図1は、本発明のウォーターサーバーの一実施の形態を示している。図1に示す構成は一例であり、斯かる構成に本発明のウォーターサーバーが限定されない。
このウォーターサーバー2では、サーバー本体4が備えられ、このサーバー本体4の上部に設置された給水部6からサーバー本体4側に給水Wが提供される。給水Wはたとえば、飲料用水である。給水部6は水道または給水ボトルのいずれでもよい。
給水Wが給水部6から冷水タンク8に導入され、この冷水タンク8側から温水タンク10に導入される。冷水タンク8では給水Wを冷却し、その冷水LWが溜められる。温水タンク10では給水Wを加熱し、温水HWが溜められる。
冷水タンク8には冷水供給機構12が連結されている。この冷水供給機構12には冷水タンク8から冷水LWを導く冷水供給路、電磁弁、冷水口などを備えればよい。冷水スイッチ14を押下すれば、この冷水供給機構12によって冷水タンク8内の冷水LWが冷水口より提供される。
温水タンク10には温水供給機構16が連結されている。この温水供給機構16には温水タンク10から温水HWを導く温水供給路、電磁弁、温水口などを備えればよい。温水スイッチ18を押下すれば、この温水供給機構16によって温水タンク10内の温水HWが温水口から提供される。
温水タンク10と冷水タンク8の間には高温水循環手段20が備えられる。この高温水循環手段20は一定の条件として、冷水LWまたは温水HWのいずれも使用しない時間すなわち、不使用時間を高温水循環時間に設定し、温水タンク10側の温水HWを加熱した高温水VHWを冷水タンク8に循環させる。不使用時間は継続した一定時間であり、高温水循環時間はこの不使用時間に対応し、継続した一定時間としてたとえば、4〔時間〕程度の時間である。高温水循環時間は不使用時間と一致させてもよいが、不使用時間がたとえば、4〔時間〕を超えて長くなったとしても、高温水循環の目的たとえば、滅菌などの浄化を達成できる一定時間であればよく、不使用時間に応じて延長する必要はない。
この高温水循環手段20の制御手段として、高温水循環時間設定手段22が備えられる。この高温水循環時間設定手段22は、24時間(1日)を単位とした所定期間内としてたとえば、1週間内で冷水または温水の使用状態を監視し、冷水または温水の何れも使用しない時間を取得し、この時間を不使用時間と判定する。つまり、不使用時間はたとえば、1時間を単位とすれば、その時間中に冷水スイッチ14または温水スイッチ18のいずれにも既述の押下操作がなければ、その1時間を不使用時間とすればよい。この実施形態では、高温水循環時間設定手段22には、冷水または温水の使用を検出する冷温水の使用検出機能を備えている。
図2は、高温水循環の処理手順の一例を示している。この処理手順は、ウォーターサーバー2に搭載されるたとえば、コンピュータに実行させればよい。
この処理手順では、ウォーターサーバー2の設置時点としてたとえば、電源投入時点から所定期間を計測し(S101)、この所定期間内であるか否かを判断する(S103)。
所定期間内であれば(S103のYES)、冷水LWまたは温水HWの使用を監視する(S102)。冷水LWの提供は冷水スイッチ14の押下時間により確認し、温水HWの提供は温水スイッチ18の押下時間により確認すればよいし、これらの押下時間のいずれもが生起しない時間が不使用時間となる。
所定期間にわたって冷水LWまたは温水HWのいずれも使用しない時間(不使用時間)を取得し(S104)、所定期間の経過後、不使用時間の到来を監視する(S105)。この不使用時間は所定期間(たとえば、1週間)の使用形態から判断し、ユーザが冷水LWまたは温水HWのいずれも使用しない時間を算定し、これを不使用時間として取得する。
不使用時間の到来かを判断し(S106)、この不使用時間に高温水循環時間を設定する(S107)。この高温水循環時間に高温水循環手段20により温水タンク10の温水HWを再加熱して高温化した高温水VHWを冷水タンク8に循環させる(S108)。
これにより、温水タンク10および冷水タンク8が高温水VHWで満たされ、この高温水VHWにより冷水タンク8が高温化される。
<一実施の形態の効果>
上記一実施の形態によれば、次の効果が得られる。
(1) このウォーターサーバー2を用いれば、日時を計測する時計機能を備えていなくても、高温水循環を自動的に設定でき、効果温水循環時点の到来を監視し、その時点で高温水循環を行うことができる。
(2) ウォーターサーバーの設置時点たとえば、電源投入時点を契機にユーザの冷水または温水の使用状況を確認し、その状況に応じて不使用時間を判断し、この不使用時間に高温水循環時間を設定することができる。
(3) 商用電源などの系統電源の停電や、ウォーターサーバー2の移転に伴う給電解除により高温水循環の設定の解除やリセットが生じても、その時点からユーザの冷水または温水の使用状況を確認し、その状況に応じて不使用時間を判断し、この不使用時間に高温水循環時間を設定することができる。停電や移転に伴う再設定の操作は不要であり、高温水循環が損なわれる不都合がない。
(4) 高温水循環の時期は、ユーザが冷水または温水を使用しない時間を自動的に検出し、その時間に高温水循環を設定するので、ユーザへの冷水や温水の使用が妨げられることがない。
(5) 高温水循環の設定は自動設定されるので、ユーザによる設定忘れや、ユーザに高温水循環の設定強要などがないので、ウォーターサーバー2の利便性が高められる。
(6) 高温水循環に必要なスイッチの設置は不要であり、しかも、既存のスイッチに高温水循環の設定や開始の機能割当ても不要であり、操作パネル部の簡素化に寄与することができる。
<ウォーターサーバー2の構成>
図3は、実施例1に係るウォーターサーバーを示している。このウォーターサーバー2では、給水部6に給水ボトル26が備えられる。この給水ボトル26の給水ノズル部28がサーバー本体4の冷水タンク8に挿入されている。給水ノズル部28は、冷水タンク8側の弁機構30で開閉可能である。この弁機構30にはフロート部32および開閉部34が備えられる。フロート部32は、冷水タンク8内の冷水レベルによって昇降する。これにより、冷水タンク8内の冷水レベルが下降すれば、開閉部34が開状態となって、給水ボトル26から上水Wが冷水タンク8に供給される。冷水タンク8内の冷水レベルが満水状態であれば、開閉部34が閉状態となって、給水ボトル26からの上水Wの供給が阻止される。
冷水タンク8の外壁部には冷却装置36の蒸発器38が備えられ、冷水タンク8に供給された上水Wが冷却され、冷水LWが得られる。冷却装置36は冷却機39などを含む冷却サイクルを備える。冷水タンク8には温度センサー40−1が備えられ、冷水LWの検出温度が冷温水制御部42に入力される。これにより、冷却装置36が制御され、冷水LWが6〔℃〕程度の一定温度に制御される。
この冷水LWは、冷水タンク8の底部側の冷水供給路44から冷水口46に導かれる。この冷水供給路44には、冷温水制御部42により制御される冷水電磁弁48−1が備えられ、この冷水電磁弁48−1を開状態にし、冷水LWが提供される。
この冷水タンク8の下側には温水タンク10が備えられる。この温水タンク10には冷水タンク8にある分離板50の中央部から温水タンク10に延びる給水路52−1より上水Wが給水される。分離板50は、冷水タンク8内の冷水LWと上水Wを分離する。
温水タンク10の外壁部には温水ヒーター54が備えられ、温水タンク10に供給された上水Wが加熱され、温水HWになる。この温水タンク10には温度センサー40−2が備えられ、温水HWの検出温度が冷温水制御部42に入力される。これにより、温水ヒーター54が制御され、温水HWはたとえば、80〔℃〕ないし90〔℃〕程度の一定温度に制御される。
この温水HWは、温水タンク10の天井部側の温水供給路56から温水口58に導かれる。この温水供給路56には、冷温水制御部42により制御される温水電磁弁48−2が備えられ、この温水電磁弁48−2を開状態にし、温水HWが提供される。
これら冷水タンク8の底部と温水タンク10の天井部の間には、給水路52−1と別にバイパス路52−2が備えられ、このバイパス路52−2にはバイパス弁48−3が備えられる。
高温水循環時、冷温水制御部42によりバイパス弁48−3が開かれるとともに、温水タンク10の温水ヒーター54が通電され、温水タンク10内の温水HWが加熱されて高温水VHWに制御される。高温水循環手段20には温水タンク10、給水路52−1、バイパス路52−2およびバイパス弁48−3が含まれる。
高温水循環時、バイパス弁48−3が開かれると、温水HWが高温水VHWに高温化されて温水タンク10から冷水タンク8に流れ込み、冷水タンク8の冷水LWが温水タンク10に流れ込む。この温水循環により、冷水タンク8内が高温水VHWにより高温化される。
このような高温水循環の制御機能を実現する冷温水制御部42は既述の高温水循環時間設定手段22(図1)の一例であり、たとえば、図4に示すように操作パネル部60に備えられる。この操作パネル部60は、ウォーターサーバー2の前面部たとえば、冷水口46および温水口58の上側に配置すればよい。
<操作パネル部60>
図4は、ウォーターサーバー2の操作パネル部60の一例を示している。
この操作パネル部60にはスイッチ群62の一例としてロック解除スイッチ62−1、冷水スイッチ62−2、温水スイッチ62−3および省エネスイッチ62−4が設置されている。ロック解除スイッチ62−1はロック解除に用いられる。このロック解除スイッチ62−1にはチャイルドロック機能が割り当てられ、一定時間としてたとえば、3秒間の長押しで温水供給に対しチャイルドロックが設定される。このロック解除スイッチ62−1にはロック解除表示ランプ64−1が備えられ、ロック解除表示ランプ64−1はロック解除中に点滅し、その発光色はたとえば、グリーンである。チャイルドロック中は点灯し、チャイルドロック中を表示する。このロック解除表示ランプ64−1の上段にはガイド表示66として「3秒間の連続押しでチャイルドロック設定となる」ことが表示されている。
冷水スイッチ62−2は冷水供給に用いられる。この冷水供給には通常の冷水LWの供給と、冷水LWより温度の高い弱冷水mLWの供給とに切り替えられる。冷水の使用については、これら冷水LWおよび弱冷水mLWの供給を以下、冷水LWの使用として判定している。
温水スイッチ62−3は温水供給に用いられる。この温水供給には通常の温水HWの供給と、温水HWより高い温度の高温水VHWの供給とに切り替えられる。温水の使用については、これら温水HWおよび高温水VHWの供給を以下、温水HWの使用と判定している。
省エネスイッチ62−4は省エネ運転のON、OFFに用いられ、一定時間としてたとえば、3秒間の長押しで省エネ設定となる。この場合、省エネ運転は使用しない時間帯で温水HWの加熱温度を抑えて節電を行う。この例では、中央にロック解除スイッチ62−1が配置され、このロック解除スイッチ62−1を挟んで冷水スイッチ62−2、温水スイッチ62−3が配置されている。
温水スイッチ62−3の上側には温水表示ランプ64−2、高温表示ランプ64−3が備えられ、温水表示ランプ64−2は温水設定中に点灯し、その発光色はたとえば、グリーンまたはオレンジである。高温表示ランプ64−3は高温設定中に点灯し、その発光色はたとえば、グリーンまたはオレンジである。冷水スイッチ62−2の上側には冷水表示ランプ64−4、弱冷表示ランプ64−5が備えられ、冷水表示ランプ64−4は冷水設定中に点灯し、その発光色はグリーンまたはオレンジである。弱冷表示ランプ64−5は弱冷設定中に点灯し、その発光色はグリーンまたはオレンジである。
省エネスイッチ62−4側には繰返し設定表示ランプ64−6、省エネ中表示ランプ64−7が備えられる。繰返し設定表示ランプ64−6は繰返し設定時に点灯し、その発光色はグリーンである。省エネ中表示ランプ64−7は省エネ運転中に点灯し、その発光色はグリーンである。
冷水スイッチ62−2から右寄り部には高温水循環表示ランプ64−8が設置されている。この高温水循環表示ランプ64−8は、高温水循環の循環中に点灯し、その発光色はグリーンである。この高温水循環表示ランプ64−8の点灯中、冷水または温水の使用が禁止される。
<冷温水制御部42>
図5は、冷温水制御部42の一例を示している。この冷温水制御部42は冷水スイッチ62−2の押下操作に基づく冷水電磁弁48−1の開閉、温水スイッチ62−3の押下操作に基づく温水電磁弁48−2の開閉など、通常の冷温水制御に加え既述の高温水循環制御を行う。この冷温水制御部42は、冷水電磁弁48−1、温水電磁弁48−2の動作制御とともに、その動作を監視し、冷温水の使用を検出する冷温水使用検出手段であるとともに、既述の高温水循環時間設定手段22の一例である。
この冷温水制御部42にはコンピュータが用いられ、プロセッサ68、メモリ部70、マルチタイマー72−1、省エネタイマー72−2、高温水循環タイマー72−3、異常判定タイマー72−4および入出力部(I/O)76が含まれる。
プロセッサ68は、メモリ部70にあるプログラムを実行し、冷温水の制御を行う一方、既述の高温水循環の制御を行う。このプログラムには高温水循環プログラムが含まれる。
メモリ部70は、記憶手段の一例であって、プロセッサ68で実行するプログラムや、スイッチに割り付けられる高温水循環の開始時点、高温水循環時間などのデータが格納される。このメモリ部70には冷温水使用履歴メモリ70−1、1週計メモリ70−2、分析用メモリ70−3などが含まれる。このメモリ部70にはROM(Read-Only Memory)、RAM(Random-Access Memory)が備えられ、ハードディスクや半導体メモリなどの記録媒体を用いればよい。
マルチタイマー72−1はたとえば、電源投入時を契機に時間を計測し、システム内のクロックをカウントアップし、電源投入時点からの経過時間を連続して計測する。
省エネタイマー72−2は、省エネモードの繰返しの設定により動作する。省エネモードは通常の消費電力より少ない省電力で動作させる動作モードである。省エネのインターバル時間として一定時間たとえば、24時間が経過すると、省エネモードを開始するとともに、リセットにより再スタートする。
高温水循環タイマー72−3は、高温水循環モードの設定により動作する。高温水循環のインターバル時間である所定期間としてたとえば、1週間(=7〔日〕=168〔時間〕)が経過すると、高温水循環を開始し、リセットの後、再スタートする。
異常判定タイマー72−4は、高温水循環の開始から所定時間としてたとえば、2時間の計時を行い、この所定時間の経過で異常を表す判定出力を発生する。つまり、高温水循環の開始から冷水タンク8内の温度が所定温度に到達することなく、所定時間として例えば2時間が経過すれば異常と判定する。
I/O76は、ロック解除スイッチ62−1、冷水スイッチ62−2、温水スイッチ62−3、省エネスイッチ62−4、温度センサー40−1、40−2などの機能部からON、OFF情報やセンサー情報の入力に用いられる。このI/O76から冷水電磁弁48−1、温水電磁弁48−2、バイパス弁48−3、冷却装置36、ロック解除表示ランプ64−1などの機能部に対する制御情報が出力される。
<冷温水使用履歴メモリ70−1、1週計メモリ70−2、分析用メモリ70−3および高温水循環タイマー72−3>
図6のA、B、Cは、冷温水使用履歴メモリ70−1、1週計メモリ70−2および分析用メモリ70−3の一例を示している。
冷温水使用履歴メモリ70−1は1時間を単位とする冷水または温水の使用の有無(使用:1、不使用:0)の24時間分の冷水または温水の履歴データを格納する。この冷温水使用履歴メモリ70−1では一定期間として1週間分の履歴データを格納するための7組の使用不使用メモリ70−11、70−12・・・70−17が備えられる。各使用不使用メモリ70−11、70−12・・・70−17には、1時間を単位とする24個の時間帯メモリが備えられる。したがって、各メモリ70−11、70−12・・・70−17は連続した7日間のデータが格納され、メモリ70−11は1日目、メモリ70−12は2日目、メモリ70−13は3日目、メモリ70−14は4日目、メモリ70−15は5日目、メモリ70−16は6日目、メモリ70−17は7日目の冷水LWまたは温水HWの使用履歴を表すデータが格納される。各メモリ70−11、70−12・・・70−17は、24〔時間〕を1日とし、日を単位として7組構成である。1時間以内に1回でも冷水LWまたは温水HWの使用があれば、その時間帯に「1」が格納される。
1週計メモリ70−2は冷温水使用履歴メモリ70−1に格納されたデータについて、各日の同一時間帯を単位として7日間のデータの論理和(OR)を取り、1週計の結果を格納する。つまり、同一時間帯で1日でも冷水LWまたは温水HWの使用があれば、「1」が格納され、不使用であれば、「0」が格納される。
分析用メモリ70−3は1週計メモリ70−2に格納されたデータを用いることにより、1時間を単位とする複数の時間帯としてたとえば4時間の時間帯を起点とする複数の時間帯で使用か不使用かを分析し、その分析結果を記録する。この例では、分析用メモリ70−3の「0」のメモリには、一週計メモリ70−2の時間「0」〜「4」の使用の有無を表すデータの論理和が格納され、分析用メモリ70−3の「1」のメモリには一週計メモリ70−2の時間「1」〜「5」の使用の有無を表す論理和が格納されている。以下同様にして、「0」〜「23」について、4時間毎の使用の有無が記録される。分析用メモリ70−3の各時間帯において、「1」は冷水または温水の使用を表し、「0」は冷水LWまたは温水HWのいずれの使用もないことを表している。この例では時刻「0」〜時刻「2」は使用ありを表し、時刻「3」が不使用を表しているので、時刻「3」からの4時間が不使用時間であり、高温水循環時間に設定可能であることを表している。
図6のDは、高温水循環タイマー72−3のカウント値の変遷とそれに伴う状態遷移の一例を示している。高温水循環タイマー72−3には、分析用メモリ70−3の格納データから高温水循環が可能か否かの判断結果として、直近の高温水循環不可Toff時間を考慮したカウント値N(168−Toff時間)が格納され、直近の高温水循環不可Toff時間が経過すると(カウント値が168になると)高温水循環時間Tonになり、カウント値は0スタートする。高温水循環不可Toffは、冷水LWまたは温水HWの使用可能時間であり、高温水循環時間Tonは、高温水VHWを循環させる時間であり、冷水または温水の使用不可の時間である。高温水循環時間Tonは、冷水スイッチ62−2または温水スイッチ62−3を押下しても、その操作を受け付けない無反応時間となる。
<冷水または温水の検知、使用時間T1、不使用時間T2の算出>
図7のA、B、CおよびDは、冷水LWの使用状態、温水HWの使用状態、これらの使用時間T1および不使用時間T2の算出を示している。
図7のAは、24時間中の冷水LWの使用状態を示している。この冷水LWの使用は、温水スイッチ62−3のONに基づき、冷水電磁弁48−1が開状態になることを検出している。この例では、0〜1の1時間において、A1、A2の時間で冷水LWが使用されている。この冷水LWの使用状態は、冷温水制御部42が備える冷温水検出機能により検出される。
図7のBは、24時間中の温水HWの使用状態を示している。この温水HWの使用は、冷水スイッチ62−2のONに基づき、温水電磁弁48−2が開状態になることを検出している。この例では、0〜1の1時間でB1の時間、1〜2の1時間でB2の時間で温水HWが使用されている。この冷水LWの使用状態は、冷温水制御部42が備える冷温水検出機能により検出される。
図7のCは、冷水LWまたは温水HWの使用時間T1を示している。この例では、1時間を単位に冷水LWまたは温水HWのいずれかの使用があれば、使用時間として判定している。したがって、1時間を単位に時刻0〜時刻2の時間において、冷水LWまたは温水HWのいずれかの使用があり、使用時間T1を判定している。この場合、1時間を単位に時刻2〜時刻24の時間では冷水LWまたは温水HWのいずれの使用もない。これら冷温水の使用履歴は、冷温水使用履歴メモリ70−1に記録される。
図7のDは、冷水LWまたは温水HWの不使用時間T2を示している。この例では、1時間を単位に冷水Wまたは温水HWのいずれの使用もなければ、不使用時間として判定している。したがって、1時間を単位に時刻2〜時刻24の時間において、冷水Wまたは温水HWのいずれも使用がないので、1時間を単位に時刻2〜時刻24で不使用時間T2を判定している。
<ウォーターサーバーの制御>
図8は、ウォーターサーバー2の全系統における制御のメインルーチンを示している。この処理手順では、電源投入を契機に装置の設定などの初期化が行われる(S201)。この初期化の後、高温水循環タイマー72−3の設定済みかが判断される(S202)。
高温水循環タイマー72−3の設定前であれば(S202のNO)、高温水循環タイマー72−3の自動設定を行い(S203)、通常動作に移行する(S204)。S202で高温水循環タイマー72−3の設定済みであれば(S202のYES)、高温水循環タイマー72−3の自動設定をスキップし、通常動作に移行する(S204)。
通常動作に続いて、省エネモードの繰返し動作(図11)が実行され(S205)、高温水循環の指示(図12)が実行され(S206)、その他の設定変更などの処理(S207)を経て、高温水の循環タイミングかを判断する(S208)。
高温水の循環タイミングが到来していれば(S208のYES)、高温水循環動作(図13、図14)を実行し(S209)、S202に戻る。なお、高温水の循環タイミングの到来は、高温水循環タイマー72−3が所定期間経過したことにより検出する。このとき、高温水循環タイマー72−3が計数を0よりリスタートする。
高温水の循環タイミングでなければ(S208のNO)、省エネモードのタイミングかを判断する(S210)。省エネモードタイミングであれば(S210のYES)、省エネモードを一定時間たとえば、6〔時間〕に亘って実施する(S211)。省エネモードタイミングでなければ(S210のNO)、S211をスキップし、S202に戻る。なお、省エネモードタイミングの到来は、省エネタイマー72−2が24時間経過したことにより検出する。このとき、省エネタイマー72−2が計数を0よりリスタートする。
<高温水循環の設定>
図9は、高温水循環の設定の処理手順の一例を示している。この処理手順は高温水循環プログラムによって実現される処理の一例である。
この高温水循環設定の処理手順はたとえば、ウォーターサーバー2の設置による電源投入時または電源切り離しの後の再投入時に行い、この設定処理は自動的に実行される。
ウォーターサーバー2を設置し、給水部6に給水されていれば、電源投入後、所定の手順でウォーターサーバー2から冷水LWまたは温水HWの使用が可能である。そこで、この処理手順では、待機状態で冷水または温水の使用があるかを判断する(S301)。冷水または温水の使用があれば(S301のYES)、メモリ部70にある、冷温水使用履歴メモリ70−1の現在の日の現在時間帯に対応するメモリ70−11、70−12・・・70−17に冷水または温水の使用あり「1」を格納し(S302)、1週間のデータ収集を行って、1週間のデータ収集が完了かを判断する(S303)。ここで、1週間(=24〔H〕*7〔日〕)は継続した時間の一例であり、1週間未満でもよく、1週間を超える一定期間であってもよい。この例では、一般的なウォーターサーバー2のユーザであれば、1週間程度の継続した時間を想定すれば、斯かるユーザの使用形態を把握でき、不使用時間を推測できると判断したことによる。
S301で冷水または温水の使用がなければ(S301のNO)、S302をスキップし、データ収集を行い、S303に移行する。
1週間のデータ収集が完了していれば(S303のYES)、1週計メモリ70−2に7日間の同一時間帯のデータ論理和(OR)を記録し(S304)、1週計メモリ70−2の同一時間帯に7日間の同一時間帯の論理和(OR)を記録する(S304)。分析用メモリ70−3のそれぞれの時間に1週計メモリ70−2の同一時間から一定時間としてたとえば、4時間を単位とするデータの論理和(OR)を分析用メモリ70−3に記録する(S305)。
分析用メモリ70−3の記憶データ中に「0」(使用なし)が有りかを判断する(S306)。
分析用メモリ70−3の記憶データ中に「0」(使用なし)があれば(S306のYES)、分析用メモリ70−3の「0」となっている位置(時間)を高温水循環の開始時間とする。分析用メモリ70−3に複数の「0」が存在している場合には、連続している時間を使用し、たとえば、連続箇所が3以上であれば、2番目の時間を使用すればよい。この時間が高温水循環の開始時間である。
この時間を参照した“168時間(1週間)−高温水循環開始までの時間”を高温水循環タイマー72−3(図6のD)にセットして計時をスタートし(S308)、図8のS202にリターンする。
また、S306において、分析用メモリ70−3の記憶データ中に「0」(使用なし)がなければ(S306のNO)、高温水循環不可を記憶し(S309)、S307、S308をスキップし、図8のS202にリターンする。
図10は、既述の冷温水使用履歴メモリ70−1、1週計メモリ70−2、分析用メモリ70−3のデータ処理を示している。
図10のAに示すように、冷温水使用履歴メモリ70−1において、メモリ70−11、70−12・・・70−17には、1日〜7日間の冷水LWまたは温水HWの使用が記録される。一例として、メモリ70−11には1日目の時刻2〜3、時刻18〜19、時刻21〜22、時刻22〜23で「1」(=冷水または温水の使用あり)を記録している。メモリ70−12には2日目の時刻7〜8、時刻17〜18、時刻18〜19、時刻21〜22で「1」を記録している。メモリ70−13には3日目の時刻1〜2、時刻2〜3、時刻8〜9、時刻15〜16、時刻17〜18、時刻18〜19で「1」を記録している。同様にして、4日目〜7日目の冷水または温水の使用が記録されている。
図10のBに示すように、1週計メモリ70−2には、7日間のメモリ70−11〜70−17の各時刻0〜24の1時間を単位とする論理和(OR)の結果が記録されている。つまり、この例では、3日目の時刻1〜2に「1」が記録されているので、他の日には同一時刻に冷水または温水の使用がなくても、1週計メモリ70−2の時刻1〜2の1時間には冷水または温水の使用あり「1」と記録される。
図10のCに示すように、分析用メモリ70−3には、1週計メモリ70−2の1時間毎のステップで4時間を単位とするデータの論理和を取り、その結果を開始時刻0〜23の1時間を単位として記録する。この例では、1週計メモリ70−2の時刻0〜3の各時間に「1」が記録されているので、時刻0〜4までの各時間の論理和「1」が記録される。1週計メモリ70−2の時刻3〜7の各時間に「0」が記録されているので、時刻3〜7までの4時間は「0」であるから、分析用メモリ70−3には、開始時刻0〜2に「1」(=使用時間)が記録され、開始時刻3に「0」(=不使用時間)が記録される。同様にして、1週計メモリ70−2の時刻9〜15の各時間に「0」が記録されているので、分析用メモリ70−3には、開始時刻9〜11に「0」(=不使用時間)が記録されている。つまり、斯かるユーザの使用形態によれば、不使用時間を高温水循環に用いても、冷水または温水の需要を妨げることがないと判断することができる。
<省エネモードの繰返し動作>
図11は、省エネ繰返し動作の処理手順を示している。省エネ繰返し動作の開始機能は省エネスイッチ62−4が割り付けられている。そこで、この処理手順では、省エネスイッチ62−4の所定時間としてたとえば、3秒間の長押しがあったかを判定する(S401)。この長押しがなければ(S401のNO)、省エネ繰返し動作は開始しない。
省エネスイッチ62−4の3秒間の長押しがあれば(S401のYES)、省エネタイマー72−2の計時を「0」よりスタートさせ(S402)、高温水循環タイマー72−3の計時をスタートさせる(S403)。これを契機に、省エネ動作が開始され、継続した一定時間たとえば、6時間の省エネ繰返し動作が実施され(S404)、この動作の後、図8のS205にリターンする。
<高温水循環の指示動作>
図12は、高温水循環の指示動作の処理手順を示している。冷水スイッチ62−2および温水スイッチ62−3の双方を同時に所定時間たとえば、3〔秒〕以上押せば、高温水循環の指示を行うことができる。
この処理手順では、冷水スイッチ62−2および温水スイッチ62−3の双方を同時に所定時間たとえば、3秒以上を押したかを判定し(S501)、3秒以上を押していれば(S501のYES)、省エネ繰返し動作の設定済みかを判定する(S502)。省エネ繰返し動作設定済みでなければ(S502のNO)、高温水循環タイマー72−3の計時を「0」よりスタートさせ(S503)、高温水循環動作に移行する(S504)。
S502において、省エネ繰り返し動作設定済みであれば(S502のYES)、S503をスキップさせ、高温水循環タイマー72−3の計時をスタートさせ(S505)、高温水循環動作(S504)に移行する。この場合、高温水循環タイマー70−3の計時スタートでは、省エネ実施時間に合わせるため、その時点の省エネタイマー値をスタート値とする。
<高温水の循環動作>
図13は、高温水の循環動作の処理手順を示している。高温水の循環の処理手順では、高温水循環タイマー72−3をリセットし、計時を再スタートさせる(S601)。冷却機39をOFF状態にし(S602)、温水タンク10内の温水加熱を開始し(S603)、温水タンク10内の温水温度を監視する(S604)。温水タンク10内の温水温度が所定温度以上であるかたとえば、温水温度≧90〔℃〕であるかを判断する。温水タンク10内の温水温度が所定温度以上、温水温度≧90〔℃〕に到達していなければ(S604のNO)、温水加熱を継続する。
この温水温度が所定温度としてたとえば、90〔℃〕以上に到達すれば(S604のYES)、これを契機に異常判定タイマー72−4の計時をリセットし、その計時を再スタートさせる(S605)。
これを契機に、バイパス弁48−3を開き、温水タンク10から冷水タンク8に高温水VHWの循環を開始させる(S606)。
この循環中に、温水タンク10内の温水温度を監視する(S607)。温水タンク10内の温水温度が所定温度以上たとえば、温水温度≧93〔℃〕であるかを判断する。温水タンク10内の温水温度が93〔℃〕に到達していれば(S607のYES)、温水ヒーター54の通電を停止(OFF)にする(S608)。また、温水タンク10内の温水温度が所定温度以上、温水温度≧93〔℃〕でなければ(S607のNO)、温水ヒーター54を通電(ON)させる(S609)。
そして、異常判定タイマー72−4の計時時間が所定時間たとえば、2時間が経過したかを判断し(S610)、異常判定タイマー72−4の計時時間が所定時間たとえば、2時間が経過していなければ(S610のNO)、冷水タンク8内の温度が所定温度たとえば、85〔℃〕以上で所定時間たとえば、30分の循環が経過したかを判断する(S611)。冷水タンク8内の温度が85〔℃〕以上で30分の循環が経過していなければ(S611のNO)、S607〜611の高温水循環動作を継続させる。
異常判定タイマー72−4の計時時間が2時間を経過していれば(S610のYES)、2時間以上の高温水循環は異常であるので、S611をスキップして高温水循環異常の報知を行う(S612)。
冷水タンク8内の温度上昇および循環時間を監視し、冷水タンク8内の温度が85〔℃〕以上で30分経過すれば(S611のYES)、バイパス弁48−3を閉じ、高温水循環を終了し(S613)、図8のS209にリターンする。
図14は、高温水の循環動作を示している。図14のAは高温水循環の開始動作の過渡状態を示し、図14のBは高温水循環の安定状態を示している。
バイパス弁48−3が開かれると、図14のAに示すように、温水タンク10側の加熱によって温度上昇させた高温水VHWがバイパス路52−2から自然対流により冷水タンク8に流入する。冷水タンク8側の冷水LWは給水路52−1から温水タンク10側に流入し、高温水循環が行われる。
冷水タンク8側の冷水LWが温水タンク10側に流入しても、温水タンク10側の温水加熱により高温水VHWが生成されるので、冷水タンク8および温水タンク10は、図14のBに示すように、高温水VHWで満たされて安定し、冷水タンク8が高温化される。これにより、冷水タンク8およびその供給系統が高温水VHWで滅菌されて浄化される。
<実施例1の効果>
上記実施例によれば、次の効果が得られる。
(1) ウォーターサーバー2の高温水循環時間の設定をユーザの使用形態に応じて自動化でき、ウォーターサーバー2の利便性を高めることができる。
(2) 停電やウォーターサーバー2の移転に伴って高温水循環の設定がリセットされても、停電からの復帰や移転後の通電を契機にユーザの使用形態に応じた高温水循環時間が自動的に設定できるので、高温水循環設定がリセット状態で放置されるという不都合を回避することができる。
(3) ウォーターサーバー2の使用状況は、電源投入時点を0時とし、1日(=24H)の単位時間(1時間)毎の使用の有無を所定期間(7日)記憶し、判断するので、所定期間におけるユーザの使用状況を正確に把握できる。
(4) 所定期間を通して使用がなかった連続した時間帯(4H=不使用時間)を検出すると、その時間を高温水循環時間に設定し、所定期間の経過後に該当する不使用時間に高温水循環を行うことができる。具体的には、期間経過後の8日目の検出時間に、高温水循環を行うことができる。そして、8日目の高温水循環の実行後、さらに1週間後の当該時間に高温水循環を実行することができる。これらの高温水循環は、ユーザに操作を要求することなく、自動的に行うことができる。
(5) このウォーターサーバー2では日時を計時する時計機能を備えることなく、ユーザのウォーターサーバー2の使用形態ないし使用履歴に応じて定期的に適切な時間に高温水循環を行うことができる。
(6) 温水や冷水の使用時以外のタイミングで高温水循環の設定をする必要がなく、つまり、温水や冷水の使用とは異なる高温水循環の設定をする必要がなく、ウォーターサーバー2の利便性を高めることができる。
実施例1の高温水循環の設定では1週計メモリ70−2のデータ処理に論理和を用いているのに対し、実施例2では、データ処理に冷水または温水の使用または不使用を表すデータの加算値を用いている。
図15のA、B、Cは、実施例2に係るウォーターサーバー2に用いられるメモリ部70の一例を示している。
この実施例2では、実施例1と同様に冷温水使用履歴メモリ70−1が用いられるが、実施例1と記録内容が異なる1週計メモリ70−5、第1および第2の分析用メモリ70−61、70−62が用いられる。
冷温水使用履歴メモリ70−1は、メモリ70−11、70−12・・・70−17で構成され、記憶されるデータは実施例1と同様であるので説明を割愛する。
1週計メモリ70−5は、メモリ70−11、70−12・・・70−17の同一時間に記録されたデータの加算値が同一時間帯に記録される。つまり、1週計メモリ70−5は使用日数メモリであり、同一時間帯で冷水または温水の使用日数を記録する。
分析用メモリ70−61には24時間分の時間帯メモリ0〜23が備えられる。時間帯メモリ0には1週計メモリ70−5の一定時間としてたとえば、0〜4の4時間分のデータの加算値が格納される。時間帯メモリ1には1週計メモリ70−5の1〜5の4時間分のデータの加算値が格納される。同様にして各時間帯メモリ2〜23には連続した4時間分のデータの加算値が格納される。
分析用メモリ70−62には分析用メモリ70−61に格納されている各時間帯のデータから最小値(0も含む)を減算した値が格納される。格納した値において、「0」となる時間は冷水または温水のいずれもが使用されない、もしくは使用頻度が少ない時間となり、高温循環開始時間の対象となる。
図15のDは、実施例2に係る高温水循環タイマー72−3のカウント値の変遷とそれに伴う状態遷移の一例を示している。この実施例2にも実施例1と同様に高温水循環タイマー72−3が備えられる。この高温水循環タイマー72−3には分析用メモリ70−62に格納されている各時間帯データの「0」により求められた高温水循環時間Tonまでの高温水循環不可Toff時間を考慮したカウント値N(168−Toff時間)が格納される。
図16は、高温水循環の設定の処理手順の一例を示している。この処理手順は高温水循環プログラムによって実現される処理の一例である。
この高温水循環設定の処理手順はたとえば、ウォーターサーバー2の設置による電源投入時または電源切り離し後の再投入時に行い、この設定処理は自動的に実行される点は実施例1と同様である。
この処理手順では、待機状態で冷水または温水の使用があるかを判断する(S701)。冷水または温水の使用があれば(S701のYES)、メモリ部70にある、冷温水使用履歴メモリ70−1の現在日の現在時間帯に対応するメモリ70−11、70−12・・・70−17に冷水または温水の使用あり「1」を格納し(S702)、1週間のデータ収集を行って、1週間のデータ収集が完了かを判断する(S703)。実施例2においても、1週間(=24〔H〕*7〔日〕)は継続した時間の一例であり、1週間未満でもよく、1週間を超える一定期間であってもよい。この例では、一般的なウォーターサーバー2のユーザであれば、1週間程度の継続した時間を想定すれば、斯かるユーザの使用形態を把握でき、不使用時間を推測できると判断したことによる。
S701で冷水または温水の使用がなければ(S701のNO)、S702をスキップし、データ収集を行い、S703に移行する。
冷温水使用履歴メモリ70−1の同一時間帯の格納データを確認し、1週間のデータ収集が完了していれば(S703のYES)、1週計メモリ70−5に7日間の同一時間帯のデータ加算値(和)を記録する(S704)。
分析用メモリ70−61のそれぞれの時間「0」〜「23」に1週計メモリ70−5の同一時間から所定時間たとえば、4時間の記憶データの和を記録する(S705)。
分析用メモリ70−61のデータの最小値を求め、この最小値を分析用メモリ70−61にある各データのそれぞれから減算し、分析用メモリ70−62のデータを更新する(S706)。つまり、各時間帯から「0」値の時間帯を求める。
この例では、分析用メモリ70−62が「0」となっている時間を高温水循環の開始時間とする(S707)。分析用メモリ70−62に複数の「0」が存在している場合には、連続している時間を使用し、たとえば、連続箇所が3以上であれば、連続している時間の内、2番目の時間を使用すればよい。この時間が高温水循環時間となる。
この時間を参照した“168時間(1週間)−高温水循環開始までの時間”を高温水循環タイマー72−3(図15のD)にセットして計時を開始し(S708)、図8のS202にリターンする。
S703において、1週間のデータ収集が完了していなければ(S703のNO)、S704〜S709をスキップし、図8のS202にリターンする。
図17は、既述の冷温水使用履歴メモリ70−1、1週計メモリ70−5、分析用メモリ70−61、70−62の処理を示している。
図17のAに示すように、冷温水使用履歴メモリ70−1には実施例1と同様にデータを記録する。おいて、メモリ70−11、70−12・・・70−17には、1日〜7日間の冷水または温水の使用が記録される。一例として、メモリ70−11には1日目の時刻2〜3、時刻18〜19、時刻21〜22、時刻22〜23で「1」(=冷水または温水の使用あり)を記録している。メモリ70−12には2日目の時刻3〜4、時刻17〜18、時刻18〜19、時刻21〜22で「1」を記録している。メモリ70−13には3日目の時刻1〜2、時刻2〜3、時刻8〜9、時刻15〜16、時刻13〜14、時刻17〜18、時刻18〜19で「1」を記録している。同様にして、4日目〜7日目の冷水または温水の使用が記録されている。
図17のBに示すように、1週計メモリ70−5には、7日間のメモリ70−11〜70−17の各時刻0〜24の1時間を単位とするデータ和が記録されている。つまり、この例では、実施例1と異なり、各時間における使用日数が格納されている。たとえば、「2」は2日の使用があったことを表しており、「5」は5日の使用があったことを表している。
図17のCに示すように、分析用メモリ70−61には、1週計メモリ70−5の1時間毎のステップで4時間を単位とするデータの総和を取り、その結果を時刻0〜23の1時間を単位として記録する。この例では、1週計メモリ70−5の時刻0〜3の各時間の総和は「9」であるから、分析用メモリ70−61の時刻0には「9」が記録される。以下同様に各時間には総和値が記録されている。
そして、分析用メモリ70−61に格納されている各データの最小値を求め、この例では、「1」が最小値である。この最小値「1」を分析用メモリ70−61にある各データのそれぞれから減算してデータを更新し、分析用メモリ70−62の各時間に格納する。この例では、最小値が「1」であるから、分析用メモリ70−62では分析用メモリ70−61のデータ群中の「1」が「0」に更新されている。
分析用メモリ70−62のデータ中、時刻9および時刻11のデータが「0」である。この「0」が不使用時間である。つまり、斯かるユーザの使用形態によれば、不使用時間を高温水循環に用いても、冷水または温水の需要を妨げることがないと判断することができる。そこで、この複数の不使用時間中の後続の不使用時間を図15のDに示すように、高温水循環タイマー72−3の高温水循環時間Tonに設定し、その余の時間を高温水循環不可Toffに設定すればよい。
<実施例2の効果>
上記実施例によれば、実施例1の効果に加え、ウォーターサーバー2の使用頻度や使用習慣を的確に捉え、不使用時間に高温水循環を自動設定でき、ウォーターサーバー2の高温水循環による浄化を行うことができる。
実施例3ではデータ処理に冷水または温水の使用日数を記録し、冷水または温水の不使用時間を算出し、高温水循環時間を設定している。
図18のA、B、Cは、実施例3に係るウォーターサーバー2に用いられるメモリ部70の一例を示している。
この実施例3では、7日間の同一時間帯での冷水または温水の使用回数を記録する冷温水使用履歴メモリ70−7が備えられ、7日間の同一時間帯の使用回数を記録する1週計メモリ70−8、使用回数から不使用時間の分析に用いられる第1および第2の分析用メモリ70−91、70−92が備えられる。
冷温水使用履歴メモリ70−7は、冷水または温水のいずれかの7日間の使用回数を記録するメモリ70−71、70−72・・・70−77で構成され、7日間の同一時間の冷水または温水のいずれかの使用回数が格納される。
1週計メモリ70−8は、メモリ70−71、70−72・・・70−77の同一時間に記録されたデータの加算値を記録する。
分析用メモリ70−91には24時間分の時間帯メモリ0〜23が備えられる。時間帯メモリ0には1週計メモリ70−8の一定時間としてたとえば、0〜4の4時間分のデータの加算値が格納される。同様にして各時間帯メモリ2〜23には連続した4時間分のデータの加算値が格納される。
分析用メモリ70−92には分析用メモリ70−91に格納されている各時間帯のデータから最小値を減算した値が格納される。したがって、分析用メモリ70−92に格納される「0」の時間は冷水または温水のいずれもが使用されない、もしくは使用頻度の少ない不使用時間となる。
図18のDは、実施例3に係る高温水循環タイマー72−3のカウント値の変遷とそれに伴う状態遷移の一例を示している。この実施例3にも実施例1と同様に高温水循環タイマー72−3が備えられる。この高温水循環タイマー72−3には分析用メモリ70−92に格納されている各時間帯データの「0」により求められた高温水循環時間Tonまでの高温水循環不可Toff時間を考慮したカウント値N(168−Toff時間)が格納される。
図19は、高温水循環の設定の処理手順の一例を示している。この処理手順は高温水循環プログラムによって実現される処理の一例である。
この高温水循環設定の処理手順はたとえば、ウォーターサーバー2の設置による電源投入時または電源切り離し後の再投入時に行い、この設定処理は自動的に実行される点は実施例1または実施例2と同様である。
この処理手順では、待機状態で冷水または温水の使用があるかを判断する(S801)。冷水または温水の使用があれば(S801のYES)、メモリ部70にある、冷温水使用履歴メモリ70−7の現在日の現在時間帯に対応するメモリ70−71、70−72・・・70−77に使用に応じて記録回数を+1を加算し、使用回数を記録する(S802)。同様に1週間のデータ収集を行って、1週間のデータ収集が完了かを判断する(S803)。実施例3においても、1週間(=24〔H〕*7〔日〕)は継続した時間の一例であり、1週間未満でもよく、1週間を超える一定期間であってもよい。この例では、一般的なウォーターサーバー2のユーザであれば、1週間程度の継続した時間を想定すれば、斯かるユーザの使用形態を把握でき、不使用時間を推測できると判断したことによる。
S801で冷水または温水の使用がなければ(S801のNO)、S802をスキップし、データ収集を行い、S803に移行する。
冷温水使用履歴メモリ70−7の同一時間帯の格納データを確認し、1週間のデータ収集が完了していれば(S803のYES)、1週計メモリ70−8に7日間の同一時間帯のデータ加算値(和)を記録する(S804)。
分析用メモリ70−91のそれぞれの時間帯メモリ0〜23に1週計メモリ70−8の同一時間から4時間の記録データの和を記録する(S805)。
分析用メモリ70−91のデータの最小値を求め、この最小値を分析用メモリ70−91にある各データのそれぞれから減算し、70−92にデータを更新する(S806)。つまり、各時間帯から「0」値の時間帯を求める。
この例では、分析用メモリ70−92が「0」となっている時間を高温水循環の開始時間とする(S807)。分析用メモリ70−92に複数の「0」が存在している場合には、連続している時間を使用し、たとえば、連続箇所が3以上であれば、連続している時間の内、2番目の時間を使用すればよい。この時間が高温水循環時間となる。
この時間を参照した“168時間(1週間)−高温水循環開始までの時間”を高温水循環タイマー72−3(図18のD)にセットして計時を開始し(S808)、図8のS202にリターンする。
S803において、1週間のデータ収集が完了していなければ(S803のNO)、S804〜S809をスキップし、図8のS202にリターンする。
図20は、既述の冷温水使用履歴メモリ70−7、1週計メモリ70−8、分析用メモリ70−91、70−92の処理を示している。
図20のAに示すように、冷温水使用履歴メモリ70−7において、メモリ70−71、70−72・・・70−77には、1日〜7日間の冷水または温水の使用回数が記録される。一例として、メモリ70−71には1日目の時刻2〜3に4回、時刻18〜19に3回、時刻21〜22に2回、時刻22〜23で1回を記録している。メモリ70−72〜70−77には同様に、各時間に2日目〜7日目の冷水または温水の使用回数が記録されている。
図20のBに示すように、1週計メモリ70−8には、7日間のメモリ70−71〜70−77の各時間0〜24の1時間の使用回数が記録されている。つまり、この例では、実施例1と異なり、冷水または温水の使用回数の総和が格納されている。
図20のCに示すように、分析用メモリ70−91には、1週計メモリ70−8の1時間毎のステップで4時間を単位とする使用回数の和を取り、その結果を時刻0〜23の1時間を単位として記録する。この例では、1週計メモリ70−8の時刻0〜4の各時間の総和は「17」であるから、分析用メモリ70−91の時刻0には「17」が記録される。以下同様に各時間には使用回数の和が記録されている。
そして、分析用メモリ70−91に格納されている各データの最小値を求め、この例では、時刻9の回数の「1」が最小値である。この最小値「1」を分析用メモリ70−91にある各データのそれぞれから減算してデータを更新し、分析用メモリ70−92の各時間に格納する。この例では、最小値が「1」であるから、分析用メモリ70−92では分析用メモリ70−91のデータ群中の時刻9の「1」が「0」に更新されている。この「0」が不使用時間である。つまり、斯かるユーザの使用形態によれば、不使用時間を高温水循環に用いても、冷水または温水の需要を妨げることがないと判断することができる。そこで、この不使用時間を図18のDに示すように、高温水循環タイマー72−3の高温水循環時間Tonに設定し、その余の時間を高温水循環不可Toffに設定すればよい。
<実施例3の効果>
上記実施例によれば、実施例1の効果に加え、実施例2と同様にウォーターサーバー2の使用頻度や使用習慣をより正確に把握でき、不使用時間に高温水循環を自動設定でき、ウォーターサーバー2の高温水循環による浄化を行うことができる。
〔他の実施の形態〕
(1) 実施例1、2、3では4時間を不使用時間として設定しているが、他の使用パターンとして、4時間以上の不使用時間が複数ある場合、不使用時間が継続した4時間以上である場合、不使用時間が発見できない場合などが想定される。
これらの場合には、次のようなデータ収集や分析を行い、高温水循環時間を設定すればよい。
a 実施例1のように、冷水または温水の使用の有無を記録し、有無を集計し、冷水または温水を使ったかを判定すればよい。
b 実施例2のように、冷水または温水の使用の有無を数値化して記録し、使用回数を集計する。この場合、日数を重視したデータ処理でよい。
c 実施例3のように、冷水または温水の使用回数を記録し、一定期間内の連続した単位時間の回数の総和を集計し、その使用回数から高温水循環時間を設定すればよい。
d 上記実施例では、1時間を単位時間としたが、二分の一時間などの単位時間を短くし、使用の有無や回数を短い単位時間で集計し、その集計結果から判定してもよい。
e 上記実施例では、1時間を単位時間としたが、2時間などの単位時間を長くし、使用の有無や回数を長い単位時間で集計し、その集計結果から判定してもよい。
(2) 自動化された高温水循環時間をユーザによりシフトするなど修正する形態であってもよい。
(3) 上記実施の形態や実施例では、冷水タンク8に高温水を循環させているが、冷水タンク8を含む冷水系統に高温水を循環させてよい。
(4) 上記実施例では、表示ランプに一例として、LED(Light Emitting Diode)を使用しているが、このような光学的な表示に対し、発音手段を備えてブザー音の音色や発生回数により設定時間を選択できるようにしてよい。
以上の通り、本発明の技術の最も好ましい実施の形態等について説明した。本発明は、上記記載に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載され、または発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。