JP2017119256A - シリカ吸着剤およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 シリカの除去を確実に行うことができるシリカ吸着剤およびその製造方法を提供すること。【解決手段】 比表面積が20m2/g以上、更に好ましくは70m2/g以上である層状複水酸化物を有効成分とするシリカ吸着剤である。当該層状複水酸化物は、シリカを担持させたものであっても良い。また、当該層状複水酸化物は、(1)2価の金属と、3価の金属と、を含む酸性溶液と、(2)アルカリ性溶液と、(3)シリカを含む水溶液と、を混合して合成されるものである方が良い。【選択図】 図2

Description

この発明は、シリカ吸着剤およびその製造方法に関するものである。
地表水の大半には二酸化ケイ素(SiO2)又は二酸化ケイ素によって構成される物質であるシリカが含まれている。このシリカの含有量が高い場合には、非晶質シリカスケールの発生による深刻な汚れの問題がある。例えば、冷却、ボイラー、地熱、逆浸透、製紙などの工業的用途での水の有効利用が制限されてしまう。具体的には、処理の間に無機物が濃縮されると、約150ppmのシリカの溶解度を超えることがあるため、水処理操作が制限される。この値を超えるとシリカの沈殿と沈着が生じ、その結果、装置等の効率が失われることがある。更に、ボイラー、冷却装置、浄化装置などの水処理装置の内壁面にシリカが蓄積すると、熱交換チューブ、膜等を通る熱伝達量や水の流量が低下する。
一旦、水処理装置にシリカスケールができると、このスケールの除去は非常に難しくコストがかかる。このため、シリカの含有量が多い水では、シリカの溶解度を超えないよう調整する必要がある。
ここで従来は、逆浸透装置を用いてシリカを分離する方法があった(例えば、特許文献1参照)。また、スケールの付着を防止するためにコロイド状シリカ分散剤のような様々な添加剤を用いる方法もあった(例えば、特許文献2参照)。
特開平10−202066 特表2014−503352
しかし、逆浸透装置を用いる方法では、排水容量が大きいという問題があった。また、比較的大規模な装置にしか適用できないという問題もあった。
また、分散剤による方法は、イオン濃度等の水質や温度等の条件によって防止効果が変わるという問題があった。
そこで、本発明はシリカの除去を確実に行うことができるシリカ吸着剤およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のシリカ吸着剤は、比表面積が20m/g以上である層状複水酸化物を有効成分とすることを特徴とする。
この場合、前記層状複水酸化物は、シリカを担持させたものであっても良い。また、当該層状複水酸化物は、(1)2価の金属イオンと、3価の金属イオンと、を含む酸性溶液と、(2)アルカリ性溶液と、(3)シリカを含む水溶液と、を混合して合成されるものである方が好ましい。
また、前記層状複水酸化物は、比表面積が70m/g以上である方がより好ましい。更に、前記層状複水酸化物は、結晶子サイズが20nm以下である方が好ましい。
また、本発明のシリカ吸着剤の製造方法は、層状複水酸化物を有効成分とするシリカ吸着剤を製造する方法であって、(1)2価の金属イオンと、3価の金属イオンと、を含む酸性溶液と、(2)アルカリ性溶液と、(3)二酸化ケイ素を含む水溶液と、を混合して前記層状複水酸化物を合成する層状複水酸化物合成工程を有することを特徴とする。
この場合、前記層状複水酸化物合成工程は、前記酸性溶液とアルカリ性溶液の混合が完了した後、2時間以内に水分を除去又は中和することで合成する方が良く、更に好ましくは、前記酸性溶液とアルカリ性溶液の混合が完了した後、熟成を行わずに水分を除去又は中和することで合成する方が良い。
本発明によれば、層状複水酸化物によって水中のシリカを確実に除去できるので、スケールの発生等を防止することができる。
通水倍率(L/kg)に対する処理水のケイ素濃度(mg/l)と、通水倍率(L/kg)に対する吸着量を示すグラフである。 図1においてケイ素濃度をSiO濃度に換算したグラフである。
以下に、本発明のシリカ吸着剤について説明する。本発明のシリカ吸着剤は、比表面積が少なくとも20m/g以上である層状複水酸化物を有効成分とするものである。なお、シリカとは、二酸化ケイ素(SiO2)又は二酸化ケイ素によって構成される物質を意味する。
層状複水酸化物は、一般式がM2+ 1-xM3+ x(OH)2(An-x/n・mH2O(ここで、M2+は2価の金属イオン、M3+は3価の金属イオン、An-はn価の陰イオン、0<x<1、m>0)で表される不定比化合物であり、ハイドロタルサイト様化合物と呼ばれることもある。2価の金属イオン(M2+)としては、例えば、Mg2+、Fe2+、Zn2+、Ca2+、Li2+、Ni2+、Co2+、Cu2+等が挙げられる。また、3価の金属イオン(M3+)としては、例えば、Al3+、Fe3+、Cr3+、Mn3+等が挙げられる。また、陰イオン(An-)としては、例えば、ClO4 -、CO3 2-、HCO3 -、PO4 3-、SO4 2-、SiO4 4-、OH-、Cl-、NO2 -、NO3 -等が挙げられる。本発明のシリカ吸着剤に用いる層状複水酸化物は、2価の金属イオン(M2+)、3価の金属イオン(M3+)、陰イオン(An-)として、どのようなものを用いたものでもよい。
また、層状複水酸化物は、正電荷をもつ水酸化物層がシート状に積み重なり、その層間に負電荷をもつ陰イオンと水が保持された構造であり、水酸化物層のシートの積み重なり方により、菱面体晶構造のものと六方晶構造のものがある。本発明のシリカ吸着剤に用いる層状複水酸化物は、いずれの構造であってもよい。
また、本発明のシリカ吸着剤に用いる層状複水酸化物の形状は、スラリー状で用いるほか、スラリーをろ過・洗浄・乾燥・粉砕して粉末状にしたものや、粒状にしたもの等を用いることができる。なお、粒状で用いる場合、その粒径は特に限定されるものではないが、本発明のシリカ吸着剤に用いる層状複水酸化物の比表面積が20m/g以上のものであることから、従来の層状複水酸化物(比表面積の小さい層状複水酸化物)よりも大きい粒径を用いても高い効果を得ることができる。
また、本発明のシリカ吸着剤に用いる層状複水酸化物の結晶子サイズは、20nm以下とすることができ、10nm以下であることが好ましい。また、平均結晶子サイズが10nm以下であることが好ましい。
また、本発明のシリカ吸着剤に用いる層状複水酸化物は、層状複水酸化物の焼成物であってもよい。当該焼成物は、例えば、層状複水酸化物を約500℃以上で焼成することにより得ることができる。
本発明のシリカ吸着剤に用いる層状複水酸化物は、BET法による比表面積が20m/g以上であり、好ましくは30m/g以上であり、更に好ましくは50m/g以上であり、更に好ましくは70m/g以上である。比表面積の上限は特に限定されない。
BET法による比表面積は、例えば、窒素吸脱着等温線を比表面積・細孔分布測定装置を用いて測定し、当該測定結果からBET−plotを作成して求めることができる。
また、本発明者達が鋭意研究した結果、本発明の層状複水酸化物は、イオン交換可能な量を超えてシリカを吸着できることがわかった。これは、本発明の層状複水酸化物の比表面積が大きいことにより、シリカの吸着能力が非常に高いため、層状複水酸化物のイオン交換量を超えた後も、層状複水酸化物に吸着された多量のシリカが核となって更にシリカを吸着したためと考えられる。したがって、本発明のシリカ吸着剤においては、層状複水酸化物に予めシリカを担持させておいても良い。
また、本発明のシリカ吸着剤に用いる層状複水酸化物は、樹脂又は繊維に担持させたものであっても良い。
ここで、本発明に用いる樹脂としては、天然樹脂、合成樹脂のいずれであってもよい。また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。例えば、熱可塑性プラスチックとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル等の汎用プラスチック、超高分子量ポリエチレン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリブチレン・テレフタラレート、ポリエチレン・テレフタレート、ポリフェニレンオキシド等のエンジニアリングプラスチック、ポリベンゾイミダゾール、ポリアミド・イミド、ポリエーテル・スルフォン、ポリスルフォン、ポリエーテル・エーテルケトン、ポリフェニレン・スルフィド、ポリテトラ・フルオロ・エチレン、液晶ポリマー等のスーパーエンジニアリングプラスチックを用いることができる。また、熱硬化性プラスチックとしては、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等を用いることができる。また、熱可塑性エラストマー、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の熱硬化性樹脂系エラストマー、天然ゴム等を用いることができる。
また、本発明に用いる繊維としては、天然繊維、化学繊維のいずれであってもよい。天然繊維としては、例えば、絹、羽毛、獣毛等の動物性繊維、綿、麻等の植物繊維、石綿等の鉱物繊維を用いることができる。化学繊維としては、レーヨン、キュプラ等の再生繊維、アセテート、トリアセテート等の半合成繊維、ナイロン、ビニロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、レクセ・サクセス、ポリウレタン等の合成繊維、金属繊維、炭素繊維、ケイ酸塩繊維、精製繊維等の無機繊維を用いることができる。
層状複水酸化物を樹脂又は繊維に担持させる方法は、互いに接触させて一体化せしめる方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、バインダーを用いて層状複水酸化物を樹脂又は繊維の表面に結合させる方法や、層状複水酸化物を溶媒に溶解して樹脂又は繊維と均一に混合した後、撹拌し、所定条件の処理をして添着させる方法が挙げられる。また、層状複水酸化物を担持させた樹脂を繊維に含浸・コーティングする方法を用いることもできる。
本発明のシリカ吸着剤に用いる層状複水酸化物、樹脂および繊維の種類や配合割合は適宜選択すればよい。
[シリカ吸着剤の製造方法]
本発明のシリカ吸着剤に用いる層状複水酸化物は、(1)2価の金属イオンと、3価の金属イオンと、を含む酸性溶液と、(2)アルカリ性溶液と、を混合する層状複水酸化物合成工程において合成することができる。
ここで酸性溶液に含まれる2価の金属イオンとしては、例えば、Mg2+、Fe2+、Zn2+、Ca2+、Li2+、Ni2+、Co2+、Cu2+等を用いることができる。また、3価の金属イオンとしては、例えば、Al3+、Fe3+、Cr3+、Mn3+等を用いることができる。
また、層状複水酸化物は、生成後の熟成時間を短くする程、比表面積の大きいものを製造することができる。したがって、熟成時間は、比表面積が20m/g以上、好ましくは30m/g以上、更に好ましくは50m/g以上、更に好ましくは70m/g以上となるように熟成時間をコントロールする必要がある。具体的な熟成時間は、2時間以内にするのが良く、好ましくは1時間以内にするのが良く、更に好ましくは、熟成を行わないのが良い。熟成を止めるには、酸性溶液とアルカリ性溶液の混合が完了した後、当該混合液のpHを層状複水酸化物の結晶成長が止まる値まで下げれば良い。例えば、一般式がMg2+ 1-xAl3+ x(OH)2(An-)x/n・mH2Oで表される層状複水酸化物は、pHを9以下にすると熟成を止めることができる。また、一般式Zn2+ 1-xAl3+ x(OH)2(An-)x/n・mH2Oで表される層状複水酸化物は、pHを5以下にすると熟成を止めることができる。また、水分を除去することによっても、熟成を止めることができる。水分を除去するためには、吸引濾過、遠心分離など水分と層状複水酸化物とを分離するための適当な分離方法を用いれば良い。
また、シリカを担持させた層状複水酸化物を合成する場合には、既に合成された層状複水酸化物に対してシリカを接触させて調製しても良いが、層状複水酸化物の合成時に同時に合成しても良い。合成の方法としては、(1)2価の金属イオンと、3価の金属イオンと、を含む酸性溶液と、(2)アルカリ性溶液と、を混合して合成する際に、(3)シリカを含む水溶液を更に混合して同時に合成すれば良い。
(1)2価の金属イオン及び3価の金属イオンを含む酸性溶液と、(2)アルカリ性溶液と、(3)シリカを含む水溶液と、を混合する方法は、各溶液を十分に撹拌できるものであれば特に限定されないが、例えば、酸性溶液とアルカリ性溶液を混合した後、シリカを含む水溶液を同時に又は速やかに混合すれば良い。また、シリカを含む水溶液の存在下で、酸性溶液とアルカリ性溶液を適量ずつ混合させてもよい。
以下に、本発明のシリカ吸着剤に用いる層状複水酸化物の具体的な合成方法を説明する。
例えば、一般式が、Mg2+ 1-xAl3+ x(OH)2(An-)x/n・mH2O(An-はn価の陰イオン、m>0)である層状複水酸化物を製造する場合には、まず、アルミニウムイオンとマグネシウムイオンを含む酸性溶液を調製する。
アルミニウムイオンのアルミニウム源としては、水中でアルミニウムイオンを生成するものであれば良く、特定の物質に限定されるものではない。例えば、アルミナ、アルミン酸ソーダ、水酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、ボーキサイト、ボーキサイトからのアルミナ製造残渣、アルミスラッジ等を用いることができる。また、これらアルミニウム源は、いずれかを単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いても良い。
また、マグネシウムイオンのマグネシウム源としては、水中でマグネシウムイオンを生成する物であれば良く、特定の物質に限定されるものではない。例えば、ブルーサイト、水酸化マグネシウム、マグネサイト、マグネサイトの焼成物等を用いることができる。これらマグネシウム源は、いずれかを単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いても良い。
なお、前記アルミニウム源としてのアルミニウム化合物、マグネシウム源としてのマグネシウム化合物は、前記酸性溶液にアルミニウムイオン、マグネシウムイオンが存在していれば完全に溶解している必要はない。したがって、酸性溶液中に溶解していないアルミニウム化合物やマグネシウム化合物を含んでいても問題なく層状複水酸化物を製造することができる。
また、Mg2+ 1-xAl3+ x(OH)2(An-)x/n・mH2Oで表わされる高結晶質の層状複水酸化物は、アルミニウムイオンとマグネシウムイオンのモル比が1:3(x=0.25)となっていることが知られている。したがって、酸性溶液中のアルミニウムイオンとマグネシウムイオンのモル比は、1:5〜1:2の範囲とするのが好ましい。この範囲とすることによって、アルミニウム源とマグネシウム源を無駄にすることなく、物質収支的に有利に層状複水酸化物を製造することができる。
酸性溶液に含まれる酸としては、水溶液を酸性にするものであれば特に限定されないが、例えば、硝酸や塩酸を用いることができる。
アルカリ性溶液に含まれるアルカリとしては、水溶液をアルカリ性にするものであれば特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等を用いることができる。また、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、アンモニア水、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウムなどを用いることもできる。これらはいずれかを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。アルカリ性溶液は、pHを8〜14に調製したものを用いることができ、pHを8〜11に調製したものを用いるのが好ましい。
この酸性溶液とアルカリ性溶液を所定の割合で混合することにより、層状複水酸化物が生成する。この際、上述したように、層状複水酸化物は、生成後の熟成時間を短くする程、比表面積の大きいものを製造することができる。したがって、当該層状複水酸化物合成工程は、当該酸性溶液とアルカリ性溶液の混合が完了した後、2時間以内、好ましくは1時間以内に熟成を止めるのが良く、更に好ましくは、熟成を行わないのが良い。
熟成を止めるには、酸性溶液とアルカリ性溶液の混合が完了した後、当該混合液のpHを層状複水酸化物の結晶成長が止まる値まで下げる方法と、水分を除去する方法がある。
pHを層状複水酸化物の結晶成長が止まる値まで下げる方法としては、例えば、酸性溶液とアルカリ性溶液を混合した後に直ちに水で希釈する方法により行うことができる。例えば、一般式がMg2+ 1-xAl3+ x(OH)2(An-)x/n・mH2Oで表される層状複水酸化物は、pHが9以下となるように水で希釈すれば良い。
水分の除去による方法としては、吸引濾過、遠心分離など水分と層状複水酸化物とを分離するための適当な分離方法を用いることができる。
また、シリカを担持させた層状複水酸化物を合成する場合には、上述したように、既に合成された層状複水酸化物に対してシリカを接触させて調製しても良く、また、層状複水酸化物の合成時にシリカを含む水溶液を混合して同時に合成しても良い。
以下に、本発明のシリカ吸着剤に用いる層状複水酸化物および本発明のシリカ吸着剤のシリカ吸着効果を示す実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1(比表面積)
製造方法等が異なる4種類の層状複水酸化物1〜4を準備し、それぞれの比表面積を測定した。比表面積の測定は、各層状複水酸化物の粉体粒子表面に窒素ガスを液体窒素の温度(−196℃)で吸着させ、その量からBET法によって計算した。その結果を表1に示す。
Figure 2017119256
なお、各層状複水酸化物1〜4の詳細は以下の通りである。
(1)層状複水酸化物1
和光純薬株式会社製の層状複水酸化物(販売元コード:324−87435)を層状複水酸化物1とした。
(2)層状複水酸化物2
まず、塩化マグネシウム六水和物(和光純薬工業株式会社製)16.92gと塩化アルミニウム六水和物(和光純薬工業株式会社製)10.06gを26.98gの蒸留水に溶解させ、酸性溶液を調製する。また、水酸化ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)10gを30gの蒸留水に溶解させ、アルカリ性溶液を調製する。次いで、当該酸性溶液とアルカリ溶液を混合し、当該混合溶液に281.85gの蒸留水を、時間をおかず速やかに添加して、pH7.5−8.5に調整した。そして、24時間後に当該溶液をろ過し、得られたろ過物を120℃で10時間乾燥したものを層状複水酸化物2とした。
(3)層状複水酸化物3
まず、塩化マグネシウム六水和物(和光純薬工業株式会社製)16.92gと塩化アルミニウム六水和物(和光純薬工業株式会社製)10.06gを26.98gの蒸留水に溶解させ、酸性溶液を調製する。また、水酸化ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)10gを30gの蒸留水に溶解させ、アルカリ性溶液を調製する。次いで、当該酸性溶液とアルカリ溶液を混合し、当該混合溶液に281.85gの蒸留水を、時間をおかず速やかに添加した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH10.0に調整した。そして、24時間後に当該溶液をろ過し、得られたろ過物を120℃で10時間乾燥したものを層状複水酸化物3とした。
(4)層状複水酸化物4
まず、塩化マグネシウム六水和物(和光純薬工業株式会社製)16.92gと塩化アルミニウム六水和物(和光純薬工業株式会社製)10.06gを26.98gの蒸留水に溶解させ、酸性溶液を調製する。また、水酸化ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)10gを30gの蒸留水に溶解させ、アルカリ性溶液を調製する。次いで、当該酸性溶液とアルカリ溶液を混合し、当該混合溶液に281.85gの蒸留水を、時間をおかず速やかに添加した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH12.0に調整した。そして、24時間後に当該溶液をろ過し、得られたろ過物を120℃で10時間乾燥したものを層状複水酸化物4とした。
実施例2(吸着効果)
本発明シリカ吸着剤の吸着効果を調べる試験を行った。本発明のシリカ吸着剤としては、有効成分として層状複水酸化物2を75g充填したカラム用いた。カラムは、PMMA製で直径100mm、内径90mm、長さ200mmの円筒状のものを用いた。このカラムにケイ素濃度が22〜24mg、水素イオン指数(pH)が約7の水溶液(原水)を通水速度がSV=4(0.3L/h)となるように通水した。通水倍率(L/kg)に対する処理水のケイ素濃度(mg/l)と、通水倍率(L/kg)に対する吸着量の測定結果を図1に示す。また、ケイ素濃度を元にSiO濃度に換算した結果を図2に示す。
処理水のシリカ濃度の上限を30ppmとすると、通水倍率は900倍すなわち本発明のシリカ吸着剤1kgで900リットルを処理できることがわかった。

Claims (8)

  1. 比表面積が20m/g以上である層状複水酸化物を有効成分とするものであることを特徴とするシリカ吸着剤。
  2. 前記層状複水酸化物は、シリカを担持させたものであることを特徴とする請求項1記載のシリカ吸着剤。
  3. 前記層状複水酸化物は、
    (1)2価の金属イオンと、3価の金属イオンと、を含む酸性溶液と、
    (2)アルカリ性溶液と、
    (3)シリカを含む水溶液と、
    を混合して合成されるものであることを特徴とする請求項1又は2記載のシリカ吸着剤。
  4. 前記層状複水酸化物は、比表面積が70m/g以上であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のシリカ吸着剤。
  5. 前記層状複水酸化物は、結晶子サイズが20nm以下であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のシリカ吸着剤。
  6. 層状複水酸化物を有効成分とするシリカ吸着剤を製造する製造方法であって、
    (1)2価の金属イオンと、3価の金属イオンと、を含む酸性溶液と、
    (2)アルカリ性溶液と、
    (3)シリカを含む水溶液と、
    を混合して前記層状複水酸化物を合成する層状複水酸化物合成工程を有することを特徴とするシリカ吸着剤の製造方法。
  7. 前記層状複水酸化物合成工程は、前記酸性溶液とアルカリ性溶液の混合が完了した後、2時間以内に水分を除去又は中和することで合成することを特徴とする請求項6記載のシリカ吸着剤の製造方法。
  8. 前記層状複水酸化物合成工程は、前記酸性溶液とアルカリ性溶液の混合が完了した後、熟成を行わずに水分を除去又は中和することで合成することを特徴とする請求項6記載のシリカ吸着剤の製造方法。
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