JP2002131972A - 非磁性一成分現像用トナー - Google Patents

非磁性一成分現像用トナー

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JP2002131972A
JP2002131972A JP2000319335A JP2000319335A JP2002131972A JP 2002131972 A JP2002131972 A JP 2002131972A JP 2000319335 A JP2000319335 A JP 2000319335A JP 2000319335 A JP2000319335 A JP 2000319335A JP 2002131972 A JP2002131972 A JP 2002131972A
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toner
group
integer
wax
carbon atoms
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Yoshihiro Sato
義浩 佐藤
Katsuyuki Ogura
克之 小倉
Masanobu Nakamura
正延 中村
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Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現像スリーブとそれに圧接された帯電部材と
の間を通過する際に、瞬時に目的の帯電量に到達し、長
期間帯電レベルを維持し、また、幅広い温度領域で良好
な定着・オフセット特性を示す非磁性一成分現像用トナ
ーを提供する。さらに、色再現性、透明性に優れた高画
質画像が得られるカラー用の非磁性一成分現像用トナー
を提供する。 【解決手段】 バインダー樹脂が、 (A)2価以上の多塩基酸及び/又は酸無水物及び/又
はこれらの低級アルキルエステルから選ばれる多塩基酸
化合物 (B)2価以上の脂肪族多価アルコールを主構成成分と
するポリエステル樹脂であり、離型剤が高級脂肪酸エス
テル化合物及び/または脂肪族アルコール化合物を主成
分とするワックスであり、帯電制御剤が下記一般式1で
表されるジルコニウムの錯体または塩である非磁性一成
分現像用トナーを用いる。 <一般式1> 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、あるいは静電印刷法に用いる非磁性一成分現像
用トナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】非磁性一成分現像方式によるプリンタ
は、二成分現像方式で発生するトラブル、つまり、トナ
ー中の成分によるキャリア表面の汚染、トナーとキャリ
アとの混合比の変動に起因した摩擦帯電性の変化に伴う
画質の劣化等を回避でき、また、現像装置がコンパクト
であることから、装置全体の小型化、低コスト化が達成
できるというメリットがある。
【0003】非磁性一成分現像方式においては、種々の
方法が考案されているが、その多くは、現像スリーブ上
に静電気力でトナーを付着させ、現像スリーブを回転さ
せることで感光体上に形成された静電潜像へトナーを搬
送させ、現像せしめる方法が用いられている。このよう
な非磁性一成分現像方式では、現像スリーブ上へのトナ
ーの保持は、トナーが帯電することによって生じる現像
スリーブとトナー間の静電気力のみに依存している。一
方、非磁性一成分現像方式においてトナーを帯電させる
機構としては、一般的には現像スリーブとそれに圧接さ
れた帯電部材との間にトナーを通過せしめ、トナーを摩
擦帯電させる方法がとられている。したがって、トナー
が確実に現像スリーブ上に保持され、感光体表面へ搬送
されるためには、トナーが現像スリーブと帯電部材の圧
接部を通過する際に、瞬時に適正レベルの帯電量に達す
る事が必要とされる。そのためには個々のトナー粒子
は、ある程度強い圧力で現像スリーブに帯電部材が押し
つけられることが必要となる。
【0004】しかしながらこのような帯電方法によって
長期間にわたり安定な帯電を得るのは必ずしも容易では
なく、特に高速の現像装置においては、瞬時に高い帯電
を得て、しかもその絶対値を長時間の連続印刷中に安定
させることは困難であった。
【0005】一方、トナー画像を定着する方式として
は、ヒートロール定着方式が広く一般的に用いられてい
るが、その際における良好な定着性及び耐オフセット性
もトナーに求められる重要な特性である。最近の複写
機、あるいはプリンタにおいては、処理速度の高速化が
行われて、定着温度はより低温に、定着時間もより短時
間となってきている。さらに、マシン構造の簡略化およ
びメンテナンスの容易さを実現するため、定着用のヒー
トロールにオフセット防止用のオイルを塗布しないオイ
ルレス定着方式が開発され、これに適したトナーの要求
が強まっている。
【0006】これらの要求特性を満たすため非磁性一成
分現像方法に用いられるトナーにおいては種々の検討が
なされている。特に帯電制御剤、及び離型剤の選択は重
要である。帯電制御剤においては、現在まで、亜鉛、ア
ルミ、クロム等のサリチル酸金属錯体、第4級アンモニ
ウム塩、トリメチルエタン系染料、金属錯塩アゾ系染料
等、様々な骨格の帯電制御剤が検討されてきた。また、
離型剤においては、低分子量のポリプロピレンやポリエ
チレンワックスが主に検討されてきた。例えば、再公表
特許WO99/28729にはサリチル酸系の新規なジ
ルコニウムの錯体または塩を帯電制御剤として用いたト
ナーが提案されている。また、同公報の実施例において
は前記帯電制御剤と低分子量ポリプロピレンワックス、
およびカーボンブラックを用いた二成分現像方式の黒ト
ナーが報告されている。
【0007】しかしながら、低温領域から高温領域まで
の広い温度範囲での定着性能、耐オフセット性能を十分
に満足し、現像スリーブとそれに圧接された帯電部材と
の間を通過する際に、瞬時に目的の帯電量に到達し、長
期間帯電レベルを維持しうる非磁性一成分現像方式のト
ナーは見いだされていない。特に、最近においては非磁
性一成分現像方式の特徴を生かした高速カラー印刷用途
のプリンタの開発が行われており、このようなマシンに
適した高速カラー印刷用の非磁性一成分現像用トナーは
見いだされていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、現像スリー
ブとそれに圧接された帯電部材との間を通過する際に、
瞬時に目的の帯電量に到達し、長期間帯電レベルを維持
しうる非磁性一成分現像用トナーを提供することを目的
とする。
【0009】また、本発明は幅広い温度領域で良好な定
着・オフセット特性を示す、ヒートロール定着方式に適
した非磁性一成分現像用トナーを提供することを目的と
する。
【0010】また、本発明の他の目的は、色再現性、透
明性に優れた高画質画像が得られるカラー用の非磁性一
成分現像用トナーを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達し
た。
【0012】即ち、本発明は上記課題を解決するため
に、バインダー樹脂、着色剤、離型剤及び帯電制御剤を
含有してなるトナーであって、前記バインダー樹脂が、 (A)2価以上の多塩基酸及び/又は酸無水物及び/又
はこれらの低級アルキルエステルから選ばれる多塩基酸
化合物 (B)2価以上の脂肪族多価アルコールを主構成成分と
するポリエステル樹脂であり、前記離型剤が高級脂肪酸
エステル化合物及び/または脂肪族アルコール化合物を
主成分とするワックスであり、前記帯電制御剤が下記一
般式1で表されるジルコニウムの錯体または塩である非
磁性一成分現像用トナーを提供するものである。 <一般式1>
【化7】 (式中、R1は4級炭素、メチン、メチレンであり、
N、S、O、Pのヘテロ原子を含んでいてもよく、Yは
飽和結合又は不飽和結合で結ばれた環状構造を表し、R
2、R3は相互に独立してアルキル基、アルケニル基、ア
ルコキシ基、置換基を有しても良いアリール基又はアリ
ールオキシ基又はアラルキル基又はアラルキルオキシ
基、ハロゲン基、水素、水酸基、置換基を有しても良い
アミノ基、カルボキシル基、カルボニル基、ニトロ基、
ニトロソ基、スルホニル基、シアノ基を表し、R4は水
素又はアルキル基を表し、tは0ないし1から12の整
数、mは1から20の整数、nは0ないし1から20の
整数、kは0ないし1から4の整数、pは0ないし1か
ら4の整数、qは0ないし1から3の整数、rは1から
20の整数、sは0又は1ないし20の整数である。)
【0013】本発明で用いられる、2価以上の多塩基酸
及び/又は酸無水物及び/又はこれらの低級アルキルエ
ステルから選ばれる多塩基酸化合物(A)としては、例
えば無水フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オル
ソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、マ
レイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シ
トラコン酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ
無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク
酸、マロン酸、グルタル酸、アゼライン酸、セバシン酸
等のジカルボン酸又はその誘導体又はそのエステル化物
が、また、例えばトリメリット酸、無水トリメリット
酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸等の三官能以
上の多価カルボン酸又はその誘導体又はそのエステル化
物が挙げられる。
【0014】また、2価以上の脂肪族多価アルコール
(B)としては、例えば1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプ
ロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ブタ
ンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エ
チレンオキサイド−プロピレンオキサイドランダム共重
合体ジオール、エチレンオキサイド−プロピレンオキサ
イドブロック共重合体ジオール、エチレンオキサイド−
テトラハイドロフラン共重合体ジオール、ポリカプロカ
クトンジオール等のジオールが、また、ソルビトール、
1,2,3,6−ヘキサンテトラオール、1,4−ソル
ビタン、ペンタエリスリトール、1,2,4−ブタント
リオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリ
ン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,
2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、ト
リメチロールプロパン、1,3,5−トリメチロールベ
ンゼン、等の三官能以上の多価アルコールが挙げられ
る。
【0015】また、上記(A)のカルボン酸化合物と反
応する脂肪族系のアルコール成分(B)として、ネオペ
ンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセリント
リグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグ
リシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジ
ルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエ
ーテル、等のエポキシ化合物も用いることができる。
【0016】本発明においては上記脂肪族多価アルコー
ルと共に、例えば以下に例示した芳香族ジオールを併用
して用いることができる。本発明で用いることのできる
芳香族ジオールとは、ポリオキシエチレン−(2.0)
−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン及
びその誘導体、ポリオキシプロピレン−(2.0)−
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポ
リオキシプロピレン−(2.2)−ポリオキシエチレン
−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(6)−2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキ
シプロピレン−(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−
(2.4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、ポリオキシプロピレン−(3.3)−2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン及びその誘
導体、等である。
【0017】さらに、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノール
S型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹
脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、等の芳香族
系のエポキシ化合物も必要に応じ用いることができる。
【0018】また、ポリエステル主鎖が軟質化すること
により低温での定着性が改善される。さらに、定着・オ
フセット性能を改善する目的で、トナー中にワックスを
添加することは一般的に用いられる手段であるが、本発
明における脂肪族系多価アルコールを用いたポリエステ
ル樹脂では特にワックス類との相溶性が良好であり、低
温での定着性能及び耐オフセット性がさらに改良され
る。
【0019】したがって、上記芳香族ジオールは本発明
の主旨を損なわない範囲で用いる必要がある。上記芳香
族ジオールを用いる量は全アルコール成分に対して30
モル%以下であることが望ましい。より好ましくは20
モル%以下である。
【0020】また、本発明で用いるカルボン酸成分とし
ては、ナフタレンジカルボン酸、及び/またはその低級
アルキルエステルとして、ジメチルナフタレート、ジエ
チルナフタレート、ジブチルナフタレート等がより好適
に用いられる。これらの化合物は全酸成分の1モル%以
上を用いることが必要であり、より好ましくは5モル%
以上である。
【0021】ナフタレン環構造を含むモノマーは樹脂の
Tgを上げるのに効果があり、樹脂の耐熱凝集性が向上
する。特にアルコール成分として軟質の脂肪族系ジオー
ルを主体に用いた系においては、樹脂のTgの低下を抑
えることができ、脂肪族系ジオールを用いることによる
低温定着性とナフタレンジカルボン酸による耐熱凝集性
の両方を併せ持つ樹脂を得ることができる。
【0022】本発明におけるポリエステル樹脂は、例え
ば触媒の存在下で上記の原料成分(A)(B)を用いて
脱水縮合反応或いはエステル交換反応を行うことにより
得ることができる。この際の反応温度及び反応時間は、
特に限定されるものではないが、通常150〜300℃
で2〜24時間である。
【0023】上記反応を行う際の触媒としては、例えば
テトラブチルチタネート、酸化亜鉛、酸化第一錫、ジブ
チル錫オキサイド、ジブチル錫ジラウレート、パラトル
エンスルホン酸等を適宜使用する事が出来る。
【0024】また、ポリエステル樹脂としては、非磁性
一成分現像用トナーとして適正な溶融粘度を有していれ
ば良く、例えば単色印刷用の黒トナー用の樹脂として
は、その粘度が1×105ポイズとなる温度が100℃
以上のものが定着性が良好で好ましいが、中でも、その
粘度が1×105ポイズとなる温度が110〜170℃
のものが低温における定着性も良好なのでより好まし
く、その粘度が1×105ポイズとなる温度が120〜
160℃のものが、特に好ましい。また、カラートナー
用の樹脂としては、その粘度が1×105ポイズとなる
温度が95℃以上のものが定着性が良好で好ましいが、
なかでも、その粘度が1×105ポイズとなる温度が9
5〜160℃のものが低温における定着性も良好なので
より好ましく、その粘度が1×105ポイズとなる温度
が95〜150℃のものが、特に好ましい。
【0025】本発明に用いられるポリエステル樹脂のガ
ラス転移温度(Tg)は50℃以上のものが好ましい
が、中でも、そのTgが55℃以上のものが特に好まし
い。Tgが50℃以下ではトナーが保存、運搬、あるい
はマシンの現像装置内部で高温下に晒された場合にブロ
ッキング現象(熱凝集)を生じやすい。
【0026】また、本発明に使用されるポリエステル樹
脂の軟化点としては、90℃以上、中でも、90℃〜1
80℃の範囲のものが好ましい、より好ましくは、95
℃〜160℃の範囲である。軟化点が90℃未満の場合
は、トナーが凝集現象を生じやすく、保存時や印字の際
にトラブルになりやすく、180℃を越える場合には定
着性が悪くなることが多い。
【0027】さらに、フルカラートナーとして、特に、
色重ね時の色再現性やOHPシート上に定着させた際の
透明性を要求される場合には、ポリエステル樹脂の軟化
点としては、90℃〜130℃の範囲のものが好まし
い、より好ましくは、95℃〜120℃の範囲である。
本発明のポリエステル樹脂の酸価としては、20mgK
OH/g以下であることが、トナーの耐湿性が良好とな
る点で好ましい。
【0028】本発明で使用することのできる着色剤とし
ては、周知のものがあげられる。黒の着色剤としては製
法により分類されるファーネスブラック、チャンネルブ
ラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ラン
プブラック、等のカーボンブラックがある。
【0029】また、有彩色の着色剤の例として、青系の
着色剤としてはフタロシアニン系のC.I.Pigme
nt Blue 15−3、インダンスロン系のC.I.
Pigment Blue 60等が、赤系の着色剤とし
てはキナクリドン系のC.I.Pigment Red
122、アゾ系のC.I.Pigment Red 2
2、C.I.Pigment Red 48:1、C.
I.Pigment Red 48:3、C.I.Pig
ment Red 57:1等が、黄系の着色剤としては
アゾ系のC.I.Pigment Yellow 12、
C.I.Pigment Yellow 13、C.I.
Pigment Yellow 14、C.I.Pigm
ent Yellow 17、C.I.Pigment
Yellow 97、C.I.Pigment Yell
ow 155、イソインドリノン系のC.I.Pigm
ent Yellow 110、ベンズイミダゾロン系の
C.I.Pigment Yellow 151、C.
I.Pigment Yellow 154、C.I.P
igment Yellow 180、等がある。
【0030】着色剤の含有量は、バインダー樹脂100
重量部に対して1重量部から20重量部の範囲内が好ま
しい。これらの着色剤は1種又は2種以上の組み合わせ
で使用することができる。
【0031】本発明で用いる離型剤は高級脂肪酸エステ
ル化合物及び/または脂肪族アルコール化合物を主成分
とするワックスである。このような離型剤は本発明のポ
リエステル樹脂中における分散性が良く、また、離型
性、摺動性が良好であり好ましい。これらのワックスを
トナー中に添加する場合、同量のポリプロピレンワック
ス、ポリエチレンワックス等ポリオレフィン系ワックス
と比較して、より良好な耐ホットオフセット性、定着強
度が得られる。
【0032】また、更に、本発明者等の検討により、高
級脂肪酸エステル化合物及び/または脂肪族アルコール
化合物を主成分とするワックスはヒートロール定着時に
おけるオフセット現象を防止する離型剤としての働きの
他に、多数枚、長時間の印刷においても、例えば非磁性
一成分現像用トナーとして用いた場合、現像スリーブに
押しつけられた帯電部材に付着することなく、トナーに
安定した帯電を与え、画像欠陥や地汚れ等が無く、高品
位かつ高精細な画像の印刷を可能となることが判明し
た。さらに、有彩色の着色剤と共に用いてカラートナー
とした場合、ポリプロピレンワックスのような炭化水素
系のワックスと比較して透明性に優れたカラートナーが
得られることも判った。このような特性を有するカラー
トナーは、透明性があり、鮮やかな投影画像が求められ
るOHPシートへの印刷、および2色以上を重ねて印刷
して良好な色再現性の中間色を印刷する用途に適してい
る。
【0033】高級脂肪酸エステル化合物及び/または脂
肪族アルコール化合物を主成分とするワックスとしては
カルナバワックス、モンタン系エステルワックス、ライ
スワックス、カイガラムシワックス、ラノリンワックス
または下記一般式2乃至6で表される化合物がある。 <一般式2>
【化8】 (R1及びR2は炭素数1〜40の炭化水素基であり、
少なくともどちらか一方は炭素数が12以上の鎖状の炭
化水素基を示す。)
【0034】<一般式3>
【化9】 (R1、R2及びR3は炭素数1〜40の炭化水素基で
あり、少なくともいずれか一つが炭素数12以上の鎖状
の炭化水素基を示す。)
【0035】<一般式4>
【化10】 (R1、R2及びR3は炭素数1〜40の炭化水素基で
あり、少なくともいずれか一つが炭素数12以上の鎖状
の炭化水素基を示す。)
【0036】<一般式5>
【化11】 (R1は炭素数12〜40の炭化水素基。R2は炭素数
1〜40の炭化水素基。また、a+b=4であり、aは
1〜4の整数を表し、bは0〜3の整数を表す。)
【0037】<一般式6>
【化12】 (R1、R2及びR3は炭素数1〜40の炭化水素基で
あり、少なくともいずれか一つが炭素数12以上の鎖状
の炭化水素基。また、a及びcは0〜2の整数であり、
a+c=2である。bは1から4の整数であり、dは1
または2である。さらに、e=d−1である。)
【0038】上記一般式で表されるワックスの具体的な
例としては以下の化合物がある。
【0039】<ワックス1>;一般式2の具体的な例
【化13】
【0040】<ワックス2>;一般式3の具体的な例
【化14】
【0041】<ワックス3>;一般式4の具体的な例
【化15】
【0042】<ワックス4>;一般式5の具体的な例
【化16】
【0043】<ワックス5>;一般式6の具体的な例
【化17】
【0044】<ワックス6>;一般式6の具体的な例
【化18】
【0045】また、カルナバワックスとしては精製によ
り遊離脂肪酸を除去した脱遊離脂肪酸型カルナバワック
スを用いることが好ましい。脱遊離脂肪酸型カルナバワ
ックスの酸価としては8以下が好ましく、より好ましく
は酸価5以下である。脱遊離脂肪酸型カルナバワックス
は従来のカルナバワックスより微結晶となりポリエステ
ル樹脂中での分散性が向上する。モンタン系エステルワ
ックスは鉱物より精製されたものであり、精製によりカ
ルナバワックスと同様に微結晶となりポリエステル樹脂
中での分散性が向上する。
【0046】モンタン系エステルワックスでは酸価とし
て特に30以下であることが好ましい。また、ライスワ
ックスは米ぬかロウを精製したものであり、酸価は13
以下であることが好ましい。
【0047】カイガラムシワックスはカイガラムシ(別
名イボタロウムシ)の幼虫が分泌する蝋状成分を、例え
ば、熱湯に溶かし、上層を分離後冷却固化して、あるい
はそれを繰り返すことにより得ることができる。このよ
うな手段により精製されたカイガラムシワックスは固体
状態において白色であり、極めてシャープな融点を示し
本発明におけるトナー用ワックスとして適している。精
製により酸価は10以下となり、トナー用として好まし
いのは5以下である。
【0048】ラノリンワックスは羊の毛に付着するロウ
様物質を精製し脱水したもので、酸価としては8以下の
ものを使用するのが好ましく、より好ましくは酸価5以
下である。
【0049】脂肪族アルコール化合物を主成分とする離
型剤は、パラフィン、オレフィン等の酸化反応により得
られる高級アルコールを主成分とするものが挙げられ
る。脂肪族アルコールを主成分とする離型剤は、例え
ば、「ユニリン 425」、「ユニリン 550」(以
上 ペトロライト(株))、「NPS−9210」、
「パラコール5070」(以上 日本精蝋(株))等が
挙げられる。
【0050】以上の具体例の中でも、特に酸価8以下の
カルナバワックス、カイガラムシワックス及びペンタエ
リスリトールのテトラベヘニン酸エステルである<ワッ
クス4>が本発明において使用できる最も好ましいワッ
クスである。
【0051】本発明におけるワックスでは、融点が65
゜C〜130゜Cの範囲にあるものが、耐オフセット性
への寄与が大きく、特に好ましい。
【0052】ワックスは単独で用いても組み合わせて用
いても良く、バインダー樹脂に対して0.3〜15重量
部、好ましくは1〜5重量部含有させることにより良好
な定着オフセット性能が得られる。0.3重量部より少
ないと耐オフセット性が損なわれ、15重量部より多い
とトナーの流動性が悪くなり、また、非磁性一成分現像
用トナーの場合、現像スリーブにワックス成分が付着す
ることによりトナーの帯電特性および画像品質に悪影響
を与えることになる。
【0053】なお、ポリアミドワックス、グラフト重合
ワックス、変成ポリオレフィンワックス、ポリプロピレ
ンワックス、ポリエチレンワックス等の合成ワックスも
本発明におけるワックスと併用して用いることができ
る。本発明では下記の一般式1の化合物を帯電制御剤と
して用いる。 <一般式1>
【化19】 (式中、R1は4級炭素、メチン、メチレンであり、
N、S、O、Pのヘテロ原子を含んでいてもよく、Yは
飽和結合又は不飽和結合で結ばれた環状構造を表し、R
2、R3は相互に独立してアルキル基、アルケニル基、ア
ルコキシ基、置換基を有しても良いアリール基又はアリ
ールオキシ基又はアラルキル基又はアラルキルオキシ
基、ハロゲン基、水素、水酸基、置換基を有しても良い
アミノ基、カルボキシル基、カルボニル基、ニトロ基、
ニトロソ基、スルホニル基、シアノ基を表し、R4は水
素又はアルキル基を表し、tは0ないし1から12の整
数、mは1から20の整数、nは0ないし1から20の
整数、kは0ないし1から4の整数、pは0ないし1か
ら4の整数、qは0ないし1から3の整数、rは1から
20の整数、sは0又は1ないし20の整数である。) 本発明の帯電制御剤は一般式1を逸脱しない範囲で種々
の構造の化合物が好適に使用できるが、下記の構造の化
合物がより高い帯電付与能力、帯電安定性、透明性を有
し特に好適に使用できる。
【0054】<帯電制御剤1>
【化20】
【0055】<帯電制御剤2>
【化21】
【0056】<帯電制御剤3>
【化22】
【0057】上記化合物の使用量としてはバインダー樹
脂100重量部に対し、0.1〜10重量部の範囲であ
り、この範囲であると、トナー抵抗の低下もなく十分な
帯電性能が得られる。
【0058】一般式1の化合物と併用できる帯電制御剤
としては、従来公知の帯電制御剤を用いることができ
る。例えば正帯電制御剤としてニグロシン系染料、トリ
フェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩、4級アン
モニウム基及び/又はアミノ基を含有する樹脂等が、負
帯電制御剤としてトリメチルエタン系染料、サリチル酸
の金属錯塩、ベンジル酸の金属錯塩、銅フタロシアニ
ン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、金属錯塩ア
ゾ系染料、アゾクロムコンプレックス等の重金属含有酸
性染料、カリックスアレン型のフェノール系縮合物、環
状ポリサッカライド、カルボキシル基及び/又はスルホ
ニル基を含有する樹脂、等が必要に応じて用いられる。
【0059】特に、本発明のトナーをカラートナーとし
て用いる場合においては併用する帯電制御剤としては無
色の化合物を使用するのが望ましい。無色の負帯電性帯
電制御剤としては、例えばサリチル酸の金属(Zn)錯
化合物としてオリエント化学社製「ボントロンE−8
4」が、ベンジル酸の金属錯化合物としては日本カーリ
ット製「LR−147」、「LR−297」等がある。
また、無色の正帯電制御剤としては4級アンモニウム塩
構造のTP−302、TP−415、TP−610;
(保土谷化学製)、ボントロンP−51;(オリエント
化学製)、コピーチャージPSY(クラリアントジャパ
ン)等がある。本発明に用いる一般式1の帯電制御剤は
負帯電性帯電制御剤であるので、その他の帯電制御剤を
併用する場合は負の帯電制御剤であることが好ましい。
【0060】本発明では、トナーの流動性向上、帯電特
性改良などトナーの表面改質のために種々の添加剤(外
添剤と呼ぶ)を用いることができる。本発明で用いるこ
とのできる外添剤としては、例えば二酸化珪素、酸化チ
タン、酸化アルミ、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化錫、
酸化ジルコニウム等の無機微粉体及びそれらをシリコー
ンオイル、シランカップリング剤などの疎水化処理剤で
表面処理したもの、ポリスチレン、アクリル、スチレン
アクリル、ポリエステル、ポリオレフィン、セルロー
ス、ポリウレタン、ベンゾグアナミン、メラミン、ナイ
ロン、シリコン、フェノール、フッ化ビニリデン、テフ
ロン(登録商標)等の樹脂微粉体等が用いられる。
【0061】これらの中でも各種のポリオルガノシロキ
サンやシランカップリング剤等で表面を疎水化処理した
二酸化珪素(シリカ)が特に好適に用いることができ
る。そのようなものとして、例えば、次のような商品名
で市販されているものがある。
【0062】 AEROSIL R972,R974,R202,R805,R812, RX200,RY200、 R809,RX50, RA200HS,RA200H (日本アエロジル(株)) WACKER HDK H2000、H2050EP HDK H3050EP、HVK2150 (ワッカーケミカルズイーストアジア(株)) Nipsil SS−10、SS−15,SS−20,SS−50, SS−60,SS−100、SS−50B,SS−50F, SS−10F、SS−40、SS−70,SS−72F、 (日本シリカ工業(株)) CABOSIL TG820F (キャボット・スペシャルティー・ケミカルズ・インク)
【0063】外添剤の粒子径はトナーの直径の1/3以
下であることが望ましく、特に好適には1/10以下で
ある。また、これらの外添剤は、異なる平均粒子径の2
種以上を併用してもよい。非磁性一成分現像用トナーに
おいては、粒子径大のものと粒子径小のものとを併用す
ることにより、トナー流動性及び現像耐久性を向上さ
せ、現像機のブレードへの固着及びカブリの防止、ラン
ニング時における帯電の長期安定性等が得られ、好まし
い。
【0064】外添剤の使用割合はトナー100重量部に
対して、0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜3重
量%である。
【0065】本発明におけるトナーにはその他の各種添
加剤をトナー粒子内部に含める様にしても良い。一例と
して、例えば金属石鹸、ステアリン酸亜鉛等の滑剤が、
研磨剤として、例えば酸化セリウム、炭化ケイ素等が使
用できる。
【0066】本発明のトナーは、特定の製造方法によら
ず極めて一般的な製造方法に依って得る事ができるが、
例えば樹脂と着色剤と帯電制御剤とを、樹脂の融点(軟
化点)以上で溶融混練した後、粉砕し、分級することに
より得ることが出来る。
【0067】具体的には例えば、上記の樹脂と着色剤を
2本ロール、3本ロール、加圧ニーダー、又は2軸押し
出し機等の混練手段により混合する。この際、樹脂中
に、着色剤等が均一に分散すればよく、その溶融混練の
条件は特に限定されるものではないが、通常80〜18
0゜Cで30秒〜2時間である。着色剤は樹脂中に均一
に分散するようにあらかじめフラッシング処理、あるい
は樹脂と高濃度で溶融混練したマスターバッチを用いて
も良い。
【0068】次いで、それを冷却後、ジェットミル等の
粉砕機で微粉砕し、風力分級機等により分級するという
方法が挙げられる。トナーを構成する粒子の平均粒径
は、特に制限されないが、通常5〜15μmとなる様に
調整される。通常、この様にして得られたトナー母体に
対しては、トナー母体よりも小さい粒径の微粒子(以
下、外添剤と呼ぶ)が、例えばヘンシェルミキサー等の
混合機を用いて混合される。
【0069】こうして得られた本発明の非磁性一成分現
像用トナーは、公知慣用の方法で被記録媒体上に現像さ
れ定着されるが、定着方式としては、ヒートロール定着
方式を採用するのが好ましい。ヒートロールとしては、
トナーを溶融定着しうる温度に加熱できる円筒体の表面
を、例えばシリコーン樹脂やフッ素樹脂等の離型性と耐
熱性を兼備するコーティング樹脂で被覆したものが用い
られる。ヒートロール定着方式では、上記した様なヒー
トロールを少なくとも一つ有する適当な圧力にて押圧さ
れた二つのロール間を被印刷媒体が通過することにより
トナーの定着が行われる。
【0070】本発明の非磁性一成分現像用トナーの格別
顕著な技術的効果は、より高速で現像され、ヒートロー
ル定着が行われる現像定着装置において発揮される。本
発明における被記録媒体としては、公知慣用のものがい
ずれも使用できるが、例えば、普通紙、樹脂コート紙等
の紙類、PETフィルム、OHPシート等の合成樹脂フ
ィルムやシート等が挙げられる。
【0071】また、非磁性一成分現像方法としては、現
像剤を担持した現像スリーブを、静電潜像を有する感光
体ドラムと接触させて現像する、接触型の非磁性一成分
現像方法がある。本発明の非磁性一成分現像用トナー
は、現像スリーブとそれに圧接された帯電部材との間に
トナーを通過せしめ、トナーを摩擦帯電させることによ
り、感光体の表面に形成された静電潜像を現像するよう
な接触型の非磁性一成分現像法に特に有効に使用するこ
とが出来る。
【0072】
【実施例】以下、実施例及び比較例を用いて、本発明を
更に詳細に説明する。なお、以下において、組成表内の
数値は『重量部』を表わす。最初にトナーを調製するに
あたって用いたバインダー樹脂の合成例を下記に示す。
【0073】(合成例1) ナフタレンジカルボン酸 87重量部 テレフタル酸 249重量部 ジエチレングリコール 26重量部 ネオペンチルグリコール 104重量部 エチレングリコール 50重量部 テトラブチルチタネート 2.5重量部 以上の原料をガラス製2Lの四ツ口フラスコに入れ温度
計、攪拌棒及び窒素導入管を取り付け、電熱マントルヒ
ーター中で、常圧窒素気流下にて240℃で10時間反応
後、順次減圧し、10mmHgで反応を続行した。反応はASTM
・E28-517に準じる軟化点により追跡し、軟化点が101℃
に達した時反応を終了した。
【0074】得られた重合体は、無色の固体であり、酸
価7、DSC測定法によるガラス転移温度70℃、軟化点が10
2℃であった。
【0075】(合成例2) テレフタル酸 315重量部 ジエチレングリコール 21重量部 シクロヘキサンジメタノール 144重量部 エチレングリコール 50重量部 テトラブチルチタネート 2.5重量部 以上の原料を用いて合成例1と同様に反応を行った。得
られた重合体は、無色の固体であり、酸価9、DSC測定法
によるガラス転移温度60℃、軟化点が97℃であった。
【0076】(合成例3) イソフタル酸 116重量部 テレフタル酸 166重量部 無水トリメリット酸 38重量部 ジエチレングリコール 26重量部 ネオペンチルグリコール 104重量部 エチレングリコール 50重量部 テトラブチルチタネート 2.5重量部 以上の原料をガラス製2Lの四ツ口フラスコに入れ温度
計、攪拌棒及び窒素導入管を取り付け、電熱マントルヒ
ーター中で、常圧窒素気流下にて240℃で10時間反応
後、順次減圧し、10mmHgで反応を続行した。反応はASTM
・E28-517に準じる軟化点により追跡し、軟化点が140℃
に達した時反応を終了した。得られた重合体は、無色の
固体であり、酸価5、DSC測定法によるガラス転移温度72
℃、軟化点が141℃であった。
【0077】 (合成例4) ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ ロパン 1650重量部 イソフタル酸 415重量部 テレフタル酸 415重量部 テトラブチルチタネート 6重量部 以上の原料をガラス製2Lの四ツ口フラスコに入れ温度
計、攪拌棒及び窒素導入管を取り付け、電熱マントルヒ
ーター中で、常圧窒素気流下にて230℃で24時間反応
後、順次減圧し、10mmHgで反応を続行した。反応はASTM
・E28-517に準じる軟化点により追跡し、軟化点が99℃
に達した時反応を終了した。得られた重合体は、無色の
固体であり、酸価7、DSC測定法によるガラス転移温度62
℃、軟化点が103℃であった。
【0078】 (合成例5) テレフタル酸 283重量部 ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2 −ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン 527重量部 無水トリメリット酸 45重量部 テトラブチルチタネート 2.5重量部
【0079】以上の原料をガラス製2Lの四ツ口フラス
コに入れ温度計、攪拌棒及び窒素導入管を取り付け、電
熱マントルヒーター中で、常圧窒素気流下にて240℃で1
5時間反応後、順次減圧し、10mmHgで反応を続行した。
反応はASTM・E28-517に準じる軟化点により追跡し、軟
化点が133℃に達した時反応を終了した。得られた重合
体は、無色の固体であり、酸価5、DSC測定法によるガラ
ス転移温度64℃、軟化点が134℃であった。
【0080】 (実施例1) <トナーの製造> ・合成例1の樹脂 93重量部 ・Fastgen Super Magenta R「大日本インキ化学工業」製 4重量部 ・帯電制御剤1 1重量部 ・精製カルナバワックスNo.1 2重量部 (酸価5、セラリカNODA(株)製)
をヘンシェルミキサーで混合し、2軸混練機で
混練する。このようにして得た混練物を粉砕、分級して
体積平均粒子径7.5μmの「トナー原体A」を得た。
【0081】 ・上記「トナー原体A」 100重量部 ・日本アエロジル製シリカ「NAX50」 0.5重量部 (一次粒子の平均粒子径;30nm) ・日本アエロジル製シリカ「RY200」 0.5重量部 (一次粒子の平均粒子径;12nm)をヘンシェルミキ
サーで混合の後、篩いかけをして、「トナーA」を得
た。
【0082】以下、実施例1と同様に表−1の配合にて
トナーを製造し直鎖ポリエステル樹脂をバインダー樹脂
としたトナーによる現像剤A(実施例1)〜現像剤E
(実施例5)、及び現像剤H(比較例1)〜現像剤J
(比較例3)を製造した。また、分岐樹脂をバインダー
樹脂としたトナーによる現像剤F(実施例6)、及び現
像剤G(実施例7)、及び現像剤K(比較例4)〜現像
剤M(比較例6)を製造した。
【0083】
【表1】
【0084】表中の表示は以下の通り。 ・Magenta R ;Fastogen Super Magenta R「大日本インキ化学工業」製 ・T.Y.HG ;Toner Yellow HG VP2155「クラリアントジャパン」製 ・KET B.111 ;KET Blue 111「大日本インキ化学工業」製 ・モーガルL ;カーボンブラック「キャボット・スペシャルティ・ケミ カルズ・インク製」 ・カルナバWAX ;カルナバワックスNo.1(酸価5) セラリカNODA(株)製 ・カイガラムシWAX;精製雪ロウNo.1(酸価2) セラリカNODA(株)製 ・PP WAX ;Viscol 550P「三洋化成」製ポリプロピレンワックス ・ワックス4 ;ペンタエリスリトールのテトラベヘニン酸エステル ・E-84 ;ジサリチル酸亜鉛錯体「オリエント化学」製
【0085】<ヒートロール定着による定着オフセット
テスト>市販の非磁性一成分現像方式のプリンタを改造
したテスト機にてA−4紙サイズの未定着画像サンプル
を作製し、下記仕様のヒートロール定着ユニットを用い
て、下記のテスト条件にて定着開始温度、およびオフセ
ット現象の有無を確認した。 定着開始温度を測定するため下記の式により計算される
画像濃度残存比率を求めた。
【0086】画像濃度残存比率=堅牢度試験後画像濃度
/同左試験前画像濃度 *画像濃度はマクベス画像濃度計RD−918にて測定
した。 *堅牢度試験後画像濃度とは、学振型摩擦堅牢度試験機
(荷重:200g,擦り操作:5ストローク)を用いて定
着画像を擦った後の画像濃度である。画像濃度残存比率
80%以上で実用上問題ないレベルとし、その最低温度を
定着開始温度とした。
【0087】オフセット開始温度は定着画像サンプルを
観察し、目視にてオフセット現象が認められる温度とし
た。結果を表−2及び表−3に示した。
【0088】<印刷耐久テストおよび印刷物の画像濃
度、地汚れ>市販の非磁性一成分現像方式のプリンタの
カートリッジから専用トナーを抜き、洗浄したカートリ
ッジに、各実施例及び比較例で得られたトナーを充填
し、10000枚の連続印字を行い、現像スリーブ上の
トナー層が均一であり、なんら欠陥の発生が無い状態を
○と判定し、スジ等の不均一部分が発生した場合を×と
判定した。印刷物の画像濃度及び地汚れはマクベス濃度
計RD−918で測定した。なお、地汚れは印刷後の白
地部濃度からプリント前白紙濃度を差し引いて求めた。
その差が0.01未満の時を○、0.01〜0.03未満の時を△、
0.03以上の時を×とした。結果を表−2及び表−3に示
した。
【0089】<耐熱凝集テスト>100ccの蓋のない
円筒形ポリカップにキャリアと混合する前のトナー10
gを入れて65℃に設定された恒温槽内に放置した。2
4時間経過後ポリカップを取り出し、水平な台上にゆっ
くりとポリカップを傾けて中のトナーを出した。その際
に、トナー粒子同士の融着による凝集が全くなく、台上
にトナー粉末が広がる状態を○、やや凝集があるが指で
つつくと簡単にほぐれる状態を△、台上に出しても凝集
したままでポリカップに入っていたときの形状をほぼ保
っている状態を×とした。結果を表−2及び表−3に示
した。
【0090】<OHP鮮明度の評価>市販の非磁性一成
分現像方式のプリンタを用いて、OHPシート上に未定
着画像を形成し、別に用意した定着試験器により未定着
画像の定着を行った。定着試験器としては、温度センサ
ー内臓型のヒートロール定着機を用いてロール温度14
0℃にて行った。ヒートロール(上)はテフロン(デュ
ポン社登録商標)製、下ロールはHTVシリコン製で、
荷重は7kg/350mm,ニップ幅は4mm、シート
通し速度は50mm/秒で定着を行った。
【0091】以上の手順により作成したOHPシート
を、オーバーヘッドプロジェクターにて白色のスクリー
ンに投影し鮮明度の評価を行った。評価は目視で行い鮮
明で透明性のある良好な投影画像であれば○、濁りのあ
る黒みがかった投影像であれば×とした。結果を表−2
に示した。
【0092】
【表2】
【0093】表中の表示は次の通り。 *「地汚れ評価」○:0.01未満、△:0.01〜0.03未満,
ラ:0.03以上 *「スリーブ上の欠陥」○:現像スリーブ上のトナー層
が均一であり、なんら欠陥の発生が無い状態、×:スジ
等の不均一部分が発生した場合
【0094】
【表3】
【0095】表中の表示は次の通り。 *「地汚れ評価」○:0.01未満、△:0.01〜0.03未満,
ラ:0.03以上 *「スリーブ上の欠陥」○:現像スリーブ上のトナー層
が均一であり、なんら欠陥の発生が無い状態、×:スジ
等の不均一部分が発生した場合
【0096】以上の結果より、芳香族系ジオールを用い
た比較例1及び比較例6のトナーは脂肪族系ジオールを
用いた実施例のトナーと比較して定着性が劣り、ポリプ
ロピレンワックスを用いた比較例2のトナーはOHP透
過性に劣る。また、比較例2、比較例4のトナーは本発
明によるワックスを用いた実施例のトナーより定着開始
温度が高い。また、比較例2〜比較例5のトナーは印刷
耐久テストにおいて10000枚印刷後の現像スリーブ
上のトナー層は不均一であり、現像スリーブの円周方向
に筋状の欠陥が発生していた。また、現像スリーブに圧
接された層厚規制部材には現像スリーブと接触していた
部分に固着物が見られた。さらに、印刷枚数が増加する
につれて画像濃度が低下し、現像方向に筋状の汚れが認
められ、地汚れも増加して印刷品質の劣る印刷画像とな
った。
【0097】比較例2、比較例4のトナー粒子をスライ
スしてその断面を顕微鏡で観察すると、バインダー樹脂
中にポリプロピレンワックスが大きな粒子として分散し
ているのが認められた。一方、実施例のトナーは、OH
P透明性、低温定着性、耐オフセット性に優れ、100
00枚の印刷においても現像スリーブ上のトナー層は均
一であり、なんら欠陥の発生が無い状態であった。ま
た、印刷初期と10000枚印刷後の画像濃度の変化が
無く、画像欠損や地汚れのない良好な印刷品質の画像が
得られた。また、トナー粒子をスライスして顕微鏡で観
察するとワックスがトナー粒子中に微細に均一に分散し
ているのが観察された。
【0098】
【発明の効果】本発明によれば、定着性、耐オフセット
性に優れ、かつ、連続印刷した際も安定な帯電挙動を示
し、画像濃度の変動がない良好な画像が得られる長寿命
の非磁性一成分現像用トナーを得ることができる。
【0099】また、本発明のトナーは透明性に優れ、幅
広い温度領域で良好な定着・オフセット特性を示すた
め、オイルレスヒートロール定着方式のカラートナーと
しても適している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 CA08 CA25 DA01 4H006 AA03 AB78 AB91 BJ50 BN30 BP30

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バインダー樹脂、着色剤、離型剤及び帯
    電制御剤を含有してなるトナーであって、前記バインダ
    ー樹脂が、 (A)2価以上の多塩基酸及び/又は酸無水物及び/又
    はこれらの低級アルキルエステルから選ばれる多塩基酸
    化合物 (B)2価以上の脂肪族多価アルコールを主構成成分と
    するポリエステル樹脂であり、前記離型剤が高級脂肪酸
    エステル化合物及び/または脂肪族アルコール化合物を
    主成分とするワックスであり、前記帯電制御剤が下記一
    般式1で表されるジルコニウムの錯体または塩であるこ
    とを特徴とする非磁性一成分現像用トナー。 <一般式1> 【化1】 (式中、R1は4級炭素、メチン、メチレンであり、
    N、S、O、Pのヘテロ原子を含んでいてもよく、Yは
    飽和結合又は不飽和結合で結ばれた環状構造を表し、R
    2、R3は相互に独立してアルキル基、アルケニル基、ア
    ルコキシ基、置換基を有しても良いアリール基又はアリ
    ールオキシ基又はアラルキル基又はアラルキルオキシ
    基、ハロゲン基、水素、水酸基、置換基を有しても良い
    アミノ基、カルボキシル基、カルボニル基、ニトロ基、
    ニトロソ基、スルホニル基、シアノ基を表し、R4は水
    素又はアルキル基を表し、tは0ないし1から12の整
    数、mは1から20の整数、nは0ないし1から20の
    整数、kは0ないし1から4の整数、pは0ないし1か
    ら4の整数、qは0ないし1から3の整数、rは1から
    20の整数、sは0又は1ないし20の整数である。)
  2. 【請求項2】 前記多塩基酸化合物として、1モル%以
    上のナフタレンジカルボン酸、及び/またはその酸無水
    物、及び/またはその低級アルキルエステルを用いるこ
    とを特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 【請求項3】 前記離型剤がカルナウバワックス、モン
    タン系エステルワックス、ライスワックス、カイガラム
    シワックス、ラノリンワックスまたは下記一般式2乃至
    6で表される化合物から選ばれるいずれか1種以上であ
    ることを特徴とする請求項1または2記載の非磁性一成
    分現像用トナー。 <一般式2> 【化2】 (R1及びR2は炭素数1〜40の炭化水素基であり、
    少なくともどちらか一方は炭素数が12以上の鎖状の炭
    化水素基を示す。) <一般式3> 【化3】 (R1、R2及びR3は炭素数1〜40の炭化水素基で
    あり、少なくともいずれか一つが炭素数12以上の鎖状
    の炭化水素基を示す。) <一般式4> 【化4】 (R1、R2及びR3は炭素数1〜40の炭化水素基で
    あり、少なくともいずれか一つが炭素数12以上の鎖状
    の炭化水素基を示す。) <一般式5> 【化5】 (R1は炭素数12〜40の炭化水素基。R2は炭素数
    1〜40の炭化水素基。また、a+b=4であり、aは
    1〜4の整数を表し、bは0〜3の整数を表す。) <一般式6> 【化6】 (R1、R2及びR3は炭素数1〜40の炭化水素基で
    あり、少なくともいずれか一つが炭素数12以上の鎖状
    の炭化水素基。また、a及びcは0〜2の整数であり、
    a+c=2である。bは1から4の整数であり、dは1
    または2である。さらに、e=d−1である。)
  4. 【請求項4】 前記トナーの表面に該トナー粒子よりも
    小さく、平均粒径が相異なる2種類の微粉末を外添混合
    したことを特徴とする請求項1、2または3記載の非磁
    性一成分現像用トナー。
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