JP2017129496A - 時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】 透視部材を支持して胴に取付けられた縁部材の幅が狭い時計を提供する。【解決手段】 文字盤(表示盤)53が収容されたケース12は、ケース12の胴13の外部に配置される縁部22、胴内に配置される円筒部23、受け部24を有した縁部材21を備える。縁部22はケース12の透視部材26を支持する。円筒部23は、文字盤53の周部をケース12の正面側から支持し文字盤53の表示径Dを規定する。受け部24を、円筒部23の外周、又は円筒部23からケース12の背面側に向けて突設する。引き込み部材62と引き込み用のねじ(ねじ手段)69とを備える引き込み機構61で、縁部材21を胴13に取付ける。引き込み部材62は、文字盤53の背面と対向する板部63、及び板部の周部に設けられ受け部24にケース12の正面側から引っ掛かった係合部66を有する。ねじ69が、文字盤53の外周より内側で引き込み部材62にケース12の背面側から取外し可能に螺合されていることを特徴としている。【選択図】図2

Description

本発明は、例えば腕時計や懐中時計のような携帯時計、置き時計、壁掛け時計等の時計に関する。
腕時計等において、文字盤に対向する透視部材(通常はガラス)が支持された縁部材を、ケースの胴に取付ける構成は、種々知られている。
第1の例では、胴に形成されているとともに内周が円形の縁部材取付け部で囲まれた内部に、縁部材の一部からなり外周が円形をなす挿入部がケースの正面側から挿入されていて、挿入部と縁部材取付け部との間に、軟質プラスチック製のリングがケースの径方向に圧縮された状態に挟まれている。それにより、リングを介して縁部材が胴に取付けられている。この取付け状態で、透視部材を支持した縁部材の縁部は、ケースの正面側から縁部材取付け部に接触された状態で縁部材取付け部を覆っている。
第2の例では、胴に形成されているとともに内周が円形の縁部材取付け部で囲まれた内部に、縁部材の一部からなり外周が円形をなす挿入部がケースの正面側から圧入されていて、縁部材取付け部にその内周面に開放して形成された係合溝と、縁部材の挿入部にその外周面から突設された係合突起とが、引っ掛かった状態に係合されている。それにより、縁部材取付け部が透視部材を支持した縁部材の縁部と係合突起とで挟まれた状態で、縁部材が胴に取付けられている。この取付け状態で、縁部材の縁部は、ケースの正面側から縁部材取付け部に接触された状態で縁部材取付け部を覆っている。
第3の例では、胴に形成されているとともに内周が円形の縁部材取付け部の内周面、及び縁部材の一部からなり外周が円形をなしていて胴の縁部材取付け部で囲まれた内部に挿入された挿入部の外周面の夫々が、ケースの正面側ほど径が小さくなる斜面で形成されている。そして、挿入部は縁部材取付け部で囲まれた内部に圧入されている。それにより、縁部材取付け部の内周面と挿入部の外周面とが接触された状態で縁部材が胴に取付けられている。この取付け状態で、透視部材を支持した縁部材の縁部は、ケースの正面側から縁部材取付け部に接触された状態で縁部材取付け部を覆っている。
時計を製造する場合の補正や時計のメンテナンスをする場合等において、縁部材は胴から外されることがある。この場合、前記第1〜第3の例では、縁部材取付け部とこれを覆った縁部材の縁部との間に工具を差し込み、この工具をこじることで、縁部材が外される。そのため、縁部材をこじ開ける操作に伴い胴及び縁部材に傷が付くことがある。
更に、前記第1〜第3の例では、胴の縁部材取付け部で囲まれた内部に縁部材の挿入部を挿入または圧入する操作で胴に縁部材が取付けられる場合にも、既述のように胴から縁部材が外される場合にも、縁部に応力が作用することは免れない。このため、接着剤を用いて縁部材の縁部に透視部材が支持された構成では、前記応力を原因として接着剤剥がれを生じる虞がある。これに対処するためには、縁部材の縁部と透視部材との間に軟質プラスチックを介在させて、透視部材を縁部に支持させる構成を採用する必要があるので、透視部材を支持するための設計の自由度が低い。
加えて、前記第3の例では、縁部材の胴への着脱が繰り返される場合に、縁部材取付け部の内周面と縁部材の挿入部の外周面との双方が干渉して削れる可能性が高い。そのために、胴に対して縁部材を適正な状態に取付けるための再現性が低い。
一方、以上説明した種々の不具合を生じない腕時計が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この腕時計において、透視部材が支持された縁部材にはその縁部に達するねじ穴が形成され、針と文字盤付きのムーブメントが収容された胴には、縁部材のねじ穴に連通するねじ逃げ孔が形成されている。そして、防水パッキンが縁部材の縁部とこの縁部で覆われる胴の縁部材取付け部との間に配置された状態で、ねじ逃げ孔に胴の背面(裏面)からねじ穴に向けて挿入されたねじが、縁部のねじ穴にねじ込まれている。このねじの締め込みによって、縁部材がケースの正面側から背面側に向けて引き寄せられ、縁部材が胴に取付けられていて、縁部材の縁部はケースの正面側から縁部材取付け部に接触された状態で縁部材取付け部を覆っている。
特開2002−189084号公報
透視部材が支持された縁部材が有する挿入部は、透視部材に対向して胴の内部に配置された文字盤の表示径を規定している。ここで、文字盤の表示径は、縁部材で支持されてこの縁部材で覆われた文字盤の周部を除く文字盤領域の径、言い換えれば、透視部材を通して見ることができる文字盤領域の径であって、文字盤の外径より小さい。
前記のように表示径が規定されることにより、縁部材の幅、取分け縁部の幅が大きいと、ケースのサイズが規定されている場合、文字盤の表示径が小さくなるとともに、文字盤の表示径が規定されている場合、ケースのサイズが大きくなる。
近年の高齢化社会の進行に伴い、文字盤の表示径を大きくすることの要請がある。この場合、人の腕のサイズは昔も今も変化していないので、例えば腕時計においては、ケースのサイズが大きくなることを抑制しつつ、文字盤の表示径を大きくすることが望まれている。
しかし、特許文献1に記載の腕時計は、文字盤の外周より外側に、縁部材を胴に固定するためのねじが配置されており、このねじが通るねじ逃げ孔に合わせて、ねじ穴が縁部材の縁部に設けられている。このように縁部がねじ穴を有している特許文献1に記載の腕時計は、その縁部材の幅が大きい。したがって、特許文献1に記載の腕時計では、既述の要請を満たすことはできない、という課題がある。
本発明の目的は、透視部材を支持して胴に取付けられた縁部材の幅が狭い時計を提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明は、ケースにこのケースが備える透視部材と対向する表示盤を有するムーブメントが収容されているとともに、前記ケースが備える胴に前記ケースが備える縁部材が引き込み機構で取付けられている時計において、前記縁部材が、前記胴の外部に配置されるとともに前記透視部材が支持された縁部と、前記胴の内部に配置されて前記表示盤の周部に接触し前記ケースの正面側から前記表示盤を支持して前記表示盤の表示径を規定する円筒部と、この円筒部の外周に設けられた受け部又は前記円筒部から前記ケースの背面側に向けて突設された受け部とを有し、前記引き込み機構が、前記表示盤の背面と対向して前記胴の内部に配置された板部、及びこの板部の周部に形成されて前記受け部に前記ケースの正面側から引っ掛かる係合部を有する引き込み部材と、前記表示盤の外周より内側で前記引き込み部材に前記ケースの背面側から取外し可能に螺合された引き込み用のねじ手段とを備えることを特徴としている。
本発明に係る時計によれば、縁部材の受け部に引き込み部材の係合部がケースの正面側から引っ掛かっている。このため、引き込み機構のねじ手段の締め付けに伴い縁部材に波及する引き込み作用により、透視部材が支持された縁部材が、その縁部で胴をケースの正面側から覆って胴に取付けられている。引き込み機構のねじ手段をケースの背面側から緩めて引き込み部材から外すことにより、縁部材の受け部と引き込み部材の係合部との引っ掛かりを外すことが可能である。そのため、メンテナンスの際などにおいて、縁部材を胴からケースの正面側に外すことが可能となる。
縁部材が胴に取付けられた状態で、縁部材を胴に取付ける引き込み機構と縁部材の受け部は縁部材の縁部に対してケースの背面側に配置され、更に引き込み機構が有する引き込み部材の板部は表示盤の背面と対向して配置されているとともに、引き込み機構が有するねじ手段は表示盤の外周より内側に配置されている。この構成によれば、ねじ手段が表示盤の外周より外側に配置されていないことに伴い、縁部材の縁部にねじ手段を受けるねじ穴を設ける必要がない。したがって、透視部材が支持された縁部材の幅を狭くできる。
本発明に係る時計の好ましい形態は、更に、前記円筒部の内周面が前記文字盤と直角に連続されていることを特徴としている。
この好ましい形態によれば、円筒部のケースの正面側開口径が同じである条件において、円筒部の内周面がケースの背面側ほど径が次第に小さくなる構成と比較して、表示盤の表示径をより大きく確保できる。
本発明に係る時計の好ましい形態は、更に、前記係合部が、前記板部の外周から前記ケースの正面側に向けて突出されていて、前記胴の内周面と前記表示盤の外周との間に配置された係合部ベースと、この係合部ベースに形成されていて、前記円筒部の外周に設けられた前記受け部に引っ掛かった引っ掛け部位とを有することを特徴としている。
この好ましい形態によれば、引き込み部材が有する係合部の係合部ベースが、胴の内周面と表示盤の外周との間に配置されていることで、係合部の引っ掛け部位が円筒部の外周に設けられた受け部にケースの正面側から引っ掛けられた状態が、表示盤に対してケースの正面側に形成される。それにより、ねじ手段の締め付けに伴い縁部材を胴に取付けることができるので、縁部材の縁部にねじ手段を受けるねじ穴を設ける必要がない。したがって、透視部材が支持された縁部材の幅を狭くできる。
本発明に係る時計の好ましい形態は、更に、前記受け部が前記円筒部の周方向に間隔的に複数設けられ、前記係合部が前記板部の外周に間隔的にかつ前記受け部と同数設けられ、前記引っ掛け部位が、前記円筒部の周方向に隣接された前記受け部の間に形成された凹部を通過可能で、かつ、前記凹部からずれた状態で前記受け部に引っ掛かっていることを特徴としている。
この好ましい形態によれば、係合部の引っ掛け部位と円筒部の外周に設けられた受け部との引っ掛かりが文字盤に対してケースの正面側に配設された構成において、胴の内周面と表示盤の外周との間に配置された係合部ベースに形成された引っ掛け部位が、円筒部の凹部に通された状態で、縁部材と引き込み部材との周方向の相対位置を変えることで、引っ掛け部位が受け部にケースの正面側から引っ掛かり得る状態とすることができる。そのため、ねじ手段の締め付けにより縁部材を胴に取付けることができる。
ここで、凹部に対する引っ掛け部位の通過と、縁部材と引き込み部材との相対位置を周方向に変えるには、引き込み部材、表示盤を有するムーブメント、透視部材が支持された縁部材等を、この記載順に、胴に順次組付けながら行うことも可能であるが、引き込み部材、表示盤を有するムーブメント、透視部材が支持された縁部材等を、胴の外部で組立てるときに行うことが好ましい。そして、後者の場合は、引き込み部材、表示盤を有するムーブメント、透視部材が支持された縁部材等が組立てられて、引っ掛け部位と受け部とが引っ掛り得る状態となったアセンブリが形成されるので、このアセンブリをねじ手段によって胴に組付けることが可能である。
本発明に係る時計の好ましい形態は、更に、複数の前記受け部が、前記引っ掛け部位とほぼ同じ幅で前記ケースの正面側に向けて開放された係合溝を、前記凹部に対し前記縁部材の周方向にずれた位置に有しており、前記引っ掛け部位が、前記係合溝に前記ケースの正面側から嵌合された状態で前記受け部に引っ掛かっていることを特徴としている。
この好ましい形態によれば、受け部が有する係合溝に引っ掛け部位が嵌合された状態で、引っ掛け部位と受け部とが引っ掛かっているので、引き込み機構により胴に取付けられた縁部材をその周方向に不用意に動かないように保持できる。このため、縁部材の縁部にマークなどの表示が付された時計の場合、マークなどの表示位置が所定の位置からずれることを防止することが可能である。これとともに、既述のアセンブリを採用し、それを胴にねじ手段で固定する場合に、前記回り止めにより引っ掛け部位と受け部とが引っ掛かりが保持されることで、縁部材と引き込み部材とが適正に位置決めされた状態のアセンブリを、胴にねじ手段で固定することができる。
本発明に係る時計の好ましい形態は、更に、前記円筒部から前記胴の背面側に向けて突設された前記受け部が、前記胴の内周面と前記表示盤の外周との間に配置された受け部ベースと、この受け部ベースに形成されて前記板部の周部に形成された前記係合部を前記ケースの背面側から受ける係止部位とを有することを特徴としている。
この好ましい形態によれば、円筒部から前記胴の背面側に向けて突設された受け部の受け部ベースが、胴の内周面と表示盤の外周との間に配置される。そのため、引き込み部材が備える板部の周部に形成された係合部が、受け部の係止部位にケースの正面側から引っ掛けられた状態が、表示盤に対してケースの背面側に形成される。それにより、ねじ手段の締め付けに伴い縁部材を胴に取付けることができるので、縁部材の縁部にねじ手段を受けるねじ穴を設ける必要がない。したがって、透視部材が支持された縁部材の幅を狭くできる。
本発明に係る時計の好ましい形態は、更に、前記受け部が前記円筒部の周方向に間隔的に複数設けられ、前記係合部が前記板部の外周に間隔的にかつ前記受け部と同数設けられ、前記受け部が、前記板部の周方向に隣接された前記係合部の間に形成された凹部を通過可能で、かつ、前記凹部からずれた状態で前記ケースの背面側から前記係合部を受けていることを特徴としている。
この好ましい形態によれば、円筒部から前記胴の背面側に向けて突設された受け部の係止部位に板部の係合部がケースの正面側から引っ掛かった状態が、表示盤に対してケースの背面側に配設された構成において、胴の内周面と表示盤の外周との間に配置された受け部ベースに形成された係止部位が、板部の隣接した係合部の間の凹部に通された状態で、縁部材と引き込み部材との周方向の相対位置を変えることで、係合部と係止部位とがケースの厚み方向に引っ掛かり得る状態とすることができる。そのため、ケースの背面側からのねじ手段の締め付けにより縁部材を胴に取付けることができる。
ここで、引き込み部材が有する凹部に縁部材の受け部を通過させることと、縁部材と引き込み部材との相対位置を周方向に変えるには、引き込み部材、表示盤を有するムーブメント、透視部材が支持された縁部材を、この記載順に、胴に順次組付けながら行うことも可能であるが、引き込み部材、表示盤を有するムーブメント、透視部材が支持された縁部材を、胴の外部で組立てるときに行うことが好ましい。そして、後者の場合は、引き込み部材、表示盤を有するムーブメント、透視部材が支持された縁部材が組立てられて、引き込み部材が有する引っ掛け部位と受け部の係止部位との引っ掛り得る状態となったアセンブリが形成されるので、このアセンブリをねじ手段によって胴に組付けることが可能である。
本発明の時計の好ましい形態は、前記ねじ手段が前記板部に螺合されたねじであることを特徴としている。
この好ましい形態によれば、更に、ねじ手段として、低コストの汎用ねじを用いることができる。
本発明の時計の好ましい形態は、更に、前記ねじの全体が前記胴の内部に配置されているとともに、前記胴に取付けられた前記ケースの裏蓋で、前記ねじが覆い隠されていることを特徴としている。
この好ましい形態によれば、ねじがケースの裏蓋で覆い隠されているので、ケース背面の体裁が良い。これとともに、ケースの裏蓋にねじを通るための孔開け加工を要することがなく、それに伴い裏蓋を通る水の浸入経路が形成されない点でも好ましい。
本発明の時計の好ましい形態は、更に、前記ケースが前記胴に前記ケースの背面側から接触して配置された裏蓋を備え、前記板部から前記ケースの背面方向に突出されかつ内周面に雌ねじ部が形成されていて前記胴に対し回り止めされた環状筒部を、前記引き込み部材が更に有しており、前記ねじ手段は、前記裏蓋に形成されていて、前記雌ねじ部に螺合される雄ねじ部であることを特徴されていることを特徴としている。
この好ましい形態によれば、引き込み部材が胴に対し回り止めされていて、この引き込み部材が有した環状筒部の雌ねじ部に、裏蓋に形成された雄ねじ部がねじ込まれている。それにより、裏蓋がケースの背面側から胴に接触された状態に取付けられているとともに、引き込み部材を介して胴に縁部材が取付けられている。したがって、裏蓋の雄ねじ部がねじ手段を兼ねるので、部品点数を削減できる。
本発明の時計の好ましい形態は、更に、前記円筒部の外周に設けられた前記受け部と前記引き込み部材に設けられた前記引っ掛け部位との夫々が、前記ケースの厚み方向に複数形成されていて互いに引っ掛かっていることを特徴としている。この好ましい形態において、受け部を雄ねじ部で形成し、かつ、引っ掛け部位を雌ねじ部で形成することができる他、複数の受け部と引っ掛け部位の夫々を凹凸部で形成し、かつ、周方向に隣接する受け部の間に凹部を設けて実施することが可能である。
この好ましい形態によれば、ケースの厚み方向の複数個所で受け部と引っ掛け部位とが実質的に引っ掛かっている。このため、受け部と引っ掛け部位との出幅が小さい場合であっても、受け部と引っ掛け部位との引っ掛かりの信頼性が高められて、引き込み機構による胴への縁部材の取付けをより確実にできる。
本発明の時計の好ましい形態は、更に、前記ねじの頭部が前記ケースの背面に露出されていることを特徴としている。
この好ましい形態によれば、ねじの頭部がケースで覆い隠されておらず、ケースの背面の所定位置にねじの頭部があるか否かを視認できる。それにより、検品作業等でのねじの取付け忘れの確認が容易である。
本発明によれば、透視部材を支持して胴に取付けられた縁部材の幅が狭い時計を提供できる、という効果がある。
本発明の第1の実施の形態に係る腕時計を示す斜視図である。 図1の腕時計の一部を示す断面図である。 第1の腕時計の胴に取付けられるアセンブリを示す斜視図である。 図3に示したアセンブリを分解して示す斜視図である。 図1に示された腕時計を分解して示す斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係る腕時計の一部を示す断面図である。 第2の実施の形態に係る腕時計の胴に取付けられるアセンブリをその一部が切り欠かれた状態で示す斜視図である。 図7に示したアセンブリを分解して示す斜視図である。 第2の実施の形態に係る腕時計を分解して示す斜視図である。 本発明の第3の実施の形態に係る腕時計の一部を示す断面図である。 第3の実施の形態に係る腕時計の胴に取付けられるアセンブリを示す斜視図である。 図11に示したアセンブリを分解して示す斜視図である。 第3の実施の形態に係る腕時計を分解して示す斜視図である。 本発明の第4の実施の形態に係る腕時計の一部を示す断面図である。 本発明の第5の実施の形態に係る腕時計の一部を示す断面図である。
本発明の第1の実施の形態を図1〜図5を参照して説明する。
図1、図2、図5中符号11は、時計例えば携帯時計具体的には腕時計を示している。腕時計11はその外装をなすケース12を備えている。
図1、図2に示すようにケース12は、胴13と、縁部材21と、透視部材26と、裏蓋31とを備えている。
胴13は、一体品であり、ステンレス鋼やチタンなどの金属製であることが好ましいが、合成樹脂製であってもよい。胴13の厚み方向両面は夫々開放されている。胴13は、図2に示すように周方向に切れ目なく連続する平坦面からなる円環形の縁受け面13aと、同じく周方向に切れ目なく連続する平坦面からなる円環形の蓋受け面13bとを有している。縁受け面13aは、ケース12の正面側に位置された胴13の厚み方向の一端面で形成されている。
図2に示すように胴13の厚み方向の他端部側に胴底部14が設けられている。この胴底部14は、胴13の内部に向けて一体に突出されていて、図5に示すように周方向に切れ目なく連続して形成されている。蓋受け面13bは、ケース12の背面側に位置されていて、例えば胴13の厚み方向の他端面を兼ねた胴底部14の背面で形成されている。
胴底部14は、通孔15と、係止溝16と、パッキン溝17を有している。
通孔15は、胴底部14の内周側部位の複数個所、例えば図5に例示するように4か所に、前記内周側部位をその厚み方向に貫通して設けられている。これらの通孔15は、胴13の周方向に間隔的に設けられ、好ましくは等間隔に設けられていることが好ましい。
係止溝16は、胴底部14の根元側部位に対し図5に示すように胴13の周方向に間隔的に設けられていて、いずれも胴13の内部に開放された形態の溝で形成されている。
パッキン溝17は、前記根元側部位において蓋受け面13bに開放する形態で周方向に切れ目なく連続して設けられていて、そこにゴム等の弾性を有するシール材料で形成された円環形の防水パッキン18が嵌め込まれている。
胴13はその外周面から一体に突出された連結凸部19を有している。時計の3時−9時方向に対向されて対をなした連結凸部19に、図示しないバンドやベルトなどの腕装着用部材が連結されるようになっている。更に、図5に示すように胴13にはその径方向に貫通して巻真通孔20が形成されている。
図2等に示すようにケース12の縁部材21は、縁部22と、円筒部23と、受け部24とを有している。この縁部材21は、一体品であり、ステンレス鋼やチタンなどの金属製であることが好ましいが、合成樹脂製であってもよい。
縁部22は、胴13の外部に配置されて、胴13の縁受け面13aに被さる部分である。この縁部22の裏面に周方向に切れ目なく連続するパッキン溝22aが形成されていて、そこにゴム等の弾性を有するシール材料で形成された円環形の防水パッキン25が嵌め込まれている。
円筒部23は、縁部22の内周側裏面から一体に突出されていて、胴13内に挿入して配置される部分である。円筒部23の内周面23aは縁部22の内周面より小径である。円筒部23の内周面23aは後述する文字盤の表示径を規定する見切り面である。この内周面23aの径は、縁部材21の高さ方向に変化がなく一定であることが好ましいが、縁部22に近づくにしたがって次第に大きくなる形態であってもよい。
円筒部23は板受け面23bを有している。板受け面23bは、例えばケース12の背面側に位置された円筒部23の端面で形成されているが、ケース12の背面側に位置された円筒部23の端面とケース12の正面側に位置された円筒部23の端面との間に形成することも可能である。
ケース12の正面側に位置された円筒部23の端面と縁部22の内周面とは、直角に連続された部材受け面21bをなしている。図1〜図4中符号26は、例えば透明ガラスや透明合成樹脂等の透明材料で円形に形成された透視部材を示している。透視部材26は、その周面と周部裏面が部材受け面21bに接触された状態で、縁部22に支持されている。透視部材26の外周面は接着剤27(図2参照)により縁部22の内周面に接着されている。
なお、この接着に代えて、縁部22にその内周面に露出して防水パッキンを取付け、この防水パッキンの内周面に透視部材26の外周面を密着させた形態で、縁部22に透視部材26を支持させてもよい。しかし、前記接着構造は、防水パッキンの取付け溝を縁部に加工する必要がないとともに、それに伴い縁部22の高さを低くできるので好ましい。
受け部24は、例えば円筒部23の外周から突出された形態で、図4等に示すように円筒部23の周方向に間隔的例えば等間隔に複数設けられている。円筒部23の周方向に隣接した受け部24の間は、夫々円筒部23の外周面を底面とする凹部28となっている。円筒部23の周方向に延びた受け部24の幅は、円筒部23の周方向に延びた凹部28の幅より長い。各受け部24は、凹部28に対し縁部材21の周方向にずれた位置に係合溝24aを夫々有している。係合溝24aは、縁部22側(言い換えれば、ケース12の正面側)に向けて開放されていて、その長さは凹部28の幅に略等しい。
ケース12の背面は腕時計11の使用者の腕に接する。この背面をなす裏蓋31は、ステンレス鋼やチタンなどの金属製であることが好ましいが、合成樹脂製であってもよい。図2及び図5に示すように裏蓋31は、その周部に円環形でかつ裏蓋31の直径よりも小径の取付け壁32を一体に有している。取付け壁32の外周面に係止溝16と同数の係合凸部33が係止溝16と同じ配置で設けられている。裏蓋31は、その取付け壁32をケース12の背面側から胴13内に挿入することで、係合凸部33が胴13の係止溝16に引っ掛けられた状態で胴13に取付けられている。この取付けによって、裏蓋31の周部は、防水パッキン18を圧縮した状態に変形させて蓋受け面13bに接触された状態に保持される。
図2に示すようにケース12に、中枠41とともにムーブメント51が収容されている。
中枠41は、例えば、金属製又は樹脂製等であり、図5に示すようにリング状部42と、一対の互いに平行な脚板部43と、これら脚板部43に夫々突出された突起44とを有している。中枠41の内周はリング状部42と一対の脚板部43とで形成され、この内周の形状は非円形である。中枠41の外周の形状は略円形である。中枠41の外周の径は前記胴底部14の内周に嵌合できるようにこの内周の径と略同じである。
中枠41は、リング状部42の脚板部43が突出された側と反対側に、一対の嵌合溝45(そのうちの一方のみを図2に示す。)を有している。
詳しくは、一方の嵌合溝45は、リング状部42において一対の脚板部43の長手方向一端間にわたる部位に、この部位に沿って円弧状に形成されている。同様に、他方の嵌合溝45は、リング状部42において一対の脚板部43の長手方向他端間にわたる部位に、この部位に沿って円弧状に形成されている。なお、これら嵌合溝45のイメージについては、第2の実施の形態を示す図9に詳しく表されている。
又、図5に示すように中枠41に、リング状部42の外周から一方の脚板部43にわたる逃げ溝46が形成されている。突起44は脚板部43に対してリング状部42と反対側に向けて突設されている。
ムーブメント51は、本体部52と、表示盤例えば文字盤53とを有している。更に、第1の実施の形態においてムーブメント51は時刻を指し示す時針や分針等の表示針54も有している。
本体部52は作動装置であり、この本体部52によって腕時計11では時刻表示のために例えば表示針54が動かされる。この本体部52は、小型電池やぜんまいを動力源にした形式のもの、または自動巻きの形式のもの、若しくはクォーツ発振モジュールにより時刻を文字盤53にデジタル表示させる形式(つまり、デジタル時計対応)のもの、或いはデジタル時計対応のものとそれ以外の形式のものとを併用した形式のものなどのいずれであってもよい。ここでは、表示針54を有するムーブメント51を例示している。
図5に示すように本体部52は、互いに平行な側面52a(一方のみ示す。)と、一対の弧状凸部52bを有している。弧状凸部52bは、一対の側面52aにわたって設けられている。これらの弧状凸部52bを除いた本体部52の部位は、中枠41の非円形をなした内周に嵌合できるようにこの内周の形状と略同じ形状に形成されている。このため、嵌合された中枠41と本体部52とは、それらの周方向にずれ動くことがないように互いに位置決めされている。弧状凸部52bの厚みは中枠41のリング状部42の厚みよりも厚く、これらの弧状凸部52bは、中枠41と本体部52との嵌合に伴って中枠41の嵌合溝45に嵌合できるように形成されている。
本体部52はその中央部から本体部52の外部に突出された針取付け軸55を有している。本体部52によって回転を制御される針取付け軸55に、表示針54が取付けられている。表示針54には、時針、分針、秒針のうちの少なくとも時針と分針が用いられる。
情報例えば時刻についての情報を表示する文字盤53は円形であり、その直径は、本体部52より大きく、具体的には、文字盤53の周部が縁部材21に形成された板受け面23bに接触できる大きさである。この文字盤53は、その中央部に形成されたセンター孔に針取付け軸55が通された状態で、本体部52をケース12の正面側から覆って本体部52と連結されている。
なお、文字盤53の表面には情報の表示が設けられているが、図1、図3、図4での前記表示の図示は省略する。文字盤53の表示は、時刻を表す目盛に限らず、互いに異なる色で区分された複数の表示領域であってもよい。或いは、複数の無地の表示領域の夫々に描かれたシンボル(例えば日中のイメージを表す太陽のシンボルや、日没後のイメージを表す月のシンボル等)を、表示とすることもできる。更に、表示は、タイマー機能用ではなく、簡易な方位測定を可能とするための方位表示であってもよい。
次に、縁部材21を胴13に固定するための引き込み機構61を説明する。引き込み機構61は、引き込み部材62と、引き込み用のねじ手段例えばねじ69と、を備えている。第1の実施の形態において引き込み機構61はケース12内に配設されている。
引き込み部材62は、板部63と係合部66を少なくとも備えて形成されている。
詳しくは、板部63は、図2に示すように胴13内に文字盤53の背面と対向して配置される部分である。そして、図4及び図5に示すように板部63は、その両端間に逃げ溝64を有した欠円環状であるとともに、前記通孔15と同数でかつ同じ配置に設けられた複数のねじ孔65を有している。図2に示すようにねじ孔65は、文字盤53の外周より内側に位置されている。
係合部66は、図2及び図4に示すように縁部材21の受け部24の数及び凹部28の数と同数で、かつ、胴13の内周面13cと文字盤53の外周との間に配置された係合部ベース66aと、受け部24にケース12の正面側から引っ掛かった引っ掛け部位66bとを有している。
係合部ベース66aは、受け部24と同じ配置で、板部63の外周に沿って間隔的にかつ板部63の外周からケース12の正面側に向けて折れ曲がるように突出されている。 引っ掛け部位66bは、各係合部ベース66aの好ましくは先端部から板部63の中心側に僅かに突出された形態で設けられている。
それにより、引っ掛け部位66bを含んだ前記先端部の厚みは、この先端部以外の係合部ベース66aの部位よりもわずかに厚い。係合部66の最大厚みは引っ掛け部位66bを含んだ前記先端部で規定されている。この厚みは、係合部66がケース12の径を大きくする因子とならないようにするために、胴底部14に対してケース12の正面側に位置された胴13の内周面13cと文字盤53の外周との間の隙間の幅より薄く設定されている。具体例としては、引っ掛け部位66bを含んだ係合部ベース66aの先端部の厚みが約0.6mmで、かつ、係合部ベース66aの厚みを約0.5mmとし、係合部ベース66aに対する引っ掛け部位66bの出幅を約0.1mmとすることが好ましい。
引っ掛け部位66bの幅は、円筒部23の凹部28の幅、及び受け部24の係合溝24aの幅と略同じである。この引っ掛け部位66bは、凹部28をケース12の厚み方向に通過することが可能であるとともに、係合溝24aに対してケース12の正面側から係脱可能である。
ねじ69は、胴13内においてケース12の背面側から正面側に向けて通孔15に夫々挿入され、これらの通孔15に対向されている引き込み部材62のねじ孔65に夫々螺合されている。これらのねじ69は、裏蓋31が外された状態でケース12の背面側から取外し可能である。
図1及び図5中符号71は竜頭を示し、更に図5中符号72は前記巻真通孔20を貫通する巻真を示している。巻真72は胴13内に突出され、逃げ溝46とこれに対向された逃げ溝64との間を通ってムーブメント51の本体部52に達している。この巻真72は竜頭71と連動して動かされるもので、竜頭71を手動操作することによって巻真72を介してムーブメント51の本体部52が操作されるようになっている。
次に、第1の実施の形態に係る腕時計11を組立てる手順を説明する。
この組立てにおいては、既に透視部材26が接着されて縁部22に取付けられているとともに、防水パッキン25が縁部22のパッキン溝22aに嵌め込まれた状態の縁部材21と、文字盤53及び表示針54を有して組立てられたムーブメント51と、引き込み機構61の引き込み部材62が予め用意されて、これらを構成部品とするアセンブリA(図3参照)が構成される。
アセンブリAを組み立てるには、まず、透視部材26が支持された縁部材21を、透視部材26が下側になる姿勢に配置した状態で、その上方から、逆様にしたムーブメント51を組み合わせて、ムーブメント51の文字盤53の周部が縁部材21の円筒部23の板受け面23bに接触された状態とする。これにより、ムーブメント51の文字盤53は、透視部材26と平行に配置されて、この透視部材26に対向された状態となる。
この後、係合部66が下を向くように逆様にした引き込み部材62を、逆様の状態にあるムーブメント51の上方から文字盤53に被せる。これに伴って、各係合部66の引っ掛け部位66bが円筒部23の外周面に形成された各凹部28に夫々通される。それにより、文字盤53の周面と係合部66の係合部ベース66aとが対向された状態となるとともに、引き込み部材62が文字盤53を覆って、その板部63に設けられているねじ孔65が文字盤53の外周より内側に配置された状態となる。
更に、この状態で、引き込み部材62をその周方向に回転操作する。それにより、引っ掛け部位66bが凹部28から円筒部23の周方向にずらされて、この引っ掛け部位66bが縁部材21の受け部24の係合溝24aに嵌合して引っ掛かることが可能な状態に、アセンブリAが組立てられる。こうして、組立てられたアセンブリAが逆様となった状態を図3に示す。
次に、以上の手順で組み立てられて逆様の状態となっているアセンブリAに対して胴13が組み合わされる。
即ち、縁部材21の縁部22及びこれに支持されている透視部材26以外の部分に、縁受け面13aが下を向くように逆様にした胴13を被せる。それにより、前記部分が相対的に胴13内に挿入され、縁部22に取付けられている防水パッキン25に縁受け面13aが接する。このとき、胴底部14の通孔15が、胴底部14に対向する板部63のねじ孔65に対向されるように、アセンブリAに対する胴13の位置を調整する。
こうして逆様の状態となっているアセンブリAに対して逆様にした胴13が組み合わされた状態では、引き込み部材62の板部63が、胴13の胴底部14の下側でかつ文字盤53の上側に配置されているとともに、係合部66の係合部ベース66aが、胴13の内周面13cと文字盤53の外周との間の隙間に通されている。更に、前記組合せにより、ムーブメント51の本体部52が、引き込み部材62の板部63の中央孔部に貫通される。この状態で、本体部52と板部63の内周との間に環状をなした所定の隙間が形成される。
次に、引き込み機構61を構成する。つまり、逆様になっている胴13の上方から胴底部14の通孔15にねじ69を夫々通して、これらのねじ69をねじ孔65にねじ込んで締め付ける。それにより、引き込み部材62が上方に引き寄せられ、その引っ掛け部位66bが受け部24の受け部24aにケース12の正面側から嵌合されて引っ掛かるに伴い、縁部材21の縁部22が胴13の縁受け面13aに接するように引き寄せられる。
このため、防水パッキン25が圧縮されて縁部22と縁受け面13aとの間に挟まれた状態となって、縁部材21が胴13に固定されるとともに、引っ掛け部位66bが受け部24の係合溝24a引っ掛かった状態が維持される。なお、この段階では、胴13が逆様になっているので、係合溝24aに対して下側から引っ掛け部位66bが嵌合されて引っ掛かった状態にある。
この後、逆様になっている胴13に対しその上側から中枠41が組込まれて、この中枠がムーブメント51の本体部52の外周に嵌合される。なお、胴13への中枠41の組み込みは、ねじ69を締め付ける前に行ってもよい。
中枠41の組み込みによって、中枠41の外周が胴底部14の内周に嵌合されて、胴13に対するムーブメント51の径方向の位置が決められる。これとともに、組み込まれた中枠41は、ムーブメント51に対してその周方向に動くことがないように適正位置に位置決めされ、かつ、中枠41の嵌合溝45と本体部52の弧状凸部52bとが胴13の厚み方向に引っ掛かった状態に嵌合される。更に、前記位置決めに伴い、中枠41の逃げ溝46が、板部63の逃げ溝64と合わさって、巻真の通路が形成される。
次に、巻真72が胴13の巻真通孔20に通されて、この巻真72とムーブメント51とが接続されるとともに、巻真72に対して胴13の外側から竜頭71が接続される。
最後に、胴13のパッキン溝17に防水パッキン18を嵌合した状態で、逆様になった状態の胴13内に裏蓋31の取付け壁32を圧入する。そうすると、裏蓋31の周部で防水パッキン18が圧縮変形されとともに裏蓋31の周部が胴13の蓋受け面13bに接した状態となり、かつ、裏蓋31の係合凸部33が胴底部14の係止溝16に引っ掛かった状態に係合されて、裏蓋31が胴13に取付けられる。それにより、ケース12が組立てられるとともに、腕時計11の組み立てが完了する。
組立てが完了した状態では、裏蓋31の周部が胴13の蓋受け面13bに接触された状態となり、防水パッキン18は圧縮されて裏蓋31と胴底部14との間に挟まれた状態となる。更に、裏蓋31が取付けられるに伴い、この裏蓋31の内面に中枠41の突起44が接するので、中枠41と弧状凸部52bとの引っ掛かり部を介してムーブメント51が透視部材26に向けて押されている。それにより、ムーブメント51の文字盤53の周部が円筒部23の板受け面23bに押付けられて、縁部材21の円筒部23により、文字盤53がケース12の正面側から支持された状態に保持される。なお、この段階では、胴13が逆様になっているので、文字盤53はその下側から円筒部23で支持された状態にある。この状態でも、裏蓋31に対する中枠41の突起44の接触が維持されているので、胴13の厚み方向に動かないようにムーブメント51は位置決めされている。
以上の手順によれば、縁部材21を胴13に取付ける引き込み機構61と縁部材21の受け部24が、縁部材21の縁部22に対してケース12の背面側に配置されている。これとともに、引き込み部材62が有する係合部66の係合部ベース66aが、胴13の内周面13cと文字盤53の外周との間に配置されている。そのため、係合部66の引っ掛け部位66bが縁部材21の円筒部23の外周に設けられた受け部24にケース12の正面側から引っ掛けられた状態が、文字盤53に対してケース12の正面側に形成されている。それにより、既述のようにねじ69を締め付けて縁部材21を胴13に取付けることができる。
以上の手順で組立てられた腕時計11によれば、引き込み機構61が有する引き込み部材62の板部63が文字盤53の背面と対向して配置されているとともに、引き込み機構61が有するねじ69が文字盤53の外周より内側に配置されている。このようにねじ69が文字盤53の外周より外側に配置されていないことに伴い、縁部材21の縁部22にねじ69を受けるねじ穴を設ける必要がない。したがって、透視部材26が支持された縁部材21の幅Hを狭くできる。
このように縁部材21の幅Hを狭くできることに伴い、ケース12の直径サイズが規定されている場合は、文字盤53の表示径Dを大きくすることが可能である。この逆に、文字盤53の表示径Dが規定されている場合は、ケース12の直径サイズ(D+2Hの式で計算される寸法)を小さくすることが可能である。
なお、第1の実施の形態では、胴13の内周面13cと文字盤53の外周との間に配置されている係合部66の係合部ベース66aは、その厚みが極めて薄く、しかも、胴13に対する縁部材21の嵌合面21aの径Fの範囲、具体的には、縁部材21のパッキン溝22aから円筒部23の内周面23aまでの寸法Eの範囲に設けられている。このため、係合部ベース66aの厚みは、ケース12の直径サイズを大きくする因子としては無視することができる。
更に、第1の実施の形態によれば、縁部材21が有する円筒部23の内周面23aが文字盤53の周部と直角に連続されている。これにより、円筒部23のケース正面側開口径が同じである条件において、円筒部23の内周面23aがケース12の背面側ほど径が次第に小さくなる構成と比較して、文字盤53の表示径Dをより大きく確保することができる。
以上の手順で組立てられた腕時計11によれば、引っ掛け部位66bが受け部24の係合溝24aに嵌合された状態で受け部24に引っ掛けられている。このため、胴13にねじ69により保持された引き込み部材62に対して縁部材21が、適正位置に配置された状態に保持されていて、この縁部材21がその周方向に不用意に動くことがない。
したがって、ケース12の厚み方向に沿う受け部24と引っ掛け部位66bとの引っ掛かりが外れることがなくなり、アセンブリAが分解される虞がない。これとともに、縁部材21の縁部22にマークなどの表示が施された場合、その表示が文字盤53との位置関係で適正位置からずれる虞もない。
更に、第1の実施の形態の腕時計11によれば、ねじ手段としてねじ69を用いているので、それらに低コストの汎用ねじを用いることができる。しかも、第1の実施の形態の腕時計11によれば、ねじ69の全体が胴13の内部に配置されていて、これらのねじ69が胴13に取付けられた裏蓋31で覆い隠されているので、ケース背面の体裁が良い。これとともに、ケース12の裏蓋31にねじ69を通るための孔開け加工を要することもなく、それに伴い裏蓋31を通る水の浸入経路が形成されない点でも好ましい。
又、腕時計11を分解するには、以上説明した組立ての手順とは逆の手順で行えばよい。簡単に説明すれば、まず、裏蓋31が上を向く姿勢に配置した状態で、裏蓋31を外した後に、中枠41を外す。この場合、中枠41の脚板部43が有する孔43a(図5参照)に図示しない工具を引っ掛けて、中枠41を引き出せばよい。次に、各ねじ69を夫々外してから、アセンブリAに対して胴13を外す。また、外されたアセンブリAは必要に応じて分解すればよい。こうした分解状態において、必要により防水パッキン18又は防水パッキン25の交換を行うことができる。
以上説明した腕時計11の組立てにおいては、引き込み機構61の組み立て作業、つまり、ねじ69を引き込み部材62にねじ込む作業に伴い、縁部材21が引き込まれて胴13に固定される。腕時計11の分解においては、引き込み機構61の分解作業、つまり、ねじ69を引き込み部材62から外す作業に伴い、縁部材21を胴13から外すことが可能な状態となる。
このため、防水パッキン25の交換などのメンテナンスをするのに、腕時計11の組み立てと分解が行われても、縁部材21の縁部に応力が掛かることがない。よって、腕時計11の組み立てと分解が繰り返されても、縁部材21と透視部材26との接着が剥がれる虞がない。これとともに、腕時計11の組立て及び分解において胴13と縁部材21の縁部22との間に工具が差し込まれて縁部材21がこじ開けられることがない。そのため、腕時計11の組み立てと分解が繰り返されても縁部22と胴13とが傷つけられる虞もない。更に、腕時計11の組み立てと分解が繰り返されても、縁部材21を胴13に固定する機能を損なうような損耗を生じないので、分解後の再組み立ての信頼性が高い。
図6〜図9は本発明の第2の実施の形態を示している。この第2の実施の形態に係る腕時計の構成は以下の説明を除いて第1の実施の形態と同じである。このため、第1の実施の形態に係る腕時計11と同じか類似の構成又は同一の機能を奏する構成については、第1の実施の形態と同一符号を付して説明を省略する。第2の実施の形態は、円筒部23と、受け部24と、係合部66等が第1の実施の形態とは異なっている。
即ち、第2の実施の形態において、図6〜図9に示すように円筒部23の外周面は、縁部材21の嵌合面21aで形成されている。受け部24は、円筒部23の周方向に間隔的に複数設けられている。これらの受け部24は、円筒部23の外周ではなく、円筒部23からケース12の背面側に向けて突設されていて、受け部ベース24bと係止部位24cとを有している。
図6及び図7に示すように受け部ベース24bは、胴13の内周面13cと文字盤53との間に配置される部分であり、その外側面は嵌合面21aと面一である。係止部位24cは、受け部ベース24bの先端部に内方に向けて折れ曲がるように突出して形成された部分である。なお、第2の実施の形態では、縁部材21の受け部24には第1の実施の形態で説明した係止溝に相当する構成は設けられていない。
受け部24の係止部位24cを含んだ先端部の厚みは、この先端部以外の受け部ベース24bの厚みよりもわずかに厚い。受け部24の最大厚みは係止部位24cを含んだ前記先端部で規定されている。この厚みは、受け部24がケース12の径を大きくする因子とならないようにするために、胴底部14に対してケース12の正面側に位置された胴13の内周面13cと文字盤53の外周との間の隙間の幅より薄い。具体例としては、係止部位24cを含んだ受け部ベース24bの先端部の厚みが約0.6mmで、かつ、受け部ベース24bの厚みを約0.5mmとし、受け部ベース24bに対する係止部位24cの出幅を約0.1mmとすることが好ましい。
図6及び図9に示すように受け部24の先端部よりやや大きめで、かつ、同先端部が胴底部14に接しないようにするための逃げ凹部14aが、胴底部14の根元に受け部24と同数設けられている。
係合部66は、図8に示すように引き込み部材62が有した板部63の周部に、間隔的にかつ受け部24と同数設けられている。これらの係合部66は板部63と面一であり、板部63の周部にその周方向に隣接した係合部66の間からなる凹部28が形成されている。そのため、第2の実施の形態では、縁部材21には凹部28に相当する構成は設けられていない。凹部28の数と受け部24及び係合部66と数は同じである。これらの凹部28に対し受け部24の係止部位24cはケース12の厚み方向に通過可能である。
なお、以上説明した構成以外は、図6〜図9に示されない構成を含めて第1の実施の形態と同じである。
次に、第2の実施の形態に係る腕時計11を組立てる手順を説明する。
この組立てにおいては、既に透視部材26が接着されて縁部22に取付けられているとともに、防水パッキン25が縁部22のパッキン溝22aに嵌め込まれた状態の縁部材21と、文字盤53及び表示針54を有して組立てられたムーブメント51と、引き込み機構61の引き込み部材62が予め用意されて、これらを構成部品とするアセンブリA(図7参照)が構成される。
アセンブリAを組み立てるには、まず、透視部材26が支持された縁部材21を、透視部材26が下側になる姿勢に配置した状態で、その上方から、逆様にしたムーブメント51を組み合わせて、文字盤53の周部が縁部材21の円筒部23の板受け面23bに接触された状態にする。これにより、ムーブメント51の文字盤53は、透視部材26と平行に配置されて、この透視部材26に対向された状態となる。この状態で、縁部材21の受け部24は上側(つまり、ケース12の背面側)を向いていて、この受け部24の受け部ベース24bが文字盤53の周面に対向されているとともに、受け部24の係止部位24cが文字盤53より上側に配置されている。
この後、逆様の状態にあるムーブメント51の上方から引き込み部材62を文字盤53に被せる。このとき、縁部材21の受け部24に形成された係止部位24cが、引き込み部材62の周部に形成された各凹部28に夫々通される。それにより、引き込み部材62が文字盤53を覆って、その板部63に設けられているねじ孔65が文字盤53の外周より内側に配置された状態となる。
更に、この状態で、引き込み部材62をその周方向に回転操作する。それにより、係合部66が係止部位24cに対して円筒部23の周方向にずらされて、これら係合部66と係止部位24cとが引っ掛かることが可能な状態に、アセンブリAが組立てられる。こうして、組立てられたアセンブリAが逆様となった状態を図7に示す。
次に、以上の手順で組み立てられて逆様の状態となっているアセンブリAに対して胴13が組み合わされる。
即ち、縁部材21の縁部22及びこれに支持されている透視部材26以外の部分に、縁受け面13aが下を向くように逆様にした胴13を被せる。それにより、前記部分が相対的に胴13内に挿入され、縁部22に取付けられている防水パッキン25に縁受け面13aが接する。このとき、胴底部14の通孔15が、胴底部14に対向する板部63のねじ孔65に対向されるように、アセンブリAに対する胴13の位置を調整する。
こうして逆様の状態となっているアセンブリAに対して逆様にした胴13が組み合わされた状態で、受け部24の受け部ベース24bは、胴13の内周面13cと文字盤53の外周との間に配置される。そのため、引き込み部材62が備える板部63の周部に形成された係合部66に、受け部24の係止部位24cがケース12の背面側から引っ掛けられた状態が、文字盤53に対してケース12の背面側に形成される。又、前記組合せにより、ムーブメント51の本体部52が、引き込み部材62の板部63の中央孔部に貫通される。この状態で、本体部52と板部63の内周との間に環状をなした所定の隙間が形成される。
次に、引き込み機構61を構成する。つまり、逆様になっている胴13の上方から胴底部14の通孔15にねじ69を夫々通して、これらのねじ69をねじ孔65にねじ込んで締め付ける。それにより、引き込み部材62が上方に引き寄せられて、その係合部66が受け部24の係止部位24cにケース12の正面側から引っ掛かるに伴い、縁部材21の縁部22が胴13の縁受け面13aに接するように引き寄せられる。
このため、防水パッキン25が圧縮されて縁部22と縁受け面13aとの間に挟まれた状態となって、縁部材21が胴13に固定されるとともに、係合部66が受け部24の係止部位24cに引っ掛かった状態が維持される。なお、この段階では、胴13が逆様になっているので、係止部位24cに対して下側から係合部66が引っ掛かった状態にある。
この後、逆様になっている胴13に対しその上側から中枠41が組込まれて、この中枠がムーブメント51の本体部52の外周に嵌合される。なお、胴13への中枠41の組み込みは、ねじ69を締め付ける前に行ってもよい。
中枠41の組み込みによって、中枠41の外周が胴底部14の内周に嵌合されて、胴13に対するムーブメント51の径方向の位置が決められる。これとともに、組み込まれた中枠41は、ムーブメント51に対してその周方向に動くことがないように適正位置に位置決めされ、かつ、中枠41の嵌合溝45と本体部52の弧状凸部52bとが胴13の厚み方向に引っ掛かった状態に嵌合される。更に、前記位置決めに伴い、中枠41の逃げ溝46が、板部63の逃げ溝64と合わさって、巻真72の通路が形成される。
次に、巻真72が胴13の巻真通孔20に通されて、この巻真72とムーブメント51とが接続されるとともに、巻真72に対して胴13の外側から竜頭71が接続される。
最後に、胴13のパッキン溝17に防水パッキン18を嵌合した状態で、逆様になった状態の胴13内に裏蓋31の取付け壁32を圧入する。そうすると、裏蓋31の周部で防水パッキン18が圧縮変形されとともに裏蓋31の周部が胴13の蓋受け面13bに接した状態となり、かつ、裏蓋31の係合凸部33が胴底部14の係止溝16に引っ掛かった状態に係合されて、裏蓋31が胴13に取付けられる。それにより、ケース12が組立てられるとともに、腕時計11の組み立てが完了する。
この状態で、裏蓋31の周部が胴13の蓋受け面13bに接触された状態となり、防水パッキン18は圧縮されて裏蓋31と胴底部14との間に挟まれた状態となる。更に、裏蓋31が取付けられるに伴い、この裏蓋31の内面に中枠41の突起44が接するので、中枠41と弧状凸部52bとの引っ掛かり部を介してムーブメント51が透視部材26に向けて押されている。それにより、ムーブメント51の文字盤53の周部が円筒部23の板受け面23bに押付けられて、文字盤53が縁部材21の円筒部23により、ケース12の正面側から支持された状態となる。なお、この段階では、胴13が逆様になっているので、文字盤53はその下側から円筒部23で支持された状態にある。この状態でも、裏蓋31に対する中枠41の突起44の接触が維持されているので、胴13の厚み方向に動かないようにムーブメント51は位置決めされている。
以上の手順によれば、縁部材21を胴13に取付ける引き込み機構61と縁部材21の受け部24が、縁部材21の縁部22に対してケース12の背面側に配置されている。これとともに、縁部材21が有する受け部24の受け部ベース24bが、胴13の内周面13cと文字盤53の外周との間に配置されている。そのため、引き込み部材62の係合部66が縁部材21の円筒部23からケース12の背面方向に向けて突出された受け部24の係止部位24cにケース12の正面側から引っ掛けられた状態が、文字盤53に対してケース12の背面側に形成されている。それにより、既述のようにねじ69を締め付けて縁部材21を胴13に取付けることができる。
以上の手順で組立てられた腕時計11では、引き込み機構61が有する引き込み部材62の板部63が文字盤53の背面と対向して配置されているとともに、引き込み機構61が有するねじ69が文字盤53の外周より内側に配置されている。このようにねじ69が文字盤53の外周より外側に配置されていないことに伴い、縁部材21の縁部22にねじ69を受けるねじ穴を設ける必要がない。したがって、透視部材26が支持された縁部材21の幅Hを狭くできる。
このように縁部材21の幅Hを狭くできることに伴い、ケース12の直径サイズが規定されている場合は、文字盤53の表示径Dを大きくすることが可能である。この逆に、文字盤53の表示径Dが規定されている場合は、ケース12の直径サイズ(D+2Hの式で計算される寸法)を小さくすることが可能である。
なお、第2の実施の形態では、胴13の内周面13cと文字盤53の外周との間に配置されている受け部24の受け部ベース24bは、その厚みが極めて薄く、しかも、胴13に対する縁部材21の嵌合面21aの径Fの内側、言い換えれば、縁部材21のパッキン溝22aから円筒部23の内周面23aまでの寸法Eの範囲に設けられている。このため、ケース12の直径サイズを大きくする因子としては無視することができる。
更に、第2の実施の形態によれば、縁部材21が有する円筒部23の内周面23aが文字盤53の周部と直角に連続されている。これにより、円筒部23のケース正面側開口径が同じである条件において、円筒部23の内周面23aがケース12の背面側ほど径が次第に小さくなる構成と比較して、文字盤53の表示径Dをより大きく確保することができる。
以上の手順で組立てられた第2の実施の形態の腕時計11によれば、ねじ手段としてねじ69を用いているので、それらに、低コストの汎用ねじを用いることができる。更に、第2の実施の形態の腕時計11によれば、ねじ69の全体が胴13の内部に配置されていて、これらのねじ69が胴13に取付けられた裏蓋31で覆い隠されているので、ケース背面の体裁が良い。これとともに、ケース12の裏蓋31にねじ69を通るための孔開け加工を要することもなく、それに伴い裏蓋31を通る水の浸入経路が形成されない点でも好ましい。
又、腕時計11を分解するには、以上説明した組立ての手順とは逆の手順で行えばよい。簡単に説明すれば、まず、裏蓋31が上を向く姿勢に配置した状態で、裏蓋31を外した後に、中枠41を外す。この場合、中枠41の脚板部43が有する孔43a(図9参照)に図示しない工具を引っ掛けて、中枠41を引き出せばよい。次に、各ねじ69を夫々外してから、アセンブリAに対して胴13を外す。また、外されたアセンブリAは必要に応じて分解すればよい。そして、こうした分解状態において、必要により防水パッキン18又は防水パッキン25の交換を行うことができる。
以上説明した腕時計11の組立てにおいては、引き込み機構61の組み立て作業、つまり、ねじ69を引き込み部材62にねじ込む作業に伴い、縁部材21が引き込まれて胴13に固定される。腕時計11の分解においては、引き込み機構61の分解作業、つまり、ねじ69を引き込み部材62から外す作業に伴い、縁部材21を胴13から外すことが可能な状態となる。
このため、防水パッキン25の交換などのメンテナンスをするのに、腕時計11の組み立てと分解が行われても、縁部材21の縁部に応力が掛かることがない。よって、腕時計11の組み立てと分解が繰り返されても、縁部材21と透視部材26との接着が剥がれる虞がない。これとともに、腕時計11の組立て及び分解において胴13と縁部材21の縁部22との間に工具が差し込まれて縁部材21がこじ開けられることがない。そのため、腕時計11の組み立てと分解が繰り返されても縁部22と胴13とが傷つけられる虞もない。更に、腕時計11の組み立てと分解が繰り返されても、縁部材21を胴13に固定する機能を損なうような損耗を生じないので、分解後の再組み立ての信頼性が高い。
図10〜図13は本発明の第3の実施の形態を示している。この第3の実施の形態に係る腕時計の構成は以下の説明を除いて第1の実施の形態と同じである。このため、第1の実施の形態に係る腕時計11と同じか類似の構成又は同一の機能を奏する構成については、第1の実施の形態と同一符号を付して説明を省略する。第3の実施の形態は、胴底部、及び引き込み機構等が第1の実施の形態とは異なっている。
即ち、第3の実施の形態において、図10及び図13に示すように胴底部14はその厚み方向に貫通するとともに胴底部14の内周面をなす嵌合孔14bを有している。嵌合孔14bは、引き込み部材62をその周方向に回り止めするために、非円形例えば角孔具体的には六角形のすべての角が面取りされた形状である略六角孔で形成されている。なお、この第3の実施の形態で、胴底部14には、第1の実施の形態で説明した通孔及び係止溝は設けられていない。また、第3の実施の形態での蓋受け面13bは、胴13の厚み方向のケース背面側の端面ではなく、この端面に対して段差を形成して設けられた胴底部14の背面で形成されている。
図12及び図13等に示すように引き込み機構61が備える引き込み部材62は、その板部63の内周部からケース12の背面側に向けて一体に突出された環状筒部68を有している。環状筒部68は嵌合孔14bに挿脱可能に嵌合される部分である。環状筒部68の外面形状は、嵌合孔14bの形状に対応しており、第3の実施の形態の場合は六角形のすべての角が面取りされた形状である略六角形状をなしている。この環状筒部68の内周面には雌ねじ部68aが形成されている。
引き込み機構61が有するねじ手段は、第3の実施の形態においては裏蓋31に設けられている。つまり、図10及び図13に示すように裏蓋31が有する取付け壁32の外周面に設けられた雄ねじ部32aで、ねじ手段が形成されている。この雄ねじ部32aは胴13への裏蓋31の取付けを兼ねて環状筒部68の雌ねじ部68aに螺合されている。このため、第3の実施の形態で、取付け壁32には、第1の実施の形態で説明した係合凸部は設けられていない。
なお、以上説明した構成以外は、図10〜図13に示されない構成を含めて第1の実施の形態と同じである。
次に、第3の実施の形態に係る腕時計11を組立てる手順を説明する。
この組立てにおいては、既に透視部材26が接着されて縁部22に取付けられているとともに、防水パッキン25が縁部22のパッキン溝22aに嵌め込まれた状態の縁部材21と、文字盤53及び表示針54を有して組立てられたムーブメント51と、引き込み機構61の引き込み部材62が予め用意されて、これらを構成部品とするアセンブリA(図11参照)が構成される。
アセンブリAを組み立てるには、まず、透視部材26が支持された縁部材21を、透視部材26が下側になる姿勢に配置した状態で、その上方から、逆様にしたムーブメント51を組み合わせて、文字盤53の周部が縁部材21の円筒部23の板受け面23bに接触された状態とする。これにより、ムーブメント51の文字盤53は、透視部材26と平行に配置されて、この透視部材26と対向された状態となる。
この後、係合部66が下を向くように逆様にした引き込み部材62を、逆様の状態にあるムーブメント51の上方から文字盤53に被せる。このとき、各係合部66の引っ掛け部位66bが円筒部23の外周面に形成された各凹部28に夫々通される。それにより、文字盤53の周面と係合部66の係合部ベース66aとが対向された状態となるとともに、引き込み部材62が文字盤53を覆って、その板部63から突出されている環状筒部68は文字盤53の外周より内側に配置された状態となる。
更に、この状態で、引き込み部材62をその周方向に回転操作する。それにより、引っ掛け部位66bが凹部28から円筒部23の周方向にずらされて、この引っ掛け部位66bが縁部材21の受け部24の係合溝24aに嵌合して引っ掛かることが可能な状態に、アセンブリAが組立てられる。こうして、組立てられたアセンブリAが逆様となった状態を図11に示す。
次に、以上の手順で組み立てられて逆様の状態となっているアセンブリAに対して胴13が組み合わされる。
即ち、縁部材21の縁部22及びこれに支持されている透視部材26以外の部分に、縁受け面13aが下を向くように逆様にした胴13を被せる。それにより、前記部分が相対的に胴13内に挿入され、縁部22に取付けられている防水パッキン25に縁受け面13aが接する。
こうして逆様の状態となっているアセンブリAに対して逆様にした胴13が組み合わされた状態では、引き込み部材62の板部63が、胴13の胴底部14の下側でかつ文字盤53の上側に配置されているとともに、係合部66の係合部ベース66aが、胴13の内周面13cと文字盤53の外周との間の隙間に通されている。又、前記組合せにより、ムーブメント51の本体部52が、引き込み部材62の板部63の中央孔部に貫通される。この状態で、本体部52と板部63の内周との間に環状をなした所定の隙間が形成される。
更に、既述のように逆様となっているアセンブリAと胴13が組み合わされた状態では、胴底部14の嵌合孔14bに引き込み部材62の環状筒部68が嵌合される。この嵌合により、胴13と引き込み部材62とは互いに位置決めされてそれらの周方向に回り止めされた状態となる。
この後、逆様になっている胴13に対しその上側から中枠41が組込まれて、この中枠41がムーブメント51の本体部52の外周に嵌合されるとともに、環状筒部68の内周にも嵌合される。なお、胴13への中枠41の組み込みは、アセンブリAに胴13が被せられる前に行ってもよい。
中枠41の組み込みによって、中枠41の外周が胴底部14の内周に嵌合されて、胴13に対するムーブメント51の径方向の位置が決められる。これとともに、組み込まれた中枠41は、ムーブメント51に対してその周方向に動くことがないように適正位置に位置決めされ、かつ、中枠41の嵌合溝45と本体部52の弧状凸部52bとが胴13の厚み方向に引っ掛かった状態に嵌合される。更に、前記位置決めに伴い、中枠41の逃げ溝46が、板部63の逃げ溝64と合わさって、巻真の通路が形成される。
この状態で、巻真72が胴13の巻真通孔20に通されて、この巻真72とムーブメント51とが接続されるとともに、巻真72に対して胴13の外側から竜頭71が接続される。
次に、引き込み機構61を構成して胴13に裏蓋31を取付ける。つまり、逆様になっている胴13のパッキン溝17に防水パッキン18を嵌合した状態で、この胴13の上方から、裏蓋31を回転操作しながらその取付け壁32を、引き込み部材62が有した環状筒部68内に挿入する。それにより、取付け壁32の外周に形成された雄ねじ部68aが、環状筒部68の雌ねじ部32aに螺合される。この裏蓋31の締め付けは、既述のように引き込み部材62が回り止めされていることにより、可能である。
既述の裏蓋31の締め付け操作により、引き込み部材62が上方に引き寄せられ、その引っ掛け部位66bが受け部24の受け部24aにケース12の正面側から嵌合されて引っ掛かる。それに伴い、縁部材21の縁部22が胴13の縁受け面13aに接するように引き寄せられる。
このため、縁部材21に既に嵌合されている防水パッキン25が圧縮されて縁部22と縁受け面13aとの間に挟まれた状態となって、縁部材21が胴13に固定されるとともに、引っ掛け部位66bが受け部24の係合溝24a引っ掛かった状態が維持される。なお、この段階では、胴13が逆様になっているので、係合溝24aに対して下側から引っ掛け部位66bが嵌合されて引っ掛かった状態にある。
これとともに、裏蓋31が胴13に引き寄せられ、裏蓋31の周部と蓋受け面13bとの間に挟まれた防水パッキン18が圧縮された状態となって、裏蓋31が胴13に取付けられる。以上説明したように裏蓋31を引き込み部材62にねじ込んで裏蓋31を取付けるに伴い、縁部材21が胴13に取付けられるとともに、ケース12が組立てられる。
そして、以上のように裏蓋31が胴13に取付けられるに伴い、この裏蓋31の内面に中枠41の突起44が接するので、中枠41と弧状凸部52bとの引っ掛かり部を介してムーブメント51が透視部材26に向けて押された状態となる。それにより、ムーブメント51の文字盤53の周部が円筒部23の板受け面23bに押付けられて、文字盤53が縁部材21の円筒部23により、ケース12の正面側から支持された状態となる。なお、この段階では、胴13が逆様になっているので、文字盤53はその下側から円筒部23で支持された状態にある。この状態でも、裏蓋31に対する中枠41の突起44の接触が維持されているので、胴13の厚み方向に動かないようにムーブメント51は位置決めされている。
以上の手順で組立てられた腕時計11によれば、縁部材21を胴13に取付ける引き込み機構61と縁部材21の受け部24は、縁部材21の縁部22に対してケース12の背面側に配置されている。そして、引き込み部材62が有する係合部66の係合部ベース66aは、胴13の内周面13cと文字盤53の外周との間に配置されている。そのため、係合部66の引っ掛け部位66bが縁部材21の円筒部23の外周に設けられた受け部24にケース12の正面側から引っ掛けられた状態が、文字盤53に対してケース12の正面側に形成されている。
以上の手順で組立てられた腕時計11によれば、引き込み機構61が有する引き込み部材62の板部63が文字盤53の背面と対向して配置されているとともに、引き込み機構61のねじ手段である雄ねじ部32aが螺合される雌ねじ部68aを有した環状筒部68が、文字盤53の外周より内側に配置されている。このように雌ねじ部68aを有する環状筒部68が文字盤53の外周より外側に配置されていないことに伴い、縁部材21の縁部22にねじ穴を設ける必要がない。したがって、透視部材26が支持された縁部材21の幅Hを狭くできる。
このように縁部材21の幅Hを狭くできることに伴い、ケース12の直径サイズが規定されている場合は、文字盤53の表示径Dを大きくすることが可能である。この逆に、文字盤53の表示径Dが規定されている場合は、ケース12の直径サイズ(D+2Hの式で計算される寸法)を小さくすることが可能である。
なお、第3の実施の形態では、胴13の内周面13cと文字盤53の外周との間に配置されている係合部66の係合部ベース66aは、その厚みが極めて薄く、しかも、胴13に対する縁部材21の嵌合面21aの径Fの内側、言い換えれば、縁部材21のパッキン溝22aから円筒部23の内周面23aまでの寸法Eの範囲に設けられている。このため、係合部ベース66aの厚みはケース12の直径サイズを大きくする因子としては無視することができる。
更に、第3の実施の形態によれば、縁部材21が有する円筒部23の内周面23aが文字盤53の周部と直角に連続されているので、第1の実施の形態で既に説明した理由と同じ理由により、文字盤53の表示径Dをより大きく確保することができる。
以上の手順で組立てられた腕時計11では、引っ掛け部位66bが受け部24の係合溝24aに嵌合された状態で受け部24に引っ掛けられている。このため、第1の実施の形態で既に説明した理由と同じ理由により、アセンブリAが分解される虞がない。これとともに、縁部材21の縁部22にマークなどの表示が施された場合、その表示が文字盤53との位置関係で適正位置からずれる虞もない。
第3の実施の形態の腕時計11によれば、ねじ手段として、裏蓋31の取付け壁32を利用してその外周に雄ねじ部32aが設けられている。それにより、複数本のねじを用いないことに伴い、部品点数及び組立て工数を減らすことができる。しかも、第3の実施の形態の腕時計11によれば、ねじ手段としての雄ねじ部32aが裏蓋31で覆い隠されているので、ケース背面の体裁が良いとともに、裏蓋31にねじを通るための孔開け加工を要しないことに加えて、裏蓋31を通る水の浸入経路が形成されない点でも好ましい。
又、腕時計11を分解するには、以上説明した組立ての手順とは逆の手順で行えばよい。簡単に説明すれば、まず、裏蓋31が上を向く姿勢に配置された状態で、裏蓋31を外した後に、中枠41を外す。この場合、中枠41の脚板部43が有する孔43a(図5参照)に図示しない工具を引っ掛けて、中枠41を引き出せばよい。次に、各ねじ69を夫々外してから、アセンブリAに対して胴13を外す。また、外されたアセンブリAは必要に応じて分解すればよい。そして、こうした分解状態において、必要により防水パッキン18又は防水パッキン25の交換を行うことができる。
以上説明した腕時計11の組立てにおいては、引き込み機構61の組み立て作業、つまり、ねじ69を引き込み部材62にねじ込む作業に伴い、縁部材21が引き込まれて胴13に固定される。腕時計11の分解においては、引き込み機構61の分解作業、つまり、ねじ69を引き込み部材62から外す作業に伴い、縁部材21を胴13から外すことが可能な状態となる。
このため、防水パッキン18の交換などのメンテナンスをするのに、腕時計11の組み立てと分解が行われても、縁部材21の縁部に応力が掛かることがない。よって、腕時計11の組み立てと分解が繰り返されても、縁部材21と透視部材26との接着が剥がれる虞がない。これとともに、腕時計11の組立て及び分解において胴13と縁部材21の縁部22との間に工具が差し込まれて縁部材21がこじ開けられることがない。そのため、腕時計11の組み立てと分解が繰り返されても縁部22と胴13とが傷つけられる虞もない。更に、腕時計11の組み立てと分解が繰り返されても、縁部材21を胴13に固定する機能を損なうような損耗を生じないので、分解後の再組み立ての信頼性が高い。
図14は本発明の第4の実施の形態を示している。この第4の実施の形態に係る腕時計の構成は以下の説明を除いて第1の実施の形態と同じである。このため、第1の実施の形態に係る腕時計11と同じか類似の構成又は同一の機能を奏する構成については、第1の実施の形態と同一符号を付して説明を省略する。第4の実施の形態は、受け部と引っ掛け部位が第1の実施の形態とは異なっている。
即ち、縁部材21が有する円筒部23の外周には、受け部24がケース12の厚み方向に複数形成されている。具体的には、第3の実施の形態では、円筒部23の外周に設けられた雄ねじ部で受け部24が形成されている。なお、受け部24として互いに平行な凹凸部を円筒部23の外周に形成することもできる。この場合、受け部24としての凹凸部を円筒部23の周方向に延びる複数の領域に分ける凹部(この凹部は第1の実施の形態で説明した凹部28に相当する。)を、円筒部23の周方向に複数設けて実施すればよい。
引き込み部材62が有する引っ掛け部位66bも、ケース12の厚み方向に複数形成されている。具体的には、第4の実施の形態では、係合部ベース66aの先端部内周に設けられた雌ねじ部で引っ掛け部位66bが形成されている。なお、引っ掛け部位66bとして互いに平行な凹凸部を係合部ベース66aの先端部内周に形成することもできる。この場合、係合部ベース66aの数は前記凹部と同数であるとともに、これらの凹部を引っ掛け部位66bはケース12の厚み方向に通過することが可能に形成して実施すればよい。
そして、円筒部23の外周に設けられた受け部24と引き込み部材62に設けられた引っ掛け部位66bとの夫々は、例えば螺合されて図14に示すようにケース12の厚み方向に互いに引っ掛かっている。
なお、以上説明した構成以外は、図14に示されない構成を含めて第1の実施の形態と同じである。
この第4の実施の形態に係る腕時計11によれば、第1の実施の形態で説明した理由と同じ理由により、透視部材26を支持した縁部材21の幅Hが狭い腕時計11を提供できるとともに、第1の実施の形態で説明した実施形態に係るすべての作用効果を得ることができる。加えて、第4の実施の形態に係る腕時計11によれば、ケース12の厚み方向の複数個所で受け部24と引っ掛け部位66bとが引っ掛かっていることにより、受け部24と引っ掛け部位66bとの出幅が小さくても、これらの引っ掛かりの信頼性が高められる。そのため、引き込み機構61による胴13への縁部材21の取付けをより確実にできる。
図15は本発明の第5の実施の形態を示している。この第5の実施の形態に係る腕時計の構成は以下の説明を除いて第1の実施の形態と同じである。このため、第1の実施の形態に係る腕時計11と同じか類似の構成又は同一の機能を奏する構成については、第1の実施の形態と同一符号を付して説明を省略する。第5の実施の形態は、胴13及びねじ手段であるねじ69等が第1の実施の形態とは異なっている。
即ち、第5の実施の形態において、胴13は裏蓋部31aを一体に有している。これに伴い、第1の実施の形態で説明したパッキン溝17は省略されている。更に、胴13が有する胴底部14に形成された複数の通孔15(一個のみ図示する。)は、胴13の裏面に開放された着座凹部15aを有して形成されている。
通孔15と同数のねじ69(一本のみ図示する。)の夫々の不完全ねじ部の外周に、防水パッキン18が嵌合された状態で取付けられている。この防水パッキン18は、第1の実施の形態で説明したパッキン溝17に取付けられた防水パッキンに相当する。各ねじ69は、ケース12の厚み方向に着座凹部15aから引き込み部材62のねじ孔65に達する長さを有している。
そして、防水パッキン18が取付けられたねじ69は、胴13の外側から通孔15に挿入されて、引き込み部材62のねじ孔65にねじ込まれる。それにより、アセンブリAが胴13に引き込まれて、縁部材21が胴13に取付けられている。腕時計11の組立てが完了された状態で、ねじ69の頭部69aは着座凹部15aの底面に接した状態となり、この頭部69aは胴13の背面、つまり、ケース12の背面に露出されている。これとともに、防水パッキン18は、圧縮状態に弾性変形され、通孔15を区画する壁面に密接されていて、ケース12内への防水を確保している。
なお、以上説明した構成以外は、図15に示されない構成を含めて第1の実施の形態と同じである。
この第5の実施の形態に係る腕時計11によれば、第1の実施の形態で説明した理由と同じ理由により、透視部材26を支持した縁部材21の幅Hが狭い腕時計11を提供できるとともに、ねじ手段がケース12に内蔵されていることを理由として第1の実施の形態で説明した作用効果を除いて、その他、第1の実施の形態で説明したすべての作用効果を得ることができる。加えて、第5の実施形態に係る腕時計11によれば、ねじ69の頭部69aがケース12外に露出されているので、ケース12の背面の所定位置にねじ69の頭部69aがあるか否かを視認できる。それにより、検品作業等でのねじ69の取付け忘れの確認が容易である。
なお、本発明は、第1〜第5の実施の形態で説明した腕時計に実施を制約されるものではなく、人体の腕に装着されない時計例えば置き時計や壁掛け時計等にも適用することができる。また、人体の腕に装着して使用される腕装着型機器、例えばスマートウォッチに本発明は適用可能であり、その適用によりスマートウォッチが備える縁部材の幅を狭くすることができる。ここで、スマートウォッチとは、例えばムーブメントが電子回路で構成され、このムーブメントの作動によって、表示盤に時刻や文字その他の情報を表示できる構成であって、時計機能を有する携帯型の電子機器を指している。
更に、第3の実施の形態で説明した引き込み機構61の構成を第2、第4の各実施の形態に適用して、第2、第4の各実施の形態を実施することも可能である。また、第5の実施の形態で説明した引き込み機構61の構成を第1、第2、第4の各実施の形態に適用して、第2、第4の各実施の形態を実施することも可能である。
11…腕時計(時計)
12…ケース
13…胴
13a…縁受け面
13c…胴の内周面
21…縁部材
22…縁部
23…円筒部
23a…円筒部の内周面
23b…円筒部の板受け面
24…受け部
24a…係合溝
24b…受け部ベース
24c…係止部位
26…透視部材
28…凹部
31…裏蓋
32a…雄ねじ部(ねじ手段)
51…ムーブメント
53…文字盤(表示盤)
61…引き込み機構
62…引き込み部材
63…板部
65…ねじ孔
66…係合部
66a…係合部ベース
66b…引っ掛け部位
68…環状筒部
68a…環状筒部の雌ねじ部
69…ねじ(ねじ手段)
69a…ねじの頭部
A…アセンブリ
D…表示径
H…縁部材の幅

Claims (12)

  1. ケースにこのケースが備える透視部材と対向する表示盤を有するムーブメントが収容されているとともに、前記ケースが備える胴に前記ケースが備える縁部材が引き込み機構で取付けられている時計において、
    前記縁部材が、前記胴の外部に配置されるとともに前記透視部材が支持された縁部と、前記胴の内部に配置されて前記表示盤の周部に接触し前記ケースの正面側から前記表示盤を支持して前記表示盤の表示径を規定する円筒部と、この円筒部の外周に設けられた受け部又は前記円筒部から前記ケースの背面側に向けて突設された受け部とを有し、
    前記引き込み機構が、前記表示盤の背面と対向して前記胴の内部に配置された板部、及びこの板部の周部に形成されて前記受け部に前記ケースの正面側から引っ掛かる係合部を有する引き込み部材と、前記表示盤の外周より内側で前記引き込み部材に前記ケースの背面側から取外し可能に螺合された引き込み用のねじ手段とを備える
    ことを特徴とする時計。
  2. 前記円筒部の内周面が前記表示盤と直角に連続されていることを特徴とする請求項1に記載の時計。
  3. 前記係合部が、前記板部の外周から前記ケースの正面側に向けて突出されていて、前記胴の内周面と前記表示盤の外周との間に配置された係合部ベースと、この係合部ベースに形成されていて、前記円筒部の外周に設けられた前記受け部に引っ掛かった引っ掛け部位とを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の時計。
  4. 前記受け部が前記円筒部の周方向に間隔的に複数設けられ、前記係合部が前記板部の外周に間隔的にかつ前記受け部と同数設けられ、前記引っ掛け部位が、前記円筒部の周方向に隣接された前記受け部の間に形成された凹部を通過可能で、かつ、前記凹部からずれた状態で前記受け部に引っ掛かっていることを特徴とする請求項3に記載の時計。
  5. 複数の前記受け部が、前記引っ掛け部位とほぼ同じ幅で前記ケースの正面側に向けて開放された係合溝を、前記凹部に対し前記縁部材の周方向にずれた位置に有しており、前記引っ掛け部位が、前記係合溝に前記ケースの正面側から嵌合された状態で前記受け部に引っ掛かっていることを特徴とする請求項4に記載の時計。
  6. 前記円筒部から前記胴の背面側に向けて突設された前記受け部が、前記胴の内周面と前記表示盤の外周との間に配置された受け部ベースと、この受け部ベースに形成されて前記板部の周部に形成された前記係合部を前記ケースの背面側から受ける係止部位とを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の時計。
  7. 前記受け部が前記円筒部の周方向に間隔的に複数設けられ、前記係合部が前記板部の外周に間隔的にかつ前記受け部と同数設けられ、前記係止部位が、前記板部の周方向に隣接された前記係合部の間に形成された凹部を通過可能で、かつ、前記凹部からずれた状態で前記ケースの背面側から前記係合部を受けていることを特徴とする請求項6に記載の時計。
  8. 前記ねじ手段が前記板部に螺合されたねじであることを特徴とする請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の時計。
  9. 前記ねじの全体が前記胴の内部に配置されているとともに、前記胴に取付けられた前記ケースの裏蓋で、前記ねじが覆い隠されていることを特徴とする請求項8に記載の時計。
  10. 前記ケースが前記胴に前記ケースの背面側から接触して配置された裏蓋を備え、
    前記板部から前記ケースの背面方向に突出されかつ内周面に雌ねじ部が形成されていて前記胴に対し回り止めされた環状筒部を、前記引き込み部材が更に有しており、
    前記ねじ手段は、前記裏蓋に形成されていて、前記雌ねじ部に螺合される雄ねじ部であることを特徴とする請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の時計。
  11. 前記円筒部の外周に設けられた前記受け部と前記引き込み部材に設けられた前記引っ掛け部位との夫々が、前記ケースの厚み方向に複数形成されていて互いに引っ掛かっていることを特徴とする請求項3に記載の時計。
  12. 前記ねじの頭部が前記ケースの背面に露出されていることを特徴とする請求項8に記載の時計。
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