JP2013114096A - フォトスペーサー形成用感光性樹脂組成物 - Google Patents

フォトスペーサー形成用感光性樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 弾性回復特性とガラス基板などに対する密着性を両立できる感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】 カルボキシル基を分子中に含有する親水性樹脂(A)、エチレン性不飽和結合含有基(x)を分子中に含有するフタル酸エステル、トリメリット酸エステルおよびピロメリット酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種のエステル化合物(B)、2個以上の(メタ)アクリロイル基を分子中に含有するウレタンオリゴマー(C)、2個以上の(メタ)アクリロイル基を分子中に含有する多官能(メタ)アクリレートモノマー(D)並びに光重合開始剤(E)を必須成分として含有する感光性樹脂組成物を用いる。
【選択図】 なし

Description

本発明は表示素子用フォトスペーサーを形成するために用いられる感光性樹脂組成物、およびその組成物を硬化させて得られるフォトスペーサーに関する。
近年、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)などの薄型の表示素子が脚光をあびており、その製造プロセスにおいて感光性樹脂が多用されている。例えば、液晶カラーフィルター上の画素に相当する部分には、着色顔料を分散させた感光性樹脂が用いられており、ブラックマトリックスにも感光性樹脂が用いられている。
従来、LCDには所定の粒径を有するビーズをフォトスペーサーとして用い2枚の基板間に間隔を設けていた。しかし、これらのビーズはランダムに分散するため、色表示画素上に分布することにより光漏れ、入射光の散乱などが発生し液晶パネルのコントラストが低下するという問題があった。
これらの問題を解消するため、感光性樹脂を用い、部分的なパターン露光、現像というフォトリソグラフィー法により画素間に位置するブラックマトリックス上に、柱状の樹脂性スペーサーを形成する方法が提案されている。このフォトスペーサーは画素を避けた位置に配置することができるので、上記のような表示品質に悪影響を及ぼすことがなくなり、表示品質の向上が望める。
一方、LCD製造のためのマザーガラスが大きくなるに従い、従来の液晶流入方法(真空吸引方式)に代わって、滴下方式(ODF方式)(ODF:One Drop Fill)が提案されている。このODF方式では所定量の液晶を滴下した後に2枚の基板で挟持することによって液晶を注入するため 、従来の真空吸引方式に比べ、工程数および工程時間の短縮が可能である。
しかし、ODF方式においては、セルギャップから計算して見積もった所定量の液晶を滴下して狭持するため、その際にガラス基板上に配置されたフォトスペーサーに圧力変化がかかる。この圧力変化に対して、形状が塑性変形しないよう、高い弾性回復特性を有することがフォトスペーサーに対して望まれる。
このような高い弾性回復特性を得るためには、オルガノシリカゾルなどの無機微粒子をナノ分散させる方法(例えば特許文献1)や、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートのような多官能モノマーの含有比率を50%以上に高めることによって高弾性を得る方法(例えば特許文献2)が知られている。
しかし、いずれの方法でも、フォトスペーサーとガラスなどの基板との密着性を低下させるため、高弾性と十分な密着性が両立し得るフォトスペーサー形成用の感光性樹脂組成物は得られていない。
特開2007−10885号公報 特開2002−174812号公報
本発明は優れた弾性回復特性と密着性を両立できるフォトスペーサーを形成することが可能な感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明はカルボキシル基を分子中に含有する親水性樹脂(A)、エチレン性不飽和結合含有基(x)を分子中に含有するフタル酸エステル、トリメリット酸エステルおよびピロメリット酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種のエステル化合物(B)、2個以上の(メタ)アクリロイル基を分子中に含有するウレタンオリゴマー(C)、2個以上の(メタ)アクリロイル基を分子中に含有する多官能(メタ)アクリレートモノマー(D)並びに光重合開始剤(E)を必須成分として含有することを特徴とするアルカリ現像可能な表示素子用フォトスペーサー形成用の感光性樹脂組成物;並びにこの感光性樹脂組成物を硬化させて表示素子上に形成されたフォトスペーサーである。
本発明の感光性樹脂組成物は優れた弾性回復特性と密着性を両立することができるという効果を奏する。
本発明の感光性樹脂組成物は、カルボキシル基を分子中に含有する親水性樹脂(A)、特定の化学構造のエステル化合物(B)、2個以上の(メタ)アクリロイル基を分子中に含有するウレタンオリゴマー(C)、2個以上の(メタ)アクリロイル基を分子中に含有する多官能(メタ)アクリレートモノマー(D)並びに光重合開始剤(E)を必須成分として含有することを特徴とする。そして、このエステル化合物(B)は、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基などのエチレン性不飽和結合含有基(x)を分子中に含有するフタル酸エステル、トリメリット酸エステルまたはピロメリット酸エステルである。
また本発明の感光性樹脂組成物を硬化させてえられる表示素子用フォトスペーサーは優れた弾性回復特性を有し、かつガラス基板などとの密着性に優れる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレートまたはメタクリレート」を、「(メタ)アクリル酸」とは「アクリル酸またはメタクリル酸」を、「(メタ)アクリル樹脂」とは「アクリル樹脂またはメタクリル樹脂」を、「(メタ)アクリロイル基」とは「アクリロイル基またはメタクリロイル基」を、「(メタ)アクリロイロキシ基」とは「アクリロイロキシ基またはメタクリロイロキシ基」を意味する。
以下において、本発明の感光性樹脂組成物の必須構成成分である(A)〜(E)について順に説明する。
本発明の第1の必須成分であるカルボキシル基を分子中に含有する親水性樹脂(A)は、その親水性樹脂の種類は特に限定されないが、具体的な例としては、分子内にカルボキシル基を有する親水性エポキシ樹脂(A1)、分子内にカルボキシル基を有する親水性(メタ)アクリル樹脂(A2)などがあげられる。
親水性エポキシ樹脂(A1)としては、原料となる市販のエポキシ樹脂(a1)にカルボキシル基を導入したエポキシ樹脂を使用することができる。
市販のエポキシ樹脂(a1)としては、例えばエポトートYH−300、PG−202、PG−207(いずれも東都化成社製)やCY−179、CY−177、CY−175(いずれも旭化成エポキシ社製)やEOCN―102S(日本化薬社製)などを用いることができる。
エポキシ樹脂(a1)にカルボキシル基を導入する方法としては、エポキシ樹脂(a1)中のグリシジル基にカルボン酸誘導体を付加させ、付加反応により生じた水酸基に多価カルボン酸または多価カルボン酸無水物を反応させることで導入することができる。
親水性(メタ)アクリル樹脂(A2)は既知の方法により(メタ)アクリル酸誘導体を重合させることで得ることができる。
親水性(メタ)アクリル樹脂(A2)の製造方法としてはラジカル重合が好ましく、溶液重合法が分子量を調節しやすいため好ましい。
親水性(メタ)アクリル樹脂(A2)を構成するモノマー(a2)としては、(A2)中にカルボキシル基を導入するために(メタ)アクリル酸(a21)、および(A2)のガラス転移点や基材との密着性を調整するために(メタ)アクリル酸エステル(a22)を用いることができる。
(メタ)アクリル酸エステル(a22)としてはITO基板との密着性の観点から、(メタ)アクリル酸メチルまたはヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
親水性(メタ)アクリル樹脂(A2)を構成するモノマー(a2)としては、上述の(メタ)アクリル酸(a21)と(メタ)アクリル酸エステル(a22)以外に、感光性樹脂組成物の鉛筆硬度の観点から、芳香環含有ビニル化合物(a23)を併用してもよい。このような(a23)としてはスチレンなどが挙げられる。
親水性(メタ)アクリル樹脂(A2)は、さらにフォトスペーサーの弾性回復特性を向上させる目的で必要により(メタ)アクリロイル基を側鎖または末端に導入させることが好ましい。
側鎖に(メタ)アクリロイル基を導入する方法としては、例えば下記の(1)および(2)の方法が挙げられる。
(1)(メタ)アクリル酸エステル(a22)の一部にイソシアネート基と反応しうる基(水酸基または1級もしくは2級アミノ基など)を有するモノマーを使用して重合体を製造し、その後(メタ)アクリロイル基とイソシアネート基を有する化合物(例えば(メタ)アクリロイロキシエチルイソシアネート等)を反応させる方法。
(2)(メタ)アクリル酸(a21)または(メタ)アクリル酸エステル(a22)のうちの少なくとも一部にエポキシ基と反応しうる基(水酸基、カルボキシル基または1級もしくは2級アミノ基など)を有するモノマーを使用して重合体を製造し、その後(メタ)アクリロイル基とエポキシ基を有する化合物(グリシジル(メタ)アクリレート等)を反応させる方法。
本発明のおける親水性樹脂(A)中に含有されるカルボキシル基の量は酸価(AV)により表すことができる。
ここで酸価とは樹脂1gを中和するために必要な水酸化カリウムのmg数をいう。
本発明における酸価はアルカリ性滴定溶液を用いた指示薬滴定法により測定できる。
酸価は、JIS K0070に基づいて測定するが、その具体的な方法は以下の通りである。
(i)親水性樹脂(A)約0.1〜10gを精秤して三角フラスコに入れ、続いて中性メタノール・アセトン混合溶媒[アセトンとメタノールを1:1(容量比)で混合したもの]を加え溶解する。
(ii)フェノールフタレイン指示薬数滴を加え、0.1mol/L水酸化カリウム滴定用溶液で滴定する。指示薬の微紅色が30秒続いたときを中和の終点とする。
(iii)次式を用いて決定する。
酸価(mgKOH/g)=(A×f×5.61)/S
ただし、A:0.1mol/L水酸化カリウム滴定用溶液のmL数
f:0.1mol/L水酸化カリウム滴定用溶液の力価
S:親水性樹脂採取量(g)
本発明における親水性樹脂(A)の数平均分子量(Mn)は、フォトスペーサーの形成性と弾性回復特性の観点から、1,000〜100,000であることが好ましく、さらに好ましくは2,000〜50,000である。
なお、この数平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
本発明における親水性樹脂(A)の親水性の指標はHLBにより規定され、一般にこの数値が大きいほど親水性が高いことを示す。
(A)のHLB値は、好ましくは4〜19、さらに好ましくは5〜18、特に好ましくは6〜17である。4以上であればフォトスペーサー形成後の現像を行う際に、現像性が良好であり、19以下であれば硬化物の耐水性がさらに良好である。
ここでの「HLB」とは、親水性と親油性のバランスを示す指標であって、例えば「界面活性剤入門」〔2007年三洋化成工業株式会社発行、藤本武彦著〕212頁に記載されている小田法による計算値として知られているものであり、グリフィン法による計算値ではない。
HLB値は有機化合物の有機性の値と無機性の値との比率から計算することができる。
HLB=10×無機性/有機性
HLBを導き出すための有機性の値および無機性の値については前記「界面活性剤入門」213頁に記載の表の値を用いて算出できる。
また、親水性樹脂(A)の溶解度パラメーター(以下、SP値という。)[(単位は(cal/cm1/2]は、好ましくは7〜14、さらに好ましくは8〜13、特に好ましくは9〜13である。7以上であるとさらに現像性が良好に発揮でき、14以下であれば硬化物の耐水性がさらに良好である。
なお、本発明におけるSP値は、Fedorsらが提案した下記の文献に記載の方法によって計算されるものである。
「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE,February,1974,Vol.14,No.2,Robert F. Fedors(147〜154頁)」
SP値が近いもの同士はお互いに混ざりやすく(分散性が高い)、この数値が離れているものは混ざりにくい。
本発明の感光性樹脂組成物中の親水性樹脂(A)の含有量は、フォトスペーサーの形成性と弾性回復特性の観点から、(A)〜(E)の合計重量に基づいて、通常5〜60重量%、好ましくは15〜50重量%である。
本発明の第2の必須成分であるエステル化合物(B)としてはフタル酸、トリメリット酸またはピロメリット酸のエステル化合物であり、エチレン性不飽和結合含有基(x)を分子中に有する上記のエステル化合物であれば特に限定されることなく使用することができる。
エチレン性不飽和結合含有基(x)は1個以上であれば特にその個数は限定されない。
エステル化合物(B)が有するエチレン性不飽和結合含有基(x)としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、1−プロペニル基およびアリル基が挙げられる。これらのうち硬化性の観点から(メタ)アクリロイル基およびアリル基が好ましい。
エステル化合物(B)が1分子中に2個以上の(x)を有する場合、(x)の種類はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
エステル化合物(B)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
エステル化合物(B)のうち、さらに好ましいものとしては、下記一般式(1)で示されるフタル酸のエステル化合物(B1)、下記一般式(2)で示されるトリメリット酸のエステル化合物(B2)または下記一般式(3)で示されるピロメリット酸のエステル化合物(B3)が挙げられる。
Figure 2013114096
Figure 2013114096
Figure 2013114096
式(1)〜(3)中、R〜Rはそれぞれ独立に(メタ)アクリロイル基、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、アルキル基または水素原子を表す。
但し、式(1)中のR〜R、式(2)中のR〜R、および式(3)中のR〜Rの少なくとも1個は、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、1−プロペニル基またはアリル基である。すなわち、すべてがアルキル基または水素原子であることはない。
〜Rに用いられるアルキル基としては、直鎖アルキル基および分岐アルキル基が挙げられる。
直鎖アルキル基としてはメチル基、エチル基、ブチル基およびオクチル基などが挙げられ、分岐アルキル鎖としてはイソプロピル基、イソブチル基および2−エチルヘキシル基などが挙げられる。
本発明で用いるエステル化合物(B)は、市販の品を用いることができるほか、必要に応じ、有機溶剤中においてフタル酸、トリメリット酸またはピロメリット酸の酸と、エチレン性不飽和結合含有基(x)および水酸基またはハロゲン基の両方を有する化合物(b)とを、酸触媒(パラトルエンスルホン酸等)の存在下で反応させた後、有機溶剤を減圧留去することで得ることができる。
エチレン性不飽和結合含有基(x)と水酸基またはハロゲン基の両方を有する化合物(b)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、アリルアルコール、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、アリルクロライドなどが挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物中のエステル化合物(B)の含有量は、フォトスペーサーの弾性回復特性とガラス基板などとの密着性の観点から、(A)〜(E)の合計重量に基づいて、通常3〜40重量%、好ましくは5〜30重量%である。
本発明の第3の必須成分であるウレタンオリゴマー(C)は、分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を含有するものであれば特に限定することなく使用することができる。
本発明で用いるウレタンオリゴマー(C)の合成法としては(メタ)アクリロイル基を含有する活性水素成分(c1)と有機ポリイソシアネート成分(c2)を反応させる方法が挙げられる。
ウレタンオリゴマー(C)の合成に用いる(メタ)アクリロイル基を含有する活性水素成分(c1)としては、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート]、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートおよびジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが挙げられる。これらのうち感光性樹脂組成物の硬化性の観点からヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよびペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートが好ましい。
ウレタンオリゴマー(C)の合成に用いる(c2)としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネートなど脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなど脂環式ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど芳香族式ジイソシアネート、およびキシリレンジイソシアネートなど芳香脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。これらのうちフォトスペーサーの弾性回復特性の観点からヘキサメチレンジイソシアネートなど脂肪族ジイソシアネートが好ましく用いられる。
本発明のウレタンオリゴマー(C)の数平均分子量(Mn)は、フォトスペーサーの形成性と弾性回復特性の観点から、通常300〜2,000、好ましくは500〜1,500である。
本発明の感光性樹脂組成物中のエステル化合物(C)の含有量は、フォトスペーサーの弾性回復特性とガラス基板などとの密着性の観点から、(A)〜(E)の合計重量に基づいて、通常5〜60重量%、好ましくは10〜50重量%である。
本発明の第4の必須成分である多官能(メタ)アクリレートモノマー(D)としては、公知の多官能(メタ)アクリレートモノマーであれば、とくに限定されずに用いられる。
多官能(メタ)アクリレートモノマー(D)の官能基数は2〜6個が好ましく、さらに好ましくは3〜5個である。
このような多官能(メタ)アクリレートモノマー(D)としては、2官能(メタ)アクリレート(D1)、3官能(メタ)アクリレート(D2)および4〜6官能(メタ)アクリレート(D3)が挙げられる。
2官能(メタ)アクリレート(D1)としては、例えば、多価アルコールと(メタ)アクリル酸のエステル化物[例えば、グリコールのジ(メタ)アクリレート、グリセリンのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのジ(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−1,5−ペンタンジオールのジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−2−エチル−1,3−プロパンジオールのジ(メタ)アクリレート];多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物と(メタ)アクリル酸のエステル化物[例えばトリメチロールプロパンのエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、グリセリンのエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート];OH基含有両末端エポキシアクリレート;多価アルコールと(メタ)アクリル酸とヒドロキシカルボン酸のエステル化物[例えばヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート]等が挙げられる。
3官能(メタ)アクリレート(D2)としては、グリセリンのトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのトリ(メタ)アクリレート;及びトリメチロールプロパンのエチレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
4〜6官能(メタ)アクリレート(D3)としては、ペンタエリスリトールのテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのペンタ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールのヘキサ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールのエチレンオキサイド付加物のテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのエチレンオキサイド付加物のペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのプロピレンオキサイド付加物のペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明の多官能(メタ)アクリレートモノマー(D)の分子量は、フォトスペーサーの形成性と弾性回復特性の観点から、通常150〜1,500、好ましくは300〜1,000である。
本発明の感光性樹脂組成物中の多官能(メタ)アクリレートモノマー(D)の含有量は、フォトスペーサーの形成性と弾性回復特性の観点から、(A)〜(E)の合計重量に基づいて、通常20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%である。
本発明の第5の必須成分である光重合開始剤(E)としては公知の光ラジカル重合開始剤があげられる。
光重合開始剤(E)としては、アセトフェノン誘導体(E1)、アシルフォスフィンオキサイド誘導体(E2)、チタノセン誘導体(E3)など、およびこれらの併用があげられる。
アセトフェノン誘導体(E1)としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノ−1−プロパノン、ジメチルベンジルケタール、メチルベンゾイルフォーメート、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン]が挙げられる。
アシルフォスフィンオキサイド誘導体(E2)としては、例えば、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドが挙げられる。
チタノセン誘導体(E3)としては、例えば、ビス(η−2,4−シクロペンタジエンー1―イル)−ビス(2,6ージフルオロー3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニ
ル)チタニウムが挙げられる。
これら(E1)〜(E3)のうち、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノ−1−プロパノンおよび2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンがよく用いられ、反応性の観点から2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノ−1−プロパノンが好ましい。
光ラジカル重合開始剤(E)は、市販のものが容易に入手することができ、例えば2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノ−1−プロパノンとしては、イルガキュア907、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンとしては、イルガキュア369等が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物中の光重合開始剤(E)の含有量は、(A)〜(E)の合計重量に基づいて、通常1〜20重量%、好ましくは 5〜15重量%である。
1重量%未満では光硬化性が悪化するため好ましくなく、20重量%を超えるとフォトスペーサーのガラス基板などに対する密着性が低下する。
本発明の感光性樹脂組成物には、フォトスペーサーの弾性回復特性を向上させる目的で、分子内に少なくとも1個のアルコキシ基を含有する下記の一般式(4)で示されるポリシロキサン化合物(F)をさらに含有させることが好ましい。
アルコキシ基を含有しないポリシロキサン化合物の場合は、硬化が不十分となるためフォトスペーサーの十分な弾性回復特性を発現することができない。
Figure 2013114096
[式(4)中、R10とR11は、それぞれ独立にアルキル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイロキシアルキル基である。R12とR13はそれぞれ独立にアルキル基、アルコキシ基、アリール基、メルカプトアルキル基、アミノアルキル基、(メタ)アクリロイロキシアルコキシ基または(メタ)アクリロイロキシ基であり、繰り返し単位により1分子中にR12とR13が複数個含まれる場合はそれぞれ同一でも異なる基であってもよい。ただし、n個のR12とn個のR13のうち、少なくとも1個はアルコキシ基である。nは2〜20の整数である。]
式(4)中、R10とR11は、それぞれ独立にアルキル基、(メタ)アクリロイル基または(メタ)アクリロイロキシアルキル基である。
10とR11に用いられるアルキル基としては直鎖アルキル基および分岐アルキル基が挙げられる。
直鎖アルキル基としてはメチル基、エチル基、ブチル基およびオクチル基などが挙げられ、分岐アルキル基としてはイソプロピル基、イソブチル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。
10とR11に用いられる(メタ)アクリロイル基としてはアクリロイル基およびメタクリロイル基が挙げられる。
10とR11に用いられる(メタ)アクリロイロキシアルキル基としては1−アクリロイロキシプロピル基、1−メタクリロイロキシプロピル基などが挙げられる。
式(4)中、R12とR13はそれぞれ独立にアルキル基、アルコキシ基、アリール基、メルカプトアルキル基、アミノアルキル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイロキシアルキル基、(メタ)アクリロイロキシアルコキシ基または(メタ)アクリロイロキシ基であり、繰り返し単位により1分子中にR12とR13が複数個含まれる場合はそれぞれ同一でも異なる基であってもよい。ただし、n個のR12とn個のR13のうち、少なくとも1個はアルコキシ基である。
12とR13に用いられるアルキル基、(メタ)アクリロイル基および(メタ)アクリロイロキシアルキル基は、上記のR10とR11で説明したものと同じである。
12とR13に用いられるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、オクトキシ基などが挙げられる。これらのうち硬化性の観点からメトキシ基が好ましく用いられる。
12とR13に用いられるアリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
12とR13に用いられるメルカプトアルキル基としてはメルカプトメチル基、メルカプトエチル基、メルカプトプロピル基が挙げられる。
12とR13に用いられるアミノアルキル基としてはアミノメチル基、アミノエチル基、アミノブチル基などが挙げられる。
12とR13に用いられる(メタ)アクリロイロキシ基としてはアクリロイロキシ基とメタクリロイロキシ基が挙げられる。
12とR13に用いられる(メタ)アクリロイロキシアルコキシ基としては1−アクリロイロキシプロポキシ基と1−メタクリロイロキシプロポキシ基が挙げられる。
ポリシロキサン化合物(F)の繰り返し単位nとしては、化合物の反応性と保存安定性の観点から2〜20であり、3〜15が好ましい。
感光性樹脂組成物の硬化性の観点から、ポリシロキサン化合物(F)中には(メタ)アクリロイロキシ基または(メタ)アクリロイロキシアルコキシ基が含有されていることが好ましい。
特に、式(4)中のR10とR11の少なくとも1個が(メタ)アクリロイル基または(メタ)アクリロイロキシアルキル基であることが好ましく、また、R12とR13の少なくとも1個が(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイロキシアルキル基、(メタ)アクリロイロキシアルコキシ基または(メタ)アクリロイロキシ基であることが好ましい。
本発明において用いられるポリシロキサン化合物(F)は、シラン化合物を有機酸などの触媒と水の存在下で縮合反応させることで得ることができる。
本発明の感光性樹脂組成物中にポリシロキサン化合物(F)を含有する場合の含有量は、フォトスペーサーの形成性と弾性回復特性の観点から、(A)〜(F)の合計重量に基づいて、通常1〜40重量%、好ましくは5〜30重量%である。
本発明にかかる感光性樹脂組成物は、必要によりさらにその他の成分を含有していてもよい。その他の成分としては、無機微粒子、増感剤、重合禁止剤、溶剤、増粘剤、表面調整剤、およびその他の添加剤(例えば、シランカップリング剤、蛍光増白剤、黄変防止剤、酸化防止剤、消泡剤および消臭剤等)が挙げられる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
[親水性樹脂の製造]
製造例1 [カルボキシル基を分子中に含有する親水性樹脂(A−1)の製造]
加熱冷却・攪拌装置、環流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えたガラス製コルベンに、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂「EOCN―102S」(日本化薬(株)製 エポキシ当量200)200部とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート245部を仕込み、110℃まで加熱して均一に溶解させた。続いて、アクリル酸76部(1.07モル部)、トリフェニルホスフィン2部及びp−メトキシフェノール0.2部を仕込み、110℃にて10時間反応させた。
反応物にさらにテトラヒドロ無水フタル酸91部(0.60モル部)を仕込み、90℃にて5時間反応させ、その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで親水性樹脂含有量が50重量%となるように希釈して、本発明のアクリロイル基とカルボキシル基を有する親水性樹脂として、カルボキシル基含有クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の50%溶液(A−1)を得た。
この樹脂の純分換算した酸価は88.4であった。GPCによる数平均分子量(Mn)は2,200であった。なお、SP値は11.3、HLB値は6.4である。
製造例2 [4〜6個のアクリロイル基を分子中に含有するウレタンオリゴマー(C−1)の製造]
撹拌機、空気・窒素混合気体の導入管、冷却管および温度計を備えたガラス製コルベンに、酢酸ブチル568部、ヘキサメチレンジイソシアネート168部、p−メトキシフェノール1.2部およびジブチル錫ジアセテート1.2部を仕込み、空気と窒素の混合気流下で70℃に昇温した後、温度を70±10℃に維持しながら「ライトアクリレートPE3A」[共栄社化学(株)製:ペンタエリスリトールジアクリレートとペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物(重量比は約5:60:35)]795部を1時間かけて滴下した。滴下終了後、上記の気流下のまま70℃で3時間反応させた後、酢酸ブチルを減圧下に留去して、本発明のウレタンオリゴマー(C−1)(Mn:850)を得た。
製造例3 [2個のアクリロイル基を分子中に含有するウレタンオリゴマー(C−2)の製造]
ライトアクリレートPE3Aを2−ヒドロキシエチルアクリレート243.6部に変更する以外は製造例2と同様にして、本発明のウレタンオリゴマー(C−2)(Mn:420)を得た。
製造例4 [2個以上の加水分解性アルコキシ基を有するポリシロキサン化合物(F−1)の製造]
加熱冷却・攪拌装置、環流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えたガラス製コルベンに、3−アクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン46部(0.2モル部)、ジフェニルジメトキシシラン160部(0.65モル部)とイオン交換水45g(2.5モル部)と、シュウ酸0.1部(0.001モル部)を仕込み、60℃、6時間の条件で加熱撹拌し、さらにエバポレーターを用いて、加水分解により副生したメタノールを減圧下で2時間かけて除去し、本発明のアクリル変性ポリシロキサン(F−1)(Mn:2,100)を得た。
[感光性樹脂組成物の製造]
実施例1〜6および比較例1〜5
表1の配合部数に従い、ガラス製の容器に各成分と溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を仕込み、均一になるまで攪拌して、実施例1〜6の感光性樹脂組成物、および比較例1〜6の感光性樹脂組成物を得た。
Figure 2013114096
なお、表1中の略称、市販品名の化学品の詳細は以下の通りである。
TRIAM705(B−2):トリメリット酸トリアリル;和光純薬工業(株)社製
TRIAM805」(B−3):ピロメリット酸テトラアリル;和光純薬工業(株)
ネオアリルP−30(B’−1):ペンタエリスリトールトリアリルエーテル;ダイソー(株)社製
ネオマーDA−600(D−1):ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物;三洋化成工業(株)社製(分子量:580)
ネオマーEA−300(D−2):ペンタエリスリトールテトラアクリレート;三洋化成工業(株)社製(分子量:350)
イルガキュア907(E−1):2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノ−1−プロパノン;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製
以下に性能評価の方法を説明する。
[フォトスペーサーの作製]
10cm×10cm四方のガラス基板上にスピンコーターにより塗布し、5μmの塗膜を形成した。この塗膜をホットプレート上で80℃、3分間加熱し、溶剤を完全に除去した。
得られた塗膜に対し、1cmあたり10000個、直径7、8、9および10μmの異なる径の開口部を有する複数のフォトスペーサー形成用のマスクを通して超高圧水銀灯の光を60mJ/cm照射した(i線換算で照度22mW/cm)。なお、マスクと基板の間隔(露光ギャップ)は100μmで露光した。
その後0.05%KOH水溶液を用いてアルカリ現像した。水洗したのち、230℃で30分間ポストベークを行い、ガラス基板上に1cmあたり10,000個のフォトスペーサーを形成した。
なお、マスク開口径を調整することにより所望の下底径を有するフォトスペーサーを形成することができる。
[密着性の評価]
LCDの小型化・高精細化に伴い、基板上に作製されるフォトスペーサーのサイズに10μmあるいはそれ以下のサイズが要求されるようになってきた。ところが、基板とフォトスペーサーとの接地面積が小さいほど、高い密着性が必要となる。
すなわち密着性が高いフォトスペーサーほど、スペーサーの下底径が小さくなっても、擦りなどによって剥がれにくくなる性能に優れる。
そこで密着性は、スペーサーの下底径を直径8μmに設定し、以下の綿棒こすり試験によって評価することとした。
上記の直径7、8、9および10μmの開口部を有する複数のフォトスペーサー形成用のマスクを用いて作製したフォトスペーサーから下底径が直径8μmとなったマスクだけを選定し、下記の密着性試験を行った。
(1)フォトスペーサーを形成したガラス基板の裏側に油性ペンで縦1cm、横1cmの十文字の印を付ける。
(2)アセトンをしみ込ませた綿棒で、十文字の印の付いたガラス基板の表側の表面を、まず縦線の上から下方向に毎秒2cmの速度で10回擦りつける。
次に横線の左から右方向に10回擦りつける。
(3)上記(2)において擦った部分が交差する点を光学顕微鏡で剥離せずに残存するフォトスペーサーの数を数える。
なお、1個も剥がれがない場合はガラス基板上には1mmあたり100個(10個×10個)のスペーサーが存在する。
上記密着性試験後の残存スペーサー数で評価し、90個以上残ったものを密着性良好と判断した。
[弾性回復特性の評価]
フォトスペーサーの弾性回復特性は、下記数式(1)で定義された一定の圧力がかかった時の「弾性回復率」によって評価することができる。弾性回復率(%)の値の高い方が弾性回復特性に優れる。
弾性回復特性は0.5mN/μmの圧力条件下での弾性回復率を測定して評価した。
(1)ガラス基板上に形成したフォトスペーサーのうち任意に選択した1個のフォトスペーサーに対し、微小硬度計(フィッシャーインストルメンツ社製;「フィッシャースコープH−100」)と断面が正方形の平面圧子(50μm×50μm)を用いて、荷重をかけたときと戻したときの変形量を測定した。
この際に、0.017mN/μm・秒の負荷速度で、30秒かけて0.5mN/μmまで荷重をかけ、5秒間保持した。
荷重がかかった状態でのフォトスペーサーの初期位置からの変形量を測定した。このときの変化量を総変形量T(μm)とする。
(2)次に、0.017mN/μm・秒の除荷速度で30秒かけて荷重を0まで解除し、その状態で5秒間保持した。この時のフォトスペーサーの変形量を塑性変形量T(μm)とする。
(3)上記のようにして測定したTとTから、下記数式(1)を用いて弾性回復率を算出した。
弾性回復率(%)=[(T−T)/T]×100 (1)
弾性回復率の値から下記の判定基準により、弾性回復特性を以下のように判定した。
◎:80%以上
○:70%以上80%未満
△:60%以上70%未満
×:60%未満
本発明の実施例1〜6の感光性樹脂組成物は、表1に示す通り密着性および弾性回復特性に優れている。特にアクリル変性ポリシロキサン化合物(F)を含有する実施例6の感光性樹脂組成物は弾性回復特性においてさらに優れている。
その一方で、本発明の必須構成要素であるエチレン性不飽和結合含有基(x)を含有するエステル化合物(B)を含有しない比較例1、および(B)の代わりにエチレン性不飽和結合含有基(x)を含有しないエステル化合物(B’)を用いた比較例2と3は密着性と弾性回復特性の両方において不十分である。またアクリロイル基を有するウレタンオリゴマー(C)を含有しない比較例4は密着性が著しく不十分である。
多官能(メタ)アクリレートモノマー(D)を含有しないもの比較例5と、(D)の代わりに単官能(メタ)アクリレートモノマー(D’)を用いた比較例6は弾性回復特性を満足しない。
また、多官能アクリレートモノマーの部数が50重量%(固形分換算)を超える比較例7は高弾性ではあるが、密着性は満足しない。
本発明の感光性樹脂組成物は、硬化後の弾性回復特性とガラス基板に対する密着性に優れるため、表示素子用フォトスペーサーとして好適に使用できる。さらに、その他にも各種のレジスト材料、例えば、フォトソルダーレジスト、感光性レジストフィルム、感光性樹脂凸版、スクリーン版、光接着剤又はハードコート材などの用途の感光性樹脂組成物として好適である。

Claims (6)

  1. カルボキシル基を分子中に含有する親水性樹脂(A)、エチレン性不飽和結合含有基(x)を分子中に含有するフタル酸エステル、トリメリット酸エステルおよびピロメリット酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種のエステル化合物(B)、2個以上の(メタ)アクリロイル基を分子中に含有するウレタンオリゴマー(C)、2個以上の(メタ)アクリロイル基を分子中に含有する多官能(メタ)アクリレートモノマー(D)並びに光重合開始剤(E)を必須成分として含有することを特徴とするアルカリ現像可能な表示素子用フォトスペーサー形成用の感光性樹脂組成物。
  2. 該エステル化合物(B)中のエチレン性不飽和結合含有基(x)が、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、1−プロペニル基およびアリル基からなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基である請求項1記載の感光性樹脂組成物。
  3. 該エステル化合物(B)が、下記一般式(1)で示される化合物(B1)、下記一般式(2)で示される化合物(B2)、または下記一般式(3)で示される化合物(B3)である請求項1または2記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2013114096
    Figure 2013114096
    Figure 2013114096
    [式(1)〜(3)中、R〜Rはそれぞれ独立に(メタ)アクリロイル基、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、アルキル基または水素原子を表す。但し、式(1)中のR〜R、式(2)中のR〜R、および式(3)中のR〜Rの少なくとも1個は、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、1−プロペニル基またはアリル基である。]
  4. 該多官能(メタ)アクリレートモノマー(D)の官能基数が2〜6個である請求項1〜3記載の感光性樹脂組成物。
  5. さらに、下記一般式(4)で示されるポリシロキサン化合物(F)を含有する請求項1〜4いずれか記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2013114096
    [式(4)中、R10とR11はそれぞれ独立にアルキル基、(メタ)アクリロイル基または(メタ)アクリロイロキシアルキル基である。n個のR12とn個のR13は、それぞれ独立にアルキル基、アルコキシ基、アリール基、メルカプトアルキル基、アミノアルキル基、(メタ)アクリロイロキシアルコキシ基または(メタ)アクリロイロキシ基である。但し、n個のR12とn個のR13のうち、少なくとも1個はアルコキシ基である。nは2〜20の整数である。]
  6. 請求項1〜5いずれか記載の感光性樹脂組成物を硬化させて表示素子上に形成されたフォトスペーサー。
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