JP2017087580A - スクリーン製版およびスクリーン製版の製造方法 - Google Patents

スクリーン製版およびスクリーン製版の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スクリーン印刷の繰り返しによる印刷文字や印刷パターンの位置ずれを抑制できるスクリーン製版とその製造方法を提供する。【解決手段】外枠13に対しメッシュ状の内紗11がメッシュ状の外紗12を介して張設されると共に、前記内紗12に印刷用のインク通過孔7が形成されているスクリーン製版であって、熱処理により、前記外紗12を構成する経糸12Vおよび緯糸12Hを部分的に束状に寄り集めて外紗12に複数の結束要素Kを生成し、かつ、これら複数の結束要素Kを外紗12全体にまたは部分的に鰐皮模様状または網模様状に繋げるようにする。【選択図】図1

Description

本発明は、スクリーン製版とスクリーン製版の製造方法に関するものである。
図7(A)(B)にスクリーン製版の例を示す。図7(A)のスクリーン製版1Aはスクリーンメッシュ(紗)2を外枠4に直接貼り付ける直張りタイプ、図7(B)のスクリーン製版1Bはスクリーンメッシュ(内紗)2を伸縮性のある外メッシュ(外紗)3を介して外枠4に貼り付けるコンビネーション張りタイプを示している。スクリーンメッシュ2、外メッシュ3の経糸と緯糸の角度はそれぞれ0〜89度の範囲で選択される。外枠4はアルミ製やダイカスト(鋳物)製等、スクリーンメッシュ2は電子部品向けにステンレス製、タングステン製等、ポスター等向けに化繊製等が用いられる。外メッシュ3は化繊製等が用いられる。
図8を参照し、コンビネーション張りタイプのスクリーン製版は、一般に以下の工程を経て製造される。
(1)張設工程:スクリーンメッシュ2や外メッシュ3を適正なテンションで引っ張り、外枠4に接着剤で固定する(図8(A))。
(2)感光材塗布工程:外枠4にスクリーンメッシュ2や外メッシュ3を張設した版を清浄な水で洗浄した後、外枠4内のスクリーンメッシュ2の表面裏面に感光乳剤5(感光性樹脂)をむら無く均一に塗布する(図8(B))。
(3)露光工程:感光乳剤5が塗布されたスクリーンメッシュ2上にパターン原版6(ポジフィルムやガラス乾板のフォトマスク等)を密着させて露光機で露光し、スクリーンメッシュにパターンを焼き付ける(図8(C))。
(4)現像・洗浄・仕上げ工程:パターンが焼き付けられた版を水に浸けて現像し、未露光部分の感光乳剤5を洗浄して除去し(この未露光部分の感光乳剤が除去された後の各孔がインク通過孔7となる)乾燥させる。パターンの状態を再度チェックし、ピンホール埋め、テープ貼り、補強をして仕上げる。これによりスクリーン製版1が出来上がる(図8(D))。
出来上がったスクリーン製版1を用いてスクリーン印刷を行うには、図9に示すように、スクリーン製版1の上からスキージ8を摺動させてインク9をスクリーンメッシュ2のパターンの各孔(インク通過孔)7に充填し、各孔7からインク9を下に吐出させて下の基板Aに転写する。これによりスクリーン印刷が行われる。図10はスクリーン製版の拡大図を示し、スクリーンメッシュ2に感光乳剤5が存在すると共にパターンBに対応するインク通過孔7が穿孔されていることが分かる。
スクリーン製版を用いたスクリーン印刷方法としては、例えば、ステージとスクリーン製版との間に隙間形成部材を設置することで被印刷物とスクリーン製版との間の隙間を一定にする方法や、基板側が凸になるように湾曲したスクリーン製版を用いる方法が知られている(特許文献1、特許文献2参照)。
特開2014−40030号公報 特開平11−277863号公報
しかしながら、スクリーン製版のスクリーンメッシュに対しスキージを繰り返し摺動させると、コンビネーションタイプの場合、化繊製の外メッシュにテンションが同じ方向に繰り返し作用するため、多数回(例えば数千回)印刷を繰り返すと、外メッシュの経糸と緯糸にずれが生じて、その結果、スクリーンメッシュのパターン寸法にもずれが生じるという問題があった。このため、パターンの印刷不良という不具合やスクリーン製版の早期交換という負担を招いていた。かかる不具合は直張りタイプでも生じていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、スクリーン印刷の繰り返しによる印刷文字や印刷パターンの位置ずれを抑制できるスクリーン製版とその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、外枠に対しメッシュ状の紗が張設されると共に、前記紗のパターンエリアにインク通過孔が形成されているスクリーン製版であって、
前記紗を構成する経糸および緯糸を、パターンエリア外で部分的に束状に寄り集めて複数の結束要素を生成し、かつ、これら複数の結束要素を、パターンエリア外で全体にまたは部分的に鰐皮模様状または網模様状に繋げてなることを特徴とする。
本発明に係るスクリーン製版を用いてスクリーン印刷すると、紗のパターンエリア(印刷用の文字、画像、図柄、回路図等のパターンが配置される)へのスキージ動作に伴ってパターンエリア外にも張力が作用するが、パターンエリア外に張りめぐられた結束要素により、パターンエリア外の経糸および緯糸の動きが拘束される。このため、多数回(例えば数千回)のスクリーン印刷によって、パターンエリア外に繰り返し同じ方向に張力が作用しても、パターンエリア外の経糸および緯糸の位置ずれが抑制されてパターンエリア内の位置ずれも抑制される結果、スクリーン印刷の印刷ずれが防止されるようになる。また、熱処理により引張力に対する紗の強度が向上し、位置ずれ抑制効果が発揮される。
本発明に係るスクリーン製版は、外枠に対する紗の非張設時において、熱処理により、パターンエリア外の経糸および緯糸が部分的に束状に寄り集められてパターンエリア外に複数の結束要素が形成されると共にこれら複数の結束要素が紗のパターンエリア外で全体としてまたは部分的に鰐皮模様状または網模様状に繋げられてなることを特徴とする。
本発明は、外枠に対しメッシュ状の内紗がメッシュ状の外紗を介して張設されると共に、前記内紗のパターンエリアにインク通過孔が形成されているスクリーン製版であって、
前記外紗を構成する経糸および緯糸が部分的に寄り集まって前記外紗に複数の結束要素が形成され、かつ、これら複数の結束要素が外紗の全体にまたは部分的に鰐皮模様状または網模様状に繋げられてなることを特徴とする。
本発明に係るスクリーン製版を用いてスクリーン印刷すると、内紗へのスキージ動作に伴って外紗にも張力が作用するが、外紗に張りめぐられた結束要素により、外紗内の経糸および緯糸の動きが拘束される。このため、多数回(例えば数千回)のスクリーン印刷によって、外紗内に繰り返し同じ方向に張力が作用しても、内紗を周囲から支える外紗内の経糸および緯糸の位置ずれが抑制されて内紗の位置ずれも抑制される結果、スクリーン印刷の印刷ずれが防止されるようになる。また、熱処理により引張力に対する外紗の強度が向上し、内紗の位置ずれ抑制効果が発揮される。
本発明に係るスクリーン製版は、前記紗の結束要素で囲まれる領域および前記外紗の結束要素で囲まれる領域が経糸方向に5〜15個/100mm、緯糸方向に5〜15個/100mm並んで形成されることが望ましい。
本発明に係るスクリーン製版は、前記外枠に対する外紗の非張設時において、熱処理により、前記外紗の経糸および緯糸を部分的に束状に寄り集めて前記外紗に複数の結束要素を生成すると共にこれら複数の結束要素を全体としてまたは部分的に鰐皮模様状または網模様状に繋げられてなることを特徴とする。
本発明は、外枠に対しメッシュ状の紗が張設されると共に、前記紗のパターンエリアにインク通過孔が形成されているスクリーン製版の製造方法であって、
合成樹脂製の経糸および緯糸から構成される紗に対し、紗のパターンエリア外に熱処理を加えて、パターンエリア外の経糸および緯糸を部分的に束状に寄り集めてパターンエリア外で複数の結束要素を生成すると共にこれら複数の結束要素を紗のパターンエリア外の全体にまたは部分的に鰐皮模様状または網模様状に繋げ、同時に前記熱処理により、前記紗の、前記結束要素で囲まれる領域の経糸および緯糸を、紗の表面から裏面に向けて全体としてまたは部分的に凸状または凹状に変形させる紗熱処理工程と、
前記外枠に対し熱処理後の紗を張設する張設工程と、
前記外枠に張設した紗に感光材を塗布する感光材塗布工程と、
感光材を塗布した紗に印刷用の文字やパターンをマスキングして露光する露光工程と、
露光後の紗を洗浄して未硬化の感光材を除去し、紗にインク通過孔を形成する洗浄工程
を有することを特徴とする。
本発明は、外枠に対しメッシュ状の内紗がメッシュ状の外紗を介して張設されると共に、前記内紗のパターンエリアにインク通過孔が形成されているスクリーン製版の製造方法であって、
合成樹脂製の経糸および緯糸から構成される外紗に対し熱処理を加えて、経糸および緯糸を部分的に束状に寄り集めて前記外紗に複数の結束要素を生成すると共にこれら複数の結束要素を外紗の全体にまたは部分的に鰐皮模様状または網模様状に繋げ、同時に前記熱処理により、前記外紗の、前記結束要素で囲まれる領域の経糸および緯糸を、外紗の表面から裏面に向けて全体としてまたは部分的に凸状または凹状に変形させる外紗熱処理工程と、
前記外枠に対し熱処理後の外紗を介して前記内紗を張設する張設工程と、
前記外枠に張設した内紗に感光材を塗布する感光材塗布工程と、
感光材を塗布した内紗に印刷用の文字やパターンをマスキングして露光する露光工程と、
露光後の内紗を洗浄して未硬化の感光材を除去し、内紗にインク通過孔を形成する洗浄工程
を有することを特徴とする。
前記紗熱処理工程および前記外紗熱処理工程において、紗の場合はパターンエリア外に対する熱処理温度、外紗の場合は外紗に対する熱処理温度を、糸の融点温度未満で140〜210℃とすること、1cmあたりの熱処理時間を0.1〜3秒間とすることが望ましい。また、熱源を移動させながら熱を加えることが望ましい。
以上説明したように、本発明に係るスクリーン製版を用いることにより、多数回(例えば数千回)のスクリーン印刷によってスキージ動作に伴って紗や外紗に繰り返し張力が作用しても、紗や外紗内の経糸および緯糸の位置ずれ、ひいては紗内のパターンエリアや内紗の位置ずれを抑制でき、これにより、スクリーン印刷の印刷不良やスクリーン製版の早期交換を防止し、印刷品質の向上、印刷コストの低減を図れるという優れた効果を奏する。
本発明に係るスクリーン製版を示すもので、(A)はスクリーン製版の正面図、(B)は縦断面図、 図1に示すスクリーン製版に用いる外紗の要部を示すもので、図1(A)の円C拡大図、 図1に示すスクリーン製版に用いる外紗の実物(部分)を示すもので、熱処理後の状態を示す平面図、 図3に示す外紗の実物の拡大写真を示すもので、(A)は部分拡大図、(B)は結束要素以外(符号1)の部分拡大図、(C)は結束要素(符号2)の部分拡大図、(D)は結束要素以外(符号3)の部分拡大図、 図1に示すスクリーン製版の製造手順を示すフロー図、 (A)は図1に示すスクリーン製版による印刷例、(B)は従来のスクリーン製版による印刷例、 従来のスクリーン製版を示すもので、(A)は直張りタイプを示す図、(B)はコンビネーションタイプを示す図、 (A)〜(D)は従来のスクリーン製版(コンビネーションタイプ)の製造手順を示す説明図、 従来のスクリーン製版によるスクリーン印刷方法を示す説明図、 従来のスクリーン製版の拡大図である。
本発明を実施するための第1の実施形態を図1ないし図6を参照して説明する。図1において、符号10はスクリーン製版を示している。なお、図7ないし図10に示す部材と同一部材には同一符号を付してその説明を省略する。
スクリーン製版10は、図1(A)に示すように、矩形のスクリーンメッシュ(内紗)11がその周囲を囲む外メッシュ(外紗)12を介して一定の張力で矩形の外枠13に対し張設された構造をしている。スクリーンメッシュ11はステンレス製の経糸と緯糸からなり、図示例は中央位置に印刷用パターンBが形成されている。外メッシュ12は伸縮性のある化学繊維製の経糸12と緯糸12(図2参照)からなり、熱処理により生成された多数の結束要素Kが外メッシュ12全体に鰐皮模様状に繋がった構造となっている。外枠13はアルミニウム製の枠体からなっている。図1(B)に示すように、外枠13に対し外メッシュ12の外周縁部が、外メッシュ12の内周縁部に対しスクリーンメッシュ11の外周縁部がそれぞれ接着剤層14により固着されている。
外メッシュ12を更に説明すると、図2に示すように、熱処理により化学繊維製の経糸12と緯糸12が部分的に束状に寄り集まり、図1(A)に示すように、経糸方向、緯糸方向、斜め方向に延びる前記結束要素Kが多数生成され、さらに生成された結束要素Kが隣りどうしで結合(結合点P)して、生成された多数の結束要素Kが外メッシュ12全体に鰐皮模様状に繋がった構造となっている。外メッシュ12に使用される織の種類は平織、綾織等がある。
図3は熱処理後の外メッシュ12の具体例(部分拡大図)を示している。図3に示す外メッシュ12は、経糸および緯糸がポリエステル繊維からなり、それぞれの糸径が0.055mmで、隙間(オープニング)が0.058mmの仕様となっている(商品名:株式会社NBCメッシュテック製EX−SCREEN白89−055/225TW)。200℃の熱源を秒速10cmの速度で一方の端から他方の端に向けて走らせ、熱処理を加えた。なお、外メッシュ12の経糸および緯糸は炭素繊維も使用可能である。
図4(A)〜(D)は図3に示す外メッシュ12の部分拡大写真を示している。図4(A)は中央に結束要素が写っており(倍率50倍)、倍率をさらに上げると、中央の結束要素(図4(C)参照:倍率175倍)は結束要素以外の領域(図4(B)(D)参照:倍率175倍)に比べて、経糸と緯糸が互いに緊密化し、緊密度、結束度が増加していることが分かる。
上記構造のスクリーン製版10は、以下のようにして製造される。以下、図5に示すフロー図を参照しつつ説明する。
(外メッシュ熱処理工程:S1)
まず、外メッシュ12全体に中温〜高温(140〜210℃)で1cmあたり一定時間(0.1〜3秒)熱処理を加える。熱処理を加えると、経糸方向および緯糸方向に規則的に並んでいた化学繊維製の経糸12と緯糸12が、図2に示すように、部分的に片寄りして束状に寄り集まり、図3に示すように、経糸方向、緯糸方向、斜め方向に延びる多数の結束要素Kが生成されると共に、これら生成された結束要素Kが隣どうしで結合点Pを介して結合する。同時に熱処理により、図3に示すように、結束要素Kで囲まれる領域Rの経糸12と緯糸12が外メッシュ12の表面から裏面に向けて全体的に凸状または凹状に変形する。熱処理は外メッシュ12の一方の端から他方の端に向けて加熱箇所を移動させながら全体に加える。外メッシュ12全体に一度に加えてもよい。なお、図3の例では結束要素Kが不規則な形状をしているが、規則正しい形状に生成することも可能である。
(張設工程:S2)
次に、外枠13に対し、スクリーンメッシュ11と外メッシュ12を張設する。まず、スクリーンメッシュ11と外メッシュ12を接着剤により固着し、スクリーンメッシュ11と外メッシュ12が強固に一体化した後、スクリーンメッシュ11と外メッシュ12に一定の引張力(例:19〜35N/cm)をかけた状態で、外メッシュ12と外枠13を接着剤により固着する。あるいは外枠13と外メッシュ12を接着剤により固着した後、スクリーンメッシュ11と接着する。なお、図1(B)の例はスクリーンメッシュ11が外メッシュ12の上に位置するが、スクリーンメッシュ11が外メッシュ12の下に位置する場合もある。外メッシュ12の外周縁部が外枠13と強固に一体化した後、外力を解放する。外メッシュ12には一定の張力がかかることにより、結束要素Kで囲まれる領域Rは元の凹凸形状からフラットな形状となるがスキージ動作に伴う同領域Rにおける経糸12および緯糸12の伸縮性は維持される。
(感光材塗布工程:S3)
次に、外枠13にスクリーンメッシュ11と外メッシュ12を張設した版を清浄な水で洗浄した後、外枠13内のスクリーンメッシュ11の表面と裏面に感光乳剤(感光材)5(図8(B)参照)をむら無く均一に塗布する。
(露光工程:S4)
次に、感光乳剤5が塗布されたスクリーンメッシュ11上にパターン原版6(図8(C)参照)を密着させて露光機で露光し、スクリーンメッシュ11にパターンを焼き付ける。
(現像・洗浄・仕上げ工程:S5)
次に、スクリーンメッシュ11にパターンが焼き付けられた版を水に浸けて現像し、未露光部分の感光乳剤を洗浄除去してパターン孔(インク通過孔)7を生成し(図8(C)参照)、乾燥させる。最後に、パターンの状態をチェックし、ピンホール埋め、テープ貼り、補強をして仕上げる。これによりスクリーン製版10が出来上がる。
出来上がったスクリーン製版10に対し、図9に示すスキージ8を摺動させてインク9をスクリーンメッシュ11のパターンの各孔(インク通過孔)7に充填し、各孔7からインク9を下に吐出させて下の基板Aに転写すると、スクリーン印刷が行われる。
本発明者は、本発明のスクリーン製版10と従来のスクリーン製版1を用いて、繰り返し印刷の試験を行った。試験に用いた製版1、10の仕様は次の通りである。スクリーンメッシュ:ステンレス製のカレンダーメッシュ(500メッシュ、線径15ミクロン、22.5度バイアス)を使用。外メッシュ:ポリエステル繊維製(上記株式会社NBCメッシュテック製EX−SCREEN白89−055/225TW、0度ノーマル)を使用。外枠のサイズは850mm×850mm(外寸)、張設後のスクリーンメッシュのサイズは500mm×500mm(内寸)、張設後の外メッシュのサイズは720mm×720mm(内寸)、印刷パターンのサイズは300mm×300mm(最大寸法)である。
図6(A)は本発明のスクリーン製版10によるスクリーン印刷を2000回繰り返した後の印刷パターンB、図6(B)は従来のスクリーン製版1によるスクリーン印刷を2000回繰り返した後の印刷パターンBを示している。これらの図に示すように、従来のスクリーン製版1ではスクリーン印刷を2000回繰り返すと、基準位置の印刷パターンBに対し、実際の印刷パターンBの位置ずれが大きい(上下±45ミクロン、左右±45ミクロン)のに対し、本発明のスクリーン製版10では同数回繰り返しても印刷パターンの位置ずれがほとんど生じない(上下±5ミクロン以内、左右±5ミクロン以内)ことが分かった。
上記の違いは、従来のスクリーン製版1(1B)が、図9に示すように、スキージ8を数千回繰り返し摺動させると、スクリーンメッシュ2を支える外メッシュ3に繰り返し数千回も同じ方向に張力が掛かり、外メッシュ3内の経糸と緯糸の元の位置への復帰が次第に悪くなって、外メッシュ3内の経糸と緯糸に位置ずれが生じ、外メッシュ3によって支えられるスクリーンメッシュ2も次第に位置ずれを起こしてしまうのに対し、本発明のスクリーン製版10は、スキージ8を数千回と繰り返し摺動させても、外メッシュ12に張り巡らされた結束要素Kが、外メッシュ12内の経糸および緯糸の動きを拘束するので、外メッシュ12内の経糸および緯糸の位置ずれを抑制し、外メッシュ12によって支えられるスクリーンメッシュ11も位置ずれを起こしにくいためであると考察される。
また、熱処理により外メッシュ12内の経糸および緯糸が結束し(図4(C)参照)、これにより引張力に対する外メッシュ12の強度(抵抗)が全体的に向上していることもスクリーンメッシュ11の位置ずれが起こりにくい理由と考えられる。
上記実施形態では、外メッシュ12の全体に熱加工したが、これに限らない。印刷パターンの大きさや形状によっては(例えばスクリーンメッシュ2の面積に比して印刷パターンが小さい場合)スキージ8の摺動方向のみ(外メッシュ12の前後範囲のみ)部分的に熱加工し、スクリーンメッシュ2の糸角度によってはスキージ8の摺動方向以外のみ(外メッシュ12の左右範囲のみ)部分的に熱加工してもよい。また、外メッシュ12の経糸および緯糸は炭素繊維も使用可能である。
上記実施形態はコンビネーション張りタイプの例であるが、直張りタイプにも適用できる。すなわち、図7(A)の直張りタイプにおいて、化繊製のスクリーンメッシュに対し、パターンエリアの周囲を熱加工し、パターンエリアの周囲に複数の結束要素を生成し、かつ複数の結束要素をパターンエリアの周囲全体に鰐皮模様状または網模様状に繋げることで、上記実施形態と同様の効果が得られる。
かくして、本発明のスクリーン製版によれば、多数回(例えば数千回)のスクリーン印刷によってスキージ動作に伴って外紗に繰り返し張力が作用しても、外紗内の経糸および緯糸の位置ずれ、ひいては内紗の位置ずれを抑制でき、これにより、スクリーン印刷の印刷不良やスクリーン製版の早期交換を防止し、印刷品質の向上、印刷コストの低減を図ることができる。
なお、本発明のスクリーン製版は、スキージでハンダペーストを下の基板に対し穴を通して載せるメタルマスク等にも適用できる。
本発明に係るスクリーン製版は、スクリーン印刷に用いる版の他、メタルマスクとしても広く利用できる。
1(1A,1B),10 スクリーン製版
2,11 スクリーンメッシュ(内紗)
3,12 外メッシュ(外紗)
4,13 外枠
5 感光乳剤(感光性樹脂)
6 パターン原版
7 パターン孔(インク通過孔)
8 スキージ
9 インク
12 経糸
12 緯糸
14 接着剤層
A 基板
B,B,B 印刷用パターン
K 結束要素
P 結合点
R 結束要素で囲まれる領域

Claims (7)

  1. 外枠に対しメッシュ状の紗が張設されると共に、前記紗のパターンエリアにインク通過孔が形成されているスクリーン製版であって、
    前記紗を構成する経糸および緯糸を、パターンエリア外で部分的に束状に寄り集めて複数の結束要素を生成し、かつ、これら複数の結束要素を、パターンエリア外で全体にまたは部分的に鰐皮模様状または網模様状に繋げてなることを特徴とするスクリーン製版。
  2. 前記外枠に対する紗の非張設時において、熱処理により、パターンエリア外の経糸および緯糸が部分的に束状に寄り集められてパターンエリア外に複数の結束要素が形成されると共にこれら複数の結束要素が紗のパターンエリア外で全体としてまたは部分的に鰐皮模様状または網模様状に繋げられてなることを特徴とする請求項1記載のスクリーン製版。
  3. 外枠に対しメッシュ状の内紗がメッシュ状の外紗を介して張設されると共に、前記内紗のパターンエリアにインク通過孔が形成されているスクリーン製版であって、
    前記外紗を構成する経糸および緯糸が部分的に寄り集まって前記外紗に複数の結束要素が形成され、かつ、これら複数の結束要素が外紗の全体にまたは部分的に鰐皮模様状または網模様状に繋げられてなることを特徴とするスクリーン製版。
  4. 前記外枠に対する外紗の非張設時において、熱処理により、前記外紗の経糸および緯糸を部分的に束状に寄り集めて前記外紗に複数の結束要素を生成すると共にこれら複数の結束要素を全体としてまたは部分的に鰐皮模様状または網模様状に繋げられてなることを特徴とする請求項3記載のスクリーン製版。
  5. 外枠に対しメッシュ状の紗が張設されると共に、前記紗のパターンエリアにインク通過孔が形成されているスクリーン製版の製造方法であって、
    合成樹脂製の経糸および緯糸から構成される紗に対し、紗のパターンエリア外に熱処理を加えて、パターンエリア外の経糸および緯糸を部分的に束状に寄り集めてパターンエリア外で複数の結束要素を生成すると共にこれら複数の結束要素を紗のパターンエリア外の全体にまたは部分的に鰐皮模様状または網模様状に繋げ、同時に前記熱処理により、前記紗の、前記結束要素で囲まれる領域の経糸および緯糸を、紗の表面から裏面に向けて全体としてまたは部分的に凸状または凹状に変形させる紗熱処理工程と、
    前記外枠に対し熱処理後の紗を張設する張設工程と、
    前記外枠に張設した紗に感光材を塗布する感光材塗布工程と、
    感光材を塗布した紗に印刷用の文字やパターンをマスキングして露光する露光工程と、
    露光後の紗を洗浄して未硬化の感光材を除去し、紗にインク通過孔を形成する洗浄工程
    を有することを特徴とするスクリーン製版の製造方法。
  6. 外枠に対しメッシュ状の内紗がメッシュ状の外紗を介して張設されると共に、前記内紗のパターンエリアにインク通過孔が形成されているスクリーン製版の製造方法であって、
    合成樹脂製の経糸および緯糸から構成される外紗に対し熱処理を加えて、経糸および緯糸を部分的に束状に寄り集めて前記外紗に複数の結束要素を生成すると共にこれら複数の結束要素を外紗の全体にまたは部分的に鰐皮模様状または網模様状に繋げ、同時に前記熱処理により、前記外紗の、前記結束要素で囲まれる領域の経糸および緯糸を、外紗の表面から裏面に向けて全体としてまたは部分的に凸状または凹状に変形させる外紗熱処理工程と、
    前記外枠に対し熱処理後の外紗を介して前記内紗を張設する張設工程と、
    前記外枠に張設した内紗に感光材を塗布する感光材塗布工程と、
    感光材を塗布した内紗に印刷用の文字やパターンをマスキングして露光する露光工程と、
    露光後の内紗を洗浄して未硬化の感光材を除去し、内紗にインク通過孔を形成する洗浄工程
    を有することを特徴とするスクリーン製版の製造方法。
  7. 前記外紗熱処理工程において、外紗に対する熱処理温度を糸の融点温度未満で140〜210℃とすることを特徴とする請求項6記載のスクリーン製版の製造方法。
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