JP2013154318A - 磁性吸着剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】フッ素イオンやホウ素を含有する溶液から、これらを効率良く分離する方法を提供する。
【解決手段】磁性体粒子とハイドロタルサイト様物質、酸化マグネシウム、または水酸化マグネシウムが水性樹脂エマルジョン、または耐水化された水溶性樹脂を用いて結着されている磁性吸着剤を用いてフッ素イオンやホウ素を分離する。水性樹脂エマルジョンはポリ(スチレン/ブタジエン)共重合エマルジョンであり、耐水化された水溶性樹脂はポリビニルアルコールである。
【選択図】なし

Description

本発明は、フッ素イオンやホウ素を含有する溶液から、これらを効率良く分離する吸着剤に関するものである。
半導体製造工場、メッキ工場、ゴミ焼却場、火力発電所等から排出される排水には多くの場合、有害物質であるフッ素イオンが含まれている。また、フッ素イオンで汚染された土壌からはフッ素イオンを含む汚染地下水が流出し、さらにこの汚染土壌を噴射攪拌工法で浄化しようとすると高濃度のフッ素イオンを含む泥水が排出されてくる。近年、社会的要請からフッ素イオンに対する排水規制が厳しくなり、8mg/リットル以下という厳しい規制が敷かれており、この規制に対応可能なフッ素イオン除去方法が求められている。
従来、排水中のフッ素イオンの分離除去には、カルシウム化合物を添加してフッ素イオンを難溶性化合物に変換し凝集沈殿させる方法が用いられてきた。しかし、この処理を行った後でもフッ素イオン濃度は15mg/リットル前後と高く、規制値をクリアするためにはさらに高度な処理を行う必要がある。高次処理としては、アルミニウム、鉄塩、マグネシウム塩等の副資材を添加する方法があるが、多量の汚泥スラッジが生成するという問題点がある。高次処理の別の方法としては、アルミニウムや鉄を担持させたキレート樹脂を用いる方法(例えば、特許文献1参照)、ジルコニウムを担持させた陽イオン交換樹脂を用いる方法(例えば、特許文献2参照)、希土類金属担持樹脂を用いる方法(例えば、特許文献3参照)等も提案されている。これらの方法はいずれもそれぞれの樹脂を吸着塔に充填する形態で使用する。従って使用に際しては、加圧送水のための設備が必要である。大量の排水を処理するためには大口径の吸着塔が必要となるが、口径が大きくなると液流が不均一になり十分な吸着性能を発揮しにくくなるという問題がある。さらに排水に含まれる微小な固形物や、樹脂自体から経時により徐々に発生する破砕物により目詰まりが発生しやすく、そのつど逆洗を実施する必要が出てくるという問題もある。
ホウ素もまた人の健康に影響を与えることが明らかとなっていることから、現在においては排出規制が実施されている。例えば、河川及び湖沼においては10mg/リットル以下という規制が敷かれている。ホウ素化合物は、例えば、ガラス製品、医薬品、化粧品、半導体、メッキ製品等の製造に使用され、その製造排水中に含まれている。また、火力発電所排水、排煙脱硫排水、ゴミ焼却施設排水、一部の温泉水、その他の工場排水にも含まれている場合が多い。このため、これらの排水処理においては、排水中に含まれているホウ素を排水から除去しなければならない。
排水中のホウ素の分離除去には、従来から種々の方法が提案されてきた。代表的な方法としては、ポリスチレン系樹脂の母体を用いたN−メチルグルカミン型キレート樹脂があり、広く用いられている(例えば、特許文献4参照)。この樹脂のホウ素への吸着部位は、樹脂外辺部と内部細孔部に分布しており、内部細孔部へのホウ素イオンや再生剤の拡散速度が遅いため、吸着処理速度や再生速度が遅いという問題がある。再生に関しては、単に時間がかかるだけでなく、大量の再生廃水が生じるという事態にも至っている。樹脂外辺部の比率を高めるために粒径を小さくすると、通液圧力が大きくなってしまう。また、使用不能となった際の焼却処分が困難であるという問題もある。これに対して、セリウムの含水酸化物の表面を、多孔質の高分子樹脂層でコートした吸着剤も提案されている(例えば、特許文献5参照)。この吸着剤は効率良く吸着と再生が可能であるが、セリウム自体を大量入手することが難しいため製造コストを下げることが困難であり、汎用的に用いるに際しての障害となっている。
ホウ素を廃水から沈殿分離させる方法も種々提案されている。例えば、フェノール性水酸基含有化合物を加えてホウ素錯体を形成させ、次いで不溶化剤を加えて沈殿分離させる方法(例えば、特許文献6参照)がある。この方法においては錯体形成のために大量のフェノール性水酸基含有化合物と不溶化剤を加える必要があり、実用性に欠ける。さらに別の方式として、ホウ素を過酸化物によって処理した後、多価金属化合物等と沈殿を形成させる方法(例えば、特許文献7及び8参照)も提案されている。この方法においては沈殿物が過酸化物を含有しており、大量の廃水を処理するには不向きである。
排水中のフッ素イオンやホウ素を、ハイドロタルサイト様物質の陰イオン交換作用を利用してこれらに吸着させて分離する試みも知られている。ただしハイドロタルサイト様物質は、フッ素イオンやホウ素を吸着させた後に沈殿、またはろ過などにより分離する必要があり、この工程を効率化するために磁性ハイドロタルサイト様物質がいくつか提案されている。例えばハイドロタルサイトを、第一鉄イオン及び第二鉄イオンを含有する水溶液に混合し、塩基性反応条件で磁性酸化鉄を生成させる方法(例えば、特許文献9参照)がある。この方法では、ハイドロタルサイトの有効な吸着サイトが磁性酸化鉄により封じられるため、吸着能が小さくなる。磁性成分の存在下にハイドロタルサイトを合成し、焼成によってハイドロタルサイトと磁性成分の結合を図る方法(例えば、特許文献10参照)もある。この方法は高温長時間にわたる焼成工程が必要であり、実用性が薄い。さらに別の方法として、ハイドロタルサイトを磁性成分とバインダーの共存下に生成させる方法(例えば、特許文献11参照)も提案されている。この方法では、ハイドロタルサイト生成のために、オートクレーブを用いて120℃にて1時間加熱するといった水熱処理が必要であり、実用性にやや乏しいものである。
特開昭50−44649号公報 特開平08−89949号公報 特開昭61−192340号公報 米国特許第2813838号明細書 特開2007−160271号公報 特開2007−29925号公報 特開2007−283216号公報 特開2007−283217号公報 特開2004−121890号公報 特開2006−56829号公報 特開2008−222474号公報
本発明の課題は、フッ素イオンやホウ素を含有する溶液から、磁気分離技術を用いて効率良くこれら有害成分を分離することが可能であり、かつ比較的簡単な手法により製造可能な吸着剤を提供することにある。
上記課題を鋭意研究し、磁性体粒子とハイドロタルサイト様物質、酸化マグネシウム、または水酸化マグネシウムが、水性樹脂エマルジョンまたは耐水化された水溶性樹脂により結着されている磁性吸着剤を用いることにより、フッ素イオンやホウ素を含有する溶液から、効率良くこれらを分離することができることを見いだして、本発明に到達した。また水性樹脂エマルジョンとしてはポリ(スチレン/ブタジエン)共重合エマルジョンが好ましく、水溶性樹脂としてはポリビニルアルコールが好ましいことを見いだした。
本発明においては、磁性体粒子とハイドロタルサイト様物質、酸化マグネシウム、または水酸化マグネシウムを、水性樹脂エマルジョンまたは耐水化された水溶性樹脂により結着させた磁性吸着剤を、フッ素イオンやホウ素を含有する溶液に分散させたのち、磁気分離により回収する。ハイドロタルサイト様物質を含有する磁性吸着剤は速やかにフッ素イオンやホウ素を吸着することができ、また酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムを含有する磁性吸着剤は速やかにフッ素イオンを吸着することができるので、吸着処理時間は短くて済む。また、フッ素イオンやホウ素含有溶液が夾雑物を含んでいても、予めこれらを除くことなく吸着処理を行い、フッ素イオンやホウ素を吸着した磁性吸着剤だけを磁気分離により回収することができる。夾雑物が汚泥、土壌、焼却灰等に由来する物質であっても、磁気分離には何ら影響しない。その結果、本発明においてはフッ素イオンやホウ素含有溶液から、極めて短時間かつ簡単な操作によりこれらを分離することが可能になる。
本発明に用いられる磁性体粒子としては特に制限はなく、磁性を示すあらゆる材料を用いることができる。例えば鉄、ニッケル、コバルト等の金属またはこれらを主成分とする磁性合金の粉末、四三酸化鉄、三二酸化鉄、コバルト添加酸化鉄、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等の金属酸化物系磁性体の粉末が挙げられる。磁性体粒子の粒径は0.1〜100μmが好ましい。0.1μm未満では、取り扱いに困難が生じることがあり、100μmを超えると、ハイドロタルサイト様物質、酸化マグネシウム、または水酸化マグネシウムとの混合がスムースに進まない場合がある。本発明の磁性吸着剤におけるこれら磁性体粒子の含有率は10〜70質量%が好ましく、特に20〜60質量%となるようにするのが好ましい。含有率が10質量%を下回ると磁気分離の効率が低下するので好ましくない。また70質量%を上回ると、ハイドロタルサイト様物質、酸化マグネシウム、または水酸化マグネシウムの含有率が低くなるためにフッ素イオンやホウ素の吸着性が低下するので好ましくない。
本発明に用いられるハイドロタルサイト様物質とは、一般式[M(II)1−xM(III)(OH)][An− x/n・mHO](式中のM(II)は、Mg、Ni、Zn、Feなどの中から選ばれた少なくとも1種の二価金属カチオン、M(III)はAl、Fe、Crなどを主体とする三価金属カチオン、An−はn価のアニオン、xは0.20≦x≦0.33の範囲内の数値、mは0≦m≦10の範囲内の数値、nは1、2、または3である)で表される化合物である。このうちM(II)がMg2+、M(III)がAl3+のものがハイドロタルサイトとして天然に産出している。本発明においては、これらのハイドロタルサイト様物質を特に制限なく用いることができる。本発明に用いられる酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムについて、特に制限はない。
本発明に用いられる水性樹脂エマルジョンとしては特に制限はなく、公知のものを用いることができる。例えば、ポリウレタン系エマルジョン、ポリアクリル酸エステル系エマルジョン、ポリ酢酸ビニル系エマルジョン、ポリ(エチレン/酢酸ビニル共重合)エマルジョン、ポリ(スチレン/ブタジエン)共重合エマルジョン等が挙げられ、これらのうちの1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用することもできる。さらに、これらの樹脂を変性した変性樹脂のエマルジョンも使用できる。これらの中で、ハイドロタルサイト様物質、酸化マグネシウム、または水酸化マグネシウム本来の吸着能を落とすことなく耐水性の高い吸着剤を与えることができるという点で、ポリ(スチレン/ブタジエン)共重合エマルジョンが好ましい。
本発明に用いられる水溶性樹脂としては特に制限はなく、公知のものを用いることができる。例えば、デンプン、ゼラチン、キチン類、キトサン類、ポリビニルアルコール系樹脂(ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール等)、セルロース系樹脂(メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等)、ポリアクリル酸系樹脂、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等を挙げることができる。これらの水溶性樹脂を耐水化するには、架橋剤を使用する方法や加熱により結晶化を促進する方法がある。架橋剤としては特に制限はなく、公知のものを用いることができる。例えば、オキサゾリンポリマー、水溶性エポキシ化合物、水溶性メラミン化合物、水分散ブロックイソシアネート、水系アジリジン化合物、チタン化合物、ジルコニウム化合物、ケイ素化合物、アルデヒド化合物、ホウ酸等を挙げることができる。これらの中で、ハイドロタルサイト様物質、酸化マグネシウム、または水酸化マグネシウム本来の吸着能を落とすことなく耐水性の高い吸着剤を与えることができるという点で、架橋剤や加熱による結晶化で耐水化したポリビニルアルコールが好ましい。
本発明の磁性吸着剤における水性樹脂エマルジョン、水溶性樹脂の含有率は5〜50質量%が好ましく、特に10〜30質量%となるようにするのが好ましい。含有率が5質量%を下回ると磁性吸着剤の物理的強度が低下して、磁性吸着剤が分解しやすくなるので好ましくない。含有率が50質量%を上回ると、フッ素イオンやホウ素の吸着効率が低下するので好ましくない。
本発明の磁性吸着剤の製造方法としては、磁性体粒子とハイドロタルサイト様物質、酸化マグネシウム、または水酸化マグネシウムとを水性樹脂エマルジョン、水溶性樹脂と共に混合、乾燥、粉砕する方法がある。混合方法、乾燥方法、粉砕方法に特に制限はなく、また各工程において用いられる装置についても特に制限はない。
フッ素イオンやホウ素成分を含む溶液と本発明の磁性吸着剤の接触方法としては、溶液に磁性吸着剤を投入して攪拌するバッチ処理が、簡便な装置で実施できるので好ましい。攪拌方法としては、攪拌羽根で攪拌する方法やエアレーションなど曝気による方法などを例示することができる。フッ素イオンやホウ素を含む溶液と磁性吸着剤の接触時間は、10分〜2時間が好ましい。接触時間が10分より短いと、フッ素イオンやホウ素の吸着が不十分となることがある。2時間より長く接触させても、吸着がすでに平衡に達しているため作業効率上好ましくないうえに、長時間の攪拌が磁性吸着剤の機械的な強度に悪影響を与えることがある。
フッ素イオンやホウ素を含む溶液に対する、本発明の磁性吸着剤の添加量に制限はなく、フッ素イオンやホウ素が目的とするレベルまで除去される添加量を、フッ素イオンやホウ素の濃度に応じて実験的に定めればよい。
フッ素イオンやホウ素を吸着した磁性吸着剤は、永久磁石、電磁石、超電導磁石によって短時間に集磁され、フッ素イオンやホウ素が除かれた溶液から分離される。用いられる磁気分離装置に関して特に制限はない。
以下に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものでない。なお、実施例中の百分率は、特にことわりのない場合、質量基準である。
<磁性吸着剤1の合成>
平均粒径5μmの四三酸化鉄(1g)とハイドロタルサイト(協和化学工業(株);キョーワード2000;2g)を、ポリ(スチレン/ブタジエン)共重合エマルジョン(旭化成(株);E−1585;固形分約50%;0.9g)、水5.5mlと共に乳鉢で混練し、シャーレに広げて80℃で3時間乾燥させた。得られた乾燥固形物をミニブレンダーで粉砕して、磁性吸着剤1を3.3g得た。
<磁性吸着剤2の合成>
ポリ(スチレン/ブタジエン)共重合エマルジョンをポリアクリル酸エステル系エマルジョン(日信化学工業(株);ビニブラン2680;固形分30%;1.5g)に置き換える他は、磁性吸着剤1の合成と同様に操作して、磁性吸着剤2を3.3g得た。
<磁性吸着剤3の合成>
ポリ(スチレン/ブタジエン)共重合エマルジョンをポリウレタン系エマルジョン(DIC(株);ハイドランWLS−206;固形分35%;1.29g)に置き換える他は、磁性吸着剤1の合成と同様に操作して、磁性吸着剤3を3.4g得た。
<磁性吸着剤4の合成>
ポリ(スチレン/ブタジエン)共重合エマルジョンと水5.5mlを、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)(10%溶液4.5g)、デスモジュールBL−3175(住化バイエルウレタン(株);0.2g)、及び水2mlに置き換える他は、磁性吸着剤1の合成と同様に操作して、磁性吸着剤4を3.4g得た。
<磁性吸着剤5の合成>
ポリ(スチレン/ブタジエン)共重合エマルジョンと水5.5mlをカルボキシメチルセルロース(日本製紙ケミカル(株);サンローズ;10%溶液4.5g)、デスモジュールBL−3175(住友バイエルウレタン(株);0.2g)、及び水2mlに置き換える他は、磁性吸着剤1の合成と同様に操作して、磁性吸着剤5を3.3g得た。
<磁性吸着剤6の合成>
ポリ(スチレン/ブタジエン)共重合エマルジョンと水5.5mlをポリビニルアルコール((株)クラレ;R1130;10%溶液4.5g)と水2mlに置き換え、乾燥条件を120℃で3時間とする他は、磁性吸着剤1の合成と同様に操作して、磁性吸着剤6を3.4g得た。
<磁性吸着剤7の合成>
ポリ(スチレン/ブタジエン)共重合エマルジョンと水5.5mlをポリビニルアルコール((株)クラレ;PVA117;10%溶液4.5g)と水2mlに置き換え、乾燥条件を120℃で3時間とする他は、磁性吸着剤1の合成と同様に操作して、磁性吸着剤7を3.4g得た。
<磁性吸着剤8の合成>
ハイドロタルサイトを酸化マグネシウム(協和化学工業(株);キョーワマグ150;2g)に置き換える他は、磁性吸着剤1の合成と同様に操作して、磁性吸着剤8を3.2g得た。
<磁性吸着剤9の合成>
ハイドロタルサイトを酸化マグネシウム(協和化学工業(株);キョーワマグ150;2g)に置き換え、ポリ(スチレン/ブタジエン)共重合エマルジョンと水5.5mlをポリビニルアルコール((株)クラレ;PVA117;10%溶液4.5g)と水2mlに置き換え、乾燥条件を120℃で3時間とする他は、磁性吸着剤1の合成と同様に操作して、磁性吸着剤9を3.3g得た。
<磁性吸着剤10の合成>
ハイドロタルサイトを水酸化マグネシウム(協和化学工業(株);キスマ1;2g)に置き換える他は磁性吸着剤1の合成と同様に操作して、磁性吸着剤10を3.2g得た。
<磁性吸着剤11の合成>
ハイドロタルサイトを水酸化マグネシウム(協和化学工業(株);キスマ1;2g)に置き換え、ポリ(スチレン/ブタジエン)共重合エマルジョンと水5.5mlをポリビニルアルコール((株)クラレ;PVA117;10%溶液4.5g)と水2mlに置き換え、乾燥条件を120℃で3時間とする他は、磁性吸着剤1の合成と同様に操作して、磁性吸着剤11を3.3g得た。
<比較吸着剤1の合成>
ハイドロタルサイト(協和化学工業(株);キョーワード2000;2g)を水35mlに懸濁させ、硫酸第二鉄水溶液(Fe(SO・nHOの2.8gを水100mlに溶解した水溶液)及び硫酸第一鉄水溶液(FeSO・7HOの3.3gを水35mlに溶解した水溶液)を順次攪拌しながら添加し、5規定水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを11に調整した。室温にて1時間攪拌後、酸を加えて中性に戻し、反応容器の外から磁石を当て、デカンテーションにより水相を廃棄した。残留固形物に水100mlを加え10分攪拌後、同様にデカンテーションにて水相を廃棄し、この作業を3回繰り返した後、残留固形物を取り出して乾燥させ、比較吸着剤1を得た。収量は2.2gであった。
<比較吸着剤2の合成>
ハイドロタルサイトを酸化マグネシウム(協和化学工業(株);キョーワマグ150;2g)に置き換える他は、比較吸着剤1と同様に操作して、比較吸着剤2を得た。収量は2.3gであった。
<比較吸着剤3の合成>
ハイドロタルサイトを水酸化マグネシウム(協和化学工業(株);キスマ1;2g)に置き換える他は、比較吸着剤1と同様に操作して、比較吸着剤3を得た。収量は2.2gであった。
実施例1
フッ化ナトリウムで調製したフッ素イオン濃度10mg/リットルの水溶液25m1に、磁性吸着剤1〜11と比較吸着剤1〜3のそれぞれ0.2gを添加し、20℃で30分間攪拌した後、容器外部から磁石を当ててデカンテーションすることにより固形分と母液を分離し、母液のフッ素イオン濃度をイオンクロマトで求めた。結果を表1に示す。
Figure 2013154318
実施例2
ホウ酸で調製したホウ素濃度10mg/リットルの水溶液50m1に、磁性吸着剤1〜7と比較吸着剤1のそれぞれ0.1gを添加し、20℃で30分間攪拌した後、容器外部から磁石を当ててデカンテーションすることにより固形分と母液を分離し、母液のホウ素濃度をICP−AESで求めた。結果を表2に示す。
Figure 2013154318
磁性吸着剤1〜11と比較吸着剤1〜3の合成結果の比較から、本発明によれば簡単な手法により磁性吸着剤が得られることがわかる。実施例1の結果からは、本発明によれば微量のフッ素イオンを速やかにかつ、磁気分離を用いて効率良く分離することが可能であることが示される。さらに実施例1の評価結果の中で、磁性吸着剤1及び6〜7と磁性吸着剤2〜5の比較から、結着剤としてポリ(スチレン/ブタジエン)共重合エマルジョンまたはポリビニルアルコールを用いると、高い除去レベルが得られるので好ましいことがわかる。実施例2の結果からは、本発明によれば微量のホウ素を速やかにかつ、磁気分離を用いて効率良く分離することが可能であることが示される。
本発明によれば、フッ素イオンやホウ素を含有する溶液に磁性吸着剤を添加し、一定時間後に磁性吸着剤を磁気分離により取り出すことで、これらを分離することができる。フッ素イオンやホウ素を含有する溶液が汚泥、土壌、焼却灰等を含有していても、磁気分離にはほとんど影響しないことから、本発明はこれらを含有するフッ素イオンやホウ素含有溶液の浄化に有効であると考えられる。

Claims (4)

  1. 磁性体粒子とハイドロタルサイト様物質、酸化マグネシウム、または水酸化マグネシウムが水性樹脂エマルジョンを用いて結着されている磁性吸着剤。
  2. 磁性体粒子とハイドロタルサイト様物質、酸化マグネシウム、または水酸化マグネシウムが耐水化された水溶性樹脂を用いて結着されている磁性吸着剤。
  3. 水性樹脂エマルジョンがポリ(スチレン/ブタジエン)共重合エマルジョンである、請求項1記載の磁性吸着剤。
  4. 水溶性樹脂がポリビニルアルコールである、請求項2記載の磁性吸着剤。
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