JP2017090677A - ゲル電解質、及びエレクトロクロミック素子 - Google Patents

ゲル電解質、及びエレクトロクロミック素子 Download PDF

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Abstract

【課題】イオン液体の特徴である低揮発性、及び低粘度を損なうことなく、高いイオン液体濃度を実現でき、ゲル化が良好であり、エレクトロクロミック素子に用いた場合に、インピーダンスを低減でき、発色応答性に優れるゲル電解質の提供。【解決手段】イオン液体と、一般式(1)で表されるモノマーと、一般式(2)で表されるモノマーと、を含む組成物の硬化物を含有するゲル電解質である。(ただし、前記一般式(1)中、Rは、メタクリル基又はアクリル基を表し、nは、7以上12以下の整数を表す。)(ただし、前記一般式(2)中、Rは、それぞれ独立にメタクリル基又はアクリル基を表し、nは、7以上12以下の整数を表す。)【選択図】なし

Description

本発明は、ゲル電解質、及びエレクトロクロミック素子に関する。
電圧を印加することで、可逆的に酸化還元反応が起こり、可逆的に色が変化する現象をエレクトロクロミズムという。
前記エレクトロクロミズムを示すエレクトロクロミック材料は、一般に、対向する2つの電極間に形成され、イオン伝導可能な電解質層が電極間に満たされた構成で酸化還元反応する。
前記エレクトロクロミック材料を用いたエレクトロクロミック素子において、透明な表示デバイスを得る場合や、シアン(C)、マゼンタ(M)、及びイエロー(Y)の3層の発色層を積層させた構成のデバイスを構築する場合には、無色透明の状態を有する材料により構成されていることが重要である。
また、前記エレクトロクロミック素子は、特に低温環境においてその発色応答性が著しく悪くなることが知られている。色彩の変化を速やかに引き起こすためにはエレクトロクロミック素子全体のインピーダンスを低減することが重要であり、前記インピーダンスの低減には電解質のイオン伝導度を向上させることが有効である。
前記電解質としては、イオン液体を用いたゲル電解質が知られている。前記イオン液体は、高いイオン伝導度、低い蒸気圧、高い耐熱性、高い耐電圧性、低い粘度等の特徴を有し、エレクトロデバイス用の電解質材料として好適に用いられている。
しかし、前記イオン液体は、その特徴的な溶解性のためイオン液体濃度の高いゲルを作製する際に、相分離が起きて透明性が損なわれたり、前記イオン液体がブリードアウトして液ダレが生じたり、ゲル化剤を用いても硬化せずにゲルを形成できないなどの問題がある。
そのため、イオン液体電解質、ゲル化添加剤、及び溶解性の高い溶媒を含有する感光色素ゲル電解質が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、イオン液体の特徴である低揮発性、及び低粘度を損なうことなく、高いイオン液体濃度を実現でき、ゲル化が良好であり、エレクトロクロミック素子に用いた場合に、インピーダンスを低減でき、発色応答性に優れるゲル電解質を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明のゲル電解質は、イオン液体と、下記一般式(1)で表されるモノマーと、下記一般式(2)で表されるモノマーと、を含む組成物の硬化物を含有する。
(ただし、前記一般式(1)中、Rは、メタクリル基又はアクリル基を表し、nは、7以上12以下の整数を表す。)
(ただし、前記一般式(2)中、Rは、それぞれ独立にメタクリル基又はアクリル基を表し、nは、7以上12以下の整数を表す。)
本発明によると、イオン液体の特徴である低揮発性、及び低粘度を損なうことなく、高いイオン液体濃度を実現でき、ゲル化が良好であり、エレクトロクロミック素子に用いた場合に、インピーダンスを低減でき、発色応答性に優れるゲル電解質を提供することができる。
図1は、本発明のエレクトロクロミック素子の一例を示す概略図である。 図2は、実施例101の測定温度25℃によるインピーダンスの測定により得られた波形を示すグラフである。
本発明のゲル電解質は、イオン液体と、下記一般式(1)で表されるモノマーと、下記一般式(2)で表されるモノマーと、を含む組成物の硬化物を含有し、更に必要に応じて、重合開始剤、その他の成分を含有してなる。
(ただし、前記一般式(1)中、Rは、メタクリル基又はアクリル基を表し、nは、7以上12以下の整数を表す。)
(ただし、前記一般式(2)中、Rは、それぞれ独立にメタクリル基又はアクリル基を表し、nは、7以上12以下の整数を表す。)
本発明のゲル電解質は、従来の感光色素ゲル電解質に用いられる平均分子量の小さい通常の溶媒は、蒸気圧が高く揮発性が高いため、低い蒸気圧を有するというイオン液体の利点が失われ、製造プロセス中のハンドリングが難しくなることがあり、また、耐熱性及び耐電圧性においても溶媒の影響が大きくなり、イオン液体の利点が失われるという知見に基づくものである。
(ゲル電解質)
本発明のゲル電解質は、イオン液体と、下記一般式(1)で表されるモノマーと、下記一般式(2)で表されるモノマーと、を含む組成物の硬化物を含有する。
(ただし、前記一般式(1)中、Rは、メタクリル基又はアクリル基を表し、nは、7以上12以下の整数を表す。)
(ただし、前記一般式(2)中、Rは、それぞれ独立にメタクリル基又はアクリル基を表し、nは、7以上12以下の整数を表す。)
<一般式(1)で表されるモノマー>
前記一般式(1)で表されるモノマーとしては、下記一般式(1)で表されれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
(ただし、前記一般式(1)中、Rは、メタクリル基又はアクリル基を表し、nは、7以上12以下の整数を表す。)
前記一般式(1)中のnとしては、7以上12以下の整数である。前記nが、7以上であると、低揮発性とすることができ、12以下であると、低粘度とすることができる。
<一般式(2)で表されるモノマー>
前記一般式(2)で表されるモノマーとしては、下記一般式(2)で表されれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
(ただし、前記一般式(2)中、Rは、それぞれ独立にメタクリル基又はアクリル基を表し、nは、7以上12以下の整数を表す。)
前記一般式(2)中の前記Rとしては、メタクリル基、又はアクリル基であり、同一の基でも異なった基であってもよいが、同一の基であることが好ましい。
前記一般式(2)中のnとしては、7以上12以下の整数である。前記nが、7以上であると、低揮発性とすることができ、12以下であると、低粘度とすることができる。
[質量比(A/B)]
−前記一般式(1)中のR及び前記一般式(2)中のRが、メタクリル基である場合−
前記一般式(1)中のR及び前記一般式(2)中のRが、メタクリル基である場合、前記一般式(1)で表されるモノマーの含有量A(質量%)と、前記一般式(2)で表されるモノマーの含有量B(質量%)との質量比(A/B)としては、18/82以上53/47以下が好ましく、20/80以上30/70以下がより好ましい。前記質量比(A/B)が、18/82以上53/47以下であると、ゲル電解質中のイオン液体の含有量が80質量%であっても相分離せず、かつ透明性を損なうことがなく、また、液ダレや硬化不良も起こさなく、透明で高イオン伝導度のゲル電解質を得ることができる。
−前記一般式(1)中のR及び前記一般式(2)中のRが、アクリル基である場合−
前記一般式(1)中のR及び前記一般式(2)中のRが、アクリル基である場合、前記一般式(1)で表されるモノマーの含有量A(質量%)と、前記一般式(2)で表されるモノマーの含有量B(質量%)との質量比(A/B)としては、26/74以上92/8以下が好ましく、28/72以上63/37以下がより好ましい。前記質量比(A/B)が26/74以上92/8以下であると、ゲル電解質中のイオン液体の含有量が80質量%であっても、また、前記質量比(A/B)が28/72以上63/37以下であると、ゲル電解質中のイオン液体の含有量が90質量%であっても、相分離せず、かつ透明性を損なうことがなく、また、液ダレや硬化不良も起こさなく、透明で高イオン伝導度のゲル電解質を得ることができる。
<イオン液体>
前記イオン液体は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、使用温度付近で液体状態であるものが挙げられる。なお、前記イオン液体とは、塩が溶解し、常温で液体状態を示す液体を意味する。
前記イオン液体としては、カチオン、及びアニオンを含む。
前記カチオンとしては、例えば、N,N−ジメチルイミダゾール塩、N,N−メチルエチルイミダゾール塩、N,N−メチルプロピルイミダゾール塩、N,N−メチルブチルイミダゾール塩、N,N−アリルブチルイミダゾール塩等のイミダゾール誘導体;N,N−ジメチルピリジニウム塩、N,N−メチルプロピルピリジニウム塩等のピリジニウム誘導体;N,N−ジメチルピロリジニウム塩、N−エチル−N−メチルピロリジニウム塩、N−メチル−N−プロピルピロリジニウム塩、N−ブチル−N−メチルピロリジニウム塩、N−メチル−N−ペンチルピロリジニウム塩、N−ヘキシル−N−メチルピロリジニウム塩等のピロリジニウム誘導体;トリメチルプロピルアンモニウム塩、トリメチルヘキシルアンモニウム塩、トリエチルヘキシルアンモニウム塩等の脂肪族4級アンモニウム系塩に由来するカチオンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アニオンとしては、例えば、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、BF 、BFCF 、BF 、PF 、NO 、CFCO 、CFSO 、(CFSO、(FSO、(CFSO)(FSO)N、(CN)、(CN)、(CN)、(CFSO、(CSO、(CPF 、AlCl 、AlCl などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記イオン液体としては、例えば、エチルメチルイミダゾリウムテトラシアノボレート(EMIMTCB、メルク社製)、エチルメチルイミダゾリウムビストリフルオロメタンスルホンイミド(EMIMTFSI、関東化学株式会社製)、エチルメチルイミダゾリウムトリペンタフルホロエチルトリフロオロホスフェート(EMIMFAP、メルク社製)、アリルブチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(ABIMBF4、関東化学株式会社製)、メチルプロピルピロリジニウムビスフルオロスルホンイミド(P13FSI、関東化学株式会社製)等を溶解した液体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記イオン液体の含有量としては、ゲル電解質全量に対して、60質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上が特に好ましい。前記含有量が、60質量%以上であると、イオン伝導度を向上できる。
<重合開始剤>
前記重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラジカル重合開始剤などが挙げられる。
前記ラジカル重合開始剤としては、例えば、熱重合開始剤、光重合開始剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記熱重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等のアゾ化合物;2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等の有機過酸化物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のケタール系光重合開始剤;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−(t−ブチル)ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系光重合開始剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記重合開始剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、全モノマー成分100質量部に対して、0.001質量部以上5質量部以下が好ましく、0.01質量部以上2質量部以下がより好ましく、0.01質量部以上1質量部以下が特に好ましい。
[ゲル電解質の製造方法]
本発明のゲル電解質としては、まず組成物溶液を作製し、作製した組成物溶液を型やフィルムに挟んで重合させるキャスト重合法等を用いた重合反応により製造することができる。
前記組成物溶液は、前記イオン液体、前記一般式(1)で表されるモノマー、及び前記一般式(2)で表されるモノマーを所望の比率で混合し、必要に応じて、前記重合開始剤、及びその他の成分を混合することができる。
前記型としては、ガラス、樹脂製等の容器、離型剤付のフィルムなどが挙げられる。電気化学デバイスの空セルを型として組成物溶液を充填して、デバイス中で直接重合させることもできる。
前記重合反応としては、ラジカル重合反応が好ましく、熱ラジカル重合反応、光ラジカル重合反応がより好ましい。また、ラジカル重合を行う際には予め組成物溶液を脱酸素しておくことが好ましい。
(エレクトロクロミック素子)
本発明のエレクトロクロミック素子は、第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間にゲル電解質とを有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
前記第1の電極及び前記第2の電極の少なくともいずれかは透明であり、第1の電極表面にエレクトロクロミック化合物を含むエレクトロクロミック層を有する。
前記ゲル電解質としては、本発明のゲル電解質を用いる。
図1は、本発明のエレクトロクロミック素子の一例を示す概略図である。
図1に示すように、第1の電極3と、第2の電極2と、前記第1の電極3と前記第2の電極2との間にゲル電解質6とを有し、前記第1の電極3及び前記第2の電極2は、支持体1により挟持され、前記第1の電極3表面には、エレクトロクロミック層5を有し、前記第2の電極2表面にエレクトロクロミック層7を有していてもよく、前記エレクトロクロミック層5、7中にエレクトロクロミック化合物4を有することが好ましい。
<エレクトロクロミック層>
前記エレクトロクロミック層は、エレクトロクロミック化合物を含み、エレクトロクロミズムを示す機能層である。前記エレクトロクロミック層は、エレクトロクロミック化合物と導電性又は半導体性ナノ構造体とが結合されて層が構成されている形態や、エレクトロクロミック化合物がラジカル重合性化合物であり、その重合膜から層が構成されている形態などが挙げられる。これらの中でも、エレクトロクロミック層が、ラジカル重合性のエレクトロクロミック化合物と、前記一般式(1)で表されるモノマー及び前記一般式(2)で表されるモノマーの少なくともいずれかと、からなる共重合体を含むことが好ましい。エレクトロクロミック層が、前記エレクトロクロミック化合物と前記モノマーとからなる共重合体を含むことで、本発明のゲル電解質を用いた場合に、発色応答性を向上できる。
前記エレクトロクロミック層の平均厚みとしては、0.2μm以上5.0μm以下が好ましい。前記平均厚みが、0.2μm以上であると、発色濃度を向上でき、5.0μm以下であると、製造コストを低くすることができ、また、着色による視認性を向上できる。
<<エレクトロクロミック化合物>>
前記エレクトロクロミック化合物は、酸化反応又は還元反応により色の変化を起こす材料であり、例えば、ラジカル重合性化合物、ポリマー系化合物などが挙げられる。これらの中でも、ラジカル重合性化合物が好ましく、トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物がより好ましい。
前記エレクトロクロミック化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜公知のエレクトロクロミック化合物を選択することができ、例えば、色素系化合物、金属錯体系化合物、金属酸化物系化合物などが挙げられる。
前記色素系化合物としては、例えば、アゾベンゼン系、アントラキノン系、ジアリールエテン系、ジヒドロプレン系、スチリル系、スチリルスピロピラン系、スピロオキサジン系、スピロチオピラン系、チオインジゴ系、テトラチアフルバレン系、テレフタル酸系、トリフェニルメタン系、トリフェニルアミン系、ナフトピラン系、ビオロゲン系、ピラゾリン系、フェナジン系、フェニレンジアミン系、フェノキサジン系、フェノチアジン系、フタロシアニン系、フルオラン系、フルギド系、ベンゾピラン系、メタロセン系等の低分子系有機エレクトロクロミック化合物;ポリアニリン、ポリチオフェン等の導電性高分子化合物などが挙げられる。
前記金属錯体系化合物、及び前記金属酸化物系化合物としては、例えば、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化インジウム、酸化イリジウム、酸化ニッケル、プルシアンブルー等の無機系エレクトロクロミック化合物などが挙げられる。
これらの中でも、色素系化合物が好ましく、色素系化合物のラジカル重合性化合物がより好ましい。
前記ラジカル重合性化合物におけるラジカル重合性官能基としては、例えば、ビニル基、メタクリル基、アクリル基、スチリル基、アリル基などが挙げられる。
前記エレクトロクロミック化合物の具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、例示化合物(1)、例示化合物(2)、例示化合物(3)などが挙げられる。
−例示化合物(1)−
−例示化合物(2)−
−例示化合物(3)−
前記一般式(1)で表されるモノマー及び前記一般式(2)で表されるモノマー以外のラジカル重合性モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メトキシエチレングリコールアクリレート、メトキシエトキシエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールアクリレート、トリメチロールプロパンポリエチレンオキサイドトリアクリレート、ペンタエリスリトールペンタアクリレート、N,N’−メチレンジアクリルアミドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<導電性乃至半導体性ナノ構造体>>
前記導電性乃至半導体性ナノ構造体とは、ナノ粒子又はナノポーラス構造体等のナノスケールの凹凸を有するナノ構造体を意味する。
前記エレクトロクロミック化合物が、結合又は吸着構造として、ホスホン酸基、リン酸基又はカルボキシル基を有するとき、前記エレクトロクロミック化合物は、容易に前記ナノ構造体と複合化し、発色画像保持性に優れたエレクトロクロミック組成物となり、前記エレクトロクロミック組成物からエレクトロクロミック層を形成することができる。
また、前記エレクトロクロミック化合物が、シリル基又はシラノール基を有するとき、シロキサン結合を介して前記ナノ構造体と結合されてその結合は強固なものとなり、やはり安定なエレクトロクロミック組成物を得ることができる。前記シロキサン結合とは、ケイ素原子及び酸素原子を介した化学結合を意味する。さらに、前記エレクトロクロミック組成物は、特に制限はなく、目的に応じて適宜公知の結合方法及び形態を選択することができるが、前記エレクトロクロミック化合物と前記ナノ構造体とがシロキサン結合を介して結合した構造を有していることが好ましい。
前記導電性乃至半導体性ナノ構造体を構成する材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、透明性や導電性の点から、金属酸化物が好ましい。 前記金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化ホウ素、酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、酸化カルシウム、フェライト、酸化ハフニウム、酸化タングステン、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化バナジウム、酸化インジウム、アルミノケイ酸、リン酸カルシウム、アルミノシリケート等を主成分とするものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、電気伝導性等の電気的特性、光学的性質等の物理的特性、及び発消色の応答速度の点から、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化インジウム、酸化タングステンが好ましく、より発消色の応答速度に優れる点から、酸化チタンがより好ましい。
前記金属酸化物の形状としては、個数平均一次粒子径が30nm以下である金属酸化物粒子が好ましい。前記平均一次粒子径が30nm以下であると、金属酸化物に対する光の透過率が向上し、単位体積当たりの表面積(以下、「比表面積」とも称することがある)が大きい形状が用いられる。大きな比表面積を有することで、より効率的にエレクトロクロミック化合物が担持され、発消色の表示コントラスト比に優れた多色カラー表示が可能である。
前記金属酸化物の比表面積としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、100m/g以上が好ましい。
<第1の電極、及び第2の電極>
前記第1の電極、及び第2の電極としては、前記第1の電極及び前記第2の電極の少なくともいずれかが透明であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜公知の導電体を選択することができる。
前記透明である電極としては、導電性を有する透明材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スズをドープした酸化インジウム(以下、「ITO」とも称することがある)、フッ素をドープした酸化スズ(以下、「FTO」とも称することがある)、アンチモンをドープした酸化スズ(以下、「ATO」とも称することがある);ITO、InSnO、GaZnO、SnO、In、酸化亜鉛(ZnO)等の無機材料などが挙げられる。
また、透明性を有するカーボンナノチューブや、他のAu、Ag、Pt、Cuなど高導電性の非透過性材料等を微細なネットワーク状に形成して、透明度を保持したまま、導電性を改善した電極を用いてもよい。
前記第1の電極、及び前記第2の電極の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、エレクトロクロミック層の酸化還元反応に必要な電気抵抗値が得られるように調整されることが好ましい。
前記第1の電極及び第2の電極の材料としてITOを用いた場合、前記第1の電極及び前記第2の電極の平均厚みとしては、50nm以上500nm以下が好ましい。
前記第1の電極及び前記第2の電極の作製方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法などが挙げられる。
前記第1の電極及び前記第2の電極の作製方法の具体例としては、塗布形成できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、ノズルコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法等の各種印刷法などが挙げられる。
<ゲル電解質>
前記ゲル電解質としては、本発明のゲル電解質を用いる。
前記ゲル電解質からなる電解質層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100nm以上1,000μm以下が好ましい。
<その他の部材>
前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、支持体、封止材、絶縁性多孔質層、劣化防止層、保護層などが挙げられる。
<<支持体>>
前記支持体としては、各層を支持できる透明材料であれば、周知の有機材料や無機材料をそのまま用いることができる。
前記支持体としては、例えば、無アルカリガラス、硼珪酸ガラス、フロートガラス、ソーダ石灰ガラス等のガラス基板;ポリカーボネイト樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂基板などが挙げられる。
前記支持体の表面としては、水蒸気バリア性、ガスバリア性、紫外線耐性、及び視認性を高めるために、透明絶縁層、UVカット層、反射防止層などがコーティングされていてもよい。
前記支持体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、長方形、丸型などが挙げられる。
前記支持体としては、複数重ねあわせでもよく、例えば、2枚のガラス基板でエレクトロクロミック素子を挟持する構造にすることで、水蒸気バリア性、及びガスバリア性を高めることができる。
<<封止材>>
前記封止材は、貼り合せたエレクトロクロミック素子の側面を封止し、前記ゲル電解質の漏洩を防ぎ、大気中の水分や酸素などエレクトロクロミック素子が安定的に動作するために不要なものの侵入を防ぐなどの機能を有する。
前記封止材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紫外線硬化型、熱硬化型の樹脂などが挙げられ、具体的には、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂などが挙げられる。
<<絶縁性多孔質層>>
前記絶縁性多孔質層は、前記第1の電極と前記第2の電極とが電気的に絶縁されるように隔離すると共に、電解質を保持する機能を有する。
前記絶縁性多孔質層の材料としては、多孔質であれば特に制限はなく、絶縁性、及び耐久性が高く成膜性に優れた有機材料や無機材料、及びそれらの複合体を用いることが好ましい。
前記絶縁性多孔質層の形成方法としては、例えば、焼結法(高分子微粒子や無機粒子を、バインダ等を添加して部分的に融着させ粒子間に生じた孔を利用する)、抽出法(溶剤に可溶な有機物又は無機物類と溶剤に溶解しないバインダ等で構成層を形成した後に、溶剤で有機物又は無機物類を溶解させ細孔を得る)、発泡させる発泡法、良溶媒と貧溶媒を操作して高分子化合物等の混合物を相分離させる相転換法、各種放射線を輻射して細孔を形成させる放射線照射法などが挙げられる。
<<保護層>>
前記保護層は、外的応力や洗浄工程の薬品からエレクトロクロミック素子を守ることや、ゲル電解質の漏洩を防ぐこと、大気中の水分や酸素などエレクトロクロミック素子が安定的に動作するために不要なものの侵入を防ぐことなどの機能を有する。
前記保護層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm以上200μm以下が好ましい。
前記保護層の材料としては、例えば、紫外線硬化型や熱硬化型の樹脂などが挙げられ、具体的には、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂などが挙げられる。
<用途>
本発明のゲル電解質は、エレクトロクロミック素子に限られず、リチウム電池、太陽電池、燃料電池、イオン伝導型アクチュエータなどの種々の電気化学デバイスに好適に使用できる。
本発明のエレクトロクロミック素子は、透明性が高く発色応答性に優れているので、例えば、エレクトロクロミックディスプレイ、株価の表示板等の大型表示板、防眩ミラー、調光ガラス等の調光素子、タッチパネル式キースイッチ等の低電圧駆動素子、光スイッチ、光メモリー、電子ペーパー、電子アルバムなどに好適に使用することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これら実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<ゲル電解質の作製例>
まず、下記一般式(1)で表されるモノマーとしてメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(商品名:ブレンマーPME−400、日油株式会社製、n=9)に対して、質量比(モノマー/重合開始剤)が95/5となるように重合開始剤としてirgacure184(BASF社製)を溶解し、モノマー溶液A1を得た。続いて、下記一般式(2)で表されるモノマーとしてポリエチレングリコールジメタクリレート(商品名:ブレンマーPDE−400、日油株式会社製、n=9)に対して、質量比(モノマー/重合開始剤)が95/5となるように重合開始剤としてirgacure184(BASF社製)を溶解し、モノマー溶液B1を得た。
次に、得られたモノマー溶液A1とB1とを1/9で混合し、そこにイオン液体の塩としてエチルメチルイミダゾリウムビスフルオロスルホンイミド(EMIMFSI、関東化学株式会社製)を混合溶解して組成物溶液を作製した。なお、一般式(1)で表されるモノマーの含有量A(質量%)と、一般式(2)で表されるモノマーの含有量B(質量%)との質量比(A/B)は、10/90である。
次に、得られた組成物溶液50μLをガラス板上に滴下し、Nフロー下(100mL/min)で5分間静置した後、Nフロー下のままUV(波長250nm)照射装置(ウシオ電機株式会社製、SPOT CURE)により10mWで60秒間照射し電解質を得た。
(ただし、前記一般式(1)中、Rは、メタクリル基又はアクリル基を表し、nは、7以上12以下の整数を表す。)
(ただし、前記一般式(2)中、Rは、それぞれ独立にメタクリル基又はアクリル基を表し、nは、7以上12以下の整数を表す。)
<イオン液体濃度>
次に、前記電解質を用いて、「イオン液体濃度」を評価した。具体的には、電解質の作製において、電解質がゲル化した場合は、モノマー溶液に対するイオン液体の含有量を増やして再度電解質を作製し、下記判定基準に従い、ゲル化の有無を確認した。これを電解質がゲル化しなくなるまで繰り返し、電解質がゲル化できる最大の「イオン液体濃度」を評価した。モノマーの組成比と、電解質がゲル化できる最大のイオン液体濃度を下記表1に示した。
[判定基準]
ゲル化している:電解質が硬化して流動性が無く、液ダレもなく透明である
ゲル化していない:電解質が白濁している、液ダレしている、又は硬化しておらず流動性がある
(実施例2〜27、及び比較例1)
実施例1において、下記表1の質量比(A/B)に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜27、及び比較例1の電解質を得た。得られた電解質について、実施例1と同様にして、「イオン液体濃度」を評価した。結果を下記表1に示した。
前記表1の結果から、一般式(1)で表されるモノマー、及び一般式(2)で表されるモノマーとして、それぞれメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(PME−400、商品名:ブレンマーPME−400)、及びポリエチレングリコールジメタクリレート(PDE−400、商品名:ブレンマーPDE−400)を使用した場合、質量比(PME−400/PDE−400)が、18/82以上53/47以下のときに、ゲル電解質中のイオン液体濃度が80質量%以上となった。
(実施例28)
実施例1において、一般式(1)で表されるモノマーとしてメトキシポリエチレングリコールメタクリレート、及び一般式(2)で表されるモノマーとしてポリエチレングリコールジメタクリレートを、前記一般式(1)で表されるモノマーとしてメトキシポリエチレングリコールアクリレート(日油株式会社製、商品名:ブレンマーAME−400、一般式(1)中のnは9)、及び一般式(2)で表されるモノマーとしてポリエチレングリコールジアクリレート(日油株式会社製、商品名:ブレンマーADE−400A、一般式(2)中のnは9)に変更した以外は、実施例1と同様にして、電解質を得た。得られた電解質について、実施例1と同様にして、「イオン液体濃度」を評価した。結果を下記表2に示した。
(実施例29〜59、及び比較例2〜3)
実施例28において、下記表2の質量比(A/B)に変更した以外は、実施例28と同様にして、実施例29〜59、及び比較例2〜3の電解質を得た。得られた電解質について、実施例28と同様にして、「イオン液体濃度」を評価した。結果を下記表2に示した。
前記表2の結果から、前記一般式(1)で表されるモノマー、及び前記一般式(2)で表されるモノマーとして、それぞれメトキシポリエチレングリコールアクリレート(AME−400、商品名:ブレンマーAME−400、及びポリエチレングリコールジアクリレート(ADE−400A、商品名:ブレンマーADE−400A)を使用した場合、質量比(AME−400/ADE−400A)が、26/74以上92/8以下のときに、ゲル電解質中のイオン液体濃度が、80質量%以上となった。さらに、質量比(AME−400/ADE−400A)が、28/72以上63/37以下のとき、ゲル電解質中のイオン液体濃度が90質量%以上となった。
(実施例60)
実施例1において、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、及び前記一般式(1)で表されるモノマーの含有量A(質量%)と前記一般式(2)で表されるモノマーの含有量B(質量%)との質量比(A/B)を、メトキシポリエチレングリコールアクリレート(日油株式会社製、商品名:ブレンマーAME−400、一般式(1)中のnは9)、質量比(A/B)が30/70に変更した以外は、実施例1と同様にして、「イオン液体濃度」を評価した。結果を下記表3に示した。
(実施例61〜62)
実施例60において、下記表3の質量比(A/B)に変更した以外は、実施例60と同様にして、実施例61〜62の電解質を得た。得られた電解質について、実施例60と同様にして、「イオン液体濃度」を評価した。結果を下記表3に示した。
(実施例63)
実施例1において、ポリエチレングリコールジメタクリレート、及び前記一般式(1)で表されるモノマーの含有量A(質量%)と前記一般式(2)で表されるモノマーの含有量B(質量%)との質量比(A/B)を、ポリエチレングリコールジアクリレート(ADE−400A、商品名:ブレンマーADE−400A)、質量比(A/B)が30/70に変更した以外は、実施例1と同様にして、「イオン液体濃度」を評価した。結果を下記表4に示した。
(実施例64〜65)
実施例63において、下記表4の質量比(A/B)に変更した以外は、実施例63と同様にして、実施例64〜65の電解質を得た。得られた電解質について、実施例63と同様にして、「イオン液体濃度」を評価した。結果を下記表4に示した。
(実施例66)
実施例1において、下記表5のイオン液体の塩、及び質量比(A/B)が30/70に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例66の電解質を得た。得られた電解質について、実施例1と同様にして、「イオン液体濃度」を評価した。結果を下記表5に示した。
(実施例67〜80、及び比較例4〜8)
実施例66において、下記表5のイオン液体の塩、及び質量比(A/B)に変更した以外は、実施例66と同様にして、実施例67〜80、及び比較例4〜8の電解質を得た。得られた電解質について、実施例66と同様にして、「イオン液体濃度」を評価した。結果を下記表5に示した。
なお、前記表5において、成分の商品名、及び製造会社名については下記の通りである。
・EMIMTCB:エチルメチルイミダゾリウムテトラシアノボレート、メルク社製
・EMIMTFSI:エチルメチルイミダゾリウムビストリフルオロメタンスルホンイミド、関東化学株式会社製
・EMIMFAP:エチルメチルイミダゾリウムトリペンタフルホロエチルトリフロオロホスフェート、メルク社製
・ABIMBF4:アリルブチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、関東化学株式会社製
・P13FSI:メチルプロピルピロリジニウムビスフルオロスルホンイミド、関東化学株式会社製
前記表5の結果から、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(商品名:ブレンマーPME−400、日油株式会社製、n=9)と下記一般式(2)で表されるモノマーとしてポリエチレングリコールジメタクリレート(商品名:ブレンマーPDE−400、日油株式会社製、n=9)を使用した場合、質量比(A/B)が、30/70以上50/50以下のときに、流動性が無く液ダレもなく透明である良好なゲル電解質が得られた。
(実施例81)
実施例66において、前記一般式(1)で表されるモノマーとしてメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(商品名:ブレンマーPME−400、日油株式会社製、n=9)、前記一般式(2)で表されるモノマーとしてポリエチレングリコールジメタクリレート(商品名:ブレンマーPDE−400、日油株式会社製、n=9)を、メトキシポリエチレングリコールアクリレート(商品名:ブレンマーAME−400、日油株式会社、n=9)、及びポリエチレングリコールジアクリレート(商品名:ブレンマーADE−400A、日油株式会社製、n=9)に変更した以外は、実施例66と同様にして、実施例81の電解質を得た。得られた電解質について、実施例66と同様にして、「イオン液体濃度」を評価した。結果を下記表6に示した。
(実施例82〜100、及び比較例9〜13)
実施例81において、下記表6のイオン液体の塩、及び質量比(A/B)に変更した以外は、実施例81と同様にして、実施例82〜100、及び比較例9〜13の電解質を得た。得られた実施例82〜100、及び比較例9〜13の電解質について、実施例81と同様にして、「イオン液体濃度」を評価した。結果を表6に示した。
なお、前記表6において、成分の商品名、及び製造会社名については下記の通りである。
・EMIMTCB:エチルメチルイミダゾリウムテトラシアノボレート、メルク社製
・EMIMTFSI:エチルメチルイミダゾリウムビストリフルオロメタンスルホンイミド、関東化学株式会社製
・EMIMFAP:エチルメチルイミダゾリウムトリペンタフルホロエチルトリフロオロホスフェート、メルク社製
・ABIMBF4:アリルブチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、関東化学株式会社製
・P13FSI:メチルプロピルピロリジニウムビスフルオロスルホンイミド、関東化学株式会社製
前記表6の結果から、メトキシポリエチレングリコールアクリレート(商品名:ブレンマーAME−400、日油株式会社、n=9)、及びポリエチレングリコールジアクリレート(商品名:ブレンマーADE−400A、日油株式会社製、n=9)を使用した場合、質量比(A/B)が、30/70以上90/10以下のときに、流動性が無く液ダレもなく透明である良好なゲル電解質が得られた。
<電解質の揮発性の評価>
前記一般式(1)で表されるモノマーとしてメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(商品名:ブレンマーPME−400、日油株式会社製、n=9)と前記一般式(2)で表されるモノマーとしてポリエチレングリコールジメタクリレート(商品名:ブレンマーPDE−400、日油株式会社製、n=9)とを質量比が50/50で混合し、そこにイオン液体の塩としてエチルメチルイミダゾリウムビスフルオロスルホンイミド(EMIMFSI、関東化学株式会社製)を、イオン液体濃度が83質量%となるように混合溶解して電解質Aを作製した。
前記電解質Aの作製において、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、及びポリエチレングリコールジメタクリレート、イオン液体濃度を、メトキシポリエチレングリコールアクリレート(日油株式会社製、商品名:ブレンマーAME−400、一般式(1)中のnは9)、ポリエチレングリコールジアクリレート、及びイオン液体濃度が92質量%に変更した以外は、前記電解質Aの作製と同様にして、電解質Bを作製した。
アルゴン雰囲気のグローブボックス内で、イオン液体であるエチルメチルイミダゾリウムビスフルオロスルホンイミド(EMIMFSI、関東化学株式会社製)をガラス基板(40mm×40mm)上に1滴滴下し、その質量を測定した後に60℃のホットプレート上で24時間放置した。放置後のサンプルの質量を測定した結果、質量変化は無かった。
同様に、前記電解質A、及び前記電解質Bをガラス基板(40mm×40mm)上に1滴滴下し、その質量を測定した後に60℃のホットプレート上で24時間放置した。放置後のサンプルの質量を測定した結果、どちらも質量変化は無かった。
よって、作製した電解質は、イオン液体と同等の低揮発性を備えていることが分かる。
<電解質の粘度の評価>
前記電解質A、及び前記電解質Bについて、液粘度を測定した。測定は、TV型粘度計(東機産業株式会社製、TV−22)を用いて、23℃、回転速度10rpmで測定を行った。なお、イオン液体であるエチルメチルイミダゾリウムビスフルオロスルホンイミド(EMIMFSI、関東化学株式会社製)の粘度は、20mPa・sであった。結果を表7に示す。
表7の結果からより、作製した電解質は、イオン液体と比べ同等の粘度であることが分かる。
(実施例101)
<エレクトロクロミック素子の作製例1>
<<第1の電極の表面へのエレクトロクロミック層の形成>>
第1の電極としてのITOガラス基板(40mm×40mm、平均厚み:0.7mm、ITO膜厚:約100nm)上に、前記一般式(2)で表されるモノマーとして、ポリエチレングリコールジアクリレート(商品名:PEG−400DA、日本化薬株式会社製)と、irgacure184(BASF社製)と、下記構造式(2)で表される化合物(例示化合物2)と2−ブタノンを質量比(57/3/140/800)で混合した溶液をスピンコート法により塗布し、窒素雰囲気下でUV硬化させて第1の電極上に構造式で表される化合物(例示化合物2)を含む平均厚みが1.1μmのエレクトロクロミック層を形成した。
構造式(2)で表される化合物(例示化合物(2))
<第2の電極上へのエレクトロクロミック層の形成>
第2の電極としてのITOガラス基板(40mm×40mm、平均厚み:0.7mm、ITO膜厚:約100nm)上に、酸化チタンナノ粒子分散液(商品名:SP210、昭和タイタニウム株式会社製、平均粒子径:約20nm)をスピンコート法により塗布し、120℃で15分間アニール処理を行うことによって、酸化チタン粒子膜を形成した。この酸化チタン粒子膜に下記構造式(3)で表される化合物の2質量%2,2,3,3−テトラフロロプロパノール溶液を塗布液としてスピンコート法により塗布し、120℃で10分間アニール処理を行うことによって第2の電極上に酸化チタン粒子表面に構造式(3)で表される化合物を吸着させた平均厚みが1.0μmのエレクトロクロミック層を形成した。
構造式(3)
<<空セルの作製>>
それぞれ前記エレクトロクロミック層を形成した前記第1の電極及び前記第2の電極を、50μmのフィルムを挟んで貼り合せ、端部2辺をUV接着剤フォトレックE(低透湿タイプ、積水化学工業株式会社製)で封止した後、フィルムを抜き取って空セルを作製した。
<<ゲル電解質の充填>>
前記一般式(1)で表されるモノマーとしてメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(商品名:ブレンマーPME−400、日油株式会社製、n=9)と下記一般式(2)で表されるモノマーとしてポリエチレングリコールジメタクリレート(商品名:ブレンマーPDE−400、日油株式会社製、n=9)に対して、それぞれ質量比(各モノマー/重合開始剤)で95/5となるように重合開始剤としてirgacure184(BASF社製)を溶解し、モノマー溶液を得た。質量比(A/B)は、10/90とした。次に、イオン液体としてエチルメチルイミダゾリウムビスフルオロスルホンイミド(EMIMFSI、関東化学株式会社製)の含有量が50質量%になるように組成物溶液を作製した。この組成物溶液を空セルの中に気泡が入らないよう慎重に浸透させた。その後UV照射装置により10mWで60秒間照射して、電解質を硬化させた。その後セルの残りの端部2辺を封止してエレクトロクロミック素子1を作製した。
作製したエレクトロクロミック素子1を用いて、下記のようにして「インピーダンス」を測定した。
交流インピーダンス法にてデバイスのインピーダンスを測定した。測定装置は、モジュール式電気化学測定システム(装置名:modulab、株式会社東洋テクニカ製)を使用し、印加交流電圧:10mV、測定周波数範囲:1Hz〜1,000,000Hz、測定温度が、25℃、15℃、5℃、−5℃、及び−15℃で測定を行った。測定の結果、図2に示すような形状のインピーダンス波形が得られた。このときの円弧の弦の長さをエレクトロクロミック素子1のインピーダンスとして測定した。結果を表8に示す。
(実施例102〜117、及び比較例14〜15)
実施例101において、下記表8に示す組成、及び含有量に変更した以外は、実施例101と同様にして、実施例102〜117、及び比較例14〜15のエレクトロクロミック素子を作製した。作製したエレクトロクロミック素子を用いて、実施例101と同様にして、インピーダンスの測定を行った。結果を下記表8に示す。
なお、前記表8において、成分の商品名、及び製造会社名については下記の通りである。
・PME−400:メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、日油株式会社製、商品名:ブレンマーPME−400、一般式(1)中のnは9
・AME−400:メトキシポリエチレングリコールアクリレート、日油株式会社製、商品名:ブレンマーAME−400、一般式(1)中のnは9
・PDE−400:ポリエチレングリコールジメタクリレート、日油株式会社製、商品名:ブレンマーPDE−400、一般式(2)中のnは9
・ADE−400A:ポリエチレングリコールジアクリレート、日油株式会社製、商品名:ブレンマーADE−400A、一般式(2)中のnは9
・EMIMTFSI:エチルメチルイミダゾリウムビストリフルオロメタンスルホンイミド、関東化学株式会社製)
前記表8の結果から、イオン液体濃度が高いほど小さいインピーダンスを示した。よって本発明のゲル電解質はイオン液体濃度を高めることができるため、エレクトロクロミック素子のインピーダンスを小さくすることができる。
(実施例118〜146、及び比較例16〜17)
<エレクトロクロミック素子の作製>
実施例101において、第1の電極上のエレクトロクロミック層として、使用するエレクトロクロミック化合物と、前記一般式(1)で表されるモノマー、及び前記一般式(1)で表されるモノマーを、表9に示すエレクトロクロミック化合物と、前記一般式(1)で表されるモノマー、及び前記一般式(2)で表されるモノマー、質量比(A/B)、並びにイオン液体濃度に変更した以外は、実施例101と同様にして、実施例118〜146、及び比較例16〜17のエレクトロクロミック素子を作製した。
作製したエレクトロクロミック素子を用いて、下記のようにして、「発色応答性」を評価した。
<発色応答性>
作製した実施例118〜146、及び比較例16〜17のエレクトロクロミック素子を用いて、第1の電極に対して、第2の電極に−2Vの電圧を1秒間印加してエレクトロクロミック素子を発色させた。その際の表示領域の中心の透過率をマルチチャンネル分光器(装置名:USB4000、Ocean Optics社製)で測定し、可視領域(波長380nm以上780nm以下)の各波長の透過率の平均値を計測した。透過率が低いほど発色応答性に優れる。
なお、前記表9において、成分の商品名、及び製造会社名については下記の通りである。
・PME−400:メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、日油株式会社製、商品名:ブレンマーPME−400、一般式(1)中のnは9
・AME−400:メトキシポリエチレングリコールアクリレート、日油株式会社製、商品名:ブレンマーAME−400、一般式(1)中のnは9
・PDE−400:ポリエチレングリコールジメタクリレート、日油株式会社製、商品名:ブレンマーPDE−400、一般式(2)中のnは9
・ADE−400A:ポリエチレングリコールジアクリレート、日油株式会社製、商品名:ブレンマーADE−400A、一般式(2)中のnは9
・EMIMFSI:エチルメチルイミダゾリウムビスフルオロスルホンイミド、関東化学株式会社製
・EMIMTCB:エチルメチルイミダゾリウムテトラシアノボレート、メルク社製
・EMIMTFSI:エチルメチルイミダゾリウムビストリフルオロメタンスルホンイミド、関東化学株式会社製
・EMIMFAP:エチルメチルイミダゾリウムトリペンタフルホロエチルトリフロオロホスフェート、メルク社製
・ABIMBF4:アリルブチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、関東化学株式会社製
・P13FSI:メチルプロピルピロリジニウムビスフルオロスルホンイミド、関東化学株式会社製
・例示化合物(1):
・例示化合物(2):
・例示化合物(3):
・PEG−400DA:ポリエチレングリコールジアクリレート、商品名:PEG−400DA、日本化薬株式会社製
前記表9の結果から、実施例118〜146のエレクトロクロミック素子は良好な発色応答性を示すことが分かった。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> イオン液体と、
下記一般式(1)で表されるモノマーと、
下記一般式(2)で表されるモノマーと、を含む組成物の硬化物を含有することを特徴とするゲル電解質である。
(ただし、前記一般式(1)中、Rは、メタクリル基又はアクリル基を表し、nは、7以上12以下の整数を表す。)
(ただし、前記一般式(2)中、Rは、それぞれ独立にメタクリル基又はアクリル基を表し、nは、7以上12以下の整数を表す。)
<2> 前記一般式(1)中のR及び前記一般式(2)中のRが、メタクリル基であり、
前記一般式(1)で表されるモノマーの含有量A(質量%)と、前記一般式(2)で表されるモノマーの含有量B(質量%)との質量比(A/B)が、18/82以上53/47以下である前記<1>に記載のゲル電解質である。
<3> 前記質量比(A/B)が、20/80以上30/70以下である前記<2>に記載のゲル電解質である。
<4> 前記一般式(1)中のR及び前記一般式(2)中のRが、アクリル基であり、
前記一般式(1)で表されるモノマーの含有量A(質量%)と、前記一般式(2)で表されるモノマーの含有量B(質量%)との質量比(A/B)が、26/74以上92/8以下である前記<1>に記載のゲル電解質である。
<5> 前記質量比(A/B)が、28/72以上63/37以下である前記<4>に記載のゲル電解質である。
<6> イオン液体の含有量が、80質量%以上である前記<1>から<5>のいずれかに記載のゲル電解質である。
<7> イオン液体の含有量が、90質量%以上である前記<6>に記載のゲル電解質である。
<8> 重合開始剤をさらに含有する前記<1>から<7>のいずれかに記載のゲル電解質である。
<9> 前記一般式(1)で表されるモノマーが、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、及びメトキシポリエチレングリコールアクリレートのいずれかである前記<1>に記載のゲル電解質である。
<10> 前記一般式(2)で表されるモノマーが、ポリエチレングリコールジメタクリレート、及びポリエチレングリコールジアクリレートのいずれかである前記<1>に記載のゲル電解質である。
<11> 前記イオン液体の塩が、エチルメチルイミダゾリウムテトラシアノボレート、エチルメチルイミダゾリウムビストリフルオロメタンスルホンイミド、エチルメチルイミダゾリウムトリペンタフルホロエチルトリフロオロホスフェート、及びメチルプロピルピロリジニウムビスフルオロスルホンイミドから選択される少なくとも1種である前記<1>から<10>のいずれかに記載のゲル電解質である。
<12> 前記重合開始剤が、ラジカル重合開始剤である前記<7>から<11>のいずれかに記載のゲル電解質である。
<13> 前記ラジカル重合開始剤が、光重合開始剤である前記<12>に記載のゲル電解質である。
<14> 前記光重合開始剤が、ケタール系光重合開始剤である前記<13>に記載のゲル電解質である。
<15> ケタール系光重合開始剤が、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンである前記<14>に記載のゲル電解質である。
<16> 重合開始剤の含有量が、全モノマー成分100質量部に対して、0.001質量部以上5質量部以下である前記<7>から<15>のいずれかに記載のゲル電解質である。
<17> 第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極及び前記第2の電極の間にゲル電解質とを有し、
前記第1の電極及び前記第2の電極の少なくともいずれかが透明であり、
前記第1の電極表面に、エレクトロクロミック化合物を含むエレクトロクロミック層を有するエレクトロクロミック素子であって、
前記ゲル電解質が、前記<1>から<16>のいずれかに記載のゲル電解質であることを特徴とするエレクトロクロミック素子である。
<18> 前記エレクトロクロミック化合物が、ラジカル重合性化合物であり、
前記エレクトロクロミック層が、前記エレクトロクロミック化合物と、前記一般式(1)で表されるモノマー及び前記一般式(2)で表されるモノマーの少なくともいずれかと、からなる共重合体を含む前記<17>に記載のエレクトロクロミック素子である。
<19> 前記エレクトロクロミック層の平均厚みが、0.2μm以上5.0μm以下である前記<17>から<18>のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子である。
<20> 前記ラジカル重合性化合物が、下記構造式で表される化合物である前記<17>から<19>のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子である。
前記<1>から<16>のいずれかに記載のゲル電解質、前記<17>から<20>のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子によると、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
特許第5049322号公報
1:支持体
2:第1の電極
3:第2の電極
4:エレクトロクロミック化合物
5、7:エレクトロクロミック層
6:ゲル電解質

Claims (7)

  1. イオン液体と、
    下記一般式(1)で表されるモノマーと、
    下記一般式(2)で表されるモノマーと、を含む組成物の硬化物を含有することを特徴とするゲル電解質。
    (ただし、前記一般式(1)中、Rは、メタクリル基又はアクリル基を表し、nは、7以上12以下の整数を表す。)
    (ただし、前記一般式(2)中、Rは、それぞれ独立にメタクリル基又はアクリル基を表し、nは、7以上12以下の整数を表す。)
  2. 前記一般式(1)中のR及び前記一般式(2)中のRが、メタクリル基であり、
    前記一般式(1)で表されるモノマーの含有量A(質量%)と、前記一般式(2)で表されるモノマーの含有量B(質量%)との質量比(A/B)が、18/82以上53/47以下である請求項1に記載のゲル電解質。
  3. 前記一般式(1)中のR及び前記一般式(2)中のRが、アクリル基であり、
    前記一般式(1)で表されるモノマーの含有量A(質量%)と、前記一般式(2)で表されるモノマーの含有量B(質量%)との質量比(A/B)が、26/74以上92/8以下である請求項1に記載のゲル電解質。
  4. 前記質量比(A/B)が、28/72以上63/37以下である請求項3に記載のゲル電解質。
  5. 前記イオン液体の含有量が、80質量%以上である請求項1から4のいずれかに記載のゲル電解質。
  6. 第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極及び前記第2の電極の間にゲル電解質とを有し、
    前記第1の電極及び前記第2の電極の少なくともいずれかが透明であり、
    前記第1の電極表面に、エレクトロクロミック化合物を含むエレクトロクロミック層を有するエレクトロクロミック素子であって、
    前記ゲル電解質が、請求項1から5のいずれかに記載のゲル電解質であることを特徴とするエレクトロクロミック素子。
  7. 前記エレクトロクロミック化合物が、ラジカル重合性化合物であり、
    前記エレクトロクロミック層が、前記エレクトロクロミック化合物と、前記一般式(1)で表されるモノマー及び前記一般式(2)で表されるモノマーの少なくともいずれかと、からなる共重合体を含む請求項6に記載のエレクトロクロミック素子。
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