JP2017109202A - 水素排出膜形成用支持体及び水素排出積層膜 - Google Patents

水素排出膜形成用支持体及び水素排出積層膜 Download PDF

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孝博 福岡
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Abstract

【課題】本発明は、圧力が加わった際に破損しにくく、耐圧気密性に優れる水素排出膜を形成するための支持体、及び当該支持体を用いた水素排出積層膜を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の水素排出膜形成用支持体は、金属層を含む水素排出膜を形成するために用いられ、前記支持体は、多孔質体であり、前記多孔質体は、前記水素排出膜を形成する側の表面から厚さ方向4μmまでの断面部分における平均孔径が30〜100nmであり、前記多孔質体は、前記水素排出膜を形成する側の表面から厚さ方向8μmまでの断面部分における最大孔径が2μm以下であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、水素排出膜形成用支持体及び水素排出積層膜に関する。前記水素排出積層膜は、電池、コンデンサ、キャパシタ、及びセンサなどの電気化学素子に設けられる。
近年、風力発電及び太陽光発電などのインバータ、蓄電池などの大型電源などの用途にアルミ電解コンデンサが使用されている。アルミ電解コンデンサは、逆電圧、過電圧、及び過電流によって内部に水素ガスが発生する場合があり、水素ガスが大量に発生すると内部圧力の上昇によって外装ケースが破裂する恐れがある。
そのため、一般のアルミ電解コンデンサには、特殊膜を備えた安全弁が設けられている。安全弁は、コンデンサ内部の水素ガスを外部に排出する機能に加え、コンデンサの内部圧力が急激に上昇した場合には自壊して内部圧力を低下させ、コンデンサ自体の破裂を防止する機能を有するものである。このような安全弁の構成部材である特殊膜としては、例えば、以下のものが提案されている。
特許文献1では、パラジュームに20wt%(19.8mol%)Agを含有させたパラジューム銀(Pd−Ag)の合金で構成された箔帯を備えた圧力調整膜が提案されている。
しかし、特許文献1の箔帯は、50〜60℃程度以下の環境下で脆化しやすく、圧力調整膜としての機能を長期間維持することができないという問題があり、実用化には至っていない。
一方、携帯電話、ノートパソコン、及び自動車等のバッテリーとして、リチウムイオン電池が幅広く使用されている。また近年、リチウムイオン電池は高容量化やサイクル特性向上に加えて、安全性への関心が高まっている。特に、リチウムイオン電池はセル内でガスが発生することが知られており、内圧上昇に伴う電池パックの膨張や破裂が懸念されている。
特許文献2には、電池内で発生した水素ガスを選択的に透過する水素選択透過性合金膜として、ジルコニウム(Zr)とニッケル(Ni)の合金からなるアモルファス合金(例えば、36Zr−64Ni合金)膜を用いることが開示されている。
しかし、前記アモルファス合金は、低温域(例えば、50℃)で水素に触れると水素化物(ZrH)を形成して脆化するため、圧力調整膜としての機能を長時間維持することができないという問題があった。
特許文献3では、上記問題を解決するために、Pd−Ag合金を含む水素排出膜の片面又は両面に支持体を有しており、前記Pd−Ag合金中のAgの含有量が20mol%以上である水素排出積層膜が提案されている。
特許文献4では、上記問題を解決するために、Pd−Cu合金を含む水素排出膜の片面又は両面に支持体を有しており、前記Pd−Cu合金中のCuの含有量が30mol%以上である水素排出積層膜が提案されている。
特許第4280014号明細書 特開2003−297325号公報 国際公開第2014/098038号 国際公開第2015/019906号
しかし、スパッタリング法などによって支持体上に形成された薄い水素排出膜は、圧力が加わった際に容易に破損する場合があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、圧力が加わった際に破損しにくく、耐圧気密性に優れる水素排出膜を形成するための支持体、及び当該支持体を用いた水素排出積層膜を提供することを目的とする。また、当該水素排出積層膜を備えた電気化学素子用安全弁及び電気化学素子用水素排出弁、並びに当該安全弁又は水素排出弁を備えた電気化学素子を提供することを目的とする。
本発明は、金属層を含む水素排出膜を形成するための水素排出膜形成用支持体であって、
前記支持体は、多孔質体であり、
前記多孔質体は、前記水素排出膜を形成する側の表面から厚さ方向4μmまでの断面部分における平均孔径が30〜100nmであり、
前記多孔質体は、前記水素排出膜を形成する側の表面から厚さ方向8μmまでの断面部分における最大孔径が2μm以下であることを特徴とする水素排出膜形成用支持体、に関する。
本発明者は、スパッタリング法などによって支持体上に薄い金属層を含む水素排出膜を形成する場合において、上記構造の支持体を用いることにより、圧力が加わった際に破損しにくく、耐圧気密性に優れる水素排出膜が得られることを見出した。
前記多孔質体の水素排出膜を形成する側の表面から厚さ方向4μmまでの断面部分における平均孔径が30nm未満の場合には、水素ガスの排出性が不十分になる。一方、100nmを超える場合には、多孔質体上に金属層を形成して複合膜化する際に、金属層が多孔質体表面の孔を完全に塞ぐことが難しくなるため、ピンホールが生じやすくなる。
また、前記多孔質体の水素排出膜を形成する側の表面から厚さ方向8μmまでの断面部分に、最大孔径が2μmを超える孔(空隙)が存在すると、表面からの圧力に対して孔(空隙)がクッションの役割を果たすため、弾性変形量が大きくなりやすい。そのため、多孔質体上に形成した水素排出膜に圧力が加わると水素排出膜が破損しやすくなり、水素排出膜の耐圧気密性が低下する。その結果、電気化学素子内部で発生した水素ガスだけでなく、電気化学素子内部の必要成分も外部に漏れたり、あるいは外部から電気化学素子内部へ不純物が侵入することにより、電気化学素子が劣化しやすくなる。
前記多孔質体は、前記水素排出膜を形成する側の表面から厚さ方向4μmまでの断面部分における空孔率が20〜70%であることが好ましい。
前記多孔質体の水素排出膜を形成する側の表面から厚さ方向4μmまでの断面部分における空孔率が20%未満の場合には、支持体自体の通気性が悪くなるため、水素排出積層膜の水素透過性が低下する傾向にある。一方、空孔率が70%を超える場合には、多孔質体表面近傍の樹脂密度が小さくなり、多孔質体表面近傍の機械強度が低下する傾向にある。そのため、多孔質体上に形成した水素排出膜に圧力が加わると水素排出膜が破損しやすくなり、水素排出膜の耐圧気密性が低下する。その結果、上記と同様の理由により、電気化学素子が劣化しやすくなる。
前記多孔質体は、前記水素排出膜を形成する側の表面から厚さ方向8μmまでの断面部分における平均孔径が50〜500nmであることが好ましく、また、空孔率が20〜80%であることが好ましい。それにより、多孔質体上に形成した水素排出膜に圧力が加わった際に、水素排出膜が破損することをさらに防止することができる。
また、前記多孔質体は、ガーレー試験における空気100ccの透過時間が30000秒以下であることが好ましい。それにより、水素透過性に優れる水素排出積層膜が得られる。
また、前記多孔質体は、不織布上に微多孔質膜を有するものであることが好ましい。
前記微多孔質膜は、ガラス転移温度190℃以上又は融点150℃以上のポリマーを含むことが好ましく、前記ポリマーは、熱硬化性ポリアミドイミド、熱硬化性ポリイミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリフェニルスルホン、及びポリスルホンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
また、本発明は、前記水素排出膜形成用支持体上に、金属層を含む水素排出膜を有する水素排出積層膜、に関する。
水素排出膜は、電気化学素子の内部圧力が所定値以上になった時に自壊する安全弁としての機能を有する必要がある。水素排出膜が薄膜である場合には、水素排出膜の機械的強度が低いため、電気化学素子の内部圧力が所定値になる前に自壊するおそれがあり、安全弁としての機能を果たせない。そのため、水素排出膜が薄膜である場合には、機械的強度を向上させるために水素排出膜の片面又は両面に支持体を積層する。
前記金属層は、水素透過性、耐酸化性、及び水素吸蔵時の耐脆化に優れるという観点から、Pd合金を含む合金層であることが好ましい。
前記Pd合金は、第11族元素を20〜65mol%含むことが好ましい。また、前記第11族元素は、Au、Ag、及びCuからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
Pd−第11族元素合金を含む合金層は、膜表面で水素分子を水素原子に解離して水素原子を膜内に固溶し、固溶した水素原子を高圧側から低圧側に拡散させ、低圧側の膜表面で再び水素原子を水素分子に変換して排出する機能を有する。第11族元素の含有量が20mol%未満の場合には、合金の強度が不十分になったり、前記機能が発現し難くなる傾向にあり、65mol%を超える場合には水素透過速度が低下する傾向にある。
前記金属層は、厚さが0.01〜5μmであることが好ましい。厚さが0.01μm未満の場合には、ピンホールが生じやすくなる。また、圧力が加わると金属層が破損しやすくなり、水素排出膜の耐圧気密性が低下する傾向にある。一方、厚さが5μmを超えると、金属層の脆性が高くなり、圧力又は水素吸蔵時の膨張による応力で金属層が破損しやすくなるため、水素排出膜の耐圧気密性が低下する。また、金属層を形成するのに時間を要し、コスト面で劣るため好ましくない。
また、本発明は、前記水素排出積層膜を備えた電気化学素子用安全弁、前記水素排出積層膜を備えた電気化学素子用水素排出弁、及び当該安全弁又は水素排出弁を備えた電気化学素子、に関する。電気化学素子としては、例えば、アルミ電解コンデンサ及びリチウムイオン電池などが挙げられる。
また、本発明は、前記水素排出積層膜、前記安全弁、又は前記水素排出弁を用いた水素排出方法、に関する。
本発明の水素排出方法においては、前記水素排出積層膜等を用いて150℃以下の環境下で水素を排出させることが好ましい。
本発明の水素排出膜形成用支持体を用いることにより、圧力が加わった際に破損しにくく、耐圧気密性に優れる水素排出膜を前記支持体上に形成することができる。本発明の水素排出積層膜は、電気化学素子を長期間使用した場合でも水素排出性が低下しにくく、水素を安定的に排出することができる。また、本発明の水素排出積層膜は、電気化学素子内部で発生した水素ガスのみを速やかに外部に排出することができるだけでなく、外部から電気化学素子内部への不純物の侵入を防止することができる。また、本発明の水素排出積層膜を備えた安全弁は、電気化学素子の内部圧力が急激に上昇した場合には自壊して内部圧力を低下させ、電気化学素子自体の破裂を防止することができる。これら効果により、電気化学素子の性能を長期間維持することができ、電気化学素子の長寿命化を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の水素排出膜形成用支持体は、多孔質体であり、
前記多孔質体は、前記水素排出膜を形成する側の表面から厚さ方向4μmまでの断面部分における平均孔径が30〜100nmであり、
前記多孔質体は、前記水素排出膜を形成する側の表面から厚さ方向8μmまでの断面部分における最大孔径が2μm以下であることを特徴とする。
前記平均孔径は40〜90nmであることが好ましく、より好ましくは50〜85nmである。
また、水素排出膜を形成する側の表面から厚さ方向8μmまでの断面部分における最大孔径は1.9μm以下であることが好ましく、より好ましくは1.8μm以下である。
また、前記多孔質体は、水素排出膜を形成する側の表面から厚さ方向4μmまでの断面部分における空孔率が20〜70%であることが好ましく、より好ましくは25〜60%であり、さらに好ましくは30〜56%である。
また、前記多孔質体は、水素排出膜を形成する側の表面から厚さ方向8μmまでの断面部分における平均孔径が50〜500nmであることが好ましく、より好ましくは100〜400nmであり、さらに好ましくは150〜350nmである。
また、前記多孔質体は、水素排出膜を形成する側の表面から厚さ方向8μmまでの断面部分における空孔率が20〜80%であることが好ましく、より好ましくは25〜70%であり、さらに好ましくは30〜51%である。
また、前記多孔質体は、ガーレー試験における空気100ccの透過時間が30000秒以下であることが好ましく、より好ましくは10000秒以下であり、さらに好ましくは2000秒以下であり、よりさらに好ましくは1000秒以下であり、特に好ましくは800秒以下である。また、前記透過時間は100秒以上であることが好ましい。
前記多孔質体の形成材料は特に制限されず、例えば、ポリエチレン及びポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、ポリスルホン及びポリエーテルスルホンなどのポリアリールエーテルスルホン、ポリテトラフルオロエチレン及びポリフッ化ビニリデンなどのフッ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミドなどが挙げられる。
前記多孔質体は、前記形成材料を用いて公知の多孔化法によって製造することができる。
前記多孔質体は、特に、不織布上に微多孔質膜を有するものであることが好ましい。不織布上に微多孔質膜を形成することにより、前記構造の多孔質体を製造しやすくなる。この場合、微多孔質膜の表面が、水素排出膜を形成する側の表面となる。
不織布は公知のものを特に制限なく使用することができる。不織布の厚さは特に制限されないが、通常、50〜200μm程度であり、好ましくは70〜150μmである。不織布の目付量は、60g/m以上であることが好ましく、より好ましくは70g/m以上である。
微多孔質膜の形成材料は特に制限されず、例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなどのポリアリールエーテルスルホン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、及びポリフッ化ビニリデンなどが挙げられる。熱的安定性の観点からガラス転移温度190℃以上又は融点150℃以上のポリマーを用いることが好ましく、特に、熱硬化性ポリアミドイミド、熱硬化性ポリイミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリフェニルスルホン、及びポリスルホンからなる群より選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
微多孔質膜の形成方法は特に制限されないが、通常、湿式法または乾湿式法により形成する。例えば、ポリマー溶液(ドープ)を不織布上に塗布し、その後、ドープ膜を有する不織布を凝固浴に浸漬してドープ膜にミクロ相分離を生じさせ、そしてポリマーの多孔構造を固定化することにより微多孔質膜を不織布上に形成する。
ポリマー溶液の溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、及びジオキサンなどが挙げられる。
前記構造の多孔質体を得るために、ポリマー溶液中のベースポリマー(例えば、熱硬化性ポリアミドイミド、熱硬化性ポリイミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリフェニルスルホン、及びポリスルホンなど)濃度は8〜20重量%程度であることが好ましく、より好ましくは10〜19重量%である。また、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)などの水溶性ポリマーなどの添加剤をポリマー溶液に加えてもよい。ポリマー溶液中の添加剤の濃度は5〜33重量%程度であることが好ましく、より好ましくは7〜33重量%である。また、添加剤の濃度は、使用するベースポリマーの種類に応じて適宜調整する。また、ポリマー溶液の粘度は1〜3Pa・s程度であることが好ましく、より好ましくは2〜2.5Pa・sである。また、凝固浴の温度は35〜55℃程度であることが好ましく、より好ましくは40〜50℃である。また、熱処理温度は150〜350℃程度であることが好ましく、より好ましくは150〜300℃である。浸漬はドープ膜内部の溶媒又は添加剤と凝固液とが十分に置換するまで行う。なお、凝固浴にドープ膜を浸漬した直後にドープ膜内部から抽出される溶媒又は添加剤がドープ膜表面に滞留すると、濃度差が小さくなって溶媒又は添加剤の抽出速度が遅くなるため、相分離が適切に起こり難くなる。そのため、ドープ膜表面に凝固液の流れを作ることが好ましい。具体的には、ドープ膜を有する不織布の搬送速度を大きくする方法(例えば、5m/min以上)、あるいは抽出溶媒又は抽出添加剤の滞留が起こらないように循環ポンプなどで流れを作る方法などが挙げられる。
微多孔質膜の厚さは、通常、10〜100μm程度であり、好ましくは20〜80μmであり、より好ましくは30〜60μmである。
本発明の水素排出積層膜は、前記支持体上に、金属層を含む水素排出膜を有するものである。
前記水素排出膜は、金属層を少なくとも有する。金属層を形成する金属は、単体、又は合金化することで水素透過機能を有する金属であれば特に制限されず、例えば、Pd、Nb、V、Ta、Ni、Fe、Al、Cu、Ru、Re、Rh、Au、Pt、Ag、Cr、Co、Sn、Zr、Y、Ce、Ti、Ir、Mo及びこれらの金属を2種以上含む合金などが挙げられる。
前記金属層は、Pd合金を含む合金層であることが好ましい。Pd合金を形成する他の金属は特に制限されないが、第11族元素を用いることが好ましく、より好ましくはAu、Ag、及びCuからなる群より選択される少なくとも1種である。特に、Pd−Au合金は、電気化学素子内部の電解液又は構成部材から発生するガス成分に対する耐腐食性が優れるため好ましい。Pd合金は、第11族元素を20〜65mol%含むことが好ましく、より好ましくは30〜65mol%であり、さらに好ましくは30〜60mol%である。また、Ag含有量が20mol%以上であるPd−Ag合金、Cu含有量が30mol%以上であるPd−Cu合金、又はAu含有量が20mol%以上であるPd−Au合金を含む合金層は、50〜60℃程度以下の低温域であっても水素によって脆化しにくいので好ましい。また、Pd合金は、本発明の効果を損なわない範囲でIB族及び/又はIIIA族の金属を含んでいてもよい。
Pd合金を含む合金層は、上記したPdを含む2成分を含む合金だけでなく、例えばPd−Au−Agの3成分を含む合金であってもよく、Pd−Au−Cuの3成分を含む合金であってもよい。さらに、Pd−Au−Ag−Cuの4成分を含む合金であってもよい。例えば、PdとAuと他の金属を含む多成分系合金の場合、Pd−Au合金中のAuと他の金属との合計含有量は、55mol%以下であることが好ましく、より好ましくは50mol%以下であり、さらに好ましくは45mol%以下であり、特に好ましくは40mol%以下である。
前記金属層は、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、及びメッキ法などにより前記支持体上に形成することができるが、膜厚の薄い金属層を製造する場合には、特にスパッタリング法を用いることが好ましい。
スパッタリング法は特に限定されず、平行平板型、枚葉型、通過型、DCスパッタ、及びRFスパッタなどのスパッタリング装置を用いて行うことができる。例えば、金属ターゲットを設置したスパッタリング装置に前記支持体を取り付けた後、スパッタリング装置内を真空排気し、Arガス圧を所定値に調整し、金属ターゲットに所定のスパッタ電流を投入して、前記支持体上に金属層を形成する。なお、ターゲットとしては、製造する金属層に応じて、単一又は複数のターゲットを用いることができる。
前記金属層の厚さは、0.01〜5μmであることが好ましく、より好ましくは0.05〜2μmである。
前記金属層の面積は、水素透過量と厚さを考慮して適宜調整することができるが、安全弁の構成部材として用いる場合には、通常、0.01〜100mm程度である。
機械的強度を向上させるために、金属層を含む水素排出膜の上に別の支持体を積層してもよい。
本発明の水素排出積層膜の形状は、略円形状であってもよく、三角形、四角形、五角形等の多角形であってもよい。後述する用途に応じた任意の形状にすることができる。
本発明の水素排出積層膜は、特にアルミ電解コンデンサ又はリチウムイオン電池の安全弁の構成部材として有用である。また、本発明の水素排出積層膜は、安全弁とは別に水素排出弁として電気化学素子に設けることも可能である。
本発明の水素排出積層膜を用いて電気化学素子内部で発生した水素を排出する方法は特に限定されないが、例えばアルミ電解コンデンサ又はリチウムイオン電池の外装部分の一部に本発明の水素排出積層膜を設け、これを外装内部と外部の隔膜として用いることができる。この場合、外装内部と外部は水素排出積層膜によって隔離され、水素排出積層膜は水素以外の気体を透過しない。外装内部で発生した水素は圧力の上昇により水素排出積層膜を介して外部に排出され、外装内部は所定圧力以上に上昇することはない。
本発明の水素排出積層膜は、その合金組成を適宜調整することにより、低温で脆化しないため、例えば150℃以下の温度、さらには110℃以下の温度で使用できるという利点がある。すなわち、その用途により、高温(例えば400〜500℃)で使用されないアルミ電解コンデンサ又はリチウムイオン電池における水素排出方法において、本発明の水素排出積層膜は特に好適に用いられる。
以下に実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例によりなんら限定されるものではない。
実施例1
〔支持体の作製〕
ポリアミドイミド(東洋紡社製、バイロマックスHR−22BL、固形分20重量%)12.8g、ポリプロピレングリコール(アデカポリエーテルP−400)1.1g、及びN−メチル−2−ピロリドン(和光純薬工業社製、特級)1.2gをスクリュー菅瓶に入れ、遊星撹拌脱泡装置(シンキー社製、泡取り練太郎ARE−310)を用いて2000rpmで5分間撹拌し、その後、2200rpmで3分間撹拌して脱泡してポリアミドイミド溶液(ドープ)を調製した。前記ポリアミドイミド溶液をガラス板上に固定したアラミド不織布(グラスパーAPT−72、厚さ130μm)上にアプリケーターで均一に塗布してドープ膜を形成し、その後すぐに45℃に調整したRO膜透過水の浴槽に浸漬した。ドープ膜に含まれる溶媒が十分にRO膜透過水と置換するまで浸漬した後、浴槽から取り出し、120℃のオーブンで5分間乾燥した後、300℃のオーブンで30分間熱処理して、アラミド不織布上に微多孔質膜(厚さ38μm)を有する支持体を作製した。作製した支持体の断面をFE−SEMで観察したところ、微多孔質膜は、表面から厚さ方向に徐々に孔径が大きくなる非対称多孔質構造であった。
〔スパッタリング法による水素排出積層膜(Au含有量40mol%)の作製〕
Au含有量が40mol%であるPd−Au合金ターゲットを装着したRFマグネトロンスパッタリング装置(サンユー電子社製)に、前記支持体を取り付けた。その後、スパッタリング装置内を1×10−5Pa以下に真空排気し、Arガス圧1.0Paにおいて、Pd−Au合金ターゲットに4.8Aのスパッタ電流を投入して、前記支持体上に厚さ100nmのPd−Au合金膜(Au含有量40mol%)を形成して水素排出積層膜を作製した。
実施例2
〔支持体の作製〕
ポリアミドイミド(東洋紡社製、バイロマックスHR−22BL、固形分20重量%)12.8g、ポリプロピレングリコール(アデカポリエーテルP−400)1.1g、ポリエチレングリコール(東京化成工業社製、PEG400)0.4g、及びN−メチル−2−ピロリドン(和光純薬工業社製、特級)0.8gを用いてポリアミドイミド溶液(ドープ)を調製した以外は実施例1と同様の方法でアラミド不織布上に微多孔質膜(厚さ42μm)を有する支持体を作製した。作製した支持体の断面をFE−SEMで観察したところ、微多孔質膜は、表面から厚さ方向に徐々に孔径が大きくなる非対称多孔質構造であった。
〔スパッタリング法による水素排出積層膜(Au含有量40mol%)の作製〕
前記支持体を用いた以外は実施例1と同様の方法で水素排出積層膜を作製した。
実施例3
〔支持体の作製〕
ポリアミドイミド(東洋紡社製、バイロマックスHR−20NN、固形分17.5重量%)10.05g、ポリプロピレングリコール(アデカポリエーテルP−400)1.8g、及びポリエチレングリコール(東京化成工業社製、PEG400)3.15gを用いてポリアミドイミド溶液(ドープ)を調製し、250℃のオーブンで30分間熱処理した以外は実施例1と同様の方法でアラミド不織布上に微多孔質膜(厚さ40μm)を有する支持体を作製した。作製した支持体の断面をFE−SEMで観察したところ、微多孔質膜は、表面から厚さ方向に徐々に孔径が大きくなる非対称多孔質構造であった。
〔スパッタリング法による水素排出積層膜(Au含有量40mol%)の作製〕
前記支持体を用いた以外は実施例1と同様の方法で水素排出積層膜を作製した。
実施例4
〔支持体の作製〕
ポリアミドイミド(東洋紡社製、バイロマックスHR−20NN、固形分17.5重量%)10.2g、ポリプロピレングリコール(アデカポリエーテルP−400)2.25g、及びポリエチレングリコール(東京化成工業社製、PEG400)2.25gを用いてポリアミドイミド溶液(ドープ)を調製した以外は実施例1と同様の方法でアラミド不織布上に微多孔質膜(厚さ45μm)を有する支持体を作製した。作製した支持体の断面をFE−SEMで観察したところ、微多孔質膜は、表面から厚さ方向に徐々に孔径が大きくなる非対称多孔質構造であった。
〔スパッタリング法による水素排出積層膜(Au含有量40mol%)の作製〕
前記支持体を用いた以外は実施例1と同様の方法で水素排出積層膜を作製した。
実施例5
〔支持体の作製〕
ポリフッ化ビニリデン(クレハ社製、KFポリマーW#1100)14.4g、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)45.6g、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)8.0g、塩化リチウム(LiCl)(和光純薬工業社製、特級)4.0g、及びポリプロピレングリコール(アデカ社製、P−400)8.0gをビーカーに計量し、スリーワンモーターのプロペラ翼で撹拌しながらホットプレート上で80℃に加熱し、3時間以上撹拌してすべてを溶解し、静置して冷却・脱泡を行ってPVDF溶液(ドープ)を調整した。前記PVDF溶液をガラス板上に固定したアラミド不織布(グラスパーAPT−72、厚さ130μm)上にアプリケーターで均一に塗布してドープ膜を形成し、その後すぐに50℃に調整したRO膜透過水の浴槽に浸漬した。ドープ膜に含まれる溶媒が十分にRO膜透過水と置換するまで浸漬した後、浴槽から取り出し、100℃のオーブンで5分間乾燥した後、150℃のオーブンで30分間熱処理して、アラミド不織布上に微多孔質膜(厚さ40μm)を有する支持体を作製した。作製した支持体の断面をFE−SEMで観察したところ、微多孔質膜は、表面から厚さ方向に徐々に孔径が大きくなる非対称多孔質構造であった。
〔スパッタリング法による水素排出積層膜(Au含有量40mol%)の作製〕
前記支持体を用いた以外は実施例1と同様の方法で水素排出積層膜を作製した。
実施例6
〔支持体の作製〕
ポリフェニルスルホン(ソルベイ社製、RADEL R−5000NT)9.5g、及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)40.5gをビーカーに計量し、スリーワンモーターのプロペラ翼で撹拌しながらホットプレート上で90℃に加熱し、3時間以上撹拌してすべてを溶解し、静置して冷却・脱泡を行ってPPS溶液(ドープ)を調整した。前記PPS溶液をガラス板上に固定したアラミド不織布(グラスパーAPT−72、厚さ130μm)上にアプリケーターで均一に塗布してドープ膜を形成し、その後すぐに50℃に調整したRO膜透過水の浴槽に浸漬した。ドープ膜に含まれる溶媒が十分にRO膜透過水と置換するまで浸漬した後、浴槽から取り出し、100℃のオーブンで5分間乾燥した後、150℃のオーブンで30分間熱処理して、アラミド不織布上に微多孔質膜(厚さ40μm)を有する支持体を作製した。作製した支持体の断面をFE−SEMで観察したところ、微多孔質膜は、表面から厚さ方向に徐々に孔径が大きくなる非対称多孔質構造であった。
〔スパッタリング法による水素排出積層膜(Au含有量40mol%)の作製〕
前記支持体を用いた以外は実施例1と同様の方法で水素排出積層膜を作製した。
実施例7
〔支持体の作製〕
ポリスルホン(ソルベイ社製、UDEL P−3500)9.2g、及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)40.8gをビーカーに計量し、スリーワンモーターのプロペラ翼で撹拌しながらホットプレート上で90℃に加熱し、3時間以上撹拌してすべてを溶解し、静置して冷却・脱泡を行ってPS溶液(ドープ)を調整した。前記PS溶液をガラス板上に固定したアラミド不織布(グラスパーAPT−72、厚さ130μm)上にアプリケーターで均一に塗布してドープ膜を形成し、その後すぐに45℃に調整したRO膜透過水の浴槽に浸漬した。ドープ膜に含まれる溶媒が十分にRO膜透過水と置換するまで浸漬した後、浴槽から取り出し、100℃のオーブンで5分間乾燥した後、150℃のオーブンで30分間熱処理して、アラミド不織布上に微多孔質膜(厚さ40μm)を有する支持体を作製した。作製した支持体の断面をFE−SEMで観察したところ、微多孔質膜は、表面から厚さ方向に徐々に孔径が大きくなる非対称多孔質構造であった。
〔スパッタリング法による水素排出積層膜(Au含有量40mol%)の作製〕
前記支持体を用いた以外は実施例1と同様の方法で水素排出積層膜を作製した。
比較例1
〔支持体の作製〕
ポリアミドイミド(東洋紡社製、バイロマックスHR−20NN、固形分17.5重量%)13.5g、及びポリプロピレングリコール(アデカポリエーテルP−400)1.5gを用いてポリアミドイミド溶液(ドープ)を調製し、250℃のオーブンで30分間熱処理した以外は実施例1と同様の方法でアラミド不織布上に微多孔質膜(厚さ40μm)を有する支持体を作製した。作製した支持体の断面をFE−SEMで観察したところ、微多孔質膜は、厚さ方向にフィンガーボイド状の大きなボイドを有する構造であった。
〔スパッタリング法による水素排出積層膜(Au含有量40mol%)の作製〕
前記支持体を用いた以外は実施例1と同様の方法で水素排出積層膜を作製した。
比較例2
〔支持体の作製〕
ポリアミドイミド(東洋紡社製、バイロマックスHR−20NN、固形分17.5重量%)9.75g、ポリプロピレングリコール(アデカポリエーテルP−400)2.25g、及びポリエチレングリコール(東京化成工業社製、PEG400)3gを用いてポリアミドイミド溶液(ドープ)を調製し、250℃のオーブンで30分間熱処理した以外は実施例1と同様の方法でアラミド不織布上に微多孔質膜(厚さ38μm)を有する支持体を作製した。作製した支持体の断面をFE−SEMで観察したところ、微多孔質膜は、表面から厚さ方向に徐々に孔径が大きくなる非対称多孔質構造であった。
〔スパッタリング法による水素排出積層膜(Au含有量40mol%)の作製〕
前記支持体を用いた以外は実施例1と同様の方法で水素排出積層膜を作製した。
〔測定及び評価方法〕
(空孔率の測定)
作製した支持体の断面の画像をFE−SEMを用いて観察し、5,000倍、20,000倍の画像を得た。その画像を二値化し画像解析を行って画像中の孔の面積を算出し、支持体表面から厚さ方向4μm又は8μmまでの断面部分における空孔率(%)を得た。
(平均孔径及び最大孔径の測定)
前記空孔率の測定で得られた画像解析結果から孔径及び孔径分布を解析し、平均孔径(nm)及び最大孔径(μm)を算出した。
(ガーレー値の測定)
JIS8117:2009に記載の通気抵抗測定法に従って、王研式透気度測定装置(旭精工製、EG02)を用いてガーレー値(秒)を測定した。
(水素透過量の測定)
作製した水素排出膜をスウェージロック社製のVCRコネクター(空間体積:12.0ml)に取り付けた。VCRコネクターの片側に0.155MPa(105℃雰囲気下)となるように水素ガスを封入したSUSチューブ(空間体積:56ml)を取り付け、内部圧力が0.150MPaとなるように密封された空間(68ml)を作製した。105℃雰囲気下にて、密閉された空間の圧力変化をモニターした。圧力変化により水素排出膜を透過した水素モル数(体積)がわかるため、これを1日当たりの透過量に換算して水素透過量を算出した。なお、測定に用いた水素排出膜の有効膜面積は60.8×10−6(φ8.8mm)である。
例えば、2時間で圧力が0.150MPaから0.100MPaに変化した場合(変化量0.050MPa)、水素排出膜を透過した水素体積は34mlになる。よって、1日当たりの水素透過量は34×24/2=408ml/dayとなる。
(窒素透過量の測定)
SUSチューブに封入したガスを窒素ガスにした以外は、上記の水素透過量の測定と同様の方法で窒素透過量を測定し、バリア性を評価した。
Figure 2017109202
表1から、実施例1〜7の水素排出積層膜は、バリア性に優れ、水素ガスを選択的に透過していることがわかる。これは、水素排出膜に圧力が加わっても破損せず、水素排出膜の耐圧気密性が優れていたためと考えられる。一方、比較例1及び2の水素排出積層膜は、バリア性が悪く、水素ガスを選択的に透過できていないことがわかる。これは、水素排出膜に圧力が加わったことで破損し、水素排出膜の耐圧気密性が低下したためと考えられる。
本発明の水素排出積層膜は、電池、コンデンサ、キャパシタ、及びセンサなどの電気化学素子に設けられる安全弁又は水素排出弁の構成部材として好適に用いられる。

Claims (19)

  1. 金属層を含む水素排出膜を形成するための水素排出膜形成用支持体であって、
    前記支持体は、多孔質体であり、
    前記多孔質体は、前記水素排出膜を形成する側の表面から厚さ方向4μmまでの断面部分における平均孔径が30〜100nmであり、
    前記多孔質体は、前記水素排出膜を形成する側の表面から厚さ方向8μmまでの断面部分における最大孔径が2μm以下であることを特徴とする水素排出膜形成用支持体。
  2. 前記多孔質体は、前記水素排出膜を形成する側の表面から厚さ方向4μmまでの断面部分における空孔率が20〜70%である請求項1記載の水素排出膜形成用支持体。
  3. 前記多孔質体は、前記水素排出膜を形成する側の表面から厚さ方向8μmまでの断面部分における平均孔径が50〜500nmである請求項1又は2記載の水素排出膜形成用支持体。
  4. 前記多孔質体は、前記水素排出膜を形成する側の表面から厚さ方向8μmまでの断面部分における空孔率が20〜80%である請求項1〜3のいずれかに記載の水素排出膜形成用支持体。
  5. 前記多孔質体は、ガーレー試験における空気100ccの透過時間が30000秒以下である請求項1〜4のいずれかに記載の水素排出膜形成用支持体。
  6. 前記多孔質体は、不織布上に微多孔質膜を有するものである請求項1〜5のいずれかに記載の水素排出膜形成用支持体。
  7. 前記微多孔質膜は、ガラス転移温度190℃以上又は融点150℃以上のポリマーを含む請求項6記載の水素排出膜形成用支持体。
  8. 前記ポリマーは、熱硬化性ポリアミドイミド、熱硬化性ポリイミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリフェニルスルホン、及びポリスルホンからなる群より選択される少なくとも1種である請求項7記載の水素排出膜形成用支持体。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の水素排出膜形成用支持体上に、金属層を含む水素排出膜を有する水素排出積層膜。
  10. 前記金属層は、Pd合金を含む合金層である請求項9記載の水素排出積層膜。
  11. 前記Pd合金は、第11族元素を20〜65mol%含む請求項10記載の水素排出積層膜。
  12. 前記第11族元素は、Au、Ag、及びCuからなる群より選択される少なくとも1種である請求項11記載の水素排出積層膜。
  13. 前記金属層は、厚さが0.01〜5μmである請求項9〜12のいずれかに記載の水素排出積層膜。
  14. 請求項9〜13のいずれかに記載の水素排出積層膜を備えた電気化学素子用安全弁。
  15. 請求項9〜13のいずれかに記載の水素排出積層膜を備えた電気化学素子用水素排出弁。
  16. 請求項14記載の電気化学素子用安全弁、又は請求項15記載の電気化学素子用水素排出弁を備えた電気化学素子。
  17. 前記電気化学素子が、アルミ電解コンデンサ又はリチウムイオン電池である請求項16記載の電気化学素子。
  18. 請求項9〜13のいずれかに記載の水素排出積層膜、請求項14記載の電気化学素子用安全弁、又は請求項15記載の電気化学素子用水素排出弁を用いた水素排出方法。
  19. 150℃以下の環境下で水素を排出させる請求項18記載の水素排出方法。

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