JP2013144815A - トレッド用ゴム組成物、トレッドおよびそれを用いたタイヤ - Google Patents

トレッド用ゴム組成物、トレッドおよびそれを用いたタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】転がり抵抗を悪化させることなく高い耐摩耗性を実現することができるタイヤトレッド用ゴム組成物、トレッドおよびタイヤを提供する。
【解決手段】本発明は、カルボキシル基を含有するビニルモノマー、アクリロニトリル及びブタジエンを共重合して得られたカルボキシル変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムを20〜30質量%、ならびに天然ゴムおよびスチレンブタジエン共重合体ゴムの少なくともいずれかを合計で70〜80質量%含むゴム成分100質量部に対して、BET法による窒素吸着比表面積が50〜500m2/gであるシリカを30〜100質量部含有し、硫黄で加硫したタイヤトレッド用ゴム組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤトレッド用ゴム組成物、トレッドおよびタイヤに関し、特に低い転がり抵抗と高い耐摩耗性とを両立することができるタイヤトレッド用ゴム組成物、トレッドおよびタイヤに関する。
従来から、タイヤの転がり抵抗を低減して発熱を抑えることにより、車両を低燃費化することが行われている。近年、タイヤによる車両の低燃費化への要請は大きくなっており、タイヤ部材の中でもタイヤにおける占有比率の高いトレッド改良による低燃費化への要請は特に大きい。
そこで、タイヤのトレッドを形成するタイヤトレッド用ゴム組成物にシリカを含有させることにより、転がり抵抗を低減させて低燃費化を図ることがなされてきている。
しかしながら、シリカはカーボンブラックと比べるとゴム成分に対する親和性が低いためゴムの補強効果が小さい。
そこで、シリカの補強効果をカーボンブラックと同程度にするために、シリカの分散性を向上させたり、ゴム成分とシリカとを化学的に結合させたりすることなどによって、シリカの補強効果を増大させるとともに、転がり抵抗を低減する方法が以下のように提案されている。
特許文献1には、ジエン系ゴム、シリカ、シランカップリング剤とともに、所定の錫化合物を添加したタイヤトレッド用ゴム組成物を用いてタイヤのトレッドを作製することにより、車両の低燃費化を図る技術が開示されている。
特許文献2には、乳化重合により得られる乳化重合ゴム、シリカおよびシランカップリング剤を含有させたタイヤトレッド用ゴム組成物を用いてタイヤのトレッドを作製することにより、車両の低燃費化を図る技術が開示されている。
特許文献3には、窒素吸着比表面積が異なる2種類のシリカを所定比率で配合したタイヤトレッド用ゴム組成物をあ用いてタイヤのトレッドを作製することにより、車両の低燃費化を図る技術が開示されている。
タイヤにおいては、転がり抵抗を低下して車両の低燃費化を図るとともに、タイヤの長寿命化の観点から耐摩耗性を改善させることが望ましい。
しかしながら、上記のような低燃費化技術ではタイヤの転がり抵抗を改善することはできるが、一方で摩耗性能が悪化してしまうという問題がある。タイヤの低い転がり抵抗と高い耐摩耗性とを両立することができるタイヤトレッド用ゴム組成物は現在までに知られていなかった。
特開平11−181161号公報 特開2000−248120号公報 特開2006−233177号公報
本発明の目的は、転がり抵抗を悪化させることなく高い耐摩耗性を実現することができるタイヤトレッド用ゴム組成物、トレッドおよびタイヤを提供することにある。
本発明は、カルボキシル基を含有するビニルモノマー、アクリロニトリル及びブタジエンを共重合して得られたカルボキシル変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムを含むゴム成分100質量部に対して、BET法による窒素吸着比表面積が50〜500m2/gであるシリカを30〜100質量部含有し、硫黄で加硫したタイヤトレッド用ゴム組成物である。
本発明に係るタイヤトレッド用ゴム組成物は、前記カルボキシル変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムにおいて、アクリロニトリル共重合量が10〜80質量%であることが好ましい。
本発明に係るタイヤトレッド用ゴム組成物は、前記ゴム成分において、前記カルボキシル変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムの含有量が5〜30質量%であることが好ましい。
本発明に係るタイヤトレッド用ゴム組成物は、前記カルボキシル変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムが水素添加されたものであることが好ましい。
本発明は、前記タイヤトレッド用ゴム組成物から形成されたトレッドである。
本発明は、さらに前記トレッドを用いて製造されたタイヤである。
本発明によれば、転がり抵抗を悪化させることなく高い耐摩耗性能を得ることができるタイヤトレッド用ゴム組成物、トレッドおよびタイヤを提供することができる。
<ゴム組成物>
本発明は、タイヤのトレッド形成に用いられるタイヤトレッド用ゴム組成物であって、ゴム成分としてカルボキシル基を持つビニルモノマー、アクリロニトリルおよびブタジエンとを重合して得られたカルボキシル変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(以下「カルボキシル変性NBR」ともいう)または前記ゴムが水素添加された水添カルボキシル変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(以下、「水添カルボキシル変性NBR」ともいう)を含有し、前記ゴム成分100質量部に対して、BET法による窒素吸着比表面積が50〜500m2/gであるシリカを30〜100質量部含有するタイヤトレッド用ゴム組成物である。
(カルボキシル変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム)
本発明は、シリカと相互作用を有すると考えられるカルボキシル基を持つビニルモノマー、アクリロニトリルおよびブタジエンとを共重合して得られるカルボキシル変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムを用いることによって、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体以上にシリカの分散性を向上することができ、また同時にシリカとゴム成分との結合をより強固なものとすることで、転がり抵抗を悪化させることなく高い耐摩耗性を実現することができるタイヤトレッド用ゴム組成物を作製できる。さらに、カルボキシル変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムを水素添加した水添カルボキシル変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムを用いることによってさらに高い耐摩耗性能を得ることができる。
本発明に用いるカルボキシル変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムおよび水添カルボキシル変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムにおけるアクリロニトリル共重合量は10〜80質量%であり、好ましくは25〜80質量%である。該アクリロニトリル共重合量が10質量%未満だと高い耐摩耗性が実現できないため好ましくない。
なお、前記アクリロニトリル共重合量は、例えばIRスペクトル法、ゲルダール法またはガスクロマトグラフ法などの従来から公知の方法によって測定することができる。また、本発明においてアクリロニトリル共重合量とは、カルボキシル変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムおよび水添カルボキシル変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム全体の質量に対するアクリロニトリルの質量の比率である。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物において、ゴム成分は、カルボキシル変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、水添カルボキシル変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムとその他のタイヤで通常用いられるジエン系ゴムとの混合ゴムであっても構わない。この場合、カルボキシル変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムおよび水添カルボキシル変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムの含有量はゴム成分中5〜30質量%、好ましくは5〜20質量%である。該含有量が5質量%未満だと高い耐摩耗性が実現できず、30質量%を超えると転がり抵抗が悪化するため好ましくない。
カルボキシル変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムおよび水添カルボキシル変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムにおいてカルボキシル基を3〜30モル%含有するように、上記カルボキシル基を含有するビニルモノマー、アクリロニトリル及びブタジエンをブレンドする。好ましくはカルボキシル変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムおよび水添カルボキシル変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムにおいてカルボキシル基含有量は5〜20モル%である。
前記カルボキシル基を含有するビニルモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。
(その他のゴム成分)
本発明に用いられるカルボキシル変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムおよび水添カルボキシル変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム以外のゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、ポリイソプレン合成ゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)およびスチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム(SIBR)などがあげられる。これらのゴムは単独で用いてもよく、2種以上組み合わせてもよい。
なかでも、タイヤの強度を十分なものとし、かつ優れた耐摩耗性を発現させる観点からは、本発明に用いられるゴム成分としては、NR、BR、SBRとの混合ゴムを用いることが好ましい。ここで、NR、SBR、BRとしては例えば従来から公知のものを用いることができる。
(シリカ)
本発明に用いられるシリカとしては、BET法によるチッ素吸着比表面積(N2SA)が50〜500m2/gのシリカであれば従来から公知のシリカを限定なく用いることができ、たとえば、乾式法により得られるシリカ(無水シリカ)および/または湿式法により得られるシリカ(含水ケイ酸)などを用いることができる。なかでも本発明に用いられるシリカとしては、湿式法により得られるシリカ(含水ケイ酸)が好ましい。
また、本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物には、シリカは前記ゴム成分100質量部に対して30〜100質量部含有される。該含有量によって、低い転がり抵抗と高い耐摩耗性とを両立して実現することができるタイヤトレッド用ゴム組成物を得ることができる。
前記シリカのBET法によるチッ素吸着比表面積(N2SA)は50〜500m2/gであり、特には50〜300m2/gであることが好ましい。チッ素吸着比表面積が50m2/g未満の場合には加硫後の破壊強度が低下する傾向があり、500m2/gを超える場合には加工性が悪化する傾向にある。
なお、シリカのBET法によるチッ素吸着比表面積は、ASTM−D−4820−93に準拠した方法により測定することができる。
(シランカップリング剤)
シリカを配合する場合、シランカップリング剤を併用しても良い。シランカップリング剤としては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドなどがあげられる。なかでも、補強性改善効果などの点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドおよび3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィドが好ましい。これらのシランカップリング剤は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記シランカップリング剤の配合量は、前記シリカ100質量部に対して1質量部以上であることが好ましく、2質量部以上であることがより好ましい。シランカップリング剤の配合量が1質量部未満では、未加硫ゴム組成物の粘度が高く加工性が悪くなる傾向がある。また、シランカップリング剤の配合量は、前記シリカ100質量部に対し、20質量部以下であることが好ましく、15質量部以下であることがより好ましい。シランカップリング剤の配合量が20質量部をこえると、その配合量ほどのシランカップリング剤の配合効果が得られず、コストが高くなる傾向がある。
(加硫助剤)
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、加硫助剤を含むことができる。加硫助剤としては、ステアリン酸、酸化亜鉛(亜鉛華)などを使用することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物には、その他の補強剤、各種オイル、可塑剤、カップリング剤などのタイヤ用または一般のゴム組成物用に配合される各種配合剤および添加剤を配合することができる。また、これらの配合剤、添加剤の含有量も一般的な量とすることができる。このようにして得られた本発明のゴム組成物は、加工性、低燃費性とウェットグリップ性能において優れたバランスを示すものである。
(軟化剤)
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、軟化剤を含むことができる。軟化剤としては、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリンなどの石油系軟化剤、大豆油、パーム油、ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油などの脂肪油系軟化剤、トール油、サブ、蜜ロウ、カルナバロウ、ラノリンなどのワックス類、リノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸などの脂肪酸、などが挙げられる。軟化剤の配合量は、ゴム成分100質量部に対してたとえば100質量部以下とされることが好ましく、この場合、該ゴム組成物がタイヤに使用された際のウエットグリップ性能を低下させる危険性が少ない。
(老化防止剤)
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、老化防止剤を含むことができる。老化防止剤としては、アミン系、フェノール系、イミダゾール系の各化合物や、カルバミン酸金属塩、ワックスなどを適宜選択して使用することが可能である。
(加硫剤)
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、加硫剤を含むことができる。加硫剤としては、有機過酸化物もしくは硫黄系加硫剤を使用できる。有機過酸化物としては、たとえば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3あるいは1,3−ビス(t−ブチルパーオキシプロピル)ベンゼン等を使用することができる。また、硫黄系加硫剤としては、たとえば、硫黄、モルホリンジスルフィドなどを使用することができる。これらの中では硫黄が好ましい。
(加硫促進剤)
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、加硫促進剤を含むことができる。加硫促進剤としては、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系またはアルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、もしくは、キサンテート系加硫促進剤のうち少なくとも一つを含有するものを使用することが可能である。
(その他の成分)
本発明のタイヤ用ゴム組成物には、その他の補強剤、加硫剤、加硫促進剤、各種オイル、老化防止剤、軟化剤、可塑剤、カップリング剤などのタイヤ用または一般のゴム組成物に配合される各種配合剤および添加剤を配合することができる。また、これらの配合剤、添加剤の含有量も一般的な量とすることができる。
<ゴム組成物の製造方法>
本発明のゴム組成物は、従来公知の製造方法により製造することができ、その製造方法が限定されるものではない。たとえば、上記各成分をバンバリーミキサーや混練ロール等の混練機を用いて、通常の方法および条件で混練することによって製造することができる。
<タイヤの製造方法>
本発明のゴム組成物 を用いてタイヤを製造する方法は特に限定されず、たとえば、本発明のゴム組成物 を未加硫の段階で適用されるタイヤの部材の形状に合わせて押出加工し、タイヤ成型機によって加圧してタイヤを得る方法等、通常用いられる方法を採用することができる。
このようにして得られた本発明のタイヤは、低燃費性および高い耐摩耗性能を示すものである。
以下、本発明の実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(参考例1〜3、実施例4〜8、比較例1〜3)
表1および2に示す配合処方にしたがって、ゴム成分、シリカ、カップリング剤、軟化剤(ステアリン酸)、加硫助剤(酸化亜鉛)および老化防止剤を各種配合剤を1.7Lバンバリーを用いて4分間混練りした。さらに、ロールを用いて加硫剤(硫黄)および加硫促進剤を混練りして、各種未加硫ゴムシートを得た。得られたゴム組成物を170℃で15分間プレス加硫して加硫物を得た。得られた各加硫物について以下に示す各特性の試験を行った。
<転がり抵抗試験>
参考例1〜3、実施例4〜8、比較例1〜3のそれぞれの加硫ゴムシートから試験片を作製し、粘弾性スペクトロメータVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度30℃、初期歪み10%、動歪み2%の条件で損失正接(tanδ)を測定した。結果を表1、2の転がり抵抗指数の欄に示す。
表1の転がり抵抗指数の欄の数値は、比較例1の加硫ゴムシートからなる試験片の損失正接(tanδ)を100として、表2の転がり抵抗指数の欄の数値は、比較例3の加硫ゴムシートからなる試験片の損失正接(tanδ)を100として、下記式により算出したものである。したがって転がり抵抗指数の数値は大きいほど転がり抵抗が小さくなり、低燃費化できることを示している。
(転がり抵抗指数)=100×(比較例1の損失正接(tanδ))/(参考例1〜3、比較例1のそれぞれの損失正接(tanδ))
(転がり抵抗指数)=100×(比較例2の損失正接(tanδ))/(実施例4〜8、比較例2〜3のそれぞれの損失正接(tanδ))
<耐摩耗性能試験>
参考例1〜3、実施例4〜8、比較例1〜3のそれぞれの加硫ゴムシートから試験片を作製し、ランボーン摩耗試験機を用いて、温度20℃、スリップ率20%、試験時間5分間の条件でランボーン摩耗量を測定し、容積損失量を測定した。結果を表1、2の摩耗指数の欄に示す。
表1の摩耗指数の欄の数値は、比較例1の加硫ゴムシートからなる試験片の容積損失量を100として、表2の摩耗指数の欄の数値は、比較例3の加硫ゴムシートからなる試験片の容積損失量を100として、下記式により算出したものである。したがって、摩耗指数の数値が大きいほど耐摩耗性に優れていることを示している。
(摩耗指数)=100×(比較例1の容積損失量)/(参考例1〜3、比較例1のそれぞれの容積損失量)
(摩耗指数)=100×(比較例2の容積損失量)/(実施例4〜8、比較例2〜3のそれぞれの容積損失量)
Figure 2013144815
Figure 2013144815
以下に、実施例および比較例で用いた各種薬品について説明する。
カルボキシル変性NBR(1):日本ゼオン(株)製のNIPOL 1072J(カルボキシル変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル共重合量:27質量%)
カルボキシル変性NBR(2):日本ゼオン(株)製のNIPOL DN631(カルボキシル変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル共重合量:33.5質量%)
水添カルボキシル変性NBR:LANXESS社性のVPKA8889(水添カルボキシル変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル共重合量:35質量%)
NBR:日本ゼオン(株)製のNIPOL1042(アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル共重合量:33.5質量%)
SBR:JSR(株)製のNS116(ビニル含有率:60%、スチレン含有率:20%)
NR:RSS#3
シリカ:テグッサ社製のULTRASIL VN3(チッ素吸着比表面積:175m2/g)
シランカップリング剤:テグッサ社製のSi266
加硫助剤:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号(酸化亜鉛)
軟化剤:日本油脂(株)製の椿(ステアリン酸)
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
加硫剤:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤(1):大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルファンアミド)
加硫促進剤(2):大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(N,N'−ジフェニルグアニジン)
(評価結果)
表1はカルボキシル変性NBR、水添カルボキシル変性NBRまたはNBRを単独で用いたときの結果である。参考例1,2はカルボキシル変性NBRを用いたゴム組成物である。通常のNBRを用いた比較例1と比べると、参考例1は転がり抵抗性能は同等で、耐摩耗性能が向上し、参考例2は転がり抵抗性能および耐摩耗性能のいずれも向上した。参考例3は水添カルボキシル変性NBRを用いたゴム組成物であり、比較例1と比べると、転がり抵抗性能および耐摩耗性能のいずれも向上した。
表2はカルボキシル変性NBR、水添カルボキシル変性NBRまたはNBRとSBRおよびNRのブレンド配合での結果である。実施例4〜6はカルボキシル変性NBRをブレンドしたゴム組成物である。通常のNBRを用いた比較例2,3と比べると、実施例4,5は転がり抵抗性能は同等で、耐摩耗性能が向上し、実施例6は転がり抵抗性能および耐摩耗性能のいずれも向上した。実施例7,8は水添カルボキシル変性NBRをブレンドしたゴム組成物であり、比較例2,3と比べると、転がり抵抗性能および耐摩耗性能のいずれも向上した。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

Claims (5)

  1. カルボキシル基を含有するビニルモノマー、アクリロニトリル及びブタジエンを共重合して得られたカルボキシル変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムを20〜30質量%、ならびに天然ゴムおよびスチレンブタジエン共重合体ゴムの少なくともいずれかを合計で70〜80質量%含むゴム成分100質量部に対して、BET法による窒素吸着比表面積が50〜500m2/gであるシリカを30〜100質量部含有し、硫黄で加硫したタイヤトレッド用ゴム組成物。
  2. 前記カルボキシル変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムにおいて、アクリロニトリル共重合量が10〜80質量%である、請求項1に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  3. 前記カルボキシル変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムが水素添加されたものである、請求項1または2に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  4. 請求項1〜3いずれか1項に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物から形成されたトレッド。
  5. 請求項4に記載のトレッドを用いて製造されたタイヤ。
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