JP2015140435A - 硬化性樹脂組成物及びその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】相溶性が良好で、耐熱着色性や電気特性に優れる硬化物を与えることができる硬化性樹脂組成物を提供する。また、このような硬化性樹脂組成物により形成される硬化膜、並びに、該硬化膜を有することで高精細化を実現できる表示装置用部材及び表示装置も提供する。
【解決手段】アルカリ可溶性樹脂、多官能性化合物、有機無機ハイブリッド材料及び重合開始剤を含む硬化性樹脂組成物であって、上記アルカリ可溶性樹脂は、芳香環を有する重合体である硬化性樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、硬化性樹脂組成物及びその用途に関する。より詳しくは、各種表示装置の構成部材等に有用な硬化性樹脂組成物、それを用いた硬化膜、表示装置用部材及び表示装置に関する。
熱や活性エネルギー線によって硬化しうる硬化性樹脂組成物は、例えば、液晶表示装置や固体撮像素子、タッチパネル式表示装置等に代表される各種表示装置の構成部材等の各種用途への適用が種々検討されており、その硬化物が各用途で所望の物性を発揮できるようにするための技術開発が進められている。これらの用途のうち、タッチパネル式表示装置とは、近年の情報技術の発展により、従来のキーボードやマウス等による入力操作に替えて、指やタッチペン等で画面に触れることで入力操作を行うことができる表示装置であり、入力操作が直感的に分かりやすく容易であるため、近年、急速に普及されつつある。
タッチパネル式表示装置は、概ね、触れた位置を検出する原理に電気を用いる方式と用いない方式との2種類に大別される。電気を用いる方式には抵抗膜方式や静電容量方式、電磁誘導方式等が、用いない方式には赤外線方式や超音波表面弾性波方式等があり、製造コストが低く軽量化も容易なことから、抵抗膜方式が主流となっている。抵抗膜方式は、通常、ガラス基板上に、微少なスペーサーを介してフィルムが配置され、ガラス基板及びフィルムの向かい合う面の各々にITO(酸化インジウムスズ;Indium Tin Oxide)等の透明導電膜が形成された構造からなるが、経時変化や衝撃に弱く誤作動が多い等の点で、静電容量方式の需要が増えつつあり、開発が進められている。静電容量方式には表面型と投影型との2つの種類があり、後者は小型化が容易なため、スマートフォンやタブレット型の携帯端末等に多く採用されている。
静電容量方式のタッチパネル式表示装置は一般に、基板上に、ITO等の透明導電膜、透明導電膜を保護するための保護膜や絶縁膜レジスト、及び、配線等を組み立てることで構成されたタッチパネルが、液晶や有機EL(エレクトロルミネッセンス)等の素子上に配置された構造からなる。
また液晶表示装置や固体撮像素子等の主要部材の1つに、カラーフィルターがある。カラーフィルターは一般に、基板(基材とも称す)、画素及び樹脂ブラックマトリクス(BM)に加え、画素及び樹脂ブラックマトリクスを被覆・保護し、かつそれらの凹凸を平坦化するために設けられる保護膜等から構成される。
これらの各種表示装置等に含まれる保護膜や絶縁膜等の構成部材には、優れた耐熱着色性を発現するとともに、電気特性が良好である、すなわち誘電率が低い性質を有することが求められている。
従来の硬化性樹脂組成物としては、得られる硬化物の耐熱性を高めるために、例えば、カルボキシル基を有するアクリル樹脂、多官能モノマー、有機−無機ハイブリッド材及び重合開始剤を含む光硬化性樹脂組成物が開示されている(特許文献1参照)。
特開2012−214590号公報 上述したように、各種表示装置における保護膜や絶縁膜等に代表される硬化性樹脂組成物の硬化物には、優れた耐熱着色性を発現するとともに、電気特性が良好であることが求められている。そして近年では、表示装置等の高精細化に伴い、使用される各部材に対しても更に高度な性能が強く要望されるようになっている。しかしながら、従来の硬化性樹脂組成物では、この高性能化の要望に充分に対応できていないのが現状である。例えば、特許文献1に記載の組成物では、組成物の相溶性や硬化膜の耐熱着色性の点で改善の余地があり、更に近年の高精細化の要望に充分に対応できるように電気特性を向上させるための工夫の余地もあった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、相溶性が良好で、耐熱着色性や電気特性に優れる硬化物を与えることができる硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。また、このような硬化性樹脂組成物により形成される硬化膜、並びに、該硬化膜を有することで高精細化を実現できる表示装置用部材及び表示装置を提供することも目的とする。
本発明者等は、硬化性樹脂組成物について種々検討したところ、アルカリ可溶性樹脂、多官能性化合物、有機無機ハイブリッド材料及び重合開始剤を含む樹脂組成物において、アルカリ可溶性樹脂として芳香環を有する重合体を用いると、相溶性、現像性及び硬化性に優れるとともに、耐熱着色性や電気特性に優れる硬化物が得られることを見いだした。そして、樹脂組成物中のアルカリ可溶性樹脂として、主鎖に環構造を有する重合体を用いると、硬化物において充分な耐熱着色性と低誘電率化とを高いレベルで両立できることを見いだした。これらは、上記特定のアルカリ可溶性樹脂と有機無機ハイブリッド材料の選定及び上記2種の相溶性が大幅に改善できたことに起因すると考えられる。
本発明者等はまた、このような硬化性樹脂組成物が、タッチパネル式表示装置やカラーフィルター等に使用される保護膜又は絶縁膜形成用の樹脂組成物として特に好適であり、これから形成される硬化膜、表示装置用部材及び表示装置が、近年の高性能化・小型化・軽量化の要望に充分に対応できるものとなることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、アルカリ可溶性樹脂、多官能性化合物、有機無機ハイブリッド材料及び重合開始剤を含む硬化性樹脂組成物であって、上記アルカリ可溶性樹脂は、芳香環を有する重合体である硬化性樹脂組成物である。
本発明はまた、上記硬化性樹脂組成物により形成される硬化膜でもある。
本発明は更に、上記硬化膜を有する表示装置用部材でもある。
本発明はそして、上記硬化膜を有する表示装置でもある。
本発明の硬化性樹脂組成物は、有機無機ハイブリッド材料を含みながらも相溶性が良好であり、優れた電気特性と表面硬度を両立でき、しかも好適な形態(アルカリ可溶性樹脂が、主鎖に環構造を有する重合体である形態)において耐熱着色性や密着性等にも優れる硬化物を与えることができるものである。したがって、このような硬化性樹脂組成物により形成される硬化膜により高精細化を実現できる表示装置用部材及び表示装置は、光学分野や電機・電子分野で非常に有用なものである。
以下に本発明を詳述する。なお、以下に記載される本発明の個々の好ましい形態を2又は3以上組み合わせた形態も本発明の好ましい形態である。
〔硬化性樹脂組成物〕
本発明の硬化性樹脂組成物(単に「樹脂組成物」とも称す)は、特定のアルカリ可溶性樹脂と、多官能性化合物と、有機無機ハイブリッド材料と、重合開始剤とを含むが、これら含有成分は、それぞれ1種又は2種以上を使用することができる。また、必要に応じて、更に、他の成分を1種又は2種以上含んでいてもよい。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、これらの内容に特定されるものではない。なお、範囲を示す「A〜B」は、A以上B以下であることを示す。
また、本明細書中、「硬化性樹脂組成物の固形分総量」とは、硬化物を形成する成分の総量を意味する。具体的には、アルカリ可溶性樹脂と、多官能性化合物と、更に他の重合性単量体を含む場合は当該他の重合性単量体と、有機無機ハイブリッド材料と、重合開始剤と、更にカップリング剤を含む場合は当該カップリング剤と、の合計量を意味する。
<アルカリ可溶性樹脂>
上記硬化性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂を含み、該アルカリ可溶性樹脂は、芳香環を有する重合体である。さらに主鎖に環構造を有する重合体であることが好ましい。アルカリ可溶性樹脂として芳香環を有する重合体を用いると、有機無機ハイブリッド材料と芳香環を有する重合体との親和性が高くなるなどに起因して相溶性が大幅に改善される。また、主鎖に環構造を有する重合体の場合、耐熱性(特に耐熱着色性)や表面硬度、密着性に優れ、また、例えば、ポストベイク(post-bake;熱処理)後の成膜状態も良好であり、経時変化がより抑制されて各種物性を安定して発現できる硬化物を得ることができる。
上記アルカリ可溶性樹脂はまた、アルカリ可溶性を示す樹脂(重合体)であればよいが、分子内に酸基を有する重合体(「酸基含有重合体」とも称す)であることが好適である。酸基としては、例えば、カルボキシル基、フェノール性水酸基、カルボン酸無水物基、リン酸基、スルホン酸基等、アルカリ水と中和反応する官能基が挙げられ、これらの1種のみを有していてもよいし、2種以上有していてもよい。中でも、カルボキシル基、カルボン酸無水物基が好ましく、カルボキシル基がより好ましい。
上記アルカリ可溶性樹脂が酸基含有重合体である場合、その酸価(AV)としては特に限定されないが、例えば、20mgKOH/g以上、300mgKOH/g未満であることが好適である。これにより、より充分なアルカリ可溶性が発現され、現像性により優れる硬化物を得ることが可能になる。酸価の下限値としてより好ましくは30mgKOH/g以上、更に好ましくは40mgKOH/g以上である。また、250mgKOH/g以下がより好ましく、更に好ましくは200mgKOH/g以下である。
重合体の酸価は、例えば、0.1規定のKOH水溶液を滴定液として用いて、自動滴定装置(平沼産業社製、商品名「COM−555」)により、重合体溶液の酸価を測定し、溶液の酸価と溶液の固形分とから、固形分あたりの酸価を計算することで求めることができる。また、重合体溶液の固形分は、次のようにして求めることができる。
重合体溶液をアルミカップに約0.3g量り取り、アセトン約1gを加えて溶解させた後、常温で自然乾燥させる。そして、熱風乾燥機(エスペック社製、商品名「PHH−101」)を用い、140℃で3時間乾燥した後、デシケータ内で放冷し、質量を測定する。その質量減少量から、重合体溶液の固形分濃度を算出する。
上記アルカリ可溶性樹脂はまた、重量平均分子量が2000〜25万であることが好適である。分子量がこの範囲にあることで、より良好な現像性を発揮することが可能になる。耐溶剤性をより一層向上させる観点から、より好ましくは3000以上、更に好ましくは5000以上、特に好ましくは7000以上である。また、粘性等の観点から、より好ましくは10万以下、更に好ましくは5万以下、特に好ましくは3万以下である。なお、上記アルカリ可溶性樹が高分子量である場合には、酸価が高い方が現像されやすくなる傾向があり、低分子量である場合には、塗膜の硬度がより充分とはならない傾向がある。
重量平均分子量は、例えば、ポリスチレンを標準物質とし、テトラヒドロフランを溶離液として、HLC−8220GPC(東ソー社製)、カラム TSKgel SuperHZM−M(東ソー社製)によるGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法により求めることができる。
上記アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、酸基及び重合性二重結合を有する単量体を含む単量体成分を重合することにより得られる重合体(ベースポリマーとも称す)や、後述するように、当該ベースポリマーに、酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物を反応させて得られる重合体(「側鎖に二重結合を有する重合体」又は「側鎖二重結合含有重合体」とも称す)であることが好適である。より好ましくは、後者の側鎖二重結合含有重合体である。
なお、使用される各単量体は、それぞれ1種又は2種以上を使用することができる。
ここで、上述したように、上記アルカリ可溶性樹脂は、芳香環を有する重合体、好ましくは主鎖に環構造を有する重合体であることから、上記ベースポリマーを形成する単量体成分は、酸基及び重合性二重結合を有する単量体とともに、重合体に上記特定の環構造を導入し得る単量体を1種又は2種以上含むことが好適である。すなわち上記アルカリ可溶性樹脂は、酸基及び重合性二重結合を有する単量体と、芳香環を有する単量体、さらに好ましくは重合体の主鎖骨格に環構造を導入し得る単量体とを含む単量体成分を重合することにより得られる重合体(ベースポリマー)や、当該ベースポリマーに、酸基と結合(反応)し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物を反応させて得られる重合体(側鎖二重結合含有重合体)であることが好適である。
上記酸基及び重合性二重結合を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、ビニル安息香酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和多価カルボン酸類;コハク酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)、コハク酸モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)等の不飽和基とカルボキシル基との間が鎖延長されている不飽和モノカルボン酸類;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和酸無水物類;ライトエステルP−1M(共栄社化学製)等のリン酸基含有不飽和化合物;等が挙げられる。これらの中でも、汎用性、入手性等の観点から、カルボン酸系単量体(不飽和モノカルボン酸類、不飽和多価カルボン酸類、不飽和酸無水物類)を用いることが好適である。より好ましくは、反応性、アルカリ可溶性等の点で、不飽和モノカルボン酸類を用いることが好ましく、更に好ましくは(メタ)アクリル酸(すなわちアクリル酸及び/又はメタクリル酸)である。上記酸基及び重合性二重結合を有する単量体の含有割合は、例えば、上記ベースポリマー成分100質量%に対し、5質量%以上であることが好ましい。これにより、アルカリに対する溶解性がより充分となり、例えば、現像性が必要とされる用途に更に有用な硬化性樹脂組成物となる。より好ましくは10質量%以上である。また、例えばポストベイク後においても硬化物の優れた外観や密着性等をより維持できる点で、95質量%以下であることが好ましい。より好ましくは90質量%以下である。
芳香環を有する単量体としては、特に限定されないが、側鎖に芳香環を有する単量体が好ましい。(メタ)アクリレート等のビニル系単量体、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレートなどの単量体が挙げられる。
(メタ)アクリレート等のビニル系単量体である場合、上記芳香環を有する単量体としては、スチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシ(ジ)エチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、エトキシ化o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、(メタ)アクリル酸フェニル等が好適である。スチレン系の単量体としては、他にもビニルトルエン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、tert−ブチルスチレン等のアルキル置換スチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、フルオロスチレン等のハロゲン置換スチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン等のアルコキシ置換スチレン、フェノキシスチレン等のアリールオキシ置換スチレン、β−クロロスチレン、ビニルナフタレン、スチレンスルホン酸及びその塩、α−メチルスチレンスルホン酸及びその塩等が挙げられる。
ウレタンアクリレートである場合、上記芳香環を有する単量体としては、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
エポキシアクリレートである場合、上記芳香環を有する単量体としては、フェニルグリシジルエーテルアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートが好適である。
また、後述する主鎖骨格に環構造を導入し得る単量体でもあるベンジルマレイミド、フェニルマレイミド等が挙げられる。
上記の中でも芳香環を有する(メタ)アクリレートが好ましく、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルやその誘導体が特に好ましい。これらは、単独で用いてもよいし2つ以上を組み合わせて用いてもよい。
また、芳香環を2個以上有する単量体であっても良い。ナフタレン環やアントラセン環のような縮合環であってもよい。
芳香環を2個以上含有する単量体としては、ビフェニル(メタ)アクリレート、o−ビフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート(エトキシ化o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート)、o−ビフェニルオキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、m−ビフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、p−ビフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、o−ビフェニルオキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、p−ビフェニルオキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、m−ビフェニルオキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−ビフェニル=カルバマート、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−p−ビフェニル=カルバマート、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−m−ビフェニル=カルバマート、o−フェニルフェノールグリシジルエーテル(メタ)アクリレート等のビフェニル基含有モノマー(単量体)、ビニルナフタレン等のナフタレン環含有モノマー、ターフェニル(メタ)アクリレート、o−ターフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート等のターフェニル基含有モノマー等が挙げられる。
上記芳香環を有する単量体の含有割合(2種以上用いる場合はその合計の割合)は、例えば、上記ベースポリマー成分(ベースポリマーを形成する単量体成分)100質量%に対し、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上が特に好ましい。また、上限は85質量%以下が好ましく、75質量%以下がより好ましい。芳香環を有する単量体が少ないと、本発明の樹脂組成物の相溶性が低下、特に有機無機ハイブリッド材料との相溶性が低下するおそれがある。一方、芳香環を有する単量体が多くなり過ぎると、酸基を導入し得る単量体や、好適な単量体として後述する主鎖に環構造を導入し得る単量体が少なくなるため、アルカリ現像性が劣ったり、耐熱性や基板密着性が不充分となるおそれがある。
上記重合体の主鎖骨格に環構造を導入し得る単量体としては、例えば、分子内に二重結合含有環構造を有する単量体や、環化重合して環構造を主鎖に有する重合体を形成する単量体等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることが好適である。このような単量体としては、N置換マレイミド系単量体、ジアルキル−2,2’−(オキシジメチレン)ジアクリレート系単量体、及び、α−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレートからなる群より選択される少なくとも1種を用いることが好適である。このように上記アルカリ可溶性樹脂が、N置換マレイミド系単量体単位、ジアルキル−2,2’−(オキシジメチレン)ジアクリレート系単量体単位、及び/又は、α−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体単位を有する重合体である形態は、本発明の好ましい形態の1つである。
特に、N置換マレイミド系単量体単位、及び/又は、ジアルキル−2,2’−(オキシジメチレン)ジアクリレート系単量体単位を含む樹脂は、耐熱性や、有機無機ハイブリッド材料分散性、硬度等がより向上された硬化膜を与えることが可能になる。
上述の単量体単位を含む樹脂(重合体)とは、例えば、単量体の重合反応や架橋反応によって当該単量体由来の構成単位を含む樹脂を意味する。
上記単量体成分において、N置換マレイミド系単量体としては、例えば、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N−ドデシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−ナフチルマレイミド等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。中でも、着色の少なさや有機無機ハイブリッド材料分散性に優れる点で、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミドが好ましく、特にN−ベンジルマレイミドが好適である。
上記N−ベンジルマレイミドとしては、例えば、ベンジルマレイミド;p−メチルベンジルマレイミド、p−ブチルベンジルマレイミド等のアルキル置換ベンジルマレイミド;p−ヒドロキシベンジルマレイミド等のフェノール性水酸基置換ベンジルマレイミド;o−クロロベンジルマレイミド、o−ジクロロベンジルマレイミド、p−ジクロロベンジルマレイミド等のハロゲン置換ベンジルマレイミド等が挙げられる。
なお、上記N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミドを共重合したアルカリ可溶性樹脂は芳香環を有する重合体でもあるので、本発明の実施例で用いられたBzMAなどの単量体を共重合しないアルカリ可溶性樹脂でも有機無機ハイブリッド材料との相溶性が良好となり得る。
上記ジアルキル−2,2’−(オキシジメチレン)ジアクリレート系単量体としては、着色の少なさや分散性、工業的入手の容易さ等の観点から、例えば、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート等を用いることが好適である。
上記α−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレートとしては、例えば、α−アリルオキシメチルアクリル酸、α−アリルオキシメチルアクリル酸メチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸エチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−プロピル、α−アリルオキシメチルアクリル酸i−プロピル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−ブチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸s−ブチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸t−ブチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−アミル、α−アリルオキシメチルアクリル酸s−アミル、α−アリルオキシメチルアクリル酸t−アミル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ネオペンチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−ヘキシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸s−ヘキシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−ヘプチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−オクチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸s−オクチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸t−オクチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸2−エチルヘキシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸カプリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ノニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸デシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ウンデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ラウリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸トリデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ミリスチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ペンタデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸セチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ヘプタデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ステアリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ノナデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸エイコシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸セリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸メリシル等の鎖状飽和炭化水素基含有α−(アリルオキシメチル)アクリレートが好ましい。中でも、α−アリルオキシメチルアクリル酸メチル(「α−(アリルオキシメチル)メチルアクリレート」とも称す)が特に好適である。
上記α−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレートは、例えば、国際公開第2010/114077号パンフレットに開示されている製造方法により製造することができる。
上記重合体の主鎖骨格に環構造を導入し得る単量体の含有割合(2種以上用いる場合はその合計の割合)は、例えば、上記ベースポリマー成分(ベースポリマーを形成する単量体成分)100質量%に対し、1〜40質量%であることが好ましい。この範囲にあると、耐熱性や表面硬度等がより向上された硬化膜を得ることが可能になる。中でも特に、N置換マレイミド系単量体、ジアルキル−2,2’−(オキシジメチレン)ジアクリレート系単量体、及び/又は、α−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレートの含有割合(2種以上用いる場合はその合計の割合)が、上記ベースポリマー成分(ベースポリマーを形成する単量体成分)100質量%に対して1〜40質量%であることが好ましい。N置換マレイミド系単量体の添加量をより増加させると、硬度の点でより優れる硬化物が得られ、また、ジアルキル−2,2’−(オキシジメチレン)ジアクリレート系単量体を用いることにより、耐熱着色性の点でより優れる硬化物が得られる。ただし、N置換マレイミド系単量体の含有割合が多すぎると、現像速度がより適切なものとはならないことがある。上記含有割合としてより好ましくは2〜40質量%、更に好ましくは3〜35質量%である。
上記単量体成分はまた、上述した酸基及び重合性二重結合を有する単量体、芳香環を有する単量体、重合体の主鎖骨格に環構造を導入し得る単量体に加えて、その他のラジカル重合性単量体(「他の単量体」とも称す)を含むものであってもよい。他の単量体としては、上述した単量体には該当しないその他(メタ)アクリル酸エステル系単量体等の1種又は2種以上を用いることができる。
上記その他の(メタ)アクリル酸エステル系単量体とは、ジアルキル−2,2’−(オキシジメチレン)ジアクリレート系単量体、及び、α−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート以外の(メタ)アクリル酸エステル系単量体を意味し、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸s−アミル、(メタ)アクリル酸t−アミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸β−メチルグリシジル、(メタ)アクリル酸β−エチルグリシジル、(メタ)アクリル酸(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸メチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸エチル等の他、1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカ−2−イルメタアクリル酸、(メタ)アクリロイルモルホリン、テトラヒドロフルフリルアクリレート、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、アルコキシ化フェニルフェノール(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの化合物の市販品としては、例えば、MMDOL30、MEDOL30、MIBDOL30、CHDOL30、MEDOL10、MIBDOL10、MIBDOL10、CHDOL10、ビスコート150、ビスコート160(以上、大阪有機化学工業社製)、ACMO(興人社製)、A−LEN−10(新中村化学社製)等が挙げられる。中でも、耐熱性が優れる点で、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルが好ましい。より好ましくは、耐熱性、密着性、現像性が優れる点で、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルを用いることである。
なお、上記ベースポリマーを得るために使用される単量体成分が、更に、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルからなる群より選択される少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステル系単量体を含む形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。
上記その他の(メタ)アクリル酸エステル系単量体の含有割合(2種以上用いる場合はその合計の割合)は、例えば、上記ベースポリマー成分100質量%に対し、1〜80質量%であることが好適である。この範囲にあると、耐熱着色性、有機無機ハイブリッド材料分散性、アルカリ可溶性により優れる硬化物を得ることができる。より好ましくは5〜70質量%、更に好ましくは5〜50質量%、特に好ましくは5〜30質量%である。
上記他の単量体としてはまた、例えば、下記の化合物等の1種又は2種以上を用いることもでき、その含有割合は、上記ベースポリマー成分100質量%中、20質量%以下とすることが好適である。
N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類;ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリシロキサン、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクタム等の重合体分子鎖の片末端に(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー類;1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の共役ジエン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルモルフォリン、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニル化合物類;(メタ)アクリル酸イソシアナトエチル、アリルイソシアネート等の不飽和イソシアネート類等。
上記単量体成分を重合する方法としては、バルク重合、溶液重合、乳化重合等の通常用いられる手法を用いることができ、目的、用途に応じて適宜選択すればよい。中でも、溶液重合が、工業的に有利で、分子量等の構造調整も容易であるため好適である。また、上記単量体成分の重合機構は、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、配位重合等の機構に基づいた重合方法を用いることができるが、ラジカル重合機構に基づく重合方法が、工業的にも有利であるため好ましい。
上記重合反応における重合開始方法は、熱や電磁波(赤外線、紫外線、X線等)、電子線等の活性エネルギー源から重合開始に必要なエネルギーを単量体成分に供給すればよく、更に重合開始剤を併用すれば、重合開始に必要なエネルギーを大きく下げることができ、また、反応制御が容易となるため好適である。
また上記単量体成分を重合して得られる重合体の分子量は、重合開始剤の量や種類、重合温度、連鎖移動剤の種類や量の調整等により制御することができる。
上記単量体成分を溶液重合法により重合する場合、重合に使用する溶媒としては、重合反応に不活性なものであれば特に限定されるものではなく、重合機構、使用する単量体の種類や量、重合温度、重合濃度等の重合条件に応じて適宜設定すればよいが、後に硬化性樹脂組成物とした際に、希釈剤等として溶剤を用いる場合には、該溶剤を含む溶媒を、単量体成分の溶液重合に用いることが、効率的で好ましい。
上記溶媒としては、例えば、下記の化合物等が好適に挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。
メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール等のモノアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシブタノール等のグリコールモノエーテル類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のグリコールモノエーテルのエステル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のアルキルエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;等。
これらの溶媒の中でも、得られる重合体の溶解性、塗膜を形成する際の表面平滑性、人体及び環境への影響の少なさ、工業的入手のし易さから、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、乳酸エチルを用いることがより好適である。
上記溶媒の使用量としては、上記ベースポリマー成分100質量部に対し、50〜1000質量部であることが好適である。より好ましくは、100〜500質量部である。
上記単量体成分をラジカル重合機構により重合する場合には、熱によりラジカルを発生する重合開始剤を使用することが、工業的に有利で好ましい。このような重合開始剤としては、熱エネルギーを供給することによりラジカルを発生するものであれば特に限定されるものではなく、重合温度や溶媒、重合させる単量体の種類等の重合条件に応じて、適宜選択すればよい。また、重合開始剤とともに、遷移金属塩やアミン類等の還元剤を併用してもよい。
上記重合開始剤としては、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、過酸化水素、過硫酸塩等の通常重合開始剤として使用される過酸化物やアゾ化合物等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
上記重合開始剤の使用量は、使用する単量体の種類や量、重合温度、重合濃度等の重合条件、目標とする重合体の分子量等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。例えば、重量平均分子量が数千〜数万の重合体を得るには、上記ベースポリマー成分100質量部に対して、0.1〜20質量部とすることが好適である。より好ましくは0.5〜15質量部である。
上記重合ではまた、必要に応じて、通常使用される連鎖移動剤を使用してもよい。好ましくは、重合開始剤と連鎖移動剤とを併用することである。なお、重合時に連鎖移動剤を使用すると、分子量分布の増大やゲル化を抑制できる傾向にある。
上記連鎖移動剤としては、例えば、メルカプト酢酸、3−メルカプトプロピオン酸等のメルカプトカルボン酸類;メルカプト酢酸メチル、3−メルカプトプロピオン酸メチル、3−メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシル、3−メルカプトプロピオン酸n−オクチル、3−メルカプトプロピオン酸メトキシブチル、3−メルカプトプロピオン酸ステアリル、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)等のメルカプトカルボン酸エステル類;エチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、1,2−ジメルカプトエタン等のアルキルメルカプタン類;2−メルカプトエタノール、4−メルカプト−1−ブタノール等のメルカプトアルコール類;ベンゼンチオール、m−トルエンチオール、p−トルエンチオール、2−ナフタレンチオール等の芳香族メルカプタン類;トリス〔(3−メルカプトプロピオニロキシ)−エチル〕イソシアヌレート等のメルカプトイソシアヌレート類;2−ヒドロキシエチルジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド等のジスルフィド類;ベンジルジエチルジチオカルバメート等のジチオカルバメート類;α−メチルスチレンダイマー等の単量体ダイマー類;四臭化炭素等のハロゲン化アルキル類等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、入手性、架橋防止能、重合速度低下の度合いが小さい等の点で、メルカプトカルボン酸類、メルカプトカルボン酸エステル類、アルキルメルカプタン類、メルカプトアルコール類、芳香族メルカプタン類、メルカプトイソシアヌレート類等のメルカプト基を有する化合物を用いることが好適である。より好ましくは、アルキルメルカプタン類、メルカプトカルボン酸類、メルカプトカルボン酸エステル類であり、更に好ましくは、n−ドデシルメルカプタン、メルカプトプロピオン酸である。
上記連鎖移動剤の使用量は、使用する単量体の種類や量、重合温度、重合濃度等の重合条件、目標とする重合体の分子量等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、重量平均分子量が数千〜数万の重合体を得るには、上記ベースポリマー成分100質量部に対し、0.1〜20質量部とすることが好適である。より好ましくは0.5〜15質量部である。
上記重合の条件に関し、重合温度としては、使用する単量体の種類や量、重合開始剤の種類や量等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、50〜150℃が好ましく、70〜120℃がより好ましい。また、重合時間も同様に適宜設定することができるが、例えば、1〜8時間が好ましい。
上記アルカリ可溶性樹脂はまた、側鎖に二重結合を有する重合体であることが好適である。具体的には、上記単量体成分を重合して得られる重合体(ベースポリマー)と、酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物と、を反応させて得られる重合体(側鎖二重結合含有重合体とも称す)であることが好ましい。これにより、上記硬化性樹脂組成物の硬化性がより高められ、基板等との密着性や表面硬度により優れた硬化物を得ることができる。このように上記アルカリ可溶性樹脂が側鎖に二重結合を有する重合体である形態は、本発明の好適な形態の1つである。
上記酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物において、重合性二重結合としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基、メタリル基等が挙げられる、当該化合物として、これらの1種又は2種以上を有するものが好適である。中でも、反応性の点で、(メタ)アクリロイル基が好ましい。また、酸基と結合し得る官能基としては、例えば、ヒドロキシ基、エポキシ基、オキセタニル基、イソシアネート基等が挙げられ、当該化合物として、これらの1種又は2種以上を有するものが好適である。中でも、変成処理反応の速さ、耐熱性、分散性の点から、エポキシ基(グリシジル基を含む)が好ましい。
上記酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸β−メチルグリシジル、(メタ)アクリル酸β−エチルグリシジル、ビニルベンジルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル、ビニルシクロヘキセンオキシド等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。中でも、エポキシ基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物(単量体)を用いることが好適である。
上記酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物の使用量は、例えば、上記ベースポリマー成分(ベースポリマーを構成する単量体成分の総量)100質量部に対し、1〜50質量部とすることが好適である。より好ましくは5〜45質量部である。
上記側鎖二重結合含有重合体を得る方法としては、例えば、上記ベースポリマー成分と、酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物とを反応させる際に、該ベースポリマー成分の酸基(好ましくはカルボキシル基)の量を、該酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物の量より過剰にする方法;上記ベースポリマー成分と、酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物とを反応させた後に、更に多塩基酸無水物基を有する化合物を反応させる方法;等が挙げられる。
上記ベースポリマー成分(好ましくはカルボキシル基を有する重合体)と、酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物とを反応させる工程は、良好な反応速度を確保し、かつゲル化を防ぐために、50〜160℃の温度範囲で行うことが好ましい。より好ましくは70〜140℃、更に好ましくは90〜130℃である。また、反応速度を向上するために、触媒として、通常使用されるエステル化又はエステル交換用の塩基性触媒や酸性触媒を用いることができる。中でも、副反応が少なくなるため、塩基性触媒を用いることが好ましい。
上記塩基性触媒としては、例えば、ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等の3級アミン;テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、n−ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩;テトラメチル尿素等の尿素化合物;テトラメチルグアニジン等のアルキルグアニジン;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド化合物;トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等の3級ホスフィン;テトラフェニルホスホニウムブロマイド、ベンジルトリフェニルホスホニウムブロマイド等の4級ホスホニウム塩;等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。中でも、反応性、取扱い性やハロゲンフリー等の点で、ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミン、テトラメチル尿素、トリフェニルホスフィンが好ましい。
上記触媒の使用量は、上記ベースポリマー成分と、酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合基を有する化合物との合計量100質量部に対し、0.01〜5質量部とすることが好ましい。より好ましくは0.1〜3質量部である。
上記ベースポリマー成分と、酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物とを反応させる工程はまた、ゲル化を防ぐために、重合禁止剤を添加し、分子状酸素含有ガスの存在下で行うことが好ましい。分子状酸素含有ガスとしては、通常、窒素等の不活性ガスで希釈された空気又は酸素ガスが用いられ、反応容器内に吹き込まれる。
上記重合禁止剤としては、通常使用されるラジカル重合性単量体用の重合禁止剤を用いることができ、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、メトキノン、6−t−ブチル−2,4−キシレノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等のフェノール系禁止剤、有機酸銅塩やフェノチアジン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。中でも、低着色、重合防止能力等の点でフェノール系禁止剤が好ましく、入手性、経済性から、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、メトキノン、6−t−ブチル−2,4−キシレノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノールがより好ましい。
上記重合禁止剤の使用量としては、充分な重合防止効果の確保、及び、硬化性樹脂組成物としたときの硬化性等の観点から、上記ベースポリマー成分と、酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物との合計量100質量部に対し、0.001〜1質量部であることが好ましい。より好ましくは0.01〜0.5質量部である。
上記多塩基酸無水物基を有する化合物としては、例えば、無水コハク酸、ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水グルタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記側鎖二重結合含有重合体は、二重結合当量が200〜1万であることが好ましい。このような範囲とすることにより、重合体の充分な保存安定性と、本発明の硬化性樹脂組成物の感度やパターン形状等における良好な製版特性等とを更に高いレベルで両立することが期待できる。より好ましくは250以上、更に好ましくは300以上であり、また、より好ましくは5000以下、更に好ましくは4000以下、特に好ましくは3000以下、一層好ましくは2000以下、最も好ましくは1900以下である。
二重結合当量とは、重合体の二重結合1molあたりの重合体溶液の固形分の質量(g)である。ここでいう重合体溶液の固形分の質量とは、上記ベースポリマー成分の質量と、酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合基を有する化合物の質量と、連鎖移動剤の質量と、熱重合開始剤とを合計したものである。重合体溶液の固形分の質量を重合体の二重結合量で除することにより、求めることが可能である。重合体の二重結合量は、投入した酸基と、結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物の量から求めることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物において、上記芳香環を有する重合体であるアルカリ可溶性樹脂の含有割合は、硬化性樹脂組成物の固形分総量100質量%に対し、5質量%以上であることが好ましく、また、70質量%以下であることが好適である。このような範囲にあることで、本発明の効果をより顕著に奏することが可能となる。より好ましくは10〜65質量%、更に好ましくは10〜50質量%、特に好ましくは10〜40質量%である。
<多官能性化合物>
上記硬化性樹脂組成物は、2官能以上の多官能性化合物(単に「多官能性化合物」とも称す)を含む。本発明において多官能性化合物とは、1分子中に2個以上の官能基を有する化合物である。このような化合物を含むことで、硬化性樹脂組成物が感光性及び硬化性に優れたものとなり、極めて高硬度の硬化膜を得ることが可能になる。なお、2個以上の官能基は、同じ官能基であってもよいが、異なる官能基でもよい。
上記多官能性化合物が有する官能数として好ましくは、3以上であり、より好ましくは4以上、更に好ましくは5以上である。また、硬化収縮をより抑制する観点から、官能数が10以下であることが好ましく、より好ましくは8以下である。また、多官能性化合物の分子量としては特に限定されないが、取り扱いの観点から、例えば、2000以下が好適である
上記官能基としては、例えば、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、イソシアナト基、水酸基、酸無水物基、オキサゾリン基等が挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリロイル基が好適である。すなわち上記多官能性化合物は、1分子中に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物であることが好適であり、例えば、多官能(メタ)アクリレート化合物、多官能ウレタン(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリロイル基含有イソシアヌレート化合物等を用いることが好ましい。より好ましくは、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(以下、「多官能(メタ)アクリレート化合物とも称す」)であり、これにより、より一層高硬度で高透明性の硬化物を得ることが可能になる。
上記多官能性化合物の含有量は、用いる化合物やアルカリ可溶性樹脂の種類の他、目的や用途等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、現像性や製版性により優れる観点から、硬化性樹脂組成物の固形分総量100質量%に対し、2〜80質量%であることが好適である。より好ましくは5〜70質量%、更に好ましくは8〜50質量%、特に好ましくは10〜40質量%である。
以下に、本発明の多官能性化合物として好適な多官能(メタ)アクリレート化合物、及び、その他の多官能性化合物について更に説明する。
−多官能(メタ)アクリレート化合物−
上記多官能(メタ)アクリレート化合物が有する(メタ)アクリロイル基の数は、3以上であることが好ましい。このように上記多官能性化合物は、3官能以上の多官能(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましく、これにより、感光性及び硬化性がより高められ、硬度及び透明性をより向上することができる。より好ましくは4以上、更に好ましくは5以上である。また、硬化収縮をより抑制する観点から、10以下が好ましく、より好ましくは8以下、更に好ましくは6以下である。
上記多官能(メタ)アクリレート化合物が有する(メタ)アクリロイル基とは、メタクリロイル基及び/又はアクリロイル基を意味するが、反応性により優れる観点からアクリロイル基が好ましい。すなわち、上記多官能(メタ)アクリレート化合物は、アクリロイル基を2個以上有する多官能アクリレート化合物であることが特に好適である。
上記多官能(メタ)アクリレート化合物の分子量は特に限定されないが、取り扱いの観点から、例えば、2000以下が好適である。より好ましくは1000以下である。また、100以上が好適である。
上記多官能(メタ)アクリレート化合物としては特に限定されないが、例えば、下記の化合物等が挙げられる。
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAアルキレンオキシドジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFアルキレンオキシドジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレート化合物;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能(メタ)アクリレート化合物;等。
−他の多官能性化合物−
上記多官能性化合物としてはまた、多官能ビニルエーテル化合物、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリレート化合物、多官能アリルエーテル化合物、アリル基含有(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリロイル基含有イソシアヌレート化合物、多官能アリル基含有イソシアヌレート化合物、多官能ウレタン(メタ)アクリレート化合物、多官能芳香族ビニル化合物等を使用することもできる。
上記多官能ビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキシドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキシドジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、エチレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル等が挙げられる。
上記ビニルエーテル基含有(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸5−ビニロキシペンチル、(メタ)アクリル酸6−ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸p−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシ)エチル等が挙げられる。
上記多官能アリルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、プロピレングリコールジアリルエーテル、ブチレングリコールジアリルエーテル、ヘキサンジオールジアリルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキシドジアリルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキシドジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラアリルエーテル、グリセリントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタアリルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサアリルエーテル、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリアリルエーテル、エチレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラアリルエーテル、エチレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、エチレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサアリルエーテル等が挙げられる。
上記アリル基含有(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸アリル等が挙げられる。
上記(メタ)アクリロイル基含有イソシアヌレート化合物としては、例えば、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、アルキレンオキシド付加トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、アルキレンオキシド付加トリ(メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
上記アリル基含有イソシアヌレート化合物としては、例えば、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。
上記多官能ウレタン(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の多官能イソシアネートと、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類との反応で得られる化合物等が挙げられる。
上記多官能芳香族ビニル化合物としては、例えば、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
<有機無機ハイブリッド材料(充填剤)>
上記硬化性樹脂組成物はまた、充填剤として有機無機ハイブリッド材料を含む。本発明において、有機無機ハイブリッド材料は、主として、有機高分子などの樹脂を主成分とする有機部と、シリカを主成分とする無機部と、を有する。より詳しくは、ポリシロキサン(オリゴマー又はポリマー)と有機ポリマー又は有機基とからなる有機無機ハイブリッド材料である。アルコキシシリル基含有化合物であることが好ましい。
有機無機ハイブリッド材料としては、例えば、メタクリル基等の不飽和基含有ポリシロキサン、アクリル/シリカハイブリッド、ウレタン/シリカハイブリッド、アクリレート基含有シランオリゴマー、メルカプト基含有シランオリゴマー、シルセスキオキサン化合物等が挙げられる。
シルセスキオキサン化合物としては、例えば、一般式RSiO1.5(R:有機基)で表わされる基本骨格を有する化合物が挙げられ、例えば、上記有機基としてメチル基、フェニル基、メチル基及びフェニル基、チオール基及びメチル基を有するもの等が挙げられる。
これらの有機無機ハイブリッド材料は、公知の化合物であるか、公知の方法に準じて容易に製造できる化合物である。具体的な有機無機ハイブリッド材料としては、例えば、商品名TM-100(東亜合成)、コンポセランAC601(荒川化学)、コンポセランAC611(荒川化学)、ユリアーノU201(荒川化学)、ユリアーノU301(荒川化学)、ユリアーノU303(荒川化学)、コンポセランHBSQ105-7(荒川化学)、SR13(小西化学)、SR23(小西化学)、SR20(小西化学)、SR3321(小西化学)、X-12-2226(信越化学)、KR-513(信越化学)、X-41-1810(信越化学)で市販されているものを用いることができる。
特にアルコキシシリル基含有化合物として、好適な市販品として、例えばアルコキシ基含有シラン変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂またはアルコキシ基含有シラン変性ノボラック型エポキシ樹脂である商品名「コンポセランE」(荒川化学工業社製)、アルコキシ基含有シラン変性アクリル樹脂である商品名「コンポセランAC」(荒川化学工業社製)、アルコキシ基含有シラン変性フェノール樹脂である商品名「コンポセランP」(荒川化学工業社製)、アルコキシ基含有シラン変性ポリアミック酸樹脂である商品名「コンポセランH800」(荒川化学工業社製)、アルコキシ基含有シラン変性可溶性ポリイミド樹脂である商品名「コンポセランH700」(荒川化学工業社製)、アルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂である商品名「ユリアーノU」(荒川化学工業社製)あるいはアルコキシ基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂である商品名「コンポセランH900」(荒川化学工業社製)等、種々の市販品がある。
本発明において特に好適に用いられるアルコキシシリル基含有化合物(例えばアルコキシ基含有シラン変性アクリル樹脂)の基本骨格の化学式を下記に示す。
Figure 2015140435
上記有機無機ハイブリッド材料を配合することにより、ハイブリッド材料中に存在するアルコキシシリル基が基板表面部分とシロキサン結合を作ることで、密着性が付与される。その結果、ITOに対する密着性を高めることができる。さらには、硬化膜の耐熱着色性が向上する。また、硬化膜の密着性を高めるのに必要であったカップリング剤や、硬化膜の硬度を発現するのに使われていたシリカ微粒子等の無機系微粒子の代替ともなり得るので、それらの配合量を低減できるか、無くすことができる。その結果、電気特性に優れる硬化物を与えることができる硬化性樹脂組成物となる。
このような有機無機ハイブリッド材料の配合割合は、硬化性樹脂組成物の固形分総量100質量%に対し、好ましくは、10〜50質量%の範囲で設定することができる。また、現像性の観点から分子量は20万以下のものを用いるのが好ましい。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の充填剤(無機系化合物)を併用してもよい。無機系化合物とは、無機成分を含む化合物を意味し、例えば、金属、金属塩(炭酸塩、硫酸塩等)、金属酸化物等の無機系微粒子や、金属原子を有する有機化合物等の無機成分を含む有機化合物が挙げられる。中でも、無機系微粒子が好ましい。
ここでいう金属には、ケイ素等のいわゆる半金属も含むものとする。金属として具体的には、例えば、ケイ素、チタン、ジルコニウム、カルシウム、バリウム、アルミニウム等の1種又は2種以上が好適である。
上記無機系化合物は、ケイ素含有化合物であることが好ましい。これにより、高い表面硬度を有する硬化膜を得ることができる。ケイ素含有化合物としては、例えば、酸化ケイ素(シリカ等)や、ケイ素に加え、更に他の金属原子を含む複合金属酸化物、ケイ素原子を有する有機化合物が好適である。中でも、シリカ微粒子が好適である。このような無機系化合物の配合割合は、硬化性樹脂組成物の固形分総量100質量%に対し、好ましくは、3〜50質量%、より好ましくは、5〜40質量%の範囲で設定することができる。
<重合開始剤>
上記硬化性樹脂組成物はまた、重合開始剤を含む。熱ラジカル開始剤や熱酸発生剤などの熱重合開始剤、光ラジカル開始剤や光酸発生剤などの光重合開始剤を使用することができる。なかでも光重合開始剤が好ましい。これにより、上記樹脂組成物の感度や硬化性をより向上することが可能になる。このように上記硬化性樹脂組成物が、更に光重合開始剤を含む形態は、本発明の好適な形態の1つである。
上記光重合開始剤として好ましくは、ラジカル重合性の光重合開始剤である。ラジカル重合性の光重合開始剤とは、電磁波や電子線等の活性エネルギー線の照射により重合開始ラジカルを発生させるものであり、通常使用されるものを1種又は2種以上使用することができる。また、必要に応じて、光増感剤や光ラジカル重合促進剤等を1種又は2種以上併用してもよい。光増感剤及び/又は光ラジカル重合促進剤を併用しなくても本願発明の効果は充分に発揮されるが、併用した場合は感度や硬化性がより向上される。
上記光重合開始剤として具体的には、例えば、下記の化合物等が挙げられる。
2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル〕フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−〔(4−メチルフェニル)メチル〕−1−〔4−(4−モルホリニル)フェニル〕−1−ブタノン等のアルキルフェノン系化合物;ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン系化合物;チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;
2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシカルボニルナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロメチル化トリアジン系化合物;2−トリクロロメチル−5−(2’−ベンゾフリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−〔β−(2’−ベンゾフリル)ビニル〕−1,3,4−オキサジアゾール、4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−フリル−1,3,4−オキサジアゾール等のハロメチル化オキサジアゾール系化合物;2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール等のビイミダゾール系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、エタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル系化合物;ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等のチタノセン系化合物;p−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジエチルアミノ安息香酸等の安息香酸エステル系化合物;9−フェニルアクリジン等のアクリジン系化合物等。
上記光重合開始剤と併用してもよい光増感剤や光ラジカル重合促進剤としては、例えば、キサンテン色素、クマリン色素、3−ケトクマリン系化合物、ピロメテン色素等の色素系化合物;4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル等のジアルキルアミノベンゼン系化合物;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール等のメルカプタン系水素供与体等が挙げられる。
その他、熱重合開始剤として、熱ラジカル発生剤の具体例としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエー卜、ラウロイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ系化合物が挙げられる。
熱酸発生剤の具体例としては、ルイス酸(例えば、三フッ化ホウ素、塩化第一チタン、塩化第二チタン、塩化第一鉄、塩化第二鉄、塩化亜鉛、臭化亜鉛、塩化第一スズ、塩化第二スズ、臭化第一スズ、臭化第二スズ、二塩化ジブチル第二スズ、二臭化ジブチル第二スズ、テトラエチルスズ、テトラブチルスズ、トリエチルアルミニウム、塩化ジエチルアルミニウム、二塩化エチルアルミニウム等)と電子供与性化合物(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ジメチルスルホキシド、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル等)との錯体;プロトン酸(例えば、ハロゲノカルボン酸類、スルホン酸類、硫酸モノエステル類、リン酸モノエステル類、リン酸ジエステル類、ポリリン酸エステル類、ホウ酸モノエステル類、ホウ酸ジエステル類等)を塩基(例えば、アンモニア、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピペリジン、アニリン、モルホリン、シクロヘキシルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ブチルアミン等)により中和した化合物が挙げられる。
上記重合開始剤の含有量は、目的、用途等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、硬化性樹脂組成物の固形分総量100質量部に対し、0.1質量部以上であることが好適である。これにより、密着性や硬度に優れた硬化物を得ることができ、高温暴露後においても剥がれがより充分に抑制される。また、重合開始剤の分解物が与える影響や経済性等とのバランスを考慮すると、30質量部以下であることが好ましい。下限値としてより好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1質量部以上、特に好ましくは2質量部以上であり、最も好ましくは5質量部以上であり、上限値としてより好ましくは25質量部以下、更に好ましくは20質量部以下である。
上記光増感剤及び光ラジカル重合促進剤は、上述したように使用しなくてもよいが、使用する場合は、硬化性、分解物が与える影響及び経済性のバランスの観点から、硬化性樹脂組成物の固形分総量100質量%に対し、0.001〜20質量%であることが好ましい。より好ましくは0.01〜15質量%、更に好ましくは0.05〜10質量%である。
<反応性化合物>
上記硬化性樹脂組成物は、他の反応性化合物を含んでもよい。反応性化合物は、エポキシ基、オキセタニル基及びブロックイソシアネート基からなる群より選択される少なくとも1種の反応性官能基を有する化合物等が好ましい。このような反応性化合物を含むことにより、硬化物において、優れた表面硬度と低誘電率化とを両立できる。
上記エポキシ基、オキセタニル基及びブロックイソシアネート基からなる群より選択される少なくとも1種の反応性官能基を有する化合物としては、1分子中に当該反応性官能基を少なくとも1個以上有するものであればよい。例えば、エポキシ基含有化合物(エポキシ化合物とも称す)、オキセタニル基含有化合物(オキセタン化合物とも称す)、ブロックイソシアネート基含有化合物(ブロックイソシアネート化合物とも称す)が好ましい。中でも、ブロックイソシアネート化合物がより好ましい。ブロックイソシアネート化合物を用いると、樹脂組成物の硬化を加熱処理によって行った場合に、該化合物中のブロックイソシアネート基から、加熱により、反応性の高いイソシアネート基が再生され、これと樹脂組成物中の水酸基との反応物によって硬化物の架橋密度がより高められ、本発明の作用効果をより充分に発揮することが可能となる。このように上記樹脂組成物がブロックイソシアネート化合物を含む形態は、本発明の好適な形態の1つである。
なお、「エポキシ基」には、狭義のエポキシ基の他、グリシジル基のようにオキシラン環が炭素に結合している基や、グリシジルエーテル基及びグリシジルエステル基のようにエーテル又はエステル結合を含む基、エポキシシクロヘキサン環等が含まれるものとする。
上記反応性化合物の含有量は、その固形分量として、硬化性樹脂組成物の固形分総量100質量%中、5質量%以上であることが好適である。これにより、低誘電化をより達成することができる。より好ましくは7質量%以上、更に好ましくは10質量%以上である。また、表面硬度の向上の観点から、50質量%以下であることが好適である。より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。
<カップリング剤>
上記硬化性樹脂組成物はまた、カップリング剤を含むことが好適である。カップリング剤は、無機物の酸化表面と加水分解反応や縮合反応をすることによって結合するという性質を有するものであるが、この性質を利用して、例えばITO等が蒸着された基板等への密着性をより充分に発揮させることが可能になる。このように上記硬化性樹脂組成物が、更にカップリング剤を含む形態は、本発明の好適な形態の1つである。
上記カップリング剤として具体的には、例えば、ビニル基、(メタ)アクリル基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、イソシアナート等の反応性基を有するカップリング剤が好適である。中でも、反応性基としてビニル基、(メタ)アクリロイル基及び/又はエポキシ基を有するものが好ましい。より好ましくは(メタ)アクリロイル基である。また、中心金属として、例えば、ケイ素、ジルコニア、チタン及び/又はアルミニウム等を含むものが好適であり、中でも、ケイ素を中心金属として有するものが好ましく、より好ましくはシランカップリング剤である。シランカップリング剤を用いることにより、硬化物の分散性、密着性及び表面硬度をより充分なものとすることができる。
上記シランカップリング剤の中でも、(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤が特に好ましく、これにより、保存安定性がより良好となる。また、密着性もより向上することになる。
なお、ケイ素以外の金属を中心金属として有するカップリング剤としては、例えば、ジルコアルミネート系カップリング剤、チタネート系カップリング剤等が挙げられる。
上記シランカップリング剤としては、上述した反応性基の1種又は2種以上と、アルコキシシラン基(−Si(OR3−n(R;ORは、加水分解性基を表し、Rは炭化水素基であることが好適である。Rは、炭化水素基を表す。nは、0、1又は2である。)とを有する化合物であることが好適である。中でも、ビニル基、(メタ)アクリロイル基及び/又はエポキシ基を有するシランカップリング剤を用いることが好適であり、これにより、高温暴露後にも変色や着色、クラック等の外観の経時変化がなく分散性をより充分に維持でき、かつより充分な表面硬度及び密着性を有する硬化物を得ることが可能になる。
上記ビニル基を有するシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上記(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上記エポキシ基を有するシランカップリング剤として具体的には、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記アミノ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記メルカプト基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記イソシアナート基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上記硬化性樹脂組成物において、カップリング剤の含有量は、硬化性樹脂組成物の固形分総量100質量%中、3質量%以上であることが適当である。3質量%以上であることで、高温暴露後においても充分な密着性及び表面硬度を有することができる。好ましくは5質量%以上、より好ましくは7質量%以上である。また、硬化性樹脂組成物の保存安定性等の観点から、30質量%以下であることが好適である。より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
<他の成分>
−溶剤−
上記硬化性樹脂組成物はまた、溶剤を含むことが好適である。溶剤は、希釈剤等として好ましく使用される。すなわち具体的には、粘度を下げ取扱い性を向上する;乾燥により塗膜を形成する;色材の分散媒とする;等のために好適に使用されるものであり、硬化性樹脂組成物中の各含有成分を溶解又は分散することができる、低粘度の有機溶媒である。
上記溶剤としては、通常使用するものを使用することができ、目的、用途に応じて適宜選択すればよく、特に限定されないが、例えば、下記の化合物等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール等のモノアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;テトラヒドロフラン,ジオキサン等の環状エーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシブタノール等のグリコールモノエーテル類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のグリコールモノエーテルのエステル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のアルキルエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;等。
上記溶剤の使用量としては、目的、用途に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、本発明の硬化性樹脂組成物の総量100質量%中に、10〜90質量%含まれるようにすることが好ましい。より好ましくは20〜80質量%である。
−フッ素系添加剤−
上記硬化性樹脂組成物はまた、硬化性をより一層向上させる観点から、1種又は2種以上のフッ素系添加剤(フッ素添加剤とも称す)を含んでもよい。なお、フッ素系添加剤は、レベリング剤としての機能も有する。
上記フッ素系添加剤とは、構造中にフッ素原子を有する化合物であり、例えば、通常、フッ素系界面活性剤又はフッ素系表面改質剤等として使用されている化合物を用いることができる。
上記フッ素系添加剤は、硬化性樹脂組成物中で成分分離しないことが好ましい観点から、各種有機溶媒(例えば、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒等)への溶解性が高いものがより好ましく使用される。具体的には、例えば、HLB値(親水性親油性バランス)が、0〜16の範囲にあるものが好適である。HLB値としてより好ましくは1〜13である。
なお、HLB値は、例えば、グリフィン法、デイビス法で求められる。
上記フッ素系添加剤は更に、フッ素系添加剤の総量100質量%中に、フッ素を0.01〜80質量%含むものが好適である。
なお、フッ素含有量は、例えば、イオンクロマトグラフ法にて定量できる。
上記フッ素系添加剤としてはまた、ノニオン性やアニオン性のもの等が存在するが、樹脂との分散性等の観点から、ノニオン性のものが好適である。
上記フッ素系添加剤として具体的には、例えば、パーフルオロブタンスルホン酸塩(メガファックF−114)、パーフルオロアルキル基含有カルボン酸塩(メガファックF−410)、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物(メガファックF−444、EXP・TF−2066)、パーフルオロアルキル基含有リン酸エステル(メガファックEXP・TF−2148)、パーフルオロアルキル基含有リン酸エステル型アミン中和物(メガファックEXP・TF−2149)、含フッ素基・親水性基含有オリゴマー(メガファックF−430、EXP・TF−1540)、含フッ素基・親油性基含有オリゴマー(メガファックF−552、F−554、F−558、F−561、R−41)、含フッ素基・親水性基・親油性基含有オリゴマー(メガファックF−477、F−553、F−555、F−556、F−557、F−559、F−562、R−40、EXP・TF−1760)、含フッ素基・親水性基・親油性基・UV反応性基含有オリゴマー(メガファックRS−72−K、RS−75、RS−76−E、RS−76−NS、RS−77)等が挙げられる(いずれもDIC社製)。中でも、親油性基を含む化合物(含フッ素基・親油性基含有オリゴマー、含フッ素基・親水性基・親油性基含有オリゴマー、含フッ素基・親水性基・親油性基・UV反応性基含有オリゴマー)が好適である。
上記フッ素系添加剤の含有量は、目的、用途等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、硬化性樹脂組成物の固形分総量100質量部に対し、0.1〜10質量部であることが好ましい。より好ましくは0.2質量部以上であり、また、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは4質量部以下、特に好ましくは3質量部以下である。
上記硬化性樹脂組成物は更に、それが適用される各用途の要求特性に応じて、例えば、上述した多官能性化合物以外の重合性単量体;色材(着色剤とも称す);分散剤;耐熱向上剤;レベリング剤;現像助剤;シリカ微粒子等の無機系微粒子;シラン系、アルミニウム系、チタン系等のカップリング剤;フィラー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルフェノール等の熱硬化性樹脂;多官能チオール化合物等の硬化助剤;可塑剤;重合禁止剤;紫外線吸収剤;酸化防止剤;艶消し剤;消泡剤;帯電防止剤;スリップ剤;表面改質剤;揺変化剤;揺変助剤;キノンジアジド化合物;多価フェノール化合物;カチオン重合性化合物;酸発生剤;等の1種又は2種以上を、更に含んでいてもよい。例えば、上記硬化性樹脂組成物をカラーフィルター用途に使用する場合には、色材を含むことが好ましい。このように上記硬化性樹脂組成物が更に色材を含む形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。また、色材、分散剤、耐熱向上剤、レベリング剤及び現像助剤からなる群より選択される少なくとも1種を含む形態も好適である。
以下、これらの含有成分について説明する。
−多官能性化合物以外の重合性単量体−
上記重合性単量体(重合性化合物とも称す)とは、上述した多官能性化合物以外の化合物であって、フリーラジカル、電磁波(例えば、赤外線、紫外線、X線等)、電子線等の活性エネルギー線の照射等により重合し得る、重合性不飽和結合(重合性不飽和基とも称す)を有する低分子化合物である。例えば、重合性不飽和基を分子中に1つ有する単官能の化合物が挙げられる。
上記単官能の重合性単量体としては、例えば、上記(メタ)アクリレート系重合体の単量体成分に好ましく含有される他の単量体として例示した化合物のうち、N置換マレイミドや(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリルアミド類;不飽和モノカルボン酸類;不飽和多価カルボン酸類;不飽和基とカルボキシル基の間が鎖延長されている不飽和モノカルボン酸類;不飽和酸無水物類;芳香族ビニル類;共役ジエン類;ビニルエステル類;ビニルエーテル類;N−ビニル化合物類;不飽和イソシアネート類;等が挙げられる。
−色材−
上記色材としては、例えば、顔料や染料が好適に使用される。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、顔料と染料とを組み合わせてもよい。例えば、カラーフィルターの赤色、青色、緑色画素を形成する場合、青と紫、緑と黄等、色材を組み合わせて求める色特性を発揮させる手法が好適に使用される。また、ブラックマトリックスを形成する場合にも黒の色材を用いて形成することができる。
上記顔料及び染料の中でも、例えば耐久性の点では、顔料(例えば有機顔料又は無機顔料)が優れ、また、例えばパネル等の輝度向上の点では染料が優れることから、求められる特性に応じて適宜これらを選択又は併用すればよい。なお、顔料の中でもより好ましくは有機顔料である。
上記顔料としては、例えば、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、多環式顔料(例えばキナクリドン系、ペリレン系、ペリノン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ジオキサジン系、チオインジゴ系、アントラキノン系、キノフタロン系、金属錯体系、ジケトピロロピロール系等)、染料レーキ系顔料等の有機顔料;白色・体質顔料(例えば酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、クレー、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等)、有彩顔料(例えば黄鉛、カドミニウム系、クロムバーミリオン、ニッケルチタン、クロムチタン、黄色酸化鉄、ベンガラ、ジンククロメート、鉛丹、群青、紺青、コバルトブルー、クロムグリーン、酸化クロム、バナジン酸ビスマス等)、黒色顔料(例えばカーボンブラック、ボーンブラック、グラファイト、鉄黒、チタンブラック等)、光輝材顔料(例えばパール顔料、アルミ顔料、ブロンズ顔料等)、蛍光顔料(例えば硫化亜鉛、硫化ストロンチウム、アルミン酸ストロンチウム等)等の無機顔料が挙げられる。また、使用できる顔料の色としては、黄色、赤色、紫色、青色、緑色、褐色、黒色、白色等が挙げられる。
上記顔料はまた、目的や用途に応じて、ロジン処理、界面活性剤処理、樹脂系分散剤処理、顔料誘導体処理、酸化皮膜処理、シリカコーティング、ワックスコーティング等の表面処理がなされていてもよい。
上記顔料としては、例えば、特開2013−148602号公報、特開2013−61599号公報に、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists発行)番号により示されている顔料を使用することができる。本発明で使用してもよい色材はこれらのみに限定されるものではない。また、これらの公報に例示されている顔料は単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
上記染料としては、例えば、特開2010−9033号公報、特開2010−211198号公報、特開2009−51896号公報、特開2008−50599号公報に記載されている有機染料を使用することができる。中でも、アゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、キノンイミン系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、カルボニル系染料、メチン系染料等が好ましい。
上記色材の含有割合(すなわち顔料及び染料の合計割合)は、目的、用途に応じて、適宜設定することができるが、当該色材の含有割合の好ましい範囲は、硬化性樹脂組成物の固形分総量100質量%に対し、3〜70質量%である。より好ましくは5〜60質量%、更に好ましくは10〜50質量%である。
−分散剤−
上記分散剤とは、色材への相互作用部位と分散媒(例えば溶剤やバインダー樹脂)への相互作用部位とを有し、色材の分散媒への分散を安定化する働きを持つものであり、一般的には、樹脂型分散剤(例えば高分子分散剤)、界面活性剤(例えば低分子分散剤)、色素誘導体に分類される。本発明の硬化性樹脂組成物は、色材とともに分散剤を含むことが好適である。なお、分散剤(すなわち、樹脂型分散剤、界面活性剤及び/又は色素誘導体)としては、通常使用される分散剤を使用することができる。また、分散剤として、1種のものを単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記樹脂型分散剤としては、例えば、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水素基含有ポリカルボン酸エステル、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエステル系、変性ポリアクリレート、エチレンオキサイド/ポリプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
また上記樹脂型分散剤の構造としては、主鎖が色材への相互作用部位を有するアンカー鎖で、グラフト鎖が分散媒への相互作用性を有する相溶性鎖であるようなグラフト構造の樹脂や、アンカー鎖と相溶性鎖がブロック構造になっている樹脂が、特に好ましく用いられる。
上記樹脂型分散剤の商品名としては、例えば、特開2013−61599号公報に例示の樹脂型分散剤の商品名を挙げることができる。但し、これらに限定されるものではない。
上記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカチオン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤;等が挙げられる。
上記色素誘導体とは、官能基を色素に導入した構造の化合物であり、官能基としては、例えば、スルホン酸基、スルホンアミド基及びその4級塩、ジアルキルアミノ基、水酸基、カルボキシル基、アミド基、フタルイミド基等が挙げられる。母体となる色素の構造としては、例えば、アゾ系、アントラキノン系、キノフタロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリン系、ジオキサジン系、インダンスレン系、ペリレン系、ジケトピロロピロール系等が挙げられる。
上記分散剤(すなわち、樹脂型分散剤、界面活性剤及び/又は色素誘導体)の含有割合は、目的や用途に応じて適宜設定すればよいが、分散安定性、耐久性(耐熱性、耐光性、耐候性等)及び透明性のバランスの観点から、例えば、硬化性樹脂組成物の固形分総量100質量%に対し、0.01〜60質量%であることが好ましい。より好ましくは0.1〜50質量%、更に好ましくは0.3〜40質量%である。
−耐熱向上剤−
上記耐熱向上剤は、耐熱性や強度の向上のために好ましく使用される。耐熱向上剤としては、例えば、N−(アルコキシメチル)メラミン化合物、2個以上のエポキシ基やオキセタニル基を有する化合物等が好適である。特に、上記硬化性樹脂組成物を、フォトスペーサー用レジスト、保護膜用透明レジストや層間絶縁膜用レジストとして使用する場合には、これらの使用が好ましい。
−レベリング剤−
上記レベリング剤は、レベリング性向上のために好ましく使用される。レベリング剤としては、フッ素系、シリコン系の界面活性剤が好ましく、中でも、上述したフッ素系添加剤が好適である。
−現像助剤−
上記現像助剤は、現像性向上のために好ましく使用される。現像助剤としては、例えば、(メタ)アクリル酸、酢酸、プロピオン酸等のモノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、コハク酸、テトラヒドロフタル酸、トリメリット酸等の多価カルボン酸類;無水マレイン酸、無水コハク酸、テトラヒドロフタル酸無水物、トリメリット酸無水物等のカルボン酸無水物類;等が好適である。
<硬化性樹脂組成物の製造方法>
上記硬化性樹脂組成物の製造方法としては特に限定されず、例えば、上述した含有成分を、各種の混合機や分散機を用いて混合分散することによって調製することができる。
ここで、上記有機無機ハイブリッド材料を用いる場合は、有機無機ハイブリッド材料を有機溶媒(分散媒)に分散させて、有機溶媒分散体を得た後、該分散体を、アルカリ可溶性樹脂、多官能性化合物、重合開始剤及び必要に応じて含有される他の成分と混合することにより、硬化性樹脂組成物を得ることが好ましい。これにより、本発明の作用効果がより一層発揮される。
上記分散工程及び混合工程は特に限定されず、通常の手法により行えばよい。また、通常行われる他の工程を更に含むものであってもよい。上記硬化性樹脂組成物が色材を含む場合は、色材の分散処理工程を経て製造することが好適である。
上記色材の分散処理工程としては、例えば、まず、色材(好ましくは有機顔料)、分散剤及び溶剤を各所定量秤量し、ペイントコンディショナー、ビーズミル、ロールミル、ボールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ニーダー、ブレンダー等の分散機を用い、色材を微粒子分散させて液状の色材分散液(ミルベースとも称す)とする手法が挙げられる。好ましくは、ロールミル、ニーダー、ブレンダー等で混練分散処理をしてから、0.01〜1mmのビーズを充填したビーズミル等のメディアミルで微分散処理をする。得られたミルベースに、別途攪拌混合しておいた、有機無機ハイブリッド材料(又はその有機溶媒分散体)、アルカリ可溶性樹脂、多官能性化合物、重合開始剤及び必要に応じて溶剤やレベリング剤等を含む組成物(好ましくは透明液)を加えて混合、均一な分散溶液とし、硬化性樹脂組成物を得ることができる。
なお、得られた硬化性樹脂組成物は、フィルター等によって、濾過処理をして微細なゴミを除去するのが好ましい。
〔硬化膜〕
次に、本発明の硬化性樹脂組成物を用いて形成される硬化膜について説明する。
本発明の硬化性樹脂組成物は、活性エネルギー光線を照射(露光)することや熱により、硬化膜を形成することができる。具体的には、例えば、基板(基材とも称す)上に上記硬化性樹脂組成物を塗布して乾燥させ、その塗布面に活性エネルギー光線を照射(露光)することにより、硬化膜を形成することが好ましい。このように上記硬化性樹脂組成物により形成される硬化膜もまた、本発明の1つである。また、上記硬化性樹脂組成物は、レジスト材料として好適に用いられることから、上記硬化性樹脂組成物により形成される硬化膜がレジスト硬化膜である形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。
上記硬化性樹脂組成物を塗布する基板としては、特に限定されず、例えば、白板ガラス、青板ガラス、シリカコート青板ガラス等の透明ガラス基板;ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリスルホン、環状オレフィンの開環重合体やその水素添加物等の熱可塑性樹脂からなるシート又はフィルム;エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂からなるシート又はフィルム;アルミニウム板、銅板、ニッケル板、ステンレス板等の金属基板;セラミック基板;光電変換素子を有する半導体基板;表面に色材層を備えるガラス基板(LCD用カラーフィルター)等の各種材料から構成される部材;等が挙げられる。中でも、耐熱性の点から、ガラス基板や、プラスチック基板の中でも耐熱性樹脂からなるシート又はフィルムが好ましい。また、上記基板は透明基板であることが好適である。
また上記基板には、必要に応じてコロナ放電処理、オゾン処理、シランカップリング剤等による薬品処理等を行ってもよいし、上記基板の両面又は片面に、ガスバリヤー層や保護膜等の無機成分又は有機成分の塗布膜を形成してもよい。また、硬化膜を表示装置用部材に用いる場合には、上記基板にITO等の電極を形成することが好適である。なお、本発明の硬化膜は、基板だけでなく、ITO膜等の電極との密着性にも優れるものである。
上記硬化性樹脂組成物を基板に塗布する方法としては、特に限定されず、例えば、スピン塗布、スリット塗布、ロール塗布、流延塗布等が挙げられ、いずれの方法も好ましく用いることができる。
上記基板に塗布した後の塗膜の乾燥は、例えば、ホットプレート、IRオーブン、コンベクションオーブン等を用いて行うことができる。乾燥条件は、含まれる溶媒成分の沸点、硬化成分の種類、膜厚、乾燥機の性能等に応じて適宜選択されるが、通常、50〜150℃の温度で、10秒〜300秒間行うことが好適である。
上記活性エネルギー光線の光源としては、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、蛍光ランプ等のランプ光源、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、窒素レーザー、ヘリウムカドミニウムレーザー、半導体レーザー等のレーザー光源等が使用される。また、露光機の方式としては、プロキシミティー方式、ミラープロジェクション方式、ステッパー方式が挙げられるが、プロキシミティー方式が好ましく用いられる。
なお、活性エネルギー光線の照射工程では、用途によっては、所定のマスクパターンを介して活性エネルギー光線を照射することとしてもよい。この場合、露光部が硬化し、硬化部が現像液に対して不溶化又は難溶化されることになる。
また必要に応じて、上記活性エネルギー光線の照射工程後に、現像液によって現像処理し、未露光部を除去しパターンを形成する工程(現像工程とも称す)を行ってもよい。これによって、パターン化された硬化膜を得ることができる。
上記現像工程における現像処理は、通常、10〜50℃の現像温度で、浸漬現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像等の方法で行うことができる。なお、現像液としてアルカリ性水溶液を用いる場合には、現像後、水で洗浄することが好ましい。
上記現像液は、本発明の硬化性樹脂組成物を溶解するものであれば特に限定されないが、通常、有機溶媒やアルカリ性水溶液が用いられ、これらの混合物を用いてもよい。
上記現像液として好適な有機溶媒としては、例えば、エーテル系溶媒やアルコール系溶媒等が挙げられる。具体的には、例えば、ジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、トリエチレングリコールジアルキルエーテル類、アルキルフェニルエーテル類、アラルキルフェニルエーテル類、ジ芳香族エーテル類、イソプロパノール、ベンジルアルコール等が挙げられる。
上記アルカリ性水溶液には、アルカリ剤の他、必要に応じ、界面活性剤、有機溶媒、緩衝剤、染料、顔料等を含有させることができる。この場合の有機溶媒としては、上述した現像液として好適な有機溶媒等が挙げられる。
上記アルカリ剤としては、例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機のアルカリ剤;トリメチルアミン、ジエチルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等のアミン類が挙げられ、これらは単独でも2種以上を組み合わせてもよい。
上記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタン酸アルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類等のノニオン系界面活性剤;アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキルスルホン酸塩類、スルホコハク酸エステル塩類等のアニオン性界面活性剤;アルキルベタイン類、アミノ酸類等の両性界面活性剤等が挙げられ、これらは単独でも2種以上を組み合わせてもよい。
更に必要に応じて、後硬化工程(ポストベイク又は後処理工程とも称す)を行ってもよい。後硬化工程とは、例えば、高圧水銀灯等の光源を使用して、例えば0.5〜5J/cmの光量で露光する工程の他、後加熱する工程(熱処理工程とも称す)等が挙げられる。このような後処理を行うことにより、パターン化された硬化膜の硬度及び密着性を更に強固なものとすることが可能になる。
上述した後処理工程の中でも好ましくは、後者の熱処理工程であり、その際の温度は、60℃以上とすることが好適である。熱処理の温度としてより好ましくは80℃以上であり、また、300℃以下とすることが好ましい。また、熱処理時間は特に限定されないが、例えば、10秒〜300分間であることが好ましい。
〔硬化性樹脂組成物の用途等〕
本発明の硬化性樹脂組成物は、上述したように相溶性が良好であり、特に電気特性、表面硬度及び耐熱着色性に優れるうえ、現像性や基板との密着性にも優れる硬化物(硬化膜)を与えるものである。
本発明は、アルカリ可溶性樹脂、多官能性化合物、有機無機ハイブリッド材料を含む硬化性樹脂組成物から形成されるヘイズ値が3.0%以下の硬化膜でもある。相溶性が良好な本発明の樹脂組成物を用いることで、好ましくはヘイズ値が1.0%以下である。透明性が高いのでタッチパネル式表示装置用に好適な硬化膜となる。なお、ヘイズ値は透明性の指標であり、JIS K 7105に準拠し、濁度計〔日本電色工業(株)製、品番:NDH300A〕を用いて測定できる。
したがって、このような硬化性樹脂組成物から形成される硬化物(硬化膜)は、例えば、液晶表示装置や固体撮像素子、タッチパネル式表示装置等の各種表示装置の構成部材の他、インキ、印刷版、プリント配線板、半導体素子、フォトレジスト等、各種の光学部材や電機・電子機器等の種々様々な用途に好ましく使用される。中でも、液晶表示装置や固体撮像素子等に用いられるカラーフィルタや、タッチパネル式表示装置に用いることが好適であり、特に、上記硬化性樹脂組成物を用いて、これら各種表示装置における保護膜(カラーフィルタ用保護膜、タッチパネル式表示装置用保護膜等)や、絶縁膜(タッチパネル式表示装置用絶縁膜等)を形成することが好適である。これにより、近年の高性能化の要望に充分に対応できる程度に各種表示装置の表示品位や撮像品位の信頼性を充分に高めることができる。このように上記硬化性樹脂組成物が保護膜又は絶縁膜形成用の硬化性樹脂組成物である形態、上記硬化膜が保護膜又は絶縁膜である形態、及び、上記硬化膜がタッチパネル用硬化膜である形態もまた、本発明の好適な形態に含まれる。また、上記硬化性樹脂組成物により形成される硬化膜、該硬化膜を有する表示装置用部材及び該硬化膜を有する表示装置は、本発明に含まれる。
本発明の表示装置用部材及び表示装置は、上記硬化膜を有する限り、他の構成部材等を1種又は2種以上有するものであってもよい。上記硬化膜は、電気特性及び耐熱着色性に優れ、安定して基板等に対する密着性に優れ、しかも高平滑性及び高透過率を有するものである。したがって、透明部材として特に好適であり、また、各種表示装置における保護膜や絶縁膜として非常に有用である。表示装置としては特に限定されないが、例えば、液晶表示装置、固体撮像素子、タッチパネル式表示装置等が好適である。タッチパネル式表示装置としては、特に、静電容量方式のものが好ましい。
なお、上記表示装置用部材は、上記硬化膜から構成されるフィルム状の単層又は多層の部材であってもよいし、該単層又は多層の部材に更に他の層が組み合わされた部材であってもよいし、また、上記硬化膜を構成中に含む部材(例えば、カラーフィルタ等)であってもよい。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
以下の合成例や調製例等において、各種物性等は以下のようにして測定した。
〔樹脂溶液(アルカリ可溶性樹脂)の物性〕
<重量平均分子量(Mw)>
ポリスチレンを標準物質とし、テトラヒドロフランを溶離液としてHLC−8220GPC(東ソー社製)、カラム TSKgel SuperHZM−M(東ソー社製)によるGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法にて重量平均分子量を測定した。
<酸価>
樹脂溶液1.5gを精秤し、アセトン90g/水10g混合溶媒に溶解し、0.1規定のKOH水溶液を滴定液として用いて、自動滴定装置(平沼産業社製、商品名「COM−555」)により、樹脂溶液の酸価を測定し、溶液の酸価と溶液の固形分から固形分1g当たりの酸価を求めた。
<固形分濃度>
重合体溶液をアルミカップに約0.3g量り取り、アセトン約1gを加えて溶解させた後、常温で自然乾燥させた。そして、熱風乾燥機(エスペック社製、商品名「PHH−101」)を用い、140℃で3時間乾燥した後、デシケータ内で放冷し、質量を測定した。その質量減少量から、重合体溶液の固形分濃度(NV、質量%)を計算した。
〔塗膜物性〕
ガラスに、厚み140nmでITO(Indium Tin Oxide)が蒸着されたITO基板を用意した。このITO基板に得られた樹脂組成物をスピンコート法により塗布し、加熱処理(90℃、3分間)した後、2.0kWの超高圧水銀ランプを装着したUVアライナ(TOPCON社製、商品名「TME−150RNS」)によって60mJ/cm(365nm照度換算)の露光量で露光を行い、加熱処理(230℃30分間)を行った。この得られた塗布膜を用いて、誘電率の測定を行った。
<誘電率>
5cm角のITO蒸着ガラス基板に、乾燥後の厚み1.5μmとなるように樹脂組成物をスピンコート法により塗布し、加熱処理(90℃3分間)した後、2.0kWの超高圧水銀ランプを装着したUVアライナ(TOPCON社製、商品名「TME−150RNS」)によって60mJ/cm2(365nm照度換算)の露光量で露光を行い、加熱処理(230℃30分間)を行った。更に、表面に金(Au)を、厚み40nm、一辺0.5cmの正方形のパターンとなるように蒸着して電極を形成し評価用サンプル(厚さ1.5μmの硬化膜)を得た。このサンプルの静電容量を、インピーダンスアナライザ4294A(アジレントテクノロジー社製)を用い、膜厚の値から計算により誘電率を求めた。
〔樹脂溶液の合成〕
まず樹脂組成物に含まれるアルカリ可溶性樹脂として、樹脂溶液(No.A−1)の合成を行った。
合成例1(A−1の合成)
反応槽としての冷却管付きセパラブルフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)76.3部、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)19.1部を仕込み、窒素雰囲気下にて90℃に昇温した後、滴下系1としてベンジルマレイミド(BzMI)8.6部、メタクリル酸(MAA)17.2部、ベンジルアクリレート(BzA)60部、PGMEA6.9部、PGME1.7部、パーブチルO(商品名、日本油脂社製)1.7部、滴下系2としてn−ドデシルメルカプタン(n−DM)3.8部、PGMEA44.6部、PGME11.1部をそれぞれ3時間かけて連続的に供給した。その後30分90℃を保持した後、温度を115℃まで昇温し、1.5時間重合を継続した。次いで、この反応液にメタクリル酸グリシジル(GMA)14.2部、触媒としてトリエチルアミン(TEA)0.30部、重合禁止剤としてアンテージW−400(商品名、川口化学工業社製)0.15部を追加し、窒素、酸素混合ガス(酸素濃度7%)をバブリングしながら110℃1時間、115℃7時間反応を継続することで樹脂溶液A−1を得た。得られた樹脂溶液A−1について、各種物性(重量平均分子量、固形分当たりの酸価)を測定した。結果を表1に示す。
合成例2〜4(A−2〜A−4の合成)
単量体成分の種類及び配合量を表1に示すとおりに変更したこと以外は、合成例1と同様にして、樹脂溶液A−2〜A−4を得た。得られた各樹脂溶液について、合成例1と同様に各種物性を測定した。結果を表1に示す。

Figure 2015140435
表1における略称は以下の通りである。
BzMI:ベンジルマレイミド
CHMI:シクロヘキシルマレイミド
BzA:ベンジルアクリレート
CHA:アクリル酸シクロヘキシル(シクロヘキシルアクリレート)
MAA:メタクリル酸
GMA:メタクリル酸グリシジル(グリシジルメタクリレート)
Mw:最終的に得られた重合体の重量平均分子量
〔樹脂組成物の調製及び塗膜の評価試験〕
実施例1
固形分換算で、樹脂溶液A−1を22.5部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)22.5部、コンポセランAC−601(商品名、荒川化学社製)45部、シランカップリング剤としてKBM503(商品名、信越シリコーン社製)10部、光重合開始剤としてイルガキュア907(BASF社製)8部、フッ素添加剤としてF−554(DIC社製)0.2部、重合禁止剤としてアンテージW−400(川口化学工業社製)0.5部、更に希釈溶媒(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート;PGMEA)を固形分濃度25%となるように加え、攪拌することで樹脂組成物g−1を得た。得られた樹脂組成物g−1について、塗布膜(塗膜)の物性を評価した。
結果を表2に示す。
実施例2〜4及び比較例1〜4
表2に示す配合比率で表2に示す原料を用い、実施例1と同様の操作にて各樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の各々について、上述した評価方法に従って塗膜(塗布膜)の物性を評価した。結果を表2に示す。
Figure 2015140435

表2における略称は以下の通りである。表2の各原料の配合量は、固形分量であり、表2では希釈溶媒(PGMEA)を用いたことを省略している。
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名、共栄社化学社製)
AC601:有機無機ハイブリッド樹脂、コンポセランAC601(荒川化学社製)
TOL−ST:シリカ微粒子―溶媒トルエン(日産化学工業社製)
IRGACURE907:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
KBM503:2−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(商品名、信越シリコーン社製)
アンテージW−400:フェノール系酸化防止剤(商品名、川口化学工業社製)
F−554:含フッ素基・親油性基含有オリゴマー(ノニオン性、商品名「メガファックF−554」、DIC社製)
実施例及び比較例より、以下の点が確認された。
(1)実施例1と比較例1、実施例2と比較例2との対比
実施例1の樹脂組成物g−1は、比較例1の樹脂組成物h−1の含有成分であるシリカ微粒子を有機無機ハイブリッド材料(コンポセランAC601)に置き換えた構成からなる。
実施例2の樹脂組成物g−2は、比較例2の樹脂組成物h−2の含有成分であるシリカ微粒子を有機無機ハイブリッド材料(コンポセランAC601)に置き換えた構成からなる。また、樹脂について実施例2では芳香環を有するBzAを共重合しており、比較例2は芳香環ではなく脂環構造を有するCHAを共重合しているものである。実施例1と比較例1との物性結果を対比すると、樹脂組成物g−1から得た硬化膜では、樹脂組成物h−1から得た硬化膜に比較して、誘電率が低下するとともに耐熱着色性の向上が確認された。同様の結果が、実施例2と比較例2とにおいても確認された。したがって、有機無機ハイブリッド材料と芳香環を有する重合体を配合した相溶性の良好な樹脂組成物を用いることで低誘電率と耐熱着色性とを両立できることが明らかとなった。
(2)実施例2と比較例4との対比
実施例2の樹脂組成物g−2と、比較例4の樹脂組成物h−4とは、アルカリ可溶性樹脂のみが相違する。具体的にいうと、実施例2では、アルカリ可溶性樹脂として芳香環を有するBzMIとBzAを共重合しているのに対し、比較例4で用いたアルカリ可溶性樹脂は、芳香環を有さない重合体である。実施例2と比較例4との物性結果を対比すると、樹脂組成物g−2から得た硬化膜では、樹脂組成物h−4から得た硬化膜に比較して、硬化膜の状態が良好で透明性が高いものであった。したがって、アルカリ可溶性樹脂として芳香環を有する重合体を用いることにより、有機無機ハイブリッド材料(コンポセランAC601)との相溶性が向上できることが明らかとなった。
(3)実施例2と比較例2と比較例3との対比
実施例2の樹脂組成物g−2は、充填剤として有機無機ハイブリッド材料であるコンポセランAC601を配合し、比較例2の樹脂組成物h−2は、充填剤としてシリカ微粒子を配合し、比較例3の樹脂組成物h−3は充填剤を配合していないものである。これらの硬化膜の物性結果より、硬化膜の誘電率を低下させるためには充填剤を配合する方が良く、充填剤として有機無機ハイブリッド材料を用いる方が低誘電率化において効果が大きいことを確認できた。
(4)実施例1と実施例3との対比
実施例1の樹脂組成物g−1と、実施例3の樹脂組成物g−3とは、アルカリ可溶性樹脂が相違する。具体的にいうと、実施例1では、BzMIを共重合している主鎖に環構造を有するアルカリ可溶性樹脂を用いているのに対し、実施例3で用いたアルカリ可溶性樹脂は、主鎖に環構造を有さない重合体である。実施例1と実施例3との物性結果を対比すると、樹脂組成物g−1から得た硬化膜では、樹脂組成物g−3から得た硬化膜に比較して、硬化膜の耐熱着色性が更に高いものであった。したがって、アルカリ可溶性樹脂として主鎖に環構造を有する重合体を用いることによる耐熱性の効果が明らかとなった。
(5)実施例1と実施例4との対比
実施例1の樹脂組成物g−1は、カップリング剤としてシランカップリング剤であるKBM503を配合し、実施例4の樹脂組成物g−4は、カップリング剤を配合していないものである。これらの硬化膜の物性結果より、有機無機ハイブリッド材料であるコンポセランAC601を配合することで、カップリング剤が無くても密着性や透明性や電気特性が良好な硬化膜が得られることを確認できた。
上記(1)〜(5)より、樹脂組成物を本発明の構成(所定のアルカリ可溶性樹脂、多官能性化合物、有機無機ハイブリッド材料及び重合開始剤を含む構成)とすることで、本発明の作用効果が発揮されることが確認された。
本発明の硬化性樹脂組成物により形成される硬化膜により高精細化を実現できる表示装置用部材及び表示装置は、光学分野や電機・電子分野で好適に使用できる。

Claims (5)

  1. アルカリ可溶性樹脂、多官能性化合物、有機無機ハイブリッド材料及び重合開始剤を含む硬化性樹脂組成物であって、該アルカリ可溶性樹脂は、芳香環を有する重合体であることを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  2. 前記アルカリ可溶性樹脂は、主鎖に環構造を有する重合体であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物により形成されることを特徴とする硬化膜。
  4. 請求項3に記載の硬化膜を有することを特徴とする表示装置用部材。
  5. 請求項3に記載の硬化膜を有することを特徴とする表示装置。
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