JP2017112355A - 水素排出膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、薄く、かつ電気化学素子内部の水素ガス以外の必要成分が外部に漏れにくい水素排出膜を提供することを目的とする。また、当該水素排出膜を備えた安全弁又は水素排出弁、当該安全弁又は水素排出弁を備えた電気化学素子を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の水素排出膜は、金属層を有しており、前記金属層は、厚さが0.01〜5μmであり、前記水素排出膜は、水素透過量が50ml/day以上であり、かつ窒素透過量が15ml/day以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、電池、コンデンサ、キャパシタ、及びセンサなどの電気化学素子に設けられる水素排出膜に関する。
近年、風力発電及び太陽光発電などのインバータ、蓄電池などの大型電源などの用途にアルミ電解コンデンサが使用されている。アルミ電解コンデンサは、逆電圧、過電圧、及び過電流によって内部に水素ガスが発生する場合があり、水素ガスが大量に発生すると内部圧力の上昇によって外装ケースが破裂する恐れがある。
そのため、一般のアルミ電解コンデンサには、特殊膜を備えた安全弁が設けられている。安全弁は、コンデンサ内部の水素ガスを外部に排出する機能に加え、コンデンサの内部圧力が急激に上昇した場合には自壊して内部圧力を低下させ、コンデンサ自体の破裂を防止する機能を有するものである。このような安全弁の構成部材である特殊膜としては、例えば、以下のものが提案されている。
特許文献1では、パラジュームに20wt%(19.8mol%)Agを含有させたパラジューム銀(Pd−Ag)の合金で構成された箔帯を備えた圧力調整膜が提案されている。
しかし、特許文献1の箔帯は、50〜60℃程度以下の環境下で脆化しやすく、圧力調整膜としての機能を長期間維持することができないという問題があり、実用化には至っていない。
一方、携帯電話、ノートパソコン、及び自動車等のバッテリーとして、リチウムイオン電池が幅広く使用されている。また近年、リチウムイオン電池は高容量化やサイクル特性向上に加えて、安全性への関心が高まっている。特に、リチウムイオン電池はセル内でガスが発生することが知られており、内圧上昇に伴う電池パックの膨張や破裂が懸念されている。
特許文献2には、電池内で発生した水素ガスを選択的に透過する水素選択透過性合金膜として、ジルコニウム(Zr)とニッケル(Ni)の合金からなるアモルファス合金(例えば、36Zr−64Ni合金)膜を用いることが開示されている。
しかし、前記アモルファス合金は、低温域(例えば、50℃)で水素に触れると水素化物(ZrH)を形成して脆化するため、圧力調整膜としての機能を長時間維持することができないという問題があった。
特許文献3では、上記問題を解決するために、Pd−Ag合金を含む水素排出膜の片面又は両面に支持体を有しており、前記Pd−Ag合金中のAgの含有量が20mol%以上である水素排出積層膜が提案されている。
特許文献4では、上記問題を解決するために、Pd−Cu合金を含む水素排出膜の片面又は両面に支持体を有しており、前記Pd−Cu合金中のCuの含有量が30mol%以上である水素排出積層膜が提案されている。
しかし、スパッタリング法などによって支持体上に形成された薄い水素排出膜を安全弁として用いると、電気化学素子内部の水素ガス以外の必要成分が外部に漏れる場合があった。
特許第4280014号明細書 特開2003−297325号公報 国際公開第2014/098038号 国際公開第2015/019906号
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、薄く、かつ電気化学素子内部の水素ガス以外の必要成分が外部に漏れにくい水素排出膜を提供することを目的とする。また、当該水素排出膜を備えた安全弁又は水素排出弁、当該安全弁又は水素排出弁を備えた電気化学素子を提供することを目的とする。さらに、水素排出膜、安全弁、又は水素排出弁を用いた水素排出方法を提供することを目的とする。
本発明は、金属層を有する水素排出膜において、
前記金属層は、厚さが0.01〜5μmであり、
前記水素排出膜は、水素透過量が50ml/day以上であり、かつ窒素透過量が15ml/day以下であることを特徴とする水素排出膜、に関する。
前記金属層の厚さが0.01μm未満の場合には、金属層にピンホールが生じやすくなるため、電気化学素子内部の必要成分(電解液など)が外部に漏れやすくなる。また、圧力が加わると金属層が破損しやすくなり、水素排出膜の耐圧気密性が低下する。一方、前記金属層の厚さが5μmを超えると、クラックが生じやすくなる。また、金属層を形成するのに長時間を要するため、コスト面で劣る。
前記水素排出膜の水素透過量が50ml/day以上であれば、電気化学素子内部で発生する水素ガスを十分に排出することができる。また、前記水素排出膜の窒素透過量が15ml/day以下であれば、金属層に存在するピンホール又はクラックが少ないか、又は塞がれているため、電気化学素子内部の必要成分(電解液など)が外部に漏れることを抑制できる。
前記金属層は、片面又は両面にコート層を有することが好ましい。金属層の片面又は両面にコート層を設けることにより、金属層に存在するピンホール又はクラックを塞ぐことができる。それにより、水素排出膜の窒素透過量を15ml/day以下に抑制でき、電気化学素子内部の必要成分(電解液など)が外部に漏れることを抑制できる。
前記コート層は、フッ素系化合物、ゴム系ポリマー、及びシリコーン系ポリマーからなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含むことが好ましい。これら化合物は、水素排出膜の水素透過性を阻害しにくいため、好適に用いられる。
前記コート層は、厚さが0.1〜40μmであることが好ましい。コート層の厚さが0.1μm未満の場合には、均一な被覆膜を得ることが難しくなり、金属層に存在するピンホール又はクラックを塞ぐことが難しくなる傾向にある。一方、40μmを超える場合には、水素排出膜の水素透過性が悪くなる傾向にある。
前記金属層は、片面又は両面に支持体を有することが好ましい。支持体を用いることにより、スパッタリング法などによって薄い金属層を形成しやすくなる。また、前記支持体は、水素排出膜が安全弁から脱落した場合に、電気化学素子内に落下することを防止するために設けられる。また、水素排出膜は、電気化学素子の内部圧力が所定値以上になった時に自壊する安全弁としての機能を有する必要がある。水素排出膜が薄膜である場合には、水素排出膜の機械的強度が低いため、電気化学素子の内部圧力が所定値になる前に自壊するおそれがあり、安全弁としての機能を果たせない。そのため、水素排出膜が薄膜である場合には、機械的強度を向上させるために金属層の片面又は両面に支持体を積層することが好ましい。
前記支持体は、不織布上に微多孔質膜を有するものであることが好ましい。
前記微多孔質膜は、ガラス転移温度200℃以上のポリマーを含むことが好ましく、前記ポリマーは、熱硬化性ポリアミドイミド及び熱硬化性ポリイミドからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記金属層は、水素透過性、耐酸化性、及び水素吸蔵時の耐脆化に優れるという観点から、Pd合金を含む合金層であることが好ましい。
前記Pd合金は、第11族元素を20〜65mol%含むことが好ましい。また、前記第11族元素は、Au、Ag、及びCuからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
Pd−第11族元素合金を含む合金層は、膜表面で水素分子を水素原子に解離して水素原子を膜内に固溶し、固溶した水素原子を高圧側から低圧側に拡散させ、低圧側の膜表面で再び水素原子を水素分子に変換して排出する機能を有する。第11族元素の含有量が20mol%未満の場合には、合金の強度が不十分になったり、前記機能が発現し難くなる傾向にあり、65mol%を超える場合には水素透過速度が低下する傾向にある。
また、本発明は、前記水素排出膜を備えた電気化学素子用安全弁、前記水素排出膜を備えた電気化学素子用水素排出弁、及び当該安全弁又は水素排出弁を備えた電気化学素子、に関する。電気化学素子としては、例えば、アルミ電解コンデンサ及びリチウムイオン電池などが挙げられる。
また、本発明は、前記水素排出膜、前記安全弁、又は前記水素排出弁を用いた水素排出方法、に関する。
本発明の水素排出方法においては、前記水素排出膜等を用いて150℃以下の環境下で水素を排出させることが好ましい。
本発明の水素排出膜は、電気化学素子内部で発生した水素ガスのみを速やかに外部に排出することができるだけでなく、外部から電気化学素子内部への不純物の侵入を防止することができる。また、本発明の水素排出膜を備えた安全弁は、電気化学素子の内部圧力が急激に上昇した場合には自壊して内部圧力を低下させ、電気化学素子自体の破裂を防止することができる。これら効果により、電気化学素子の性能を長期間維持することができ、電気化学素子の長寿命化を図ることができる。
実施例2で作製した水素排出膜の表面のSEM写真である。 比較例1で作製した水素排出膜の表面のSEM写真である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の水素排出膜は、金属層を少なくとも有する。金属層を形成する金属は、単体、又は合金化することで水素透過機能を有する金属であれば特に制限されず、例えば、Pd、Nb、V、Ta、Ni、Fe、Al、Cu、Ru、Re、Rh、Au、Pt、Ag、Cr、Co、Sn、Zr、Y、Ce、Ti、Ir、Mo及びこれらの金属を2種以上含む合金などが挙げられる。
前記金属層は、Pd合金を含む合金層であることが好ましい。Pd合金を形成する他の金属は特に制限されないが、第11族元素を用いることが好ましく、より好ましくはAu、Ag、及びCuからなる群より選択される少なくとも1種である。特に、Pd−Au合金は、電気化学素子内部の電解液又は構成部材から発生するガス成分に対する耐腐食性が優れるため好ましい。Pd合金は、第11族元素を20〜65mol%含むことが好ましく、より好ましくは30〜65mol%であり、さらに好ましくは30〜60mol%である。また、Ag含有量が20mol%以上であるPd−Ag合金、Cu含有量が30mol%以上であるPd−Cu合金、又はAu含有量が20mol%以上であるPd−Au合金を含む合金層は、50〜60℃程度以下の低温域であっても水素によって脆化しにくいので好ましい。また、Pd合金は、本発明の効果を損なわない範囲でIB族及び/又はIIIA族の金属を含んでいてもよい。
Pd合金を含む合金層は、上記したPdを含む2成分を含む合金だけでなく、例えばPd−Au−Agの3成分を含む合金であってもよく、Pd−Au−Cuの3成分を含む合金であってもよい。さらに、Pd−Au−Ag−Cuの4成分を含む合金であってもよい。例えば、PdとAuと他の金属を含む多成分系合金の場合、Pd−Au合金中のAuと他の金属との合計含有量は、55mol%以下であることが好ましく、より好ましくは50mol%以下であり、さらに好ましくは45mol%以下であり、特に好ましくは40mol%以下である。
前記金属層の厚さは、0.01〜5μmであり、好ましくは0.05〜2μmであり、より好ましくは0.10〜0.50μmである。
前記金属層は、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、及びメッキ法などにより製造することができるが、膜厚の薄い金属層を製造する場合には、特にスパッタリング法を用いることが好ましい。
スパッタリング法は特に限定されず、平行平板型、枚葉型、通過型、DCスパッタ、及びRFスパッタなどのスパッタリング装置を用いて行うことができる。例えば、金属ターゲットを設置したスパッタリング装置に基板を取り付けた後、スパッタリング装置内を真空排気し、Arガス圧を所定値に調整し、金属ターゲットに所定のスパッタ電流を投入して、基板上に金属膜を形成する。その後、基板から金属膜を剥離して金属層を得る。なお、ターゲットとしては、製造する金属層に応じて、単一又は複数のターゲットを用いることができる。
基板としては、例えば、ガラス板、セラミックス板、シリコンウエハー、アルミニウム及びステンレスなどの金属板が挙げられる。
前記金属層の膜面積は、水素透過量と膜厚を考慮して適宜調整することができるが、安全弁又は水素排出弁の構成部材として用いる場合には、通常、0.01〜100mm程度である。
前記金属層は、片面又は両面にコート層を有することが好ましい。
コート層の原料は特に制限されず、例えば、フッ素系化合物、ゴム系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ウレタン系ポリマー、及びポリエステル系ポリマーなどが挙げられる。これらのうち、水素排出膜の水素透過性を阻害しにくいという観点から、フッ素系化合物、ゴム系ポリマー、及びシリコーン系ポリマーからなる群より選択される少なくとも1種の化合物を用いることが好ましい。
フッ素系化合物としては、例えば、フルオロアルキルカルボン酸塩、フルオロアルキル第四級アンモニウム塩、及びフルオロアルキルエチレンオキシド付加物などのフルオロアルキル基含有化合物;ペルフルオロアルキルカルボン酸塩、ペルフルオロアルキル第四級アンモニウム塩、及びペルフルオロアルキルエチレンオキシド付加物などのペルフルオロアルキル基含有化合物;テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、及びテトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体などのフルオロカーボン基含有化合物;テトラフルオロエチレン重合体;フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンの共重合体;フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体;含フッ素(メタ)アクリル酸エステル;含フッ素(メタ)アクリル酸エステル重合体;含フッ素(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体;含フッ素(メタ)アクリル酸エステルと他モノマーの共重合体、などが挙げられる。
また、コート層の原料であるフッ素系化合物として、ハーベス社製の「デュラサーフ」シリーズ、AGCセイミケミカル社製の「エスエフコート」シリーズ、野田スクリーン社製の「WOP」シリーズ、「INT」シリーズ、及び「PCH」シリーズ、ダイキン工業社製の「オプツール」シリーズ、及び信越化学工業社製の「KY−100」シリーズなどを使用してもよい。
ゴム系ポリマーとしては、例えば、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン三元重合体ゴム、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、及びエチレン−酢酸ビニル共重合体ゴムなどが挙げられる。
また、コート層の原料であるゴム系ポリマーとして、日東シンコー社製の「エレップコート」シリーズなどを使用してもよい。
シリコーン系ポリマーとしては、例えば、ポリジメチルシロキサン、アルキル変性ポリジメチルシロキサン、カルボキシル変性ポリジメチルシロキサン、アミノ変性ポリジメチルシロキサン、エポキシ変性ポリジメチルシロキサン、フッ素変性ポリジメチルシロキサン、及び(メタ)アクリレート変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。
コート層は、例えば、金属層上にコート層原料組成物を塗布し、硬化させることにより形成することができる。
塗布方法は特に制限されず、例えば、ロールコート法、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ダイコート法、インクジェット法、及びグラビアコート法などが挙げられる。
溶剤は、コート層の原料に応じて適宜選択すればよい。コート層の原料としてフッ素系化合物を用いる場合、例えば、フッ素系溶剤、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、及び炭化水素系溶剤などの溶剤を単独又は混合して使用することができる。これらのうち、引火性がなく、速やかに揮発するフッ素系溶剤を単独又は他の溶剤と混合して使用することが好ましい。
フッ素系溶剤としては、例えば、ハイドロフルオロエーテル、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロアルカン、ハイドロフルオロポリエーテル、ハイドロフルオロカーボン、パーフルオロシクロエーテル、パーフルオロシクロアルカン、ハイドロフルオロシクロアルカン、キシレンヘキサフルオライド、ハイドロフルオロクロロカーボン、及びパーフルオロカーボンなどが挙げられる。
コート層の厚さは特に制限されないが、0.1〜40μmであることが好ましく、より好ましくは0.2〜10μmであり、さらに好ましくは0.3〜5μmである。
前記金属層の片面又は両面に支持体を設けてもよい。特に、スパッタリング法などにより得られる金属層は、膜厚が薄いため、機械的強度を向上させるために金属層の片面又は両面に支持体を積層することが好ましい。
支持体は、水素透過性であり、金属層を支持しうるものであれば特に限定されず、無孔質体であってもよく、多孔質体であってもよい。また、支持体は、織布であってもよく、不織布であってもよい。支持体の形成材料としては、例えば、ポリエチレン及びポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、ポリスルホン及びポリエーテルスルホンなどのポリアリールエーテルスルホン、ポリテトラフルオロエチレン及びポリフッ化ビニリデンなどのフッ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミドなどが挙げられる。
支持体の厚さは特に限定されないが、通常5〜1000μm程度、好ましくは10〜300μmである。
前記支持体は、不織布上に微多孔質膜を有するものであることが好ましい。
不織布は公知のものを特に制限なく使用することができる。不織布の厚さは特に制限されないが、通常、50〜200μm程度であり、好ましくは70〜150μmである。
微多孔質膜の形成材料は特に制限されず、例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなどのポリアリールエーテルスルホン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、及びポリフッ化ビニリデンなどが挙げられる。熱的安定性の観点からガラス転移温度200℃以上のポリマーを用いることが好ましく、特に、熱硬化性ポリアミドイミド及び熱硬化性ポリイミドからなる群より選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
微多孔質膜の形成方法は特に制限されないが、通常、湿式法または乾湿式法により形成する。例えば、ポリマー溶液(ドープ)を不織布上に塗布し、その後、ドープ膜を有する不織布を凝固浴に浸漬してドープ膜にミクロ相分離を生じさせ、そしてポリマーの多孔構造を固定化することにより微多孔質膜を不織布上に形成する。
ポリマー溶液の溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、及びジオキサンなどが挙げられる。
前記微多孔質膜は、前記金属層を積層する側の表面に存在する孔の最大孔径が200nm未満であることが好ましく、より好ましくは100nm以下であり、さらに好ましくは50nm以下であり、特に好ましくは20nm以下である。
また、前記微多孔質膜は、前記金属層を積層する側の表面に存在する孔の平均孔径が50nm以下であることが好ましく、より好ましくは30nm以下であり、さらに好ましくは20nm以下である。
微多孔質膜の表面の孔の孔径を前記大きさに調整することにより、スパッタリング法などで微多孔質膜上に金属層を形成する場合に、金属層にピンホールが発生することを効果的に抑制できる。
微多孔質膜の表面の孔の孔径は、ドープ膜中の溶媒と凝固液(例えば、水など)との置換速度を適宜制御することにより、目的とする孔径に調整することができる。置換速度を制御する要因としては、例えば、ドープに含まれるポリマー、溶媒、及び添加剤の種類;ドープの固形分濃度、粘度、及び温度;ドープ膜の厚さ;凝固液の種類、温度、及び濃度;凝固浴への浸漬時間などが挙げられる。当業者であれば、前記置換速度を制御する要因を適宜調整することにより、目的とする孔径に調整することができるであろう。
微多孔質膜の厚さは、通常、10〜100μm程度であり、好ましくは20〜80μmであり、より好ましくは30〜60μmである。
金属層をスパッタリング法などで製造する場合、基板として前記支持体を用いると、支持体上に金属層を直接形成することができ、接着剤などを用いることなく水素排出膜を製造できるため、水素排出膜の物性及び製造効率の観点から好ましい。
本発明の水素排出膜は、不織布上に微多孔質膜を有する支持体の微多孔質膜上に金属層が積層されており、前記金属層上にコート層が設けられている態様であることが好ましい。
本発明の水素排出膜の形状は、略円形状であってもよく、三角形、四角形、五角形等の多角形であってもよい。後述する用途に応じた任意の形状にすることができる。
本発明の水素排出膜は、水素透過量が50ml/day以上であり、かつ窒素透過量が15ml/day以下である。水素透過量は100ml/day以上であることが好ましく、より好ましくは200ml/day以上であり、さらに好ましくは300ml/day以上である。一方、窒素透過量は10ml/day以下であることが好ましく、より好ましくは5ml/day以下であり、特に好ましくは0ml/dayである。
本発明の水素排出膜は、特にアルミ電解コンデンサ又はリチウムイオン電池の安全弁の構成部材として有用である。また、本発明の水素排出膜は、安全弁とは別に水素排出弁として電気化学素子に設けることも可能である。
本発明の水素排出膜を用いて電気化学素子内部で発生した水素を排出する方法は特に限定されないが、例えばアルミ電解コンデンサ又はリチウムイオン電池の外装部分の一部に本発明の水素排出膜を設け、これを外装内部と外部の隔膜として用いることができる。この場合、外装内部と外部は水素排出膜によって隔離され、水素排出膜は水素ガス以外の気体を透過しない。外装内部で発生した水素ガスは圧力の上昇により水素排出膜を介して外部に排出され、外装内部は所定圧力以上に上昇することはない。
本発明の水素排出膜は、その合金組成を適宜調整することにより、低温で脆化しないため、例えば150℃以下の温度、さらには110℃以下の温度で使用できるという利点がある。すなわち、その用途により、高温(例えば400〜500℃)で使用されないアルミ電解コンデンサ又はリチウムイオン電池における水素排出方法において、本発明の水素排出膜は特に好適に用いられる。
以下に実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例によりなんら限定されるものではない。
製造例1
〔支持体の作製〕
ポリアミドイミド(東洋紡社製、バイロマックスHR−22BL)12.8g、ポリプロピレングリコール(アデカポリエーテルP−400)1.1g、及びN−メチル−2−ピロリドン(和光純薬工業社製、特級)1.2gをスクリュー菅瓶に入れ、遊星撹拌脱泡装置(シンキー社製、泡取り練太郎ARE−310)を用いて2000rpmで5分間撹拌し、その後、2200rpmで3分間撹拌して脱泡してポリアミドイミド溶液(ドープ)を調製した。前記ポリアミドイミド溶液をガラス板上に固定したアラミド不織布(グラスパーAPT−72、厚さ130μm)上にアプリケーターで均一に塗布してドープ膜を形成し、その後すぐに45℃に調整したRO膜透過水の浴槽に浸漬した。ドープ膜に含まれる溶媒が十分にRO膜透過水と置換するまで浸漬した後、浴槽から取り出し、120℃のオーブンで5分間乾燥した後、300℃のオーブンで30分間熱処理して、アラミド不織布上に微多孔質膜(厚さ40μm)を有する支持体を作製した。作製した支持体の断面をFE−SEMで観察したところ、微多孔質膜は、表面から厚さ方向に徐々に孔径が大きくなる非対称多孔質構造であった。また、微多孔質膜の表面の孔の最大孔径は20nmであり、平均孔径は10nmであった。
実施例1
Au含有量が40mol%であるPd−Au合金ターゲットを装着したRFマグネトロンスパッタリング装置(サンユー電子社製)に、製造例1で作製した支持体を取り付けた。その後、スパッタリング装置内を1×10−5Pa以下に真空排気し、Arガス圧1.0Paにおいて、Pd−Au合金ターゲットに4.8Aのスパッタ電流を投入して、前記支持体の微多孔質膜上に厚さ100nmのPd−Au合金層(Au含有量40mol%)を形成した。その後、前記Pd−Au合金層上にコート層原料組成物(ハーベス社製、デュラサーフDS−3302TH、濃度2%)をディップコート法で塗布し、乾燥させて厚さ0.3μmのコート層を形成して水素排出膜を作製した。
実施例2
コート層原料組成物(ハーベス社製、デュラサーフDS−3308TH、濃度8%)をディップコート法で塗布し、乾燥させて厚さ1.5μmのコート層を形成した以外は実施例1と同様の方法で水素排出膜を作製した。図1は、実施例2で作製した水素排出膜の表面のSEM写真である。水素排出膜の表面にピンホールがないことがわかる。
実施例3
コート層原料組成物(ハーベス社製、デュラサーフDS−3320C、濃度20%)をディップコート法で塗布し、乾燥させて厚さ6.5μmのコート層を形成した以外は実施例1と同様の方法で水素排出膜を作製した。
実施例4
コート層原料組成物(ハーベス社製、デュラサーフDS−3330C、濃度30%)をディップコート法で塗布し、乾燥させて厚さ26μmのコート層を形成した以外は実施例1と同様の方法で水素排出膜を作製した。
実施例5
コート層原料組成物(AGCセイミケミカル社製、エスエフコートSFE−B002H、濃度2%)をディップコート法で塗布し、乾燥させて厚さ0.5μmのコート層を形成した以外は実施例1と同様の方法で水素排出膜を作製した。
実施例6
コート層原料組成物(野田スクリーン社製、INT−333QA、濃度8%)をディップコート法で塗布し、乾燥させて厚さ1.7μmのコート層を形成した以外は実施例1と同様の方法で水素排出膜を作製した。
比較例1
コート層を形成しなかった以外は実施例1と同様の方法で水素排出膜を作製した。図2は、比較例1で作製した水素排出膜の表面のSEM写真である。水素排出膜の表面に多くのピンホールがあることがわかる。
比較例2
コート層原料組成物(ハーベス社製、デュラサーフDS−3330C、濃度30%)をディップコート法で2回塗布し、乾燥させて厚さ60μmのコート層を形成した以外は実施例1と同様の方法で水素排出膜を作製した。
比較例3
支持体の微多孔質膜上に厚さ8nmのPd−Au合金層(Au含有量40mol%)を形成した以外は実施例1と同様の方法で水素排出膜を作製した。
〔測定及び評価方法〕
(最大孔径、平均孔径の測定)
作製した支持膜の最表面をFE−SEMを用いて観察し、5000倍の画像を得た。その画像を二値化し画像解析を行って画像中の孔の孔径、孔径分布を算出し、最大孔径及び平均孔径の値を得た。
(水素透過量の測定)
作製した水素排出膜をスウェージロック社製のVCRコネクター(空間体積:12.0ml)に取り付けた。VCRコネクターの片側に0.155MPa(105℃雰囲気下)となるように水素ガスを封入したSUSチューブ(空間体積:56ml)を取り付け、内部圧力が0.150MPaとなるように密封された空間(68ml)を作製した。105℃雰囲気下にて、密閉された空間の圧力変化をモニターした。圧力変化により水素排出膜を透過した水素モル数(体積)がわかるため、これを1日当たりの透過量に換算して水素透過量を算出した。なお、測定に用いた水素排出膜の有効膜面積は60.8×10−6(φ8.8mm)である。
例えば、2時間で圧力が0.150MPaから0.100MPaに変化した場合(変化量0.050MPa)、水素排出膜を透過した水素体積は34mlになる。よって、1日当たりの水素透過量は34×24/2=408ml/dayとなる。
(窒素透過量の測定)
SUSチューブに封入したガスを窒素ガスにした以外は、上記の水素透過量の測定と同様にして窒素透過量の測定を行った。
表1から、実施例1〜6の水素排出膜は、水素ガスのみを選択的に透過する機能を有することがわかる。比較例1及び3の水素排出膜は、水素ガスだけでなく窒素ガスも透過しており、水素ガスのみを選択的に透過する機能を有していない。比較例2の水素排出膜は、水素ガスのみを選択的に透過する機能を有するが、水素透過性が不十分である。
本発明の水素排出膜は、電池、コンデンサ、キャパシタ、及びセンサなどの電気化学素子に設けられる安全弁又は水素排出弁の構成部材として好適に用いられる。

Claims (15)

  1. 金属層を有する水素排出膜において、
    前記金属層は、厚さが0.01〜5μmであり、
    前記水素排出膜は、水素透過量が50ml/day以上であり、かつ窒素透過量が15ml/day以下であることを特徴とする水素排出膜。
  2. 前記金属層の片面又は両面にコート層を有する請求項1記載の水素排出膜。
  3. 前記コート層は、フッ素系化合物、ゴム系ポリマー、及びシリコーン系ポリマーからなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含む請求項2記載の水素排出膜。
  4. 前記コート層は、厚さが0.1〜40μmである請求項2又は3記載の水素排出膜。
  5. 前記金属層の片面又は両面に支持体を有する請求項1〜4のいずれかに記載の水素排出膜。
  6. 前記支持体は、不織布上に微多孔質膜を有するものである請求項5記載の水素排出膜。
  7. 前記金属層は、Pd合金を含む合金層である請求項1〜6のいずれかに記載の水素排出膜。
  8. 前記Pd合金は、第11族元素を20〜65mol%含む請求項7記載の水素排出膜。
  9. 前記第11族元素は、Au、Ag、及びCuからなる群より選択される少なくとも1種である請求項8記載の水素排出膜。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の水素排出膜を備えた電気化学素子用安全弁。
  11. 請求項1〜9のいずれかに記載の水素排出膜を備えた電気化学素子用水素排出弁。
  12. 請求項10記載の電気化学素子用安全弁、又は請求項11記載の電気化学素子用水素排出弁を備えた電気化学素子。
  13. 前記電気化学素子が、アルミ電解コンデンサ又はリチウムイオン電池である請求項12記載の電気化学素子。
  14. 請求項1〜9のいずれかに記載の水素排出膜、請求項10記載の電気化学素子用安全弁、又は請求項11記載の電気化学素子用水素排出弁を用いた水素排出方法。
  15. 150℃以下の環境下で水素を排出させる請求項14記載の水素排出方法。
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