JP2017101733A - レンジ切り換え装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】レンジの検出精度の低下の抑制されたレンジ切り換え装置を提供する。
【解決手段】ディテントレバー62におけるディテントスプリングとの当接面62aには、自動変速機のレンジに対応付けられたレンジ谷部82〜85と、パーキングブレーキに対応付けられたブレーキ谷部81とが形成されている。位置決め部は、ブレーキ谷部からレンジ谷部へと向かうブレーキ方向にディテントレバーが回転する際に、基準ストッパがディテントレバーと接触することでディテントスプリングの当接部位66aがレンジ谷部に当接しつつディテントレバーの基準となる回転角度が定まるように基準ストッパの位置を定め、ディテントレバーがブレーキ方向に回転することで当接部位がブレーキ谷部に当接する際に、基準ストッパとディテントレバーとの接触が避けられるように基準ストッパの位置を定める。
【選択図】図3

Description

本発明は、ディテントレバーを有するレンジ切り換え装置に関するものである。
特許文献1に示されるように、レンジ切換シャフトを複数のレンジそれぞれに対応する角度に位置決めするためのディテント機構が知られている。このディテント機構は、レンジ切換シャフトに固定されて一体に回転するディテントレバーと、ディテントレバーを押圧付勢するディテントスプリングと、を有する。ディテントレバーの周縁には各レンジに対応した凹部が形成されている。ディテントスプリングのローラが凹部に係合される。各レンジに対応する各種凹部にローラが位置するようにディテントレバーが回転することで、レンジが切り換えられる。
特開2014−190349号公報
ところで車両にはパーキングブレーキが設けられている。このパーキングブレーキの作動を上記のディテントレバーの回転によって行うことも考えられる。この場合、レンジの切り換え時にパーキングブレーキが作動することを避けなくてはならない。そのためパーキングブレーキを作動させる際のディテントレバーの回転角度は、ローラが凹部の形成領域外に位置するように設定される。
しかしながら上記構成の場合、下記に示す不具合の生じる虞がある。ディテントレバーの凹部に対するローラの位置は、ディテントレバーの回転角度によって求められる。この回転角度の基準となる位置は、ディテントレバーの回転を規制するストッパにディテントレバーが当たった位置で決定される。このようにわざわざディテントレバーをストッパに当てて回転角度の基準となる位置を検出するのは、製造バラツキや組み付けバラツキのために、ディテントレバーの回転角特性にバラツキが生じるためである。
この回転角度の基準となる位置は、レンジの検出精度を確保するために、パーキングブレーキとはかかわりなく、レンジに対応する凹部のみに応じて定めることが好ましい。しかしながら上記したようにパーキングブレーキを作動させる際のディテントレバーの回転角度は、ローラが凹部の形成領域外に位置するように設定される。そのためにディテントレバーをストッパに当てることで回転角度の基準位置を定める際にパーキングブレーキが作動する。このパーキングブレーキの作動によってディテントレバーの回転状態(ストッパとの当たり状態)が不安定となり、それによって回転角度の基準位置の検出精度が低下する虞がある。この結果、レンジの検出精度が低下する虞がある。
そこで本発明は上記問題点に鑑み、レンジの検出精度の低下の抑制されたレンジ切り換え装置を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するための開示された発明の1つは、ディテントレバー(62)と、
ディテントレバーの回転を制御する制御部(13,30)と、
ディテントレバーの回転角度を検出する回転角センサ(40,50)と、
ディテントレバーに付勢力を印加することでディテントレバーの回転角度を定めるディテントスプリング(66)と、
ディテントレバーと接触することでディテントレバーの回転を規制する基準ストッパ(90)と、
基準ストッパを移動させることで基準ストッパのディテントレバーに対する位置を定める位置決め部(14,70)と、を有し、
ディテントレバーにおけるディテントスプリングとの当接面(62a)は、複数の谷部(81〜85)がディテントレバーの回転方向に並んでなる波形形状を成し、
ディテントレバーが制御部によって回転すると、ディテントスプリングにおける当接面との当接部位(66a)が当接面を滑り、ディテントレバーの制御部による回転が止まると、付勢力の当接面への印加によってディテントレバーに対するディテントスプリングの位置が固定されており、
複数の谷部としては、車両の自動変速機(130)のレンジに対応付けられたレンジ谷部(82〜85)と、車両のパーキングブレーキ(140)に対応付けられたブレーキ谷部(81)と、を有し、ブレーキ谷部とレンジ谷部とがディテントレバーの回転方向に並んでおり、
制御部は回転角センサによって検出されたディテントレバーの回転角度に応じて当接部位のブレーキ谷部およびレンジ谷部それぞれに対する位置を検出しており、
位置決め部は、
ブレーキ谷部からレンジ谷部へと向かうブレーキ方向にディテントレバーが制御部によって回転する際に、基準ストッパがディテントレバーと接触することで当接部位がレンジ谷部に当接しつつディテントレバーの基準となる回転角度が定まるように、ディテントレバーに対する基準ストッパの位置を定め、
ディテントレバーが制御部によってブレーキ方向に回転することで当接部位がブレーキ谷部に当接する際に、基準ストッパのディテントレバーとの接触が避けられるように、ディテントレバーに対する基準ストッパの位置を定める。
これによれば、ディテントレバー(62)の基準となる回転角度を、パーキングブレーキ(140)に対応付けられたブレーキ谷部(81)とは関係なく、自動変速機(130)のレンジに対応付けられたレンジ谷部(82〜85)に応じて定めることができる。またディテントレバー(62)の基準となる回転角度を決定する際に、パーキングブレーキ(140)が作動することが抑制される。以上により、パーキングブレーキ(140)の作動によってディテントレバー(62)の基準となる回転角度の検出精度が低下することが抑制される。この結果、自動変速機(130)のレンジの検出精度の低下が抑制される。
なお、特許請求の範囲に記載の請求項、および、課題を解決するための手段それぞれに記載の要素に括弧付きで符号をつけている。この括弧付きの符号は実施形態に記載の各構成要素との対応関係を簡易的に示すためのものであり、実施形態に記載の要素そのものを必ずしも示しているわけではない。括弧付きの符号の記載は、いたずらに特許請求の範囲を狭めるものではない。
第1実施形態に係るレンジ切り換え装置の概略構成を示すブロック図である。 レンジ切り換え機構の概略構成を示す斜視図である。 現在レンジがPBレンジの場合のディテントレバーの回転状態を示す模式図である。 現在レンジがPレンジの場合のディテントレバーの回転状態を示す模式図である。 現在レンジがRレンジの場合のディテントレバーの回転状態を示す模式図である。 現在レンジがNレンジの場合のディテントレバーの回転状態を示す模式図である。 現在レンジがDレンジの場合のディテントレバーの回転状態を示す模式図である。 レンジ切り換え装置の処理動作を説明するためのタイミングチャートである。 制御部の回転制御を示すフローチャートである。 基準角度検出処理を示すフローチャートである。 範囲角度検出処理を示すフローチャートである。 回転制御の変形例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1〜図11に基づいて本実施形態に係るレンジ切り換え装置を説明する。以下においては互いに直交の関係にある3方向を、x方向、y方向、z方向と示す。なお後述するようにP壁90はレンジ切り換え機構60に含まれる。しかしながらP壁90を強調するため、図1においては両者を分けて図示している。また図1ではレンジ切り換え装置100の他にシフトレバー110とイグニッションスイッチ120を図示している。そして図2ではレンジ切り換え機構60の他に自動変速機130とパーキングブレーキ140を図示している。
図1に示すようにレンジ切り換え装置100は、制御部10、モータ30、エンコーダ40、回転角センサ50、レンジ切り換え機構60、および、壁駆動部70を有する。エンコーダ40と回転角センサ50とは少なくとも一方が設けられていればよく、その少なくとも一方が特許請求の範囲に記載の回転角センサに相当する。
制御部10は、モータ30を回転駆動することでレンジ切り換え機構60を駆動する。レンジ切り換え機構60のディテントレバー62の回転によって、車両に設けられた自動変速機130のレンジの切り換え、パーキングギヤ61のロックとアンロック、および、パーキングブレーキ140の作動と解除それぞれが制御される。また制御部10は壁駆動部70を駆動し、それによってP壁90の位置を移動させる。このP壁90は上記のディテントレバー62の基準となる回転角度を規定するためのものである。
上記のレンジとしては、パーキングブレーキ140を作動させるパーキングブレーキ140レンジ(PBレンジ)と、車両の推進と制動にかかわる制御レンジと、がある。この制御レンジとしては、パーキングレンジ(Pレンジ)、リバースレンジ(Rレンジ)、ニュートラルレンジ(Nレンジ)、および、ドライブレンジ(Dレンジ)がある。PBレンジは車両のパーキングブレーキ140と連動している。Pレンジは車両のパーキングギヤ61と連動している。そしてPレンジ、Rレンジ、Nレンジ、および、Dレンジそれぞれが車両の自動変速機130と連動している。以下、レンジ切り換え装置100の構成要素について詳説する。
図1に示すように制御部10は、目標レンジ算出部11、現在レンジ算出部12、モータ制御部13、および、壁制御部14を有する。以下においてはこれら制御部10の構成要素を個別に説明する。
目標レンジ算出部11には、車両に搭乗したユーザによって操作されるシフトレバー110からシフトレバー信号が入力される。また目標レンジ算出部11には、イグニッションスイッチ120からイグニッションスイッチ信号が入力される。目標レンジ算出部11はシフトレバー信号とイグニッションスイッチ信号とに基づいて目標とするレンジ(以下、目標レンジと示す)を算出する。
目標レンジ算出部11は、シフトレバー信号がPレンジ、Rレンジ、Nレンジ、および、Dレンジのいずれを示すのかを判定する。また目標レンジ算出部11はイグニッションスイッチ信号がオンとオフのいずれを示すのかを判定する。目標レンジ算出部11はイグニッションスイッチ信号がオンである場合、シフトレバー信号の判定結果(Pレンジ、Rレンジ、Nレンジ、および、Dレンジのいずれか)に応じた目標レンジをモータ制御部13と壁制御部14に出力する。また目標レンジ算出部11はイグニッションスイッチ信号がオンからオフへと切り換わり、シフトレバー信号の判定結果がPレンジの場合、目標レンジとしてPBレンジをモータ制御部13と壁制御部14に出力する。
現在レンジ算出部12には、エンコーダ40と回転角センサ50からモータ30の回転状態を示すエンコーダ信号と回転角センサ信号が入力される。現在レンジ算出部12はこれらモータ30の回転状態を示す信号に基づいて現在のレンジ(以下、現在レンジと示す)を算出する。
現在レンジ算出部12はモータ30の出力軸31の回転角度θと、図2に示すディテントレバー62に対するディテントスプリング66の当接位置の関係を記憶している。ディテントレバー62にはモータ30の出力軸31が連結されている。そしてディテントレバー62に対してディテントスプリング66の位置は固定されている。したがってモータ30の回転に伴ってディテントレバー62が回転すると、ディテントレバー62に対するディテントスプリング66の当接位置が変化する。
ディテントレバー62の回転角度はモータ30の出力軸31の回転角度θと等しくなっている。例えば図3〜図7に示すように回転角度θがθPB、θP、θR、θN、θDの場合、現在レンジ算出部12はディテントスプリング66がディテントレバー62の第1谷部81〜第5谷部85と接触していると判定する。第1谷部81はPBレンジ、第2谷部82はPレンジ、第3谷部83はRレンジ、第4谷部84はNレンジ、そして第5谷部85はDレンジに対応している。現在レンジ算出部12は、回転角度がθPBの場合、現在レンジはPBレンジであると判定する。また現在レンジ算出部12は、回転角度がθP、θR、θN、若しくは、θDの場合、現在レンジはPレンジ、Rレンジ、Nレンジ、若しくは、Dレンジであると判定する。現在レンジ算出部12はその判定結果をモータ制御部13と壁制御部14に出力する。現在レンジ算出部12については、エンコーダ40の説明の後に再度説明する。
なお、第1谷部81〜第5谷部85が特許請求の範囲に記載のレンジ谷部に相当する。そして第1谷部81〜第5谷部85は、特許請求の範囲に記載のブレーキ谷部、パーキング谷部、リバース谷部、ニュートラル谷部、および、ドライブ谷部に相当する。
モータ制御部13は目標レンジ算出部11と現在レンジ算出部12それぞれの判定結果に基づいてモータ30を制御する。モータ制御部13は目標レンジと現在レンジとが相違する場合、モータ30を回転制御する。モータ制御部13とモータ30が特許請求の範囲に記載の制御部に相当する。
壁制御部14は、目標レンジがPBレンジから制御レンジに切り換る際、および、目標レンジが制御レンジからPBレンジに切り換る際に壁駆動部70へ駆動信号を出力し、それによってP壁90の位置を移動するものである。壁制御部14は、目標レンジがPBレンジから制御レンジに切り換る際、P壁90をディテントレバー62と当たる位置に移動させるべく、壁駆動部70へ出力する駆動信号の電圧レベルを変化させる。これとは異なり壁制御部14は、目標レンジが制御レンジからPBレンジに切り換る際、P壁90をディテントレバー62と当たらない位置に移動するべく、壁駆動部70へ出力する駆動信号の電圧レベルを変化させる。壁制御部14と壁駆動部70が特許請求の範囲に記載の位置決め部に相当する。
以下、モータ30、エンコーダ40、回転角センサ50、レンジ切り換え機構60、および、壁駆動部70を説明する。また、これらとかかわりの深い制御部10の構成要素も随時説明する。
モータ30は、スイッチトリラクタンスモータ(SRモータ)である。モータ30はステータとロータを有する。ステータはステータコアと3相ステータコイルを有する。ロータは減速機構を介して出力軸31と連結されている。ステータコアとロータそれぞれには突極が形成されている。ステータコアは円筒形状を成し、その内面の周方向に等間隔で12個の突極が形成されている。ロータは円盤形状を成し、その側面の周方向に等間隔で8個の突極が形成されている。12個の突極と8個の突極との間には微小な隙間が構成されている。したがってロータが回転すると、12個の突極と8個の突極とが順次対向する。12個の突極には、3相ステータコイルとしての、U相ステータコイル、V相ステータコイル、および、W相ステータコイルが順次巻き回されている。U相ステータコイル、V相ステータコイル、および、W相ステータコイルそれぞれは4つの突極に巻き回されている。なおもちろんではあるが、突極の数は上記例に限定されない。
モータ制御部13は、図示しないが、U相ステータコイル、V相ステータコイル、および、W相ステータコイルそれぞれに対応する3つのスイッチと、この3つのスイッチを制御するスイッチ制御部と、を有する。スイッチ制御部は、モータ30のロータが機械角で7.5°回転する毎に、3つのスイッチの内のオン状態にするスイッチを順次切り換える。これにより各ステータコイルを順次通電し、各ステータコイルから順次磁束を発生させる。これによってロータに回転トルクを発生させて、ロータを回転する。なおロータを逆回転させる場合、通電するステータコイルの順番を逆転させる。
エンコーダ40はロータの回転角度を検出するものである。図示しないがエンコーダ40は、円環状を成すロータリマグネットと、2つの磁電変換素子と、を有する。ロータリマグネットはロータに設けられ、ロータとともに回転する。ロータリマグネットはN極とS極とが交互に周方向に等間隔で着磁されており、そのN極とS極の着磁ピッチは機械角で7.5°に設定されている。このロータリマグネットの上面に微小な間隔を空けて上記した2つの磁電変換素子が配置される。したがってこれら2つの磁電変換素子を透過する磁束は、ロータが機械角で7.5°回転する毎に変化する。磁電変換素子はN極と対向した時にHiレベルの信号を出力し、S極と対向した時にLoレベルの信号を出力する。したがって回転角度が機械角で7.5°だけ進む毎に磁電変換素子から出力されるセンサ信号の電圧レベルがHiレベルからLoレベル、若しくは、LoレベルからHiレベルへと変化する。
上記した2つの磁電変換素子はロータリマグネット上において、αを0以上の自然数とすると、ロータの回転角度に換算して機械角で3.75°±7.5°×αだけ離れている。そのため一方の磁電変換素子から出力されるセンサ信号(以下、A信号と示す)と他方の磁電変換素子から出力されるセンサ信号(以下、B信号と示す)とは3.75°だけ位相がずれている。例えばロータが0°から3.75°進む間A信号の出力レベルがHiレベルの場合、B信号の出力レベルはロータが0°から7.5°進む間Hiレベルとなる。これにより、A信号およびB信号のHiレベルからLoレベルへの立ち下がりエッジと、LoレベルからHiレベルへの立ち上がりエッジとが、ロータが3.75°進む毎にあらわれる。エンコーダ40は、このA信号とB信号とをエンコーダ信号として現在レンジ算出部12に出力する。
現在レンジ算出部12はエンコーダ信号に含まれるA信号およびB信号それぞれの立ち上がりエッジと立ち下がりエッジの両方を検出し、1つのエッジをカウントする毎にカウント数を1だけ増減するカウンタを有する。現在レンジ算出部12はA信号とB信号の発生順序に基づいてロータの回転方向(時計回りか反時計回りか)を検出している。現在レンジ算出部12はロータが反時計回りに回転していると判定すると、エンコーダ信号に含まれるパルスをカウントする毎にカウント数を1だけ増大する。これとは反対に現在レンジ算出部12はロータが時計回りに回転していると判定すると、エンコーダ信号に含まれるパルスをカウントする毎にカウント数を1だけ減少する。時計回りがブレーキ方向に相当する。反時計回りがレンジ方向に相当する。
図3に示すようにディテントレバー62の回転角度がθPBの時にカウント数が下限値となる。カウント値は、ディテントレバー62が反時計回りに回転すると増大する。その反対にディテントレバー62が時計回りに回転すると、カウント値は減少する。このカウント値が現在レンジ算出部12からモータ制御部13に出力される。上記したようにモータ制御部13のスイッチ制御部はモータ30のロータが機械角で7.5°回転する毎に、3つのスイッチの内のオン状態にするスイッチを切り換える。したがってスイッチ制御部は、カウント値が2だけ増減する毎に3つのスイッチの内のオン状態にするスイッチを切り換える。
回転角センサ50は、モータ30の出力軸31の回転角度θを検出するものである。現在レンジ算出部12はこの回転角センサ50から出力される回転角センサ信号、および、上記した回転角度θとディテントレバー62に対するディテントスプリング66の当接位置の関係に基づいて、現在レンジを算出する。現在レンジ算出部12はこの算出した現在レンジをモータ制御部13と壁制御部14それぞれに出力する。
なお上記したようにモータ30のロータは減速機構を介して出力軸31と連結されている。現在レンジ算出部12はこの減速機構による減速率を保有している。したがって現在レンジ算出部12は上記の減速率とエンコーダ40によって検出されたロータの回転角度とに基づいて出力軸31の回転角度θを算出することができる。
図2に示すようにレンジ切り換え機構60は、ディテントレバー62、スプール弁63、パーキングロッド64、ロックレバー65、ディテントスプリング66、支持ベース67、パーキングブレーキワイヤ68、P壁90、D壁91、PB壁92を有する。
ディテントレバー62は扇形状を成す。このディテントレバー62の下端部にモータ30の出力軸31が連結され、その上部に自動変速機130と連結されたスプール弁63が連結されている。本実施形態の自動変速機130は油圧制御機構を有している。この油圧制御機構は、レンジに対応する油路を備えるバルブボディと、油路を切り換えるバルブスプールと、を有する。上記のスプール弁63はバルブスプールと連結されている。モータ30の回転にともなってディテントレバー62が回転すると、それに応じてスプール弁63が移動する。これによってバルブスプールの位置が変動し、バルブボディの油路が切り換えられる。この結果、自動変速機130のレンジが切り換えられる。ディテントレバー62が回転角度θPBから反時計回りに回転すると、Pレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジへとレンジが順次切り換わる。
ディテントレバー62の上部にはL字形状のパーキングロッド64が軸周りに回転可能に連結されている。パーキングロッド64におけるディテントレバー62との連結端とは反対側の端部64aは、ディテントレバー62に近づくにしたがって厚さが徐々に厚くなる円錐形状を成している。この円錐形状を成す端部64aの側面にロックレバー65が当接している。そしてロックレバー65の上方にパーキングギヤ61が位置している。
図2に破線矢印で示すようにモータ30の回転によってディテントレバー62が反時計周りに回転すると、それによってパーキングロッド64がy方向に沿ってロックレバー65から離れる方向に移動する。すると端部64aもy方向に沿ってロックレバー65から離れる方向に移動し、それによってロックレバー65が端部64aの側面を滑り、パーキングギヤ61から離れるようにz方向に変位する。この結果ロックレバー65とパーキングギヤ61との噛み合いが解消され、パーキングギヤ61がアンロック状態になる。
これとは反対に、図2に実線矢印で示すようにモータ30の回転によってディテントレバー62が時計周りに回転すると、それによってパーキングロッド64がy方向に沿ってロックレバー65へと近づく方向に移動する。すると端部64aもy方向に沿ってロックレバー65へと近づく方向に移動し、それによってロックレバー65が端部64aの側面を滑り、パーキングギヤ61へと近づくようにz方向に変位する。この結果ロックレバー65がパーキングギヤ61に噛み合い、パーキングギヤ61がロック状態になる。
ディテントレバー62にはパーキングブレーキワイヤ68が固定されている。ディテントレバー62が回転することで、パーキングブレーキワイヤ68の緊張状態(張り具合)が変化する。図3〜図7に示すように、ディテントレバー62が反時計回りに回転するほどにパーキングブレーキワイヤ68の張り具合はゆるくなる。これとは反対にディテントレバー62が時計回りに回るほどにパーキングブレーキワイヤ68の張り具合はきつくなる。
例えば図3に示すように、ディテントレバー62にはパーキングブレーキワイヤ68を巻き取るためのレール68aが設けられている。このレール68aは円弧形状を成している。レール68aの円弧の外周にパーキングブレーキワイヤ68の一端が固定されている。ディテントレバー62が反時計回りに回転すると、図4〜図7に示すように、パーキングブレーキワイヤ68とレール68aの外周との接触が弱まる。これとは反対にディテントレバー62が時計回りに回転すると、図3に示すように、パーキングブレーキワイヤ68とレール68aの外周との接触が強まり、パーキングブレーキワイヤ68がレール68aに巻き込まれる。
図4〜図7に示すようにディテントレバー62の回転角度がθP〜θDの場合、パーキングブレーキワイヤ68の張り具合に程度の差はあるが、その張り具合はディテントレバー62の回転負荷になる程度とはなっていない。しかしながら図4から図3へと示すようにディテントレバー62が時計回りに回転すると、パーキングブレーキワイヤ68がディテントレバー62の回転負荷となる。ディテントレバー62の回転によってパーキングブレーキワイヤ68が引き込まれると、それによって車両のパーキングブレーキ140が作動し、車両に制動力が発生する。これとは反対に図3から図4へと示すようにディテントレバー62が反時計回りに回転すると、それによってパーキングブレーキ140が解除され、制動力が無くなる。
図2〜図7に示すようにディテントレバー62の上端面62aは波形形状を成している。この波形形状の上端面62aにディテントスプリング66が当接される。ディテントスプリング66は支持ベース67に片持ち支持されたバネ性を有するものである。図2に実線矢印で示すようにディテントスプリング66は、z方向に沿う付勢力を上端面62aに常時印加している。上端面62aが当接面に相当する。
ディテントスプリング66における支持ベース67に支持された端部とは反対側の端部には空洞が形成され、その空洞を取り囲む枠形状を成している。この枠形状を成す部位における最も支持ベース67から離れた部位(以下、当接部位66aと示す)が上端面62aと接触する。モータ30の回転によってディテントレバー62が回転すると、当接部位66aはディテントレバー62に付勢力を印加しつつ、上端面62aを滑る。これにより当接部位66aと上端面62aとの当接位置が変化する。
図2〜図7に示すようにディテントレバー62の上端面62aはディテントレバー62の回転方向に沿って複数の山部と谷部とが交互に形成されて波打っている。本実施形態では左側面と右側面とから外形の形作られる5つの谷部81〜85が上端面62aに形成されている。上記したように第1谷部81〜第5谷部85は、PBレンジ〜Dレンジに対応している。当接部位66aが第1谷部81〜第5谷部85に位置する際のディテントレバー62の回転角度はθPB〜θDとなっている。
モータ30の回転によってその回転角度がθPになると、それに応じてスプール弁63の位置が変動し、自動変速機130のレンジがPレンジになる。この際にパーキングギヤ61がロック状態となる。このパーキングギヤ61のロック状態は、当接部位66aからディテントレバー62に印加される付勢力によって一定に保たれる。
モータ30の回転によってその回転角度がθR、θN、若しくは、θDになると、それに応じてスプール弁63の位置が変動し、自動変速機130のレンジがRレンジ、Nレンジ、若しくは、Dレンジになる。この際にパーキングギヤ61がアンロック状態となる。このパーキングギヤ61のアンロック状態は、当接部位66aからディテントレバー62に印加される付勢力によって一定に保たれる。
またモータ30の回転によってその回転角度がθPBになると、それに応じてパーキングブレーキワイヤ68が引き込まれ、パーキングブレーキ140が作動する。この際にスプール弁63の位置は変動するが、自動変速機130のレンジはPレンジのままとなる。そしてパーキングギヤ61もロック状態のままとなる。このパーキングブレーキワイヤ68の作動とパーキングギヤ61のロック状態は、当接部位66aからディテントレバー62に印加される付勢力と、車両に設けられたラチェット機構とによって一定に保たれる。ラチェット機構はパーキングブレーキワイヤ68の緊張状態を保持する機能を果たす。しかしながら目標レンジがPBレンジから制御レンジに代わると、ラチェット機構によるパーキングブレーキワイヤ68の緊張状態の保持は解除される。なおこのラチェット機構は無くともよい。
図2および図3に示すように、時計回りの方向において、D壁91、ディテントレバー62、P壁90、および、PB壁92が順に並んでいる。
P壁90はディテントレバー62の基準となる回転角度(以下、基準角度と示す)を規定するためのものである。D壁91は自動変速機130のレンジを切り換える際のディテントレバー62の回転範囲を定めるためのものである。そしてPB壁92はパーキングブレーキ140の作動時におけるディテントレバー62の回転を規制するためのものである。これらP壁90、D壁91、PB壁92それぞれは、図2に示すようにx方向に延びた棒状を成している。P壁90、D壁91、および、PB壁92が特許請求の範囲に記載の基準ストッパ、範囲ストッパ、および、制動ストッパに相当する。
ディテントレバー62の基準角度は、図4に示すようにディテントレバー62の右側面がP壁90に当たり、当接部位66aが第2谷部82の左側面のみと接触する際の回転角度である。このディテントレバー62がP壁90に当たった際のエンコーダ40および回転角センサ50にて検出される値によって、基準角度を求めることができる。モータ制御部13は車両の始動時においてディテントレバー62を回転させてその右側面をP壁90に当てることにより、ディテントレバー62の基準角度を検出する。なおこの基準角度に対応する現在レンジ算出部12のカウンタのカウント値はゼロではない。そのカウント値は有限の正の値である。
モータ制御部13はイグニッションスイッチ120の切り換わり回数が所定回数を超えると、ディテントレバー62を回転させてその左側面をD壁91に当てる。モータ制御部13は、このディテントレバー62がD壁91に当たり、当接部位66aが第5谷部85の右側面のみと接触する際のエンコーダ40および回転角センサ50にて検出される回転角度(以下、範囲角度と示す)を記憶する。そしてモータ制御部13は範囲角度と基準角度とに基づいて、制御レンジに対応するディテントレバー62の回転範囲φを算出する。すなわちモータ制御部13は範囲角度と基準角度とに基づいて、自動変速機130のレンジを切り換える際のディテントレバー62の回転範囲φを算出する。
回転範囲φは範囲角度から基準角度を減算することで求めることができる。上記した第2谷部82〜第5谷部85それぞれの形状が全く同一の場合、回転範囲φを4等分した際の回転角度範囲が、各レンジの回転範囲に相当することとなる。例えば回転範囲φが60°の場合、基準角度からの反時計回りの回転角度が0°以上15°未満の時に現在レンジはPレンジであると判定することができる。同様にして基準角度からの反時計回りの回転角度が15°以上30°未満、30°以上45°未満、若しくは、45°以上〜60°未満の時の現在レンジはRレンジ、Nレンジ、若しくは、Dレンジであると判定することができる。このようにPレンジ〜Dレンジを判別するための回転角度(以下、判別角度と示す)は同一となる。
上記したようにロータが3.75°だけ回転する毎にカウント値は1ずつ増減する。したがってモータ30のロータに設けられた減速機構の減速率が1で、ロータと出力軸31の回転角度が等しいとすると、上記例で示したように回転範囲φが60°の場合、それはカウント値に換算すると16になる。θPにおけるカウント値をNPとすると、NP〜NP+3の時に現在レンジはPレンジであると判定することができる。同様にして回転角度がNP+4〜NP+7、NP+8〜NP+11、若しくは、NP+12〜NP+16の時に現在レンジはRレンジ、Nレンジ、若しくは、Dレンジであると判定することができる。このように自動変速機130のレンジの検出は、回転角センサ50によって検出される回転角度θだけではなく、エンコーダ40によって検出されるカウント値に基づいても検出することができる。
以上に示したように自動変速機130のレンジを検出するには、ディテントレバー62の回転角度を検出しなくてはならない。しかしながらパーキングブレーキ140の作動の検出は、さほど精密でなくともよい。パーキングブレーキ140の作動は、単にディテントレバー62を回転角度θPよりも時計回りに回転することで成されるからである。特に本実施形態では、図3〜図7に示すように、PBレンジに対応する第1谷部81の回転方向における長さは、パーキングブレーキワイヤ68を引き込む量を確保するべく、他の制御レンジに対応する第2谷部82〜第5谷部85よりも長くなっている。そのためにパーキングブレーキ140の作動(PBレンジ)を判別するための判別角度は、他のPレンジ〜Dレンジそれぞれの判別角度と比べて大きくなっている。したがってPBレンジの検出精度はさほど高くなくとも問題とはなりがたい。なおディテントレバー62の右側面がPB壁92に当たる際、当接部位66aは図3に示すように第1谷部81の左側面のみと接触する。
上記したように回転角度がθPにおけるカウント値をNPとすると、θPBにおけるカウント値はNPよりも低い値となる。例えば第1谷部81が第2谷部82〜第5谷部85それぞれよりも回転方向において2倍の長さを有し、上記したように回転範囲φが60°の場合、θPからの反時計回りの回転角度がNP−8〜NP−1の時に現在レンジはPBレンジであると判定することができる。
なお、上記したようにディテントレバー62の回転角度がθPの場合、パーキングブレーキワイヤ68の張り具合は、ディテントレバー62の回転負荷になる程度には緊張していない。しかしながらディテントレバー62が回転角度θPから時計回りに回転し始めるとパーキングブレーキワイヤ68がディテントレバー62の回転負荷となり始める。そしてそこからさらにディテントレバー62が時計回りに回転することでパーキングブレーキワイヤ68が引き込まれる。この結果、パーキングブレーキ140が作動する。以上に示したようにディテントレバー62が回転角度θPから時計回りにある程度回転しないとパーキングブレーキ140は作動しない。したがって、上記例で示したようにθPからの反時計回りの回転角度がNP−8〜NP−1の時に現在レンジはPBレンジであると判定するのではなく、例えばNP−8〜NP−3の時に現在レンジはPBレンジであると判定するようにしてもよい。この場合、回転角度がNP−2〜NP+3の時に現在レンジはPレンジであると判定することができる。
壁駆動部70はP壁90の位置を移動させるものである。図4から図3へと示すように、PレンジからPBレンジへと変化させるべく、ディテントレバー62を時計回りに回転する場合、P壁90があると、その回転がP壁90によって妨げられる。そこで壁駆動部70はパーキングブレーキ140を作動させる場合、P壁90の位置を、ディテントレバー62の回転を妨げないように移動する。また壁駆動部70は、P壁90にディテントレバー62を当てることで基準角度を検出する場合、P壁90の位置を、ディテントレバー62と接触するように移動する。
壁駆動部70はソレノイドであり、この壁駆動部70に壁制御部14から駆動信号が入力される。駆動信号の入力によって壁駆動部70に電流が流れ、それによって壁駆動部70から磁界が発生する。P壁90は金属材料から成る。したがって壁駆動部70から発せられる磁界によってP壁90に電磁力が作用し、それによってP壁90が移動する。また図示しないがP壁90にはバネが取りつけられ、そのばねの付勢力がP壁90に印加されている。上記したようにP壁90はx方向に延びた棒状を成す。そして上記した電磁力と付勢力の印加方向はx方向である。したがってP壁90は図2に両端矢印で示すように、電磁力と付勢力とによってx方向に移動する。
目標レンジがPBレンジから制御レンジに切り換ると、壁制御部14は駆動信号の電圧レベルを高め、壁駆動部70に電流を流す。壁駆動部70に電流が流れると、壁駆動部70から磁界が発生し、電磁力がP壁90に作用する。P壁90はバネの付勢力に抗しながら電磁力によってディテントレバー62に近づくようにx方向に移動する。これによってP壁90はディテントレバー62と当たる位置に移動する。しかしながら目標レンジが制御レンジからPBレンジに切り換ると、壁制御部14は駆動信号の電圧レベルを低め、壁駆動部70の電流の流動を止める。これによりP壁90に電磁力が作用しなくなり、P壁90はバネの付勢力によってディテントレバー62から離れるようにx方向に移動する。これによってP壁90はディテントレバー62と当たらない位置に移動する。
次に、図8に基づいてレンジ切り換え装置100の処理動作を説明する。時間t1よりも前において、イグニッションスイッチ120とフットブレーキはともにオフになっている。そしてシフトレバー信号はPレンジになっている。したがってこの場合の目標レンジはPBレンジとなっている。また現在レンジはPBレンジとなっている。P壁90はディテントレバー62と当たらない位置にあり、P壁90によるディテントレバー62の回転の規定が無効となっている。現在レンジ算出部12のカウント値は下限値となっている。したがってディテントレバー62の回転角度はθPBとなっている。
時間t1においてイグニッションスイッチ120とフットブレーキとが共にオンになる。この際のシフトレバー信号はPレンジのままである。したがってこの場合に目標レンジ算出部11は目標レンジとしてPレンジをモータ制御部13と壁制御部14に出力する。これによりモータ制御部13はモータ30を反時計回りに回転し始める。これによってディテントレバー62も反時計回りに回転し始める。この結果、カウント値が増大し始める。
時間t2に至ると、ディテントレバー62の回転角度がθPになる。したがって現在レンジ算出部12は現在レンジとしてPレンジを出力する。これに連動して壁制御部14は、P壁90によってディテントレバー62の回転を規定するべく、壁駆動部70に出力する駆動信号の電圧レベルを上げる。
時間t3に至ると壁制御部14と壁駆動部70とによりP壁90の移動が完了する。これによりP壁90によるディテントレバー62の回転の規定が無効から有効へと変化する。この後にモータ制御部13は、ディテントレバー62の基準角度を検出するべく、モータ30を時計回りに回転する。これによってディテントレバー62を時計回りに回転させてディテントレバー62をP壁90に接触させる。
時間t4に至るとディテントレバー62がP壁90に接触するとともに、当接部位66aは第2谷部82の左側面と接触する。モータ制御部13はこの時の回転角度を基準角度として記憶する。この後にモータ制御部13はモータ30へのモータ駆動信号の出力を停止する。すなわちモータ制御部13は3相ステータコイルへの通電を停止する。これによってロータに発生していた回転トルクが消える。するとディテントスプリング66の付勢力によってディテントレバー62が逆方向(反時計回り)に回転し、当接部位66aが第2谷部82の底部に落ち着く。なお基準角度の検出は、イグニッションスイッチ120がオフからオンに切り換る度に行われる。ただし基準角度の検出は、フットブレーキがオンの時に実行される。
この後の時間t5において、ユーザによるシフトレバー110の操作によってシフトレバー信号がPレンジからDレンジに切り換わる。すると目標レンジ算出部11は、目標レンジとしてDレンジをモータ制御部13と壁制御部14に出力する。これに応じてモータ制御部13はモータ30を反時計回りに回転し始める。これによりディテントレバー62の回転角度が順次増大する。
時間t6に至るとディテントレバー62の回転角度がθDになる。したがって現在レンジ算出部12は現在レンジとしてDレンジを出力する。これにより目標レンジと現在レンジとが一致する。したがってモータ制御部13はモータ30の制御を停止する。
なお回転範囲φを検出する場合、モータ制御部13はモータ30を反時計回りに回転し、それによってディテントレバー62をD壁91に接触させるとともに、当接部位66aを第5谷部85の右側面と接触させる。図8に示すように時間t7に至るとディテントレバー62がD壁91に接触する。モータ制御部13はこの時の回転角度を範囲角度として記憶する。この範囲角度の検出は、イグニッションスイッチ120のオフからオンへの切り換わりが所定回数行われる度に実行される。この所定回数とは、例えば数百とか数千のオーダを採用することができる。範囲角度を検出した後にモータ制御部13はモータ30の回転を停止する。これによりディテントスプリング66の付勢力によってディテントレバー62が逆方向(時計回り)に回転し、当接部位66aが第5谷部85の底部に落ち着く。
この後の時間t8において、ユーザによるシフトレバー110の操作によってシフトレバー信号がDレンジからPレンジに切り換わる。すると目標レンジ算出部11は目標レンジとしてPレンジをモータ制御部13と壁制御部14に出力する。これに応じてモータ制御部13はモータ30を時計回りに回転し始める。これによりディテントレバー62の回転角度が順次減少する。
時間t9に至るとディテントレバー62の回転角度がθPになる。したがって現在レンジ算出部12は現在レンジとしてPレンジを出力する。これにより目標レンジと現在レンジとが一致する。したがってモータ制御部13はモータ30の制御を停止する。
そしてこの後の時間t10においてイグニッションスイッチ120がオンからオフに切り換わる。すると目標レンジ算出部11は目標レンジとしてPBレンジをモータ制御部13と壁制御部14に出力する。これに連動して壁制御部14は、P壁90によるディテントレバー62の回転の規定を無効化するべく、駆動信号の電圧レベルを下げる。これによりP壁90がバネの付勢力によって移動し始める。
時間t11に至るとP壁90の移動が完了し、P壁90によるディテントレバー62の回転の規定が有効から無効へと変化する。この後にモータ制御部13は、パーキングブレーキ140を作動するべく、モータ30を時計回りに回転する。これによってパーキングブレーキワイヤ68を引き込み、パーキングブレーキ140を作動させる。
時間t12に至ると回転角度がθPBとなり、パーキングブレーキワイヤ68の引き込みとパーキングブレーキ140の作動とが完了する。
次に、図9に基づいて制御部10によるディテントレバー62の回転制御を説明する。制御部10は、シフトレバー信号の変化やイグニッションスイッチ信号の変化時にイベント処理としてこの回転制御を実施する。すなわち制御部10は、目的レンジの変化時に回転制御を実施する。なお回転制御には、ディテントレバー62をP壁90に壁当てすることによる基準角度の検出処理は含まれていない。この処理については後で図10に基づいて詳説する。
先ずステップS10において制御部10は、現在レンジがPBレンジか否かを判定する。現在レンジがPBレンジである場合、制御部10はステップS20へと進む。これとは反対に現在レンジがPBレンジではなく、制御レンジの場合、制御部10はステップS30へと進む。
現在レンジがPBレンジである場合、これはパーキングブレーキ140の作動が解除されたことを示している。したがってこれは、図8で言えば、時間t2での制御部10の処理に対応する。また現在レンジが制御レンジである場合、これはユーザがシフトレバー110を操作した結果、目的レンジが変化したことを示している。若しくは、イグニッションスイッチ信号がオンからオフへと変化したことを示している。したがってこれは、図8で言えば、時間t5,t8、若しくは、時間t10での制御部10の処理に対応する。
ステップS20へ進むと制御部10は、現在レンジを目的レンジに一致させるべく、モータ30の3相ステータコイルへの通電を開始する。そして制御部10はステップS40へと進む。
ステップS40へ進むと制御部10は、モータ30への通電によってディテントレバー62が回転し、それによって現在レンジがPBレンジではなくなったか否かを判定する。換言すれば、ディテントレバー62の回転角度がθPBではなく、制御レンジの回転角度θP〜θDになったか否かを判定する。現在レンジが制御レンジとなった場合、制御部10はステップS50へと進む。これとは反対に現在レンジが未だPBレンジの場合、制御部10はステップS40を繰り返す。
ステップS50へ進むと制御部10は、P壁90を有効化する。そして制御部10はステップS60へと進む。
ステップS60へ進むと制御部10は、現在レンジが目的レンジになったか否かを判定する。現在レンジが目的レンジとなった場合、制御部10はステップS70へと進む。これとは反対に現在レンジが未だ目的レンジに至らない場合、制御部10はステップS60を繰り返す。
ステップS70へ進むと制御部10は、3相ステータコイルへの通電を終了する。これによりディテントレバー62の回転を停止し、回転制御を終了する。
フローを遡り、ステップS10において現在レンジは制御レンジであると判定してステップS30へ進むと制御部10は、目的レンジが制御レンジであるか否かを判定する。換言すれば、目的レンジが制御レンジであるのか、それともPBレンジであるのかを制御部10は判定する。目的レンジが制御レンジの場合、制御部10はステップS80へと進む。これとは反対に目的レンジがPBレンジの場合、制御部10はステップS90へと進む。
目的レンジが制御レンジである場合、これはユーザがシフトレバー110を操作した結果、目的レンジが変化したことを示している。したがってこれは、図8で言えば、時間t5,t8での制御部10の処理に対応する。また目的レンジがPBレンジである場合、これはイグニッションスイッチ信号がオンからオフへと変化したことを示している。したがってこれは、図8で言えば、時間t10での制御部10の処理に対応する。
ステップS80へ進むと制御部10は、現在レンジを目的レンジに一致させるべく、モータ30の3相ステータコイルへの通電を開始する。そして制御部10はステップS60、S70へと進む。制御部10は現在レンジが目的レンジになるとモータ30への通電を終了し、回転制御を終了する。
ステップS90へ進むと制御部10は、一時的に目的レンジをPレンジに設定する。これはP壁90を無効化する前に、ディテントレバー62がP壁90に接触することを避けるためである。この後に制御部10はステップS100へと進む。
ステップS100へ進むと制御部10は、現在レンジを目的レンジであるPレンジに一致させるべく、モータ30の3相ステータコイルへの通電を開始する。そして制御部10はステップS110へと進む。
ステップS110へ進むと制御部10は、P壁90を無効化する。そして制御部10はステップS120へと進む。
ステップS120へ進むと制御部10は、P壁90が無効化されたか否かを判定する。P壁90が無効化された場合、制御部10はステップS130へと進む。これとは反対にP壁90が未だ無効化されていない場合、制御部10はステップS120を繰り返す。
ステップS130へ進むと制御部10は、P壁90が無効化されたので、目的レンジをPレンジからPBレンジに設定し直す。そして制御部10はステップS60、S70へと進む。制御部10は現在レンジが目的レンジであるPBレンジになるとモータ30への通電を終了し、回転制御を終了する。
次に、図10に基づいてディテントレバー62をP壁90に当てることで基準角度を検出する制御部10の基準角度検出処理を説明する。この基準角度検出処理を制御部10は、フットブレーキがオンの状態でイグニッションスイッチ120がオフからオンへと切り換わると実行する。
先ずステップS210において制御部10は、目的レンジをPレンジに設定する。この後に制御部10はステップS220へと進む。
ステップS220へ進むと制御部10は、現在レンジをPレンジにするべく、モータ30の3相ステータコイルへの通電を開始する。そして制御部10はステップS230へと進む。
ステップS230へ進むと制御部10は、モータ30への通電によってディテントレバー62が回転し、それによって現在レンジがPBレンジではなくなったか否かを判定する。換言すれば、ディテントレバー62の回転角度がθPBではなく、Pレンジの回転角度θPになったか否かを判定する。現在レンジがPレンジとなった場合、制御部10はステップS240へと進む。これとは反対に現在レンジが未だPBレンジの場合、制御部10はステップS230を繰り返す。
ステップS240へ進むと制御部10は、P壁90を有効化する。そして制御部10はステップS250へと進む。
ステップS250へ進むと制御部10は、P壁90が有効化されたか否かを判定する。P壁90が有効化された場合、制御部10はステップS260へと進む。これとは反対にP壁90が未だ有効化されていない場合、制御部10はステップS250を繰り返す。
ステップS260へ進むと制御部10は、モータ30への通電によってディテントレバー62を時計回りに回転する。それによって制御部10はディテントレバー62の右側面をP壁90に当てる。そして制御部10はこのディテントレバー62がP壁90に当たった際の回転角度を基準角度として記憶する。この後に制御部10は基準角度検出処理を終了する。
次に、図11に基づいてディテントレバー62をD壁91に当てることで範囲角度を検出する制御部10の範囲角度検出処理を説明する。この範囲角度検出処理を制御部10は、イグニッションスイッチ120のオフからオンへの変化が所定回数を超えた場合に実施する。
先ずステップS310において制御部10は、目的レンジをDレンジに設定する。この後に制御部10はステップS320へと進む。
ステップS320へ進むと制御部10は、現在レンジをDレンジにするべく、モータ30の3相ステータコイルへの通電を開始する。そして制御部10はステップS330へと進む。
ステップS330へ進むと制御部10は、モータ30への通電によってディテントレバー62が回転し、それによって現在レンジがDレンジになったか否かを判定する。換言すれば、ディテントレバー62の回転角度がθDになったか否かを判定する。現在レンジがDレンジとなった場合、制御部10はステップS340へと進む。これとは反対に現在レンジが未だDレンジではない場合、制御部10はステップS330を繰り返す。
ステップS340へ進むと制御部10は、モータ30への通電によってディテントレバー62をさらに反時計回りに回転する。それによって制御部10はディテントレバー62の左側面をD壁91に当てる。そして制御部10はこのディテントレバー62がD壁91に当たった際の回転角度を範囲角度として記憶する。この後に制御部10は範囲角度検出処理を終了する。
次に、本実施形態に係るレンジ切り換え装置100の作用効果を説明する。上記したように、基準角度を検出する際にP壁90が有効化される。そしてパーキングブレーキ140を作動する際にP壁90が無効化される。これによれば、パーキングブレーキ140に対応付けられた第1谷部81とは関係なく、制御レンジに対応付けられた谷部82〜85に応じて、基準角度を定めることができる。また基準角度を決定する際にパーキングブレーキ140が作動することが抑制される。以上により、パーキングブレーキ140の作動によって基準角度の検出精度が低下することが抑制される。この結果、自動変速機130のレンジの検出精度の低下が抑制される。
より詳しく言えば、例えば本構成とは異なり、時計回りにディテントレバー62を回転させてディテントレバー62をPB壁92と接触させることで基準角度を検出する構成の場合、下記に示す不具合の生じることがある。PB壁92に接触させようとディテントレバー62を回転させると、その回転によってパーキングブレーキワイヤ68は緊張状態となり、ディテントレバーの回転負荷になる。この際、例えば引っ掛かりのためにパーキングブレーキワイヤ68の緊張状態がきつくなると、ディテントレバー62がPB壁92に接触しない虞がある。この結果、基準角度の検出精度が低下する虞がある。
しかしながら本構成では基準角度を検出する際、P壁90によって当接部位66aが第1谷部81に当接することが抑制される。そのため基準角度を検出する際、パーキングブレーキワイヤ68がディテントレバー62の回転負荷となることが抑制される。またパーキングブレーキワイヤ68の引き込みによってパーキングブレーキ140が作動することが抑制される。以上により、パーキングブレーキワイヤ68の引き込みによってディテントレバー62の回転角度が不安定となることが抑制される。そのため基準角度の検出精度が低下することが抑制される。この結果、自動変速機130のレンジの検出精度の低下が抑制される。
PB壁92を有する。これによればパーキングブレーキ140を作動させる際のパーキングブレーキワイヤ68の引き込み量を規定することができる。
制御部10は、現在レンジが制御レンジであり、目的レンジがPBレンジの場合、図9に示すように、一時的に目的レンジをPレンジに設定し、P壁90を無効化する。そしてP壁90が無効化されると制御部10は目的レンジをPBレンジに設定し直す。これによれば、P壁90が無効化される前にディテントレバー62がP壁90に接触することが抑制される。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
(第1の変形例)
本実施形態ではディテントレバー62が時計回りの回転によって当接部位66aが第1谷部81と当接した際の回転角度について特に言及していなかった。しかしながら例えば下記に示すように、当接部位66aが第1谷部81と当接した際のディテントレバー62の回転角度を記憶し、それによってパーキングブレーキワイヤ68の異常を判定してもよい。
この変形例の場合に制御部10は、ディテントレバー62を時計回りに回転させて第1谷部81に当接部位66aを当接させる度に、エンコーダ40や回転角センサ50にて検出された回転角度を取得し、それを記憶する。これにより制御部10はパーキングブレーキワイヤ68を引き込んだ際の回転角度の履歴を記憶する。制御部10は履歴として記憶している回転角度の現在値と過去値との差分をとる。そして制御部10はその差分によって得られた差分値の絶対値と、記憶している閾値とを比較する。制御部10は差分値の絶対値が閾値よりも低い場合、パーキングブレーキワイヤ68は正常であると判定する。これとは反対に制御部10は、差分値の絶対値が閾値以上の場合にパーキングブレーキワイヤ68は異常であると判定する。
上記したように基準角度は第1谷部81とは関係なく決定される。そして当接部位66aの第1谷部81に当接する際の回転角度はパーキングブレーキワイヤ68の緊張状態に依存する。当接部位66aが第1谷部81に当接するようにディテントレバー62を回転させた際のパーキングブレーキワイヤ68の緊張状態が、例えば引っ掛かりのためにきつい場合、ディテントレバー62の回転角度は基準角度から変化しがたくなる。これとは反対にパーキングブレーキワイヤ68の緊張状態が、例えば自身の伸びのために緩い場合、ディテントレバー62の回転角度は基準角度から変化しやすくなる。以上に示したように、パーキングブレーキワイヤ68が異常状態になると、基準角度に対して変化しがたくなったり、変化しやすくなったりする。したがって上記したように、パーキングブレーキワイヤ68を引き込んだ際の回転角度の現在値と過去値との差である差分値の絶対値と閾値との大小関係に基づくことで、パーキングブレーキワイヤ68の正常と異常の判定を行うことができる。
なお、記憶した回転角度を新しい順に番数で表現すると上記の差分値は、制御部10が最も新しく記憶した第1回転角度からその前に記憶した第2回転角度を減算することで得られる。第1回転角度が現在値に相当し、第2回転角度が履歴に含まれる最新の過去値に相当する。ただしこれとは異なり、履歴に含まれる複数の過去値に基づいて過去値の平均値を算出し、現在値から過去値の平均値を減算することで差分値を算出してもよい。
(第2の変形例)
壁制御部14は、P壁90だけではなく、D壁91のディテントレバー62に対する位置を定める。この場合、壁駆動部70はP壁90だけではなく、D壁91に対するソレノイドを有する。またD壁91には、P壁90と同様のバネが設けられる。これによれば、ディテントレバー62の上端面62aに第1谷部81〜第5谷部85とは別の谷部を、第5谷部85と隣接するように設けたとしても、この谷部に当接部位66aを当接させることができる。したがって新たな自動変速機130のレンジに対応する谷部をディテントレバー62に設けることができる。この新たな自動変速機130のレンジとしては、例えば、SレンジやLレンジがある。Sレンジはセカンドレンジ、Lレンジはローレンジである。これらはPレンジ、Rレンジ、Nレンジ、および、Dレンジそれぞれよりも使用頻度の低いレンジである。
(第3の変形例)
本実施形態では図9に示すように現在レンジが制御レンジであり、目的レンジがPBレンジの場合、制御部10はステップS90〜ステップS130を実施する例を示した。しかしながらこれとは異なり、図12に示すように現在レンジが制御レンジであり、目的レンジがPBレンジの場合、制御部10はステップS140〜ステップS160を実施してもよい。すなわち制御部10はステップS30の後にステップS140へと進み、ステップS140において、P壁90を無効化する。そして制御部10はステップS150へと進む。
ステップS150へ進むと制御部10は、P壁90が無効化されたか否かを判定する。P壁90が無効化された場合、制御部10はステップS160へと進む。これとは反対にP壁90が未だ無効化されていない場合、制御部10はステップS150を繰り返す。
ステップS160へ進むと制御部10は、現在レンジを目的レンジであるPBレンジに一致させるべく、モータ30の3相ステータコイルへの通電を開始する。そして制御部10はステップS60、S70へと進む。制御部10は現在レンジがPBレンジになるとモータ30への通電を終了し、回転制御を終了する。
(第4の変形例)
本実施形態では、レンジ切り換え機構60がD壁91とPB壁92を有する例を示した。しかしながらレンジ切り換え機構60はD壁91とPB壁92それぞれを有さなくともよい。この場合、第5谷部85の右側面がD壁91としての役割を果たし、第1谷部81の左側面がPB壁92としての役割を果たす。範囲角度を検出する場合、図7に示すように当接部位66aが第5谷部85の底部ではなく、その右側面に当たるようにディテントレバー62を回転させる。またディテントレバー62の時計回りの回転は、図3に示すように第1谷部81の左側面によって規定する。このような変形例の場合、当接部位66aが第5谷部85の右側面を乗り越えることを避けるため、第5谷部85の右側面はその左側面よりも高くするとよい。同様にして当接部位66aが第1谷部81の左側面を乗り越えることを避けるため、第1谷部81の左側面はその右側面よりも高くするとよい。
(その他の変形例)
本実施形態では、第3谷部83、第4谷部84、および、第5谷部85が、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジに対応する例を示した。しかしながら谷部とレンジとの対応関係は上記例に限定されない。例えば第3谷部83がNレンジ、第4谷部84がRレンジ、第5谷部85がDレンジに対応してもよい。
10…制御部、11…目標レンジ算出部、12…現在レンジ算出部、13…モータ制御部、14…壁制御部、30…モータ、40…エンコーダ、50…回転角センサ、62…ディテントレバー、62a…上端面、66…ディテントスプリング、66a…当接部位、70…壁駆動部、81〜85…第1谷部〜第5谷部、90…P壁、100…レンジ切り換え装置、130…自動変速機、140…パーキングブレーキ

Claims (10)

  1. ディテントレバー(62)と、
    前記ディテントレバーの回転を制御する制御部(13,30)と、
    前記ディテントレバーの回転角度を検出する回転角センサ(40,50)と、
    前記ディテントレバーに付勢力を印加することで前記ディテントレバーの回転角度を定めるディテントスプリング(66)と、
    前記ディテントレバーと接触することで前記ディテントレバーの回転を規制する基準ストッパ(90)と、
    前記基準ストッパを移動させることで前記基準ストッパの前記ディテントレバーに対する位置を定める位置決め部(14,70)と、を有し、
    前記ディテントレバーにおける前記ディテントスプリングとの当接面(62a)は、複数の谷部(81〜85)が前記ディテントレバーの回転方向に並んでなる波形形状を成し、
    前記ディテントレバーが前記制御部によって回転すると、前記ディテントスプリングにおける前記当接面との当接部位(66a)が前記当接面を滑り、前記ディテントレバーの前記制御部による回転が止まると、前記付勢力の前記当接面への印加によって前記ディテントレバーに対する前記ディテントスプリングの位置が固定されており、
    複数の前記谷部としては、車両の自動変速機(130)のレンジに対応付けられたレンジ谷部(82〜85)と、前記車両のパーキングブレーキ(140)に対応付けられたブレーキ谷部(81)と、を有し、前記ブレーキ谷部と前記レンジ谷部とが前記ディテントレバーの回転方向に並んでおり、
    前記制御部は前記回転角センサによって検出された前記ディテントレバーの回転角度に応じて前記当接部位の前記ブレーキ谷部および前記レンジ谷部それぞれに対する位置を検出しており、
    前記位置決め部は、
    前記ブレーキ谷部から前記レンジ谷部へと向かうブレーキ方向に前記ディテントレバーが前記制御部によって回転する際に、前記基準ストッパが前記ディテントレバーと接触することで前記当接部位が前記レンジ谷部に当接しつつ前記ディテントレバーの基準となる回転角度が定まるように、前記ディテントレバーに対する前記基準ストッパの位置を定め、
    前記ディテントレバーが前記制御部によって前記ブレーキ方向に回転することで前記当接部位が前記ブレーキ谷部に当接する際に、前記基準ストッパの前記ディテントレバーとの接触が避けられるように、前記ディテントレバーに対する前記基準ストッパの位置を定めるレンジ切り換え装置。
  2. 前記ディテントレバーには、前記パーキングブレーキを作動させるためのパーキングブレーキワイヤ(68)が連結されており、前記ディテントレバーが前記制御部によって前記ブレーキ方向に回転することで前記当接部位が前記ブレーキ谷部に当接すると、前記パーキングブレーキワイヤが前記ディテントレバーによって引き込まれて前記パーキングブレーキが作動し、前記車両に制動力が発生する請求項1に記載のレンジ切り換え装置。
  3. 前記制御部は、前記ディテントレバーを前記ブレーキ方向に回転させることで前記当接部位が前記ブレーキ谷部に当接する度に、前記回転角センサにて検出された前記回転角度を取得して記憶し、最も新しく記憶した前記回転角度と過去に記憶した前記回転角度との差分値の絶対値が記憶している閾値よりも低い場合に前記パーキングブレーキワイヤは正常であると判定し、前記閾値以上の場合に前記パーキングブレーキワイヤは異常であると判定する請求項2に記載のレンジ切り換え装置。
  4. 前記レンジ谷部から前記ブレーキ谷部へと向かうレンジ方向に前記ディテントレバーが前記制御部によって回転する際に、前記ディテントレバーと接触することで前記当接部位を前記レンジ谷部に当接させつつ前記ディテントレバーの回転を規制する範囲ストッパ(91)を有する請求項1〜3いずれか1項に記載のレンジ切り換え装置。
  5. 前記制御部は、前記ディテントレバーが前記基準ストッパと接触した際に前記回転角センサによって検出された基準となる前記回転角度と、前記ディテントレバーが前記範囲ストッパと接触した際に前記回転角センサによって検出された前記回転角度とに基づいて、前記当接部位が前記レンジ谷部と接触する際の前記ディテントレバーの回転範囲を算出する請求項4に記載のレンジ切り換え装置。
  6. 前記位置決め部は、前記基準ストッパだけではなく、前記範囲ストッパを移動させることで前記範囲ストッパの前記ディテントレバーに対する位置を定める請求項4または請求項5に記載のレンジ切り換え装置。
  7. 前記ブレーキ方向に前記ディテントレバーが前記制御部によって回転する際に、前記ディテントレバーと接触することで前記当接部位を前記ブレーキ谷部に当接させつつ前記ディテントレバーの回転を規制する制動ストッパ(92)を有する請求項1〜6いずれか1項に記載のレンジ切り換え装置。
  8. 前記レンジ谷部は、パーキングレンジに対応付けられたパーキング谷部(82)、リバースレンジに対応付けられたリバース谷部(83)、ニュートラルレンジに対応付けられたニュートラル谷部(84)、および、ドライブレンジに対応付けられたドライブ谷部(85)を有する請求項1〜7いずれか1項に記載のレンジ切り換え装置。
  9. 前記ブレーキ方向に、前記ブレーキ谷部、前記パーキング谷部、前記リバース谷部、前記ニュートラル谷部、および、前記ドライブ谷部が順に並んでいる請求項8に記載のレンジ切り換え装置。
  10. 前記位置決め部は、前記ブレーキ方向に前記ディテントレバーが前記制御部によって回転する際に、前記基準ストッパが前記ディテントレバーと接触することで前記当接部位が前記パーキング谷部に当接しつつ前記ディテントレバーの基準となる回転角度を定めるように、前記ディテントレバーに対する前記基準ストッパの位置を定める請求項9に記載のレンジ切り換え装置。
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