JP2017091870A - 燃料電池用膜電極接合体の製造方法 - Google Patents

燃料電池用膜電極接合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製造コストを抑えながら、反りや歪み等の変形を抑制した高品質の膜電極接合体を作製し、高い電池性能を発揮する固体高分子形燃料電池を提供する。
【解決手段】
高分子電解質膜の第一の領域にアノード用触媒インクを、前記第一の領域と同一面上かつ前記第一の領域と重複しない第二の領域にカソード用触媒インクを塗布する工程と、前記アノード用触媒インク及び前記カソード用触媒インクを乾燥する工程と、断裁、切断、破断、打ち抜き、切り取り等の手段を用いて、前記第一の領域と前記第二の領域を分断し、アノード用触媒層と前記高分子電解質膜による第一の積層体と、カソード用触媒層と前記高分子電解質膜による第二の積層体を得る工程と、前記第一の積層体と前記第二の積層体の前記高分子電解質膜同士が対向するように積層し、膜電極接合体を得る工程と、を含むことを特徴とする、膜電極接合体の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体高分子形燃料電池の構成部材である膜電極接合体を製造する際に使用される高分子電解質膜と触媒層との積層体及びその製造方法、並びに固体高分子形燃料電池の膜電極接合体の製造方法に関する。
燃料電池は、水素などの燃料と空気などの酸化剤を電気化学的に反応させることにより、燃料の化学エネルギーを電気エネルギーに変換して取り出す発電方式である。この発電方式は、発電効率が高く、静粛性に優れ、大気汚染の原因となるNOx、SOx、また地球温暖化の原因となるCOの排出量が少ない等の利点から、新エネルギーとして期待されている。
燃料電池を適用可能な一例として、携帯電気機器の長時間電力供給、コジェネレーション用定置型発電温水供給機、燃料電池自動車等があり、用途も規模も多様である。
燃料電池の種類は使用する電解質によって、固体高分子形、リン酸形、溶融炭酸塩形、固体酸化物形、アルカリ形等に分類され、それぞれ運転温度が大きく異なり、それに伴い発電規模や利用分野も異なる。
燃料電池のうち、陽イオン交換膜を電解質として用いたものを固体高分子形燃料電池と呼ぶ。固体高分子形燃料電池は燃料電池の中でも比較的低温での動作が可能であり、電解質膜の薄膜化により内部抵抗を低減できるため高出力化、コンパクト化が可能であり、車搭載源や家庭据置用電源等への使用が有望視されている。
固体高分子形燃料電池は、膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)と呼ばれる電解質膜の両面に一対の電極触媒層を配置させた接合体を、前記電極の一方に水素を含有する燃料ガスを供給し、前記電極の他方に酸素を含む酸化剤ガスを供給するためのガス流路を形成した一対のセパレータ板で挟持した電池である。この一対のセパレータ板で挟持した電池を単電池セルと呼ぶ。
固体高分子形燃料電池は、出力密度の増大と燃料電池全体のコンパクト化を目的として、単電池セルを複数積層(スタック)して用いられる。スタックする枚数は、必要な電力により異なり、一般的な携帯電気機器のポータブル電源では数枚から10枚程度、コジェネレーション用定置型電気および温水供給機では60枚から90枚程度、自動車用途では250枚から400枚程度である。高出力化をするためにはスタック枚数を増やすことが必要となり、単電池セルのコストが燃料電池全体のコストに大きく影響する。
MEAの製造方法として、基材フィルム上に触媒インクを塗布、乾燥することで得られる触媒層シートを作製し、触媒層シートを熱圧着によって高分子電解質膜の両面に転写する手法が知られている。しかしこの方法は、MEAに組み込まれることのない転写基材を要するため、コスト面でのデメリットがある。
そこで特許文献1では、触媒を間欠塗工する方法が提案されている。間欠塗工することでコストダウンを図ることが可能となる。
一方で特許文献2のように、高分子電解質膜に触媒インクを直接塗布し、反転させて再度触媒インクを塗布することで膜電極接合体を作製する手法も提案されている。
特開2013−157270号公報 特開2003−257449号公報
しかし特許文献1の方法では、一定のコストダウンを図ることができるものの転写基材を必要とする問題の解決とはなっていない。
また、触媒層シートを熱圧着によって高分子電解質膜の両面に転写する手法では、触媒層シートに使用される基材と高分子電解質膜との熱収縮率の差異に起因して、最終的に作成される膜電極接合体に反りや歪み等の変形が生じやすく、品質の低下に繋がることが問題となる。
特許文献2のように、高分子電解質膜に触媒インクを直接塗布する方法では、塗布面の平面性を確保するために吸着台を用いて高分子電解質膜を吸着するのが一般的であるが、先に塗布した触媒層に吸着痕が生じてしまい、外観不良となる他、耐久性が低下する等の品質の低下を招くという課題が残る。
従って、本発明の目的は、上記のような実情を鑑みて、転写基材を不要とし、反りや歪み等の変形を抑制した高品質の膜電極接合体、固体高分子形燃料電池及びその製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するための本発明の第一の形態は、
高分子電解質膜の第一の領域にアノード用触媒インクを、前記第一の領域と同一面上かつ前記第一の領域と重複しない第二の領域にカソード用触媒インクを塗布する工程と、前記アノード用触媒インク及び前記カソード用触媒インクを乾燥する工程と、断裁、切断、破断、打ち抜き、切り取り等の手段を用いて、前記第一の領域と前記第二の領域を分断し、アノード用触媒層と前記高分子電解質膜による第一の積層体と、カソード用触媒層と前記高分子電解質膜による第二の積層体を得る工程と、前記第一の積層体と前記第二の積層体の前記高分子電解質膜同士が対向するように積層し、膜電極接合体を得る工程と、を含むことを特徴とする膜電極接合体の製造方法である。
また、本発明の第二の形態は、
第一の高分子電解質膜の第一の領域にアノード用触媒インクを塗布する工程と、第二の高分子電解質膜の第二の領域にカソード用触媒インクを塗布する工程と、前記アノード用触媒インク及び前記カソード用触媒インクを乾燥し、アノード用触媒層と前記第一の高分子電解質膜による第一の積層体と、カソード用触媒層と前記第二の高分子電解質膜による第二の積層体を得る工程と、前記第一の積層体と前記第二の積層体の高分子電解質膜同士が対向するように積層し、膜電極接合体を得る工程と、を含むことを特徴とする膜電極接合体の製造方法である。
また、前記カソード用触媒層の平均層厚が前記アノード用触媒層の平均層厚よりも厚いことを特徴とする。
また、前記カソード用触媒インクと前記アノード用触媒インクは、導電性粒子とその上に担持された電極触媒粒子とを含む複合粒子と、高分子電解質と、溶媒とを含み、前記導電性粒子に対する前記電極触媒粒子の重量比において、前記カソード用触媒インクにおける前記重量比は、前記アノード用触媒インクにおける前記重量比よりも大きいことを特徴とする。
また、前記アノード用触媒層及び前記カソード用触媒層の膜厚が傾斜してあり、前記アノード用触媒層の最薄部と前記カソード用触媒層の最厚部、もしくは前記アノード用触媒層の最厚部と前記カソード用触媒層の最薄部が、前記第一の積層体と前記第二の積層体の高分子電解質膜同士を対向して積層した際に対応していることを特徴とする。
また、前記アノード用触媒層の最厚部より、前記カソード用触媒層の最薄部の方が厚いことを特徴とする。
また、前記高分子電解質膜に前記アノード用触媒インク及び前記カソード用触媒インクを塗布する際に、インクの吐出量もしくは吐出圧のいずれか及び両方を変化させながら塗布することを特徴とする。
また、本発明の第三の形態は、
第一の高分子電解質膜と第二の高分子電解質膜が接合され、前記第一の高分子電解質膜上において前記第二の高分子電解質膜と逆面に第一の触媒層を具備し、前記第二の高分子電解質膜上において前記第一の高分子電解質膜と逆面に第二の触媒層を具備した二重の電解質膜を有することを特徴とする膜電極接合体である。
また、本発明の膜電極接合体を供えたことを特徴とする単電池セル、燃料電池スタック及び固体高分子形燃料電池である。
本発明に係る製造方法によれば、従来の転写方式と比較して製造コストを引き下げることが可能になると同時に、膜電極接合体の反りや歪み等の変形を抑制することによって品質の向上を実現でき、それを用いたMEA、単電池セル、セルスタック、燃料電池において十分な発電性能を発揮する。
本発明の実施形態に係る積層体の形状例を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る積層体の形状例を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る積層体の形状例を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る積層体の形状例を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る膜電極接合体の形状例を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る膜電極接合体の形状例を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る積層体の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の実施形態に係る積層体の製造方法を説明するためのグラフである。 本発明の実施形態に係る固体高分子形燃料電池の構成例を示す概略図である。
以下に、本発明の実施形態について各図面を参照して説明する。ただし、以下に説明する各図において相互に対応する部分には同一符号を付し、重複部分においては後述での説明を適宜省略する。また、各図面は説明を容易にするために適宜誇張して表現している。さらに、本発明の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、各部の材質、形状、構造、配置、寸法等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(全体構成)
まず、本発明の実施形態が適用されうる膜電極接合体を使用した固体高分子形燃料電池について説明する。
図9は、本発明の一実施形態にかかる固体高分子形燃料電池11を示す概略図である。図9に示されるように、本実施形態にかかる固体高分子形燃料電池11は、高分子電解質膜1の両面にアノード電極2及びカソード電極3を有する膜電極接合体12を備え、アノード電極2及びカソード電極3と対向してアノード電極側ガス拡散層4及びカソード電極側ガス拡散層5が配置されてなり、それぞれアノード6およびカソード7が構成されてなる。セパレータ10は、導電性を有し、かつ不透過性の材料よりなる。該セパレータ10には、ガス流通用のガス流路8と、該ガス流路8の形成された面と相対する主面に冷却水流通用の冷却水流路9が形成されてなる。図9に示されるように、セパレータ10は、アノード電極側ガス拡散層4及びカソード電極側ガス拡散層5を挟持するよう配置される。アノード6側のセパレータ10のガス流路8からは燃料ガスが供給される。燃料ガスとしては、例えば水素ガスが挙げられる。カソード7側のセパレータ10のガス流路8からは、酸化剤ガスが供給される。酸化剤ガスとしては、例えば空気などの酸素を含むガスが供給される。
図9に示すように、本実施形態に係る固体高分子形燃料電池11は、1組のセパレータ10に、高分子電解質膜1と、アノード電極2と、カソード電極3と、アノード電極側ガス拡散層4と、カソード電極側ガス拡散層5とが挟持された、いわゆる単セル構造の固体高分子形燃料電池である。しかしながら、本実施の形態では、セパレータ10を介して複数のセルを直列に積層したスタック構造を採用することも出来る。
(積層体)
図1、図2は、単一の高分子電解質膜1にアノード電極2及びカソード電極3を一体化した積層体の斜視図及びx軸方向の断面図を示している。図1、図2において、アノード電極2及びカソード電極3を分断するように、図中のy軸に略平行に高分子電解質膜1を断裁することにより、図3、図4に示すような積層体A32及び積層体C33を得ることが出来る。
または高分子電解質膜1を二枚用意し、それらの高分子電解質膜1にそれぞれアノード用触媒インク22及びカソード用触媒インク23を塗布、乾燥することにより、同様の積層体A32及び積層体C33を得ることが出来る。
以下では、アノード用触媒インク22とカソード用触媒インク23を区別する必要が無い際に、これらを合わせて触媒インク22(23)と表現する場合がある。また、アノード電極2及びカソード電極3を、それぞれアノード触媒層2及びカソード触媒層3、もしくは単に触媒層2(3)と表現する場合がある。積層体A32及び積層体C33に関しても同様に積層体32(33)と表現する場合がある。
積層体32(33)の具体的な製造方法を、図7を参照して説明する。まず、図7(a)に示すように、高分子電解質膜1上に、触媒層2(3)の形状に対応したマスク24を積層するマスク積層工程を行う。その後、図7(b)に示すように、触媒インク22(23)をマスク24を積層した高分子電解質膜1上に塗布する触媒インク塗布工程を行う。そして、加熱及び経時によって触媒インク22(23)中の溶媒を揮発させる乾燥工程を経過し、図7(c)に示すように、マスク24上の触媒インク22(23)ごと高分子電解質膜1から剥離することで、所望の形状の触媒層2(3)を作製することが出来る。その際、事前に高分子電解質膜1の塗布面と逆側の表面にもマスク24を貼合しておいてもよいし、逆面にはマスク24を使用しなくてもよい。
(マスク積層工程)
図7(a)において、マスク24とは、断裁や打ち抜き等の手段によりフィルムの一部を取り除いた開口部を有するフィルム、若しくはフィルムと粘着層の積層体を意味する。マスク24の開口部の形状によって乾燥後の触媒インク22(23)(即ち、触媒層2(3))の形状が決定される。
マスク24に用いられるフィルムとしては、高分子電解質膜1に積層若しくは貼合することができ、少なくとも片面に触媒インク22(23)を塗布することができ、加熱によって触媒層2(3)を形成でき、高分子電解質膜1から剥離できるものであれば特に限定は無い。
例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリエチレンナフタレート、ポリパルバン酸アラミド等の高分子フィルム、若しくはポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等の耐熱性フッ素樹脂フィルムを好適に用いることができる。
(触媒インク塗布工程)
図7(b)において、触媒インク22(23)を高分子電解質膜1上に塗布する手法としては慣用的なコーティング法を用いることが出来る。即ち、具体的なコーティング法として、例えば、ロールコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、リバースコーター、バーコーター、コンマコーター、ダイコーター、グラビアコーター、スクリーンコーター、スプレー、スピナーなどが挙げられる。なお、最終的に同様の触媒インク22(23)を塗布できるならば、その塗布手段については特に制限は無い。
ここで、膜電極接合体及び燃料電池における発電性能の効率的な向上には、アノード6と比較してカソード7から受ける影響が大きい。従って、燃料電池の小型化や費用対効果を考慮すると、カソード7の反応効率を向上させることが好ましいといえる。カソード7の反応効率を高めるには、カソード用触媒インク23中の導電性粒子に対する電極触媒粒子の重量比を大きくする方法や、カソード電極3の層厚を厚くする方法が挙げられる。
カソード用触媒インク23中の導電性粒子に対する電極触媒粒子の重量比を大きくする方法としては、白金含有率の高い白金担持カーボン粉末を用いることが挙げられる。例えば、アノード用触媒インク22に田中貴金属製TEC10F30E−HTを、カソード用触媒インク23に田中貴金属製TEC10F50E−HTを使用することが出来る。
また、カソード電極3の層厚を厚くする方法として、触媒インク22(23)を高分子電解質膜1上に塗布する際に吐出圧や吐出量を変化させることが挙げられる。吐出圧及び吐出量の変化は、図8に示すように連続的であってもよいし、段階的であってもよい。さらに、吐出圧及び吐出量の変化を連続的にする場合、変化勾配は正確に一定でなくともよい。
吐出圧及び吐出量の変化によって、高分子電解質膜1上に形成される触媒層の厚みを変化させることができる。上述したカソード7の反応効率を高めるため、図4(b)で示すように、カソード触媒層3の層厚がアノード触媒層2の層厚より厚くなるように形成されていることが好ましい。具体的には、カソード触媒層3の平均層厚はアノード触媒層2の平均層厚より20倍以下の範囲内であることが好ましい。平均層厚の差が20倍を超えると触媒反応の限界に達し、費用対効果が低下するといった問題がある。また、極端に厚いカソード触媒層3を成形するためには、粘性が高く、チキソ性の低い触媒インクを使用する必要が生じ、塗工むら等の欠陥を生じさせる原因となるため好ましくない。
(乾燥工程)
触媒インク22(23)の乾燥手段として、加熱可能な吸着盤、ホットプレート、オーブン、IR乾燥機、温風の吹きつけ、経時による自然乾燥等が挙げられる。
さらに、触媒インクの乾燥工程において、複数の乾燥方式を併用してもよく、各乾燥方式で温度条件が異なっていてもよい。また、乾燥機を複数用いる場合、乾燥機間における高分子電解質膜1、触媒インク22(23)、積層体32(33)の移動若しくは搬送は、手動で行ってもよいし、自動で行ってもよい。
上記の説明は、各乾燥機における温度が全て異なっていなければならないと限定するものではなく、温度の同じ乾燥機を複数台用いてもよい。
本発明はアノード電極2及びカソード電極3のどちらを作製する際にも適用できるが、両方の作製において同一の乾燥条件でなければならないと限定するものではなく、積層体A32の製造工程と、積層体C33の製造工程において、異なる乾燥条件を用いることが出来る。さらに、ここでいう乾燥条件とは、触媒インク22(23)を乾燥させる際の乾燥機の方式及び個数、温度、湿度、乾燥時間等を包括的に指す。
(膜電極接合体)
次に、上述の工程で作製した積層体32(33)を用いて膜電極接合体12を作製する方法について、図5を参照して説明する。
膜電極接合体12は、図5(a)に示すように、積層体A32と積層体C33における高分子電解質膜1同士を対向させて圧着等の手法を用いて一体化して形成する。ここで、高分子電解質膜1同士は常温常湿条件でも圧着することが可能だが、加熱によって高分子電解質膜1同士の化学的な結合を促進し、密着力を向上させることも出来る。
なお、図5(b)に示すように、図1で示した単一の高分子電解質膜1上に触媒層2(3)をそれぞれ作製し、触媒層2(3)の中間付近を切断せず、高分子電解質膜1を折り曲げることによって、膜電極接合体12を作製してもよい。ただし、本手法の場合は、折り曲げ部21において厚みの不均一性が生じ、反りや歪みの原因となりうる他、折り曲げ部21から高分子電解質膜1同士が剥離し、浮きやシワが生じることで品質が低下する可能性がある。そのため、図5(b)に示した、折り曲げて作製する方法を採用する場合は、折り曲げ工程の後に折り曲げ部21を切り離す工程を追加する必要がある。以上により、図5(a)に示すような膜電極接合体を作製することが出来る。
さらに、図6(a)に示すように、触媒層2(3)の厚みに傾斜があってもよい。傾斜を有する触媒層2(3)を用いて膜電極接合体12を作製する際には、図6(b)に示すように、触媒層2(3)のz軸方向の総厚が略均一になるように作製することが好ましい。即ち、アノード触媒層2の膜厚が薄い箇所をHal、厚い箇所をHah、カソード触媒層3の膜厚が薄い箇所をHcl、厚い箇所をHchとすると、アノード触媒層2とカソード触媒層3の高分子電解質膜1を対向するように形成する際に、HalとHch、HahとHclをそれぞれ組み合わせることで全体の膜厚を略均一とすることができる。
ここで、HahよりHclを厚く形成することが好ましい。アノード6よりカソード7の方が発電性能への影響が大きいため、カソード触媒層3をアノード触媒層2より厚くして触媒量を増やすことで発電性能をより向上することができる。即ち、図6(a)のように厚みに傾斜がある場合、HahよりHclを厚くすることで、カソード触媒層3の反応場を確保することが可能となる。
一方、図6(c)に示すように、HalとHcl、HahとHchをそれぞれ組み合わせて対向配置した場合、触媒層2(3)のz軸方向の総厚が不均一となる。この結果、単電池セルとして使用することは可能だが、複数積層(スタック)する際にx軸方向に反転しながら積層しなければ歪んでしまう等の制約が生じるため好ましくない。
以上より、本発明の膜電極接合体12は、複雑な工程を必要とせずに高分子電解質膜1を二重にした構成となっているため、反りやシワの発生を抑制することができる。一方、図5(c)で示した従来構成の膜電極接合体では、高分子電解質膜が単膜であるため、反りやシワが発生しやすく、燃料電池として使用した際の発電性能が低下する。
(触媒インク)
以下では、触媒インク22(23)の構成について説明する。アノード用触媒インク22とカソード用触媒インク23は組成が同じでもよく、組成が異なっていてもよい。触媒インク22(23)は、少なくとも溶媒、導電性粒子、触媒粒子、高分子電解質を含む。
触媒インク22(23)に用いられる溶媒としては、高分子電解質と触媒を溶解または分散できるものであれば特に限定は無い。例えば、水、アルコール類(メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、3−ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、ジアセトンアルコール、1−メトキシ−2−プロパノールなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、ペンタノン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)等が挙げられ、単独若しくは複数種を組み合わせて使用できる。また触媒インク22(23)に用いられる溶媒は加熱によって除去しやすいものが好ましく、特に沸点が150℃以下のものが好適に用いられる。
触媒インク22(23)に用いられる導電性粒子としては、微粒子状で導電性を有し、触媒によって侵されないものであれば特に限定は無い。例えば、カーボンブラック(アセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック等)、グラファイト、黒鉛、活性炭、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、フラーレン等が挙げられる。また導電性粒子の粒径は、10nm以上100nm以下程度のものが好適に用いられる。
触媒インク22(23)に用いられる触媒粒子としては、触媒作用を有する金属成分であれば特に限定は無い。例えば、白金、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、オスミウムの白金族元素の他、鉄、鉛、銅、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウムなどの金属、若しくは上記の金属を複数種含む合金やこれらの酸化物、複酸化物などが挙げられる。その中でも、白金及び白金合金が特に好ましい。また触媒粒子の粒径は活性及び安定性の観点から、0.5nm以上20nm以下程度のものが好適に用いられる。
触媒インク22(23)に用いられる高分子電解質としては、プロトン伝導性を有する樹脂成分であれば特に限定は無く、なかでもフッ素系高分子電解質若しくは炭化水素系高分子電解質が好適に用いられる。フッ素系高分子電解質としては、例えば、デュポン社製Nafion(登録商標)、旭硝子(株)製Flemion(登録商標)、旭化成(株)製Aciplex(登録商標)、ゴア社製Gore Select(登録商標)等を用いることができる。また、炭化水素系高分子電解質としては、例えば、スルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホン化ポリスルフィド、スルホン化ポリフェニレン等の電解質を用いることができる。
触媒インク22(23)中の溶質(導電性粒子、触媒粒子、高分子電解質)の濃度は、例えば、1重量%以上80重量%以下が好ましく、より好ましくは5重量%以上60重量%以下、更に好ましくは10重量%以上40重量%以下程度で用いられる。
触媒インク22(23)は上記の溶媒、導電性粒子、触媒、高分子電解質を混合し、分散処理を加えることで作製できる。分散方法としては、ボールミル、ビーズミル、ロールミル、剪断ミル、湿式ミル、超音波分散、ホモジナイザー等が挙げられる。
触媒インク22(23)を乾燥することで得られる触媒層2(3)の平均厚みは、例えば0.1μm以上100μm以下、好ましくは0.5μm以上50μm以下、更に好ましくは1μm以上20μm以下程度である。さらに、高分子電解質膜1の平均厚みは、例えば1μm以上500μm以下、好ましくは5μm以上200μm以下、更に好ましくは10μm以上100μm以下程度である。
触媒層2(3)の表面は平坦であることが最も好ましいが、幾何学的に厳密な平坦でなくともよく、多少の曲面や凹凸を含んでいてもよい。ただし、触媒層2(3)の層厚が略均一でないと、積層した際にスタックでの歪みやガタツキが発生し、電池性能の低下や劣化の促進を引き起こす原因となりうる。
以上のように作製した膜電極接合体は反りや歪み等の変形が抑制され、これを用いて製造されたMEAは単体で高い発電性能を発揮出来る。
(膜電極接合体の作製方法1)
本発明による製造工程を用いた、膜電極接合体12の作製方法について記載する。
まず、50mm×50mmの正方形の開口部を1つ有する粘着層付PETフイルム(以後、マスク24と表記する)を高分子電解質膜1上に貼合し、マスク24付高分子電解質膜1を吸着ステージにセットした。そして、マスク24付高分子電解質膜1にシワや浮きが生じないよう空気の吸引によって吸着台に固定した。その後、塗布ダイからアノード用触媒インク22を吐出しつつ、マスク24付高分子電解質膜1を固定したままステージを平行移動させることにより、マスク24付高分子電解質膜1上にアノード用触媒インク22を均一に塗工した。
上記のステージは事前に50℃に加温した。アノード用触媒インク22塗布後もステージの吸着は解除せず、加温されたステージの温度を伝熱させることによりアノード用触媒インク22を乾燥させた。その際、乾燥時間は10分間とした。
アノード用触媒インク22の乾燥後、上記のマスク24を高分子電解質膜1から剥離することによって、高分子電解質膜1上に50mm×50mmの正方形状のアノード触媒層2が接合された積層体A32を作製した。
上述の積層体A32と同様の方法により、積層体C33を作製した。
ここで、下記実施例及び比較例において、アノード用触媒インク22とカソード用触媒インク23の種類や組成を変更する場合や、触媒層2(3)の厚みを変更する場合も、同様の方法により積層体32(33)を作製する。
最後に、作製した積層体A32及び積層体C33の高分子電解質1同士が対向するように、且つアノード触媒層2とカソード触媒層3のxy平面における位置及び角度にズレが無いように重ね合わせ、プレス機を用いて0.2kg/cmの圧力でz軸方向に圧着することで膜電極接合体12を作製した。
(膜電極接合体の作製方法2)
50mm×50mmの正方形の開口部を2つ有するマスク24を高分子電解質膜1上に貼合し、上述の作製方法1と同様の方法により、マスク24付高分子電解質膜1上に触媒インク22(23)を均一に塗工した。ただし、マスク24における2つの開口部はステージの移動方向と平行になるように配置し、2つの開口部で触媒インクの塗工量が異なるように塗布した。
その後、作製方法1と同様の方法で乾燥、マスク24の剥離を行うことにより、図1に示すようなアノード触媒層2及びカソード触媒層3が一体化した高分子電解質膜1を作製した。
その後、2つの触媒層2(3)の中央付近において、図3で示すy軸に略平行に高分子電解質膜1を断裁することにより、積層体32(33)を作製した。このとき、上記の塗布量の変化に起因して触媒層の平均厚みが小さい方を積層体A32、平均厚みが大きい方を積層体C33とした。最後に、作製方法1と同様の方法で圧着することで膜電極接合体12を作製した。
(膜電極接合体の作製方法3)
作製方法2と同様の方法により、図1に示すようなアノード触媒層2及びカソード触媒層3が一体化した高分子電解質膜1を作製した。その後、2つの触媒層2(3)の中央付近において、図1で示すy軸に略平行に高分子電解質膜1を折り曲げて、高分子電解質1同士が対向するように、且つアノード触媒層2とカソード触媒層3のxy平面における位置及び角度にズレが無いように重ね合わせ、圧着することで図5(b)に示すような膜電極接合体12を作製した。
(膜電極接合体の作製方法4)
図5(c)に示す、高分子電解質膜が単層となる膜電極接合体の作製方法について記載する。
50mm×50mmの正方形の開口部を1つ有するマスク24を高分子電解質膜1の両面に貼合後、作製方法1と同様に触媒インクを吐出、乾燥することで、高分子電解質膜1の一方の面に触媒層を作製した。
その後、塗布面のマスク24を剥離してから裏返し、ステージに再度吸着した。即ち、高分子電解質膜1の触媒層を形成していない側を上面とした。そして、同様の方法で他方の面に触媒インクを塗布、乾燥し、マスク24を剥離することによって膜電極接合体12を作製した。
(膜電極接合体の作製方法5)
転写法を用いた膜電極接合体の作製方法について記載する。
50mm×50mmの正方形の開口部を1つ有するマスク24を基材フィルム上に貼合し、マスク24付基材フィルムを吸着ステージにセットした。そして、マスク24付基材フィルムにシワや浮きが生じないよう空気の吸引によって吸着台に固定した。その後、塗布ダイから触媒インクを吐出しつつ、マスク24付基材フィルムを固定したままステージを平行移動させることにより、マスク24付基材フィルム上に触媒インクを均一に塗工した。
触媒インクの乾燥後、上記のマスクを剥離することによって、基材フィルム上に50mm×50mmの正方形状の触媒層からなる触媒シートを作製した。同様の操作を行うことで、アノード触媒層2を有する触媒シート及びカソード触媒層3を有する触媒シートを作製した。
そして、高分子電解質膜1の両面にアノード、カソードの両触媒シートをそれぞれ配置し、油圧式ホットプレス機を用いて150℃の温度を掛けながら5分間加圧することにより触媒層2(3)を転写した。最後に、基材フィルムを剥離することで、膜電極接合体12を作製した。
(触媒インクの調製方法)
触媒物質担持炭素体として、白金担持カーボン(商品名は後述、田中貴金属社製)と溶媒を、ジルコニア製の0.2φビーズミル(商品名:YTZボール、ニッカトー社製)を用いて混練した。次に、高分子電解質として20質量%の高分子電解質溶液であるアイオノマー溶液(商品名:SS−700C/20、旭化成イーマテリアルズ社製)を添加し、再び混錬し触媒インク22(23)を作製した。
上述した作成方法1乃至5により、各条件を変えて下記に示す実施例1乃至4及び、比較例1乃至4とした。なお、触媒インクの調整において、アノード用触媒インク22及びカソード用触媒インク23中の白金担持カーボンに商品名:TEC10F30E−HTを使用した場合を触媒1、白金担持カーボンに商品名:TEC10F50E−HTを使用した場合を触媒2と記載している。
(実施例1)
上述の作成方法1により膜電極接合体12を作成した。その際、アノード用触媒インクに触媒1を、カソード用触媒インクに触媒2を使用した。
(実施例2)
上述の作成方法1により膜電極接合体12を作成した。その際、アノード用触媒インク、カソード用触媒インク共に触媒2を使用した。
(実施例3)
上述の作成方法2により膜電極接合体12を作成した。その際、アノード用触媒インク、カソード用触媒インク共に触媒2を使用した。また、触媒インクの塗工量の調整を段階的に行った。
(実施例4)
上述の作成方法2により膜電極接合体12を作成した。その際、アノード用触媒インク、カソード用触媒インク共に触媒2を使用した。また、触媒インクの塗工量の調整を連続的に行った。
(実施例5)
上述の作成方法3により、図5(b)に示す膜電極接合体12を作成した。その際、折り曲げ工程時にはシワや折り目が小さくなるよう折り曲げた。その後、高分子電解質膜1の折り曲げ部21を断裁して欠陥部を分離することで、最終的に図5(a)に示すような膜電極接合体12を作成した。アノード用触媒インクには触媒1を、カソード用触媒インクには触媒2を使用した。
(比較例1)
上述の作成方法3により膜電極接合体12を作成した。その際、アノード用触媒インク、カソード用触媒インク共に触媒2を使用した。また、触媒インクの塗工量の調整を段階的に行った。
(比較例2)
上述の作成方法3により膜電極接合体12を作成した。その際、アノード用触媒インク、カソード用触媒インク共に触媒2を使用した。また、触媒インクの塗工量の調整を連続的に行った。
(比較例3)
上述の作成方法4により膜電極接合体12を作成した。その際、アノード用触媒インクに触媒1を、カソード用触媒インクに触媒2を使用した。
(比較例4)
上述の作成方法5により膜電極接合体12を作成した。その際、アノード用触媒インクに触媒1を、カソード用触媒インクに触媒2を使用した。
実施例1乃至4及び比較例1乃至4について、膜電極接合体12の外観評価と発電性能を評価する実験を行った。表1はその際の評価結果を示したものである。
(外観評価)
上記の異なる製法で作製した膜電極接合体の目視検査を行った。目視において外観上の問題がなかったサンプルを○と表記した。また、サンプルの一部または全面に問題があった場合を×と表記した。×表記に関しては、発生した欠陥の内容を簡潔に記載した。
(発電性能)
上記の各手法によって膜電極接合体を作製した後、ガス拡散層として目処め層が形成された2つのカーボンクロスを用い、膜電極接合体の両面に該カーボンクロスを配置し、これらを一対のセパレータで挟持することにより、実施例及び比較例における単セルの固体高分子形燃料電池を得た。そして、燃料電池測定装置(東陽テクニカ社製APMT−02)を用い、実施例及び比較例の固体高分子形燃料電池におけるI−V特性を計測した。この際、燃料ガスとして純水素を、酸化剤ガスとして空気を、参照電極に可逆水素電極(RHE)を用い、0.5A/cm出力時の出力電圧を計測した。
従来の転写法を用いて作製した膜電極接合体(作製方法5、比較例4)によるデータを基準とし、他のサンプルの発電性能が基準の何倍となるかで評価しており、基準と同等以上となるものを○、基準を下回るものを×とした。
本発明に係る製造方法で作製された膜電極接合体を用いた実施例1乃至4では、外観評価及び発電性能の双方において良好な結果を得た。一方、比較例1乃至4では外観評価にシワや反り等が見られる問題があった。また、比較例2では従来手法である比較例4よりも発電性能が劣っていた。
以上の結果により、本発明によれば、燃料電池用の膜電極接合体を作製する工程において、製造コストを抑えながら著しく反りや歪み等の変形を抑制した高品質の膜電極接合体を作製でき、また当該膜電極接合体を用いることで高い発電特性を有する燃料電池を作製することが出来る。
本発明に係る製造方法は、燃料電池用の触媒シートに限らず様々な用途において好適に利用することが出来る。
1・・・高分子電解質膜
2・・・アノード電極(酸化極若しくは燃料極)
3・・・カソード電極(還元極若しくは空気極)
4・・・アノード電極側ガス拡散層
5・・・カソード電極側ガス拡散層
6・・・アノード
7・・・カソード
8・・・ガス流路
9・・・冷却水流路
10・・・セパレータ
11・・・固体高分子形燃料電池
12・・・膜電極接合体
21・・・折り曲げ部
22・・・アノード用触媒インク
23・・・カソード用触媒インク
24・・・マスク
32・・・積層体A
33・・・積層体C

Claims (9)

  1. 高分子電解質膜の第一の領域にアノード用触媒インクを、前記第一の領域と同一面上かつ前記第一の領域と重複しない第二の領域にカソード用触媒インクを塗布する工程と、
    前記アノード用触媒インク及び前記カソード用触媒インクを乾燥する工程と、
    断裁、切断、破断、打ち抜き、切り取り等の手段を用いて、前記第一の領域と前記第二の領域を分断し、アノード用触媒層と前記高分子電解質膜による第一の積層体と、カソード用触媒層と前記高分子電解質膜による第二の積層体を得る工程と、
    前記第一の積層体と前記第二の積層体の前記高分子電解質膜同士が対向するように積層し、膜電極接合体を得る工程と、
    を含むことを特徴とする膜電極接合体の製造方法。
  2. 第一の高分子電解質膜の第一の領域にアノード用触媒インクを塗布する工程と、
    第二の高分子電解質膜の第二の領域にカソード用触媒インクを塗布する工程と、
    前記アノード用触媒インク及び前記カソード用触媒インクを乾燥し、アノード用触媒層と前記第一の高分子電解質膜による第一の積層体と、カソード用触媒層と前記第二の高分子電解質膜による第二の積層体を得る工程と、
    前記第一の積層体と前記第二の積層体の高分子電解質膜同士が対向するように積層し、膜電極接合体を得る工程と、
    を含むことを特徴とする膜電極接合体の製造方法。
  3. 前記カソード用触媒層の平均層厚が前記アノード用触媒層の平均層厚よりも厚いことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の膜電極接合体の製造方法。
  4. 前記カソード用触媒インクと前記アノード用触媒インクは、導電性粒子とその上に担持された電極触媒粒子とを含む複合粒子と、高分子電解質と、溶媒とを含み、
    前記導電性粒子に対する前記電極触媒粒子の重量比において、前記カソード用触媒インクにおける前記重量比は、前記アノード用触媒インクにおける前記重量比よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の膜電極接合体の製造方法。
  5. 前記アノード用触媒層及び前記カソード用触媒層の膜厚が傾斜してあり、
    前記アノード用触媒層の最薄部と前記カソード用触媒層の最厚部、もしくは前記アノード用触媒層の最厚部と前記カソード用触媒層の最薄部が、前記第一の積層体と前記第二の積層体の高分子電解質膜同士を対向して積層した際に対応していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の膜電極接合体の製造方法。
  6. 前記アノード用触媒層の最厚部より、前記カソード用触媒層の最薄部の方が厚いことを特徴とする、請求項5に記載の膜電極接合体の製造方法。
  7. 前記高分子電解質膜に前記アノード用触媒インク及び前記カソード用触媒インクを塗布する際に、インクの吐出量もしくは吐出圧のいずれか或いは両方を変化させながら塗布することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の膜電極接合体の製造方法。
  8. 第一の高分子電解質膜と第二の高分子電解質膜が接合された状態であり、
    前記第一の高分子電解質膜の前記第二の高分子電解質膜と逆側の面に第一の触媒層を具備し、
    前記第二の高分子電解質膜の前記第一の高分子電解質膜と逆側の面に第二の触媒層を具備した二重の電解質膜を有することを特徴とする膜電極接合体。
  9. 請求項8に記載の膜電極接合体を供えたことを特徴とする単電池セル、燃料電池スタック及び固体高分子形燃料電池。
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