以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。尚、各図において同一部分または相当部分は、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1の加湿器100を示す斜視図である。図2は、本発明の実施の形態1の加湿清浄運転時の加湿器100を示す縦断面図である。加湿器100は加湿清浄運転を行う装置である。加湿清浄運転とは、加湿対象を加湿しつつ室内の空気を清浄する運転である。本実施の形態の加湿清浄運転では、加湿された空気と清浄された空気とが、異なる方向に同時に吹き出される。本実施の形態の加湿清浄運転では、加湿された空気は加湿対象に向けて吹き出される。加湿対象には、例えば使用者の顔等が含まれる。
図1及び図2に示すように、加湿器100は、本体1及び給水タンク2を備える。給水タンク2は、本体1に着脱可能に取り付けられる。使用者は、本体1から取り外された給水タンク2に、水を補充することができる。
ここで本実施の形態では、図2の紙面上の左右方向を、前後方向とする。また図2の紙面上の上下方向を、上下方向とする。図2の紙面に垂直な方向を、本実施の形態の左右方向とする。前後方向及び左右方向は、横方向に含まれる。給水タンク2は、例えば本体1の後側の上部に取り付けられる。
加湿器100は、貯水部3を備える。貯水部3には、水が貯められる。貯水部3は、例えば図2に示すように、本体1の後側の内部に設けられる。貯水部3には、給水タンク2から水が供給される。
貯水部3には、例えばタンク受け部4が形成される。タンク受け部4は、上方に向けて開口する凹形の形状である。タンク受け部4内には、この開口によって空間が形成される。また給水タンク2には、例えば取付部5が形成される。給水タンク2は、取付部5が下を向くように本体1に取り付けられる。給水タンク2は、取付部5がタンク受け部4に入り込むように本体1に取り付けられる。取付部5は、給水タンク2が本体1に取り付けられた状態において、下方に向けて開口している。
給水タンク2には、一例として給水弁6が設けられている。給水弁6は、例えば図2に示すように給水タンク2が本体1に取り付けられた状態において、給水タンク2の下面と取付部5との間に位置する。給水弁6は、給水タンク2が本体1に取り付けられると開く。給水弁6は、給水タンク2が本体1から取り外されると閉じる。
給水タンク2が本体1に取り付けられると給水弁6が開き、給水タンク2内の水が取付部5の開口まで供給される。貯水部3には、取付部5の開口から水が供給される。これにより、貯水部3には水が貯められる。一例として貯水部3には、水位が取付部5の開口の高さになるように水が貯められる。
加湿器100は、加湿手段の一例として、蒸気生成部7を備える。蒸気生成部7は、例えば本体1の内部に設けられる。蒸気生成部7は、貯水部3から供給された水によって空気を加湿する部位である。
蒸気生成部7は、例えば蒸発皿8、ヒータ9及び蒸気カバー10を有する。蒸発皿8は、皿状の部位である。蒸発皿8は、図2に示すように底面が開口している。蒸発皿8の底面の開口は、例えばホース11によって貯水部3の底部と接続される。蒸発皿8には、ホース11を介して、貯水部3から水が供給される。これにより蒸発皿8には、水が貯められる。蒸発皿8の材質は、例えばアルミニウム等の金属である。
ヒータ9は、例えば蒸発皿8の側面の外周に設けられる。蒸気カバー10は、蒸発皿8の上方に設けられる。蒸気カバー10は、図2に示すように蒸発皿8を覆うように設けられる。蒸気カバー10の上面には上下に貫通した孔が形成される。
ヒータ9は、蒸発皿8を加熱する。ヒータ9によって蒸発皿8が加熱されることにより、蒸発皿8に貯められた水が加熱される。蒸発皿8に貯められた水は、加熱されることによって沸騰する。蒸発皿8に貯められた水が沸騰することにより、蒸気W1が生成される。蒸気W1は、蒸気カバー10の上面の孔から蒸気生成部7の上方へ放出される。蒸気生成部7の上方の空気は、この蒸気W1によって加湿される。蒸気生成部7は、このように簡便な動作で空気を加湿することができる。
加湿器100は、第1ダクトの一例として高温高湿空気ダクト12を備える。高温高湿空気ダクト12は、両端が開口した筒状の部位である。高温高湿空気ダクト12は、例えば図2に示すように、一端の開口が本体1の内部に位置するように設けられる。高温高湿空気ダクト12は、一端の開口が下方を向くように設けられる。高温高湿空気ダクト12は、蒸気生成部7から放出された蒸気W1を内部に取り込むように設けられる。
高温高湿空気ダクト12は、例えば湾曲した形状である。高温高湿空気ダクト12は、例えば図2に示すように、一端の開口から上方に向かって伸びた後に本体1の前方に向かって伸びるように形成される。なお高温高湿空気ダクト12は、例えば90度に曲げられた屈曲した形状であってもよい。
高温高湿空気ダクト12の他端は、本体1の前方に向かって開口している。高温高湿空気ダクト12の他端のこの開口は、高温高湿空気吹出口13である。高温高湿空気吹出口13は、第1吹出口の一例である。高温高湿空気吹出口13は本体1に対して前方、すなわち本体1に対して横方向に開口している。高温高湿空気吹出口13は、第1吹出口の一例である。高温高湿空気吹出口13は、高温高湿空気ダクト12の内部の空間と本体1の前方の空間とを連通させる。蒸気生成部7によって加湿された空気は、高温高湿空気ダクト12によって高温高湿空気吹出口13まで搬送される。
高温高湿空気ダクト12には、例えばガードリブ14が設けられてもよい。ガードリブ14は、異物及び使用者の手が高温高湿空気ダクト12の内部へ侵入することを妨げるように設けられる。ガードリブ14は、例えば高温高湿空気吹出口13の近傍に設けられる。これにより、例えばヒータ9によって加熱された高温の空間に使用者の手が触れてしまうことが防止される。また異物が、高温高湿空気ダクト12の内部へ侵入してから蒸気生成部7へ落下することが防止される。
なお高温高湿空気ダクト12のうち、本体1の前方に向かって高温高湿空気吹出口13まで伸びる部分の底面は、高温高湿空気吹出口13に向かって上方に傾斜してもよい。本例であれば、例えば高温高湿空気ダクト12内で発生した結露水は、高温高湿空気ダクト12あるいは蒸気生成部7の内部へ留まる。高温高湿空気ダクト12内で発生した結露水は、高温高湿空気吹出口13から本体1の外部へと漏れ出さない。
本体1の後部には、吸気口15が開口している。吸気口15は、本体1の外部から本体1の内部へ空気を取り込むために形成される。吸気口15は、一例として図2に示すように、貯水部3の下方に形成される。
加湿器100は、送風ダクト16を備える。送風ダクト16は、筒状の部位である。送風ダクト16は、一端が開口している。送風ダクト16のこの一端の開口は、気流取込口17である。送風ダクト16は、図2に示すように、気流取込口17が本体1の内部で下方を向くように設けられる。
送風ダクト16の形状は、例えば図2に示すように、気流取込口17から上方に向かって伸びた後に2つに分岐する形状である。送風ダクト16のうち、この2つに分岐した部分は、それぞれ清浄空気ダクト18と搬送空気ダクト19となる。清浄空気ダクト18は、第2ダクトの一例である。搬送空気ダクト19は、第3ダクトの一例である。
清浄空気ダクト18は、図2に示すように、本体1の上方に向かって伸びるように形成される。清浄空気ダクト18には、本体1に対して上方向に開口した清浄空気吹出口20が形成される。清浄空気吹出口20は、第2吹出口の一例である。清浄空気吹出口20は、清浄空気ダクト18の内部の空間と本体1の上方の空間とを連通させる。
搬送空気ダクト19は、図2に示すように、本体1の前方に向かって伸びるように形成される。搬送空気ダクト19は、一例として、高温高湿空気ダクト12の上方を通るように形成される。搬送空気ダクト19には、本体1の前方に向かって開口した搬送空気吹出口21が形成される。すなわち搬送空気吹出口21は、本体1に対して横方向に開口している。搬送空気吹出口21は、第3吹出口の一例である。搬送空気吹出口21は、搬送空気ダクト19の内部の空間と本体1の前方の空間とを連通させる。
搬送空気吹出口21と高温高湿空気吹出口13とは、一例として上下に並んで配置される。例えば搬送空気吹出口21は、図1及び図2に示すように、高温高湿空気吹出口13の上方に形成される。
本体1の内部の下部には、図2に示すように、吸気風路22が形成されている。吸気風路22は、吸気口15から気流取込口17へ至る空間である。また加湿器100は、ファン23を備える。ファン23は、本体1の内部に設けられる。ファン23は、例えば吸気風路22内に配置される。ファン23は、気流を発生させる気流発生手段の一例である。
ファン23は、モータ23a及び翼部23bを有する。モータ23aと翼部23bとは接続されている。モータ23aは、翼部23bを回転させる。ファン23は、翼部23bの回転により、図2に示すように吸気口15から本体1の内部へと室内空気W2を取り込む。またファン23は、翼部23bの回転によって、吸気口15から気流取込口17へ向かう気流を発生させる。
加湿器100は、空気を清浄する清浄手段の一例として、空気清浄フィルター24を備える。空気清浄フィルター24は、例えば図2に示すように吸気風路22の内部に設けられる。空気清浄フィルター24は、例えば吸気口15とファン23との間に設けられる。空気清浄フィルター24は、例えば吸気口15を覆うように、吸気口15の近傍に設けられる。
空気清浄フィルター24は、空気中に含まれる塵埃を除去するフィルターである。空気清浄フィルター24は、例えば本体1から取り外し可能に設けられる。使用者は、空気清浄フィルター24を、本体1から取り外して清掃することができる。
ファン23によって取り込まれた室内空気W2は、空気清浄フィルター24を通過する。空気清浄フィルター24を通過した室内空気W2は、清浄空気W3となる。清浄空気W3は、ファン23によって発生させられた気流により、気流取込口17へ導かれる。清浄空気W3は、気流取込口17から、送風ダクト16内へ導かれる。
送風ダクト16内へ導かれた清浄空気W3の一部は、ファン23によって発生させられた気流により、清浄空気ダクト18へ導かれる。清浄空気ダクト18へ導かれた清浄空気W3の一部を、清浄空気W4と呼称する。清浄空気ダクト18は、清浄空気W4を、ファン23によって発生させられた気流によって清浄空気吹出口20へ搬送する。清浄空気吹出口20へ搬送された清浄空気W4は、ファン23によって発生させられた気流により、本体1に対して上方向に吹き出される。
また送風ダクト16内へ導かれた清浄空気W3の一部は、ファン23によって発生させられた気流により、搬送空気ダクト19へ導かれる。搬送空気ダクト19へ導かれた清浄空気W3の一部を、搬送空気W5と呼称する。搬送空気ダクト19は、搬送空気W5を、ファン23によって発生させられた気流によって搬送空気吹出口21へ搬送する。搬送空気吹出口21へ搬送された搬送空気W5は、ファン23によって発生させられた気流により、本体1に対して前方向に吹き出される。
搬送空気ダクト19には、例えば風向調整部19aが設けられてもよい。風向調整部19aは、搬送空気吹出口21から吹き出される搬送空気W5の風向を調整する、風向調整部19aは、例えば板状の部材である。風向調整部19aは、例えば図2に示すように、搬送空気吹出口21の上側の縁に設けられる。風向調整部19aは、例えば搬送空気吹出口21から前方に向かって先端が突出するように設けられる。風向調整部19aは、例えば後端が左右方向から軸支される。風向調整部19aは、軸支された後端を中心にして回動可能に設けられる。
高温高湿空気ダクト12の内部には、例えば図2に示すように蒸気生成部7の上方に蒸気混合空間25が形成される。また本体1の内部には、送風ダクト16内の空間と蒸気混合空間25とを連通させるガイド風路26が形成される。ガイド風路26は、例えば蒸気混合空間25の中央に対して水平方向に偏った位置に形成される。
ガイド風路26は、送風ダクト16内へ導かれた清浄空気W3の一部を、蒸気混合空間25へ導く。蒸気混合空間25の内部では、ガイド風路26によって導かれた清浄空気W3と、蒸気W1とが混合される。
なお蒸気混合空間25は、例えば円筒形状に形成されてもよい。円筒形状の蒸気混合空間25内に流入した蒸気W1と清浄空気W3とは、互いに旋回しながら効率よく混合される。
蒸気W1と清浄空気W3とが混合されることにより、高温高湿空気W6が生成される。高温高湿空気ダクト12は、高温高湿空気W6を、ファン23によって発生させられた気流によって高温高湿空気吹出口13へ搬送する。高温高湿空気吹出口13へ搬送された高温高湿空気W6は、ファン23によって発生させられた気流により、本体1に対して前方向に吹き出される。
図2に示すように、搬送空気W5と高温高湿空気W6とは、本体1に対して横方向に併進しつつ混ざるように吹き出される。搬送空気W5と高温高湿空気W6とは、上下方向から互いに熱交換しつつ混ざり合う。混ざり合った搬送空気W5と高温高湿空気W6とは、加湿空気W7となる。加湿空気W7は、加湿対象に向かって送り出される。
また加湿器100は、風路切替弁27を備えてもよい。風路切替弁27は、例えば板状の弁である。風路切替弁27は、清浄空気ダクト18内の風路を閉塞可能に設けられる。また風路切替弁27は、搬送空気ダクト19内の風路及びガイド風路26を閉塞可能に設けられる。また風路切替弁27は、清浄空気ダクト18内の風路及び搬送空気ダクト19内の風路を、開かれた状態にもできる。
風路切替弁27は、例えば板状の弁である。風路切替弁27の上端には、例えば支持部28が設けられる。支持部28には、レバー29の下端が設けられる。支持部28は、例えば図2に示すように、清浄空気ダクト18と搬送空気ダクト19との間で左右方向から軸支される。風路切替弁27及びレバー29は、支持部28を支点として、前後方向に回動する。
例えばレバー29が支持部28を支点にして前側に倒されると、風路切替弁27は支持部28を支点にして後側へ回動する。例えばレバー29が支持部28を支点にして後側に倒されると、風路切替弁27が支持部28を支点にして前側へ回動する。
レバー29には、例えば弁駆動部30が接続されている。弁駆動部30は、例えば本体1の内部に設けられる。レバー29は、例えば弁駆動部30によって動かされる。弁駆動部30は、例えば通電によって制御される。風路切替弁27、支持部28、レバー29及び弁駆動部30は、ファン23によって発生させられる気流を切替える切替手段の一例である。なおレバー29は、例えば本体1の外部の上方に向かって突出していてもよい。レバー29は、手動で操作可能であってもよい。
本実施の形態の加湿器100は、加湿清浄運転の他に、一例として加湿運転及び空気清浄運転を行う。加湿運転とは、加湿対象に加湿された空気を送る運転である。空気清浄運転とは、清浄された空気を吹き出す運転である。加湿運転と空気清浄運転と加湿清浄運転とは、ファン23によって発生させられる気流が風路切替弁27に切替えられることによって、切替えられる。
図2において風路切替弁27は、清浄空気ダクト18内の風路と搬送空気ダクト19内の風路とガイド風路26とを開いている。加湿清浄運転は、清浄空気ダクト18内の風路と搬送空気ダクト19内の風路とガイド風路26とが開かれた状態でファン23が駆動することによって行われる。
図3は、本発明の実施の形態1の加湿運転時の加湿器100を示す縦断面図である。支持部28を支点にして後側へ回動した風路切替弁27は、清浄空気ダクト18内の風路を閉じる。清浄空気ダクト18内の風路を、清浄風路と呼称する。加湿運転は、清浄風路が閉じられた状態でファン23及びヒータ9が駆動することによって行われる。
清浄風路が閉じられた状態においてファン23は、高温高湿空気吹出口13及び搬送空気吹出口21へ向かう気流を発生させる。加湿運転の際には、図3に示すように、気流は清浄空気吹出口20へ向かない。このため、清浄空気吹出口20から空気は吹き出されない。加湿運転の際には、加湿空気W7が加湿対象に向かって送り出される。
図4は、本発明の実施の形態1の空気清浄運転時の加湿器100を示す縦断面図である。支持部28を支点にして前側へ回動した風路切替弁27は、搬送空気ダクト19内の風路及びガイド風路26を閉じる。搬送空気ダクト19内の風路及びガイド風路26をまとめて加湿風路と呼称する。空気清浄運転は、加湿風路が閉じられた状態でファン23が駆動することによって行われる。
加湿風路が閉じられた状態においてファン23は、清浄空気吹出口20へ向かう気流を発生させる。空気清浄運転の際には、図4に示すように、気流は高温高湿空気吹出口13及び搬送空気吹出口21へ向かない。このため、高温高湿空気吹出口13及び搬送空気吹出口21から空気は吹き出されない。空気清浄運転の際には、図4に示すように、送風ダクト16内へ導かれた清浄空気W3は分岐しない。清浄空気W3は、清浄空気吹出口20から上方に向かって吹き出される。
また加湿器100は、各種のセンサ系統を備えてもよい。この各種のセンサ系統には、一例として空気清浄度検出部31及び湿度検出部32が含まれる。空気清浄度検出部31は、室内の空気の清浄度を検出する清浄度検出手段の一例である。また湿度検出部32は、室内の湿度を検出する湿度検出手段の一例である。
空気清浄度検出部31は、例えば図2に示すように、本体1の内部で空気清浄フィルター24の上方に設けられる。空気清浄度検出部31は、吸気口15の近傍に設けられる。空気清浄度検出部31は、例えばほこりセンサ及び臭いセンサを有する。ほこりセンサは、室内空気W2中のほこりを検出する。臭いセンサは、室内空気W2中の臭いを検出する。空気清浄度検出部31は、ほこりセンサ及び臭いセンサによって、室内空気W2の空気清浄度を検出する。なお空気清浄度検出部31は、ほこりセンサあるいは臭いセンサの一方のみを有していてもよい。
湿度検出部32は、例えば図2に示すように、本体1の内部で空気清浄フィルター24の上方に設けられる。湿度検出部32は、吸気口15の近傍に設けられる。湿度検出部32は、例えば絶対湿度を検出する湿度センサによって構成される。また湿度検出部32は、室内空気W2の温度を検出する室温センサを有してもよい。湿度検出部32は、例えば湿度センサと室温センサとによって、相対湿度を検出するものであってもよい。
また加湿器100は、各種センサ系統の1つとして、例えば人検出部33を備えてもよい。人検出部33は、例えば本体1の前面に配置される。人検出部33は、一例として人の存在を検出する人感センサ及び人までの距離を検出する距離センサを有する。人検出部33は、例えば人感センサ及び距離センサによって、加湿器100が置かれた室内の人の有無及び加湿器100から人までの距離を検出する。また人検出部33は、例えば高温高湿空気吹出口13に人が接近していることを検出するセンサを有していてもよい。
また本実施の形態の加湿器100は、制御装置34を備える。制御装置34は、例えば本体1の内部に設けられる。制御装置34の入力側には、上述した各種センサ系統が接続される。制御装置34の出力側には、加湿器100に備えられた各機器が接続される。制御装置34の出力側には、一例としてヒータ9、ファン23及び弁駆動部30が接続される。制御装置34は、例えば各種センサ系統から受信した信号に基づいて、出力側に接続された各機器を通電によって制御する。
本実施の形態の制御装置34は、記憶手段の一例として記憶部34aを有する。記憶部には、複数の運転モードが記憶される。複数の運転モードには、例えば加湿運転モード、空気清浄運転モード及び加湿清浄運転モードが含まれる。また記憶部34aには、複数の運転モードのうちの1つとして、清浄後加湿運転モードが記憶されていてもよい。
加湿運転モードは、図3に示される加湿運転が行われる運転モードである。空気清浄運転モードは、図4に示される空気清浄運転が行われる運転モードである。加湿清浄運転モードは、図2に示される加湿清浄運転が行われる運転モードである。清浄後加湿運転モードは、空気清浄運転が一定時間だけ行われてから加湿運転が行われる運転モードである。
本実施の形態の制御装置34は、制御手段の一例として制御部34bを有する。制御部34bは、制御装置34の出力側に接続された各機器を制御する部位である。制御部34bは、例えば制御装置34の入力側に接続された各種センサ系統の検出結果に基づいて、弁駆動部30を通電によって制御する。
また本体1の前面には、一例として操作表示部35が設けられる。操作表示部35は、制御装置34と通信可能に接続される。操作表示部35は、例えば操作部35a及び表示部35bを有する。
使用者は、例えば操作部35aによって加湿器100の設定を変更することができる。操作部35aは、例えば電源スイッチ及び操作スイッチ等で構成される。電源スイッチは、加湿器100の電源をオンまたはオフにさせるためのものである。加湿器100の電源がオンまたはオフになることにより、加湿器100の運転は開始または停止する。
操作部35aは、例えば制御部34bに接続される。制御部34bは、使用者による操作部35aの操作に基づいて動作する。制御部34bは、例えば操作部35aの電源スイッチがオンの状態にされると、加湿器100の電源をオンにする。制御部34bは、例えば操作部35aの電源スイッチがオフの状態にされると、加湿器100の電源をオフにする。なお操作部35aの電源スイッチは、制御部34bを介さずに、加湿器100の電源を直接オンまたはオフにするものであってもよい。
使用者は、例えば操作部35aを操作することによって、記憶部34aに記憶された複数の運転モードの中から一つの運転モードを選択することができる。本例の操作部35aは、運転モードを選択する選択手段の一例である。運転モードの選択は、操作部35aのうち、例えば操作スイッチによって行われる。
また制御部34bは、記憶部34aから情報を読み込む機能を有する。制御部34bは、例えば選択された運転モードの情報を記憶部34aから読み込む。制御部34bは、記憶部34aから読み込んだ情報に基づいて動作する。
表示部35bは、加湿器100の状態を表示するものである。表示部35bは、例えばLED等のランプを有する。表示部35bは、例えばランプの点灯及び消灯によって、加湿器100の状態を表示する。表示部35bのランプの点灯及び消灯は、制御装置34によって制御される。
次に、加湿器100の動作について説明する。図5は、本発明の実施の形態1の加湿器100の動作の一例を示すフローチャートである。加湿器100の電源は、例えば使用者が操作部35aの電源スイッチをオンの状態にすることによって、オンになる。(ステップS1)。電源がオンになることにより、加湿器100の運転が開始される。
使用者は、例えば電源スイッチをオンの状態にした後、操作スイッチによって運転モードの選択を行う。ステップS1で電源がオンになると、制御部34bは、操作スイッチによって選択された運転モードの情報を記憶部34aから読み込む。制御部34bは、読み込んだ情報に基づいて、選択された運転モードの判定を行う(ステップS2)。
制御部34bは、空気清浄運転モードが選択されたと判定すると、加湿風路が閉塞されるように弁駆動部30を動作させる。図4に示すように、風路切替弁27によって加湿風路が閉塞される(ステップS3)。ステップS3で加湿風路が閉塞された際、清浄風路は開いている。
ステップS3で加湿風路が閉塞されると、制御部34bは、ファン23を駆動させる。制御部34bは、ファン23によって供給される清浄空気W3の風量が適切な量となるように、ファン23を駆動させる。制御部34bは、例えばファン23による送風量が最大となるように、ファン23を駆動させる(ステップS4)。
ステップS4でファン23が駆動することにより、図4に示す空気清浄運転が開始される。図4に示すように清浄空気W3は、分岐せずに清浄空気吹出口20から上方に向かって吹き出される。高温高湿空気吹出口13及び搬送空気吹出口21から空気は吹き出されない。
制御部34bは、ステップS4でファン23を駆動させると、第1終了条件の判定を行う(ステップS5)。第1終了条件は、例えば操作部35aの電源スイッチがオフにされることである。一例として制御部34bは、操作部35aの電源スイッチがオフにされたことを検知すると、第1終了条件を満たしていると判定する。
なお第1終了条件は本例に限られない。例えば記憶部34aには、予め第1設定時間が設定されていてもよい。ステップS5において制御部34bは、ステップS4でファン23を駆動させてからの経過時間が第1設定時間以上の場合に、第1終了条件が満たされたと判定してもよい。第1設定時間は、例えば操作部35aによって設定されてもよい。
制御部34bは、ステップS5で第1終了条件が満たされていないと判定した場合には、第1終了条件が満たされるまでステップS5の判定を継続する。これにより、第1終了条件が満たされるまで空気清浄運転が継続される。制御部34bは、第1終了条件が満たされたと判定すると、加湿器の電源をオフにする(ステップS6)。電源がオフになることにより、空気清浄運転が終了する。
制御部34bは、ステップS2で清浄後加湿運転モードが選択されたと判定すると、上記ステップS3と同様に、加湿風路が閉塞されるように弁駆動部30を動作させる(ステップS7)。制御部34bは、ステップS7で加湿風路が閉塞されると、上記ステップS4と同様に、ファン23を駆動させる(ステップS8)。
制御部34bは、ステップS8でファン23を駆動させると、切替条件の判定を行う(ステップS9)。切替条件は、例えばステップS4でファン23が駆動されてからの経過時間が切替設定時間以上であることである。切替設定時間は、例えば記憶部34aに予め設定される。なお切替設定時間は、例えば操作部35aによって設定されてもよい。
制御部34bは、ステップS9で切替条件が満たされていないと判定すると、操作部35aの電源スイッチがオフの状態にされているか判定する(ステップS10)。制御部34bは、電源スイッチがオフの状態にされたと判定すると、上記ステップS6と同様に、加湿器の電源をオフにする。これにより、空気清浄運転が終了する。制御部34bは、電源スイッチがオフの状態にされていないと判定すると、再びステップS9の判定を行う。
また制御部34bは、ステップS9で切替条件が満たされたと判定すると、清浄風路が閉塞されるように弁駆動部30を動作させる。図3に示すように、風路切替弁27によって清浄風路が閉塞される(ステップS11)。これにより、空気清浄運転が終了する。すなわち清浄後加湿運転モードでは、電源スイッチがオフになるまで、あるいは切替条件が満たされるまでの一定時間だけ空気清浄運転が行われる。
制御部34bは、ステップS2で加湿運転モードが選択された判定すると、上記ステップS11と同様の動作をする。図3に示すように、風路切替弁27によって清浄風路が閉塞される。ステップS11で清浄風路が閉塞された際、加湿風路は開いている。
ステップS11で清浄風路が閉塞されると、制御部34bは、ファン23及びヒータ9を駆動させる。制御部34bは、例えば清浄後加湿運転モードにおいてファン23が既に駆動している場合には、ファン23に駆動を継続させる。制御部34bは、例えばファン23によって供給される清浄空気W3の風量が適切な量となるように、ファン23を駆動させる。制御部34bは、例えば空気清浄運転の際よりもファン23による送風量が少なくなるように、ファン23を駆動させる(ステップS12)。
ファン23及びヒータ9が駆動することにより、図3に示す加湿運転が開始される。図3に示すように、清浄空気吹出口20から空気は吹き出されない。搬送空気吹出口21及び高温高湿空気吹出口13から空気が吹き出される。加湿運転の際には、加湿空気W7が加湿対象に向かって送り出される。加湿運転の際の加湿空気W7の風量は、空気清浄運転の際の清浄空気W3の風量よりも少ない。
加湿器100の加湿対象は、例えば就寝中の使用者の顔である。加湿器100は、使用者の就寝位置の近傍、例えば使用者の顔から0.75[m]離れた位置に置かれて使用される。加湿器100は、加湿空気W7が使用者の顔に当たるように使用される。使用者は、顔に当たる空気の風速が0.5[m/s]以下であると、吹かれ感のない快適な状態となる。
加湿運転の際にファン23は、例えば清浄空気W3の風量が0.2[m^3/min]以下となるように制御される。またファン23は、一例として搬送空気吹出口21での風速が0.7[m/s]で、かつ高温高湿空気吹出口13での風速が1.0[m/s]となるように制御される。これにより、搬送空気吹出口21から0.75[m]先での加湿空気W7の風速は0.25[m/s]となる。なお加湿運転の際のファン23の制御は本例に限られない。
制御部34bは、ステップS12でファン23及びヒータ9を駆動させると、例えばセンサ系統による検出結果に基づいてファン23及びヒータ9の動作を制御する。これにより、加湿器100の運転の状態が調整される(ステップS13)。なお制御部34bは、使用者によって予め設定された運転条件等に基づいて、ファン23及びヒータ9の状態を調整してもよい。運転条件は、例えば操作部35aによって記憶部34aに設定される。
記憶部34aには、一例として、湿度検出部32によって検出される湿度、人検出部33によって検出される加湿対象までの距離及び加湿対象の位置での湿度の関係の特性データが予め記憶される。また記憶部34aには、例えば適正湿度範囲が予め記憶される。
一例として制御部34bは、記憶部34aに記憶された特性データとセンサ系統による検出結果とに基づき、加湿対象の位置での湿度を算出する。制御部34bは、算出した湿度と記憶部34aに記憶された適正湿度範囲とに基づいてファン23及びヒータ9を間欠運転させる。制御部34bは、例えば算出した湿度が適正湿度範囲を上回るとファン23及びヒータ9を停止状態にさせる。制御部34bは、例えば算出した湿度がこの湿度範囲を下回るとファン23及びヒータ9を駆動状態にさせる。
制御部34bは、ステップS13で加湿器100の運転の状態を調整すると、第2終了条件の判定を行う(ステップS14)。第2終了条件は、例えば操作部35aの電源スイッチがオフの状態にされていることである。一例として制御部34bは、操作部35aの電源スイッチがオフの状態にされていることを検知すると、第2終了条件を満たしていると判定する。
なお第2終了条件は本例に限られない。例えば記憶部34aには、予め第2設定時間が設定されてもよい。制御部34bは、ステップS12でファン23及びヒータ9を駆動させてからの経過時間が第2設定時間以上の場合に、第2終了条件が満たされたと判定してもよい。第2設定時間は、例えば操作部35aによって設定されてもよい。
制御部34bは、ステップS14で第2終了条件が満たされていないと判定した場合には、第2終了条件が満たされるまでステップS13の運転調整及びステップS14の判定を継続する。これにより、第2終了条件が満たされるまで加湿運転が継続される。制御部34bは、ステップS14で第2終了条件が満たされたと判定すると、上記ステップS6と同様に、加湿器の電源をオフにする。これにより、加湿運転が終了する。
制御部34bは、ステップS2で加湿清浄運転モードが選択されたと判定すると、加湿風路と清浄風路との両方が開かれるように、弁駆動部30を動作させる。図2に示すように、風路切替弁27は加湿風路と清浄風路との両方を開く(ステップS15)。
ステップS15で加湿風路と清浄風路とが開かれると、制御部34bは、ファン23及びヒータ9を駆動させる。制御部34bは、ファン23によって供給される清浄空気W3の風量が適切な量となるように、ファン23を駆動させる。制御部34bは、例えばファン23による送風量が最大となるように、ファン23を駆動させる(ステップS16)。
ステップS16でファン23及びヒータ9が駆動することにより、図2に示す加湿清浄運転が開始される。図2に示すように、ファン23によって発生させられる気流は、清浄空気吹出口20、搬送空気吹出口21及びガイド風路26へ向かう。清浄空気W3は、清浄空気吹出口20、搬送空気吹出口21及びガイド風路26へ分岐するように流れる。
加湿清浄運転では、搬送空気吹出口21及び高温高湿空気吹出口13から空気が吹き出される。加湿清浄運転では、加湿空気W7が加湿対象に向かって送り出される。また清浄空気W4が、清浄空気吹出口20から上方に向かって吹き出される。
制御部34bは、ステップS16でファン23及びヒータ9を駆動させると、上記ステップS13、ステップS14と同様に動作する。すなわち、第2終了条件が満たされるまで加湿清浄運転が継続される。加湿清浄運転の際のファン23及びヒータ9の動作は、ステップS13と同様に制御部34bによって制御される。制御部34bは、第2終了条件が満たされたと判定すると、上記ステップS6と同様に動作する。加湿器100の電源がオフになることにより、加湿清浄運転が終了する。
上記実施例の加湿器100は、例えば図示しない貯水検出部を備えてもよい。貯水検出部は、給水タンク2内の水の有無を検出するものである。貯水検出部は、例えば貯水部3内の水位を検出するセンサ等によって構成される。制御部34bは、例えば貯水検出部の検出結果に基づいて上記ステップS14の判定を行ってもよい。例えば制御部34bは、貯水検出部によって給水タンク2内の水が無いことが検出されると、第2終了条件が満たされたと判定してもよい。
また加湿器100は、例えば図示しないダクト温度検出部を備えてもよい。ダクト温度検出部は、高温高湿空気ダクト12内の温度を検出するものである。ダクト温度検出部は、例えば高温高湿空気ダクト12内に設けられた温度センサ等によって構成される。制御部34bは、例えばダクト温度検出部の検出結果に基づいて、上記ステップS14の判定を行ってもよい。例えば制御部34bは、ダクト温度検出部によって検出された温度が許容範囲以上になると、第2終了条件が満たされたと判定してもよい。高温高湿空気ダクト12内の温度の許容範囲は、例えば記憶部34aに予め設定される。
また人検出部33は、本体1あるいは高温高湿空気ダクト12等に人体が接触したことを検出する機能を有してもよい。制御部34bは、例えば人検出部33の検出結果に基づいて、上記ステップS14の判定を行ってもよい。例えば制御部34bは、人検出部33によって本体1あるいは高温高湿空気ダクト12に人体が接触したことが検出されると、第2終了条件が満たされたと判定してもよい。
また制御部34bは、上記ステップS15で、例えば加湿風路へ分岐する清浄空気W3の風量が0.2[m^3/min]以下となるように弁駆動部30を動作させてもよい。制御部34bは、一例として、清浄空気W3の10%が加湿風路へ、90%が清浄風路へ分岐するように、弁駆動部30を動作させる。
上記実施例の加湿器100は、例えば加湿清浄運転の際に清浄空気吹出口20から吹き出される空気の風量が搬送空気吹出口21から吹き出される空気の風量よりも多くなるように構成されてもよい。
制御部34bは、例えば上記ステップS15で、清浄空気吹出口20から吹き出される空気の風量が搬送空気吹出口21から吹き出される空気の風量よりも多くなるように弁駆動部30を動作させてもよい。本例であれば加湿清浄運転の際に使用者は、吹かれ感のない快適な状態でいることができる。また加湿清浄運転における空気清浄の効率がよい。
高温高湿空気ダクト12、清浄空気ダクト18及び搬送空気ダクト19は、例えば清浄風路の圧力損失が加湿風路の圧力損失よりも小さくなるように形成されてもよい。清浄空気ダクト18は、一例として直線状に形成される。搬送空気ダクト19は、湾曲した形状に形成される。清浄風路の圧力損失が小さいことにより、清浄空気吹出口20からは効率よく空気が吹き出される。また加湿風路の圧力損失が大きいことにより、加湿風路へ導かれる清浄空気W3の風速が小さくなる。
すなわち、清浄空気吹出口20から吹き出される空気の風量は、搬送空気吹出口21から吹き出される空気の風量よりも多くなる。これにより、空気清浄運転及び加湿清浄運転での空気清浄の効率がよい。また使用者は、加湿運転及び加湿清浄運転の際、吹かれ感のない快適な状態でいることができる。
上記実施例の加湿器100は、加湿清浄運転を行う。加湿器100は、空気の加湿と清浄とを同時を行うことができる。また加湿清浄運転の際には、加湿空気W7は本体1に対して横方向に吹き出される。清浄空気W4は、本体1に対して上方向に吹き出される。このため清浄空気W4の流れによる加湿空気W7の流れへの影響が少ない。上記実施例であれば、加湿対象に向けて送られる加湿空気W7の到達距離がより長くなる。
上記実施例において加湿空気W7は本体1に対して前方向に吹き出される。前方向は、横方向の一例である。例えば清浄空気W4は、加湿空気W7の流れを妨げない方向であれば、上方向以外に吹きだされてもよい。例えば清浄空気吹出口20は、本体1に対して後方向へ開口していてもよい。清浄空気W4は例えば本体1に対して後方向へ吹き出されてもよい。清浄空気W4は、加湿空気W7の流れを妨げない方向に吹き出されることにより、加湿空気W7の流れに対して大きな影響を与えない。本例であれば、上記実施例と同様に、加湿対象に向けて送られる加湿空気W7の到達距離がより長くなる。
なお加湿空気W7が前方向に吹き出される場合には、清浄空気W4は、例えば加湿空気W7の流れを妨げない方向として左右方向に吹き出されてもよい。また清浄空気W4は、例えば斜め前方向に吹き出されてもよい。清浄空気W4は、横方向に吹き出される加湿空気W7の流れを妨げない方向に吹き出されればよい。第2吹出口の一例である清浄空気吹出口20は、清浄空気W4が加湿空気W7の流れを妨げないように形成されればよい。清浄空気W4が加湿空気W7の流れを妨げないことにより、加湿空気W7の到達距離がより長くなる。
なお加湿器100は、例えば搬送空気ダクト19を備えていなくてもよい。例えば加湿器100は、高温高湿空気W6を、搬送空気W5と混合させずに加湿対象まで直接送り出す構成であってもよい。本例においても上記実施例と同様に、加湿対象に向けて送られる空気の到達距離をより長くしつつ、空気の加湿と清浄とを同時を行うことができる加湿器100が得られる。
上記実施例では、搬送空気吹出口21と高温高湿空気吹出口13とは、上下に並んで配置される。搬送空気W5と高温高湿空気W6とは、図2及び図3に示されるように、本体1に対して横方向に併進しつつ、上下方向から混ざるように吹き出される。これにより、より遠い位置まで加湿された空気が届けられる。
高温高湿空気W6は、水の沸騰によって生じた蒸気W1から生成される。高温高湿空気W6は、室温に比べて高温である。このため、高温高湿空気吹出口13から吹き出された高温高湿空気W6は上昇しようとする。一方で搬送空気W5は室温である。搬送空気W5は上昇せずに、横方向に送り出される。横方向に吹き出された搬送空気W5は、高温高湿空気W6の上昇を防ぐ。これにより、高温高湿空気W6の拡散が抑制される。上記実施例であれば、より遠い位置まで湿度が高く温かい空気を届けることができる加湿器100が得られる。
なお搬送空気吹出口21から前方に向かって吹き出される搬送空気W5は、例えば水平に比べて下向きに吹き出されてもよい。すなわち搬送空気W5は、高温高湿空気W6の風向と交わる方向に吹き出されても良い。搬送空気W5が吹き出される方向は、例えば風向調整部19aによって調整される。また、例えば搬送空気W5が吹き出される方向と高温高湿空気W6が吹き出される方向とが交わるように、高温高湿空気ダクト12及び搬送空気ダクト19が形成されてもよい。本例であれば、搬送空気W5と高温高湿空気W6とがより効率よく混合されつつ併進する。これにより、加湿空気W7の到達距離がより長くなる。
上記実施例の加湿器100は、切替手段の一例として風路切替弁27、支持部28、レバー29及び弁駆動部30を備える。これにより、上記実施例の加湿器100は、加湿清浄運転だけでなく、加湿運転及び清浄運転を行うことができる。
また上記実施例の加湿器100は、記憶手段の一例として記憶部34aを有する。記憶部34aには、複数の運転モードが記憶される。複数の運転モードには、加湿運転モード及び空気清浄運転モードが含まれる。また加湿器100は、選択手段の一例である操作部35a及び制御手段の一例である制御部34bを備える。これにより使用者は、操作部35aを操作することにより、加湿運転と清浄運転とを容易に切替えることができる。
上記実施例における複数の運転モードには、清浄後加湿運転モードが含まれる。清浄後加湿運転モードが選択されると、加湿器100は、空気清浄運転を一定時間だけ行ってから加湿運転を行う。清浄後加湿運転モードが選択された場合、加湿器100は、より清浄な加湿空気W7を加湿対象に向けて吹き出すことができる。
上記実施例において制御部34bは、ステップS9で切替条件の判定を行う。切替条件は上記実施例に限られない。例えば制御部34bは、空気清浄度検出部31によって検出された空気清浄度が基準以上になると、切替条件が満たされたと判定してもよい。空気清浄度の基準は、例えば記憶部34aに予め設定される。
また上記実施例における切替設定時間は、例えば空気清浄度検出部31によって検出された空気清浄度に基づいて算出及び設定されてもよい。すなわち、清浄後加湿運転モードが選択された際に行われる空気清浄運転の時間は、空気清浄度に基づいて変更されてもよい。本例であれば、清浄後加湿運転モードにおいて加湿運転の前に行われる空気清浄運転の時間がより適切な時間になる。
清浄後加湿運転モードが選択された際、制御部34bは上記ステップS9で、空気清浄度検出部31によって検出された空気清浄度に基づいてファン23を制御してもよい。例えば制御部34bは、空気清浄度が高い場合には、ファン23の出力を下げるようにファン23を制御してもよい。清浄後加湿運転モードが選択された場合、一例として予め設定された切替設定時間だけ空気清浄運転が行われる。本例であれば、切替設定時間の間のファン23の出力が下げられることにより、消費電力が抑えられる。
また加湿器100は、例えば加湿運転が行われている際に湿度検出部32によって検出された湿度が一定湿度以上となると、加湿運転が終了されて空気清浄度運転が開始される構成であってもよい。本例であれば、加湿運転が過剰に行われることが防止される。また加湿運転が終了されて空気清浄運転が開始される際には、ヒータ9が停止される。本例であればヒータ9の動作時間が適切になることにより、本体1内の温度が過度に高温になることが防止される。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について説明する。図6は本発明の実施の形態2の加湿運転時の加湿器200を示す縦断面図である。図7は、本発明の実施の形態2の空気清浄運転時の加湿器200を示す縦断面図である。なお図6及び図7において、実施の形態1の加湿器100と同じ構成については同じ符号を付す。また実施の形態1の加湿器100と同じ構成については説明を省略する。また加湿器200は、実施の形態1の加湿器100と基本的に同様の動作をする。
本実施の形態の加湿器200は、搬送空気ダクト19が可動部36を有する点で、実施の形態1の加湿器100と異なる。可動部36は、前後方向に移動可能な部位である。可動部36は、例えば搬送空気ダクト19のうち、搬送空気吹出口21から一定距離までの部位に形成される。可動部36は、前後方向に移動することによって、レバー29を前後方向に回動させるように設けられる。可動部36は、例えば手動で移動可能に形成される。
本実施の形態においてレバー29は、一例として図6及び図7に示すように本体1の上方に突出しなくてもよい。また加湿器200は、一例として弁駆動部30を備えなくてもよい。
可動部36が前方に移動すると、例えば図6に示すように、レバー29が支持部28を支点にして前側に回動する。風路切替弁27は、支持部28を支点にして後側へ回動する。これにより、清浄風路が閉塞される。清浄風路が閉塞された状態でファン23及びヒータ9が駆動することにより、図6に示される加湿運転が行われる。
可動部36が後方に移動すると、例えば図7に示すように、レバー29が支持部28を支点にして後ろ側に回動する。風路切替弁27は、支持部28を支点にして前側へ回動する。これにより、加湿風路が閉塞される。加湿風路が閉塞された状態でファン23が駆動することにより、図7に示される空気清浄運転が行われる。本例であれば、使用者は容易に加湿運転と空気清浄運転とを切替えることができる。
なお制御部34bは、可動部36の動きに合わせて各機器の制御を行ってもよい。例えば制御部34bは、可動部36が後側に移動すると、ヒータ9を停止させる。また可動部36は、例えば図6に示す位置と図7に示す位置との間の位置に移動することもできる。これにより加湿風路と清浄風路との両方が開かれる。加湿器200は、実施の形態1の加湿器100と同様に、加湿清浄運転を行うこともできる。
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3について説明する。図8は、本発明の実施の形態3の加湿器300を示す斜視図である。図9は、本発明の実施の形態3の加湿運転時の加湿器300を示す縦断面図である。図10は、本発明の実施の形態3の空気清浄運転時の加湿器300を示す縦断面図である。以下、図8から図10を参照して、加湿器300について説明する。
図8、図9及び図10において、実施の形態1の加湿器100と同じ構成については同じ符号を付す。本実施の形態の加湿器300について、実施の形態1の加湿器100と同じ構成については説明を省略する。
加湿器300は、本体1、給水タンク2及び貯水部3を備える。貯水部3には、タンク受け部4が設けられる。また給水タンク2には取付部5が形成される。給水タンク2は、給水弁6を有する。
加湿器300は、加湿手段の一例として、超音波振動子37を備える。超音波振動子37は、貯水部3内に設けられる。超音波振動子37は、貯水部3に貯められた水から高湿空気W8を生成する装置である。
超音波振動子37は、振動することによって超音波を発する。超音波振動子37は、発した超音波により、貯水部3の水を微細な粒子であるミスト状にする。超音波振動子37は、ミスト状にした水を、例えば貯水部3の上方へ噴出させる。これにより、高湿空気W8が生成される。
貯水部3あるいは超音波振動子37には、水に含まれる雑菌を減少させる除菌装置が設けられてもよい。除菌装置は、例えば赤外線照射装置あるいは放電装置である。また、例えば貯水部3あるいは超音波振動子37は、抗菌性を有する材料で形成されていてもよい。これにより、例えば貯水部3内の水及び高湿空気W8に含まれる雑菌が減少する。本例であれば、雑菌の繁殖が抑制される。
加湿器300は、第1ダクトの一例として高湿空気ダクト38を備える。高湿空気ダクト38は、例えば湾曲した筒状である。高湿空気ダクト38の一端には、気流取込口17aが形成される。高湿空気ダクト38は、例えば気流取込口17aが本体1の内部で下方を向くように設けられる。
高湿空気ダクト38は、気流取込口17aから上方に向かって伸びた後に本体1の前方に向かって伸びるように形成される。高湿空気ダクト38の他端には、本体1の前方に向かって開口する高湿空気吹出口39が形成される。高湿空気吹出口39は、本体1に対して横方向に開口する。高湿空気吹出口39は、第1吹出口の一例である。
なお高湿空気ダクト38は、例えば90度に曲げられた屈曲した形状であってもよい。また高湿空気ダクト38には、高湿空気吹出口39の上側の縁に、風向調整部19aが設けられてもよい。
本実施の形態の貯水部3は、一例として図8及び図9に示すように、一部が高湿空気ダクト38の途中に入り込むように形成されている。超音波振動子37は、貯水部3のうち、高湿空気ダクト38の途中に入り込んだ部分に配置されている。
貯水部3は、超音波振動子37の上方が開口している。高湿空気ダクト38は、超音波振動子37によって生成された高湿空気W8が、高湿空気ダクト38内の空間に取り込まれるように配置されている。高湿空気ダクト38は、取り込んだ高湿空気W8を高湿空気吹出口39へ搬送する。
加湿器300は、第2ダクトの一例として清浄空気ダクト18aを備える。清浄空気ダクト18aは、実施の形態1の清浄空気ダクト18に対応する。清浄空気ダクト18aは、一例として直線状の筒状をしている。清浄空気ダクト18a内の圧力損失は、湾曲したダクト内の圧力損失よりも小さい。清浄空気ダクト18aは両端が開口している。清浄空気ダクト18aの一端の開口は、気流取込口17bである。
清浄空気ダクト18aは、気流取込口17bが本体1の内部で下方を向くように設けられる。清浄空気ダクト18aは、例えば高湿空気ダクト38に隣接して設けられる。清浄空気ダクト18a内の風路と高湿空気ダクト38内の風路とは独立している。清浄空気ダクト18a及び高湿空気ダクト38は、例えば気流取込口17aと気流取込口17bとが左右に並ぶように設けられる。
また清浄空気ダクト18aは、例えば図8及び図9に示すように、他端が本体1の上方へ向けて突出している。清浄空気ダクト18aの他端の開口は、清浄空気吹出口20aである。清浄空気吹出口20aは、実施の形態1の清浄空気吹出口20に対応する。清浄空気吹出口20aは、本体1に対して上方向に開口する。清浄空気吹出口20aは、第2吹出口の一例である。
また加湿器300は、第3ダクトの一例として、高温搬送空気ダクト40を備える。高温搬送空気ダクト40は、例えば湾曲した筒状である。高温搬送空気ダクト40の一端には、気流取込口17cが形成される。高温搬送空気ダクト40は、例えば気流取込口17cが本体1の内部で下方を向くように設けられる。
高温搬送空気ダクト40は、気流取込口17cから上方に向かって伸びた後に本体1の前方に向かって伸びるように形成される。高温搬送空気ダクト40の他端には、本体1の前方に向かって開口する高温搬送空気吹出口41が形成される。高温搬送空気吹出口41は、第3吹出口の一例である。なお高温搬送空気ダクト40は、例えば90度に曲げられた屈曲した形状であってもよい。
高温搬送空気ダクト40は、例えば高湿空気ダクト38に隣接して設けられる。高温搬送空気ダクト40は、例えば高湿空気ダクト38の前側及び下側を沿うように設けられる。高温搬送空気ダクト40内の風路は、清浄空気ダクト18a内の風路及び高湿空気ダクト38内の風路に対して独立している。
高湿空気吹出口39と高温搬送空気吹出口41とは、上下に並んで配置される。高温搬送空気吹出口41は、高湿空気吹出口39の下方に配置される。また気流取込口17cは、例えば図2に示すように、気流取込口17aの前方に配置される。
高湿空気ダクト38及び高温搬送空気ダクト40は、一例として上記のように配置される。高湿空気ダクト38は、高温搬送空気ダクト40の後側及び上側を沿うように設けられる。高湿空気ダクト38は、高温搬送空気ダクト40の外形状に沿った形状となっている。高湿空気ダクト38の湾曲した部分の径は、高温搬送空気ダクト40の湾曲した部分の径よりも大きくなっている。高湿空気ダクト38は、高温搬送空気ダクト40よりも長くなるように形成されている。
また高温搬送空気ダクト40には、加熱部42が設けられる。加熱部42は高温搬送空気ダクト40によって搬送される空気を加熱する加熱手段の一例である。加熱部42は、例えばヒータを有する。加熱部42のヒータは、例えば高温搬送空気ダクト40内に設けられる。加熱部42は、一例としてヒータによって高温搬送空気ダクト40内の空気を加熱する。
なお加熱部42のヒータは、高温搬送空気ダクト40のうち、湾曲していない部分に設けられてもよい。加熱部42のヒータは、例えば気流取込口17cから上方に向かって伸びる部分に設けられてもよい。これにより、高温搬送空気ダクト40のうちの湾曲している部分での圧力損失が大きくなることが防止される。
また本体1の後部には、吸気口15が形成されている。さらに本体1の内部の下部には、吸気風路22が形成されている。本実施の形態の吸気風路22は、吸気口15から、気流取込口17aと気流取込口17bと気流取込口17cとへ至る空間である。吸気風路22には、ファン23が設けられる。ファン23は、モータ23a及び翼部23bを有する。ファン23は、翼部23bの回転によって室内空気W2を取り込む。
本実施の形態のファン23は、例えばシロッコファンである。ファン23は、気流取込口17aと気流取込口17bと気流取込口17cとの下方に配置される。ファン23は、気流取込口17aと気流取込口17bと気流取込口17cとに跨るように配置される。本実施の形態では、1つのファン23によって、3つの気流取込口へ向かう気流が発生させられる。
なおファン23は、例えば軸流ファンであってもよい。またファン23は、例えば複数設けられてもよい。気流取込口17aと気流取込口17bと気流取込口17cとのそれぞれへ向かう気流を発生させるファン23が設けられてもよい。本例であれば、気流取込口17aと気流取込口17bと気流取込口17cとのそれぞれへ向かう気流が独立して制御される。
また加湿器300は、実施の形態1と同様に、空気清浄フィルター24を備える。空気清浄フィルター24は、室内空気W2を清浄する。空気清浄フィルター24によって清浄された空気は、清浄空気W3となる。
加湿器300は、ファン23によって発生させられる気流を切替える切替手段の一例として、風路切替部43を備える。風路切替部43は、例えば気流取込口17a、気流取込口17b及び気流取込口17cの下方に設けられる。
風路切替部43は、例えばファン23から気流取込口17bへ至る風路を閉じる。ファン23から気流取込口17bへ至る風路を、本実施の形態では清浄風路と呼称する。清浄風路が閉じられた状態でファン23、超音波振動子37及び加熱部42が駆動することにより、図9に示す加湿運転が行われる。
清浄風路が閉じられた状態においてファン23は、気流取込口17a及び気流取込口17cに向かう気流を発生させる。図9に示すように清浄空気W3の一部は、ファン23が発生させた気流により、気流取込口17aから高湿空気ダクト38の内部へ取り込まれる。高湿空気ダクト38の内部へ取り込まれた清浄空気W3は、高湿空気W8と混ざり合って、高湿空気W9となる。高湿空気W9は、高湿空気吹出口39から、本体1に対して横方向に吹き出される。
また図9に示すように清浄空気W3の一部は、ファン23が発生させた気流により、気流取込口17cから高温搬送空気ダクト40の内部へ取り込まれる。高温搬送空気ダクト40の内部へ取り込まれた清浄空気W3は、加熱部42によって加熱される。加熱された清浄空気W3は、高温搬送空気W10となる。高温搬送空気W10は、高温搬送空気吹出口41から、本体1に対して横方向に吹き出される。
図9に示される加湿運転において、高湿空気W9と高温搬送空気W10とは、横方向に併進しつつ混ざり合う。混ざり合った高湿空気W9と高温搬送空気W10とは、加湿空気W11となる。加湿空気W11は、加湿対象に向かって送り出される。
また風路切替部43は、例えばファン23から気流取込口17aへ至る風路及びファン23から17cへ至る風路を閉じる。ファン23から気流取込口17aへ至る風路及びファン23から17cへ至る風路を、本実施の形態ではまとめて加湿風路と呼称する。加湿風路が閉じられた状態でファン23が駆動することにより、図10に示す空気清浄運転が行われる。
加湿風路が閉じられた状態においてファン23は、気流取込口17bに向かう気流を発生させる。図10に示すように清浄空気W3は、分岐せずに気流取込口17bから清浄空気ダクト18aの内部へ取り込まれる。清浄空気ダクト18aの内部へ取り込まれた清浄空気W3は、清浄空気吹出口20aから、本体1に対して上方へ吹き出される。
また風路切替部43は、加湿風路と清浄風路とが開かれた状態にすることもできる。加湿風路と清浄風路とが開かれた状態では、実施の形態1及び実施の形態2と同様に、加湿清浄運転が行われる。
加湿器300は、実施の形態1と同様に、例えば空気清浄度検出部31、湿度検出部32、人検出部33等の各種のセンサ系統を備えてもよい。また加湿器300は、実施の形態1と同様に、制御装置34及び操作表示部35を備える。本実施の形態の制御装置34は、例えば制御部34bによって、ファン23、超音波振動子37、加熱部42及び風路切替部43を制御する。
制御装置34は、電子部品を有する装置である。制御装置34は、本体1の内部に設けられる。本実施の形態の制御装置34は、例えば給水タンク2、貯水部3、超音波振動子37及び高湿空気ダクト38から、一定以上の距離を離されて設けられる。
制御装置34は、例えば高湿空気ダクト38との間に高温搬送空気ダクト40が位置するように設けられる。また制御装置34は、例えば貯水部3との間に吸気風路22が位置するように設けられる。
高湿空気ダクト38及び貯水部3の内部には、水あるいは湿気がある場合がある。本実施の形態の制御装置34は、水あるいは湿気がある空間から離されて設けられる。高温搬送空気ダクト40及び吸気風路22の内部は、乾燥した空間である。水あるいは湿気がある空間と制御装置34との間には、乾燥した空間がある。本例であれば、制御装置34が有する電子部品が、水あるいは湿気から保護される。
次に、加湿器300の動作について説明する。図11は、本発明の実施の形態3の加湿器300の動作の一例を示すフローチャートである。図11のフローチャートのステップS101からステップS116は、実施の形態1のステップS1からステップS16に対応する。加湿器300は、基本的には実施の形態1の加湿器100と同様に動作する。実施の形態1と同様の動作については説明を省略し、実施の形態1と異なる点についてのみ説明する。
ステップS101及びステップS102は実施の形態1のステップS1及びステップS2と同様の動作のため、説明を省略する。制御部34bは、ステップS102で空気清浄運転モードが選択されたと判定すると、風路切替部43に、加湿風路を閉塞させる(ステップS103)。ステップS103は、実施の形態1のステップS3に対応する。
ステップS103で加湿風路が閉塞されると、制御部34bは、ファン23を駆動させる(ステップS104)。ステップS104において制御部34bは、例えば実施の形態1のステップS4と同様にファン23を駆動させる。ステップS104でファン23が駆動することにより、図10に示される空気清浄運転が行われる。ステップS104以降の動作、すなわちステップS105及びステップS106は実施の形態1のステップS5及びステップS6と同様のため、説明を省略する。
制御部34bは、ステップS102で清浄後加湿運転モードが選択されたと判定すると、風路切替部43に、加湿風路を閉塞させる(ステップS107)。ステップS107は、実施の形態1のステップS7に対応する。ステップS107で加湿風路が閉塞されると、制御部34bは、ファン23を駆動させる(ステップS108)。S108以降の動作のうち、ステップS109及びステップS110は実施の形態1のステップS9及びステップS10と同様のため、説明を省略する。
制御部34bは、ステップS102で加湿運転モードが選択されたと判定した場合又はステップS109で切替条件が満たされたと判定した場合、風路切替部43に、清浄風路を閉塞させる(ステップS111)。ステップS111は、実施の形態1のステップS11に対応する。
ステップS111で清浄風路が閉塞されると、制御部34bは、ファン23、超音波振動子37、及び加熱部42を駆動させる(ステップS112)。これにより、図9に示される加湿運転が開始される。加湿運転では、加湿空気W11が加湿対象に向かって送り出される。
ステップS112は、実施の形態1のステップS12に対応する。制御部34bは、例えば実施の形態1のステップS12と同様にファン23を制御する。制御部34bは、例えば清浄空気W3の風量が0.2[m^3/min]以下となるようにファン23を制御する。本例であれば、加湿運転の際、加湿対象の一例である人は吹かれ感を感じない。
なお制御部34bは、ステップS112で、一例としてファン23と超音波振動子37とを同時に駆動させる。制御部34bは、例えばファン23を駆動させてから一定時間経過後に超音波振動子37を駆動させてもよい。本例であれば、ファン23への高湿空気W8の逆流が防止される。
ステップS112以降の動作、すなわちステップS113及びステップS114は実施の形態1のステップS13及びステップS14と同様のため、説明を省略する。なお本実施の形態の制御部34bは、一例としてステップS113で、ファン23、超音波振動子37、及び加熱部42を間欠運転させる。
制御部34bは、ステップS102で加湿清浄運転モードが選択されたと判定すると、清浄風路及び加湿風路が開放されるように、風路切替部43を制御する(ステップS115)。ステップS115は、実施の形態1のステップS15に対応する。
ステップS115で清浄風路及び加湿風路が開放されると、制御部34bは、ファン23、超音波振動子37、及び加熱部42を駆動させる(ステップS116)。これにより、加湿清浄運転が開始される。加湿清浄運転では、清浄空気吹出口20a、高湿空気吹出口39及び高温搬送空気吹出口41から空気が吹き出される。清浄空気吹出口20aからは、本体1に対して上方向に空気が吹き出される。高湿空気吹出口39及び高温搬送空気吹出口41からは、本体1に対して横方向に空気が吹き出される。
ステップS116は、実施の形態1のステップS16に対応する。制御部34bは、例えば実施の形態1のステップS16と同様にファン23を制御する。なお制御部34bは、例えば気流取込口17a及び気流取込口17bへ導かれる清浄空気W3の風量が0.2[m^3/min]以下となるように風路切替部43を制御してもよい。ステップS116以降は、実施の形態1のステップS16以降と同様に動作する。
上記構成及び動作により、加湿器300であれば、実施の形態1の加湿器100と同様の効果が得られる。加湿器300であれば、加湿対象に向けて送られる加湿空気W11の到達距離がより長くなる。また加湿器300は、室内の空気の清浄と加湿空気W11の供給とを同時に行うことができる。さらに、加湿運転及び加湿清浄運転の際、加湿対象の一例である人は吹かれ感を感じることがない。
なお実施の形態1と同様に、加湿清浄運転の際に清浄空気吹出口20aから吹き出される空気は、高湿空気吹出口39及び高温搬送空気吹出口41から吹き出される空気の流れに影響を与えない方向であれば、上方向以外に吹き出されてもよい。清浄空気吹出口20aは、上方向以外にも、例えば後ろ方向、左右方向、あるいは斜め前方向等に開口していてもよい。
上記実施例において、高湿空気吹出口39と高温搬送空気吹出口41とは、上下に並んで配置される。例えば図9に示されるように、高湿空気W9と高温搬送空気W10とは、本体1に対して横方向に併進しつつ、上下方向から混ざるように吹き出される。
高湿空気W8は、ミスト状の水によって生成される。このため、高湿空気W8は室温に比べて低温である。また清浄空気W3は室温である。このため、清浄空気W3と高湿空気W8が混ざりあった高湿空気W9は、室温に比べて低温である。高湿空気吹出口39から横方向に吹き出された高湿空気W9は、下降しようとする。
加熱部42によって加熱された高温搬送空気W10は、室温より高温である。高温搬送空気吹出口41から吹き出された高温搬送空気W10は、上昇しようとする。上記実施例であれば、高湿空気W9と高温搬送空気W10とは、効率よく混合されつつ併進する。これにより、加湿空気W11の到達距離がより長くなる。
なお実施の形態1と同様に、例えば高湿空気W9は、高湿空気吹出口39から水平に比べて下向きに吹き出されてもよい。これにより、高湿空気W9と高温搬送空気W10とは、より効率よく混合される。
加湿器300は、例えば加湿運転及び加湿清浄運転が終了される際、超音波振動子37が停止してから一定時間経過後にファン23が停止するように構成されてもよい。すなわち超音波振動子37の停止後、ファン23が一定時間だけ追加駆動してもよい。
加湿運転及び加湿清浄運転の際には、高湿空気ダクト38内は、湿度が高くなる。本例であれば、ファン23の追加駆動によって高湿空気ダクト38内が乾かされる。これにより、雑菌の繁殖が抑制される。
なおこの追加駆動の際のファン23の出力は、例えば加湿運転及び加湿清浄運転の際のファン23の出力よりも低くてもよい。これにより、ファン23は、省エネルギーかつ静音の状態で追加駆動される。またファン23が追加駆動している際には、ファン23が追加駆動している旨が表示部35bに表示されてもよい。
上記実施例において加熱部42のヒータは、一例として制御部34bによって制御される。加熱部42のヒータは、例えばPTCヒータ等の自己温度制御式のヒータであってもよい。加熱部42のヒータの温度は、制御部34bによって調節されなくてもよい。本例であれば、加熱部42によって加熱された高温搬送空気W10の温度の調節が、より容易かつ適切に行われる。
加湿器300は、加湿手段の一例として、超音波振動子37を備える。超音波振動子37は、容易かつ効率的に高湿空気W8を生成することができる装置である。本実施の形態であれば、高湿空気W8及び高湿空気W9の生成が、実施の形態1に比べてより容易かつ効率的に行われる。
高湿空気ダクト38は、高温搬送空気ダクト40よりも長くなるように形成される。高湿空気ダクト38は、限られた設計範囲内において、より長くなるように形成される。これにより、加湿運転の際に清浄空気W3と高湿空気W8とが混ざりあう空間の長さがより長くなる。加湿運転の際に清浄空気W3と高湿空気W8とは、ムラ無く混ざり合う。これにより、清浄空気W3と高湿空気W8との混ざりムラが少ない高湿空気W9が加湿対象へ送り出される。
また上記実施例の貯水部3は、高湿空気ダクト38に一部が入り込んでいる。貯水部3、超音波振動子37及び高湿空気ダクト38は、例えば図9に示すように、加湿運転の際に清浄空気W3が高湿空気W8の側方を沿って流れるように配置されてもよい。
清浄空気W3は、一例として高湿空気W8の側方を、下方から上方に向けて流れる。これにより高湿空気W8は、高湿空気W8に誘引されやすくなる。清浄空気W3に誘引された高湿空気W8は、高湿空気W8と混ざって高湿空気W9となる。本例であれば、高湿空気W8は高湿空気ダクト38内に滞留しにくくなる。これにより、高湿空気W9が効率よく生成される。
なお貯水部3は、高湿空気ダクト38に一部が入り込んでいなくてもよい。貯水部3は、例えば高湿空気ダクト38の下方に設けられてもよい。高湿空気ダクト38の下方に設けられた貯水部3と高湿空気ダクト38とは、例えば図示しない接続ダクトを介して接続される。本例において高湿空気W8は、接続ダクトを通って高湿空気ダクト38へ導かれる。本例であれば、高湿空気ダクト38に貯水部3が入り込まないことにより、高湿空気ダクト38内の清浄空気W3の流れが円滑になる。
実施の形態4.
次に、本発明の実施の形態4について説明する。本実施の形態の加湿器400の構成及び動作は、基本的に実施の形態3の加湿器300と同様である。実施の形態3と同じ構成及び動作については、説明を省略する。図12は、本発明の実施の形態4の加湿運転時の加湿器400を示す縦断面図である。図13は、本発明の実施の形態4の空気清浄運転時の加湿器400を示す縦断面図である。
加湿器400は、加湿手段の一例として、実施の形態3における超音波振動子37の代わりに気化フィルター44を備える。気化フィルター44は、水を吸収する材料により形成される。水を吸収する材料は、例えばレーヨン等である。気化フィルター44は、例えば給水部44a及び蒸発部44bを有する。
給水部44aは、貯水部3内の水に浸される。給水部44aは、貯水部3内の水を吸い上げる部位である。蒸発部44bには、給水部44aから水が供給される。気化フィルター44は、例えば図12及び図13に示すように、蒸発部44bが高湿空気ダクト38内に位置するように、配置される。
図14は、本発明の実施の形態4の加湿器400の動作の一例を示すフローチャートである。図14のフローチャートのステップS201からステップS216は、実施の形態3のステップS101からステップS116までと基本的に同様である。ステップS201からステップS216までの詳細な説明を省略する。
ステップS212及びステップ216において制御部34bは、ファン23及び加熱部42を駆動させる。ファン23が駆動すると、例えば図12に示すように、気化フィルター44の側方に清浄空気W3が流れる。
気化フィルター44の側方に清浄空気W3が流れると、蒸発部44bから水が蒸発する。蒸発した水により、高湿空気W8が生成される。また蒸発部44bから水が蒸発すると、毛細管現象により、給水部44aから蒸発部44bへと水が再び供給される。なお蒸発部44bは、例えば給水部44aよりも表面積が大きくなるように形成されてもよい。これにより、蒸発部44bから効率よく水が蒸発する。
本実施の形態であれば、加湿手段の一例として気化フィルター44が用いられることにより、電力を用いることなく高湿空気W8が生成される。本実施の形態であれば、加湿器400の構造及び制御が、より簡便なものになる。
図15は、上記実施の形態1から実施の形態4の制御装置34のハードウェア構成図である。制御装置34は、一例として印刷配線基板を有する。印刷配線基板上には、記憶回路、記憶回路に記憶された各種の制御プログラムを実行する演算処理部、演算処理部に対して信号を入出力する入出力回路及び時間を計測するタイマー回路が、一例として設けられる。記憶回路、演算処理部、入出力回路及びタイマー回路を、まとめて処理回路とする。
制御装置34の記憶部34a及び制御部34bの各機能は、この処理回路により実現される。処理回路は、専用ハードウェア60であってもよい。処理回路は、プロセッサ61及びメモリ62を備えていてもよい。処理回路は、一部が専用ハードウェア60として形成され、更にプロセッサ61及びメモリ62を備えていてもよい。図15は、処理回路が、その一部が専用ハードウェア60として形成され、プロセッサ61及びメモリ62を備えている場合の例を示している。
処理回路の少なくとも一部が、少なくとも1つの専用ハードウェア60である場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又はこれらを組み合わせたものが該当する。
処理回路が少なくとも1つのプロセッサ61及び少なくとも1つのメモリ62を備える場合、制御装置34の記憶部34a及び制御部34bの各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア及びファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ62に格納される。プロセッサ61は、メモリ62に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。プロセッサ61は、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータあるいはDSPともいう。メモリ62は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROM及びEEPROM等の不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、又は磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク及びDVD等が該当する。
このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって、制御装置34の記憶部34a及び制御部34bの各機能を実現することができる。