JP2017085076A - Mn系強磁性薄膜およびその製造方法、ならびにMn系強磁性薄膜を有する磁気トンネル接合素子 - Google Patents

Mn系強磁性薄膜およびその製造方法、ならびにMn系強磁性薄膜を有する磁気トンネル接合素子 Download PDF

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Abstract

【課題】高い熱安定性と低い磁気緩和定数とを有し、容易かつ安定して製造することができる、Mn系強磁性薄膜およびその製造方法、ならびにそのMn系強磁性薄膜を有する磁気トンネル接合素子を提供する。【解決手段】Mn系強磁性薄膜は、Mnと、Alと、Co,Fe,Cr,NiおよびCuのうちのいずれか1つまたは2つ以上とを有し、L10型構造で、磁化容易軸が膜の表面に対して垂直に配向している。また、スパッタリングにより、MnAl合金層の表面に、Co,Fe,Cr,NiおよびCuのうちのいずれか1つまたは2つ以上を有する金属を成膜することにより製造される。【選択図】図1

Description

本発明は、Mn系強磁性薄膜およびその製造方法、ならびにMn系強磁性薄膜を有する磁気トンネル接合素子に関する。
近年、磁気抵抗変化型メモリ(MRAM)のデータ書き込み方式として、スピン注入磁化反転(STT)が注目されている。このスピン注入磁化反転を利用したMRAMは、STT−MRAMと呼ばれ、電子のスピントルクでMRAM内の磁気トンネル接合(MTJ)素子の磁化の向きを反転させるものである。STT−MRAMは、微細化するほど書き込み電流が小さくなるという特徴を有しており、微細化による大容量化が可能になるものと期待されている。
STT−MRAMを実現するためには、高い熱安定性と低い反転電流密度とを有し、サイズが小さいMTJが必要とされている。例えば、熱安定性Δは、Δ=KV/kT(K:磁気異方性定数、V:フリー層(磁化反転層)の体積、k:ボルツマン定数、T:絶対温度)で表され、STT−MRAMのMTJの熱安定性としては、Δ>60が要求される。また、反転電流密度JC0は、JC0∝αM (α:磁気緩和定数、M:飽和磁化)であり、STT−MRAMのMTJとしては、αM <1MA/cmが要求される。これらの条件を満たすため、MTJの材料として、磁気抵抗(TMR)が高く、高磁気異方性(例えば、K>10Merg/cm)で、低磁気緩和(例えば、α<0.01)の強磁性材料の開発が望まれている。
また、STT−MRAMのMTJのサイズとしては、20nm以下が望ましい。しかし、MTJ等の素子を微細化する際、使用する磁性体を小さくすると、熱揺らぎによって磁性を失ってしまうという問題があった。そこで、この問題を解決するために、垂直磁気異方性を有する材料の開発が行われている。例えば、MTJ等に使用するための材料として、垂直磁化容易軸を有するCoFeB−MgOが開発されている(例えば、非特許文献1参照)。また、垂直磁化容易軸を有し、高磁気異方性で低磁気緩和の材料として、L1型構造のMnAl合金が知られている(例えば、非特許文献2参照)。
S.Ikeda, et al., "A perpendicular-anisotropy CoFeB-MgO magnetic tunnel junction", Nature Materials, 2010, vol.9, p.721-724 Akimasa Sakuma, "Electronic Structure and Magnetocrystalline Anisotropy Energy of MnAl", J. Phys. Soc. Jpn., 1994, 63, p.1422-1428
非特許文献1に記載のCoFeB−MgOは、磁気異方性定数Kが約2Merg/cm、磁気緩和定数αが約0.03であり、比較的高い熱安定性と低い磁気緩和定数とを有しているが、さらに優れた熱安定性および磁気緩和定数を有する材料の開発が望まれている。
また、非特許文献2に記載のMnAl合金は、強磁性のτ相のときにL1型構造となり、K>10Merg/cm、α<0.01で、優れた熱安定性および磁気緩和定数を有している。しかしながら、その強磁性のτ相を製造する際の温度−圧力領域や組成領域が非常に狭いため、それらの製造条件の調整が難しく、薄膜などのサイズの小さい強磁性材料を安定して製造するのが困難であるという課題があった。例えば、MnAl薄膜を製造するとき、スパッタリングを行う際のアルゴン等の不活性ガスの圧力が僅かに変化するだけで、薄膜の組成が大きく変化してしまうため、強磁性薄膜を得るためには、不活性ガスの圧力を厳密に調整する必要がある。しかし、その調整は非常に難しく、安定して強磁性のMnAl薄膜を製造するのは困難であった。
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、高い熱安定性と低い磁気緩和定数とを有し、容易かつ安定して製造することができるMn系強磁性薄膜およびその製造方法、ならびにそのMn系強磁性薄膜を有する磁気トンネル接合素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るMn系強磁性薄膜は、Mnと、Alと、Co,Fe,Cr,NiおよびCuのうちのいずれか1つまたは2つ以上とを有することを特徴とする。
本発明に係るMn系強磁性薄膜は、MnとAlとを有しているため、MnAl合金と同様に高K、低αが得られ、熱安定性を高く、磁気緩和定数を低くすることができる。これにより、MRAM、特にSTT−MRAMの磁気トンネル接合(MTJ)素子に好適に使用することができる。また、本発明に係るMn系強磁性薄膜は、MnとAlだけでなく、Co,Fe,Cr,NiおよびCuのうちのいずれか1つまたは2つ以上を含んでいることにより、従来のMnAl薄膜を製造するときと比べて製造条件の調整が容易であり、容易かつ安定して製造することができる。
本発明に係るMn系強磁性薄膜は、MnAl合金に、Co,Fe,Cr,NiおよびCuのうちのいずれか1つまたは2つ以上が固溶されていてもよい。また、本発明に係るMn系強磁性薄膜は、膜厚が2 nm〜50 nmであることが好ましく、特に3 nm〜50 nmであることが好ましい。
本発明に係るMn系強磁性薄膜は、Mnを50〜60at%含み、Alを40〜50at%含むことが好ましい。また、L1型構造を有していることが好ましい。また、Mnと、Co,Fe,Cr,NiおよびCuのうちのいずれか1つまたは2つ以上とのat%比が、1−x:x(0<x≦0.06)であることが好ましい。これらの場合、特に高い熱安定性と低い磁気緩和定数を有する。
本発明に係るMn系強磁性薄膜は、磁化容易軸が膜の表面に対して垂直に配向していることが好ましい。この場合、磁性を失うことなく、膜の面内方向の大きさを、直径20nm以下にまで小さくすることができる。このため、STT−MRAMなどのMRAMのMTJ素子に使用して、MRAMを微細化することができ、MRAMの大容量化に寄与することができる。
第1の本発明に係るMn系強磁性薄膜の製造方法は、スパッタリングにより、Mnと、Alと、Co,Fe,Cr,NiおよびCuのうちのいずれか1つまたは2つ以上とを有する合金を、基板上に成膜することを特徴とする。
第1の本発明に係るMn系強磁性薄膜の製造方法は、本発明に係るMn系強磁性薄膜を好適に製造することができる。第1の本発明に係るMn系強磁性薄膜の製造方法では、スパッタリングの原料のMn系合金が、MnとAlだけでなく、Co,Fe,Cr,NiおよびCuのうちのいずれか1つまたは2つ以上を含んでいることにより、スパッタリングを行う際の不活性ガス圧力の変化に対する磁気特性の変化が小さくなっている。このように、従来のMnAl薄膜と比べて不活性ガス圧力依存性が小さいため、不活性ガス圧等のスパッタリングの諸条件の調整が容易であり、容易かつ安定してMn系強磁性薄膜を製造することができる。
第1の本発明に係るMn系強磁性薄膜の製造方法は、前記合金を、層厚3 nm〜50 nmで成膜することが好ましい。また、前記合金は、Mnと、Co,Fe,Cr,NiおよびCuのうちのいずれか1つまたは2つ以上とのat%比が、1−x:x(0<x≦0.06)であることが好ましい。また、前記基板の温度を200℃〜350℃として前記合金を成膜することが好ましい。また、前記合金を成膜後、200℃以上350℃以下で熱処理を行ってもよいが、熱処理を行わなくてもよい。また、前記合金は、Mnを50〜60at%含み、Alを40〜50at%含むことが好ましい。これらの場合、特に高い熱安定性と低い磁気緩和定数を有するMn系強磁性薄膜を製造することができる。
第1の本発明に係るMn系強磁性薄膜の製造方法は、スパッタリングにより、前記基板上にCrとRuとを含む下地層を作製し、その下地層の上に前記合金を成膜することが好ましい。また、前記下地層は、室温で前記基板上に成膜した後、熱処理を行って作製することが好ましい。この場合、配向性および平坦性に優れた下地層を得ることができる。また、前記下地層は、層厚20 nm〜40 nmで作製することが好ましい。この場合、特に高い熱安定性と低い磁気緩和定数を有するMn系強磁性薄膜を製造することができる。
第2の本発明に係るMn系強磁性薄膜の製造方法は、スパッタリングにより、MnAl合金層の表面に、Co,Fe,Cr,NiおよびCuのうちのいずれか1つまたは2つ以上を有する金属を成膜することを特徴とする。
第2の本発明に係るMn系強磁性薄膜の製造方法は、特に、MnAl合金に、Co,Fe,Cr,NiおよびCuのうちのいずれか1つまたは2つ以上が固溶された本発明に係るMn系強磁性薄膜を好適に製造することができる。第2の本発明に係るMn系強磁性薄膜の製造方法は、MnAl合金層の表面に、Co,Fe,Cr,NiおよびCuのうちのいずれか1つまたは2つ以上を有する金属を成膜することにより、製造されるMn系強磁性薄膜の磁気異方性定数Kや磁気緩和定数αを調整することができる。このため、MnAl合金層の製造条件やスパッタリングの諸条件を、従来のMnAl薄膜を製造するときほど厳密に調整する必要がなく、容易かつ安定してMn系強磁性薄膜を製造することができる。
第2の本発明に係るMn系強磁性薄膜の製造方法で、前記MnAl合金層は基板上に設けられ、前記基板を200℃〜350℃に加熱した状態でスパッタリングを行うことが好ましい。また、前記MnAl合金層は、Mnを50〜60at%含み、Alを40〜50at%含むことが好ましい。これらの場合、特に高い熱安定性と低い磁気緩和定数を有するMn系強磁性薄膜を製造することができる。
第2の本発明に係るMn系強磁性薄膜の製造方法で、前記MnAl合金層は層厚が1.2乃至50nmであり、スパッタリングにより前記金属を0.8乃至1.7nmの厚さで成膜することが好ましい。この場合、2nm〜50nm程度の厚みを有し、高い熱安定性と低い磁気緩和定数を有するMn系強磁性薄膜を製造することができる。
本発明によれば、高い熱安定性と低い磁気緩和定数とを有し、容易かつ安定して製造することができる、Mn系強磁性薄膜およびその製造方法、ならびにそのMn系強磁性薄膜を有する磁気トンネル接合素子を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態のMn系強磁性薄膜の製造方法の膜構造を示す正面図である。 本発明の第1の実施の形態のMn系強磁性薄膜の製造方法の、下地層であるCrRu層を(a)室温で成膜した後、650℃で30分間の熱処理を行う方法、(b)250℃で成膜し、熱処理は行わない方法で製造したときの、CrRu層のX線回折パターンを示すグラフである。 図2に示すCrRu層の、原子間力顕微鏡(AFM)による測定画像である。 図1に示す膜構造の、CrRu層の層厚を変化させたときのMn系強磁性薄膜のX線回折パターンを示すグラフである。 図1に示す膜構造の、CrRu層の層厚を変化させたときのMn系強磁性薄膜の磁化曲線(M−H曲線)を示すグラフである。 図1に示す膜構造の、Mn1−xCoAl合金層のスパッタリング時の不活性ガス圧が(a)0.5 Pa、(b)0.4 Pa、(c)0.3 Pa、(d)0.2 Paのときの、Mn系強磁性薄膜の磁化曲線(M−H曲線)を示すグラフである。 図1に示す膜構造の、Mn1−xCoAl合金層成膜時の基板温度を変化させたときのMn系強磁性薄膜のX線回折パターンを示すグラフである。 図1に示す膜構造の、Mn1−xCoAl合金層成膜時の基板温度を変化させたときのMn系強磁性薄膜の磁化曲線(M−H曲線)を示すグラフである。 図8の結果から求めた磁気異方性定数Ku、および、原子間力顕微鏡(AFM)の測定画像から得られた表面粗さRaと、基板温度(Substrate temperature)との関係を示すグラフである。 図1に示す膜構造の、Mn1−xCoAl合金層の層厚が(a)2 nm、(b)3 nm、(c)5 nm、(d)10 nm、(e)20 nm、(f)50 nmのときの、Mn系強磁性薄膜の磁化曲線(M−H曲線)を示すグラフである。 図1に示す膜構造の、Mn1−xCoAl合金層成膜後の熱処理温度を変化させたときのMn系強磁性薄膜のX線回折パターンを示すグラフである。 図1に示す膜構造の、Mn1−xCoAl合金層成膜後の熱処理温度を変化させたときのMn系強磁性薄膜の磁化曲線(M−H曲線)を示すグラフである。 図1に示す膜構造の、Mn1−xCoAl合金層の組成(xの値)を変化させたときのMn系強磁性薄膜のX線回折パターンを示すグラフである。 図1に示す膜構造の、Mn1−xCoAl合金層の組成(xの値)を変化させたときのMn系強磁性薄膜の磁化曲線(M−H曲線)を示すグラフである。 図14の結果から求めた飽和磁化Mおよび磁気異方性定数Kuと、Mn1−xCoAl合金層の組成(xの値)との関係を示すグラフである。 本発明の第1の実施の形態のMn系強磁性薄膜の製造方法により製造されたMn系強磁性薄膜を用いて製造された(a)磁気トンネル接合(MTJ)素子を示す斜視図、(b)磁気トンネル接合(MTJ)素子の磁気抵抗曲線(M−R曲線)を示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態のMn系強磁性薄膜の製造方法の膜構造を示す正面図である。 図17に示す膜構造の、Co層の厚さt=1.0nmのときに製造されたMn系強磁性薄膜の、原子間力顕微鏡による観察結果を示す顕微鏡写真である。 図17に示す膜構造の、Co層の厚さt=0,0.5,1.0,1.5nmのときにそれぞれ製造されたMn系強磁性薄膜の、X線回折パターンを示すグラフである。 図17に示す膜構造の、Co層の厚さt=0,0.5,1.0,1.5nmのときにそれぞれ製造されたMn系強磁性薄膜の、(a)膜の表面に対して垂直方向の磁化曲線、(b)膜の面内方向の磁化曲線、(c)Co層の厚さtと保磁力Hおよび飽和磁化Mとの関係を示すグラフである。
以下、実施例に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の実施の形態のMn系強磁性薄膜は、Mnと、Alと、Co,Fe,Cr,NiおよびCuのうちのいずれか1つまたは2つ以上とを有している。
本発明の第1の実施の形態のMn系強磁性薄膜の製造方法は、スパッタリングにより、Mnと、Alと、Co,Fe,Cr,NiおよびCuのうちのいずれか1つまたは2つ以上とを有する合金を、基板上に成膜することにより、本発明の実施の形態のMn系強磁性薄膜を製造することができる。
本発明の第1の実施の形態のMn系強磁性薄膜の製造方法を使用して、DC/RFマグネトロンスパッタリングにより、本発明の実施の形態のMn系強磁性薄膜の製造を行った。図1に示すように、厚さ100 nmのMgO基板上に、順番に、厚さ40 nmのCrRu層、厚さ50 nmのMn1−xCoAl合金層(x=0,0.05,0.08)、厚さ5 nmのTa層を、スパッタリングにより成膜した。なお、Mn1−xCoAl合金層は、Mn1−xCoを54at%、Alを46at%含んでいる。
以下、下地層のCrRu層の作製条件および層厚、Mn1−xCoAl合金層のスパッタリング時の不活性ガス圧、Mn1−xCoAl合金層成膜時の基板温度、Mn1−xCoAl合金層の層厚、Mn1−xCoAl合金層成膜後の熱処理温度、Mn1−xCoAl合金層の組成(xの値)について検討を行った。
[CrRu層の作製条件]
下地層であるCrRu層(層厚40 nm)を、スパッタリングにより、(1)室温で成膜した後、650℃で30分間の熱処理(アニール)を行う方法、(2)250℃で成膜し、熱処理は行わない方法の2つの方法で、MgO基板上に作製した。それぞれの方法で作製したCrRu層のX線回折結果を図2に、原子間力顕微鏡(AFM)による測定画像を図3に示す。
図2(a)に示す(1)の条件の場合の方が、図2(b)に示す(2)の条件の場合と比べて、CrRuのピークが高く、MgOのピークが低くなっており、(001)配向性に優れていることが確認された。また、図3(a)に示す(1)の条件の場合の方が、図3(b)に示す(2)の条件の場合と比べて、表面の凹凸が少なく、表面粗さRaの値も小さくなっており、平坦性に優れていることが確認された。
[CrRu層の層厚]
下地層であるCrRu層の層厚を、0 nm〜40 nmまで変化させて、図1に示す膜構造を作製した。CrRu層は、室温で成膜した後、650℃で30分間の熱処理(アニール)を行って作製した。また、Mn1−xCoAl合金層(層厚50 nm)は、成膜時の基板温度を300℃、成膜後の熱処理温度を350℃、x=0.05として作製した。CrRu層の各層厚で作製したMn系強磁性薄膜(MnCoAl)のX線回折結果を図4に、磁化曲線を図5に示す。なお、磁化曲線は、振動試料型磁力計(VSM)により測定している(以下同じ)。
図4に示すように、CrRu層の層厚が20 nm以上のとき、Mn系強磁性薄膜がL1型構造を有していることが確認された。また、図5に示すように、CrRu層の層厚が20 nm以上のとき、磁化曲線が、Mn系強磁性薄膜の表面に対して垂直方向(perpendicular)では非直線的でヒステリシス曲線になっており、膜の面内方向(in plane)ではほぼ直線的であることが確認された。このとき、膜の表面に対して垂直方向で飽和磁化Mが観測されていることから、磁化容易軸が膜の表面に対して垂直に配向しており、良好な垂直磁気特性が得られていることがわかる。
[Mn1−xCoAl合金層のスパッタリング時の不活性ガス圧]
Mn1−xCoAl合金層をスパッタリングする際の、不活性ガスであるアルゴンの圧力を、0.2 Pa〜0.5 Paまで変化させて、図1に示す膜構造を作製した。CrRu層(層厚40 nm)は、250℃で成膜して作製した。また、Mn1−xCoAl合金層(層厚50 nm)は、成膜時の基板温度を300℃、x=0.05として作製した。各ガス圧で作製したMn系強磁性薄膜(MnCoAl)の磁化曲線を、図6に示す。
図6に示すように、スパッタリング時の不活性ガス圧がいずれの圧力であっても、磁化曲線が、Mn系強磁性薄膜の表面に対して垂直方向(⊥)では非直線的でヒステリシス曲線になっており、膜の面内方向(//)ではほぼ直線的であることが確認された。このとき、膜の表面に対して垂直方向で飽和磁化Mが観測されていることから、磁化容易軸が膜の表面に対して垂直に配向しており、良好な垂直磁気特性が得られていることがわかる。
(MnCo):Alの組成比は、スパッタリングを行う際の不活性ガス圧により変化するが、図6に示すように、その組成比の変化によらず良好な垂直磁気特性が得られており、従来のMnAl薄膜と比べて不活性ガス圧力依存性が小さいことがわかる。このことから、不活性ガス圧等のスパッタリングの諸条件の調整が容易であり、容易かつ安定してMn系強磁性薄膜を製造することができるといえる。
[Mn1−xCoAl合金層成膜時の基板温度]
Mn1−xCoAl合金層成膜時の基板温度を、175℃〜400℃まで変化させて、図1に示す膜構造を作製した。CrRu層(層厚40 nm)は、室温で成膜した後、650℃で30分間の熱処理(アニール)を行って作製した。また、Mn1−xCoAl合金層をスパッタリングする際の、不活性ガスであるアルゴンの圧力を0.5 Paとした。また、Mn1−xCoAl合金層(層厚50 nm)は、成膜後には熱処理を行わず、x=0.05として作製した。各基板温度で作製したMn系強磁性薄膜(MnCoAl)のX線回折結果を図7に、磁化曲線を図8に示す。また、図8の結果から求めた磁気異方性定数Ku、および、原子間力顕微鏡(AFM)の測定画像から得られた表面粗さRaと、基板温度との関係を求め、図9に示す。
図7に示すように、基板温度が200℃〜350℃のとき、Mn系強磁性薄膜がL1型構造を有していることが確認された。また、図8に示すように、基板温度が200℃〜350℃のとき、磁化曲線が、Mn系強磁性薄膜の表面に対して垂直方向(perpendicular)では非直線的でヒステリシス曲線になっており、膜の面内方向(in plane)ではほぼ直線的であることが確認された。このとき、膜の表面に対して垂直方向で飽和磁化Mが観測されていることから、磁化容易軸が膜の表面に対して垂直に配向しており、良好な垂直磁気特性が得られていることがわかる。また、図9に示すように、基板温度が200℃〜350℃のとき、Mn系強磁性薄膜のKuの値が高くなり、4 Merg/cc以上になっていることが確認された。
[Mn1−xCoAl合金層の層厚]
Mn1−xCoAl合金層の層厚を、2 nm〜50 nmまで変化させて、図1に示す膜構造を作製した。CrRu層(層厚40 nm)は、250℃で成膜して作製した。また、Mn1−xCoAl合金層をスパッタリングする際の、不活性ガスであるアルゴンの圧力を0.5 Paとした。また、Mn1−xCoAl合金層は、成膜時の基板温度を300℃、x=0.05として作製した。Mn1−xCoAl合金層の各層厚で作製したMn系強磁性薄膜(MnCoAl)の磁化曲線を、図10に示す。
図10に示すように、Mn1−xCoAl合金層の層厚が3 nm以上のとき、磁化曲線が、Mn系強磁性薄膜の表面に対して垂直方向(⊥)では非直線的でヒステリシス曲線になっており、膜の面内方向(//)ではほぼ直線的であることが確認された。このとき、膜の表面に対して垂直方向で飽和磁化Mが観測されていることから、磁化容易軸が膜の表面に対して垂直に配向しており、良好な垂直磁気特性が得られていることがわかる。
[Mn1−xCoAl合金層成膜後の熱処理温度]
Mn1−xCoAl合金層成膜後の熱処理温度を、300℃〜500℃まで変化させて、図1に示す膜構造を作製した。CrRu層(層厚40 nm)は、室温で成膜した後、650℃で30分間の熱処理(アニール)を行って作製した。また、Mn1−xCoAl合金層をスパッタリングする際の、不活性ガスであるアルゴンの圧力を0.5 Paとした。また、Mn1−xCoAl合金層(層厚50 nm)は、成膜時の基板温度を300℃、x=0.05として作製した。Mn1−xCoAl合金層の各層厚で作製したMn系強磁性薄膜(MnCoAl)のX線回折結果を図11に、磁化曲線を図12に示す。なお、比較のため、Mn1−xCoAl合金層成膜後に熱処理を行わないとき(w/o)の結果も、図11および図12に示す。
図11に示すように、Mn1−xCoAl合金層成膜後の熱処理温度が350℃以下のとき、Mn系強磁性薄膜がL1型構造を有していることが確認された。また、図12に示すように、熱処理温度が350℃以下のとき、磁化曲線が、Mn系強磁性薄膜の表面に対して垂直方向(perpendicular)では非直線的でヒステリシス曲線になっており、膜の面内方向(in plane)ではほぼ直線的であることが確認された。このとき、膜の表面に対して垂直方向で飽和磁化Mが観測されていることから、磁化容易軸が膜の表面に対して垂直に配向しており、良好な垂直磁気特性が得られていることがわかる。また、このとき、得られる飽和磁化Mが特に大きく、Msに比例するKuの値も大きくなることがわかる。
[Mn1−xCoAl合金層の組成(xの値)]
Mn1−xCoAl合金層の組成を、x=0,0.05,0.08と変化させて、図1に示す膜構造を作製した。CrRu層(層厚40 nm)は、室温で成膜した後、650℃で30分間の熱処理(アニール)を行って作製した。また、Mn1−xCoAl合金層をスパッタリングする際の、不活性ガスであるアルゴンの圧力を0.5 Paとした。また、Mn1−xCoAl合金層(層厚50 nm)は、成膜時の基板温度を300℃、成膜後の熱処理温度を350℃として作製した。Mn1−xCoAl合金層の各組成で作製したMn系強磁性薄膜(MnCoAl)のX線回折結果を図13に、磁化曲線を図14に示す。また、図14の結果から求めた飽和磁化Mおよび磁気異方性定数Kuと、xの値との関係を求め、図15に示す。
図13に示すように、x=0,0.05のとき、Mn系強磁性薄膜がL1型構造を有していることが確認された。また、図14に示すように、x=0,0.05のとき、磁化曲線が、Mn系強磁性薄膜の表面に対して垂直方向(perpendicular)では非直線的でヒステリシス曲線になっており、膜の面内方向(in plane)ではほぼ直線的であることが確認された。このとき、膜の表面に対して垂直方向で飽和磁化Mが観測されていることから、磁化容易軸が膜の表面に対して垂直に配向しており、良好な垂直磁気特性が得られていることがわかる。また、図15に示すように、概ねx=0.06以下のとき、Mn系強磁性薄膜のKuの値が高くなり、4 Merg/cc以上になっていることが確認された。
以上の検討結果をまとめると、本発明の第1の実施の形態のMn系強磁性薄膜の製造方法は、まず、MgO基板上に、層厚20 nm〜40 nmのCrRu層を、室温で成膜した後、650℃で30分間の熱処理(アニール)を行って作製する。その上に、Mn1−xCoAl合金層(x=0〜0.06)を、層厚3 nm〜50 nm、成膜時の基板温度を200℃〜350℃、成膜後の熱処理温度を350℃以下で作製する。このときのスパッタリングの不活性ガス圧を、0.2 Pa〜0.5 Paとする。その上に、厚さ5 nmのTa層を作製する。これにより、高い熱安定性と低い磁気緩和定数とを有する、良好な垂直磁気特性のMn系強磁性薄膜を、容易かつ安定して製造することができる。
本発明の第1の実施の形態のMn系強磁性薄膜の製造方法により製造されたMn系強磁性薄膜を用いて、磁気トンネル接合(MTJ)素子を製造した。図16(a)に示すように、スパッタリングにより、MgO基板(100)上に、CrRuバッファ層(層厚40 nm)、Mn1−xCoAl合金層(層厚50 nm)、CoFe挿入層(層厚0.5 nm)、MgOバリア層(層厚3 nm)、CoFe層(層厚5 nm)、Taキャップ層(層厚5 nm)の順に成膜した。このとき、CrRuバッファ層は、室温で成膜した後、650℃で30分間の熱処理(アニール)を行って作製した。また、Mn1−xCoAl合金層は、x=0.05、成膜時の基板温度を300℃とし、成膜後には熱処理を行わずに作製した。また、Mn1−xCoAl合金層のスパッタリング時の不活性ガス圧を、0.5 Paとした。製造されたMTJ素子の大きさは、30×30 μm2である。
製造されたMTJ素子に対して、室温(310K)で、垂直磁場(Hext:perpendicular)下での磁気抵抗(magneto-resistance ratio)の測定を行った。得られた磁気抵抗曲線(M−R曲線)を、図16(b)に示す。図16(b)中の二つの曲線は、それぞれ外部磁場を正方向から負方向、負方向から正方向に掃引した結果を示している。図16(b)に示すように、室温でトンネル磁気抵抗(TMR)効果を示すことが確認された。
本発明の第2の実施の形態のMn系強磁性薄膜の製造方法は、スパッタリングにより、MnAl合金層の表面に、Co,Fe,Cr,NiおよびCuのうちのいずれか1つまたは2つ以上を有する金属を成膜することにより、本発明の実施の形態のMn系強磁性薄膜を製造することができる。
本発明の第2の実施の形態のMn系強磁性薄膜の製造方法を使用して、DC/RFマグネトロンスパッタリングにより、本発明の実施の形態のMn系強磁性薄膜の製造を行った。図17に示すように、MgO基板上に、順番に、厚さ40nmのCr層、厚さ20nmのMnAl合金層、厚さtnm(t=0,0.5,1.0,1.5)のCo1−xFe層(x=0,0.25,0.5,1.0)、厚さ5nmのTa層を、スパッタリングにより成膜した。スパッタリングを行う際には不活性ガスとしてアルゴンを用い、その圧力を0.5Pa、MgO基板の温度を300℃とした。なお、MnAl合金層は、Mnを54at%、Alを46at%含んでいる。
こうして製造された多層膜構造について、原子間力顕微鏡(AFM)による観察、X線回折(XRD)による結晶構造解析、および振動試料型磁力計(VSM)による磁化特性の測定を行った。原子間力顕微鏡による観察結果を図18に、X線回折パターンを図19に、振動試料型磁力計による測定から求めた磁化曲線を図20に示す。なお、Co1−xFe層のxの値(組成)を変えても、これらの結果にはほとんど変化が認められなかった。このため、図18〜図20には、x=0のとき(Co1−xFe層がCo層のとき)の結果を示す。
図18に示すように、t=1.0nmのとき、原子間力顕微鏡による観察では、Ta層界面まで、MnAl層となっている様子が確認された。また、t=0,0.5,1.5nmのときも同様に、Ta層界面まで、MnAl層となっている様子が確認された。この観察結果から、MnAl合金層の上に積層したCoが、MnAl合金中に固溶し、MnとAlとCoとを含むMn系強磁性薄膜が形成されているものと考えられる。
このMn系強磁性薄膜についてX線回折パターンを求めたところ、図19に示すように、Co層の厚さtによらず、全ての試料でL1型構造を有していることが確認された。また、t=1.0nmおよび1.5nmのとき、ピーク強度が特に大きくなっていることが確認された。
また、得られたMn系強磁性薄膜について磁化特性の測定を行ったところ、図20(a)および(b)に示すように、磁化曲線が、膜の表面に対して垂直方向では非直線的でヒステリシス曲線となっており、膜の面内方向ではほぼ直線的であることが確認された。また、膜の表面に対して垂直方向で飽和磁化Mが観測されていることから、磁化容易軸が膜の表面に対して垂直に配向しており、良好な垂直磁気特性が得られていることがわかる。
図20(a)および(b)の結果から、Co層の厚さtと保磁力Hおよび飽和磁化Mとの関係をそれぞれ求め、図20(c)に示す。図20(c)に示すように、t=1.0nmのとき、保磁力Hが最大となり、飽和磁化Mが最小となることが確認された。このときの磁気異方性定数Kは、図20(a)および(b)から、約8Merg/cmであった。また、t=1.5nmのときも、t=1.0nmのときほどではないが、保磁力Hが大きく、飽和磁化Mが小さいことが確認された。このときの磁気異方性定数Kは、約6Merg/cmであった。
この結果から、tを調整することにより、磁気異方性定数Kが大きく、熱安定性が高いMn系強磁性薄膜を得ることができるといえる。また、tを調整することにより、反転電流密度が低いMn系強磁性薄膜を得ることができるといえる。また、tを調整することにより、製造されるMn系強磁性薄膜のKや飽和磁化Mを調整することができるため、MnAl合金層の製造条件やスパッタリングの諸条件を、従来のMnAl薄膜を製造するときほど厳密に調整する必要がなく、容易かつ安定してMn系強磁性薄膜を製造することができるといえる。
本発明に係るMn系強磁性薄膜は、磁気トンネル接合(MTJ)素子の強磁性体として好適に使用され、MRAMやスピントルク発振素子、磁場センサなどに利用することができる。

Claims (21)

  1. Mnと、Alと、Co,Fe,Cr,NiおよびCuのうちのいずれか1つまたは2つ以上とを有することを特徴とするMn系強磁性薄膜。
  2. MnAl合金に、Co,Fe,Cr,NiおよびCuのうちのいずれか1つまたは2つ以上が固溶されていることを特徴とする請求項1記載のMn系強磁性薄膜。
  3. Mnを50〜60at%含み、Alを40〜50at%含むことを特徴とする請求項1または2記載のMn系強磁性薄膜。
  4. L1型構造を有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のMn系強磁性薄膜。
  5. 磁化容易軸が膜の表面に対して垂直に配向していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のMn系強磁性薄膜。
  6. 膜厚が3 nm〜50 nmであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のMn系強磁性薄膜。
  7. Mnと、Co,Fe,Cr,NiおよびCuのうちのいずれか1つまたは2つ以上とのat%比が、1−x:x(0<x≦0.06)であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のMn系強磁性薄膜。
  8. スパッタリングにより、Mnと、Alと、Co,Fe,Cr,NiおよびCuのうちのいずれか1つまたは2つ以上とを有する合金を、基板上に成膜することを特徴とするMn系強磁性薄膜の製造方法。
  9. 前記合金を、層厚3 nm〜50 nmで成膜することを特徴とする請求項8記載のMn系強磁性薄膜の製造方法。
  10. 前記合金は、Mnと、Co,Fe,Cr,NiおよびCuのうちのいずれか1つまたは2つ以上とのat%比が、1−x:x(0<x≦0.06)であることを特徴とする請求項8または9記載のMn系強磁性薄膜の製造方法。
  11. 前記基板の温度を200℃〜350℃として前記合金を成膜することを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載のMn系強磁性薄膜の製造方法。
  12. 前記合金を成膜後、200℃以上350℃以下で熱処理を行うことを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載のMn系強磁性薄膜の製造方法。
  13. 前記合金は、Mnを50〜60at%含み、Alを40〜50at%含むことを特徴とする請求項8乃至12のいずれか1項に記載のMn系強磁性薄膜の製造方法。
  14. スパッタリングにより、前記基板上にCrとRuとを含む下地層を作製し、その下地層の上に前記合金を成膜することを特徴とする請求項8乃至13のいずれか1項に記載のMn系強磁性薄膜の製造方法。
  15. 前記下地層は、層厚20 nm〜40 nmで作製することを特徴とする請求項14記載のMn系強磁性薄膜の製造方法。
  16. 前記下地層は、室温で前記基板上に成膜した後、熱処理を行って作製することを特徴とする請求項14または15記載のMn系強磁性薄膜の製造方法。
  17. スパッタリングにより、MnAl合金層の表面に、Co,Fe,Cr,NiおよびCuのうちのいずれか1つまたは2つ以上を有する金属を成膜することを特徴とするMn系強磁性薄膜の製造方法。
  18. 前記MnAl合金層は基板上に設けられ、前記基板を200℃〜350℃に加熱した状態でスパッタリングを行うことを特徴とする請求項17記載のMn系強磁性薄膜の製造方法。
  19. 前記MnAl合金層は層厚が1.2乃至50nmであり、スパッタリングにより前記金属を0.8乃至1.7nmの厚さで成膜することを特徴とする請求項17または18記載のMn系強磁性薄膜の製造方法。
  20. 前記MnAl合金層は、Mnを50〜60at%含み、Alを40〜50at%含むことを特徴とする請求項17乃至19のいずれか1項に記載のMn系強磁性薄膜の製造方法。
  21. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載のMn系強磁性薄膜を有することを特徴とする磁気トンネル接合素子。


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