JP2017101537A - 車両用ドア開閉装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両用ドア開閉装置の支持部材の生産性を高め、該支持部材を車種毎に柔軟に適合させることができる車両用ドア開閉装置を提供すること。【解決手段】車両用ドア開閉装置100は、車両のボディとドアとの間に介設され、ドアを開位置に保持可能なように伸縮可能である支持部材1を備える。支持部材1は、電動モータ駆動機構7を備える第1ハウジングユニット2と、第1ハウジングユニット2と結合一体化された第2ハウジングユニット3とを備える。第2ハウジングユニット3は、外筒17と、外筒17内に同心状に配置され、外筒17に対して移動可能に嵌合している内筒16と、電動モータ駆動機構7に接続されたスピンドル20と、スピンドル20の回転によって内筒16を外筒17に対して軸方向に相対移動させるスピンドル駆動機構とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、車両用ドア開閉装置に関するものである。
車両の後部開口部を開閉するバックドアとボディとの間に介設された支持部材を備え、該支持部材によってバックドアを開位置に保持可能な車両用ドア開閉装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。支持部材は、同心状に配置されて摺動可能に嵌合する内筒と外筒を備える。内筒には、駆動力を発生する電動モータ、該電動モータの回転を減速させる減速ギヤ機構等の要素が収容されている。外筒には、スピンドル、スピンドルナット、ガイド管、コイルスプリング、プッシュロッド等の要素が収容されている。前記スピンドルは、前記電動モータによって回転駆動される。前記スピンドルナットは前記スピンドルに螺合している。前記スピンドルの回転によって前記スピンドルナット及び前記プッシュロッドと共に内筒が軸方向に移動する。前記コイルスプリングは、前記プッシュロッド及び前記外筒を軸方向に付勢する。ガイド管は、該コイルスプリングを収容して前記プッシュロッドを摺動可能にガイドする。
斯かる支持部材を備えた車両用ドア開閉装置において閉状態にあるバックドアを開操作すると、この開操作に応答して電動モータが駆動される。該電動モータの回転が減速ギヤ機構によって減速されてスピンドルに伝達され、該スピンドルが回転駆動される。スピンドルが回転するとスピンドルナットがプッシュロッド及び内筒と共に軸方向に移動(押し出される)する。その結果、内筒が外筒に対して相対的に移動して支持部材が伸長し、バックドアが開位置へと移動する。このとき、コイルスプリングの付勢力、ガススプリングの付勢力、減速ギヤ機構及び電動モータの摺動抵抗等の荷重バランスによってバックドアは任意の位置で停止可能となっている。このため、バックドアが開位置に保持される。開位置にあるバックドアを閉操作すると、その閉操作に応答して電動モータが逆転してスピンドルも逆回転するため、スピンドルナットがガイド管と内筒と共に逆方向に移動する。その結果、内筒がコイルスプリングの付勢力に抗して外筒に対して相対的に移動(引き込まれる)して、支持部材が収縮してドアが閉位置まで駆動される。
特開2014−101637号公報
従来のこの種の支持部材にあっては、漏電を防ぐための防水構造が必要である電動モータと、高い防水性が要求されないスピンドルやコイルスプリング等が一緒に組み込まれている。この構造では、一貫した生産工程において全ての部品を組み付けなければならない。そのため、従来のこの種の支持部材は、生産工程管理が容易でなく、生産性が悪い。
又、車両モデル毎にドアの開閉角度や取付ポイント等が異なるため、車種毎に異なる長さの支持部材を設定する必要がある場合に、該支持部材全体の構造を変更する必要がある。これは、支持部材のコストアップを招く。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、車両用ドア開閉装置の支持部材の生産性を高めることを目的とする。また、本発明は、支持部材の全体を変更することなく該支持部材を車種毎に柔軟に適合させることができる車両用ドア開閉装置を提供することにある。
本発明の一態様は、車両のボディとドアとの間に介設され、前記ドアを開位置に保持可能なように伸縮可能である支持部材を備え、前記支持部材は、電動モータ駆動機構を備える第1ハウジングユニットと、前記第1ハウジングユニットと結合一体化された第2ハウジングユニットとを備え、前記第2ハウジングユニットは、外筒と、前記外筒内に同心状に配置され、前記外筒に対して移動可能に嵌合している内筒と、前記電動モータ駆動機構に接続されたスピンドルと、前記スピンドルの回転によって前記内筒を前記外筒に対して軸方向に相対移動させるスピンドル駆動機構とを備える、車両用ドア開閉装置を提供する。
前記第1ハウジングユニットは、前記スピンドルの一端と前記電動モータ駆動機構とを連結可能な第1接続部を備え、前記第2ハウジングユニットの前記スピンドルの一端に、前記第1接続部に接続可能な第2接続部が設けられていてもよい。
前記第1接続部と前記第2接続部のうち一方は雄ネジ部を有し、他方は前記雄ネジ部に螺合する雌ネジ部を有してもよい。
前記第1ハウジングユニットと前記第2ハウジングユニットとの結合部に介設された防水部材をさらに備えてもよい。
前記電動モータ駆動機構は、電動モータと、該電動モータの回転を減速させる減速ギヤ機構とを備え、前記第1ハウジングユニットは、前記電動モータと前記減速ギヤ機構を収容するハウジングを備え、前記第2ハウジングユニットは、前記スピンドルに螺合するスピンドルナットに固定されたプッシュロッドと、前記プッシュロッドと前記スピンドルナットを収容し、且つ、前記プッシュロッドを前記スピンドルナットと共に軸方向に移動可能にガイドするガイド管と、前記ガイド管の外周に同心状に配置された縮装されたコイルスプリングと、前記プッシュロッドと軸方向に連結され、且つ、前記ガイド管の外周に同心状に配置され、その内周端面が前記コイルスプリングによって軸方向に付勢された前記内筒と、前記内筒を進退移動可能に収容する前記外筒とを備えてもよい。
前記第2ハウジングユニットは、前記外筒と前記ガイド管とを一体化したガイドハウジング管を備えてもよい。
前記ガイドハウジング管は雄ネジ部を有する段凸部を基端に備え、前記段凸部は、前記スピンドルを支持するベアリングが収容されたベアリング収容部を備えてもよい。この場合、前記第1ハウジングユニットの前記ハウジングは、前記ベアリング収容部に収容された前記ベアリングに軸方向で係合するベアリング保持部を備えてもよい。
本発明によれば、高い防水性が要求される電動モータ駆動機構(電動モータと減速ギヤ機構)を第1ハウジングユニットに設けている。また、高い防水性が要求されないスピンドルやコイルスプリング、スピンドル駆動機構(スピンドルナット、プッシュロッド、ガイド筒)等を第2ハウジングユニットに設けている。かかる構成の第1ハウジングユニットと第2ハウジングユニットを結合一体化して支持部材を構成している。そのため、電気的なチェックを必要とする電動モータ駆動機構と、機械的なチェックを必要とするスピンドルやスピンドル駆動機構を別々に生産することができ、当該支持部材の生産性と品質が高められる。
又、電動モータ駆動機構を備える第1ハウジングユニットを共通化し、スピンドルやスピンドル駆動機構を備える第2ハウジングユニットを車種毎に設定することができるため、支持部材の全体構成を変更することなく、該支持部材を異なる車種に対して柔軟に適合させることができる。
本発明の第1実施形態に係る車両用ドア開閉装置に備えられた支持部材の正面図である。 図1のII−II線断面図である。 本発明の第1実施形態に係る車両用ドア開閉装置に備えられた支持部材の分解断面図である。 本発明の第2実施形態に係る車両用ドア開閉装置に備えられた支持部材の図2と同様の断面図である。 本発明の第2実施形態に係る車両用ドア開閉装置に備えられた支持部材の図3と同様の分解断面図である。 図4の部分VIの拡大図である。 図4の部分VIIの拡大図である。 ガイドハウジング管とプッシュロッドの分解断面図である。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明に係る車両用ドア開閉装置100に備えられた支持部材の正面図、図2は図1のII−II線断面図、図3は同支持部材の分解断面図である。
本発明に係る車両用ドア開閉装置100は、車両の不図示のボディとドアとの間に介設された伸縮可能な支持部材1と、コントローラ10とを備える。支持部材1の伸縮によってドアが閉されるとともに、支持部材1が伸びた状態で維持されることで、ドアが開位置に保持される。図1及び図2に示すように、この支持部材1は、軸方向に2分割された構成を有する。つまり、支持部材1は、互いに結合一体化された第1ハウジングユニット2と第2ハウジングユニット3とを備える。
図2及び図3に示すように、第1ハウジングユニット2は、円筒状のハウジング4を備える。ハウジング4内には、電動モータ駆動機構7、プリント基板8等の要素が収容されている。電動モータ駆動機構7は、駆動源である電動モータ5と該電動モータ5の回転を減速させる減速ギヤ機構6によって構成される。プリント基板8には、電動モータ5の回転数をカウントする不図示のホールICが実装されている。電動モータ5と、プリント基板8に実装されたホールICとは、図1に示す複数のコード9を介してコントローラ10に電気的に接続されている。コード9を介して、コントローラ10から電動モータ5とホールICに対して電力が供給されるとともに、ホールICから出力される検出信号がコントローラ10へと送信される。
減速ギヤ機構6は、遊星ギヤによって構成されている。減速ギア機構6の入力軸6aは、電動モータ5の出力軸(モータ軸)5aの一端にカップリング11によって連結されている。減速ギヤ機構6の出力部(キャリア)には、断面が矩形の嵌合孔とし、後述するスピンドル20の矩形端部が嵌合可能に構成された第1接続部12が形成されている。
ハウジング4の軸方向一端部(図2及び図3の左端部)の内周には雌ネジ部4aが形成されており、この雌ネジ部4aの奥側(図2及び図3の右側)には隔壁4Aが一体に形成されている。この隔壁4Aの中心には円孔4bが形成されており、隔壁4Aの外面(第2ハウジングユニット3との結合面)には、第1ハウジングユニット2のハウジング4への水分の進入を防ぐためのリング状の防水部材(防水シール)13が取り付けられている。
ハウジング4の軸方向他端部(図2及び図3の右端部)は、キャップ状の軸端部材14によって閉塞されている。この軸端部材14は、ボールジョイント15を介して車両の不図示のボディに連結されている。
第2ハウジングユニット3は、外筒17、内筒16、プッシュロッド18、ガイド管19、スピンドル20、スピンドルナット27、及びコイルスプリング(圧縮スプリング)28を備える。外筒17は円筒状である。内筒16は円筒状であり、外筒17内に同心状に配置されており、軸方向に移動可能に外筒17に嵌合している。ガイド管19は円筒状であり、内筒16内に同心状に配置されている。プッシュロッド18は円筒状であり、ガイド管19内に配置されている。プッシュロッド18は、軸方向端部(図2及び図3の右端部)にスピンドルナット27を備える。スピンドルナット27は、ガイド管19の内周に軸方向にガイドされて移動可能に、ガイド管19に嵌合している。スピンドル20は、プッシュロッド18内の中心部にスピンドルナット27を貫通して軸方向に配置されている。ガイド管19は、その先端部(図2及び図3の左端部)の内周に嵌着された樹脂ブッシュ21を介してプッシュロッド18の外周に嵌合している。これにより、プッシュロッド18がガイド管19に同心状に配置される。
外筒17の軸方向一端(図2及び図3の左端)は開口しており、この開口部から内筒16が挿入されて外筒17の内周に進退移動可能に収容されている。又、外筒17の軸方向他端(図2及び図3の右端)には、段凸部17Aが一体に形成されている。言い換えれば、外筒17の軸方向他端は、開口しておらず、段凸部17Aによって閉塞されている。段凸部17Aの外周には、第1ハウジングユニット2のハウジング4の軸方向一端内周に形成された雌ネジ部4aに螺合可能な雄ネジ部17aが形成されている。外筒17の段凸部17Aの中心には、スピンドル20が貫通するための円孔17bが形成されている。
プッシュロッド18の軸方向一端(図2及び図3の左端)の内周には、軸端部材22がカシメによって結着されており、この軸端部材22は、ボールジョイント23を介して車両の不図示のドアに連結されている。
スピンドル20の外周にはネジが螺旋状に刻設されており、このスピンドル20の基端部(図2及び図3の右端部)は、止め輪29をかしめ固定することによって一体的に連結されたベアリング25によって回転可能に支持されている。本実施形態では、ベアリング25は外筒17内の端部(段凸部17Aの内側)にベアリングリテーナ24によって保持されている。ベアリングリテーナ24は外筒17に対して溶着等により固定されている。スピンドル20の先端部は、その外周に嵌着された樹脂ブッシュ26を介してプッシュロッド18によって回転可能に支持されている。ここで、段凸部17Aの円孔17bを貫通して外筒17の外方(図2の右端部)へ突出するスピンドル20の基端部は、その外周が平面状に形成された矩形の第2接続部20aを構成している。この第2接続部20aは、後述のように第1ハウジングユニット2と第2ハウジングユニット3とを結合一体化する際に第1ハウジングユニット2に設けられた第1接続部12に対して、回転が伝達される態様で、嵌合される。
スピンドル20は、ガイド管19の内部に収容されたスピンドルナット27が軸方向に移動可能に螺合挿通している。スピンドルナット27は、プッシュロッド18の軸方向端部(図2及び図3の右端部)に固定されている。スピンドルナット27、プッシュロッド18、及びガイド管19は、後述のようにスピンドル20の回転によって内筒16を外筒17に対して軸方向に相対移動させるスピンドル駆動機構を構成している。
コイルスプリング28は、径方向において、内筒16の内周側で、且つ、ガイド管19の外周側に、ガイド管19の外周に対して同心状に配置されている。ガイド管19は、径方向において、プッシュロッド18とコイルスプリング28との間に同心状に配置されている。コイルスプリング28は、軸方向において、軸端部材22が配置される内筒16の一端部と、外筒17の他端部(正確には、ベアリングリテーナ24)との間に、縮装されている。内筒16の一端部(図2及び図3の左方向)にコイルスプリング28の軸方向一端部が当接することによって、内筒16は外筒17に対して伸長する方向(図2及び図3の左方向)に弾性的に付勢されている。このため、このコイルスプリング28の付勢力によって軸端部材22に対して内筒16が圧接され、この圧接によって内筒16はプッシュロッド18と軸方向で連結される。又、コイルスプリング28の軸方向他端部は、ベアリングリテーナ24によって支承されている。
以上のように構成された第1ハウジングユニット2と第2ハウジングユニット3とを軸方向に連結一体化することによって、図1及び図2に示す支持部材1が組み立てられる。
即ち、図3に示すように第1ハウジングユニット2と第2ハウジングユニット3が分離されている状態から、第2ハウジングユニット3のスピンドル20の外筒から突出する軸方向一端に形成された矩形状の第2接続部20aを第1ハウジングユニット2の矩形状の嵌合孔である第1接続部12に嵌合させる。また、例えば第1ハウジングユニット2を第2ハウジングユニット3に対して回転させて、第2ハウジングユニット3の外筒17の軸方向一端の段凸部17Aに形成された雄ネジ部17aを第1ハウジングユニット2のハウジング4の軸方向一端内周に形成された雌ネジ部4aに螺合させる。これにより、第1ハウジングユニット2の第1接続部12と第2ハウジングユニット3の第2接続部20aとが接続され、第2ハウジングユニット3のスピンドル20と第1ハウジングユニット2の電動モータ駆動機構7とが連結される。また、第1ハウジングユニット2と第2ハウジングユニット3とが軸方向に結合一体化されて図1及び図2に示す支持部材1が組み立てられる。
以上のように第1ハウジングユニット2と第2ハウジングユニット3が結合一体化された第1ハウジングユニット2と第2ハウジングユニット3の結合部には防水部材13が介在する。この防水部材13によるシール効果によって第1ハウジングユニット2と第2ハウジングユニット3との結合部に高い防水性が確保される。そのため、防水性を必要とする第1ハウジングユニット2内への結合部からの水浸入を防止することができる。第2ハウジングユニット3は防水性を必要とするものではないため、ハウジングを分割構造とすることによって、第1ハウジングユニット2側のみ高い防水性を有する構造とすることができる。
第2ハウジングユニット3のスピンドル20と第1ハウジングユニット2の電動モータ駆動機構7とが接続されることによって、電動モータ5の出力軸5aの回転が減速ギヤ機構6によって減速されてスピンドル20に伝達される。
第1ハウジングユニット2と第2ハウジングユニット3を結合一体化して構成された支持部材1は、その第1ハウジングユニット2側の軸方向一端が軸端部材14とボールジョイント15を介して車両の固定側のボディに連結され、第2ハウジングユニット3側の軸方向他端が軸端部材22とボールジョイント23を介して車両の可動側のドアに連結される。
次に、以上のように構成された支持部材1を備える車両用ドア開閉装置100の作用について説明する。
車両のドアが閉じている状態では、支持部材1は、図1及び図2に示す最圧縮状態にあり、スピンドルナット27は、スピンドル20の基端部(図2の右端部)付近に位置している。この状態から例えばドアに設けられた操作スイッチを操作してドアを開放操作すると、これを検知したコントローラ10(図1参照)が第1ハウジングユニット2の電動モータ5に対して給電を開始する。すると、電動モータ5が起動され、その出力軸5aの回転は、減速ギヤ機構6を経て減速されて第2ハウジングユニット3のスピンドル20に伝達されるために該スピンドル20が所定の速度で回転駆動される。
上述のようにスピンドル20が回転駆動されると、該スピンドル20に螺合挿通するスピンドルナット27が図2の左方へと移動する。また、スピンドルナット27と共にプッシュロッド18が図2の左方へ移動し、それに追従してコイルスプリング28の付勢力により内筒16が同方向に移動する。この結果、内筒16とプッシュロッド18が固定側の外筒17内から押し出されて支持部材1が伸長する。そのため、ガイド管18に結着された軸端部材22に連結されたボールジョイント23を介して支持部材1の軸方向一端に連結されたドアが開位置まで駆動される。このとき、コイルスプリング28の付勢力と電動モータ5の駆動力によってドアが開位置まで駆動されるため、コイルスプリング28の付勢力によってドアの重量荷重が軽減され、電動モータ5に負荷が掛かりにくくなり、電動モータ駆動機構7を小型化することができる。本実施形態では、スピンドルナット27の左方への移動は、樹脂ブッシュ26に当接することで規制される。言い換えれば、本実施形態における樹脂ブッシュ26は、スピンドルナットの左方への移動に対するストッパとしても機能している。
開位置にあるドアを閉位置に駆動するために、例えばドアの内側に設けられた操作スイッチを操作すると、これを検知したコントローラ10が電動モータ5を逆転駆動し、スピンドル20が回転する。この回転によってスピンドル20に螺合挿通するスピンドルナット20がプッシュロッド18と共にガイド管19内を逆方向(図2の右方向)に移動する。このため、内筒16がコイルスプリング28の付勢力に抗して外筒17に対して相対的に移動して、外筒17内に引き込まれ、支持部材1が収縮するためにドアが閉方向に移動する。
以上のように、本実施形態においては、高い防水性が要求される電動モータ駆動機構7(電動モータ5と減速ギヤ機構6)を第1ハウジングユニット2に設けている。一方、高い防水性が要求されないスピンドル20やコイルスプリング28、スピンドル駆動機構(スピンドルナット27、プッシュロッド18、ガイド管19)等を第2ハウジングユニット3に設けている。支持部材1は、第1ハウジングユニット2と第2ハウジングユニット3を結合一体化して構成している。そのため、電気的な検査を必要とする電動モータ駆動機構7と、機械的な検査を必要とするスピンドル20やスピンドル駆動機構(スピンドルナット27、プッシュロッド18、ガイド管19)を別々に生産することができ、当該支持部材1の生産性と品質を高めることができる。
又、本実施形態に係る支持部材1においては、電動モータ駆動機構7を備える第1ハウジングユニット2を異なる車種間で共通化し、スピンドル20やスピンドル駆動機構(スピンドルナット27、プッシュロッド18、ガイド管19)を備える第2ハウジングユニット3を車種毎に設定することができる。そのため、支持部材1の全体構成を変更することなく、該支持部材1を異なる車種に対して柔軟に対応させることができるという効果も得られる。
(第2実施形態)
図4から図8は、本発明の第2実施形態に係る支持部材1を示す。これらの図面では、第1実施形態と同一ないしは同様の要素には同一の符号を付している。また、これらの図面では、ボールジョイント15,23、プリント基板8等の要素の図示を省略している。本実施形態に関し、以下の説明において特に言及しない構成及び作用は第1実施形態と同様である。
図8に最も明瞭に示すように、第2ハウジングユニット3は、外筒17とガイド管19を一体化したガイドハウジング管30を備える。本実施形態では、ガイドハウジング管30は樹脂製である。
ガイドハウジング管30は、基端部(図4,5,8の右端部)に段凸部30Aを備える。この段凸部30Aに外筒17とガイド管19の基端部が一体化されている。段凸部30Aの外周には、第1ハウジングユニット2のハウジング4の軸方向一端内周に形成された雌ネジ部4aに螺合可能な雄ネジ部30aが形成されている。段凸部30Aの図において右側の端面には、比較的浅い円形の窪みであるベアリング収容部30bが設けられている。段凸部30Aは、外筒17の基端部を閉塞している。段凸部30Aには、ベアリング収容部30bとガイド筒19の内部とを連通させる円孔30cが形成されている。円孔30cの径は、ガイド筒19の内径と同一であり、ベアリング収容部30bの径よりも小さい。
図6を参照すると、ベアリング収容部30bにベアリング25が収容されている。第1ハウジングユニット2のハウジング4は、ベアリング収容部30bに収容されたベアリング25に軸方向で係合するベアリング保持部4cを備える。図5を併せて参照すると、本実施形態では、ベアリング保持部4cは隔壁4Aから外向きに突出しており、短円筒状である。ベアリング25は、ベアリング収容部30bの底壁とベアリング保持部4cの先端との間に挟み込まれることでベアリング収容部30b内に保持されている。なお、このスピンドル20の基端部(図2及び図3の右端部)は、止め輪29をかしめ固定することによって一体的に連結されたベアリング25によって回転可能に支持されている。段凸部30Aの先端と隔壁4Aとの間には、第1ハウジングユニット2のハウジング4への水分の進入を防ぐための防水部材13が介装されている。かかるベアリング25の保持構造であれば、ベアリングリテーナ(例えば、図2,3の符号24参照)は必要がなく。ベアリングリテーナをなくすことで、部品点数を削減できる。また、ベアリングリテーナの固定(溶着)が不要となる点で、組み付けが簡素化される。
図8に概念的に示すように、スピンドル20にプッシュロッド18、スピンドルナット27、及びベアリング25を組み付けたアセンブリは、段凸部30Aから円孔30cを介してガイド管19内に挿入することで、ガイドハウジング管30に組み付けることができる。言い換えれば、スピンドル20、プッシュロッド18、スピンドルナット27、及びベアリング25を含むアセンブリのガイドハウジング管30への組み付けを、先端側からではなく、基端側、つまり第2ハウジングユニット3と第1ハウジングユニット2と結合される側から行うことできる。これにより組み付けを簡素化できる。
図8に最も明瞭に示すように、ガイド管19は、比較的先端に近い位置に、内壁面から内向きに突出する円環状のガイド部19aを備える。図7を併せて参照すると、プッシュロッド18はガイド部19aに摺動可能に嵌合されている。つまり、プッシュロッド18はガイド管19のガイド部19aによって摺動可能にガイドされている。また、スピンドルナット27の左方への移動は、ガイド部19aに当接することで規制される。言い換えれば、本実施形態におけるガイド部19aは、スピンドルナット27の左方への移動に対するストッパとしても機能している。前述のように、第1実施形態では、樹脂ブッシュ26がスピンドルナット27の移動に対するストッパとして機能している。これに対して、本実施形態では、ガイド管19に設けたガイド部19aがスピンドルナット27の移動に対するストッパとして機能しているので、スピンドル20とベアリング25との軸方向の固定(溶着)部に作用する負荷を低減できる。
ガイド管19とベアリング収容部30bが設けられた段凸部30Aとは、互いに別体の部品ではなく、単一の部品、すなわちガイドハウジング管30の一部である。従って、ベアリング収容部30bに収容されたベアリング25とガイド管19とを、精密に位置合わせできる。ベアリング25とガイド管19とが精密に位置合わされることで、スピンドル20をベアリング25とガイド管19の両方に精密に位置合わせできる。その結果、スピンドル20の円滑な回転を保証できる。言い換えれば、ベアリング25とガイド管19の位置ずれをなくすことで、スピンドル20の回転軸の位置ずれを防止できる。
以上の実施形態では、支持部材1の第1ハウジングユニット2側の端部を車両のボディに連結し、第2ハウジングユニット3側の端部を車両のドアに連結する構成を採用した。これとは逆に支持部材1の第1ハウジングユニット2側の端部を車両のドアに連結し、第2ハウジングユニット3側の端部を車両のボディに連結する構成を採用しても良い。又、以上の実施の形態では、第1ハウジングユニット2と第2ハウジングユニット3とをネジ結合によって連結一体化することによって支持部材1を構成したが、第1ハウジングユニット2と第2ハウジングユニット3とをレーザー溶接等の他の手段によって結合一体化するようにしても良い。
1 支持部材
2 第1ハウジングユニット
3 第2ハウジングユニット
4 第1ハウジングユニットのハウジング
4A ハウジングの隔壁
4a ハウジングの雌ネジ部
4b 隔壁の円孔
4c ベアリング保持部
5 電動モータ
5a 電動モータの出力軸
6 減速ギヤ機構
6a 減速ギヤ機構の入力軸
7 電動モータ駆動機構
8 プリント基板
9 コード
10 コントローラ
11 カップリング
12 第1接続部
13 防水部材
14 軸端部材
15 ボールジョイント
16 内筒
17 外筒
17A 外筒の段凸部
17a 外筒の雄ネジ部
17b 段凸部の円孔
18 プッシュロッド
19 ガイド管
19a ガイド部
20 スピンドル
20a 第2接続部
21 樹脂ブッシュ
22 軸端部材
23 ボールジョイント
24 ベアリングリテーナ
25 ベアリング
26 樹脂ブッシュ
27 スピンドルナット
28 コイルスプリング
29 止め輪
30 ガイドハウジング管
30A 段凸部
30a 雄ネジ部
30b ベアリング収容部
30c 円孔

Claims (8)

  1. 車両のボディとドアとの間に介設され、前記ドアを開位置に保持可能なように伸縮可能である支持部材を備え、
    前記支持部材は、
    電動モータ駆動機構を備える第1ハウジングユニットと、
    前記第1ハウジングユニットと結合一体化された第2ハウジングユニットとを備え、
    前記第2ハウジングユニットは、
    外筒と、
    前記外筒内に同心状に配置され、前記外筒に対して移動可能に嵌合している内筒と、
    前記電動モータ駆動機構に接続されたスピンドルと、
    前記スピンドルの回転によって前記内筒を前記外筒に対して軸方向に相対移動させるスピンドル駆動機構と
    を備える、車両用ドア開閉装置。
  2. 前記第1ハウジングユニットは、前記スピンドルの一端と前記電動モータ駆動機構とを連結可能な第1接続部を備え、
    前記第2ハウジングユニットの前記スピンドルの一端に、前記第1接続部に接続可能な第2接続部が設けられている請求項1に記載の車両用ドア開閉装置。
  3. 前記第1接続部と前記第2接続部のうち一方は雄ネジ部を有し、他方は前記雄ネジ部に螺合する雌ネジ部を有する、請求項2に記載の車両用ドア開閉装置。
  4. 前記第1ハウジングユニットと前記第2ハウジングユニットとの結合部に介設された防水部材をさらに備える、請求項1〜3の何れかに記載の車両用ドア開閉装置。
  5. 前記電動モータ駆動機構は、電動モータと、該電動モータの回転を減速させる減速ギヤ機構とを備え、
    前記第1ハウジングユニットは、前記電動モータと前記減速ギヤ機構を収容するハウジングを備え、
    前記第2ハウジングユニットは、
    前記スピンドルに螺合するスピンドルナットに固定されたプッシュロッドと、
    前記プッシュロッドと前記スピンドルナットを収容し、且つ、前記プッシュロッドを前記スピンドルナットと共に軸方向に移動可能にガイドするガイド管と、
    前記ガイド管の外周に同心状に配置された縮装されたコイルスプリングとを備え、
    前記内筒は、前記プッシュロッドと軸方向に連結され、且つ、前記ガイド管の外周に同心状に配置され、その内周端面が前記コイルスプリングによって軸方向に付勢され、
    前記外筒は、前記内筒を進退移動可能に収容する、請求項1に記載の車両用ドア開閉装置。
  6. 前記第2ハウジングユニットは、前記外筒と前記ガイド管とを一体化したガイドハウジング管を備える、請求項5に記載の車両用ドア開閉装置。
  7. 前記ガイドハウジング管は雄ネジ部を有する段凸部を基端に備え、
    前記段凸部は、前記ベアリングが収容されたベアリング収容部を備える、請求項6に記載の車両用ドア開閉装置。
  8. 前記第1ハウジングユニットの前記ハウジングは、前記ベアリング収容部に収容された前記ベアリングに軸方向で係合するベアリング保持部を備える、請求項7に記載の車両用ドア開閉装置。
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