JP2009238495A - 燃料電池およびこれに用いられる膜−電極−ガス拡散層接合体 - Google Patents
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Abstract
【課題】電極とガス拡散層との界面における剥離の発生を抑制する。
【解決手段】電解質膜の両面上に形成される電極に配置されるガス拡散層は、電極上において互いに分離された複数の拡散層部分を有している。複数の拡散層部分は、互いの相対的な位置が電極の面に沿って変位可能な状態で配置されている。
【選択図】図1
【解決手段】電解質膜の両面上に形成される電極に配置されるガス拡散層は、電極上において互いに分離された複数の拡散層部分を有している。複数の拡散層部分は、互いの相対的な位置が電極の面に沿って変位可能な状態で配置されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池およびこれに用いられる膜−電極−ガス拡散層接合体に関する。
燃料電池としては、電解質膜と、電解質膜の両面上に形成された電極と、それぞれの電極上に形成されたガス拡散層と、で構成された発電体である膜−電極−ガス拡散層接合体を備えるものがある。この発電体は、2つの電極のうち、アノード側に燃料ガス(例えば水素)が供給されると共に、カソード側に酸化ガス(例えば酸素)が供給されて、電気化学反応が進行することにより起電力を得る。なお、ガス拡散層は、電気化学反応に供されるガスを電極へ供給するための供給流路となる共に、集電体ともなる。
電解質膜は、固体高分子材料、例えばフッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜である。また、それぞれの電極は、電気化学反応を促進するための触媒と、電解質膜を構成する電解質と同様の電解質と、を備える触媒電極である。
上記発電体における電気化学反応の過程では、その反応量に応じた量の水が生成されるため、生成水の量に応じて、電解質膜、電極、およびガス拡散層それぞれにおける含水量が変化する。電解質膜および電極に含まれる電解質は、その含水量に応じて膨潤収縮する性質を有するため、電解質膜および電極は生成水の発生量に応じて膨潤収縮する。具体的には、電解質膜および電極は、電気化学反応の反応量が多くなって生成水の発生量が多くなると、含水量が多くなって膨潤し、電気化学反応の反応量が少なくなって生成水の発生量が少なくなると、含水量が少なくなって収縮する。電解質膜および電極の膨潤収縮は、電解質膜及び電極の厚みが通常は数十μm程度と非常に薄いことから、電解質膜及び電極の厚み方向では発生し難いのに対して、電解質膜および電極の面に沿った方向(以下、単に「面方向」と呼ぶ)で非常に大きい場合が多い。一方、ガス拡散層は、通常、空孔率の大きな導電性部材、例えば、カーボンペーパやカーボンクロスによって形成されているため、含水量が変化しても膨潤収縮は発生しない。
従って、燃料電池による発電動作中において、その発電量の変化に応じて電解質膜および電極における面方向での膨潤収縮が繰り返されるのに対して、ガス拡散層では面方向での膨潤収縮が発生しないため、電極とガス拡散層との界面に剥離が発生し得る。この剥離が発生すると、剥離部分に生成水が滞留し、電極に供給するガスの拡散の阻害や、電気抵抗の増大等によって発電性能の劣化を招く、という問題があった。
本発明は、燃料電池に利用される発電体である膜−電極−ガス拡散層接合体の電極とガス拡散層との界面に剥離が発生することを抑制する技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
電解質膜と、前記電解質膜の両面上に形成される電極と、前記電極上に配置されるガス拡散層と、で構成される膜−電極−ガス拡散層接合体であって
前記ガス拡散層は前記電極上において互いに分離された複数の拡散層部分を有しており、
前記複数の拡散層部分は、互いの相対的な位置が前記電極の面に沿って変位可能な状態で配置されている、
ことを特徴とする膜−電極−ガス拡散層接合体。
適用例1の膜−電極−ガス拡散層接合体によれば、ガス拡散層を構成する複数の拡散層部分の互いの相対的な位置が電極の面に沿って変位可能であるので、各拡散層部分が電解質膜および電極の膨潤収縮に追従して変位することが可能となる。これにより、電極とガス拡散層との界面に剥離が発生することを抑制することができる。
電解質膜と、前記電解質膜の両面上に形成される電極と、前記電極上に配置されるガス拡散層と、で構成される膜−電極−ガス拡散層接合体であって
前記ガス拡散層は前記電極上において互いに分離された複数の拡散層部分を有しており、
前記複数の拡散層部分は、互いの相対的な位置が前記電極の面に沿って変位可能な状態で配置されている、
ことを特徴とする膜−電極−ガス拡散層接合体。
適用例1の膜−電極−ガス拡散層接合体によれば、ガス拡散層を構成する複数の拡散層部分の互いの相対的な位置が電極の面に沿って変位可能であるので、各拡散層部分が電解質膜および電極の膨潤収縮に追従して変位することが可能となる。これにより、電極とガス拡散層との界面に剥離が発生することを抑制することができる。
[適用例2]
適用例1記載の膜−電極−ガス拡散層接合体であって、
前記複数の拡散層部分は互いに離間して配置されている、
ことを特徴とする膜−電極−ガス拡散層接合体。
この膜−電極−ガス拡散層接合体によれば、複数の拡散層部分が互いに離間して配置されているので、複数の拡散層部分が互いの相対的な位置が電極の面に沿って変位可能な状態とすることができる。
適用例1記載の膜−電極−ガス拡散層接合体であって、
前記複数の拡散層部分は互いに離間して配置されている、
ことを特徴とする膜−電極−ガス拡散層接合体。
この膜−電極−ガス拡散層接合体によれば、複数の拡散層部分が互いに離間して配置されているので、複数の拡散層部分が互いの相対的な位置が電極の面に沿って変位可能な状態とすることができる。
[適用例3]
適用例2記載の膜−電極−ガス拡散層接合体であって、
前記複数の拡散層部分は、それぞれの前記拡散層部分の間の離間領域に、前記拡散層部分よりも弾性率の低い接合部が形成されることにより、互いに連結されている、
ことを特徴とする膜−電極−ガス拡散層接合体。
この膜−電極−ガス拡散層接合体によれば、容易に、複数の拡散層部分が互いに離間して配置されている状態とするとともに、互いの相対的な位置が電極の面に沿って変位可能な状態とすることができる。また、複数の拡散層部分が互いに連結されているので、ガス拡散層の取り扱いを容易にすることが可能である。
適用例2記載の膜−電極−ガス拡散層接合体であって、
前記複数の拡散層部分は、それぞれの前記拡散層部分の間の離間領域に、前記拡散層部分よりも弾性率の低い接合部が形成されることにより、互いに連結されている、
ことを特徴とする膜−電極−ガス拡散層接合体。
この膜−電極−ガス拡散層接合体によれば、容易に、複数の拡散層部分が互いに離間して配置されている状態とするとともに、互いの相対的な位置が電極の面に沿って変位可能な状態とすることができる。また、複数の拡散層部分が互いに連結されているので、ガス拡散層の取り扱いを容易にすることが可能である。
[適用例4]
適用例3記載の膜−電極−ガス拡散層接合体であって、
前記接合部は吸水性を有する、
ことを特徴とする膜−電極−ガス拡散層接合体。
この膜−電極−ガス拡散層接合体によれば、接合部に水を保水しておくことが可能であり、電解質膜および電極の乾燥を抑制することが可能となる。
適用例3記載の膜−電極−ガス拡散層接合体であって、
前記接合部は吸水性を有する、
ことを特徴とする膜−電極−ガス拡散層接合体。
この膜−電極−ガス拡散層接合体によれば、接合部に水を保水しておくことが可能であり、電解質膜および電極の乾燥を抑制することが可能となる。
[適用例5]
適用例2記載の膜−電極−ガス拡散層接合体であって、
それぞれの前記拡散層部分の間の離間領域は空隙である、
ことを特徴とする膜−電極−ガス拡散層接合体。
この膜−電極−ガス拡散層接合体によっても、適用例3の膜−電極−ガス拡散層接合体と同様に、容易に、複数の拡散層部分が互いに離間して配置されている状態とするとともに、複数の拡散層部分の状態を、容易に、互いの相対的な位置が電極の面に沿って変位可能な状態とすることができる。
適用例2記載の膜−電極−ガス拡散層接合体であって、
それぞれの前記拡散層部分の間の離間領域は空隙である、
ことを特徴とする膜−電極−ガス拡散層接合体。
この膜−電極−ガス拡散層接合体によっても、適用例3の膜−電極−ガス拡散層接合体と同様に、容易に、複数の拡散層部分が互いに離間して配置されている状態とするとともに、複数の拡散層部分の状態を、容易に、互いの相対的な位置が電極の面に沿って変位可能な状態とすることができる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、膜−電極−ガス拡散層接合体、これを備える燃料電池などの形態で実現することが可能である。
本発明の実施の形態を、実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
B.第2実施例:
C.変形例:
A.第1実施例:
B.第2実施例:
C.変形例:
A.第1実施例:
図1は、本発明の第1実施例としての燃料電池を構成する発電モジュール100の概略構成を示す断面模式図である。燃料電池は、複数の発電モジュール100を複数積層したスタック構造を有する。発電モジュール100は、膜−電極−ガス拡散層接合体10と、膜−電極−ガス拡散層接合体10を挟持する2つのセパレータ20,30と、を備えている。
図1は、本発明の第1実施例としての燃料電池を構成する発電モジュール100の概略構成を示す断面模式図である。燃料電池は、複数の発電モジュール100を複数積層したスタック構造を有する。発電モジュール100は、膜−電極−ガス拡散層接合体10と、膜−電極−ガス拡散層接合体10を挟持する2つのセパレータ20,30と、を備えている。
膜−電極−ガス拡散層接合体10は、電解質膜11と、電解質膜11の各々の面上に形成された電極であるアノード12およびカソード13と、電極を形成した上記電解質膜11を両側から挟持するガス拡散層14,15と、を備えている。
電解質膜11は、湿潤状態で良好なプロトン伝導性を示す固体高分子電解質材料により形成される。固体高分子電解質材料としては、例えば、パーフルオロカーボンスルホン酸を備えるフッ素系樹脂(例えば、ナフィオン、デュポン社製)を用いることができる。
アノード12およびカソード13は、発電反応を促進するための触媒として、例えば、白金、あるいは、白金合金を備えている。より具体的には、アノード12およびカソード13は、上記触媒を担持したカーボン粒子と、電解質膜11を構成する高分子電解質と同様の電解質と、を備えている。
ガス拡散層14,15は、電気化学反応に供されるガスを電極の全面に行き渡らせるためのガス流路であると共に、集電体である。アノード側のガス拡散層14は、複数の拡散層部分14P1,14P2が、離間領域14Sを介して相互に離間した状態で配列された構造を有している。同様に、カソード側のガス拡散層15も、複数の拡散層部分15P1,15P2が、離間領域15Sを介して相互に離間した状態で配列された構造を有している。これらの離間領域14S,15Sは空隙である。また、これらの拡散層部分14P1,14P2,15P1,15P2は、ガス透過性を有する導電性部材、例えば、カーボンペーパやカーボンクロス、あるいは金属メッシュや発砲金属によって形成することができる。なお、本実施例は、ガス拡散層14,15の構造の詳細については、後述する。
膜−電極−ガス拡散層接合体10の外周縁には、シリコンゴムなどの樹脂部材によって、流体の漏洩を抑制するためのシール部16が設けられている。具体的には、シール部16は、アノード12側のガス拡散層14からカソード13側のガス拡散層15までの外周端部14e,12e,11e,13e,15eを被覆するように設けられている。
2つのセパレータ20,30は、ガス不透過性の導電性部材、例えば、カーボンを圧縮してガス不透過とした緻密質カーボンや、焼成カーボン、ステンレス鋼によって形成されている。アノード側のセパレータ20には、ガス拡散層14と接する面側に、燃料ガスである水素を誘導するための燃料ガス流路溝21が設けられている。また、カソード側のセパレータ30には、ガス拡散層15と接する面側に、酸化ガスである酸素を誘導するための酸化ガス流路溝31が設けられている。燃料ガス流路溝21を通過する燃料ガスは、ガス拡散層14を介してアノード12に供給され、電気化学反応に供される。また、酸化ガス流路溝31を通過する酸化ガスは、ガス拡散層15を介してカソード13に供給され、電気化学反応に供される。
なお、発電モジュール100を積層してスタックを形成する際には、各発電モジュールの間に、あるいは所定数の発電モジュールを積層する毎に、冷媒の通過する冷媒流路を設けても良い(図示せず)。上記スタックは、その積層方向に所定の押圧力がかかった状態で保持される。
図2は、セパレータ20側から見たアノード側のガス拡散層14を示す概略平面図である。アノード側のガス拡散層14は、額縁状の拡散層部分14P1と、拡散層部分14P1の内側の空間領域に、複数の矩形状の拡散層部分14P2が離間領域14Sを介して相互に離間して配列された構造を有している。離間領域14Sは空隙で構成されている。
図3は、アノード側のガス拡散層14の構造により得られる効果を示す説明図である。図3(A)は本実施例のガス拡散層14を構成する複数の拡散層部分14P2の一部を示し、図3(B)は比較例のガス拡散層14Cを示す。比較例のガス拡散層14Cは1つの拡散層部分で構成され、外周端縁で固定されているものである。
通常は、電解質膜および電極は、電気化学反応によって生成された水(生成水)の量に応じて膨潤収縮が発生するが、ガス拡散層には膨潤収縮は発生しない。図3(B)に示す比較例のガス拡散層14Cの場合、例えば、アノード12Cが実線矢印で示す方向に向かって膨潤収縮により変位しようとしたとする。このとき、アノード12Cとガス拡散層14Cとの界面位置Paに着目すると、界面位置Paでは、破線矢印で示す方向に向かって変位に応じた力(以下、「変位力」と呼ぶ)がガス拡散層14Cに加わることになる。しかしながら、ガス拡散層14Cでは、膨潤収縮は発生せず、かつ、1つの大きな拡散層部分で構成されて外周端縁で固定されているため、上記変位力による実線矢印方向への変位が抑制される。このため、界面位置Paでは、アノード12C側に、一点鎖線で示す方向に、上記変位力に対する応力が発生する。従って、比較例の場合には、ガス拡散層14Cとアノード12Cとの界面、例えば、図中、二点鎖線で示す領域において剥離が発生し、発電性能の劣化を招き得る。
一方、図3(A)に示す実施例の拡散層部分14P2の場合、界面位置Paを含む拡散層部分14P2は、他の拡散層部分14P2と離間して配置されているので、例えば、界面位置Paに変位力が発生した場合、界面位置Paを含む拡散層部分14P2は、この変位力に追従して、同様に変位することができる。従って、実施例の場合には、ガス拡散層14とアノード12との界面において剥離が発生することを抑制することが可能となり、発電性能の劣化を抑制することができる。
なお、上記説明はアノード側のガス拡散層14を例に説明したが、カソード側のガス拡散層15も同じ構造を有しており、同じ効果を得ることができる。
図4〜図8は、膜−電極−ガス拡散層接合体10の製造手順の例を示す説明図である。第1に、図4に示すように、図示しないホットプレス機の載置台上に敷いた下側のシート上に、アノード側の拡散層14、具体的には、額縁状の拡散層部分14P1と、複数の矩形状の拡散層部分14P2と、を載置する。なお、複数の拡散層部分14P2は、拡散層部分14P1の内側の空間領域に、相互に離間して載置する。拡散層部分14P1および拡散層部分14P2の載置は、手作業で行なってもよいし、拡散層部分14P1および複数の拡散層部分14P2のそれぞれの載置位置に対応した収納溝を有する載置用治具を用いて行なってもよい。
シートとしては、後述するホットプレス時の温度における耐熱性を有すると共に、載置台や拡散層との間の剥離性が良好であれば良く、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から成るシートを用いることができる。また、拡散層部分14P1用の部材および拡散層部分14P2用の部材としては、上記したように、例えば、カーボンペーパやカーボンクロス、あるいは金属メッシュや発砲金属等を用いることができる。
第2に、図5に示すように、あらかじめ、電解質膜11の一方の面にアノード12が形成されると共に、他方の面にカソード13が形成された膜−電極接合体(MEA:Membrane EIectrode Assembly)17を用意し、シート上に載置されたアノード側の拡散層14上に、アノード12が接するように載置する。第3に、図6に示すように、シート上に載置されたアノード側の拡散層14上に載置された膜−電極接合体17上に、さらに、カソード側の拡散層15を載置する。具体的には、膜−電極接合体17のカソード13上に、アノード側の拡散層14と同様に、額縁状の拡散層部分15P1と、複数の矩形状の拡散層部分15P2と、を載置する。第4に、図7に示すように、カソード側の拡散層15上に上側のシートを被せる。第5に、図8に示すように、上下のシートの両側からホットプレスした後、上下のシートを剥離する。この結果、膜−電極−ガス拡散層接合体10を製造することができる。
なお、発電モジュール100は、この製造した膜−電極−ガス拡散層接合体10の外周端縁にシール部16を形成し、膜−電極−ガス拡散層接合体10の両側から、セパレータ20,30を圧着して形成することができる。
なお、下側のシート上に載置する順番は、カソード側の拡散層15、膜−電極接合体17、アノード側の拡散層14、上側のシートの順であってもよい。
B.第2実施例:
図9は、本発明の第2実施例としての燃料電池を構成する発電モジュール100Aの概略構成を示す断面模式図である。本実施例の発電モジュール100Aは、ガス拡散層14A,15Aの構造が第1実施例のガス拡散層14,15と異なっている点を除いて同じである。
図9は、本発明の第2実施例としての燃料電池を構成する発電モジュール100Aの概略構成を示す断面模式図である。本実施例の発電モジュール100Aは、ガス拡散層14A,15Aの構造が第1実施例のガス拡散層14,15と異なっている点を除いて同じである。
アノード側のガス拡散層14Aは、第1実施例のアノード側のガス拡散層14の離間領域14Sが空隙である(図1参照)のに対して、離間領域14Sが空隙ではなく、接合部18tにより構成されることにより、拡散層部分14P1,14P2が互いに連結された構造を有している。また、カソード側のガス拡散層15Aも、アノード側の拡散層14Aと同様に、離間領域15Sが空隙ではなく、接合部19tにより構成されることにより、拡散層部分15P1,15P2が互いに連結された構造を有している。
接合部18t,19tは、拡散層部分14P1,14P2,15P1,15P2に用いられる部材として第1実施例で説明した部材(カーボンペーパやカーボンクロス等)よりも弾性率が低く、吸水性を有する部材により形成されている。例えば、接合部18t、19tを形成する部材としては、ナフィオン(デュポン社製)を用いることができる。
図10は、第2実施例のガス拡散層14Aの構造により得られる効果を示す説明図である。図10(A)は本実施例のガス拡散層14Aの一部を拡大して示し、図10(B)は第1実施例のガス拡散層14の一部を拡大して示している。図10(B)に示すように、離間領域14Sが空隙で構成されている第1実施例の場合には、この離間領域14S上に燃料ガス流路溝21が配置されると、この燃料ガス流路溝21から供給される燃料ガス(水素)が、ガス拡散層14を介さずに直接的にアノード12に供給されてしまう。この場合には、離間領域がないガス拡散層を用いた場合に比べて燃料ガスの拡散効率が低下し、その分だけ発電効率の低下を招き得る。一方、図10(A)に示すように、離間領域14Sが接合部18tによって構成されている本実施例の場合には、燃料ガスが、ガス拡散層14Aを介さずに直接的にアノード12に供給されてしまうことを防止することが可能となり、ガスの拡散効率の低下を防止することができる。
また、第2実施例では、接合部18tを形成する部材として拡散層部分14P1,14P2よりも弾性率の低い部材を用いているので、第1実施例で説明した電解質膜11およびアノード12の変位に追従して変位する効果も確保することができる。さらに、接合部18tを形成する部材として吸水性を有する部材を用いているので、ガス拡散層14Aで保水効果を有することができ、発電モジュール100Aを高温無加湿状態で動作させる場合において、電解質膜の乾燥を抑制し、電解質膜の電気伝導性の低下を抑制することができる。また、接合部18tを形成する部材として例示したナフィオンのように、電解質膜11やアノード12に含まれる電解質と類似した膨潤収縮特性を有する部材を用いることにより、拡散層部分14P2が、電解質膜11およびアノード12の膨潤収縮に同期して変位しやすくなり、拡散層の剥離抑制にさらに有利となる。
また、ガス拡散層14Aは、接合部18tにより複数の拡散層部分14P1,14P2が連結された1枚のシート構造となるので、後述するように、あらかじめ、1枚構造のガス拡散層14Aを製造しておくことにより、その取り扱いが容易となる。これにより、膜−電極−ガス拡散層接合体を製造する工程において、図4に示したガス拡散層をシート上に載置することが容易となり、膜−電極−ガス拡散層接合体の製造を、第1実施例における製造例(図4〜図8参照)の場合に比べて容易化することが可能である。
なお、上記説明はアノード側のガス拡散層14Aを例に説明したが、カソード側のガス拡散層15Aも同じ構造を有しており、同じ効果を得ることができる。
図11は、第2実施例のガス拡散層14Aの製造手順の例を示す説明図である。まず、図4に示した場合と同様に、図示しないホットプレス機の載置台上に敷いた下側のシート上に、ガス拡散層14Aとなる額縁状の拡散層部分14P1および複数の矩形状の拡散層部分14P2を載置する。そして、額縁状の拡散層部分14P1および複数の矩形状の拡散層部分14P2の上に、接合部18tとなる接合部材18tbを載置する。ここで、接合部材18tbは、少なくとも、額縁状の拡散層部分14P1の内側の空間領域を覆う大きさを有しており、複数の拡散層部分14P2に対応する領域が開口するように形成されている。この接合部材18tbは、例えば、額縁状の拡散層部分14P1の内側の空間領域を覆う大きさの板状の接合部材を用意し、複数の拡散層部分14P2に対応する領域をカッター等で打ち抜くことにより形成することができる。なお、この接合部材18tbとしては、上記したように、板状のナフィオンを用いることができる。
次に、接合部材18tbの上に、溶媒シート、例えば、ろ紙等に、接合部材(ナフィオン)を溶解させるためのエタノール等の溶媒と水の混合溶液を染み込ませたもの、を被せる。そして、上下のシートの両側からホットプレスする。これにより、接合部材が溶媒によって一時的に溶解し、拡散層部分14P1,14P2内に含浸して、拡散層部分14P1,14P2が相互に連結されて、1枚のシート状のガス拡散層14Aを製造することができる。
なお、カソード側のガス拡散層15Aも上記したアノード側のガス拡散層14Aと同様に製造することができる。
C.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
C1.変形例1:
上記実施例では、ガス拡散層として、額縁状の拡散層部分の内側の空間領域に複数の矩形状の拡散層部分を相互に離間して配置する場合を例に説明している。しかしながら、複数の拡散層部分の形状や配置はこれに限定されるものではなく、他の種々の形状や配置を採用することが可能である。例えば、額縁状の拡散層部分をなくし、複数の矩形状の拡散層部分を相互に離間して配置するようにしてもよい。また、複数の拡散層部分の形状は矩形状に限定されるものではなく、例えば、円形状の拡散層部分であってもよい。
上記実施例では、ガス拡散層として、額縁状の拡散層部分の内側の空間領域に複数の矩形状の拡散層部分を相互に離間して配置する場合を例に説明している。しかしながら、複数の拡散層部分の形状や配置はこれに限定されるものではなく、他の種々の形状や配置を採用することが可能である。例えば、額縁状の拡散層部分をなくし、複数の矩形状の拡散層部分を相互に離間して配置するようにしてもよい。また、複数の拡散層部分の形状は矩形状に限定されるものではなく、例えば、円形状の拡散層部分であってもよい。
C2.変形例2:
上記実施例では、複数の拡散層部分が相互に離間して配置されている場合を例に説明しているが、これらは必ずしも相互に離間して配置されていなければならないわけではなく、例えば、複数の矩形状の拡散層部分は互いに接して配置されており、額縁状の拡散層部分と複数の矩形状の拡散層部分とが離間して配置されていてもよい。すなわち、複数の拡散層部分の互いの相対的な位置が電極の面に沿って変位可能な状態で配置されていればよい。
上記実施例では、複数の拡散層部分が相互に離間して配置されている場合を例に説明しているが、これらは必ずしも相互に離間して配置されていなければならないわけではなく、例えば、複数の矩形状の拡散層部分は互いに接して配置されており、額縁状の拡散層部分と複数の矩形状の拡散層部分とが離間して配置されていてもよい。すなわち、複数の拡散層部分の互いの相対的な位置が電極の面に沿って変位可能な状態で配置されていればよい。
C3.変形例3:
上記第2実施例では、例えば、アノード側のガス拡散層14Aにおいて、離間領域14Sの全体にわたって接合部18tが形成されている場合を例に説明しているが、これに限定されるものではない。例えば、図12に示すように、離間領域14Sが空隙18aと接合部18tとで形成されたガス拡散層14Bとするようにしてもよい。この変形例のガス拡散層14Bのようにすれば、接合部18tによる保水性や膨潤収縮性を調整することができる。
上記第2実施例では、例えば、アノード側のガス拡散層14Aにおいて、離間領域14Sの全体にわたって接合部18tが形成されている場合を例に説明しているが、これに限定されるものではない。例えば、図12に示すように、離間領域14Sが空隙18aと接合部18tとで形成されたガス拡散層14Bとするようにしてもよい。この変形例のガス拡散層14Bのようにすれば、接合部18tによる保水性や膨潤収縮性を調整することができる。
なお、この変形例のガス拡散層14Aは、図11に示した接合部材18tbのうち、離間領域14Sに対応する部分を、図13に示すように、さらに、カッター等で打ち抜くことにより空隙を設けた接合部材18tbBを用いることにより、製造することができる。また、カソード側のガス拡散層15Aに対しても同様の変形が可能である。
C4.変形例4:
上記実施例では、セパレータにガス流路溝を有する構造の発電モジュールによる燃料電池を例に説明したが、異なるセパレータ形状の発電モジュールによる燃料電池としてもよい。例えば、セパレータ表面において、ガス流路溝を設けない平面形状とすると共に、セパレータと膜−電極−ガス拡散層接合体との間に、導電性多孔質部材を配置して、この導電性多孔質部材内に形成される空隙によって、ガス流路を形成する構成の発電モジュールによる燃料電池であってもよい。
上記実施例では、セパレータにガス流路溝を有する構造の発電モジュールによる燃料電池を例に説明したが、異なるセパレータ形状の発電モジュールによる燃料電池としてもよい。例えば、セパレータ表面において、ガス流路溝を設けない平面形状とすると共に、セパレータと膜−電極−ガス拡散層接合体との間に、導電性多孔質部材を配置して、この導電性多孔質部材内に形成される空隙によって、ガス流路を形成する構成の発電モジュールによる燃料電池であってもよい。
10…膜−電極−ガス拡散層接合体
11…電解質膜
12…アノード
12C…アノード
13…カソード
14…ガス拡散層
14P1,14P2…拡散層部分
14A…ガス拡散層
14B…ガス拡散層
14C…ガス拡散層
14S…離間領域
11e,12e,13e,14e…外周端部
15…ガス拡散層
15A…ガス拡散層
15S…離間領域
15P1,15P2…拡散層部分
16…シール部
17…膜−電極接合体
18a…空隙
18t…接合部
18tb,18tbB…接合部材
19t…接合部
20…セパレータ
21…燃料ガス流路溝
30…セパレータ
31…酸化ガス流路溝
100…発電モジュール
100A…発電モジュール
11…電解質膜
12…アノード
12C…アノード
13…カソード
14…ガス拡散層
14P1,14P2…拡散層部分
14A…ガス拡散層
14B…ガス拡散層
14C…ガス拡散層
14S…離間領域
11e,12e,13e,14e…外周端部
15…ガス拡散層
15A…ガス拡散層
15S…離間領域
15P1,15P2…拡散層部分
16…シール部
17…膜−電極接合体
18a…空隙
18t…接合部
18tb,18tbB…接合部材
19t…接合部
20…セパレータ
21…燃料ガス流路溝
30…セパレータ
31…酸化ガス流路溝
100…発電モジュール
100A…発電モジュール
Claims (6)
- 電解質膜と、前記電解質膜の両面上に形成される電極と、前記電極上に配置されるガス拡散層と、で構成される膜−電極−ガス拡散層接合体であって
前記ガス拡散層は前記電極上において互いに分離された複数の拡散層部分を有しており、
前記複数の拡散層部分は、互いの相対的な位置が前記電極の面に沿って変位可能な状態で配置されている、
ことを特徴とする膜−電極−ガス拡散層接合体。 - 請求項1記載の膜−電極−ガス拡散層接合体であって、
前記複数の拡散層部分は互いに離間して配置されている、
ことを特徴とする膜−電極−ガス拡散層接合体。 - 請求項2記載の膜−電極−ガス拡散層接合体であって、
前記複数の拡散層部分は、それぞれの前記拡散層部分の間の離間領域に、前記拡散層部分よりも弾性率の低い接合部が形成されることにより、互いに連結されている、
ことを特徴とする膜−電極−ガス拡散層接合体。 - 請求項3記載の膜−電極−ガス拡散層接合体であって、
前記接合部は吸水性を有する、
ことを特徴とする膜−電極−ガス拡散層接合体。 - 請求項2記載の膜−電極−ガス拡散層接合体であって、
それぞれの前記拡散層部分の間の離間領域は空隙である、
ことを特徴とする膜−電極−ガス拡散層接合体。 - 燃料電池であって、
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の膜−電極−ガス拡散層接合体を備える、
ことを特徴とする燃料電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008081345A JP2009238495A (ja) | 2008-03-26 | 2008-03-26 | 燃料電池およびこれに用いられる膜−電極−ガス拡散層接合体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008081345A JP2009238495A (ja) | 2008-03-26 | 2008-03-26 | 燃料電池およびこれに用いられる膜−電極−ガス拡散層接合体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009238495A true JP2009238495A (ja) | 2009-10-15 |
Family
ID=41252199
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008081345A Pending JP2009238495A (ja) | 2008-03-26 | 2008-03-26 | 燃料電池およびこれに用いられる膜−電極−ガス拡散層接合体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009238495A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012060029A1 (ja) * | 2010-11-04 | 2012-05-10 | トヨタ自動車株式会社 | 燃料電池及び燃料電池の製造方法 |
JP2015028888A (ja) * | 2013-07-30 | 2015-02-12 | 日本特殊陶業株式会社 | 燃料電池セル及び燃料電池セルスタック |
JP2015028889A (ja) * | 2013-07-30 | 2015-02-12 | 日本特殊陶業株式会社 | 燃料電池セル及び燃料電池セルスタック |
-
2008
- 2008-03-26 JP JP2008081345A patent/JP2009238495A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012060029A1 (ja) * | 2010-11-04 | 2012-05-10 | トヨタ自動車株式会社 | 燃料電池及び燃料電池の製造方法 |
US8877404B2 (en) | 2010-11-04 | 2014-11-04 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Fuel cell and method of manufacturing a fuel cell |
JP2015028888A (ja) * | 2013-07-30 | 2015-02-12 | 日本特殊陶業株式会社 | 燃料電池セル及び燃料電池セルスタック |
JP2015028889A (ja) * | 2013-07-30 | 2015-02-12 | 日本特殊陶業株式会社 | 燃料電池セル及び燃料電池セルスタック |
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