JP2017114900A - 乳化型化粧料 - Google Patents
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Description
外線に対する防御能が高い乳化型化粧料に関する。
VA防御能をPAとして表されている。さらに、より高い紫外線防御能が付与されている紫外線防御化粧料としては、伸びやもちの観点から乳化剤形が好まれている。かかる乳化剤形には、油中水乳化剤形や水中油乳化剤形などが挙げられる。
ことを目的として紫外線吸収剤や紫外線散乱剤(二酸化チタン、酸化亜鉛など)が配合されている。
能が得られるものの、効果としては十分とはいえない場合が存した。さらに、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の併用もなされているが、紫外線吸収剤と、紫外線散乱剤を油相及び水相の内外相に配合することは全く知られていなかったし、さらにこのような技術により、良好な使用性を有し、顕著な紫外線防御効果を有する乳化型化粧料を作製しうることも全く知られていなかった。
することにある。
化型化粧料を求めて鋭意研究した結果、乳化剤形の化粧料の油相及び水相に紫外線散乱剤である微粒子金属酸化物を配合し、さらに紫外線吸収剤を配合した化粧料が課題を解決しうることを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は以下に示す通りである。
(1)以下の(a)〜(d)を含有し、油相中に(a)及び(b)を、かつ水相中に(c)を含有することを特徴とする、乳化型化粧料。
(a)表面処理されていてもよい微粒子金属酸化物
(b)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル及び/又はt−ブチルメトキシベンゾイルメタン
(c)表面処理されていてもよい微粒子金属酸化物
(d)シリカ、ポリメタクリル酸メチル、及び鱗片状ガラスから選択される粉体
(2)前記(a)及び(c)の微粒子金属酸化物が、それぞれ独立して微粒子二酸化チタン及び/又は微粒子酸化亜鉛であることを特徴とする、(1)に記載の乳化型化粧料。
(3)前記微粒子二酸化チタン及び/又は微粒子酸化亜鉛を水又は油剤への分散ペーストとして混合することにより製造された、(2)に記載の乳化型化粧料。
(4)紫外線防御用化粧料であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の乳化型化粧料。
される。
本発明に関わる微粒子金属酸化物とは、平均一次粒子径が10〜80nmの範囲にあるものを指す。より詳細には、微粒子二酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化ジルコニウム、微粒子酸化セリウム等が好適に例示できる。これらの微粒子金属酸化物は、その表面が、シリカ、アルミナ等の無機化合物、あるいは脂肪酸金属石鹸、シリコーン等の有機化合物により被覆されていても良い。これら微粒子金属酸化物の中で、紫外線散乱効果に優れることから、微粒子二酸化チタン、微粒子酸化亜鉛が特に好ましい。
また、微粒子酸化亜鉛としては、「MZ−300」、「MZY−303S」、「MZ−306X」、「MZ−500」、「MZY−505S」、「MZ−506X」、「MZY−510M3S」、「MZ−510HPSX」、「WSX−MZ−700」(以上、テイカ(株)製)、「SANT−UFZO−450」、「SANT−UFZO−500」(以上、三好化成(株)製)、「FZO−50」(石原産業(株)製)、「マックスライトZS−032」、「マックスライトZS−032D」(以上、昭和電工(株)製)等が挙げられる。
<製造例1>
水相への微粒子二酸化チタンの配合は、特開2010-150164に記載のごとく、
二酸化チタン複合体として配合することが分散性向上の観点から好ましい。本水分散ペーストを調製するにあたり、微粒子二酸化チタン「MT−05」(シリカアルミナ処理微粒子二酸化チタン テイカ(株)製)を用いた。シリカアルミナ処理二酸化チタン換算で20g/Lのチタニア微粒子水分散液5Lとポリアクリル酸(重合度5000)20g(和光純薬工業(株)製)を純水8Lに溶解した溶液を混合し、1時間の熟成後、さらに2N苛性ソーダ水溶液pHを5に調整し、さらに1時間熟成した。これを濾過、洗浄して湿ケーキを得て、純水中にリパルプした後、チタニア微粒子複合体(固形分濃度25%、pH7.5)を得た(試料A)。
<製造例2>
微粒子二酸化チタン「MT−100TV」(テイカ(株)製)50g、デカメチルシクロペンタシロキサン56g、セスキイソステアリン酸ソルビタン4gをコボールミル(神鋼パンテック(株)製)にとり、8時間混合粉砕を行い、油剤分散微粒子二酸化チタンペーストを得た(試料B)。
<製造例3>
微粒子酸化亜鉛「MZ−503」(テイカ(株)製)を製造例2と同様の操作を行って、微粒子酸化亜鉛ペーストを得た(試料C)。
製造例3における微粒子酸化亜鉛を「MZY−510M3S」(テイカ(株)製)に代え、製造例2と同様の操作を行って、微粒子酸化亜鉛ペーストを得た。
本発明に関わる成分として、A領域の紫外線を吸収する紫外線吸収剤(以下UVA吸収剤という)を含有する。このようなUVA吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、ビス(レスルシニル)トリアジン、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、t−ブチルメトキシベンゾイルメタン等の化合物が挙げられる。この中でも、紫外線吸収能に優れることから、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、t−ブチルメトキシベンゾイルメタンが特に好ましい。これらの化合物には市販品が存し、市販品をそのまま用いることもできる。具体的な市販品としては「ユビナール A プラス グラニュラー」(ジエチルア
ミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル BASF社製)、「パルソール1789」(t−ブチルメトキシベンゾイルメタン DSM ニュートリション ジャパン社製)が例示でき
る。
ことが好ましく、0.1〜3.0質量%であることがより好ましい。配合量が下限未満では、A領域の紫外線に対する防御効果が不十分な場合があり、上限を超える場合では、配合量を増加させてもA領域の紫外線に対する防御効果が頭打ちになり、使用感の低下が生じる場合があり好ましくない。
本発明の乳化型化粧料においては、使用感をさらに向上させるための粉体成分を配合できる。かかる粉体成分は、表面処理されていても良い球状、針状、板状、紡錘状等の形状や、多孔質、無孔質、中空等の粒子構造、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径等により特に限定されず、1種又は2種以上を使用することができる。好ましい粉体成分としては、鱗片状ガラス、球状シリカ、有機球状粉体等が例示できる。このような好ましい粉体成分には市販品が存し、かかる市販品を購入して使用することもできる。かかる市販品としては、鱗片状ガラスとして平均粒径が10μmの「マイクログラス(登録商標) シルキー
フレークTM FTD010FY−F01」、平均粒径が25μmの「マイクログラス(
登録商標)シルキーフレークTMFTD025FY−F02」、平均粒径が25μmでシリコーン処理された「マイクログラス(登録商標)シルキーフレークTM FTD025
FY−F12」(以上、日本板硝子(株)製)等、球状シリカとしては「SATINIER M5」(日揮触媒化成(株)製)等、有機球状粉体としては「マイクロスフェアーM−305」(松本油脂製薬(株)製)等が好ましく例示できる。
、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン、カロニン酸、キチン、キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト等の増粘剤、表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類、表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類、レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー、セルロース粉末、ウレタン粉末、シルク粉末等の有機粉体類、前記粉体類をメタクリロイルオキシアルキルフォスフォリルコリン及びアルキルメタクリレートの共重合体等の生体成分類似高分子にて被覆した粉体、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2又はその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン等のビタミン類などが好ましく例示でき、任意成分として配合されることが可能である。
本発明の乳化型化粧料は、上記成分を常法により処理することにより得られる。
以下の表1に示す処方に基づき、製造例1に示したごとく実施例及び比較例の水中油型乳化化粧料を調製した。すなわち、(イ)相にてキサンタンガムを均一分散し、ココグリセリル硫酸Naを溶解させた。次に、(ロ)相を80℃にて均一溶解した後、(ハ)を投入し、加熱を続けながらディスパーを用いて4000rpmで5分間攪拌し、(ロ)(ハ)の混合物を(イ)相に投入し、80℃にて乳化した。その後冷却し、(ニ)(ホ)(へ)を添加し、水中油型乳化化粧料を得た。
[UVA防御効果]
日本化粧品工業連合会で策定した「UVA防止効果測定法基準」(1995年)に従って、UVA防御効果(PFA:UVA-Protection Factor)を測定した。当該試験は、実施例1に関して実施した。結果を表2に示す。
[UVB防御効果(耐水性試験)]
UVB防御効果の測定は、FDA(米国食品医薬品局)の最終モノグラフに準拠した耐水性試験において実施した。すなわち、被験者が屋内プールで20分間の水中運動の後、20分間の休憩をはさんで再び20分間の水中運動を実施し、この前後でSPF(Sun
Protection Factor)を測定し、浸水前と浸水後でのSPFから耐水性
を評価するものである。当該試験は、実施例1に関して実施した。結果を表2に示す。
、SPFは浸水前で56.85、浸水後で53.00といずれも非常に高い値であり、本発明品であるの乳化型化粧料はUVB防御効果自体も非常に優れていた。また、SPFの維持率は93.2%であり、高い耐水性が確認された。これらの結果より、本発明品である乳化型化粧料は、被験者を対象とした試験において、非常に優れたUVA防御効果を有す
ることが証明され、さらにUVB防御効果についても優れていることが明らかとなり、耐水性にも優れる結果であった。
[PFA(UVA防御効果(in vitro))]
In vitroにおけるUVA防御効果について評価した。すなわち、VITRO-SKIN(登録商標)の表面に2mg/cm2となるように表1に示した試験品を塗布し、20分間乾燥後、SPFアナライザー(Labsphere社製)によりUVAの透過率を測定した。実施
例1に関して被験者を対象とした試験において非常に高いPFAが確認されたため、実施例1におけるUVAの透過率と他の実施例及び比較例を比較して評価した。UVAの透過率が低い場合にUVA防御効果が高いと評価できることから、(実施例1のUVAの透過率)/(他の実施例及び比較例のUVAの透過率)×100(%)の値を算出し、以下の評価基準で評価して結果を表3に示す。
(評価基準)
◎ :90%以上
○ :80%以上、90%未満
△ :60%以上、80%未満
× :60%未満
他の評価項目について、以下に示す方法、評価基準で評価した。評価結果について、合わせて表3に示す。
[使用性(のび及びやわらかさ)]
女性パネラー20名に試験品を肌に塗布してもらい、使用性(のび及びやわらかさ)について評価した。評価結果を表3に示す。
(評価基準)
◎ :良いと答えた人数が18人以上
○ :良いと答えた人数が11〜17人
△ :良いと答えた人数が6〜10人
× :良いと答えた人数が5人以下
表1の処方に従って試験品を調製し、40℃で2週間保管し、経時での安定性について評価した。評価基準を表3に示す。
◎ :外観上、機能上問題なし
○ :外観上凝集物が認められるが、機能性に問題なし
△ :ゲル感が認められる
× :乳化せず
表1の処方に従って試験品を調製し、ドクターブレードにて透明スライドガラスに膜厚0.5milの膜を引き、30分間乾燥後、膜の透明性を目視にて評価した。評価基準を以下に示す。
◎ :透明感がある
○ :透明感はあるが、若干白色を呈する
△ :透明感はほとんどなく、白色を呈する
× :透明感はなく、白色を呈する
実施例1に配合したUVA吸収剤であるジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルを、同様にUVA吸収剤であるt−ブチルメトキシベンゾイルメタンあるいはジ
メトキシベンジリデンジオキソイミダゾリンプロピオン酸2−エチルヘキシルに代えて製造例1に示したごとく実施例9及び比較例8を調製し、表3に示した項目について評価した。処方と評価結果を合わせて表4に示す。
ンゾイル安息香酸ヘキシル、t−ブチルメトキシベンゾイルメタンが好ましいことが示された。
実施例1に配合したホウケイ酸(Ca/Al)を、球状粉体であるメタクリル酸メチルクロスポリマーあるいはシリカに代えて製造例1に示したごとく実施例10及び11を調製し、表3に示した項目について評価した。処方と評価結果を合わせて表5に示す。
Claims (4)
- 以下の(a)〜(d)を含有し、
油相中に(a)及び(b)を、かつ水相中に(c)を含有することを特徴とする、乳化型化粧料。
(a)表面処理されていてもよい微粒子金属酸化物
(b)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル及び/又はt−ブチルメトキシベンゾイルメタン
(c)表面処理されていてもよい微粒子金属酸化物
(d)球状シリカ、球状ポリメタクリル酸メチル、及び鱗片状ガラスから選択される粉体 - 前記(a)及び(c)の微粒子金属酸化物が、それぞれ独立して微粒子二酸化チタン及び/又は微粒子酸化亜鉛であることを特徴とする、請求項1に記載の乳化型化粧料。
- 前記微粒子二酸化チタン及び/又は微粒子酸化亜鉛を水又は油剤への分散ペーストとして混合することにより製造された、請求項2に記載の乳化型化粧料。
- 紫外線防御用化粧料であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の乳化型化粧料。
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