JP2001240524A - 日焼け止め化粧料 - Google Patents

日焼け止め化粧料

Info

Publication number
JP2001240524A
JP2001240524A JP2000053080A JP2000053080A JP2001240524A JP 2001240524 A JP2001240524 A JP 2001240524A JP 2000053080 A JP2000053080 A JP 2000053080A JP 2000053080 A JP2000053080 A JP 2000053080A JP 2001240524 A JP2001240524 A JP 2001240524A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fine particles
oxide fine
weight
zinc oxide
titanium oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000053080A
Other languages
English (en)
Inventor
Mariko Matsuda
田 麻 理 子 松
Hiroshi Fujita
田 浩 志 藤
Nobuyuki Kobayashi
林 信 幸 小
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Pretec Corp
Original Assignee
Asahi Pretec Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Pretec Corp filed Critical Asahi Pretec Corp
Priority to JP2000053080A priority Critical patent/JP2001240524A/ja
Publication of JP2001240524A publication Critical patent/JP2001240524A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】二酸化珪素で被覆された酸化チタン微粒子
と、メチルハイドロジェンポリシロキサンで被覆された
酸化亜鉛微粒子とを含むエマルジョンからなり、酸化チ
タン微粒子は分散媒の水相に含まれ、酸化亜鉛微粒子は
分散質である油相に含まれてなる日焼け止め化粧料であ
る。更に、このエマルジョンに球状微粉末を加えた日焼
け止め化粧料である。 【効果】本発明の日焼け止め化粧料は、UV-Bの遮蔽剤で
ある酸化チタン微粒子を親水性処理によって、エマルジ
ョンの分散媒である水相中のみに含有させ、一方UV-A
の遮蔽剤である酸化亜鉛は親油性処理することによっ
て、分散質の油相のみに含有させることによって、少な
い遮蔽剤の含有量で高い UV 遮蔽能を示す特徴を有する
ものである。また、水相中に油相が分散した状態のため
シリコーンオイルの含有量が少なく水が多いため保水効
果が高められている。その他、伸び、感触が良好で、保
湿効果及びスキンケア効果に優れ、肌にやさしく、広く
皮膚外用の化粧料や医薬品等へも応用が可能な日焼け止
め化粧料が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は日焼け止め化粧料に関す
るものであり、更に詳しく述べると優れた紫外線遮蔽能
を有すると共に肌への保湿力が高く、塗布時の白さが目
立たず、使用感良好な化粧料である。
【0002】
【従来の技術】従来から日焼け止め化粧料については幾
つか文献が開示されている。例えば、特開平 9-263523
号公報には微粒子酸化チタンと微粒子酸化亜鉛と球状粉
末を含有させた、日焼け止め化粧料が開示されている。
ここで、微粒子酸化チタン及び微粒子酸化亜鉛等の分散
液がエマルジョンとなっている場合も、2種類の微粒子
は共に分散質か分散媒かの何れかの同じ相に含まれてい
る態様が記載されている。
【0003】また、特開平11-199458 号公報には酸化亜
鉛粉末を、オルガノシロキサン類、シリコーン樹脂の1
種以上にて非気相状態で被覆した後、酸素含有雰囲気中
で 600〜950 ℃の温度にて加熱することによって、酸化
珪素で被覆処理された活性抑制型酸化亜鉛粉末と、アル
キルシラン処理酸化チタン粉末を配合した紫外線防御効
果に優れた化粧料が開示されている。ここで、更に有機
紫外線吸収剤を加えた化粧料またはシリコーンエラスト
マーの球状粒子を加えた化粧料も開示されている。
【0004】これらの化粧料は微粒子酸化チタン及び微
粒子酸化亜鉛または更に、有機系紫外線吸収剤を併用す
ることにより、UV-Bと UV-A を散乱、吸収し、皮膚がサ
ンバーンやサンタンになるのを保護するものである。ま
た、撥水性を維持させるために揮発性シリコーンオイ
ル、被膜形成シリコーンオイルを多量に配合した油相の
分散媒と水相の分散質からなっている。
【0005】しかしながら、粉体の配合量が多くなると
白浮き、伸びの悪さが生じ、揮発性シリコーンオイルリ
ッチな処方では皮膚への保湿効果及びスキンケア効果が
得られなかった。また、有機系紫外線吸収剤による皮膚
刺激に関する報告もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は伸び及び感触
が良好で保湿効果及びスキンケア効果に優れ、肌にやさ
しく紫外線防止効果が高く、広く皮膚外用の化粧料や医
薬品等への応用が可能な日焼け止め化粧料を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はこれらの問題点
を解決する方法について検討した。その結果、一般的に
は紫外線の波長帯 UV-B 及び UV-A の遮蔽剤であるそれ
ぞれ酸化チタン、酸化亜鉛は両者とも親水性処理或い
は、どちらも親油性処理をされて分散液に含まれている
が、UV-Bの遮蔽剤である酸化チタンは親水性処理し、UV
-Aの遮蔽剤である酸化亜鉛は親油性処理することによっ
て、酸化チタンはエマルジョンの分散媒である水相中に
含有させ、酸化亜鉛は分散質の油相に含有させると、少
ない遮蔽剤量で予想以上に高いUV遮蔽能を示すことを見
出した。
【0008】この知見に基づき更に揮発性シリコーンオ
イル量を最小限に留め、有機系紫外線吸収剤を配合する
ことなしで、親水性の被膜剤でコートした微粒子酸化チ
タン及び親油性の被膜剤でコートした微粒子酸化亜鉛を
併用することで、これらの問題点が解決されるとの結果
を得て本発明に到達した。
【0009】すなわち、二酸化珪素で被覆された酸化チ
タン微粒子と、メチルハイドロジェンポリシロキサンで
被覆された酸化亜鉛微粒子とを含むエマルジョンからな
り、酸化チタン微粒子は分散媒の水相に含まれ、酸化亜
鉛微粒子は分散質である油相に含まれてなる日焼け止め
化粧料である。更に、このエマルジョンに球状微粉末を
加えた日焼け止め化粧料である。
【0010】ここで前記のエマルジョンの増粘剤とし
て、分散媒の水相中には親水性多糖類系高分子が、ま
た、分散質の油相中には高分子多糖類の脂肪酸エステル
が含まれていることが好ましい。また、エマルジョンの
分散質である油相中にシリコーンオイル、主成分が炭素
数 31 〜70のイソパラフィン、エステル類及び、炭素数
16〜22 の飽和高級アルコールを含ませることが好まし
い。
【0011】更に、酸化チタン微粒子の平均粒径は20nm
以上、50nm以下であり、また酸化亜鉛微粒子の平均粒径
が20nm以上、50nm以下が好ましく、エマルジョンに含ま
れる酸化チタン微粒子及び酸化亜鉛微粒子の含有量がそ
れぞれ 0.5重量%以上、5重量%以下が好ましく、親水
性多糖類系高分子増粘剤の含有量が 0.1重量%以上、0.
5 重量%以下であり、また、高分子多糖類の脂肪酸エス
テルの含有量が0.1 重量%以上、1重量%以下が好まし
く、また、シリコーンオイル含有量が、主成分が炭素数
31 〜70のイソパラフィン、エステル類及び、炭素数 1
6 〜 22 の飽和高級アルコールの合計量に対して、重量
比が 1/10 以上、1/2 以下であることが好ましい。
【0012】以下、本発明について詳しく説明する。尚
ここで、「化粧品の使用性」または単に「使用性」とは
一般的に言われる化粧品の使用感の意味であり、「伸
び」、「着き」、「のり」、「べたつき」、「しっと
り」、「さっぱり」、「つっぱり」、「かさつき」等、
触覚及び視覚の総合評価の度合いをいう。また、「重量
%」は以下単に「%」と表示する。
【0013】本発明の日焼け止め化粧料は日光に含まれ
る紫外線の中、地表迄到達している波長帯 UV-B とUV-A
の遮蔽を主な目的とするものである。これらの紫外線の
遮蔽剤としてはその効果及び経済性の点で、 UV-B には
酸化チタン UV-A には酸化亜鉛が優れていることが知ら
れている。本発明の日焼け止め化粧料には紫外線を遮蔽
するため二酸化珪素で被覆された酸化チタン微粒子と、
メチルハイドロジェンポリシロキサンで被覆された酸化
亜鉛微粒子とを含有させる必要がある。
【0014】これらの遮蔽剤である酸化チタン及び酸化
亜鉛の微粒子の双方を親水性処理剤で被覆するか、或い
は親油性処理剤で被覆して使用する方法は知られてい
た。しかし、本発明では酸化チタン粒子は親水性の二酸
化珪素で被覆し、酸化亜鉛粒子は親油性のメチルハイド
ロジェンポリシロキサンで被覆して、酸化チタン粒子は
エマルジョンの分散媒である水相中に、酸化亜鉛粒子は
分散質である油相中に含有させることによって、少量の
遮蔽剤で高い遮蔽効果が得られることが本発明の最も大
きな特徴の一つである。
【0015】本発明の酸化チタン微粒子の表面は二酸化
珪素で被覆された親水性粒子である必要がある。酸化チ
タン粒子の表面を二酸化珪素で被覆するには、例えば、
酸化チタン粒子をシロキサン溶液に浸漬した後、高温で
処理して粒子の表面に二酸化珪素の皮膜を形成させるこ
とにより得られる。酸化チタン粒子に親水性を付与する
ための被覆剤としては、二酸化珪素、酸化アルミニウ
ム、酸化ジルコニウム等があるが、酸化アルミニウムや
酸化ジルコニウムは二酸化珪素に較べて比重が大きく凝
集し易いため、エマルジョンの安定性が低下するおそれ
があるため好ましくない。ここで、酸化チタン粒子の被
膜の主成分は二酸化珪素である必要があるが、二酸化珪
素の他無機質珪素酸化物が含まれていてもよい。例え
ば、昭和電工株式会社製「マックスライト TS-01, TS-
04或いは TS-043 」等が使用可能である。また、酸化チ
タン微粒子の平均粒子径は 20nm 以上、50nm以下のもの
が、白浮きも少なく好ましい。また、含有量は 0.5%以
上、5%以下が好ましい。含有量が 0.5%以下では UV-
B の遮蔽効果が低くなり、5%以上になると塗布した際
の白浮きが目立つためである。
【0016】ここで、二酸化珪素で被覆された酸化チタ
ン微粒子に含まれる二酸化珪素の重量比率は特に限定し
ないが、被覆された酸化チタンの粒子全体の5〜40%が
好ましい。被覆率が5%以下になると粒子全体を均一に
被覆するためにも或いは、酸化チタンの光触媒性の抑制
においても不十分となる傾向がみられる。また、被覆率
が 40 %を超えると粒子径が大きくなりすぎるため、エ
マルジョン中での分散性が低下する傾向がみられるから
である。酸化チタン微粒子の親水性付与、表面被覆及び
光触媒性を抑制するため、二酸化珪素による被覆率は5
〜40%が好ましい。
【0017】本発明の酸化亜鉛微粒子の表面はメチルハ
イドロジェンポリシロキサンで被覆された親油性粒子で
ある必要がある。親油性を付与するための被覆剤として
は、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェ
ニルポリシロキサン、ステアリン酸アルミニウム等があ
るが、メチルハイドロジェンポリシロキサンは刺激性が
低く塗布した際のすべり感をだすために化粧料に適して
いる他、酸化亜鉛粒子を殆ど総てエマルジョンの分散質
である油相中のみに分配させる点でも優れているからで
ある。この様なメチルハイドロジェンポリシロキサンを
被覆した酸化亜鉛粒子としては、例えば、テイカ株式会
社製「MZ-503S, MZ-505S」や三好化成株式会社製「SI-F
INEX-50LHC (6%) 」等が使用可能である。尚、酸化亜鉛
微粒子の平均粒子径は20nm以上、50nm以下のものが白浮
きも少なく好ましい。また含有料は0.5%以上、5%以
下が好ましい。含有量が 0.5%以下では UV-A の遮蔽効
果が低くなり、5%以上になると塗布した際の白浮きが
目立つ様になるためである。
【0018】ここで、メチルハイドロジェンポリシロキ
サンで被覆された酸化亜鉛微粒子に含まれる、メチルハ
イドロジェンポリシロキサンの重量比率は特に限定しな
いが、被覆された酸化亜鉛粒子全体の1〜10%が好まし
い。被覆率が1%以下になると被覆された酸化亜鉛粒子
が少量エマルジョンの分散媒である水相中に分離沈降す
るおそれがある他、メチルハイドロジェンポリシロキサ
ンによって酸化亜鉛粒子の表面全体を均一に被覆し、且
つ酸化亜鉛の光触媒性を抑制する点において、不十分と
なる傾向がみられる。また、被覆率が 10 %を超えると
粒子径が大きくなりすぎてエマルジョン中での分散性が
やや低下する傾向がみられるからである。
【0019】本発明の日焼け止め化粧料には紫外線遮蔽
のための二酸化珪素で被覆された酸化チタン微粒子及
び、メチルハイドロジェンポリシロキサンで被覆された
酸化亜鉛微粒子との他に、球状微粉末を含有させること
ができる。球状微粉末はエマルジョンからなる化粧料を
皮膚に塗布した場合の伸びを高める効果が大きい他、塗
布面が滑らかとなるため化粧の効果を向上させる大きな
特徴がある。球状微粉末の成分は特に限定せず化粧品と
して使用した場合、衛生上無害な成分であれば広範囲な
材質が使用可能である。例えば、有機合成ポリマーであ
るポリエチレン、ポリメタクリル酸メチルエステル、ポ
リアミド、ポリスチレン等のプラスチック及びその共重
合体の他、シリコンエラストマー等のシリコン含有成分
の球状微粉末が使用可能である。球状微粉末の平均粒子
径は1〜40μm が好ましく、また含有量は2〜3%から
10%弱程度が好ましい。
【0020】本発明に用いられる増粘剤は、エマルジョ
ンの分散媒である水相に対しては、水溶性高分子多糖類
として、例えば、キサンタンガム、グアーガム、クイン
スシードガム、ローカストビンガム、トラガカントガ
ム、カラギーナン、アラビアガム、ヒアルロン酸等が使
用可能である。これらの中キサンタンガムまたはグアー
ガムが好ましい。また、分散質である油相に対しては油
溶性高分子多糖類増粘剤として高分子多糖類の脂肪酸エ
ステルが使用可能であり例えば、パルミチン酸デキスト
リンまたはミリスチン酸デキストリンが好ましい。これ
らの水溶性または油溶性増粘剤は前記で例示した成分の
他、化粧品に適用できるものであれば広く使用可能であ
りまた複数の化合物を併用してもよい。
【0021】これらの増粘剤の含有量は水溶性高分子多
糖類増粘剤では 0.1%以上、0.5 %以下が好ましく、0.
2 %以上、0.4 %以下がより好ましい。これらの増粘剤
は 0.1 %以下では増粘効果が不十分であり、0.5 %以
上になると使用感に曳糸性を伴う傾向が現れるためであ
る。油溶性高分子多糖類増粘剤である多糖類の脂肪酸エ
ステル含有量は 0.1%以上、1 %以下が好ましく、0.2
%以上、0.5 %以下がより好ましい。0.1 %以下では増
粘効果が不十分であり、1%以上では製品が硬くなる傾
向を有するためである。
【0022】本発明のエマルジョンの分散質である油相
中には、シリコーンオイル、主成分が炭素数 31 〜70の
イソパラフィン、エステル類及び、炭素数 16 〜 22 の
飽和高級アルコールを含有させることが好ましい。シリ
コーンオイルは被膜形成能を有し皮膚に塗布した時の撥
水性を維持する効果がある。シリコーンオイルとしては
例えば、トリメチルシロキシケイ酸、ジメチルポリシロ
キサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチル
フェニールポリシロキサン、ステアリキシメチルポリシ
ロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテ
トラシロキサン、アミノエチルアミノプロピルシロキサ
ン・ジメチルシロキサン共重合体等を使用可能である。
【0023】また、主成分が炭素数 31 〜70のイソパラ
フィンは融点が60〜80℃と高いわりには、イソパラフィ
ンを主成分とするため柔らかく粘稠性があり、液状油の
含みが良く発汗を抑制する効果もあると言われ、化粧品
の安定性を維持させるため本発明の化粧料にも好まし
い。主成分が炭素数 31 〜70のイソパラフィンまたはこ
れらの混合物としては例えば、マイクロクリスタリンワ
ックスが挙げられる。エステル類としては化粧料用基材
として適している高級アルコールの脂肪酸エステルが好
ましい。例えば、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチ
ン酸イソプロピル、リンゴ酸イソステアリル、コハク酸
ジオクチル等が使用できる。
【0024】更に、炭素数 16 〜 22 の飽和高級アルコ
ールは化粧品の安定性を向上させるために有効である。
しかし、炭素数が 14 以下では肌への刺激性があるため
問題があり、炭素数 24 以上は通常入手が困難である。
炭素数 16 〜18の高級アルコールは何れも安定性が良好
で問題がない。例えば、ミリスチルアルコール、セチル
アルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコー
ル、ベヘニルアルコール等である。しかしこれらの中、
炭素数 16 のセチルアルコール及び炭素数 18 のステア
リルアルコールは、使用比率に関する表示指定成分に分
類されているため使用量に注意する必要がある。また、
炭素数 20 のアラキルアルコールは高価であるが、炭素
数 22 のベヘニルアルコールは温度変化による品質の変
化も少なく最も好ましい。
【0025】本発明の化粧料において被膜形成能を有す
るシリコーンオイル含有量は、主成分が炭素数 31 〜70
のイソパラフィンと、エステル類及び炭素数 16 〜22の
高級アルコールの合計量に対する重量比率が、1/10〜1/
2 であることが好ましい。この比率が 1/2以上になると
化粧品の使用性を損なうおそれがあり、また1/10以下の
含有比率では撥水性が著しく低下するためである。
【0026】本発明の日焼け止め化粧料には更に化粧品
で通常使用される成分である油剤、保湿剤、界面活性
剤、薬剤、着色剤、香料、紫外線防止剤、防腐剤等を使
用性を損なわない範囲内で必要に応じて含有させること
ができる。
【0027】本発明の日焼け止め化粧料の組成はエマル
ジョンで、二酸化珪素で被覆された酸化チタン微粒子は
分散媒の水相中に含まれ、メチルハイドロジェンポリシ
ロキサンで被覆された酸化亜鉛微粒子は分散質の油相中
に含まれている。すなわち、分散質の油相が分散媒の水
相中に分散した状態となっている。この水相中に油相が
分散した状態は油相中に水相が分散した状態に較べて、
シリコーンオイルの含有量が少なくまた水の含有量が多
いため生産コストが低く経済性に優れている他、水が多
いため保水効果が向上するメリットがある。
【0028】本発明の日焼け止め化粧料は、広く皮膚外
用の化粧料や医薬品等への応用が可能である。
【0029】
【発明の実施の形態】以下実施例を挙げて本発明につい
て更に具体的に説明する。
【0030】(実施例1〜5)表1に本発明の日焼け止
め化粧料の一態様の含有成分を示す。表1において本化
粧料はエマルジョンの分散質である油相のAと、分散媒
である水相のBからなっている。粒子径 20 〜30nmの酸
化亜鉛微粒子及びメチルハイドロジェンポリシロキサン
に、イソプロピルアルコールを加えて混合攪拌し溶媒を
蒸発させた後、130 ℃に加熱攪拌して親油性酸化亜鉛微
粒子を得た。粒子径 20 〜30nmの酸化チタン微粒子及び
シロキサンにエタノールを加えて混合し、減圧乾燥して
溶媒を蒸発させた後、600 〜950 ℃に加熱して酸化チタ
ン粒子の表面に二酸化珪素の皮膜を生成させ、二酸化珪
素で被覆された親水性酸化チタン微粒子を得た。尚表1
において「少量」とは、1.5 %以下の比較的少量で「適
量」とも表示されることがある程度の含有量を示してい
る。
【0031】
【表1】
【0032】表1に示したA (油相) に含まれる成分を
混合して 68 〜70℃に加温し、同様にしてB(水相)に
含まれる成分を混合してほぼ同じ温度まで加熱する。B
をAに徐々に加えて乳化機で粉末を分散しながら乳化す
る。得られた乳化物を攪拌しながら冷却し白色クリーム
状の日焼け止め化粧料を得た。更に、前記の試験におい
て平均粒子径 10 μm のポリエチレン微粒子を6%を乳
化機に加えてエマルジョンに分散させて白色クリーム状
の日焼け止め化粧料(実施例5)を得た。
【0033】前記の試験で得られた化粧料の性能の評価
方法を下記に示す。安定性の評価については表2に、使
用性は5名のパネラーによって表3に示した基準で評価
した。また、撥水性は5名のパネラーがそれぞれサンプ
ル 0.1mlを左手甲に塗布し、塗布部にスポイトで水道水
を1滴落として、その水滴の広がり具合を表4に示した
基準で評価した。その結果を表10に示す。
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】実施例1において、酸化亜鉛微粒子のメチ
ルハイドロジェンポリシロキサンによる被覆率及び、酸
化チタン微粒子の二酸化珪素による被覆率を表5に示す
様に変更した他は、実施例1と同様にして日焼け止め化
粧料(実施例2〜4)を調製した。これらの化粧料の安
定性及び使用性の評価を、実施例1と併せて表5に示
す。
【0038】
【表5】
【0039】これらの結果によって、酸化亜鉛微粒子の
メチルハイドロジェンポリシロキサンによる被覆率は3
〜10%がより好ましく、また、酸化チタン微粒子の二酸
化珪素による被覆率は 10 〜40%がより好ましいことが
分かる。
【0040】実施例1と、これに平均粒子径 10 μm の
ポリエチレン微粒子を6%を乳化・分散して得られた、
実施例2の化粧料の評価及び測定結果を表6に示す。
【0041】
【表6】 ※ SPF値:皮膚に紫外線を照射した際、20分後に赤くな
る場合をSPF 値、1とする。SPF 値 10 は 200分後に赤
くなる場合を示す。測定機器には三洋貿易製SPFANALYZE
R(SPF290S plus)を用いた。
【0042】これらの結果によって、本発明の日焼け止
め化粧料が高い UV-A 及び UV-B の遮蔽効果を有するこ
とが分かる。尚、球状微粉末を加えた場合には化粧料の
伸びがよくなる他、塗布面の平滑性及び艶が向上した。
【0043】(実施例6〜10)実施例1において、酸化
亜鉛微粒子及び酸化チタン微粒子の粒子径及び含有量を
表7に示した様に変更した以外は、実施例1と同様にし
て実施例6〜10の日焼け止め化粧料を調整した。得られ
た日焼け止め化粧料の評価及び測定結果を表7に示す。
【0044】
【表7】
【0045】これらの結果及び表6実施例1の結果によ
って、親油性処理をした酸化亜鉛微粒子は平均粒子径は
20〜50nmであり、その含有量が 0.5〜5重量%がより好
ましいことが分かる。また、親水性処理をした酸化チタ
ン微粒子は平均粒子径20〜50nmであり、その含有量が
0.5〜5重量%がより好ましいことが分かる。
【0046】(実施例11〜17)化粧料エマルジョンの分
散質 (油相) の増粘剤である親油性多糖類系高分子、パ
ルミチン酸デキストリン及び、分散媒 (水相) の増粘剤
である多糖類系高分子、キサンタンガムの含有量を表8
に示した様に変更した他は実施例1と同様にして、実施
例11〜17の日焼け止め化粧料を調製した。得られた日焼
け止め化粧料の評価結果を表8に示す。
【0047】
【表8】
【0048】これらの結果及び表6実施例1の結果によ
って、親油性多糖類系高分子増粘剤の含有量は 0.1〜1.
0 %、親水性多糖類系高分子増粘剤の含有量は 0.1〜0.
5 %がより好ましいと分かる。
【0049】(実施例18〜24)化粧料エマルジョンの分
散質 (油相) に含まれる炭素数31〜70のイソパラフィ
ン、エステル類または、炭素数16〜22の高級飽和アルコ
ールの種類を表9に示した様に変更した他は実施例1と
同様にして、実施例18〜24の日焼け止め化粧料を調製し
た。得られた日焼け止め化粧料の評価結果を表9に示
す。
【0050】
【表9】 ※ エステル類の代わりにスクワランを等量添加。
【0051】これらの結果及び表6実施例1の結果によ
って、炭素数31〜70の炭化水素としては炭素数31〜70の
イソパラフィンの混合物であるマイクロクリスタリンワ
ックス、エステル類としては 2- エチルヘキサン酸セチ
ル、炭素数16〜22の高級飽和アルコールとしてはベヘニ
ルアルコールの組み合わせが好ましいことが分かる。
【0052】(実施例25〜28)化粧料エマルジョンの分
散質 (油相) において、炭素数31〜70のイソパラフィン
及びエステル類、炭素数16〜22の高級飽和アルコールの
含有量の合計量に対する、被膜形成能を有するシリコー
ンオイル含有量の比率を、表10に示した様に変更した他
は実施例1と同様にして実施例21〜24の日焼け止め化粧
料を調製した。得られた日焼け止め化粧料の評価結果を
表10に示す。
【0053】
【表10】
【0054】これらの結果によって、炭素数31〜70のイ
ソパラフィン等の含有量の合計量に対する、このシリコ
ーンオイル含有量の比率は 1/10 〜1/2 が好ましいこと
が分かる。
【0055】
【発明の効果】本発明の日焼け止め化粧料は、UV-Bの遮
蔽剤である酸化チタン微粒子を親水性処理によって、エ
マルジョンの分散媒である水相中のみに含有させ、一方
UV-A の遮蔽剤である酸化亜鉛は親油性処理することに
よって、分散質の油相のみに含有させることによって、
少ない遮蔽剤の含有量で高い UV 遮蔽能を示す特徴を有
するものである。また、水相中に油相が分散した状態の
ためシリコーンオイルの含有量が少なく水が多いため保
水効果が高められている。その他、伸び、感触が良好
で、保湿効果及びスキンケア効果に優れ、肌にやさし
く、広く皮膚外用の化粧料や医薬品等へも応用が可能な
日焼け止め化粧料が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小 林 信 幸 兵庫県神戸市西区室谷1−6−3 アサヒ プリテック株式会社テクノセンター内 Fターム(参考) 4C083 AB051 AB171 AB172 AB211 AB212 AB241 AB242 AC021 AC022 AC071 AC072 AC102 AC331 AC352 AD151 AD152 AD211 AD212 AD352 CC19 DD31 EE03 EE06 EE10 EE17

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二酸化珪素で被覆された酸化チタン微粒子
    と、メチルハイドロジェンポリシロキサンで被覆された
    酸化亜鉛微粒子とを含むエマルジョンからなり、該酸化
    チタン微粒子は分散媒の水相に含まれ、該酸化亜鉛微粒
    子は分散質である油相に含まれてなる日焼け止め化粧
    料。
  2. 【請求項2】 二酸化珪素で被覆された酸化チタン微粒
    子、メチルハイドロジェンポリシロキサンで被覆された
    酸化亜鉛微粒子及び、球状微粉末を含むエマルジョンか
    らなり、該酸化チタン微粒子は分散媒の水相に含まれ、
    該酸化亜鉛微粒子は分散質である油相に含まれてなる日
    焼け止め化粧料。
  3. 【請求項3】該酸化チタン微粒子に含まれる二酸化珪素
    量が、被覆された酸化チタン微粒子の5〜40重量%であ
    り、且つ該酸化亜鉛微粒子に含まれるメチルハイドロジ
    ェンポリシロキサン量が、被覆された酸化亜鉛微粒子の
    1〜10重量%である、請求項1または2記載の日焼け止
    め化粧料。
  4. 【請求項4】該エマルジョンの分散媒である水相中には
    親水性多糖類系高分子増粘剤が含まれ、該エマルジョン
    の分散質である油相中には高分子多糖類の脂肪酸エステ
    ルが含まれている、請求項1〜3のいずれかに記載の日
    焼け止め化粧料。
  5. 【請求項5】該エマルジョンの分散質である油相中に、
    シリコーンオイル、主成分が炭素数 31 〜70のイソパラ
    フィン、エステル類及び、炭素数 16 〜 22 の飽和高級
    アルコールを含む、請求項1〜4のいずれかに記載され
    た日焼け止め化粧料。
  6. 【請求項6】該酸化チタン微粒子の平均粒径が20nm以
    上、50nm以下であり、また、該酸化亜鉛微粒子の平均粒
    径が20nm以上、50nm以下である請求項1〜5のいずれか
    に記載された日焼け止め化粧料。
  7. 【請求項7】該酸化チタン微粒子の含有量が 0.5重量%
    以上、5重量%以下であり、また、該酸化亜鉛微粒子の
    含有量が 0.5重量%以上、5重量%以下である請求項1
    〜6のいずれかに記載された日焼け止め化粧料。
  8. 【請求項8】該親水性多糖類系高分子増粘剤の含有量が
    0.1重量%以上、0.5 重量%以下であり、また、高分子
    多糖類の脂肪酸エステルの含有量が 0.1重量%以上、1
    重量%以下である、請求項1〜7のいずれかに記載され
    た日焼け止め化粧料。
  9. 【請求項9】該シリコーンオイル含有量が、主成分が炭
    素数 31 〜70のイソパラフィン、エステル類及び、炭素
    数 16 〜 22 の飽和高級アルコールの合計量に対して、
    重量比が 1/10 以上、 1/2以下である請求項1〜8のい
    ずれかに記載された日焼け止め化粧料。
JP2000053080A 2000-02-29 2000-02-29 日焼け止め化粧料 Pending JP2001240524A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000053080A JP2001240524A (ja) 2000-02-29 2000-02-29 日焼け止め化粧料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000053080A JP2001240524A (ja) 2000-02-29 2000-02-29 日焼け止め化粧料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001240524A true JP2001240524A (ja) 2001-09-04

Family

ID=18574507

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000053080A Pending JP2001240524A (ja) 2000-02-29 2000-02-29 日焼け止め化粧料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001240524A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005288743A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Nippon Paper Industries Co Ltd 感熱記録体
JP2006273768A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Kao Corp 口唇用油性化粧料
JP2010150164A (ja) * 2008-12-24 2010-07-08 Pola Chem Ind Inc 乳化型皮膚外用剤
JP2013112615A (ja) * 2011-11-25 2013-06-10 Pola Chemical Industries Inc 乳化型化粧料
JP2017114900A (ja) * 2017-02-28 2017-06-29 ポーラ化成工業株式会社 乳化型化粧料
WO2023171512A1 (ja) * 2022-03-08 2023-09-14 デンカ株式会社 紫外線反射用組成物
KR102613275B1 (ko) * 2023-03-13 2023-12-13 한국콜마주식회사 2종의 무기 분체를 포함하는 수중유형 자외선 차단용 화장료 조성물
CN117624406A (zh) * 2023-12-13 2024-03-01 山东尔雅基因科技有限公司 一种改性多糖的制备方法及其在皮肤护理软膏中的应用

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005288743A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Nippon Paper Industries Co Ltd 感熱記録体
JP2006273768A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Kao Corp 口唇用油性化粧料
JP4672412B2 (ja) * 2005-03-30 2011-04-20 花王株式会社 口唇用油性化粧料
JP2010150164A (ja) * 2008-12-24 2010-07-08 Pola Chem Ind Inc 乳化型皮膚外用剤
JP2013112615A (ja) * 2011-11-25 2013-06-10 Pola Chemical Industries Inc 乳化型化粧料
JP2017114900A (ja) * 2017-02-28 2017-06-29 ポーラ化成工業株式会社 乳化型化粧料
WO2023171512A1 (ja) * 2022-03-08 2023-09-14 デンカ株式会社 紫外線反射用組成物
KR102613275B1 (ko) * 2023-03-13 2023-12-13 한국콜마주식회사 2종의 무기 분체를 포함하는 수중유형 자외선 차단용 화장료 조성물
CN117624406A (zh) * 2023-12-13 2024-03-01 山东尔雅基因科技有限公司 一种改性多糖的制备方法及其在皮肤护理软膏中的应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI480053B (zh) Emulsifying Cosmetics
JP3535389B2 (ja) 外用組成物
JP5851724B2 (ja) 水中油型メイクアップ化粧料
JP7021077B2 (ja) 油中水型乳化化粧料
CN104244914B (zh) 包含控油填料和硅烷的化妆品组合物
JP6815310B2 (ja) 水中油型紫外線防御化粧料
KR100550967B1 (ko) 유중수형 화장료 조성물
JP2011513463A (ja) 油中水型乳化化粧料組成物
JP5260060B2 (ja) 微粒子酸化チタン分散物及びそれを含む化粧料
TW201607561A (zh) 水性化妝料
WO2018123585A1 (ja) 油中水型乳化化粧料
JP2001240524A (ja) 日焼け止め化粧料
JPH09263523A (ja) 日焼け止め化粧料
JP2019131499A (ja) 皮膚外用剤又は化粧料
JP2023099869A (ja) 油中水型乳化化粧料
JP6985910B2 (ja) 油中水型乳化化粧料
JP3543838B2 (ja) 水中油型メーキャップ化粧料
WO2021132273A1 (ja) 水中油型乳化化粧料
JP3778584B2 (ja) 化粧料
JP2019043920A (ja) 油中水型乳化化粧料
JP2004210748A (ja) 油中水型化粧料
TWI745304B (zh) 紫外線阻斷用化妝品組成物
JP2004285016A (ja) 凹凸補正化粧料
JP2019099509A (ja) 油中水型乳化化粧料
CN117379343A (zh) 一种弹性丝滑的全物理防晒组合物及其应用