JP2016080322A - 加湿機 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用者に不快感を与えず、過加湿を抑制する加湿機を提供する。【解決手段】吸込口15と吹出口とを有する本体と、給水タンク41により供給される水を用いて蒸気を発生する加湿手段と、室内空気を吸込口15から吸い込み、加湿手段により加湿された空気を吹出口から室内へ略水平方向に吹き出す気流を生成する送風ファン62と、吸込口15から吸い込まれる気流の温度よりも吹出口から吹き出される気流の温度が高くなるように水、蒸気、または蒸気を含む空気を加熱するヒーター72と、ヒーター72への通電と送風ファン62の回転数を制御する制御手段100と、を備え、制御手段100は、加湿運転終了時に、ヒーター72への通電を停止してから所定時間経過後に送風ファン62への通電を停止するとともに、所定時間経過中の送風ファン62の回転数を、加湿運転中の送風ファン62の回転数よりも小さくする。【選択図】 図10

Description

本発明は、加湿空気を供給する加湿機に関する。
従来の加湿機は、吸気口を有する本体、この本体内に設けられた水タンク、この水タンクからの水を受ける水受部、この水受部の給水口を介して供給された水を加熱する蒸発皿、この蒸発皿内から発生する蒸気を案内する蒸気案内筒、吸気口から空気を取り込む送風ファン、この送風ファンから送られる空気を案内する空気案内筒、この蒸気案内筒からの蒸気と前記空気案内筒からの空気を混合させる混合室及びこの混合室からの蒸気を外部に放出する吹出口を備えた加湿器が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第4515268号公報(請求項1、第3頁)
特許文献1に記載の加湿器は、吹出口から放出される蒸気が斜め上方に放出され、部屋全体を加湿することを目的とするものである。このような加湿器においては、部屋の湿度が所定の基準湿度となるように運転制御される。しかし、例えば、睡眠に適した基準湿度に設定しても、部屋全体の湿度が上がるまでに時間がかかるという課題があった。また、加湿器の使用者に適した湿度に部屋全体を加湿するまでに、使用者周辺またはその顔周辺のみを加湿するのに必要な水量よりも多くの水量を必要とする。このため、給水用タンクが大型化し、加湿機本体も大型化するとともに、加湿に要する消費電力も大きくなるという課題があった。また、部屋全体が加湿されるため、窓や壁の結露量が多くなってしまうという課題があった。
また、加湿運転終了時に、加熱体への通電を停止した後、所定時間送風ファンの駆動を継続して(アフターブロー)、加湿器本体内部及び蒸発皿の水を冷却する。しかし、加湿器の使用者へ送風のみが行われるアフターブローは、送風の風量が同じであっても、温かい高湿空気を搬送する加湿運転中より、アフターブロー中の方が使用者に不快感を与えるという課題があった。
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、部屋の過加湿を防止し、アフターブロー中に使用者に不快感を与えない加湿機を提供するものである。
本発明の加湿機は、吸込口と吹出口とを有する本体と、水を貯留する給水タンクと、給水タンクにより供給される水を用いて蒸気を発生させる加湿手段と、室内空気を吸込口から吸い込み、加湿手段により加湿された空気を吹出口から室内へ略水平方向に吹き出す気流を生成する送風ファンと、吸込口から吸い込まれる気流の温度よりも吹出口から吹き出される気流の温度が高くなるように水、蒸気、または蒸気を含む空気を加熱するヒーターと、このヒーターへの通電と送風ファンの単位時間当たりの回転数を制御する制御手段と、を備え、制御手段は、加湿運転終了時に、ヒーターへの通電を停止してから所定時間経過後に送風ファンの回転を停止するとともに、所定時間経過中の送風ファンの単位時間当たりの回転数が、加湿運転中に駆動される送風ファンの単位時間当たりの回転数よりも小さくなるように送風ファンを制御するものである。
本発明の加湿機によれば、加湿空気を略水平方向に吹き出すので、室内全体を加湿することなく使用者周辺のみを加湿するので、加湿に要する水量が少なく、部屋の過加湿を抑制できる。また、加湿運転終了時に、ヒーターへの通電を停止してから所定時間経過後に送風ファンの回転を停止するとともに、所定時間経過中の送風ファンの単位時間当たりの回転数が、加湿運転中に駆動される送風ファンの単位時間当たりの回転数よりも小さくなるように送風ファンを制御することにより、使用者に不快感を与えることを抑制できる。
本発明の実施の形態1に係る加湿機の斜め前方から見た外観斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る加湿機の斜め後方から見た外観斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る加湿機の吸水タンクカバーを取り外し、本体カバーを下ケースから取り外した状態を斜め後方から見た分解斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る加湿機の本体カバーと給水タンクを下ケースから取り外した状態を斜め前方から見た外観斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る加湿機の本体カバーを下方から見た斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る加湿機を側方から見た断面図である。 本発明の実施の形態1に係る加湿機の本体カバーと給水タンクカバーとが一体となった状態の断面図である。 本発明の実施の形態1に係る加湿機のブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る加湿機の動作を説明するフローチャートである。 本発明の実施の形態1に係る加湿機の動作を説明する図である。 本発明の実施の形態2に係る加湿機の動作を説明するフローチャートである。 本発明の実施の形態3に係る加湿機のブロック図である。 本発明の実施の形態3に係る加湿機の動作を説明するフローチャートである。 本発明の実施の形態4に係る加湿機のブロック図である。 本発明の実施の形態4に係る加湿機の動作を説明するフローチャートである。
実施の形態1
図1は、本発明の実施の形態1に係る加湿機の斜め前方から見た外観斜視図である。図2は、本発明の実施の形態1に係る加湿機の斜め後方から見た外観斜視図である。図3は、本発明の実施の形態1に係る加湿機の吸水タンクカバーを取り外し、本体カバーを下ケースから取り外した状態を斜め後方から見た分解斜視図である。図4は、本発明の実施の形態1に係る加湿機の本体カバーと給水タンクを下ケースから取り外した状態を斜め前方から見た外観斜視図である。図5は、本発明の実施の形態1に係る加湿機の本体カバーを下方から見た斜視図である。図6は、本発明の実施の形態1に係る加湿機を側方から見た断面図である。図7は、本発明の実施の形態1に係る加湿機の本体カバーと給水タンクカバーとが一体となった状態の断面図である。図8は、本発明の実施の形態1に係る加湿機のブロック図である。図9は、本発明の実施の形態1に係る加湿機の動作を説明するフローチャートである。図10は、本発明の実施の形態1に係る加湿機の動作を説明する図である。
実施の形態1の加湿機を例にとり説明する。
[加湿機の全体構成]
図1から図8を用いて、本発明の実施の形態1に係る加湿機の概略構成を説明する。後述するように、加湿方法としては、ヒーターで水を加熱して蒸気を生成する方式を例にとり説明する。なお、各図において同符号は同一部分又は相当部分を示しており、その重複説明は適宜に簡略化又は省略する。
本発明の実施の形態1に係る加湿機200は、給水タンク41が着脱自在に取り付けられる下ケース1に、外郭をなす本体カバー2及び本体カバー2の後面に給水タンクカバー3を被せて構成されている。また、本体カバー2の前面の上部には、後述する吹出口21が設けられる。下ケース1の後面の下部には、下ケース1の外部から室内空気を内部に取り込む吸込口15が形成され、吸込口15の周辺には、室内空気の湿度を検出する湿度検出手段である湿度センサー160が配置され(図示せず)、湿度センサー160の検出信号は後述するマイコン100へ出力される。下ケース1、本体カバー2及び給水タンクカバー3をまとめて加湿機本体と称する。
下ケース1の後面下部には、電源コード接続部17が設けられ、加湿機200に商用電源を供給する電源コード(図示せず)が接続される(図3参照)。なお、電源コード接続部17が設けられる側が加湿機200の後方であり、後述する吹出口21が設けられる側が加湿機200の前方を指す。
本体カバー2の前側は光が透過する樹脂材で形成されている。図4に示すように、下ケース1の前側に設けられる表示操作部11に配置される発光部116、発光部117aから117g及び発光部118が発光すると、本体カバー2の外側から発光部の表示を視認できる。発光部116、発光部117aから117g及び発光部118をまとめて表示部150と称する。また、本体カバー2の上部には、後述する送出口52と連通する吹出口21が形成される。本体カバー2の側面や後方も樹脂材で形成される。
下ケース2の前側の表示操作部11には、電源ボタン4aと設定ボタン5aが設けられる。本体カバー2には電源スイッチ4と設定スイッチ5が設けられる。下ケース2に本体カバー2を被せたときに、電源スイッチ4の押圧により電源ボタン4aが押圧され、設定スイッチ5の押圧により設定ボタン5aが押圧される。設定スイッチ5により、加湿機200の加湿動作が開始してから終了するまでの運転切時間や基準湿度の設定等の入力操作ができるようになっている。電源ボタン4aと設定ボタン5aとをまとめて操作部と称する。
下ケース2の前側には操作基板7が配置される。操作基板7には、電源ボタン4a、設定ボタン5a用の機械式スイッチや、発光部116、発光部117aから117g及び発光部118を構成するLEDなどが実装される。
また、下ケース2の前側には制御基板8が配置される。制御基板8は操作基板7と電気的に接続され、加湿機200の動作を制御するマイコン100(制御手段)が実装される。
図8に示すように、マイコン100は入力回路110、CPU120、メモリ130及び出力回路140を備える。入力回路110には、湿度センサー160、操作部180及び後述する貯水量検知部170の出力信号が入力される。出力回路140からは、ヒーター72、後述する送風ファン62(モーター62a及びファン62b)のモーター62a、表示部(発光部116、発光部117aから117g及び発光部118)へ制御信号を出力する。
電源スイッチ4を押すと電源ボタン4aが押され、交流電源から電源が供給され、マイコン100が起動し、発光部116のLEDを点灯させる。
設定スイッチ5を操作すると、その押圧回数に対応して加湿機200の加湿動作が開始してから終了するまでの運転切時間を設定することができる。例えば、設定スイッチ5を1回押すと運転切時間が1時間に設定され、2回押すと2時間が設定される。発光部117aから117gは、設定スイッチ5の押圧回数に応じて点灯数や点灯色を変えて、設定された運転切時間を表示する。マイコン100には、時間を計時するタイマー(計時手段、図示せず)を備える。
また、設定スイッチ5は基準湿度を設定する設定手段を兼ねる。例えば、設定スイッチ5を長押しすると基準湿度設定が可能となり、この後1回押す毎に、基準湿度が60%から10%ずつ大きくなるように設定できる。この設定スイッチ5の押圧回数に応じて点灯数や点灯色を変えて、設定された基準湿度を表示する。
運転切時間または基準湿度を設定し、所定時間経過後に再度設定スイッチ5を押すと、加湿運転が開始される。
制御基板8の後方には加湿手段である蒸気生成装置71が配置されている。蒸気生成装置71は、上方が開口した金属部材からなる円形の皿形状をなし、給水タンク41から供給される加湿用の水を貯留する貯留部である蒸発皿71aと、その外周に巻かれる蒸気生成用のヒーター72とを備える(図6参照)。
蒸気生成装置71には、給水タンク41に貯留された加湿用の水が、給水経路74を経由して、水供給口73から供給される。なお、給水タンク41は、樹脂材で形成された給水タンクカバー3により着脱自在に覆われる。
また、給水タンク41に貯留される水量を検知する貯水量検知部170が給水タンク41の周囲に設けられる(図示せず)。貯水量検知部170は、給水タンク41内の水の水位を光学的に検知するものである。なお、貯水量検知部170は、給水タンク41の底部に設けられ、給水タンク41の重量を測定して貯水量を検知するようにしてもよい。
蒸気生成装置71に供給された水は、ヒーター72を通電することにより加熱され、高温の蒸気が生成される。
蒸気生成装置71には、上方の開口を覆うように、蒸気の通気口を有する耐熱性の樹脂材で形成された蒸気生成装置カバー75が設けられている。蒸気生成装置カバー75を覆うようにして、その上方に送出口52を備える耐熱性の樹脂材で形成された蒸気ダクト51が取り付けられる。
蒸気生成装置71により生成された高温の蒸気は、蒸気ダクト51の送出口52から所定の距離離れた位置まで送出するほどの風速がない。そのため、蒸気を所定の風速に付勢して送出口52から吹き出すようにする手段が必要となる。そこで、蒸気生成装置71の後方には、蒸気に空気を混合して送出口52から吹き出すようにするための風を発生させる送風ファン62が設けられる。送風ファ62は、ファン62bとファン62bを回転駆動させるモーター62aから構成され、室内空気を吸込口15から吸い込み、加湿手段である蒸気生成装置71により加湿された空気を吹出口21(第1の吹出口)から室内へ吹き出す気流を生成する。この気流の流れる風路が第1の風路である。また、後述するように、送風ファン62は、蒸気生成装置71を経由しないで、送出口52から吹き出す気流をガイドして送出口52から所定の距離離れた位置まで送出する気流も生成する。
ファン62bの回転軸は下ケース1の前後方向と平行に配置される。ファン62bはファン室64内に配置され、ファン室64は、その上方に形成された本体側風路16と連通している。本体側風路16の上方には、本体カバー側風路22(上部側風路)が本体カバー2内に形成される。
図7に示すように、本体カバー側風路22は本体カバー2側に形成され、本体カバー2と給水タンクカバー3とを一体で取り外すと、本体側風路16と分離し、本体カバー2ととともに下ケース1から外れるようになっている。また、本体カバー2の上部には可動31ダクトが設けられる。可動ダクト31は前後方向にスライド可能に設けられる。可動ダクト31を後方に移動させると、給水タンクカバー3は可動ダクト31により上部を抑えられることとなり、給水タンクカバー3が上方へ移動できない状態となって、本体カバー2と一体の状態となる。したがって、給水タンクカバー3は本体カバー2と一体で取り外せる状態となる。
吸込口15から吹出口21に至る風路が下ケース1側の本体側風路16と本体カバー2側の本体カバー側風路22(上部側風路)とからなり、図4に示すように、本体カバー側風路22と連通する本体側風路16の最上端は、本体カバー側風路22と通気可能に連通する開口部19a(図11参照)を有する本体側連通部19が配置される。本体側風路16と本体カバー2側の本体カバー側風路22とを接続する本体側連通部19の開口部19aには、開口部19aを開閉するシャッター20が設けられる。
シャッター20は、下ケース1から本体カバー2が取り外されているときは、開口部19aを閉じ、下ケース1に本体カバー2を取り付けたときに開口部19aを開いて、本体側風路16と本体カバー側風路22とを連通するものである。つまり、加湿機200のメンテナンス時に下ケース1から本体カバー2を取り外したときに、開口部19aから本体側風路16を経由してファン室64へ異物や水が侵入するのを抑制するものである。
シャッター20は、少なくともその一部が開口部19aを形成する本体側連通部19の周縁19bの下側に配置される。そして、シャッター20は、一端側が、本体側連通部19に形成された軸支部19c(図4、図11参照)により回動自在に軸支される。シャッター20の裏面には、開口部19aを下方から閉じるように、シャッター20の他端側(自由端側)を上方に付勢する付勢手段であるバネ20aが設けられる。他端側が上方に付勢されたシャッター20は、本体側連通部19の周縁19bの裏面と当接することにより係止される。また、シャッター20の上面には凸部20bが形成される。
図5に示すように、本体カバー側風路22に隣接して分岐風路25が形成される。本体カバー側風路22と分岐風路25とは、下端にリブ24が形成された仕切板28により区画される。リブ24はシャッター20を開く開成部材であり、本体カバー側風路22と一体に形成される。本体カバー側風路22と分岐風路25の下端の外周を囲むように本体カバー側連通部23が形成され、下ケース1に本体カバー2を取り付けたときに、本体側連通部19と当接して本体側風路16と本体カバー側風路22及び分岐風路25とを連通する。つまり、送風ファン62により生成される風は本体側風路16を経由し、本体カバー側風路22と分岐風路25とにそれぞれ送られる。
下ケース1に本体カバー2を取り付けると、リブ24は、バネ20aの付勢力に抗して、シャッター20の上面の凸部20bを押し下げて開口部19aを開き、本体側風路16と本体カバー側風路22とを連通する。また、リブ24がシャッター20の上面の凸部20bと接触する側は、曲面形状に成形された曲面部24aが形成されている。また、リブ24の下端は、曲面部24aと連なるように直線形状に成形された水平部24bが形成されている。さらに、リブ24の側面は、曲面部24aと連なるように直線形状に成形された垂直部24cが形成されている。
ここで、仕切板28により本体カバー側風路22と分岐風路25に送られる風量は、加湿機200の出口である本体カバー側風路22の送風口32(第2の吹出口)から吹き出される気流(この気流の流れる風路が第2の風路に相当する)の流速が、加湿機200のもう一つの出口である吹出口21と隣接して配置される、分岐風路25の吹出口21(第1の吹出口)から吹き出される気流の流速よりも大きくなるように設定される。図1に示すように、送風口32(第2の吹出口)は吹出口21(第1の吹出口)の上方に配設される。送風口32から吹き出される気流の流速が吹出口21から吹き出される気流の流速よりも大きいので、ベルヌーイの定理により、前者の気流は後者の気流よりも圧力が小さくなる。その結果、後者の気流が前者の気流に誘引されてガイドされ、加湿空気を送出口52から所定の距離離れた位置まで送出することができる。なお、送風口32は吹出口21の上方に配設されるので、高温の蒸気を含む吹出口21からの気流が上方に向かうのを送風口32からの気流が抑え込むように作用し、加湿空気を送出口52から所定の距離離れた位置まで効率よく送出することができる。
分岐風路25に送られた風は、連通口29(図5、図7参照)により、下ケース1に本体カバー2が取り付けられた状態で蒸気ダクト51と連通する。つまり、この分岐風路25に送られた風が蒸気生成装置71で生成される蒸気と混合し、加湿された空気を付勢して送出口52から室内へ吹き出す。
本体カバー2に設けられた本体カバー風路22は、蒸気生成装置71で生成される蒸気と混合し、加湿された空気を送出口52から付勢して吹出口21から室内へ吹き出すための風とは別の、送出口52から吹き出す気流をガイドして送出口52から所定の距離離れた位置まで送出する気流を通過させるための風路である。
本体カバー風路22を通過した風は、加湿機200の上部に設けられた可動ダクト31に送られ、加湿機200の上部で可動ダクト31の下方に形成された送風口32から前方へ向かって送風される。これにより、加湿機200より所定の距離離れた位置まで、加湿空気を搬送できる。
送風口32には、風の向きを調節する風向調節板33が設けられていて、斜め下方に向いている。吹出口21から吹き出された加湿空気を上から抑えるように送風される。
次に、加湿動作について説明する。
図9及び図10を用いて説明する。図9は本発明の実施の形態1に係る加湿機の動作を説明するフローチャートである。図10は本発明の実施の形態1に係る加湿機の動作を説明する図である。
電源コード接続部17に電源コードを接続し、電源スイッチ4を押す。すると、電源ボタン4aが押圧され、マイコン100に電源が供給される。マイコン100が起動すると、マイコン100は出力回路140を介して発光部116のLEDを発光するように指令し、設定スイッチ5の入力操作の受け付け待ち状態となる。設定スイッチ5を押すと設定ボタン5aが押圧され、入力回路110を介して、加湿機200の加湿動作が開始してから終了するまでの運転切時間の設定がなされる。そして、所定時間経過後に再度設定スイッチ5を押すと、加湿運転が開始される。
図9において、ステップS1Aでは、設定スイッチ5により、切タイマー時間Aが設定される。切タイマー時間Aはメモリ130に記憶される。切タイマー時間Aは、加湿運転が開始されてから終了するまでの運転切時間である。例えば、切タイマー時間Aとして、8時間が設定される。そして、ステップS2へ進む。
ステップS2では、送風ファン62の加湿運転中の単位時間(例えば1分間)当たりの回転数R0が初期設定され、メモリ130に記憶される。加湿運転中とは、ヒーター72に通電して蒸気を生成する期間を示す。そして、ステップS3へ進む。
ステップS3では、マイコン100がヒーター72へ通電を開始するよう制御する(ヒーターON)。また、マイコン100は送風ファン62を回転駆動するモーター62aへ通電を開始するよう制御する(ファンON)。図10に示すように、ヒーター72への通電が開始されると蒸発皿71aの水温が上昇する。そして、蒸気が発生することにより加湿運転(切タイマー時間Aの間運転)が開始され、CPU120に備えられたタイマーが計時を開始する。そして、ステップS4Aへ進む。
ステップS4Aでは、タイマーが計時する時間が切タイマー時間Aを経過したか否かを判定する。タイマーが計時する時間が切タイマー時間Aを経過すると(ステップS4AでYESの場合)、加湿運転が終了し、ステップS5Aへ進む。タイマーが計時する時間が運転時間Aに達しない場合(ステップS4AでNOの場合)、ステップS4Aへ戻り、加湿運転を継続する。図10に示すように、加湿運転中、蒸発皿71a内の水温は一定値を保つ。
ステップS5Aでは、加湿運転終了後のアフターブローにおける送風ファン62の単位時間当たりの回転数Raと、送風ファン62のファン運転時間Taが設定され、メモリ130に記憶される。アフターブローにおける送風ファン62の単位時間当たりの回転数Raは、加湿運転中に駆動される送風ファン62の単位時間当たりの回転数R0よりも小さくなるように設定される。そして、ステップS6へ進む。
ステップS6では、マイコンはヒーターへの通電を停止するように制御するとともに、CPU120に備えられたタイマーの計時情報をリセットし、再び計時を開始する。図10に示すように、ヒーター72の通電が停止すると、蒸発皿71a内の水温は低下を始める。そして、ステップS7へ進む。
ステップS7では、タイマーが計時する時間がアフターブローの運転時間E(請求項1における所定時間)を経過したか否かを判定する。タイマーが計時する時間が運転時間Eを経過すると(ステップS7でYESの場合)、ステップS8へ進む。タイマーが計時する時間が運転時間Eに達しない場合(ステップS7でNOの場合)、ステップS7へ戻り、アフターブローを継続する。
ステップS8では、マイコン100はモーター62aへの通電を停止するよう制御し、送風ファン62の回転が停止する。
このように、送風ファン62の単位時間当たりの回転数について、アフターブロー中の回転数を加湿運転中の回転数よりも小さくするので、アフターブロー中に使用者に不快感を与えることが抑制される。
このように、実施の形態1の加湿機によれば、吸込口と吹出口とを有する本体と、水を貯留する給水タンクと、給水タンクにより供給される水を用いて蒸気を発生させる加湿手段と、室内空気を吸込口から吸い込み、加湿手段により加湿された空気を吹出口から室内へ略水平方向に吹き出す気流を生成する送風ファンと、吸込口から吸い込まれる気流の温度よりも吹出口から吹き出される気流の温度が高くなるように水、蒸気、または蒸気を含む空気を加熱するヒーターと、このヒーターへの通電と送風ファンの単位時間当たりの回転数を制御する制御手段と、を備え、制御手段は、加湿運転終了時に、ヒーターへの通電を停止してから所定時間経過後に送風ファンの回転を停止するとともに、所定時間経過中の送風ファンの単位時間当たりの回転数が、加湿運転中に駆動される送風ファンの単位時間当たりの回転数よりも小さくなるように送風ファンを制御するので、室内全体を加湿することなく使用者周辺のみを加湿し、加湿に要する水量が少なく、部屋の過加湿を抑制でき、加湿機内の温度上昇を抑制することができる。また、アフターブロー中に使用者に不快感を与えることが抑制される。
また、吹出口は隣接して配置される第1の吹出口と第2の吹出口とを備え、第2の吹出口は第1の吹出口の上方に配設され、第1の吹出口から吹き出される気流は蒸気を含み、第2の吹出口からは蒸気を含まない気流が吹き出されるので、加湿空気を第1の吹出口から所定の距離離れた位置まで効率よく送出することができる。
実施の形態2
図11を用いて説明する。図11は、本発明の実施の形態1に係る加湿機の動作を説明するフローチャートである。
実施の形態1との違いは、切タイマー時間を設定せず、使用者が電源スイッチ4を押すことにおり加湿運転を停止(ヒーターへの通電を停止)し、アフターブローを行うようにした点である。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
ステップS1Bでは、電源コード接続部17に電源コードを接続し、電源スイッチ4を押す。すると、電源ボタン4aが押圧され(電源SW ON)、マイコン100に電源が供給される。そして、ステップS2へ進む。
ステップS2では、送風ファン62の加湿運転中の単位時間(例えば1分間)当たりの回転数R0が初期設定され、メモリ130に記憶される。加湿運転中とは、ヒーター72に通電して蒸気を生成する期間を示す。そして、ステップS3へ進む。
ステップS3では、マイコン100がヒーター72へ通電を開始するよう制御する(ヒーターON)。また、マイコン100は送風ファン62を回転駆動するモーター62aへ通電を開始するよう制御する(ファンON)。図10に示すように、ヒーター72への通電が開始されると蒸発皿71aの水温が上昇する。そして、蒸気が発生することにより加湿運転が開始される。そして、ステップS4Bへ進む。
ステップS4Bでは、マイコン100は、加湿運転中に電源スイッチ4が押されて電源ボタン4aが押圧された(電源SW OFF)か否かを検出する。電源ボタン4aが押圧された場合(ステップS4BでYESの場合)、ステップS5Aへ進む。電源ボタン4aが押圧されない場合(ステップS4BでNOの場合)、ステップS4Bへ戻り、加湿運転を継続する。
以下の動作は、実施の形態1と同様である。
このように、実施の形態2の加湿機によれば、電源スイッチの押圧操作(ON操作)により加湿運転を開始し、加湿運転からアフターブローへの切り替えも電源スイッチの押圧操作(OFF操作)により実行するので、加湿機の構成が簡素化される。
実施の形態3
図12は本発明の実施の形態3に係る加湿機のブロック図である。図13は本発明の実施の形態3に係る加湿機の動作を説明するフローチャートである。
図12、図13を用いて説明する。実施の形態1との違いは、室内の温度を検出する室温センサー(室温検出手段)をさらに備え、室温センサーが検出する室温に応じて、所定時間(アフターブローの運転時間E)と所定時間経過中の送風ファンの単位時間当たりの回転数を設定するにした点である。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
室温センサー161は、ヒーター72、吹出口21やモーター62aなどの発熱部品や高温部位から離れた場所、例えば、吸込口15の周辺に配設される(図示せず)。室温センサー161は、入力回路110を介してマイコン100に接続される。
図13のステップS5Bにおいて、加湿運転が終了したときに、室温センサー161が室内温度Trを検出する。そして、室温センサー161が検出する室温に応じて、アフターブローの運転時間Eを設定する。例えば、室温が高いほど、アフターブローの運転時間Eを長く設定し、メモリ130に記憶する。また、室温が高いほど、アフターブロー中の送風ファンの単位時間当たりの回転数を大きく設定し、メモリ130に記憶する。
このように、実施の形態3の加湿機によれば、室内の気温を検出する室温検出手段をさらに備え、記制御手段は、室温検出手段が検出する気温に応じて、所定時間(アフターブローの運転時間)と所定時間経過中の送風ファンの単位時間当たりの回転数を設定するようにした。例えば、室温検出手段が検出する室温が高いほど、アフターブローの運転時間E(所定時間)を長く設定し、アフターブロー中の送風ファンの単位時間当たりの回転数を大きく設定するので、加湿機の使用者へ清涼感を与え、アフターブロー時に使用者へ不快感を与えることを抑制できる。
実施の形態4
図14は本発明の実施の形態4に係る加湿機のブロック図である。図15は本発明の実施の形態4に係る加湿機の動作を説明するフローチャートである。
図14、図15を用いて説明する。実施の形態1との違いは、蒸発皿(貯留部)内の水温を検出する水温センサー(貯留部温度検出手段)をさらに備え、水温センサーが検出する水温に応じて、所定時間(アフターブローの運転時間E)と所定時間経過中の送風ファンの単位時間当たりの回転数を設定するにした点である。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
水温センサー162は、蒸発皿71aの外壁または蒸発皿71aの外壁から蒸発皿71aの内部に穿通して配設される(図示せず)。室温センサー162は、入力回路110を介してマイコン100に接続される。
図15のステップS5Cにおいて、加湿運転が終了したときに、水温センサー162が蒸発皿71a内の水温Twを検出する。そして、水温Twに応じて、アフターブローの運転時間Eを設定する。例えば、水温が高いほど、アフターブローの運転時間Eを長く設定し、メモリ130に記憶する。また、水温が高いほど、アフターブロー中の送風ファンの単位時間当たりの回転数を大きく設定し、メモリ130に記憶する。
このように、実施の形態4の加湿機によれば、貯留部の温度を検出する貯留部温度検出手段をさらに備え、制御手段は、貯留部温度検出手段が検出する温度に応じて、所定時間(アフターブロー)と所定時間経過中の送風ファンの単位時間当たりの回転数を設定するようにした。例えば、貯留部温度検出手段が検出する水温が高いほど、アフターブローの運転時間E(所定時間)を長く設定し、アフターブロー中の送風ファンの単位時間当たりの回転数を大きく設定するので、加湿機本体内部及び貯留部の冷却を確実に行うことができる。
なお、実施の形態1から実施の形態4において、加湿方法としては、ヒーターで水を加熱して蒸気を生成する方式を例にとり説明したが、これに限らず、他の加湿方式の加湿機に対しても適用できる。例えば、水を超音波で加振して蒸気を生成し、この蒸気をヒーターで加熱するようにしてもよい。また、水を加熱とは別の方法で気化して生成した蒸気をヒーターで加熱するようにしてもよい。
また、加湿運転中、ヒーターへの通電と送風ファンの駆動を連続して制御するようにしたが、間欠的に制御するようにしてもよい。消費電力の削減と、加湿運転時間の延長が可能となる。
なお、実施の形態1から実施の形態4において、それぞれ単独で実施してもよく、適宜組み合わせて実施してもよい。また、室温検出手段が検出する気温または貯留部温度検出手段が検出する温度に応じて、所定時間(アフターブローの運転時間)と所定時間経過中の送風ファンの単位時間当たりの回転数を設定するようにしたが、少なくとも、どちらか一方を設定するようにしてもよい。
1 下ケース、2 本体カバー、3 給水タンクカバー、4 電源スイッチ、4a 電源ボタン、5 設定スイッチ(設定手段)、5a 設定ボタン、7 操作基板、8 制御基板、11 表示操作部、15 吸込口、16 本体側風路、17 電源コード接続部、19 本体側連通部、19a 開口部、19b 周縁、19c 軸支部、20 シャッター、20a バネ(付勢手段)、20b 凸部、21 吹出口(第1の吹出口)、22 本体カバー側風路(上部側風路)、23 本体カバー側連通部、24 リブ(開成部材)、24a 曲面部、24b 水平部、24c 垂直部、28 仕切板、29 連通口、31 可動ダクト、32 送風口(第2の吹出口)、33 風向調節板、41 給水タンク、51 蒸気ダクト、52 送出口、62 送風ファン、62a モーター、62b ファン設定スイッチ、64 ファン室、71 蒸気生成装置(加湿手段)、71a 蒸発皿(貯留部)、72 ヒーター、73 水供給口、74 給水経路、75 蒸気生成装置カバー、100 マイコン(制御手段)、110 入力回路、120 CPU、130 メモリ、140 出力回路、150 表示部、160 湿度センサー(湿度検出手段)、161 室温センサー(室温検出手段)、162 水温センサー(貯留部温度検出手段)、170 貯水量検知部、180 操作部、200 加湿機。

Claims (5)

  1. 吸込口と吹出口とを有する本体と、
    水を貯留する給水タンクと、
    前記給水タンクにより供給される水を用いて蒸気を発生させる加湿手段と、
    室内空気を前記吸込口から吸い込み、前記加湿手段により加湿された空気を前記吹出口から室内へ略水平方向に吹き出す気流を生成する送風ファンと、
    前記吸込口から吸い込まれる気流の温度よりも前記吹出口から吹き出される気流の温度が高くなるように前記水、前記蒸気、または前記蒸気を含む空気を加熱するヒーターと、
    前記ヒーターへの通電と前記送風ファンの単位時間当たりの回転数を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、加湿運転終了時に、前記ヒーターへの通電を停止してから所定時間経過後に前記送風ファンの回転を停止するとともに、前記所定時間経過中の前記送風ファンの単位時間当たりの回転数が、加湿運転中に駆動される前記送風ファンの単位時間当たりの回転数よりも小さくなるように前記送風ファンを制御する加湿機。
  2. 室内の気温を検出する室温検出手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記室温検出手段が検出する気温に応じて、前記所定時間と前記所定時間経過中の前記送風ファンの単位時間当たりの回転数の少なくとも一方を設定する請求項1記載の加湿機。
  3. 前記吹出口は隣接して配置される第1の吹出口と第2の吹出口とを備え、
    前記第2の吹出口は前記第1の吹出口の上方に配設され、
    前記第1の吹出口から吹き出される気流は蒸気を含み、前記第2の吹出口からは蒸気を含まない気流が吹き出されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の加湿機。
  4. 前記加湿手段は、前記ヒーターにより前記給水タンクにより供給される水を加熱して蒸気を発生させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の加湿機。
  5. 前記貯留部の温度を検出する貯留部温度検出手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記貯留部温度検出手段が検出する温度に応じて、前記所定時間と前記所定時間経過中の前記送風ファンの単位時間当たりの回転数の少なくとも一方を設定する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の加湿機。
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