JP2017132748A - カキ肉より抽出された抗ストレス作用物質 - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち、物理的・身体的ストレスや心理的ストレスを受けると、酸化ストレスを生じさせられ、視床下部−脳下垂体−副腎皮質系(hypothalamo-pituitary-adrenal axis: HPA系)が活性化され、副腎皮質ホルモンが放出される。
hormoneの略)、ACTH(adrenocorticotrophic
hormone:副腎皮質刺激ホルモンの略)、GC(糖質コルチロイド)共に分泌過多になり、生理的に行われるフィードバックによる分泌抑制機構が崩壊し、HPA系の過剰亢進を惹起させる。
そして、脳内酸化ストレスの予防には、脳移行性の良い抗酸化物質、抗ストレス作用物質の摂取が重要であると言われている。
通常、生体の酸化レベルは活性酸素産生系と抗酸化物質による消去系のバランスでほぼ一定に保たれているが、薬物、放射線、虚血などの様々な要因によりこのバランスが崩れ、活性酸素産生系へ傾くのが酸化ストレスといわれている。
また、カキ由来の抗酸化物質として報告されているのは、酵素性抗酸化物質としてSOD、CAT、GPx、及びPrx6があり、非酵素性抗酸化物質としてはメタロチオネイン、uncouplingprotein5(UCP5)、アスコルビン酸、α-トコフェロール、β-カロテンがあった。
さらに、本件発明者は、当初の生のカキ肉からは全く見出されなかった3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)をカキ肉エキスの抽出段階で加熱することや加圧することで生成できることをも見出していた。
カキ肉から抽出された抽出物に含有する3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とし、
または、
生の状態では3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が検出されない生ガキ肉を、加熱することにより、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を前記加熱処理したカキ肉液より生成し、前記生成された3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とし、
または、
生の状態では3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が検出されない生ガキ肉を、破砕し、その破砕物を後3時間以上、80℃以上で加熱することにより、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を前記加熱処理したカキ肉液より生成し、前記生成された3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とし、
または、
生の状態では3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が検出されない生ガキ肉を、6時間以上、98℃乃至100℃で加熱することにより、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を前記加熱処理したカキ肉液より生成し、前記生成された3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とし、
または、
生の状態では3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が検出されない生ガキ肉を、少なくとも9時間以上、90℃以上で加熱することにより、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を前記加熱処理したカキ肉液より生成し、前記生成された3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とし、
または、
生の状態では3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が検出されない生ガキ肉を、抽出溶液内に入れてカキ肉エキスを抽出し、抽出したカキ肉エキス抽出液を1気圧の状態で少なくとも10時間以上、90℃以上で加熱することにより、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を前記加熱したカキ肉抽出液より生成し、前記生成された3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とし、
または、
生の状態では3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が検出されない生ガキ肉を、1気圧以上の加圧状態で加熱することにより、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を前記加圧状態で加熱したカキ肉液より生成し、前記生成された3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とし、
または、
生の状態では3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が検出されない生ガキ肉を、3気圧以上の加圧状態で少なくとも1時間以上、90℃以上で加熱することにより、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を前記加圧状態で加熱したカキ肉液より生成し、前記生成された3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とし、
または、
酢酸エチルを用いてカキ肉から3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)分画を回収し、該回収した3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とし、
または、
酢酸エチルとエタノールを用いてカキ肉から3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)分画を回収し、該回収した3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とし、
または、
抽出用溶液が貯留された抽出容器にカキ肉を収納してカキ肉抽出物入り溶液を採取し、採取されたカキ肉抽出物入り溶液に酢酸エチルを加えて、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)分画を回収し、該回収した3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とし、
または、
抽出用溶液が貯留された抽出容器にカキ肉を収納してカキ肉抽出物入り溶液を採取し、採取されたカキ肉抽出物入り溶液に酢酸エチルとエタノールを加えて、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)分画を回収し、該回収した3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とし、
または、
抽出用溶液が貯留された抽出容器にカキ肉を収納してカキ肉抽出物入り溶液を採取し、採取されたカキ肉抽出物入り溶液にエタノールを加えて、上澄み液と沈殿物とに分離し、前記分離された上澄み液を取り出すとともに、該上澄み液に酢酸エチルを加えて、酢酸エチル層と水層とに分離し、
分離した酢酸エチル層の溶液を濃縮して3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)分画を回収し、該回収した3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とするものである。
前述のようにしてカキ肉抽出物が抽出された抽出用溶液2を次は濃縮工程によって濃縮されるものとなる。
そして、図8から理解されるように、沈殿物7は乾燥させ、打錠し、最終的に健康食品などに供される。
たとえば40mL分の上澄み液8を濃縮して20mLの上澄み液8の濃縮液9を確保するがごときである。
たとえば、エタノール溶液4を含んだ抽出用溶液2内にカキ肉3を投入してカキ肉有効成分抽出物の抽出を行なう(ステップ100、ステップ102)。
そして、前記上澄み液8を用い、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)抽出のための酢酸エチルを用いた抽出作業を行う。
例えば、ロータリーエバポレーターなどで100mLまで濃縮し、該濃縮液20mLに例えば蒸留水80mLを加えて分液ロートに移し、ヘキサン抽出を行う。
ヘキサン層(200mL)を除去後に、水層からクロロホルム200mL、酢酸エチル200mL、ブタノール200mLの順で段階的に抽出する。
UV(EtOH)、λmax270nm;1H-NMR(500MHz、Acetone-d6)δH:7.82(2H、br.s、aromatic-OH)、6.40(2H、s、H-2、6)、4.42(2H、s、H-1’)、3.94(1H、br.s、-OH)、3.79(3H、s、-OMe);13C-NMR(125MHz、Acetone-d6)δC:151.1(C-3、5)、139.4(C-1)、13、5.1(C-4)、106.5(C-2、6)、64.5(C-1’)、60.6(-OMe);ESI-TOFMS、m/z153.05451[M-OH]+(calc.forC8H8O3、153.05517)、171.06911[M+H]+(calc.forC8H11O4、171.06573)。
よって、本実施例では、ORAC法により抗酸化力を測定することとしている。
また一回の測定で抗酸化作用の持続時間とその力価を合わせて評価でき、実験操作が容易であるなどから本実施例での測定に有利であったと考える。
しかしながら、本件発明者は生のカキ肉から多くの有効成分を含んだカキ肉エキスを生成するに際し、当初の生のカキ肉からは全く見出されなかった3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol :以下E6と称する場合がある。)をカキ肉エキスの抽出段階で生成できる生成方法を見出すことに成功したのである。
そして、特願2014−169316号として特許出願するに至った。
(加熱実験)
加熱実験(加圧なし)では、1kgの生ガキに1Lの純水を加えて標準気圧にて1時間、例えば90℃以上で加熱した後、固形分(ゆでガキ)を取り除いたカキエキス(抽出液)を例えば90℃以上で長時間加熱した。
そして、前記加熱状態において、2時間おきにサンプリングを行い(16時間から19時間までは1時間おき)、そのサンプリングした抽出液に、該抽出液のエタノール濃度が例えば、70%になるように100%エタノールを加え、その抽出液を遠心分離(8100G、10分)し、上澄を得た。
そして、前記上澄を約100倍希釈し、約100倍希釈した上澄中のE6濃度をMRMによって測定したのである。
しかし、カキエキス抽出後の抽出液を標準気圧にて2時間加熱した場合に、E6(3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)は検出されなかった。
次に、標準気圧にて18時間加熱したサンプルにおけるE6のMRMクロマトグラムを参照すると、保持時間5.2乃至5.5分に単一のピークが確認され、E6が検出されたことが理解できた。
そして、E6濃度は4.86±0.10μg/mLであった。
さらに、18時間加熱した際の液量が125.38gであることより、生ガキ1kgから生成されたE6の総量は609±13μgであった。
また、加圧ありの加熱実験では、20kgのカキに対して20Lの純水を加えて標準気圧にて2時間加熱した後、固形分(ゆでガキ)を取り除き、圧力釜(カジワラ、OAMVPα-C-08EL)を用いて3気圧にて2時間加熱した。
1時間おきにサンプリングを行い、エタノール濃度が70%になるように100%エタノールを加えたものを遠心分離(8100G、10分)し、 上澄を得た。さらに、該上澄を約100倍希釈し、そのサンプル中のE6濃度をMRMによって測定した。
しかして、カキエキス抽出後の抽出液を3atmにて1時間加熱したサンプルにおけるE6のMRMクロマトグラムがしめされ、保持時間5.2乃至5.5分に単一のピークが確認され、E6が検出された。そして、E6濃度は、1.7±0.10μg/mLであった。
3気圧にて1時間加熱した際の液量が21.2kgであることより、生ガキ20kgから生成されたE6の総量は36040±2120μgであった。生ガキ1kg当たりに換算すると、生成されたE6は1802±106μgとなった。
加圧なしの加熱実験(標準気圧にて18時間加熱したカキ抽出エキス)に比べて、加圧有りの場合(3気圧にて1時間加熱したカキ抽出エキス)は、一見してE6濃度が低い。
しかしながら、加圧ありの場合は、サンプル中の水分蒸発量が少なく得られる液量が多いことから、カキ1kg当たりで比較すると加圧なしの場合よりもE6の収量が約3倍多かったことが理解できる。
カキエキス抽出後の抽出液につき、3atmにて2時間加熱したサンプルにおけるE6のMRMクロマトグラムを参照すると、保持時間5.2乃至5.5分に単一のピークが確認され、E6が検出されている。
そして、E6標準試料の検量線とMRMクロマトグラムの解析により、E6濃度は3.5±0.39μg/mLであった。
この様に、3気圧にて1時間加熱した際の液量が19.1kgであることより、生ガキ20kgから生成されたE6の総量は66850±7449μgであった。生ガキ1kg当たりに換算すると、生成されたE6は3343±373μgとなった。
加圧なしの加熱実験(標準気圧にて18時間加熱したカキ抽出エキス)に比べて、加圧有りの場合(3気圧にて2時間加熱したカキ抽出エキス)は、一見してE6濃度が低い。
しかしながら、加圧ありの場合は、サンプル中の水分蒸発量が少なく得られる液量が多いことから、カキ1kg当たりで比較すると加圧なしの場合よりもE6の収量が約5.5倍多かったのである。
これらのことより、E6は長時間の加熱によって生成され、さらに加圧することで収集量が多くなることが確認できたのである。
ここで、上記の分析結果を踏まえて本実施例を要約説明する。
まず、生ガキ肉を押圧し、潰して、液体化する。
そして、その液体化した生ガキ中に、いかなる濃度の3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が存在するか否かの測定を行った。
しかして、生ガキを押圧し、潰して、液体化した液体中からは、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)は全く検出されなかったのである。すなわち、生ガキ肉当初の細胞中には、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が見出されないのである。
次いで、前記したように、抽出容器に約1対1の割合で生ガキ肉と、抽出用溶液体、例えば蒸留水とを入れ、前記生ガキ肉が入った抽出用液体を1気圧で1時間の間、例えば、92℃乃至94℃の高温で加熱抽出した。
いわゆる加熱抽出というカキ肉エキスの抽出方法であり、当該方法により、従来から生ガキ肉中に存する多くの有効成分を前記抽出用液体内に抽出できていた。ここで、生ガキ肉中に存する多くの有効成分が抽出されると共に、生カキ肉を取り除いた前記抽出用液体を抽出液というものとする。
続いて、前記の抽出液につき、その後、1気圧で2時間の加熱処理(前記同様92℃乃至94℃)を行った。当初の抽出時間を算入して、都合、3時間の加熱処理である。
しかし、その3時間の加熱処理を行った抽出液においても、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)の存在は認められなかった。
さらに、1気圧で4時間(抽出時間を入れると合計5時間)、前記抽出液につき、加熱処理(92℃乃至94℃)を行い、その抽出液中に3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が存在するか否かの測定を行った。
この5時間の加熱処理(92℃乃至94℃)においては、その抽出液内の3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)の存在は0.09(μg/ml)と濃度測定の数値においては定量限界以下の数値であり、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が確実に存在するとの信頼性は得られなかった。
続いて、1気圧で6時間(抽出時間を入れると合計7時間)、前記抽出液につき、加熱処理(92℃乃至94℃)を行い、その抽出液中に3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が存在するか否かの測定を行ったが、その抽出液中においても、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)の存在は、0.12(μg/ml)とやはり濃度数値としては定量限界以下の数値であり、この場合においても、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が確実に存在するとの信頼性は得られなかった。
しかしながら、1気圧で6時間(抽出時間を入れると合計7時間)、前記抽出液につき、98℃乃至100℃の高温で加熱処理を行い、その抽出液中に3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が存在するか否かを評価するため、HPLC(Prominence LC-20A,Shimadzu)を用いて、E6の存在測定を行った。
そして、その抽出液中において、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)の存在を、濃度数値として定量限界以上の数値を見出すことが出来たのである。
すなわち、この場合において、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が存在するとの信頼性が得られたのである。
この様に、100℃近傍の高温で加熱処理を行った場合には、6時間以上の加熱処理によっても、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)、すなわち、E6について、濃度数値として定量限界以上の数値を見出すことが出来たのである。
さらに、1気圧で8時間(抽出時間を入れると9時間)、前記抽出液につき、加熱処理(92℃乃至94℃)を行い、その抽出液に3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が存在するか否かの測定を行った。
しかし、該抽出液中にも3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)の存在は、確実には確認できなかった。すなわち、0.29(μg/ml)との数値を得たが、やはり濃度測定の定量限界以下の数値であった。
次いで、1気圧で10時間(抽出時間を入れると11時間)、前記の抽出液につき、加熱処理(92℃乃至94℃)を行い、その抽出液に3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が存在するか否かの測定を行った。
そして、この長時間加熱処理(92℃乃至94℃)を行った抽出液内に所定濃度の3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)の存在が認められるか否か確認した。
すると、0.54(μg/ml)と初めて濃度測定の定量限界を超える数値を計測することができ、前記合計11時間の加熱処理を行った抽出液内には、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が明らかに存在するとの確認が得られたのである。これは、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)がカキ1kgあたり215.8μg生成されたことを意味する。
さらに、1気圧で12時間(当初の抽出時間を算入すると合計13時間)、前記抽出液につき、加熱処理を行い、その抽出液に所定濃度の3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が存在するか否かの測定を行った。
そして、その抽出液内に3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)の存在が認められるか否か確認したところ、0.86(μg/ml)とさらに定量限界を超える増加した数値を測定することができた。
そして、これは、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)がカキ1kgあたり288.4μg生成されたことを意味するのである。
さらに、1気圧で14時間(前記抽出時間の1時間を算入すると合計15時間)前記抽出液につき、加熱処理を行い、その抽出液に所定濃度の3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が存在するか否かの測定を行った。
そして、その抽出液内に3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)の存在が認められるか否か確認したところ、1.42(μg/ml)とさらに定量限界を超える数値を測定することができ、長時間加熱処理を行うと、抽出液内に3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)がさらに増加して存在するとの確認が得られた。
そして、この場合には、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)がカキ1kgあたり373.9μg生成されたことを意味する。
次いで、1気圧で16時間(抽出時間を算入して17時間)、前記抽出液につき、加熱処理を行い、その抽出液に所定濃度の3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が存在するか否かの測定を行った。
そして、その抽出液内に3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)の存在が認められるか否か確認したところ、2.63(μg/ml)との再び増加した数値を測定することができ、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が、長時間か熱処理することにより、増加して存在するとの確認が得られた。
この場合、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)がカキ1kgあたり478.6μg生成されたことを意味する。
さらに、1気圧で17時間(抽出時間を算入して18時間)、前記抽出液につき、加熱処理を行い、その抽出液に所定濃度の3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が存在するか否かの測定を行った。
そして、その抽出液内に3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)の存在が認められるか否か確認したところ、再び増加した3.42(μg/ml)との数値を測定することができ、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が存在するとの確認が得られた。
この場合において、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)はカキ1kgあたり519.5μg生成されたことを意味する。
次いで、1気圧で18時間(抽出時間を入れて19時間)、前記抽出液につき、加熱処理を行い、その抽出液に所定濃度の3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が存在するか否かの測定を行った。
すると、さらに増加した濃度数値である4.86(μg/ml)との数値を測定することができた。
これは、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)がカキ1kgあたり609.3μg生成されたことを意味する。
さらに、1気圧で19時間(抽出時間の1時間を算入して20時間)、前記抽出液につき、長時間の加熱処理を行い、その抽出液に3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が存在するか否かの測定を行った。そして、その抽出液内に所定濃度の3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)の存在が認められるか否か確認したところ、6.49(μg/ml)との数値を測定することができ、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)がさらに増加して存在するとの確認が得られた。
そして、この場合に、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)はカキ1kgあたり581.3μg生成されたことを意味する。
この様に、当初、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)は、生ガキ中には全く存在せず、また1気圧、1時間のカキ肉エキスの加熱抽出を行った抽出液においても全く存在せず、検出されなかったが、該抽出液をきわめて長時間、加熱すればするほど、また、加熱温度を100℃近傍にするほど増加して生成されることが確認された。
この結果、カキ肉エキスの抽出液を1気圧で19時間(抽出時間の1時間を入れると20時間)、加熱処理した場合には、抽出液の比重を1とすると、生ガキ1kgより581μg(6.49μg×89.57g)の3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が生成されたのである。
さらに、前述したように、抽出液につき、1気圧で2時間乃至8時間加熱処理した場合には、所定濃度の3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)は全く検出されなかったが、図13から理解されるように、抽出液(生ガキを取り除いた抽出液体)につき、3気圧で1時間、加熱処理した場合には、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)の濃度が1.7(μg/ml)との数値が得られ、この数値からすると、生ガキ20kgから液量21.2kgを得て、前記抽出液の比重を1とすると、3気圧、1時間の加熱処理では、生ガキ1kgより3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が1820μg生成されたことになる。
さらに、前記抽出液につき、3気圧で2時間、加熱処理した場合には、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)の濃度が3.5(μg/ml)との数値が得られ、この数値からすると、生ガキ20kgからは液量19.1kgを得て、前記抽出液の比重を1とすると、3気圧、2時間の加熱処理では生ガキ1kgより3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が3342.5μg生成されたことになる。
尚、1気圧以上の加圧状態で所定時間、例えば50分以上加熱処理をした場合、加熱温度が加圧により上昇することも相まって、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)の濃度数値として定量限界以上の数値が見出すことが出来るものとなる。
この様に、本来生ガキ肉中には、見出されない3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-、4-methoxybenzyl
alcohol)を、前記加熱抽出を行ったカキ肉エキスの抽出液につき、加熱および/または加圧処理することにより明確に生成されることが判明したのである。しかも加熱時間を長時間にすればするほど、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-、4-methoxybenzyl
alcohol)が増加して生成されることが判明したのである。
さらに、3気圧の加圧処理を行った場合には、短時間の処理時間であっても3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-、4-methoxybenzyl
alcohol)が生成されることが確認できたのである。
尚、本件発明者は、生の状態では3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が検出されない生ガキ肉を、破砕し、ミンチ状態とした。そして、そのミンチにした破砕物を、(生ガキミンチ)3:(水)1の割合で3時間以上、80℃以上で加熱することにより、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を前記加熱処理したカキ肉液より生成した。
生の状態では3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が検出されない生ガキ肉を、破砕し、ミンチ状態とすることにより、比較的短い時間でE6を生成することが出来た(7000ng/mL)。
すなわち、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が抗ストレスの関与成分であるか否かをマウスによって検討したものである。
予備検討実験として、ICR雄性マウスを6日間の予備飼育の後、集団飼育群(n=3)と個別飼育群(n=3)をCRF−1の自由摂取にて43日間の飼育の後、脳内MDA値を測定し,一元配置分散分析法を行い、Student’s t-testにて検討した。
ICR雄性マウス18匹4週齢を6日間の間、集団飼育を行った。尚、ICR系マウスとは、スイス系マウスを起源とするアルビノマウスで、Dr.Hauschkaが多産を目的に選抜を行った系統である。
alcohol)-Containing群、すなわち、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)が含有されたカキ肉エキスを与えた群 (C群と称する)6匹の3群に分別した。
個別飼育とはあえて前記のマウスを1匹ずつ隔離し、個別に飼育することを意味する。マウスは集団で、すなわち群で飼育しないとストレスを感じる動物である。よって、あえて個別飼育をすることによって酸化ストレスを生じさせたのである。
alcohol)-Containing群、すなわち、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)が含有(含有量:2.43μg/0.1ml)されたカキ肉エキスを、胃ゾンデにて経口投与していったのである。
尚、胃ゾンデにて経口投与とは、注射器のような器具を使用してマウスの口から直接胃内に強制投与することを意味する。
前記試験対象物の投与量は、マウスの体重10gあたり0.1mLとした。
alcohol)-Containing群、すなわち、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)が含有されたカキ肉エキスを与えたC群へのカキ肉エキス内の亜鉛量等の含有量は同量とした。
図1に尿中の8-OHdG濃度を示す。
尚、図1乃至図4中のA群は、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が含有されているカキ肉エキスや3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が含有されていないカキ肉エキスを与えず、例えば飲料水のみを与えた対照群であり、B群は、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)-Free群すなわち、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が含有されていないカキ肉エキスを与えた群であり、C群は3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)-Containing群、すなわち、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)が含有されたカキ肉エキスを与えた群である。
crea.) であるのに対し、A群の尿中の8-OHdG濃度値は、68.38±7.84(ng/mg crea.)であることが測定された。
wet tissue)であるのに対し、A群の脳中の8-OHdG濃度値は、6.16±0.52(ng/g wet tissue)であることが測定された。
tissue)であるのに対し、A群の脳中のMDA濃度値は、31.32±0.89(μM/g wet tissue)であることが測定された。
alcohol)-Containing群、すなわち、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)が含有されたカキ肉エキスを与えた群の脳内DNAと脂質に対する有意な抗酸化作用が観察された。
alcohol)-Containing群、すなわち、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)が含有されたカキ肉エキスを与えた群(C群)は3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が含有されているカキ肉エキスや3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が含有されていないカキ肉エキスを与えず、例えば飲料水のみを与えた対照群(A群)と比較して1%危険率で有意に低く、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)-Free群すなわち、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が含有されていないカキ肉エキスを与えた群(B群)と比べて5%危険率で有意に低い数値を示したと理解できるのである。
alcohol)-Containing群、すなわち、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)が含有されたカキ肉エキスを与えたC群のストレス軽減作用が観察されたと判断できる。
alcohol)-Containing群、すなわち、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)が含有されたカキ肉エキスを与えたC群のみに観察されたDNA抗酸化作用、脂質抗酸化作用およびストレス軽減作用は、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)に由来することが明らかになった。
実験2では、個別飼育ストレスによる各群のストレス応答状況を正確に把握するため各試験食餌の投与量を2倍に増加し、かつ匹数を増加し、血漿コルチコステロン濃度と海馬コルチコステロン受容体数の変化を観察した。
個別飼育開始後42日目から、各試料を7日間、毎日AM9:00に胃ゾンデにて強制経口投与した。投与量は、体重10gあたり0.2 mLとした。
alcohol)-Containing群、すなわち、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)を含有したカキ軟体部エキス分画を強制経口投与した。7日目投与1時間後(AM10:00)より解剖を行った。解剖は、ソムノペチル(50mg/kg)麻酔下にて開腹し、腹部下大静脈よりヘパリン加採血を行った。その後、全脳を摘出し、海馬を分離した。
図5に血漿コルチコステロン濃度を示す。
C群の血漿コルチコステロン値141.4±9.8(ng/ml)は、A群193.9±9.1(ng/ml)より1%危険率で有意に低く、また、B群177.3±6.7(ng/ml)より1%危険率で有意に低値であった(図5)。
図6から理解されるように、C群の海馬におけるGR Alpha値0.812±0.038(ng/mg
of hippocampus)は、A群0.590±0.036(ng/mg
of hippocampus)より1%危険率で有意に高く、また、B群0.638±0.049(ng/mg of hippocampus)より5%危険率で有意に高い値であった(図6)。
なお、ストレス状態が長期化すると海馬自体の神経突起が萎縮・消失することで、脳がストレスに対して脆弱になると言われている。
alcohol)-Containing群、すなわち、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)含有牡蠣肉エキスの摂取で脳内酸化ストレスが軽減され、それによって海馬GR Alphaが増加し、GR発現が上昇していたことから、視床下部への休止シグナル伝達が円滑になり、コルチコステロン放出が減少し、生体のホメオスタシスが維持されている可能性が示された。
alcohol)-Containing群、すなわち、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)を含有したカキ軟体部エキス分画の3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)に由来する脳内抗酸化作用によって海馬GR Alphaの増加に引き起こし、視床下部への休止シグナル伝達によって血漿コルチコステロン濃度の低下を生じ、ストレスに対する生体のホメオスタシスが保たれと思われ、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)のストレス軽減作用が観察されたのである。
2 抽出用溶液
3 生カキ肉
4 エタノール溶液
5 酢酸エチル
6 濃縮液
7 沈殿物
8 上澄み液
9 上澄み液の濃縮液
10 希釈液
10a 水層
11 酢酸エチル層
Claims (13)
- カキ肉から抽出された抽出物に含有する3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とするカキ肉より抽出された抗ストレス作用物質。
- 生の状態では3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が検出されない生ガキ肉を、加熱することにより、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を前記加熱処理したカキ肉液より生成し、前記生成された3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とするカキ肉より抽出された抗ストレス作用物質。
- 生の状態では3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が検出されない生ガキ肉を、破砕し、その破砕物を後3時間以上、80℃以上で加熱することにより、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を前記加熱処理したカキ肉液より生成し、前記生成された3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とするカキ肉より抽出された抗ストレス作用物質。
- 生の状態では3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が検出されない生ガキ肉を、6時間以上、98℃乃至100℃で加熱することにより、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を前記加熱処理したカキ肉液より生成し、前記生成された3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とするカキ肉より抽出された抗ストレス作用物質。
- 生の状態では3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が検出されない生ガキ肉を、少なくとも9時間以上、90℃以上で加熱することにより、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を前記加熱処理したカキ肉液より生成し、前記生成された3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とするカキ肉より抽出された抗ストレス作用物質。
- 生の状態では3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が検出されない生ガキ肉を、抽出溶液内に入れてカキ肉エキスを抽出し、抽出したカキ肉エキス抽出液を1気圧の状態で少なくとも10時間以上、90℃以上で加熱することにより、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を前記加熱したカキ肉抽出液より生成し、前記生成された3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とするカキ肉より抽出された抗ストレス作用物質。
- 生の状態では3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が検出されない生ガキ肉を、1気圧以上の加圧状態で加熱することにより、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を前記加圧状態で加熱したカキ肉液より生成し、前記生成された3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とするカキ肉より抽出された抗ストレス作用物質。
- 生の状態では3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が検出されない生ガキ肉を、3気圧以上の加圧状態で少なくとも1時間以上、90℃以上で加熱することにより、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を前記加圧状態で加熱したカキ肉液より生成し、前記生成された3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とするカキ肉より抽出された抗ストレス作用物質。
- 酢酸エチルを用いてカキ肉から3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)分画を回収し、該回収した3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とするカキ肉より抽出された抗ストレス作用物質。
- 酢酸エチルとエタノールを用いてカキ肉から3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)分画を回収し、該回収した3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とするカキ肉より抽出された抗ストレス作用物質。
- 抽出用溶液が貯留された抽出容器にカキ肉を収納してカキ肉抽出物入り溶液を採取し、採取されたカキ肉抽出物入り溶液に酢酸エチルを加えて、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)分画を回収し、該回収した3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とするカキ肉より抽出された抗ストレス作用物質。
- 抽出用溶液が貯留された抽出容器にカキ肉を収納してカキ肉抽出物入り溶液を採取し、採取されたカキ肉抽出物入り溶液に酢酸エチルとエタノールを加えて、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)分画を回収し、該回収した3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とするカキ肉より抽出された抗ストレス作用物質。
- 抽出用溶液が貯留された抽出容器にカキ肉を収納してカキ肉抽出物入り溶液を採取し、採取されたカキ肉抽出物入り溶液にエタノールを加えて、上澄み液と沈殿物とに分離し、前記分離された上澄み液を取り出すとともに、該上澄み液に酢酸エチルを加えて、酢酸エチル層と水層とに分離し、
分離した酢酸エチル層の溶液を濃縮して3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)分画を回収し、該回収した3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とするカキ肉より抽出された抗ストレス作用物質。
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