JP2016169272A - インク組成物及びそれを用いた繊維の捺染方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】工業用インクジェットプリンタに適する粘度を有し、かつインクの保存安定性に優れた反応染料インクの提供。【解決手段】モノクロルトリアジン反応染料と、下記式(1)で表される化合物と、水とを含有するインク組成物により、上記の課題を解決できた。【化1】[式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表し、R3はアルキル基を表す。]【選択図】なし
Description
本発明は、反応染料を含有するインク組成物及びそれを用いたインクジェット捺染方法に関する。
インクジェットプリンタを用いた繊維の捺染は、スクリーン捺染、ローラー捺染、ロータリー捺染に比べ、製版工程が不要であり工程が短縮できること;デジタル化されたデザインをコンピュータを介してそのままプリントできること;多品種の製品を少量ずつであっても生産することが可能であること;、染料色糊の廃液等が大幅に削減できること;等多くのメリットがある。
その一方で、従来の製版捺染に比べ、プリント加工速度が遅いこと;濃色を再現し難いこと;等の課題があり、見本反の製造や少量生産の範囲で使用されることが多かった。
近年、コンピュータの画像処理やプリントヘッド製造の技術的進歩により、インクジェットプリンタのプリント速度が大幅に向上されてきたこと;プリントデザインのデジタル化;プリント加工の多様化及び小ロット化が市場で要求されてきたこと;等を背景に、インクジェット捺染の普及が進んでいる。
インクジェット捺染に用いる染料インクとしては、水中に染料を溶解あるいは分散させた水性インクが一般的である。そのようなインクにおいては、水分の蒸発によるインクの乾燥を抑え、かつインクの粘度を調整する目的で、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール類;これらのグリコール類のアルキルエーテル化合物;及び、グリセリン等のヒドロキシ基を分子内に有する溶剤;等から適宜選択される化合物がインク中に添加されている。
しかしながら、様々な種類の染料のうち反応染料のみは、その分子中に必須の構成として繊維と反応する繊維反応性の基を有し、この基が繊維中に存在するヒドロキシ基等と反応して共有結合を形成することにより繊維に固着し、染色を行う染料である。このため、反応染料を含有するインクに前記の溶剤等を添加すると、インクの保存中や、捺染後に染料の固着の目的で行われる熱による反応固着工程において、前記の溶剤等が有するヒドロキシ基と反応染料とが反応してしまい、染料の繊維への固着率が低下してしまうという問題が生じる。従って、反応染料を含有するインク(以下「反応染料インク」という。)に添加するインク調製剤としては、染料との反応性が低い組み合わせを選択する必要がある。インク調製剤の中でも有機溶剤は、一般にその添加量が他の添加剤と比べて多いため、様々な有機溶剤が提案されてきた。反応染料インクに用いることができる有機溶剤の具体例として、チオジグリコール(特許文献1)、プロピレングリコール(特許文献2)、1、3−ブタンジオール(特許文献3)、グリセリンのEO付加物(特許文献4)、ポリプロピレングリコール(特許文献5)等が知られている。
また一方、近年では特許文献5に記載されているように、吐出安定性を確保する為のインクの物性として、8〜20mPa・s程度の粘度が必要とされる工業用の高耐久性のインクジェットヘッド及びそれらが搭載された高速プリンタが開発されている。
その一方で、従来の製版捺染に比べ、プリント加工速度が遅いこと;濃色を再現し難いこと;等の課題があり、見本反の製造や少量生産の範囲で使用されることが多かった。
近年、コンピュータの画像処理やプリントヘッド製造の技術的進歩により、インクジェットプリンタのプリント速度が大幅に向上されてきたこと;プリントデザインのデジタル化;プリント加工の多様化及び小ロット化が市場で要求されてきたこと;等を背景に、インクジェット捺染の普及が進んでいる。
インクジェット捺染に用いる染料インクとしては、水中に染料を溶解あるいは分散させた水性インクが一般的である。そのようなインクにおいては、水分の蒸発によるインクの乾燥を抑え、かつインクの粘度を調整する目的で、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール類;これらのグリコール類のアルキルエーテル化合物;及び、グリセリン等のヒドロキシ基を分子内に有する溶剤;等から適宜選択される化合物がインク中に添加されている。
しかしながら、様々な種類の染料のうち反応染料のみは、その分子中に必須の構成として繊維と反応する繊維反応性の基を有し、この基が繊維中に存在するヒドロキシ基等と反応して共有結合を形成することにより繊維に固着し、染色を行う染料である。このため、反応染料を含有するインクに前記の溶剤等を添加すると、インクの保存中や、捺染後に染料の固着の目的で行われる熱による反応固着工程において、前記の溶剤等が有するヒドロキシ基と反応染料とが反応してしまい、染料の繊維への固着率が低下してしまうという問題が生じる。従って、反応染料を含有するインク(以下「反応染料インク」という。)に添加するインク調製剤としては、染料との反応性が低い組み合わせを選択する必要がある。インク調製剤の中でも有機溶剤は、一般にその添加量が他の添加剤と比べて多いため、様々な有機溶剤が提案されてきた。反応染料インクに用いることができる有機溶剤の具体例として、チオジグリコール(特許文献1)、プロピレングリコール(特許文献2)、1、3−ブタンジオール(特許文献3)、グリセリンのEO付加物(特許文献4)、ポリプロピレングリコール(特許文献5)等が知られている。
また一方、近年では特許文献5に記載されているように、吐出安定性を確保する為のインクの物性として、8〜20mPa・s程度の粘度が必要とされる工業用の高耐久性のインクジェットヘッド及びそれらが搭載された高速プリンタが開発されている。
本発明は工業用インクジェットプリンタに適する粘度を有し、かつインクの保存安定性に優れた反応染料インク組成物の提供を課題とする。
本発明者らは前記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、反応染料と、下記式(1)で表される特定の化合物と、、水とを含有するインク組成物が、前記の課題を解決することを見出し、本発明を完成させた。即ち本発明は、以下の1)〜12)に関する。
1)
モノクロルトリアジン反応染料と、下記式(1)で表される化合物と、水とを含有するインク組成物。
1)
モノクロルトリアジン反応染料と、下記式(1)で表される化合物と、水とを含有するインク組成物。
[式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表し、R3はアルキル基を表す。]
2)
前記式(1)で表される化合物のR3が、C1−C4アルキル基である、前記1)に記載のインク組成物。
3)
インク組成物の総質量中における、前記式(1)で表される化合物の含有量が、0.1〜50質量%である前記1)又は2)に記載のインク組成物。
4)
水溶性有機溶剤をさらに含有する前記1)乃至3)のいずれか一項に記載のインク組成物。
5)
インク組成物の総質量中において、0.1〜2質量%のpH調整剤をさらに含有する前記1)乃至4)のいずれか一項に記載のインク組成物。
6)
pH調整剤がトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンである前記5)に記載のインク組成物。
7)
25℃におけるインク組成物の粘度が3〜20mPa・sの範囲である前記1)乃至6)のいずれか一項に記載のインク組成物。
8)
インク組成物の粘度が8〜20mPa・sの範囲である前記7)に記載のインク組成物。
9)
前記1)乃至8)のいずれか一項に記載のインク組成物の液滴を、インクジェットプリンタを用いて繊維に付着させる工程と、該工程により付着させたインク組成物中の染料を熱により繊維に反応固着させる工程と、該繊維中に残存する未固着の染料を洗浄する工程とを含む、繊維の捺染方法。
10)
インク組成物の液滴を繊維に付着させる前に、1種類以上の糊材、アルカリ性物質、及びヒドロトロピー剤を少なくとも含む水溶液を、該繊維に付着させる繊維の前処理工程をさらに含む前記9)に記載の繊維の捺染方法。
11)
前記1)乃至8)のいずれか一項に記載のインク組成物により染色された繊維。
12)
前記9)又は10)に記載の捺染方法により染色された繊維。
2)
前記式(1)で表される化合物のR3が、C1−C4アルキル基である、前記1)に記載のインク組成物。
3)
インク組成物の総質量中における、前記式(1)で表される化合物の含有量が、0.1〜50質量%である前記1)又は2)に記載のインク組成物。
4)
水溶性有機溶剤をさらに含有する前記1)乃至3)のいずれか一項に記載のインク組成物。
5)
インク組成物の総質量中において、0.1〜2質量%のpH調整剤をさらに含有する前記1)乃至4)のいずれか一項に記載のインク組成物。
6)
pH調整剤がトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンである前記5)に記載のインク組成物。
7)
25℃におけるインク組成物の粘度が3〜20mPa・sの範囲である前記1)乃至6)のいずれか一項に記載のインク組成物。
8)
インク組成物の粘度が8〜20mPa・sの範囲である前記7)に記載のインク組成物。
9)
前記1)乃至8)のいずれか一項に記載のインク組成物の液滴を、インクジェットプリンタを用いて繊維に付着させる工程と、該工程により付着させたインク組成物中の染料を熱により繊維に反応固着させる工程と、該繊維中に残存する未固着の染料を洗浄する工程とを含む、繊維の捺染方法。
10)
インク組成物の液滴を繊維に付着させる前に、1種類以上の糊材、アルカリ性物質、及びヒドロトロピー剤を少なくとも含む水溶液を、該繊維に付着させる繊維の前処理工程をさらに含む前記9)に記載の繊維の捺染方法。
11)
前記1)乃至8)のいずれか一項に記載のインク組成物により染色された繊維。
12)
前記9)又は10)に記載の捺染方法により染色された繊維。
本発明のインク組成物、及びこれを用いる捺染方法により、工業用インクジェットプリンタに適する粘度を有し、かつインクの保存安定性に優れたインク組成物を提供することができた。
本明細書においては特に断りの無い限り、「%」、「部」等は、実施例等も含めて質量基準で記載する。
前記インク組成物の用途は特に制限されないが、繊維の染色を行う捺染に使用するのが好ましく、中でもインクジェット捺染に使用するのがより好ましい。
インク組成物の総質量中における反応染料の含有量は通常0.5〜35%、好ましくは1〜20%である。
インク組成物に用いられる染料は、繊維と反応する反応性の基がモノクロルトリアジニル基である染料、すなわち、モノクロルトリアジン反応染料であることが好ましい。
反応染料の具体例としては、例えばC.I.Reactive Yellow 2、3、18、81、84、85、95、99、102等のイエロー;C.I.Reactive Orange 5、9、12、13、35、45、99等のオレンジ;C.I.Reactive Brown 2、8、9、17、33等のブラウン;C.I.Reactive Red 3、3:1、4、13、24、29、31、33、125、151、206、218、226、245等のレッド;C.I.Reactive Violet 1、24等のバイオレット;C.I.Reactive Blue 2、5、10、13、14、15、15:1、49、63、71、72、75、162、176等のブルー;C.I.Reactive Green 5、8、19等のグリーン;C.I.Reactive Black 1、8、23、39等のブラック;等の各色の染料が挙げられる。これらは単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
前記インク組成物の用途は特に制限されないが、繊維の染色を行う捺染に使用するのが好ましく、中でもインクジェット捺染に使用するのがより好ましい。
インク組成物の総質量中における反応染料の含有量は通常0.5〜35%、好ましくは1〜20%である。
インク組成物に用いられる染料は、繊維と反応する反応性の基がモノクロルトリアジニル基である染料、すなわち、モノクロルトリアジン反応染料であることが好ましい。
反応染料の具体例としては、例えばC.I.Reactive Yellow 2、3、18、81、84、85、95、99、102等のイエロー;C.I.Reactive Orange 5、9、12、13、35、45、99等のオレンジ;C.I.Reactive Brown 2、8、9、17、33等のブラウン;C.I.Reactive Red 3、3:1、4、13、24、29、31、33、125、151、206、218、226、245等のレッド;C.I.Reactive Violet 1、24等のバイオレット;C.I.Reactive Blue 2、5、10、13、14、15、15:1、49、63、71、72、75、162、176等のブルー;C.I.Reactive Green 5、8、19等のグリーン;C.I.Reactive Black 1、8、23、39等のブラック;等の各色の染料が挙げられる。これらは単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
染料を併用する具体例としては、例えば、ブルー系染料を主体とし、オレンジ系染料及びレッド系染料を併用し、ブラックインク組成物とすることができる。
また、前記の各色の色調を微調整する目的で、複数の染料を併用することもできる。
また、前記の各色の色調を微調整する目的で、複数の染料を併用することもできる。
染料は、乾燥又はウエットケーキの状態で、粉末又は塊状の染料として;又は、溶液の状態として;購入することができる。これらの染料は、工業染色用粉末、捺染用液状品、インクジェット捺染用等の各種の品質があり、製造方法、純度等がそれぞれ異なる。
前記インク組成物は、保存安定性及びインクジェットプリンタからの吐出性を良好にする目的で、できるだけ不純物の少ない染料を使用するのが好ましい。一般に、市販品の反応染料には、塩化ナトリウム等の無機塩が混入していることが多い。また、特に精製操作を行わない水等は、カルシウムイオン、マグネシウムイオン等の金属イオンを含むため、このような水等をインク組成物の調製に使用すると、それらのイオン等が混入する。
本明細書においては、前記の無機塩及び金属イオンを含めて「無機不純物」という。これらの無機不純物は、インク組成物に対する染料の溶解度、及びインク組成物の貯蔵安定性を著しく悪化させると共に、プリンタヘッドの腐食・磨耗の原因ともなる。このため、無機不純物を除去するために限外濾過法、逆浸透法、イオン交換法等の公知の方法を利用し、インク組成物中の含有量をできるだけ小さくすることが望ましい。インク組成物の総質量中における、無機不純物の含有量は通常1%以下、好ましくは0.5%以下、より好ましくは0.1%以下である。下限は検出機器の検出限界以下、すなわち0%とすることもできる。インク組成物の調製においては、染料又は染料溶液等から無機不純物を除去した後、希釈又は濃縮等により所望の染料濃度に調整し、インク組成物を得ることができる。
前記インク組成物は、保存安定性及びインクジェットプリンタからの吐出性を良好にする目的で、できるだけ不純物の少ない染料を使用するのが好ましい。一般に、市販品の反応染料には、塩化ナトリウム等の無機塩が混入していることが多い。また、特に精製操作を行わない水等は、カルシウムイオン、マグネシウムイオン等の金属イオンを含むため、このような水等をインク組成物の調製に使用すると、それらのイオン等が混入する。
本明細書においては、前記の無機塩及び金属イオンを含めて「無機不純物」という。これらの無機不純物は、インク組成物に対する染料の溶解度、及びインク組成物の貯蔵安定性を著しく悪化させると共に、プリンタヘッドの腐食・磨耗の原因ともなる。このため、無機不純物を除去するために限外濾過法、逆浸透法、イオン交換法等の公知の方法を利用し、インク組成物中の含有量をできるだけ小さくすることが望ましい。インク組成物の総質量中における、無機不純物の含有量は通常1%以下、好ましくは0.5%以下、より好ましくは0.1%以下である。下限は検出機器の検出限界以下、すなわち0%とすることもできる。インク組成物の調製においては、染料又は染料溶液等から無機不純物を除去した後、希釈又は濃縮等により所望の染料濃度に調整し、インク組成物を得ることができる。
前記式(1)で表される化合物中、R1、R2及びR3におけるアルキル基としては、直鎖、分岐鎖、及び環状のアルキル基が挙げられ、直鎖又は分岐鎖が好ましく、直鎖がより好ましい。その炭素数の範囲としては通常C1−C18、好ましくはC1−C8、より好ましくはC1−C6、さらに好ましくはC1−C4の範囲が挙げられる。
式(1)で表される化合物は、公知の方法で合成することも、市販品として入手することもできる。市販品としては、出光興産株式会社製のエクアミドM100、B100等が挙げられる。
インク組成物の総質量中における、式(1)で表される化合物の含有量は、通常0.1〜50%、好ましくは1〜30%、より好ましくは1〜10%、さらに好ましくは2〜7%である。
式(1)で表される化合物は、公知の方法で合成することも、市販品として入手することもできる。市販品としては、出光興産株式会社製のエクアミドM100、B100等が挙げられる。
インク組成物の総質量中における、式(1)で表される化合物の含有量は、通常0.1〜50%、好ましくは1〜30%、より好ましくは1〜10%、さらに好ましくは2〜7%である。
前記インク組成物の粘度は、25℃における粘度がE型粘度計にて測定したときに通常3〜20mPa・s、好ましくは8〜20mPa・sの範囲である。
この際の表面張力は、プレート法にて測定したときに通常20〜40mN/mの範囲が好ましい。
これらの値は、使用するプリンタの吐出量、応答速度、インク液滴の飛行特性、及びインクジェットヘッドの特性等を考慮し、適切な物性値に調整することができる。
この際の表面張力は、プレート法にて測定したときに通常20〜40mN/mの範囲が好ましい。
これらの値は、使用するプリンタの吐出量、応答速度、インク液滴の飛行特性、及びインクジェットヘッドの特性等を考慮し、適切な物性値に調整することができる。
前記インク組成物は、水溶性有機溶剤を含有することができる。水溶性有機溶剤は、粘度調整剤及び/又は、乾燥防止剤としての効果を有することもある。このため、インク組成物の乾燥により固形物の発生を防止し、かつ反応染料の溶解度を妨げないものを選択するのが好ましい。また、反応染料が有する繊維と反応する反応性の基と反応しないこと、反応性の基の分解を促進しないことも適宜考慮し、水溶性有機溶剤を選択するのが好ましい。
水溶性有機溶剤としてはノズルでの目詰まり防止等の目的で湿潤効果の高いものが好ましい。
水溶性有機溶剤としては多価アルコール類、ピロリドン類等を挙げることができる。多価アルコール類としては、例えば、ヒドロキシ基を2〜3個有するC2−C6多価アルコール;繰り返し単位が4以上で、分子量20,000程度以下のポリC2−C3アルキレングリコール、好ましくは液状のポリアルキレングリコール;等が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、グリセリン、1,3−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール等のヒドロキシ基を2〜3個有するC2−C6多価アルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコールポリエチレングリコール等のジ又はトリC2−C3アルキレングリコール;ポリプロピレングリコール等のポリC2−C3アルキレングリコール;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等のピロリドン類;等が挙げられる。これらの中ではプロピレングリコール及び2−ピロリドンが好ましい。
水溶性有機溶剤は、単独で使用することも併用することもできる。
水溶性有機溶剤としてはノズルでの目詰まり防止等の目的で湿潤効果の高いものが好ましい。
水溶性有機溶剤としては多価アルコール類、ピロリドン類等を挙げることができる。多価アルコール類としては、例えば、ヒドロキシ基を2〜3個有するC2−C6多価アルコール;繰り返し単位が4以上で、分子量20,000程度以下のポリC2−C3アルキレングリコール、好ましくは液状のポリアルキレングリコール;等が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、グリセリン、1,3−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール等のヒドロキシ基を2〜3個有するC2−C6多価アルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコールポリエチレングリコール等のジ又はトリC2−C3アルキレングリコール;ポリプロピレングリコール等のポリC2−C3アルキレングリコール;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等のピロリドン類;等が挙げられる。これらの中ではプロピレングリコール及び2−ピロリドンが好ましい。
水溶性有機溶剤は、単独で使用することも併用することもできる。
前記インク組成物は水溶性有機溶剤以外に、例えば、pH調整剤、界面活性剤、防腐防黴剤等のインク調製剤をさらに含有することができる。これらの中では、少なくともpH調整剤を含有するのが好ましい。
インク組成物の総質量中における、インク調製剤の総含有量は通常0〜10%、好ましくは0.05〜5%、より好ましくは0.1〜5%である。
インク組成物の総質量中における、インク調製剤の総含有量は通常0〜10%、好ましくは0.05〜5%、より好ましくは0.1〜5%である。
pH調整剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物;トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン等の3級アミン類;等が挙げられる。これらの中では3級アミン類が好ましく、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンがさらに好ましい。インク組成物の総質量中における、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンの含有量は通常0.1〜2%、好ましくは0.3〜1.5%である。
界面活性剤としてはアニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としてはアルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸又はその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリールスルホン酸塩、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキルシルスルホ琥珀酸塩、ジオクチルスルホ琥珀酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体等が挙げられる。
両性界面活性剤としてはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、イミダゾリン誘導体等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル系;ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレングリコール(アルコール)系;他の具体例として、例えば、日信化学社製 商品名サーフィノール104、82、440、465、オルフィンSTG;等が挙げられる。
これらの中ではサーフィノールが好ましい。
アニオン界面活性剤としてはアルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸又はその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリールスルホン酸塩、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキルシルスルホ琥珀酸塩、ジオクチルスルホ琥珀酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体等が挙げられる。
両性界面活性剤としてはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、イミダゾリン誘導体等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル系;ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレングリコール(アルコール)系;他の具体例として、例えば、日信化学社製 商品名サーフィノール104、82、440、465、オルフィンSTG;等が挙げられる。
これらの中ではサーフィノールが好ましい。
防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソジウムピリジンチオン−1−オキサイド、ジンクピリジンチオン−1−オキサイド、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、1−ベンズイソチアゾリン−3−オンのアミン塩、アベシア社製プロクセルGXL等が挙げられる。これらの中ではプロクセルGXLが好ましい。
前記インク組成物が含有する、及び含有することができる各成分は、いずれも単一の種類を使用することも、複数の種類を併用することもできる。
また、前記の各成分等において、好ましいもの同士の組み合わせはより好ましく、より好ましいもの同士の組み合わせはさらに好ましい。好ましいものとより好ましいもの、より好ましいものとさらに好ましいものとの組み合わせ等についても同様である。
また、前記の各成分等において、好ましいもの同士の組み合わせはより好ましく、より好ましいもの同士の組み合わせはさらに好ましい。好ましいものとより好ましいもの、より好ましいものとさらに好ましいものとの組み合わせ等についても同様である。
前記インク組成物は、必要に応じて前記成分を混合し、固形分が溶解するまで攪拌すること等により得られる。得られたインク組成物をインクジェット記録に用いるときは、メンブランフィルター等で濾過することにより、狭雑物を除いたインク組成物とするのが好ましい。その際に使用するインクノズル、及び吐出方式等については特に制限はなく、目的に応じて公知のノズル、及び吐出方式等を適宜選択することができる。
前記インク組成物は、各種の分野において使用することができる。一例として筆記、水性印刷、情報記録等に用いることが可能である。そのような各種の分野においてもインクジェット記録に用いることが好ましく、繊維の染色を行うインクジェット捺染に用いるのがより好ましい。
前記インク組成物を用いて、布帛に捺染する方法としては、例えば、前記インク組成物の液滴を、インクジェットプリンタを用いて繊維に付着させる工程と、該工程により付着させたインク組成物中の染料を熱により繊維に反応固着させる工程と、該繊維中に残存する未固着の染料を洗浄する工程とを含む、繊維の捺染方法が挙げられる。
繊維としては、前記インク組成物により染色される繊維であれば特に制限されないが、セルロース繊維を含有する繊維が好ましい。セルロース繊維の具体例としては、例えば、木綿、麻等の天然繊維;レーヨン等の再生セルロース繊維;及び、これらを含有する混紡繊維等が挙げられる。また、これらの繊維の構造物である布帛等も繊維に含まれる。
繊維としては、前記インク組成物により染色される繊維であれば特に制限されないが、セルロース繊維を含有する繊維が好ましい。セルロース繊維の具体例としては、例えば、木綿、麻等の天然繊維;レーヨン等の再生セルロース繊維;及び、これらを含有する混紡繊維等が挙げられる。また、これらの繊維の構造物である布帛等も繊維に含まれる。
前記の捺染方法は、布帛に対してにじみ防止等の前処理を施す目的で、前記インク組成物の液滴を繊維に付着させる前に、1種類以上の糊剤、アルカリ性物質、及びヒドロトロピー剤を少なくとも含む水溶液を、該繊維に付着させる、繊維の前処理工程をさらに含むことができる。
前処理工程としては、糊剤、アルカリ性物質、還元防止剤、ヒドロトロピー剤等の前処理剤を水溶液として前処理液を調製し、これを繊維に付着させることが好ましい。
糊剤としては、グアー、ローカストビーン等の天然ガム類、澱粉類、アルギン酸ソーダ、ふのり等の海藻類、ペクチン酸等の植物皮類、メチル繊維素、エチル繊維素、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素誘導体、カルボキシメチル澱粉等の加工澱粉、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸エステル等の合成糊等が挙げられる。これらの中ではアルギン酸ソーダが好ましい。
アルカリ性物質としては、例えば無機酸又は有機酸のアルカリ金属塩;アルカリ土類金属の塩;並びに加熱した際にアルカリを遊離する化合物が挙げられる。これらの中では無機又は有機酸のアルカリ金属水酸化物及びアルカリ金属塩が好ましい。金属塩としては、ナトリウム塩及びカリウム塩が挙げられる。その具体例としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、蟻酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、トリクロル酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等が挙げられる。これらの中では炭酸水素ナトリウムが好ましい。
還元防止剤としては、メタニトロベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
ヒドロトロピー剤としては、尿素、ジメチル尿素等のアルキル尿素等が挙げられる。これらの中では尿素が好ましい。
これらの前処理剤は単独で用いることも、併用することもでき、併用するのが好ましい。
前処理液の総質量中における各前処理剤の含有量の一例としては、例えば、糊剤が0.5〜5%、炭酸水素ナトリウムが0.5〜5%、還元防止剤が0〜5%、尿素が1〜20%であり、残部が水である。
前処理剤を繊維へ付着させる方法としては、例えば、パディング法が挙げられる。パディングの絞り率は40〜90%程度が好ましく、60〜80%程度がより好ましい。また、インクジェットプリンタを用いて前処理剤を繊維に付着させることもできる。
前処理工程としては、糊剤、アルカリ性物質、還元防止剤、ヒドロトロピー剤等の前処理剤を水溶液として前処理液を調製し、これを繊維に付着させることが好ましい。
糊剤としては、グアー、ローカストビーン等の天然ガム類、澱粉類、アルギン酸ソーダ、ふのり等の海藻類、ペクチン酸等の植物皮類、メチル繊維素、エチル繊維素、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素誘導体、カルボキシメチル澱粉等の加工澱粉、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸エステル等の合成糊等が挙げられる。これらの中ではアルギン酸ソーダが好ましい。
アルカリ性物質としては、例えば無機酸又は有機酸のアルカリ金属塩;アルカリ土類金属の塩;並びに加熱した際にアルカリを遊離する化合物が挙げられる。これらの中では無機又は有機酸のアルカリ金属水酸化物及びアルカリ金属塩が好ましい。金属塩としては、ナトリウム塩及びカリウム塩が挙げられる。その具体例としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、蟻酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、トリクロル酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等が挙げられる。これらの中では炭酸水素ナトリウムが好ましい。
還元防止剤としては、メタニトロベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
ヒドロトロピー剤としては、尿素、ジメチル尿素等のアルキル尿素等が挙げられる。これらの中では尿素が好ましい。
これらの前処理剤は単独で用いることも、併用することもでき、併用するのが好ましい。
前処理液の総質量中における各前処理剤の含有量の一例としては、例えば、糊剤が0.5〜5%、炭酸水素ナトリウムが0.5〜5%、還元防止剤が0〜5%、尿素が1〜20%であり、残部が水である。
前処理剤を繊維へ付着させる方法としては、例えば、パディング法が挙げられる。パディングの絞り率は40〜90%程度が好ましく、60〜80%程度がより好ましい。また、インクジェットプリンタを用いて前処理剤を繊維に付着させることもできる。
染料を反応固着させる工程としては、例えば、インク組成物を繊維に付着させた後、繊維を常温〜150℃に0.5〜30分放置して予備乾燥させた後、布帛にスチーミング処理を施す方法等が挙げられる。スチーミング処理としては、湿度80〜100%、温度95〜105℃の環境下で5〜40分処理する方法が挙げられる。
繊維中に残存する未固着の染料を洗浄する工程としては、温水により洗浄する方法が挙げられる。この温水中に界面活性剤を加えることもできる。このようにして得られた捺染された繊維は、50〜120℃で、5〜30分乾燥することができる。
本発明の反応染料インクは長期間保存後の固体析出、物性変化、色相変化もなく長期にわたる貯蔵安定性がきわめて良好である。また、耐水性、耐湿性、耐擦過性、耐光性等の各種堅牢性にが良好である。
また、従来のインクと比較して布上での彩度、明度、印字濃度、演色性、高発色性にも優れている。
また、従来のインクと比較して布上での彩度、明度、印字濃度、演色性、高発色性にも優れている。
以下実施例により本発明を更に詳細に説明するが、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。
[実施例1及び2]:インク組成物の調製。
下記表1に記載の各成分を混合し、固形分が溶解するまでおおよそ1時間攪拌することにより、各インク組成物を得た後、0.20μmのメンブランフィルター(商品名、セルロースアセテート系濾紙、アドバンテック社製)で濾過することにより、実施例1及び2の評価試験用のインク組成物を調製した。
下記表1に記載の各成分を混合し、固形分が溶解するまでおおよそ1時間攪拌することにより、各インク組成物を得た後、0.20μmのメンブランフィルター(商品名、セルロースアセテート系濾紙、アドバンテック社製)で濾過することにより、実施例1及び2の評価試験用のインク組成物を調製した。
下記表1中の数値は「部」であり、記号「−」は、その成分を含有しないことを意味する。また、略号等は以下の意味を有する。
RR245:C.I.Reactive Red 245。
エクアミドM100:出光興産株式会社製の商品名エクアミドM100。
エクアミドB100:出光興産株式会社製の商品名エクアミドB100。
RR245:C.I.Reactive Red 245。
エクアミドM100:出光興産株式会社製の商品名エクアミドM100。
エクアミドB100:出光興産株式会社製の商品名エクアミドB100。
前記のようにして得られた実施例1及び2のインク組成物を用いて下記する評価試験を行った。
[(A)粘度評価試験]
各実施例のインク組成物の28℃における粘度を、E型粘度計を用いて測定した。結果を下記表2に示す。この粘度の単位はmP・sである。
[(B)保存安定性試験]
各実施例のインク組成物を約25℃で1時間攪拌した後、一週間放置し、固形分の沈降の有無、及びインク組成物の状態を目視にて評価した。結果を下記表2に示す。評価基準は以下の通りである。
A:固形分の沈降、及びインク組成物のゲル化は共に確認できない。
B:固形分の沈降は僅かにあるが、インク組成物のゲル化は確認できない。
C:固形分の沈降が明らかに生じているか、又はインク組成物のゲル化が確認された。
各実施例のインク組成物の28℃における粘度を、E型粘度計を用いて測定した。結果を下記表2に示す。この粘度の単位はmP・sである。
[(B)保存安定性試験]
各実施例のインク組成物を約25℃で1時間攪拌した後、一週間放置し、固形分の沈降の有無、及びインク組成物の状態を目視にて評価した。結果を下記表2に示す。評価基準は以下の通りである。
A:固形分の沈降、及びインク組成物のゲル化は共に確認できない。
B:固形分の沈降は僅かにあるが、インク組成物のゲル化は確認できない。
C:固形分の沈降が明らかに生じているか、又はインク組成物のゲル化が確認された。
表2の結果から明らかなように、本発明のインク組成物は工業用ヘッドに適したインク粘度に調整することができると共に、その粘度における保存安定性に優れることが確認された。
本発明のインク組成物は捺染用、好ましくはインクジェット捺染用、特に工業用インクジェットヘッドを使用するインクジェット捺染用のインクとして極めて好適である。
Claims (12)
- 前記式(1)で表される化合物のR3が、C1−C4アルキル基である、請求項1に記載のインク組成物。
- インク組成物の総質量中における、前記式(1)で表される化合物の含有量が、0.1〜50質量%である請求項1又は請求項2に記載のインク組成物。
- 水溶性有機溶剤をさらに含有する請求項1乃至3のいずれか一項に記載のインク組成物。
- インク組成物の総質量中において、0.1〜2質量%のpH調整剤をさらに含有する請求項1乃至4のいずれか一項に記載のインク組成物。
- pH調整剤がトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンである請求項5に記載のインク組成物。
- 25℃におけるインク組成物の粘度が3〜20mPa・sの範囲である請求項1乃至6のいずれか一項に記載のインク組成物。
- インク組成物の粘度が8〜20mPa・sの範囲である請求項7に記載のインク組成物。
- 請求項1乃至8のいずれか一項に記載のインク組成物の液滴を、インクジェットプリンタを用いて繊維に付着させる工程と、該工程により付着させたインク組成物中の染料を熱により繊維に反応固着させる工程と、該繊維中に残存する未固着の染料を洗浄する工程とを含む、繊維の捺染方法。
- インク組成物の液滴を繊維に付着させる前に、1種類以上の糊材、アルカリ性物質、及びヒドロトロピー剤を少なくとも含む水溶液を、該繊維に付着させる繊維の前処理工程をさらに含む請求項9に記載の繊維の捺染方法。
- 請求項1乃至8のいずれか一項に記載のインク組成物により染色された繊維。
- 請求項9又は10に記載の捺染方法により染色された繊維。
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