JP2017106342A - 水冷式エンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】ギヤ、クランクケースまたはシャフト支持構造に関する加工費または部品費の増大を招くことなく、クランクシャフトと他のシャフトとの間の距離の変動によって発生する異音を抑制する。【解決手段】エンジン1のクランクケース2において、軸心Pを有するクランクシャフトと軸心Qを有するバランサーシャフトとの間の部分にシャフト間冷却水通路71を形成する。シャフト間冷却水通路71に冷却水を流すことにより、クランクケース2においてクランクシャフトとバランサーシャフトとの間の部分を冷却し、この部分の熱膨張を抑制する。これにより、熱膨張によるクランクシャフトとバランサーシャフトとの間の距離の変動を抑え、クランクシャフトとバランサーシャフトとを接続するギヤ間の歯打ち音を抑制する。【選択図】図1

Description

本発明は、冷却水によりクランクケースの一部を冷却する機構を備えた水冷式エンジンに関する。
車両等に設けられるエンジンの多くは、クランクシャフトの回転による振動を抑制するためのバランサーシャフトを備えている。クランクシャフトおよびバランサーシャフトは、クランクケース内において互いに隣接して配置され、クランクケースに軸受を介してそれぞれ支持されている。また、クランクシャフトおよびバランサーシャフトにはそれぞれギヤ(歯車)が設けられ、これらのギヤを互いに噛合させることにより、クランクシャフトの回転をバランサーシャフトに伝達するように構成されている。
一方、下記の特許文献1には、クランクジャーナルの外周に沿って曲面状に拡がる冷却水通路を設けることにより、クランクジャーナルを冷却する水冷式クランクジャーナル軸受が記載されている。
実開昭60−10923号公報
ところで、エンジンが暖機され、クランクケースが高温になると、クランクケースが熱膨張する。このため、クランクシャフトとバランサーシャフトとの間の距離が延び、クランクシャフトに設けられたギヤとバランサーシャフトに設けられたギヤとのバックラッシュ(バックラッシ、噛み合い隙間)が増大することがある。この結果、エンジン動作時において、クランクシャフトまたはバランサーシャフト(主にバランサーシャフト)が振動し、両者のギヤ間において、歯打ち音等の異音が発生するおそれがある。
このような異音の発生を抑制する方法として次のものが考えられる。すなわち、ギヤの歯厚精度またはクランクケースの加工精度の向上、あるいはギヤの選択嵌合によってバックラッシュの公差幅を小さくする。また、クランクシャフトとバランサーシャフトとの間を鉄製インサートで連結し、暖機時にシャフト間の距離が延びることを抑える。しかし、これらの方法は、ギヤ、クランクケースまたはシャフト支持構造に関する加工費または部品費が増大するという問題がある。
また、このような異音の発生は、バランサーシャフトとクランクシャフトとの間の距離の増大に起因するものに限らない。このような異音は、クランクケース内に軸支され、ギヤによりクランクシャフトの回転が伝達されて回転する他のシャフト(例えばウォーターポンプを駆動するポンプシャフト)とクランクシャフトとの間の距離の増大に起因して発生するおそれもある。
本発明は例えば上述したような問題に鑑みなされたものであり、本発明の課題は、ギヤ、クランクケースまたはシャフト支持構造に関する加工費または部品費の増大を招くことなく、クランクシャフトと他のシャフトとの間の距離の変動によって発生する異音を抑制することができる水冷式エンジンを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の水冷式エンジンは、クランクケースと、前記クランクケース内に支持されたクランクシャフトと、前記クランクケース内に支持され、前記クランクシャフトの回転がギヤにより伝達される他のシャフトと、冷却水によりエンジンを冷却する冷却機構とを備えた水冷式エンジンであって、前記冷却機構は、前記クランクケース内において前記クランクシャフトと前記他のシャフトとの間の部分に冷却水を流通させて当該部分を冷却する冷却水通路を含んでいることを特徴とする。
本発明のこの態様によれば、クランクケースにおいてクランクシャフトと他のシャフトとの間の部分を冷却水により冷却し、当該部分の熱膨張を抑えることができる。これにより、暖機時等に、クランクシャフトと他のシャフトとの間の距離が延びることを抑制することができ、これらのシャフト間におけるギヤのバックラッシュの増大を抑えることができ、歯打ち音等の異音の発生を抑制することができる。
また、上述した本発明の水冷式エンジンにおいて、前記クランクケースには、前記クランクシャフトを支持する第1の軸支部と、前記他のシャフトを支持する第2の軸支部とが形成され、前記冷却水通路は前記第1の軸支部と前記第2の軸支部との間に配置されていることが好ましい。
クランクケースにおいて第1の軸支部と第2の軸支部との間の部分は、熱膨張によってクランクシャフトと他のシャフトとの間の距離の増大をもたらす部分である。本発明のこの態様によれば、この部分を冷却水により冷却することにより、クランクシャフトと他のシャフトとの間の距離の増大を抑制する効果を高めることができる。
また、上述した本発明の水冷式エンジンにおいて、前記他のシャフトはバランサーシャフトであることが好ましい。
バランサーシャフトは回転力を他の部品に伝える部品ではなく、負荷がない。このため、クランクシャフトとの間の距離が延びてギヤのバックラッシュが増大したとき、バランサーシャフトの振動が大きくなり易く、歯打ち音が発生し易い。本発明のこの態様によれば、クランクシャフトとバランサーシャフトとの間の距離の増大を抑えることができ、これらのシャフト間におけるギヤのバックラッシュの増大に起因する歯打ち音の発生を抑えることができる。したがって、暖機時等における異音の発生を効果的に抑制することができる。
また、上述した本発明の水冷式エンジンにおいて、前記クランクケースは、前記クランクシャフトおよび前記他のシャフトを収容するケース本体と、前記ケース本体の側部に取り付けられたサイドカバーとを有し、前記冷却水通路は、前記ケース本体と前記サイドカバーとの間に形成されていることが好ましい。
本発明のこの態様によれば、冷却水通路を容易に形成することができる。例えば、冷却水通路を構成する一部分をケース本体に形成し、冷却水通路を構成する他の部分をサイドカバーに形成する。これにより、サイドカバーをケース本体に取り付けると同時に、冷却水通路の両部分を合わせて冷却水通路を容易に形成することができる。
また、上述した本発明の水冷式エンジンにおいて、前記クランクケースの側部であって前記サイドカバーにより覆われる部分には、前記クランクケースの側部から前記クランクケースの内部に向かって前記クランクシャフトの軸方向に窪んだ溝部が形成され、前記冷却水通路は、前記溝部の開口部が前記サイドカバーにより塞がれることにより形成される構成としてもよい。
本発明のこの態様によれば、クランクシャフトと他のシャフトとの間に流路面積の大きい冷却水通路を形成することができ、クランクシャフトと他のシャフトとの間において冷却水により冷却される領域を大きくすることができる。これにより、冷却水通路の放熱性能を高めることができ、クランクケースにおいてクランクシャフトと他のシャフトとの間の部分の冷却効果を高めることができる。
本発明によれば、ギヤ、クランクケースまたはシャフト支持構造に関する加工費または部品費の増大を招くことなく、クランクシャフトと他のシャフトとの間の距離の変動によって発生する異音を抑制することができる。
本発明の実施形態による水冷式エンジンのクランクケースを示す説明図である。 図1中のクランクケースからサイドカバーを取り外した状態を示す説明図である。 図1中のクランクケースのサイドカバーの裏面を示す説明図である。 図1中のクランクケースの内部を示す説明図である。 本発明の実施形態による水冷式エンジンにおける冷却システムを示す説明図である。
以下、自動二輪車用の水冷式エンジンを例にあげ、本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の実施形態による水冷式エンジンのクランクケースを示している。図2は図1中のクランクケース2からサイドカバー21を外した状態を示し、図3はサイドカバー21の裏面を示している。図4は、図1中の矢示IVーIV方向から見たクランクケース2の一部の断面およびクランクケース2の内部を示している。図5は、本発明の実施形態による水冷式エンジンにおける冷却システムを示している。
図1において、エンジン1は本発明の実施形態による水冷式エンジンである。エンジン1は、クランクケース2と、クランクケース2の上部に設けられたシリンダ3と、シリンダ3の上部に設けられたシリンダヘッド4とを備えている。また、クランクケース2内には、クランクシャフト31およびバランサーシャフト41等が収容されている。図1中のPはクランクシャフト31の軸心を示し、図1中のQはバランサーシャフト41の軸心を示す。
クランクケース2は、ケース本体11とサイドカバー21とを備えている。ケース本体11およびサイドカバー21は例えばアルミニウム合金等により形成されている。サイドカバー21は、例えばクラッチカバーであり、ケース本体11の右部に取り付けられ、ケース本体11の右部を覆っている。具体的には、図2に示すように、ケース本体11の右部の外周側には右方に突出する周壁部12が形成されており、周壁部12の突出端部には衝合面13が形成されている。また、図3に示すように、サイドカバー21の左部の外周側には左方に突出する周壁部22が形成されており、周壁部22の突出端部には衝合面23が形成されている。そして、サイドカバー21がケース本体11の右部に取り付けられたときには、衝合面13と衝合面23とが互いに衝合し、これにより、ケース本体11の右部がサイドカバー21により閉塞される。
また、図4に示すように、ケース本体11の右部には、クランクシャフト31の右端側を支持する第1の軸支部としてのクランク軸支部15と、バランサーシャフト41の右端側を支持する第2の軸支部としてのバランサー軸支部17が形成されている。クランク軸支部15は、クランクシャフト31の右端側を挿通させる孔部15Aを有し、孔部15Aの周壁には軸受37を支持する段部15Bが形成されている。バランサー軸支部17もバランサーシャフト41の右端側を挿通させる孔部17Aを有し、孔部17Aの周壁には軸受47を支持する段部17Bが形成されている。また、ケース本体11の左部にも同様に、クランクシャフト31の左端側を支持するクランク軸支部と、バランサーシャフト41の左端側を支持するバランサー軸支部が形成されている。
また、図4に示すように、クランクシャフト31およびバランサーシャフト41はケース本体11内に収容されている。ケース本体11内において、クランクシャフト31およびバランサーシャフト41は互いに隣接して配置されており、互いに平行に伸長している。クランクシャフト31は周知の構成を有し、例えば、軸部32、クランクアーム33、カウンタウェイト34およびクランクピン35を備え、クランクピン35にはコネクティングロッド36が接続されている。また、クランクシャフト31の軸部32の右端側は軸受37を介してケース本体11の右側のクランク軸支部15に回転可能に支持されている。同様に、クランクシャフト31の軸部32の左端側は軸受37を介してケース本体11の左側のクランク軸支部に回転可能に支持されている。
バランサーシャフト41は、クランクシャフト31の回転により発生する振動を抑制する機能を有する。バランサーシャフト41は、軸部42と、軸部42に固定されたウェイト部43を備えている。バランサーシャフト41の軸部42の右端側は軸受47を介してケース本体11の右側のバランサー軸支部17に回転可能に支持されている。同様に、バランサーシャフト41の軸部42の左端側は軸受47を介してケース本体11の左側のバランサー軸支部に回転可能に支持されている。
また、クランクシャフト31の右端側には駆動ギヤ51が設けられている。駆動ギヤ51はクランクシャフト31にスプライン結合等の手段により固定され、クランクシャフト31と共に回転する。また、バランサーシャフト41の右端側には従動ギヤ52が設けられている。従動ギヤ52はバランサーシャフト41にスプライン結合等の手段により固定され、バランサーシャフト41と共に回転する。また、駆動ギヤ51と従動ギヤ52は互いに噛合している。クランクシャフト31の回転は、駆動ギヤ51および従動ギヤ52によりバランサーシャフト41に伝達され、これにより、バランサーシャフト41が回転する。
一方、図5に示すように、エンジン1は、当該エンジン1を冷却水により冷却する冷却機構としての冷却システム61を備えている。冷却システム61は、冷却水を吐出するウォーターポンプ62と、シリンダ3の外周部およびシリンダヘッド4の一部等に冷却水を流通させてシリンダ3およびシリンダヘッド4を冷却するウォータージャケット63と、自動二輪車においてエンジン1の前方に設けられ、シリンダ3およびシリンダヘッド4等を冷却して温度が上昇した冷却水を例えば走行風を利用して冷却するラジエータ64とを備えている。さらに、本実施形態におけるエンジン1の冷却システム61は、クランクケース2においてクランクシャフト31とバランサーシャフト41との間の部分に冷却水を流通させて当該部分を冷却するシャフト間冷却水通路71を備えている。冷却水は、ウォーターポンプ62から吐出され、シャフト間冷却水通路71、ウォータージャケット63およびラジエータ64を順次流通してウォーターポンプ62に戻り、このような経路を循環する。なお、詳細には、冷却システム61は、冷却水をウォータージャケット63からラジエータ64を通さずにウォーターポンプ62へ戻すバイパス通路を備え、さらに、ウォータージャケット63からラジエータ64を通ってウォーターポンプ62へ戻る冷却水の経路と、ウォータージャケット63からバイパス通路を通ってウォーターポンプ62へ戻る冷却水の経路とを冷却水の温度に基づいて切り換えるサーモスタットを備えているが、これらの図示は省略する。
図1に示すように、ウォーターポンプ62は、サイドカバー21の右面(表面)に取り付けられている。また、ウォーターポンプ62は、ラジエータ64(またはバイパス通路)から戻ってくる冷却水を吸い込む吸込口が形成された吸込部62A、および冷却水を吐出する吐出口が形成された吐出部62Bを有している。また、吸込部62Aには、ラジエータ64から流出した冷却水をウォーターポンプ62へ供給する配管(図示せず)が接続される。なお、バイパス通路の下流側の端部は、ラジエータ64の流出側、またはラジエータ64とウォーターポンプ62との間を接続する上記配管の途中等に接続される。
シャフト間冷却水通路71は、図1に示すように、クランクケース2において、軸心Pを有するクランクシャフト31と、軸心Qを有するバランサーシャフト41との間の部分に形成されている。具体的には、シャフト間冷却水通路71は、クランクシャフト31およびバランサーシャフト41の下方から、クランクシャフト31およびバランサーシャフト41の上方へ伸長し、シャフト間冷却水通路71の略中間部分が、クランクシャフト31とバランサーシャフト41との間の部分を通っている。
また、シャフト間冷却水通路71は、図4に示すように、クランク軸支部15とバランサー軸支部17との間に配置されている。本実施形態においては、駆動ギヤ51および従動ギヤ52がケース本体11内における右側に配置されているので、シャフト間冷却水通路71は、右側のクランク軸支部15とバランサー軸支部17との間に配置されている。
また、シャフト間冷却水通路71は、図4に示すように、クランクケース2のケース本体11とサイドカバー21との間に形成されている。具体的には、シャフト間冷却水通路71は、ケース本体11に形成された本体側溝部72と、サイドカバー21に形成されたカバー側溝部74とにより形成されている。すなわち、シャフト間冷却水通路71は上下方向に伸長する管状の通路であるが、この管状の構造は、互いに向き合うように開口する本体側溝部72とカバー側溝部74とを組み合わせることにより形成されている。
より具体的に説明すると、図2に示すように、本体側溝部72は、ケース本体11の右部であってサイドカバー21により覆われる部分において、クランク軸支部15とバランサー軸支部17との間の部分に形成されている。また、本体側溝部72は、図4に示すように、ケース本体11の右外側部分からケース本体11の内部に向かってクランクシャフト31の軸方向に沿って窪んだ形状を有している。
また、図3に示すように、カバー側溝部74は、ケース本体11の右部と対向するサイドカバー21の左面(裏面)において、本体側溝部72と対応する位置に形成されている。また、カバー側溝部74は、図4に示すように、サイドカバー21の左面の一部を左方に盛り上げ、その盛り上げた部分の一部を右方に窪ませることにより形成されている。
また、本実施形態においては、図4に示すように、左右方向において、本体側溝部72の開口側の端面73(右端面)の位置は、ケース本体11の周壁部12の衝合面13の位置と一致している。また、左右方向において、カバー側溝部74の開口側の端面75(左端面)の位置は、サイドカバー21の周壁部22の衝合面23の位置と一致している。したがって、サイドカバー21をケース本体11に取り付けるに当たり、ケース本体11の周壁部12の衝合面13とサイドカバー21の周壁部22の衝合面23とを互いに衝合すると、これと同時に、本体側溝部72の端面73とカバー側溝部74の端面75とが衝合する。この結果、本体側溝部72の開口部とカバー側溝部74の開口部とが互いに塞がれ、管状のシャフト間冷却水通路71が形成される。なお、サイドカバー21をケース本体11に取り付けたときに、本体側溝部72の端面73とカバー側溝部74の端面75とが互いに合わさる構造が確保されていれば、本体側溝部72の端面73とケース本体11の衝合面13とは一致していなくてもよく、カバー側溝部74の端面75とサイドカバー21の衝合面23とは一致していなくてもよい。
また、図1に示すように、シャフト間冷却水通路71の下端部には、サイドカバー21に取り付けられたウォーターポンプ62の吐出部62Bの吐出口とシャフト間冷却水通路71内との間を連通させる流入口76が設けられている。また、シャフト間冷却水通路71の上端部には流出口77が設けられている。サイドカバー21の前部には前後方向に伸長する管状の接続通路78が形成され、流出口77は、シャフト間冷却水通路71内と接続通路78内との間を連通させる。また、接続通路78の前端部には接続口79が形成され、接続口79には、接続通路78とウォータージャケット63の流入口とを接続する配管(図示せず)が接続される。
冷却水は、図1に示すように、ウォーターポンプ62の吐出部62Bの吐出口から吐出され、シャフト間冷却水通路71の流入口76を介してシャフト間冷却水通路71内に流入する。そして、冷却水は、シャフト間冷却水通路71内を下から上へ流れ、シャフト間冷却水通路71の流出口77を介して接続通路78内へ流入する。さらに、冷却水は、接続通路78内を流れ、接続通路78の接続口79から配管を介してウォータージャケット63へ供給される。シャフト間冷却水通路71を流通する冷却水により、クランクケース2においてクランクシャフト31とバランサーシャフト41との間の部分が冷却される。
以上説明した通り、本発明の実施形態によるエンジン1によれば、クランクケース2においてクランクシャフト31とバランサーシャフト41との間の部分にシャフト間冷却水通路71を形成し、そこに冷却水を流すことにより、クランクシャフト31とバランサーシャフト41との間の部分を冷却することができ、これにより、暖機時等に当該部分の熱膨張を抑制することができる。したがって、クランクシャフト31とバランサーシャフト41との間の距離が延びることを抑制することができ、クランクシャフト31に固定された駆動ギヤ51と、バランサーシャフト41に固定された従動ギヤ52との間のバックラッシュの増大を抑えることができる。よって、駆動ギヤ51および従動ギヤ52から歯打ち音等の異音が発生することを抑制することができる。
また、エンジン1によれば、シャフト間冷却水通路71が、クランク軸支部15とバランサー軸支部17との間に配置されているので、クランク軸支部15とバランサー軸支部17との間を確実に冷却することができ、その冷却効果を高めることができる。クランクケース2においてクランク軸支部15とバランサー軸支部17との間の部分は、熱膨張によってクランクシャフト31とバランサーシャフト41との間の距離の増大をもたらす部分であるので、この部分を冷却し、この部分の熱膨張を抑えることで、異音の発生を抑制する効果を高めることができる。
また、エンジン1によれば、シャフト間冷却水通路71を、駆動ギヤ51および従動ギヤ52に接近した右側のクランク軸支部15と右側のバランサー軸支部17との間に配置したことにより、クランクケース2の熱膨張による駆動ギヤ51と従動ギヤ52との間のバックラッシュの増大を効果的に抑えることができ、異音の発生を抑制する効果を高めることができる。
また、エンジン1によれば、シャフト間冷却水通路71を、クランクケース2のケース本体11とサイドカバー21との間に配置したことにより、シャフト間冷却水通路71を容易に形成することができる。具体的には、ケース本体11に形成された本体側溝部72と、サイドカバー21に形成されたカバー側溝部74とを互いに合わせることによってシャフト間冷却水通路71を形成する構成としたので、サイドカバー21をケース本体11に取り付けると同時に、シャフト間冷却水通路71を形成することができ、専らシャフト間冷却水通路71を形成するための組立工程を不要にすることができる。
また、本体側溝部72はケース本体11と共に型により形成することができ、また、カバー側溝部74はサイドカバー21と共に型により形成することができる。これにより、シャフト間冷却水通路71を形成するために別途部品を追加する必要がないので、部品の増加を防止することができる。
また、ケース本体11の部分とサイドカバー21の部分との双方を用いてシャフト間冷却水通路71を形成することとしたので、シャフト間冷却水通路71を形成するための大きい領域を容易に確保することができ、シャフト間冷却水通路71の流路面積を大きくすることができ、クランクケース2においてクランクシャフト31とバランサーシャフト41との間の部分の冷却効果を高めることができる。
また、シャフト間冷却水通路71の本体側溝部72は、ケース本体11の右外側部分からケース本体11の内部に向かってクランクシャフト31の軸方向に沿って窪んだ形状を有しているので、クランクシャフト31とバランサーシャフト41との間の部分における広い範囲にシャフト間冷却水通路71を形成することができ、クランクシャフト31とバランサーシャフト41との間の冷却領域を大きくすることができる。これにより、クランクシャフト31とバランサーシャフト41との間の冷却効果を高めることができる。
また、エンジン1では、ウォーターポンプ62から吐出された冷却水をウォータージャケット63に供給する前にシャフト間冷却水通路71に供給する構成としたから、温度の低い冷却水により、クランクシャフト31とバランサーシャフト41との間を効果的に冷却することができる。
また、エンジン1によれば、ギヤの歯厚精度を高める方法、クランクケースの加工精度を高める方法、ギヤの選択嵌合、クランクシャフトとバランサーシャフトとの間を鉄製インサートで連結する方法のいずれをも採用せずに、異音の発生を抑制することができるので、異音の発生を抑制するために、ギヤ、クランクケースまたはシャフト支持構造に関する加工費または部品費が増大することを防止することができる。
また、本発明の実施形態によるエンジン1では、クランクケース2においてクランクシャフト31とバランサーシャフト41との間の部分にシャフト間冷却水通路71を形成し、当該部分を冷却する構成とした。バランサーシャフト41は回転力を他の部品に伝える部品ではなく、負荷がないため、熱膨張によりクランクシャフト31とバランサーシャフト41との間の距離が延びてギヤのバックラッシュが増大した場合には、バランサーシャフト41の振動が大きくなり易く、歯打ち音が発生し易い。本実施形態のエンジン1によれば、シャフト間冷却水通路71を流通する冷却水により、クランクケース2においてクランクシャフト31とバランサーシャフト41との間の部分を冷却することができ、バランサーシャフト41の振動を抑え、バランサーシャフト41の振動に起因する歯打ち音を抑制することができる。この結果、暖機時等における異音の発生を効果的に抑制することができる。
なお、本発明では、シャフト間冷却水通路71を、クランクケース2においてクランクシャフト31と他のシャフトとの間の部分に形成してもよい。例えば、エンジンによっては、クランクシャフトの回転がギヤにより伝達される他のシャフトとしてポンプシャフト(ウォーターポンプを駆動させるためのシャフト)がクランクケース内に設けられているものがある。このようなエンジンの場合には、クランクケースにおいてクランクシャフトとポンプシャフトとの間の部分にシャフト間冷却水通路を形成してもよい。これにより、クランクケースにおいてクランクシャフトとポンプシャフトとの間の部分の熱膨張を抑えることができ、ポンプシャフトの振動に起因する異音を抑制することができる。
また、上述した実施形態では、シャフト間冷却水通路71をクランクケース2の右側に形成する場合を例にあげたが、駆動ギヤおよび従動ギヤがケース本体11内において左側に配置されている場合には、シャフト間冷却水通路をクランクケース2の左側に形成することが好ましい。また、シャフト間冷却水通路をクランクケース2の左右両側にそれぞれ形成してもよい。また、シャフト間冷却水通路71の長さ、伸長方向等は図示したものに限定されない。
また、上述した実施形態では、シャフト間冷却水通路71を本体側溝部72とカバー側溝部74とに分け、本体側溝部72をケース本体11に形成し、カバー側溝部74をサイドカバー21に形成したが、ケース本体11の内部に管路を形成することにより、シャフト間冷却水通路71の全部をケース本体11に形成してもよい。
また、上述した実施形態では、図5に示すように、ウォーターポンプ62から吐出された冷却水がまずシャフト間冷却水通路71を流通し、その後ウォータージャケット63を流通する場合を例にあげたが、ウォーターポンプ62から吐出された冷却水がシャフト間冷却水通路71とウォータージャケット63とを並列に流通する構成としてもよい。
また、本発明の水冷式エンジンは、自動二輪車用のエンジンに限定されない。
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う水冷式エンジンもまた本発明の技術思想に含まれる。
1 エンジン(水冷式エンジン)
2 クランクケース
11 ケース本体
15 クランク軸支部(第1の軸支部)
17 バランサー軸支部(第2の軸支部)
21 サイドカバー
31 クランクシャフト
41 バランサーシャフト
51 駆動ギヤ
52 従動ギヤ
61 冷却システム(冷却機構)
62 ウォーターポンプ
63 ウォータージャケット
64 ラジエータ
71 シャフト間冷却水通路(冷却水通路)
72 本体側溝部
74 カバー側溝部
76 流入口
77 流出口
78 接続通路
79 接続口

Claims (5)

  1. クランクケースと、
    前記クランクケース内に支持されたクランクシャフトと、
    前記クランクケース内に支持され、前記クランクシャフトの回転がギヤにより伝達される他のシャフトと、
    冷却水によりエンジンを冷却する冷却機構とを備えた水冷式エンジンであって、
    前記冷却機構は、前記クランクケース内において前記クランクシャフトと前記他のシャフトとの間の部分に冷却水を流通させて当該部分を冷却する冷却水通路を含んでいることを特徴とする水冷式エンジン。
  2. 前記クランクケースには、前記クランクシャフトを支持する第1の軸支部と、前記他のシャフトを支持する第2の軸支部とが形成され、前記冷却水通路は前記第1の軸支部と前記第2の軸支部との間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の水冷式エンジン。
  3. 前記他のシャフトはバランサーシャフトであることを特徴とする請求項1または2に記載の水冷式エンジン。
  4. 前記クランクケースは、前記クランクシャフトおよび前記他のシャフトを収容するケース本体と、前記ケース本体の側部に取り付けられたサイドカバーとを有し、
    前記冷却水通路は、前記ケース本体と前記サイドカバーとの間に形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の水冷式エンジン。
  5. 前記クランクケースの側部であって前記サイドカバーにより覆われる部分には、前記クランクケースの側部から前記クランクケースの内部に向かって前記クランクシャフトの軸方向に窪んだ溝部が形成され、前記冷却水通路は、前記溝部の開口部が前記サイドカバーにより塞がれることにより形成されることを特徴とする請求項4に記載の水冷式エンジン。
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