JP2017092280A - 圧電セラミック、圧電セラミック電子部品、及び圧電セラミックの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高電界駆動時の発熱を抑制することができ、電力効率が良好な圧電セラミック、この圧電セラミックを使用した圧電トランスや圧電アクチュエータ等のハイパワーデバイスに適した各種圧電セラミック電子部品、及び上記圧電セラミックの製造方法を実現する。【解決手段】PZT系のペロブスカイト型化合物を含有し、結晶粒子2が、ドメインウォール33によって複数のドメイン36に領域分割されると共に、結晶粒子2は、固有のドメインサイズLを有し、ドメインサイズLが100nm以下の結晶粒子が、面積比率で30%以上存在する。焼成工程は、分極処理後において100nm以下のドメインサイズを有する結晶粒子が面積比率で30%以上となるように、第1の所定温度で短時間焼成した後、第1の所定温度より低い第2の所定温度で長時間焼成する。【選択図】図1
Description
本発明は圧電セラミック、圧電セラミック電子部品、及び圧電セラミックの製造方法に関し、より詳しくは圧電トランスや圧電アクチュエータ等のハイパワーデバイス用途に適した圧電セラミック、該圧電セラミックを使用した各種圧電セラミック電子部品、及び上記圧電セラミックの製造方法に関する。
近年、圧電セラミック電子部品は、様々な技術分野に使用されており、トランス、マイクロブロア、超音波モータ、霧化モジュールなどの共振大変位駆動型のハイパワーデバイスに広く使用されている。
また、この種の圧電セラミック電子部品に使用されるセラミック材料としては、良好な圧電特性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(以下、「PZT」という。)が広く使用されている。
ところで、上記したハイパワーデバイスでは、駆動時の発熱が更なる発熱を招き、温度制御が困難になるいわゆる熱暴走が生じ易く、このため圧電セラミック電子部品には高い機械的品質係数Qmが求められる。圧電セラミック電子部品は、機械的品質係数Qmが高いほどエネルギー損失が少なく、機械的品質係数Qmが低いほどエネルギー損失が大きいことが知られている。そして、熱暴走により生じる熱エネルギーは、エネルギー損失となって外部に放出されることから、圧電セラミック電子部品は、機械的品質係数Qmを高くしてエネルギー損失を低減することが求められる。
特に、圧電トランスでは、駆動時の発熱が、熱暴走の惹起のみならず周辺回路にも影響を及ぼし、このためデバイス特性の低下を招くおそれがある。したがって、駆動時の発熱を極力抑制できるように高電界駆動時の消費電力を低減することが求められる。
そして、特許文献1には、組成式を(PbuA1-u)v{(Sb1/2Nb1/2)xTiyZrz}2-vO3(ただし、x+y+z=1、0.84≦u≦0.99、0.95≦v≦1.05、0.01≦x≦0.20、0.38≦y≦0.59、0.32≦z≦0.50)と表したとき、記号Aが{La,Nd,Pr,Bi}からなる群(A)から選ばれた少なくとも一種の成分であり、MnO2に換算して0.5〜2モル%のMn化合物を添加する圧電磁器組成物が提案されている。
特許文献1では、PZT系の圧電磁器組成物が上記成分組成を有することにより、高電界駆動させても機械的品質係数の低下が抑制された全波長(λ)モードで励振する圧電トランスが記載されている。
ところで、特許文献1のような圧電トランスの場合、出力特性と素子サイズとの間には相関関係があり、出力特性は素子サイズが大きくなると向上し、素子サイズが小さくなると低下することが知られている。
一方、近年では、スマートフォンやタブレット端末等のモバイル端末及びその周辺機器の更なる小型化・高性能化が要請されており、素子を小型化しても良好な出力特性を確保することが求められている。例えば、スマートフォンで5W、タブレット端末で10W程度の伝送能力が必要とされている。
しかしながら、特許文献1記載の圧電トランスを上述した小型のモバイル端末や周辺機器に内蔵させようとした場合、素子サイズも小さくしなければならず、このため出力特性が低下して1W以下の伝送能力しか得られず、十分な電力効率を有する圧電トランスを得るのが困難である。
また、この種の圧電トランスでは、大きな振動速度で高電界駆動させる必要があり、そのような場合であっても消費電力を極力低減して発熱を抑制する必要がある。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、高電界駆動時の発熱を抑制することができ、電力効率が良好な圧電セラミック、この圧電セラミックを使用した圧電トランスや圧電アクチュエータ等のハイパワーデバイスに適した各種圧電セラミック電子部品、及び上記圧電セラミックの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するためにPZT系材料を使用し鋭意研究を行ったところ、高電界駆動時の発熱を抑制するためには、分極処理後に形成される結晶粒子のドメインを微細化するのが効果的であることが分かった。
そこで、本発明者が更に鋭意研究を重ねたところ、ドメインサイズが100nm以下の結晶粒子の面積比率が30%以上となるようにドメインを微細化することにより、高い機械的品質係数Qmを確保することができ、これにより高電界駆動時の消費電力を低減できて発熱を抑制でき、かつ良好な電力効率を有する高出力の圧電セラミックを得ることができるという知見を得た。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、本発明に係る圧電セラミックは、少なくともPb、Zr、及びTiを含むペロブスカイト型化合物を含有し、結晶粒子は、ドメインウォールによって複数のドメインに領域分割されると共に、前記結晶粒子毎に固有のドメインサイズを有し、前記ドメインサイズが100nm以下の結晶粒子が、面積比率で30%以上存在することを特徴としている。
また、本発明の圧電セラミックは、同一方位に整列された一群の前記ドメインウォールでドメインウォール群が形成されると共に、前記固有のドメインサイズは、前記ドメインウォール群に属するドメインウォールの個数に基づいて決定されるのが好ましい。
さらに、本発明の圧電セラミックは、同一方位に整列された一群の前記ドメインウォールでドメインウォール群が形成されると共に、前記結晶粒子は、方位が異なる複数の前記ドメインウォール群を有し、前記固有のドメインサイズは、前記複数のドメインウォール群のうち、面積比率が最大のドメインウォール群に属するドメインウォールの個数に基づいて決定されるが好ましい。
また、本発明者が鋭意研究を行ったところ、高電界駆動時の発熱と結晶粒子の平均粒径との間にも相関関係があり、結晶粒子の平均粒径が1μm以下になると、ドメインを微細化した場合と同様の効果が得られることが分かった。
すなわち、本発明の圧電セラミックは、前記結晶粒子は、平均粒径が1μm以下であるのが好ましい。
尚、結晶粒子の平均粒径は、いわゆるインタセプト法で測定することができる。
また、より良好な圧電特性を得る観点からは、圧電セラミック中にMn、Nb、Sb等を含有するのも好ましい。
すなわち、本発明の圧電セラミックは、Mn及びNbの中から選択された少なくとも1種の元素が含有されているのが好ましい。
また、本発明に係る圧電セラミック電子部品は、圧電体と内部電極とが交互に積層された積層焼結体を有し、前記圧電体が、上述した圧電セラミックで形成されていることを特徴としている。
これにより高い機械的品質係数Qmを確保できるので、高電界駆動時の発熱を抑制できる圧電セラミック電子部品としての圧電共振子や圧電アクチュエータを得ることができる。
また、本発明に係る圧電セラミック電子部品は、圧電体が入力領域と出力領域とを有し、前記入力領域に供給された電圧信号を変圧して前記出力領域から出力する圧電セラミック電子部品であって、前記圧電体が、上述した圧電セラミックで形成されていることを特徴としている。
これにより高い機械的品質係数Qmを確保できることから、高電界駆動時の発熱を抑制でき、電力効率が良好な圧電セラミック電子部品としての圧電トランスを得ることができる。
また、本発明の圧電セラミック電子部品は、前記入力領域及び前記出力領域の少なくともいずれか一方は、前記圧電体と内部電極とが交互に積層された積層構造を有するのが好ましい。
これにより、例えば、入力領域が積層構造を有し、出力領域が単層構造を有する圧電トランスを得ることができる。
また、本発明の圧電セラミック電子部品は、前記入力領域及び前記出力領域は、いずれも前記圧電体と内部電極とが交互に積層された積層構造を有し、前記内部電極の電極間距離が、前記入力領域と前記出力領域とで異なるのも好ましい。
これにより入力領域及び出力領域の双方が積層構造を有する圧電トランスを有する圧電トランスを得ることができる。
また、本発明者は製造方法について試行錯誤を繰り返したところ、焼成工程において、高温の第1の所定温度で短時間焼成した後、前記第1の所定温度より低い第2の所定温度で長時間焼成することにより、ドメインサイズが100nm以下の結晶粒子が30%以上となるように結晶粒子のドメインを微細化できることが分かった。
すなわち、本発明に係る圧電セラミックの製造方法は、少なくともPb化合物、Zr化合物、及びTi化合物を含むセラミック素原料を調合し、仮焼してセラミック原料粉末を作製する原料粉末作製工程と、前記セラミック原料粉末に成形加工を施し、セラミック成形体を作製する成形体作製工程と、前記セラミック成形体を焼成し、結晶粒子の集合体で形成された焼結体を得る焼成工程と、前記焼結体に分極処理を施す分極工程とを含み、前記焼成工程は、前記分極処理後において100nm以下のドメインサイズを有する結晶粒子が面積比率で30%以上となるように、第1の所定温度で短時間焼成した後、前記第1の所定温度より低い第2の所定温度で長時間焼成することを特徴としている。
また、本発明の圧電セラミックの製造方法は、前記結晶粒子の平均粒径を1μm以下に形成するのが好ましい。
また、本発明の圧電セラミックの製造方法では、前記焼成工程は、前記第1の所定温度に急速に昇温させ、前記第1の所定温度から前記第2の所定温度に急速の降温させるのが好ましい。
本発明の圧電セラミックによれば、少なくともPb、Zr、及びTiを含むペロブスカイト型化合物を含有し、前記結晶粒子は、ドメインウォールによって複数のドメインに領域分割されると共に、前記結晶粒子毎に固有のドメインサイズを有し、前記ドメインサイズが100nm以下の結晶粒子が、面積比率で30%以上存在するので、高い機械的品質係数Qmを確保でき、これにより高電界駆動時の発熱を抑制でき、電力効率が良好な圧電セラミックを得ることができる。
本発明の圧電セラミック電子部品によれば、圧電体と内部電極とが交互に積層された積層焼結体を有し、前記圧電体が、上述した圧電セラミックで形成されているので、高い機械的品質係数Qmを確保でき、これにより高電界駆動時の発熱を抑制でき、電力効率の良好な圧電共振子や圧電アクチュエータ等を得ることができる。
また、本発明の圧電セラミック電子部品によれば、圧電体が入力領域と出力領域とを有し、前記入力領域に供給された電圧信号を変圧して前記出力領域から出力する圧電セラミック電子部品であって、前記圧電体が、上述した圧電セラミックで形成されているので、高電界駆動時の発熱を抑制でき、電力効率が良好な圧電トランスを得ることができる。
また、本発明の圧電セラミックの製造方法によれば、上述した原料粉末作製工程、成形体作製工程、焼成工程、及び分極工程を含み、前記焼成工程は、前記分極処理後において100nm以下のドメインサイズを有する結晶粒子が面積比率で30%以上となるように、第1の所定温度で短時間焼成した後、前記第1の所定温度より低い第2の所定温度で長時間焼成するので、ドメインを微細化することができ、これにより高い機械的品質係数Qmを確保できるので、高電界駆動時の発熱を抑制でき、電力効率が良好な圧電セラミックを製造することができる。
次に、本発明の実施の形態を詳説する。
図1は、本発明に係る圧電セラミックの微細構造の一実施の形態を示す模式断面図である。
本圧電セラミックは、少なくともPb、Zr及びTiを含むチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のペロブスカイト型化合物を含有している。そして、圧電セラミックは、結晶粒子2と結晶粒界3とを備えた焼結体で形成されている。尚、結晶粒界3にはいわゆる結晶三重点3aも含まれる。
結晶粒子2は、ドメインウォール33によって複数のドメイン36に領域分割されると共に、前記結晶粒子2は固有のドメインサイズLを有している。そして、本実施の形態では、ドメインサイズLが100nm以下の結晶粒子2は、面積比率で30%以上存在している。
これにより機械的品質係数Qmが高くすることができ、その結果、エネルギー損失が低減されて高電界駆動時の消費電力が低減され、発熱が抑制され、電力効率が良好で高出力が可能な圧電セラミックを実現することができる。
具体的には、2000以上の高い機械的品質係数Qmを有し、消費電力や発熱が抑制され、高電界を印加しても55W/cm3以上の高出力が可能なハイパワーデバイスに適した圧電セラミックを得ることができる。
すなわち、PZT系のペロブスカイト型化合物のような強誘電性の圧電セラミックは、常誘電相からキュリー点を経て強誘電相に相転移するときに、結晶粒内のエネルギーが最も低くなるように、自発分極の方向が異なる多くのドメイン36に領域分割される。そして、斯かる強誘電性の圧電セラミックに抗電界以上の直流電界が印加されると、ドメインスイッチングと呼称される現象が生じてドメインウォール33が移動し、ドメインは電界方向に揃うようになる。
尚、上記ドメインスイッチングは、分極処理の際のみに生じるものではなく、駆動時に交流電圧を印加したときにも生じる可能性がある。
ドメインサイズLが大きく、ドメインウォール33間の間隔が広くなると、1つのドメインウォール33に集中するエネルギーが大きくなる。したがって、1つ当たりのドメインウォール33に付与されるエネルギーが大きくなり、このためドメインウォール33が移動し易くなる。この場合、ドメインウォール33の移動によって圧電セラミック内にエネルギー損失が生じ、このエネルギー損失が熱エネルギーに変換されて圧電セラミックの発熱を招くおそれがある。
これに対しドメインサイズLが小さく、ドメインウォール33間の間隔が狭い場合は、1つ当たりのドメインウォール33に付与されるエネルギーが小さくなることから、ドメインウォール33は移動し難くなり、エネルギー損失を低減することができる。そしてこれにより圧電セラミックの発熱を抑制することができ、消費電力を低減することが可能となる。
そこで、本発明者は、斯かる観点から鋭意研究を重ねた結果、ドメインサイズLが100nm以下の結晶粒子を面積比率で30%以上存在させることにより、機械的品質係数Qmが高く、高電界駆動時の消費電力が低減されて発熱が抑制された高出力が可能な圧電セラミックを実現することができるということを見出した。
次に、ドメインサイズの算出手順について詳述する。
図2は、ドメインサイズの算出手順を示す図である。
ドメインサイズは、例えば走査型電子顕微鏡を使用し、所定の視野領域を観察して算出することができる。
ドメインウォールは、視野領域内で全て同一方位に整列しているとは限らず、方位の異なるドメインウォールが一群をなし、一定の分布を有していると考えられる。
図2(a)はドメイン分布の一例を示している。
1つの結晶粒子2中に、同一方位に整列した複数のドメインウォール33、34が存在し、これら一群のドメインウォール33、34でドメインウォール群31、32がそれぞれ形成されている。そして、ドメインウォール群31とドメインウォール群32とでは、ドメインウォール33、34の方位が異なり、本実施の形態では、ドメインウォール群32のドメインウォール34は、ドメインウォール群31のドメインウォール33に対し約45°傾斜している。
そして、結晶粒子2に固有のドメインサイズLを算出する際、図2(a)に示すように、方位が異なる複数のドメインウォール群31、32が存在する場合は、ドメインウォール群31、32のうち面積比率が最大のドメインウォール群31が選択される。
次いで、図2(b)に示すように、選択されたドメインウォール群31のドメインウォール33に対し垂直方向に直線35を引く。そして、直線35と交叉するドメインウォール33の個数を計数し、直線35の長さをドメインウォール33の個数で除算し、これにより当該結晶粒子2に固有のドメインサイズLが決定される。
尚、視野領域で観察される1つの結晶粒子のドメインウォールが全て同一方位に整列している場合は、図2(a)の手順を経ることなく、図2(b)に示す手順が実行される。
このような手順で、図2(c)に示すように、結晶粒子に固有のドメインサイズLを各結晶粒子毎に順次求め、さらに観察画面を変えて複数の視野領域(例えば、10か所)についても同様に各結晶粒子に固有のドメインサイズLを算出する。
尚、視野領域内で結晶粒子全体を観察できない結晶粒子については、上述のドメインサイズLの算出対象外とする。
その後、ドメインサイズLが100nm以上の結晶粒子が占める面積比率を算出する。そして、本実施の形態では、この面積比率が30%以上とされている。
尚、本圧電セラミックはPZT系化合物であれば、必要に応じ添加成分、例えば、Mn及びNbのうちの少なくとも1種を含有していてもよく、これにより、より一層圧電特性を向上させることが可能である。
また、上記実施の形態では、ドメインサイズLが100nm以下の結晶粒子の面積比率を30%以上存在させているが、ドメインサイズLを100nm以下に微細化した場合、ドメインサイズLの微細化に伴い、結晶粒子2の平均粒径Dも微小化し、後述する実施例からも明らかなように、平均粒径は1μm以下になる蓋然性が高い。したがって、平均粒径は1μm以下とするのが好ましい。
尚、平均粒径の測定方法は、特に限定されるものではないが、インタセプト法で計測するのが好ましい。
インタセプト法は、後述するように、観察画面上の対角線長さと対角線上にある結晶粒子の個数に基づいて結晶粒子2の平均粒径Dを算出するものであり、平均粒径の測定を簡便に行うことができる。
次に、上記圧電セラミックの製造方法を詳述する。
まず、セラミック素原料として、少なくともPbを含有したPb化合物、Zrを含有したZr化合物、及びTiを含有したTi化合物を用意し、必要に応じてMnを含有したMn化合物、Nbを含有したNb化合物、Sbを含有したSb化合物等を用意する。
そして、焼結後に所定の組成比となるように上記セラミック素原料を秤量する。次いで、これらの秤量物を部分安定化ジルコニア(PSZ)等の粉砕媒体が内有されたボールミルに投入し、純水やエタノール等を溶剤として十分に湿式混合処理を行ない、脱水した後、大気雰囲気下、温度800℃〜1000℃で仮焼し、セラミック原料粉末を得る。
次に、このセラミック原料粉末を解砕した後、ポリビニルアルコール樹脂などの有機バインダを添加し、再び粉砕媒体の内有されたボールミルに投入して十分に湿式で粉砕し、スラリーを作製する。
次いで、このスラリーにドクターブレード法等の成形加工を行い、セラミックグリーンシートを作製し、このセラミックグリーンシートを積層し、圧着してセラミック成形体を作製する。
次に、このセラミック成形体を匣(さや)に入れ、炉内に載置し焼成処理を行う。
図3は、焼成処理時の焼成プロファイルを示す図である。
すなわち、まず、所定の昇温速度(例えば、2〜4℃/分)で炉内温度を第1の所定温度T1(例えば、1000〜1100℃)に急速に昇温し、所定の短時間Δt(例えば、1〜3分)、高温で焼成し(第1段階)、その後所定の降温速度(例えば、例えば、2〜4℃/分)で急速に第2の所定温度T2(例えば、800〜900℃)に降温させ、この第2の所定温度T2で所定の長時間Δt2(例えば、15〜25時間)焼成し(第2段階)、焼成処理を完了する。
このように第1段階では、第1の所定温度で短時間焼成していることから、焼結を促進させ、その後、第2段階で低温焼成しているので、粒成長するのを抑制でき、したがって結晶粒径が粗大化するのを回避することができる。その結果、ドメインサイズLが100nm以下に微細化される確率が増し、結晶粒子の平均粒径が1μmの微小化された圧電セラミックを得ることができる。
すなわち、1段階プロセスで焼成した場合、焼成温度を高くすると、熱エネルギーも大きくなり、このためセラミック原料粉末の粒成長が促進され、結晶粒子の平均粒径が大きくなって粗大化し、ドメインサイズLも大きくなる。
一方、焼成温度を低くすると、結晶粒子2の再配列が行われずに粒成長が進行するため、焼結性に劣り、緻密な焼結体を得ることができなくなるおそれがある。
そこで、本実施の形態では、焼成処理を2段階に分け、第1段階では高温の第1の所定温度T1で短時間Δt1の焼成を行い、これにより粒成長を促進させることなく結晶粒子1の再配列を行なっている。続く第2段階では、第1の所定時間T1よりも低い第2の所定温度T2に降温させ、この第2の所定温度T2で長時間Δt2の焼成を行っている。そしてこれにより結晶粒子2の平均粒径Dが1μmを超えて粗大化するのを抑制することができ、ドメインサイズLが100nm以下に微細化される確率が増加する。
尚、第1の所定温度T1への昇温速度及び第1の所定温度T1から第2の所定温度T2への降温速度は、いずれも大きいのが好ましく、これら昇温速度及び降温速度をいずれも急速にすることにより、結晶粒子2における結晶構造の微細化や結晶粒子2の微小化に寄与することができる。
また、焼成処理時の雰囲気は、特に限定されるものではないが、低酸素雰囲気で焼成するのが好ましい。
特に、後述する内部電極を有する積層型のセラミック電子部品を作製する場合は、内部電極材料のセラミック原料粉末側への拡散を防止する観点から、低酸素雰囲気で焼成するのが好ましい。
また、例えば、PZTにMnを含有して圧電セラミックを形成する場合は、MnをBサイトに固溶させる必要があり、Mnの価数等の関係からMnが酸化されないような低酸素雰囲気で焼成するのが好ましい。
次に、本圧電セラミックを使用した圧電セラミック電子部品について詳述する。
図4は圧電セラミック電子部品の第1の実施の形態を示す模式断面図であり、本第1の実施の形態は、圧電アクチュエータの一例を示している。
この圧電アクチュエータは、本発明の圧電セラミックで形成された圧電体4a〜4hと内部電極5a〜5gとを備えた積層焼結体6を有し、積層焼結体6の外表面に外部電極7a、7bが形成されている。圧電体4b、4d、4f、4hは矢印A方向に分極され、圧電体4c、4e、4gは矢印B方向に分極されている。すなわち、圧電体4b〜4hは、各層毎に分極方向が逆向きとなるように構成されている。
積層焼結体6は、圧電体4a〜4hと内部電極5a〜5gとが交互に積層され、内部電極5a、5c、5e、5gが一方の外部電極7aと電気的に接続され、内部電極5b、5d、5fが他方の外部電極7bと電気的に接続されている。
尚、内部電極材料や外部電極材料は、特に限定されるものではないが、Ag、Ag−Pdを好んで使用することができる。
この圧電アクチュエータでは、外部電極7a、7bに電圧が印加されると、逆圧電効果により矢印X方向に変位し、機械的エネルギーが取り出され、各種電子機器を高精度に制御することができる。
そして本第1の実施の形態では、圧電体4a〜4hが本発明の圧電セラミックで形成されているので、機械的品質係数Qmが高く、高電界を印加してもエネルギー損失が低減され、消費電力が低減され発熱が抑制され、電力効率が良好で高出力が可能なハイパワーデバイス用途に適した圧電アクチュエータを得ることができる。
この圧電アクチュエータは、以下のようにして容易に製造することができる。
導電性ペーストを用意し、上記圧電セラミックの製造過程で作製されたセラミックグリーンシートの表面にスクリーン印刷法等により導電性ペーストを塗布して所定の導電パターンを形成する、次いで導電パターンが形成されたセラミックグリーンシートを所定方向に積層した後、導電パターンが形成されていないセラミックグリーンシートを最上層に載置し、熱圧着して積層成形体を作製する。次いで、この積層成形体を上述した2段階の焼成プロセスで焼成し、圧電体4a〜4hと内部電極5a〜5gとが交互に配された積層焼結体6を得る。その後、真空蒸着法等を使用して積層焼結体6の外表面に外部電極7a、7bを形成する。そしてこの後、加熱下、外部電極7a、7bに電界を所定時間印加し、矢印A方向及び矢印B方向に分極処理を行い、これにより圧電アクチュエータが作製される。
図5は圧電セラミック電子部品の第2の実施の形態を示す模式断面図であり、本第2の実施の形態は、圧電トランスの一例を示している。
本発明の圧電セラミックで形成された圧電体8が、入力部9と出力部10とを有し、入力部9に供給された電圧信号が変圧されて出力部10から出力するように構成されている。
入力部9は、具体的には、圧電体11a〜11jと内部電極12a〜12hとが交互に積層された積層構造を有し、圧電体11aの下面及び圧電体11jの上面には入力電極13a、13bが形成され、内部電極12a〜12hは入力電極13a、13bと電気的に接続されている。そして、圧電体11a、11c、11e、11g、11iは矢印C方向に分極され、圧電体11b、11d、11f、11h、11jは矢印D方向に分極されている。すなわち、圧電体11a〜11jは、各層毎に分極方向が逆向きとなるように構成されている。
また、出力部10は、内部電極を有さない単層構造とされ、出力電極14が一端面に形成され、矢印E方向に分極されている。
このように形成された圧電トランスは、入力電極13a、13bに共振周波数の交流電圧が印加されると、逆圧電効果により機械的エネルギーに変換され機械振動が励起される。次いで、この機械振動が圧電効果により電気エネルギーに変換され、入力部9と出力部10との容量比に応じ昇圧された電圧信号が出力電極14から出力される。
そして、本第2の実施の形態では、圧電体8、11a〜11jが本発明の圧電セラミックで形成されているので、機械的品質係数Qmが高く、高電界を印加してもエネルギー損失が低減され、消費電力が低減され発熱が抑制され、電力効率が良好で高出力が可能な圧電トランスを得ることができる。
尚、第2の実施の形態においても、内部電極材料や外部電極材料は、特に限定されるものではないが、Ag、Ag−Pdを好んで使用することができる。
また、この圧電トランスは、上述した圧電アクチュエータと同様、以下のようにして容易に製造することができる。
すなわち、導電性ペーストを用意し、上記圧電セラミックの製造過程で作製されたセラミックグリーンシートの表面にスクリーン印刷法等により導電性ペーストを塗布し、入力部9に相当する部位に所定の導電パターンを形成する、次いで、導電パターンが形成されたセラミックグリーンシートを所定枚数積層した後、熱圧着して積層成形体を作製する。次いで、この積層成形体を上述した2段階の焼成プロセスで焼成し、入力部9が圧電体11a〜11jと内部電極12a〜12hとが交互に配された積層構造とされ、出力部10が単層構造とされた焼結体を得る。その後、真空蒸着法等を使用して入力部9の上面及び下面に入力電極13a、13bを形成し、さらに出力部10の端面に出力電極14を形成する。そしてこの後、加熱下、入力電極13a、13bと出力電極14との間に電界を所定時間印加し、出力部10を矢印E方向に分極する。そしてこの後、所定温度に加熱下、入力部9の分極方向が各層毎に逆向きとなるように入力電極13aと入力電圧13bとの間に電界を所定時間印加し、分極処理を行い、これにより圧電トランスが作製される。
図6は圧電セラミック電子部品の第3の実施の形態を示す模式断面図であり、本第3の実施の形態は、圧電トランスの他の例を示している。
本第3の実施の形態においても、第2の実施の形態と同様、本発明の圧電セラミックで形成された圧電体15が、入力部16と出力部17とを有し、入力部16に供給された電圧信号が変圧されて出力部17から出力するように構成されている。
そして、この圧電トランスは、入力部16及び出力部17はいずれも内部電極を有する積層構造とされ、かつ入力部16と出力部17とで内部電極の電極間距離が異なっている。すなわち、入力部16は、圧電体18a〜18eと内部電極19a〜19dとが交互に積層された積層構造を有し、入力部16の側面には入力電極20a、20bが形成されている。具体的には、内部電極19a、19cは一方の入力電極20aに電気的に接続され、内部電極19b、19dは他方の入力電極20bに電気的に接続されている。そして、圧電体18b〜18dは、各層毎に分極方向が逆向きとなるように矢印F方向又は矢印G方向に分極されている。
一方、出力部17は、圧電体21a〜21iと内部電極22a〜22iとが交互に積層された積層構造を有し、出力部17の側面には出力電極23a、23bが形成されている。具体的には、内部電極22a、22c、22e、22g、22iは一方の力電極23aに電気的に接続され、内部電極22b、22d、22f、22hは他方の出力電極23bに電気的に接続されている。そして、圧電体21b〜21iは、各層毎に分極方向が逆向きとなるように矢印H方向又は矢印I方向に分極されている。
そして、本第3の実施の形態では、出力部17の内部電極22a〜22iの電極間距離が、入力部16の内部電極19a〜19dの内部電極距離よりも短くなるように出力部17と入力部16とで内部電極の電極間距離を異ならせている。
このように形成された圧電トランスは、入力電極20a、20bに共振周波数の交流電圧が印加されると、逆圧電効果により機械的エネルギーに変換され機械振動が励起される。次いで、この機械振動が圧電効果により電気エネルギーに変換され、出力電極23a、23bからは容量比に応じて降圧された電圧信号が出力される。
そして、本第3の実施の形態では、圧電体18a〜18e、21a〜21iが本発明の圧電セラミックで形成されているので、第2の実施の形態と同様、機械的品質係数Qmが高く、高電界を印加してもエネルギー損失が低減され、消費電力が低減され発熱が抑制され、電力効率が良好で高出力が可能な圧電トランスを得ることができる。
尚、第3の実施の形態においても、内部電極材料や外部電極材料は、特に限定されるものではないが、Ag、Ag−Pdを好んで使用することができる。
また、この圧電トランスは、上述した圧電アクチュエータや圧電トランスと同様、以下のようにして容易に製造することができる。
すなわち、厚みが異なる2種類のセラミックグリーンシート(入力用セラミックグリーンシート及び出力用セラミックグリーンシート)を作製する。次いで、導電性ペーストを用意し、前記セラミックグリーンシートの表面にスクリーン印刷法等により導電性ペーストを塗布し所定の導電パターンを形成する、次いで、導電パターンが形成されたセラミックグリーンシートを所定枚数積層した後、導電パターンの形成されていないセラミックグリーンシートを両端に配し、熱圧着して積層成形体を作製する。次いで、この積層成形体を上述した2段階の焼成プロセスで焼成し、入力部16が圧電体18a〜18eと内部電極19a〜19dとが交互に配された積層構造とされ、出力部17が圧電体21a〜21iと内部電極22a〜22iとが交互に配された積層構造とされ、内部電極の電極間距離が異なる焼結体を得る。その後、真空蒸着法等を使用して入力部16及び出力部17の両側面に入力電極20a、20b、及び出力電極23a、23bを形成する。そしてこの後、加熱下、分極方向が各層毎に逆向きとなるよう電界を所定時間印加し、分極処理を行い、これにより圧電トランスが作製される。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、圧電セラミック電子部品の一例として第1の実施の形態では、圧電アクチュエータについて詳述したが、類似の構造を有する圧電共振子や圧電フィルタにも適用できるのはいうまでもない。
また、本発明の特性を損なわない範囲内であれば、不可避不純物として微量のHf、Fe、Cl、Si、Al等が含有していてもよい。特にHfは機械的強度の向上に寄与することから、他の特性に影響を与えない程度に意図的に添加するのも好ましい。
さらに、セラミック素原料であるPb化合物、Ti化合物、Zr化合物等の具体的な形態としては、炭酸塩、水酸化物、酸化物等、いずれの形態であってもよい。
次に、本発明の実施例を具体的に説明する。
[試料の作製]
(試料番号1)
セラミック素原料としてPbO、ZrO2、TiO2、Nb2O5、MnCO3、及びHfO2を用意した。そして、焼成後の主成分組成がPb1.00{Zr0.46Ti0.47(Mn1.1/3Nb1.9/3)0.07}O3となり、かつHfO2の含有量が0.03wt%となるように上記セラミック素原料を秤量した。次いで、この秤量物をPSZボールと共にボールミルに投入し、100時間湿式で混合粉砕した。その後、脱水、乾燥した後、900℃の温度で2時間仮焼し、セラミックス原料粉末を合成した。
(試料番号1)
セラミック素原料としてPbO、ZrO2、TiO2、Nb2O5、MnCO3、及びHfO2を用意した。そして、焼成後の主成分組成がPb1.00{Zr0.46Ti0.47(Mn1.1/3Nb1.9/3)0.07}O3となり、かつHfO2の含有量が0.03wt%となるように上記セラミック素原料を秤量した。次いで、この秤量物をPSZボールと共にボールミルに投入し、100時間湿式で混合粉砕した。その後、脱水、乾燥した後、900℃の温度で2時間仮焼し、セラミックス原料粉末を合成した。
次に、セラミック原料粉末を有機バインダや溶媒と混合させてスラリーを作製した後、ドクターブレード法で成形加工を施し、厚みが60μmのシートを作製し、打ち抜き加工を行って所定寸法のセラミックグリーンシートを得た。
次いで、セラミックグリーンシートを所定枚数積層した後、熱圧着して積層成形体を作製した。
次に、500℃で脱脂処理を行った後、酸素分圧が3.06×10-5MPaの低酸素雰囲気下、焼成処理を行った。具体的には昇温速度3℃/minで1100℃(第1の所定温度)まで昇温させ、この1100℃で1分間の短時間焼成を行い(第1段階)、その後、降温速度2.3℃/minで900℃(第2の所定温度)まで降温させ、この900℃で1200分焼成を行い(第2段階)、積層焼結体を得た。
次いで、積層焼結体の表面にAgを蒸着させ、外部電極を形成した後、温度150℃下、3.0kV/mmの電界を30分間印加して分極処理を行い、これにより試料番号1の試料を得た。作製された試料は単板の焼結体であり、その外形寸法は長さ13mm、幅3mm、厚み1mmであった。
(試料番号2)
酸素分圧が2.14×10-2MPaの焼成雰囲気とした以外は、試料番号1と同様の方法・手順で試料番号2の試料を作製した。
酸素分圧が2.14×10-2MPaの焼成雰囲気とした以外は、試料番号1と同様の方法・手順で試料番号2の試料を作製した。
(試料番号3)
焼成処理を2段階プロセスに分けずに、1050℃の温度で480分焼成を行う1段階プロセスで焼成処理を行った以外は、試料番号2と同様の方法・手順で試料番号3の試料を作製した。
焼成処理を2段階プロセスに分けずに、1050℃の温度で480分焼成を行う1段階プロセスで焼成処理を行った以外は、試料番号2と同様の方法・手順で試料番号3の試料を作製した。
(試料番号4)
酸素分圧が3.06×10-5MPaの焼成雰囲気とした以外は、試料番号3と同様の方法・手順で試料番号4の試料を作製した。
酸素分圧が3.06×10-5MPaの焼成雰囲気とした以外は、試料番号3と同様の方法・手順で試料番号4の試料を作製した。
(試料番号5)
酸素分圧が10.1×10-2MPaの焼成雰囲気とした以外は、試料番号3と同様の方法・手順で試料番号5の試料を作製した。
酸素分圧が10.1×10-2MPaの焼成雰囲気とした以外は、試料番号3と同様の方法・手順で試料番号5の試料を作製した。
[試料の評価]
試料番号1、3、5の各試料について、以下の方法でドメインサイズが100nm以下の結晶粒子の面積比率を求めた。
試料番号1、3、5の各試料について、以下の方法でドメインサイズが100nm以下の結晶粒子の面積比率を求めた。
まず、試料をエポキシ樹脂で包囲し、研磨装置(ビューラー社製、EcoMet/AutoMet250)を使用し、砥粒の粒度を適宜変更しながら、研磨処理を行い、観察面を表面露出させた。そして、試料周囲をカーボンで被覆し、更に観察表面をPtでコーテイングし、試料を保護した。
次に、電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)を倍率20000倍に設定し、加速電圧1kVで電子線を試料に照射し、試料の微細構造を観察した。そして、[発明を実施するための形態]の項で説明した手順で、視野領域内の観察された各結晶粒子についてドメインサイズを求めた(図2参照)。
次に、観察画面を変更し、10個の観察画面について、同様の手順で各結晶粒子のドメインサイズを求めた。
そして、これらの観察画面について、ドメインサイズが100nm以下の結晶粒子の面積比率を求めた。
また、試料番号1〜4の各試料について、結晶粒子の平均粒径は、FE−SEMの倍率を6000倍に設定し、インタセプト法で求めた。
インタセプト法では、観察画面上に引いた対角線長をY、観察画面のスケールの単位長さをS、対角線上に存在する結晶粒子の個数をNとすると、平均粒径Dは、数式(1)で表される。
そして、任意の観察画面について、数式(1)に基づき平均粒径を求めた。
次に、上述した試料番号1〜5の各試料について、機械的品質係数Qmを測定した。
機械的品質係数Qmは、インピーダンスアナライザー(アジレント・テクノロジー社製:4194A)を使用し、日本電子材料工業会標準規格(EMAS-6100)に準拠し、共振−反共振法で測定した。
表1は、試料番号1〜5の各試料の測定結果を示している。
試料番号3は、ドメインサイズが100nm以下の結晶粒子の面積比率が20%と少なく、このため結晶粒子の平均粒径も1.5μmと大きくなり、機械的品質係数Qmは1609と低く圧電特性が低下した。これは1050℃の高温で480分の長時間焼成処理を行っているため、粒成長が促進されて、その結果結晶粒子の平均粒径が粗大化し、ドメインサイズも大きくなり、このため特性劣化を招いたものと思われる。
試料番号4も、試料番号3とは焼成雰囲気の酸素分圧が異なるものの、1050℃の高温で480分の長時間焼成処理を行っているため、結晶粒子の平均粒径は3.0μmと粗大化し、このため機械的品質係数Qmは1888に低下した。尚、試料番号4は、ドメインサイズを測定しなかったが、結晶粒子の平均粒径が3.0μmと大きいことから、ドメインサイズが100nm以下の結晶粒子の面積比率も試料番号3に比べて更に低下しているものと推測される。
試料番号5も、試料番号3とは焼成雰囲気の酸素分圧が異なるものの、1050℃の高温で480分の長時間焼成処理を行っているため、ドメインサイズが100nm以下の結晶粒子が存在せず、このため機械的品質係数Qmは1200に低下した。尚、試料番号5は、結晶粒子の平均粒径を測定していないが、ドメインサイズが100nm以下の結晶粒子が存在しないことから、結晶粒子は試料番号3に比べ更に粗大化しているものと推測される。
これに対し試料番号1は、上述した2段階プロセスで焼成処理を行っているため、ドメインドメインサイズが100nm以下の結晶粒子は、35%となって微細なドメインが増加し、このため結晶粒子の平均粒径も1.0μmと微小化し、その結果、機械的品質係数Qmは2254に向上した。
また、試料番号2は、試料番号1とは焼成雰囲気の酸素分圧が異なるものの、試料番号1と同様の2段階プロセスで焼成処理を行っているため、結晶粒子の平均粒径は0.8μmと微小化し、その結果、機械的品質係数Qmは2016に向上した。また、試料番号2は、結晶粒子の平均粒径が0.8μmと試料番号1に比べて微小化されていることから、ドメインサイズが100nm以下の結晶粒子の面積比率も、試料番号1と同等以上と推察される。
次に、本発明範囲内の試料番号1、2と本発明範囲外の試料番号3、4について、振動速度vを変化させたときの消費電力Wを計測した。具体的には、印加電界を上昇させていったときの振動速度をレーザードップラー速度計(グラフテック社製AT0041及びAT3500)で計測し、消費電力Wをデジタルマルチメータ(アジレント・テクノロジー社製34410A)で計測した。
図7は、振動速度vと消費電力Wとの関係を示す図である。横軸は振動速度v(m/s)、縦軸は消費電力(W/cm3)である。
この図7から明らかなように、本発明範囲内の試料番号1、2は本発明範囲外の試料番号3、4に比べ、振動速度vが増大しても従来に比べ消費電力Wが大きくなるのを抑制できることが分かった。
[試料の作製]
(試料番号6)
試料番号1と同様の方法・手順でセラミックグリーンシートを得た。
(試料番号6)
試料番号1と同様の方法・手順でセラミックグリーンシートを得た。
次に、AgとPdの重量比が7:3に調製された導電性ペーストを用意した。
次いで、この導電性ペーストを使用し、スクリーン印刷法でセラミックグリーンシートの表面に所定の導電パターンを形成し、導電パターンの形成されたセラミックグリーンシートを所定方向に所定の枚数積層した後、導電パターンの形成されていないセラミックグリーンシートを最上層に配し、熱圧着して積層成形体を作製した。
次に、500℃で脱脂処理を行った後、試料番号1と同様の焼成プロファイルで焼成処理を行い、積層焼結体を作製した。
次いで、積層焼結体の表面にAgを蒸着させ、外部電極を形成した後、温度150℃下、3.0kV/mmの電界を30分間印加して分極処理を行い、これにより試料番号6の試料を得た。作製された試料はローゼン型圧電トランスである。その外形寸法は長さ23.8mm、幅2mm、厚み2mmであった。
(試料番号7)
酸素分圧が2.14×10-2MPaの焼成雰囲気とした以外は、試料番号6と同様の方法・手順で試料番号7の試料を作製した。
酸素分圧が2.14×10-2MPaの焼成雰囲気とした以外は、試料番号6と同様の方法・手順で試料番号7の試料を作製した。
(試料番号8)
焼成処理を2段階プロセスに分けずに、1050℃の温度で480分焼成を行う1段階プロセスで焼成処理を行った以外は、試料番号7と同様の方法・手順で試料番号8の試料を作製した。
焼成処理を2段階プロセスに分けずに、1050℃の温度で480分焼成を行う1段階プロセスで焼成処理を行った以外は、試料番号7と同様の方法・手順で試料番号8の試料を作製した。
(試料番号9)
酸素分圧が3.06×10-5MPaの焼成雰囲気とした以外は、試料番号8と同様の方法・手順で試料番号9の試料を作製した。
酸素分圧が3.06×10-5MPaの焼成雰囲気とした以外は、試料番号8と同様の方法・手順で試料番号9の試料を作製した。
(試料番号10)
酸素分圧が10.1×10-2MPaの焼成雰囲気とした以外は、試料番号8と同様の方法・手順で試料番号10の試料を作製した。
酸素分圧が10.1×10-2MPaの焼成雰囲気とした以外は、試料番号8と同様の方法・手順で試料番号10の試料を作製した。
尚、実施例1の試料番号1〜5と、実施例2の試料番号6〜10とは、前者が単板の焼結体であり、後者はローゼン型圧電素子であり、それぞれ対応している。
[試料の評価]
試料番号6〜10の各試料について、出力を測定した。具体的には、各試料に印加する電界を徐々に上昇させていき、温度上昇ΔTが30℃に達した時点での出力Pをパワーメータ(横河メータ&インスツルメンツ社製WT−1600)で測定した。
試料番号6〜10の各試料について、出力を測定した。具体的には、各試料に印加する電界を徐々に上昇させていき、温度上昇ΔTが30℃に達した時点での出力Pをパワーメータ(横河メータ&インスツルメンツ社製WT−1600)で測定した。
表2は、試料番号6〜10の各試料の測定結果を示している。
焼成処理を1段階プロセスで行った試料番号6〜8は、出力Pは42〜48W/cm3と低く、高出力を得ることができなかった。
これに対して焼成処理を2段階プロセスで行った試料番号6、7は、出力Pが56〜61W/cm3と高出力を得ることができることが分かった。
次に、本発明範囲内の試料番号6と本発明範囲外の試料番号8について、出力Pを変化させたときの温度上昇ΔTを計測した。具体的には電界を印加する前の試料温度(初期温度)を非接触温度計(キーエンス社製AT−02及びAT−50)で計測し、その後印加電界を徐々に上昇させて出力Pを増加させ、その時の試料温度(電界印加時温度)を逐次計測し、出力Pと温度上昇ΔTとの関係を求めた。
図8は、出力Pと温度上昇ΔTとの関係を示す図である。横軸は出力P(W/cm3)、縦軸は温度上昇ΔT(℃)である。
この図8から明らかなように、本発明範囲内の試料番号6は本発明範囲外の試料番号8に比べ、高電界駆動時に出力Pが増大しても温度上昇ΔTは緩やかであり、発熱を抑制できることが分かった。
駆動時の発熱を抑制できて消費電力を低減でき、電力効率が良好なパワーデバイスに好適な圧電セラミック及びこれを使用した各種圧電セラミック電子部品を実現する。
2 結晶粒子
4a〜4h 圧電体
5a〜5g 内部電極
6 積層焼結体
8、11a〜11i 圧電体
9 入力部
10 出力部
12a〜12h 内部電極
15 圧電体
16 入力部
17 出力部
18a〜18e、21a〜21i 圧電体
19a〜19d、22a〜22i 内部電極
31、32 ドメインウォール群
33 ドメインウォール
36 ドメイン
4a〜4h 圧電体
5a〜5g 内部電極
6 積層焼結体
8、11a〜11i 圧電体
9 入力部
10 出力部
12a〜12h 内部電極
15 圧電体
16 入力部
17 出力部
18a〜18e、21a〜21i 圧電体
19a〜19d、22a〜22i 内部電極
31、32 ドメインウォール群
33 ドメインウォール
36 ドメイン
Claims (12)
- 少なくともPb、Zr、及びTiを含むペロブスカイト型化合物を含有し、
結晶粒子が、ドメインウォールによって複数のドメインに領域分割されると共に、前記結晶粒子は、固有のドメインサイズを有し、
前記ドメインサイズが100nm以下の結晶粒子が、面積比率で30%以上存在することを特徴とする圧電セラミック。 - 同一方位に整列された一群の前記ドメインウォールでドメインウォール群が形成されると共に、
前記固有のドメインサイズは、前記ドメインウォール群に属するドメインウォールの個数に基づいて決定されることを特徴とする請求項1記載の圧電セラミック。 - 同一方位に整列された一群の前記ドメインウォールでドメインウォール群が形成されると共に、
前記結晶粒子は、方位が異なる複数の前記ドメインウォール群を有し、
前記固有のドメインサイズは、前記複数のドメインウォール群のうち、面積比率が最大のドメインウォール群に属するドメインウォールの個数に基づいて決定されることを特徴とする請求項1記載の圧電セラミック。 - 前記結晶粒子は、平均粒径が1μm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の圧電セラミック。
- Mn及びNbの中から選択された少なくとも1種の元素が含有されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の圧電セラミック。
- 圧電体と内部電極とが交互に積層された積層焼結体を有し、
前記圧電体が、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の圧電セラミックで形成されていることを特徴とする圧電セラミック電子部品。 - 圧電体が入力領域と出力領域とを有し、前記入力領域に供給された電圧信号を変圧して前記出力領域から出力する圧電セラミック電子部品であって、
前記圧電体が、請求項1乃至請求項5記載の圧電セラミックで形成されていることを特徴とする圧電セラミック電子部品。 - 前記入力領域及び前記出力領域の少なくともいずれか一方は、前記圧電体と内部電極とが交互に積層された積層構造を有していることを特徴とする請求項7記載の圧電セラミック電子部品。
- 前記入力領域及び前記出力領域は、いずれも前記圧電体と内部電極とが交互に積層された積層構造を有すると共に、
前記内部電極の電極間距離が、前記入力領域と前記出力領域とで異なることを特徴とする請求項7記載の圧電セラミック電子部品。 - 少なくともPb化合物、Zr化合物、及びTi化合物を含むセラミック素原料を調合し、仮焼してセラミック原料粉末を作製する原料粉末作製工程と、
前記セラミック原料粉末に成形加工を施し、セラミック成形体を作製する成形体作製工程と、
前記セラミック成形体を焼成し、結晶粒子の集合体で形成された焼結体を得る焼成工程と、
前記焼結体に分極処理を施す分極工程とを含み、
前記焼成工程は、前記分極処理後において100nm以下のドメインサイズを有する結晶粒子が面積比率で30%以上となるように、第1の所定温度で短時間焼成した後、前記第1の所定温度より低い第2の所定温度で長時間焼成することを特徴とする圧電セラミックの製造方法。 - 前記結晶粒子の平均粒径を1μm以下に形成することを特徴とする請求項10記載の圧電セラミックの製造方法。
- 前記焼成工程は、前記第1の所定温度に急速に昇温させ、前記第1の所定温度から前記第2の所定温度に急速の降温させることを特徴とする請求項10又は請求項11記載の圧電セラミックの製造方法。
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