JP2017138503A - カラーフィルター用顔料分散組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】顔料の微細化が可能となり、かつ、顔料の分散安定性に優れるカラーフィルター用顔料分散組成物を提供すること。【解決手段】本発明のカラーフィルター用顔料分散組成物は、アルカリ可溶性樹脂と、顔料と、顔料分散剤とを含み、該アルカリ可溶性樹脂が、主鎖に環構造を有する構成単位と、側鎖にビフェニル基を有する構成単位とを含む。1つの実施形態においては、上記アルカリ可溶性樹脂が、(メタ)アクリル系樹脂である。【選択図】なし

Description

本発明は、カラーフィルター用顔料分散組成物に関する。
液晶表示装置等の画像表示装置に用いられるカラーフィルターは、通常、色材(例えば、顔料)分散組成物に感光性樹脂等を配合して得られた感光性樹脂組成物を透明基板に塗布した後、フォトリソグラフィ法等によって製造されている。そして、近年、画像表示装置の高性能化の要求に伴い、輝度、コントラスト等の向上に寄与し得るカラーフィルターが求められている。
輝度およびコントラストの向上に寄与し得るカラーフィルターを形成する方法としては、感光性樹脂組成物中の色材(例えば、顔料)を微細化する方法が挙げられる。しかしながら、微細化された色材は分散安定性が悪く、そのため、色材を微細化すると、カラーフィルターの色再現性が経時により低減する等の問題が生じる。
特開2010−168580号公報
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、顔料の微細化が可能となり、かつ、顔料の分散安定性に優れるカラーフィルター用顔料分散組成物を提供することにある。
本発明のカラーフィルター用顔料分散組成物は、アルカリ可溶性樹脂と、顔料と、顔料分散剤とを含み、該アルカリ可溶性樹脂が、主鎖に環構造を有する構成単位と、側鎖にビフェニル基を有する構成単位とを含む。
1つの実施形態においては、上記アルカリ可溶性樹脂が、(メタ)アクリル系樹脂である。
1つの実施形態においては、上記主鎖に環構造を有する構成単位が、一般式(1)〜(7)で表される構成単位から選ばれる少なくとも1種である。
Figure 2017138503
式(4)〜(7)中、R、R、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数が1〜30の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基である。
1つの実施形態においては、上記側鎖にビフェニル基を有する構成単位が、一般式(10)または(11)で表されるモノマー由来の構成単位である。
Figure 2017138503
式(11)中、n1は1〜10である。
1つの実施形態においては、上記アルカリ可溶性樹脂が、側鎖に酸基を有する構成単位を含む。
1つの実施形態においては、上記アルカリ可溶性樹脂が、側鎖に2以上のオキシアルキレン基を有する構成単位を含む。
1つの実施形態においては、上記アルカリ可溶性樹脂が、側鎖に炭素二重結合を有する構成単位を含む。
1つの実施形態においては、上記顔料の含有割合が、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、30重量部〜500重量部である。
1つの実施形態においては、上記顔料分散剤の含有割合が、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、5重量部〜100重量部である。
本発明によれば、主鎖に環構造を有し、かつ、側鎖にビフェニル基を有するアルカリ可溶性樹脂を含むことにより、顔料の分散安定性に優れるカラーフィルター用顔料分散組成物を得ることができる。また、本発明においては、優れた分散安定を有しつつ、顔料の微細化が可能となる。
A.カラーフィルター用顔料分散組成物の概要
本発明のカラーフィルター用顔料分散組成物(以下、単に顔料分散組成物ともいう)は、アルカリ可溶性樹脂と、顔料と、顔料分散剤とを含む。上記アルカリ可溶性樹脂は、主鎖に環構造を有する構成単位と、側鎖にビフェニル基を有する構成単位とを含む。実用的には、上記顔料分散組成物は、任意の適切な溶剤および/または添加剤をさらに含み得る。
本発明の顔料分散組成物は、カラーフィルターを形成するための材料として用いられ得る。より詳細には、本発明の顔料分散組成物は、多官能モノマーおよび光重合開始剤と組み合わせて用いられ得る。該顔料分散組成物と多官能モノマーと光重合開始剤とを含む樹脂組成物は、カラーフィルターを形成するための感光性樹脂組成物として好適に用いられ得る。該カラーフィルター用感光性樹脂組成物を用いたフォトリソグラフィ法により、カラーフィルターを形成することができる。本発明の顔料分散組成物においては、上記特定構造を有するアルカリ可溶性樹脂を含むことにより、顔料の微細化が可能となり、かつ、顔料の分散安定性に優れる。微細な顔料を分散性よく含む顔料分散組成物を用いれば、輝度およびコントラストの向上に寄与し得るカラーフィルターを形成することができる。
B.アルカリ可溶性樹脂
上記のとおり、アルカリ可溶性樹脂は、主鎖に環構造を有する構成単位(A)と、側鎖にビフェニル基を有する構成単位(B)とを含む。1つの実施形態においては、上記アルカリ可溶性樹脂は、側鎖に酸基を有する構成単位(C)および/またはその他の構成単位(D)をさらに含む。上記アルカリ可溶性樹脂は、代表的には、(メタ)アクリル系樹脂である。なお、(メタ)アクリル系樹脂とは、(メタ)アクリル酸エステル等の(メタ)アクリル系モノマーを少なくとも10重量%以上含有するモノマー組成物を重合した樹脂であれば特に限定されず、該モノマー組成物は、(メタ)アクリル系モノマーと共重合可能な他のモノマーを含んでいてもよい。
上記アルカリ可溶性樹脂は、主鎖に環構造を有するモノマー(a)および/または環構造を形成し得るモノマー(a’)と、側鎖にビフェニル基を有するモノマー(b)とを含むモノマー組成物Iを重合して得ることができる。該モノマー組成物Iは酸基を有するモノマー(c)、酸基を導入し得るモノマー(c’)および/またはその他の構成単位(D)を構成するその他のモノマー(d)をさらに含み得る。1つの実施形態においては、モノマー(b)、モノマー(c)、モノマー(c’)および/またはモノマー(d)は(メタ)アクリル系モノマーであり、好ましくはアクリル系モノマーである。
B−1.主鎖に環構造を有する構成単位(A)
上記アルカリ可溶性樹脂が、主鎖に環構造を有する構成単位(A)を有することにより、現像液に対する溶解性が高い感光性樹脂組成物の材料となり得る顔料分散組成物を得ることができる。このような顔料分散組成物を用いれば、現像残渣を生じさせることなく、カラーフィルターを形成することができる。また、主鎖に環構造を有する構成単位(A)を有するアルカリ可溶性樹脂を用いれば、透明性および基板密着性に優れるカラーフィルターを得ることができる。
主鎖に環構造を有する構成単位(A)としては、例えば、マレイミド構造、N−置換マレイミド構造、ラクトン環構造、グルタル酸無水物構造、無水マレイン酸構造等を有する構成単位が挙げられる。なかでも好ましくは、マレイミド構造またはN−置換マレイミド構造である。主鎖にマレイミド構造またはN−置換マレイミド構造を有する構成単位を有するアルカリ可溶性樹脂を用いることにより、現像液に対する溶解性がより高い感光性樹脂組成物の材料となり得る顔料分散組成物を得ることができる。具体的には、主鎖に環構造を有する構成単位(A)は、一般式(1)〜(3)で表される構成単位から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、一般式(1)で表される構成単位であることがより好ましい。一般式(1)で表される構成単位を有するアルカリ可溶性樹脂(好ましくは、(メタ)アクリル系樹脂)を用いれば、強度が高いカラーフィルターを形成し得る顔料分散組成物を得ることができる。
Figure 2017138503
主鎖に環構造を有する構成単位(A)は、一般式(4)〜(7)で表される構成単位から選ばれる少なくとも1種であってもよい。なかでも好ましくは、一般式(4)または(7)で表される構成単位である。
Figure 2017138503
式(4)〜(7)中、R、R、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数が1〜30の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基であり、好ましくは水素原子または炭素数が1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基であり、より好ましくは水素原子または炭素数が1〜5の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基であり、さらに好ましくはメチル基である。
主鎖に環構造を有する構成単位(A)は、主鎖に環構造を有するモノマー(a)により構成され得る。主鎖に環構造を有するモノマー(a)としては、例えば、マレイミド、ベンジルマレイミド、フェニルマレイミド、ナフチルマレイミド、N−o−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−m−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−p−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−o−クロロフェニルマレイミド、N−m−クロロフェニルマレイミド、N−p−クロロフェニルマレイミド、N−o−メチルフェニルマレイミド、N−m−メチルフェニルマレイミド、N−p−メチルフェニルマレイミド、N−o−メトキシフェニルマレイミド、N−m−メトキシフェニルマレイミド、N−p−メトキシフェニルマレイミド等の芳香族置換マレイミド類;シクロヘキシルマレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、イソプロピルマレイミド等のアルキル置換マレイミド類等が挙げられる。なかでも好ましくは、マレイミド、ベンジルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドであり、より好ましくはベンジルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドであり、さらに好ましくはベンジルマレイミドである。上記モノマーは、単独で、または2種以上組み合わせて用いてもよい。
主鎖に環構造を有する構成単位(A)を構成するモノマーとして、分子内環化工程によって環構造を形成し得るモノマー(a’)を用いてもよい、モノマー(a’)によれば、一般式(4)〜(7)で表される構成単位が形成される。モノマー(a’)としては、例えば、一般式(8)または(9)で表される1,6−ジエン類が挙げられる。
Figure 2017138503
式(8)および(9)中、R、RおよびRは上記で説明したとおりである。
主鎖に環構造を有する構成単位(A)の含有割合は、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、好ましくは5重量部〜50重量部であり、より好ましくは8重量部〜30重量部であり、さらに好ましくは10重量部〜25重量部である。
アルカリ可溶性樹脂形成する上記モノマー組成物I中、主鎖に環構造を有するモノマー(a)の含有割合は、モノマー組成物I中の全モノマー100重量部に対して、好ましくは5重量部〜50重量部であり、より好ましくは8重量部〜30重量部であり、さらに好ましくは10重量部〜25重量部である。また、アルカリ可溶性樹脂形成する上記モノマー組成物I中、環構造を形成し得るモノマー(a’)の含有割合は、モノマー組成物I中の全モノマー100重量部に対して、好ましくは5重量部〜50重量部であり、より好ましくは8重量部〜30重量部であり、さらに好ましくは10重量部〜25重量部である。
B−2.側鎖にビフェニル基を有する構成単位(B)
上記アルカリ可溶性樹脂が、側鎖にビフェニル基を有する構成単位(B)を有することにより、顔料の分散安定性に優れるカラーフィルター用顔料分散組成物を得ることができる。好ましくは、側鎖にビフェニル基を有する構成単位(B)は、(メタ)アクリル系モノマー由来の構成単位である。
側鎖にビフェニル基を有する構成単位(B)としては、例えば、ビフェニル(メタ)アクリレート、o−ビフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート(エトキシ化o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート)、o−ビフェニルオキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、m−ビフェニルオキシエチルアクリレート、p−ビフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、o−ビフェニルオキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、p−ビフェニルオキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、m−ビフェニルオキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−ビフェニル=カルバマート、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−p−ビフェニル=カルバマート、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−m−ビフェニル=カルバマート、o−フェニルフェノールグリシジルエーテルアクリレート、o−ビフェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート等の側鎖にビフェニル基を有するモノマー(b)由来の構成単位が挙げられる。なかでも好ましくは、アクリル系モノマー由来の構成単位である。二重結合部分にメチル基を有さないアクリル系モノマーを用いれば、現像速度が速い感光性樹脂組成物の材料となり得る顔料分散組成物を得ることができる。1つの実施形態において、側鎖にビフェニル基を有する構成単位(B)は、一般式(10)または(11)で表されるモノマー(b)由来の構成単位である。より好ましくは、側鎖にビフェニル基を有する構成単位(B1)は、一般式(11)で表されるモノマー(b1)由来の構成単位である。なお、上記モノマーは、単独で、または2種以上組み合わせて用いてもよい。
Figure 2017138503
式(11)中、n1は1〜10であり、好ましくは1または2である。
側鎖にビフェニル基を有する構成単位(B)の含有割合は、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、好ましくは10重量部〜80重量部であり、より好ましくは15重量部〜70重量部であり、さらに好ましくは20重量部〜65重量部である。このような範囲であれば、本発明の効果はより顕著となる。
アルカリ可溶性樹脂形成する上記モノマー組成物I中、側鎖にビフェニル基を有するモノマー(b)の含有割合は、モノマー組成物I中の全モノマー100重量部に対して、好ましくは20重量部〜80重量部であり、より好ましくは30重量部〜70重量部であり、さらに好ましくは40重量部〜65重量部である。このような範囲であれば、本発明の効果はより顕著となる。
B−3.側鎖に酸基を有する構成単位(C)
好ましくは、上記アルカリ可溶性樹脂は、側鎖に酸基を有する構成単位(C)を有する。アルカリ可溶性樹脂が側鎖に酸基を有する構成単位(C)を有していれば、アルカリ現像性に優れる感光性樹脂組成物の材料となり得る顔料分散組成物を得ることができる。側鎖に酸基を有する構成単位(C)を構成するモノマー(酸基を有するモノマー(c))としては、例えば、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、イタコン酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート等のカルボキシル基を有するモノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等のカルボン酸無水物基を有するモノマー等が挙げられる。なかでも好ましくは(メタ)アクリル酸である。これらのモノマーは、単独で、または2種以上組み合わせて用いてもよい。
側鎖に酸基を有する構成単位(C)を構成するモノマーとして、酸基を導入し得るモノマー(c’)を用いてもよい。モノマー(c’)は、重合後の酸基付与を可能とするモノマーである。モノマー(c’)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するモノマー、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有するモノマー、2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレート等のイソシアネート基を有するモノマー等が挙げられる。これらのモノマーは、単独で、または2種以上組み合わせて用いてもよい。酸基を付与するための後処理は、用いるモノマー(c’)の種類によって異なるが、水酸基を有するモノマー(c’)を用いた場合には、例えば、コハク酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、マレイン酸無水物等の酸無水物を付加させればよい。エポキシ基を有するモノマー(c’)を用いた場合には、例えば、N−メチルアミノ安息香酸、N−メチルアミノフェノール等のアミノ基と酸基を有する化合物を付加するか、もしくは、(メタ)アクリル酸等の酸を付加させた後に生じた水酸基に、酸無水物(例えば、コハク酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、マレイン酸無水物)を付加させればよい。また、イソシアネート基を有するモノマー(c’)を用いた場合には、例えば、2−ヒドロキシ酪酸等の水酸基と酸基を有する化合物を付加させればよい。
側鎖に酸基を有する構成単位(C)の含有割合は、アルカリ可溶性樹脂100重量部(質量部)に対して、好ましくは10重量部〜60重量部であり、より好ましくは15重量部〜50重量部であり、さらに好ましくは15重量部〜45重量部である。
アルカリ可溶性樹脂形成する上記モノマー組成物I中、酸基を有するモノマー(c)の含有割合は、好ましくは15重量部〜60重量部であり、より好ましくは20重量部〜50重量部であり、さらに好ましくは20重量部〜45重量部である。また、アルカリ可溶性樹脂形成する上記モノマー組成物I中、酸基を導入し得るモノマー(c’)の含有割合は、好ましくは15重量部〜60重量部であり、より好ましくは20重量部〜50重量部であり、さらに好ましくは20重量部〜45重量部である。
B−4.その他の構成単位(D)
上記アルカリ可溶性樹脂は、その他の構成単位(D)をさらに有していてもよい。その他の構成単位としては、側鎖に2以上のオキシアルキレン基を有する構成単位(D1)、上記モノマー(a)、モノマー(a’)、モノマー(b)、モノマー(c)および/またはモノマー(c’)と重合可能なその他のモノマー(d2)由来の構成単位(D2)等が挙げられる。
(側鎖に2以上のオキシアルキレン基を有する構成単位(D1))
上記アルカリ可溶性樹脂が、側鎖に2以上のオキシアルキレン基を有する構成単位(D1)を有することにより、架橋密度が高く、破壊強度が高いカラーフィルターを形成し得る感光性樹脂組成物の材料となり得る顔料分散組成物を得ることができる。また、顔料分散性に特に優れる顔料分散組成物を得ることができる。
側鎖に2以上のオキシアルキレン基を有する構成単位(D1)としては、例えば、一般式(12)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2017138503
式(12)中、R、RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子またはメチル基であり、好ましくは水素原子である。R10は、炭素数が1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数が2〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基または炭素数が6〜20の芳香族炭化水素基であり、好ましくは水素原子、炭素数が1〜20の直鎖状のアルキル基、炭素数が2〜20の直鎖状のアルケニル基または炭素数が6〜20の芳香族炭化水素基であり、より好ましくは炭素数が1〜10の直鎖状のアルキル基または炭素数が6〜12の芳香族炭化水素基であり、さらに好ましくは炭素数が1〜5の直鎖状のアルキル基、フェニル基またはビフェニル基であり、特に好ましくはメチル基、フェニル基またはビフェニル基である。なお、アルキル基、アルケニル基および芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。AOは、オキシアルキレン基を表す。AOで表されるオキシアルキレン基の炭素数は2〜20であり、好ましくは2〜10であり、より好ましくは2〜5であり、さらに好ましくは2である。構成単位(D1)は1種または2種以上のオキシアルキレン基を含み得る。xは0〜2の整数を表す。yは0または1を表す。n2は、オキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、2以上であり、好ましくは2〜100であり、より好ましくは2〜50であり、さらに好ましくは2〜15である。
側鎖に2以上のオキシアルキレン基を有する構成単位(D1)は、側鎖に2以上のオキシアルキレン基を有するモノマー(d1)により構成される。モノマー(d1)としては、例えば、エトキシ化o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート(EO2モル)、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(EO4モル)、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(EO9モル)、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(EO13モル)、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(EO4―17モル)、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート(PO5モル)、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート(EO2モル)等が挙げられる。これらのモノマーは、単独で、または2種以上組み合わせて用いてもよい。なお、本明細書において、例えば「EO2モル」、「PO5モル」等の表記は、オキシアルキレン基の平均付加モル数を表す。
側鎖に2以上のオキシアルキレン基を有する構成単位(D1)の含有割合は、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1重量部〜10重量部であり、より好ましくは0.5重量部〜5重量部である。
アルカリ可溶性樹脂形成する上記モノマー組成物I中、側鎖に2以上のオキシアルキレン基を有するモノマー(d1)の含有割合は、好ましくは1重量部〜10重量部であり、より好ましくは2重量部〜5重量部である。
(その他のモノマー(d2)由来の構成単位(D2))
上記その他のモノマー(d2)由来の構成単位(D2)は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビフェニル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチレングリコールル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、トリシクロデシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデシルオキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシプロピレングリコール、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリロイルモルホリン(モルホリノ(メタ)アクリレート)、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、N−トリフェニルメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル酸アミド類、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、ブタジエン、イソプレン等のブタジエンまたは置換ブタジエン化合物、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、アクリロニトリル等のエチレンまたは置換エチレン化合物;酢酸ビニル等のビニルエステル類等のモノマー(d2)由来の構成単位が挙げられる。これらのモノマーは、単独で、または2種以上組み合わせて用いてもよい。
上記構成単位(D2)の含有割合は、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、好ましくは0重量部〜55重量部であり、より好ましくは5重量部〜50重量部であり、さらに好ましくは10重量部〜45重量部である。
B−5.アルカリ可溶性樹脂の重合
上記アルカリ可溶性樹脂は、上記モノマーを含むモノマー組成物Iを、任意の適切な方法で重合して得ることができる。重合方法としては、例えば、溶液重合法が挙げられる。
上記モノマー組成物Iは、任意の適切な溶媒を含み得る。溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類;メタノール、エタノール等のアルコール類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;クロロホルム;ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で、または2種以上組み合わせて用いてもよい。上記モノマー組成物Iを重合する際の重合濃度は、好ましくは5重量%(質量%)〜90重量%であり、より好ましくは5重量%〜50重量%であり、さらに好ましくは10重量%〜50重量%である。
上記モノマー組成物Iは、任意の適切な重合開始剤を含み得る。重合開始剤としては、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ化合物等が挙げられる。重合開始剤の含有割合は、モノマー組成物I中の全モノマー100重量部に対して、好ましくは0.1重量部〜15重量部、より好ましくは0.5重量部〜10重量部である。
上記モノマー組成物Iは、任意の適切な連鎖移動剤を含み得る。連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、β―メルカプトプロピオン酸等の単官能チオール化合物;両末端メルカプト変性ポリシロキサン等の2官能チオール化合物;側鎖がメルカプト変性された側鎖多官能メルカプト変性ポリシロキサン等が挙げられる。連鎖移動剤の含有割合は、モノマー組成物I中の全モノマー100重量部に対して、好ましくは0.1重量部〜15重量部、より好ましくは0.2重量部〜10重量部である。
上記アルカリ可溶性樹脂を溶液重合法により重合する際の重合温度は、好ましくは40℃〜150℃であり、より好ましくは60℃〜130℃である。
上記アルカリ可溶性樹脂は、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよい。
上記アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は、好ましくはテトラヒドロフラン(THF)溶媒によるゲル・パーミエーション・クロマトグラフ法(GPC)で測定した値が、好ましくは3,000〜200,000であり、より好ましくは4,000〜100,000であり、さらに好ましくは5,000〜50,000である。
上記アルカリ可溶性樹脂の酸価は、好ましくは20mgKOH/g〜300mgKOH/gであり、より好ましくは25mgKOH/g〜200mgKOH/gであり、さらに好ましくは30mgKOH/g〜150mgKOH/g。このような範囲であれば、アルカリ現像性に優れ、現像残渣の発生が少なく、かつ、密着性に優れるカラーフィルターを形成し得る感光性樹脂組成物の材料として好適な顔料分散組成物を得ることができる。
本発明の顔料分散組成物中におけるアルカリ可溶性樹脂の含有量としては、該組成物の全固形分に対して、1重量%〜50重量%が好ましく、より好ましくは5重量%〜40重量%である。
B−6.側鎖に炭素二重結合を有する構成単位(E)を有するアルカリ可溶性樹脂
1つの実施形態においては、上記アルカリ可溶性樹脂は、側鎖に炭素二重結合を有する構成単位(E)を有する。アルカリ可溶性樹脂が側鎖に炭素二重結合を有する構成単位(E)を有していれば、強度に優れるカラーフィルターを形成し得、かつ、露光感度が高い感光性樹脂組成物の材料として好適な顔料分散組成物を得ることができる。側鎖に炭素二重結合を有する構成単位(E)は、側鎖に酸基を有する構成単位(C)の酸基の一部または全部(好ましくは、一部)を反応点として、炭素二重結合を有する化合物を付加することにより、得ることができる。
側鎖に酸基を有する構成単位(C)の酸基がカルボキシル基である場合、炭素二重結合を有する化合物として、エポキシ基と二重結合とを有する化合物、イソシアネート基と二重結合とを有する化合物等が用いられ得る。エポキシ基と二重結合とを有する化合物としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル等が挙げられる。イソシアネート基と二重結合とを有する化合物としては2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。側鎖に酸基を有する構成単位(C)の酸基がカルボン酸無水物基である場合、炭素二重結合を有する化合物として、水酸基と二重結合とを有する化合物が用いられ得る。水酸基と二重結合とを有する化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
側鎖に炭素二重結合を有する構成単位(E)を有するアルカリ可溶性樹脂を得る場合、上記モノマー組成物Iを重合した後、得られた樹脂に上記炭素二重結合を有する化合物を付加する。上記炭素二重結合としてはエチレン性不飽和二重結合が好ましい。炭素二重結合を有する化合物を付加する方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。例えば、重合禁止剤および触媒の存在下で、炭素二重結合を有する化合物を、側鎖に酸基を有する構成単位(C)の酸基の一部または全部(好ましくは、一部)に反応させて付加することにより、側鎖に炭素二重結合を有する構成単位(E)を形成させることができる。
上記炭素二重結合を有する化合物の付加量は、上記重合後のアルカリ可溶性樹脂(すなわち、炭素二重結合を有する化合物を付加する前のアルカリ可溶性樹脂)100重量部に対して、好ましくは5重量部以上であり、より好ましくは10重量部以上であり、さらに好ましくは15重量部以上であり、特に好ましくは20重量部以上である。このような範囲であれば、露光感度に優れる感光性樹脂組成物の材料として好適な顔料分散組成物を得ることができる。このような感光性樹脂組成物を用いれば、緻密な硬化塗膜を形成して、基板密着性に優れ、強度が高いカラーフィルターを形成することができる。また、炭素二重結合を有する化合物の付加量が上記範囲であれば、炭素二重結合を有する化合物の付加により水酸基が十分に生成され、アルカリ現像液に対する溶解性に優れる感光性樹脂組成物の材料として好適な顔料分散組成物を得ることができる。上記炭素二重結合を有する化合物の付加量の上限は、上記重合後のアルカリ可溶性樹脂(すなわち、炭素二重結合を有する化合物を付加する前のアルカリ可溶性樹脂)100重量部に対して、好ましくは150重量部以下であり、より好ましくは100重量部以下であり、さらに好ましくは80重量部以下である。
重合禁止剤としては、例えば、6−tert−ブチル−2,4−キシレノール等のアルキルフェノール化合物が挙げられる。触媒としては、例えば、ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミン等の3級アミンが挙げられる。
C.顔料
顔料としては、任意の適切な顔料が用いられ得る。顔料は、有機顔料であってもよく、無機顔料であってもよい。有機顔料としては、例えば、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、多環式顔料(キナクリドン系、ペリレン系、ペリノン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ジオキサジン系、チオインジゴ系、アントラキノン系、キノフタロン系、金属錯体系、ジケトピロロピロール系等)、染料レーキ系顔料等が挙げられる。無機顔料としては、例えば、白色・体質顔料(酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、クレー、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等)、有彩顔料(黄鉛、カドミニウム系、クロムバーミリオン、ニッケルチタン、クロムチタン、黄色酸化鉄、ベンガラ、ジンククロメート、鉛丹、群青、紺青、コバルトブルー、クロムグリーン、酸化クロム、バナジン酸ビスマス等)、黒色顔料(カーボンブラック、ボーンブラック、グラファイト、鉄黒、チタンブラック等)、光輝材顔料(パール顔料、アルミ顔料、ブロンズ顔料等)、蛍光顔料(硫化亜鉛、硫化ストロンチウム、アルミン酸ストロンチウム等)等が挙げられる。顔料は、目的、用途に応じて、ロジン処理、界面活性剤処理、樹脂系分散剤処理、顔料誘導体処理、酸化皮膜処理、シリカコーティング、ワックスコーティングなどの表面処理がなされていてもよい。
顔料の数平均1次粒径は、顔料の種類に応じて、任意の適切な粒径とし得る。顔料の数平均1次粒径は、好ましくは100nm以下であり、より好ましくは50nm以下である。顔料の数平均1次粒径の下限は、例えば、10nmである。本発明においては、上記アルカリ可溶性樹脂を含有させることにより、顔料分散性が向上し、粒径の小さい顔料を使用することが可能となる。
顔料分散組成物を調製した直後の顔料の数平均2次粒径(初期粒径)は、好ましくは200nm以下であり、より好ましくは150nm以下であり、さらに好ましくは120nm以下であり、特に好ましくは100nm以下である。なお、粒径は動的光散乱式粒径分布測定装置を用いて測定することができる。
顔料分散組成物を調製し、40℃の環境下で7日間経過した後の顔料の数平均2次粒径の上記初期粒径に対する変化率(7日経過後の粒径/初期粒径)は、好ましくは150%以下であり、より好ましくは130%以下であり、さらに好ましくは110%以下であり、特に好ましくは105%以下であり、最も好ましくは100%未満である。該変化率の下限は、例えば、90%である。本発明においては、顔料分散の安定性に優れ、経時における顔料の凝集を効果的に抑制することができる。
顔料の含有割合は、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、好ましくは30重量部〜500重量部であり、より好ましくは80重量部〜450重量部であり、さらに好ましくは100重量部〜400重量部であり、特に好ましくは200重量部〜350重量部である。本発明においては、分散性よく顔料を添加することが可能であるため、顔料の含有割合を多くすることができる。顔料含有量が多い顔料分散組成物を用いれば、所望の特性を有しながらも、厚みの薄いカラーフィルターを形成することができる。
D.顔料分散剤
顔料分散剤(以下、単に分散剤ということもある)としては、任意の適切な顔料分散剤が用いられ得る。顔料分散剤としては、例えば、樹脂型分散剤(高分子分散剤)、界面活性剤(低分子分散剤)、色素誘導体等が挙げられる。
樹脂型分散剤としては、例えば、ポリウレタン、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水素基含有ポリカルボン酸エステル、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエステル系、変性ポリアクリレート、エチレンオキサイド/ポリプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
また、構造としては、主鎖が顔料への相互作用部位を有するアンカー鎖で、グラフト鎖が分散媒への相互作用性を有する相溶性鎖であるようなグラフト構造の樹脂や、アンカー鎖と相溶性鎖がブロック構造になっている樹脂が、特に好ましく用いられる。
界面活性剤としては具体的には、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物などのカチオン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤;等が挙げられる。
色素誘導体は官能基を色素に導入した構造の化合物であり、官能基としては、例えば、スルホン酸基、スルホンアミド基及びその4級塩、ジアルキルアミノ基、水酸基、カルボキシル基、アミド基、フタルイミド基等が挙げられ、母体となる色素の構造としては、例えば、アゾ系、アントラキノン系、キノフタロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリン系、ジオキサジン系、インダンスレン系、ペリレン系、ジケトピロロピロール系等が挙げられる。
顔料分散剤の含有割合は、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、好ましくは5重量部〜100重量部であり、より好ましくは10重量部〜70重量部であり、さらに好ましくは10重量部〜50重量部であり、特に好ましくは20重量部〜40重量部である。本発明においては、上記アルカリ可溶性樹脂を含有させることにより顔料の分散性を高めることができるため、顔料分散剤の含有割合を減らすことができる。顔料分散剤が少ない顔料分散組成物を用いれば、変色が防止されたカラーフィルターを形成することができる。また、顔料分散剤が少ない顔料分散組成物は、カラーフィルターの輝度向上に寄与し得る。
また、顔料分散剤の含有割合は、顔料100重量部に対して、好ましくは2重量部〜80重量部であり、より好ましくは5重量部〜60重量部であり、さらに好ましくは10重量部〜50重量部である。
E.溶剤
本発明の顔料分散組成物は、任意の適切な溶剤を含み得る。溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;クロロホルム、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。溶剤の量は、所望とする顔料分散組成物の粘度に応じて、任意の適切な量に設定され得る。例えば、溶剤は、顔料分散組成物中、50重量%〜90重量%の割合で含まれることが好ましく、60重量%〜90重量%の割合で含まれることがより好ましい。
F.添加剤
本発明の顔料分散組成物は、必要に応じて、任意の適切な添加剤を含み得る。添加剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、タルク、クレー、硫酸バリウム等の充填材、染料、消泡剤、カップリング剤、レベリング剤、増感剤、離型剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、重合抑制剤、増粘剤、分散剤、有機微粒子、無機微粒子(酸化亜鉛系、酸化ケイ素系、ジルコニア系、チタン系)、シリカ等の多孔質微粒子、シリカ等の中空微粒子等が挙げられる。
以下に、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。実施例における評価方法は以下のとおりである。
(1)重量平均分子量:Mw
GPC(HLC−8220GPC、東ソー社製)にてTHFを溶離液とし、カラムにTSKgel SuperHZM−N(東ソー社製)を用いて測定し、標準ポリスチレン換算にて算出した。
(2)固形分
製造例で調製した共重合体溶液をアルミカップに約0.3gはかり取り、アセトン約1gを加えて溶解させた後、常温で自然乾燥させた。その後、熱風乾燥機(商品名:PHH−101、エスペック株社製)を用い、140℃で3時間乾燥した後、デシケータ内で放冷し、重量を測定した。その重量減少量から、ポリマー溶液の固形分(樹脂)の重量を計算した。
(3)酸価
製造例で調製した共重合体溶液を1.5g精秤し、アセトン90gと水10gの混合溶媒に溶解させ、0.1NのKOH水溶液で滴定した。滴定は、自動滴定装置(商品名:COM−555、平沼産業社製)を用いて行い、固形分濃度から、ポリマー1g当たりの酸価を求めた(mgKOH/g)。
(4)顔料粒径
顔料分散組成物中の顔料の二次粒径(数基準、メジアン径)を動的光散乱式粒径分布測定装置(LB−500、堀場製作所製)により測定した。顔料分散組成物調製直後と40℃で7日間保存後の顔料粒径を比較し、変化率(40℃7日保存後の測定値/顔料分散組成物調製直後)を求めた。
(5)顔料分散組成物の粘度測定
顔料分散組成物の25℃での粘度をコーンプレート型回転粘度計(TVE22LT、東機産業製)により測定した。顔料分散組成物調製直後と40℃で7日間保存後の粘度を比較し、変化率(40℃7日保存後の測定値/顔料分散組成物調製直後)を求めた。
[製造例1]
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備した。他方、モノマー滴下槽中に、モノマー組成物として、ベンジルマレイミド(BzMI)15g、アクリル酸(AA)32g、1モルエトキシ化フェニルフェノールアクリレート(商品名「HRD−01」、日本蒸溜社製、以下HRD−01ともいう)53g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(商品名「パーブチル(登録商標)O」、日本油脂社製、以下PBOともいう)2g、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)42gおよびプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)18gを投入し、撹拌混合した。また、連鎖移動剤滴下槽中に、連鎖移動剤溶液として、ドデシルメルカプタン(nDM)2.0g、PGMEA18.2gおよびPGME7.8gを投入し、撹拌混合した。
反応槽にPGMEA98gとPGME42gを仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー組成物および連鎖移動剤溶液を滴下した。モノマー組成物および連鎖移動剤溶液は、それぞれ温度を90℃に保ちながら、180分間かけて滴下した。滴下が終了してから30分後にPBO0.5gを加えた。さらに30分後、反応槽を115℃に昇温した。1.5時間、115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=7/93(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、メタクリル酸グリシジル(GMA)41g、重合禁止剤として6−tert−ブチル−2,4−キシレノール(商品名「トパノール」、東京化成工業社製)0.3g、触媒としてジメチルベンジルアミン(DMBA)0.5gを仕込み、110℃で1時間、115℃で7時間反応させた。その後、室温まで冷却し、アルカリ可溶性樹脂(アクリル系樹脂)38.6重量%を含む共重合体溶液(A−1)を得た。アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は15000、酸価は70mgKOH/gであった。共重合体溶液の製造条件、固形分濃度、重量平均分子量(Mw)および酸価を、製造例2〜9とともに、表1に示す。
Figure 2017138503
[製造例2]
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備した。他方、モノマー滴下槽中に、モノマー組成物として、BzMI15g、AA21g、64gのHRD−01、PBO2g、PGMEA40gを投入し、撹拌混合した。また、連鎖移動剤滴下槽中に、連鎖移動剤溶液として、nDM0.5g、PGMEA10gを投入し、撹拌混合した。
反応槽にPGMEA100gを仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー組成物および連鎖移動剤溶液を滴下した。モノマー組成物および連鎖移動剤溶液は、それぞれ温度を90℃に保ちながら、180分間かけて滴下した。滴下が終了してから30分後にPBO0.5gを加えた。さらに30分後、反応槽を115℃に昇温した。1.5時間、115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=7/93(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、GMA14g、重合禁止剤としてトパノール0.3g、触媒としてDMBA0.5g、PGMEA21gを仕込み、110℃で1時間、115℃で7時間反応させた。その後、室温まで冷却し、アルカリ可溶性樹脂(アクリル系樹脂)39.4重量%を含む共重合体溶液(A−2)を得た。アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は27000、酸価は97mgKOH/gであった。共重合体溶液の製造条件、固形分濃度、重量平均分子量(Mw)および酸価を表1に示す。
[製造例3]
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備した。他方、モノマー滴下槽中に、モノマー組成物として、BzMI15g、AA42g、43gのHRD−01、PBO2g、PGMEA42gおよびPGME18gを投入し、撹拌混合した。また、連鎖移動剤滴下槽中に、連鎖移動剤溶液として、nDM2.0g、PGMEA18.2gおよびPGME7.8gを投入し、撹拌混合した。
反応槽にPGMEA98gとPGME42gを仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー組成物および連鎖移動剤溶液を滴下した。モノマー組成物および連鎖移動剤溶液は、それぞれ温度を90℃に保ちながら、180分間かけて滴下した。滴下が終了してから30分後にPBO0.5gを加えた。さらに30分後、反応槽を115℃に昇温した。1.5時間、115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=7/93(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、GMA41g、重合禁止剤としてトパノール0.3g、触媒としてDMBA0.5gを仕込み、110℃で1時間、115℃で7時間反応させた。その後、室温まで冷却し、アルカリ可溶性樹脂(アクリル系樹脂)38.5重量%を含む共重合体溶液(A−3)を得た。アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は16000、酸価は125mgKOH/gであった。共重合体溶液の製造条件、固形分濃度、重量平均分子量(Mw)および酸価を表1に示す。
[製造例4]
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備した。他方、モノマー滴下槽中に、モノマー組成物として、BzMI15g、AA42g、43gのHRD−01、PBO2g、PGMEA42gおよびPGME18gを投入し、撹拌混合した。また、連鎖移動剤滴下槽中に、連鎖移動剤溶液として、nDM2.0g、PGMEA18.2gおよびPGME7.8gを投入し、撹拌混合した。
反応槽にPGMEA98gとPGME42gを仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー組成物および連鎖移動剤溶液を滴下した。モノマー組成物および連鎖移動剤溶液は、それぞれ温度を90℃に保ちながら、180分間かけて滴下した。滴下が終了してから30分後にPBO0.5gを加えた。さらに30分後、反応槽を115℃に昇温した。1.5時間、115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=7/93(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、GMA69g、重合禁止剤としてトパノール0.3g、触媒としてDMBA0.5g、PGMEA19g、PGME8.5gを仕込み、110℃で1時間、115℃で8時間反応させた。その後、室温まで冷却し、アルカリ可溶性樹脂(アクリル系樹脂)39.0重量%を含む共重合体溶液(A−4)を得た。アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は18200、酸価は45mgKOH/gであった。共重合体溶液の製造条件、固形分濃度、重量平均分子量(Mw)および酸価を表1に示す。
[製造例5]
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備した。他方、モノマー滴下槽中に、モノマー組成物として、BzMI15g、AA32g、53gのHRD−01、PBO2g、PGMEA42gおよびPGME18gを投入し、撹拌混合した。また、連鎖移動剤滴下槽中に、連鎖移動剤溶液として、nDM5.0g、PGMEA18.2gおよびPGME7.8gを投入し、撹拌混合した。
反応槽にPGMEA98gとPGME42gを仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー組成物および連鎖移動剤溶液を滴下した。モノマー組成物および連鎖移動剤溶液は、それぞれ温度を90℃に保ちながら、180分間かけて滴下した。滴下が終了してから30分後にPBO0.5gを加えた。さらに30分後、反応槽を115℃に昇温した。1.5時間、115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=7/93(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、GMA41g、重合禁止剤としてトパノール0.3g、触媒としてDMBA0.5gを仕込み、110℃で1時間、115℃で7時間反応させた。その後、室温まで冷却し、アルカリ可溶性樹脂(アクリル系樹脂)38.5重量%を含む共重合体溶液(A−5)を得た。アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は10400、酸価は69mgKOH/gであった。共重合体溶液の製造条件、固形分濃度、重量平均分子量(Mw)および酸価を表1に示す。
[製造例6]
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備した。他方、モノマー滴下槽中に、モノマー組成物として、ジメチル−2、2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート(MD)15g、AA32g、53gのHRD−01、PBO2g、PGMEA42gおよびPGME18gを投入し、撹拌混合した。また、連鎖移動剤滴下槽中に、連鎖移動剤溶液として、nDM2.0g、PGMEA18.2gおよびPGME7.8gを投入し、撹拌混合した。
反応槽にPGMEA98gとPGME42gを仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー組成物および連鎖移動剤溶液を滴下した。モノマー組成物および連鎖移動剤溶液は、それぞれ温度を90℃に保ちながら、180分間かけて滴下した。滴下が終了してから30分後にPBO0.5gを加えた。さらに30分後、反応槽を115℃に昇温した。1.5時間、115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=7/93(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、GMA41g、重合禁止剤としてトパノール0.3g、触媒としてDMBA0.5gを仕込み、110℃で1時間、115℃で7時間反応させた。その後、室温まで冷却し、アルカリ可溶性樹脂(アクリル系樹脂)38.5重量%を含む共重合体溶液(A−6)を得た。アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は15200、酸価は70mgKOH/gであった。共重合体溶液の製造条件、固形分濃度、重量平均分子量(Mw)および酸価を表1に示す。
[製造例7]
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備した。他方、モノマー滴下槽中に、モノマー組成物として、(α−アリルオキシメチル)アクリル酸メチル(AMA)15g、AA32g、53gのHRD−01、PBO2g、PGMEA42gおよびPGME18gを投入し、撹拌混合した。また、連鎖移動剤滴下槽中に、連鎖移動剤溶液として、nDM2.0g、PGMEA18.2gおよびPGME7.8gを投入し、撹拌混合した。
反応槽にPGMEA98gとPGME42gを仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー組成物および連鎖移動剤溶液を滴下した。モノマー組成物および連鎖移動剤溶液は、それぞれ温度を90℃に保ちながら、180分間かけて滴下した。滴下が終了してから30分後にPBO0.5gを加えた。さらに30分後、反応槽を115℃に昇温した。1.5時間、115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=7/93(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、GMA41g、重合禁止剤としてトパノール0.3g、触媒としてDMBA0.5gを仕込み、110℃で1時間、115℃で7時間反応させた。その後、室温まで冷却し、アルカリ可溶性樹脂(アクリル系樹脂)38.6重量%を含む共重合体溶液(A−7)を得た。アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は14900、酸価は71mgKOH/gであった。共重合体溶液の製造条件、固形分濃度、重量平均分子量(Mw)および酸価を表1に示す。
[製造例8]
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備した。他方、モノマー滴下槽中に、モノマー組成物として、BzMI15g、AA32g、50gのHRD−01、メトキシポリエチレングリコール(400)アクリレート(商品名「ライトアクリレート130A」共栄社化学社製、エチレンオキサイドモル数n=9、以下130Aともいう)3g、PBO2g、PGMEA42gおよびPGME18gを投入し、撹拌混合した。また、連鎖移動剤滴下槽中に、連鎖移動剤溶液として、nDM2.0g、PGMEA18.2gおよびPGME7.8gを投入し、撹拌混合した。
反応槽にPGMEA98gとPGME42gを仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー組成物および連鎖移動剤溶液を滴下した。モノマー組成物および連鎖移動剤溶液は、それぞれ温度を90℃に保ちながら、180分間かけて滴下した。滴下が終了してから30分後にPBO0.5gを加えた。さらに30分後、反応槽を115℃に昇温した。1.5時間、115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=7/93(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、GMA41g、重合禁止剤としてトパノール0.3g、触媒としてDMBA0.5gを仕込み、110℃で1時間、115℃で7時間反応させた。その後、室温まで冷却し、アルカリ可溶性樹脂(アクリル系樹脂)38.7重量%を含む共重合体溶液(A−8)を得た。アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は14800、酸価は71mgKOH/gであった。共重合体溶液の製造条件、固形分濃度、重量平均分子量(Mw)および酸価を表1に示す。
[製造例9]
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備した。他方、モノマー滴下槽中に、モノマー組成物として、AA32g、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)68g、PBO2g、PGMEA42gおよびPGME18gを投入し、撹拌混合した。また、連鎖移動剤滴下槽中に、連鎖移動剤溶液として、nDM2.0g、PGMEA18.2gおよびPGME7.8gを投入し、撹拌混合した。
反応槽にPGMEA98gとPGME42gを仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー組成物および連鎖移動剤溶液を滴下した。モノマー組成物および連鎖移動剤溶液は、それぞれ温度を90℃に保ちながら、180分間かけて滴下した。滴下が終了してから30分後にPBO0.5gを加えた。さらに30分後、反応槽を115℃に昇温した。1.5時間、115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=7/93(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、GMA41g、重合禁止剤としてトパノール0.3g、触媒としてDMBA0.5gを仕込み、110℃で1時間、115℃で7時間反応させた。その後、室温まで冷却し、アルカリ可溶性樹脂(アクリル系樹脂)38.8重量%を含む共重合体溶液(A−9)を得た。アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は15500、酸価は72mgKOH/gであった。共重合体溶液の製造条件、固形分濃度、重量平均分子量(Mw)および酸価を表1に示す。
[実施例1]
上記共重合体溶液(A−1)9.07g(すなわち、アルカリ可溶性樹脂3.5g)、分散剤(ビックケミ―・ジャパン社製、商品名「DISPERBYK-2001」、不揮発分1.3g;以下、byk2001と表す)2.83g、顔料(チバスペシャリティケミカルズ製、商品名「C.I.ピグメントレッド254」;以下、PR254と表す)8.0gを混合した。得られた混合物を、不揮発分濃度が20重量%となるようPGMEAで希釈し、顔料分散組成物R1を得た。得られた顔料分散組成物R1を上記評価(4)および(5)に供した。結果を表2に示す。
[実施例2〜8、比較例1]
上記共重合体溶液(A−1)に代えて、表2に示す共重合体溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、顔料分散組成物R2〜R9を得た。いずれの実験例においても、共重合体溶液は、添加されるアルカリ可溶性樹脂が3.5gとなるようにして用いた。得られた顔料分散組成物R2〜9を上記評価(4)および(5)に供した。結果を表2に示す。
Figure 2017138503
[実施例9]
顔料「PR254」8gに代えて、顔料(Heubach社製、商品名「C.I.ピグメントグリーン36」;以下、PG36と表す)4.8gと顔料(Lanxess社製、商品名「C.I.ピグメントイエロー150」;以下、PY150)3.2gとの混合物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、顔料分散組成物G1を得た。得られた顔料分散組成物G1を上記評価(4)および(5)に供した。結果を表3に示す。
[実施例10〜16、比較例2]
上記共重合体溶液(A−1)に代えて、表3に示す共重合体溶液を用いたこと以外は、実施例9と同様にして、顔料分散組成物G2〜G9を得た。いずれの実験例においても、共重合体溶液は、添加されるアルカリ可溶性樹脂が3.5gとなるようにして用いた。得られた顔料分散組成物G2〜9を上記評価(4)および(5)に供した。結果を表3に示す。
Figure 2017138503
[実施例17]
顔料「PR254」8gに代えて、顔料(Clariant社製、商品名「C.I.ピグメントバイオレット23」;以下、PV23と表す)1.6gと顔料(BASF社製、商品名「C.I.ピグメントブルー15:6」;以下、PB15:6と表す)6.4gとの混合物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、顔料分散組成物B1を得た。得られた顔料分散組成物B1を上記評価(4)および(5)に供した。結果を表4に示す。
[実施例18〜24、比較例3]
上記共重合体溶液(A−1)に代えて、表4に示す共重合体溶液を用いたこと以外は、実施例17と同様にして、顔料分散組成物B2〜B8およびB11を得た。いずれの実験例においても、共重合体溶液は、添加されるアルカリ可溶性樹脂が3.5gとなるようにして用いた。得られた顔料分散組成物B2〜B8およびB11を上記評価(4)および(5)に供した。結果を表4に示す。
[実施例25〜26、比較例4]
上記共重合体溶液(A−1)に代えて、表4に示す共重合体溶液を用い、分散剤「byk2001」2.83gに代えて、分散剤(ビックケミ―・ジャパン社製、商品名「DISPERBYK-2000」、不揮発分1.3g;以下、byk2000と表す)3.25gを用いたこと以外は、実施例17と同様にして、顔料分散組成物B9〜10およびB12を得た。いずれの実験例においても、共重合体溶液は、添加されるアルカリ可溶性樹脂が3.5gとなるようにして用いた。得られた顔料分散組成物B9〜B10およびB12を上記評価(4)および(5)に供した。結果を表4に示す。
Figure 2017138503
表2〜4から明らかなように、本願発明の顔料分散組成物は、顔料の分散性およびその安定性に優れる。

Claims (9)

  1. アルカリ可溶性樹脂と、顔料と、顔料分散剤とを含み、
    該アルカリ可溶性樹脂が、主鎖に環構造を有する構成単位と、側鎖にビフェニル基を有する構成単位とを含む、
    カラーフィルター用顔料分散組成物。
  2. 前記アルカリ可溶性樹脂が、(メタ)アクリル系樹脂である、請求項1に記載のカラーフィルター用顔料分散組成物。
  3. 前記主鎖に環構造を有する構成単位が、一般式(1)〜(7)で表される構成単位から選ばれる少なくとも1種である、請求項1または2に記載のカラーフィルター用顔料分散組成物:
    Figure 2017138503
    式(4)〜(7)中、R、R、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数が1〜30の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基である。
  4. 前記側鎖にビフェニル基を有する構成単位が、一般式(10)または(11)で表されるモノマー由来の構成単位である、請求項1から3のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散組成物:
    Figure 2017138503
    式(11)中、n1は1〜10である。
  5. 前記アルカリ可溶性樹脂が、側鎖に酸基を有する構成単位を含む、請求項1から4のいずいれかに記載のカラーフィルター用顔料分散組成物。
  6. 前記アルカリ可溶性樹脂が、側鎖に2以上のオキシアルキレン基を有する構成単位を含む、請求項1から5のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散組成物。
  7. 前記アルカリ可溶性樹脂が、側鎖に炭素二重結合を有する構成単位を含む、請求項1から6のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散組成物。
  8. 前記顔料の含有割合が、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、30重量部〜500重量部である、請求項1から7のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散組成物。
  9. 前記顔料分散剤の含有割合が、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、5重量部〜100重量部である、請求項1から8のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散組成物。
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