JP2017088734A - 導電性金属インク - Google Patents

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Abstract

【課題】撥液パターンの凹部のみにインクジェット法により充填することができ、かつ、ブランケットに対して高い濡れ性を得ることができる連続印刷に適した導電性金属インクを提供する。【解決手段】金属配線を形成する際に、親液性の樹脂製ブランケットの表面に形成された撥液パターンの凹部にインクジェット法により充填される本発明の導電性金属インクは、炭素数6〜18の脂肪酸及び炭素数6〜18の脂肪族アミンの少なくとも一方で表面が覆われた金属微粒子と、この金属微粒子を分散させるための低極性溶媒とを含み、前記樹脂製ブランケットへの吸収が前記低極性溶媒よりも少ない極性溶媒を更に含む。【選択図】図1

Description

本発明は、導電性金属インクに関し、より詳しくは、金属配線を形成する際に、親液性の樹脂製ブランケット表面に形成された撥液パターンの凹部にインクジェット法により充填されるものに関する。
電子デバイスの製造工程において金属配線の形成に印刷法を用いることが従来から知られている。印刷法の1つとして、シリコーンゴム等の樹脂製のブランケット表面に形成される撥液パターンの凹部にインクジェット法により導電性金属インクを充填し、充填した導電性金属インクを乾燥装置で乾燥した後、被印刷体に転写する方法が、例えば特許文献1で知られている。そして、この転写した導電性金属インクを焼成することで、導電性金属インクに含まれる金属微粒子の表面を被覆する分散剤が脱離して金属微粒子同士が焼結して金属配線が得られる。
ここで、細い線幅で金属配線を形成するには、凹部にのみ導電性金属インクを充填する必要があり、それには、撥液パターンに対する導電性金属インクの接触角を高める必要がある。導電性金属インクの表面エネルギー(表面張力)を高くすれば、導電性金属インクの接触角を高めることができるが、これでは、凹部の底部に露出する親液性のブランケットに対して高い濡れ性を発現せず、所望の配線形状が得られない(つまり、滲みや歪みが生じる)という問題がある。また、導電性金属インクを被印刷体に転写するためには、凹部に充填された状態である程度導電性金属インクを乾燥させる必要があるが、表面張力の高い導電性金属インクは乾燥が遅く、連続印刷に適さないという問題があり、上記従来例の如く乾燥装置を設けて乾燥させると、設備コストの増大を招来する。
特開2005−81726号公報
本発明は、以上の点に鑑み、撥液パターンの凹部のみにインクジェット法により充填することができ、かつ、ブランケットに対して高い濡れ性を得ることができる連続印刷に適した導電性金属インクを提供することをその課題とするものである。
上記課題を解決するために、金属配線を形成する際に、親液性の樹脂製ブランケットの表面に形成された撥液パターンの凹部にインクジェット法により充填される本発明の導電性金属インクは、炭素数6〜18の脂肪酸及び炭素数6〜18の脂肪族アミンの少なくとも一方で表面が覆われた金属微粒子と、この金属微粒子を分散させるための低極性溶媒とを含み、前記樹脂製ブランケットへの吸収が前記低極性溶媒よりも少ない極性溶媒を更に含むことを特徴とする。尚、撥液パターンは、樹脂製ブランケットと一体に形成されていてもよい。
本発明によれば、極性溶媒を含むため、撥液パターンに対して高い接触角を得ることができると共に、親液性を有するブランケットに対して高い濡れ性を得ることができる。これにより、撥液パターンの凹部のみに導電性金属インクを充填することができる。従って、この凹部に充填した導電性金属インクをプラスチック製基材やガラス製基材等の被印刷体に転写して焼成すれば、細い線幅で金属配線を形成することが可能となる。しかも、本発明の導電性金属インクは、凹部に充填した状態でブランケットに吸収されて乾燥するため、連続印刷に適しており、従来例の如く乾燥装置を用いて乾燥する必要がないため、低コスト化を図る上で有利である。
尚、金属微粒子としては、その平均粒子径が1nm〜50nmの範囲内であるものを用いることができる。平均粒子径が1nm未満になると、比表面積が増大することに伴って金属微粒子表面に吸着する脂肪酸や脂肪族アミン等の分散剤の量が増大するため、焼成時に分散剤の脱離が不十分になり、金属配線の抵抗値が高くなるという不具合が生じる。一方、平均粒子径が50nmを超えると、導電性金属インク中の金属微粒子の分散性が低下するという不具合が生じる。また、金属微粒子の表面を覆う脂肪酸及び脂肪族アミンの少なくとも一方の炭素数が6未満では、導電性金属インク中での金属微粒子の分散性が低下する場合がある一方で、炭素数が19を超えると、焼成時に脂肪酸や脂肪族アミンの脱離が不十分となり、焼成の結果得られる金属配線の導電性が低下する(抵抗が高くなる)場合がある。
本発明において、前記低極性溶媒及び前記極性溶媒に対する前記極性溶媒の重量比が70〜90wt%であることが好ましい。極性溶媒の重量比が70wt%未満では、低極性溶媒の重量比が高くなるため、撥液パターン表面に対して高い接触角が得られず、導電性金属インクが濡れ広がってしまい、凹部のみに導電性金属インクを充填することができなくなる場合があり、また、低極性溶媒は極性溶媒よりもブランケットに吸収され易いため、凹部に充填された導電性金属インクの溶媒がブランケットに吸収され過ぎて過乾燥状態となり、被印刷体への転写性が悪化する場合がある。一方、極性溶媒の重量比が90wt%を超えると、極性溶媒が有する極性基の相互作用により粘度が増加し、導電性金属インクを安定してインクジェット法により噴射できない場合がある。
本発明において、前記低極性溶媒及び前記極性溶媒の沸点が150〜400℃であることが好ましい。沸点が150℃未満のものではインクジェット装置のノズル詰まりが発生し易く、ブランケットへの充填不良が発生する場合がある一方で、沸点が400℃を超えるものではブランケットに充填された導電性金属インクの乾燥が不十分となり、ブランケットから被印刷体への転写不良が生じる場合がある。
本発明において、極性溶媒はヒドロキシ基を有することが好ましい。これによれば、撥液パターンに対する導電性金属インクの接触角を高めることができると共に、親液性のブランケットに対する高い濡れ性を得ることができるため、導電性金属インクの接触角との接触角差を大きくすることができる。さらに、極性溶媒として、上記ヒドロキシ基を有することに加えて、炭素数16以上であり、かつ、分岐構造のアルキル鎖を有するものを用いれば、撥液パターンに対する導電性金属インクの接触角の経時劣化を抑制することができて有利である。これは、極性溶媒分子が占める立体的空間が大きく、ブランケットに吸収され難いためであると考えられる。このような極性溶媒としては、例えば、イソパルミチルアルコール及びイソステアリルアルコールから選ばれる少なくとも1種を単独でまたは組み合わせて用いることができる。
本発明において、低極性溶媒としては、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、シクロドデカン、シクロドデセン、オクチルベンゼン及びドデシルベンゼンから選ばれる少なくとも1種を単独でまたは組み合わせて用いることができる。
本発明において用いられる金属は、Ag、Au、Cu、Ni、Pd、In、Sn、Rh、Ru、Pt、In及びSnから選択された少なくとも1種の金属又はこれらの金属の少なくとも2種からなる合金であり、目的・用途に応じて適宜選択することができる。
本発明の実施形態の導電性金属インクに用いられる低極性溶媒の接触角の経時変化を示すグラフ。
以下、金属配線を形成する際にシリコーンゴム等の樹脂製のブランケットの表面に形成された撥液パターンの凹部にインクジェット法により充填される本発明の実施形態の導電性金属インクについて、Agインクを例に説明する。本実施形態のAgインクは、炭素数6〜18の脂肪酸及び炭素数6〜18の脂肪族アミンの少なくとも一方(以下「分散剤」ともいう)で表面が覆われた金属微粒子と、この金属微粒子を分散させるための低極性溶媒とを含み、前記ブランケットへの吸収が前記低極性溶媒よりも少ない極性溶媒を更に含む。
Ag微粒子としては、その平均粒子径が1nm〜50nmの範囲内であるものを用いることができる。市販の製品の商品名としては、例えば、AgナノメタルインクAg1T、Au1T(株式会社アルバック製)を挙げることができる。平均粒子径が1nm未満になると、比表面積が増大してAg微粒子表面を被覆する分散剤の量が増大するため、焼成時に分散剤の脱離が不十分になり、Ag配線の抵抗値が高くなるという不具合が生じる。一方、平均粒子径が50nmを超えると、Agインク中のAg微粒子の分散性が低下するという不具合が生じる。
Ag微粒子表面を被覆する脂肪酸や脂肪族アミンの炭素数が6未満では、Agインク中でのAg微粒子の分散性が低下するという不具合が生じる一方で、炭素数が18を超えると、焼成時にAg微粒子表面からの脂肪酸や脂肪族アミンの脱離が不十分となり、Ag配線膜の抵抗値が高くなるという不具合が生じる。脂肪酸としては、例えば、カルボン酸を用いることができる。具体的には、炭素数6のヘキサン酸、2−エチル酪酸、ネオヘキサン酸(2,2−ジメチル酪酸);炭素数7のヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、シクロヘキサンカルボン酸;炭素数8のオクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ネオオクタン酸(2,2−ジメチルヘキサン酸);炭素数9のノナン酸;炭素数10のデカン酸、ネオデカン酸(2,2−ジメチルオクタン酸);炭素数11のウンデカン酸;炭素数12のドデカン酸;及び炭素数14のテトラデカン酸;炭素数16のパルミチン酸;及び炭素数18のステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸から選択された少なくとも1種を単独でまたは組み合わせて用いることができる。脂肪族アミンとしては、例えば、炭素数6のヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン;炭素数7のヘプチルアミン;炭素数8のオクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン;炭素数9のノニルアミン;炭素数10のデシルアミン;炭素数12のドデシルアミン;及び炭素数14のテトラドデシルアミンから選択された少なくとも1種を単独でまたは組み合わせて用いることができる。
低極性溶媒及び極性溶媒(の合計重量)に対する極性溶媒の重量比は、70〜90wt%であることが好ましい。極性溶媒の重量比が70wt%未満では、低極性溶媒の重量比が高くなるため、撥液パターン部にて充分な撥液性が得られず、導電性金属インクが濡れ広がってしまい、凹部のみに導電性金属インクを充填することができなくなる場合や、低極性溶媒はブランケットに吸収され易いため、ブランケットに充填されたインクが過乾燥状態となり、転写性が悪化する場合がある。一方、極性溶媒の重量比が90wt%を超えると、極性溶媒が有する極性基の相互作用による粘度の増加が発生し、インクジェット法により導電性金属インクを安定して噴射できない場合がある。
極性溶媒及び前記極性溶媒の沸点が150〜400℃であることが好ましい。沸点が150℃未満のものではインクジェット装置のノズル詰まりが発生し易く、ブランケットへの充填不良が発生する場合がある一方で、沸点が400℃を超えるものではブランケットに充填されたインクの乾燥が不十分となりブランケットからの転写不良が生じる場合がある。
極性溶媒としては、親水基たるヒドロキシ基(OH基)を有することが好ましい。これによれば、撥液パターンに対する導電性金属インクの接触角を高めることができ、親液性を有するブランケットに対する導電性金属インクの接触角との接触角差を大きくすることができ、凹部のみに導電性金属インクを確実に充填できて有利である。さらに、極性溶媒として、炭素数16以上であり、かつ、分岐構造のアルキル鎖を有するものを用いれば、撥液パターンに対する導電性金属インクの接触角の経時変化を抑制することができて有利である。これは、極性溶媒分子が占める立体的空間が大きく、ブランケットに吸収され難いためであると考えられる。このような極性溶媒としては、例えば、イソパルミチルアルコール及びイソステアリルアルコールから選ばれる少なくとも1種を単独でまたは組み合わせて用いることができる。
低極性溶媒としては、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、シクロドデカン、シクロドデセン、オクチルベンゼン及びドデシルベンゼンから選ばれる少なくとも1種(の液状炭化水素)を単独でまたは組み合わせて用いることができる。以下、導電性金属インクの製造方法について、Agインクを製造する場合を例に説明する。
先ず、平均粒子径が1nm〜50nmのAg微粒子の分散液をガラス製容器に収容し、エバポレータを用いてトルエン等の溶媒を除去する。これにより、表面が上記炭素数6〜18の脂肪酸および炭素数6〜18の脂肪族アミンの少なくともいずれか一方で被覆されたAg微粒子を得る。そして、このAg微粒子にアセトン等の極性溶媒を加えてAg微粒子を沈降させ、その上澄み液をデカンテーションなどにより流出させる(以降、この作業を「洗浄工程」という)。この洗浄工程を複数回繰り返し、溶媒を除去して、表面に分散剤が吸着したAg微粒子を得る。
次に、上記のようにした得たAg微粒子と、低極性溶媒と、極性溶媒とを配合し、攪拌することでAgインクが得られる。低極性溶媒及び極性溶媒に対する極性溶媒の重量比は、上述の如く70〜90wt%の範囲内に設定することが好ましい。以下、上記Agインクを用いた金属配線の形成方法について説明する。
先ず、インクジェット装置を用い、シリコーンゴム製のブランケット表面に形成された撥液パターン(例えばレジストパターン)に対してAgインクを噴射(吐出)し、撥液パターンの凹部にAgインクを充填する。ブランケットとしては、公知のものを用いることができるため、ここでは詳細な説明を省略するが、後述する方法で製造したものを用いることができる。
次いで、凹部に充填されたAgインクを被印刷体に転写する。被印刷体としては、特に限定されず、例えば、プラスチック製基材やガラス製基材等を用いることができる。そして、被印刷体に転写したAgインクを150〜250℃の温度で焼成することで、AgインクのAg微粒子表面を被覆する分散剤が脱離してAg微粒子同士が焼結してAg配線が得られる。
以上説明したように、本実施形態の導電性金属インクは、極性溶媒を含むため、撥液パターンに対して高い接触角を得ることができると共に、親液性を有するブランケットに対して高い濡れ性を得ることができる。これにより、撥液パターンの凹部のみに導電性金属インクを充填することができる。従って、このように充填した導電性金属インクをプラスチック製基材やガラス製基材等の被印刷体に転写して焼成すると、凹部の開口幅に従う(追従する)細い線幅で金属配線を形成することが可能となる。しかも、本実施形態の導電性金属インクは、凹部に充填した状態でブランケットに吸収されて乾燥するため、連続印刷に適しており、従来例の如く乾燥装置を用いて乾燥する必要がないため、低コスト化を図る上で有利である。
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
[Agインクの製造]
平均粒子径4nmのAg微粒子を分散させた分散液(株式会社アルバック製の「AgナノメタルインクAg1T」)100gに、アセトン500gを加えてAg微粒子を沈降させ、上澄み液をデカンテーションなどにより流出させる「洗浄工程」を複数回繰り返し、分散剤たる炭素数6〜18の脂肪酸及び炭素数6〜18の脂肪族アミンが表面に吸着したAg微粒子(以下「Ag微粒子1」という)を得た。Ag微粒子1を15.6g、低極性溶媒としてのテトラデカンを6g、極性溶媒としてのイソステアリルアルコール(日産化学工業社製の「ファインオキソコール180T」)を14g配合し(このとき、極性溶媒の重量比が70wt%)、攪拌してAgインクを得た。
[ブランケットの作製]
ポリジメチルシロキサン(信越化学社製の「X−32−3279A/B」)を2液混合により架橋反応を用いてシリコーンゴム製の樹脂を得て、この得られた樹脂をスピンコータを用いてスピンコートすることで平滑なブランケットを得た。このブランケットの表面に対し、プラズマ処理装置(ヤマト科学社製の「MPC−5000S」)を用い、酸素ガス流量:100mL/min、高周波電力:200Wの条件で酸素プラズマ処理を4分行った。表面処理が施されたブランケット表面にフォトレジスト(AZエレクトロニクス社製の「AZ5214」)をスピンコート法により塗布し、ホットプレートにて120℃でのプリベイクを6分間行い、露光装置(日立ハイテク社製の「ME1000−RD1E」)を用いてフォトレジスト表面にパターンを露光した。尚、露光光は、波長365nmのUV光(250mJ/cm)とした。露光後のフォトレジスト付きブランケットを現像液(0.4%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)に1分浸漬させて現像処理を行い、純水を用いて洗浄した後、ホットプレートにて200℃でのポストベイクを2分間行うことで、ブランケット表面に凹凸形状を有するレジストパターンを形成した。尚、凹部の幅は、20μmであった。次いで、上記プラズマ処理装置を用いた酸素プラズマ処理を再度行い、レジストパターンの凹部を介して露出するブランケット表面を親液化した。さらに、上記プラズマ処理装置を用い、CFガス流量:100mL/min、高周波電力:200Wの条件でCFプラズマ処理を1分行い、レジストパターンを撥液パターンとした(撥液化処理)。
[低極性溶媒及び極性溶媒の接触角の評価]
上記の如く親液性を有するブランケットと撥液パターンたるレジストパターンに対し、低極性溶媒であるテトラデカン、極性溶媒である2エチルヘキサノール(炭素数8、分岐アルキル鎖有り)、n−デカノール(炭素数10、分岐アルキル鎖無し)、イソステアリルアルコール(炭素数18、分岐アルキル鎖有り)、イソパルミチルアルコール(炭素数16、分岐アルキル鎖有り)を滴下し、測定装置(協和界面科学社製の「DM−701」)を用いて静的接触角を測定した結果を表1に示す。
Figure 2017088734
また、Agインクの撥液パターン(レジストパターン)に対する接触角の経時劣化を調べたところ、図1に示すように、n−デカノール(炭素数10、分岐アルキル鎖無し)は接触角の経時劣化が生じたのに対し、イソステアリルアルコール(炭素数18、分岐アルキル鎖有り)及びイソパルミチルアルコール(炭素数16、分岐アルキル鎖有り)については接触角の経時劣化が生じなかった。ここで、接触角が経時劣化が生じると、ブランケットにインクを充填してから被印刷体に転写されるまでの間に撥液パターンで導電性金属インクが広がってしまい、細い幅で金属配線を形成できなくなる。このため、低極性溶媒としては、炭素数16以上であり、かつ、分岐のアルキル鎖を有する上記イソステアリルアルコールやイソパルミチルアルコールを用いることが好ましい。
[Ag配線の形成(印刷)]
上記撥液パターン付きブランケットに対してAgインクをインクジェット装置(Dimatix社製の「DMP3000」)を用いて噴射し、撥液パターンの凹部にAgインクを充填した。このときのブランケット及び撥液パターンにおける静的接触角を夫々測定した結果、表2に示すように、撥液パターンに対する接触角が71°であり、ブランケット表面に対する接触角が31°であり、凹部のみにAgインクを充填することが確認された。このように充填したAgインクを被印刷体に転写し、転写したAgインクを150℃で60分焼成した。このようにして形成されたAg配線には滲みや歪みが見られず、その線幅は20μmであり、撥液パターンの凹部に従う優れた形状のAg配線を印刷できることが確認された。
Figure 2017088734
(実施例2)
低極性溶媒のテトラデカンを4g、極性溶媒のイソステアリルアルコールを16g配合する(このとき、極性溶媒の重量比が80wt%)点以外は、上記実施例1と同様とした。本実施例2でも、印刷されたAg配線には滲みや歪みは見られず、その線幅は20μmであり、撥液パターンの凹部に従う優れた形状のAg配線を印刷できることが確認された。これより、撥液パターンの凹部にのみ導電性金属インクを充填できることが判った。
(実施例3)
低極性溶媒のテトラデカンを2g、極性溶媒のイソステアリルアルコールを18g配合する(このとき、極性溶媒の重量比が90wt%)点以外は、上記実施例1と同様とした。本実施例3でも、印刷されたAg配線には滲みや歪みは見られず、その線幅は20μmであり、撥液パターンの凹部に従う優れた形状のAg配線を印刷できることが確認された。これより、撥液パターンの凹部にのみ導電性金属インクを充填できることが判った。
また、極性溶媒の重量比を本実施例3の90wt%よりも高くすると、極性溶媒が有する親水基(OH基)の相互作用によりAgインクの粘度が増加し、上記インクジェット装置による吐出が困難であった。尚、本実施例3の溶媒(低極性溶媒及び極性溶媒)の粘度(25℃)を測定装置(東機産業社製の「TV−35L」)により測定したところ、25.7mPa・Sであった。同様に、実施例1及び後述する実施例4の溶媒の粘度を夫々測定したところ、12.0mPa・S、10.8mPa・Sであった。
(実施例4)
極性溶媒としてイソステアリルアルコールではなくイソパルミチルアルコール(日産化学工業社製の「ファインオキソコール1600」)を14g配合する点(このとき、極性溶媒の重量比が70wt%)以外は、上記実施例1と同様とした。本実施例4では、Agインクを充填したときのブランケット及び撥液パターンにおける静的接触角を夫々測定した結果、撥液パターンに対する接触角が69°であり、ブランケット表面に対する接触角が30°であり、凹部のみにAgインクを充填することが確認された。本実施例4でも、印刷されたAg配線には滲みや歪みは見られず、その線幅は20μmであり、撥液パターンの凹部に従う優れた形状のAg配線を印刷できることが確認された。これより、撥液パターンの凹部にのみ導電性金属インクを充填できることが判った。
(実施例5)
低極性溶媒のテトラデカンを2g、極性溶媒のイソパルミチルアルコールを18g配合する(このとき、極性溶媒の重量比が90wt%)点以外は、上記実施例4と同様とした。本実施例5でも、印刷されたAg配線には滲みや歪みは見られず、その線幅は20μmであり、撥液パターンの凹部に従う優れた形状のAg配線を印刷できることが確認された。これより、撥液パターンの凹部にのみ導電性金属インクを充填できることが判った。
次に、上記実施例に対する比較例について説明する。
(比較例1)
低極性溶媒のテトラデカンを20g配合し、極性溶媒を配合しない点(このとき、極性溶媒の重量比が0wt%)以外は、上記実施例1と同様とした。本比較例1では、撥液パターンの凹部にAgインクを充填したときの撥液パターンに対する接触角が65°であり、ブランケット表面に対する接触角が33°であり、両接触角の差が上記実施例1よりも小さいことが確認された。そして、上記実施例1と同様に転写・焼成することで得られたAg配線の線幅は25μmであり、撥液パターンの凹部の開口幅よりも太くなっており、凹部のみにAgインクを充填できていないことが判った。
(比較例2)
低極性溶媒のテトラデカンを10g、極性溶媒のイソステアリルアルコールを10g配合する(このとき、極性溶媒の重量比が50wt%)点以外は、上記実施例1と同様とした。本比較例2では、撥液パターンの凹部にAgインクを充填したときの撥液パターンに対する接触角が63°であり、ブランケット表面に対する接触角が32°であり、両接触角の差が上記実施例1よりも小さいことが確認され、撥液パターン上で濡れ広がっていた。このため、上記実施例1と同様に転写・焼成することで得られたAg配線の線幅は、明らかに凹部に追従するものではなかった。
(比較例3)
極性溶媒としてイソステアリルアルコールではなくOH基を持たないシクロヘキシルベンゼンを10g配合する点以外は、上記実施例1と同様とした。本比較例3では、撥液パターンの凹部にAgインクを充填したときの撥液パターンに対する接触角が72°であったが、ブランケット表面に対する接触角が55°と上昇してしまい、両接触角の差が上記実施例1よりも小さいことが確認された。
以上、本発明の実施形態及び実施例について説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではない。上記実施形態及び実施例では、金属としてAgを用いる場合を例に説明したが、例えば、Au、Cu、Ni、Pd、Rh、Ru、Pt、In及びSnから選択された少なくとも1種の金属又はこれらの金属の少なくとも2種からなる合金を、目的や用途に応じて適宜選択して用いることができる。

Claims (7)

  1. 金属配線を形成する際に、親液性の樹脂製ブランケットの表面に形成された撥液パターンの凹部にインクジェット法により充填される導電性金属インクにおいて、
    炭素数6〜18の脂肪酸及び炭素数6〜18の脂肪族アミンの少なくとも一方で表面が覆われた金属微粒子と、この金属微粒子を分散させるための低極性溶媒とを含み、
    前記ブランケットへの吸収が前記低極性溶媒よりも少ない極性溶媒を更に含むことを特徴とする導電性金属インク。
  2. 前記低極性溶媒及び前記極性溶媒に対する前記極性溶媒の重量比が70〜90wt%であることを特徴とする請求項1記載の導電性金属インク。
  3. 前記低極性溶媒及び前記極性溶媒の沸点が150〜400℃であることを特徴とする請求項1または2記載の導電性金属インク。
  4. 前記極性溶媒は、ヒドロキシ基を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の導電性金属インク。
  5. 前記極性溶媒は、炭素数16以上であり、かつ、分岐のアルキル鎖を有することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の導電性金属インク。
  6. 前記極性溶媒は、イソパルミチルアルコール及びイソステアリルアルコールから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項5記載の導電性金属インク。
  7. 前記低極性溶媒は、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、シクロドデカン、シクロドデセン、オクチルベンゼン及びドデシルベンゼンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電性金属インク。
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