以下に、本発明の実施の形態について添付図面により詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係わる便器洗浄装置の具体例を表す模式図、図2は便器洗浄装置の構成を表すブロック図である。
図1に示すように、発電式殺菌水供給機能付便器洗浄装置は、小便器4と小便器4に洗浄水を供給する給水管5と、給水管の途中に配設され洗浄水の吐水、止水を行うラッチング・ソレノイド・バルブからなる開閉弁2と、開閉弁2と小便器4との間に配設され電気分解により銀イオンを溶出する一対の銀電極3a、3bからなる電解槽3と、開閉弁4と電解槽3との間に配設され洗浄水の水流により電気エネルギーを発電する発電機1と、小便器を人が使用しているかどうかを検出する人体センサ20と、発電機1から得られた電気エネルギーにより動作し、開閉弁2と電解槽3および人体センサ20を制御する制御装置10より構成されている。そして制御装置10は、開閉弁2の開閉を制御する電磁弁駆動部12と、発電機1から発電された交流の電気エネルギーを直流に変換する整流部13と、整流部13により直流に変換された電気エネルギーを電解槽3に供給するか、それとも蓄電部15に供給するかを選択的に切り替える切替部14と、発電機1から発電された電気エネルギーのうち殺菌水を生成するために必要な電力を電解槽3に供給する電解制御部16と、発電機1から発電された電気エネルギーを蓄えて各制御部に必要な電力を供給する蓄電部15と、電解槽3に印加されている電圧を測定する電圧測定部17と、電解槽3に流れている電流を測定する電流測定部18と、これらを制御する制御部11から構成されている。
また図2により制御装置10をさらに詳しく説明する。切替部14は発電機1から発電された電気エネルギーを整流部13を介して電解槽3に供給するための電解電力供給制御部14aと、発電機1から発電された電気エネルギーを整流部13を介して蓄電部15に供給するための充電制御部14bから構成されている。また蓄電部15は、発電機1から発電された電気エネルギーを実際に蓄えておく電気二重層コンデンサなどの蓄電手段15bと、発電機1から発電された電気エネルギーを蓄電手段15bに蓄電可能な電圧まで制限する電圧制限部15aと、発電機1から発電された電気エネルギーが不足した場合でも動作できるように備えられているバックアップ用の一次電池6の電気エネルギーを蓄電手段15bに供給するための充電制御部15cと、バックアップ用の一次電池6の残りの電気エネルギーを測定する電圧検出部15dと、一般的に電気二重層コンデンサや二次電池なのどの蓄電手段15bに蓄電可能な電圧は概ね5V以下と低くなっているため、ラッチング・ソレノイド・バルブ等を動かすのに必要な電圧まで昇圧する昇圧部15eからなっている。また、電解制御部16は、発電機1から発電された電気エネルギーはそのときの負荷の状態により非常に高くなることがあるため、電解槽3や電解制御部16に印加される電圧を必要以上に高くしないために設けられた電圧制限部16aと、電解槽3に電流を供給するための電流供給部16bと、電解槽3に供給する電流を、そのときの洗浄水の電気伝導度に応じて最適な電流になるよう制御するための定電流制御部16cと、一対の電極の片側に絶えず正の電圧を印加し、他方に負の電圧を印加すると、電極に炭酸カルシウムなどのスケールが付着してしまうため、スケールの付着を防止するため、一方の電極に印加する電圧の極性を正負逆転するための極性切替部16dとから構成されている。
図3は、発電機1を表す模式図である。すなわち同図(a)はその外観を表す斜視図であり、同図(b)はその内部構造を表す断面図である。
発電機1は、発電機1aと水車1bとを有し、水車1bは洗浄水Wの水流により回転し、その回転運動が発電機1aの駆動軸に伝達される。すると、洗浄水の運動エネルギーが電気エネルギーに変換されて、電力が発生する。この電力を電解槽3に投入することにより殺菌水を生成することができる。
次に電解槽3における殺菌成分の生成について説明する。図4は電解槽3において銀イオンを生成する場合のメカニズムを表す概念図である。
すなわち、銀イオンを生成する場合には、電解槽3に一対の銀電極3aおよび3bを設ける。厳密には正極側の電極が銀を含むだけでよいが、図2に関して前述したように極性反転させて使用することが普通であるため、両側共に銀電極とすることが望ましい。これら銀電極の間で電流を流すと電気分解反応により、銀イオンが陽極側の電極から放出される。なお、これらの銀イオンの一部は、負の電荷を持つ塩素イオンと結合して塩化銀(AgCl)を生成し消費されるが、未反応の銀イオンが殺菌効果を奏する。そして、この銀イオンなどの殺菌成分が添加された洗浄水を小便器等に流すと、便器および排水管の防汚性という点で秀逸な効果を発揮することが知られている。
小用便器への尿石の付着のメカニズムは、次のようなものと考えられる。すなわち、小用便器に排尿をすると、小用便器の表面に尿が付着するとともに、小用便器内のトラップ部に尿が滞留する。一般に、小用便器には、多数の細菌が存在する。尿には、多量の尿素が含有されているが、小用便器の表面やトラップ部の滞留水に細菌が存在すると、尿素は細菌の有する酵素ウレアーゼの作用によりアンモニアと二酸化炭素に分解される。この時生成するアンモニア量が多いと、臭気の一因となる。また、アンモニアが生成すると、小用便器の表面に付着した液体やトラップ部の滞留水に溶解し、その液体のpHが上昇する。pHが上昇すると、小用便器の表面に付着した液体やトラップ部の滞留水に含まれるカルシウムイオンが炭酸塩やリン酸塩へと変化して析出し、「尿石」として便器や排水管に付着し、着色汚れや詰まりの原因となる。
これに対して、本発明に係る便器洗浄装置を小用便器に適応した態様では、次亜塩素酸や銀イオンなどの殺菌効果の高い成分を含有した洗浄水を小用便器に流すことにより、小用便器内に存在する細菌を効果的に殺菌することができる。その結果として、尿石付着の原因が排除され、小用便器は常に清浄な状態に保たれて美観を損ねることもなく、尿石の配管内への付着による汚水通過路の狭小化が防止され、また、アンモニア等による臭気の発生も防止される。
本発明者は、一例として、水洗便器に流す洗浄水に含まれる銀イオンの濃度と殺菌効果について調査検討を行った。その結果、銀イオンの添加量が少ないと殺菌効果が十分に得られず、一方、銀イオンの添加量が多すぎると、銀電極の消耗が激しく、また、銀イオンと同時に発生する塩化銀が便器の陶器面に付着することにより「黒ずみ」などの変色が生ずる場合があることを知得した。そして、これらの観点から、洗浄水に対する銀イオンの添加量は、1〜50ppbの範囲内とすることが望ましいことが分かった。
一方、所定の濃度の銀イオン水を生成するために電解槽3に供給すべき電流、電圧、あるいは電力の値は、供給される水道水の電気伝導度によって変化する。
図5は、銀イオンの添加量を5ppbとするための特性線を例示するグラフ図である。すなわち、同図(a)において「制御電流値」と表したものは、銀イオンの添加量を5ppbとするために必要な電流値を表す。また、図5(b)及び(c)には、この制御電流値に対応する電圧及び電力の特性線も表した。水道水の電気伝導度が高いほど、含有される塩素イオン量が大きくなり銀イオンの溶出を阻害するため、必要とされる電流値が増大する傾向が見られる。
なおここで、電極間の電気伝導度と電流値との関係は、流量や印加電圧や電解槽3の構造に応じて変化する。図5に表した具体例の場合、洗浄流量は毎分14リッターであり、銀電極3a、3bの対向部を10mm×10mmの略正方形とし、電極間の間隔を3mmとした。また、最高印加電圧を30Vとし(低伝導度水の場合)、電流の最大値は30mAとした(最も清浄度が低い中水の場合)。
またここで、図5に表した具体例の場合、電気伝導度が約170mS/m以上の範囲においては、電流値を30mA一定にしている。この理由は、電気伝導度がこれ以上となるような水質の場合、一定の銀濃度を保つために30mA以上の電流を流すと、塩化銀の生成も多量となり、塩化銀の便器表面への析出により「黒ずみ」などが懸念されるためである。但し、日本国内の中水で、この電気伝導度を上回ることはあまりないと考えられる。
日本国内における水道水(上水、中水)の電気伝導度は、概ね5〜170mS/mの範囲内にある。図5から分かるように、この範囲において適切な銀イオン濃度を得るためには、電解槽3に供給する電圧の範囲は、概ね4.5〜20Vとすべきである。これに対して、蓄電部15に設ける電気二重層コンデンサや2次電池に印加可能な電圧の上限は、図2に関して前述したように、概ね5V以下と低い。そこで発電機1の発電電圧は、電解槽3に合わせて高めに設計する必要がある。このため、発電機1から蓄電部15に電力を供給する際には、降圧回路(電圧制限部15a)が必要とされる。しかし、降圧回路においては一般に電力損失が発生するため、発電機1の限られた電力を効率的に利用するという観点から望ましくない。そのため、電解槽3に高い電圧を印加する必要があり、大きな電力が必要なときに、蓄電部15に電力を供給することで電力損失を生じないように、発電機1から蓄電部15に電力を供給するか、電解槽3に供給するかを切り替えるため、電解電力供給制御部14aと、充電制御部14bが設けられている。
以上の構成において、本発明の便器洗浄装置の動作についてフローチャートにより説明する。図6は便器洗浄装置の制御の基本シーケンスを表すフローチャートで、まず便器洗浄装置はセンサ投受光処理ルーチンにてセンサ20を投受光させ小便器4の前に人がいるか否かを検知し(S001)、次に便器使用判定処理ルーチンにて小便器4が使用されているか否かか及び便器洗浄を行うか否かを判定し(S002)、次に電解洗浄判定処理ルーチンにて殺菌水洗浄を行うか否かを判定し(S003)、そして便器洗浄処理ルーチンにより、前記便器使用判定処理および電解洗浄判定処理の結果に基づいて、通常の水による便器洗浄もしくは電解槽3により殺菌成分を添加した水による殺菌水洗浄を実際に行い(S004)、最後に人体検出時特殊処理ルーチンにより、センサ20が人体検知中に、便器洗浄を行うか否か及び感知LEDにより表示を行うか否かの処理を行い(S005)、これら一連の処理を繰り返すようになっている。
次に各サブルーチンの動作について詳細のフローチャートにより説明する。図7は便器使用判定処理を表すフローチャートである。最初にセンサ20が小便器4の使用者を検知しているか否かをチェックするが(S101)、通常センサ20は何も検知していないため、次にオフディレータイマToffをチェックすると(S105)通常は0秒となっていうるため、オンディレータイマTonに5秒をセットし(S106)、次にパラメータ「人体」が「有」かどうかをチェックすると(S107)「無」となっているため、そのまま何もせずにこの便器使用判定処理を終了し、使用者が小便器4の前に立つのを待つ。
そして、小便器4の前に使用者が立ちセンサ20が人体を検知すると(S101)、次にオンディレータイマTonが0秒であるか否かをチェックする(S102)が、このときセンサ20が非検知から検知に変わった直後でTonは5秒であり0秒ではないため、そのままこの便器使用判定処理を終了し、センサ20が小便器4の使用者を5秒以上連続して検知するのを待つこととなる。そしてセンサ20が使用者を5秒以上連続して検知すると、オンディレータイマTonは0秒となっているため、パラメータ「人体」を「有」に設定し(S103)、小便器4を使用者が使ったと判定する。そして、使用者が小便器4を使い終わったかどうかを確認するためのオフディレータイマToffに0.5秒をセットし(S104)この処理を終了する。
そして小便器を使ったと判定されている状態で、小便器4の前から使用者が立ち去るとセンサ20が人体を検知しなくなるため(S101)、オフディレータイマToffが0秒であるかどうかをチェックするが(S105)、使用者が小便器4の前から立ち去った直後は0.5秒となっているため、そのままこの処理を終了し、小便器4の前から使用者が立ち去って0.5秒以上継続してセンサ20が使用者を検知しなくなるのを待つ。そして、0.5秒以上経過してオフディレータイマToffが0秒となると(S105)、オンディレータイマTonに5秒をセットし(S106)、パラメータ「人体」が「有」であるかどうかをチェックする(S107)。この時点ではパラメータ「人体」は「有」にセットされているため、通常洗浄を実行させるため引き続いてパラメータ「洗浄要求」を「有」にセットする(ステップS108)。さらに、電力供給タイマTsupを「0.5秒」にセットし(S109)、パラメータ「人体」を「無」にセットする(S110)。そして、使用人数カウンタCを1だけカウントアップし(ステップS111)、電解洗浄タイマTAgを「2時間」にセットしてカウントダウンを開始させ(ステップS112)、メインルーチンに戻る。
このようにして使用者が小便器4を使用し、小便器4の前から立ち去った後に、再度この便器使用判定処理を実行すると、まずセンサ20が小便器4の使用者を検知しているか否かをチェックするが(S101)、通常センサ20は何も検知していないため、次にオフディレータイマToffをチェックすると(S105)通常は0秒となっていうるため、オンディレータイマTonに5秒をセットし(S106)、次にパラメータ「人体」が「有」かどうかをチェックすると(S107)「無」となっているため、そのまま何もせずにこの便器使用判定処理を終了し、新たに使用者が小便器4の前に立つのを待つこととなる。
図8は電解洗浄判定処理ルーチンの内容を表すフローチャートである。まずセンサ20が使用者を検知しているか否かをチェックし(S201)、検知している場合は現時点で殺菌水で洗浄しても、直後に普通の水で洗浄され殺菌効果が現れる前に殺菌水が小便器4の排水トラップや排水管から押し出されてしまう可能性があるため、殺菌水洗浄をしないようにそのままこの処理を終了しメインルーチンに戻る。検知していない場合はパラメータ「人体」が「有」であるか否かをチェックし(S202)、「有」の場合は同様の理由からそのままこの処理を終了しメインルーチンに戻るが、「無」の場合には次にパラメータ「電解要求」が「有」であるか否かをチェックし(S203)、「有」の場合には既に電解洗浄をすると判定されているため、そのままこの処理を終了しメインルーチンに戻り、「無」の場合には電解洗浄タイマTAgが0時間であるか否かをチェックする(S204)。
電解洗浄タイマTAgが「0」である場合は、使用者が小便器4を使用してから、もしくは前回の電解洗浄からある程度時間が経過しており細菌が増えてくる可能性があるため、電解洗浄を実行することにより殺菌を行うために、パラメータ「電解要求」をセット(S211)し、電力供給タイマTsupに「0.5秒」をセットしてカウントダウンを開始させる(S212)。さらに、パラメータ「予備洗浄要求」をセット(S213)し、使用人数カウンタCを「0」にリセットする(S214)。
一方、電解洗浄タイマTAgが「0」でない場合(S204:No)は、電解洗浄タイマTAgの残り時間と使用人数との関係に応じて、電解洗浄を実行するか否かを決定する。すなわち、小便器4の使用人数が少なければ細菌の繁殖は少ないため殺菌水による洗浄を早急に行う必要はないが、使用人数が多くなるほど細菌がより多く繁殖している可能性があるため、短い間隔で殺菌水により洗浄を行うようにすることでより効果的に尿石の付着を防止することができる。そこで電解洗浄タイマTAgの残り時間が「0.5時間」よりも小さい場合には使用人数カウンタCが10以上であれば電解洗浄を実行させ(S205、S206:Yes)、電解洗浄タイマTAgの残り時間が「1時間」よりも小さい場合には使用人数カウンタCが50以上であれば電解洗浄を実行させ(S207、S208:Yes)、電解洗浄タイマTAgの残り時間が「1.5時間」よりも小さい場合には使用人数カウンタCが100以上であれば電解洗浄を実行させる(S209、S210:Yes)。
これらいずれにも該当しない場合(S209、S210:No)には、電解洗浄はまだ必要ないので、そのままこの処理を終了しメインルーチンに戻り、いずれかの条件に該当し電解洗浄を行う必要がある場合には、パラメータ「電解要求」をセットし(S211)、電力供給タイマTsupを「0.5秒」にセットし(S212)、パラメータ「予備洗浄要求」をセットし(S213)、使用人数カウンタCをリセットする(S214)。
図9は便器洗浄処理ルーチンの内容を表すフローチャートである。
すなわちまず、パラメータ「洗浄要求」が「有」であるか否かを判定する(S301)。「有」の場合は、通常洗浄を実行するため、まず充電電力供給をオンに設定して、発電機1からの発電出力を蓄電部15に切り替える。そして、電力供給タイマTsupが「0」でない場合には、発電機1と蓄電部15とを接続した直後で発電機1の発電出力を効率よく蓄電部15に充電できない可能性がるため、洗浄タイマTwを「5秒」に設定(S304)してメインルーチンに戻る。
一方、充電電力供給をオンに設定してから0.5秒以上経過し電力供給タイマTsupが「0」になった場合(S303:Yes)は、発電機1と蓄電部15とを接続してから十分に時間が経過し、発電機1の出力を効率よく蓄電部15に充電できるため、開閉弁2を開いて小便器4の洗浄を開始すると同時に発電機1の出力を蓄電部15への充電も開始する。すなわち、洗浄タイマTwを確認するが(S305、S306)、Twは「1秒」以上であるため、引き続きソレノイドバルブ開のフラグが「1」ではないことを確認して(S307)、開閉弁2を開き(S308)、ソレノイドバルブ開のフラグを「1」に設定され(S309)便器洗浄が開始される。そして、Twが「1秒」未満になるまでの間(S305、S306)の4秒間便器洗浄が継続されるが、このときソレノイドバルブ開のフラグは既に「1」にセットされているため、開閉弁2を開く処理(S308)は開閉弁2が閉の状態から開くとき以外は実行されない。
そして、4秒間の便器洗浄実施後、洗浄タイマTwが「1秒」以下になった場合(S306:No)、ソレノイドバルブ開のフラグをチェックし、「1」であれば(S310:Yes)、開閉弁2を閉じて(S311)、ソレノイドバルブ開のフラグを「0」に設定する(S312)。そして、その後Twが0になるまでの間、同じ処理が繰り返されるが、開閉弁2を一旦閉じる処理を行った後はソレノイドバルブ開のフラグは「0」になっているため(S310)、開閉弁2を閉じる処理(S311)は実行されない。
そして、開閉弁2を閉じてから1秒経過して洗浄タイマTwが「0」になった場合(S305:Yes)は、切替部14の充電制御部14bをオフし発電電力の蓄電部15への出力を遮断し(S313)、パラメータ「洗浄要求」をクリアする(S314)。
一方、パラメータ「洗浄要求」が「有」でない場合(S301:No)には、パラメータ「電解要求」が「有」であれば、後述する電解洗浄処理ルーチンを実行し(S316)、「有」でなければ何も行わずに処理を終了しメインルーチンに戻る。
以上説明したように、使用者を検知した場合には、水道水による通常洗浄を実行させる。この際に、切替部14(充電制御部14b)を切り替えて、発電機1の出力を蓄電部15のみに出力させることで、発電された電力を有効に活用することができる。
次に図10の電解洗浄処理ルーチンを表すフローチャートにより、図9のステップS316の電解洗浄処理ルーチンについて説明する。
すなわちまず、パラメータ「予備洗浄要求」が「有」であるか否かを判定する(S401)。「有」であれば電解予備洗浄を実行させるシーケンスを実行し(S402〜S415)、「有」でなければ既に電解予備洗浄処理は終了しているため、直ちに電解水洗浄処理ルーチン(S416)を実行する。
パラメータ「予備洗浄要求」が「有」の場合(S401:Yes)には、切替部14(電解電力供給制御部14a)を切り替えて、発電機1の出力を電解槽3に接続する(S402)。そして、電力供給タイマTsupが「0」でない場合は、発電機1と電解制御部16とを接続した直後で発電機1の発電出力を効率よく電解制御部16に供給できない可能性がるため、予備洗浄タイマTpreを「11秒」にセットしてカウントダウンを開始させる(S404)。
一方、電解電力供給をオンに設定してから0.5秒以上経過し電力供給タイマTsupが「0」になった場合(S403:Yes)は、発電機1と電解制御部16とを接続してから十分に時間が経過し、発電機1の出力を効率よく電解制御部16に充電できるため、開閉弁2を開いて電解予備洗浄を開始する。すなわち、予備洗浄タイマTpreの残り時間を確認し(S405、S406)、Tpreが1秒以上であれば、続いてソレノイドバルブ開のフラグをチェックし(S407)、「1」でなければ開閉弁2を開く(S408)。そして、ソレノイドバルブ開のフラグを「1」にセットし(S409)、電気伝導度測定ルーチンを実行する(S410)。
そして、予備洗浄タイマTpreが「1秒」未満になるまでの間(S405、S406)の10秒間予備洗浄が継続されるが、このときソレノイドバルブ開のフラグは既に「1」にセットされているため、開閉弁2を開く処理(S409)と電気伝導度測定ルーチン(S410)は開閉弁2が閉の状態から開くときのみ実行される。
この電気伝導度測定ルーチンにおいては、電解槽3に所定の電力を投入し、このときの電解槽3に流れている電流を電流検出部18で検出した結果と、電解槽3に印加されている電圧を電圧検出部17で検出した結果とから水道水の電気伝導度を測定する。そして、予め定めたテーブルなどに基づいて、殺菌成分(銀イオン、次亜塩素酸など)が最適の濃度となるための電力投入条件を決定する。
そして、10秒間の予備洗浄が終了し、予備洗浄タイマTpreの残り時間が1秒未満になった時(S406:No)は、ソレノイドバルブ開のフラグをチェックし、「1」であれば(S411)、開閉弁2を閉じ(S412)、ソレノイドバルブ開のフラグに「0」をセットする(S413)。また、開閉弁2を一旦閉じる処理を行った後はソレノイドバルブ開のフラグは「0」になっているため(S411)開閉弁2を閉じる処理(S412)は実行されない。
そして、開閉弁2を閉じてから1秒経過して予備洗浄タイマTpreの残り時間が0秒になった時(S405)は、予備洗浄を終了してよいので、予備洗浄要求をクリアし(S414)、電力供給タイマTsupに「4秒」をセットしてカウントダウンを開始させる(S415)。
以上説明したように、図10に例示したシーケンスの場合、電解予備洗浄においては、切替部14(電解電力供給制御部14a)を切り替えて、発電機1の出力を電解槽3に投入する。
次に電気伝導度測定ルーチン(図10のステップS410)について図11のフローチャートを用いて説明する。
まず、この電気伝導度測定処理は開閉弁2を開した直後で洗浄水が流れ始めたばかりで水流が安定していない可能性があるため、1秒タイマーをスタートさせて(S601)水流が安定するのを待つ。そして、1秒経過した後(S602)、再度1秒タイマーをスタートさせて(S603)、電解制御部16により電解槽3に1mAの電流を通電を開始し(S604)、電解槽3に供給される電流および電圧が安定するのを待ち(S605)、電解槽3への通電後1秒経過した時点で洗浄水の電気伝導度を測定するために、電解槽3に印加される電解電圧を電圧測定部17で、そして電解槽3に流れる電解電流を電流測定部18で検出する。
まず電解槽3に流れている電解電流が実際に何mA流れているかをチェックし、もし0.5mA以下であれば(S606)、次に電解槽3に印加されている電解電圧をチェックし、もし電解電圧が0.1V以下であれば(S607:Yes)発電機1に異常があり発電電力が得られていないと推定されるため発電機異常を検出する(S609)。このとき電解槽3に供給されている電解電流および電解電圧により発電機1の異常が推定できるのは、制御部11により切替部14を電解電力供給制御部14aはオン、充電制御部14bはオフすることで、発電機1により発電された電力が電解槽3側のみに供給され、蓄電部15側には供給されないようになっているため可能となっている。
また、電解電流は0.5mA以下であるが(S606)電解電圧が0.1Vより高ければ(S607:No)、発電機1は正常に電力を発電しているが電解槽3に電流が流れていないため、電解制御部16から電解槽3への接続が外れていると推定し電解槽オープン異常を検出する(S608)。
つぎに電解槽に通電されている電流が何mA流れているかをチェックした結果0.5mA以上であった場合も(S606:No)、同様に電解槽3に印加されている電解電圧をチェックし、もし電解電圧が0.1V以下であれば(S615:Yes)発電機1は正常に電力を発電しているが電解槽3の一対の電極3a、3b間に印加されている電圧が低く、通常考えられる洗浄水の電気伝導度より明らかに電気伝導度が高いため、電極3a、3bに異物が挟まっていると推定し電解槽ショート以上を検出する(S616)。
そして、これら発電機異常、電解槽オープン異常、電解槽ショート異常の場合、殺菌成分を洗浄水中に正常に溶出することができず殺菌効果を得ることができないため、即座に開閉弁2を閉するとともに(S610)、ソレノイドバルブ開のフラグを「0」にセットし(S611)、そして電解水洗浄を中止するためパラメータ「電解要求」とパラメータ「予備洗浄要求」をクリアし(S612、S613)、発電機1から電解槽3への電力供給を遮断するため切替部14(電解電力供給部14a)の駆動を停止し(S614)、このルーチンを終了する。
このようにして異常が検出され電解水洗浄ができなくなると、小便器4や配管内への尿石の付着を抑制することができなくなるため、センサ20に内蔵された感知LED20aを点滅させて異常が発生していることを報知する。そうすることで使用者や設備の管理者に異常を気付かせ、正常な状態への復帰を促すことができる。
一方電解槽に流れている電流が0.5mA以上で(S606:No)、電解槽に印加されている電解電圧が0.1V以下ではない場合(S615:No)、電解槽に正常に電力を供給できる状態にあり、殺菌成分を洗浄水中に溶出し殺菌効果を得ることができるため、電圧測定部17により検出された電解槽3の両端に印加された電圧と、電流測定部18により検出された電解槽3に流れる電流とから洗浄水の電気伝導度を演算する(S617)。そして求められた電気伝導度から電解水洗浄(図10のステップS416)のときに電解槽3に通電する目標電流を演算し(S618)、もし求められた目標電流が30mA以上となった場合は(S619)図5の説明にて前述したように目標電流を30mAに設定し(S620)、もし演算により求められた目標電流が1mA以下となった場合は(S621)、同様に目標電流を1mAに設定して(S622)このルーチンを終了する。
次に、図10および図11にて説明した電解予備洗浄において水道水の電気伝導度を測定した後に実施する電解水洗浄処理ルーチン(図10のステップS416)について図12のフローチャートを用いて説明する。
まず、電力供給タイマTsupが0.5秒以上であるか否かを判定するが(S501)、最初にこの処理を実行する時点では0.5秒以上であるためそのままメインルーチンに戻り、3.5秒以上経過しTsupが0.5秒未満となった場合には、切替部14(電解電力供給制御部14a)を切り替えて、発電機1の出力を電解槽3に接続する(S502)。
そしてこの時点では、切替部14を切替えて発電機1の出力を電解槽3に接続した直後であるため、確実に電力が供給できるよう電力供給タイマTsupが「0」になるまで、電解水洗浄タイマTregを「11秒」にセットしてカウントダウンを開始し(S503)て時間待ちする。
一方、電力供給タイマTsupが「0」となり発電電力が確実に供給できるようになった場合(S503:Yes)は、電解水洗浄タイマTregの残り時間を確認し(S505、S506)、Tregが1秒以上であれば、続いてソレノイドバルブ開のフラグをチェックし(S507)、「1」でなければ開閉弁2を開く(S508)。そして、ソレノイドバルブ開のフラグを「1」にセットし(S509)、発電機1からの発電電力を図12の電気伝導度測定処理ルーチンにより求められた目標電流になるように制御しながら電解槽3に投入して電解水を生成させる(S510)。
そして電解水洗浄タイマTregが1秒未満になるまでの間(S505、S506)の10秒間電解水洗浄が継続されるが、このときソレノイドバルブ開のフラグは既に「1」にセットされているため、開閉弁2を開く処理(S508)は開閉弁2が閉の状態から開状態にされるとき以外は実行されない。
そして、電解水洗浄タイマTregの残り時間が1秒未満になった時(S506:No)は、ソレノイドバルブ開のフラグをチェックし、「1」であれば(S511)、開閉弁2を閉じ(S512)、ソレノイドバルブ開のフラグに「0」をセットし(S513)、開閉弁2を一旦閉じる処理を行った後はソレノイドバルブ開のフラグは「0」になっているため(S511)開閉弁200を閉じる処理(S512)は実行されない。
そして開閉弁2を閉じてから1秒経過して電解水洗浄タイマTregの残り時間が0秒になった時(S505)は、電解水洗浄を終了してよいので、電解要求をクリアし(S514)、電解水の生成を停止し(S515)、切替部14(電解電力供給制御部14a)を切り替えて、発電機1の出力を電解槽3から遮断し(S516)、電解洗浄タイマTAgに12時間をセットする(S517)。さらに、電解水洗浄が1回終了したので、パラメータ「電解回数」を1だけカウントアップし(S518)、トータルの電解回数が20000回以上となったか否かをチェックし(S519)、20000回未満であればそのままこの処理を終了しメインルーチンに戻るが、もし20000回以上であれば電解槽3の電極3a、3bから既に多量の銀が溶出したため、1回あたりの電解による銀イオンの溶出量では十分な殺菌効果を得られない可能性があるため、使用者に電解槽の交換を促すために電極寿命を検出する(S520)。
次に人体検出時特殊処理ルーチン(図6のステップS005)について図13のフローチャートを用いて説明する。
まず、図7の便器使用判定処理の説明にて前述したパラメータ「人体」が「有」かどうかをチェックし(S701)、人体「無」であればセンサ20に内蔵されたLED20aを消灯し(S711)この処理を終了する。もし人体「有」である場合には、図11および図12の説明で前述した発電機異常が検出されていないか(S702)、電解槽オープン異常が検出されていないか(S703)、電解槽ショート異常が検出されていないか(S704)、電極寿命が検出されていないか(S705)を順次チェックし、いずれの異常も検出されていない場合にはそのままこの処理を終了する。
もし、前記4つの異常のうちいずれかの異常が検出されている場合には、まず充電電力供給をオンに設定して(S706)、発電機1からの発電出力を蓄電部15に切り替え、続いてソレノイドバルブ開のフラグが「1」ではないことを確認して(S707)、開閉弁2を開き(S708)、ソレノイドバルブ開のフラグを「1」に設定し(S708)便器洗浄を開始する。それからセンサ20に内蔵された感知LED20aを点滅させて(S710)使用者に便器洗浄装置に異常があることを知らせる。このときセンサ20に内蔵されている感知LED20aを点滅させることで蓄電部15に充電された電力を大きく消費してしまうが、同時に開閉弁2を開き発電機1で発電された電力を蓄電部15に供給することで、消費される電力を補うようになっているため、蓄電部15に充電された電力が不足したときのバックアップのために備えられた一次電池6を無駄に消費することがないようにしている。
以上のフローチャートに従って制御された場合の、便器洗浄装置の動作の具体例について図14のタイミングチャートを用いて説明する。図14(a)は発電機異常、電解槽オープン異常、電解槽ショート異常が発生した場合のタイミングチャートで、まず使用者が小便器4を使用しセンサ20が使用者を5秒以上連続して検知した後、小便器4の前から立ち去ると切替部14の充電制御部14bをオンし開閉弁2(ソレノイド)を開し便器洗浄を行いながら、発電機1の発電電力を蓄電部15に充電する。
その後、小便器4を誰も使用しない時間がt2時間(小便器4の使用頻度により可変する)継続した場合、小便器4の排水トラップや排水管内の細菌を殺菌するために電解水洗浄を実施する必要があるため、まず予備洗浄を行い排水トラップや配水管内の残水を置換するが、このとき切替部14の電解電力供給制御部14aをオンし開閉弁2を開し便器洗浄を行いながら、発電機1の発電電力を電解制御部16により電解槽3に1秒間供給し、洗浄水の電気伝導度を測定する。そして洗浄水の電気伝導度の測定が完了すると電解電力供給部による電解槽3への発電電力の供給を終了し、残りの予備洗浄の時間は通常の水による洗浄を継続する。その後、所定のインターバルの後、再度開閉弁2を開駆動し予備洗浄時に測定した洗浄水の電気伝導度に基づいた電流が電解槽3に通電されるように電解制御部16により制御しながら電解水洗浄を行う。
そして同様の動作が繰り返され、再度電解水洗浄を実施するタイミングとなったとき、まず予備洗浄と同時に洗浄水の電気伝導度の測定が行われるが、このとき発電機1より電解槽3に通電される電解電流および電解電圧のいずれか一方あるいは双方が所定値以下であった場合、その電圧・電流値に応じて発電機異常、電解槽オープン異常、電解槽ショート異常のいずれかが検出され、予備洗浄は直ちに停止し、電解水洗浄も行われない。その後、使用者が小便器4を使用しセンサ20が使用者を5秒以上連続して検知すると、この小便器洗浄システムに異常があることを使用者に報知するために、切替部14の充電制御部14bをオンすると同時に開閉弁2を開駆動し、小便器4に洗浄水を流し発電機1の発電出力を蓄電部15に充電しながら、センサ20に内蔵された感知LED20aを点滅させる。このようにして感知LEDを点滅させることで蓄電部15に充電された電力を大量に消費し、蓄電部15の充電電力が不足し、バックアップ用の一次電池のエネルギーを不必要に消費してしまうことを防止する。そして、使用者が小便器4の前から立ち去りセンサ20が使用者を検知しなくなると、センサ20の感知LED20aを消灯し使用者への報知を終了し、所定の便器洗浄時間が終了後、開閉弁2を閉駆動し切替部14の充電制御部14bをオフして発電機1と蓄電部15との接続が遮断される。そして以降も使用者が小便器4を使用する度に同様の動作が繰り返される。
図14(b)は電極寿命となった場合のタイミングチャートで、まず(a)の場合と同様の動作が行われるが、タイミングチャート内で二度目の電解水洗浄のタイミングが通算20000回目の電解水洗浄とななり、予備洗浄および電解水洗浄が終了した時点で電極寿命が検出される。その後、使用者が小便器4を使用しセンサ20が使用者を5秒以上連続して検知すると、この小便器洗浄システムに異常があることを使用者に報知するために、切替部14の充電制御部14bをオンすると同時に開閉弁2を開駆動し、小便器4に洗浄水の流し発電機1の発電出力を蓄電部15に充電しながら、センサ20に内蔵された感知LED20aを点滅させる。そして、使用者が小便器4の前から立ち去りセンサ20が使用者を検知しなくなると、センサ20の感知LED20aを消灯し使用者への報知を終了し、所定の便器洗浄時間が終了後、開閉弁2を閉駆動し切替部14の充電制御部14bをオフして発電機1と蓄電部15との接続が遮断される。そして以降も使用者が小便器4を使用する度に同様の動作が繰り返される。
次に便器洗浄装置の人体検出時特殊処理に関する別の実施形態について図15を用いて説明する。
まず、センサ20が使用者を検知したかどうかをチェックし(S701)、検知していなければセンサ20に内蔵されたLED20aを消灯し(S720)この処理を終了する。センサが使用者を検知している場合には、次に図7の説明で前述したオンディレータイマTonが3秒以下かどうかをチェックし(S702)、Tonが3秒以上であればセンサ20に内蔵されたLED20aを消灯し(S720)この処理を終了する。もしオンディレータイマTonが3秒以下となっている場合、センサ20が使用者を感知してから2秒以上経っており、使用者が小便器4の前を通過しただけではなく、確実に小便器4を使用していると判断し、次に使用者が小便器4の使用を開始したタイミングで小便器4を一旦洗浄する前洗浄を実施するため、前洗浄機能を有効とするか無効とするかの設定がどうなっているかをチェックする(S703)。前洗浄機能が無効に設定されている場合には、図11および図12の説明で前述した発電機異常、電解槽オープン異常電解槽ショート異常、電極寿命のいずれかの異常が検出されていないかをチェックし(S704)、異常が検出されていなければセンサ20に内蔵されたLED20aを消灯し(S720)この処理を終了する。
もし、前洗浄機能が有効に設定されているか、あるいは前洗浄機能は無効に設定されているが前記4つの異常のうちいずれかの異常が検出されている場合には、前洗浄機能を実施するための処理に進む。まず、オンディレータイマTonが2秒以下かどうかをチェックするが(S705)、最初にこのステップを処理する時点では2秒以上であるため、次にTonが0秒になっているかどうかをチェックし0秒ではないため(S707)、充電電力供給をオンに設定して(S708)、発電機1からの発電出力を蓄電部15に切り替え、続いてソレノイドバルブ開のフラグが「1」ではないことを確認して(S709)、開閉弁2を開き(S710)、ソレノイドバルブ開のフラグを「1」に設定し(S711)便器洗浄を開始する。そして前述した4つの異常を検出しているかをどうかをチェックし(S712)、異常を検出していなければそのままこの処理を終了し単に前洗浄を実施するが、もし異常を検出していればセンサ20に内蔵された感知LED20aを点滅させて(S713)使用者に便器洗浄装置に異常があることを知らせる。このときセンサ20に内蔵されている感知LED20aを点滅させることで蓄電部15に充電された電力を大きく消費してしまうが、同時に前洗浄が実施されることになり、発電機1で発電された電力を蓄電部15に供給することで、消費される電力を補うようになっているため、蓄電部15に充電された電力が不足したときのバックアップのために備えられた一次電池6を無駄に消費することがないようにしている。
そして、前洗浄を開始してから1秒経過するとオンディレータイマTonが2秒以下となるため(S705:No)、次に前洗浄の時間が長く設定されているか(本実施例では3秒)、短く設定されているか(本実施例では1秒)をチェックし(S706)、前洗浄時間が3秒に設定されていれば、そのまま前洗浄を継続する(S707〜S713)。もし前洗浄時間が1秒に設定されている場合には、次に前記4つの異常のうちいずれかの異常が検出されているかどうかをチェックし(S714)、もし異常が検出されている場合は使用者に異常を少しでも長く知らせるために、そのまま前洗浄を継続しする(S707〜S713)。異常が検出されていない場合には、前洗浄時間が終了したため、ソレノイドバルブ開のフラグをチェックし、「1」であれば(S715)、開閉弁2を閉じ(S716)、ソレノイドバルブ開のフラグに「0」をセットする(S717)。また、開閉弁2を一旦閉じる処理を行った後はソレノイドバルブ開のフラグは「0」になっているため(S715)開閉弁2を閉じる処理(S716)は実行されない。そしてセンサ20に内蔵されている感知LED20aを消灯し(S718)、切替部14の充電制御部14bをオフして(S719)発電機1と蓄電部15との接続が遮断され、この処理を終了する。
もし前洗浄時間が3秒に設定されているか(S706:Yes)、あるいは前洗浄時間は1秒に設定されているが前述した4つの異常のいずれかが発生している場合には(S714:Yes)、オンディレータイマTonが0秒になるまで(S707)前洗浄を継続するとともに、もし異常が発生している場合にはセンサ20に内蔵された感知LED20aを点滅させて使用者に異常の報知を行い、3秒間の前洗浄を実施後、前洗浄終了処理を実施する(S715〜S719)。
以上のフローチャートに従って制御された場合の、便器洗浄装置の動作の具体例について図16のタイミングチャートを用いて説明する。図16(a)は前洗浄機能「有効」、前洗浄時間「3秒」に設定されている場合を表すタイミングチャートで、まず使用者が小便器4を使用しセンサ20が使用者を2秒以上連続して検知すると、切替部14の充電制御部14bをオンし開閉弁2(ソレノイド)を開し便器洗浄を行いながら発電機1の発電電力を蓄電部15に充電する。そして3秒経過すると開閉弁2を閉し前洗浄を終了し、切替部14の充電制御部14bをオフする。その後、使用者が小便器4の前から立ち去りセンサ20が使用者を検知しなくなると、切替部14の充電制御部14bをオンし開閉弁2を開し便器洗浄を行いながら、発電機1の発電電力を蓄電部15に充電し、便器洗浄終了後開閉弁2を閉し、切替部14の充電制御部14bをオフし発電機1と蓄電部15との接続を遮断する。
その後、小便器4を誰も使用しない時間がt2時間(小便器4の使用頻度により可変する)継続した場合、小便器4の排水トラップや排水管内の細菌を殺菌するために電解水洗浄を実施する必要があるため、まず予備洗浄を行い排水トラップや配水管内の残水を置換するが、このとき切替部14の電解電力供給制御部14aをオンし開閉弁2を開して便器洗浄を行いながら、発電機1の発電電力を電解制御部16により電解槽3に1秒間供給し、洗浄水の電気伝導度を測定する。そして洗浄水の電気伝導度の測定が完了すると電解制御部16による電解槽3への発電電力の供給を終了し、残りの予備洗浄の時間は通常の水による洗浄を継続する。その後、所定のインターバルの後、再度開閉弁2を開駆動し予備洗浄時に測定した洗浄水の電気伝導度に基づいた電流が電解槽3に通電されるように電解制御部16により制御しながら電解水洗浄を行う。
そして同様の動作が繰り返され、再度電解水洗浄を実施するタイミングとなったとき、まず予備洗浄と同時に洗浄水の電気伝導度の測定が行われるが、このとき発電機1より電解槽3に通電される電解電流および電解電圧のいずれか一方あるいは双方が所定値以下であった場合、その電圧・電流値に応じて発電機異常、電解槽オープン異常、電解槽ショート異常のいずれかが検出され、予備洗浄は直ちに停止し、電解水洗浄も行われない。その後、使用者が小便器4を使用しセンサ20が使用者を2秒以上連続して検知すると、前洗浄を実施するため切替部14の充電制御部14bをオンし開閉弁2を開することで発電機1の発電出力を蓄電部15に充電するが、このとき小便器洗浄システムに異常があることを使用者に報知するためにセンサ20に内蔵された感知LED20aを点滅させる。このようにすることで感知LED20aを点滅させることで蓄電部15に充電された電力を大量に消費し、蓄電部15の充電電力が不足し、バックアップ用の一次電池のエネルギーを不必要に消費してしまうことを防止すると同時に、使用者に小便器洗浄システムの異常が発生していることを確実に報知することができる。そして前洗浄時間の3秒が終了すると、センサ20の感知LED20aを消灯し使用者への報知を終了し、開閉弁2を閉駆動し切替部14の充電制御部14bをオフして発電機1と蓄電部15との接続を遮断する。
その後、使用者が小便器4の前から立ち去りセンサ20が使用者を検知しなくなると、切替部14の充電制御部14bをオンし開閉弁2を開し便器洗浄を行いながら、発電機1の発電電力を蓄電部15に充電し、便器洗浄終了後開閉弁2を閉し、切替部14の充電制御部14bをオフし発電機1と蓄電部15との接続を遮断する。
そして以降も使用者が小便器4を使用する度に同様の動作が繰り返される。
図16(b)は前洗浄機能「有効」、前洗浄時間「1秒」に設定されている場合を表すタイミングチャートで、まず使用者が小便器4を使用しセンサ20が使用者を2秒以上連続して検知すると、切替部14の充電制御部14bをオンし開閉弁2(ソレノイド)を開し便器洗浄を行いながら発電機1の発電電力を蓄電部15に充電する。そして1秒経過すると開閉弁2を閉し前洗浄を終了し、切替部14の充電制御部14bをオフする。そして、センサ20が使用者を検知し始めてから5秒以上経過した後、使用者が小便器4の前から立ち去りセンサ20が使用者を検知しなくなると、切替部14の充電制御部14bをオンし開閉弁2を開し便器洗浄を行いながら、発電機1の発電電力を蓄電部15に充電し、便器洗浄終了後開閉弁2を閉し、切替部14の充電制御部14bをオフし発電機1と蓄電部15との接続を遮断する。
その後、図16(a)で説明したように電解水洗浄が実施されるが、もし発電機異常、電解槽オープン異常、電解槽ショート異常のいずれかが検出された場合は、その後使用者が小便器4を使用しセンサ20が使用者を2秒以上連続して検知すると、前洗浄を実施するため切替部14の充電制御部14bをオンし開閉弁2を開することで発電機1の発電出力を蓄電部15に充電するが、このとき小便器洗浄システムに異常があることを使用者に報知するためにセンサ20に内蔵された感知LED20aを点滅させる。このとき前洗浄時間の設定としては「1秒」となっているが、使用者に小便器洗浄システムに異常があることを確実に報知するために、前洗浄時間は強制的に「3秒」に伸ばして実施され、その後センサ20の感知LED20aを消灯し使用者への報知を終了し、開閉弁2を閉駆動して前洗浄を終了するとともに、切替部14の充電制御部14bをオフして発電機1と蓄電部15との接続を遮断する。
その後、使用者が小便器4の前から立ち去りセンサ20が使用者を検知しなくなると、切替部14の充電制御部14bをオンし開閉弁2を開し便器洗浄を行いながら、発電機1の発電電力を蓄電部15に充電し、便器洗浄終了後開閉弁2を閉し、切替部14の充電制御部14bをオフし発電機1と蓄電部15との接続を遮断する。
そして以降も使用者が小便器4を使用する度に同様の動作が繰り返される。
図16(c)は前洗浄機能が「無効」に設定されている場合を表すタイミングチャートで、まず使用者が小便器4を使用しセンサ20が使用者を2秒以上連続して検知するが、前洗浄機能が「無効」に設定されているため前洗浄は実施されない。そして、センサ20が使用者を検知し始めてから5秒以上経過した後、使用者が小便器4の前から立ち去りセンサ20が使用者を検知しなくなると、切替部14の充電制御部14bをオンし開閉弁2を開し便器洗浄を行いながら、発電機1の発電電力を蓄電部15に充電し、便器洗浄終了後開閉弁2を閉し、切替部14の充電制御部14bをオフし発電機1と蓄電部15との接続を遮断する。
その後、図16(a)で説明したように電解水洗浄が実施されるが、もし発電機異常、電解槽オープン異常、電解槽ショート異常のいずれかが検出されたとする。異常が検出された後に使用者が小便器4を使用した場合、センサ20が使用者を2秒以上連続して検知した時点で、前洗浄を実施するかしないかが判断される、このとき前洗浄機能は「無効」に設定されているため、本来は前洗浄は実施されないが、使用者に小便器洗浄システムに異常があることを報知するとともに、報知のために増大した消費を補うため発電機1で発電された電力を蓄電部15に充電するよう前洗浄機能を強制的に「有効」とし、なおかつ前洗浄時間は設定状態にかかわらず「3秒」として、前洗浄が実施され、同時にその間センサ20の感知LED20aを点滅させる。その後、使用者が小便器4の前から立ち去りセンサ20が使用者を検知しなくなると、切替部14の充電制御部14bをオンし開閉弁2を開し便器洗浄を行いながら、発電機1の発電電力を蓄電部15に充電し、便器洗浄終了後開閉弁2を閉し、切替部14の充電制御部14bをオフし発電機1と蓄電部15との接続を遮断する。
そして以降も使用者が小便器4を使用する度に同様の動作が繰り返される。
これまで説明してきた例では洗浄水の電気伝導度を予備洗浄時に測定するようにしていたが、次に洗浄水の電気伝導度を電解水洗浄時に測定する実施形態について図17〜図20を用いて説明する。図17は電解洗浄処理(図9のステップS316)を表すフローチャートで、まず、パラメータ「予備洗浄要求」が「有」であるか否かを判定する(S401)。「有」であれば電解予備洗浄を実行させるシーケンスを実行し(S402〜S415)、「有」でなければ既に電解予備洗浄処理は終了しているため、直ちに電解水洗浄処理ルーチン(S416)を実行する。
パラメータ「予備洗浄要求」が「有」の場合(S401:Yes)には、切替部14の充電電力供給制御部14bをオンして、発電機1の出力を蓄電部15に接続する(S402)。そして、電力供給タイマTsupが「0」でない場合は、発電機1と蓄電部15とを接続した直後で発電機1の発電出力を効率よく蓄電部15に供給できない可能性がるため、予備洗浄タイマTpreを「11秒」にセットしてカウントダウンを開始させる(S404)。
一方、電解電力供給をオンに設定してから0.5秒以上経過し電力供給タイマTsupが「0」になった場合(S403:Yes)は、発電機1と蓄電部15とを接続してから十分に時間が経過し、発電機1の出力を効率よく蓄電部15に充電できるため、開閉弁2を開いて電解予備洗浄を開始する。すなわち、予備洗浄タイマTpreの残り時間を確認し(S405、S406)、Tpreが1秒以上であれば、続いてソレノイドバルブ開のフラグをチェックし(S407)、「1」でなければ開閉弁2を開く(S408)。そして、ソレノイドバルブ開のフラグを「1」にセットし(S409)、この処理を終了する。そして、予備洗浄タイマTpreが「1秒」未満になるまでの間(S405、S406)の10秒間予備洗浄が継続されるが、このときソレノイドバルブ開のフラグは既に「1」にセットされているため、開閉弁2を開く処理(S409)は開閉弁2が閉の状態から開くときのみ実行される。
そして、10秒間の予備洗浄が終了し、予備洗浄タイマTpreの残り時間が1秒未満になった時(S406:No)は、ソレノイドバルブ開のフラグをチェックし、「1」であれば(S410)、開閉弁2を閉じ(S411)、ソレノイドバルブ開のフラグに「0」をセットする(S412)。また、開閉弁2を一旦閉じる処理を行った後はソレノイドバルブ開のフラグは「0」になっているため(S410)開閉弁2を閉じる処理(S411)は実行されない。
そして、開閉弁2を閉じてから1秒経過して予備洗浄タイマTpreの残り時間が0秒になった時(S405:Yes)は、予備洗浄を終了してよいので、予備洗浄要求をクリアし(S413)、電力供給タイマTsupに「4秒」をセットしてカウントダウンを開始させ(S415)、切替部14の充電電力供給制御部14bをオフし発電機1と蓄電部15との接続を遮断し、この処理を終了する。
次に、電解水洗浄処理ルーチン(図17のステップS416)について図18のフローチャートを用いて説明する。まず、電力供給タイマTsupが0.5秒以上であるか否かを判定し(S501)、0.5秒以上の場合はそのままメインルーチンに戻り、0.5秒未満の場合には、切替部14の電解電力供給制御部14aをオンして、発電機1の出力を電解槽3に接続する(S502)。
そしてこの時点では、切替部14を切替えて発電機1の出力を電解槽3に接続した直後であるため、確実に電力が供給できるよう電力供給タイマTsupが「0」になるまで、電解水洗浄タイマTregを「11秒」にセットしてカウントダウンを開始して時間待ちする(S503)。
一方、電力供給タイマTsupが「0」となり発電電力が確実に供給できるようになった場合(S503:Yes)は、電解水洗浄タイマTregの残り時間を確認し(S505、S506)、Tregが1秒以上であれば、続いてソレノイドバルブ開のフラグをチェックし(S507)、「1」でなければ開閉弁2を開く(S508)。そして、ソレノイドバルブ開のフラグを「1」にセットし(S509)、発電機1からの発電電力を後述する図19の電気伝導度測定処理ルーチンにより求められた目標電流になるように制御しながら電解槽3に投入して殺菌水を生成させる(S510)。ただし、最初の電解水洗浄で目標電流がまだ決定されていない場合は、最小の電流値により制御を開始する。そして電解槽3への通電を開始した後、電気伝導度測定処理(S521)を実施し、このときの電解槽3に流れている電流を電流検出部18で検出した結果と、電解槽3に印加されている電圧を電圧検出部17で検出した結果とから水道水の電気伝導度を測定する。そして、予め定めたテーブルなどに基づいて、殺菌成分(銀イオン、次亜塩素酸など)が最適の濃度となるための電力投入条件を決定する。
そして電解水洗浄タイマTregが1秒未満になるまでの間(S505、S506)の10秒間電解水洗浄が継続されるが、このときソレノイドバルブ開のフラグは既に「1」にセットされているため、開閉弁2を開く処理(S508)は開閉弁2が閉の状態から開状態にされるとき以外は実行されない。
そして、電解水洗浄タイマTregの残り時間が1秒未満になった時(S506:No)は、ソレノイドバルブ開のフラグをチェックし、「1」であれば(S511)、開閉弁2を閉じ(S512)、ソレノイドバルブ開のフラグに「0」をセットし(S513)、開閉弁2を一旦閉じる処理を行った後はソレノイドバルブ開のフラグは「0」になっているため(S511)開閉弁200を閉じる処理(S512)は実行されない。
そして開閉弁2を閉じてから1秒経過して電解水洗浄タイマTregの残り時間が0秒になった時(S505:Yes)は、電解水洗浄を終了してよいので、電解要求をクリアし(S514)、電解水の生成を停止し(S515)、切替部14(電解電力供給制御部14a)を切り替えて、発電機1の出力を電解槽3から遮断する(S516)。そしてこの後小便器4が使用されることなく12時間経過した場合に再度殺菌水洗浄を実施するため、電解洗浄タイマTAgに12時間をセットする(S517)。さらに、電解水洗浄が1回終了したので、パラメータ「電解回数」を1だけカウントアップし(S518)、トータルの電解回数が20000回以上となったか否かをチェックし(S519)、20000回未満であればそのままこの処理を終了しメインルーチンに戻るが、もし20000回以上であれば電解槽3の電極3a、3bから既に多量の銀が溶出したため、1回あたりの電解による銀イオンの溶出量では十分な殺菌効果を得られない可能性があるため、使用者に電解槽の交換を促すために電極寿命を検出する(S520)。
次に電気伝導度測定ルーチン(図18のステップS521)について図19のフローチャートを用いて説明する。
まず、この電気伝導度測定処理は開閉弁2を開した直後で洗浄水が流れ始めたばかりで水流が安定していない可能性があるため、1秒タイマーをスタートさせて(S601)水流が安定するのを待つ。そして1秒経過した後(S602)、洗浄水の電気伝導度を測定するために、電解槽3に印加される電圧を電圧測定部17で、そして電解槽3に流れる電流を電流測定部18で検出する。
まず電解槽3に流れている電解電流をチェックし、もし0.5mA以下であれば(S606)、次に電解槽3に印加されている電解電圧をチェックし、もし電解電圧が1.0V以下であれば(S607:Yes)発電機1に異常があり発電電力が得られていないと推定されるため発電機異常を検出する(S609)。このとき電解槽3に供給されている電解電流および電解電圧により発電機1の異常が推定できるのは、制御部11により切替部14を電解電力供給制御部14aはオン、充電制御部14bはオフすることで、発電機1により発電された電力が電解槽3側のみに供給され、蓄電部15側には供給されないようになっているため可能となっている。
また、電解電流は0.5mA以下であるが(S606)電解電圧が1.0Vより高ければ(S607:No)、発電機1は正常に電力を発電しているが電解槽3に電流が流れていないため、電解制御部16から電解槽3への接続が外れていると推定し電解槽オープン異常を検出する(S608)。
つぎに電解槽に通電されている電流をチェックした結果0.5mA以上であった場合も(S606:No)、同様に電解槽3に印加されている電解電圧をチェックし、もし電解電圧が1.0V以下であれば(S615:Yes)発電機1は正常に電力を発電しているが電解槽3の一対の電極3a、3b間に印加されている電圧が低く、通常考えられる洗浄水の電気伝導度より明らかに電気伝導度が高いため、電極3a、3bに異物が挟まっていると推定し電解槽ショート異常を検出する(S616)。
そして、これら発電機異常、電解槽オープン異常、電解槽ショート異常の場合、殺菌成分を洗浄水中に正常に溶出することができず殺菌効果を得ることができないため、即座に開閉弁2を閉するとともに(S610)、ソレノイドバルブ開のフラグを「0」にセットし(S611)、そして電解水洗浄を中止するためパラメータ「電解要求」をクリアし(S612)、発電機1から電解槽3への電力供給を遮断するため切替部14の電解電力供給部14aの駆動を停止し(S614)、このルーチンを終了する。
一方電解槽に流れている電流が0.5mA以上で(S606:No)、電解槽に印加されている電解電圧が1.0V以下ではない場合(S615:No)、電解槽に正常に電力を供給できる状態にあり殺菌水洗浄により殺菌効果を得ることができるため、電圧測定部17により検出された電解槽3の両端に印加された電圧と、電流測定部18により検出された電解槽3に流れる電流とから洗浄水の電気伝導度を演算する(S617)。そして求められた電気伝導度から電解水洗浄(図10のステップS416)のときに電解槽3に通電する目標電流を演算し(S618)、もし求められた目標電流が30mA以上となった場合は(S619)図5の説明にて前述したように目標電流を30mAに設定し(S620)、もし演算により求められた目標電流が1mA以下となった場合は(S621)、同様に目標電流を1mAに設定して(S622)このルーチンを終了する。
次に便器洗浄装置の人体検出時特殊処理に関する別の実施形態について図20を用いて説明する。
まず、図7の便器使用判定処理の説明にて前述したパラメータ「人体」が「有」かどうかをチェックし(S701)、人体「無」であればセンサ20に内蔵されたLED20aを消灯し(S711)この処理を終了する。もし人体「有」である場合には、図19の説明で前述した発電機異常が検出されていないかをチェックし(S702)、発電機異常が検出されていなければ、次に図18および図19の説明で前述した電解槽オープン異常が検出されていないか(S703)、電解槽ショート異常が検出されていないか(S704)、電極寿命が検出されていないか(S705)を順次チェックし、いずれの異常も検出されていない場合にはそのままこの処理を終了する。
もし、発電機異常が検出されておらず(S702:No)、電解槽オープン異常、電解槽ショート異常、電極寿命の3つの異常のうちいずれかの異常が検出されている場合には、まず切替部14の充電制御部14bをオンに設定して(S706)、発電機1からの発電出力を蓄電部15に切り替え、続いてソレノイドバルブ開のフラグが「1」ではないことを確認して(S707)、開閉弁2を開き(S708)、ソレノイドバルブ開のフラグを「1」に設定し(S708)便器洗浄を開始する。それからセンサ20に内蔵された感知LED20aを点滅させて(S710)使用者に便器洗浄装置に異常があることを知らせる。このときセンサ20に内蔵されている感知LED20aを点滅させることで蓄電部15に充電された電力を大きく消費してしまうが、同時に開閉弁2を開き発電機1で発電された電力を蓄電部15に供給することで、消費される電力を補うようになっているため、蓄電部15に充電された電力が不足したときのバックアップのために備えられた一次電池6を無駄に消費することがないようにしている。
また、発電機異常が検出されている場合には(S702:Yes)、開閉弁2は開せずにそのままセンサ20に内蔵された感知LED20aを点滅させて(S710)使用者に便器洗浄装置に異常があることを知らせる。このとき開閉弁2を開する動作と切替部14の充電制御部14bをオンさせる動作を実施しないのは、発電機1に異常が検出されているため、発電機1は正常に電力を出力できない状態にあり、蓄電部15に発電機1から新たに充電することができないため、これまで蓄電部15に蓄電された電力を、開閉弁2の開・閉動作や充電電力供給制御部14bをオンさせる動作で不必要に消費しないようにするためである。
以上のフローチャートに従って制御された場合の、便器洗浄装置の動作の具体例について図21のタイミングチャートを用いて説明する。図21(a)は電解槽オープン異常もしくは電解槽ショート異常を検出した場合のタイミングチャートで、まず使用者が小便器4を使用しセンサ20が使用者を5秒以上連続して検知した後、小便器4の前から立ち去ると切替部14の充電制御部14bをオンし開閉弁2(ソレノイド)を開し便器洗浄を行いながら、発電機1の発電電力を蓄電部15に充電する。
その後、小便器4を誰も使用しない時間がt2時間(小便器4の使用頻度により可変する)継続した場合、小便器4の排水トラップや排水管内の細菌を殺菌するために電解水洗浄を実施する必要があるため、まず予備洗浄を行い排水トラップや配水管内の残水を置換するが、このとき切替部14の充電電力供給制御部14bをオンし開閉弁2を開し便器洗浄を行いながら、発電機1の発電電力を蓄電部15に充電する。その後、所定のインターバルの後、再度開閉弁2を開駆動し洗浄水の電気伝導度に基づいた電流が電解槽3に通電されるように電解制御部16により制御しながら電解水洗浄を行う。
そして同様の動作が繰り返され、再度電解水洗浄を実施したときに、このとき発電機1より電解槽3に通電される電解電流および電解電圧のいずれか一方が所定値以下であった場合は、電解槽オープン異常もしくは電解槽ショート異常が検出され、電解水洗浄は直ちに停止する。その後、使用者が小便器4を使用しセンサ20が使用者を5秒以上連続して検知すると、この小便器洗浄システムに異常があることを使用者に報知するために、切替部14の充電制御部14bをオンすると同時に開閉弁2を開駆動し、小便器4に洗浄水を流し発電機1の発電出力を蓄電部15に充電しながら、センサ20に内蔵された感知LED20aを点滅させる。このようにして感知LEDを点滅させることで蓄電部15に充電された電力を大量に消費し、蓄電部15の充電電力が不足し、バックアップ用の一次電池のエネルギーを不必要に消費してしまうことを防止する。そして、使用者が小便器4の前から立ち去りセンサ20が使用者を検知しなくなると、センサ20の感知LED20aを消灯し使用者への報知を終了し、所定の便器洗浄時間が終了後、開閉弁2を閉駆動し切替部14の充電制御部14bをオフして発電機1と蓄電部15との接続が遮断される。そして以降も使用者が小便器4を使用する度に同様の動作が繰り返される。
図21(b)は電極寿命となった場合のタイミングチャートで、まず(a)の場合と同様の動作が行われるが、タイミングチャート内で二度目の電解水洗浄のタイミングが通算20000回目の電解水洗浄となり、予備洗浄および電解水洗浄が終了した時点で電極寿命が検出される。その後、使用者が小便器4を使用しセンサ20が使用者を5秒以上連続して検知すると、この小便器洗浄システムに異常があることを使用者に報知するために、切替部14の充電制御部14bをオンすると同時に開閉弁2を開駆動し、小便器4に洗浄水の流し発電機1の発電出力を蓄電部15に充電しながら、センサ20に内蔵された感知LED20aを点滅させる。そして、使用者が小便器4の前から立ち去りセンサ20が使用者を検知しなくなると、センサ20の感知LED20aを消灯し使用者への報知を終了し、所定の便器洗浄時間が終了後、開閉弁2を閉駆動し切替部14の充電制御部14bをオフして発電機1と蓄電部15との接続が遮断される。そして以降も使用者が小便器4を使用する度に同様の動作が繰り返される。
次に図21(c)は発電機異常を検出した場合のタイミングチャートで、まず(a)の場合と同様の動作が行われるが、タイミングチャート内で二度目の電解水洗浄のタイミングで、発電機1より電解槽3に通電される電解電流および電解電圧の双方が所定値以下となり、発電機異常が検出されると、電解水洗浄は直ちに停止する。その後、使用者が小便器4を使用しセンサ20が使用者を5秒以上連続して検知すると、この小便器洗浄システムに異常があることを使用者に報知するために、センサ20に内蔵された感知LED20aを点滅させる。そして、使用者が小便器4の前から立ち去りセンサ20が使用者を検知しなくなると、センサ20の感知LED20aを消灯し使用者への報知を終了し、所定の便器洗浄時間が終了後、開閉弁2を閉駆動し切替部14の充電制御部14bをオフして発電機1と蓄電部15との接続が遮断される。そして以降も使用者が小便器4を使用する度に同様の動作が繰り返される。
次に便器洗浄装置の人体検出時特殊処理に関する別の実施形態について図22を用いて説明する。
まず、センサ20が使用者を検知したかどうかをチェックし(S701)、検知していなければセンサ20に内蔵されたLED20aを消灯し(S722)この処理を終了する。センサが使用者を検知している場合には、次に図7の説明で前述したオンディレータイマTonが3秒以下かどうかをチェックし(S702)、Tonが3秒以上であればセンサ20に内蔵されたLED20aを消灯し(S722)この処理を終了する。もしオンディレータイマTonが3秒以下となっている場合、センサ20が使用者を感知してから2秒以上経っており、使用者が小便器4の前を通過しただけではなく、確実に小便器4を使用していると判断し、次に使用者が小便器4の使用を開始したタイミングで小便器4を一旦洗浄する前洗浄を実施するため、前洗浄機能が有効とするか無効とするかの設定がどうなっているかをチェックする(S703)。前洗浄機能が無効に設定されている場合には、図19の説明で前述した発電機異常が検出されていないかをチェックし(S704)、発電機異常が検出されていれば、オンディレータイマTonが0秒かどうかをチェックし(S706)、0秒でなければセンサ20に内蔵された感知LED20aを点滅させて(S715)小便器4の使用者に異常が発生していることを報知する。もしTonが0秒になっていれば(S706:Yes)、センサ20に内蔵された感知LED20aを消灯し(S722)小便器4の使用者への異常の報知を終了する。
前洗浄機能が無効と設定されている状態で(S703:No)、発電機異常が検出されていない場合(S704:No)、図18および図19の説明で前述した電解槽オープン異常電解槽ショート異常、電極寿命のいずれかの異常が検出されていないかをチェックし(S704)、異常が検出されていなければセンサ20に内蔵されたLED20aを消灯し(S722)この処理を終了する。
次に前洗浄機能が有効に設定されている場合、もしくは前洗浄機能は無効に設定されているが、発電機異常は検出されておらず、かつ電解槽オープン異常、電解槽ショート異常、電極寿命のいずれかの異常が検出されている場合には、前洗浄を実施するための処理に進む。まず、オンディレータイマTonが2秒以下かどうかをチェックするが(S707)、最初にこのステップを処理する時点では2秒以上であるため、次にTonが0秒になっているかどうかをチェックすると0秒ではないため(S709)、充電電力供給をオンに設定して(S710)、発電機1からの発電出力を蓄電部15に切り替え、続いてソレノイドバルブ開のフラグが「1」ではないことを確認して(S711)、開閉弁2を開き(S712)、ソレノイドバルブ開のフラグを「1」に設定し(S713)便器洗浄を開始する。そして前述した4つの異常を検出しているかをどうかをチェックし(S714)、異常を検出していなければそのままこの処理を終了し単に前洗浄を実施するが、もし異常を検出していればセンサ20に内蔵された感知LED20aを点滅させて(S715)使用者に便器洗浄装置に異常があることを知らせる。このときセンサ20に内蔵されている感知LED20aを点滅させることで蓄電部15に充電された電力を大きく消費してしまうが、同時に前洗浄が実施されることになり、発電機1で発電された電力を蓄電部15に供給することで、消費される電力を補うようになっているため、蓄電部15に充電された電力が不足したときのバックアップのために備えられた一次電池6を無駄に消費することがないようにしている。
そして、前洗浄を開始してから1秒経過するとオンディレータイマTonが2秒以下となるため(S707:No)、次に前洗浄の時間が「長」に設定されているか(本実施例では3秒)、「短」に設定されているか(本実施例では1秒)をチェックし(S708)、前洗浄時間が3秒に設定されていれば、そのまま前洗浄を継続する(S709〜S715)。もし前洗浄時間が1秒に設定されている場合には(S708:No)、次に前記4つの異常のうちいずれかの異常が検出されているかどうかをチェックし(S716)、もし異常が検出されている場合は使用者に異常を少しでも長く知らせるために、そのまま前洗浄を継続する(S709〜S715)。異常が検出されていない場合には、前洗浄時間が終了したため、ソレノイドバルブ開のフラグをチェックし、「1」であれば(S717)、開閉弁2を閉じ(S718)、ソレノイドバルブ開のフラグに「0」をセットする(S719)。また、開閉弁2を一旦閉じる処理を行った後はソレノイドバルブ開のフラグは「0」になっているため(S717:No)開閉弁2を閉じる処理(S718)は実行されない。そしてセンサ20に内蔵されている感知LED20aを消灯し(S720)、切替部14の充電制御部14bをオフして(S721)発電機1と蓄電部15との接続が遮断される、この処理を終了する。
もし前洗浄時間が3秒に設定されているか(S707:Yes)、あるいは前洗浄時間は1秒に設定されているが前述した4つの異常のいずれかが発生している場合には(S7146Yes)、オンディレータイマTonが0秒になるまで(S709)前洗浄を継続するとともに、もし異常が発生している場合にはセンサ20に内蔵された感知LED20aを点滅させて使用者に異常の報知を行い、3秒間の前洗浄を実施後、前洗浄終了処理を実施する(S717〜S721)。
以上のフローチャートに従って制御された場合の、便器洗浄装置の動作の具体例について図23のタイミングチャートを用いて説明する。図23(a)は前洗浄機能が「有効」、前洗浄時間「3秒」に設定されているときに、電解槽オープン異常もしくは電解槽ショート異常を検出した場合を表すタイミングチャートで、まず使用者が小便器4を使用しセンサ20が使用者を2秒以上連続して検知すると、切替部14の充電制御部14bをオンし開閉弁2(ソレノイド)を開し便器洗浄を行いながら発電機1の発電電力を蓄電部15に充電する。そして3秒経過すると開閉弁2を閉し前洗浄を終了し、切替部14の充電制御部14bをオフする。その後、使用者が小便器4の前から立ち去りセンサ20が使用者を検知しなくなると、切替部14の充電制御部14bをオンし開閉弁2を開し便器洗浄を行いながら、発電機1の発電電力を蓄電部15に充電し、便器洗浄終了後開閉弁2を閉し、切替部14の充電制御部14bをオフし発電機1と蓄電部15との接続を遮断する。
その後、小便器4を誰も使用しない時間がt2時間(小便器4の使用頻度により可変する)継続した場合、小便器4の排水トラップや排水管内の細菌を殺菌するために電解水洗浄を実施する必要があるため、まず予備洗浄を行い排水トラップや配水管内の残水を置換するが、このとき切替部14の充電電力供給制御部14bをオンし開閉弁2を開し便器洗浄を行いながら、発電機1の発電電力を蓄電部15に充電する。その後、所定のインターバルの後、再度開閉弁2を開駆動し洗浄水の電気伝導度に基づいた電流が電解槽3に通電されるように電解制御部16により制御しながら電解水洗浄を行う。
そして同様の動作が繰り返され、再度電解水洗浄を実施したときに、このとき発電機1より電解槽3に通電される電解電流および電解電圧のいずれか一方が所定値以下であった場合は、電解槽オープン異常もしくは電解槽ショート異常が検出され、電解水洗浄は直ちに停止する。その後、使用者が小便器4を使用しセンサ20が使用者を2秒以上連続して検知すると、前洗浄を実施するため切替部14の充電制御部14bをオンし開閉弁2を開することで発電機1の発電出力を蓄電部15に充電するが、このとき小便器洗浄システムに異常があることを使用者に報知するためにセンサ20に内蔵された感知LED20aを点滅させる。このようにすることで感知LED20aを点滅させることで蓄電部15に充電された電力を大量に消費し、蓄電部15の充電電力が不足し、バックアップ用の一次電池のエネルギーを不必要に消費してしまうことを防止すると同時に、使用者に小便器洗浄システムの異常が発生していることを確実に報知することができる。そして前洗浄時間の3秒が終了すると、センサ20の感知LED20aを消灯し使用者への報知を終了し、開閉弁2を閉駆動し切替部14の充電制御部14bをオフして発電機1と蓄電部15との接続を遮断する。
その後、使用者が小便器4の前から立ち去りセンサ20が使用者を検知しなくなると、切替部14の充電制御部14bをオンし開閉弁2を開し便器洗浄を行いながら、発電機1の発電電力を蓄電部15に充電し、便器洗浄終了後開閉弁2を閉し、切替部14の充電制御部14bをオフし発電機1と蓄電部15との接続を遮断する。
そして以降も使用者が小便器4を使用する度に同様の動作が繰り返される。
図23(b)は前洗浄機能「有効」、前洗浄時間「1秒」に設定されているときに電極寿命を検出した場合のタイミングチャートで、まず使用者が小便器4を使用しセンサ20が使用者を2秒以上連続して検知すると、切替部14の充電制御部14bをオンし開閉弁2(ソレノイド)を開し便器洗浄を行いながら発電機1の発電電力を蓄電部15に充電する。そして1秒経過すると開閉弁2を閉し前洗浄を終了し、切替部14の充電制御部14bをオフする。そして、センサ20が使用者を検知し始めてから5秒以上経過した後、使用者が小便器4の前から立ち去りセンサ20が使用者を検知しなくなると、切替部14の充電制御部14bをオンし開閉弁2を開し便器洗浄を行いながら、発電機1の発電電力を蓄電部15に充電し、便器洗浄終了後開閉弁2を閉し、切替部14の充電制御部14bをオフし発電機1と蓄電部15との接続を遮断する。
その後、図23(a)で説明したように電解水洗浄が実施されるが、タイミングチャート内で二度目の電解水洗浄のタイミングが通算20000回目の電解水洗浄となり、予備洗浄および電解水洗浄が終了した時点で電極寿命が検出される。その後使用者が小便器4を使用しセンサ20が使用者を2秒以上連続して検知すると、前洗浄を実施するため切替部14の充電制御部14bをオンし開閉弁2を開することで発電機1の発電出力を蓄電部15に充電するが、このとき小便器洗浄システムに異常があることを使用者に報知するためにセンサ20に内蔵された感知LED20aを点滅させる。このとき前洗浄時間の設定としては「1秒」となっているが、使用者に小便器洗浄システムに異常があることを確実に報知するために、前洗浄時間は強制的に「3秒」に伸ばして実施され、その後センサ20の感知LED20aを消灯し使用者への報知を終了し、開閉弁2を閉駆動して前洗浄を終了するとともに、切替部14の充電制御部14bをオフして発電機1と蓄電部15との接続を遮断する。
その後、使用者が小便器4の前から立ち去りセンサ20が使用者を検知しなくなると、切替部14の充電制御部14bをオンし開閉弁2を開し便器洗浄を行いながら、発電機1の発電電力を蓄電部15に充電し、便器洗浄終了後開閉弁2を閉し、切替部14の充電制御部14bをオフし発電機1と蓄電部15との接続を遮断する。
そして以降も使用者が小便器4を使用する度に同様の動作が繰り返される。
図23(c)は前洗浄機能が「無効」に設定されているときに、発電機異常を検出した場合を表すタイミングチャートで、まず使用者が小便器4を使用しセンサ20が使用者を2秒以上連続して検知するが、前洗浄機能が「無効」に設定されているため前洗浄は実施されない。そして、センサ20が使用者を検知し始めてから5秒以上経過した後、使用者が小便器4の前から立ち去りセンサ20が使用者を検知しなくなると、切替部14の充電制御部14bをオンし開閉弁2を開し便器洗浄を行いながら、発電機1の発電電力を蓄電部15に充電し、便器洗浄終了後開閉弁2を閉し、切替部14の充電制御部14bをオフし発電機1と蓄電部15との接続を遮断する。
その後、図23(a)で説明したように電解水洗浄が実施されるが、電解水洗浄中に電解槽3に通電する電解電流、電解電圧の双方が所定値以下となり発電機異常を検出すると、電解水洗浄は直ちに停止する。その後、使用者が小便器4を使用しセンサ20が使用者を2秒以上連続して検知し、前洗浄が行われるタイミングになると、この小便器洗浄システムに異常があることを使用者に報知するために、センサ20に内蔵された感知LED20aを点滅させる。ただし、このときは前洗浄機能が「無効」に設定されており、かつ発電機1の出力に異常があり開閉弁2を開して洗浄水を流しても蓄電部15に充電することができないため、前洗浄は実施せずに、感知LED20aの点滅のみ3秒間実施される
また、発電機異常を検出した場合でも、前洗浄機能が「有効」で前洗浄時間が「3秒」に設定されているときは図23(a)のタイミングチャートで説明した動作と同様の動きとなり、前洗浄機能が「有効」で前洗浄時間が「1秒」に設定されているときには図23(b)のタイミングチャートで説明した動作と同様の動きとなり(ただし、タイミングチャート内で2回目の電解水洗浄は、発電機異常を検出した時点で終了する)、使用者が小便器4を使用しセンサ20が使用者を2秒以上連続して検知すると、前洗浄を実施するため切替部14の充電制御部14bをオンし開閉弁2を開することで発電機1の発電出力を蓄電部15に充電するが、このとき小便器洗浄システムに異常があることを使用者に報知するためにセンサ20に内蔵された感知LED20aを点滅させる。
以上の説明では、人体センサ20に内蔵された感知LED20aを点滅させることで異常の報知を行うようにしたが、例えばビルの集中管理システムや故障診断システム、あるいは小便器4とは別に設置された各装置の動作状態を表示するシステムなどに、便器洗浄装置の制御装置10から異常が発生しているというデータを送信し、このようなシステム上で異常を報知することも可能である。