JP3705313B2 - スクリーン印刷用スクリーン版およびその製造方法 - Google Patents

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    • H05K3/10Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which conductive material is applied to the insulating support in such a manner as to form the desired conductive pattern
    • H05K3/12Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which conductive material is applied to the insulating support in such a manner as to form the desired conductive pattern using thick film techniques, e.g. printing techniques to apply the conductive material or similar techniques for applying conductive paste or ink patterns
    • H05K3/1216Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which conductive material is applied to the insulating support in such a manner as to form the desired conductive pattern using thick film techniques, e.g. printing techniques to apply the conductive material or similar techniques for applying conductive paste or ink patterns by screen printing or stencil printing

Description

【0001】
本発明は、スクリーン印刷に使用されるスクリーン印刷用スクリーン版およびスクリーン印刷用スクリーン版の製造方法に関し、特にインキの被印刷物への転移率が高いことを望むスクリーン印刷の場合、例えば液晶表示装置、蛍光表示装置、ガス放電パネル、印刷配線板、混成集積回路等における抵抗素子、誘電体あるいはレジストなど電子工業部品作成の微細印刷パターンを形成する方法に係わり、特に大面積で同時に高精細も要求されるプラズマディスプレイにおける電極やバリアリブなどの厚膜印刷パターンを形成するためのスクリーンにおいて要望されるスクリーン印刷用スクリーン版およびその製造方法に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】
ステンレス鋼線や合成繊維の線材から織られたスクリーンメッシュを版枠に張り、写真製版法で、スクリーンメッシュ上に、感光乳剤を用いて被膜(レジスト)を形成後、被膜内に1ケ以上の開口部分(孔)を設けた孔あき被膜(以後ステンシルと称する)を有するスクリーン印刷版が知られる。
このスクリーン印刷版を使用したスクリーン印刷による印刷パターン形成方法は、他のパターン形成方法(印刷方法)に比較して、版の作成および印刷方法が簡単で、さらに設備費や経費が少なくてすみ、インキ層を厚くかつ細かな印刷パターンを形成できるという利点がある。このため、通常の商業印刷物以外に、レジストエッチング方式による回路形成、導電性インキを用いた回路形成および受動素子形成など、電子工業の分野で広範囲に利用されている。
【0003】
スクリーン版に対する要求特性には、耐刷性、寸法安定性、耐溶剤性、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性および弾力性などがあり、かつ印刷インキが抜け易いように開口率が大きいことが望ましいとされている。
【0004】
最近のスクリーン印刷の電子工業への適用、特にプラズマディスプレイパネルにおいては、大面積のガラス基板に対して電極ペーストやガラスペーストなどを印刷して微細印刷パターンを有する高度な印刷精度が要求されている。
【0005】
このような高精細印刷を実現するためには、一般的にはスクリーンメッシュの織り密度を高くして、即ちハイメッシュを使って、より細線のパターンを作成するのが通常である。このように単純に織り密度を高くしたハイメッシュを使用する方法では、織物の個々の目開き、すなわち開口面積が減少するために、全体としての開口率が低下して、インキ通過性が低下し、かえって印刷精度が低下し高精細印刷を実現できないという問題を生じている。
【0006】
例えば、上記のプラズマディスプレイパネルにおいては、大面積のガラス基板に対して電極ペーストやガラスペーストなどを印刷して微細印刷パターンを有する高度な印刷精度を得ようとすると、従来のハイメッシュのスクリーン版では、開口率が低いために版からガラス基板へのペーストの抜けがスムーズでなく、版へのペーストの付着による印刷パターンのにじみ、さらにはスキージ圧力を高くして印刷するなどしていたために、版の伸びによる印刷精度の低下や耐刷性等に問題を生じている。
【0007】
一方、細繊度糸を使用して開口面積の大きな織物を製織りしたメッシュで版を作る方法も当然のことながら考えられる。
しかしながら、細繊度モノフィラメントを製糸する上で、製繊時の設計段階から開口面積の大きい織物を得ようとすると、縦糸と横糸共に目ずれを生じやすく、均一な開口面積の織物とすることが困難なために、実用上寸法安定性の良いスクリーンメッシュは得られていない。
従って、この方法で製織りしたメッシュは高精細印刷には適したものは出来ていない。
【0008】
また、実公昭41ー20629号公報ではスクリーンメッシュを版枠に張る前に熱収縮によってメッシュ数を増加させた後、アルカリ性溶液で繊維表面を加水分解して、開口面積を増加させる方法が開示されている。しかしながら、この方法では減量処理に先立ち熱収縮処理を施すことを必須要件としており、織り密度の増加には有効な手段ではあるが、一方この公報の図2に明らかに示されているように収縮過程で繊維が蛇行し、メッシュの構造が不均一となるという致命的な欠点を有している。さらに減量率がアルカリ溶剤の濃度、温度および処理時間によって左右されやすいために、減量率を一定に保つことが困難で再現性に乏しいという問題もあった。また、減量処理によるスクリーンメッシュの引っ張り強度の低下が大きいために、高テンションの紗(スクリーンメッシュ)張りが出来ないという欠点に加えて、繊維構造がルーズなものなのでスクリーン版の応力緩和が大きくなり、寸法精度が劣化する欠点もあった。よってこの方法で作られた版は高精細印刷には適したものではなかった。
【0009】
上記欠点を解決するために、特開平6ー278267号公報では、アルカリ性溶剤への溶解度の速度の大なるポリエステル成分を鞘成分とし、この鞘成分よりも溶解速度が小なるポリエステル成分を芯成分とした芯鞘型複合モノフィラメントからなる平織りスクリーンを生機セット後、アルカリ性溶剤で実質的に鞘成分を溶解除去した印刷用スクリーンメッシュ(紗)が、開示されている。
この発明により300メッシュ以上のハイメッシュで開口率が35%以上であることを特徴とする印刷用スクリーン紗(スクリーンメッシュ)が可能であるとされている。実施例として420メッシュの平織りハイメッシュ紗を作成、型枠に張った後、苛性ソーダ溶液で溶解処理して開口率を31.5%から40%に上げてから、一辺100mmの正方形に線幅70μm、長さ80mmの細線パターンを等間隔で300本の版パターンを製版し、この版を用いて銅箔に紫外線硬化型エッチングレジストインキを印刷した後に、印刷のかすれ部がないことと断線のないことを確かめている。
【0010】
また、さらにハイメッシュが必要とされる場合については、上記平織りでは織ることが難しくなり綾織りで紗を作成することとなる。これについては、特開平6ー278383号公報では、アルカリ性溶剤への溶解度の速度の大なるポリエステル成分を鞘成分とし、この鞘成分よりも溶解速度が小なるポリエステル成分を芯成分とした芯鞘型複合モノフィラメントからなる綾織りスクリーン紗を生機セット後、アルカリ性溶剤で実質的に鞘成分を溶解除去した印刷用スクリーン紗が、開示されている。
【0011】
この発明により400メッシュ以上のハイメッシュで開口率が30%以上であることを特徴とする印刷用スクリーン紗が可能であるとされている。実施例として500メッシュの2/2綾織りハイメッシュ紗を作成、型枠に張った後苛性ソーダ溶液で溶解処理して開口率を23%から37%に上げてから、一辺100mmの正方形に線幅70μm、長さ80mmの細線パターンを等間隔で300本のパターンを製版し、この版を用いて銅箔に紫外線硬化型エッチングレジストインキを印刷した後に、印刷のかすれ部が1箇所見つかったものの、断線のないことを確かめている。
【0012】
上記特開平6ー278267号公報と特開平6ー278383号公報に開示されたスクリーン紗(スクリーンメッシュ)を用いて作成されたスクリーン印刷用スクリーン版を用いることで、確かにインキ通過性があがり、従来のステンレス鋼線使用ハイメッシュのスクリーン版を使うよりは(比較的簡単に)高精細な印刷が可能になった。
【0013】
しかしながら、いずれも、使用するスクリーンメッシュの線材はポリエステル樹脂であり吸湿性が0.4%とあり、またその熱膨張率がステンレス鋼のそれに比べて5倍以上あり、これにより大面積の印刷時の位置精度が悪い、即ち目的とする位置に印刷できない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような問題点に着目してなされたものであり、高開口率で同時に印刷時の位置精度を有し、高精細な印刷物が得られるスクリーン印刷用スクリーン版およびその製造方法を提供することを課題とする。
【0015】
本発明に於いて上記課題を達成するために、まず請求項1においては、
版枠に張られたスクリーンメッシュ上に開口部分を有するステンシルが形成されたスクリーン印刷用版において、該スクリーンメッシュを形成する線材がステンレス鋼線またはカーボン繊維からなる芯材とその上に除去可能な被膜層を形成した複合材料からなり、且つ、開口部分の被膜層が該開口部分の形状にあわせ除去されていることを特徴とする高精細スクリーン印刷用スクリーン版としたものである。
【0016】
また、請求項2においては、
版枠に張られたスクリーンメッシュ上に開口部分を有するステンシルが形成されたスクリーン印刷用版において、該スクリーンメッシュを形成する2種以上の線材のうち少なくとも1種がステンレス鋼線またはカーボン繊維からなる芯材とその上に除去可能な被膜層を形成した複合材料からなり、且つ、開口部分の被膜層が該開口部分の形状にあわせ除去されていることを特徴とする高精細スクリーン印刷用スクリーン版としたものである。
【0017】
また、請求項3においては、
請求項1または2記載の除去可能な被膜層が金属材料層からなることを特徴とする高精細スクリーン印刷用スクリーン版としたものである。
【0018】
また、請求項4においては、
請求項1または2記載の除去可能な被膜層が有機材料からなることを特徴とする高精細スクリーン印刷用スクリーン版としたものである。
【0019】
また、請求項5においては、
請求項1または2記載の除去可能な被膜層が金属材料層及び合成樹脂層との複数の層からなることを特徴とする高精細スクリーン印刷用スクリーン版としたものである。
【0020】
また、請求項6においては、
版枠に張られたスクリーンメッシュ上に開口部分を有するステンシルが形成されたスクリーン印刷用版の製造方法において、少なくとも、ステンレス鋼線またはカーボン繊維からなる芯材とその上に除去可能な被膜層を形成した複合材料からなる線材でスクリーンメッシュを形成する工程と、スクリーンメッシュを版枠に張りスクリーンメッシュ上に開口部分を有するステンシルを形成する工程と、ステンシルを除去防止マスクとして開口部分の被膜層を該開口部分の形状に合わせ除去する工程からなることを特徴とする高精細スクリーン印刷用スクリーン版の製造方法としたものである。
【0021】
また、請求項7においては、
版枠に張られたスクリーンメッシュ上に開口部分を有するステンシルが形成されたスクリーン印刷用版の製造方法において、2種以上の線材のうち少なくとも1種がステンレス鋼線またはカーボン繊維からなる芯材とその上に除去可能な被膜層を形成した複合材料からなる線材でスクリーンメッシュを形成する工程と、スクリーンメッシュを版枠に張りスクリーンメッシュ上に開口部分を有するステンシルを形成する工程と、ステンシルを除去防止マスクとして開口部分の被膜層を該開口部分の形状に合わせ除去する工程からなることを特徴とする高精細スクリーン印刷用スクリーン版の製造方法としたものである。
【0025】
ステンシルとは、孔を有する被膜を指すものとし、孔は開口部分と同じものである。
スクリーンメッシュとは、線材を織って作られるものである。
除去するとは、腐食液を用いてあるいは電気分解などで化学的にエッチングする、又サンドブラストや液体ホーニングで物理的に削ることである。
【0026】
図による発明の詳細な説明をする。
図4は、除去可能な線材12を示すものであり、芯材14の周囲に除去可能な被膜層15を形成した複合材料である例であり、又、図5は、複数の芯材14からなる線材16の例である。
図2は、除去により開口部分40、41、43の線材が細くなった状態を示すスクリーン用スクリーン印刷版10の例であり、スクリーン用スクリーン印刷版10の一部を示す平面図である。
図1は、開口部分40、41、42の線材を細くする前のスクリーン用スクリーン印刷版11の例であり、スクリーン用スクリーン印刷版11の一部を示す平面図である。
図4の線材12を使用して縦糸と横糸とし、平織りの手法でスクリーンメッシュを型枠(図示せず)に張った後、このスクリーンメッシュ上に感光乳剤被膜に開口部分40、41、42を有するステンシル30を形成して、除去前のスクリーン印刷用スクリーン版11を作成し、次にステンシル30の開口部分40、41、42に露出した除去可能な線材12の被膜層15のみを除去してスクリーン印刷用スクリーン版10を作成したものである。
図3は、版枠に2種以上の線材からなり、線材の少なくとも1種が除去可能な線材12からなるスクリーンメッシュであって、この例は、2種の線材からなり、この内1種が除去可能な線材12で縦糸とし、残りの1種が除去されない線材13で横糸としたスクリーンメッシュであり、スクリーン印刷用スクリーン版10は、スクリーンメッシュを型枠(図示せず)に張った後、このスクリーンメッシュ上に感光液被膜に開口部分40を有するステンシル30を形成し、次にステンシル30の開口部分40に露出した除去可能な線材12の被膜層15のみを除去して作成したものである。
【0027】
本発明は、スクリーンメッシュ上に開口部分を有するステンシルを形成し、 次にステンシル30を除去防止マスクとして、開口部分に露出した除去可能な線材のみを除去して細くすることにより、高開口率のステンシルを得ることができ、又、特に耐吸湿性、耐熱性に優れていて伸縮が殆どないステンレス鋼線又はカーボン繊維を線材又は芯材にすることにより、印刷時の位置精度を良くすることができる。従って高精細な印刷物が得られる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
除去とは、腐食液を用いて除去可能な線材を化学的に除去する(効果を高めるために超音波を照射しながら行うことも有効な場合がある)、電気分解して化学的に除去するなどであるが、物理的にサンドブラストや液体ホーニングで削るなどである。
いずれにしても、除去の際にステンシルを損傷する方法であってはならないので、ステンシルの材質をも考えたスクリーン版の作成が大切となる。また、芯材と除去可能な被膜層との物理的あるいは化学的性質の違いを考慮にいれてどの方法で除去可能な被膜層を除去するかを予め検討することが肝心である。
【0029】
除去可能な線材は、ステンレス鋼線、カーボン繊維などからなり、紗張りの際のテンションを保時できるような、引っ張り強度が強く、応力緩和の少ない、熱膨張率の少ないものである。特に、ステンレス鋼によるスクリーンメッシュは一般的に市販されており入手し易く、高精細パターンの印刷には325メッシュ以上のものが好適である。
又、芯材としても、上記線材が使用できる。
【0030】
スクリーンメッシュは、線材を織って作られるが、除去可能な線材だけで、又は、除去可能な線材と除去されない線材とを組み合わせて作られる。後者の場合、例えば、2種の線材を使用し、どちらかを除去可能な線材とし、どちらかを縦糸又は横糸とする。
【0031】
芯材とその上に除去可能な被膜層を形成した複合材料からなる線材における除去可能な被膜層は、芯材と適度に接着するものであり、細くする際に芯材との性質がその細くする方法に対して際だって異なるものが好適であり、亜鉛、錫、ニッケル、銅、クロムなどの金属材料やポリエステル樹脂、ナイロン樹脂などの合成樹脂などの有機材料からなる。
【0032】
除去により細くした後では、除去可能な被膜層が除去されているので、芯材のみで周囲からのテンションに耐えることになるので、除去可能な被膜層が取り除かれてもテンションのバランスが崩れて版パターンが変形しないように、また変形しても高精細の印刷に十分適用できることを構成を考える必要がある。
具体的には版パターンが縦糸と横糸のそれぞれ1ないし数本程度の細くすべき微小パターンが点在しているのであれば、被膜除去後も版の変形が微小なので、他の工程で容易であったりあるいはコストのメリットを考えて材質を選定すればよい。また、版パターンがスクリーン版の全体に拡がっているような場合は、被膜除去後も版の変形が問題となるので、芯材と被膜の材質および太さあるいは厚さの選定は慎重にする必要がある。
【0033】
以上のような手段を用いてスクリーン印刷版を作成するにあたり、以下のような注意事項を考慮に入れて置く必要がある。
まず、スクリーンメッシュの張り方は印刷パターンにより、正張りから紗張りの角度を変えて開口部に対する線材の方向を予め決定しておき、印刷時にメッシュ目が出ないようにする。また、線材としては紗張りの際のテンションに耐えられるものでなければならない。
また、線材を除去して細くする際には、スクリーン版における開口部の分布に、より注意を要する。
また、線材の材質は製版時のステンシル形成時の現像液、印刷時のインキの溶剤、さらに版の洗浄時に変質してはならないので組み合わせを注意する。
いずれにせよ、製版の設計段階で印刷する印刷パターンにより、手段を慎重に選ぶことが高精細印刷を実現する上でもっとも重要である。
【0034】
型枠にスクリーンメッシュを張り、スクリーンメッシュ上に感光乳剤を塗布して被膜を設け、写真製版法で、焼き付け、現像してステンシルとする。
【0035】
上記の製版後に前記ステンシルパターンをレジストとして用いて開口部分のスクリーンメッシュの線材を細くする際において、スクリーン版の全てに行われるとは限らず、必要な一部分のパターンのみに処置すればよく、パターンの形状が大きくインキの抜けが問題にならないところはマスクを設けて、問題となる部分のみ処置して、印刷の出来上がり品質の向上を図ることも行える。
【0036】
除去手段は次のような場合にも有効である。
図1に示すように、同一パターンであっても開口部分41と42のように、パターンの場所によりメッシュによる開口部分の塞がり状況は変化する。この開口部分41では印刷の際にインキが目詰まりしてインキが転移しない。併し、図2に示すように、開口部分41の線材を除去して細らせることにより、開口率が向上して、インキの通過が良くなり印刷が可能となる。
【0037】
【実施例】
以下実施例により本発明を詳細に説明する。
〈実施例1〉
図4、図6、図7を用いて説明する。
図4に示すように、芯材14としての線径20μmのステンレス鋼線に、従来公知の溶融亜鉛メッキの方法で、除去可能な被膜層15として厚さ2.5μm亜鉛被膜層を設け除去可能な線材12を作成した。
この除去可能な線材12を用いて400メッシュの平織りのスクリーンメッシュを作成した。
このスクリーンメッシュを、型枠(図示せず)としてのアルミ版枠に、張り付けた。
このスクリーンメッシュ上に、感光乳剤として栗田研究所(株)製の「EX308」を使用して、刷毛塗りで塗布してスクリーンメッシュを覆って被膜を設けた。
写真製版法で、焼き付け、現像し、スクリーンメッシュ上に一辺が200mmの正方形に直径50μmの円形パターンを1mmの等間隔で4041個のパターンである開口部分43を有するステンシル30を作成し、図6(a)(b)に示すような除去前のスクリーン印刷用スクリーン印刷版11を作成した。
この時の開口部分の開口率は37%であった。
【0038】
次ぎに、このステンシル30を除去防止マスク(レジスト)として、下記に示す除去液で、23度Cにおいて、亜鉛被膜の除去を30秒間行い、芯材14から除去可能な被膜層15を取り除いて、開口部分に露出したスクリーンメッシュの除去可能な線材12を細くし、図7(a)(b)に示すようなスクリーン印刷用スクリーン印刷版10を作成した。
除去液の処方は、無水クロム酸(CrO3)200gに、JIS規格k8951の硫酸(H2SO4)(比重1.84)を27cc(50g)を加え、さらに、蒸留水を加えて1l(リットル)としたものである。
【0039】
この時スクリーンメッシュの交差点では被膜は殆ど除去されず、縦糸と横糸は強固に接合されたままであり、メッシュ目はずれなかった。この作業により線幅が20μmとなり開口率が47%となった。
【0040】
このスクリーン印刷用スクリーン印刷版10と、除去前のスクリーン印刷用スクリーン印刷版11とを使用して、印刷状況を比較してみた。
印刷は、1.6mm厚さのプリント基板用の1/2オンス銅張りガラスエポキシ板に、太陽インキ製造(株)製の「紫外線硬化型除去レジストインキAS−400」を印刷したものである。
除去前のスクリーン印刷用スクリーン印刷版11では、インキが出ず刷れない箇所が3個あり、かすれ部が10箇所あった。
スクリーン印刷用スクリーン印刷版10では、かすれ部が1箇所あったのみで、高精細印刷物が得られた。
又、目的とした印刷位置に正確に印刷されていた。
【0041】
〈実施例2〉
図4、図8、図9を用いて説明する。
図4に示すように、芯材14としての線径20μmのステンレス鋼線に、毎分1000mの速度で溶融した変成ポリエチレンテレフタレート樹脂の溶融した槽を通過させて、除去可能な被膜層として厚さ3μmの被膜層15を設け除去可能な線材12を作成した。
この除去可能な線材12を用いて400メッシュの平織りのスクリーンメッシュを作成した。
このスクリーンメッシュを、型枠(図示せず)としてのアルミ版枠に、45度のバイアスで張り付けた。
このスクリーンメッシュ上に、感光乳剤として栗田研究所(株)製の「EX308」を使用して、刷毛塗りで塗布してスクリーンメッシュを覆って被膜を設けた。
写真製版法で、焼き付け、現像し、スクリーンメッシュ上に800mm x600mmの長方形に線幅50μm、長さ600mmの開口部分44である細線パターンを200μmの等間隔で4001本のパターンを有するステンシル30を作成し、除去前のスクリーン印刷用スクリーン印刷版11を作成した。
この時は開口率は35%であった。
【0042】
次ぎに、このステンシル30を除去防止マスク(レジスト)として、被膜の樹脂成分のみ苛性ソーダ溶液で芯材から除去可能な被膜層を溶解除去処理して取り除いて、開口部分に露出したスクリーンメッシュの除去可能な線材を細くしたスクリーン印刷用スクリーン印刷版10を得た。
【0043】
この時メッシュの交差点では被膜は殆ど溶解されず、縦糸と横糸は強固に接合されたままであり、メッシュ目はずれなかった。この作業により線幅が20μmとなり開口率が47%となった。
【0044】
この版の印刷状況を、除去する前後で比較してみた。3mm厚さのソーダライムガラス板に、(株)ノリタケカンパニーリミテッド製のプラズマディスプレイパネルのリブ用である「ファインライン用ガラスペーストNP−7850」を印刷と乾燥を繰り返し、乾燥時のリブ高さを180μmの目標で多重印刷した。
除去前の版では、多重印刷する際にメッシュ目がつまるなどしてインキが出ず刷れなくなる欠陥箇所が多数でてしまい(抜け落ち)、20回印刷・乾燥したもので高さ100μmから150μmとリブの頂上部が凸凹になってしまった。
除去後の版では、ペーストの詰まりも少なく25回印刷・乾燥したもので高さ180μm±5μmとリブの頂上部がかなり平坦に刷れた。又、目的とした印刷位置に正確に印刷されていた。このように、高精細印刷物が得られた。
また、ペーストの詰まりも少ないので、版の洗浄回数が減った。
【0045】
〈実施例3〉
図3、図4、図5を用いて説明する。
図4に示すような、芯材14に除去可能な被膜層15を形成した除去可能な線材を縦糸とし、図5に示すような除去されない線材を横糸としてスクリーンメッシュを使用して、型枠(図示せず)としてのアルミ版枠に張り付けた。
このスクリーンメッシュ上に、感光乳剤として栗田研究所(株)製の「EX308」を使用して、刷毛塗りで塗布してスクリーンメッシュを覆って被膜を設けた。
写真製版法で、焼き付け、現像し、スクリーンメッシュ上にパターンを有するステンシル30を作成し、除去前のスクリーン印刷用スクリーン印刷版11を得た。
次ぎに、このステンシル30を除去防止マスク(レジスト)として、下記に示す除去液で、23度Cにおいて、亜鉛被膜の除去を30秒間行い、芯材14から除去可能な被膜層15を取り除いて、開口部分に露出したスクリーンメッシュの除去可能な線材12を細くして、スクリーン印刷用スクリーン印刷版10を作成した。
このスクリーン印刷用スクリーン印刷版10版を使用して、印刷した。高精細印刷物が得られた。又、目的とした印刷位置に正確に印刷されていた。
【0046】
【発明の効果】
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。
(1)高開口率で高精細な印刷ができる、スクリーン印刷用スクリーン版が得られる。
(2)同時に印刷時の位置精度の優れたスクリーン印刷用スクリーン版が得られる。
従って本発明は、特に大面積で同時に高精細も要求されるプラズマディスプレイにおける電極やバリアリブなどの厚膜パターンを形成するためのスクリーン印刷用スクリーン版およびその製造方法として、優れた実用上の効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を説明するスクリーン印刷用スクリーン版の概念図で、開口部分の線材を細くする前のスクリーン印刷用スクリーン版の一部の平面図である。
【図2】本発明を説明するスクリーン印刷用スクリーン版及び実施例3の概念図で、除去により線材が細くなった状態のスクリーン印刷用スクリーン版の一部の平面図である。
【図3】本発明を説明するスクリーン印刷用スクリーン版の概念図で、2種の線材からなり、この内1種が除去可能な線材12で縦糸とし、残りの1種が除去されない線材13で横糸としたスクリーンメッシュを使用したものである。
【図4】芯材に除去可能な被膜層を形成した複合材料からなる除去可能な線材の断面図である。
【図5】複数の芯材からなる線材の断面図の例である。
【図6】実施例1における開口部分の線材を細くする前のスクリーン印刷用スクリーン版の一部を示す概念図である。
(a):平面図である。
(b):平面図におけるwーw’部分の断面図である。
【図7】実施例1における開口部分の線材を細くしたスクリーン印刷用スクリーン版の一部を示す概念図である。
(a):平面図である。
(b):平面図におけるxーx’部分の断面図である。
【図8】実施例2における開口部分の線材を細くする前のスクリーン印刷用スクリーン版の一部を示す概念図である。
(a):平面図である。
(b):平面図におけるyーy’部分の断面図である。
【図9】実施例2における開口部分の線材を細くしたスクリーン印刷用スクリーン版の一部を示す概念図である。
(a):平面図である。
(b):平面図におけるzーz’部分の断面図である。
【符号の説明】
10…スクリーン印刷用スクリーン版
11…除去前のスクリーン印刷用スクリーン版
12…除去可能な線材
13…除去されない線材
14…芯材
15…除去可能な被膜層
30…ステンシル
40、41、42、43、44…開口部分

Claims (7)

  1. 版枠に張られたスクリーンメッシュ上に開口部分を有するステンシルが形成されたスクリーン印刷用版において、該スクリーンメッシュを形成する線材がステンレス鋼線またはカーボン繊維からなる芯材とその上に除去可能な被膜層を形成した複合材料からなり、且つ、開口部分の被膜層が該開口部分の形状にあわせ除去されていることを特徴とする高精細スクリーン印刷用スクリーン版。
  2. 版枠に張られたスクリーンメッシュ上に開口部分を有するステンシルが形成されたスクリーン印刷用版において、該スクリーンメッシュを形成する2種以上の線材のうち少なくとも1種がステンレス鋼線またはカーボン繊維からなる芯材とその上に除去可能な被膜層を形成した複合材料からなり、且つ、開口部分の被膜層が該開口部分の形状にあわせ除去されていることを特徴とする高精細スクリーン印刷用スクリーン版。
  3. 請求項1または2記載の除去可能な被膜層が金属材料層からなることを特徴とする高精細スクリーン印刷用スクリーン版。
  4. 請求項1または2記載の除去可能な被膜層が有機材料からなることを特徴とする高精細スクリーン印刷用スクリーン版。
  5. 請求項1または2記載の除去可能な被膜層が金属材料層及び合成樹脂層との複数の層からなることを特徴とする高精細スクリーン印刷用スクリーン版。
  6. 版枠に張られたスクリーンメッシュ上に開口部分を有するステンシルが形成されたスクリーン印刷用版の製造方法において、ステンレス鋼線またはカーボン繊維からなる芯材とその上に除去可能な被膜層を形成した複合材料からなる線材でスクリーンメッシュを形成する工程と、スクリーンメッシュを版枠に張りスクリーンメッシュ上に開口部分を有するステンシルを形成する工程と、ステンシルを除去防止マスクとして開口部分の被膜層を該開口部分の形状に合わせ除去する工程からなることを特徴とする高精細スクリーン印刷用スクリーン版の製造方法。
  7. 版枠に張られたスクリーンメッシュ上に開口部分を有するステンシルが形成されたスクリーン印刷用版の製造方法において、2種以上の線材のうち少なくとも1種がステンレス鋼線またはカーボン繊維からなる芯材とその上に除去可能な被膜層を形成した複合材料からなる線材でスクリーンメッシュを形成する工程と、スクリーンメッシュを版枠に張りスクリーンメッシュ上に開口部分を有するステンシルを形成する工程と、ステンシルを除去防止マスクとして開口部分の被膜層を該開口部分の形状に合わせ除去する工程からなることを特徴とする高精細スクリーン印刷用スクリーン版の製造方法。
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