JP2016210920A - インク組成物及びそれを用いた繊維の捺染方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】8mPa・sより高い粘度を有し、保存安定性が良好なインク組成物の提供。【解決手段】酸性染料と、下記式で表される化合物と水を含有するインク組成物。[X1、X2及びX3はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、a、b及びcはそれぞれ独立して1以上の自然数を表し、且つ、総和が3以上60以下である。]【選択図】なし

Description

本発明は酸性染料を含有するインク組成物及びそれを用いたインクジェット捺染方法に関する。
インクジェットプリンタを用いた繊維の捺染は、スクリーン捺染、ローラー捺染、ロータリー捺染に比べ、製版工程が不要であり工程が短縮できること;デジタル化されたデザインを、コンピュータを介してそのままプリントできること;多品種の製品を少量ずつであっても生産することが可能であること;染料色糊の廃液等が大幅に削減できること;等の多くのメリットがある。
その一方で、従来の製版捺染に比べ、プリント加工速度が遅いこと;濃色を再現し難いこと;等の課題があり、見本反の製造や少量生産の範囲で使用されることが多かった。
近年になり、コンピュータの画像処理やプリントヘッド製造の技術的進歩により、インクジェットプリンタのプリント速度が大幅に向上されてきたこと;プリントデザインのデジタル化;プリント加工の多様化及び小ロット化が市場で要求されてきたこと;等を背景に、インクジェット捺染の普及が進んでいる。
インクジェット捺染に用いる染料インクのうち、シルク、ナイロン等のポリアミド系繊維の染色には、主に酸性染料インクが用いられる。酸性染料インクとしては、水中に染料を溶解させた水性インクが一般的である。水性インクにおいては、水分の蒸発によるインクの乾燥を抑え、かつインクの粘度を調整する目的で、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール類;これらのグリコール類のアルキルエーテル化合物;及び、グリセリン等のヒドロキシ基を分子内に有する有機溶剤;等から適宜選択される化合物がインク中に添加されている。
特許文献1にはグリセリンのエチレンオキシド付加物やプロピレンオキシド付加物をインク中に添加することで、8.0mPa・s以下の粘度が必要とされるインクジェットヘッド向けの吐出性良好な酸性染料インク組成物が、特許文献2にはそのインクを用いたインクジェット捺染方法が開示されている。
また、近年では特許文献3に記載されているように、吐出安定性を確保する為のインクの物性として、8〜20mPa・s程度の粘度が必要とされる工業用の高耐久性のインクジェットヘッド及びそれらが搭載された高速プリンタが開発されている。しかし、8〜20mPa・s程度の粘度が必要とされる工業用の高速インクジェットプリンタで要求される、低〜高駆動周波数における吐出性能、及び放置後吐出を満足するインクは知られていない。
特許3582448号公報 特開2000−327976号公報 特表2005−520015号公報
本発明は、8mPa・sより高い粘度を有し、且つインクの保存安定性が良好なインク組成物の提供を課題とする。
本発明者らは前記したような課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、酸性染料と、下記式(1)で表される化合物と、水とを含有するインク組成物が、前記課題を解決するものであることを見出し、本発明を完成させたものである。
即ち本発明は、以下の1)〜12)に関する。
1)
酸性染料と、下記式(1)で表される化合物と、水とを含有するインク組成物。
Figure 2016210920
[式(1)中、X、X及びXはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、a、b及びcはそれぞれ独立して1以上の自然数を表し、且つa、b及びcの総和は3以上60以下である。]
2)
式(1)におけるX、X及びXの全てが水素原子又はメチル基である前記1)に記載のインク組成物。
3)
式(1)におけるX、X及びXの全てが水素原子である前記1)又は2)に記載のインク組成物。
4)
インク組成物の総質量中における、前記式(1)で表される化合物の含有量が、0.1質量%〜50質量%である前記1)乃至3)に記載のインク組成物。
5)
水溶性有機溶剤をさらに含有する前記1)乃至4)のいずれか一項に記載のインク組成物。
6)
インク組成物の総質量中において、0.1質量%〜2質量%のpH調整剤をさらに含有する前記1)乃至5)のいずれか一項に記載のインク組成物。
7)
pH調整剤がトリエタノールアミンである前記6)に記載のインク組成物。
8)
20℃における粘度が8mPa・sより大きく20mPa・s以下である前記1)乃至7)のいずれか一項に記載のインク組成物。
9)
前記1)乃至8)のいずれか一項に記載のインク組成物を、インクジェットプリンタを用いて繊維に付着させる工程と、該工程により付着させたインク組成物中の染料を、熱により繊維に固着させる工程と、該繊維中に残存する未固着の染料を洗浄する工程とを含む、繊維の捺染方法。
10)
1種類以上の糊材、及びpH調整剤を少なくとも含む水溶液を、インク組成物を付与する前の繊維に含浸させる、繊維の前処理工程をさらに含む、前記9)に記載の繊維の捺染方法。
11)
前記1)乃至8)のいずれか一項に記載のインク組成物により染色された繊維。
12)
前記9)又は10)に記載の捺染方法により染色された繊維。
本発明により、8mPa・sより高い粘度を有し、且つインクの保存安定性が良好なインク組成物を提供することができた。
本明細書においては特に断りの無い限り、「%」、「部」等は、実施例等も含めて質量基準で記載する。
前記インク組成物の用途は特に制限されないが、繊維の染色を行う捺染に使用するのが好ましく、中でもインクジェット捺染に使用するのがより好ましい。
前記酸性染料の具体例としては、例えばC.I.Acid Yellow 1、3、11、17、18、19、23、25、36、38、40、40:1、42、44、49、59、59:1、61、65、72、73、79、99、104、110、159、169、176、184、193、200、204、207、215、219、219:1、220、230、232、235、241、242、246等のイエロー染料;C.I. Acid Orange 3、7、8、10、19、24、51、56、67、74、80、86、87、88、89、94、95、107、108、116、122、127、140、142、144、149、152、156、162、166、168等のオレンジ染料;C.I.Acid Brown 2、4、13、14、19、28、44、123、224、226、227、248、282、283、289、294、297、298、301、355、357、413等のブラウン染料;C.I.Acid Red 1、6、8、9、13、18、27、35、37、52、54、57、73、82、88、97、97:1、106、111、114、118、119、127、131、138、143、145、151、183、195、198、211、215、217、225、226、249、251、254、256、257、260、261、265、266、274、276、277、289、296、299、315、318、336、337、357、359、361、362、364、366、399、407、415等のレッド染料;C.I.Acid Violet 17、19、21、42、43、47、48、49、54、66、78、90、97、102、109、126等のバイオレット染料;C.I.Acid Blue 1、7、9、15、23、25、40、61:1、62、72、74、80、83、90、92、103、104、112、113、114、120、127、127:1、128、129、138、140、142、156、158、171、182、185、193、199、201、203、204、205、207、209、220、221、224、225、229、230、239、249、258、260、264、277:1、278、279、280、284、290、296、298、300、317、324、333、335、338、342、350等のブルー染料;C.I.Acid Green 9、12、16、19、20、25、27、28、40、43、56、73、81、84、104、108、109等のグリーン染料;C.I.Acid Black 1、2、3、24、24:1、26、31、50、52、52:1、58、60、63、107、109、112、119、132、140、155、172、187、188、194、207、222等のブラック染料;等が挙げられる。
インク組成物の総質量中における染料の総含有量は通常0.5%〜35%、好ましくは1%〜20%、より好ましくは1〜15%、さらに好ましくは1〜10%である。
前記インク組成物は、単一の染料を含有することも、複数の染料を含有することもできる。例えば、ブルー染料を主体とし、オレンジ染料、ブラウン染料及びレッド染料を配合してブラックインクを調製することができる。また、前記各色の染料を適宜配合することにより、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各インクの色調を、望みの色に微調整することもできる。
インク組成物中に含有する染料の種類は特に制限されないが、おおよその目安として、通常1乃至7種類、好ましくは1乃至5種類、さらに好ましくは1乃至3種類程度である。
染料は、乾燥又はウエットケーキの状態で、粉末又は塊状のせんりょうとして;又は、溶液の状態として;購入することができる。これらの染料は、工業染色用粉末、捺染用液状品、インクジェット捺染用等の各種の品質があり、製造方法、純度等がそれぞれ異なる。
前記インク組成物は、保存安定性及びインクジェットプリンタからの吐出性を良好にする目的で、できるだけ不純物の少ない染料を使用するのが好ましい。一般に、市販品の染料には、塩化ナトリウム等の無機塩が混入していることが多い。また、特に精製操作を行わない水等は、カルシウムイオン、マグネシウムイオン等の金属イオンを含むため、このような水等をインク組成物の調製時に使用すると、それらのイオン等が混入する。
本明細書においては、前記の無機塩及び金属イオンを含めて「無機不純物」という。これらの無機不純物は、インク組成物に対する等に対する染料の溶解度、及びインク組成物の保存安定性を著しく悪化させると共に、プリンタヘッドの腐食・磨耗・ノズル詰りの原因ともなる。このため、無機不純物を除去するために限外濾過法、逆浸透膜法、イオン交換法等の公知の方法を利用し、インク組成物中の含有量をできるだけ小さくすることが望ましい。インク組成物の総質量中における、無機不純物の含有量は通常1%以下、好ましくは0.1%以下、より好ましくは0.01%以下である。下限は検出機器の検出限界以下、すなわち0%とすることもできる。インク組成物の調製においては、染料又は染料溶液等から無機不純物を除去した後、希釈又は濃縮等により所望の染料濃度に調整し、インク組成物を得ることができる。
前記式(1)で示される化合物の重量平均分子量の上限は特に制限されない。その上限の目安としては通常4000、2000程度が好ましい。
式(1)中、X、X、及びXは、同じであっても異なっていてもよいが、同じである方が好ましい。また、X、X、Xの全てが水素原子、又はメチル基であるものがより好ましく、前者がさらに好ましい。
前記式(1)で表される化合物は、公知の方法に従ってグリセリンに酸化プロピレン又は酸化エチレンを付加重合して得ることができる。式(1)中、a、b、及びcは、付加重合した酸化プロピレン又は酸化エチレンの数を意味する。
市販品として入手できる式(1)で表される化合物の具体例としては、例えば、青木油脂工業株式会社製 商品名ブラウノンGL−26[前記式(1)において、a、b及びcの総和が26の化合物]が挙げられる。
インク組成物の総質量中における、前記式(1)で表される化合物の含有量は通常0.1%〜50%、好ましくは1%〜30%である。
前記インク組成物は、水溶性有機溶剤を含有することができる。水溶性有機溶剤としては、多価アルコール類、及びピロリドン類等を挙げることができる。
多価アルコール類としては、例えば、ヒドロキシ基を2つ又は3つ有するC2−C6多価アルコール、及び、繰り返し単位が4以上で、重量平均分子量が20,000程度以下のポリC2−C3アルキレングリコール、好ましくは液状のポリアルキレングリコール等が挙げられる。その具体例としては、グリセリン、1,3−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール等のヒドロキシ基を2つ又は3つ有するC2−C6多価アルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のジ又はトリC2−C3アルキレングリコール;ポリプロピレングリコール等のポリC2−C3アルキレングリコール;等が挙げられる。
ピロリドン類としては、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
水溶性有機溶剤は、単独で使用することも併用することもでき、併用するのが好ましい。
インク組成物の総質量中における水溶性有機溶剤の総含有量は通常1%〜40%、好ましくは3%〜30%、より好ましくは5%〜20%である。
前記インク組成物は、工業用インクジェットヘッドが搭載されたプリンタでの使用時において、高速での吐出応答性を改善することを目的とし、25℃における粘度がE型粘度計にて測定したときに通常8mPa・sより大きく、10mPa・s以上が好ましい。その上限は特に制限されないが、通常20Pa・s以下、14Pa・s以下が好ましい。
25℃における表面張力は、プレート法にて測定したときに通常20〜40mN/mの範囲が好ましい。また、使用するプリンタのインクの吐出量、応答速度、インク液滴の飛行特性、及びインクジェットヘッドに固有の特性等を考慮し、適切な物性値に微調整するのが好ましい。
前記インク組成物は、必要に応じて、さらにインク調製剤を含有することができる。インク調製剤としては、界面活性剤、防腐防黴剤、pH調整剤等が挙げられる。インク組成物の総質量中における、インク調製剤の総含有量は通常0〜10%程度、好ましくは0.05〜5%程度である。
界面活性剤としては、アニオン、カチオン、両性、及びノニオンの各界面活性剤が挙げられる。
アニオン界面活性剤としてはアルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸又はその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリールスルホン酸塩、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキルシルスルホ琥珀酸塩、ジオクチルスルホ琥珀酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体等が挙げられる。
両性界面活性剤としてはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、イミダゾリン誘導体等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル系;ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレングリコール(アルコール)系;他の具体例として、例えば、日信化学社製 商品名サーフィノール104、82、440、465、オルフィンSTG;等が挙げられる。これらの中ではサーフィノールが好ましい。
防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソジウムピリジンチオン−1−オキサイド、ジンクピリジンチオン−1−オキサイド、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、1−ベンズイソチアゾリン−3−オンのアミン塩、アーチケミカルズ社製プロキセルGXL等が挙げられる。これらの中ではプロキセルGXLが好ましい。
pH調整剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ土類金属の水酸化物;トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン等の3級アミン類、好ましくはヒドロキシ基で置換されても良いモノ、ジ又はトリC1−C4アルキルアミン;等が挙げられる。これらの中ではトリエタノールアミンが好ましい。
インク組成物の総質量中における、pH調整剤の含有量は通常0.1%〜2%程度であり、好ましくは0.3〜1.5%程度である。
前記インク調製剤は、いずれも単独で使用することも、複数の種類を併用することもできる。
前記インク組成物は、酸性染料と、前記式(1)で表される化合物と、水と、必要に応じて水溶性有機溶剤、及びインク調整剤をさらに加えて混合し、固形分が溶解するまで攪拌することにより得られる。各成分を加える順番は特に制限されない。
インク組成物の調製に使用する水としては、蒸留水やイオン交換水等を用いるのが好ましい。
前記インク組成物をインクジェット捺染に使用するときは、メンブランフィルタ等を用いてインク組成物を精密濾過し、夾雑物を除いた濾液を用いるのが好ましい。精密濾過を行う際のフィルタの孔径は通常1μm〜0.1μm、好ましくは、0.8μm〜0.1μmである。
前記繊維の捺染方法は、前記インク組成物の液滴を、インクジェットプリンタを用いて繊維に付着させ、文字・絵柄等の画像情報を繊維に記録する工程(以下「工程1」という。)と、該工程により付着させたインク組成物中の染料を熱により繊維に固着させる工程(以下「工程2」という。)と、該繊維中に残存する未固着の染料を洗浄する工程(以下「工程3」という。)とを含む繊維の捺染方法である。インクジェットプリンタのインクノズル等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
繊維としては、酸性染料で染色が可能な繊維であれば特に制限されないが、ポリアミド繊維が好ましい。ポリアミド繊維としては、例えば、シルク、ウール等の天然繊維;ナイロン等の合成ポリアミド繊維;及び、これらの繊維を含有する混紡繊維;等が挙げられる。
工程1としては、前記インク組成物が充填された容器をインクジェットプリンタの所定の位置に装填し、該インク組成物の液滴を記録信号に応じて吐出させて、繊維に付着させる通常の記録方法が挙げられる。
工程2としては、前記インク組成物が付着した繊維を常温〜150℃に0.5〜30分放置して予備乾燥させた後、さらにスチーミング処理を施す方法等が挙げられる。スチーミング処理の条件としては、湿度80〜100%、温度95〜105℃の環境下に、5〜40分繊維を置く条件が挙げられる。
工程3としては、スチーミング処理をした繊維を水により洗浄する方法が挙げられる。洗浄に使用する水、は、界面活性剤を含むことができる。
未固着の染料を洗浄した後の繊維を50〜120℃で、5〜30分乾燥することにより、乾燥した染色された繊維を得ることができる。
前記の捺染方法は、工程1を行う前に、繊維に対する前処理工程を含むことができる。この前処理工程としては、1種類以上の糊材、及び酸性の塩を少なくとも含む水溶液を、繊維に付着させる工程が挙げられる。
この前処理工程は必須ではないが、捺染の際に染料のにじみを防止する効果が得られることもある。そのため、前記の捺染方法は、繊維の前処理工程を含むのが好ましい。
前処理工程としては、1種類以上の糊剤、及び酸性の塩を少なくとも含む水溶液(以下「前処理液」という。)を繊維に含浸させることにより、繊維に付着させる方法が挙げられる。また、この前処理液は、さらにヒドロトロピー剤を含むことが好ましい。
前処理液を繊維に付着させる方法としては、例えばパディング法が挙げられる。パディングの絞り率は40〜90%程度が好ましく、60〜80%程度がより好ましい。
前記糊剤としては、グアー、ローカストビーン等の天然ガム類;澱粉類、アルギン酸ソーダ、ふのり等の海藻類;ペクチン酸等の植物皮類;メチル繊維素、エチル繊維素、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素誘導体;カルボキシメチル澱粉等の加工澱粉;シラツガム系、ローストビーンガム系等の加工天然ガム類;ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸エステル等の合成糊;等が挙げられる。これらの中では天然ガム類;加工天然ガム類が好ましい。
前記酸性の塩としては、水溶液とした際に酸性を示す塩が挙げられる。その具体例としては硫酸アンモニウム、酒石酸アンモニウム、及び酢酸アンモニウム等の酸性のアンモニウム塩が挙げられる。これらの中では硫酸アンモニウムが好ましい。
前記ヒドロトロピー剤としては、尿素、ジメチル尿素、チオ尿素、モノメチルチオ尿素、ジメチルチオ尿素等のアルキル尿素等が挙げられる。これらの中では尿素が好ましい。
前記の糊剤、酸性の塩、及びヒドロトロピー剤は、いずれも単独で用いることも、併用することもでき、併用するのが好ましい。
前処理液の総質量中における、糊剤、及びpH調整剤の混合比率は、例えば単一の材質からなる繊維であるか、混紡繊維であるか等により、一概に決めることは困難である。その目安としては、例えば、糊剤が0.5〜5%、pH調整剤が0.5〜5%、残部が水である。ヒドロトロピー剤を併用するとき、前処理液の総質量中における、その含有量は1%〜20%程度である。
本発明のインクジェット捺染用インクで捺染した繊維は、彩度、染色濃度、色ぶれ、及び耐光性のバランスに優れる。また、水堅牢度、洗濯堅牢度等の他の堅牢性試験、色調、色再現域の広さ等の各種の性能においても優れる。
また、該インクは、高粘度インクを必要とする工業用インクジェットヘッドが搭載されたプリンタでの、周波数値に係らない吐出性能を発揮することも可能である。
さらに、インクジェット捺染後に一定時間プリンタを放置し、再度吐出(捺染)を開始したときの吐出性も良好である。
従って、本発明のインクジェット捺染用インク及びこれを用いる捺染方法は、繊維の捺染用途に極めて好適である。
以下実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、これら実施例により本発明が限定されるものではない。
[実施例1]
下記表1に記載の各成分を混合し、固形分が溶解するまでおおよそ1時間攪拌することにより、インク組成物を得た後、0.45μmのメンブランフィルタ(アドバンテック社製のセルロースアセテート系濾紙)で濾過することにより、実施例1の試験用のインク組成物を調製した。
下記表1中の数値は「部」であり、記号「−」は、その成分を含有しないことを意味する。また、略号等は以下の意味を有する。
AY79;C.I. Acid Yellow 79。
ブラウノンGL−26;青木油脂工業株式会社製の商品名ブラウノンGL−26。
Figure 2016210920
[(A)粘度評価試験]
実施例1のインク組成物の20℃における粘度を、E型粘度計を用いて測定した。結果を下記表2に示す。この粘度の単位はmP・sである。
[(B)保存安定性試験]
各実施例のインク組成物を1時間攪拌した後、一週間放置し、固形分の沈降の有無、及びインク組成物の状態を目視にて評価した。結果を下記表2に示す。評価基準は以下の通りである。
A:固形分の沈降、及びインク組成物のゲル化は共に確認できない。
B:固形分の沈降は僅かにあるが、インク組成物のゲル化は確認できない。
C:固形分の沈降が明らかに生じているか、又はインク組成物のゲル化が確認された。
Figure 2016210920
表2の結果から明らかなように、本発明のインク組成物は工業用ヘッドに適したインク粘度に調整でき、且つ保存安定性に優れることが確認できた。
本発明のインク組成物は繊維の捺染用、好ましくはインクジェット捺染用、特に工業用インクジェットヘッドを使用するインクジェット捺染用のインクとして極めて好適である

Claims (12)

  1. 酸性染料と、下記式(1)で表される化合物と、水とを含有するインク組成物。
    Figure 2016210920
    [式(1)中、X、X及びXはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、a、b及びcはそれぞれ独立して1以上の自然数を表し、且つa、b及びcの総和は3以上60以下である。]
  2. 式(1)におけるX、X及びXの全てが水素原子又はメチル基である請求項1に記載のインク組成物。
  3. 式(1)におけるX、X及びXの全てが水素原子である請求項1又は2に記載のインク組成物。
  4. インク組成物の総質量中における、前記式(1)で表される化合物の含有量が、0.1質量%〜50質量%である請求項1乃至3に記載のインク組成物。
  5. 水溶性有機溶剤をさらに含有する請求項1乃至4のいずれか一項に記載のインク組成物。
  6. インク組成物の総質量中において、0.1質量%〜2質量%のpH調整剤をさらに含有する請求項1乃至5のいずれか一項に記載のインク組成物。
  7. pH調整剤がトリエタノールアミンである請求項6に記載のインク組成物。
  8. 20℃における粘度が8mPa・sより大きく20mPa・s以下である請求項1乃至7のいずれか一項に記載のインク組成物。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載のインク組成物を、インクジェットプリンタを用いて繊維に付着させる工程と、該工程により付着させたインク組成物中の染料を、熱により繊維に固着させる工程と、該繊維中に残存する未固着の染料を洗浄する工程とを含む、繊維の捺染方法。
  10. 1種類以上の糊材、及びpH調整剤を少なくとも含む水溶液を、インク組成物を付与する前の繊維に含浸させる、繊維の前処理工程をさらに含む、請求項9に記載の繊維の捺染方法。
  11. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載のインク組成物により染色された繊維。
  12. 請求項9又は10に記載の捺染方法により染色された繊維。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018141102A (ja) * 2017-02-28 2018-09-13 セイコーエプソン株式会社 インクジェットインク組成物、及び記録方法
US10860205B2 (en) 2017-02-24 2020-12-08 Sony Corporation Control device, control method, and projection system

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