JP2017110095A - インク及びそれを用いた繊維の捺染方法 - Google Patents

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径明 武田
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勇気 田中
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Shinsuke Shimizu
慎介 清水
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Abstract

【課題】染色濃度が高く、染色ムラを生じない反応染料インク及びそれを用いる繊維の捺染方法を提供する。
【解決手段】反応染料と、2種類以上のノニオン界面活性剤と、水と、を含有するインクであり、2種類のノニオン界面活性剤のうち、1種類がアルコールアルコキシレート界面活性剤であり、別の1種類がアセチレングリコール界面活性剤若しくはアセチレンアルコール界面活性剤であり、アセチレングリコール界面活性剤が、アルキレンオキシド基を有するアセチレングリコール系界面活性剤であるインク。
【選択図】なし

Description

本発明は、反応染料インク及びそれを用いた繊維の捺染方法に関する。
インクジェットプリンタを用いた繊維のインクジェット捺染は、スクリーン捺染、ローラー捺染、ロータリー捺染等の捺染方法に比べ、
(1)製版工程が不要であり工程が短縮できること、
(2)デジタル化されたデザインを、コンピュータを介してそのまま印捺できること、
(3)多品種の製品を少量ずつであっても生産することが可能であること、
(4)染料色糊の廃液等が大幅に削減できること、
等の多くのメリットがある。
一方、従来の製版捺染に比べ、印捺加工速度が遅いこと、濃色を再現し難いこと等の課題があり、見本反の製造や少量生産の範囲で使用されることが多かった。
綿、レーヨン等のセルロース系繊維用の染色に用いるインクジェット捺染用の染料インクとしては、反応性染料インクが使用されている。インクの添加剤の1つとして、界面活性剤が挙げられる。界面活性剤はインクの表面張力を下げる機能等を有することが知られており、一般にインクジェットプリンタからの吐出性能の向上等の効果を目的として使用される。その具体例としては、ノニオン、アニオン、カチオン等の各種の界面活性剤が挙げられる。
例えば、特許文献1にはアセチレングリコール系のノニオン界面活性剤が、特許文献2にはアルコールアルコキシレート系のノニオン界面活性剤が、アニオン界面活性剤(特許文献3)、第4級アンモニウム塩等のカチオン界面活性剤(特許文献4)等が知られている。
また、特許文献5及び6には、反応染料と2種類以上の界面活性剤とを併用するインクが開示されている。
近年、コンピュータの画像処理技術や、産業用インクジェットプリントヘッドの製造技術の進歩により、インクジェットプリンタによる印捺速度が大幅に向上してきた。これに加えて、印捺デザインのデジタル化、印捺加工の多様化及び小ロット化が市場で要求されてきたことから、産業用インクジェット捺染の普及が進んでいる。
しかし、印捺速度の向上は印捺ムラの発生原因となり、従来の染色濃度の低さと共に、印捺ムラの解消が、解決すべき大きな問題となっている。
特開2001−146561号公開公報 特開2006−160950号公開公報 特開2003−231836号公開公報 特開2014−129617号公開公報 国際公開2011/013503号パンフレット 中国特許公開101134861号公報
本発明は、染色濃度が高く、印捺ムラを生じない反応染料インク及びそれを用いる繊維の捺染方法の提供を課題とする。
本発明者らは前記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、反応染料と、2種類の特定の界面活性剤と、水と、を含有するインクにより、前記の改題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下の1)〜12に関する。
1)
反応染料と、2種類のノニオン界面活性剤と、水と、を含有するインク。
2)
2種類のノニオン界面活性剤のうち、1種類がアルコールアルコキシレート界面活性剤であり、別の1種類がアセチレングリコール界面活性剤若しくはアセチレンアルコール界面活性剤である前記1)に記載のインク。
3)
アセチレングリコール界面活性剤が、アルキレンオキシド基を有するアセチレングリコール系界面活性剤である前記2)に記載のインク。
4)
インクの総質量に対して、反応染料の含有量が0.5〜35質量%である前記1)に記載のインク。
5)
インクの総質量に対して、ノニオン界面活性剤の総含有量が0.1〜2質量%である前記1)に記載のインク。
6)
2種類のノニオン界面活性剤のうち、1種類がアルコールアルコキシレート界面活性剤であり、別の1種類がアセチレングリコール界面活性剤である前記1)に記載のインク。
7)
アルコールアルコキシレート界面活性剤が、下記式(1)で表される化合物である前記2)又は6)に記載のインク。
Figure 2017110095
[式(1)中、R及びRは、それぞれ独立にアルキル基又は水素原子、EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基を表す。aは6〜12の整数、bは3〜5の整数である。但し、EOとPOが結合する順番は任意であり、且つ、Rがアルキル基のときRは水素原子であり、Rが水素原子のときRはアルキル基である。]
8)
水溶性有機溶剤をさらに含有する前記1)〜7)のいずれか一項に記載のインク。
9)
インクの総質量に対して、0.05〜3質量%のpH調整剤をさらに含有する前記1)〜8)のいずれか一項に記載のインク。
10)
pH調整剤がトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンである前記9)に記載のインク。
11)
前記1)〜10)のいずれか一項に記載のインクの液滴をインクジェットプリンタにより吐出させて繊維に付着させる工程1と、工程1により付着させたインク中の染料を、熱により前記繊維に反応固着させる工程2と、前記繊維中に残存する未固着の染料を洗浄する工程3と、を含む繊維の捺染方法。
12)
前記工程1を行う前の繊維に、1種類以上の糊材、前処理用のpH調整剤、及びヒドロトロピー剤を含む水溶液を付着させる、繊維の前処理工程をさらに含む前記11)に記載の繊維の捺染方法。
本発明により、染色濃度が高く、印捺ムラを生じない反応染料インク及びそれを用いる繊維の捺染方法を提供することができた。
本明細書においては、特に断りの無い限り、実施例等も含めて「部」及び「%」は、いずれも質量基準で記載する。
前記の反応染料としては特に制限はないが、繊維と反応する基がモノクロルトリアジニル基である染料、すなわち、モノクロルトリアジン反応染料であることが好ましい。
反応染料の具体例としては、例えばC.I.Reactive Yellow 2、3、18、81、84、85、95、99、102等のイエロー;C.I.Reactive Orange 5、9、12、13、35、45、99等のオレンジ;C.I.Reactive Brown 2、8、9、17、33等のブラウン;C.I.Reactive Red 3、3:1、4、13、24、29、31、33、125、151、206、218、226、245等のレッド;C.I.Reactive Violet 1、24等のバイオレット;C.I.Reactive Blue 2、5、10、13、14、15、15:1、49、63、71、72、75、162、176等のブルー;C.I.Reactive Green 5、8、19等のグリーン;C.I.Reactive Black 1、8、23、39等のブラック;等の各色の染料が挙げられる。これらの染料は、単独使用、又は2種類以上を併用することができる。
前記ブラック染料の代わりに、ブルー染料を主体とし、オレンジ染料及び/又はレッド染料及び/又はイエロー染料を混合し、配合ブラック染料とすることもできる。
また、フルカラーでの捺染を目的としてイエロー、レッド、ブルー及び必要に応じてブラックの各インクを基本色としたインクセットとすることができる。さらに、オレンジ、ブラウン、バイオレット、グリーン等の各種の色相を有するインクを調製し、これらをインクセットとすることもできる。
前記の染料としては、粉末状あるいは塊状の乾燥、ウエットケーキ等の染料を使用することができる。市販の染料には、工業染色用粉末、捺染用液状品、インクジェット捺染用等の各種の品質があり、製造方法、純度等がそれぞれ異なる。前記インクは、保存安定性及びインクジェットプリンタからの吐出精度への悪影響を少なくするため、できるだけ不純物の少ない材料を使用して調製するのが好ましい。
一般に、染料の合成時には、塩化ナトリウム等の無機塩が混入してくることが多く、また、特に精製操作を行わない水等は、カルシウムイオン、マグネシウムイオン等の金属イオンを含む。このため、このような水等を該インクの調製時に使用した場合にも、微量ながら該イオン等が混入する。本明細書においては、前記の無機塩及び金属イオンを、便宜上、「無機不純物」という。これらの無機不純物は、染料のインク等に対する溶解度及び保存安定性を著しく悪くする。また、インクジェットプリンタヘッドの腐食・磨耗・ノズル詰りの原因ともなる。これらの無機不純物を除去するために、限外濾過法、逆浸透膜法、イオン交換法等の公知の方法を利用し、インク中に含有する無機不純物をできるだけ除去することが望ましい。
インクの総質量中における、無機不純物の含有量は通常1%以下、好ましくは0.1%以下、より好ましくは0.01%以下である。下限は検出機器の検出限界以下、すなわち0%とすることができる。そして、無機不純物を除去した後、希釈又は濃縮により所望の染料濃度に調整し、インクを得ることができる。
前記インクの総質量中における染料の総含有量は通常0.5〜35%、好ましくは1〜20%、より好ましくは5〜20%、さらに好ましくは5〜15%である。
前記インクの25℃における粘度は、E型粘度計にて測定したときに通常3〜20mPa・s、好ましくは8〜20mPa・sである。
前記インクは、2種類のノニオン界面活性剤を含有する。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル;ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル;3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレンアルコール;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、エアープロダクト社製、商品名サーフィノール104、同104PG50、同82、同420、同440、同465、同485、オルフィンSTG等のアセチレングリコール;イソトリデシルアルコールエトキシレート、分岐デシルアルコールアルコキシレート、ビックケミー・ジャパン社製、商品名BYK−DYNWET800等のアルコールアルコキシレート;等の各ノニオン界面活性剤が挙げられる。
前記のうち、アセチレングリコール、アセチレンアルコール若しくはアルコールアルコキシレートから選択される2種類のノニオン界面活性剤が好ましく、アセチレングリコール及びアルコールアルコキシレートを併用するのがより好ましい。
ノニオン界面活性剤の総含有量は、インクの総質量に対して通常0.1%〜2%、好ましくは0.2%〜2%、より好ましくは0.2%〜1%である。
アセチレングリコール界面活性剤としては、分子内にアルキレンオキシド基を有するのが好ましい。その分子中における、アルキレンオキシド基の結合部位は特に限定されないが、グリコール部分の少なくとも一方のヒドロキシ基と結合するのが好ましく、両方のヒドロキシ基と結合するのがより好ましい。
アルキレンオキシド基としては、C2−C4の直鎖、又は分岐鎖アルキレンオキシド基が好ましく、エチレンオキシド基又はプロピレンオキシド基がより好ましい。
アルキレンオキシド基の結合数は特に制限されないが、通常0〜10、好ましくは1〜5つ、より好ましくは3〜4つである。
その具体例としては、例えば、エアープロダクト社製、商品名サーフィノール440等が挙げられる。
インクの総質量中における、アセチレングリコール界面活性剤の含有量は通常0.05%〜1%、好ましくは0.1%〜1%、より好ましくは0.1%〜0.5%である。
アルコールアルコキシレート界面活性剤としては、前記式(1)で表される化合物が挙げられる。式(1)で表される化合物は単一の化合物として使用することも、その混合物として使用することもできる。
前記式(1)中、R及びRにおけるアルキル基としては、C6−C18、好ましくはC7−C16、より好ましくはC7−C12の直鎖、分岐鎖、又は環状アルキル基が挙げられる。
がアルキル基のとき、Rはヒドロキシ基である。
また、Rが水素原子のとき、Rはアルコキシ基である。
式(1)中、EOとPOが結合する順番、及び連続して結合する個数等は全て任意である。例えば、式(1)で示されるように「R−O(EO)−(PO)−R」と結合することができる。また、「R−O(PO)−(OEO)−Rと結合することもできる。また、式(1)の部分構造であるEOとPOは、それぞれ連続して結合することも、交互に結合することもできる。但し、各部分構造は、どのように結合するときであっても、それぞれが有する酸素原子と炭素原子間で結合を形成する。
aは6〜12の整数であり、bは3〜5の整数である。また、a/bは2〜3の範囲であるのが好ましい。そのような化合物としては、例えば、ビックケミー・ジャパン社製、商品名BYK−DYNWET800等が挙げられる。
インクの総質量中における、アルコールアルコキシレート界面活性剤の含有量は通常0.05%〜1%、好ましくは0.1%〜1%、より好ましくは0.1%〜0.5%である。
前記インクの25℃における表面張力は、プレート法にて測定したときに通常20〜40mN/m、好ましくは25〜35mN/mである。
前記インクは、前記以外の成分として水溶性有機溶剤、及びインク調製剤等を含有することができる。
水溶性有機溶剤としては特に制限されないが、多価アルコール類、及びピロリドン類等が好ましい。
多価アルコール類としては、例えばヒドロキシ基を2つ又は3つ有するC2−C6アルコール;及び、繰り返し単位が4以上で、分子量20,000程度以下のポリC2−C3アルキレングリコール(好ましくは液状のポリアルキレングリコール);等が挙げられる。その具体例としては、グリセリン、1,3−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール等のヒドロキシ基を2又は3個有するC2−C6アルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のジ又はトリC2−C3アルキレングリコール;ポリプロピレングリコール等のポリC2−C3アルキレングリコール;等が挙げられる。
ピロリドン類としては、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
水溶性有機溶剤は、単独又は併用することができ、併用が好ましい。
水溶性有機溶剤の総含有量は、インクの総質量に対して通常0%〜60%、好ましくは1%〜55%、より好ましくは5%〜55%、である。
インク調製剤としては、防腐防黴剤、pH調整剤等が挙げられる。インク調製剤の総含有量は、インクの総質量に対して通常0〜10%程度であり、好ましくは0.05〜5%程度である。
防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソジウムピリジンチオン−1−オキサイド、ジンクピリジンチオン−1−オキサイド、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、1−ベンズイソチアゾリン−3−オンのアミン塩、アーチケミカルズ社製プロキセルGXL等が挙げられる。これらの中ではプロキセルGXLが好ましい。
pH調整剤としては例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ土類金属の水酸化物;トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン等の3級アミン類、好ましくはヒドロキシ基で置換されても良いモノ、ジ又はトリC1−C4アルキルアミン;等が挙げられる。これらの中ではトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンが好ましい。
pH調整剤の含有量は、インクの総質量に対して通常0.05%〜3%、好ましくは0.05%〜2.5%、より好ましくは0.1%〜2%である。
前記インクは、前記の各成分を加えて攪拌し、固形分が溶解するまで混合して得られる。
各成分を加える順番は特に制限されない。インクの調製に使用する水は、前記の通り無機不純物の少ないもの、例えば蒸留水やイオン交換水等を用いるのが好ましいい。
前記インクをインクジェットプリンタにより吐出させるときは、メンブランフィルタ等を用いてインクを精密濾過した後に用いるのが好ましい。精密濾過に使用するフィルタの孔径は通常1μm〜0.1μm、好ましくは0.8μm〜0.1μmである。
前記の捺染方法は、前記インクの液滴をインクジェットプリンタにより吐出させて繊維に付着させる工程1と、工程1により付着させたインク中の染料を、熱により前記繊維に反応固着させる工程2と、前記繊維中に残存する未固着の染料を洗浄する工程3と、を含む繊維の捺染方法である。その際に使用するインクノズル等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
繊維としては、前記インクで染色される繊維であれば特に制限されない。通常はセルロース繊維、及びポリアミド繊維から選択される繊維が挙げられ、セルロース繊維が好ましい。
セルロース繊維としては、例えば綿、麻等の天然繊維、レーヨン等の再生セルロース繊維、及びこれらを含有する混紡繊維等が挙げられる。
ポリアミド繊維としては、例えばシルク、ウール等の天然ポリアミド繊維、ナイロン等の合成ポリアミド繊維、及びこれらを含有する混紡繊維等が挙げられる。
前記工程1としては、前記インクが充填された容器をインクジェットプリンタの所定位置に装填し、該インクの液滴を記録信号に応じて吐出させて繊維に付着させる方法が挙げられる。
前記工程2としては、インクが付着した繊維を室温程度〜150℃に0.5〜30分放置して予備乾燥させた後、スチーミング処理をする方法等が挙げられる。スチーミング処理の条件としては、湿度80〜100%、温度95〜105℃の環境下に、5〜40分該繊維を放置する条件等が挙げられる。
前記工程3としては、繊維を温水、さらに必要に応じて水により洗浄する工程が挙げられる。繊維を洗浄するときは、界面活性剤を使用することができる。
洗浄後の繊維は50〜120℃で、5〜30分乾燥することができる。
また、前記の工程1を行う前の繊維に対して1種類以上の糊材、前処理液に含有するpH調整剤、及びヒドロトロピー剤を含む水溶液(以下、「前処理液」ともいう。)を付着させる、繊維の前処理工程を行うことができる。前処理液はパディング法(パッド法)等により、繊維に付着させることができる。パディングの絞り率は40〜90%程度が好ましく、60〜80%程度がより好ましい。
繊維の前処理工程は必須ではない。しかし、繊維に対して捺染を行うときに、染料のにじみを防止する目的で、前処理工程は好ましく行われる。前処理液が含有する各成分は、それぞれを1種類ずつとして3種類を使用することも、それぞれを複数種類として併用することもできる。
なお、前処理液に含有するpH調整剤は、本発明のインクに含有する前記pH調整剤と使用目的は同じであるが、その好ましい具体例等は異なる。このため、本明細書においては、本発明のインクに含有するpH調整剤は単に「pH調整剤」、前処理液に含有するpH調整剤については「前処理用のpH調整剤」と記載してこれらのpH調整剤を区別する。
前記の糊剤としては、グアー、ローカストビーン等の天然ガム類、澱粉類、アルギン酸ソーダ、ふのり等の海藻類、ペクチン酸等の植物皮類、メチル繊維素、エチル繊維素、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素誘導体、カルボキシメチル澱粉等の加工澱粉、シラツガム系、ローストビーンガム系等の加工天然ガム類、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸エステル等の合成糊等が挙げられる。
これらの内、好ましい糊剤としては、セルロース系繊維にはアルギン酸ソーダが、ポリアミド系繊維にはグアー、ローカストビーン等の天然ガム類、シラツガム系、ローストビーンガム系等の加工天然ガム類がそれぞれ挙げられる。
前処理用のpH調整剤としては、水溶液としたときにアルカリ性の化合物が好ましい。そのような化合物としては、例えばアルカリ金属の水酸化物、及び無機又は有機酸のアルカリ金属塩が挙げられる。具体例としては水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム等の無機酸のアルカリ金属塩;蟻酸ナトリウム等の有機酸のアルカリ金属塩;等が挙げられる。
繊維がポリアミド繊維のとき、前処理用のpH調整剤としては、水溶液とした際に酸性の化合物が好ましい。具体的には硫酸アンモニウム、酒石酸アンモニウム、及び酢酸アンモニウム等の、無機又は有機酸のアンモニウム塩が挙げられる。
前処理工程におけるヒドロトロピー剤としては、尿素、ジメチル尿素、チオ尿素、モノメチルチオ尿素、ジメチルチオ尿素等のアルキル尿素等が挙げられる。
前処理液の総質量に対する糊剤、前処理用のpH調整剤、及びヒドロトロピー剤の含有量は、使用する繊維の種類、及び混紡の比率等により一概に決めることは困難である。その目安としては、前処理液の総質量に対して糊剤が0.5%〜5%、前処理用のpH調整剤が0.5%〜5%、ヒドロトロピー剤が1%〜20%であり、残部は水である。
本発明のインクで捺染した繊維は染色濃度が高く、色ムラが生じにくい。また、彩度、色ぶれ、及び耐光性のバランスが優れる。また、水堅牢度、洗濯堅牢度等の他の堅牢性試験、色調、色再現域の広さ等の各種の性能においても優れる。
本発明のインクは、高粘度インクを必要とする工業用インクジェットヘッドが搭載されたプリンタで使用するとき、温度変化、周波数値の変化等に依存せず、長時間の連続した吐出安定性、及び放置後吐出性にも優れる。
さらに、プリンタからインクを吐出した後に一定時間プリンタを放置し、再度吐出(捺染)を開始したときであっても吐出性が良好である。
以下実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。
(1)インクの調製。
下記表1に記載の成分を混合し、固形分が溶解するまでおおよそ1時間攪拌することにより、各インクを得た後、0.45μmのメンブランフィルタ(商品名セルロースアセテート系濾紙、アドバンテック社製)で濾過することにより、試験用のインクを調製した。
表1中の略号等は、以下の意味を有する。
RR245:C.I.Reactive Red 245。
2−Py:2−ピロリドン。
PG:プロピレングリコール。
Gly:グリセリン。
SF440:サーフィノール440(アセチレングリコール界面活性剤)。
BDW800:BYK−DYNWET800(アルコールアルコキシレート界面活性剤、前記式(1)中、R及びRの一方が分岐鎖のノニル基、他方が水素原子、aが6〜12、bが3〜5で表される化合物の混合物)。
EC8600:アデカコールEC8600(株式会社ADEKA製、スルホ琥珀酸ノニオン界面活性剤)。
BYK348:BYK−348(ビックケミー・ジャパン株式会社製、シリコンノニオン界面活性剤)。
GXL:プロキセルGXL。
THMAM:トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン。
Figure 2017110095
(2)インクジェット捺染
アルギン酸ナトリウム、尿素、炭酸水素ナトリウムを含む前処理液を、パッド法にて綿布に付着させた後、綿布を乾燥することにより、前処理された綿布を得た。
得られた綿布をA4サイズに裁断し、前記「(1)インクの調製」で得た実施例1のインクを、産業用インクジェットヘッド評価装置(拡張型塗布装置EV2500:リコー社製)にて25℃環境下、その綿布にベタ柄を印捺した。得られた綿布を60〜80℃で乾燥した後、100〜103℃で10分間スチーミング処理を行った。得られた綿布を水、95〜100℃の沸騰水(10分間)、及び水で順次洗浄した後、乾燥することにより評価用の捺染された染布を得た。得られた染布を「染布1」とする。
実施例1のインクの代わりに、比較例1〜6の各インクを用いる以外は前記と同様にして、比較用の各染布を得た。得られた比較用の各染布を「比較染布1〜6」とする。
得られた各染布をテストサンプルとして用い、下記する評価試験を行った。評価試験において測色が必要なときは、GRETAG−MACBETH社製の測色機(商品名SpectroEye)を用いた。
(3)染色濃度試験。
上記のようにして得た各染布の反射濃度を前記の測色機で測色し、Dm値を得た。Dm値は大きい方が、染色濃度が高いことを意味するため品質が優れる。結果を下記表2に示す。
(4)染色ムラ試験。
各染布の染色ムラの状態を目視により、下記4段階の評価基準で評価した。結果を下記表2に示す。
評価基準;
A:染色ムラが全く観察されない。
B:染色ムラがあるようにも感じられるが、判然としない。
C:僅かではあるが、染色ムラが明らかに観察される。
D:染色ムラが激しく、均一に染色されていない。
Figure 2017110095
表2の結果から明らかなように2種類の異なるノニオン界面活性剤を併用した実施例1のインクは、高濃度な染色を可能にするだけでなく、染色ムラを生じず、均一に染色することができることが確認された。
本発明のインク及びそれを用いるインクジェット捺染方法は、染色濃度が高く、染色ムラを生じない繊維を得ることができる。このため、各種の印刷や染色、特にインクジェット捺染の用途に好適である。

Claims (12)

  1. 反応染料と、2種類のノニオン界面活性剤と、水と、を含有するインク。
  2. 2種類のノニオン界面活性剤のうち、1種類がアルコールアルコキシレート界面活性剤であり、別の1種類がアセチレングリコール界面活性剤若しくはアセチレンアルコール界面活性剤である請求項1に記載のインク。
  3. アセチレングリコール界面活性剤が、アルキレンオキシド基を有するアセチレングリコール系界面活性剤である請求項2に記載のインク。
  4. インクの総質量に対して、反応染料の含有量が0.5〜35質量%である請求項1に記載のインク。
  5. インクの総質量に対して、ノニオン界面活性剤の総含有量が0.1〜2質量%である請求項1に記載のインク。
  6. 2種類のノニオン界面活性剤のうち、1種類がアルコールアルコキシレート界面活性剤であり、別の1種類がアセチレングリコール界面活性剤である請求項1に記載のインク。
  7. アルコールアルコキシレート界面活性剤が、下記式(1)で表される化合物である請求項2又は6に記載のインク。
    Figure 2017110095
    [式(1)中、R及びRは、それぞれ独立にアルキル基又は水素原子、EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基を表す。aは6〜12の整数、bは3〜5の整数である。但し、EOとPOが結合する順番は任意であり、且つ、Rがアルキル基のときRは水素原子であり、Rが水素原子のときRはアルキル基である。]
  8. 水溶性有機溶剤をさらに含有する請求項1〜7のいずれか一項に記載のインク。
  9. インクの総質量に対して、0.05〜3質量%のpH調整剤をさらに含有する請求項1〜8のいずれか一項に記載のインク。
  10. pH調整剤がトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンである請求項9に記載のインク。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載のインクの液滴をインクジェットプリンタにより吐出させて繊維に付着させる工程1と、工程1により付着させたインク中の染料を、熱により前記繊維に反応固着させる工程2と、前記繊維中に残存する未固着の染料を洗浄する工程3と、を含む繊維の捺染方法。
  12. 前記工程1を行う前の繊維に、1種類以上の糊材、前処理用のpH調整剤、及びヒドロトロピー剤を含む水溶液を付着させる、繊維の前処理工程をさらに含む請求項11に記載の繊維の捺染方法。
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