JP2020101835A - 感光性樹脂組成物及びその硬化膜 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は更に、上記硬化膜を有する表示装置用部材でもある。
本発明はそして、上記硬化膜を有する表示装置でもある。
本発明の感光性樹脂組成物(単に樹脂組成物とも称す)は、(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)重合性化合物(重合性単量体とも称する)、及び、(C)色材、の成分(A)〜(C)を少なくとも含む。必要に応じ、更に他の成分を1種又は2種以上含んでいてもよく、各含有成分はそれぞれ1種又は2種以上を使用することができる。
アルカリ可溶性樹脂は、アルカリ可溶性を示す樹脂(重合体)であり、分子内に酸基を有することが好ましい。酸基としては、例えば、カルボキシル基、フェノール性水酸基、カルボン酸無水物基、リン酸基、スルホン酸基等、アルカリ水と中和反応する官能基が挙げられ、これらの1種のみを有していてもよいし、2種以上有していてもよい。中でも、カルボキシル基やカルボン酸無水物基が好ましく、カルボキシル基がより好ましい。
なお、アルカリ可溶性樹脂は、樹脂組成物中でバインダー樹脂として作用し得る。
本明細書中、重合体の酸価は、後述する実施例に記載の方法により求めることができる。
本明細書中、重量平均分子量は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
以下に、アルカリ可溶性樹脂の原料成分や重合方法について更に説明する。
(i)酸基を有する単量体
酸基を有する単量体とは、分子内に酸基と重合性二重結合とを有する化合物である。例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、ビニル安息香酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和多価カルボン酸類;コハク酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)、コハク酸モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)等の不飽和基とカルボキシル基との間が鎖延長されている不飽和モノカルボン酸類;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和酸無水物類;ライトエステルP−1M(共栄社化学製)等のリン酸基含有不飽和化合物;等が挙げられる。これらの中でも、汎用性、入手性等の観点から、カルボン酸系単量体(不飽和モノカルボン酸類、不飽和多価カルボン酸類、不飽和酸無水物類)を用いることが好適である。より好ましくは、反応性、アルカリ可溶性等の点で、不飽和モノカルボン酸類であり、更に好ましくは(メタ)アクリル酸(すなわちアクリル酸及び/又はメタクリル酸)であり、特に好ましくはメタクリル酸である。
重合体の主鎖骨格にヘテロ環構造を導入し得る単量体としては、例えば、分子内に二重結合含有ヘテロ環構造を有する単量体や、環化重合してヘテロ環構造を主鎖骨格に与える単量体等が挙げられる。中でも、下記一般式(3)又は(4)で表される単量体が好ましい。これにより、得られるアルカリ可溶性樹脂は、上述した一般式(1)又は(2)で表されるヘテロ環含有構成単位を有するものとなる。より好ましくは、下記一般式(3)で表される単量体である。
α−アリルオキシメチルアクリル酸、α−アリルオキシメチルアクリル酸メチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸エチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−プロピル、α−アリルオキシメチルアクリル酸i−プロピル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−ブチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸s−ブチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸t−ブチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−アミル、α−アリルオキシメチルアクリル酸s−アミル、α−アリルオキシメチルアクリル酸t−アミル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−ヘキシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸s−ヘキシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−ヘプチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−オクチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸s−オクチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸t−オクチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸2−エチルヘキシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸カプリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ノニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸デシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ウンデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ラウリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸トリデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ミリスチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ペンタデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸セチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ヘプタデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ステアリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ノナデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸エイコシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸セリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸メリシル、
ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(n−プロピル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソプロピル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(n−ブチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソブチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−ブチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−アミル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ステアリル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ラウリル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(2−エチルヘキシル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(1−メトキシエチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(1−エトキシエチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジフェニル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−ブチルシクロヘキシル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ジシクロペンタジエニル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(トリシクロデカニル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソボルニル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジアダマンチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(2−メチル−2−アダマンチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート等。
上記ベースポリマー成分はまた、環状構造を有する単量体(但し、上記(ii)の単量体に該当する化合物を除く)を含むことが好ましい。環状構造を有する単量体として好ましくは、例えば、環状構造含有(メタ)アクリル酸エステル系単量体;N置換マレイミド系単量体;芳香族ビニル化合物;等が挙げられる。
上記ベースポリマー成分はまた、必要に応じ、必要に応じ、上述した単量体の少なくとも1以上と共重合可能なその他の単量体(他の単量体とも称す)を1種又は2種以上含んでもよい。
上記単量体成分を重合する方法としては、バルク重合、溶液重合、乳化重合等の通常用いられる手法を用いることができ、目的、用途に応じて適宜選択すればよい。中でも、溶液重合が、工業的に有利で分子量等の構造調整も容易であるため、好適である。また、上記単量体成分の重合機構は、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、配位重合等の機構に基づいた重合方法を用いることができるが、ラジカル重合機構に基づく重合方法が、環化率(例えば、上記一般式(3)又は(4)で表される単量体から上記一般式(1)又は(2)で表される構成単位が生成する割合)が高く、工業的にも有利であるため好ましい。また、重合濃度や重合温度は、使用する単量体の種類や比率、目標とする重合体の分子量によっても異なるが、好ましくは、重合温度を40〜150℃、重合濃度を20〜50質量%に設定することであり、より好ましくは、重合温度を60〜130℃、重合濃度を30〜45%に設定することである。
メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール等のモノアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;テトラヒドロフラン,ジオキサン等の環状エーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシブタノール等のグリコールモノエーテル類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類;
重合開始剤としては特に限定されないが、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ化合物;過酸化水素、過硫酸塩;等が挙げられる。なお、重合開始剤とともに、遷移金属塩やアミン類等の還元剤を併用してもよい。
連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、メルカプトプロピオン酸、メルカプト酢酸、メルカプト酢酸メチル等のメルカプタン系連鎖移動剤、α−メチルスチレンダイマー等の他、特開2015−22175号公報〔0047〕に記載の化合物も挙げられる。中でも、連鎖移動効果が高く、かつ残存単量体を低減でき、入手も容易である点で、n−ドデシルメルカプタン及び/又はメルカプトプロピオン酸を用いることが好ましい。
上記アルカリ可溶性樹脂はまた、側鎖に重合性二重結合を含むことが好ましい。側鎖に重合性二重結合を持たせることにより、熱や光で硬化させることができる。そのため、より耐熱分解性が向上する他、光に対する感度が向上し、より少ない光で硬化し、かつ硬化後の機械強度も高くなる。側鎖に重合性二重結合を導入する方法としては、上記ベースポリマーに、酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を含む化合物を付加させる方法が挙げられる。
本明細書中、二重結合当量は、下記式により求めるものとする。
二重結合当量=(ベースポリマーの重量+酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を含む化合物の重量)/(酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を含む化合物のモル数)
重合性化合物は、重合性の基を有する化合物を意味する。好ましくは、重合性二重結合を有する化合物である。中でも、感光性や硬化性の観点から、重合体二重結合を分子内に2個以上有する化合物、すなわち2官能以上の多官能化合物であることが好ましく、より好ましくは3官能以上の多官能化合物、更に好ましくは4官能以上の多官能化合物である。
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAアルキレンオキシドジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFアルキレンオキシドジ(メタ)アクリレート、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン等の2官能(メタ)アクリレート化合物;
色材としては、顔料(有機顔料、無機顔料)や染料等を用いることができる。
本発明の樹脂組成物はまた、光重合開始剤を含むことが好適である。
光重合開始剤としては特に限定されないが、例えば、以下の化合物等が挙げられる。
2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ジエチルアミノ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルホリノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−(4−メチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−エチルフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ブチルフェニル)−2−ジメチルアミノ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−メトキシフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−ジメチルアミノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォルニル)フェニル]−1−ブタノン等のα−アミノケトン系化合物;2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシー2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシー2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル〕フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−〔(4−メチルフェニル)メチル〕−1−〔4−(4−モルホリニル)フェニル〕−1−ブタノン等のアルキルフェノン系化合物;
本発明の樹脂組成物はまた、溶剤を含むことが好適である。
溶剤としては特に限定されず、アルカリ可溶性樹脂を得る際の重合溶媒の具体例として上述した各種化合物が挙げられる。中でも、グリコールモノエーテルのエステル類、モノアルコール類、及び/又は、グリコールモノエーテル類を用いることが好ましい。より好ましくは、グリコールモノエーテルのエステル類を少なくとも用いることであり、グリコールモノエーテルのエステル類とグリコールモノエーテル類とを併用することも好ましい。
本発明の樹脂組成物はまた、分散剤を含むことが好ましい。分散剤としては特に限定されないが、例えば、色材への相互作用部位と分散媒(アルカリ可溶性樹脂や溶剤等)への相互作用部位とを有し、分散媒への色材の分散を安定化する働きを持つものが好ましい。一般には、樹脂型分散剤(高分子分散剤)、界面活性剤(低分子分散剤)、色素誘導体に分類され、通常使用されている分散剤を用いればよい。
本発明の感光性樹脂組成物はまた、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分を1種又は2種以上含んでいてもよい。例えば、アルカリ可溶性樹脂以外のバインダー樹脂;耐熱向上剤;レベリング剤;カップリング剤;現像助剤;水酸化アルミニウム、タルク、クレー、硫酸バリウム等の充填材;消泡剤;増感剤;離型剤;滑剤;可塑剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;難燃剤;重合抑制剤;増粘剤;等が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物の製造方法としては特に限定されず、例えば、上述した含有成分を、各種の混合機や分散機を用いて混合分散することによって調製することができる。分散工程及び混合工程は特に限定されず、通常の手法により行えばよいし、また、通常行われる他の工程を更に含むものであってもよい。具体的には、例えば、色材、分散剤、バインダー樹脂(アルカリ可溶性樹脂等)及び溶剤等を含む色材分散液(ミルベース)を調製した後に、更に、重合性単量体、光重合開始剤、バインダー樹脂(アルカリ可溶性樹脂等)及び溶剤等を含む透明レジスト液(クリアレジスト液とも称す)を加えて調製することが好ましい。得られた樹脂組成物は、フィルタ等によって、濾過処理をして微細なゴミを除去することが好適である。
本発明の感光性樹脂組成物は、透明性及び耐熱性等の各種物性に優れるうえ、耐溶剤性に優れ、かつ高レベルの表面平滑性を有する硬化物を与えることができるため、例えば、レジスト材料、各種コーティング剤、塗料等の種々の用途に用いることができる。好ましい用途としては、液晶表示装置や固体撮像素子等に用いられるカラーフィルタ、インキ、印刷版、プリント配線板、半導体素子、フォトレジスト等の、各種の光学部材や電機・電子機器等が挙げられる。中でも、上記感光性樹脂組成物は、カラーフィルタや光導波路等を作製するための材料(例えば、アルカリ現像型のネガ型レジスト材料)として有用であり、これにより、近年の高性能化の要望に充分に対応できる程度に各種表示装置の表示品位や撮像品位の信頼性を充分に高めることができる。特に上記感光性樹脂組成物は、カラーフィルタ用途に極めて有用なものである。
本発明の硬化膜は、上述した本発明の感光性樹脂組成物を硬化してなるものであり、上記樹脂組成物に活性エネルギー光線を照射(露光)することにより得ることができる。具体的には、例えば、基板(基材とも称す)上に上記樹脂組成物を塗布して乾燥させ、その塗布面に活性エネルギー光線を照射(露光)することにより得ることが好ましい。本発明の感光性樹脂組成物はレジスト材料として好適に用いられるため、上記感光性樹脂組成物を硬化してなる硬化膜がレジスト硬化膜である形態は、本発明の好適な形態の1つである。
なお、カラーフィルタを構成する部材は、具体的には3原色(RGB)画素、樹脂ブラックマトリックス、保護膜及び柱状スペーサー等があるが、これらのカラーフィルタを構成する部材のうち少なくとも1つが、本発明の感光性樹脂組成物により形成された硬化膜を有することが好ましい。ここで、RGB画素を形成する場合、本発明の樹脂組成物は赤・緑・青の各3原色の色材を含み、樹脂ブラックマトリックスを形成する場合は黒色の色材を含む。
1)基板上に、感光性樹脂組成物を公知のコート法でコート(塗工)し、乾燥し、塗膜を作製する。基板としては透明基板が好ましく、具体的には、ガラス(好ましくは無アルカリガラス)や透明プラスチック等が挙げられる。公知のコート法としては、スピンコート法、スプレー法等が挙げられ、スピンコート法が好ましい。乾燥条件に関し、乾燥温度は室温〜120℃が好ましく、より好ましくは60〜100℃である。乾燥時間は10秒〜60分が好ましく、より好ましくは30秒〜10分である。また、常圧又は真空下で加熱乾燥することが好ましい。
本発明の表示装置用部材及び表示装置は上記硬化膜を有するが、更に、他の構成部材等を1種又は2種以上有するものであってもよい。近年では、表示装置等の技術の進歩に伴い、使用される各部材に対しても更に高度な性能が強く要望されているが、本発明の感光性樹脂組成物を用いれば、このようなニーズに充分に対応できる程度に、各種表示装置の表示品位や撮像品位の信頼性を充分に高めることができる。表示装置としては特に限定されないが、例えば、液晶表示装置、固体撮像素子、タッチパネル式表示装置等が好適である。タッチパネル式表示装置としては、特に、静電容量方式のものが好ましい。
(1)重量平均分子量:Mw
GPC(商品名:HLC−8220GPC、東ソー社製)にて、テトラヒドロフラン(THF)を溶離液とし、カラムにTSKgel SuperHZM−N(東ソー社製)を用いて測定し、標準ポリスチレン換算にて算出した。
各製造例で調製した共重合体溶液をアルミカップに約0.3gはかり取り、アセトン約1gを加えて溶解させた後、常温で自然乾燥させた。その後、熱風乾燥機(商品名:PHH−101、エスペック社製)を用い、140℃で3時間乾燥した後、デシケータ内で放冷し、重量を測定した。その重量減少量から、共重合体溶液の固形分(樹脂)の重量(固形分濃度)を計算した。
各製造例で調製した共重合体溶液を1.5g精秤し、アセトン90gと水10gの混合溶媒に溶解させ、0.1NのKOH水溶液で滴定した。滴定は、自動滴定装置(商品名:COM−555、平沼産業社製)を用いて行い、固形分濃度から、ポリマー1g当たりの酸価を求めた(mgKOH/g)。
上述した式に従って求めた。
(1)感光性樹脂組成物G(Greenレジスト)の吸光度
感光性樹脂組成物Gを5cm角のガラス基板上にスピンコートし、90℃で3分間乾燥後、高圧水銀灯にて100mJで露光を行い、230℃で30分間熱処理を行い、膜厚5μmの薄膜を得た。その後、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)20gに80℃で15分間浸漬し、塗膜から溶出したNMPの色相を分光光度計UV3100(島津製作所社製)で測定し、445nmの吸光度を求めた(つまり、試験後のNMP浸漬液の吸光度を測ることによって、ガラス基板からの色材の染み出し量を評価した)。感光性樹脂組成物G1〜9の評価結果を実施例1〜9として、感光性樹脂組成物G10の評価結果を比較例1として、表3に記す。
硬化性樹脂組成物Bを5cm角のガラス基板上にスピンコートし、90℃で3分間乾燥後、高圧水銀灯にて100mJで露光を行い、230℃で30分間熱処理を行い、膜厚5μmの薄膜を得た。その後、NMP20gに55℃で5分間浸漬し、塗膜から溶出したNMPの色相を分光光度計UV3100(島津製作所社製)で測定し、670nmの吸光度を求めた(つまり、試験後のNMP浸漬液の吸光度を測ることによって、ガラス基板からの色材の染み出し量を評価した)。感光性樹脂組成物B1〜9の評価結果を実施例11〜19として、感光性樹脂組成物B10の評価結果を比較例2として、表4に記す。
10cm角のガラス基板上に、感光性樹脂組成物をスピンコーターにより塗布し、オーブンで90℃3分間乾燥した。乾燥後、塗膜から100μmの距離に100μmのラインアンドスペースを有するフォトマスクを配置して、2.0kWの超高圧水銀ランプを装着したUVアライナ(商品名:TME−150RNS、TOPCON社製)によって、100mJ/cm2の強度(365nm照度換算)で紫外線を照射した。紫外線照射後、塗膜に0.05%の水酸化カリウム水溶液をスピン現像機にて散布し、未露光部を溶解、除去し、残った露光部を純水で10秒間水洗することにより現像して、ラインアンドスペースのパターンを形成した。得られたパターンについて、以下のように現像速度及び面内均一性の評価に供した。結果を表3、4に記す。
(3−1)現像速度
現像した際、パターンが形成可能な最短時間(秒;second)を現像速度とした。
(3−2)面内均一性(Ra)
パターンの幅及び高さは、レーザー顕微鏡(商品名:VK−9700、キーエンス社製)を用いて測定した。100μmのラインアンドスペースフォトマスクで形成したパターンの280μm×90μmの範囲を測定した。
製造例1
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備した。他方、モノマー滴下槽中に、モノマー組成物として、(α−アリルオキシメチル)アクリル酸メチル(AMA−M)15g、メタクリル酸(MAA)36.5g、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)47g、メタクリル酸メチル(MMA)1.5g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(商品名:パーブチル(登録商標)O、日本油脂社製、以下PBOともいう)2gを投入し、撹拌混合した。また、連鎖移動剤滴下槽中に、連鎖移動剤溶液として、β−メルカプトプロピオン酸(β−MPA)3.2g、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)18gを投入し、撹拌混合した。
反応槽にPGMEA112gとプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)56gを仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。
反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー組成物及び連鎖移動剤溶液を滴下した。温度を90℃に保ちながら、モノマー組成物は180分、連鎖移動剤溶液は210分間かけて滴下した。連鎖移動剤溶液の滴下終了後にPBO0.5gを加えた。更に30分後、槽を115℃に昇温した。1時間、115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=7/93(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。
次いで、反応槽に、メタクリル酸グリシジル(GMA)33g、重合禁止剤として6−tert−ブチル−2,4−キシレノール(商品名:トパノール、東京化成工業社製)0.04g、触媒としてジメチルベンジルアミン(DMBA)0.4gを仕込み、110℃で1時間、115℃で7時間反応させた。その後、室温まで冷却し、樹脂42.0重量%を含む共重合体溶液(A−1)を得た。
共重合体溶液(A−1)の二重結合当量、重量平均分子量(Mw)及び酸価を、共重合体溶液(A−2)〜(A−10)とともに表1に記す。
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備した。他方、モノマー滴下槽中に、モノマー組成物として、AMA−M15g、MAA42.5g、CHMA41g、MMA1.5g、PBO2gを投入し、撹拌混合した。また、連鎖移動剤滴下槽中に、連鎖移動剤溶液として、β−MPA3.2g、PGMEA18gを投入し、撹拌混合した。
反応槽にPGMEA112gとPGME56gを仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。
反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー組成物及び連鎖移動剤溶液を滴下した。温度を90℃に保ちながら、モノマー組成物は180分、連鎖移動剤溶液は210分間かけて滴下した。連鎖移動剤溶液の滴下終了後にPBO0.5gを加えた。更に30分後、槽を115℃に昇温した。1時間、115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=7/93(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。
次いで、反応槽に、GMA41g、重合禁止剤としてトパノール0.04g、触媒としてDMBA0.4gを仕込み、110℃で1時間、115℃で7時間反応させた。その後、室温まで冷却し、樹脂43.4重量%を含む共重合体溶液(A−2)を得た。
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備した。他方、モノマー滴下槽中に、モノマー組成物として、AMA−M15g、MAA36.5g、ベンジルメタクリレート(BzMA)47g、MMA1.5g、PBO2gを投入し、撹拌混合した。また、連鎖移動剤滴下槽中に、連鎖移動剤溶液として、β−MPA3.2g、PGMEA18gを投入し、撹拌混合した。
反応槽にPGMEA112gとPGME56gを仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。
反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー組成物及び連鎖移動剤溶液を滴下した。温度を90℃に保ちながら、モノマー組成物は180分、連鎖移動剤溶液は210分間かけて滴下した。連鎖移動剤溶液の滴下終了後にPBO0.5gを加えた。更に30分後、槽を115℃に昇温した。1時間、115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=7/93(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。
次いで、反応槽に、GMA33g、重合禁止剤としてトパノール0.04g、触媒としてDMBA0.4gを仕込み、110℃で1時間、115℃で7時間反応させた。その後、室温まで冷却し、樹脂41.7重量%を含む共重合体溶液(A−3)を得た。
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備した。他方、モノマー滴下槽中に、モノマー組成物として、AMA−M15g、MAA31.5g、CHMA47g、MMA6.5g、PBO2gを投入し、撹拌混合した。また、連鎖移動剤滴下槽中に、連鎖移動剤溶液として、β−MPA3.2g、PGMEA18gを投入し、撹拌混合した。
反応槽にPGMEA112gとPGME56gを仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。
反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー組成物及び連鎖移動剤溶液を滴下した。温度を90℃に保ちながら、モノマー組成物は180分、連鎖移動剤溶液は210分間かけて滴下した。連鎖移動剤溶液の滴下終了後にPBO0.5gを加えた。更に30分後、槽を115℃に昇温した。1時間、115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=7/93(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。
次いで、反応槽に、GMA33g、重合禁止剤としてトパノール0.04g、触媒としてDMBA0.4gを仕込み、110℃で1時間、115℃で7時間反応させた。その後、室温まで冷却し、樹脂41.8重量%を含む共重合体溶液(A−4)を得た。
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備した。他方、モノマー滴下槽中に、モノマー組成物として、AMA−M15g、MAA41.5g、CHMA42g、MMA1.5g、PBO2gを投入し、撹拌混合した。また、連鎖移動剤滴下槽中に、連鎖移動剤溶液として、β−MPA3.2g、PGMEA18gを投入し、撹拌混合した。
反応槽にPGMEA112gとPGME56gを仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。
反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー組成物及び連鎖移動剤溶液を滴下した。温度を90℃に保ちながら、モノマー組成物は180分、連鎖移動剤溶液は210分間かけて滴下した。連鎖移動剤溶液の滴下終了後にPBO0.5gを加えた。更に30分後、槽を115℃に昇温した。1時間、115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=7/93(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。
次いで、反応槽に、GMA33g、重合禁止剤としてトパノール0.04g、触媒としてDMBA0.4gを仕込み、110℃で1時間、115℃で7時間反応させた。その後、室温まで冷却し、樹脂42.1重量%を含む共重合体溶液(A−5)を得た。
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備した。他方、モノマー滴下槽中に、モノマー組成物として、AMA−M15g、MAA35.5g、CHMA47g、MMA2.5g、PBO2gを投入し、撹拌混合した。また、連鎖移動剤滴下槽中に、連鎖移動剤溶液として、β−MPA4.0g、PGMEA18gを投入し、撹拌混合した。
反応槽にPGMEA112gとPGME56gを仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。
反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー組成物及び連鎖移動剤溶液を滴下した。温度を90℃に保ちながら、モノマー組成物は180分、連鎖移動剤溶液は210分間かけて滴下した。連鎖移動剤溶液の滴下終了後にPBO0.5gを加えた。更に30分後、槽を115℃に昇温した。1時間、115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=7/93(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。
次いで、反応槽に、GMA33g、重合禁止剤としてトパノール0.04g、触媒としてDMBA0.4gを仕込み、110℃で1時間、115℃で7時間反応させた。その後、室温まで冷却し、樹脂41.8重量%を含む共重合体溶液(A−6)を得た。
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備した。他方、モノマー滴下槽中に、モノマー組成物として、AMA−M15g、MAA37g、CHMA47g、MMA1g、PBO2gを投入し、撹拌混合した。また、連鎖移動剤滴下槽中に、連鎖移動剤溶液として、β−MPA2.3g、PGMEA18gを投入し、撹拌混合した。
反応槽にPGMEA112gとPGME56gを仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。
反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー組成物及び連鎖移動剤溶液を滴下した。温度を90℃に保ちながら、モノマー組成物は180分、連鎖移動剤溶液は210分間かけて滴下した。連鎖移動剤溶液の滴下終了後にPBO0.5gを加えた。更に30分後、槽を115℃に昇温した。1時間、115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=7/93(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。
次いで、反応槽に、GMA33g、重合禁止剤としてトパノール0.04g、触媒としてDMBA0.4gを仕込み、110℃で1時間、115℃で7時間反応させた。その後、室温まで冷却し、樹脂42.3重量%を含む共重合体溶液(A−7)を得た。
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備した。他方、モノマー滴下槽中に、モノマー組成物として、AMA−M15g、アクリル酸(AA)34g、CHMA47g、MMA4g、PBO2gを投入し、撹拌混合した。また、連鎖移動剤滴下槽中に、連鎖移動剤溶液として、β−MPA3.2g、PGMEA18gを投入し、撹拌混合した。
反応槽にPGMEA112gとPGME56gを仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。
反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー組成物及び連鎖移動剤溶液を滴下した。温度を90℃に保ちながら、モノマー組成物は180分、連鎖移動剤溶液は210分間かけて滴下した。連鎖移動剤溶液の滴下終了後にPBO0.5gを加えた。更に30分後、槽を115℃に昇温した。1時間、115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=7/93(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。
次いで、反応槽に、GMA33g、重合禁止剤としてトパノール0.04g、触媒としてDMBA0.4gを仕込み、110℃で1時間、115℃で7時間反応させた。その後、室温まで冷却し、樹脂42.0重量%を含む共重合体溶液(A−8)を得た。
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備した。他方、モノマー滴下槽中に、モノマー組成物として、AMA−M30g、MAA36.5g、CHMA32g、MMA1.5g、PBO2gを投入し、撹拌混合した。また、連鎖移動剤滴下槽中に、連鎖移動剤溶液として、β−MPA3.2g、PGMEA18gを投入し、撹拌混合した。
反応槽にPGMEA112gとPGME56gを仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。
反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー組成物及び連鎖移動剤溶液を滴下した。温度を90℃に保ちながら、モノマー組成物は180分、連鎖移動剤溶液は210分間かけて滴下した。連鎖移動剤溶液の滴下終了後にPBO0.5gを加えた。更に30分後、槽を115℃に昇温した。1時間、115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=7/93(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。
次いで、反応槽に、GMA33g、重合禁止剤としてトパノール0.04g、触媒としてDMBA0.4gを仕込み、110℃で1時間、115℃で7時間反応させた。その後、室温まで冷却し、樹脂42.1重量%を含む共重合体溶液(A−9)を得た。
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備した。他方、モノマー滴下槽中に、モノマー組成物として、MAA36.5g、CHMA62g、MMA1.5g、PBO2gを投入し、撹拌混合した。また、連鎖移動剤滴下槽中に、連鎖移動剤溶液として、β−MPA3.2g、PGMEA18gを投入し、撹拌混合した。
反応槽にPGMEA112gとPGME56gを仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。
反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー組成物及び連鎖移動剤溶液を滴下した。温度を90℃に保ちながら、モノマー組成物は180分、連鎖移動剤溶液は210分間かけて滴下した。連鎖移動剤溶液の滴下終了後にPBO0.5gを加えた。更に30分後、槽を115℃に昇温した。1時間、115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=7/93(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。
次いで、反応槽に、GMA33g、重合禁止剤としてトパノール0.04g、触媒としてDMBA0.4gを仕込み、110℃で1時間、115℃で7時間反応させた。その後、室温まで冷却し、樹脂41.8重量%を含む共重合体溶液(A−10)を得た。
調製例G1
バインダー樹脂として共重合体溶液(A−1)7.38g(すなわち樹脂3.1g)、分散剤としてSOLSPERSE24000GR(日本ルーブリゾール製、以下SP24000と表す)1.04g及びSOLSPERSE12000(日本ルーブリゾール製以下SP12000と表す)0.26g、色材としてC.I.ピグメントグリーン36(Heubach製、以下PG36と表す)5.4g及びC.I.ピグメントイエロー150(Lanxess製、以下PY150と表す)3.6gを、225mlマヨネーズ瓶にはかり取り、不揮発分濃度が20重量%となるようPGMEAで希釈した。これに径1.0mmのジルコニアビーズ67gを加え、フタをした。これをペイントシェーカーで3時間振とうして分散処理を行った。
この分散液に、重合性単量体としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(共栄社化学社製、以下DPHAと表す)3.1g、バインダー樹脂として共重合体溶液(A−1)3.81g(すなわち樹脂1.6g)、及び、光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(商品名:IRGACURE(登録商標)369、BASFジャパン社製、以下Irg369と表す)1.9gを加え、不揮発分濃度が20重量%となるようにPGMEAで希釈した。ジルコニアビーズを除去した後、孔径1.0μmのフィルタでろ過し、感光性樹脂組成物G1を調製した。組成を表2に記す。
バインダー樹脂として共重合体溶液(A−2〜A−10)をそれぞれ用いたこと以外は、調製例G1と同様にして感光性樹脂組成物G2〜G10を各々調製した。組成を表2に記す。
感光性樹脂組成物G1〜G10のそれぞれについて、上述した評価方法「2(1)感光性樹脂組成物G(Greenレジスト)の吸光度」に従って吸光度を評価し、また、上記評価方法に従って現像速度及び面内均一性(Ra)も評価した。結果を表3に記す。
調製例B1
バインダー樹脂として共重合体溶液(A−1)8.33g(すなわち樹脂3.5g)、分散剤としてDISPERBYK-2001(不揮発分1.3g、ビックケミー・ジャパン社製、以下byk2001と表す)2.86g、色材として顔料のC.I.ピグメンバイオレット23(Clariant社製、以下PV23と表す)1.6g及び染料のC.I.ソルベントブルー35(MP Biomnedicals社製、以下SB35と表す)6.4gを、225mlマヨネーズ瓶にはかり取り、不揮発分濃度が20重量%となるようPGMEAで希釈した。これに径1.0mmのジルコニアビーズ64gを加え、フタをした。これをペイントシェーカーで3時間振とうして分散処理を行った。
この分散液に、重合性単量体としてとしてDPHA3.5g、バインダー樹脂として共重合体溶液(A−1)4.29g(すなわち樹脂1.8g)、及び、光重合開始剤としてIrg369を1.9g加え、不揮発分濃度が20重量%となるようにPGMEAで希釈した。ジルコニアビーズを除去した後、孔径1.0μmのフィルタでろ過し、感光性樹脂組成物B1を調製した。組成を表2に記す。
バインダー樹脂として共重合体溶液(A−2〜A−10)をそれぞれ用いたこと以外は、調製例B1と同様にして感光性樹脂組成物B2〜B10を各々調製した。組成を表2に記す。
感光性樹脂組成物B1〜B10のそれぞれについて、上述した評価方法「2(2)感光性樹脂組成物B(Blueレジスト)の吸光度」に従って吸光度を評価し、また、上記評価方法に従って現像速度及び面内均一性(Ra)も評価した。結果を表4に記す。
実施例1〜9と比較例1とは、使用したアルカリ可溶性樹脂が主鎖にヘテロ環構造を有するか否かの点で主に相違する。この相違の下、用いた色材の最大吸収波長に近い波長での吸光度、現像速度及び面内均一性を評価した結果を比較すると、主鎖にヘテロ環構造を有するアルカリ可溶性樹脂を用いた実施例1〜9では、ヘテロ環構造を有しないアルカリ可溶性樹脂を用いた比較例1に比較して、吸光度、現像速度及び面内均一性のいずれの測定結果も著しく低い。すなわち実施例1〜9では、比較例1に比較して、色材の溶剤への染み出しが著しく抑制され、現像性も非常に高く、表面平滑性にも極めて優れる硬化物が得られたことが分かる。同様のことが、実施例11〜19と比較例2との対比からも確認される。
なお、上記では明示していないが、実施例で得た感光性樹脂組成物の硬化膜は、透明性や耐熱性にも優れていた。
Claims (11)
- アルカリ可溶性樹脂、重合性化合物及び色材を含む感光性樹脂組成物であって、
該アルカリ可溶性樹脂は、主鎖にヘテロ環構造を有する樹脂であって、重量平均分子量が5000〜3万、かつ、酸価が75〜300mgKOH/gであり、
該アルカリ可溶性樹脂は、主鎖骨格にヘテロ環構造を導入し得る単量体を含むベースポリマー成分を重合してなり、該ヘテロ環構造を導入し得る単量体の配合割合が該ベースポリマー成分の総量100質量%に対して15〜60質量%であり、
該アルカリ可溶性樹脂の含有割合は、該感光性樹脂組成物の固形分総量100質量%に対し、10〜50質量%であり、
該感光性樹脂組成物は、色材として染料を少なくとも含む形態、及び、色材を感光性樹脂組成物の固形分総量100質量%中に42質量%以上含む形態、からなる群より選択される少なくとも1種の形態であることを特徴とする感光性樹脂組成物。 - 前記アルカリ可溶性樹脂は、更に、アクリル酸由来の構成単位を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記アルカリ可溶性樹脂は、更に、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル由来の構成単位を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記アルカリ可溶性樹脂は、酸価が126〜300mgKOH/gであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記アルカリ可溶性樹脂は、側鎖に重合性二重結合を含み、二重結合当量が250〜585g/molであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記感光性樹脂組成物は、色材を該感光性樹脂組成物の固形分総量100質量%中に42質量%以上含み、かつ、該色材は、染料を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記色材は、色材の総量100質量%中に染料を10質量%以上含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を硬化してなることを特徴とする硬化膜。
- 請求項9に記載の硬化膜を有することを特徴とする表示装置用部材。
- 請求項9に記載の硬化膜を有することを特徴とする表示装置。
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