JP2019043920A - 油中水型乳化化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い紫外線防御効果を有するとともに、なめらかでのびが良く、使用感が良好で、さらに経時安定性に優れる油中水型乳化化粧料を提供すること。【解決手段】成分(A)疎水化処理シリカ被覆酸化チタン、成分(B)疎水化シリカ、成分(C)沸点200℃未満の揮発性シリコーン、成分(D)沸点200℃以上250℃未満の揮発性シリコーンを含有する油中水型乳化化粧料が、高い紫外線防御効果を有するとともに、なめらかでのびが良く、使用感が良好で、さらに経時安定性に優れることを見出し、本願発明を完成させた。【選択図】なし

Description

本願発明は、高い紫外線防御効果を有するとともに、なめらかでのびが良く、使用感が良好で、さらに経時安定性に優れる油中水型乳化化粧料に関する。
地表に届く紫外線波長領域は、UVA領域(320〜400nm)とUVB領域(290〜320nm)がある。そのうち、UVB領域の紫外線は過度に浴びると皮膚に紅斑を惹起させ、急性の炎症反応を起こし、その後黒化をもたらし、皮膚癌の原因の一つとなることが知られている。また、UVA領域の紫外線は、紅斑惹起は弱いが、真皮のコラーゲン線維やエラスチン線維を変質させ、皮膚の老化を促進させる光老化の原因となることが明らかになっている。そのため、UVA及びUVBの二つの波長領域の紫外線から肌を守ることは、化粧料の重要な機能の一つである。
紫外線による肌への悪影響を防御するために、日やけ止め化粧料が使用されており、耐水性や耐汗性の点で、油中水型乳化組成物が良好であることが知られている。
紫外線から皮膚を守る指標として、UVB波を遮断する効果の程度を表す指標は、SPF(SUN PROTECTION FACTOR)値、UVA波を遮断する効果の程度を表す指標はUVAPF(UVA PROTECTION FACTOR OF A PRODUCT)値が用いられ、これらの値が高いほど日やけ止め効果が高いとされている。
通常、日やけ止め化粧料には、紫外線防御効果を付与するために、無機系紫外線散乱剤や有機系紫外線吸収剤等が汎用されている(非特許文献1〜3)。
近年では、紫外線による肌への悪影響が広く認知されるようになり、日常使いであっても高い紫外線防御効果が求められる傾向にある。そのため、日やけ止め化粧料には、無機系紫外線散乱剤や有機系紫外線吸収剤を多量に配合する必要がある。
無機系紫外線散乱剤は、紫外線を散乱させることによって紫外線を遮蔽するものであり、従来から酸化チタンや酸化亜鉛などが用いられている。これらは広帯域にわたって紫外線を遮蔽することができ、さらに不活性であるため皮膚安全性が高いが、多量に配合すると塗布による白さが目立ち、さらには塗布時のきしみ、とまり感といった使用性の低下を招く。
そこで、塗布による白さや塗布時のきしみやとまり感といった使用性の欠点を改善するため、薄片状粉体の表面に無機系紫外線散乱剤を付着する方法(特許文献1、2、3)や、無機系紫外線散乱剤と特定の油剤などを併用する方法(特許文献4、5)が報告されている。しかしながら、これらの方法によっても、のびのなめらかさといった使用性の面や紫外線防御効果の面で十分であるとは言えなかった。
一方、有機系紫外線吸収剤は、光エネルギーを吸収することによって紫外線を遮蔽するものであり、従来からケイ皮酸誘導体などがよく用いられている。これらは塗布時の白さなどを伴わずに高い紫外線防御効果を得られるが、多量に配合すると塗布後のベタつきといった使用感上の問題や有機紫外線吸収剤の経時的な析出といった経時安定性の低下が生じてしまう。さらに、ごくまれに敏感肌の人に対してアレルギー等の皮膚障害を起こす恐れがあるとの知見もあり、消費者の中には、有機系紫外線吸収剤の使用を好まない人もいる。
そこで、製剤の使用性や安定性、安全性の観点から、できるだけ少ない無機系紫外線散乱剤や有機系紫外線吸収剤で、効率よく高い紫外線防御効果を出すことが求められており、有機系紫外線吸収剤と揮発性シリコーンとフェニル変性シリコーンとの組み合わせにより紫外線防御効果を向上させる方法などが報告されている(特許文献6)。しかしながら、この方法によっても、揮発性シリコーンを多量に用いた場合、乳化がうまくできなかったり、経時的に油相成分がしみ出して最悪の場合、分離したりするといった乳化安定性の問題や、皮膚に対して塗りむらを生じるといった使用性の問題があった。
さらに、近年では高い日やけ止め効果を有するクリーム、美容液、乳液などのスキンケア剤が好まれて用いられる。そのため、高い紫外線防御効果を持ちながらも、なめらかで伸びがよいなど、使用感の優れた日やけ止め化粧料が強く望まれている。
一般に、油中水型乳化組成物の使用感の向上を目的として揮発性油が汎用されている。しかしながら、揮発性油として揮発性シリコーンを用いた場合、油っぽさは軽減されるものの、シリコーン系基剤に対し有機系紫外線吸収剤が難溶性を呈すため、油相の均一性に劣り、前述した場合と同様に、うまく乳化できなかったり、経時的に油相成分がしみ出して最悪の場合、分離したりするといった乳化安定性の問題や、皮膚に対して塗りむらを生じるといった使用性の問題があった。また、揮発性油として揮発性炭化水素を用いた場合、乳化物の経時安定性が低下したり、揮発性シリコーンよりも使用感に劣るといった問題があった(特許文献7)。
特開2015−180614号公報 特開平6−9337号公報 特開平9−87141号公報 特開2010−222349号公報 特開2000−169353号公報 特開2013−107851号公報 特開2012−46447号公報
FRAGRANCE JOURNAL,27(5),page25−30(1999) J.SOC.COSMET.CHEM.JAPAN,VOL.31,NO.4,page373−384(1997) FRAGRANCE JOURNAL,28(5),page26−32(2000)
本願発明は、高い紫外線防御効果を有するとともに、なめらかでのびが良く、使用感が良好で、さらに経時安定性に優れる油中水型乳化化粧料を提供することを課題とする。
かかる事情に鑑み、本願発明者は鋭意研究の結果、成分(A)疎水化処理シリカ被覆酸化チタン、成分(B)疎水化シリカ、成分(C)沸点200℃未満の揮発性シリコーン、成分(D)沸点200℃以上250℃未満の揮発性シリコーンを含有する油中水型乳化化粧料が、高い紫外線防御効果を有するとともに、なめらかでのびが良く、使用感が良好で、さらに経時安定性に優れることを見出し、本願発明を完成させた。
すなわち本願発明は、次の成分(A)〜(D);
(A)疎水化処理シリカ被覆酸化チタン
(B)疎水化シリカ
(C)沸点200℃未満の揮発性シリコーン
(D)沸点200℃以上250℃未満の揮発性シリコーン
を含有し、成分(A)疎水化処理シリカ被覆酸化チタン中、シリカ被覆量が30重量%以上で疎水化処理剤の含有量が5重量%以上であり、成分(B)疎水化シリカは、吸油量が200ml/100g以下で平均粒径が1〜10μm、であることを特徴とする油中水型乳化化粧料である。
本願発明の油中水型乳化化粧料は、高い紫外線防御効果を有するとともに、なめらかでのびが良く、使用感が良好で、さらに経時安定性に優れるものである。以下、各構成成分について詳細に説明する。
本願発明に用いられる成分(A)疎水化処理シリカ被覆酸化チタンは、疎水化処理シリカ被覆酸化チタン中、シリカ被覆量が30重量%以上で、疎水化処理剤の含有量が5重量%以上のものである。
(A)疎水化処理シリカ被覆酸化チタンは、酸化チタン粒子の平均一次粒子径が0.1μm以下のものを使用することが好ましい。酸化チタン粒子の平均一次粒子径が0.1μmを超えると、隠蔽力が大きくなるため、塗布時の白さが目立ち、透明感が低下する。酸化チタン粒子の平均一次粒子径の下限は特に限定されるものではないが、通常0.01μmである。本願発明において、酸化チタン粒子の平均一次粒子径は、レーザー回折・散乱法により粒度分布を測定することで求められる。
酸化チタンを被覆するシリカは、結晶性でも非結晶性でもよい。シリカ被覆方法としては特に限定されず、公知の方法にて処理することができる(特許文献8)。例えば、酸化チタン水性懸濁液にシリカゾルを添加して、シリカを酸化チタン表面に析出させる方法などが挙げられる。
特願平10−545415公報
シリカ被覆酸化チタンは、市販品を用いることもできる。例えば、「SMT−TS−01」「SMT−TS−04」(テイカ株式会社製)等を挙げることができ、これらを疎水化処理して好適に用いることができる。
疎水化処理の方法としては、特に限定されるものでなく、公知の方法にて処理することができる。疎水化処理剤としては、例えば、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン・ジメチルポリシロキサンコポリマー、ジメチルポリシロキサン等のシリコーン類;オクチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等のシラン化合物;パルミチン酸、ステアリン酸等の脂肪酸;パーフルオロアルキルトリメトキシシラン等のフッ素化合物等が挙げられる。中でも、油相への分散性の観点から、疎水化処理剤としてはシリコーン類が好ましい。
(A)疎水化処理シリカ被覆酸化チタン中の疎水化処理剤の含有量は、5重量%以上であることが好ましい。疎水化処理剤が5重量%を下回ると疎水性が不十分になり、油相への分散性が低下するため、製剤の経時安定性が低下してしまう。
なお、(A)疎水化処理シリカ被覆酸化チタン中の酸化チタン量及びシリカ被覆量は、医薬部外品原料規格2006記載の「微粒子酸化チタン」及び「無水ケイ酸」の定量法に準じた。
(A)疎水化処理シリカ被覆酸化チタンの含有量は、特に限定されないが、酸化チタン純分として化粧料中2.0〜6.0重量%含有することが好ましく、3.0〜5.0重量%含有することがより好ましい。酸化チタン純分として含有量が2.0重量%より少ないと、十分な紫外線防御効果が得られず、6.0重量%より多いと、きしみ感などの使用感の低下が生じてしまう。
(A)疎水化処理シリカ被覆酸化チタンは、市販品を用いることもできる。例えば、「SMT−TS−01S」、「SMT−TS−04S」(テイカ株式会社製)等が挙げられる。
本願発明に用いられる成分(B)疎水化シリカは、吸油量が200ml/100g以下で、平均粒子径が1〜10μmのものである。好ましくは、吸油量が100ml/100g〜200ml/100gで、平均粒子径が1〜10μmのものである。
(B)疎水化シリカの疎水化処理の方法は、特に限定されない。疎水化処理剤としては、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン等のシリコーン類が好ましい。このような疎水化シリカとしては、例えばSI−SB−150、SA−SB−300(三好化成株式会社製)等が挙げられる。
(B)疎水化シリカの含有量は、特に限定されないが、化粧料中0.2〜3.0重量%含有することが好ましく、0.5〜2.0重量%含有することがより好ましい。化粧料中の含有量が0.2重量%より少ないと、油性成分のしみ出しといった経時安定性の低下が生じる場合があり、3.0重量%より多いと、塗布時の白さやきしみ感といった使用性の低下が生じる場合がある。
本願発明に用いられる成分(C)沸点200℃未満の揮発性シリコーンは、常圧における沸点が200℃未満で、常温での揮発速度の速いシリコーンである。
(C)沸点200℃未満の揮発性シリコーンとしては、例えば、オクタメチルトリシロキサン(沸点:153℃)、デカメチルテトラシロキサン(沸点:194℃)、メチルトリメチコン(沸点:191℃)等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。これらのうち、紫外線防御効果の観点から、オクタメチルトリシロキサンを用いることが好ましい。具体的な市販品としては、KF−96A−1cs、KF−96L−1.5cs、TMF−1.5(信越化学工業株式会社製)等が挙げられる。
(C)沸点200℃未満の揮発性シリコーンの含有量は、特に限定されないが、化粧料中1.0〜15.0重量%が好ましく、3.0〜10.0重量%がより好ましい。化粧料中の含有量が1.0重量%より少ないと、高い紫外線防御効果が得られず、15.0重量%より多いと、油性成分のしみ出しといった経時安定性の低下が生じる場合がある。
本願発明に用いられる成分(D)沸点200℃以上250℃未満の揮発性シリコーンは、常圧における沸点が200℃以上250℃未満で、常温での揮発速度の速いシリコーンである。
(D)沸点200℃以上250℃未満の揮発性シリコーンとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン(沸点:229℃)、デカメチルシクロペンタシロキサン(沸点:210℃)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(沸点:245℃)等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。これらのうち、のびの良さや経時安定性の観点から、ジメチルポリシロキサン及び/又はデカメチルシクロペンタシロキサンを用いることが好ましい。具体的な市販品としては、KF−96L−2cs、KF−995(信越化学工業株式会社製)等が挙げられる。
(D)沸点200℃以上250℃未満の揮発性シリコーンの含有量は、特に限定されないが、化粧料中5.0〜20.0重量%が好ましく、7.0〜15.0重量%がより好ましい。化粧料中の含有量が5.0重量%より少ないと、なめらかなのびが得られず、20.0重量%より多いと、油性成分のしみ出しといった経時安定性の低下や塗布後のべたつきといった使用性の低下が生じる場合がある。
さらに、成分(C)及び(D)の合計の含有量は、油相全量に対して、重量比率で0.2〜0.5であることが好ましい。ここでいう油相とは、化粧料中の水と水に溶解する成分を除くすべての成分のことを指す。成分(C)及び(D)の合計の含有量が、油相全量に対して重量比率で0.2より小さくなると、高い紫外線防御効果やなめらかなのびが得られず、0.5より大きくなると、油性成分のしみ出しといった経時安定性の低下が生じる場合がある。
本願発明の油中水型乳化化粧料は、上記成分(A)〜(D)を必須成分とするが、さらに成分(E)として、ジポリヒドロキシステアリン酸PEG−30を含有することが好ましい。
本願発明に用いられる成分(E)ジポリヒドロキシステアリン酸PEG−30は、ポリエチレングリコール(平均分子量1500)のポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)のジエステルであり、その平均分子量は約5000である。具体的な市販品としては、シスロールDPHS(クローダジャパン株式会社製)が挙げられる。
(E)ジポリヒドロキシステアリン酸PEG−30の含有量は、特に限定されないが、化粧料中0.1〜1.5重量%が好ましく、0.5〜1.0重量%がより好ましい。含有量が0.1重量%より少なくなると、経時安定性の低下が生じる場合があり、1.5重量%より多くなると、塗布後のべたつきといった使用性の低下が生じる場合がある。
また、本願発明の油中水型乳化化粧料は、上記成分(A)〜(D)を必須成分とするが、さらに成分(F)として、ペンタヒドロキシステアリン酸デカグリセリルを含有することが好ましい。
本願発明に用いられる成分(F)ペンタヒドロキシステアリン酸デカグリセリルは、ポリグリセリンの縮合度が平均10であり、ポリグリセリンに対するヒドロキシステアリン酸のエステル化度が平均5である。具体的な市販品としては、NIKKOL Decaglyn 5−HS(日光ケミカルズ株式会社製)が挙げられる。
(F)ペンタヒドロキシステアリン酸デカグリセリルの含有量は、特に限定されないが、化粧料中0.1〜0.7重量%が好ましく、0.3〜0.5重量%がより好ましい。含有量が0.1重量%より少なくなると、経時安定性の低下が生じる場合があり、0.7重量%より多くなると、塗布後のべたつきといった使用性の低下が生じる場合がある。
本願発明の油中水型乳化化粧料には、本願発明の効果を損なわない範囲内で、必要に応じて通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる前記成分以外の各種成分、例えば、紫外線吸収剤、pH調整剤、油剤、保湿剤、水性成分、界面活性剤、酸化防止剤、美容成分、防腐剤、水溶性高分子、皮膜形成剤、褪色防止剤、消泡剤、香料等を各種の効果を付与するために適宜含有することができる。特に、紫外線吸収剤を組み合わせて含有することで、広いUV領域で高い紫外線防御効果を発揮する。その場合、UVA領域の紫外線吸収剤とUVB領域の紫外線吸収剤を組み合わせて含有することによって、より広いUV領域で高い紫外線防御効果を発揮する。
以下に実施例を挙げて、本願発明をさらに詳細に説明する。尚、本願発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例等における含有量は、特に断らない限り重量%を示す。
実施例に先立ち、本発明で用いた効果試験方法について述べる。
[紫外線防御効果]
各例の化粧料25mgを5cm×5cm四方のサージカルテープ(スリーエム ヘルスケア株式会社製 ブレンダーム サージカルテープ 型番:1525−2)上に均一に塗布し、分光光度計(日本分光株式会社製 V−660)を用いて、280nm〜400nmの紫外線吸光度(abs.)を測定した。それぞれ5回測定し、UVB領域(300nm)の吸光度の平均値とUVA領域(350nm)の吸光度の平均値から、下記の基準に従って判定した。
(評価基準)
◎:UVB領域及びUVA領域で高い紫外線防御効果が確認された。
(300nmの吸光度が2.0以上かつ350nmの吸光度が1.2以上。)
○:UVB領域及び/又はUVA領域で紫外線防御効果がわずかに低下した。
(300nmの吸光度が1.5以上2.0未満及び/又は350nmの吸光度が1.0以上1.2未満。)
×:UVB領域及び/又はUVA領域で紫外線防御効果が明らかに低下した。
(300nmの吸光度が1.5未満及び/又は350nmの吸光度が1.0未満。)
[加速試験による経時安定性]
(1)乳化粒子の経時安定性
各例の化粧料をプラスチック容器に充填し、40℃の恒温槽で3カ月間保存した。顕微鏡にて乳化粒子を観察し、下記の基準に従って判定した。
(評価基準)
◎:初期の状態から差異が認められない。
○:初期の状態から乳化粒子がわずかに大きくなっているが、乳化状態を保っている。
×:初期の状態から乳化粒子が明らかに大きくなっている。
(2)油性成分のしみ出し
各例の化粧料をプラスチック容器に充填し、40℃の恒温槽で3カ月間保存した。目視にて油性成分のしみ出しを確認し、下記の基準に従って判定した。
(評価基準)
◎:油性成分のしみ出しはなく、初期の状態から差異が認められない。
○:わずかに油性成分のしみ出しが見られる。
×:多量の油性成分のしみ出しが見られる。
[使用感]
(1)のびの良さ
専門パネル20名により、各例の化粧料について、肌に塗布する際ののびの良さについて使用テストを行ない、アンケートの結果から下記の基準に従って判定した。
(評価基準)
◎:20名中、15名以上がのびが良いと回答した。
○:20名中、10〜14名がのびが良いと回答した。
△:20名中、5〜9名がのびが良いと回答した。
×:20名中、4名以下がのびが良いと回答した。
(2)きしみ感のなさ
専門パネル20名により、各例の化粧料について、肌に塗布する際のきしみ感のなさについて使用テストを行ない、アンケートの結果から下記の基準に従って判定した。
(評価基準)
◎:20名中、15名以上がきしみ感がないと回答した。
○:20名中、10〜14名がきしみ感がないと回答した。
△:20名中、5〜9名がきしみ感がないと回答した。
×:20名中、4名以下がきしみ感がないと回答した。
(3)べたつきのなさ
専門パネル20名により、各例の化粧料について、肌に塗布した後のべたつきのなさについて使用テストを行ない、アンケートの結果から下記の基準に従って判定した。
(評価基準)
◎:20名中、15名以上がべたつきがないと回答した。
○:20名中、10〜14名がべたつきがないと回答した。
△:20名中、5〜9名がべたつきがないと回答した。
×:20名中、4名以下がべたつきがないと回答した。
表1〜表3に示す処方の油中水型乳化化粧料を調製し、紫外線防御効果、経時安定性、使用感の評価を前記の基準に従って行った。
表1〜表3の処方により得られた油中水型乳化化粧料は、以下に示す製造方法により調製した。
(調製方法)
油相、水相をそれぞれ均一に分散した。油相へ水相を撹拌しながら徐々に添加し、常温にてホモミキサーを5000rpmで10分間運転することで乳化した。乳化後、脱泡して表1〜表3の各例の油中水型乳化化粧料を得た。
表1に示す結果から、(A)疎水化処理シリカ被覆酸化チタン、(B)疎水化シリカ、(C)沸点200℃未満の揮発性シリコーン、(D)沸点200℃以上250℃未満の揮発性シリコーンを含有し、成分(A)疎水化処理シリカ被覆酸化チタン中、シリカ被覆量が30重量%以上で疎水化処理剤の含有量が5重量%以上であり、成分(B)疎水化シリカは、吸油量が200ml/100g以下で平均粒径が1〜10μm、である化粧料(実施例1〜7)は、優れた紫外線防御効果と使用感を有することが分かる。一方、シリカ処理が30重量%に満たない酸化チタン及び/又は疎水化処理が5重量%に満たない酸化チタンを用いた化粧料(比較例1〜7)では、十分な紫外線防御効果や満足な使用感が得られなかった。
表2及び表3に示す結果から、(A)疎水化処理シリカ被覆酸化チタン、(B)疎水化シリカ、(C)沸点200℃未満の揮発性シリコーン、(D)沸点200℃以上250℃未満の揮発性シリコーンを含有し、成分(A)疎水化処理シリカ被覆酸化チタン中、シリカ被覆量が30重量%以上で疎水化処理剤の含有量が5重量%以上であり、成分(B)疎水化シリカは、吸油量が200ml/100g以下で平均粒径が1〜10μm、である化粧料(実施例8〜20)は、優れた紫外線防御効果と使用感を有することが分かる。
一方、(B)吸油量200ml/100g以下で、平均粒径が1〜10μmである疎水化シリカを含有しない化粧料(比較例8)は、満足な使用感が得られず、経時安定性も低下した。また、(C)沸点200℃未満の揮発性シリコーン又は(D)沸点200℃以上250℃未満の揮発性シリコーンのいずれか一方のみしか含有しない化粧料(比較例9〜11)は、紫外線防御効果の低下や経時安定性の低下がみられ、(C)沸点200℃未満の揮発性シリコーン又は(D)沸点200℃以上250℃未満の揮発性シリコーンのいずれか一方と、揮発性炭化水素又は非揮発性シリコーンを組み合わせた化粧料(比較例12〜14)は、経時安定性の低下や使用感の悪化がみられた。
なお、表1〜表3中、以下に示す成分は下記製品を用いた。
※1 SMT−TS−04S (テイカ株式会社製)
※2 SMT−TS−01S (テイカ株式会社製)
※3 STR−100W−LP (堺化学工業株式会社製)
※4 マックスライト TS−04D (昭和電工株式会社製)
※5 マックスライト TS−043−D (昭和電工株式会社製)
※6 MT−02 (テイカ株式会社製)
※7 MT−01 (テイカ株式会社製)
※8 SA−SB−300 (三好化成工業株式会社製)
※9 KF−96A−1CS (信越化学工業株式会社製)
※10 KF−96L−2CS (信越化学工業株式会社製)
※11 シスロール DPSH (クローダジャパン株式会社製)
※12 NIKKOL Dacaglyn 5−HS (日光ケミカルズ株式会社製)
※13 SMT−TS−04 (テイカ株式会社製)
※14 STR−100W (堺化学工業株式会社製)
※15 SI−SB−150 (三好化成工業株式会社製)
※16 KF−995 (信越化学工業株式会社製)
実施例21 クリーム状美白日やけ止め化粧料
含有成分 含有量(重量%)
油相
(1)メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 10.00
(2)ラウロイルサルコシンイソプロピル 12.00
(3)オクタメチルトリシロキサン(沸点:153℃)※9 5.00
(4)デカメチルシクロペンタシロキサン(沸点:210℃)※16 10.00
(5)イソノナン酸イソノニル 5.00
(6)ジポリヒドロキシステアリン酸PEG−30※11 0.50
(7)ペンタヒドロキシステアリン酸デカグリセリル※12 0.30
(8)5%シリコーン処理31%シリカ被覆酸化チタン※1 5.00
(9)ジステアルジモニウムヘクトライト 1.50
(10)シリコーン処理シリカ※8 1.00
水相
(11)精製水 残量
(12)1,3−ブチレングリコール 10.00
(13)アスコルビン酸−2−リン酸マグネシウム 3.00
(14)クエン酸ナトリウム 3.00
(15)EDTA−4Na 0.10
(16)エタノール 4.00
(17)パラオキシ安息香酸メチル 0.20
(調製方法)
成分(1)〜(7)を均一に混合した後、成分(8)〜(10)を加えてホモミキサーにて均一に分散した。これに成分(11)〜(17)の混合水溶液を加え、常温にてホモミキサーを5000rpmで10分間運転することにより乳化した。乳化後、脱泡して実施例21の油中水型乳化化粧料を得た。
(A)疎水化処理シリカ被覆酸化チタン、(B)疎水化シリカ、(C)沸点200℃未満の揮発性シリコーン、(D)沸点200℃以上250℃未満の揮発性シリコーンを含有し、成分(A)疎水化処理シリカ被覆酸化チタン中、シリカ被覆量が30重量%以上で疎水化処理剤の含有量が5重量%以上であり、成分(B)疎水化シリカは、吸油量が200ml/100g以下で平均粒径が1〜10μm、である実施例21の化粧料は、優れた紫外線防御効果を有するとともに、使用感が良く、経時安定性も高い油中水型乳化化粧料であった。
本願発明によれば、高い紫外線防御効果を有するとともに、なめらかでのびが良く、使用感が良好で、さらに経時安定性に優れる油中水型乳化化粧料を提供することができる。


Claims (4)

  1. 次の成分(A)〜(D);
    (A)疎水化処理シリカ被覆酸化チタン
    (B)疎水化シリカ
    (C)沸点200℃未満の揮発性シリコーン
    (D)沸点200℃以上250℃未満の揮発性シリコーン
    を含有し、成分(A)疎水化処理シリカ被覆酸化チタン中、シリカ被覆量が30重量%以上で疎水化処理剤の含有量が5重量%以上であり、成分(B)疎水化シリカは、吸油量が200ml/100g以下で平均粒径が1〜10μm、であることを特徴とする油中水型乳化化粧料。
  2. 油相全量に対する成分(C)及び(D)の合計の含有量の重量比率が、0.2〜0.5であることを特徴とする請求項1記載の油中水型乳化化粧料。
  3. 成分(E)ジポリヒドロキシステアリン酸PEG−30を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の油中水型乳化化粧料。
  4. 成分(F)ペンタヒドロキシステアリン酸デカグリセリルを含有することを特徴とする請求項1〜3いずれか一項記載の油中水型乳化化粧料。

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