスコに脂肪酸エステルワックス(A−1)を1000g、スルホン酸エステルワックス(B−1)を0.03g(脂肪酸エステルワックス(A−1)100質量部に対して0.003質量部)採取し、窒素下、100℃で加熱溶融して、内容物が均一になるように30分間加熱攪拌した。この混合物10gをアズワン株式会社製の持手付きアルミケース(NO.3)に流し込み、室温で放冷してワックスを固化させて、ワックス組成物(C−1)を得た。アルミケースからサンプルを取り出し、アルミケースと接触して平滑になっている部分の光沢性を、光沢計を用いて測定した。その結果を表3に示した。
〔III −2.トナー用ワックス組成物(C−2)〜(C−12)の調製〕
上記トナー用ワックス組成物(C−1)と同様の方法で、表3に示す組成にてトナー用ワックス組成物(C−2)〜(C−12)を調製し、得られたトナー用ワックス組成物の色相、光沢性、耐揮発性および着色剤分散性を表3に示した。
〔脂肪酸エステルワックス、スルホン酸エステルワックスの評価方法〕
(1)脂肪酸エステルワックス、スルホン酸エステルワックスの酸価;JOCS(日本油化学会)2.3.1−96に準拠した。
(2)脂肪酸エステルワックス、スルホン酸エステルワックスの水酸基価;JOCS(日本油化学会)2.3.6.29−96に準拠した。
(3)脂肪酸エステルワックス、スルホン酸エステルワックスの透明融点;JOCS(日本油化学会)2.2.4.1に準拠した。
(4)脂肪酸エステルワックス、スルホン酸エステルワックスの色相;JOCS(日本油化学会)2.2.1.3に準拠した。
(5)ワックス組成物の色相;JOCS(日本油化学会)2.3.2.1に準拠した。
(6)ワックス組成物の光沢性
日本電色工業株式会社製VC−21−D3型デジタル携帯用光沢計により角度60°で光沢性を測定した。
(7)ワックス組成物の耐揮発性
熱重量分析計(TG/DTA)として、セイコーインスツルメンツ社製の「EXSTAR6000」を使用した。測定は、約10mgのワックス組成物(C−1)〜(C−12)をアルミ製の試料ホルダーに入れ、リファレンス材料として空の試料ホルダーを用いて行い、窒素雰囲気下(200ml/min)、10℃/minで30℃から200℃まで昇温し、200℃、5時間測定後の重量減少率(%)を読み取った。
〔トナー用ワックス組成物を用いた着色剤分散性評価〕
トナー用ワックス組成物の5gおよびトナー用ポリエステル樹脂80g、着色剤(ピグメントレッド;クラリアント社製パーマネントルビンL6B05)、サリチル酸アルミニウム1gを取り、ヘンシェルミキサーにて十分攪拌混合した後、ラボプラストミル(東洋精機社)で130〜140℃の温度で加熱混練した。混練物について分散状態を下記基準にて評価した。混練物をスライドガラス状にとり、光学顕微鏡(倍率X200)にて観察した。その結果を表3に示した。
○:顔料粒子が凝集することなく均一に分散している。
△:僅かな凝集が認められる。
×:凝集して空隙がみられる。
Figure 2017142404
Figure 2017142404
Figure 2017142404
実施例1〜7のトナー用ワックス組成物(C−1)〜(C−7)は、表3に示すように、いずれもワックスの色相が低く、光沢性が低く抑えられているので、これらの組成物をトナー用ワックスとして使用すると、トナー定着後に形成される画像表面に存在するワックスの光沢が抑えられ、画像の光沢を低く抑えることができる。また、耐揮発性を向上させることができる。
さらに、これら組成物は、表3に示すように極性が高い芳香族基およびスルホン酸基を有し、着色剤との親和性が高いことから、着色剤の分散性が高いことがわかる。これら組成物をトナー用ワックスとして使用すると、バインダー樹脂中で着色剤が高分散され、高画質化に寄与することができる。
一方、比較例1はスルホン酸エステルワックスが含有されず、比較例2はスルホン酸エステルワックスの含有量が著しく低いことから、着色剤分散性が低い。また、比較例3、4、5では、スルホン酸エステルワックス含有量が多いことから、色相が高く、耐揮発性が低下する結果が得られた。

Claims (1)

  1. 炭素数16〜24の直鎖飽和モノカルボン酸と炭素数16〜24の直鎖飽和モノアルコールとの脂肪酸エステルワックス(a)と、式(1)で示されるスルホン酸エステルワックス(b)とを含有し、脂肪酸エステルワックス(a)100質量部に対するスルホン酸エステルワックス(b)の含有量が0.001〜1質量部であるトナー用ワックス組成物。
    Figure 2017142404
    (式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基または炭素数6〜15の芳香族基、Rは炭素数16〜24のアルキル基を表す。)
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