JP2015140435A - 硬化性樹脂組成物及びその用途 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アルカリ可溶性樹脂、多官能性化合物、有機無機ハイブリッド材料及び重合開始剤を含む硬化性樹脂組成物であって、上記アルカリ可溶性樹脂は、芳香環を有する重合体である硬化性樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明はまた、上記硬化性樹脂組成物により形成される硬化膜でもある。
本発明は更に、上記硬化膜を有する表示装置用部材でもある。
本発明はそして、上記硬化膜を有する表示装置でもある。
〔硬化性樹脂組成物〕
本発明の硬化性樹脂組成物(単に「樹脂組成物」とも称す)は、特定のアルカリ可溶性樹脂と、多官能性化合物と、有機無機ハイブリッド材料と、重合開始剤とを含むが、これら含有成分は、それぞれ1種又は2種以上を使用することができる。また、必要に応じて、更に、他の成分を1種又は2種以上含んでいてもよい。
<アルカリ可溶性樹脂>
上記硬化性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂を含み、該アルカリ可溶性樹脂は、芳香環を有する重合体である。さらに主鎖に環構造を有する重合体であることが好ましい。アルカリ可溶性樹脂として芳香環を有する重合体を用いると、有機無機ハイブリッド材料と芳香環を有する重合体との親和性が高くなるなどに起因して相溶性が大幅に改善される。また、主鎖に環構造を有する重合体の場合、耐熱性(特に耐熱着色性)や表面硬度、密着性に優れ、また、例えば、ポストベイク(post-bake;熱処理)後の成膜状態も良好であり、経時変化がより抑制されて各種物性を安定して発現できる硬化物を得ることができる。
重合体溶液をアルミカップに約0.3g量り取り、アセトン約1gを加えて溶解させた後、常温で自然乾燥させる。そして、熱風乾燥機(エスペック社製、商品名「PHH−101」)を用い、140℃で3時間乾燥した後、デシケータ内で放冷し、質量を測定する。その質量減少量から、重合体溶液の固形分濃度を算出する。
なお、使用される各単量体は、それぞれ1種又は2種以上を使用することができる。
上述の単量体単位を含む樹脂(重合体)とは、例えば、単量体の重合反応や架橋反応によって当該単量体由来の構成単位を含む樹脂を意味する。
N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類;ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリシロキサン、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクタム等の重合体分子鎖の片末端に(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー類;1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の共役ジエン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルモルフォリン、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニル化合物類;(メタ)アクリル酸イソシアナトエチル、アリルイソシアネート等の不飽和イソシアネート類等。
また上記単量体成分を重合して得られる重合体の分子量は、重合開始剤の量や種類、重合温度、連鎖移動剤の種類や量の調整等により制御することができる。
メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール等のモノアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシブタノール等のグリコールモノエーテル類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のグリコールモノエーテルのエステル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のアルキルエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;等。
上記硬化性樹脂組成物は、2官能以上の多官能性化合物(単に「多官能性化合物」とも称す)を含む。本発明において多官能性化合物とは、1分子中に2個以上の官能基を有する化合物である。このような化合物を含むことで、硬化性樹脂組成物が感光性及び硬化性に優れたものとなり、極めて高硬度の硬化膜を得ることが可能になる。なお、2個以上の官能基は、同じ官能基であってもよいが、異なる官能基でもよい。
上記官能基としては、例えば、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、イソシアナト基、水酸基、酸無水物基、オキサゾリン基等が挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリロイル基が好適である。すなわち上記多官能性化合物は、1分子中に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物であることが好適であり、例えば、多官能(メタ)アクリレート化合物、多官能ウレタン(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリロイル基含有イソシアヌレート化合物等を用いることが好ましい。より好ましくは、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(以下、「多官能(メタ)アクリレート化合物とも称す」)であり、これにより、より一層高硬度で高透明性の硬化物を得ることが可能になる。
−多官能(メタ)アクリレート化合物−
上記多官能(メタ)アクリレート化合物が有する(メタ)アクリロイル基の数は、3以上であることが好ましい。このように上記多官能性化合物は、3官能以上の多官能(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましく、これにより、感光性及び硬化性がより高められ、硬度及び透明性をより向上することができる。より好ましくは4以上、更に好ましくは5以上である。また、硬化収縮をより抑制する観点から、10以下が好ましく、より好ましくは8以下、更に好ましくは6以下である。
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAアルキレンオキシドジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFアルキレンオキシドジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレート化合物;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能(メタ)アクリレート化合物;等。
−他の多官能性化合物−
上記多官能性化合物としてはまた、多官能ビニルエーテル化合物、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリレート化合物、多官能アリルエーテル化合物、アリル基含有(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリロイル基含有イソシアヌレート化合物、多官能アリル基含有イソシアヌレート化合物、多官能ウレタン(メタ)アクリレート化合物、多官能芳香族ビニル化合物等を使用することもできる。
上記(メタ)アクリロイル基含有イソシアヌレート化合物としては、例えば、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、アルキレンオキシド付加トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、アルキレンオキシド付加トリ(メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
上記多官能ウレタン(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の多官能イソシアネートと、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類との反応で得られる化合物等が挙げられる。
上記多官能芳香族ビニル化合物としては、例えば、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
<有機無機ハイブリッド材料(充填剤)>
上記硬化性樹脂組成物はまた、充填剤として有機無機ハイブリッド材料を含む。本発明において、有機無機ハイブリッド材料は、主として、有機高分子などの樹脂を主成分とする有機部と、シリカを主成分とする無機部と、を有する。より詳しくは、ポリシロキサン(オリゴマー又はポリマー)と有機ポリマー又は有機基とからなる有機無機ハイブリッド材料である。アルコキシシリル基含有化合物であることが好ましい。
ここでいう金属には、ケイ素等のいわゆる半金属も含むものとする。金属として具体的には、例えば、ケイ素、チタン、ジルコニウム、カルシウム、バリウム、アルミニウム等の1種又は2種以上が好適である。
<重合開始剤>
上記硬化性樹脂組成物はまた、重合開始剤を含む。熱ラジカル開始剤や熱酸発生剤などの熱重合開始剤、光ラジカル開始剤や光酸発生剤などの光重合開始剤を使用することができる。なかでも光重合開始剤が好ましい。これにより、上記樹脂組成物の感度や硬化性をより向上することが可能になる。このように上記硬化性樹脂組成物が、更に光重合開始剤を含む形態は、本発明の好適な形態の1つである。
2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル〕フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−〔(4−メチルフェニル)メチル〕−1−〔4−(4−モルホリニル)フェニル〕−1−ブタノン等のアルキルフェノン系化合物;ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン系化合物;チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;
2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシカルボニルナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロメチル化トリアジン系化合物;2−トリクロロメチル−5−(2’−ベンゾフリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−〔β−(2’−ベンゾフリル)ビニル〕−1,3,4−オキサジアゾール、4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−フリル−1,3,4−オキサジアゾール等のハロメチル化オキサジアゾール系化合物;2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール等のビイミダゾール系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、エタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル系化合物;ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等のチタノセン系化合物;p−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジエチルアミノ安息香酸等の安息香酸エステル系化合物;9−フェニルアクリジン等のアクリジン系化合物等。
<反応性化合物>
上記硬化性樹脂組成物は、他の反応性化合物を含んでもよい。反応性化合物は、エポキシ基、オキセタニル基及びブロックイソシアネート基からなる群より選択される少なくとも1種の反応性官能基を有する化合物等が好ましい。このような反応性化合物を含むことにより、硬化物において、優れた表面硬度と低誘電率化とを両立できる。
<カップリング剤>
上記硬化性樹脂組成物はまた、カップリング剤を含むことが好適である。カップリング剤は、無機物の酸化表面と加水分解反応や縮合反応をすることによって結合するという性質を有するものであるが、この性質を利用して、例えばITO等が蒸着された基板等への密着性をより充分に発揮させることが可能になる。このように上記硬化性樹脂組成物が、更にカップリング剤を含む形態は、本発明の好適な形態の1つである。
なお、ケイ素以外の金属を中心金属として有するカップリング剤としては、例えば、ジルコアルミネート系カップリング剤、チタネート系カップリング剤等が挙げられる。
上記(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上記エポキシ基を有するシランカップリング剤として具体的には、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記メルカプト基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記イソシアナート基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
<他の成分>
−溶剤−
上記硬化性樹脂組成物はまた、溶剤を含むことが好適である。溶剤は、希釈剤等として好ましく使用される。すなわち具体的には、粘度を下げ取扱い性を向上する;乾燥により塗膜を形成する;色材の分散媒とする;等のために好適に使用されるものであり、硬化性樹脂組成物中の各含有成分を溶解又は分散することができる、低粘度の有機溶媒である。
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のグリコールモノエーテルのエステル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のアルキルエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;等。
−フッ素系添加剤−
上記硬化性樹脂組成物はまた、硬化性をより一層向上させる観点から、1種又は2種以上のフッ素系添加剤(フッ素添加剤とも称す)を含んでもよい。なお、フッ素系添加剤は、レベリング剤としての機能も有する。
なお、HLB値は、例えば、グリフィン法、デイビス法で求められる。
なお、フッ素含有量は、例えば、イオンクロマトグラフ法にて定量できる。
以下、これらの含有成分について説明する。
−多官能性化合物以外の重合性単量体−
上記重合性単量体(重合性化合物とも称す)とは、上述した多官能性化合物以外の化合物であって、フリーラジカル、電磁波(例えば、赤外線、紫外線、X線等)、電子線等の活性エネルギー線の照射等により重合し得る、重合性不飽和結合(重合性不飽和基とも称す)を有する低分子化合物である。例えば、重合性不飽和基を分子中に1つ有する単官能の化合物が挙げられる。
上記単官能の重合性単量体としては、例えば、上記(メタ)アクリレート系重合体の単量体成分に好ましく含有される他の単量体として例示した化合物のうち、N置換マレイミドや(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリルアミド類;不飽和モノカルボン酸類;不飽和多価カルボン酸類;不飽和基とカルボキシル基の間が鎖延長されている不飽和モノカルボン酸類;不飽和酸無水物類;芳香族ビニル類;共役ジエン類;ビニルエステル類;ビニルエーテル類;N−ビニル化合物類;不飽和イソシアネート類;等が挙げられる。
−色材−
上記色材としては、例えば、顔料や染料が好適に使用される。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、顔料と染料とを組み合わせてもよい。例えば、カラーフィルターの赤色、青色、緑色画素を形成する場合、青と紫、緑と黄等、色材を組み合わせて求める色特性を発揮させる手法が好適に使用される。また、ブラックマトリックスを形成する場合にも黒の色材を用いて形成することができる。
上記顔料及び染料の中でも、例えば耐久性の点では、顔料(例えば有機顔料又は無機顔料)が優れ、また、例えばパネル等の輝度向上の点では染料が優れることから、求められる特性に応じて適宜これらを選択又は併用すればよい。なお、顔料の中でもより好ましくは有機顔料である。
−分散剤−
上記分散剤とは、色材への相互作用部位と分散媒(例えば溶剤やバインダー樹脂)への相互作用部位とを有し、色材の分散媒への分散を安定化する働きを持つものであり、一般的には、樹脂型分散剤(例えば高分子分散剤)、界面活性剤(例えば低分子分散剤)、色素誘導体に分類される。本発明の硬化性樹脂組成物は、色材とともに分散剤を含むことが好適である。なお、分散剤(すなわち、樹脂型分散剤、界面活性剤及び/又は色素誘導体)としては、通常使用される分散剤を使用することができる。また、分散剤として、1種のものを単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また上記樹脂型分散剤の構造としては、主鎖が色材への相互作用部位を有するアンカー鎖で、グラフト鎖が分散媒への相互作用性を有する相溶性鎖であるようなグラフト構造の樹脂や、アンカー鎖と相溶性鎖がブロック構造になっている樹脂が、特に好ましく用いられる。
上記色素誘導体とは、官能基を色素に導入した構造の化合物であり、官能基としては、例えば、スルホン酸基、スルホンアミド基及びその4級塩、ジアルキルアミノ基、水酸基、カルボキシル基、アミド基、フタルイミド基等が挙げられる。母体となる色素の構造としては、例えば、アゾ系、アントラキノン系、キノフタロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリン系、ジオキサジン系、インダンスレン系、ペリレン系、ジケトピロロピロール系等が挙げられる。
−耐熱向上剤−
上記耐熱向上剤は、耐熱性や強度の向上のために好ましく使用される。耐熱向上剤としては、例えば、N−(アルコキシメチル)メラミン化合物、2個以上のエポキシ基やオキセタニル基を有する化合物等が好適である。特に、上記硬化性樹脂組成物を、フォトスペーサー用レジスト、保護膜用透明レジストや層間絶縁膜用レジストとして使用する場合には、これらの使用が好ましい。
−レベリング剤−
上記レベリング剤は、レベリング性向上のために好ましく使用される。レベリング剤としては、フッ素系、シリコン系の界面活性剤が好ましく、中でも、上述したフッ素系添加剤が好適である。
−現像助剤−
上記現像助剤は、現像性向上のために好ましく使用される。現像助剤としては、例えば、(メタ)アクリル酸、酢酸、プロピオン酸等のモノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、コハク酸、テトラヒドロフタル酸、トリメリット酸等の多価カルボン酸類;無水マレイン酸、無水コハク酸、テトラヒドロフタル酸無水物、トリメリット酸無水物等のカルボン酸無水物類;等が好適である。
<硬化性樹脂組成物の製造方法>
上記硬化性樹脂組成物の製造方法としては特に限定されず、例えば、上述した含有成分を、各種の混合機や分散機を用いて混合分散することによって調製することができる。
ここで、上記有機無機ハイブリッド材料を用いる場合は、有機無機ハイブリッド材料を有機溶媒(分散媒)に分散させて、有機溶媒分散体を得た後、該分散体を、アルカリ可溶性樹脂、多官能性化合物、重合開始剤及び必要に応じて含有される他の成分と混合することにより、硬化性樹脂組成物を得ることが好ましい。これにより、本発明の作用効果がより一層発揮される。
上記色材の分散処理工程としては、例えば、まず、色材(好ましくは有機顔料)、分散剤及び溶剤を各所定量秤量し、ペイントコンディショナー、ビーズミル、ロールミル、ボールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ニーダー、ブレンダー等の分散機を用い、色材を微粒子分散させて液状の色材分散液(ミルベースとも称す)とする手法が挙げられる。好ましくは、ロールミル、ニーダー、ブレンダー等で混練分散処理をしてから、0.01〜1mmのビーズを充填したビーズミル等のメディアミルで微分散処理をする。得られたミルベースに、別途攪拌混合しておいた、有機無機ハイブリッド材料(又はその有機溶媒分散体)、アルカリ可溶性樹脂、多官能性化合物、重合開始剤及び必要に応じて溶剤やレベリング剤等を含む組成物(好ましくは透明液)を加えて混合、均一な分散溶液とし、硬化性樹脂組成物を得ることができる。
なお、得られた硬化性樹脂組成物は、フィルター等によって、濾過処理をして微細なゴミを除去するのが好ましい。
〔硬化膜〕
次に、本発明の硬化性樹脂組成物を用いて形成される硬化膜について説明する。
本発明の硬化性樹脂組成物は、活性エネルギー光線を照射(露光)することや熱により、硬化膜を形成することができる。具体的には、例えば、基板(基材とも称す)上に上記硬化性樹脂組成物を塗布して乾燥させ、その塗布面に活性エネルギー光線を照射(露光)することにより、硬化膜を形成することが好ましい。このように上記硬化性樹脂組成物により形成される硬化膜もまた、本発明の1つである。また、上記硬化性樹脂組成物は、レジスト材料として好適に用いられることから、上記硬化性樹脂組成物により形成される硬化膜がレジスト硬化膜である形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。
なお、活性エネルギー光線の照射工程では、用途によっては、所定のマスクパターンを介して活性エネルギー光線を照射することとしてもよい。この場合、露光部が硬化し、硬化部が現像液に対して不溶化又は難溶化されることになる。
上記現像工程における現像処理は、通常、10〜50℃の現像温度で、浸漬現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像等の方法で行うことができる。なお、現像液としてアルカリ性水溶液を用いる場合には、現像後、水で洗浄することが好ましい。
上記現像液として好適な有機溶媒としては、例えば、エーテル系溶媒やアルコール系溶媒等が挙げられる。具体的には、例えば、ジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、トリエチレングリコールジアルキルエーテル類、アルキルフェニルエーテル類、アラルキルフェニルエーテル類、ジ芳香族エーテル類、イソプロパノール、ベンジルアルコール等が挙げられる。
上記アルカリ剤としては、例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機のアルカリ剤;トリメチルアミン、ジエチルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等のアミン類が挙げられ、これらは単独でも2種以上を組み合わせてもよい。
〔硬化性樹脂組成物の用途等〕
本発明の硬化性樹脂組成物は、上述したように相溶性が良好であり、特に電気特性、表面硬度及び耐熱着色性に優れるうえ、現像性や基板との密着性にも優れる硬化物(硬化膜)を与えるものである。
したがって、このような硬化性樹脂組成物から形成される硬化物(硬化膜)は、例えば、液晶表示装置や固体撮像素子、タッチパネル式表示装置等の各種表示装置の構成部材の他、インキ、印刷版、プリント配線板、半導体素子、フォトレジスト等、各種の光学部材や電機・電子機器等の種々様々な用途に好ましく使用される。中でも、液晶表示装置や固体撮像素子等に用いられるカラーフィルタや、タッチパネル式表示装置に用いることが好適であり、特に、上記硬化性樹脂組成物を用いて、これら各種表示装置における保護膜(カラーフィルタ用保護膜、タッチパネル式表示装置用保護膜等)や、絶縁膜(タッチパネル式表示装置用絶縁膜等)を形成することが好適である。これにより、近年の高性能化の要望に充分に対応できる程度に各種表示装置の表示品位や撮像品位の信頼性を充分に高めることができる。このように上記硬化性樹脂組成物が保護膜又は絶縁膜形成用の硬化性樹脂組成物である形態、上記硬化膜が保護膜又は絶縁膜である形態、及び、上記硬化膜がタッチパネル用硬化膜である形態もまた、本発明の好適な形態に含まれる。また、上記硬化性樹脂組成物により形成される硬化膜、該硬化膜を有する表示装置用部材及び該硬化膜を有する表示装置は、本発明に含まれる。
なお、上記表示装置用部材は、上記硬化膜から構成されるフィルム状の単層又は多層の部材であってもよいし、該単層又は多層の部材に更に他の層が組み合わされた部材であってもよいし、また、上記硬化膜を構成中に含む部材(例えば、カラーフィルタ等)であってもよい。
以下の合成例や調製例等において、各種物性等は以下のようにして測定した。
〔樹脂溶液(アルカリ可溶性樹脂)の物性〕
<重量平均分子量(Mw)>
ポリスチレンを標準物質とし、テトラヒドロフランを溶離液としてHLC−8220GPC(東ソー社製)、カラム TSKgel SuperHZM−M(東ソー社製)によるGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法にて重量平均分子量を測定した。
<酸価>
樹脂溶液1.5gを精秤し、アセトン90g/水10g混合溶媒に溶解し、0.1規定のKOH水溶液を滴定液として用いて、自動滴定装置(平沼産業社製、商品名「COM−555」)により、樹脂溶液の酸価を測定し、溶液の酸価と溶液の固形分から固形分1g当たりの酸価を求めた。
<固形分濃度>
重合体溶液をアルミカップに約0.3g量り取り、アセトン約1gを加えて溶解させた後、常温で自然乾燥させた。そして、熱風乾燥機(エスペック社製、商品名「PHH−101」)を用い、140℃で3時間乾燥した後、デシケータ内で放冷し、質量を測定した。その質量減少量から、重合体溶液の固形分濃度(NV、質量%)を計算した。
〔塗膜物性〕
ガラスに、厚み140nmでITO(Indium Tin Oxide)が蒸着されたITO基板を用意した。このITO基板に得られた樹脂組成物をスピンコート法により塗布し、加熱処理(90℃、3分間)した後、2.0kWの超高圧水銀ランプを装着したUVアライナ(TOPCON社製、商品名「TME−150RNS」)によって60mJ/cm2(365nm照度換算)の露光量で露光を行い、加熱処理(230℃30分間)を行った。この得られた塗布膜を用いて、誘電率の測定を行った。
<誘電率>
5cm角のITO蒸着ガラス基板に、乾燥後の厚み1.5μmとなるように樹脂組成物をスピンコート法により塗布し、加熱処理(90℃3分間)した後、2.0kWの超高圧水銀ランプを装着したUVアライナ(TOPCON社製、商品名「TME−150RNS」)によって60mJ/cm2(365nm照度換算)の露光量で露光を行い、加熱処理(230℃30分間)を行った。更に、表面に金(Au)を、厚み40nm、一辺0.5cmの正方形のパターンとなるように蒸着して電極を形成し評価用サンプル(厚さ1.5μmの硬化膜)を得た。このサンプルの静電容量を、インピーダンスアナライザ4294A(アジレントテクノロジー社製)を用い、膜厚の値から計算により誘電率を求めた。
〔樹脂溶液の合成〕
まず樹脂組成物に含まれるアルカリ可溶性樹脂として、樹脂溶液(No.A−1)の合成を行った。
合成例1(A−1の合成)
反応槽としての冷却管付きセパラブルフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)76.3部、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)19.1部を仕込み、窒素雰囲気下にて90℃に昇温した後、滴下系1としてベンジルマレイミド(BzMI)8.6部、メタクリル酸(MAA)17.2部、ベンジルアクリレート(BzA)60部、PGMEA6.9部、PGME1.7部、パーブチルO(商品名、日本油脂社製)1.7部、滴下系2としてn−ドデシルメルカプタン(n−DM)3.8部、PGMEA44.6部、PGME11.1部をそれぞれ3時間かけて連続的に供給した。その後30分90℃を保持した後、温度を115℃まで昇温し、1.5時間重合を継続した。次いで、この反応液にメタクリル酸グリシジル(GMA)14.2部、触媒としてトリエチルアミン(TEA)0.30部、重合禁止剤としてアンテージW−400(商品名、川口化学工業社製)0.15部を追加し、窒素、酸素混合ガス(酸素濃度7%)をバブリングしながら110℃1時間、115℃7時間反応を継続することで樹脂溶液A−1を得た。得られた樹脂溶液A−1について、各種物性(重量平均分子量、固形分当たりの酸価)を測定した。結果を表1に示す。
合成例2〜4(A−2〜A−4の合成)
単量体成分の種類及び配合量を表1に示すとおりに変更したこと以外は、合成例1と同様にして、樹脂溶液A−2〜A−4を得た。得られた各樹脂溶液について、合成例1と同様に各種物性を測定した。結果を表1に示す。
BzMI:ベンジルマレイミド
CHMI:シクロヘキシルマレイミド
BzA:ベンジルアクリレート
CHA:アクリル酸シクロヘキシル(シクロヘキシルアクリレート)
MAA:メタクリル酸
GMA:メタクリル酸グリシジル(グリシジルメタクリレート)
Mw:最終的に得られた重合体の重量平均分子量
〔樹脂組成物の調製及び塗膜の評価試験〕
実施例1
固形分換算で、樹脂溶液A−1を22.5部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)22.5部、コンポセランAC−601(商品名、荒川化学社製)45部、シランカップリング剤としてKBM503(商品名、信越シリコーン社製)10部、光重合開始剤としてイルガキュア907(BASF社製)8部、フッ素添加剤としてF−554(DIC社製)0.2部、重合禁止剤としてアンテージW−400(川口化学工業社製)0.5部、更に希釈溶媒(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート;PGMEA)を固形分濃度25%となるように加え、攪拌することで樹脂組成物g−1を得た。得られた樹脂組成物g−1について、塗布膜(塗膜)の物性を評価した。
結果を表2に示す。
実施例2〜4及び比較例1〜4
表2に示す配合比率で表2に示す原料を用い、実施例1と同様の操作にて各樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の各々について、上述した評価方法に従って塗膜(塗布膜)の物性を評価した。結果を表2に示す。
表2における略称は以下の通りである。表2の各原料の配合量は、固形分量であり、表2では希釈溶媒(PGMEA)を用いたことを省略している。
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名、共栄社化学社製)
AC601:有機無機ハイブリッド樹脂、コンポセランAC601(荒川化学社製)
TOL−ST:シリカ微粒子―溶媒トルエン(日産化学工業社製)
IRGACURE907:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
KBM503:2−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(商品名、信越シリコーン社製)
アンテージW−400:フェノール系酸化防止剤(商品名、川口化学工業社製)
F−554:含フッ素基・親油性基含有オリゴマー(ノニオン性、商品名「メガファックF−554」、DIC社製)
実施例及び比較例より、以下の点が確認された。
(1)実施例1と比較例1、実施例2と比較例2との対比
実施例1の樹脂組成物g−1は、比較例1の樹脂組成物h−1の含有成分であるシリカ微粒子を有機無機ハイブリッド材料(コンポセランAC601)に置き換えた構成からなる。
実施例2の樹脂組成物g−2は、比較例2の樹脂組成物h−2の含有成分であるシリカ微粒子を有機無機ハイブリッド材料(コンポセランAC601)に置き換えた構成からなる。また、樹脂について実施例2では芳香環を有するBzAを共重合しており、比較例2は芳香環ではなく脂環構造を有するCHAを共重合しているものである。実施例1と比較例1との物性結果を対比すると、樹脂組成物g−1から得た硬化膜では、樹脂組成物h−1から得た硬化膜に比較して、誘電率が低下するとともに耐熱着色性の向上が確認された。同様の結果が、実施例2と比較例2とにおいても確認された。したがって、有機無機ハイブリッド材料と芳香環を有する重合体を配合した相溶性の良好な樹脂組成物を用いることで低誘電率と耐熱着色性とを両立できることが明らかとなった。
(2)実施例2と比較例4との対比
実施例2の樹脂組成物g−2と、比較例4の樹脂組成物h−4とは、アルカリ可溶性樹脂のみが相違する。具体的にいうと、実施例2では、アルカリ可溶性樹脂として芳香環を有するBzMIとBzAを共重合しているのに対し、比較例4で用いたアルカリ可溶性樹脂は、芳香環を有さない重合体である。実施例2と比較例4との物性結果を対比すると、樹脂組成物g−2から得た硬化膜では、樹脂組成物h−4から得た硬化膜に比較して、硬化膜の状態が良好で透明性が高いものであった。したがって、アルカリ可溶性樹脂として芳香環を有する重合体を用いることにより、有機無機ハイブリッド材料(コンポセランAC601)との相溶性が向上できることが明らかとなった。
(3)実施例2と比較例2と比較例3との対比
実施例2の樹脂組成物g−2は、充填剤として有機無機ハイブリッド材料であるコンポセランAC601を配合し、比較例2の樹脂組成物h−2は、充填剤としてシリカ微粒子を配合し、比較例3の樹脂組成物h−3は充填剤を配合していないものである。これらの硬化膜の物性結果より、硬化膜の誘電率を低下させるためには充填剤を配合する方が良く、充填剤として有機無機ハイブリッド材料を用いる方が低誘電率化において効果が大きいことを確認できた。
(4)実施例1と実施例3との対比
実施例1の樹脂組成物g−1と、実施例3の樹脂組成物g−3とは、アルカリ可溶性樹脂が相違する。具体的にいうと、実施例1では、BzMIを共重合している主鎖に環構造を有するアルカリ可溶性樹脂を用いているのに対し、実施例3で用いたアルカリ可溶性樹脂は、主鎖に環構造を有さない重合体である。実施例1と実施例3との物性結果を対比すると、樹脂組成物g−1から得た硬化膜では、樹脂組成物g−3から得た硬化膜に比較して、硬化膜の耐熱着色性が更に高いものであった。したがって、アルカリ可溶性樹脂として主鎖に環構造を有する重合体を用いることによる耐熱性の効果が明らかとなった。
(5)実施例1と実施例4との対比
実施例1の樹脂組成物g−1は、カップリング剤としてシランカップリング剤であるKBM503を配合し、実施例4の樹脂組成物g−4は、カップリング剤を配合していないものである。これらの硬化膜の物性結果より、有機無機ハイブリッド材料であるコンポセランAC601を配合することで、カップリング剤が無くても密着性や透明性や電気特性が良好な硬化膜が得られることを確認できた。
上記(1)〜(5)より、樹脂組成物を本発明の構成(所定のアルカリ可溶性樹脂、多官能性化合物、有機無機ハイブリッド材料及び重合開始剤を含む構成)とすることで、本発明の作用効果が発揮されることが確認された。
Claims (5)
- アルカリ可溶性樹脂、多官能性化合物、有機無機ハイブリッド材料及び重合開始剤を含む硬化性樹脂組成物であって、該アルカリ可溶性樹脂は、芳香環を有する重合体であることを特徴とする硬化性樹脂組成物。
- 前記アルカリ可溶性樹脂は、主鎖に環構造を有する重合体であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
- 請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物により形成されることを特徴とする硬化膜。
- 請求項3に記載の硬化膜を有することを特徴とする表示装置用部材。
- 請求項3に記載の硬化膜を有することを特徴とする表示装置。
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