JP2017088814A - ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】タイヤへの要求性能は年々高度になっており、ウェットグリップ性能を維持しつつ、低燃費性を兼ね備えたタイヤの開発が望まれている。ウェットグリップ性能を向上させるために、ヒステリシスロスを高くする、ゴムを軟らかくする等、ゴムの機械特性を変更する技術があるが、このような手法では、転がり抵抗性が悪化し、低燃費性能が得られない。また、耐摩耗性が悪化してしまう。
【解決手段】ジエン系ゴム100質量部に対し、カーボンブラックおよびシリカから選択された少なくとも1種を30質量部以上、およびフッ素含有アクリル系モノマー単位を含む重合体を0.1質量部以上含むことを特徴とするゴム組成物によって上記課題を解決した。
【選択図】なし
【解決手段】ジエン系ゴム100質量部に対し、カーボンブラックおよびシリカから選択された少なくとも1種を30質量部以上、およびフッ素含有アクリル系モノマー単位を含む重合体を0.1質量部以上含むことを特徴とするゴム組成物によって上記課題を解決した。
【選択図】なし
Description
本発明は、ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものであり、詳しくは、ウェットグリップ性能、低燃費性能、耐摩耗性をいずれも向上させ得るゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
近年、空気入りタイヤは、ラベリング(表示方法)制度が開始され、タイヤへの要求性能は年々高度になってきている。
例えば、ウェットの路面でのグリップ性能(ウェットグリップ性能)を維持しつつ、低燃費性を兼ね備えたタイヤの開発が強く望まれている。
ウェットグリップ性能を向上させるために、ヒステリシスロスを高くする、ゴムを軟らかくする等、ゴムの機械特性を変更する技術がある。ヒステリシスロスを高めるには、フィラー量を増加させる、ガラス転移温度(Tg)の高いゴムを使用する、等の手法があるが、前者では転がり抵抗性が悪化し、低燃費性能が得られない。また、後者では耐摩耗性が悪化してしまう。
例えば、ウェットの路面でのグリップ性能(ウェットグリップ性能)を維持しつつ、低燃費性を兼ね備えたタイヤの開発が強く望まれている。
ウェットグリップ性能を向上させるために、ヒステリシスロスを高くする、ゴムを軟らかくする等、ゴムの機械特性を変更する技術がある。ヒステリシスロスを高めるには、フィラー量を増加させる、ガラス転移温度(Tg)の高いゴムを使用する、等の手法があるが、前者では転がり抵抗性が悪化し、低燃費性能が得られない。また、後者では耐摩耗性が悪化してしまう。
なお下記特許文献1には、タイヤトレッドの表面層にポリテトラフルオロエチレンを含有させる技術が開示されている。しかし、該技術では、ウェットグリップ性能、低燃費性能、耐摩耗性を同時に改善することができない。
したがって本発明の目的は、ウェットグリップ性能、低燃費性能、耐摩耗性をいずれも向上させ得るゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、ジエン系ゴムに対し、カーボンブラックおよび/またはシリカと、フッ素含有アクリル系モノマー単位を含む重合体とを特定量以上で配合することにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は以下のとおりである。
すなわち本発明は以下のとおりである。
1.ジエン系ゴム100質量部に対し、カーボンブラックおよびシリカから選択された少なくとも1種を30質量部以上、およびフッ素含有アクリル系モノマー単位を含む重合体を0.1質量部以上含むことを特徴とするゴム組成物。
2.前記ジエン系ゴムのガラス転移温度(Tg)が−40℃以下であることを特徴とする前記1に記載のゴム組成物。
3.前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記カーボンブラックおよびシリカから選択された少なくとも1種を50〜120質量部配合することを特徴とする前記1または2に記載のゴム組成物。
4.前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記フッ素含有アクリル系モノマー単位を含む重合体を1〜20質量部配合することを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
5.前記1〜4のいずれかに記載のゴム組成物をトレッドに使用した空気入りタイヤ。
2.前記ジエン系ゴムのガラス転移温度(Tg)が−40℃以下であることを特徴とする前記1に記載のゴム組成物。
3.前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記カーボンブラックおよびシリカから選択された少なくとも1種を50〜120質量部配合することを特徴とする前記1または2に記載のゴム組成物。
4.前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記フッ素含有アクリル系モノマー単位を含む重合体を1〜20質量部配合することを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
5.前記1〜4のいずれかに記載のゴム組成物をトレッドに使用した空気入りタイヤ。
本発明によれば、ジエン系ゴムに対し、カーボンブラックおよび/またはシリカと、フッ素含有アクリル系モノマー単位を含む重合体とを特定量以上で配合したので、ウェットグリップ性能、低燃費性能、耐摩耗性をいずれも向上させ得るゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(ジエン系ゴム)
本発明で使用されるジエン系ゴムは、とくに制限されず、ゴム組成物に配合することができる任意のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
中でも好ましくは、SBR、BRである。
なお、NBRを使用すると本発明の効果を十分に発揮できない場合がある。
本発明で使用されるジエン系ゴムは、とくに制限されず、ゴム組成物に配合することができる任意のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
中でも好ましくは、SBR、BRである。
なお、NBRを使用すると本発明の効果を十分に発揮できない場合がある。
また本発明で使用されるジエン系ゴムは、ガラス転移温度(Tg)が−40℃以下であるのが好ましい。Tgが−40℃を超えるとウェットグリップ性能が低下する恐れがある。本発明において該Tgは−40℃以下−60℃以上が好ましい。なお、ジエン系ゴムを複数種類用いる場合、Tgは平均Tgとして算出される。平均Tgは、ガラス転移温度の平均値であり、各ジエン系ゴムのガラス転移温度と各ジエン系ゴムの配合割合から平均値として算出することができる。
(カーボンブラック)
本発明で使用されるカーボンブラックは、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック等など、従来からゴム組成物において使用することが知られている任意のカーボンブラックを配合することができる。
本発明で使用するカーボンブラックは、本発明の効果が向上するという観点から、窒素吸着比表面積(N2SA)が50〜400m2/gであることが好ましく、75〜200m2/gであることがさらに好ましい。なお、窒素吸着比表面積(N2SA)はJIS K6217−2に準拠して求めた値である。
本発明で使用されるカーボンブラックは、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック等など、従来からゴム組成物において使用することが知られている任意のカーボンブラックを配合することができる。
本発明で使用するカーボンブラックは、本発明の効果が向上するという観点から、窒素吸着比表面積(N2SA)が50〜400m2/gであることが好ましく、75〜200m2/gであることがさらに好ましい。なお、窒素吸着比表面積(N2SA)はJIS K6217−2に準拠して求めた値である。
(シリカ)
本発明で使用されるシリカとしては、乾式シリカ、湿式シリカ、コロイダルシリカおよび沈降シリカなど、従来からゴム組成物において使用することが知られている任意のシリカを単独でまたは2種以上組み合わせて使用できる。
なお本発明では、本発明の効果がさらに向上するという観点から、シリカのBET比表面積(ISO5794/1に準拠して測定)は、50〜400m2/gであることが好ましく、80〜300m2/gであることがさらに好ましい。なお、BET比表面積は、ISO5794/1に準拠して求めた値である。
本発明で使用されるシリカとしては、乾式シリカ、湿式シリカ、コロイダルシリカおよび沈降シリカなど、従来からゴム組成物において使用することが知られている任意のシリカを単独でまたは2種以上組み合わせて使用できる。
なお本発明では、本発明の効果がさらに向上するという観点から、シリカのBET比表面積(ISO5794/1に準拠して測定)は、50〜400m2/gであることが好ましく、80〜300m2/gであることがさらに好ましい。なお、BET比表面積は、ISO5794/1に準拠して求めた値である。
(フッ素含有アクリル系モノマー単位を含む重合体)
本発明で使用されるフッ素含有アクリル系モノマー単位を含む重合体(以下、特定重合体と言うことがある)において、フッ素含有アクリル系モノマー単位は、例えば、アルキル基の一部または全ての水素原子がフッ素原子で置換された炭素数2〜20のフルオロアルキル基を有するフルオロ(メタ)アクリレートが好適なものとして挙げられる。本発明では、アルキル基の全ての水素原子がフッ素原子で置換された炭素数2〜20のフルオロアルキル基を有するフルオロ(メタ)アクリレートが好ましい。
また、本発明で使用される特定重合体は、該フッ素含有アクリル系モノマー単位と、それ以外の公知のコモノマー単位とを共重合させた共重合体であることもできる。該コモノマー単位は、とくに制限されず、公知のコモノマーを適宜選択することができる。なお、特定重合体中、フッ素含有アクリル系モノマー単位は、20質量%以上を構成することが好ましい。
また、本発明で使用される特定重合体におけるフッ素含有量は、5〜80質量%が好ましく、10〜50質量%がさらに好ましい。
また、本発明で使用される特定重合体の重量平均分子量(GPC法によるポリスチレン換算値)は、100〜100,000好ましく、1,000〜50,000がさらに好ましい。
本発明で使用されるフッ素含有アクリル系モノマー単位を含む重合体(以下、特定重合体と言うことがある)において、フッ素含有アクリル系モノマー単位は、例えば、アルキル基の一部または全ての水素原子がフッ素原子で置換された炭素数2〜20のフルオロアルキル基を有するフルオロ(メタ)アクリレートが好適なものとして挙げられる。本発明では、アルキル基の全ての水素原子がフッ素原子で置換された炭素数2〜20のフルオロアルキル基を有するフルオロ(メタ)アクリレートが好ましい。
また、本発明で使用される特定重合体は、該フッ素含有アクリル系モノマー単位と、それ以外の公知のコモノマー単位とを共重合させた共重合体であることもできる。該コモノマー単位は、とくに制限されず、公知のコモノマーを適宜選択することができる。なお、特定重合体中、フッ素含有アクリル系モノマー単位は、20質量%以上を構成することが好ましい。
また、本発明で使用される特定重合体におけるフッ素含有量は、5〜80質量%が好ましく、10〜50質量%がさらに好ましい。
また、本発明で使用される特定重合体の重量平均分子量(GPC法によるポリスチレン換算値)は、100〜100,000好ましく、1,000〜50,000がさらに好ましい。
特定重合体に含まれるアクリレート単位は極性が高いためタイヤ表面に偏在しやすい。これによりフルオロアルキル基に基づく高い撥水性をタイヤ表面に付与できる。ウェットグリップ時はタイヤと路面との間に水が存在し、両者の接触が妨げられる傾向にあるが、本発明では、上記のようにタイヤが高い撥水性を有することから、タイヤと路面との間に存在する水を良好に排除することができ、ウェットグリップ性能が向上する。また、特定重合体の極性部分がシリカと相互作用し、シリカの分散を助けるため低燃費性能および耐摩耗性を向上できる。
(ゴム組成物の配合割合)
本発明のゴム組成物は、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、カーボンブラックおよびシリカから選択された少なくとも1種を30質量部以上、および前記特定重合体を0.1質量部以上含むことを特徴とする。
前記カーボンブラックおよびシリカから選択された少なくとも1種の配合量が30質量部未満であると、ウェットグリップ性能が悪化する。
前記特定重合体の配合量が0.1質量部未満であると、配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。
本発明のゴム組成物は、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、カーボンブラックおよびシリカから選択された少なくとも1種を30質量部以上、および前記特定重合体を0.1質量部以上含むことを特徴とする。
前記カーボンブラックおよびシリカから選択された少なくとも1種の配合量が30質量部未満であると、ウェットグリップ性能が悪化する。
前記特定重合体の配合量が0.1質量部未満であると、配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。
さらに好ましいカーボンブラックおよびシリカから選択された少なくとも1種の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、50〜120質量部である。
さらに好ましい特定重合体の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、1〜20質量部である。
さらに好ましい特定重合体の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、1〜20質量部である。
(その他成分)
本発明におけるゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤;加硫又は架橋促進剤;酸化亜鉛、クレー、タルク、炭酸カルシウムのような各種充填剤;老化防止剤;可塑剤などのゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
本発明におけるゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤;加硫又は架橋促進剤;酸化亜鉛、クレー、タルク、炭酸カルシウムのような各種充填剤;老化防止剤;可塑剤などのゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
また本発明のゴム組成物は従来の空気入りタイヤの製造方法に従って空気入りタイヤを製造するのに適しており、トレッド、とくにキャップトレッドに適用するのがよい。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
標準例、実施例1〜4および比較例1〜5
サンプルの調製
下記表1に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、加硫促進剤および硫黄を加えてさらに混練し、ゴム組成物を得た。次に得られたゴム組成物を所定の金型中で160℃、20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法で未加硫のゴム組成物および加硫ゴム試験片の物性を測定した。
サンプルの調製
下記表1に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、加硫促進剤および硫黄を加えてさらに混練し、ゴム組成物を得た。次に得られたゴム組成物を所定の金型中で160℃、20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法で未加硫のゴム組成物および加硫ゴム試験片の物性を測定した。
ウェットグリップ性能:JIS K6394に準拠して、岩本製作所社製の粘弾性スペクトロメーターを用いて、伸長変形歪率=10±2%、振動数=20Hz、温度0℃の条件下でtanδ(0℃)を測定し、この値をもってウェットグリップ性能を評価した。結果は、標準例を100として指数表示した。指数が大きいほど、ウェットグリップ性能が良好であることを示す。
転がり抵抗性:(株)東洋精機製作所製、粘弾性スペクトロメーターを用い、伸張変形歪率10±2%、振動数20Hz、温度60℃の条件で、tanδ(60℃)を測定した。結果は、標準例の値を100として指数表示した。指数が小さいほど低転がり抵抗性であり、低燃費性能が良好であることを示す。
耐摩耗性:JIS K6264に準拠し、ランボーン摩耗試験機を用い、荷重1.5kg(15N)、スリップ率50%の条件にて測定した。結果は標準例の値を100として指表示した。指数が大きいほど耐摩耗性に優れることを意味する。
結果を表1に示す。
転がり抵抗性:(株)東洋精機製作所製、粘弾性スペクトロメーターを用い、伸張変形歪率10±2%、振動数20Hz、温度60℃の条件で、tanδ(60℃)を測定した。結果は、標準例の値を100として指数表示した。指数が小さいほど低転がり抵抗性であり、低燃費性能が良好であることを示す。
耐摩耗性:JIS K6264に準拠し、ランボーン摩耗試験機を用い、荷重1.5kg(15N)、スリップ率50%の条件にて測定した。結果は標準例の値を100として指表示した。指数が大きいほど耐摩耗性に優れることを意味する。
結果を表1に示す。
*1:SBR1(日本ゼオン(株)製 Nipol 1723、油展量=SBR100質量部に対し37.5質量部、Tg=−55℃)
*2:SBR2(日本ゼオン(株)製 Nipol 1739、油展量=SBR100質量部に対し37.5質量部、Tg=−30℃)
*3:BR(日本ゼオン(株)製 Nipol BR1220、Tg=−105℃)
*4:シリカ(Solvay社製Zeosil 1165MP)
*5:カーボンブラック(キャボットジャパン社製ショウブラックN339)
*6:シランカップリング剤(Evonik Degussa社製Si69)
*7:プロセスオイル(昭和シェル石油(株)エキストラクト4号S)
*8:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*9:ステアリン酸(日油(株)製ステアリン酸YR)
*10:老化防止剤(Solutia Europe社製Santoflex 6PPD)
*11:ワックス(大内新興化学工業(株)製サンノック)
*12:特定重合体(以下のようにして合成された特定重合体)
*13:ポリテトラフルオロエチレンPTFE(旭硝子(株)製LM-720AP)
*14:フルオロシリコーン(東レ・ダウコーニング社製LS63U)
*15:硫黄(軽井沢精錬所製油処理イオウ)
*16:加硫促進剤1(大内新興化学工業(株)製ノクセラーCZ-G)
*17:加硫促進剤2(Flexsys社製Perkacit DPG)
*2:SBR2(日本ゼオン(株)製 Nipol 1739、油展量=SBR100質量部に対し37.5質量部、Tg=−30℃)
*3:BR(日本ゼオン(株)製 Nipol BR1220、Tg=−105℃)
*4:シリカ(Solvay社製Zeosil 1165MP)
*5:カーボンブラック(キャボットジャパン社製ショウブラックN339)
*6:シランカップリング剤(Evonik Degussa社製Si69)
*7:プロセスオイル(昭和シェル石油(株)エキストラクト4号S)
*8:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*9:ステアリン酸(日油(株)製ステアリン酸YR)
*10:老化防止剤(Solutia Europe社製Santoflex 6PPD)
*11:ワックス(大内新興化学工業(株)製サンノック)
*12:特定重合体(以下のようにして合成された特定重合体)
*13:ポリテトラフルオロエチレンPTFE(旭硝子(株)製LM-720AP)
*14:フルオロシリコーン(東レ・ダウコーニング社製LS63U)
*15:硫黄(軽井沢精錬所製油処理イオウ)
*16:加硫促進剤1(大内新興化学工業(株)製ノクセラーCZ-G)
*17:加硫促進剤2(Flexsys社製Perkacit DPG)
特定重合体の合成
モノマー(パーフルオロアルキルエチルアクリレート(FA)[CnF2n+1CH2CH2COOCH=CH2(n=6,8,10,12,14(nの平均9)の化合物の混合物)]=70g、ラウリルアクリレート(LA)=25g、N−メチロールアクリルアミド(N−MAM)=2.5g、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(CHPMA)=2.5g、乳化剤(ジ硬化牛脂アルキルジメチルアンモニウムクロライド(カチオン性界面活性剤A)=2g、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド(カチオン性界面活性剤B)=2g、ポリオキシエチレン(8)ジステアレート(ノニオン性界面活性剤A、HLB値8.5)=7g)、溶剤(トリプロピレングリコール(TPG)=30g)、連鎖移動剤(ドデシルメルカプタン=0.5g)、水(191g)を仕込み、ホモミキサーで攪拌後、超音波乳化機で乳化した。窒素置換し、窒素雰囲気下で開始剤(2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩=0.6g)を添加し60℃で4時間重合した。GCによりモノマーの消失を確認した。得られた組成物の固形分(130℃、2時間での蒸発残分)は33%であった。このようにして、特定重合体を合成した。
モノマー(パーフルオロアルキルエチルアクリレート(FA)[CnF2n+1CH2CH2COOCH=CH2(n=6,8,10,12,14(nの平均9)の化合物の混合物)]=70g、ラウリルアクリレート(LA)=25g、N−メチロールアクリルアミド(N−MAM)=2.5g、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(CHPMA)=2.5g、乳化剤(ジ硬化牛脂アルキルジメチルアンモニウムクロライド(カチオン性界面活性剤A)=2g、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド(カチオン性界面活性剤B)=2g、ポリオキシエチレン(8)ジステアレート(ノニオン性界面活性剤A、HLB値8.5)=7g)、溶剤(トリプロピレングリコール(TPG)=30g)、連鎖移動剤(ドデシルメルカプタン=0.5g)、水(191g)を仕込み、ホモミキサーで攪拌後、超音波乳化機で乳化した。窒素置換し、窒素雰囲気下で開始剤(2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩=0.6g)を添加し60℃で4時間重合した。GCによりモノマーの消失を確認した。得られた組成物の固形分(130℃、2時間での蒸発残分)は33%であった。このようにして、特定重合体を合成した。
前記の表1の結果から明らかなように、実施例1〜3で得られたゴム組成物は、ジエン系ゴムに対し、カーボンブラックおよび/またはシリカと、フッ素含有アクリル系モノマー単位を含む重合体とを特定量以上で配合したので、従来の代表的な標準例に対し、ウェットグリップ性能、転がり抵抗性、耐摩耗性がいずれも向上している。なお実施例4はフッ素含有アクリル系モノマー単位を含む重合体の配合量が本発明における好適な範囲外であるので、転がり抵抗性が他の実施例に比べ若干低下している。
これに対し、比較例1は、標準例のゴム組成物に対しシリカを増量させた例であり、転がり抵抗性が悪化した。
比較例2は、Tgの高いSBRを配合し、特定重合体を配合しない例であるので、転がり抵抗性および耐摩耗性が悪化した。
比較例3は、特定重合体の配合量が本発明で規定する下限未満であるので、ウェットグリップ性能、転がり抵抗性および耐摩耗性の改善が確認できなかった。
比較例4は、特定重合体の替わりにPTFEを配合した例であり、ウェットグリップ性能、転がり抵抗性および耐摩耗性が共に悪化した。
比較例5は、特定重合体の替わりにフルオロシリコーンを配合した例であり、ウェットグリップ性能、転がり抵抗性および耐摩耗性が共に悪化した。
これに対し、比較例1は、標準例のゴム組成物に対しシリカを増量させた例であり、転がり抵抗性が悪化した。
比較例2は、Tgの高いSBRを配合し、特定重合体を配合しない例であるので、転がり抵抗性および耐摩耗性が悪化した。
比較例3は、特定重合体の配合量が本発明で規定する下限未満であるので、ウェットグリップ性能、転がり抵抗性および耐摩耗性の改善が確認できなかった。
比較例4は、特定重合体の替わりにPTFEを配合した例であり、ウェットグリップ性能、転がり抵抗性および耐摩耗性が共に悪化した。
比較例5は、特定重合体の替わりにフルオロシリコーンを配合した例であり、ウェットグリップ性能、転がり抵抗性および耐摩耗性が共に悪化した。
Claims (5)
- ジエン系ゴム100質量部に対し、カーボンブラックおよびシリカから選択された少なくとも1種を30質量部以上、およびフッ素含有アクリル系モノマー単位を含む重合体を0.1質量部以上含むことを特徴とするゴム組成物。
- 前記ジエン系ゴムのガラス転移温度(Tg)が−40℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
- 前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記カーボンブラックおよびシリカから選択された少なくとも1種を50〜120質量部配合することを特徴とする請求項1または2に記載のゴム組成物。
- 前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記フッ素含有アクリル系モノマー単位を含む重合体を1〜20質量部配合することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物をトレッドに使用した空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015224398A JP2017088814A (ja) | 2015-11-17 | 2015-11-17 | ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ |
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