JP2017113031A - ヌクレアーゼ媒介dnaアセンブリ - Google Patents

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Abstract

【課題】ヌクレアーゼ媒介DNAアセンブリを提供すること。【解決手段】配列特異的ヌクレアーゼ剤(例えば、gRNA−Cas複合体)を使用して少なくとも2つの核酸をアセンブルして相補性を有する末端配列を作製し、続いてオーバーラップ相補的配列をアセンブルするための方法が本明細書において提供される。ヌクレアーゼ剤(例えば、gRNA−Cas複合体)は、オーバーラップ末端配列を作製するためにdsDNAにおいて2本鎖破断を作製することができるか、又は各鎖上に切れ目を作製して相補的なオーバーハング末端配列を生成することができる。本明細書に記載される方法を使用するアセンブリは、オーバーラップ配列を有する任意の核酸をアセンブルすることができ、又は結合体(joiner)オリゴを使用して、相補的末端を伴わない配列をアセンブルすることができる。【選択図】なし

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2014年6月23日に出願された米国仮特許出願第62/015,809号、2014年6月24日に出願された米国仮特許出願第62/016,400号、及び2014年8月13日に出願された米国仮特許出願第62/036,983号の利益を主張し、これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
EFS WEBを介したテキストファイルとして
配列表の公式コピーは、461002SEQLIST.TXTという名の、2015年6月23日に作製された、66KBのサイズを有するファイルで、ASCII形式の配列表としてEFS−Webを介して電子的に提出され、本明細書と同時に出願される。このASCII形式文書に含まれる配列表は、本明細書の一部であり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
歴史的に、オーバーラップ伸長が、オーバーラップ合成オリゴヌクレオチドからより大きい2本鎖DNA分子、特に遺伝子を合成する手段として使用され得た。しかしながら、これらの方法では、大きいDNA分子を速やかかつ効果的に組み合わせることができなかった。更に、オーバーラップ配列を使用する大きい核酸の部位特異的組み合わせは、組み合わされる核酸の所望の位置におけるオーバーラップ配列の利用可能性により制限されることが多い。特定のDNA配列を標的とするように設計された操作されたヌクレアーゼ酵素が、標的遺伝子の欠失、置換、及び修復、並びに外因性配列の挿入を可能にする遺伝子操作の強力なツールとして関心を集めてきた。しかしながら、既存の技術は、予測できないオフターゲット効果及び時間のかかる多工程反応につながる可能性がある、限られた精度に悩まされている。
本明細書において、オーバーラップ配列を有する核酸をアセンブルするための方法が提供される。このような方法は、(a)第1の核酸を第1のヌクレアーゼ剤と接触させることであって、第1のヌクレアーゼ剤が、第1の標的部位で第1の核酸を切断して、第1のダイジェストされた核酸を、第1のダイジェストされた核酸と第2の核酸との間におけるオーバーラップ末端配列を伴って産生する、接触させることと、(b)第1のダイジェストされた核酸及び第2の核酸をエキソヌクレアーゼと接触させて、第1のダイジェストされた核酸と第2の核酸との間の相補的配列を曝露することと、(c)工程(b)から生成された2つの核酸断片をアセンブルすることと、を含む、少なくとも2つの核酸をアセンブルするための方法を含む。いくつかのこのような方法において、工程(c)は、(i)曝露された相補的配列をアニーリングすることと、(ii)アニーリングした相補的配列の3’末端を伸長することと、(iii)第1及び第2の核酸をライゲーションすることと、を更に含む。
本方法のいくつかにおいて、工程(a)は、第2の核酸を第2のヌクレアーゼ剤と接触させることを更に含み、該第2の核酸は、オーバーラップ末端配列を含まず、該第2のヌクレアーゼ剤は、第2の標的部位で第2の核酸を切断して、第2のダイジェストされた核酸を、第1のダイジェストされた核酸と第2のダイジェストされた核酸との間におけるオーバーラップ末端配列を伴って産生し、かつ工程(b)の第2の核酸は、第2のダイジェストされた核酸である。本方法のいくつかにおいて、オーバーラップ末端配列は、20bp〜200bpの長さの範囲である。
本方法のいくつかにおいて、第1又は第2のヌクレアーゼ剤のうちの少なくとも1つは、第1又は第2の標的部位を標的とするCasタンパク質及びガイドRNA(gRNA)(gRNA−Cas複合体)を含む。例えば、Casタンパク質は、Cas9タンパク質であり得る。Cas9タンパク質は、RuvCドメインと、HNHドメインと、を含み得、これらのうちの少なくとも1つは、エンドヌクレアーゼ活性を欠く。いくつかの実施形態では、gRNAは、規則的な間隔をもってクラスター化された短回文反復(CRISPR)RNA(crRNA)及びトランス活性化CRISPR RNA(tracrRNA)をコードする核酸配列を含む。第1の標的部位及び/又は第2の標的部位は、プロトスペーサー近接モチーフ(PAM)配列に隣接していてもよい。本方法のいくつかにおいて、ヌクレアーゼ剤は、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、又は転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)を含む。
本方法のいくつかにおいて、第1、第2、又は両方の核酸は、細菌人工染色体に由来する。細菌人工染色体は、ヒトDNA、ゲッ歯類DNA、合成DNA、又はこれらの組み合わせを含み得る。細菌人工染色体はヒト配列を含み得る。
本明細書に開示される方法は、(a)第1の核酸を、第1のヌクレアーゼ剤及び第2のヌクレアーゼ剤と接触させて、第1のダイジェストされた核酸を産生することであって、第1のヌクレアーゼ剤が、第1の標的部位で第1の核酸の第1の鎖上に切れ目を生成し、第2のヌクレアーゼ剤が、第2の標的部位で第1の核酸の第2の鎖上に切れ目を生成して、その両端のうちの1つに5’又は3’オーバーハング配列を含む第1のダイジェストされた核酸を産生する、産生することと、(b)第1のダイジェストされた核酸及び5’又は3’オーバーハング配列に対する相補的配列を含む第2の核酸をアニーリングすることと、(c)第1のダイジェストされた核酸及び第2の核酸をライゲーションすることと、を含む、少なくとも2つの核酸をアセンブルするための方法を含む。本方法のいくつかにおいて、工程(b)は、第2の鎖を鋳型として使用して第1の鎖の3’末端を伸長することと、第1の鎖を鋳型として使用して第2の鎖系の3’末端を伸長することと、を更に含む。本方法のいくつかにおいて、第1の標的部位は、第2の標的部位から少なくとも4bp離れている。
本方法のいくつかにおいて、第1又は第2のヌクレアーゼ剤のうちの少なくとも1つは、第1又は第2の標的部位を標的とするCas9タンパク質及びガイドRNA(gRNA)(gRNA−Cas複合体)を含む。gRNAは、規則的な間隔をもってクラスター化された短回文反復(CRISPR)RNA(crRNA)及びトランス活性化CRISPR RNA(tracrRNA)をコードする核酸配列を含み得る。本方法のいくつかにおいて、第1の標的部位及び第2の標的部位のうちの少なくとも1つは、プロトスペーサー近接モチーフ(PAM)配列に隣接している。Cas9タンパク質は、RuvCドメインと、HNHドメインと、を含み得、これらのうちの1つは、エンドヌクレアーゼ活性を欠く。
本方法のいくつかにおいて、第2の核酸は、第1のダイジェストされた核酸の5’又は3’オーバーハング配列に対する相補的配列を含まず、工程(a)は、第1のダイジェストされた核酸及び第2のダイジェストされた核酸を結合体オリゴと接触させることを更に含み、該結合体オリゴは、(i)第1のダイジェストされた核酸の5’又は3’オーバーハング配列に対する第1の相補的配列、及び(ii)第2のダイジェストされた核酸の5’又は3’オーバーハング配列に対する第2の相補的配列を含む。いくつかの方法では、第1、第2、又は両方の核酸は、細菌人工染色体に由来する。細菌人工染色体は、ヒトDNA、ゲッ歯類DNA、合成DNA、又はこれらの組み合わせを含み得る。細菌人工染色体は、ヒトポリヌクレオチド配列を含み得る。いくつかの方法では、第2の核酸は、細菌人工染色体を含む。
提供される方法はまた、(a)第1の核酸を少なくとも1つのヌクレアーゼ剤と接触させて第1のダイジェストされた核酸を生成することと、(b)第1のダイジェストされた核酸を第2の核酸、結合体オリゴ、及びエキソヌクレアーゼと接触させることであって、該結合体オリゴが、(i)第1のダイジェストされた核酸に相補的である第1の相補的配列と、(ii)スペーサーと、(iii)第2の核酸に相補的である第2の相補的配列と、を含み、該エキソヌクレアーゼが、第1及び第2の相補的配列を曝露する、接触させることと、(c)結合体オリゴを第1のダイジェストされた核酸及び第2の核酸とアセンブルすることと、を含む、2つ以上の核酸断片をアセンブルするための方法も含む。いくつかのこのような方法では、工程(c)におけるアセンブルは、(i)結合体オリゴの第1の相補的配列を第1のダイジェストされた核酸に、及び結合体オリゴの第2の相補的配列を第2の核酸にアニーリングすることと、(ii)結合体オリゴを、第1のダイジェストされた核酸及び第2の核酸にライゲーションすることと、を含む。
いくつかの方法では、結合体オリゴの第1の相補的配列及び第2の相補的配列は、15〜120の相補的塩基を含む。いくつかの方法では、結合体オリゴのスペーサーは、非相補的核酸を含む。いくつかの実施形態では、第1のダイジェストされた核酸は、第2の核酸にシームレスにアセンブルされる。
いくつかの方法では、ヌクレアーゼ剤は、シームレスアセンブリが生じる第1の核酸の末端から少なくとも20bpの断片を切断するように設計され、結合体オリゴのスペーサーは、該少なくとも20bpの断片と同一である配列を含み、核酸塩基は、第1の相補的配列と少なくとも20bpの断片との間に存在せず、核酸塩基は、第2の相補的配列と少なくとも20bpの断片との間に存在せず、したがって、第1の核酸の、該結合体オリゴ及び該第2核酸とのアセンブリは、少なくとも20bpの断片を再構築し、第1及び第2の核酸をシームレスにアセンブルする。いくつかの方法では、同じ方法が、第2の核酸由来の少なくとも20bpの断片をスペーサー配列として用いて行われる。いくつかの方法では、スペーサーは、約20bp〜約120bpから構成される。いくつかの方法では、第2の核酸は、第2のヌクレアーゼ剤及びエキソヌクレアーゼと接触させられ、該第2のヌクレアーゼ剤は、第2の核酸を切断して、結合体オリゴの第2の相補的配列に相補的であるヌクレオチド配列を含む第2のダイジェストされた核酸を産生し、該第1のダイジェストされた核酸は、第2のダイジェストされた核酸にアセンブルされる。いくつかの方法では、第2の核酸は、制限酵素又はメガヌクレアーゼ及びエキソヌクレアーゼと接触させられ、該制限酵素又はメガヌクレアーゼは、第2の核酸を切断して、結合体オリゴにおける第2の相補的配列に相補的であるヌクレオチド配列を含む第2のダイジェストされた核酸を産生し、該第1のダイジェストされた核酸は、第2のダイジェストされた核酸にアセンブルされる。いくつかの方法では、第1及び/又は第2のダイジェストされた核酸の3’末端は、工程(b)において伸長される。結合体オリゴは、同じ反応において、又は連続的に該第1の核酸及び該第2の核酸にアセンブルされ得る。いくつかの方法では、第1、第2、又は両方の核酸は、少なくとも10kb細菌人工染色体に由来し、かつ/又はヒトDNA、ゲッ歯類DNA、合成DNA、又はこれらの組み合わせを含む。
本方法のいくつかにおいて、少なくとも1つのヌクレアーゼ剤又は第2のヌクレアーゼ剤は、第1又は第2の標的部位を標的とするCasタンパク質及びガイドRNA(gRNA)(gRNA−Cas複合体)を含む。例えば、Casタンパク質は、Cas9タンパク質であり得る。Cas9タンパク質は、RuvCドメインと、HNHドメインと、を含み得、これらのうちの少なくとも1つは、エンドヌクレアーゼ活性を欠く。いくつかの実施形態では、gRNAは、規則的な間隔をもってクラスター化された短回文反復(CRISPR)RNA(crRNA)及びトランス活性化CRISPR RNA(tracrRNA)をコードする核酸配列を含む。第1の標的部位及び/又は第2の標的部位は、プロトスペーサー近接モチーフ(PAM)配列に隣接していてもよい。本方法のいくつかにおいて、少なくとも1つのヌクレアーゼ剤及び/又は第2のヌクレアーゼ剤は、ジンクフィンガーヌクレアーゼ又は転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)を含む。
いくつかの実施形態では、結合体オリゴはgBlockを含む。いくつかのこのような方法では、gBlockは、選択カセットを含まない。
2つ以上の核酸をアセンブルするための方法が更に提供され、この方法は、(a)第1の核酸を少なくとも1つのヌクレアーゼ剤と接触させて第1のダイジェストされた核酸を生成することと、(b)第2の核酸を第2のヌクレアーゼ剤と接触させて第2のダイジェストされた核酸を生成することと、(c)第1のダイジェストされた核酸及び第2のダイジェストされた核酸を、結合体オリゴ及びエキソヌクレアーゼと接触させることであって、該結合体オリゴが、(i)第1のダイジェストされた核酸に相補的である第1の相補的配列と、(ii)スペーサーと、(iii)第2のダイジェストされた核酸に相補的である第2の相補的配列と、を含み、該エキソヌクレアーゼが、第1及び第2の相補的配列を曝露する、接触させることと、(d)結合体オリゴを第1のダイジェストされた核酸及び第2の核酸とアセンブルすることと、を含む。
本明細書において、オーバーラップ配列を有する核酸をアセンブルするための方法が提供される。このような方法は、(a)オーバーラップ配列を含む第1及び第2の核酸を、少なくとも1つのgRNA−Cas複合体及びエキソヌクレアーゼと接触させ、それによりそれらの末端のうちの1つに相補的配列を含む2つのダイジェストされた核酸断片を生成する、接触させることと、(b)工程(a)から生成された2つの核酸断片をアセンブルすることと、を含む、少なくとも2つの核酸断片をアセンブルするための方法を含む。いくつかの方法では、少なくとも1つのgRNA−Cas複合体は、第1の標的部位で第1の核酸を切断して、第1のダイジェストされた核酸と第2の核酸との間における相補的末端配列を含む第1のダイジェストされた核酸を産生する。ある特定の方法では、工程(b)は、(i)曝露された相補的配列をアニーリングすることと、(ii)アニーリングした相補的配列の3’末端を伸長することと、(iii)第1及び第2の核酸をライゲーションすることと、を更に含む。いくつかの方法では、工程(a)は、第2の核酸を第2のgRNA−Cas複合体と接触させることを更に含み、第2の核酸は、オーバーラップ末端配列を含まず、第2のgRNA−Cas複合体は、第2の核酸を切断して、第1のダイジェストされた核酸と第2のダイジェストされた核酸との間におけるオーバーラップ末端配列を含む第2のダイジェストされた核酸を産生する。例えば、gRNA−Cas複合体は、Cas9タンパク質を含む。Cas9タンパク質は、RuvCドメインと、HNHドメインと、を含み得、これらのうちの少なくとも1つは、エンドヌクレアーゼ活性を欠く。いくつかの方法では、オーバーラップ配列は、20bp〜200bpの長さの範囲である。第1、第2、又は両方の核酸は、細菌人工染色体に由来する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。いくつかの方法では、細菌人工染色体は、ヒトDNA、ゲッ歯類DNA、合成DNA、又はこれらの組み合わせを含む。細菌人工染色体はヒト配列を含み得る。
提供される方法は、(a)第1及び第2の核酸を、少なくとも1つのgRNA−Cas複合体に曝露して、それらの末端のうちの1つに5’又は3’オーバーハング配列を含む第1及び第2のダイジェストされた核酸を生成することと、(b)工程(a)から生成された2つの核酸断片をアセンブルすることと、を含む、2つ以上の核酸断片をアセンブルするための方法も含む。いくつかの方法では、アセンブル工程(b)は、(i)5’又は3’オーバーハング配列をアニーリングすることと、(ii)第1のダイジェストされた核酸及び第2のダイジェストされた核酸をライゲーションすることと、を含む。いくつかの方法では、5’及び/又は3’オーバーハング配列は、少なくとも4つの相補的塩基を含む。いくつかの方法では、工程(b)は、第1及び第2のダイジェストされた核酸の3’末端を伸長することを更に含む。いくつかの方法では、第2の核酸は、第1のダイジェストされた核酸の5’又は3’オーバーハング配列に対する相補的配列を含まず、工程(a)は、第1のダイジェストされた核酸及び第2のダイジェストされた核酸を結合体オリゴと接触させることを更に含み、該結合体オリゴは、(i)第1のダイジェストされた核酸の5’又は3’オーバーハング配列に対する第1の相補的配列と、(ii)第2のダイジェストされた核酸の5’又は3’オーバーハング配列に対する第2の相補的配列と、を含む。いくつかの方法では、gRNA−Casタンパク質複合体は、RuvCドメイン及びHNHドメインを含み、これらのうちの少なくとも1つがエンドヌクレアーゼ活性を欠く、Cas9タンパク質を含む。いくつかの方法では、gRNA−Cas複合体は、crRNA、tracrRNA、及びCasタンパク質として別個に提供される。いくつかの方法では、第1及び第2の核酸は、プロトスペーサー近接モチーフ(PAM)配列を含む。いくつかの方法では、第1、第2、又は両方の核酸は、細菌人工染色体に由来する。いくつかの方法では、細菌人工染色体は、ヒトDNA、ゲッ歯類DNA、合成DNA、又はこれらの組み合わせを含む。例えば、細菌人工染色体は、ヒトポリヌクレオチド配列を含み得る。
2つ以上の核酸をアセンブルするための方法が更に提供され、この方法は、(a)第1の核酸を少なくとも1つのgRNA−Cas複合体と接触させて第1のダイジェストされた核酸を生成することと、(b)第1のダイジェストされた核酸を第2の核酸、結合体オリゴ、及びエキソヌクレアーゼと接触させることであって、該結合体オリゴが、(i)第1のダイジェストされた核酸に相補的である第1の相補的配列と、(ii)スペーサーと、(iii)第2の核酸に相補的である第2の相補的配列と、を含み、該エキソヌクレアーゼが、第1及び第2の相補的配列を曝露する、接触させることと、(c)結合体オリゴを第1のダイジェストされた核酸及び第2の核酸とアセンブルすることと、を含む。いくつかの方法では、アセンブル工程(c)は、(i)結合体オリゴの第1の相補的配列を第1のダイジェストされた核酸に、及び結合体オリゴの第2の相補的配列を第2の核酸にアニーリングすることと、(ii)結合体オリゴを、第1のダイジェストされた核酸及び第2の核酸にライゲーションすることと、を含む。いくつかの方法では、結合体オリゴの第1の相補的配列及び第2の相補的配列は、15〜120の相補的塩基を含む。いくつかの方法では、結合体オリゴのスペーサーは、非相補的核酸を含む。
結合体オリゴを使用して、第1のダイジェストされた核酸は、第2の核酸にシームレスにアセンブルされ得る。いくつかの方法では、gRNA−Cas複合体は、シームレスアセンブリが生じる第1の核酸の末端から少なくとも20bpの断片を切断するように設計され、結合体オリゴのスペーサーは、該少なくとも20bpの断片と同一である配列を含み、核酸塩基は、第1の相補的配列と少なくとも20bpの断片との間に存在せず、核酸塩基は、第2の相補的配列と少なくとも20bpの断片との間に存在せず、したがって、第1の核酸の、該結合体オリゴ及び該第2核酸とのアセンブリは、少なくとも20bpの断片を再構築し、第1及び第2の核酸をシームレスにアセンブルする。いくつかの方法では、同じ方法が、第2の核酸由来の少なくとも20bpの断片をスペーサー配列として用いて行われる。いくつかの方法では、スペーサーは、約20bp〜約120bpから構成される。いくつかの方法では、第2の核酸は、第2のgRNA−Cas複合体及びエキソヌクレアーゼと接触させられ、第2のgRNA−Cas複合体は、第2の核酸を切断して、結合体オリゴの第2の相補的配列に相補的であるヌクレオチド配列を含む第2のダイジェストされた核酸を産生し、該第1のダイジェストされた核酸は、第2のダイジェストされた核酸にアセンブルされる。いくつかの方法では、第2の核酸は、制限酵素又はメガヌクレアーゼ及びエキソヌクレアーゼと接触させられ、該制限酵素又はメガヌクレアーゼは、第2の核酸を切断して、結合体オリゴにおける第2の相補的配列に相補的であるヌクレオチド配列を含む第2のダイジェストされた核酸を産生し、該第1のダイジェストされた核酸は、第2のダイジェストされた核酸にアセンブルされる。いくつかの方法では、第1及び/又は第2のダイジェストされた核酸の3’末端は、工程(b)において伸長される。結合体オリゴは、同じ反応において、又は連続的に該第1の核酸及び該第2の核酸にアセンブルされ得る。いくつかの方法では、gRNA−Cas複合体は、Cas9タンパク質を含む。いくつかの方法では、第1、第2、又は両方の核酸は、少なくとも10kb細菌人工染色体に由来し、かつ/又はヒトDNA、ゲッ歯類DNA、合成DNA、又はこれらの組み合わせを含む。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
少なくとも2つの核酸をアセンブルするための方法であって、
(a)第1の核酸を第1のヌクレアーゼ剤と接触させることであって、前記第1のヌクレアーゼ剤が、第1の標的部位で前記第1の核酸を切断して、第1のダイジェストされた核酸を、前記第1のダイジェストされた核酸と第2の核酸との間におけるオーバーラップ末端配列を伴って産生する、接触させることと、
(b)前記第1のダイジェストされた核酸及び前記第2の核酸をエキソヌクレアーゼと接触させて、前記第1のダイジェストされた核酸と前記第2の核酸との間の相補的配列を曝露することと、
(c)工程(b)から生成された2つの核酸断片をアセンブルすることと、を含む、方法。
(項目2)
工程(c)が、
(i)前記曝露された相補的配列をアニーリングすることと、
(ii)前記アニーリングした相補的配列の3’末端を伸長することと、
(iii)前記第1及び前記第2の核酸をライゲーションすることと、を更に含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
工程(a)が、前記第2の核酸を第2のヌクレアーゼ剤と接触させることを更に含み、前記第2の核酸が、前記オーバーラップ末端配列を含まず、前記第2のヌクレアーゼ剤が、第2の標的部位で前記第2の核酸を切断して、第2のダイジェストされた核酸を、前記第1のダイジェストされた核酸と前記第2のダイジェストされた核酸との間における前記オーバーラップ末端配列を伴って産生し、かつ
工程(b)の前記第2の核酸が、前記第2のダイジェストされた核酸である、項目1又は2に記載の方法。
(項目4)
前記第1のヌクレアーゼ剤及び前記第2のヌクレアーゼ剤のうちの少なくとも1つが、前記第1の標的部位又は前記第2の標的部位を標的とする、Casタンパク質及びガイドRNA(gRNA)(gRNA−Cas複合体)、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、又は転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)を含む、項目3に記載の方法。
(項目5)
前記第1のヌクレアーゼ剤及び前記第2のヌクレアーゼ剤のうちの少なくとも1つが、Casタンパク質及びガイドRNA(gRNA)(gRNA−Cas複合体)を含み、
前記Casタンパク質が、Cas9タンパク質であり、前記gRNAが、規則的な間隔をもってクラスター化された短回文反復(CRISPR)RNA(crRNA)及びトランス活性化CRISPR RNA(tracrRNA)をコードする核酸配列を含み、前記第1の標的部位及び前記第2の標的部位のうちの少なくとも1つが、プロトスペーサー近接モチーフ(PAM)配列に直ぐ隣接している、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記Cas9タンパク質が、RuvCドメインと、HNHドメインと、を含み、これらのうちの少なくとも1つが、エンドヌクレアーゼ活性を欠く、項目5に記載の方法。
(項目7)
前記オーバーラップ末端配列が、20bp〜200bpの長さの範囲である、項目1〜6のいずれか一項に記載の方法。
(項目8)
前記第1の核酸、前記第2の核酸、又は両方の核酸が、細菌人工染色体に由来する、項目1〜7のいずれか一項に記載の方法。
(項目9)
前記細菌人工染色体が、ヒトDNA、ゲッ歯類DNA、合成DNA、ヒトポリヌクレオチド配列、又はこれらの組み合わせを含む、項目8に記載の方法。
(項目10)
少なくとも2つの核酸をアセンブルするための方法であって、
(a)第1の核酸を、第1のヌクレアーゼ剤及び第2のヌクレアーゼ剤と接触させて第1のダイジェストされた核酸を産生することであって、前記第1のヌクレアーゼ剤が、第1の標的部位で前記第1の核酸の第1の鎖上に切れ目を生成し、前記第2のヌクレアーゼ剤が、第2の標的部位で前記第1の核酸の第2の鎖上に切れ目を生成して、その両端のうちの1つに5’又は3’オーバーハング配列を含む前記第1のダイジェストされた核酸を産生する、産生することと、
(b)前記第1のダイジェストされた核酸及び前記5’又は3’オーバーハング配列に対する相補的配列を含む第2の核酸をアニーリングすることと、
(c)前記第1のダイジェストされた核酸及び前記第2の核酸をライゲーションすることと、を含む、方法。
(項目11)
工程(b)が、前記第2の鎖を鋳型として使用して前記第1の鎖の3’末端を伸長することと、前記第1の鎖を鋳型として使用して前記第2の鎖の3’末端を伸長することと、を更に含む、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記第1のヌクレアーゼ剤及び前記第2のヌクレアーゼ剤のうちの少なくとも1つが、前記第1の標的部位又は前記第2の標的部位を標的とする、Cas9タンパク質及びガイドRNA(gRNA)(gRNA−Cas複合体)を含む、項目10又は11に記載の方法。
(項目13)
前記Cas9タンパク質が、RuvCドメインと、HNHドメインと、を含み、これらのうちの1つが、エンドヌクレアーゼ活性を欠く、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記第1の標的部位が、前記第2の標的部位から少なくとも4bp離れている、項目10〜13のいずれか一項に記載の方法。
(項目15)
前記gRNAが、規則的な間隔をもってクラスター化された短回文反復(CRISPR)RNA(crRNA)及びトランス活性化CRISPR RNA(tracrRNA)をコードする核酸配列を含み、前記第1の標的部位及び前記第2の標的部位のうちの少なくとも1つが、プロトスペーサー近接モチーフ(PAM)配列に直ぐ隣接している、項目10〜14のいずれか一項に記載の方法。
(項目16)
2つ以上の核酸をアセンブルするための方法であって、
(a)第1の核酸を少なくとも1つのヌクレアーゼ剤と接触させて第1のダイジェストされた核酸を生成することと、
(b)前記第1のダイジェストされた核酸を第2の核酸、結合体オリゴ、及びエキソヌクレアーゼと接触させることであって、
前記結合体オリゴが、
(i)前記第1のダイジェストされた核酸に相補的である第1の相補的配列と、
(ii)スペーサーと、
(iii)前記第2の核酸に相補的である第2の相補的配列と、を含み、
前記エキソヌクレアーゼが、前記第1及び第2の相補的配列を曝露する、接触させることと、
(c)前記結合体オリゴを前記第1のダイジェストされた核酸及び前記第2の核酸とアセンブルすることと、を含む、方法。
(項目17)
工程(c)におけるアセンブルが、
(i)前記結合体オリゴの前記第1の相補的配列を前記第1のダイジェストされた核酸に、及び前記結合体オリゴの前記第2の相補的配列を前記第2の核酸にアニーリングすることと、
(ii)前記結合体オリゴを前記第1のダイジェストされた核酸及び前記第2の核酸にライゲーションすることと、を含む、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記結合体オリゴの前記第1の相補的配列及び前記第2の相補的配列が、15〜120の相補的塩基を含む、項目16又は17に記載の方法。
(項目19)
前記結合体オリゴの前記スペーサーが、非相補的核酸を含む、項目16〜18のいずれか一項に記載の方法。
(項目20)
前記第1のダイジェストされた核酸が、前記第2の核酸にシームレスにアセンブルされる、項目16〜18のいずれか一項に記載の方法。
(項目21)
前記少なくとも1つのヌクレアーゼ剤が、前記第1の核酸の末端から少なくとも20bpの断片を切断するように設計され、そこに前記シームレスアセンブリが生じ、
前記結合体オリゴの前記スペーサーが、前記少なくとも20bpの断片と同一である配列を含み、核酸塩基が、前記第1の相補的配列と前記少なくとも20bpの断片との間に存在せず、核酸塩基が、前記第2の相補的配列と前記少なくとも20bpの断片との間に存在せず、
したがって、前記第1の核酸の、前記結合体オリゴ及び前記第2の核酸とのアセンブリが、前記少なくとも20bpの断片を再構築し、前記第1の核酸及び前記第2の核酸をシームレスにアセンブルする、項目20に記載の方法。
(項目22)
前記少なくとも1つのヌクレアーゼ剤が、前記第2の核酸の末端から少なくとも20bpの断片を切断するように設計され、そこに前記シームレスアセンブリが生じ、
前記結合体オリゴの前記スペーサーが、前記少なくとも20bpの断片と同一である配列を含み、核酸塩基が、前記第1の相補的配列と前記少なくとも20bpの断片との間に存在せず、核酸塩基が、前記第2の相補的配列と前記少なくとも20bpの断片との間に存在せず、
したがって、前記第1の核酸の、前記結合体オリゴ及び前記第2の核酸とのアセンブリが、前記少なくとも20bpの断片を再構築し、前記第1の核酸及び前記第2の核酸をシームレスにアセンブルする、項目20に記載の方法。
(項目23)
前記スペーサーが、約20bp〜約120bpから構成される、項目21又は22に記載の方法。
(項目24)
工程(a)が、前記第2の核酸を、第2のヌクレアーゼ剤及びエキソヌクレアーゼと接触させることを更に含み、前記第2のヌクレアーゼ剤が、前記第2の核酸を切断して、前記結合体オリゴの前記第2の相補的配列に相補的であるヌクレオチド配列を含む第2のダイジェストされた核酸を産生し、前記第1のダイジェストされた核酸が、前記第2のダイジェストされた核酸にアセンブルされる、項目16〜23のいずれか一項に記載の方法。(項目25)
工程(a)が、前記第2の核酸を、制限酵素又はメガヌクレアーゼ及びエキソヌクレアーゼと接触させることを更に含み、前記制限酵素又はメガヌクレアーゼが、前記第2の核酸を切断して、前記結合体オリゴにおける前記第2の相補的配列に相補的であるヌクレオチド配列を含む第2のダイジェストされた核酸を産生し、前記第1のダイジェストされた核酸が、前記第2のダイジェストされた核酸にアセンブルされる、項目16〜23のいずれか一項に記載の方法。
(項目26)
工程(b)が、前記第1のダイジェストされた核酸及び/又は前記第2のダイジェストされた核酸の3’末端を伸長することを更に含む、項目24又は25に記載の方法。
(項目27)
前記結合体オリゴが、同じ反応において、前記第1の核酸及び前記第2の核酸にアセンブルされる、項目16〜26のいずれか一項に記載の方法。
(項目28)
前記結合体オリゴが、連続的に前記第1の核酸及び前記第2の核酸にアセンブルされる、項目16〜26のいずれか一項に記載の方法。
(項目29)
前記少なくとも1つの前記第1のヌクレアーゼ剤及び/又は前記第2のヌクレアーゼ剤が、前記第1又は前記第2の標的部位を標的とする、Casタンパク質及びガイドRNA(gRNA)(gRNA−Cas複合体)、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、又は転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)を含む、項目24〜28のいずれか一項に記載の方法。
(項目30)
前記第1のヌクレアーゼ剤及び前記第2のヌクレアーゼ剤のうちの少なくとも1つが、Casタンパク質及びガイドRNA(gRNA)(gRNA−Cas複合体)を含み、
前記Casタンパク質が、Cas9タンパク質であり、前記gRNAが、規則的な間隔をもってクラスター化された短回文反復(CRISPR)RNA(crRNA)及びトランス活性化CRISPR RNA(tracrRNA)をコードする核酸配列を含み、前記第1の標的部位及び前記第2の標的部位のうちの少なくとも1つが、プロトスペーサー近接モチーフ(PAM)配列に直ぐ隣接している、項目29に記載の方法。
(項目31)
前記Cas9タンパク質が、RuvCドメインと、HNHドメインと、を含み、これらのうちの少なくとも1つが、エンドヌクレアーゼ活性を欠く、項目30に記載の方法。
(項目32)
前記第1の核酸、前記第2の核酸、又は両方の核酸が、細菌人工染色体に由来する、項目10〜31のいずれか一項に記載の方法。
(項目33)
前記第1の核酸、前記第2の核酸、又は両方の核酸が、ヒトDNA、ゲッ歯類DNA、合成DNA、又はこれらの組み合わせを含む、項目10〜32のいずれか一項に記載の方法。
(項目34)
前記第1の核酸、前記第2の核酸、又は両方の核酸が、少なくとも10kbである、項目10〜33のいずれか一項に記載の方法。
(項目35)
前記結合体オリゴが、直鎖状2本鎖DNA断片を含む、項目16〜34のいずれか一項に記載の方法。
(項目36)
前記直鎖状2本鎖DNA断片が、選択カセットを含まない、項目35に記載の方法。
(項目37)
2つ以上の核酸をアセンブルするための方法であって、
(a)第1の核酸を少なくとも1つのヌクレアーゼ剤と接触させて第1のダイジェストされた核酸を生成することと、
(b)第2の核酸を第2のヌクレアーゼ剤と接触させて第2のダイジェストされた核酸を生成することと、
(c)前記第1のダイジェストされた核酸及び前記第2のダイジェストされた核酸を、結合体オリゴ及びエキソヌクレアーゼと接触させることであって、
前記結合体オリゴが、
(i)前記第1のダイジェストされた核酸に相補的である第1の相補的配列と、
(ii)スペーサーと、
(iii)前記第2のダイジェストされた核酸に相補的である第2の相補的配列と、を含み、
前記エキソヌクレアーゼが、前記第1及び第2の相補的配列を曝露する、接触させることと、
(d)前記結合体オリゴを前記第1のダイジェストされた核酸及び前記第2のダイジェストされた核酸とアセンブルすることと、を含む、方法。
BACに特異的であるように設計されたオーバーラップを有するPCR産物へのBACのアセンブリを示す。50bpのオーバーラップがPCRによってHYGカセットに付加された。 各BAC上の2つのCas9標的部位を使用した、オーバーラップ配列を有する2つのBACのアセンブリを示す。本明細書に開示される方法を用いたアセンブリのプロセスは2日かかった。 従来の方法を用いたオーバーラップ配列を有する2つのBACのアセンブリを示す。従来の方法を用いたアセンブリのプロセスは4週間かかった。 Cas9/等温アセンブリ法のクローニング効率及びBACクローニング工程に必要な時間を示す。 CRISPR/Cas9系及び等温アセンブリを使用した大きい標的化ベクター(LTVEC)の構築を示す。CRISPR/Cas9で切断されたDNA断片は、1つ以上の結合体オリゴ及び等温アセンブリを使用してシームレスにアセンブルされた。 Cas9切断後に核酸をシームレスにアセンブルするためにリンカー(結合体オリゴ)を使用する戦略を示す。gRNA/Cas9複合体は、関心の領域(矢印)の5’上流に位置する標的部位を切断して、第1のCas9でダイジェストされたDNA断片(5’DNA)を生成するように設計される。次に、5’DNAの欠失部分(斜線の入ったボックス)は、結合体オリゴにおいて5’と3’とのオーバーラップ配列間のスペーサーとして使用される。3つの構成成分:(a)第1のCas9でダイジェストされたDNA断片(5’DNA)、(b)結合体オリゴ、及び(c)第2のDNA断片(3’DNA)が等温アセンブリ反応においてアセンブルされる。結合体オリゴは、5’から3’に、(1)5’DNAとのオーバーラップ配列、(2)第1のダイジェストされた断片の欠失部分を含有するスペーサー、及び(3)3’DNAとのオーバーラップ配列を含む。5’DNAの欠失部分は、アセンブリ工程中に再構築される。 CRISPR/Cas9系及び等温アセンブリを使用したDNAベクターの構築を示す。 CRISPR/Cas9系及び等温アセンブリを使用した大きい標的化ベクターの構築を示す。 等温アセンブリ及び2つのリンカー(結合体オリゴ)を使用した、BACベクターの一部をカセットに置き換えるための標的化ベクターの構築を示す。mBAC対断片又はリンカーの様々な比率の結果を、パネル番号1、番号2、番号3、及び番号4に示す。 2つのリンカーを使用したmBAC(BAC ID:RP23−399M19)とカセットとのアセンブリ反応の両接合部にわたるシームレスアセンブリの配列の確認を示す。 Cas9及び等温アセンブリを使用した2つのmBACのアセンブリを示す。ヒグロマイシン耐性遺伝子ユビキチンプロモーターを含む、bMQ50f19ベクターとカセットとのアセンブリはシームレスであった。 リンカー1でのシームレスアセンブリの配列の確認、並びにリンカー2及びリンカー3での意図的にシームレスにしなかったアセンブリの配列の確認を示す。 4つのリンカー及び等温アセンブリを使用した大きいヒト遺伝子断片のmBAC上への挿入を示す。Cas9は、hGene断片AをhBAC1から、hGene断片BをhBAC2から、そしてmGene断片を除去するためにmBACを切断する。 Cas9及び等温アセンブリを使用したヒト配列のBACベクター内への挿入を示す。 Cas9及び等温アセンブリを使用したメガヌクレアーゼ部位を含むgBlockの挿入を示す。図15Aは、PI−SceI部位を含むgBlockの挿入を示し、図15Bは、MauBI部位を含むgBlockの挿入を示す。 3つの結合体オリゴ、Cas9、及び等温アセンブリを使用した、標的化ベクターの直接ヒト化の例を図示する。 上流及び下流の結合体オリゴを有するドナー、Cas9、並びに等温アセンブリを使用した、標的化ベクターの間接的ヒト化の例を図示する。 Cas9及び等温アセンブリを使用した、点変異の導入の例を図示する。 Cas9及び等温アセンブリによるBACトリミングの例を図示する。この例では、トリミングはOri配列を除去する。Ori配列は、2つの結合体オリゴ及び等温アセンブリを使用してベクターに再挿入される。
I.定義
用語「タンパク質」、「ポリペプチド」、及び「ペプチド」は、本明細書において互換的に使用され、コード化された、及びコード化されないアミノ酸、並びに化学的に若しくは生化学的に修飾又は誘導体化されたアミノ酸を含む、任意の長さのアミノ酸のポリマー形態を含む。本用語はまた、修飾されたペプチド骨格を有するポリペプチドなど、修飾されたポリマーも含む。
用語「核酸」及び「ポリヌクレオチド」は、本明細書において互換的に使用され、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、又はそれらの類似体若しくは修飾型を含む、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態を含む。これらは、1本鎖、2本鎖、及び多重鎖DNA若しくはRNA、ゲノムDNA、cDNA、DNA−RNAハイブリッド、並びにプリン塩基、ピリミジン塩基、又は他の天然の、化学修飾された、生化学的に修飾された、非天然の、若しくは誘導体化されたヌクレオチド塩基を含むポリマーを含む。
「コドン最適化」は一般的に、未変性アミノ酸配列を維持しながら、未変性配列の少なくとも1つのコドンを、宿主細胞の遺伝子ではより頻繁又は最も頻繁に使用されるコドンに置き換えることにより、特定の宿主細胞における発現の強化ために核酸配列を修飾するプロセスを含む。例えば、Casタンパク質をコードする核酸は、天然に生じる核酸配列と比較して、細菌細胞、酵母細胞、ヒト細胞、非ヒト細胞、哺乳類細胞、ゲッ歯類細胞、マウス細胞、ラット細胞、ハムスター細胞、又は他の宿主細胞を含む所与の原核生物細胞若しくは真核生物細胞においてより高い頻度で使用されるコドンで置換するように修飾することができる。コドン使用表は、例えば、「コドン使用データベース」で容易に入手可能である。これらの表はいくつかの方法に適応され得る。Nakamura et al.(2000)Nucleic Acids Research 28:292を参照されたい。特定の配列を特定の宿主における発現のためにコドン最適化するためのコンピュータアルゴリズムも利用可能である(例えば、Gene Forgeを参照)。
「操作可能な連結」又は「操作可能に連結された」は、両構成要素が正常に機能し、かつこれらの構成要素のうちの少なくとも1つがその他の構成要素のうちの少なくとも1つに影響を及ぼす機能を媒介することができる可能性がもたらされるように、2つ以上の構成要素(例えば、プロモーター及び別の配列要素)を並置することを含む。例えば、プロモーターは、このプロモーターが1つ以上の転写制御因子の存在又は不在に応答してコード配列の転写レベルを制御する場合、このコード配列に操作可能に連結されていると言える。
核酸の「相補性」は、核酸のうちの1本の鎖におけるヌクレオチド配列が、その核酸塩基の基の配向により、対向する核酸鎖上の別の配列と水素結合を形成することを意味する。DNAにおける相補的塩基は、典型的には、AとT及びCとGである。RNAにおいては、それらは、典型的には、CとG及びUとAである。相補性は、完璧であるか、又は実質的/十分であり得る。2つの核酸間の完璧な相補性は、2つの核酸が、2本鎖の各塩基がワトソン−クリック対合により相補的塩基に結合された2本鎖を形成できることを意味する。「実質的」又は「十分」な相補性は、1本の鎖における配列が、対向する鎖における配列に対して完全にかつ/又は完璧に相補的であるわけではないが、一連のハイブリダイゼーション条件下で(例えば、塩濃度及び温度)安定したハイブリッド複合体を形成するのに十分な結合が2本の鎖上の塩基間に生じることを意味する。このような条件は、シーケンス及び標準的な数学的計算を使用してハイブリダイズされた鎖のTmを予想することにより、又は慣用的方法を使用することによるTmの経験的決定により予想することができる。Tmは、2本の核酸鎖間に形成されたハイブリダイゼーション複合体の集団が50%変性される温度を含む。Tmを下回る温度では、ハイブリダイゼーション複合体の形成の方が起こり、一方で、Tmを上回る温度では、ハイブリダイゼーション複合体における鎖の融解又は分離の方が起こる。Tmは、1M NaCl水溶液中の既知のG+C含量を有する核酸に関して、例えば、Tm=81.5+0.41(% G+C)を使用して推定され得るが、他の既知のTm計算は核酸の構造特徴を考慮する。
「ハイブリダイゼーション条件」は、1本の核酸鎖が相補鎖の相互作用及び水素結合により第2の核酸鎖に結合してハイブリダイゼーション複合体を産生する累積環境を含む。このような条件は、核酸を含有する水溶液若しくは有機溶液中の化学構成要素及びそれらの濃度(例えば、塩、キレート剤、ホルムアミド)、並びに混合物の温度を含む。インキュベーション時間の長さ又は反応チャンバの寸法などの他の要因が、環境に寄与し得る。例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,2.sup.nd ed.,pp.1.90〜1.91,9.47〜9.51,1 1.47〜11.57(Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,1989)を参照されたい。
ハイブリダイゼーションは、2つの核酸が相補的配列を含有することを必要とするが、塩基間のミスマッチが可能である。2つの核酸間のハイブリダイゼーションに適切な条件は、当該技術分野において周知の変数である核酸の長さ及び相補性の程度に依存する。2つのヌクレオチド配列間の相補性の程度が大きいほど、これらの配列を有する核酸のハイブリッドの融解温度(Tm)の値が大きくなる。相補性のストレッチが短い(例えば、35以下、30以下、25以下、22以下、20以下、又は18以下のヌクレオチドにわたる相補性)核酸間のハイブリダイゼーションに関しては、ミスマッチの位置は重要になる(Sambrook et al.,上記、11.7〜11.8を参照されたい)。典型的には、ハイブリダイズ可能な核酸の長さは少なくとも約10ヌクレオチドである。ハイブリダイズ可能な核酸の例示的な最小長さは、少なくとも約15ヌクレオチド、少なくとも約20ヌクレオチド、少なくとも約22ヌクレオチド、少なくとも約25ヌクレオチド、及び少なくとも約30ヌクレオチドを含む。更に、温度及び洗浄溶液の塩濃度は、相補性の領域の長さ及び相補性の程度などの要因により必要に応じて調整され得る。
ポリヌクレオチドの配列は、特異的にハイブリダイズ可能であるその標的核酸に対して100%相補的である必要はない。更に、ポリヌクレオチドは、介在又は近接セグメントがハイブリダイゼーション事象(例えばループ構造又はヘアピン構造)に関与しないように1つ以上のセグメントにわたってハイブリダイズすることができる。ポリヌクレオチド(例えば、gRNA)は、それらが標的とされる標的核酸配列内の標的領域に対して、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%の配列相補性を有し得る。例えば、20ヌクレオチドのうちの18が標的領域に相補的であり、したがって、特異的にハイブリダイズするであろうgRNAは、90%の相補性を示すだろう。この例において、残りの非相補的ヌクレオチドは、クラスター化されるか、又は相補的ヌクレオチドに散在してもよく、互いに、又は相補的ヌクレオチドに連続的である必要はない。
核酸内の核酸配列の特定のストレッチ間の相補性パーセントは、当該技術分野において既知のBLASTプログラム(基本的な局所的アライメント検索ツール)及びPowerBLASTプログラム(Altschul et al.(1990)J.Mol.Biol.215:403〜410、Zhang and Madden(1997)Genome Res.7:649〜656)を使用して、又はGapプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package,Version 8
for Unix(登録商標),Genetics Computer Group,University Research Park,Madison Wis.)を使用して(デフォルト設定を使用、これは、Smith and Waterman(Adv.Appl.Math.,1981,2,482〜489)のアルゴリズムを使用する)、慣用的に決定され得る。
本明細書に提供される方法及び組成物は、様々な異なる構成要素を採用する。いくつかの構成要素が活性バリアント及び断片を有し得ることは本明細書全体を通して認識される。このような構成要素には、例えば、Casタンパク質、CRISPR RNA、tracrRNA、及びガイドRNAが含まれる。これらの構成要素のそれぞれの生物学的活性は、本明細書の別の箇所に記載される。
2つのポリヌクレオチド又はポリペプチド配列の文脈において、「配列同一性」又は「同一性」は、指定された比較窓に対する最大対応に対して整合されたときに同じである2つの配列における残基に言及する。配列同一性の百分率がタンパク質に関して使用されるとき、同一ではない残基位置は、アミノ酸残基が類似する化学特性(例えば、電荷又は疎水性)を有する他のアミノ酸残基に置換され、したがって、分子の機能特性を変化させない保存的アミノ酸置換により異なっていることが多いと認識される。配列が保存的置換において異なるとき、配列同一性パーセントは、置換の保存的性質を補正するために、上方に調整され得る。このような保存的置換により異なる配列は、「配列類似性」又は「類似性」を有すると言われる。この調整を行うための手段は、当業者に周知である。典型的には、これは、完全なミスマッチではなく、むしろ部分的なミスマッチとして保存的置換をスコア評価することを伴い、それにより、配列同一性の百分率が上昇する。よって、例えば、同一のアミノ酸にスコア1が与えられ、非保存的置換にスコア0が与えられる場合、保存的置換に0〜1の間のスコアが与えられる。保存的置換のスコア評価は、例えば、プログラムPC/GENE(Intelligenetics,Mountain View,California)において実施されるように計算される。
「配列同一性の百分率」は、比較窓にわたって2つの最適にアライメントされた配列を比較することにより決定された値を含み、比較窓におけるポリヌクレオチド配列の部分は、2つの配列の最適なアライメントに関して参照配列(付加又は欠失を含まない)と比較したとき、付加又は欠失(すなわち、ギャップ)を含み得る。百分率は、同一の核酸塩基又はアミノ酸残基が両配列に生じる位置の数を決定して一致した位置の数を得、一致した位置の数を、比較窓の位置の総数で除し、結果に100を乗じて配列同一性の百分率を得ることにより計算される。
特に明記しない限り、配列同一性/類似性の値は、GAPバージョン10を使用して、次のパラメータ:GAP重み50及び長さ重み3、並びにnwsgapdna.cmpスコア評価マトリックスを用いたヌクレオチド配列の同一性%及び類似性%;GAP重み8及び長さ重み2、並びにBLOSUM62スコア評価マトリックスを用いたアミノ酸配列の同一性%及び類似性%;又はこれらの任意の同等のプログラムを使用して得た値を含む。「同等のプログラム」は、問題の任意の2つの配列に関して、GAPバージョン10により生成された対応するアライメントと比較したとき、同一のヌクレオチド又はアミノ酸残基の一致を有するアライメント及び同一の配列同一性パーセントを生成する任意の配列比較プログラムを含む。
1つ以上の列挙される要素を「備える」又は「含む」組成物又は方法は、具体的に列挙されない他の要素を含み得る。例えば、タンパク質を「備える」又は「含む」組成物は、タンパク質を単独で、又は他の成分との組み合わせで含有し得る。
値の範囲の指定は、その範囲内又はその範囲を定義する全ての整数、及びその範囲内の整数により定義される全ての小範囲を含む。
文脈から明らかでない限り、用語「約」は、記載される値の測定の標準誤差(例えば、SEM)内の値を包含する。
単数形の冠詞「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈に明確に示されない限り、複数参照を含む。例えば、用語「Casタンパク質」又は「少なくとも1つのCasタンパク質」は、それらの混合物を含む、複数のCasタンパク質を含み得る。
II.全般
核酸をアセンブルする従来の方法は、制限酵素を用いた従来の酵素ダイジェスト、核酸のクローニング、及び核酸を一緒にライゲーションする、時間を要する工程を採用する(従来の方法及び時系列の例示については図3及び図4を参照されたい)。これらの方法は、大きい断片又はベクターが一緒にアセンブルされるとき、より困難となる。本明細書に提供される方法は、核酸を、迅速なアセンブリ反応において使用するのに適した形態に変換するために、ヌクレアーゼ(例えば、ガイドRNA及びCas9ヌクレアーゼ)の柔軟な標的特異性を利用する。
本明細書において、ガイドRNA(gRNA)などにより、特定の標的部位に指向されるヌクレアーゼ剤(例えば、ガイドRNA(gRNA)により特定の標的部位に指向されるCasタンパク質)を使用して、少なくとも2つの核酸をアセンブルするための方法が提供される。部位指向性ヌクレアーゼ剤、例えば、ガイドRNA指向性Casタンパク質は、それらのエンドヌクレアーゼ活性により生成された末端配列を選択及び操作することにより、核酸の迅速かつ効率的な組み合わせを可能にする。本明細書に提供される方法は、第1のポリヌクレオチドを、所望の標的部位に特異的なヌクレアーゼ剤(例えば、gRNA−Cas複合体)及びエキソヌクレアーゼと組み合わせる。標的部位は、ヌクレアーゼが核酸を切断するとき、結果として得られる切断により作製された末端が第2の核酸の末端に相補的な領域(例えばオーバーラップ末端)を有するように選択され得る。次に、これらの相補的末端をアセンブルして単一のアセンブルされた核酸を得ることができる。ヌクレアーゼ剤(例えば、gRNA−Cas複合体)は、個々の標的部位に特異的であるため、本方法は、正確な部位指向性様式で核酸の修飾を可能にする。本方法は、ヌクレアーゼ切断により生成されたオーバーラップ核酸末端を組み合わせるために特別に設計された、又はアセンブリ反応のために設計及び合成された迅速かつ効率的なアセンブリ方法を利用することにより、ヌクレアーゼ剤、例えば、gRNA−Cas複合体の特異性を更に利用する。例えば、切断時に、第2の核酸に相補的な末端配列が産生されるように、標的部位に特異的なヌクレアーゼ剤(例えば、gRNA−Cas複合体)を選択することにより、等温アセンブリをも用いて、ダイジェストされた核酸をアセンブルすることができる。よって、オーバーラップ末端配列をもたらす核酸及びヌクレアーゼ剤(例えば、gRNA−Cas複合体)を選択することにより、核酸は、迅速なコンビナトリアル法によりアセンブルされて、速くかつ効率的な様式で最終的なアセンブルされた核酸を産生することができる。あるいは、相補的末端を有しない核酸は、各核酸に対して相補的末端を有するように設計された結合体オリゴとアセンブルすることができる。結合体オリゴを使用することにより、2つ以上の核酸がシームレスにアセンブルされ、それにより、得られたアセンブルされた核酸における不要な配列を減少させることができる。
III.ヌクレアーゼ剤
本方法は、ポリヌクレオチドの部位指向性切断に、ヌクレアーゼ剤を用いる。具体的に、特定された標的部位でのポリヌクレオチドのエンドヌクレアーゼ切断は、後に第2のポリヌクレオチドに結合されて、部位特異的様式で2つ以上のポリヌクレオチドをアセンブルすることができる末端を伴ってダイジェストされたポリヌクレオチドを産生する。
「ヌクレアーゼ剤」は、DNA切断の活性を有する分子を含む。本明細書に開示される方法に使用するためのヌクレアーゼ剤の特定の例としては、RNA先導型CRISPR−Cas9系、ジンクフィンガータンパク質、メガヌクレアーゼ、TALドメイン、TALEN、酵母アセンブリ、リコンビナーゼ、ロイシンジッパー、CRISPR/Cas、エンドヌクレアーゼ、及び当業者に既知の他のヌクレアーゼ剤が挙げられる。ヌクレアーゼ剤は、所与の標的部位での切断における特異性に関して選択及び設計され得る。例えば、ヌクレアーゼ剤は、切断されたポリヌクレオチドと異なるポリヌクレオチドとの間にオーバーラップ末端を作製する標的部位での切断に関して選択され得る。CRISPR−Cas9のように、タンパク質及びRNA要素の両方を有するヌクレアーゼ剤は、両物質がヌクレアーゼ剤として既に複合されて供給され得るか、又はタンパク質とRNA要素とが別個に供給され得るが、後者の場合、それらは本明細書に記載される反応混合物において複合されてヌクレアーゼ剤を形成する。
用語「ヌクレアーゼ剤の認識部位」は、切れ目又は2本鎖破断がヌクレアーゼ剤によって誘導されるDNA配列を含む。ヌクレアーゼ剤の認識部位は細胞に内因性(若しくは未変性)であってもよく、又は認識部位は細胞に外因性でありってもよい。特定の実施形態では、認識部位は、細胞に外因性であり、そのため、細胞のゲノムにおいて自然に生じない。また更なる実施形態では、認識部位は、細胞、及び標的遺伝子座に位置付けられることを所望する関心のポリヌクレオチドに外因性である。更なる実施形態では、外因性又は内因性認識部位は、宿主細胞のゲノムにおいて1回のみ存在する。特定の実施形態では、ゲノム内に1回のみ生じる内因性又は未変性部位が特定される。次に、このような部位は、内因性認識部位で切れ目又は2本鎖破断を産生するヌクレアーゼ剤を設計するために使用され得る。
認識部位の長さは変動し得、例えば、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)対については約30〜36bp(すなわち、各ZFNに対して約15〜18bp)、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)については約36bp、又はCRISPR/Cas9ガイドRNAについては約20bpである認識部位を含む。
例示される認識部位の活性バリアント及び断片も提供される。このような活性バリアントは、所与の認識部位に対して、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の配列同一性を有し得、活性バリアントは、生物学的活性を維持し、よって配列特異的様式で、ヌクレアーゼ剤によって認識及び切断されることが可能である。ヌクレアーゼ剤による認識部位の2本鎖破断を測定するためのアッセイは、当該技術分野において既知である(例えば、TaqMan(登録商標)qPCR assay,Frendewey D.et al.,Methods in Enzymology,2010,476:295〜307、参照によその全体が本明細書に組み込まれる)。
特定の実施形態では、認識部位は、選択マーカーをコードするポリヌクレオチド内に位置する。このような位置は、選択マーカーのコード領域内、又は選択マーカーの発現に影響を及ぼす調節領域内に位置し得る。よって、ヌクレアーゼ剤の認識部位は、選択マーカーのイントロン、プロモーター、エンハンサー、調節領域、又は選択マーカーをコードするポリヌクレオチドの任意の非タンパク質コード領域に位置し得る。特定の実施形態では、認識部位での切れ目又は2本鎖破断は、選択マーカーの活性を破壊する。機能性選択マーカーの存在又は不在をアッセイするための方法は既知である。
切れ目又は2本鎖破断を所望の認識部位に誘導する任意のヌクレアーゼ剤が、本明細書に開示される方法及び組成物において使用され得る。自然に生じる又は未変性のヌクレアーゼ剤は、ヌクレアーゼ剤が所望の認識部位で切れ目又は2本鎖破断を誘導する限り、採用することができる。あるいは、修飾又は操作されたヌクレアーゼ剤を採用してもよい。「操作されたヌクレアーゼ剤」は、その未変性形態から、所望の認識部位において切れ目又は2本鎖破断を特異的に認識及び誘導するように操作された(修飾された又は導かれた)ヌクレアーゼを含む。よって、操作されたヌクレアーゼ剤は、未変性の自然に生じるヌクレアーゼ剤に由来し得るか、又は人工的に作製若しくは合成され得る。ヌクレアーゼ剤の修飾は、タンパク質切断剤におけるわずか1個のアミノ酸、又は核酸切断剤における1つのヌクレオチドであり得る。いくつかの実施形態では、操作されたヌクレアーゼは、認識部位で切れ目又は2本鎖破断を誘導するが、この認識部位は、未変性(操作されない、又は未修飾)ヌクレアーゼ剤により認識されたであろう配列ではなかった。認識部位又は他のDNAにおける切れ目又は2本鎖破断の産生は、本明細書において、認識部位又は他のDNAの「切り離し」又は「切断」と称され得る。
次に、これらの破断は、2つの方法:非相同末端結合及び相同指向性修復(相同組換え)のうちの1つで細胞により修復され得る。非相同末端結合(NHEJ)では、2本鎖破断は、破断末端を互いに直接ライゲーションすることにより修復される。そのため、新しい核酸材料はその部位に挿入されないが、一部の核酸材料が損失する可能性があり、欠失をもたらす。相同指向性修復では、切断された標的DNA配列に相同性を有するドナーポリヌクレオチドは切断された標的DNA配列の修復用の鋳型として使用することができ、ドナーポリヌクレオチドから標的DNAへの遺伝子情報の伝達をもたらす。したがって、新しい核酸材料がその部位に挿入/コピーされ得る。NHEJ及び/又は相同指向性修復による標的DNAの修飾は、遺伝子補正、遺伝子置き換え、遺伝子タグ付け、導入遺伝子挿入、ヌクレオチド欠失、遺伝子破壊、遺伝子突然変異などに使用され得る。
一実施形態では、ヌクレアーゼ剤は、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)である。TALエフェクターヌクレアーゼは、原核生物又は真核生物のゲノムにおいて、特定の標的配列で2本鎖破断を形成するために使用され得る配列特異的ヌクレアーゼのクラスである。TALエフェクターヌクレアーゼは、未変性若しくは操作された転写活性化様(TAL)エフェクター又はその機能性部分を、例えば、FokIなどのエンドヌクレアーゼの触媒ドメインに融合することにより作製される。独特なモジュラーTALエフェクターDNA結合ドメインは、潜在的に任意の所与のDNA認識特異性を有するタンパク質の設計を可能にする。よって、TALエフェクターヌクレアーゼのDNA結合ドメインは、特定のDNA標的部位を認識するように操作され、よって、所望の標的配列で2本鎖破断を形成するために使用され得る。例えば、国際公開第WO2010/079430号、Morbitzer et al.(2010)PNAS 10.1073/pnas.1013133107、Scholze&Boch(2010)Virulence 1:428〜432、Christian et al.Genetics(2010)186:757〜761、Li et al.(2010)Nuc.Acids Res.(2010)doi:10.1093/nar/gkq704、及びMiller et al.(2011)Nature Biotechnology 29:143〜148を参照されたい(これらの全ては参照により本明細書に組み込まれる)。
好適なTALヌクレアーゼの例、及び好適なTALヌクレアーゼを調製するための方法は、例えば、米国特許出願第2011/0239315 A1号、同第2011/0269234 A1号、同第2011/0145940 A1号、同第2003/0232410 A1号、同第2005/0208489 A1号、同第2005/0026157
A1号、同第2005/0064474 A1号、同第2006/0188987 A1号、及び同第2006/0063231 A1号に開示されている(それぞれ参照により本明細書に組み込まれる)。様々な実施形態では、TALエフェクターヌクレアーゼ、例えば、関心のゲノム遺伝子座の標的核酸配列又はその付近で切り離されるように操作され、この標的核酸配列は標的ベクターにより修飾される配列又はその付近にある。本明細書に提供される様々な方法及び組成物と共に使用するのに好適なTALヌクレアーゼは、本明細書に記載される、標的ベクターにより修飾される標的核酸配列又はその付近で結合するように具体的に設計されるものを含む。
一実施形態では、TALENの各モノマーは、2つの超可変残基を介して単一の塩基を認識する33〜35のTAL反復を含む。一実施形態では、ヌクレアーゼ剤は、独立したヌクレアーゼに操作可能に連結されたTAL反復に基づくDNA結合ドメインを含むキメラタンパク質である。一実施形態では、独立したヌクレアーゼはFokIエンドヌクレアーゼである。一実施形態では、ヌクレアーゼ剤は、第1のTAL反復に基づくDNA結合ドメインと、第2のTAL反復に基づくDNA結合ドメインと、を含み、第1及び第2のTAL反復に基づくDNA結合ドメインのそれぞれは、FokIヌクレアーゼサブ単位に操作可能に連結され、第1及び第2のTAL反復に基づくDNA結合ドメインは、様々な長さ(12〜20bp)のスペーサー配列によって分離された標的DNA配列の各鎖において、2つの隣接する標的DNA配列を認識し、FokIヌクレアーゼサブ単位は、二量体化して、標的配列で2本鎖破断を形成する活性ヌクレアーゼを作製する。
本明細書に開示される様々な方法及び組成物に採用されるヌクレアーゼ剤は、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)を更に含み得る。一実施形態では、ZFNの各モノマーは、3つ以上のジンクフィンガーに基づくDNA結合ドメインを含み、各ジンクフィンガーに基づくDNA結合ドメインは3bpのサブサイトに結合する。他の実施形態では、ZFNは、独立したヌクレアーゼに操作可能に連結されたジンクフィンガーに基づくDNA結合ドメインを含むキメラタンパク質である。一実施形態では、独立したエンドヌクレアーゼはFokIエンドヌクレアーゼである。一実施形態では、ヌクレアーゼ剤は、第1のZFNと、第2のZFNと、を含み、第1のZFN及び第2のZFNのそれぞれは、FokIヌクレアーゼサブ単位に操作可能に連結され、第1及び第2のZFNは、約5〜7bpのスペーサーによって分離された標的DNA配列の各鎖において、2つの連続する標的DNA配列を認識し、FokIヌクレアーゼサブ単位は、二量体化して、2本鎖破断を形成する活性ヌクレアーゼを作製する。例えば、米国公開第US20060246567号、同第US20080182332号、同第US20020081614号、同第US20030021776号、国際公開第WO/2002/057308A2号、米国公開第US20130123484号、同第US20100291048号、国際公開第WO/2011/017293A2号、及びGaj et al.(2013)Trends in Biotechnology,31(7):397〜405を参照されたい(これらのそれぞれは参照により本明細書に組み込まれる)。
本明細書に提供される方法の一実施形態では、ヌクレアーゼ剤は、(a)FokIエンドヌクレアーゼに融合されるジンクフィンガーに基づくDNA結合ドメインを含むキメラタンパク質、又は(b)FokIエンドヌクレアーゼに融合される転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)を含むキメラタンパク質を含む。
また別の実施形態では、ヌクレアーゼ剤はメガヌクレアーゼである。メガヌクレアーゼは、保存的配列モチーフに基づき4つのファミリーに分類されており、そのファミリーは、LAGLIDADG(配列番号16)、GIY−YIG、H−N−H、及びHis−Cysボックスファミリーである。これらのモチーフは、金属イオンの配位及びホスホジエステル結合の加水分解に関与する。HEasesは、それらの長い認識部位において、及びそれらのDNA基質におけるいくつかの配列多型に耐容性を示すことにおいて知られる。メガヌクレアーゼのドメイン、構造、及び機能は既知であり、例えば、Guhan and Muniyappa(2003)Crit Rev Biochem Mol Biol 38:199〜248、Lucas et al.,(2001)Nucleic Acids Res 29:960〜9、Jurica and Stoddard,(1999)Cell Mol Life Sci 55:1304〜26、Stoddard,(2006)Q Rev Biophys 38:49〜95、及びMoure et al.,(2002)Nat Struct Biol 9:764を参照されたい。いくつかの例では、自然に生じるバリアント及び/又は操作された誘導体メガヌクレアーゼが使用される。動態、補因子相互作用、発現、最適な条件、及び/又は認識部位の特異性を修飾するため、並びに活性をスクリーニングするための方法が既知であり、例えば、Epinat et al.,(2003)Nucleic Acids Res 31:2952〜62、Chevalier et al.,(2002)Mol Cell 10:895〜905、Gimble et al.,(2003)Mol Biol 334:993〜1008、Seligman et al.,(2002)Nucleic Acids Res 30:3870〜9、Sussman et al.,(2004)J Mol Biol 342:31〜41、Rosen et al.,(2006)Nucleic Acids Res 34:4791〜800、Chames et al.,(2005)Nucleic Acids Res 33:e178、Smith et al.,(2006)Nucleic Acids Res 34:e149、Gruen et al.,(2002)Nucleic Acids Res 30:e29、Chen and Zhao,(2005)Nucleic Acids Res 33:e154、国際公開第WO2005105989号、第WO2003078619号、第WO2006097854号、第WO2006097853号、第WO2006097784号、及び第WO2004031346号を参照されたい。
I−SceI、I−SceII、I−SceIII、I−SceIV、I−SceV、I−SceVI、I−SceVII、I−CeuI、I−CeuAIIP、I−CreI、I−CrepsbIP、I−CrepsbIIP、I−CrepsbIIIP、I−CrepsbIVP、I−TliI、I−PpoI、PI−PspI、F−SceI、F−SceII、F−SuvI、F−TevI、F−TevII、I−AmaI、I−AniI、I−ChuI、I−CmoeI、I−CpaI、I−CpaII、I−CsmI、I−CvuI、I−CvuAIP、I−DdiI、I−DdiII、I−DirI、I−DmoI、I−HmuI、I−HmuII、I−HsNIP、I−LlaI、I−MsoI、I−NaaI、I−NanI、I−NcIIP、I−NgrIP、I−NitI、I−NjaI、I−Nsp236IP、I−PakI、I−PboIP、I−PcuIP、I−PcuAI、I−PcuVI、I−PgrIP、I−PobIP、I−PorI、I−PorIIP、I−PbpIP、I−SpBetaIP、I−ScaI、I−SexIP、I−SneIP、I−SpomI、I−SpomCP、I−SpomIP、I−SpomIIP、I−SquIP、I−Ssp6803I、I−SthPhiJP、I−SthPhiST3P、I−SthPhiSTe3bP、I−TdeIP、I−TevI、I−TevII、I−TevIII、I−UarAP、I−UarHGPAIP、I−UarHGPA13P、I−VinIP、I−ZbiIP、PI−MtuI、PI−MtuHIP PI−MtuHIIP、PI−PfuI、PI−PfuII、PI−PkoI、PI−PkoII、PI−Rma43812IP、PI−SpBetaIP、PI−SceI、PI−TfuI、PI−TfuII、PI−ThyI、PI−TliI、PI−TliII、又はこれらの任意の活性バリアント又は断片を含むが、これらに限定されない任意のメガヌクレアーゼが本明細書において使用され得る。
一実施形態では、メガヌクレアーゼは、12〜40塩基対の2本鎖DNA配列を認識する。一実施形態では、メガヌクレアーゼは、ゲノムにおいて、1つの完全に一致した標的配列を認識する。一実施形態では、メガヌクレアーゼは、ホーミングヌクレアーゼである。一実施形態では、ホーミングヌクレアーゼは、ホーミングヌクレアーゼのLAGLIDADG(配列番号16)ファミリーである。一実施形態では、ホーミングヌクレアーゼのLAGLIDADG(配列番号16)ファミリーは、I−SceI、I−CreI、及びI−Dmolから選択される。
ヌクレアーゼ剤は、I型、II型、III型、及びIV型エンドヌクレアーゼを含む、制限エンドヌクレアーゼ(制限酵素)を更に含み得る。I型及びIII型制限エンドヌクレアーゼは、特定の認識部位を認識するが、典型的には、ヌクレアーゼ結合部位から様々な位置で切断され、これは切断部位(認識部位)から数百塩基対離れている場合がある。II型系では、制限活性は、いずれのメチラーゼ活性とも無関係であり、切断は、典型的には、結合部位内又はその付近の特定の部位で生じる。大半のII型酵素は、回文配列を切り離すが、IIa型酵素は、非回文認識部位を認識し、認識部位の外側で切断し、IIb型酵素は、認識部位の外側の両部位で配列を2回切断し、IIs型酵素は、非対称認識部位を認識し、片側でかつ認識部位から約1〜20ヌクレオチドの定義された距離で切断する。IV型制限酵素は、メチル化DNAを標的とする。制限酵素は、例えば、REBASEデータベース(rebase.neb.comのウェブページ、Roberts et al.,(2003)Nucleic Acids Res 31:418〜20)、Roberts et al.,(2003)Nucleic Acids Res 31:1805〜12、及びBelfort et al.,(2002)in Mobile DNA II,pp.761〜783,Eds.Craigie et al.,(ASM Press,Washington,DC)に更に記載され、分類されている。特定の実施形態では、少なくとも2つのエンドヌクレアーゼ酵素が、ヌクレアーゼ剤として選択され得、酵素は、適合性のある又は相補的な付着末端を作製する。
様々な方法及び組成物に採用されるヌクレアーゼ剤は、CRISPR/Cas系も含み得る。このような系は、いくつかの場合において、発現される所望の細胞型のためにコドン最適化されたCas9ヌクレアーゼを採用し得る。系は、コドン最適化Cas9と機能する融合crRNA−tracrRNA構築物を更に採用する。この単一RNAは、多くの場合、ガイドRNA又はgRNAと称される。gRNA内で、crRNA部分は、所与の認識部位の「標的配列」として特定され、tracrRNAは、多くの場合、「足場」と称される。この系は、様々な真核細胞及び原核細胞において機能することが示されている。簡潔には、標的配列を含有する短いDNA断片がガイドRNA発現プラスミド内に挿入される。gRNA発現プラスミドは、tracrRNA配列の形態(足場)の標的配列(いくつかの実施形態では約20ヌクレオチド)、並びに細胞において活性である好適なプロモーター、及び真核細胞において適切な処理に必要な要素を含む。系の多くは、アニーリングされて2本鎖DNAを形成し、その後、gRNA発現プラスミドにクローン化される、特注の相補的オリゴに依存する。gRNA発現カセット及びCas9発現カセットは、次に、細胞内に導入される。例えば、Mali P et al.(2013)Science 2013 Feb 15;339(6121):823〜6、Jinek M et al.Science 2012 Aug 17;337(6096):816〜21、Hwang WY et al.Nat Biotechnol 2013 Mar;31(3):227〜9、Jiang W et al.Nat Biotechnol 2013 Mar;31(3):233〜9、及びCong L et al.Science 2013 Feb 15;339(6121):819〜23を参照されたい(これらのそれぞれは参照により本明細書に組み込まれる)。
本明細書に開示される方法及び組成物は、規則的な間隔をもってクラスター化された短回文反復(CRISPR)/CRISPR会合(Cas)系又はこのような系の構成要素を利用して、細胞内のゲノムを修飾することができる。CRISPR/Cas系は、Cas遺伝子の発現又はその活性の指向に関与する転写及び他の要素を含む。CRISPR/Cas系は、I型、II型、又はIII型系であり得る。本明細書に開示される方法及び組成物は、核酸の部位指向性切断のためにCRISPR複合体(Casタンパク質と複合されたガイドRNA(gRNA)を含む)を利用することにより、CRISPR/Cas系を採用する。
本明細書に開示される方法に使用されるいくつかのCRISPR/Cas系は、自然には生じない。「自然には生じない」系は、系の1つ以上の構成要素がそれらの自然に生じる状態から変更若しくは変異されている、それらが自然界において自然に会合される少なくとも1つの他の構成要素を少なくとも実質的に含まない、又はそれらが自然に会合されない少なくとも1つの他の構成要素と会合しているなど、ヒトの手の関与を示すあらゆるものを含む。例えば、いくつかのCRISPR/Cas系は、自然には一緒に生じないgRNA及びCasタンパク質を含む自然に生じないCRISPR複合体を採用する。
ヌクレアーゼ剤の活性バリアント及び断片(すなわち、操作されたヌクレアーゼ剤)も提供される。このような活性バリアントは、未変性ヌクレアーゼ剤に対して、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の配列同一性を有し得、活性バリアントは、所望の認識部位で切断する能力を維持し、よって、切れ目又は2本鎖破断誘導活性を維持する。例えば、本明細書に記載されるヌクレアーゼ剤のいずれも未変性エンドヌクレアーゼ配列から修飾され、未変性ヌクレアーゼ剤によって認識されなかった認識部位を認識し、切れ目又は2本鎖破断を誘導するように設計され得る。よって、いくつかの実施形態では、操作されたヌクレアーゼは、対応する未変性ヌクレアーゼ剤の認識部位とは異なる認識部位で、切れ目又は2本鎖破断を誘導するための特異性を有する。切れ目又は2本鎖破断誘導活性のためのアッセイは既知であり、一般的に、認識部位を含有するDNA基質に対するエンドヌクレアーゼの全体的な活性及び特異性を測定する。
IV.CRISPR/Cas系(gRNA−Cas複合体)
本方法は、核酸の部位指向性切断に、CRISPR/Cas系(例えば、gRNA−Cas複合体)を採用し得る。具体的には、特定された標的部位にgRNAにより指向された核酸のCas切断は、後に、部位特異的様式で2つ以上の核酸をアセンブルするために第2の核酸に結合され得る末端を伴ってダイジェストされた核酸を産生する。
「gRNA−Cas複合体」は、Casタンパク質のgRNAとの複合体を含む。gRNAは、切断された核酸と異なる核酸との間におけるオーバーラップ末端を作製する標的部位にCas切断を指向するように設計又は選択され得る。gRNA−Cas複合体は、両物質が既に複合されて供給され得るか、又はタンパク質及びRNA要素が別個に供給され得るが、後者の場合、それらは本明細書に記載される方法及び反応混合物において複合されてgRNA−Cas複合体を形成する。
A.Cas RNA先導型エンドヌクレアーゼ
Casタンパク質は一般的に、少なくとも1つのRNA認識又は結合ドメインを含む。このようなドメインは、ガイドRNA(gRNA、以下により詳細に記載される)と相互作用し得る。Casタンパク質は、ヌクレアーゼドメイン(例えば、DNase又はRNaseドメイン)、DNA結合ドメイン、ヘリカーゼドメイン、タンパク質−タンパク質相互作用ドメイン、二量体化ドメイン、及び他のドメインも含み得る。ヌクレアーゼドメインは、核酸切断のための触媒活性を有する。切断は、核酸分子の共有結合の破断を含む。切断は、平滑末端又はねじれ末端を産生することができ、1本鎖又は2本鎖であり得る。
Casタンパク質の例としては、Cas1、Cas1B、Cas2、Cas3、Cas4、Cas5、Cas5e(CasD)、Cas6、Cas6e、Cas6f、Cas7、Cas8a1、Cas8a2、Cas8b、Cas8c、Cas9(Csn1又はCsx12)、Cas10、Casl0d、CasF、CasG、CasH、Csy1、Csy2、Csy3、Cse1(CasA)、Cse2(CasB)、Cse3(CasE)、Cse4(CasC)、Csc1、Csc2、Csa5、Csn2、Csm2、Csm3、Csm4、Csm5、Csm6、Cmr1、Cmr3、Cmr4、Cmr5、Cmr6、Csb1、Csb2、Csb3、Csx17、Csx14、Csx10、Csx16、CsaX、Csx3、Csx1、Csx15、Csf1、Csf2、Csf3、Csf4、及びCu1966、並びにこれらの相同体又は修飾型が挙げられる。
切れ目又は2本鎖破断を所望の認識部位に誘導する任意のCasタンパク質が、本明細書に開示される方法及び組成物において使用され得る。自然に生じる又は未変性Casタンパク質は、Casタンパク質が所望の認識部位に2本鎖破断を誘導する限り採用することができる。あるいは、修飾又は操作されたCasタンパク質を採用してもよい。「操作されたCasタンパク質」は、その未変性形態から、所望の認識部位において切れ目又は2本鎖破断を特異的に認識及び誘導するように操作された(修飾された又は導かれた)Casタンパク質を含む。よって、操作されたCasタンパク質は、未変性の自然に生じるCasタンパク質に由来し得るか、又は人工的に作製若しくは合成され得る。
特定の実施形態では、Casタンパク質はCas9である。Cas9タンパク質は、典型的には、構造が保存された4つの主なモチーフを共有する。モチーフ1、2、及び4はRuvC様モチーフであり、モチーフ3はHNHモチーフである。Cas9のヌクレアーゼ活性は、標的DNAを切断して2本鎖破断を産生する。次に、これらの破断は、2つの方法:非相同末端結合及び相同指向性修復(相同組換え)のうちの1つで細胞により修復され得る。非相同末端結合(NHEJ)では、2本鎖破断は、破断末端を互いに直接ライゲーションすることにより修復される。そのため、新しい核酸材料はその部位に挿入されないが、一部の核酸材料が損失する可能性があり、欠失をもたらす。相同指向性修復では、切断された標的DNA配列に相同性を有するドナーポリヌクレオチドは切断された標的DNA配列の修復用の鋳型として使用することができ、ドナーポリヌクレオチドから標的DNAへの遺伝子情報の伝達をもたらす。したがって、新しい核酸材料がその部位に挿入/コピーされ得る。NHEJ及び/又は相同指向性修復による標的DNAの修飾は、遺伝子補正、遺伝子置き換え、遺伝子タグ付け、導入遺伝子挿入、ヌクレオチド欠失、遺伝子破壊、遺伝子突然変異などに使用され得る。
Casタンパク質は、II型CRISPR/Cas系に由来するものであり得る。例えば、Casタンパク質は、Cas9タンパク質又はCas9タンパク質に由来し得る。Cas9タンパク質は、典型的には、構造が保存された4つの主なモチーフを共有する。モチーフ1、2、及び4はRuvC様モチーフであり、モチーフ3はHNHモチーフである。Cas9タンパク質は、例えば、ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)、ストレプトコッカス種(Streptococcus sp.)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、ノカルジオプシス・ダソンビレイ(Nocardiopsis dassonvillei)、ストレプトマイセス・プリスチナスピラリス(Streptomyces pristinaespiralis)、
ストレプトマイセス・ビリドクロモゲネス(Streptomyces viridochromogenes)、スト
レプトマイセス・ビリドクロモゲネス(Streptomyces viridochromogenes)、ストレプ
トスポランギウム・ロセウム(Streptosporangium roseum)、ストレプトスポランギウ
ム・ロセウム(Streptosporangium roseum)、アリシクロバチルス・アシドカルダリウ
ス(AlicyclobacHlus acidocaldarius)、バチルス・シュードマイコイデス(Bacillus
pseudomycoides)、バチルス・セレニティレドセンス(Bacillus selenitireducens)、エクシグオバクテリウム・シビリカム(Exiguobacterium sibiricum)、ラクトバチルス・デルブリュッキ(Lactobacillus delbrueckii)、ラクトバチルス・サリヴァリゥス(Lactobacillus salivarius)、ミクロシラ・マリナ(Microscilla marina)、バークホルデリア・バクテリウム(Burkholderiales bacterium)、ポラロモナス・ナフタレニボランス(Polaromonas naphthalenivorans)、ポラロモナス種(Polaromonas sp.)、クロコスファエラ・ワトソニイ(Crocosphaera watsonii)、シアノセイス種(Cyanothece sp.)、ミクロキスティス・エルギノーサ(Microcystis aeruginosa)、シネココッカス種(Synechococcus sp.)、アセトハロビウム・アラビティカム(Acetohalobium arabaticum)、アンモニフェックス・デゲンシイ(Ammonifex degensii)、カルディセルロシルプター・ベシイ(Caldicelulosiruptor becscii)、カンジデイタス・デサルホルディス(Candidatus Desulforudis)、クロストリジウム・ボツリナム(Clostridium botulinum)、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)、フィネゴルディア・マグナ(Finegoldia magna)、ナトロアナエロビウス・サーモフィルス(Natranaerobius thermophilus)、ペロトマクルム・サーモプロピオニカム(Pelotomaculum thermopropionicum)、アシディチオバチルス・カルダス(Acidithiobacillus caldus)、アシディチオバチルス・フェロオキシダンス(Acidithiobacillus ferrooxidans)、
アロクロマチウム・ビノスム(Allochromatium vinosum)、マリノバクター種(Marinobacter sp.)、ニトロソコッカス・ハロフィルス(Nitrosococcus halophilus)、ニト
ロソコッカス・ワトソニイ(Nitrosococcus watsoni)、シュードアルテロモナス・ハロプランクティス(Pseudoalteromonas haloplanktis)、クテドノバクター・ラセミファ
ー(Ktedonobacter racemifer)、メタノハロビウム・エベスチガータム(Methanohalobium evestigatum)、アナベナ・バリアビリス(Anabaena variabilis)、ノジュラリア・スプミゲナ(Nodularia spumigena)、ノストック種(Nostoc sp.)、アルスロスピ
ラ・マキシマ(Arthrospira maxima)、アルスロスピラ・プラテンシス(Arthrospira platensis)、アルスロスピラ種(Arthrospira sp.)、リングビア種(Lyngbya sp.)
、ミクロコレウス・クソノプラステス(Microcoleus chthonoplastes)、オスキラトリ
ア種(Oscillatoria sp.)、ペトロトガ・モビリス(Petrotoga mobilis)、サーモシ
フォ・アフリカヌス(Thermosipho africanus)、又はアカリオクロリス・マリナ(Acaryochloris marina)に由来し得る。Cas9ファミリーメンバーの更なる例は、国際公
開第WO2014/131833号に記載されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。S.ピオゲネス由来又はそこから誘導されたCas9タンパク質が、好ましい酵素である。S.ピオゲネス由来のCas9タンパク質には、SwissProt受入番号Q99ZW2が割当てられている。
Casタンパク質は、野生型タンパク質(すなわち、自然界において生じるもの)、修飾されたCasタンパク質(すなわち、Casタンパク質バリアント)、又は野生型若しくは修飾されたCasタンパク質の断片であり得る。Casタンパク質はまた、野生型又は修飾されたCasタンパク質の活性バリアント又は断片であってもよい。活性バリアント又は断片は、野生型又は修飾されたCasタンパク質又はその一部に対して、少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の配列同一性を有し得、活性バリアントは、所望の切断部位で切り離す能力を維持し、よって、切れ目誘導又は2本鎖破断誘導活性を維持する。切れ目誘導又は2本鎖破断誘導活性のためのアッセイは既知であり、一般的に、切断部位を含有するDNA基質に対するCasタンパク質の全体的な活性及び特異性を測定する。
Casタンパク質は、核酸の結合親和性、核酸の結合特異性、及び/又は酵素活性を増加又は減少させるように修飾され得る。Casタンパク質は、安定性などの、タンパク質の任意の他の活性又は特性を変更するようにも修飾され得る。例えば、Casタンパク質の1つ以上のヌクレアーゼドメインは、修飾、欠失、若しくは不活性化され得るか、又はCasタンパク質は、タンパク質の機能に必須ではないドメインを除去するように、若しくはCasタンパク質の活性を最適化する(例えば、強化若しくは低下させる)ように、切断され得る。
いくつかのCasタンパク質は、DNaseドメインなど、少なくとも2つのヌクレアーゼドメインを含む。例えば、Cas9タンパク質は、RuvC様ヌクレアーゼドメイン及びHNH様ヌクレアーゼドメインを含み得る。RuvC及びHNHドメインはそれぞれ、DNAに2本鎖破断を形成するよう2本鎖DNAの異なる鎖を切り離すことができる。例えば、Jinek et al.(2012)Science 337:816〜821を参照されたい(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
ヌクレアーゼドメインのうちの1つ又は両方は、これらがもはや機能性ではないか、又は減少したヌクレアーゼ活性を有するように欠失又は変異され得る。ヌクレアーゼドメインのうちの1つが欠失又は変異される場合、得られたCasタンパク質(例えば、Cas9)は、ニッカーゼと称される場合があり、2本鎖DNA内のCRISPR RNA認識配列で1本鎖破断を生成することができるが、2本鎖破断を生成することはできない(すなわち、相補鎖又は非相補鎖を切断できるが、両方はできない)。ヌクレアーゼドメインの両方が欠失又は変異される場合、得られたCasタンパク質(例えば、Cas9)は、2本鎖DNAの両鎖を切断する能力が減少する。Cas9をニッカーゼに変換する突然変異の例は、S.ピオゲネス由来Cas9のRuvCドメインにおけるD10A(Cas9の10位でアスパラギン酸塩からアラニンへの)突然変異である。同様に、S.ピオゲネス由来のCas9のHNHドメインにおけるH939A(アミノ酸839位でヒスチジンからアラニンへの)又はH840A(アミノ酸840位でヒスチジンからアラニンへの)により、Cas9をニッカーゼに変換することができる。Cas9をニッカーゼに変換する突然変異の他の例としては、S.サーモフィルス由来のCas9への対応する突然変異が挙げられる。例えば、Sapranauskas et al.(2011)Nucleic Acids Research 39:9275〜9282及び国際公開第WO2013/141680号を参照されたい(これらのそれぞれは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。このような突然変異は、部位指向性突然変異誘発、PCR媒介突然変異誘発、又は全遺伝子合成などの方法を使用して生成され得る。ニッカーゼを作製する他の突然変異の例は、例えば、国際公開第WO/2013/176772A1号及び第WO/2013/142578A1号に見出すことができ、これらのそれぞれは参照により本明細書に組み込まれる。
Casタンパク質は融合タンパク質でもあり得る。例えば、Casタンパク質は、切断ドメイン、エピジェネティック修飾ドメイン、転写活性化ドメイン、又は転写抑制因子ドメインに融合され得る。国際公開第WO 2014/089290号を参照されたい(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。Casタンパク質は、増加又は減少した安定性を提供する異種ポリペプチドにも融合され得る。融合ドメイン又は異種ポリペプチドは、N末端、C末端に、又はCasタンパク質の内部に位置し得る。
Casタンパク質は、細胞内局在を提供する異種ポリペプチドに融合され得る。このような異種ペプチドは、例えば、核を標的とするSV40 NLSなどの核局在化シグナル(NLS)、ミトコンドリアを標的とするミトコンドリア局在化シグナル、ER保留シグナルなどを含む。例えば、Lange et al.(2007)J.Biol.Chem.282:5101〜5105を参照されたい。このような細胞内局在化シグナルは、N末端、C末端、又はCasタンパク質内のどこかに位置し得る。NLSは、塩基性アミノ酸のストレッチを含み得、単一分節(monopartite)配列又は二分節(bipartite)配列であり得る。
Casタンパク質は、細胞透過性ドメインにも連結され得る。例えば、細胞透過性ドメインは、HIV−1 TATタンパク質、ヒトB型肝炎ウイルス由来のTLM細胞透過性モチーフ、MPG、Pep−1、VP22、単純ヘルペスウイルス由来の細胞透過性ペプチド、又はポリアルギニンペプチド配列に由来し得る。例えば、国際公開第WO2014/089290号を参照されたい(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。細胞透過性ドメインは、N末端、C末端、又はCasタンパク質内のどこかに位置し得る。
Casタンパク質は、蛍光タンパク質、精製タグ、又はエピトープタグなどの追跡又は精製を容易にするための異種ポリペプチドも含み得る。蛍光タンパク質の例としては、緑色蛍光タンパク質(例えば、GFP、GFP−2、tagGFP、turboGFP、eGFP、Emerald、Azami Green、モノマーAzami Green、CopGFP、AceGFP、ZsGreenl)、黄色蛍光タンパク質(例えば、YFP、eYFP、Citrine、Venus、YPet、PhiYFP、ZsYellowl)、青色蛍光タンパク質(例えば、eBFP、eBFP2、Azurite、mKalamal、GFPuv、Sapphire、T−sapphire)、シアン蛍光タンパク質(例えば、eCFP、Cerulean、CyPet、AmCyanl、Midoriishi−Cyan)、赤色蛍光タンパク質(mKate、mKate2、mPlum、DsRedモノマー、mCherry、mRFP1、DsRed−Express、DsRed2、DsRed−モノマー、HcRed−Tandem、HcRedl、AsRed2、eqFP611、mRaspberry、mStrawberry、Jred)、オレンジ色蛍光タンパク質(mOrange、mKO、Kusabira−Orange、モノマーKusabira−Orange、mTangerine、tdTomato)、及び任意の他の好適な蛍光タンパク質が挙げられる。タグの例としては、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)、キチン結合タンパク質(CBP)、マルトース結合タンパク質、チオレドキシン(TRX)、ポリ(NANP)、タンデムアフィニティー精製(TAP)タグ、myc、AcV5、AU1、AU5、E、ECS、E2、FLAG、血球凝集素(HA)、nus、Softag 1、Softag 3、Strep、SBP、Glu−Glu、HSV、KT3、S、S1、T7、V5、VSV−G、ヒスチジン(His)、ビオチンカルボキシルキャリアタンパク質(BCCP)、及びカルモジュリンが挙げられる。
いくつかの実施形態では、Casタンパク質は、得られるヌクレアーゼ活性が変更されるように修飾され得る。Casにおけるある特定の突然変異は、ヌクレアーゼが標的DNAの相補及び非相補鎖の両方を切断する能力を減少させ得る。例えば、Casタンパク質は、ヌクレアーゼ活性が相補鎖又は非相補鎖のいずれかの切断に限定されるように、既知の位置で変異され得る。具体的には、D10A(Cas9のアミノ酸10位でのアスパラギ酸塩からアラニンへの)突然変異を有するCas9は、標的DNAの相補鎖を切断することができるが、標的DNAの非相補鎖を切断する能力が減少する。いくつかの実施形態では、H840A(アミノ酸840位でのヒスチジンからアラニンへの)突然変異を有するCas9は、標的DNAの非相補鎖を切断することができるが、標的DNAの相補鎖を切断する能力が減少する。D10A又はH840Aのいずれかの突然変異を有するCas9のヌクレアーゼ活性は、DSBではなく1本鎖破断(SSB)をもたらすだろう。他の残基が同じ作用(すなわち、一方又は他方のヌクレアーゼ部分を不活性化する)を達成するように変異されてもよい。非限定的な例としては、残基D10、G12、G17、E762、H840、N854、N863、H982、H983、A984、D986、及び/又はA987である(すなわち、置換される)。更に、アラニン以外の置換アミノ酸が好適な場合がある。いくつかの実施形態では、ヌクレアーゼが減少した活性を有するとき(例えば、Cas9タンパク質がD10A、G12A、G17A、E762A、H840A、N854A、N863A、H982A、H983A、A984A、及び/又はD986AなどのD10、G12、G17、E762、H840、N854、N863、H982、H983、A984、D986、及び/又はA987突然変異を有するとき)、ヌクレアーゼは、gRNAと相互作用する能力を維持する限り、gRNAによって尚も標的DNA配列に先導されるため、部位特異的様式で尚も標的DNAに結合することができる。
いくつかの実施形態では、Casは、ヌクレアーゼが標的DNAの相補又は非相補鎖のいずれかを切断しないように変更される。例えば、D10A及びH840A突然変異の両方を有するCas9は、標的DNAの相補及び非相補鎖の両方を切断する能力が減少する。他の残基が同じ作用(すなわち、一方又は他方のヌクレアーゼ部分を不活性化する)を達成するように変異されてもよい。非限定的な例としては、残基D10、G12、G17、E762、H840、N854、N863、H982、H983、A984、D986、及び/又が、ヌクレアーゼ活性を実質的に排除するために置換され得る。更に、アラニン置換以外の突然変異が好適な場合がある。
用語「標的部位」又は「標的配列」は、互換的に使用され得、gRNAのDNA標的化セグメントが結合する標的DNAに存在する核酸配列を含むが、但し、結合のための十分な条件が存在することを条件とする。例えば、標的DNA内の標的部位(又は標的配列)は、Casタンパク質又はgRNAの標的となる(又はそれにより結合される、又はそれとハイブリダイズする、又はそれに相補的である)。好適なDNA/RNA結合条件は、細胞に通常存在する生理学的条件を含む。他の好適なDNA/RNA結合条件(例えば、無細胞系における条件)は当該技術分野において既知である(例えば、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3rd Ed.(Sambrook et al.,Harbor Laboratory Press 2001)を参照されたい)。Casタンパク質又はgRNAに相補的であり、それとハイブリダイズする標的DNAの鎖は、「相補鎖」と称され、「相補鎖」に相補的である標的DNAの鎖(したがって、Casタンパク質又はgRNAには相補的ではない)は、「非相補鎖」又は「鋳型鎖」と称される。
Casタンパク質は、標的配列内又は標的配列の外側の部位で核酸を切断し得る。「切断部位」は、Casタンパク質が1本鎖破断又は2本鎖破断を産生する核酸の位置を含む。Casタンパク質が2本鎖破断を産生する場合、切断部位は核酸の両鎖上の同じ位置であるか(平滑末端を産生する)、又は各鎖上の異なる部位であり得る(付着又は貼着性末端を産生する)。付着末端は、各鎖上の切断部位で1本鎖破断を産生する2つのCasタンパク質を使用することによっても産生され得る。Cas9による標的DNAの部位特異的切断は、標的DNAにおいて、(i)ガイドRNAと標的DNAとの間の塩基対相補性、及び(ii)プロトスペーサー近接モチーフ(PAM)と称される短いモチーフの両方により決定される位置で生じ得る。例えば、Cas9の切断部位は、PAM配列の約1〜約10又は約2〜約5塩基対(例えば、3塩基対)上流であり得る。いくつかの実施形態では(例えば、S.ピオゲネス由来のCas9又は密接に関係のあるCas9が使用されるとき)、非相補鎖のPAM配列は、5’−XGG−3’(ここで、Xは、任意のDNAヌクレオチドであり、Xは、標的DNAの非相補鎖の標的配列の直ぐ3’である)であり得る。このため、相補鎖のPAM配列は、5’−CCY−3’(ここで、Yは、任意のDNAヌクレオチドであり、Yは、標的DNAの相補鎖の標的配列の直ぐ5’である)であろう。いくつかのこのような実施形態では、X及びYは相補的であってもよく、X−Y塩基対は、任意の塩基対(例えば、X=C及びY=G、X=G及びY=C、X=A及びY=T、X=T及びY=A)であり得る。
Casタンパク質は、任意の形態で提供され得る。例えば、Casタンパク質は、gRNAと複合されるCasタンパク質など、タンパク質の形態で提供され得る。あるいは、Casタンパク質は、RNA(例えば、メッセンジャーRNA(mRNA))又はDNAなど、Casタンパク質をコードする核酸の形態で提供され得る。任意選択で、Casタンパク質をコードする核酸は、特定の細胞又は生物においてタンパク質を効率的に翻訳するためにコドン最適化され得る。例えば、Casタンパク質をコードする核酸は、自然に生じるポリヌクレオチド配列と比較して、細菌細胞、酵母細胞、ヒト細胞、非ヒト細胞、哺乳類細胞、ゲッ歯類細胞、マウス細胞、ラット細胞、又は任意の他の関心の宿主細胞においてより高い頻度で使用されるコドンを置換するように修飾され得る。Casタンパク質をコードする核酸が細胞内に導入されるとき、Casタンパク質は、細胞において一時的に、条件に応じて、又は構成的に、発現され得る。
Casタンパク質をコードする核酸は、細胞のゲノムに安定して組み込まれ、細胞の活性プロモーターに操作可能に連結され得る。あるいは、Casタンパク質をコードする核酸は、発現構築物のプロモーターに操作可能に連結され得る。発現構築物は、関心の遺伝子又は他の核酸配列(例えば、Cas遺伝子)の発現を指向することが可能であり、このような関心の核酸配列を標的細胞に伝達することができる任意の核酸構築物を含む。例えば、Casタンパク質をコードする核酸は、核酸インサートを含む標的化ベクター及び/若しくはgRNAをコードするDNAを含むベクターに存在し得るか、又は核酸インサートを含む標的化ベクターから分離される、及び/若しくはgRNAをコードするDNAを含むベクターから分離されるベクター又はプラスミドに存在し得る。発現構築物において使用され得るプロモーターは、例えば、多能性ラット、真核、哺乳類、非ヒト哺乳類、ヒト、ゲッ歯類、マウス、又はハムスター細胞における活性プロモーターを含む。このようなプロモーターは、例えば、条件付きプロモーター、誘導性プロモーター、構成的プロモーター、又は組織特異的プロモーターであり得る。他のプロモーターの例は、本明細書の別の箇所に記載される。
B.ガイドRNA(gRNA)
「ガイドRNA」又は「gRNA」は、Casタンパク質に結合し、Casタンパク質を標的DNA内の特定の位置に誘導する、RNA分子を含む。ガイドRNA(gRNA)は、「DNA標的化セグメント」及び「タンパク質結合セグメント」の2つのセグメントを含み得る。「セグメント」は、RNAにおけるヌクレオチドの連続的ストレッチなど、分子のセグメント、部分、又は領域を含む。いくつかのgRNAは、2つの別個のRNA分子:「活性化因子RNA」及び「標的因子(targeter)RNA」を含む。他のgRNAは、単一RNA分子(単一RNAポリヌクレオチド)であり、これは、「単一分子gRNA」、「単一ガイドRNA」、又は「sgRNA」と呼ばれる場合もある。例えば、国際公開第WO/2013/176772A1号、第WO/2014/065596A1号、第WO/2014/089290A1号、第WO/2014/093622A2号、第WO/2014/099750A2号、第WO/2013142578A1号、及び第WO2014/131833A1号を参照されたい(これらのそれぞれは参照により本明細書に組み込まれる)。用語「ガイドRNA」及び「gRNA」は、2重分子gRNA及び単一分子gRNAの両方を含む。
例示的な2重分子gRNAは、crRNA様(「CRISPR RNA」若しくは「標的因子RNA」又は「crRNA」若しくは「crRNA反復」)分子、及び対応するtracrRNA様(「トランス作用性CRISPR RNA」若しくは「活性化因子RNA」又は「tracrRNA」若しくは「足場」)分子を含む。crRNAは、gRNAのDNA標的化セグメンチ(1本鎖)、及びgRNAのタンパク質結合セグメントのdsRNA2本鎖の半分を形成するヌクレオチドのストレッチの両方を含む。対応するracrRNA(活性化因子RNA)は、gRNAのタンパク質結合セグメントのdsRNA2本鎖の半分を形成するヌクレオチドのストレッチを含む。crRNAのヌクレオチドのストレッチは、tracrRNAのヌクレオチドのストレッチに相補的であり、それとハイブリダイズして、gRNAのタンパク質結合ドメインのdsRNA2本鎖を形成する。このため、各crRNAは、対応するtracrRNAを有すると言うことができる。crRNAは加えて、1本鎖DNA標的化セグメントを提供する。したがって、gRNAは、標的配列にハイブリダイズする配列及びtracrRNAを含む。
crRNA及び対応するtracrRNA(対応する対として)はハイブリダイズしてgRNAを形成する。crRNAは加えて、CRISPR RNA認識配列にハイブリダイズする1本鎖DNA標的化セグメントを提供する。細胞内の修飾のために使用される場合、所与のcrRNA又はtracrRNA分子の正確な配列は、RNA分子が使用される種に特異的であるように設計され得る。例えば、Mali P et al.(2013)Science 2013 Feb 15;339(6121):823〜6、Jinek M et al.Science 2012 Aug 17;337(6096):816〜21、Hwang WY et al.Nat Biotechnol 2013 Mar;31(3):227〜9、Jiang W et al.Nat Biotechnol 2013 Mar;31(3):233〜9、及びCong L et al.Science 2013 Feb 15;339(6121):819〜23を参照されたい(これらのそれぞれは参照により本明細書に組み込まれる)。
所与のgRNAのDNA標的化セグメント(crRNA)は、標的DNAの配列に相補的であるヌクレオチド配列を含む。gRNAのDNA標的化セグメントは、ハイブリダイゼーション(すなわち、塩基の対合)を介して、配列特異的様式で標的DNAと相互作用する。このため、DNA標的化セグメントのヌクレオチド配列は変動し得、gRNA及び標的DNAが相互作用する標的DNA内の位置を決定する。対象gRNAのDNA標的化セグメントは、標的DNA内の任意の所望の配列にハイブリダイズするように修飾され得る。自然に生じるcrRNAは、Cas9系及び生物により異なるが、21〜72ヌクレオチドの長さの標的化セグメントを含有することが多く、21〜46のヌクレオチドの長さの2つの直接反復(DR)に隣接する(例えば、国際公開第WO2014/131833号を参照されたい)。S.ピオゲネスの場合、DRは36ヌクレオチドの長さであり、標的化セグメントは30ヌクレオチドの長さである。3’に位置するDRは、同時にCas9タンパク質に結合する、対応するtracrRNAに相補的であり、それとハイブリダイズする。
DNA標的化セグメントは、約12ヌクレオチド〜約100ヌクレオチドの長さを有し得る。例えば、DNA標的化セグメントは、約12ヌクレオチド(nt)〜80nt、約12nt〜約50nt、約12nt〜約40nt、約12nt〜約30nt、約12nt〜約25nt、約12nt〜約20nt、又は約12nt〜約19ntの長さを有し得る。あるいは、DNA標的化セグメントは、約19nt〜約20nt、約19nt〜約25nt、約19nt〜約30nt、約19nt〜約35nt、約19nt〜約40nt、約19nt〜約45nt、約19nt〜約50nt、約19nt〜約60nt、約19nt〜約70nt、約19nt〜約80nt、約19nt〜約90nt、約19nt〜約100nt、約20nt〜約25nt、約20nt〜約30nt、約20nt〜約35nt、約20nt〜約40nt、約20nt〜約45nt、約20nt〜約50nt、約20nt〜約60nt、約20nt〜約70nt、約20nt〜約80nt、約20nt〜約90nt、又は約20nt〜約100ntの長さを有し得る。
標的DNAのヌクレオチド配列(CRISPR RNA認識配列)に相補的であるDNA標的化セグメントのヌクレオチド配列は、少なくとも約12ntの長さを有し得る。例えば、DNA標的化配列(例えば、標的DNA内のCRISPR RNA認識配列に相補的であるDNA標的化セグメント内の配列)は、少なくとも約12nt、少なくとも約15nt、少なくとも約18nt、少なくとも約19nt、少なくとも約20nt、少なくとも約25nt、少なくとも約30nt、少なくとも約35nt、又は少なくとも約40ntの長さを有し得る。あるいは、標的DNAの標的配列に相補的であるDNA標的化セグメントのDNA標的化配列は、約12ヌクレオチド(nt)〜約80nt、約12nt〜約50nt、約12nt〜約45nt、約12nt〜約40nt、約12nt〜約35nt、約12nt〜約30nt、約12nt〜約25nt、約12nt〜約20nt、約12nt〜約19nt、約19nt〜約20nt、約19nt〜約25nt、約19nt〜約30nt、約19nt〜約35nt、約19nt〜約40nt、約19nt〜約45nt、約19nt〜約50nt、約19nt〜約60nt、約20nt〜約25nt、約20nt〜約30nt、約20nt〜約35nt、約20nt〜約40nt、約20nt〜約45nt、約20nt〜約50nt、又は約20nt〜約60ntの長さを有し得る。標的DNAのヌクレオチド配列(標的配列)に相補的であるDNA標的化セグメントのヌクレオチド配列(DNA標的化配列)は、少なくとも約12ntの長さを有し得る。いくつかの場合では、DNA標的化配列は、少なくとも約20ntの長さを有し得る。
TracrRNAは、任意の形態(例えば、完全長tracrRNA又は活性部分的tracrRNA)及び様々な長さのものであり得る。それらは、一次転写産物又は加工形態を含み得る。例えば、tracrRNA(単一ガイドRNAの一部として、又は2分子gRNAの一部としての別個の分子として)は、野生型tracrRNA配列の全て若しくは一部(例えば、野生型tracrRNA配列の約20、26、32、45、48、54、63、67、85以上又は約それ以上のヌクレオチド)を含むか、又はそれらからなり得る。S.ピオゲネス由来の野生型tracrRNA配列の例としては、171ヌクレオチド、89ヌクレオチド、75ヌクレオチド、及び65ヌクレオチド型が挙げられる。例えば、Deltcheva et al.(2011)Nature 471:602〜607、国際公開第WO 2014/093661号を参照されたい(これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。単一ガイドRNA(sgRNA)内のtracrRNAの例としては、sgRNAの+48、+54、+67、及び+85型内に見られるtracrRNAセグメントが挙げられ、ここで、「+n」は、野生型tracrRNAの最大+nヌクレオチドがsgRNAに含まれることを示す。米国特許第US8,697,359号を参照されたい(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
DNA標的化配列と標的DNA内のCRISPR RNA認識配列との間の相補性パーセントは、少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%)であり得る。DNA標的化配列と標的DNA内のCRISPR RNA認識配列との間の相補性パーセントは、標的DNAの相補鎖の標的配列の最も5’の7つの連続するヌクレオチドに対して100%である。ある特定の実施形態では、DNA標的化配列と標的DNA内のCRISPR RNA認識配列との間の相補性パーセントは、約20の連続するヌクレオチドに対して少なくとも60%であり得る。例として、DNA標的化配列と標的DNA内のCRISPR RNA認識配列との間の相補性パーセントは、標的DNAの相補鎖内のCRISPR RNA認識配列の最も5’末端の14の連続するヌクレオチドに対して100%であり、残部に対しては限りなく0%である。このような場合では、DNA標的化配列は、長さが14ヌクレオチドであると考えられ得る。別の例として、DNA標的化配列と標的DNA内のCRISPR RNA認識配列との間の相補性パーセントは、標的DNAの相補鎖内のCRISPR RNA認識配列の最も5’末端の7つの連続するヌクレオチドに対して100%であり、残部に対しては限りなく0%である。このような場合では、DNA標的化配列は、長さが7ヌクレオチドであると考えられ得る。
核酸の相補性は、核酸の1鎖におけるヌクレオチド配列が、その核酸塩基の基の配向により、対向する核酸鎖上の別の配列に水素結合することを意味する。相補的塩基は典型的には、DNAにおいては、AとT、及びCとGである、RNAにおいては、CとG、及びUとAである。相補性は、完璧であるか、又は実質的/十分であり得る。2つの核酸間の完璧な相補性は、2つの核酸が、2本鎖の各塩基がワトソン−クリック対合により相補的塩基に結合された2本鎖を形成できることを意味する。「実質的」又は「十分」な相補性は、1本の鎖における配列が、対向する鎖における配列に対して完全にかつ/又は完璧に相補的であるわけではないが、一連のハイブリダイゼーション条件下で(例えば、塩濃度及び温度)安定したハイブリッド複合体を形成するのに十分な結合が2本の鎖上の塩基間に生じることを意味する。このような条件は、シーケンス及び標準的な数学的計算を使用してハイブリダイズされた鎖のTmを予想することにより、又は慣用的方法を使用することによるTmの経験的決定により予想することができる。Tmは、2本の核酸鎖間に形成されたハイブリダイゼーション複合体の集団が50%変性される温度を指す。Tmを下回る温度では、ハイブリダイゼーション複合体の形成の方が起こり、一方で、Tmを上回る温度では、ハイブリダイゼーション複合体における鎖の融解又は分離の方が起こる。Tmは、1M NaCl水溶液中の既知のG+C含量を有する核酸に関して、例えば、Tm=81.5+0.41(% G+C)を使用して推定され得るが、他の既知のTm計算は核酸の構造特徴を考慮する。
「ハイブリダイゼーション条件」は、1本の核酸鎖が相補鎖の相互作用及び水素結合により第2の核酸鎖に結合してハイブリダイゼーション複合体を産生する累積環境を指す。このような条件は、核酸を含有する水溶液若しくは有機溶液の化学構成要素及びそれらの濃度(例えば、塩、キレート剤、ホルムアミド)、並びに混合物の温度を含む。インキュベーション時間の長さ又は反応チャンバの寸法などの他の要因が環境に寄与し得る(例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,2.sup.nd ed.,pp.1.90〜1.91,9.47〜9.51,1 1.47〜11.57(Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,1989))。
ハイブリダイゼーションは、2つの核酸が相補的配列を含有することを必要とするが、塩基間のミスマッチが可能である。2つの核酸間のハイブリダイゼーションに適切な条件は、当該技術分野において周知の変数である核酸の長さ及び相補性の程度に依存する。2つのヌクレオチド配列間の相補性の程度が大きいほど、これらの配列を有する核酸のハイブリッドの融解温度(Tm)の値が大きくなる。相補性のストレッチが短い(例えば、35以下、30以下、25以下、22以下、20以下、又は18以下のヌクレオチドにわたる相補性)核酸間のハイブリダイゼーションに関しては、ミスマッチの位置は重要になる(Sambrook et al.,上記、11.7〜11.8を参照されたい)。典型的には、ハイブリダイズ可能な核酸の長さは少なくとも約10ヌクレオチドである。ハイブリダイズ可能な核酸の例示的な最小長さは、少なくとも約15ヌクレオチド、少なくとも約20ヌクレオチド、少なくとも約22ヌクレオチド、少なくとも約25ヌクレオチド、及び少なくとも約30ヌクレオチド)である。更に、温度及び洗浄溶液の塩濃度は、相補性の領域の長さ及び相補性の程度などの要因により必要に応じて調整され得る。
ポリヌクレオチドの配列は、特異的にハイブリダイズ可能であるその標的核酸に対して100%相補的である必要はない。更に、ポリヌクレオチドは、介在又は近接セグメントがハイブリダイゼーション事象(例えばループ構造又はヘアピン構造)に関与しないように1つ以上のセグメントにわたってハイブリダイズすることができる。ポリヌクレオチド(例えば、gRNA)は、それらが標的とされる標的核酸配列内の標的領域に対して、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%の配列相補性を有し得る。例えば、gRNAの20ヌクレオチドのうちの18が標的領域に相補的であり、したがって、特異的にハイブリダイズするであろうgRNAは、90パーセントの相補性を示すだろう。この例において、残りの非相補的ヌクレオチドは、クラスター化されるか、又は相補的ヌクレオチドに散在してもよく、互いに、又は相補的ヌクレオチドに連続的である必要はない。核酸内の核酸配列の特定のストレッチ間の相補性パーセントは、当該技術分野において既知のBLASTプログラム(基本的な局所的アライメント検索ツール)及びPowerBLASTプログラム(Altschul et al.,J.Mol.Biol.,1990,215,403〜410;Zhang and Madden,Genome Res.,1997,7,649〜656)を使用して、又はGapプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package,Version 8 for Unix(登録商標),Genetics Computer Group,University Research Park,Madison Wis.)を使用して(デフォルト設定を使用、これは、Smith and Waterman(Adv.Appl.Math.,1981,2,482〜489)のアルゴリズムを使用する)、慣用的に決定され得る。
対象gRNAのタンパク質結合セグメントはCasタンパク質と相互作用する。対象gRNAは、DNA標的化セグメントを介して、結合したポリペプチドを標的DNA内の特定のヌクレオチド配列に指向する。対象gRNAのタンパク質結合セグメントは、互いに相補的であるヌクレオチドの2つのストレッチを含み得る。タンパク質結合セグメントの相補的ヌクレオチドは、ハイブリダイズして2本鎖RNA2本鎖(dsRNA)を形成する。対象gRNAのタンパク質結合セグメントは、Casタンパク質と相互作用し、gRNAは、DNA標的化セグメントを介して、結合したCasタンパク質を標的DNA内の特定のヌクレオチド配列に指向する。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるgRNAは、2つの別個のRNA分子を含む。対象gRNAの2つのRNA分子のそれぞれは、2つのRNA分子の相補的ヌクレオチドがハイブリダイズして、タンパク質結合セグメントの2本鎖RNA2本鎖(例えば、ヘアピン)を形成するように、互いに相補的であるヌクレオチドのストレッチを含む。対象gRNAは、任意の対応するcrRNA及びtracrRNA対を含み得る。本明細書に記載される方法において、gRNAは、crRNA及びtracrRNAの複合体(例えば、gRNA−Cas複合体)として使用されてもよいか、又はcrRNA及び対応するtracrRNAは別個に送達されてもよい。例えば、複数のgRNAが切断反応に使用される場合、各標的部位に特異的な個々のcrRNAは、各crRNAと複合され得る標準的なtracrRNAから別個に送達され得る。このような方法では、crRNAは、Casタンパク質を標的部位に指向するために、標準的なtracrRNAと複合することができる。
ガイドRNAは、追加の望ましい特徴(例えば、修飾又は調節された安定性、細胞内標的化、蛍光標識による追跡、タンパク質又はタンパク質複合体用の結合部位など)をもたらす修飾又は配列を含み得る。このような修飾の非限定的な例としては、例えば、5’キャップ(例えば、7−メチルグアニル酸キャップ(m7G))、3’ポリアデニル化テイル(すなわち、3’ポリ(A)テイル)、リボスイッチ配列(例えば、タンパク質及び/又はタンパク質複合体による調節された安定性及び/又は調節された到達性(accessibility)を可能にするため)、安定性制御配列、dsRNA2本鎖(すなわち、ヘアピン)
を形成する配列)、RNAを細胞内位置(例えば、核、ミトコンドリア、葉緑体など)に誘導する修飾又は配列、追跡を提供する修飾又は配列(例えば、蛍光分子への直接抱合、蛍光検出を容易にする部分への抱合、蛍光検出を可能にする配列など)、タンパク質に結合部位を提供する修飾又は配列(例えば、転写活性化因子、転写抑制因子、DNAメチルトランスフェラーゼ、DNAデメチラーゼ、ヒストンアセチルトランスフェラーゼ、ヒストンデアセチラーゼなどを含むDNAに作用するタンパク質)、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
ガイドRNAは任意の形態で提供され得る。例えば、gRNAは、2つの分子として(別個のcrRNA及びtracrRNA)又は1つの分子として(sgRNA)のいずれかのRNAの形態で、及び任意選択で、Casタンパク質との複合体の形態で提供され得る。gRNAはまた、RNAをコードするDNAの形態で提供されてもよい。gRNAをコードするDNAは、単一のRNA分子(sgRNA)又は別個のRNA分子(例えば、別個のcrRNA及びtracrRNA)をコードすることができる。後者の場合において、gRNAをコードするDNAは、それぞれ、crRNA及びtracrRNAをコードする別個のDNA分子として提供され得る。
gRNAをコードするDNAは、細胞のゲノムに安定して組み込まれ、細胞の活性プロモーターに操作可能に連結され得る。あるいは、gRNAをコードするDNAは、発現構築物においてプロモーターに操作可能に連結されてもよい。例えば、gRNAをコードするDNAは、核酸インサートを含む標的化ベクター及び/若しくはCasタンパク質をコードする核酸を含むベクターに存在し得るか、又は核酸インサートを含む標的化ベクターから分離される、及び/若しくはCasタンパク質をコードする核酸を含むベクターから分離されるベクター又はプラスミドに存在し得る。このようなプロモーターは、多能性ラット、真核、哺乳類、非ヒト哺乳類、ヒト、ゲッ歯類、マウス、又はハムスター細胞において活性であり得る。このようなプロモーターは、例えば、条件付きプロモーター、誘導性プロモーター、構成的プロモーター、又は組織特異的プロモーターであり得る。いくつかの場合では、プロモーターは、ヒトU6プロモーター、ラットU6ポリメラーゼIIIプロモーター、又はマウスU6ポリメラーゼIIIプロモーターなどのRNAポリメラーゼIIIプロモーターである。他のプロモーターの例は、本明細書の別の箇所に記載される。gRNAをコードするDNAが細胞内に導入されるとき、gRNAは、細胞において一時的に、条件に応じて、又は構成的、に発現され得る。
あるいは、gRNAは、様々な他の方法により調製されてもよい。例えば、gRNAは、例えば、T7 RNAポリメラーゼを使用して、インビトロ転写により調製され得る(例えば、国際公開第WO 2014/089290号及び第WO 2014/065596号を参照されたい)。ガイドRNAはまた、化学合成により調製された合成的に産生された分子であってもよい。
C.CRISPR RNA認識配列
用語「CRISPR RNA認識配列」は、gRNAのDNA標的化セグメントが結合する標的DNAに存在する核酸配列を含むが、但し、結合のための十分な条件が存在することを条件とする。例えば、CRISPR RNA認識配列は、ガイドRNAが相補性を有するように設計される配列を含み、CRISPR RNA認識配列とDNA標的化配列との間のハイブリダイズは、CRISPR複合体の形成を促進する。完全な相補性は必ずしも必要ではないが、但し、ハイブリダイゼーションをもたらし、CRISPR複合体の形成を促進するのに十分な相補性が存在することを条件とする。CRISPR RNA認識配列は、以下により詳細に記載される、Casタンパク質の切断部位も含む。CRISPR RNA認識配列は、例えば、ミトコンドリア又は葉緑体など、細胞の核若しくは細胞質に、又は細胞の細胞小器官内に位置し得る任意のポリヌクレオチドを含み得る。
標的DNA内のCRISPR RNA認識配列は、Casタンパク質又はgRNAの標的となり得る(すなわち、それにより結合されるか、又はそれとハイブリダイズされるか、又はそれに相補的であり得る)。好適なDNA/RNA結合条件は、細胞に通常存在する生理学的条件を含む。他の好適なDNA/RNA結合条件(例えば、無細胞系における条件)は、当該技術分野において既知である(例えば、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3rd Ed.(Sambrook et al.,Harbor Laboratory Press 2001を参照されたい))。Casタンパク質又はgRNAに相補的であり、それとハイブリダイズする標的DNAの鎖は、「相補鎖」と称される場合があり、「相補鎖」に相補的である(したがって、Casタンパク質又はgRNAに相補的ではない)標的DNAの鎖は、「非相補鎖」又は「鋳型鎖」と称される場合がある。
Casタンパク質は、gRNAのDNA標的化セグメントが結合する標的DNAに存在する核酸配列内又は外側で核酸を切断することができる。「切断部位」は、Casタンパク質が1本鎖破断又は2本鎖破断を産生する核酸の位置を含む。例えば、CRISPR複合体(CRISPR RNA認識配列にハイブリダイズされ、Casタンパク質と複合されるgRNAを含む)の形成は、gRNAのDNA標的化セグメントが結合する標的DNAに存在する核酸配列の、又はその付近(例えば、その核酸配列から1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、50以上の塩基対内)のうちの1つ又は両方の鎖の切断をもたらすことができる。切断部位がgRNAのDNA標的化セグメントが結合する核酸配列の外側である場合、切断部位は、尚も「CRISPR RNA認識配列」内にあると考えられる。切断部位は、核酸のうちの1本の鎖上のみか、又は両鎖上にあり得る。切断部位は、核酸の両鎖上の同じ位置にあるか(平滑末端を産生する)、又は核鎖上の異なる部位にあり得る(ねじれ末端を産生する)。ねじれ末端は、例えば、2つのCasタンパク質を使用することにより産生され得、これらのそれぞれは、各鎖上の異なる切断部位に1本鎖破断を産生し、それにより2本鎖破断を産生する。例えば、第1のニッカーゼは、2本鎖DNA(dsDNA)の第1の鎖上に1本鎖破断を作製することができ、第2のニッカーゼは、オーバーハング配列が作製されるようにdsDNAの第2の鎖上に1本鎖破断を作製することができる。いくつかの場合では、第1の鎖上のニッカーゼのCRISPR RNA認識配列は、第2の鎖上のニッカーゼのCRISPR RNA認識配列から少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、75、100、250、500、又は1,000塩基対分離される。
Cas9による標的DNAの部位特異的切断は、標的DNAにおいて、(i)gRNAと標的DNAとの間の塩基対相補性、及び(ii)プロトスペーサー近接モチーフ(PAM)と称される短いモチーフの両方により決定される位置で生じ得る。PAMはCRISPR RNA認識配列に隣接し得る。任意選択で、CRISPR RNA認識配列はPAMに隣接している場合がある。例えば、Cas9の切断部位は、PAM配列の約1〜約10又は約2〜約5塩基対(例えば、3塩基対)上流又は下流であり得る。いくつかの場合では(例えば、S.ピオゲネス由来のCas9又は密接に関係のあるCas9が使用されるとき)、非相補鎖のPAM配列は、5’−NGG−3’(ここで、Nは、任意のDNAヌクレオチドであり、標的DNAの非相補鎖のCRISPR RNA認識配列の直ぐ3’である)であり得る。このため、相補鎖のPAM配列は、5’−CC N−3’(ここで、Nは、任意のDNAヌクレオチドであり、標的DNAの相補鎖のCRISPR
RNA認識配列の直ぐ5’である)であろう。いくつかの場合では、N及びNは相補的であり、N−N塩基対は、任意の塩基対(例えば、N=C及びN=G、N=G及びN=C、N=A及びN=T、N=T及びN=A)であり得る。
CRISPR RNA認識配列の例としては、gRNAのDNA標的化セグメントに相補的なDNA配列、又はPAM配列に加えてこのようなDNA配列が挙げられる。例えば、標的モチーフは、Casタンパク質により認識されるNGGモチーフの直前の20ヌクレオチドDNA配列、例えばGN19NGG(配列番号8)又はN20NGG(配列番号24)であり得る(例えば、国際公開第WO 2014/165825号を参照されたい)。5’末端のグアニンは、細胞のRNAポリメラーゼによる転写を容易にすることができる。CRISPR RNA認識配列の他の例は、インビトロでT7ポリメラーゼによる効率的な転写を容易にするために、5’末端に2つのグアニンヌクレオチドを含み得る(例えば、GGN20NGG;配列番号25)。例えば、国際公開第WO 2014/065596号を参照されたい。他のCRISPR RNA認識配列は、5’G又はGG及び3’GG又はNGGを含む、配列番号8、24、及び25の、4〜22ヌクレオチド長を有し得る。また他のCRISPR RNA認識配列は、配列番号8、24、及び25の、長さが14〜20のヌクレオチドを有し得る。
CRISPR RNA認識配列は、細胞に内因性又は外因性の任意の核酸配列であり得る。CRISPR RNA認識配列は、遺伝子産物(例えば、タンパク質)をコードする配列、若しくは非コード配列(例えば、調節配列)であり得るか、又は両方を含み得る。
一実施形態では、Casタンパク質は、I型Casタンパク質である。一実施形態では、Casタンパク質は、II型Casタンパク質である。一実施形態では、II型Casタンパク質はCas9である。一実施形態では、第1の核酸配列は、ヒトコドン最適化Casタンパク質をコードする。
一実施形態では、gRNAは、crRNA及びtracrRNAをコードする核酸配列を含む。特定の実施形態では、Casタンパク質はCas9である。いくつかの実施形態では、gRNAは、(a)核酸配列5’−GUUUUAGAGCUAGAAAUAGCAAGUUAAAAU AAGGCUAGUCCGUUAUCAACUUGAAAAAGUGGCACCGAGUCGGUGCUUUU−3’(配列番号1)のキメラRNA、又は(b)核酸配列5’−GUUUUAGAGCUAGAAAUAGCAAGUUAAAAUAAGGCUAGUCCG−3’(配列番号2)のキメラRNAを含む。別の実施形態では、crRNAは、5’−GUUUUAGAGCUAGAAAUAGCAAGUUAAAAU−3’(配列番号3)、5’−GUUUUAGAGCUAGAAAUAGCAAGUUAAAAUAAG(配列番号4)、又は5’−GAGUCCGAGCAGAAGAAGAAGUUUUA−3’(配列番号5)を含む。また他の実施形態では、tracrRNAは、5’−AAGGCUAGUCCG−3’(配列番号6)又は5’−AAGGCUAGUCCGU UAUCAACUUGAAAAAGUGGCACCGAGUCGGUGCUUUU−3’(配列番号7)を含む。
V.ポリヌクレオチドのアセンブリ
本明細書に開示される方法は、DNA分子を結合して実質的に無傷若しくはシームレスな2本鎖DNA分子を形成するのに十分な条件下で、少なくとも2つの核酸をアセンブルすることができる。オーバーラップ配列を有する関心の任意の核酸は、本明細書に開示される方法に従いアセンブルされ得る。例えば、自然に生じるDNA、クローン化DNA分子、合成的に生成されたDNAなどを含む、オーバーラップ配列を有する関心の任意のDNA分子をアセンブルすることができる。結合されたDNA分子は、所望する場合、本発明の方法を使用して、ベクターにクローン化される(例えば、挿入される)。2つの核酸のアセンブルは、2つの核酸の鎖を結合する任意の方法を含む。例えば、アセンブリは、各核酸からの鎖が他方とアニーリングするように、ダイジェストされた核酸を結合すること、及び伸長を含み、ここで、各鎖は、他方の伸長のための鋳型として機能する。
いくつかの実施形態では、核酸は、各核酸が一緒に直接アセンブルされる代わりに、結合体オリゴにアセンブルされるように、結合体オリゴとアセンブルされる。結合体オリゴとのアセンブリは、アセンブルされる核酸の一部ではなく結合体オリゴの一部である核酸塩基を、アセンブルされる核酸間に位置付けることができる。よって、核酸は、余分な塩基が核酸間に残っている場合でも良好にアセンブルされ得る。あるいは、結合体オリゴは、シームレスアセンブリに使用され得、その場合には余分な塩基がアセンブルされる核酸間に残らない。
いくつかの実施形態では、核酸は、Casタンパク質、制限酵素(制限エンドヌクレアーゼ)(例えば、本明細書の別の箇所で提供される様々な制限エンドヌクレアーゼのいずれか)、メガヌクレアーゼ(例えば、本明細書の別の箇所で提供される様々なメガヌクレアーゼのいずれか)、又はこれらの任意の組み合わせを用いた切断によるアセンブリのために調製され得る。例えば、アセンブルされる核酸のうちの1つは、Casタンパク質で切断され得、アセンブルされるもう1つの核酸は、Casタンパク質、制限酵素、メガヌクレアーゼ、又はこれらの任意の組み合わせで切断され得る。ヌクレアーゼでの切断後、ダイジェストされた核酸は、オーバーラップ末端配列を有するもう1つのダイジェストされた核酸に直接アセンブルされ得るか、又はダイジェストされていないがオーバーラップ末端配列を有する核酸にアセンブルされ得る。ダイジェストされた核酸はまた、結合体オリゴを使用してもう1つの核酸にアセンブルされてもよい。
2つの核酸分子間にオーバーラップ末端配列を産生するためにヌクレアーゼ剤(例えば、Casタンパク質)を採用する実施形態では、ダイジェストされた核酸をアセンブルするために、迅速なコンビナトリアル法が使用され得る。例えば、オーバーラップ末端を有する第1及び第2の核酸は、リガーゼ、エキソヌクレアーゼ、DNAポリメラーゼ、及びヌクレオチドと組み合わされ、50℃などの一定温度でインキュベートされ得る。具体的には、T5エキソヌクレアーゼが、相補的オーバーハングを産生するdsDNAの5’末端からヌクレオチドを除去するために使用され得る。次に、相補的1本鎖DNAオーバーハングがアニーリングされ、ギャップを埋めるためにDNAポリメラーゼが使用され、得られた切れ目を50℃で封止するためにTaq DNAリガーゼが使用され得る。よって、オーバーラップ末端配列を共有する2つの核酸は、1工程の等温反応で分子に結合されて共有結合的に封止され得る。例えば、Gibson,et al.(2009)Nature Methods 6(5):343〜345を参照されたい(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。いくつかの実施形態では、プロテイナーゼK又はフェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(PCI)精製が、反応混合物からヌクレアーゼ剤(例えば、Casタンパク質)を除去するために使用される。いくつかの実施形態では、ヌクレアーゼ剤(例えば、Casタンパク質)は、シリカゲル系カラム精製により反応混合物から除去され得る。
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される方法は、ベクターを直鎖状ポリヌクレオチドとアセンブルする。別の実施形態では、本明細書に開示される方法は、2つのBACベクターなど、少なくとも2つのベクターをアセンブルする。用語「BACベクター」は、任意の細菌人工染色体を含む。特定の実施形態では、BACは、直鎖状核酸の領域のヌクレオチド配列とオーバーラップするヌクレオチド配列、又は別のベクター、例えば別のBACを伴う領域を含有するように修飾される。
第1及び第2の1本鎖核酸は、それぞれの末端が互いに相補的であるとき、オーバーラップ末端を有する。第1及び第2の2本鎖核酸は、第1の核酸の鎖の5’末端が第2の核酸の鎖の3’末端に相補的であるときにオーバーラップ末端を有し、逆もまた同様である。例えば、2本鎖オーバーラップ末端配列に関して、一方の核酸の鎖は、他方の核酸の対応する鎖に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有し得る。本明細書に開示される方法において、アセンブルされるdsDNA分子の鎖の5’末端は、他方のdsDNA分子の鎖の3’末端とオーバーラップ末端配列を共有する。用語「オーバーラップ末端配列」は、dsDNA分子の両鎖を含む。よって、オーバーラップ領域からの1本の鎖は、オーバーラップ配列の相補的領域が、アセンブルされる2つのポリヌクレオチドの5’及び3’末端からの1本鎖オーバーハングで提示されるとき、その相補鎖に特異的にハイブリダイズすることができる。いくつかの実施形態では、エキソヌクレアーゼは、5’又は3’末端からヌクレオチドを除去してオーバーハング末端配列を作製するために使用される。いくつかの実施形態では、第1及び/又は第2の核酸のオーバーラップ領域は、Casタンパク質によるダイジェストの後まで5’又は3’末端上に存在しない。つまり、オーバーラップ領域は、Casタンパク質による内部オーバーラップ領域を含有する核酸(複数可)のダイジェスト後、オーバーラップ末端配列に後に変換される内部領域であり得る。Casタンパク質は、オーバーラップ領域内又はオーバーラップ領域の外側の標的部位(例えば、切断部位)で切断することができる。
オーバーラップ領域の長さは、好ましくは、領域が、アセンブルされる核酸のいずれか内で1回のみ生じるように、十分な長さのものである。この様式では、他のポリヌクレオチドは末端配列とアニーリングすることが妨げられ、アセンブリは標的核酸に特異的であり得る。オーバーラップ領域の長さは、最小約10塩基対(bp)から約300bp以上まで変動し得る。一般に、オーバーラップの長さは、ほぼ組み合わされるポリヌクレオチドのサイズ以下であるが、約10bp以上かつ約1000bp以下であることが好ましい。2つ又は3つのポリヌクレオチドの結合に関しては、約20〜30bpのオーバーラップが十分であり得る。10を超える断片に関しては、好ましいオーバーラップは、約80bp〜約300bpである。一実施形態では、オーバーラップ領域は、合成方法により容易に生成されることを可能にする長さのもの、例えば、約I40bpである。特定の実施形態では、オーバーラップ領域の長さは、約20〜200bpであり得る。オーバーラップは、長さが約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、又は1,000bpであり得る。いくつかの実施形態では、オーバーラップ領域の長さは、20〜200bpである。本明細書に開示される方法の特定の実施形態では、少なくとも2つのポリヌクレオチドがアセンブルされ得、これらのポリヌクレオチドのうちの少なくとも一方のオーバーラップ領域は、ヌクレアーゼ剤(例えば、gRNA−Cas複合体)との接触により生成される。例えば、第1のポリヌクレオチドのエンドヌクレアーゼダイジェストにより、第2のポリヌクレオチドの末端配列とオーバーラップする配列を作製することができ、このオーバーラップ末端配列が、次いでアセンブルされる。
本明細書に開示される方法において、オーバーラップ配列を、エキソヌクレアーゼと接触させて、オーバーラップ配列間の相補的配列(例えば、相補的1本鎖配列)を曝露することができる。エキソヌクレアーゼダイジェストは、相補性の曝露された1本鎖領域の特定のアニーリングを可能にするために十分な数のヌクレオチドを除去する(「噛み切る(chew back)」)のに効果的な条件下で実行される。一般に、オーバーラップの領域の一部又はオーバーラップの全領域が噛み切られ、オーバーラップの領域の一部又はオーバーラップの全領域を含むオーバーハングを残す。いくつかの方法では、エキソヌクレアーゼダイジェストは、dNTPの不在下で、ポリメラーゼ(例えば、T5 DNAポリメラーゼ)により実行され得るが、他の方法では、エキソヌクレアーゼダイジェストは、ポリメラーゼ活性を欠くdNTPの存在下で、エキソヌクレアーゼ(例えば、エキソヌクレアーゼIII)により実行され得る。
様々な5’から3’の2本鎖特異的エキソデオキシリボヌクレアーゼのいずれかが、本明細書に開示される方法において核酸の末端を噛み切るために使用され得る。用語「5’エキソヌクレアーゼ」は、時折、5’〜3エキソデオキシリボヌクレアーゼを指すように本明細書において使用される。本明細書で使用されるとき、「非加工性」エキソヌクレアーゼは、各DNA結合事象中に限られた数(例えば、たった数個)のヌクレオチドを分解するエキソヌクレアーゼである。5’エキソヌクレアーゼによるダイジェストは、DNA分子において、1本鎖3’オーバーハングを産生する。他の特性の中でも、3’エキソヌクレアーゼ活性を欠くもの、5’ホスフェート末端を生成するもの、5’−リン酸化及び非リン酸化末端の両方から分解を開始するものが、5’エキソヌクレアーゼに望ましい。平滑末端であるか、又は小さい5’若しくは3’陥凹末端を有するかにかかわらず、分子の5’末端からダイジェストを開始することができる酵素も望ましい。好適なエキソヌクレアーゼは当業者には明らかである。これらは、例えば、ファージT5エキソヌクレアーゼ(ファージT5遺伝子D15産物)、ファージラムダエキソヌクレアーゼ、RacプロファージのRecE、大腸菌由来のエキソヌクレアーゼVIII、ファージT7エキソヌクレアーゼ(ファージT7遺伝子6産物)、又は相同組換え反応に関与する様々な5’エキソヌクレアーゼのいずれかを含む。本発明の一実施形態では、エキソヌクレアーゼは、T5エキソヌクレアーゼ又はラムダエキソヌクレアーゼである。別の実施形態では、エキソヌクレアーゼは、T5エキソヌクレアーゼである。別の実施形態では、エキソヌクレアーゼは、ファージT7エキソヌクレアーゼではない。本発明の方法に採用されるエキソヌクレアーゼ及び他の酵素を調製及び使用するための方法は、慣習的であり、多くは、USB Corporation,26111 Miles Road,Cleveland,Ohio 44128又はNew England Biolabs,Inc.(NEB),240 County Road,Ipswich,Mass.01938〜2723などの商業的供給源から入手可能である。
特に、オーバーラップの領域が非常に長い実施形態では、その領域の一部(例えば、オーバーラップの領域の半分以上)を噛み切る必要があるだけだが、但し、このようにして生成された1本鎖オーバーハングが反応の条件下で特異的にアニーリングするのに十分な長さ及び塩基含量のものであることを条件とする。用語「特異的にアニーリングする」は、1本鎖オーバーハングの特定の対が、反応混合物中に存在する他の1本鎖オーバーハング(例えば、非相補的オーバーハング)ではなく、互いに優先的に(又は排他的に)アニーリングする状況を含む。「優先的に」とは、少なくとも約95%のオーバーハングが相補的オーバーハングにアニーリングすることを意味する。当業者は、所与の一連の反応条件下で、関心の配列の特定のアニーリングを達成するための最適な長さを容易に決定することができる。一般に、オーバーラップの相同領域(1本鎖オーバーハング又はそれらの補体)は同一の配列を含有する。しかしながら、部分的に同一の配列も使用され得るが、但し、1本鎖オーバーハングがその反応の条件下で特異的にアニーリングできることを条件とする。
ある特定の実施形態では、ヌクレアーゼ剤(例えば、Casタンパク質)は、dsDNAの両鎖を切り離すことなく、標的部位に1本鎖破断(すなわち、切れ目)を作製することができる。「ニッカーゼ」は、dsDNAに切れ目を作製するヌクレアーゼ剤(例えば、Casタンパク質)を含む。この様式では、dsDNAの各鎖上の標的部位に特異的な2つの別個のヌクレアーゼ剤(例えば、Casタンパク質)(例えばニッカーゼ)は、別の核酸上のオーバーハング配列又は同じ核酸上の別個の領域に相補的なオーバーハング配列を作製することができる。核酸を、dsDNAの両鎖上の標的部位に特異的な2つのニッカーゼと接触させることにより作製されたオーバーハング末端は、5’又は3’のいずれかのオーバーハング末端であり得る。例えば、オーバーハング配列が作製されるように、第1のニッカーゼは、dsDNAの第1の鎖上に1本鎖破断を作製することができ、一方で、第2のニッカーゼは、dsDNAの第2の鎖上に1本鎖破断を作製することができる。1本鎖破断を作製する各ニッカーゼの標的部位は、作製されたオーバーハング末端配列が第2の核酸上のオーバーハング末端配列に相補的であるように選択され得る。したがって、第1及び第2の核酸の相補的オーバーハング末端は、本明細書に開示される方法によりアニーリングされ得る。いくつかの実施形態では、第1の鎖上のニッカーゼの標的部位は、第2の鎖上のニッカーゼの標的部位とは異なる。dsDNAの別個の鎖上の異なる標的部位は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、75、100、250、500、又は1,000塩基対離れている1本鎖破断をもたらす。
ある特定の実施形態では、第2の核酸も、第2の核酸上の第1の標的部位に切れ目を作製する第1のニッカーゼ、及び第2の核酸分子上の第2の標的部位に切れ目を作製するニッカーゼと接触させる。第2の核酸上の2つの異なる部位の切れ目により作製されたオーバーハング末端配列は、相補的オーバーハング末端配列がアニーリングするように、第1の核酸上の2つの異なる部位の切れ目により作製されたオーバーハング末端配列に相補的であり得る。
いくつかの実施形態では、関心の遺伝子の核酸配列は、2つ以上のBACに及ぶ。このような場合では、本明細書に提供される方法を使用して、具体的に設計されたヌクレアーゼは、所望の位置で2つ以上のBACを切り離すことができ、得られた核酸断片が一緒に結合されて関心の遺伝子の配列を形成する。
いくつかの実施形態では、第1の核酸の両鎖上の異なる標的部位の切れ目により作製されたオーバーハング末端は、第2の核酸の両鎖上の異なる標的部位の切れ目により作製されたオーバーハング末端に相補的ではない。他の実施形態では、アセンブルされる核酸は、相補的末端を有さず、そのため、非相補的末端をアセンブルするためには別個の核酸が必要である。結合体オリゴは、2つの核酸の非相補的末端を結合するために使用され得る。「結合体オリゴ」には、異なるポリヌクレオチド又は核酸の末端に対する相補的配列を有するポリヌクレオチド又は核酸を含む相補的アームが含まれる。いくつかの実施形態では、結合体オリゴは、5’末端に第1の核酸に相補的なアーム、中央部分(スペーサー)、及び3’末端に第2の核酸に相補的なアームを有する。よって、互いに対して非相補的な末端配列を有する核酸は、エキソヌクレアーゼ処理後に各核酸を同じ結合体オリゴにアニーリングすることによりアセンブルすることができる。特定の実施形態では、結合体オリゴは、第1のダイジェストされた核酸の5’又は3’末端配列に相補的な第1のアーム、及び第2のダイジェストされた核酸の5’又は3’配列に相補的な第2のアームを有する。結合体オリゴは、平滑であるか又は5’若しくは3’オーバーハング配列を有する、非相補的末端配列を結合することができる。
結合体オリゴの相補的アーム配列の長さは、エキソヌクレアーゼ処理後にアセンブルされる核酸にアニーリングするのに十分であるべきである。例えば、結合体オリゴの相補的アーム配列の長さは、少なくとも約10、20、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、90、100、110、120、130、140、150bp以上であり得る。特定の実施形態では、相補的アームは、15〜120bp、20〜100bp、30〜90bp、30〜60bp、又は20〜80bpである。特定の一実施形態では、結合体オリゴの相補的アーム配列の長さは40bpである。結合体オリゴの各相補的アームは異なる長さのものであってもよい。アセンブルされる核酸に相補的な末端配列の間の結合体オリゴのスペーサーは、少なくとも約20bp、30bp、35bp、40bp、45bp、50bp、55bp、60bp、65bp、70bp、75bp、80bp、90bp、100bp、250bp、500bp、750bp、1000bp、2000bp、3000bp、4000bp、5000bp、8000bp、10kb、15kb、20kb以上であり得る。例えば、結合体オリゴのスペーサーは、BACベクター又はLTVECを含み得る。いくつかの実施形態では、結合体オリゴのスペーサーは、アセンブリの成功を確認するために、検出に特化した配列又はPCRに好適な配列を有するように設計され得る。いくつかの実施形態では、結合体オリゴのスペーサーは、1つ以上の制限酵素部位を導入するように設計され得る。いくつかの実施形態では、結合体オリゴのスペースは、薬剤耐性遺伝子又はレポーター遺伝子を導入するように設計され得る。他の実施形態では、スペーサーは、核酸をシームレスにアセンブルするために、アセンブルされる核酸の末端部分から少なくとも20bpを含有する。例えば、シームレスアセンブリに関しては、スペーサーは、約45bpであり得る。
いくつかの実施形態では、核酸対結合体オリゴ(複数可)のモル比は、約1:1〜約1:200であり得る。いくつかの実施形態では、核酸対結合体オリゴ(複数可)のモル比は、約1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:30、1:40、1:50、1:60、1:70、1:80、1:90、1:100、1:120、1:140、1:160、1:180、又は1:200である。特定の実施形態では、核酸対結合体オリゴ(複数可)のモル比は、約1:6〜約1:20であり得る。一実施形態では、モル比は約1:6である。別の実施形態では、モル比は約1:20である。
特定の実施形態では、結合体オリゴは、少なくとも2つの核酸をシームレスにアセンブルするために使用される。「シームレス」アセンブリは、アセンブルされる核酸の近接末端間に介在核酸塩基が存在しない、2つの核酸のアセンブリを指す。例えば、シームレスにアセンブルされた核酸は、アセンブルされる核酸の一部ではない核酸塩基が存在しない。2つの核酸をシームレスにアセンブルするために、結合体オリゴのスペーサーは、アセンブルされる第1又は第2の核酸のいずれかの末端部分と同一の核酸配列を含むべきである。この末端部分は、結合体オリゴとアセンブルする前に核酸から除去されるべきである。例えば、末端部分は、核酸の末端から少なくとも40bp又は少なくとも45bpなど、核酸の末端から少なくとも20bpがヌクレアーゼ剤(例えば、gRNA−Cas複合体)により切断され得る。あるいは、末端部分は、アセンブルされる核酸の末端から少なくとも2、少なくとも4、少なくとも6、少なくとも8、少なくとも10、少なくとも12、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも37、少なくとも40、少なくとも42、少なくとも45、少なくとも48、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも100、少なくとも110、少なくとも120、少なくとも130、少なくとも140、少なくとも150bpがヌクレアーゼ剤(例えば、gRNA−Cas複合体)により切断され得る。
一実施形態では、結合体オリゴは、5’末端から3’末端までに、5’核酸に対する約15〜120bpのオーバーラップ、約20〜50bpの5’核酸の3’末端領域、及び3’核酸に対する約15〜120bpのオーバーラップを含み得る。一実施形態では、結合体オリゴは、5’末端から3’末端までに、5’核酸に対する約15〜120bpのオーバーラップ、約20〜50bpの3’核酸の5’末端領域、及び3’核酸に対する約15〜120bpのオーバーラップを含み得る。よって、結合体オリゴが第1及び第2の核酸にアセンブルされるとき、結合体オリゴのスペーサーは、アセンブリ前に核酸から除去された部分を再構築する。図5及び図6を参照されたい。用語「再構築」は、結合体オリゴにアセンブルされたときに完全にアセンブルされた核酸を提供するために、切断された核酸の末端部分を置き換えることを含む。例えば、切断された核酸の再構築により、核酸の切断された部分が、切断された部分と同一の配列を有する結合体オリゴのスペーサーに含まれる核酸で置き換えられる。
結合体オリゴは、第1及び第2の核酸分子に同時に又は連続的にアセンブルされ得る。同時にアセンブルされるとき、結果として得られるアセンブルされた核酸が、第1の核酸、結合体オリゴ、及び第2の核酸を含むように、結合体オリゴを、同じ反応混合物において第1及び第2の核酸と接触させることができる。連続的にアセンブルされるときは、結合体オリゴにアセンブルされた第1の核酸を含むが、第2の核酸を含まないアセンブルされた核酸を産生するアセンブリ反応において、結合体オリゴを第1の核酸と接触させる。このようなアセンブルされた核酸を、次に、第1の核酸、結合体オリゴ、及び第2の核酸を含むアセンブルされた核酸を産生する別個のアセンブリ反応において、第2の核酸と接触させることができる。他の実施形態では、結合体オリゴにアセンブルされた第2の核酸を含むが、第1の核酸を含まないアセンブルされた核酸を産生するアセンブリ反応において、結合体オリゴを第2の核酸と接触させる。このようなアセンブルされた核酸を、次に、第1の核酸、結合体オリゴ、及び第2の核酸を含むアセンブルされた核酸を産生する別個のアセンブリ反応において、第1の核酸と接触させることができる。
核酸分子をアセンブルするために、任意の数の結合体オリゴが本明細書の方法において使用され得る。例えば、1つの結合体オリゴが2つの核酸分子をアセンブルするために使用され得る、2つの結合体が3つの核酸分子をアセンブルするために使用され得る、3つの結合体オリゴが4つの核酸分子をアセンブルするために使用され得る、4つの結合体オリゴが5つの核酸分子をアセンブルするために使用され得る、又は5つの結合体オリゴが6つの核酸分子をアセンブルするために使用され得る。結合体オリゴの数は、アセンブルされる核酸分子の数により、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10以上であり得る。
いくつかの実施形態では、結合体オリゴはgBlock DNAを含む。「gBlock」は、直鎖状2本鎖DNA断片である。gBlockは、約50bp〜約2000bpであり得る。gBlockは、約50bp〜約100bp、約100bp〜約200bp、約200bp〜約300bp、約300bp〜約400bp、約400bp〜約500bp、約500bp〜約600bp、約600bp〜約800bp、約800bp〜約1000bp、約1000bp〜約1250bp、約1250bp〜約1500bp、約1500bp〜約1750bp、又は約1750bp〜約2000bpであり得る。
gBlockによる2つ以上の核酸のアセンブリは、例えば、本明細書の別の箇所(例えば、実施例10)に記載されるPCRアッセイによりスクリーニングされ得る。いくつかの場合では、gBlockは、選択カセットを含まない。このような方法は、簡単なPCRアッセイによりスクリーニングすることができる2つ以上の核酸分子の迅速な結合を可能にする。gBlockは、関心の任意の核酸配列を含み得る。いくつかの場合では、gBlockは、ヌクレアーゼ剤の標的部位、又は本明細書に提供される様々なメガヌクレアーゼ若しくは制限酵素のいずれかの標的部位を含み得る。他の実施形態では、gBlockは選択カセットを含み得る。いくつかの実施形態では、gBlockは関心のDNA配列を含む。一実施形態では、gBlockはヒトDNA配列を含む。
アセンブルされる核酸又は様々な結合体オリゴのいずれかは、選択カセット又はレポーター遺伝子も含み得る。選択カセットは、選択マーカーをコードする核酸配列を含み得、該核酸配列はプロモーターに操作可能に連結される。プロモーターは、関心の原核細胞において活性であり、かつ/又は関心の真核細胞において活性であり得る。このようなプロモーターは、誘導性プロモーター、レポーター遺伝子若しくは細胞に内因性のプロモーター、レポーター遺伝子若しくは細胞とは異種のプロモーター、細胞特異的プロモーター、組織特異的プロモーター、又は発達段階特異的プロモーターであり得る。一実施形態では、選択マーカーは、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ(neo)、ハイグロマイシンBホスホトランスフェラーゼ(hyg)、ピューロマイシン−N−アセチルトランスフェラーゼ(puro)、ブラストサイジンSデアミナーゼ(bsr)、キサンチン/グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(gpt)、及び単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(HSV−k)、並びにこれらの組み合わせから選択される。標的ベクターの選択マーカーは、上流若しくは下流の相同性アームに隣接するか、又は相同性アームに対して5’若しくは3’のいずれかに見出すことができる。
一実施形態では、アセンブルされる核酸又は様々な結合体オリゴのいずれかは、プロモーターに操作可能に連結されるレポーター遺伝子を含み、該レポーター遺伝子は、LacZ、mPlum、mCherry、tdTomato、mStrawberry、J−Red、DsRed、mOrange、mKO、mCitrine、Venus、YPet、強化された黄色蛍光タンパク質(EYFP)、Emerald、強化された緑色蛍光タンパク質(EGFP)、CyPet、シアン蛍光タンパク質(CFP)、Cerulean、T−Sapphire、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されたレポータータンパク質をコードする。このようなレポーター遺伝子は、細胞において活性プロモーターに操作可能に連結され得る。このようなプロモーターは、誘導性プロモーター、レポート遺伝子若しくは細胞に内因性のプロモーター、レポーター遺伝子若しくは細胞とは異種のプロモーター、細胞特異的プロモーター、組織特異的プロモーター様式、又は発達段階特異的プロモーターであり得る。
1本鎖DNA(例えば、結合されるDNA分子が、各鎖上の異なる標的部位で切れ目を作製することにより産生されたdsDNA又はオーバーハングであるとき、エキソヌクレアーゼの作用により産生されたオーバーハング)のアニーリング後、エキソヌクレアーゼによって残された1本鎖ギャップは、好適な非鎖置換DNAポリメラーゼで充填され、これによりリガーゼで封止された切れ目が形成される。本明細書で使用されるとき、「非鎖置換DNAポリメラーゼ」は、dsDNA分子のコピーを進めていくときにその経路に存在するDNA鎖に遭遇したときにDNAの合成を終わらせる、又はこれにより作製されたギャップを同時に充填し、それにより「移動切れ目」(切れ目翻訳)を生成しながら進んでいくときに遭遇したDNA鎖を分解するDNAポリメラーゼである。
いくつかの実施形態では、オーバーラップ末端配列は、各ポリヌクレオチドの1本鎖相補的末端をアニーリングするために十分な相補性を、オーバーラップ領域間に有する。第1のポリヌクレオチドの1本鎖を第2のポリヌクレオチドの相補鎖にアニーリングした後、第1のポリヌクレオチドの3’末端は、第2のポリヌクレオチド鎖の鋳型に基づいて伸長され得、第2のポリヌクレオチド鎖の3’末端は、第1のポリヌクレオチド鎖の鋳型に基づいて伸長され得る。各ポリヌクレオチドの相補的3’末端を伸長することにより、ポリヌクレオチドがアセンブルされ得る。アセンブリ後、一方の断片からの鎖の伸長した3’末端と他方の断片からの鎖の近接する5’末端との間の切れ目は、ライゲーションにより封止され得る。より具体的には、第1のポリヌクレオチドの伸長した3’末端のヒドロキシル基を第2のポリヌクレオチドの5’末端のリン酸基に、及び第2のポリヌクレオチドの伸長した3’末端のヒドロキシル基を第1のポリヌクレオチドの5’末端のリン酸基にライゲーションする。
ライゲーション反応は、様々な好適な熱安定性DNAリガーゼのいずれかにより行うことができる。中でも、例えば、Taqリガーゼ、Ampligase熱安定性DNAリガーゼ(Epicentre Biotechnologies)、米国特許第6,576,453号に開示される熱安定性リガーゼ、熱安定性Tfi DNAリガーゼ(Bioneer,Inc.,)が好適なリガーゼである。
反応混合物におけるPEGなどの好適な量のクラウディング剤は、分子クラウディングを強化又は容易にすることを可能にする。いかなる特定の理論に束縛されることを望むわけではないが、分子クラウディングを可能にし、溶液中の水に結合及びそれを結び付けるクラウディング剤は、溶液の構成要素を互いに密接に接触させることが示唆されている。例えば、組換えられるDNA分子が、密接に近位になることができ、これにより1本鎖オーバーハングのアニーリングが容易になる。また、酵素が、それらのDNA基質と密接に接触することができ、水分子の除去により安定化され得ることが示唆される。様々な好適なクラウディング剤が当業者には明らかであろう。これらは、ポリマー、例えばポリエチレングリコール(PEG)などの様々な周知の巨大分子、Ficoll 70などのFicoll、デキストラン70などのデキストランなどを含む。本出願における考察の多くはPEGを対象とする。しかしながら、考察は、他の好適なクラウディング剤にも当てはまることが意図される。当業者は、他のクラウディング剤の使用を調整するために、本方法において日常的な変更をどのように実施するかを認識するだろう。
反応混合物におけるPEGなどの好適な量のクラウディング剤は、分子クラウディングを強化又は容易にすることを可能にする。例えば、クラウディング剤は、組換えられるDNA分子が、密接に近位になり得るのを助けることができ、よって、これにより、1本鎖オーバーハングのアニーリングが容易になる。また、酵素が、それらのDNA基質と密接に接触することができ、水分子の除去により安定化され得ることが示唆される。様々な好適なクラウディング剤が当業者には明らかであろう。これらは、ポリマー、例えばポリエチレングリコール(PEG)などの様々な周知の巨大分子、Ficoll 70などのFicoll、デキストラン70などのデキストランなどを含む。一般に、PEGが使用されるとき、約5%(重量/体積)の濃度が最適である。しかしながら、PEGの量は、例えば、約3〜約7%の範囲であり得る。例えば、約PEG−200(例えば、PEG−4000、PEG−6000、又はPEG−8000)〜約PEG−20,000、又は更にはそれ以上の範囲の任意の好適なサイズのPEGを使用することができる。本明細書の実施例において、PEG−8000が使用された。クラウディング剤は、アニーリング反応の強化に加えて、ライゲーションを強化する。
アセンブリ反応混合物中に存在する反応構成要素(塩、緩衝液、好適なエネルギー源(ATP又はNADなど)、反応混合物のpHなど)は、個々の酵素(エキソヌクレアーゼ、ポリメラーゼ、リガーゼ)に最適ではない場合があるが、むしろそれらは、一連の反応全体に効果的である妥協点として機能する。例えば、発明者により特定された1つの好適な緩衝系は、本明細書において、時折、ISO(ISOthermal)と称される。緩衝液は典型的には、0.1Mのトリス−Cl(pH7.5)、10mMのMgCl.sub.2、0.2mMのdGTP、dATP、dTTP、及びdCTP(それぞれ)、10mMのDTT、5% PEG−8000、並びに1mMのNADを含む。
本明細書に開示される方法において、核酸をアセンブルするのに効果的な条件下で、少なくとも2つの核酸をCasタンパク質及び他の酵素と接触させて、オーバーラップ領域の単一コピーが維持されるアセンブルされた2本鎖DNA分子を形成する。記載の方法は、自然に生じるDNA、クローン化DNA分子、合成的に生成されたDNAなどを含む、関心の任意のDNA分子を結合するために使用され得る。結合されたDNA分子は、所望する場合、ベクターにクローン化されてもよい(例えば、本発明の方法を使用して)。いくつかの実施形態では、アセンブルされる核酸は、関心の細胞(例えば、ゲッ歯類細胞、マウス細胞、ラット細胞、ヒト細胞、哺乳類細胞、微生物細胞、酵母細胞など)における導入及び発現のためにコドン最適化される。
任意の長さのDNA分子は、本明細書に開示される方法により結合され得る。例えば、約100bp〜約750又は1,000以上を有する核酸が結合され得る。本明細書に記載される方法に従う1つ又はいくつかのアセンブリ段階においてアセンブルされ得る核酸の数は、少なくとも約2、3、4、6、8、10、15、20、25、50、100、200、500、1,000、5,000、又は10,000のDNA分子、例えば約2〜約30の核酸の範囲であり得る。アセンブリ段階の数は、約2、4、6、8、10以上であり得る。単一段階でアセンブルされる分子の数は、約2〜約10分子の範囲であり得る。本発明の方法は、DNA分子又はカセットを一緒に結合するために使用され得、これらのそれぞれは、少なくとも約40bp、60bp、80bp、100bp、500bp、1kb、3kb、5kb、6kb、10kb、18kb、20kb、25kb、32kb、50kb、65kb、75kb、150kb、300kb、500kb、600kb、1Mb以上、又はこれらを超えない開始サイズを有する。アセンブルされた末端産物は、少なくとも約500bp、1kb、3kb、5kb、6kb、10kb、18kb、20kb、25kb、32kb、50kb、65kb、75kb、150kb、300kb、500kb、600kb、1Mb以上、例えば30kb〜1Mbの範囲であり得る。
いくつかの実施形態では、アセンブルされた核酸は、環を形成し、かつ/又はベクターにライゲーションされて環を形成する。環状化するためのdsDNAの下限サイズは、約200塩基対である。したがって、結合された断片の全長(いくつかの場合では、ベクターの長さを含む)は、長さが少なくとも約200bpである。特定の上限サイズはなく、数百キロ塩基対以上の結合されたDNAが本明細書に開示される方法により生成され得る。結合された核酸は、環又は直鎖状分子のいずれかの形態を取ることができる。
本明細書に記載される方法は、直鎖状断片と別の直鎖状断片、直鎖状断片と環状核酸分子、環状核酸分子と別の環状核酸分子、又は直鎖状及び環状核酸の任意の組み合わせをアセンブルするために使用され得る。「ベクター」は、任意の環状核酸分子を含む。ある特定の実施形態では、本明細書に開示される方法によりアセンブルされたベクターは、細菌人工染色体(BAC)である。ベクター(例えば、BAC)は、ヒトDNA、ゲッ歯類DNA、合成DNA、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。例えば、BACは、ヒトポリヌクレオチド配列を含み得る。DNA分子の混合物を結合するとき、ほぼ等モル量でDNAが存在することが好ましい。
本明細書に開示される方法でアセンブリするために使用される核酸は、大きい標的化ベクターであり得る。用語「大きい標的化ベクター」又は「LTVEC」には、細胞において相同性標的化に使用される核酸配列に対応及び由来する相同アームを含む、並びに/又は細胞において相同性組換え標的化を行うことが意図される核酸配列を含むインサート核酸を含む、ベクターが含まれる例えば、LTVECは、それらのサイズ制限のため、従来のプラスミド系標的化ベクターで対処することができない大きい遺伝子座の修飾を可能にする。特定の実施形態では、LTVECの相同アーム及び/又はインサート核酸は、真核細胞のゲノム配列を含む。LTVECのサイズは、従来のアッセイ、例えば、サザンブロッティング及びロングレンジ(例えば、1kb〜5kb)PCRで標的化事象のスクリーニンを可能にするには大きすぎる。LTVECの例としては、細菌人工染色体(BAC)、ヒト人工染色体、又は酵母人工染色体(YAC)に由来するベクターが挙げられるが、これらに限定されない。LTVEC及びこれらを作製するための非限定的な例は、例えば、米国特許第6,586,251号、同第6,596,541号、同第7,105,348号、及び国際公開第WO 2002/036789号(PCT/US01/45375)、並びに米国公開第US 2013/0137101号に記載されており、これらのそれぞれは参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、後に除去され得るカセットがベクター内に挿入され得る。様々な形態のカセットが、特定の発達段階で又は誘導時に、特定の細胞又は組織型において欠失を可能にするように構築され得る。このようなカセットは、カセットが両側でリコンビナーゼ認識部位に隣接し、所望の発達段階で発現される、又は誘導時に発現若しくは活性化される所望の細胞型において発現されるリコンビナーゼを使用して除去され得る、リコンビナーゼ系を採用することができる。このようなカセットは、米国公開第US 2011/0104799号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載される、ヌル、条件付き、又は条件付き/ヌルの組み合わせの対立遺伝子が生成されるように配置される多くの異なるリコンビナーゼ認識部位の対を含むように更に構築されてもよい。リコンビナーゼ遺伝子の調節は、リコンビナーゼ遺伝子を、細胞特異的、組織特異的、若しくは発達的に調節されたプロモーター(又は他の調節要素)に操作可能に連結することによる、又はリコンビナーゼ遺伝子を、特定の細胞型、組織型、若しくは発達段階でのみ転写されるmiRNAの認識部位を含む3’−UTRに操作可能に連結することなどによる、様々な方法で制御され得る。リコンビナーゼは、例えば、エフェクター若しくは代謝産物(例えば、CreERT2、その活性はタモキシフェンにより正に制御される)の制御下にリコンビナーゼを配置する融合タンパク質を採用することにより、又は誘導性プロモーター(例えば、その活性がドキシサイクリン及びTetR又はTetRバリアントにより制御されるもの)の制御下にリコンビナーゼ遺伝子を配置することにより調節することもできる。カセットの様々な形態及びリコンビナーゼ遺伝子を調節するための手段の例は、例えば、米国特許第US 8,518,392号、同第US 8,354,389号、及び同第US 8,697,851号に提供されており、これらのそれぞれは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本明細書に開示される、アセンブルに使用されるベクター(例えば、LTVEC)は、約20kb〜約400kb、約20kb〜約30kb、約30kb〜40kb、約40kb〜約50kb、約50kb〜約75kb、約75kb〜約100kb、約100kb〜125kb、約125kb〜約150kb、約150kb〜約175kb、約175kb〜約200kb、約200kb〜約225kb、約225kb〜約250kb、約250kb〜約275kb、又は約275kb〜約300kb、約200kb〜約300kb、約300kb〜約350kb、約350kb〜約400kb、約350kb〜約550kbを含むが、これらに限定されない任意の長さのものであり得る。一実施形態では、LTVECは約100kbである。
核酸をアセンブルするための、本明細書に提供される方法は、約5kb〜約10kb、約10kb〜約20kb、約20kb〜約40kb、約40kb〜約60kb、約60kb〜約80kb、約80kb〜約100kb、約100kb〜約150kb、又は約150kb〜約200kb、約200kb〜約300kb、約300kb〜約400kb、約400kb〜約500kb、約500kb〜約1Mb、約1Mb〜約1.5Mb、約1.5Mb〜約2Mb、約2Mb〜約2.5Mb、又は約2.5Mb〜約3Mbの欠失を可能にするように設計され得る。
他の場合では、本明細書に提供される方法は、約5kb〜約10kb、約10kb〜約20kb、約20kb〜約40kb、約40kb〜約60kb、約60kb〜約80kb、約80kb〜約100kb、約100kb〜約150kb、約150kb〜約200kb、約200kb〜約250kb、約250kb〜約300kb、約300kb〜約350kb、又は約350kb〜約400kbの範囲の外因性核酸配列の挿入を可能にするように設計される。一実施形態では、インサートポリヌクレオチドは約130kb又は約155kbである。
直鎖状核酸は、本明細書に開示される方法により、互いにアセンブルされ得るか、又はベクターにアセンブルされ得る。直鎖状分子は、エンドヌクレアーゼ(例えば、Casタンパク質)、又は任意の合成、人工、若しくは自然に生じる直鎖状核酸によりダイジェストされたベクターであり得る。ある特定の実施形態では、直鎖状核酸は、末端配列が別の核酸の領域とオーバーラップするように作製される。直鎖状核酸のオーバーラップ末端配列は、カスタマイズした核酸配列を生成するために、当該技術分野に既知の任意の方法により導入され得る。例えば、末端配列は、合成的に産生された分子の一部であり得る、PCRにより導入され得る、又は従来のクローニング技術により導入され得る。
以下の実施例は、当業者に本発明をどのように作製し、使用するかの完全な開示及び説明を提供するために提示されるものであり、発明者が彼らの発明と見なすものの範囲を制限することを意図するものでも、以下の実験が、行われた全て又は唯一の実験であると示すことを意図するものでもない。使用された数字(例えば、量、温度など)に対する精度を確保する努力がなされたが、ある程度の実験誤差及び偏差が考慮されるべきである。特に示されない限り、部は重量部であり、分子量は重量平均分子量であり、温度は摂氏度であり、圧力は大気又はほぼ大気である。
実施例1:CAS9によるBACダイジェスト、続いて選択カセットによるアセンブリ
人工crRNA及び人工tracrRNAを、3kb PCR産物(UB−HYG)とのアセンブリのために、MAID 6177(116kb LTVEC)において特定の配列を標的とするように設計した。PCR産物は、ベクターとの50bpのオーバーラップを含有していた。最初に、crRNA及びtracrRNAをDuplex緩衝液(30mM HEPES、pH7.5、100mM酢酸カリウム)中100uMに溶解する。RNAをアニーリングするために、10ulの100uM crRNA及び10ulの100uM tracrRNAを80ulのアニーリング緩衝液に添加した。90℃の温度のブロックにおいてRNAを加熱し、次に、ヒーターからブロックを取り出し、ベンチ上で冷却する。RNAの最終濃度は約10uMである。
BACをダイジェストするために、清浄なmaxiprep BAC DNAを使用し、以下の混合物によりBACをダイジェストする。
37°で1時間ダイジェストし、次に30分間脱塩する。最終反応緩衝液は、15ulの最終体積に関して、20mMトリス(7.5)、100〜150mM NaCl、10mM MgCl2、1mM DTT、0.1mM EDTA、100ug/ml BSAを含有する。
BAC及びインサートをアセンブルするために、プラスミドをダイジェストするか、又はPCRを行い、インサートを作製する。PCR反応に関して、少量のアリコートをゲル上で走らせ、単一産物を探し、産物が単一バンドを有する場合、ゲル抽出の代わりにPCRクリーンアップを行う。BAC:インサートに関して、1:1〜1:6のモル比が望ましい。通常、50ngの精製されたインサートが用をなす。以下の反応ミックスを使用することができる:
氷上で、又は50℃のPCR機械に直接、DNA及びミックスを添加する。50℃で1時間インキュベートする。0.5uLのプロテイナーゼK(20mg/ml)を添加し、50℃で1時間インキュベートする。30分間脱塩し、DH10B細胞内に8ulの反応物を電気穿孔する。ダイジェスト効率をチェックするために、10ulのBACダイジェストをパルスフィールドゲル上で走らせることができる。RNaseを含まない水及び緩衝液を使用する。
アセンブリ反応は以下のように実行される:等温緩衝液:3mLの1Mトリス−HCL(pH7.5)、150ulの2M MgCl、それぞれ60ulの100mM:dGTP、dATP、dTTP、dCTP、300ulの1M DTT、1.5gのPEG8000、300ulの100mM NAD。等温緩衝液は、−20℃で320ulのアリコートに保存される。マスターミックスは以下のように調製される:320ulの等温緩衝液、0.64ulのT5エキソヌクレアーゼ(ストック濃度=10U/ul)、20ulのPhusion DNAポリメラーゼ(ストック濃度=2U/ul)、160ulのTaq DNAリガーゼ(ストック濃度=40U/ul)、699.36ulのHOを一緒に混合し、15ul又は30ulのアリコートにし、−20℃で保存する。総体積20ulの反応において、15ulのマスターミックス(MM)を使用する。
実施例において使用されたtracr RNA配列は、
CAAAACAGCAUAGCAAGUUAAAAUAAGGCUAGUCCGUUAUC(配列番号9)である。このCRISPR RNA(crRNA)は、(1)標的配列に相補的なRNAの約20のヌクレオチド、及び(2)tracrRNAにアニーリングされるテイル配列(GUUUUAGAGCUAUGCUGUUUUG(配列番号10))を含有する。
これらの工程は、図1に概説される。
実施例2:2つのオーバーラップするBACを一緒に縫合する:マウスMHC II遺伝子座におけるヒト化HLA−DQ+ヒト化HLA−DR(H2−A/H2−E)
人工crRNA及び人工tracrRNAを、ヒト化HLA−DR BACとのアセンブリのために、ヒト化HLA−DQ BACにおいて特定の配列を標的とするように設計した。ベクターは、各ベクター上の2つの部位でCas9切断により作製された、互いに約70bpのオーバーラップを含有していた(図2を参照)。crRNA及びtracrRNAをHybe緩衝液中100uMに溶解する。RNAをアニーリングするために、10ulの100uM crRNA及び10ulの100uM tracrRNAを80ulのアニーリング緩衝液に添加した。90℃の加熱ブロックにRNAを設置し、次に、ヒーターからブロックを取り出し、ベンチ上で冷却する。RNAの最終濃度は約10uMである。
BACをダイジェストするために、清浄なmaxiprep BAC DNAを使用した。各BACは以下の混合物により個別にダイジェストされ得る。
BACベクターを、37℃で1時間ダイジェストし、次に、65℃で20分間、熱不活性化するべきである。30分間脱塩する。ダイジェストされたDNAを、フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(PCI)抽出を介して精製し、次に35ulのTE緩衝液に再懸濁した。
ベクターをアセンブルするために、2.5uLのBACを、以下のように、アセンブリ反応に使用する。
氷上で、又は50℃のPCR機械に直接、DNA及びミックスを添加する。50℃で1時間インキュベートする。30分間脱塩し、DH10B細胞内に8ulのアセンブルしたDNAを電気穿孔する。RNaseを含まない水及び緩衝液を使用する。
実施例において使用されたtracr RNA配列は、CAAAACAGCAUAGCAAGUUAAAAUAAGGCUAGUCCGUUAUC(配列番号9)である。このCRISPR RNA(crRNA)は、(1)標的配列に相補的なRNAの約20ヌクレオチド、及び(2)tracrRNAにアニーリングされるテイル配列(GUUUUAGAGCUAUGCUGUUUUG(配列番号10))を含有する。
これらの工程は、図2に概説される。
実施例3:リンカーを使用して2つの異なるプラスミドから2つのCas9で切断した断片をアセンブルする
標的化ベクターを構築するために、pMJ8502xを、2つの同一のcrRNAで切断して、400bp断片及び2283bp Amp骨格を取り出した。(図7)。全反応物の精製には、Qiagenカラムを使用した。次に、R6KZenUbiNeoを、2つの異なるcrRNAで切断して、Neo耐性(1086bp)及び骨格(5390bp)に分離した。全反応物の精製には、Qiagenカラムを使用した。(図7)。切断反応:1170ngのDNA、30ulの緩衝液、4ulのアニーリングしたRNA(100uM)、1.7ulのCas9(0.89ng/ul)、60ulまでのHO。混合物を37℃で1時間インキュベートし、30ulの溶出緩衝液において溶出する前に、Qiagenカラムで精製した。
次に、切断した断片を2つのリンカーでアセンブルして、以下の反応混合物により、シームレスアセンブリを得た:0.5ulのリンカー1(5ng)、0.5ulのリンカー2(5ng)、2ulのNeo切断部(約60ng)、2ulのAmp切断部(約60ng)、15ulのアセンブリマスターミックス。混合物を50℃で1時間インキュベートし、反応物をHOに対して透析した。Carb/Kanプレート上で平板培養する前に、10ulの反応物をエレクトロコンピテントPir細胞内に電気穿孔した。接合部にわたるPCRは、選択されたコロニーの6/8が正しいものであったことを示し、スクリーニングにより確認した。
実施例4:リンカーを使用してBACの一部をカセットに置き換える
ノックアウトマウス標的化ベクターを構築するために、40kbのBAC標的化ベクターを、組換え認識部位に隣接する選択カセットに置き換えた。(図8)。mBACから関心の領域を除去し、選択カセットを挿入するように2つのリンカー(1つは5’用、そして1つは3’用)を設計した。リンカーは、mBACに対する40bpのオーバーラップ、及び選択カセットに対する40bpのオーバーラップを有していた。最初に、以下の反応により、206kbの標的化ベクター(mBAC)のうちの39.5kbを切断した。500ulの反応物(HOで増やす):1ulのCas9(0.89ug/ul)、各RNA2本鎖を2ulずつ(50uM)、250ulの緩衝液、220ul(12.5ng)のBAC maxi prepを添加し、37℃で1時間インキュベートする。ダイジェストしたDNAを、フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(PCI)抽出を介して精製し、次に、55ulのTE緩衝液に再懸濁した。mBAC切断のPCIクリーンアップ後、50℃で1時間アセンブリを行い、10ulの反応物をDH10B細胞内に電気穿孔した。(図9)。接合部にわたる配列決定により正しいアセンブリが確認された。(図10)。リンカー1(結合体オリゴ1)は、mBAC配列からカセット配列までシームレスである(配列番号12)。リンカー2(結合体オリゴ2)は、カセット配列からmBAC配列までシームレスである(配列番号13)。
実施例5:リンカー(結合体オリゴ)を使用して2つのBACベクターをアセンブルする
BACライゲーションによりヒト遺伝子を挿入するための、マウスゲノム領域に対する相同性アームと制限部位を含有する標的化ベクターを作製するために、Cas9/等温アセンブリにより2つのmBACを縫い合わせることを利用した。この標的化ベクターを、BACライゲーションに用いてヒト化標的化ベクターを作製した。mBACを、以下の反応により切断した:12.5ugのDNA、各アニーリングされたRNAを2ulずつ(50uM)、10ulのCas9(0.89ug/ul)、250ulの緩衝液、500ulまでのHO。混合物を37℃で1時間インキュベートし、フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(PCI)抽出で洗浄し、20ulのTEに再懸濁した。次に、以下の反応により、リンカーを用いて2つのマウスBACを一緒にアセンブルした(図11):6ul(2ug)のbMQ−208A16切断、5.6ul(2ug)のbMQ−50F19切断、各リンカーを0.25ulずつ(50uM)、4.3ul(100ng)の選択カセット(Ubi−Hyg)カセット、12ulの高濃度アセンブリマスターミックス、11.35ulのHO。反応混合物を50℃で1時間インキュベートし、30℃のHOに対して透析した。10ul又は30ulの透析した反応物を使用してDH10B細胞を形質転換した。サンガー配列決定により全ての接合部を確認した。イルミナ配列決定により全ての接合部を確認した(図12及び配列番号17)。リンカー1は、mBACからカセット(配列番号14)までシームレスである。リンカー2は、カセットからmBACまでシームレスではない。プロジェクト設計の通り、ヒトスペーサー配列を組み込んでいる。リンカー3は、mB2からmB3までシームレスではない。PCR検証に使用された固有の配列を組み込んでいる。この領域は、ES電気穿孔のために直線化されたときに除去された(配列番号15)。
図13は、4つのリンカー及び等温アセンブリを使用して大きいヒト遺伝子断片をmBAC上に挿入するために4つの結合体オリゴ(リンカー)を使用する例を図示する。
実施例6:切断及びアセンブリ用の試薬及び反応混合物
Crispr RNA(crRNA)(ssRNAとして注文)は、(1)切断のための標的領域に相補的であるRNAの20ヌクレオチド、及び(2)tracr RNA:<20nt crisprRNA>GUUUUAGAGCUAUGCUGUUUUG(配列番号10)にアニーリングするテイルを含有する。
Tracr RNA(ssRNAとして注文):GUUGGAACCAUUCAAAACAGCAUAGCAAGUUAAAAUAAGGCUAGUCCGUUAUCAACUUGAAAAAGUGGCACCGAGUCGGUGCUUUUUUU(配列番号11)。
全てのRNAを、HO中100uMに再懸濁する。それぞれ2.5ulのcrRNA及びtracrRNAを、5ulのアニーリング緩衝液と混合する(最終濃度:10mMトリス(pH7.5〜8.0)、50mM NaCl、1mM EDTA)。次に、混合物を95℃で5分間インキュベートし、1時間かけてゆっくり室温に冷却する。Cas9
2X切断緩衝液は、40mM HEPES pH7.5(最終=20mM)、300mM KCl(最終=150mM)、1mM DTT(最終=0.5mM)、0.2mM EDTA(最終=0.1mM)、20mM MgCl2(最終=10mM)を含有する。
大規模なCas9切断反応:室温で、500ulまでHO、250ulの切断緩衝液(2倍)、12.5ugのDNA、各RNAを2ulずつ(50uM濃度)、10ulのCas9(0.89mg/ml濃度)を順に添加し、37℃で1時間インキュベートする。
この反応は、必要に応じて、例えば、50ulまでHO、25ulの切断緩衝液、125ngのDNA、各RNAを2ulずつ(5uM濃度)、1ulのCas9(0.89mg/ml濃度)に縮小し、37℃で1時間インキュベートすることができる。
アセンブリ反応は以下のように実行される:等温緩衝液:3mLの1Mトリス−HCL(pH7.5)、150ulの2M MgCl、それぞれ60ulの100mM:dGTP、dATP、dTTP、dCTP、300ulの1M DTT、1.5gのPEG8000、300ulの100mM NAD。等温緩衝液は、−20℃で320ulのアリコートに保存される。マスターミックスは以下のように調製される:320ulの等温緩衝液、0.64ulのT5エキソヌクレアーゼ(ストック濃度=10U/ul)、20ulのPhusion DNAポリメラーゼ(ストック濃度=2U/ul)、160ulのTaq DNAリガーゼ(ストック濃度=40U/ul)、699.36ulのHOを一緒に混合し、15ul又は30ulのアリコートにし、−20℃で保存する。総容量20ulの反応物において、15ulのマスターミックス(MM)を使用する。
あるいは、高濃度のマスターミックス(GA MM HC)を以下のように作製することができる:320ulのiso−thermal緩衝液、0.64ulのT5エキソヌクレアーゼ(ストック濃度=10U/ul)、20ulのPhusion DNAポリメラーゼ(ストック濃度=2U/ul)、160ulのTaq DNAリガーゼ(ストック濃度=40U/ul)を一緒に混合し、6ul又は12ulのアリコートにし、−20℃で保存する。総容量20ulの反応物において、6ulのマスターミックスを使用する。
全てのアセンブリ反応に関して、DNAの濃度が決定されるべきであり(例えば、Nano Dropにより)、1:6のモル比(ベクター対インサート(複数可))が使用される。標準的な濃度に関しては、15ulのアセンブリマスターミックスが使用される。DNA及び水は、200ulのPCRチューブにおいて、最終体積が20ulになるまで添加される。反応は、50℃で1時間、熱サイクラーにおいて実行される。次に、反応物は−20℃で保存され得る。高濃度に関しては、6ulの高濃度アセンブリマスターミックスが使用される。DNA及び水は、200ulのPCRチューブにおいて、最終体積が20ulになるまで添加される。反応は、50℃で1時間、熱サイクラーにおいて実行される。次に、反応物は−20℃で保存され得る。反応の完了時に、10ulを30分間水に対して透析し、適切なエレクトロコンピテント細胞(例えば、DH10B又はPir+細胞)内に電気穿孔する。
Cas9/等温アセンブリ反応:Cas9ダイジェストに関して、各DNAを2.5ugずつ(例えば、BAC DNA)、それぞれ4ulの10uMガイド/tracr RNA、及び5ulのCas9タンパク質(0.89mg/ml)を37℃で2時間ダイジェストする。反応物を、65℃で20分間熱不活性化し、フェノールクロロホルム抽出し(例えば、Cas9タンパク質を除去するために)、70%エタノールで1回洗浄し、DNAを35ulの水に再懸濁する。等温アセンブリを、本明細書の別の箇所に記載されるように、15ulのマスターミックス(MM)と一緒に混合された5ulのDNAを用いて行い、50℃で1時間インキュベートする。反応物を30分間脱塩し、8ulの反応物は細胞内に電気穿孔され得る。
実施例7:ヒト配列をBACベクター内に挿入するためのCas9/等温アセンブリ
ヒト化標的化ベクターを構築するために、MAID 6236を、gRNA−Cas複合体で切断してオーバーラップ配列を伴う切断された断片を生成した。VI568もgRNA−Cas複合体で切断して、MAID6236の断片とオーバーラップする配列を生成した。Cas9/等温アセンブリを、上述のように行い、結果としてヒト化遺伝子座がベクター(VI599)内に挿入された。このプロセスは図14に概説される。
実施例8:選択なしでgBlockを使用するCas9/等温アセンブリ
Cas9ダイジェスト及びアセンブリは、選択なしで、例えば、gBlock DNA断片を利用することにより行うこともできる。選択カセットなしで2本鎖DNAを遺伝子座内に追加する可能性を試験するために、gBlock DNA断片を合成し、構築物内に挿入した。図15A及びBに概説するように、Cas9/gRNAを、4.4kbの断片を除去するために、TCRベータ遺伝子座内の2つの部位を標的とするように設計した。gBlockを、メガヌクレアーゼ認識部位を構築物内に導入するように設計した。gBlockは、選択マーカーを使用することなく、構築物内に挿入することができた。図15Aは、PISceI gBlockの挿入を示し、図15Bは、MauBI gBlockの挿入を示す。
最終構築物は、表1に示されるプライマーを使用したPCR接合部のスクリーニングにより、gBlockのそれぞれの挿入が成功したことが確認された。接合部のスクリーニングのプロトコルは以下の通りである。PCR反応物は、1μLのDNA、0.5μLのプライマー1、0.5μLのプライマー2、1μLのDMSO、4μLのdNTP、2.5μLの10x緩衝液、0.5μLのEx−Taq、及び15μLの水を含有していた。反応は、熱サイクラーにおいて、95℃で3分間、95℃で30秒間、55℃で30秒間を25サイクル、続いて72℃で30秒間、及び72℃で5分間実行された。接合部の配列を配列決定により確認した。
実施例9:結合体オリゴを使用してヒト配列をBACベクター内に挿入するためのCas9/等温アセンブリ
図16は、Cas9/等温アセンブリ及び結合体オリゴを使用した直接ヒト化の例を提供する。ヒト断片及びマウス欠失を、Cas9により取り出す(各BACは2つのcrispr RNAを使用する)。ヒト断片及びマウス骨格を、3つのリンカー(結合体オリゴ)及び選択カセットを用いてギブソンアセンブリ反応において一緒に連結させる。
図17は、大きい標的化ベクター(LTVEC)内にアセンブリするために、Cas9/等温アセンブリ及び結合体オリゴを使用する間接的ヒト化の例を提供する。hBAC上のヒト断片を、2つのcrispr RNAを使用してCas9により切断する。ドナーは、上流及び下流の結合オリゴ並びに選択カセットを含む。Cas9によるhBAC切断後、断片を、組み込まれた相補的オーバーハングを伴う合成ドナーを使用して、ギブソンアセンブリにより「捕捉」する。標的化ベクターの構築は、ギブソンアセンブリ又はBHRにより完成する。
実施例10:Cas9/等温アセンブリによる点変異の導入
図18は、点変異を導入するためにCas9/等温アセンブリを利用する例を提供する。ドナーは、従来のクローニングにより作製される。選択カセットを、リンカーオーバーラップ及び点変異を含有する合成DNA断片内に挿入する。mBACをCas9で切断し、配列をmBACから除去し、mBACをドナーにギブソンアセンブルし、点変異及び選択カセットを含む構築物(LTVEC)を得る。
実施例11:Cas9/等温アセンブリによるBACトリミング
図19は、Cas9/等温アセンブリ法を使用したBACトリミングの例を提供する。LTVECから除去する必要がある領域を、Cas9を使用してトリミングする。この例では、BACトリミングによりOri配列を除去する。2つのリンカー(結合体オリゴ)を使用してギブソンアセンブリ反応において、Oriを置き換えられる。
実施例12:CAS9によるBACダイジェストの後にアセンブリが続く他の方法
本明細書に提供される方法において以下を含む他の方法が使用され得る。合成又はインビトロ転写tracrRNA及びcrRNAを、95℃に加熱し、室温にゆっくり冷却することにより反応前に予備アニーリングした。10mM MgClを含む又は含まないCas9プラスミド切断緩衝液(20mM HEPES(pH7.5)、150mM KCl、0.5mM DTT、0.1mM EDTA)中の精製したCas9タンパク質(50〜500nM)及びtracrRNA:crRNA2本鎖(50〜500nM、1:1)と共に、未変性の又は直線化されたプラスミドDNA(300ng(約8nM))を37℃で60分間インキュベートした。250mM EDTAを含有する5倍DNAローディング緩衝液で反応を停止させ、0.8又は1%アガロースゲル電気泳動により分離し、臭化エチジウム染色により可視化した。Cas9突然変異切断アッセイに関しては、アガロースゲルに充填する前に反応を5倍SDSローティング緩衝液(30%グリセロール、1.2% SDS、250mM EDTA)で停止させた。
人工crRNA及び人工tracrRNAを、3kb PCR産物(UB−HYG)とのアセンブリのために、MAID 6177(116kb LTVEC)において特定の配列を標的とするように設計した。PCR産物は、ベクターとの50bpのオーバーラップを含有していた。等温1工程アセンブリを、以下のように、3’エキソヌクレアーゼ活性を欠く単離された非熱安定性5’〜3’エキソヌクレアーゼの使用に基づいて使用ぢた。反応は以下を含有する設定であった:各100fmolのdsDNA基質、16μlの5倍ISO緩衝液、16μl T5エキソヌクレアーゼ(0.2U/μl、Epicentre)、8.0μlのTaq DNAリガーゼ(40U/μl、NEB)、1.0μlのPhusion(商標)DNAポリメラーゼ(2U/μl、NEB)、及び80μlまでの水。5倍ISO(ISOthermal)緩衝液は、25% PEG−8000、500mMトリス−Cl、50mM MgCl2、50mM DTT、5mM NAD、及び各1000μM dNTP(pH7.5)であった。
これにより、アセンブルされた各1.25fmol/μlのdsDNA(又は各45fmol/μlのssDNA)、5% PEG−8000、100mMトリス−Cl(pH7.5)、10mM MgCl、10mM DTT、200MMの各dNTP、1mM
NAD、0.02U/μl T5エキソヌクレアーゼ、4U/μl Taq DNAリガーゼ、及び0.03U/μlのPHUSION DNAポリメラーゼの最終濃度が得られた。
方法は、20〜80bpオーバーラップする基質に関しては1.64μl(0.2U/μl)のT5エキソヌクレアーゼを使用し、より大きいオーバーラップ(例えば、200bp)を有する基質に関しては1.6μl(1U/μl)のT5エキソヌクレアーゼを使用した。T5エキソヌクレアーゼは、10U/μlのT5エキソヌクレアーゼ(Epicentre)濃縮酵素ストックからの1:50希釈物(T5エキソヌクレアーゼ保存緩衝液中)として使用した。次に、反応物を50℃で15分間インキュベートした。
実施例13:2つのオーバーラップするBACを縫合するための他の方法
本明細書に提供される方法において以下を含む他の方法が使用され得る。合成又はインビトロ転写tracrRNA及びcrRNAを、95℃に加熱し、室温にゆっくり冷却することにより反応前に予備アニーリングした。10mM MgClを含む又は含まないCas9プラスミド切断緩衝液(20mM HEPES(pH7.5)、150mM KCl、0.5mM DTT、0.1mM EDTA)中の精製したCas9タンパク質(50〜500nM)及びtracrRNA:crRNA2本鎖(50〜500nM、1:1)と共に、未変性の又は直線化されたプラスミドDNA(300ng(約8nM))を37℃で60分間インキュベートした。250mM EDTAを含有する5倍DNAローディング緩衝液で反応を停止させ、0.8又は1%アガロースゲル電気泳動により分離し、臭化エチジウム染色により可視化した。Cas9突然変異切断アッセイに関しては、アガロースゲルに充填する前に反応を5倍SDSローティング緩衝液(30%グリセロール、1.2% SDS、250mM EDTA)で停止させた。
人工crRNA及び人工tracrRNAを、ヒト化HLA−DR BACとのアセンブリのために、ヒト化HLA−DQ BACにおいて特定の配列を標的とするように設計した。ベクターは、各ベクター上の2つの部位でCas9切断により作製された、互いに約70bpのオーバーラップを含有した(図2を参照)。等温1工程アセンブリを、以下のように、3’エキソヌクレアーゼ活性を欠く単離された非熱安定性5’〜3’エキソヌクレアーゼの使用に基づいて使用ぢた。反応はほぼ以下を含有する設定であった:各100fmolのdsDNA基質、16μlの5倍ISO緩衝液、16μt T5エキソヌクレアーゼ(0.2U/μl、Epicentre)、8.0μlのTaq DNAリガーゼ(40U/μl、NEB)、1.0μlのPhusion(商標)DNAポリメラーゼ(2U/μl、NEB)、及び80μlまでの水。5倍ISO(ISOthermal)緩衝液は、25% PEG−8000、500mMトリス−Cl、50mM MgCl2、50mM DTT、5mM NAD、及び各1000μM dNTP(pH7.5)であった。
これにより、アセンブルされた各約1.25fmol/μlのdsDNA(又は各45fmol/μlのssDNA)、5% PEG−8000、100mMトリス−Cl(pH7.5)、10mM MgCl、10mM DTT、各200MM dNTP、1mM NAD、0.02U/μl T5エキソヌクレアーゼ、4U/μl Taq DNAリガーゼ、及び0.03U/μlのPHUSION DNAポリメラーゼの最終濃度が得られた。
方法は、20〜80bpオーバーラップする基質に関しては1.64μl(0.2U/μl)のT5エキソヌクレアーゼを使用し、より大きいオーバーラップ(例えば、200bp)を有する基質に関しては1.6μl(1U/μl)のT5エキソヌクレアーゼを使用した。T5エキソヌクレアーゼは、10U/μlのT5エキソヌクレアーゼ(Epicentre)濃縮酵素ストックからの1:50希釈物(T5エキソヌクレアーゼ保存緩衝液中)として使用した。次に、反応物を50℃で15分間インキュベートした。
実施例14:インサートをBACベクターとアセンブルするための他の方法
本明細書に提供される方法において以下を含む他の方法が使用され得る。crRNA及びtracrRNAを、Hybe緩衝液(10X緩衝液:20mMトリス(7.5)、100〜150mM NaCl、10mM MgCl、1mM DTT、0.1mM EDTA、100ug/ml BSA)中100uMに溶解する。RNAをアニーリングするために、10ulの100uM crRNA及び10ulの100uM tracrRNAを80ulのアニーリング緩衝液に添加した。90℃の温度ブロックにおいてRNAを加熱し、次に、ヒーターからブロックを取り出し、ベンチ上で冷却する。RNAの最終濃度は約10uMである。
BACをダイジェストするために、清浄なmaxiprep BAC DNAを使用し、以下の混合物によりBACをダイジェストした。
37°で1時間ダイジェストし、次に30分間脱塩する。
BAC及びインサートをアセンブルするために、プラスミドをダイジェストするか、又はPCRを行い、インサートを作製する。PCR反応に関して、少量のアリコートをゲル上で走らせ、純粋な産物を探し、産物が純粋でない場合、ゲル抽出の代わりにPCRクリーンアップを行う。BAC:インサートに関して、1:1〜1:6のモル比が望ましい。通常、50ngの精製されたインサートが用をなす。以下の反応ミックスを使用することができる:
氷上で、又は50℃のPCR機械に直接、DNA及びミックスを添加する。50℃で1時間インキュベートする。0.5uLのプロテイナーゼK(20mg/ml)を添加し、50℃で1時間インキュベートする。30分間脱塩し、DH10B細胞内に8ulの反応物を電気穿孔する。ダイジェスト効率をチェックするために、10ulのBACダイジェストをパルスフィールドゲル上で走らせることができる。RNaseを含まない水及び緩衝液を使用する。最終反応緩衝液は、15ulの最終容量に関して、20mMトリス(7.5)、100〜150mM NaCl、10mM MgCl2、1mM DTT、0.1mM EDTA、100ug/ml BSAを含有する。
実施例において使用されたtracr RNA配列は、
CAAAACAGCAUAGCAAGUUAAAAUAAGGCUAGUCCGUUAUC(配列番号9)である。このCRISPR RNA(crRNA)は、(1)標的配列に相補的なRNAの約20ヌクレオチド、及び(2)tracrRNAにアニーリングされるテイル配列(GUUUUAGAGCUAUGCUGUUUUG(配列番号10))を含有する。
例えば、本発明の好ましい実施形態では、以下の項目が提供される。
(項目1)
少なくとも2つの核酸をアセンブルするための方法であって、
(a)第1の核酸を第1のヌクレアーゼ剤と接触させることであって、前記第1のヌクレアーゼ剤が、第1の標的部位で前記第1の核酸を切断して、第1のダイジェストされた核酸を、前記第1のダイジェストされた核酸と第2の核酸との間におけるオーバーラップ末端配列を伴って産生する、接触させることと、
(b)前記第1のダイジェストされた核酸及び前記第2の核酸をエキソヌクレアーゼと接触させて、前記第1のダイジェストされた核酸と前記第2の核酸との間の相補的配列を曝露することと、
(c)工程(b)から生成された2つの核酸断片をアセンブルすることと、を含む、方法。
(項目2)
工程(c)が、
(i)前記曝露された相補的配列をアニーリングすることと、
(ii)前記アニーリングした相補的配列の3’末端を伸長することと、
(iii)前記第1及び前記第2の核酸をライゲーションすることと、を更に含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
工程(a)が、前記第2の核酸を第2のヌクレアーゼ剤と接触させることを更に含み、前記第2の核酸が、前記オーバーラップ末端配列を含まず、前記第2のヌクレアーゼ剤が、第2の標的部位で前記第2の核酸を切断して、第2のダイジェストされた核酸を、前記第1のダイジェストされた核酸と前記第2のダイジェストされた核酸との間における前記オーバーラップ末端配列を伴って産生し、かつ
工程(b)の前記第2の核酸が、前記第2のダイジェストされた核酸である、項目1又は2に記載の方法。
(項目4)
前記第1又は第2のヌクレアーゼ剤のうちの少なくとも1つが、前記第1又は前記第2の標的部位を標的とする、Casタンパク質及びガイドRNA(gRNA)(gRNA−Cas複合体)を含む、項目1〜3のいずれか一項に記載の方法。
(項目5)
前記Casタンパク質が、Cas9タンパク質である、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記Cas9タンパク質が、RuvCドメインと、HNHドメインと、を含み、これらのうちの少なくとも1つが、エンドヌクレアーゼ活性を欠く、項目5に記載の方法。
(項目7)
前記オーバーラップ末端配列が、20bp〜200bpの長さの範囲である、項目1〜6のいずれか一項に記載の方法。
(項目8)
前記gRNAが、規則的な間隔をもってクラスター化された短回文反復(CRISPR)RNA(crRNA)及びトランス活性化CRISPR RNA(tracrRNA)をコードする核酸配列を含む、項目4〜6のいずれか一項に記載の方法。
(項目9)
前記第1の標的部位及び第2の標的部位のうちの少なくとも1つが、プロトスペーサー近接モチーフ(PAM)配列に直ぐ隣接している、項目4〜8のいずれか一項に記載の方法。
(項目10)
前記ヌクレアーゼ剤が、ジンクフィンガーヌクレアーゼ又は転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)を含む、項目1〜3のいずれか一項に記載の方法。
(項目11)
前記第1、前記第2、又は両方の核酸が、細菌人工染色体に由来する、項目1〜10のいずれか一項に記載の方法。
(項目12)
前記細菌人工染色体が、ヒトDNA、ゲッ歯類DNA、合成DNA、又はこれらの組み合わせを含む、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記細菌人工染色体が、ヒト配列を含む、項目11又は12に記載の方法。
(項目14)
少なくとも2つの核酸をアセンブルするための方法であって、
(a)第1の核酸を、第1のヌクレアーゼ剤及び第2のヌクレアーゼ剤と接触させて第1のダイジェストされた核酸を産生することであって、前記第1のヌクレアーゼ剤が、第1の標的部位で前記第1の核酸の第1の鎖上に切れ目を生成し、前記第2のヌクレアーゼ剤が、第2の標的部位で前記第1の核酸の第2の鎖上に切れ目を生成して、その両端のうちの1つに5’又は3’オーバーハング配列を含む第1のダイジェストされた核酸を産生する、産生することと、
(b)前記第1のダイジェストされた核酸及び前記5’又は3’オーバーハング配列に対する相補的配列を含む第2の核酸をアニーリングすることと、
(c)前記第1のダイジェストされた核酸及び前記第2の核酸をライゲーションすることと、を含む、方法。
(項目15)
工程(b)が、前記第2の鎖を鋳型として使用して前記第1の鎖の3’末端を伸長することと、前記第1の鎖を鋳型として使用して前記第2の鎖の3’末端を伸長することと、を更に含む、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記第1又は第2のヌクレアーゼ剤のうちの少なくとも1つが、前記第1又は前記第2の標的部位を標的とする、Cas9タンパク質及びガイドRNA(gRNA)(gRNA−Cas複合体)を含む、項目13又は14に記載の方法。
(項目17)
前記Cas9タンパク質が、RuvCドメインと、HNHドメインと、を含み、これらのうちの1つが、エンドヌクレアーゼ活性を欠く、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記第1の標的部位が、前記第2の標的部位から少なくとも4bp離れている、項目14〜17のいずれか一項に記載の方法。
(項目19)
前記gRNAが、規則的な間隔をもってクラスター化された短回文反復(CRISPR)RNA(crRNA)及びトランス活性化CRISPR RNA(tracrRNA)をコードする核酸配列を含む、項目14〜18のいずれか一項に記載の方法。
(項目20)
前記第1の標的部位及び第2の標的部位のうちの少なくとも1つが、プロトスペーサー近接モチーフ(PAM)配列に直ぐ隣接している、項目14〜19のいずれか一項に記載の方法。
(項目21)
2つ以上の核酸をアセンブルするための方法であって、
(a)第1の核酸を少なくとも1つのヌクレアーゼ剤と接触させて第1のダイジェストされた核酸を生成することと、
(b)前記第1のダイジェストされた核酸を第2の核酸、結合体オリゴ、及びエキソヌクレアーゼと接触させることであって、
前記結合体オリゴが、
(i)前記第1のダイジェストされた核酸に相補的である第1の相補的配列と、
(ii)スペーサーと、
(iii)前記第2の核酸に相補的である第2の相補的配列と、を含み、
前記エキソヌクレアーゼが、前記第1及び第2の相補的配列を曝露する、接触させることと、
(c)前記結合体オリゴを前記第1のダイジェストされた核酸及び前記第2の核酸とアセンブルすることと、を含む、方法。
(項目22)
工程(c)におけるアセンブルが、
(i)前記結合体オリゴの前記第1の相補的配列を前記第1のダイジェストされた核酸に、及び前記結合体オリゴの前記第2の相補的配列を前記第2の核酸にアニーリングすることと、
(ii)前記結合体オリゴを前記第1のダイジェストされた核酸及び前記第2の核酸にライゲーションすることと、を含む、項目21に記載の方法。
(項目23)
前記結合体オリゴの前記第1の相補的配列及び前記第2の相補的配列が、15〜120の相補的塩基を含む、項目21又は22に記載の方法。
(項目24)
前記結合体オリゴの前記スペーサーが、非相補的核酸を含む、項目21〜23のいずれか一項に記載の方法。
(項目25)
前記第1のダイジェストされた核酸が、前記第2の核酸にシームレスにアセンブルされる、項目21〜23のいずれか一項に記載の方法。
(項目26)
前記ヌクレアーゼ剤が、前記第1の核酸の末端から少なくとも20bpの断片を切断するように設計され、そこに前記シームレスアセンブリが生じ、
前記結合体オリゴの前記スペーサーが、前記少なくとも20bpの断片と同一である配列を含み、核酸塩基が、前記第1の相補的配列と前記少なくとも20bpの断片との間に存在せず、核酸塩基が、前記第2の相補的配列と前記少なくとも20bpの断片との間に存在せず、
したがって、前記第1の核酸の、前記結合体オリゴ及び前記第2核酸とのアセンブリが、前記少なくとも20bpの断片を再構築し、前記第1及び第2の核酸をシームレスにアセンブルする、項目25に記載の方法。
(項目27)
前記ヌクレアーゼ剤が、前記第2の核酸の末端から少なくとも20bpの断片を切断するように設計され、そこに前記シームレスアセンブリが生じ、
前記結合体オリゴの前記スペーサーが、前記少なくとも20bpの断片と同一である配列を含み、核酸塩基が、前記第1の相補的配列と前記少なくとも20bpの断片との間に存在せず、核酸塩基が、前記第2の相補的配列と前記少なくとも20bpの断片との間に存在せず、
したがって、前記第1の核酸の、前記結合体オリゴ及び前記第2の核酸とのアセンブリが、前記少なくとも20bpの断片を再構築し、前記第1及び第2の核酸をシームレスにアセンブルする、項目25に記載の方法。
(項目28)
前記スペーサーが、約20bp〜約120bpから構成される、項目26又は27に記載の方法。
(項目29)
工程(a)が、前記第2の核酸を、第2のヌクレアーゼ剤及びエキソヌクレアーゼと接触させることを更に含み、前記第2のgRNA−Cas複合体が、前記第2の核酸を切断して、前記結合体オリゴの前記第2の相補的配列に相補的であるヌクレオチド配列を含む第2のダイジェストされた核酸を産生し、前記第1のダイジェストされた核酸が、前記第2のダイジェストされた核酸にアセンブルされる、項目21〜28のいずれか一項に記載の方法。
(項目30)
工程(a)が、前記第2の核酸を、制限酵素又はメガヌクレアーゼ及びエキソヌクレアーゼと接触させることを更に含み、前記制限酵素又はメガヌクレアーゼが、前記第2の核酸を切断して、前記結合体オリゴにおける前記第2の相補的配列に相補的であるヌクレオチド配列を含む第2のダイジェストされた核酸を産生し、前記第1のダイジェストされた核酸が、前記第2のダイジェストされた核酸にアセンブルされる、項目21〜28のいずれか一項に記載の方法。
(項目31)
工程(b)が、前記第1及び/又は前記第2のダイジェストされた核酸の3’末端を伸長することを更に含む、項目21〜30のいずれか一項に記載の方法。
(項目32)
前記結合体オリゴが、同じ反応において、前記第1の核酸及び前記第2の核酸にアセンブルされる、項目21〜31のいずれか一項に記載の方法。
(項目33)
前記結合体オリゴが、前記第1の核酸及び前記第2の核酸に連続してアセンブルされる、項目21〜31のいずれか一項に記載の方法。
(項目34)
前記少なくとも1つのヌクレアーゼ剤及び/又は前記第2のヌクレアーゼ剤が、前記第1又は前記第2の標的部位を標的とする、Casタンパク質及びガイドRNA(gRNA)(gRNA−Cas複合体)を含む、項目21〜33のいずれか一項に記載の方法。
(項目35)
前記Casタンパク質が、Cas9タンパク質である、項目34に記載の方法。
(項目36)
前記Cas9タンパク質が、RuvCドメインと、HNHドメインと、を含み、これらのうちの少なくとも1つが、エンドヌクレアーゼ活性を欠く、項目35に記載の方法。
(項目37)
前記gRNAが、規則的な間隔をもってクラスター化された短回文反復(CRISPR)RNA(crRNA)及びトランス活性化CRISPR RNA(tracrRNA)をコードする核酸配列を含む、項目34〜36のいずれか一項に記載の方法。
(項目38)
前記第1の標的部位及び第2の標的部位のうちの少なくとも1つが、プロトスペーサー近接モチーフ(PAM)配列に直ぐ隣接している、項目34〜37のいずれか一項に記載の方法。
(項目39)
前記少なくとも1つのヌクレアーゼ剤及び/又は前記第2のヌクレアーゼ剤が、ジンクフィンガーヌクレアーゼ又は転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)を含む、項目21〜33のいずれか一項に記載の方法。
(項目40)
前記第1、前記第2、又は両方の核酸が、細菌人工染色体に由来する、項目14〜39のいずれか一項に記載の方法。
(項目41)
前記細菌人工染色体が、ヒトDNA、ゲッ歯類DNA、合成DNA、又はこれらの組み合わせを含む、項目40に記載の方法。
(項目42)
前記細菌人工染色体が、ヒトポリヌクレオチド配列を含む、項目40又は41に記載の方法。
(項目43)
前記第1、前記第2、又は両方の核酸が、ヒトDNA、ゲッ歯類DNA、合成DNA、又はこれらの組み合わせを含む、項目14〜40のいずれか一項に記載の方法。
(項目44)
前記第1、前記第2、又は両方の核酸が、少なくとも10kbである、項目21〜39のいずれか一項に記載の方法。
(項目45)
前記結合体オリゴが、gBlockを含む、項目21〜44のいずれか一項に記載の方法。
(項目46)
前記gBlockが、選択カセットを含まない、項目45に記載の方法。
(項目47)
2つ以上の核酸をアセンブルするための方法であって、
(a)第1の核酸を少なくとも1つのヌクレアーゼ剤と接触させて第1のダイジェストされた核酸を生成することと、
(b)第2の核酸を第2のヌクレアーゼ剤と接触させて第2のダイジェストされた核酸を生成することと、
(c)前記第1のダイジェストされた核酸及び前記第2のダイジェストされた核酸を、結合体オリゴ及びエキソヌクレアーゼと接触させることであって、
前記結合体オリゴが、
(i)前記第1のダイジェストされた核酸に相補的である第1の相補的配列と、
(ii)スペーサーと、
(iii)前記第2のダイジェストされた核酸に相補的である第2の相補的配列と、を含み、
前記エキソヌクレアーゼが、前記第1及び第2の相補的配列を曝露する、接触させることと、
(d)前記結合体オリゴを前記第1のダイジェストされた核酸及び前記第2の核酸とアセンブルすることと、を含む、方法。

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  1. 本明細書に記載の発明。
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