JP2017094313A - マイクロカプセル及び液状組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】マイクロカプセルの変色と、芯物質の含有量の低下とが抑制された、新規のマイクロカプセルの提供。【解決手段】式(1)及び式(2)で表される化合物の混合物と、芳香族基を有しないポリイソシアネート化合物と、の重縮合物を膜形成成分とし、アミノ基及びアミノ基が塩を形成している基を有しない芯物質を内包する、マイクロカプセル及び前記マイクロカプセルを含有する液状組成物。[化1](R1及びR2は夫々独立に鎖状の飽和炭化水素基;前記飽和炭化水素基中の1個以上のメチレン基は、式「−NH−」で表される基又は酸素原子で置換されていてもよく;m及びnは夫々独立に2以上の整数;アミノ基を構成していない式「−NH−」で表される基は、塩を形成していてもよい)【選択図】なし

Description

本発明は、新規のマイクロカプセル、及びこれを用いた液状組成物に関する。
医薬、殺菌剤、農薬等をはじめとして、目的とする作用を示す各種の有効成分を芯物質として内包したマイクロカプセルは、目的とする環境で効率的に有効成分を放出させたり、経時と共に徐々に有効成分を放出させる徐放性を調節したりできることから、種々の分野でその利用法が検討されている。そして、このような利点を最大限に発揮できるよう、マイクロカプセルの膜形成成分の構成材料に関しても盛んに検討されている。
例えば、耐熱性に優れる膜形成成分としては、ポリウレアやポリウレタンが知られており、これらを界面重縮合法で形成し、膜形成成分として用いたマイクロカプセルが開示されている(特許文献1参照)。
特開2002−114947号公報
しかし、特許文献1で開示されているようなマイクロカプセルのうち、例えば、ポリウレアを膜形成成分とし、アルキルアミンを芯物質として内包したものは、耐熱性が低くてマイクロカプセルが変色してしまうことがあった。また、アミノ基又はアミノ基が塩を形成している基を有する化合物を芯物質として用いた場合、この芯物質がアミノ基を有する状態で膜形成成分の原料であるイソシアネート化合物と反応してしまい、目的外の反応を起こしてしまうことがあった。このように目的外の反応を起こすと、マイクロカプセルでの芯物質の含有量が低下してしまうだけでなく、膜形成成分の形成量も低下してしまう。以上のように、従来のマイクロカプセルは、その膜形成成分と芯物質との組み合わせによっては、変色したり、芯物質の含有量が低下してしまうことがあるという問題点があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、マイクロカプセルの変色と、芯物質の含有量の低下とが抑制された、新規のマイクロカプセルを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物の混合物と、芳香族基を有しないポリイソシアネート化合物と、の重縮合物を膜形成成分とし、アミノ基及びアミノ基が塩を形成している基を有しない芯物質を内包する、マイクロカプセルを提供する。
Figure 2017094313
(式中、R及びRは、それぞれ独立に鎖状の飽和炭化水素基であり、前記飽和炭化水素基中の1個以上のメチレン基は、式「−NH−」で表される基又は酸素原子で置換されていてもよく;m及びnは、それぞれ独立に2以上の整数であり;これら式中のアミノ基を構成していない式「−NH−」で表される基は、塩を形成していてもよい。)
また、本発明は、前記マイクロカプセルを含有する液状組成物を提供する。
本発明によれば、マイクロカプセルの変色と、芯物質の含有量の低下とが抑制された、新規のマイクロカプセルが提供される。
<<マイクロカプセル>>
本発明のマイクロカプセルは、下記一般式(1)で表される化合物(以下、「化合物(1)」と略記することがある)及び下記一般式(2)で表される化合物(以下、「化合物(2)」と略記することがある)の混合物と、芳香族基を有しないポリイソシアネート化合物(以下、「非芳香族ポリイソシアネート化合物」と略記することがある)と、の重縮合物を膜形成成分とし、アミノ基及びアミノ基が塩を形成している基(以下、「アミノ基塩形成基」と略記することがある)を有しない芯物質を内包する。
Figure 2017094313
(式中、R及びRは、それぞれ独立に鎖状の飽和炭化水素基であり、前記飽和炭化水素基中の1個以上のメチレン基は、式「−NH−」で表される基又は酸素原子で置換されていてもよく;m及びnは、それぞれ独立に2以上の整数であり;これら式中のアミノ基を構成していない式「−NH−」で表される基は、塩を形成していてもよい。)
本発明のマイクロカプセルは、上記のように、膜形成成分及び芯物質として、特定範囲の成分を組み合わせることで、マイクロカプセルの変色と、芯物質の含有量の低下とが抑制されるという、顕著な効果を奏する。
<膜形成成分>
前記膜形成成分は、芯物質を包み込む外殻の膜を形成する成分であり、化合物(1)及び化合物(2)の混合物と、前記非芳香族ポリイソシアネート化合物と、の重縮合物である。すなわち、前記膜形成成分は、化合物(1)と前記非芳香族ポリイソシアネート化合物との重縮合構造、及び化合物(2)と前記非芳香族ポリイソシアネート化合物との重縮構造の両方を有する。このように、化合物(1)及び化合物(2)を併用することで、マイクロカプセルの変色と、芯物質の含有量の低下とが、ともに抑制される。
なお、本明細書においては、化合物(1)及び化合物(2)のような、1分子中にアミノ基(−NH)を2個以上有する化合物を「ポリアミノ化合物」と称することがある。また、1分子中にヒドラジノカルボニル基(−C(=O)−NH−NH)を2個以上有する化合物を「ポリヒドラジド化合物」と称することがある。化合物(2)は、ポリヒドラジド化合物でもある。
前記重縮合物は、オリゴマー又はポリマーであり、式「−NH−C(=O)−O−」で表される結合(ウレタン結合)を有するポリウレタンである。
前記重縮合物は、界面重縮合法で得られた界面重縮合物であることが好ましい。
[化合物(1)]
化合物(1)は、前記一般式(1)で表される。
式中、Rは鎖状の飽和炭化水素基であり、その価数は、アミノ基の結合数によって決定され、2価以上である。
は、直鎖状及び分岐鎖状のいずれでもよい。
の炭素数は、特に限定されないが、8〜14であることが好ましい。
すなわち、好ましいRとしては、例えば、n−オクタン、2−メチルヘプタン、3−メチルヘプタン、4−メチルヘプタン、2,2−ジメチルヘキサン、2,3−ジメチルヘキサン、2,4−ジメチルヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン、3,3−ジメチルヘキサン、3,4−ジメチルヘキサン、2,2,3−トリメチルペンタン、2,2,4−トリメチルペンタン(イソオクタン)、2,3,3−トリメチルペンタン、2,3,4−トリメチルペンタン、3−エチル−2−メチルペンタン、3−エチル−3−メチルペンタン、2,2,3,3−テトラメチルブタン、n−ノナン、2−メチルオクタン、3−メチルオクタン、4−メチルオクタン、2,2−ジメチルヘプタン、2,3−ジメチルヘプタン、2,4−ジメチルヘプタン、2,5−ジメチルヘプタン、2,6−ジメチルヘプタン、3,3ジメチルヘプタン、3,4−ジメチルヘプタン、3,5−ジメチルヘプタン、4,4−ジメチルヘプタン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン等の直鎖状又は分岐鎖状アルカンから、2個以上の水素原子が除かれてなる、価数が2以上の飽和炭化水素基が挙げられる。
これら飽和炭化水素基のうち、例えば、アルキレン基としては、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、トリデカメチレン基、テトラデカメチレン基、1−メチルヘプタメチレン基、2−メチルヘプタメチレン基、3−メチルヘプタメチレン基、4−メチルヘプタメチレン基、5−メチルヘプタメチレン基、1−エチルヘキサメチレン基、2−エチルヘキサメチレン基、3−エチルヘキサメチレン基、4−エチルヘキサメチレン基、5−エチルヘキサメチレン基、1,1−ジメチルヘキサメチレン基、2,2−ジメチルヘキサメチレン基、3,3−ジメチルヘキサメチレン基、4,4−ジメチルヘキサメチレン基、5,5−ジメチルヘキサメチレン基、2,2,4−トリメチルペンタメチレン基、1−プロピルペンタメチレン基、2−プロピルペンタメチレン基等が挙げられる。
中の1個以上のメチレン基(−CH−)は、式「−NH−」で表される基(以下、「「−NH−」基」と略記することがある)又は酸素原子(−O−)(以下、これらの基をまとめて「置換基」と称することがある)で置換されていてもよい。ただし、Rにおいて、「−NH−」基と酸素原子とは直接結合せず、酸素原子同士は直接結合していない。また、Rにおいて、アミノ基が結合している炭素原子が構成するメチレン基は、前記置換基のうち、酸素原子では置換されていない。そして、Rにおいて、「−NH−」基同士は、直接結合していないことが好ましい。
中において、前記置換基(「−NH−」基及び酸素原子)で置換されているメチレン基の数は、特に限定されないが、0〜3個であることが好ましく、0〜2個であることがより好ましい。
中において、前記置換基(「−NH−」基及び酸素原子)で置換されているメチレン基の位置は、上述の条件を満たしていれば、特に限定されない。
式中、mは、Rに結合しているアミノ基(−NH)の数を示し、2以上の整数である。すなわち、Rは、m価の鎖状飽和炭化水素基であり、化合物(1)は、1個以上のメチレン基が「−NH−」基又は酸素原子(−O−)で置換されていてもよい、ポリアミノアルカンである。
mは、2〜5であることが好ましく、2〜4であることがより好ましく、2又は3であることが特に好ましい。
化合物(1)において、アミノ基のRへの結合位置は、特に限定されない。
ただし、R中の1個の炭素原子に結合しているアミノ基の数は、0又は1個であることが好ましい。
また、化合物(1)は、少なくともR中の両端の炭素原子に、1個ずつアミノ基が結合しているものが好ましい。ここで、「R中の両端の炭素原子」とは、R中において、直列に結合している、前記置換基と炭素原子との合計数が最も多い鎖状構造の、両末端の炭素原子を意味する。
化合物(1)において、アミノ基を構成していない「−NH−」基、すなわち置換基である「−NH−」基は、塩を形成していてもよい(以下、このような基を「「−NH−」塩形成基」と略記することがある)。
「−NH−」塩形成基としては、例えば、「−NH−」基が1価のカチオン部となって、このカチオン部がアニオンとともに塩を形成している基が挙げられる。
ここで、前記カチオン部としては、例えば、「−NH−」基の窒素原子に水素イオン(H)が配位結合したものが挙げられる。この場合の前記アニオンの価数は特に限定されず、1(1価)でもよいし2(2価)以上でもよい。前記アニオンが1価である場合、前記塩を形成している前記アニオンの個数と、前記カチオン部の個数は、共に1である。また、前記アニオンがp価(pは2以上の整数である)である場合、前記塩を形成している前記アニオンの個数は通常1であり、前記カチオン部の個数はp以下であり、pであることが好ましい。この場合、複数個の前記カチオン部は、すべて同一であってもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同一であってもよい。
「−NH−」塩形成基における前記アニオンは、特に限定されず、無機アニオン及び有機アニオンのいずれでもよい。
好ましい前記無機アニオンとしては、例えば、硝酸イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、ハロゲン化物イオン等が挙げられ、前記ハロゲン化物イオンとしては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等が挙げられる。
好ましい前記有機アニオンとしては、例えば、カルボン酸のアニオン、スルホン酸のアニオン等が挙げられる。
前記カルボン酸のアニオンは、モノカルボン酸(1価カルボン酸)のアニオンでもよいし、ジカルボン酸、トリカルボン酸等の多価カルボン酸のアニオンでもよい。
化合物(1)が有する前記アニオンは、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に選択できる。
すなわち、1分子の化合物(1)が2個以上の前記アニオンを有する場合、これら2個以上のアニオンは、すべて同一であってもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同一であってもよい。
ただし、化合物(1)は、分子全体として電気的に中性であること、すなわち、化合物(1)1分子中の前記カチオン部の価数の合計値とアニオンの価数の合計値とは、同じであることが好ましい。
化合物(1)で特に好ましいものとしては、例えば、1,8−ジアミノ−n−オクタン、1,9−ジアミノ−n−ノナン、1,10−ジアミノ−n−デカン、1,11−ジアミノ−n−ウンデカン、1,12−ジアミノ−n−ドデカン、1,13−ジアミノ−n−トリデカン、1,14−ジアミノ−n−テトラデカン等の、直鎖状で両端の炭素原子にアミノ基を有する直鎖状ジアミノアルカン;前記直鎖状ジアミノアルカンの炭化水素基が分岐鎖状となった分岐鎖状ジアミノアルカン等が挙げられる。
化合物(1)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に選択できる。
化合物(1)としては、例えば、市販品を用いることができ、また、アミノ基を有する化合物の公知の製造方法を利用して製造したものを用いることもできる。
[化合物(2)]
化合物(2)は、前記一般式(2)で表される。
式中、Rは鎖状の飽和炭化水素基であり、その価数は、ヒドラジノカルボニル基の結合数によって決定され、2価以上である。
は、直鎖状及び分岐鎖状のいずれでもよい。
の炭素数は、特に限定されないが、2〜10であることが好ましい。
すなわち、好ましいRとしては、例えば、エタン、プロパン、n−ブタン、イソブタン(2−メチルプロパン)、n−ペンタン、イソペンタン(2−メチルブタン)、ネオペンタン(2,2−ジメチルプロパン)、n−ヘキサン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、n−ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,2−ジメチルペンタン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、3,3−ジメチルペンタン、3−エチルペンタン、2,2,3−トリメチルブタン、n−オクタン、2−メチルヘプタン、3−メチルヘプタン、4−メチルヘプタン、2,2−ジメチルヘキサン、2,3−ジメチルヘキサン、2,4−ジメチルヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン、3,3−ジメチルヘキサン、3,4−ジメチルヘキサン、2,2,3−トリメチルペンタン、2,2,4−トリメチルペンタン(イソオクタン)、2,3,3−トリメチルペンタン、2,3,4−トリメチルペンタン、3−エチル−2−メチルペンタン、3−エチル−3−メチルペンタン、2,2,3,3−テトラメチルブタン、n−ノナン、2−メチルオクタン、3−メチルオクタン、4−メチルオクタン、2,2−ジメチルヘプタン、2,3−ジメチルヘプタン、2,4−ジメチルヘプタン、2,5−ジメチルヘプタン、2,6−ジメチルヘプタン、3,3ジメチルヘプタン、3,4−ジメチルヘプタン、3,5−ジメチルヘプタン、4,4−ジメチルヘプタン、デカン等の直鎖状又は分岐鎖状アルカンから、2個以上の水素原子が除かれてなる、価数が2以上の飽和炭化水素基が挙げられる。
これら飽和炭化水素基のうち、例えば、アルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基(メチルエチレン基)、トリメチレン基、テトラメチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、1−メチルテトラメチレン基、2−メチルテトラメチレン基、1,1−ジメチルトリメチレン基、1,2−ジメチルトリメチレン基、1,3−ジメチルトリメチレン基、1−エチルトリメチレン基、2−エチルトリメチレン基、1−メチル−2−エチルエチレン基、n−プロピルエチレン基、ヘキサメチレン基、1−メチルペンタメチレン基、2−メチルペンタメチレン基、3−メチルペンタメチレン基、1,1−ジメチルテトラメチレン基、1,2−ジメチルテトラメチレン基、1,3−ジメチルテトラメチレン基、1,4−ジメチルテトラメチレン基、2,3−ジメチルテトラメチレン基、2,2−ジメチルテトラメチレン基、1−エチルテトラメチレン基、2−エチルテトラメチレン基、1−メチル−2−エチルトリメチレン基、1−メチル−3−エチルトリメチレン基、2−メチル−3−エチルトリメチレン基、1−メチル−1−エチルトリメチレン基、2−メチル−2−エチルトリメチレン基、1,2,3−トリメチルトリメチレン基、1,1,2,2−テトラメチルエチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等が挙げられる。
中の1個以上のメチレン基(−CH−)は、前記置換基(「−NH−」基又は酸素原子)で置換されていてもよい。ただし、Rにおいて、「−NH−」基と酸素原子とは直接結合せず、酸素原子同士は直接結合していない。そして、Rにおいて、ヒドラジノカルボニル基が結合している炭素原子が構成するメチレン基は、前記置換基のうち、酸素原子では置換されていない。また、Rにおいて、「−NH−」基同士は、直接結合していないことが好ましい。
中において、前記置換基(「−NH−」基及び酸素原子)で置換されているメチレン基の数は、特に限定されないが、0〜3個であることが好ましく、0〜2個であることがより好ましい。
中において、前記置換基(「−NH−」基及び酸素原子)で置換されているメチレン基の位置は、上述の条件を満たしていれば、特に限定されない。
式中、nは、Rに結合しているヒドラジノカルボニル基の数を示し、2以上の整数である。すなわち、Rは、n価の鎖状飽和炭化水素基であり、化合物(2)は、1個以上のメチレン基が「−NH−」基又は酸素原子(−O−)で置換されていてもよい、ポリヒドラジド化合物である。
nは、2〜5であることが好ましく、2〜4であることがより好ましく、2又は3であることが特に好ましい。
化合物(2)において、ヒドラジノカルボニル基のRへの結合位置は、特に限定されない。
ただし、R中の1個の炭素原子に結合しているヒドラジノカルボニル基の数は、0又は1個であることが好ましい。
また、化合物(2)は、少なくともR中の両端の炭素原子に、1個ずつヒドラジノカルボニル基が結合しているものが好ましい。ここで、「R中の両端の炭素原子」とは、R中において、直列に結合している、前記置換基と炭素原子との合計数が最も多い鎖状構造の、両末端の炭素原子を意味する。
化合物(2)において、アミノ基を構成していない「−NH−」基、すなわち、置換基である「−NH−」基、及びヒドラジノカルボニル基中の「−NH−」基は、塩を形成していてもよい(「−NH−」塩形成基であってもよい)。
化合物(2)における「−NH−」塩形成基は、化合物(1)における「−NH−」塩形成基と同様のものである。そして、化合物(2)は、分子全体として電気的に中性であること、すなわち、化合物(2)1分子中のカチオン部の価数の合計値とアニオンの価数の合計値とは、同じであることが好ましい。
化合物(2)で特に好ましいものとしては、例えば、コハク酸ジヒドラジド(ブタン二酸ジヒドラジド)、グルタル酸ジヒドラジド(ペンタン二酸ジヒドラジド)、アジピン酸ジヒドラジド(ヘキサン二酸ジヒドラジド)、ピメリン酸ジヒドラジド(ヘプタン二酸ジヒドラジド)、スベリン酸ジヒドラジド(オクタン二酸ジヒドラジド)、アゼライン酸ジヒドラジド(ノナン二酸ジヒドラジド)、セバシン酸ジヒドラジド(デカン二酸ジヒドラジド)、1,9−ノナンジカルボン酸ジヒドラジド(ウンデカン二酸ジヒドラジド)、1,10−デカンジカルボン酸ジヒドラジド(ドデカン二酸ジヒドラジド)等が挙げられる。
化合物(2)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に選択できる。
化合物(2)としては、例えば、市販品を用いることができ、また、ヒドラジノカルボニル基を有する化合物の公知の製造方法を利用して製造したものを用いることもできる。
[非芳香族ポリイソシアネート化合物]
前記非芳香族ポリイソシアネート化合物は、芳香族基を有さず、1分子中にイソシアネート基(−NCO)を2個以上有するものであれば、特に限定されない。
なお、本明細書においては、前記非芳香族ポリイソシアネート化合物のような、1分子中にイソシアネート基(−NCO)を2個以上有する化合物を「ポリイソシアネート化合物」と称することがある。
前記非芳香族ポリイソシアネート化合物が有しない前記芳香族基とは、芳香族炭化水素基及び芳香族複素環式基の両方を意味し、芳香族性を有する限り、ヘテロ原子の有無は問わない。
芳香族基は芯物質との親和性が高いために、芳香族基を有するポリイソシアネート化合物(本明細書においては、「芳香族ポリイソシアネート化合物」と称することがある)を用いた場合、この化合物自体又は膜形成成分中の芳香族基が芯物質と相互作用し易くなっている。そのため、マイクロカプセルの製造過程からマイクロカプセルの製造後において、芯物質は目的外の反応を起こし易く、前記芳香族基はマイクロカプセルでの芯物質の含有量の低下に寄与すると推測される。
これに対して、本発明のマイクロカプセルは、膜形成成分を構成するのに前記非芳香族ポリイソシアネート化合物を用いるため、芯物質の目的外の反応が抑制され、マイクロカプセルでの芯物質の含有量の低下が抑制されると推測される。
前記非芳香族ポリイソシアネート化合物がその1分子中に有するイソシアネート基の数は、2個以上であれば特に限定されないが、2〜6個であることが好ましく、2〜5個であることがより好ましく、2〜4個であることがさらに好ましく、2又は3個であることが特に好ましい。
前記非芳香族ポリイソシアネート化合物は、アミノ基、アミノ基塩形成基又は水酸基(−OH)を有しないものが好ましく、アミノ基、アミノ基塩形成基及び水酸基をすべて有しないものがより好ましい。
ここで、「アミノ基塩形成基」とは、後ほど芯物質のところで説明している、芯物質が有しないアミノ基塩形成基と同様のものである。
前記非芳香族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4’−ジイソシアネート等の非芳香族有機多価イソシアネート化合物;前記非芳香族有機多価イソシアネート化合物の誘導体(ただし、イソシアネート基は置換されないものとする);前記非芳香族有機多価イソシアネート化合物のトリメチロールプロパン付加体;前記非芳香族有機多価イソシアネート化合物の誘導体(ただし、イソシアネート基は置換されないものとする)のトリメチロールプロパン付加体等が挙げられる。なお、本明細書において、トリメチロールプロパン付加体は、トリメチロールプロパンアダクト体と称することもある。また、「誘導体」とは、元の化合物の1個以上の水素原子が水素原子以外の基で置換されているものを意味する。
前記非芳香族ポリイソシアネート化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に選択できる。
前記非芳香族ポリイソシアネート化合物と重縮合反応させるときの、化合物(1)及び化合物(2)の使用量の比率は、化合物(1):化合物(2)の質量比で、95:5〜5:95であることが好ましく、90:10〜10:90であることがより好ましく、85:15〜15:85であることが特に好ましい。前記比率がこのような範囲であることで、マイクロカプセルの変色と、芯物質の含有量の低下と、の抑制効果がより高くなる。重縮合反応時のその他の条件については、後ほど詳細に説明する。
本発明のマイクロカプセルは、本発明の効果を損なわない範囲内において、前記重縮合物に該当しない、他のオリゴマー及びポリマーのいずれか一方又は両方を、さらに膜形成成分としていてもよい。
前記他のオリゴマー及びポリマーとしては、例えば、前記重縮合物以外のポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド等が挙げられる。
前記他のオリゴマー及びポリマーは、いずれも1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に選択できる。
本発明のマイクロカプセルにおいて、膜形成成分の総含有量に対する、前記他のオリゴマー及びポリマーの合計含有量の割合は、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが特に好ましく、0質量%であってもよい。前記割合がこのような範囲であることで、マイクロカプセルの変色と、芯物質の含有量の低下と、の抑制効果がより高くなる。
すなわち、本発明のマイクロカプセルにおいて、膜形成成分の総含有量に対する、化合物(1)及び化合物(2)の混合物と、前記非芳香族ポリイソシアネート化合物と、の重縮合物の含有量の割合は、95質量%以上であることが好ましく、97質量%以上であることがより好ましく、99質量%以上であることが特に好ましく、100質量%であってもよい。
<芯物質>
本発明のマイクロカプセルは、アミノ基及びアミノ基塩形成基を有しない芯物質を内包する。芯物質がアミノ基を有しないことにより、また、アミノ基塩形成基を有しないことでアミノ基を有する状態とはならないことにより、この芯物質と前記非芳香族ポリイソシアネート化合物との反応が抑制される。その結果、マイクロカプセルでの芯物質の含有量の低下が抑制され、膜形成成分の形成量の低下も抑制される。
前記アミノ基塩形成基としては、例えば、アミノ基が1価のカチオン部となって、このカチオン部がアニオンとともに塩を形成している基が挙げられる。
ここで、前記カチオン部としては、例えば、アミノ基(−NH)の窒素原子に水素イオン(H)が配位結合したものが挙げられる。この場合の前記アニオンの価数は特に限定されず、1(1価)でもよいし2(2価)以上でもよい。前記アニオンが1価である場合、前記塩を形成している前記アニオンの個数と、前記カチオン部の個数は、共に1である。また、前記アニオンがq価(qは2以上の整数である)である場合、前記塩を形成している前記アニオンの個数は通常1であり、前記カチオン部の個数はq以下であり、通常はqである。この場合、複数個の前記カチオン部は、すべて同一であってもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同一であってもよい。
前記アミノ基塩形成基における前記アニオンとしては、上述の「−NH−」塩形成基におけるアニオンと同様のものが挙げられる。
芯物質が有する前記アニオンは、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に選択できる。
すなわち、1分子の芯物質が2個以上の前記アニオンを有する場合、これら2個以上のアニオンは、すべて同一であってもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同一であってもよい。
ただし、芯物質は、分子全体として電気的に中性であること、すなわち、芯物質1分子中の前記カチオン部の価数の合計値とアニオンの価数の合計値とは、同じであることが好ましい。
芯物質は、アミノ基及びアミノ基塩形成基を有しないものであれば、特に限定されず、マイクロカプセルの用途に応じて、任意に選択できる。例えば、「−NH−」基、又は上述の化合物(1)及び化合物(2)のところで説明した、「−NH−」塩形成基を有する化合物も、芯物質として用いることができる。
本発明のマイクロカプセルが内包する芯物質は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に選択できる。
本発明のマイクロカプセルが内包する芯物質の量(含有量)は、特に限定されず、目的に応じて適宜調節できる。
本発明のマイクロカプセルが内包する芯物質の量(含有量)は、例えば、後述するマイクロカプセルの製造条件によって調節できる。
本発明のマイクロカプセルは、本発明の効果を損なわない範囲内において、アミノ基及びアミノ基塩形成基を有しない芯物質以外の、他の芯物質をさらに内包していてもよい。
前記他の芯物質は、すなわち、アミノ基及びアミノ基塩形成基のいずれか一方又は両方を有するものである。
前記他の芯物質は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に選択できる。
本発明のマイクロカプセルにおいて、芯物質の総含有量に対する、前記他の芯物質の含有量の割合は、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが特に好ましく、0質量%であってもよい。前記割合がこのような範囲であることで、マイクロカプセルの変色と、芯物質の含有量の低下と、の抑制効果がより高くなる。
すなわち、本発明のマイクロカプセルにおいて、芯物質の総含有量に対する、アミノ基及びアミノ基塩形成基を有しない芯物質の含有量の割合は、95質量%以上であることが好ましく、97質量%以上であることがより好ましく、99質量%以上であることが特に好ましく、100質量%であってもよい。
<<マイクロカプセルの製造方法>>
本発明のマイクロカプセルは、前記膜形成成分に芯物質を内包させることで製造できる。また、前記膜形成成分は、化合物(1)及び化合物(2)の混合物と、前記非芳香族ポリイソシアネート化合物と、を重縮合させることで得られる。
前記重縮合は公知の方法で行えばよく、その条件は用いる原料化合物(すなわち、化合物(1)、化合物(2)及び前記非芳香族ポリイソシアネート化合物)の種類等を考慮して、適宜選択すればよい。
例えば、界面重縮合を行う場合には、内包させる芯物質の共存下で、原料化合物を重縮合させることにより、芯物質を内包するマイクロカプセルが一気に得られる。以下、このように界面重縮合により、膜形成成分を形成するとともに本発明のマイクロカプセルを製造する方法について、説明する。
重縮合させるときの、化合物(1)及び化合物(2)の使用量の比率は、先に説明したとおりである。
また、化合物(1)、化合物(2)及び前記非芳香族ポリイソシアネート化合物の使用量は、これら化合物の種類に応じて適宜調節すればよいが、[化合物(1)中及び化合物(2)中のアミノ基の合計モル数]:[非芳香族ポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基のモル数]のモル比が、10:90〜60:40となる量であることが好ましく、20:80〜40:60となる量であることがより好ましい。前記アミノ基の合計モル数が、前記イソシアネート基のモル数よりも少なくなる様に設定すると、より高品質なマイクロカプセルが得られる。
前記重縮合物は、化合物(1)、化合物(2)及び前記非芳香族ポリイソシアネート化合物のいずれにも該当しない他の化合物を重縮合して得られたものであってもよい。
前記他の化合物は、重縮合可能なものであれば、特に限定されない。
前記他の化合物は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に選択できる。
ただし、重縮合反応を行うときの、前記他の化合物の使用量(モル数)の割合は、化合物(1)、化合物(2)及び前記非芳香族ポリイソシアネート化合物の総使用量(モル数)に対して、5モル%以下であることが好ましく、3モル%以下であることがより好ましく、1モル%以下であることが特に好ましく、0モル%であってもよい。前記他の化合物の使用量の割合がこのような範囲であることにより、マイクロカプセルの変色と、芯物質の含有量の低下と、の抑制効果がより高くなる。
重縮合時の芯物質の使用量は、特に限定されないが、化合物(1)、化合物(2)及び前記非芳香族ポリイソシアネート化合物の総使用量100質量部に対して、2〜50質量部であることが好ましく、4〜40質量部であることがより好ましく、6〜30質量部であることが特に好ましい。
<溶媒>
本発明のマイクロカプセルは、芯物質を溶解させるために、溶媒を内包していてもよい。この場合、界面重縮合は、水と疎水性溶媒(可塑剤)との混合溶媒中で反応液を乳化させて行うことが好ましい。このように、内包させる芯物質と、疎水性溶媒と、の共存下で、原料化合物を重縮合させることにより、芯物質及び疎水性溶媒を内包するマイクロカプセルが一気に得られる。
また、反応液を乳化させる場合には、例えば、ポリビニルアルコール等の乳化剤を併用してもよい。
前記疎水性溶媒としては、例えば、アルコール、アミド、ニトリル、ケトン、エステル、エーテル、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、フェノール類(フェノール性水酸基を有する化合物)、硫化炭素、カルボン酸等が挙げられる。
前記疎水性溶媒は、SP値(溶解パラメータ)が12(cal/cm1/2以下であるものが好ましい。このような溶媒を用いることにより、界面重縮合時の反応液が、水の中に油性成分が分散している状態の水中油滴型(O/W型)の分散液となり易く、膜形成成分とマイクロカプセルの形成がより容易となる。
すなわち、SP値が12(cal/cm1/2以下である溶媒を内包するマイクロカプセルは、本発明のマイクロカプセルの中でも、特に好ましいものである。
前記疎水性溶媒のSP値の下限値は、特に限定されないが、6.5(cal/cm1/2であることが好ましい。このようなSP値の疎水性溶媒は入手が容易である。
SP値が12(cal/cm1/2以下の溶媒としては、例えば、
1−プロパノール(11.9)、2−プロパノール(11.5)、1−ブタノール(11.4)、シクロヘキサノール(11.4)、2−メトキシエタノール(10.8)、1−ヘキサノール(10.7)、2−メチル−2−プロパノール(10.6)、1−ブトキシ−2−プロパノール(10.4)、2−エチルヘキサノール(9.5)等のアルコール;
ジメチルホルムアミド(12.0)等のアミド;
アセトニトリル(11.8)等のニトリル;
アセトン(10.0)、メチルエチルケトン(9.3)、メチルプロピルケトン(8.7)、メチルイソプロピルケトン(8.5)等のケトン;
フタル酸ジn−ブチル(9.4)、酢酸エチル(9.1)、酢酸n−ブチル(8.5)、セバシン酸ビス(2−エチルヘキシル)(8.5)、酢酸イソプロピル(8.4)、酢酸イソブチル(8.3)等のエステル(カルボン酸エステル);
ジオキサン(9.9)、テトラヒドロフラン(9.1)、ジエチルエーテル(7.4)、イソプロピルエーテル(6.9)等の鎖状及び環状のエーテル;
ベンゼン(9.2)、トルエン(8.9)、キシレン(8.8)、エチルベンゼン(8.8)、シクロヘキサン(8.2)、n−オクタン(7.6)、n−ヘキサン(7.3)、n−ペンタン(7.0)等の芳香族及び脂肪族炭化水素;
塩化メチレン(9.7)、クロロホルム(9.3)、トリクロロエチレン(9.2)、四塩化炭素(8.6)等のハロゲン化炭化水素(ハロゲン化脂肪族炭化水素);
二硫化炭素(10.0)等の硫化炭素;
フェノール(11.5)等のフェノール類;
酢酸(10.1)等のカルボン酸
等が挙げられる。溶媒名と並記したカッコ内の数値はSP値((cal/cm1/2)を意味する。
前記溶媒は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に選択できる。
前記溶媒の使用量は、特に限定されないが、通常は、芯物質の使用量100質量部に対して、200〜5000質量部であることが好ましく、300〜4000質量部であることがより好ましく、400〜3000質量部であることが特に好ましい。
本発明においては、通常、界面重縮合の温度は、60〜110℃であることが好ましく、65〜100℃であることがより好ましく、70〜90℃であることが特に好ましい。
また、界面重縮合の時間は、0.5〜5時間であることが好ましく、1〜4時間であることがより好ましく、1.5〜3時間であることが特に好ましい。
重縮合後は、例えば、本発明のマイクロカプセルが水分散体として得られる。
得られたマイクロカプセルは、そのまま目的とする用途で用いてもよいし、必要に応じて公知の後処理、精製等を行ってから、目的とする用途で用いてもよく、分散媒を除去してから目的とする用途で用いてもよい。
本発明のマイクロカプセルの平均粒子径は、特に限定されないが、0.5〜10μmであることが好ましく、1〜7μmであることがより好ましく、1.5〜4μmであることが特に好ましい。
なお、本明細書において「平均粒子径」とは、特に断りのない限り、コールターカウンターを用いる方法で測定された、体積累積分布の中央値D50を意味する。
本発明のマイクロカプセルにおいて、芯物質を包み込んでいる外殻の膜の厚さは、30〜500nmであることが好ましく、50〜300nmであることがより好ましい。
本発明のマイクロカプセルは、その製造方法を反映して、芯物質及び溶媒以外に、他の成分を内包していてもよい。
本発明のマイクロカプセルは、経時と共に、内包された芯物質を徐々に外部に放出する徐放性を有する。したがって、本発明のマイクロカプセルは、医薬、殺菌剤、農薬等の分野で利用可能である。
また、建物の内装材や家具等には、ホルムアルデヒドを含む接着剤やバインダーを用いて製造されたものがあり、製品としてホルムアルデヒドを含むものがある。このような製品からは、ホルムアルデヒドが放出され、室内でのホルムアルデヒドの濃度が上昇してしまい、人や動物に対して健康被害を及ぼすことが問題となっている。本発明のマイクロカプセルは、芯物質として、このようなホルムアルデヒド等の有害成分と反応する成分を用いることにより、有害成分を除去する除去剤としても利用可能である。
また、接着剤には、硬化剤と樹脂とを反応させることで得られるものがあるが、芯物質として硬化剤を内包した本発明のマイクロカプセルは、このような接着剤の構成成分としても利用可能である。
<<マイクロカプセルの使用方法>>
[液状組成物]
本発明のマイクロカプセルは、例えば、液状組成物の含有成分として好適である。このような液状組成物は、本発明のマイクロカプセルと溶媒(分散媒)を含有していれば、特に限定されず、溶液であってもよいし、分散液であってもよく、任意の形態とすることができる。
前記液状組成物で好ましいものとしては、例えば、前記マイクロカプセルを含有する塗料が挙げられる。このような塗料は、建物の内装材(例えば、壁紙等)や家具、又はこれら内装材や家具の構成材料等、ホルムアルデヒドの除去対象物に付着させるのに用いることができる。
ここで塗料は、公知のものでよく、例えば、油性塗料、酒精塗料、セルロース塗料、合成樹脂塗料、水性塗料、漆系塗料、ゴム系塗料等が挙げられ、目的に応じて適宜選択すればよい。
ただし、ここに挙げた液状組成物は、本発明のマイクロカプセルを用いたもののごく一例に過ぎず、本発明のマイクロカプセルを用いた液状組成物はこれらに限定されない。
前記液状組成物は、例えば、前記マイクロカプセルと、溶媒(分散媒)等の液状媒体と、必要に応じて他の成分とを配合することで製造できる。そして、得られた液状組成物は、その配合成分や目的に応じて適した公知の方法で使用すればよい。
前記液状組成物は、例えば、印刷法、塗布法、浸漬法等の公知の方法で、目的とする対象物に付着させることができる。
前記印刷法としては、例えば、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、ディップ式印刷法、インクジェット式印刷法、ディスペンサー式印刷法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、パッド印刷法等が挙げられる。
前記塗布法としては、例えば、スピンコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ロールコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、グラビアコーター等の各種コーターや、ワイヤーバー等を用いる方法が挙げられる。
付着させた前記液状組成物は、必要に応じて乾燥させればよい。
[樹脂組成物]
本発明のマイクロカプセルは、例えば、樹脂組成物の含有成分として好適である。このような樹脂組成物は、本発明のマイクロカプセルと樹脂を含有していれば、特に限定されず、任意の形態とすることができる。
前記樹脂組成物で好ましいものとしては、前記マイクロカプセルを含有する樹脂成形品用のものが挙げられる。
前記樹脂としては、目的に応じて任意に選択でき、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリフェニレンスルファイド、ポリスルホン、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン、ポリイミド等の合成樹脂等が挙げられる。
また、前記樹脂としては、例えば、ポリブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ポリイソブチレンゴム、エチレンゴム、プロピレンゴム、シリコンゴム等の合成ゴム等も挙げられる。
前記樹脂成型品としては、例えば、建物の内装材や家具等の構成材料が挙げられる。
前記樹脂成型品の形状は、目的に応じて任意に選択でき、例えば、シート状、プレート状(板状)、ブロック状等とすることができる。
ただし、ここに挙げた樹脂組成物は、本発明のマイクロカプセルを用いたもののごく一例に過ぎず、本発明のマイクロカプセルを用いた樹脂組成物はこれらに限定されない。
前記樹脂組成物は、例えば、本発明のマイクロカプセルと、樹脂と、必要に応じて硬化剤、溶媒等の他の成分とを配合することで製造できる。そして、得られた樹脂組成物は、その配合成分や目的に応じて適した公知の方法で成形すればよい。
[シート]
本発明のマイクロカプセルは、例えば、シートの含有成分として好適である。このようなシートは、本発明のマイクロカプセルと樹脂を含有していれば、特に限定されず、任意の形態とすることができる。
前記シートで好ましいものとしては、例えば、本発明のマイクロカプセルを含有する層(以下、「マイクロカプセル含有層」と略記することがある)を基材上に備えたものが挙げられる。
前記基材として紙基材を用いた場合の前記シートとしては、例えば、医薬シート(貼付剤)、農薬シート(貼付剤)、抗菌シート、伝票、帳票、記録紙、玩具、通信紙、証券、金券、チケット、ポスター、感圧接着剤層を備えた再剥離性シート、壁紙等が挙げられる。
前記紙基材の紙としては、例えば、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、レジンコート紙、合成紙等が挙げられる。
前記基材として樹脂基材を用いた場合の前記シートとしては、例えば、医薬シート(貼付剤)、農薬シート(貼付剤)、玩具、ポスター、再剥離性シート、壁紙等が挙げられる。
前記樹脂基材の樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリフェニレンスルファイド、ポリスルホン、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン、ポリイミド等の合成樹脂等が挙げられる。
前記基材は、1種の材質からなるものでもよいし、2種以上の材質からなるものでもよく、2種以上の材質からなる場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。2種以上の材質からなる基材としては、例えば、ガラスエポキシ樹脂、ポリマーアロイ等からなる基材が挙げられる。
また、前記基材は、単層からなるものでもよいし、2層以上の複数層からなるものでもよく、複数層からなる場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
前記シートは、前記マイクロカプセル含有層をシートの用途に適した組成とすることで、上述のような各種シートとすることができる。
例えば、基材上にマイクロカプセル含有層として、発色剤及び顕色剤を含有し、これらの少なくとも一方を内包するマイクロカプセルを含有する層を備えることで、経時と共に内包された発色剤又は顕色剤がマイクロカプセルから徐々に放出され、発色して、目的とする情報を表示できるようにしたシートを構成できる。
また、例えば、基材上にマイクロカプセル含有層として、香料を内包するマイクロカプセルと、感圧接着性及び再剥離性を有する接着剤と、を含有する層を備えることで、開封時に芳香性を示す感圧圧着葉書等の再剥離性シートとすることができる。
ここでは、シートとして、前記マイクロカプセル含有層を基材上に備えたものについて説明したが、前記基材として、特定の紙基材等、液状成分が浸透可能なものを用いることで、基材上だけでなく基材中にも前記マイクロカプセルを含有するシートが得られる。
前記シートは、マイクロカプセルを基材上及び基材中のいずれに含有する場合であっても、マイクロカプセルを含有する組成物を用いることで製造できる。
ただし、ここで挙げた本発明のシートはごく一例であり、本発明のシートは、これらに限定されない。
以下、具体的実施例により、本発明についてより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に、何ら限定されるものではない。
<マイクロカプセルの製造>
[実施例1]
セバシン酸ビス(2−エチルヘキシル)(豊国精油社製、50g)と、濃度が75質量%であるイソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加体の酢酸エチル溶液(三井化学社製「タケネートD−140N」、28g、固形分21g)と、の混合物に、1,2,3−ベンゾトリアゾール(東京化成社製、5g)を添加し、溶解させた。次いで、得られた混合物を、濃度が5質量%であるポリビニルアルコール水溶液(150g、固形分7.5g)に添加し、乳化機(プライミクス社製)を用いて、回転数12000rpm、時間10分の条件で乳化させ、乳化液を得た。1,10−ジアミノデカン(東京化成社製、2.62g)及びアジピン酸ジヒドラジド(東京化成社製、0.66g)を蒸留水(30g)に添加して、溶解させた後、この水溶液の全量を、上記で得られた乳化液に添加し、80℃で2時間攪拌することで、界面重縮合を行った。
以上により、1,10−ジアミノデカン及びアジピン酸ジヒドラジドの混合物と、イソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加体(以下、「IPDI−TMP付加体」と略記することがある)と、の重縮合物を膜形成成分とし、芯物質として1,2,3−ベンゾトリアゾールと、溶媒としてセバシン酸ビス(2−エチルヘキシル)及び酢酸エチルと、をそれぞれ内包したマイクロカプセルを、水分散体として得た。
なお、各化合物の構造を、後ほどまとめて示す。
上記で得られたマイクロカプセル水分散体を、上質紙上にバーコーターを用いて塗工し、105℃で90秒乾燥させ、次いで、電子顕微鏡(日本電子社製)を用いて、5000倍の倍率で塗工及び乾燥部位を観察し、目的とするマイクロカプセルが得られたことを確認した。コールターカウンター(ベックマン・コールター社製)を用いて、得られたマイクロカプセルの平均粒子径を測定したところ、2.0μmであった。これらの結果を表2に示す。
[実施例2]
表1に示すように、1,10−ジアミノデカン(2.62g)に代えて、1,12−ジアミノドデカン(東京化成社製、2.62g)を用いた点以外は、実施例1と同じ方法でマイクロカプセルを製造した。得られたマイクロカプセルは、1,12−ジアミノドデカン及びアジピン酸ジヒドラジドの混合物と、IPDI−TMP付加体と、の重縮合物を膜形成成分とし、芯物質として1,2,3−ベンゾトリアゾールと、溶媒としてセバシン酸ビス(2−エチルヘキシル)及び酢酸エチルと、をそれぞれ内包したものであり、水分散体である。
実施例1と同じ方法で、目的とするマイクロカプセルが得られたことを確認し、このマイクロカプセルの平均粒子径を測定したところ、2.1μmであった。結果を表2に示す。
[実施例3]
表1に示すように、1,10−ジアミノデカンの使用量を2.62gに代えて1.64gとし、アジピン酸ジヒドラジドの使用量を0.66gに代えて1.64gとした点以外は、実施例1と同じ方法でマイクロカプセルを製造した。得られたマイクロカプセルは、1,10−ジアミノデカン及びアジピン酸ジヒドラジドの混合物と、IPDI−TMP付加体と、の重縮合物を膜形成成分とし、芯物質として1,2,3−ベンゾトリアゾールと、溶媒としてセバシン酸ビス(2−エチルヘキシル)及び酢酸エチルと、をそれぞれ内包したものであり、水分散体である。
実施例1と同じ方法で、目的とするマイクロカプセルが得られたことを確認し、このマイクロカプセルの平均粒子径を測定したところ、2.0μmであった。結果を表2に示す。
[実施例4]
表1に示すように、1,10−ジアミノデカンの使用量を2.62gに代えて0.66gとし、アジピン酸ジヒドラジドの使用量を0.66gに代えて2.62gとした点以外は、実施例1と同じ方法でマイクロカプセルを製造した。得られたマイクロカプセルは、1,10−ジアミノデカン及びアジピン酸ジヒドラジドの混合物と、IPDI−TMP付加体と、の重縮合物を膜形成成分とし、芯物質として1,2,3−ベンゾトリアゾールと、溶媒としてセバシン酸ビス(2−エチルヘキシル)及び酢酸エチルと、をそれぞれ内包したものであり、水分散体である。
実施例1と同じ方法で、目的とするマイクロカプセルが得られたことを確認し、このマイクロカプセルの平均粒子径を測定したところ、2.2μmであった。結果を表2に示す。
[実施例5]
表1に示すように、アジピン酸ジヒドラジド(0.66g)に代えて、セバシン酸ジヒドラジド(東京化成社製、0.66g)を用いた点以外は、実施例1と同じ方法でマイクロカプセルを製造した。得られたマイクロカプセルは、1,10−ジアミノデカン及びセバシン酸ジヒドラジドの混合物と、IPDI−TMP付加体と、の重縮合物を膜形成成分とし、芯物質として1,2,3−ベンゾトリアゾールと、溶媒としてセバシン酸ビス(2−エチルヘキシル)及び酢酸エチルと、をそれぞれ内包したものであり、水分散体である。
実施例1と同じ方法で、目的とするマイクロカプセルが得られたことを確認し、このマイクロカプセルの平均粒子径を測定したところ、2.1μmであった。結果を表2に示す。
[比較例1]
表1に示すように、1,10−ジアミノデカン(2.62g)及びアジピン酸ジヒドラジド(0.66g)を併用するのに代えて、ジエチレントリアミン(関東化学社製、3.28g)を用いた点以外は、実施例1と同じ方法でマイクロカプセルを製造した。得られたマイクロカプセルは、ジエチレントリアミンと、IPDI−TMP付加体と、の重縮合物を膜形成成分とし、芯物質として1,2,3−ベンゾトリアゾールと、溶媒としてセバシン酸ビス(2−エチルヘキシル)及び酢酸エチルと、をそれぞれ内包したものであり、水分散体である。
実施例1と同じ方法で、目的とするマイクロカプセルが得られたことを確認し、このマイクロカプセルの平均粒子径を測定したところ、2.1μmであった。結果を表2に示す。
[比較例2]
表1に示すように、1,10−ジアミノデカン(2.62g)及びアジピン酸ジヒドラジド(0.66g)を併用するのに代えて、3,3’−ジアミノ−N−メチルジプロピルアミン(東京化成社製、3.28g)を用いた点以外は、実施例1と同じ方法でマイクロカプセルを製造した。得られたマイクロカプセルは、3,3’−ジアミノ−N−メチルジプロピルアミンと、IPDI−TMP付加体と、の重縮合物を膜形成成分とし、芯物質として1,2,3−ベンゾトリアゾールと、溶媒としてセバシン酸ビス(2−エチルヘキシル)及び酢酸エチルと、をそれぞれ内包したものであり、水分散体である。
実施例1と同じ方法で、目的とするマイクロカプセルが得られたことを確認し、このマイクロカプセルの平均粒子径を測定したところ、2.0μmであった。結果を表2に示す。
[比較例3]
表1に示すように、1,10−ジアミノデカン(2.62g)及びアジピン酸ジヒドラジド(0.66g)を併用するのに代えて、メラミン(東京化成社製、3.28g)を用いた点以外は、実施例1と同じ方法でマイクロカプセルを製造した。得られたマイクロカプセルは、メラミンと、IPDI−TMP付加体と、の重縮合物を膜形成成分とし、芯物質として1,2,3−ベンゾトリアゾールと、溶媒としてセバシン酸ビス(2−エチルヘキシル)及び酢酸エチルと、をそれぞれ内包したものであり、水分散体である。
実施例1と同じ方法で、目的とするマイクロカプセルが得られたことを確認し、このマイクロカプセルの平均粒子径を測定したところ、2.1μmであった。結果を表2に示す。
[比較例4]
表1に示すように、1,10−ジアミノデカン(2.62g)及びアジピン酸ジヒドラジド(0.66g)を併用するのに代えて、尿素(東京化成社製、3.28g)を用いた点以外は、実施例1と同じ方法でマイクロカプセルを製造した。得られたマイクロカプセルは、尿素と、IPDI−TMP付加体と、の重縮合物を膜形成成分とし、芯物質として1,2,3−ベンゾトリアゾールと、溶媒としてセバシン酸ビス(2−エチルヘキシル)及び酢酸エチルと、をそれぞれ内包したものであり、水分散体である。
実施例1と同じ方法で、目的とするマイクロカプセルが得られたことを確認し、このマイクロカプセルの平均粒子径を測定したところ、2.0μmであった。結果を表2に示す。
[比較例5]
表1に示すように、1,10−ジアミノデカン(2.62g)及びアジピン酸ジヒドラジド(0.66g)を併用するのに代えて、アジピン酸ジヒドラジド(3.28g)のみを用いた点以外は、実施例1と同じ方法でマイクロカプセルを製造した。得られたマイクロカプセルは、アジピン酸ジヒドラジドと、IPDI−TMP付加体と、の重縮合物を膜形成成分とし、芯物質として1,2,3−ベンゾトリアゾールと、溶媒としてセバシン酸ビス(2−エチルヘキシル)及び酢酸エチルと、をそれぞれ内包したものであり、水分散体である。
実施例1と同じ方法で、目的とするマイクロカプセルが得られたことを確認し、このマイクロカプセルの平均粒子径を測定したところ、2.1μmであった。結果を表2に示す。
[比較例6]
表1に示すように、1,10−ジアミノデカン(2.62g)及びアジピン酸ジヒドラジド(0.66g)を併用するのに代えて、1,10−ジアミノデカン(3.28g)のみを用いた点以外は、実施例1と同じ方法でマイクロカプセルを製造した。得られたマイクロカプセルは、1,10−ジアミノデカンと、IPDI−TMP付加体と、の重縮合物を膜形成成分とし、芯物質として1,2,3−ベンゾトリアゾールと、溶媒としてセバシン酸ビス(2−エチルヘキシル)及び酢酸エチルと、をそれぞれ内包したものであり、水分散体である。
実施例1と同じ方法で、目的とするマイクロカプセルが得られたことを確認し、このマイクロカプセルの平均粒子径を測定したところ、2.1μmであった。結果を表2に示す。
[比較例7]
表1に示すように、アジピン酸ジヒドラジド(0.66g)に代えて、尿素(東京化成社製、0.66g)を用いた点以外は、実施例1と同じ方法でマイクロカプセルを製造した。得られたマイクロカプセルは、1,10−ジアミノデカン及び尿素の混合物と、IPDI−TMP付加体と、の重縮合物を膜形成成分とし、芯物質として1,2,3−ベンゾトリアゾールと、溶媒としてセバシン酸ビス(2−エチルヘキシル)及び酢酸エチルと、をそれぞれ内包したものであり、水分散体である。
実施例1と同じ方法で、目的とするマイクロカプセルが得られたことを確認し、このマイクロカプセルの平均粒子径を測定したところ、2.2μmであった。結果を表2に示す。
[比較例8]
表1に示すように、濃度が75質量%であるIPDI−TMP付加体の酢酸エチル溶液(固形分21g)に代えて、濃度が75質量%であるトリレン−2,4−ジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加体の酢酸エチル溶液(三井化学社製「タケネートD−103H」、28g、固形分21g)を用いた点以外は、実施例1と同じ方法でマイクロカプセルを製造した。得られたマイクロカプセルは、1,10−ジアミノデカン及びアジピン酸ジヒドラジドの混合物と、トリレン−2,4−ジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加体(以下、「TDI−TMP付加体」と略記することがある)と、の重縮合物を膜形成成分とし、芯物質として1,2,3−ベンゾトリアゾールと、溶媒としてセバシン酸ビス(2−エチルヘキシル)及び酢酸エチルと、をそれぞれ内包したものであり、水分散体である。
実施例1と同じ方法で、目的とするマイクロカプセルが得られたことを確認し、このマイクロカプセルの平均粒子径を測定したところ、1.9μmであった。結果を表2に示す。
[比較例9]
表1に示すように、濃度が75質量%であるIPDI−TMP付加体の酢酸エチル溶液(固形分21g)に代えて、濃度が75質量%であるキシリレン−1,3−ジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加体の酢酸エチル溶液(三井化学社製「タケネートD−110N」、28g、固形分21g)を用いた点以外は、実施例1と同じ方法でマイクロカプセルを製造した。得られたマイクロカプセルは、1,10−ジアミノデカン及びアジピン酸ジヒドラジドの混合物と、キシリレン−1,3−ジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加体(以下、「XDI−TMP付加体」と略記することがある)と、の重縮合物を膜形成成分とし、芯物質として1,2,3−ベンゾトリアゾールと、溶媒としてセバシン酸ビス(2−エチルヘキシル)及び酢酸エチルと、をそれぞれ内包したものであり、水分散体である。
実施例1と同じ方法で、目的とするマイクロカプセルが得られたことを確認し、このマイクロカプセルの平均粒子径を測定したところ、1.8μmであった。結果を表2に示す。
[比較例10]
表1に示すように、1,2,3−ベンゾトリアゾール(5g)に代えて、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール(東京化成社製、5g)を用いた点以外は、実施例1と同じ方法でマイクロカプセルの製造を試みた。
しかし、実施例1と同じ方法で、反応後の液体を観察したところ、目的とするマイクロカプセルが得られなかったことが確認された。結果を表2に示す。
<マイクロカプセルの評価>
[変色の抑制]
上記で得られた各実施例及び比較例のマイクロカプセル水分散体を、上質紙上にバーコーターを用いて塗工し、105℃で90秒乾燥させた。次いで、この塗工及び乾燥済みの上質紙を、220℃のオーブン内に40秒置いて加熱した後、オーブンから取り出して、上質紙上の乾燥物(すなわち、マイクロカプセル水分散体を塗工し、乾燥させたもの)の変色の有無を目視で確認した。そして、変色が見られなかった場合を○、変色が見られた場合を×として、マイクロカプセルの変色の有無を評価した。結果を表2に示す。
[芯物質の含有量低下の抑制]
上記で得られた各実施例及び比較例のマイクロカプセル水分散体(0.4g)を、アセトニトリル(100mL)に添加した後、超音波を加えて30分撹拌した。
次いで、この撹拌後の液状物から試料(2mL)を採取し、下記条件で高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により分析し、予め作成しておいた検量線を用いて、芯物質のピークの面積値から前記試料の芯物質の含有量を求めた。そして、下記式により、マイクロカプセル製造後の芯物質の残存率を算出した。結果を表2に示す。
[マイクロカプセル製造後の芯物質の残存率(質量%)]=[試料の芯物質の含有量(g)]/[マイクロカプセル製造時の芯物質の使用量(g)]×100
(HPLC分析条件)
分析装置:島津製作所社製
カラム:Pheonix社製LUNA HILICカラム
移動相:アセトニトリル/水(9/1、体積比)
流量:0.5mL/分
検出波長:195nm
上述の芯物質の残存率は、マイクロカプセルの製造開始以降の段階において、芯物質の含有量低下が抑制され、マイクロカプセルに目的とする量の芯物質が安定して内包されている安定性の尺度となるものである。
なお、計算上、芯物質の残存率の算出結果が100質量%を超える場合があるが、これは、マイクロカプセルの製造開始以降、芯物質が全く又はほとんど、目的外の反応を起こすことなく、マイクロカプセル中に内包されていると解釈でき、実質的に残存率が100質量%であるとみなせるが、表2においては、残存率が100質量%である場合と区別するために、「芯物質の残存率」の欄に、「>100質量%」と記載している。
そして、芯物質の残存率が100質量%以上である場合には◎と判定し、80質量%以上100質量%未満である場合には○と判定し、80質量%未満である場合には×と判定した。これらの結果もあわせて表2に示す。
[総合評価]
変色の抑制の評価結果が○で、かつ芯物質の含有量低下の抑制の評価結果が◎又は○である場合には、総合評価を○と判定し、変色の抑制の評価結果と芯物質の含有量低下の抑制の評価結果との少なくとも一方が×である場合には、総合評価を×と判定した。結果を表2に示す。
Figure 2017094313
Figure 2017094313
Figure 2017094313
Figure 2017094313
Figure 2017094313
上記結果から明らかなように、実施例1〜5では、膜形成成分の原料と芯物質として、特定範囲の化合物の組み合わせ、すなわち、膜形成成分の原料としてはポリアミノ化合物である化合物(1)及び化合物(2)、ポリイソシアネート化合物としては非芳香族ポリイソシアネート化合物、をそれぞれ用い、芯物質としてはアミノ基及びアミノ基塩形成基を有しない化合物を用いたことにより、マイクロカプセルの変色と、芯物質の含有量低下と、が顕著に抑制された。
これに対して、比較例1〜4では、ポリアミノ化合物として化合物(1)及び化合物(2)のいずれにも該当しない化合物を用いたことにより、マイクロカプセルの変色と、芯物質の含有量低下と、のいずれか一方が抑制されなかった。
また、比較例5〜6では、ポリアミノ化合物として化合物(1)又は化合物(2)を単独で用いたことにより、マイクロカプセルの変色と、芯物質の含有量低下と、のいずれか一方が抑制されなかった。ただし、化合物(1)を単独で用いた比較例6は、マイクロカプセルの変色が抑制されなかった点では同じである比較例1及び2と比較すると、その変色の程度は低かった。
また、比較例7では、ポリアミノ化合物として化合物(1)を用いたものの、化合物(2)を用いなかったことにより、芯物質の含有量低下が抑制されなかった。
一方、比較例8〜9では、ポリイソシアネート化合物として芳香族ポリイソシアネート化合物を用いたことにより、芯物質の含有量低下が抑制されなかった。
また、比較例10では、芯物質としてアミノ基を有する化合物を用いたことにより、この化合物が非芳香族ポリイソシアネート化合物と反応してしまい、ポリアミノ化合物(すなわち、化合物(1)及び化合物(2))と非芳香族ポリイソシアネート化合物との縮合反応が阻害され、マイクロカプセルを製造できなかった。
本発明は、医薬、殺菌剤、農薬、有害成分除去剤等をはじめとする各種の有効成分を芯物質として内包したマイクロカプセルに利用可能である。

Claims (2)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物の混合物と、芳香族基を有しないポリイソシアネート化合物と、の重縮合物を膜形成成分とし、
    アミノ基及びアミノ基が塩を形成している基を有しない芯物質を内包する、マイクロカプセル。
    Figure 2017094313
    (式中、R及びRは、それぞれ独立に鎖状の飽和炭化水素基であり、前記飽和炭化水素基中の1個以上のメチレン基は、式「−NH−」で表される基又は酸素原子で置換されていてもよく;m及びnは、それぞれ独立に2以上の整数であり;これら式中のアミノ基を構成していない式「−NH−」で表される基は、塩を形成していてもよい。)
  2. 請求項1に記載のマイクロカプセルを含有する液状組成物。
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