JP5387059B2 - 膜電極接合体及びその製造方法並びに固体高分子形燃料電池 - Google Patents

膜電極接合体及びその製造方法並びに固体高分子形燃料電池 Download PDF

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Description

本発明は、膜電極接合体及びその製造方法並びに固体高分子形燃料電池に関し、特に、高分子電解質膜に電極触媒層を接合する際にホットプレス法を用いる膜電極接合体及びその製造方法並びに固体高分子形燃料電池に関する。
固体高分子形燃料電池用の膜電極接合体は、高分子電解質膜の両面に電極触媒層を接合させた構造を備え、膜電極接合体の電極触媒層の外側にガス拡散層を配置させ、さらにセパレータで挟み積層したものを、数百組スタックしたものが燃料電池として用いられる。
膜電極接合体の製造方法には、高分子電解質膜に電極触媒層を接合するホットプレス法が用いられている。ホットプレス法では、触媒インクを基材上に塗布・乾燥させ、基材上に電極触媒層が形成された転写シートを作製し、一組の転写シートを高分子電解質膜の両面に電極触媒層が接するように積層した積層体を、加熱・加圧して接合させ、一体化させる。この工程をホットプレス工程という。次に、ホットプレス工程の後、積層体からホットプレス部材を除く工程、積層体の転写シートの基材部分のみを除去する工程により、膜電極接合体が製造される。
転写シートの基材には、高分子フィルムなどの転写基材が用いられる場合と、ガス拡散層が用いられる場合とがある。転写シートの基材にガス拡散層を用いた場合は、特にガス拡散電極と呼び、この場合、ホットプレス工程の後に基材であるガス拡散層を除去する工程は必要ない。一方、転写シートの基材に高分子フィルムなどを用いた場合は、基材を除去する工程が必要であるが、このとき基材上に電極触媒層の一部が残り、はがれが発生してしまうことがある。
このように製造された膜電極接合体は、ホットプレス工程の圧力の条件により発電性能が変化するが、これはホットプレス工程で電極触媒層の構造や電極触媒層と高分子電解質膜の接合性が変化するためである。また、ホットプレス法により膜電極接合体を製造すると、膜電極接合体の高分子電解質膜の外縁部にしわが発生することがある。高分子電解質膜の外縁部にしわが存在すると、膜電極接合体を燃料電池としてスタックする際、ガスシール性が低下してしまう。このようなしわは、ホットプレス工程で加熱された高分子電解質膜が軟化し変形しやすくなっているときに、均等でない外力が加わると発生しやすい。
このため、膜電極接合体の発電性能を高め、しわの発生を抑えるには、ホットプレス工程の圧力が重要となる。
そこで、高分子電解質膜のしわを防止する手段として特許文献1のような取り組みがなされている。
特許文献1には、高分子電解質膜と転写シートの積層体に接する型の中央部に断面略凹形状の溝部を設けた装置が開示されている。また、転写シートの部分と高分子電解質膜の外縁部とを均等に加圧する装置によって、高分子電解質膜と電極触媒層を接合し膜電極接合体の高分子電解質膜のしわの発生を防いでいる。しかし、特許文献1の技術では、加圧する装置を膜電極接合体から剥離する際に、電極触媒層のはがれが発生したり、高分子電解質膜にしわが発生したりしてしまう。
特開2006−164887号公報
本発明は、高分子電解質膜の外縁部にしわが発生せずガスシール性に優れた膜電極接合体及びその製造方法並びに固体高分子形燃料電池を提供することである。
本発明者は、高分子電解質膜の外縁部にしわがなくガスシール性優れた膜電極接合体の製造方法として、ホットプレス部材に緩衝材を配置することで、ホットプレス工程で適切な範囲の圧力を保つことができることを発見した。
本発明の請求項1に係る発明は、基材上に電極触媒層を形成した転写シートを、高分子電解質膜の両面に貼り合わせた積層体と、積層体の外側に少なくとも一つの緩衝材を含むホットプレス部材を配置して、ホットプレスで加熱、加圧することにより一体化し、加熱、加圧を解除した後に、ホットプレス部材のうち積層体に接するものを積層体の温度が80℃以下であるときに積層体から除去することを特徴とする膜電極接合体の製造方法としたものである。
本発明の請求項2に係る発明は、ホットプレスの後に積層体から基材を除去する際には、積層体の温度が20℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の膜電極接合体の製造方法としたものである。
本発明の請求項3に係る発明は、基材が高分子フィルムであることを特徴とする請求項2に記載の膜電極接合体の製造方法としたものである。
本発明の請求項4に係る発明は、ホットプレス、積層体における高分子電解質膜と転写シートの重なる部分にかかる圧力をA、高分子電解質膜の部分にかかる圧力をBとしたとき、0.5MPa≦A≦20MPa、且つ、Bに対するAの割合A/Bが、1<A/B≦3であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の膜電極接合体の製造方法としたものである。
本発明の請求項5に係る発明は、緩衝材は、積層体の転写シートに接する中央部と高分子電解質膜の露出した外縁部とを覆う大きさであり、ホットプレスで加圧したとき、加圧方向と平行な向きの圧縮率を転写シートに接する部分についてa、高分子電解質膜に接する部分をbとしたとき、0.4≦a≦b≦0.6であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の膜電極接合体の製造方法としたものである。
本発明の請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の膜電極接合体の製造方法により製造されることを特徴とする膜電極接合体としたものである。
本発明の請求項7に係る発明は、請求項6に記載の膜電極接合体が一対のガス拡散層で挟持され、さらに、一対のガス拡散層は一対のセパレータで挟持されていることを特徴とする固体高分子形燃料電池としたものである。
本発明によれば、高分子電解質膜の外縁部にしわが発生せずガスシール性に優れた膜電極接合体及びその製造方法並びに固体高分子形燃料電池を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る膜電極接合体を示す概略断面模式図である。 本発明の実施の形態に係る膜電極接合体の製造方法の一例を示す概略断面図である。 本発明の実施の形態に係る固体高分子形燃料電池を示す概略分解模式図である。
以下に、本発明の膜電極接合体(MEA)、燃料電池について説明する。なお、本発明は、以下に記載する各実施の形態に限定されうるものではなく、当業者の知識に基づいて設計の変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうるものである。
まず、本発明の実施の形態に係る膜電極接合体12について説明し、次に、膜電極接合体12の製造方法について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る膜電極接合体12を示す概略断面模式図である。本発明の実施の形態に係る膜電極接合体(MEA)12は、高分子電解質膜1の両面に第1の電極触媒層2、第2の電極触媒層3が接合され、狭持された構造を備える。また、本発明の実施の形態に係る膜電極接合体12は、高分子電解質膜1が第1の電極触媒層2及び第2の電極触媒層3に覆われず露出した外縁部4を備える。高分子電解質膜1の外縁部4を備えることにより、第1の電極触媒層2及び第2の電極触媒層3同士のショートやリークを防止することができる。
本発明の実施の形態に係る膜電極接合体12に用いる高分子電解質膜1としては、プロトン伝導性を有するものであれば好適に用いることができる。例えば、フッ素系高分子電解質膜1として、デュポン社製Nafion(登録商標)、旭硝子(株)製Flemion(登録商標)、旭化成(株)製Aciplex(登録商標)、ゴア社製Gore Select(登録商標)などを用いることができる。中でも、デュポン社製Nafion(登録商標)系材料を好適に用いることができる。なお、第1の電極触媒層2及び第2の電極触媒層3については後述する。
本発明の実施の形態に係る膜電極接合体12の製造方法は、基材上に電極触媒層を形成した転写シートを高分子電解質膜に接合するホットプレス工程と、ホットプレス工程の後にホットプレス部材を除去する工程と、基材がガス拡散層でない場合は基材を除去する工程を備える。以下、ホットプレス工程およびホットプレス部材の除去の工程について説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係る膜電極接合体12の製造方法を示す断面模式図である。図2に示すように、高分子電解質膜1と第1の転写シート15及び第2の転写シート16を、第1の電極触媒層2及び第2の電極触媒層3が高分子電解質膜1と接するように重ねる。ここで、高分子電解質膜1と第1の転写シート15、第2の転写シート16をあわせたものを積層体17という。積層体17の外側にはホットプレス部材を配置する。図2では、ホットプレス部材に18、19、20の3種類を用いた例を示している。ホットプレス部材のうち一つは緩衝材であり、図2では19で示す。ホットプレス部材に緩衝材19を用いることで、ホットプレス工程の間、第1の転写シート15及び第2の転写シート16と高分子電解質膜1の積層体17の部分を適切な圧力に保つことができる。図2に示す構成で所定の圧力、温度でホットプレスを行う。
第1の転写シート15及び第2の転写シート16は、第1の基材13及び第2の基材14上に第1の電極触媒層2及び第2の電極触媒層3を形成したものである。第1の基材13及び第2の基材14には、高分子フィルムまたはガス拡散層が用いられることがある。第1の基材13及び第2の基材14がガス拡散層である場合は特にガス拡散電極という。ガス拡散層以外の基材を用いた場合は、高分子電解質膜1に第1の電極触媒層2及び第2の電極触媒層3を接合した後、積層体17から第1の基材13及び第2の基材14のみを除去することで、図1に示す膜電極接合体12とする。
第1の転写シート15及び第2の転写シート16の基材がガス拡散層でない場合には、第1の基材13及び第2の基材14は転写性がよい材質であればよく、例えばエチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素系樹脂を用いることができる。また、ポリイミド、ポリエチレンテレフタラート、ポリアミド(ナイロン)、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテル・エーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレートなどの高分子フィルムを用いることができる。
第1の転写シート15及び第2の転写シート16がガス拡散電極の場合、ホットプレス後に基材であるガス拡散層を除去する必要は無い。ガス拡散層としては、通常の燃料電池に用いられているものを用いることができる。具体的にガス拡散層としては、例えばカーボンクロス、カーボンペーパ、不織布などのポーラスカーボン材を用いることができる。ガス拡散層と第1の電極触媒層2及び第2の電極触媒層3との間に目処め層(図示せず)を形成させたものを用いてもよい。目処め層は、触媒インクがガス拡散層の中に染み込むことを防止する層であり、触媒インクの塗布量が少ない場合でも目処め層上に堆積して三相界面を形成する。このような目処め層は、例えばカーボン粒子とフッ素系樹脂を混練してフッ素系樹脂の融点以上の温度で焼結させることにより形成することができる。フッ素系樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を用いることができる。
ホットプレス法で膜電極接合体12を製造する場合、発電性能にはホットプレスで第1の電極触媒層2及び第2の電極触媒層3にかかる圧力が影響する。また、ホットプレス法により膜電極接合体12を製造すると、外縁部4にしわが発生することがある。膜電極接合体12にしわが存在すると、セパレータ11で狭持して複数のセルを積層する場合、ガスシール性が低下するという問題がある。
しわが少なくガスシール性に優れた膜電極接合体12は、ホットプレス工程およびホットプレス部材の除去を適切な条件で行うことで製造できる。また、ホットプレス工程の圧力を適切な範囲にすることで、発電性能の優れた膜電極接合体を製造することができる。
ホットプレス工程における圧力には、高分子電解質膜1と第1の転写シート15及び第2の転写シート16の重なる部分αにかかる圧力Aと高分子電解質膜1の部分βにかかる圧力Bに適切な範囲がある。
発電性能の高い膜電極接合体12を得るには、第1の電極触媒層2及び第2の電極触媒層3の部分、つまり高分子電解質膜1と第1の転写シート15及び第2の転写シート16の重なる部分αにかかる圧力Aが、0.5MPa≦A≦20MPaであることが望ましく、より望ましくは2MPa≦A≦15MPaである。圧力Aがこの範囲にあると、第1の電極触媒層2及び第2の電極触媒層3の構造が壊れず、高分子電解質膜1への接合性が十分に確保できるため、発電性能が高い膜電極接合体12となる。一方、高分子電解質膜1と第1の転写シート15及び第2の転写シート16の重なる部分αにかかる圧力Aが20MPaを超えると、第1の電極触媒層2及び第2の電極触媒層3が圧縮されすぎて構造が壊れてしまい、また、圧力Aが、0.5MPa未満では第1の電極触媒層2及び第2の電極触媒層3と高分子電解質膜1の接合性が十分でなくなるため、発電性能が低下してしまう。
膜電極接合体12の外縁部4へのしわの発生には、ホットプレス工程における、高分子電解質膜1の部分βにかかる圧力Bの圧力Aに対する範囲が影響する。Bが小さくAとの差が大きくなると、高分子電解質膜1の部分が変形し、しわが発生しやすくなる。AとBの差はBに対するAの割合A/Bで規定でき、1<A/B≦3であることが望ましい。より望ましい範囲は1<A/B≦2である。
図2に示すような配置でホットプレスを行うと、緩衝材19が圧縮されて変形し、圧力を分散する。緩衝材19の高分子電解質膜1と第1の転写シート15及び第2の転写シート16の重なる部分αと接する部分は、高分子電解質膜1の部分βと接する部分より第1の転写シート15及び第2の転写シート16の厚み分だけ厚みが大きくなるため、圧力Aは圧力Bよりも大きくなる。
上記の圧力A、圧力Bは、適切な緩衝材を用いることで加えることができる。緩衝材は厚み方向に加圧されると加圧方向と平行な向きに圧縮されるものがよく、また積層体17のすべてを覆う大きさであるとよい。
緩衝材は、ホットプレス工程で加圧したときの加圧方向と平行な向きの圧縮率が以下の範囲であるものがよい。ホットプレス工程で加圧するとき、第1の転写シート15及び第2の転写シート16に接する部分の緩衝材の圧縮率をa、高分子電解質膜1に接する部分の圧縮率をbとしたとき、0.4≦a≦b≦0.6であるとき、AとBの圧力の範囲を保つことができる。
緩衝材以外のホットプレス部材は、緩衝材の圧縮率に影響しない範囲であればどのようなものでもよい。積層体17と緩衝材19の間に配置するホットプレス部材18は、例えば積層体17の凹凸に追従しやすい薄膜などを用いることができる。
ホットプレスの温度は、高分子電解質膜および電極触媒層の高分子電解質のガラス転移点付近に設定するのが一般的であるが、100℃以上が望ましい。
ホットプレス工程で加熱、加圧を終了した直後は、積層体17の高分子電解質膜1は軟化しているため、外力を加えると変形しやすくなっている。この状態でホットプレス部材を積層体から除去すると、均等でない外力が加わるため高分子電解質膜1の外縁部4にしわが発生してしまうことがある。積層体17に接するホットプレス部材18を除去する工程は、積層体の温度が80℃以下であるときに行うことで、高分子電解質膜1の外縁部4のしわの発生を抑えることができる。積層体17に接するホットプレス部材18を除去する際の積層体の温度が80℃より高い温度では高分子電解質膜が軟化していることが多くしわが発生しやすい。
第1の基材13及び第2の基材14がガス拡散層でない場合は、ホットプレス部材を積層体17から除去した後、第1の基材13及び第2の基材14を除去する工程が必要となる。第1の基材13及び第2の基材14を除去する工程を、積層体17の温度が20℃未満のときに行うと、第1の基材13及び第2の基材14に第1の電極触媒層2及び第2の電極触媒層3の一部が残ってしまい、はがれが生じることがある。第1の電極触媒層2及び第2の電極触媒層3のはがれは、積層体17が20℃以上であるときに第1の基材13及び第2の基材14を除去することで防ぐことができる。
上記の条件のホットプレス法によって製造された膜電極接合体12は、高分子電解質膜1の外縁部4にしわがなくガスシール性に優れ、また発電性能に優れたものとなる。ガスシール性に優れた膜電極接合体12は、外縁部4の表面形状のうねり曲線から評価することができる。カットオフ値λf4mm、λc0.8mmの輪郭曲線フィルタにより得られるうねり曲線の最大山高さが50μm以下であれば、ガスシール性に優れた膜電極接合体となる。うねり曲線の最大山高さは、より望ましくは15μm以下である。
次に、本発明の実施の形態に係る膜電極接合体を用いた固体高分子形燃料電池について説明する。
図3は、本発明の実施の形態に係る固体高分子形燃料電池を示す概略分解模式図である。図3に示すように、本発明の実施の形態に係る固体高分子形燃料電池は、高分子電解質膜1の両面に第1の電極触媒層2及び第2の電極触媒層3を備えた膜電極接合体12、膜電極接合体12の第1の電極触媒層2及び第2の電極触媒層3と対向して空気極側ガス拡散層5及び燃料極側ガス拡散層6が配置される。これにより第1のガス拡散電極(空気極)7及び第2のガス拡散電極(燃料極)8が構成される。そしてガス流通用のガス流路9を備え、相対する主面に冷却水流通用の冷却水流路10を備えた導電性でかつ不透過性の材料よりなる1組のセパレータ11が配置される。第2のガス拡散電極(燃料極)8側のセパレータ11のガス流路9からは燃料ガスとして、例えば水素ガスが供給される。一方、第1のガス拡散電極(空気極)7側のセパレータ11のガス流路9からは、酸化剤ガスとして、例えば酸素を含むガスが供給される。そして、燃料ガスの水素と酸素ガスとを触媒の存在下で電極反応させることにより、第2のガス拡散電極(燃料極)8と第1のガス拡散電極(空気極)7の間に起電力を生じることができる。
図3に示す固体高分子形燃料電池は一組のセパレータ11に高分子電解質膜1、第1の電極触媒層2、第2の電極触媒層3、空気極側ガス拡散層5、燃料極側ガス拡散層6が狭持された、いわゆる単セル構造の固体高分子形燃料電池であるが、本発明の実施の形態にあっては、セパレータ11を介して複数のセルを積層して燃料電池とすることもできる。
以下に具体的な実施例を示す。なお、本発明は下記実施例によって制限されるものではない。
以下の要領で実施例1、実施例2及び比較例1〜4の膜電極接合体を作製した。ホットプレス部材の種類や温度などの作製条件と膜電極接合体12の状態を表1に示す。
[第1の転写シート15及び第2の転写シート16の作製]
白金担持カーボン触媒(商品名:TEC10E50E、田中貴金属工業製)と、20質量%高分子電解質溶液のナフィオン(Dupont社製、登録商標)を、水、エタノールの混合溶媒で混合し、遊星型ボールミルで分散処理を行い、触媒インクを調製した。PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)シートを第1の基材13及び第2の基材14として触媒インクを塗布し、オーブンを80℃に設定し、10分間乾燥させることで、第1の転写シート15及び第2の転写シート16を作製した。
[ホットプレス工程]
第1の転写シート15及び第2の転写シート16を正方形に打ち抜き、高分子電解質膜1のナフィオン212(Dupont社製、登録商標)の両面に対面するように第1の転写シート15及び第2の転写シート16を配置し積層体17とした。ホットプレス部材の配置は以下の通りとし、130℃で10分間、所定の圧力がかかるようにホットプレスを行った。
(緩衝材1または緩衝材2を使用した場合)
積層体17の両面に一対のPTFEシートと、その外側に緩衝材を一対配置した。緩衝材は緩衝材1及び緩衝材2の二種類用意した。緩衝材1は、厚み1.5mmのセルロース製の板で、ホットプレス工程の後の、緩衝材の圧縮率は、a=0.、b=0.であった。緩衝材2は、厚み1.5mmのセルロース製の板で、ホットプレス工程の後の、緩衝材の圧縮率は、a=0.8、b=0.9であった。
(緩衝材を使用しない場合)
積層体17の外側に厚み3mmのPTFE製の板を一対配置した。
[ホットプレス部材、第1の基材13及び第2の基材14の除去]
ホットプレス部材と積層体17を所定の温度まで冷却した後、ホットプレス部材を積層体17から除去した。さらに第1の転写シート15及び第2の転写シート16の第1の基材13及び第2の基材14であるPTFEシートを積層体17が所定の温度のときに除去することで、図1に示すような膜電極接合体12を得た。
[評価]
顕微鏡レーザ変位計(オプレンス製)を用いて、実施例1、実施例2と比較例1〜4の膜電極接合体12の高分子電解質膜1の外縁部4の表面形状を観察した。カットオフ値λ4mm、λ0.8mmの輪郭曲線フィルタを用いて得られた、うねり曲線の最大山高さを算出した。
[結果]
表1は、実施例1、実施例2、比較例1〜4について、膜電極接合体12の作製条件と膜電極接合体12の状態を示す。
表1に示すように、実施例1は、うねり曲線の最大山高さが5μm以下でしわのない膜電極接合体12を得ることができた。また、実施例2は、うねり曲線の最大山高さが5μm以下でしわのない膜電極接合体12を得ることができた。
一方、比較例1は、ホットプレス部材を除去する温度が80℃以上であったため、うねり曲線の最大山高さが311μmであり、しわが発生した。比較例2は、第1の基材13及び第2の基材14を除去する温度が20℃以下であったため、第1の基材13及び第2の基材14に第1の電極触媒層2及び第2の電極触媒層3の一部が残り、はがれが発生した。比較例3は、緩衝材を用いないため、うねり曲線の最大山高さが106μmであり、しわが発生した。比較例4は、緩衝材の圧縮率が適切な範囲でないため、うねり曲線の最大山高さが66μmであり、しわが発生した。
本発明は、高分子電解質膜にしわが発生しないためガスシール性及び発電性能に優れた固体高分子燃料電池を得ることができた。
本発明は、高分子電解質膜を用いた燃料電池、特に定置型コジェネレーションシステムや電気自動車などに好適に用いることができる。
1…高分子電解質膜、2…第1の電極触媒層、3…第2の電極触媒層、4…外縁部、5…空気極側ガス拡散層、6…燃料極側ガス拡散層、7…第1のガス拡散電極(空気極)、8…第2のガス拡散電極(燃料極)、9…ガス流路、10…冷却水流路、11…セパレータ、12…膜電極接合体、13…第1の基材、14…第2の基材、15…第1の転写シートまたはガス拡散電極、16…第2の転写シートまたはガス拡散電極、17…積層体、18…積層体に接するホットプレス部材、19…ホットプレス部材(緩衝材)、20…ホットプレス部材、α…高分子電解質膜と第1の転写シート及び第2の転写シートの重なる部分、β…高分子電解質膜の部分

Claims (6)

  1. 基材上に電極触媒層を形成した転写シートを、高分子電解質膜の両面に貼り合わせた積層体と、前記積層体の外側に少なくとも一つの緩衝材を含むホットプレス部材を配置して、ホットプレスで加熱、加圧することにより一体化し、
    前記加熱、前記加圧を解除した後に、前記ホットプレス部材のうち前記積層体に接するものを前記積層体の温度が80℃以下であるときに前記積層体から除去し、
    前記ホットプレス、前記積層体における前記高分子電解質膜と前記転写シートの重なる部分にかかる圧力をA、前記高分子電解質膜の部分にかかる圧力をBとしたとき、0.5MPa≦A≦20MPa、且つ、Bに対するAの割合A/Bが、1<A/B≦3であることを特徴とする膜電極接合体の製造方法。
  2. 前記ホットプレスの後に前記積層体から前記基材を除去する際には、前記積層体の温度が20℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の膜電極接合体の製造方法。
  3. 前記基材が高分子フィルムであることを特徴とする請求項2に記載の膜電極接合体の製造方法。
  4. 前記緩衝材は、前記積層体の前記転写シートに接する中央部と前記高分子電解質膜の露出した外縁部とを覆う大きさであり、前記ホットプレスで前記加圧したとき、加圧方向と平行な向きの圧縮率を前記転写シートに接する部分についてa、前記高分子電解質膜に接する部分をbとしたとき、0.4≦a≦b≦0.6であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の膜電極接合体の製造方法。
  5. 請求項1乃至のいずれかに記載の膜電極接合体の製造方法により製造されることを特徴とする膜電極接合体。
  6. 請求項に記載の膜電極接合体が一対のガス拡散層で挟持され、さらに、前記一対のガス拡散層は一対のセパレータで挟持されていることを特徴とする固体高分子形燃料電池。
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